説明

遊技機

【課題】遊技島への球受けタンクの設置、あるいは機種変更に伴う位置調節の作業性を向上する。
【解決手段】幕板70の上面71に、遊技補助盤43に形成されたアウト球排出口61の右端(裏から見たときの左端)に対応する右方限界目印81と、球抜き排出口62の左端(裏から見たときの右端)に対応する左方限界目印82とを、幕板前縁に底辺が達し、幕板後縁に頂点が達する二等辺三角形状の凹部として、幕板70と一体成形により形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、パチンコ球を用いる遊技機(パチンコ機、アレンジボール機、雀球機、スロットマシンなど)において、遊技済みパチンコ球を遊技島内部の回収樋を用いて回収するために遊技機毎に設置される球受けタンクの設置方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、パチンコ機を設置した遊技島においては、各パチンコ機から遊技済みパチンコ球(アウト球やセーフ球)を回収し、研磨装置等で所定の処理を施して、循環させるシステムが採用されている。
【0003】
このため、遊技島の内部には、各パチンコ機毎に球受けタンクを設置し、各球受けタンクから回収樋へとパチンコ球を返却する回収システムが設置されている。
【0004】
ところで、パチンコ機のアウト球やセーフ球の排出口は、それぞれのメーカーによって異なっているため、遊技島に設置されるパチンコ機が異なるメーカーのものに交換される毎に、球受けタンクの設置位置を調整・変更等する必要があった。
【0005】
このため、従来、球受けタンクに対して種々の工夫が提案されている。
【0006】
特許文献1は、タンク支持部材3に開けられた4個の長孔5にピン19を上方から挿入し、ロックベース11に対し前後方向に滑動可能とすると共に、ロックベース11の上方2箇所に1対の左右スライド金具6を設け、ロックベース11と左右スライド金具6で左右方向にも滑動可能にした球受けタンクの取付け装置を提案している(図6(A)参照)。
【0007】
特許文献2は、球受けタンク部41のパチンコ機側の壁面を低くして溢れ防止部材48及び押え板49を取り付ける様にして、機種が変更されたときの干渉を回避することを提案している(図6(B)参照)。
【0008】
特許文献3は、タンク部材20で受けたアウト球を整列させる転送通路34を、タンク支持部材30の前後方向に延びて前方へ突出するよう形成し、アウト球受けタンク10の取付装置には、取付けベースA上に固定されるレール部材70と、レール部材70に移動可能に嵌合してタンク支持部材30を支持するスライド部材40と、ロック部材50,60とを備えさせることを提案している(図6(C)参照)。
【0009】
特許文献4は、球受けタンク部41に形成される係合支柱53a,53bを、該球受けタンク部41を係合支持し且つ設置島台に固着される取付ベース部42に形成されるいずれかの係合角穴72a,72b、73a,73b、74a,74bに係合可能に構成し、球受けタンクの取付位置を簡単に変更することを提案している(図6(D)参照)。
【0010】
特許文献5は、パチンコ機の機種によるアウト球の排出量や設置位置の変化に対応するために、上タンクA1及び下タンクA2を、コ字状の周壁1,2に対する開放側を、互いに向かい合わせてスライドすることにより、前後方向に広くしたり狭くしたりするものとし、球受けタンク本体は、取付台に対して上下方向及び左右方向に調節できるような構成の取付手段を採用することを提案している(図6(E)参照)。
【0011】
特許文献6は、受皿と誘導樋を別体に構成して、左右のみならず前後方向にも容易に調整してアウト球を確実に受け入れるようにできる球受けタンクを提案している(図6(F)参照)。
【0012】
特許文献7は、排出球を球回収樋に向けて返却するための球返却口13R,13Lを複数備えた球返却部14を備え、球誘導部材15をどちらの球返却口13R,13Lに向けて取り付けるかによって返却口を変更する様にした球受けタンクを提案している(図6(G)参照)。
【0013】
特許文献8は、台本体10及び回収ボックス20の、パチンコ機とは反対側となる面に第1ヒンジ部11及び第2ヒンジ部21をそれぞれ設けて、これらの第1及び第2ヒンジ部11,21を、パチンコ機と略平行となるヒンジピン40にて連結することにより、台本体10を台枠200上に固定したままの状態で、回収ボックス20をパチンコ島の中央側に回動し得るようにしたアウト球回収装置100を提案している(図6(H)参照)。
【0014】
特許文献9は、パチンコ機2の背面側の取付ベース1上に球受けタンク4を設け、該球受けタンク上に球受皿22を前後方向に移動可能に支持するとともに、該球受皿を前方向に付勢するバネ29を設けることにより該球受皿をパチンコ機背面の球排出口31の下部に延出させ、かつ該球受皿の移動状態を検出する検知スイッチ25を設けることを提案している(図6(I)参照)。
【特許文献1】特開平3−191972号公報
【特許文献2】特開平5−15645号公報
【特許文献3】特開平5−137839号公報
【特許文献4】特開平9−155034号公報
【特許文献5】特開平10−277227号公報
【特許文献6】特開2000−350840号公報
【特許文献7】特開2002−253803号公報
【特許文献8】特開2005−287692号公報
【特許文献9】特開2005−348892号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
この様に、種々の遊技機並びに周辺機器メーカーから、球受けタンクに関して種々の提案がなされ、遊技島に設置する機種を変更した場合にも位置調整等の対応ができる様になった。
【0016】
しかしながら、これらの球受けタンクは遊技島の内部に設置されるものであると共に、中枠を閉じた状態で遊技済みパチンコ球の排出口の位置を確認しながら作業する必要があるため、中枠を閉じた状態で遊技島の内部から位置合わせする作業が必要になる。このため、狭く、かつ、種々の設備・機器が設置された作業性の悪い環境での位置合わせ作業を強いられるという問題がある。
【0017】
また、種々の球受けタンクがあることにより、島に設置する遊技機の仕様に従うだけでなく、当該遊技場が採用している球受けタンクの位置調整方法にも従わなければならず、その作業は複雑で煩雑なものとなる。特に、一つの遊技島に対して複数のメーカーの遊技機を設置する場合、さらに、作業は複雑かつ煩雑なものとなる。
【0018】
そこで、本願は、遊技場が採用している球受けタンクの位置調整方法に従って、中枠を閉じない状態で遊技島の外側からの作業で球受けタンクの設置位置を確実かつ容易に調整可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するためになされた本発明の遊技機は、
(1)外郭をなす外枠と、
(2)該外枠に着脱及び開閉可能に組み付けられ、遊技盤が保持される中枠と、
(3)該中枠の前側に開閉可能に組み付けられ、遊技盤を透視保護する前枠と、
(4)前記中枠の前記遊技盤組み付け位置の下方に組み付けられ、前記遊技盤から排出される遊技済みのパチンコ球の排出経路が形成された遊技補助盤と
を備え、以下の構成を備えたことを特徴とする。
(11)前記外枠の前記中枠の開閉経路の直下を構成する外枠下部上面に、前記中枠を閉じたときに前記遊技補助盤に形成された前記排出経路の排出口をカバーする左右方向の範囲を示す目印を表示したこと。
(12)前記目印は、前記外枠下部上面に形成した凹部によって構成されていること。
【0020】
本発明の遊技機によれば、遊技島に外枠を設置した状態で、外枠下部上面の目印に従って遊技島内の球受けタンクで左右方向にカバーすべき範囲を確認しながら球受けタンクの設置あるいは位置調整を行うことができる。従って、中枠を取り付ける前の遊技島の外側からの作業によって確実かつ容易に球受けタンクを設置することができる。また、目印は凹所によって構成されているので、外枠に組み付けた中枠の開閉に対して干渉することがない。なお、球受けタンクの設置作業は、外枠に対して中枠を組み付けた状態で、中枠を開いて実施することもできる。この場合も、遊技島の外側からの作業で球受けタンクの設置及び位置調節が可能である。
【0021】
ここで、本発明の遊技機は、さらに、以下の構成を備えることが望ましい。
(21)前記目印は、前記外枠下部上面に左右方向に離間して形成される左方限界目印と右方限界目印とから構成したこと。
【0022】
目印を左右方向に離間して形成される左方限界目印と右方限界目印によって構成することにより、遊技盤から後方に排出される遊技済みのパチンコ球の放出される範囲を明確に知ることができ、球受けタンクの設置作業が容易になる。また、左方限界目印と右方限界目印によって構成することにより、両目印間に、目印の意味や球受けタンクの設置方法を説明するシール等の貼付領域を設けることができる。なお、このシール等の貼付領域は、シール等を貼付したときに中枠の開閉動作の妨げにならない様に、平坦面を有する凹所として形成するとよい。
【0023】
また、本発明の遊技機は、以下の構成を備えるものとして構成することができる。
(31)前記遊技補助盤には、前記排出経路として、アウト球排出経路及びセーフ球排出経路と、それぞれの排出口とが形成されていること。
(32)前記左方限界目印及び右方限界目印は、前記アウト球排出経路及びセーフ球排出経路の各排出口からのパチンコ球放出範囲の両方を同時にカバーする範囲を示す目印として構成されていること。
【0024】
同じく、本発明の遊技機は、以下の構成を備えるものとして構成することができる。
(41)前記遊技補助盤には、前記排出経路として、アウト球排出経路、セーフ球排出経路及び両排出経路を合流させる集合排出路と、該集合排出路の排出口とが形成されていること。
(42)前記左方限界目印及び右方限界目印は、前記集合排出路の排出口からのパチンコ球放出範囲をカバーする範囲を示す目印として構成されていること。
【0025】
さらに、これら本発明の遊技機は、さらに、以下の構成を備えるものとして構成することが望ましい。
(51)前記目印は、前記中枠に設けられた賞球払出装置等のパチンコ球貯留部分からの球抜き経路の排出口をもカバーする様に構成されていること。
【0026】
この様に構成することで、遊技機の中枠に取り付けられる遊技補助盤に形成される遊技済みパチンコ球の排出経路や中枠に形成される球抜き経路の構成に応じて、アウト球及びセーフ球、さらには、賞球払出装置から球抜きされるパチンコ球を球受けタンクによって受け止めることができる。また、この様に、同じ外枠に取り付けられる場合にも中枠側の遊技済みパチンコ球の排出経路や球抜き経路が設計上変更された場合に、外枠下部上面の目印を当該変更に合わせて表示することで、正しい位置へと球受けタンクを設置することができ、そのための作業を遊技島の外側からの作業で実行することができる。
【0027】
ここで、これら本発明の遊技機は、さらに、以下の構成を備えるものとして構成することが望ましい。
(61)前記目印を表示される外枠下部は、外枠本体に対して着脱可能な装飾用の合成樹脂製で、背面側が開放された箱板状構造の幕板で構成されていること。
(62)前記目印は、前記幕板の上面の前縁に底辺が達し、後方に向かう頂点が該底辺の左右端よりも外へはみ出さない様な三角形状若しくは台形状の凹所として一体成形されていること。
【0028】
着脱可能な幕板の上面に目印を設けることで、上述の様な設計上の変更に対して、外枠本体は共通で、幕板を当該遊技機用のものに取り替えるだけで上述した各種の作用・効果を発揮することができる。しかも、(62)の構成を採用することにより、凹所として中枠開閉時の干渉を避けることのできる目印を、射出成形により幕板と一体に形成することができる。即ち、底辺が前縁に達すると共に後方に向かっては底辺の左右にはみ出さない形状とすることで、射出成形型を前後方向に容易に型開きすることができ、割型等の複雑な金型を用いることなく球受けタンク設置位置確認のための目印を幕板と一体に形成することができるのである。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、遊技場が採用している球受けタンクの位置調整方法に従って、中枠を開いた状態あるいは中枠を取り付ける前の状態で、遊技島の外側からの作業で確実かつ容易に球受けタンクを設置し、あるいは機種変更に伴う位置調節をすることができ、遊技機設置に際しての作業性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を具体化した一実施形態のパチンコ機を図1〜図4に基づき詳細に説明する。なお本実施形態において「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示す様にパチンコ機を正面側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【0031】
実施形態としてのパチンコ機10は、図1に示す様に、矩形枠状に形成されて図示しない遊技店に固定される外枠11の開口前面側に、遊技盤18を保持した中枠12がヒンジ手段および施錠手段を介して開閉および着脱可能に組付けられている。この中枠12の前面側には、中枠12に保持した遊技盤18を透視保護するガラス板13aを備えた前枠13が開閉可能に組付けられると共に、この前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球皿15が開閉可能に組付けられる。なお、本実施形態では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球皿14が一体的に組付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球皿14も一体的に開閉するよう構成されている。また、中枠12における下球皿15の右側には、回動操作可能なハンドル部材16が配設されており、ハンドル部材16の回動操作により上球皿14に貯留したパチンコ球が遊技盤18の盤面に向けて打出されるようになっている。また、遊技盤18の遊技領域下部中央には、アウト口20が形成されている。
【0032】
中枠12は、図2〜図4に示す様に、上縁をなす上枠部材21と、下縁をなし、スピーカや打球発射装置等を設置する設置部材として機能する下枠部材22と、左側縁をなす左枠部材23と、右側縁をなす右枠部材24とから構成されて、これら上下左右の枠部材21,22,23,24を組付けた際に、全体が外枠11の開口領域に整合する大きさに形成される。ここで、上下の枠部材21,22は合成樹脂成形されると共に、左右の枠部材23,24はアルミ等の金属材により成形されて、中枠12全体としての剛性を確保しつつ軽量化が図られている。そして、上下左右の枠部材21,22,23,24を組付けた際に前後に開口する開口領域12aに、遊技盤18を設置するよう構成されている。このとき、上下左右の枠部材21,22,23,24が、遊技盤18における上下左右の対応する端面に対して所要のクリアランスを介して対向するようになっている。但し、下枠部材22の左右両側における上端面の一部に遊技盤18の下端面が当接して、遊技盤18の下方の位置決めがなされる。下枠部材22の裏面には、遊技補助盤(機構セット盤)43が取り付けられている。
【0033】
また、上枠部材21の本体の裏側には、パチンコ球を貯留可能な球タンク26や、球タンク26に貯留したパチンコ球を一列に整列するタンクレール34が設けられている。また、タンクレール34から遊技補助盤43まで到来する球通路ユニット50が、中枠12に対して左方に偏った位置に設けられている。そして、遊技島に設けられた球供給設備から球タンク26に供給されたパチンコ球は、タンクレール34および球通路ユニット50に設けられた払出通路54を介して上下の球皿14,15に払い出される様になっている。このパチンコ球の払出は、球通路ユニット50の下部に取り付けられている電動制御式球払出装置101により実施される。また、球通路ユニット50には、遊技島に設けられる球回収樋(図示せず)にパチンコ球を排出する球抜き通路59も形成されている。
【0034】
遊技補助盤43には、遊技盤18のアウト口20から排出される遊技済みのパチンコ球の排出経路と、球抜き通路59を介して排出されるパチンコ球の排出経路が形成されている。なお、遊技盤18の入賞口に入賞したパチンコ球(セーフ球)は、遊技補助盤43内で、アウト口20からのパチンコ球の排出経路と合流された集合排出路60を経て排出される様になっている。そして、この集合排出路60を経て排出されるアウト球及びセーフ球は、図2,図4に示す様に、遊技補助盤43の中央下部から裏面に突出形成されたアウト球排出口61を介して遊技島内へと排出される。また、球通路ユニット50の球抜き通路59から排出されるパチンコ球は、遊技補助盤43の左側下部(裏から見た場合の右側下部)から裏面に突出形成された球抜き排出口62を介して遊技島内へと排出される。このため、これらアウト球排出口61及び球抜き排出口62から排出されるパチンコ球を遊技島内に設置される球回収樋へと回収するために、遊技島の中には、各パチンコ機毎に球受けタンク90が設置される、この球受けタンク90は、球回収樋へのホッパの役割を果たしている。
【0035】
本実施形態のパチンコ機10では、図1,図3,図4に示す様に、外枠11の下部に、背面側が開放された箱板状構造の幕板70が取り付けられている。この幕板70は、外枠11に対して着脱可能な装飾用の合成樹脂製で、中枠12の開閉経路の直下に位置する。
【0036】
この幕板70の上面71には、図3,図4に示す様に、遊技補助盤43に形成されたアウト球排出口61の右端(裏から見たときの左端)に対応する位置に形成された右方限界目印81と、球抜き排出口62の左端(裏から見たときの右端)に対応する位置に形成された左方限界目印82とが表示されている。
【0037】
これらの目印81,82は、幕板70の前縁に底辺が達し、幕板70の後縁に頂点が達する二等辺三角形状の凹部として、合成樹脂製の幕板70と一体成形により形成されている。
【0038】
以上の様に構成された本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技島に外枠11を設置したときに、幕板70の上面の目印81,82に従って、左方限界と右方限界を確認しながら球受けタンクの設置あるいは位置調整を行うことができる。従って、中枠12を開いた状態あるいは中枠12を取り付ける前の遊技島の外側からの作業によって確実かつ容易に球受けタンクを設置することができる。また、目印81,82は凹所によって構成されているので、外枠11に組み付けた中枠12の開閉に対して干渉することがない。
【0039】
また、目印81,82を左右方向に離間して形成される左方限界目印82と右方限界目印81によって構成したので、パチンコ機10から後方に排出される遊技済みのパチンコ球及び球抜き通路からのパチンコ球の放出される範囲を明確に知ることができ、球受けタンクの設置作業が容易である。なお、左方限界目印82と右方限界目印81の間に、図5に示す様に、目印の意味や球受けタンクの設置方法を説明するシール等の貼付領域110を設けることができる。このシール等の貼付領域110は、シール等を貼付したときに中枠12の開閉動作の妨げにならない様に、平坦面を有する凹所として形成するとよい。
【0040】
さらに、本実施形態によれば、着脱可能な幕板70の上面に目印81,82を設けることで、設計上の変更に対して、外枠11本体は共通で、幕板70を当該パチンコ機用のものに取り替えるだけで上述した各種の作用・効果を発揮することができる。しかも、目印81,82を、背面側が開放された箱板状構造の幕板70の前縁に底辺が達し、後縁に頂点が達する二等辺三角形状の凹部としたので、中枠12の開閉時の干渉を避けることのできる目印81,82を、射出成形により幕板70と一体成形で容易に形成することができる。
【0041】
従って、本実施形態によれば、遊技場が採用している球受けタンクの位置調整方法に従って、中枠12を開いた状態あるいは中枠12を取り付ける前の状態において、遊技島の外側からの作業で確実かつ容易に球受けタンクを設置し、あるいは機種変更に伴う位置調節をすることができ、遊技機設置に際しての作業性を向上することができる。
【0042】
以上、発明を実施するための最良の形態としての一実施形態を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。
【0043】
例えば、目印81,82としてシールを貼付する構成としてもよい。また、二等辺三角形の目印に限らず、矢印等にしても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】実施形態のパチンコ機の正面図である。
【図2】実施形態のパチンコ機の要部の正面からの斜視図である。
【図3】実施形態のパチンコ機において中枠を開いた状態の要部の正面からの斜視図である。
【図4】実施形態のパチンコ機を示し、(A)は背面図、(B)は幕板上面で切断した平面図である。
【図5】変形例としてのパチンコ機の幕板上面で切断した平面図である。
【図6】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
【0045】
10・・・パチンコ機
11・・・外枠
12・・・中枠
12a・・・開口領域
13・・・前枠
13a・・・ガラス板
14・・・上球皿
15・・・下球皿
16・・・ハンドル部材
18・・・遊技盤
20・・・アウト口
21・・・上枠部材
22・・・下枠部材
23・・・左枠部材
24・・・右枠部材
26・・・球タンク
34・・・タンクレール
43・・・遊技補助盤(機構セット盤)
50・・・球通路ユニット
54・・・払出通路
59・・・球抜き通路
60・・・集合排出路
61・・・アウト球排出口
62・・・球抜き排出口
70・・・幕板
71・・・幕板上面
81・・・右方限界目印
82・・・左方限界目印
90・・・球受けタンク
101・・・電動制御式球払出装置
110・・・シール等の貼付領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)外郭をなす外枠と、
(2)該外枠に着脱及び開閉可能に組み付けられ、遊技盤が保持される中枠と、
(3)該中枠の前側に開閉可能に組み付けられ、遊技盤を透視保護する前枠と、
(4)前記中枠の前記遊技盤組み付け位置の下方に組み付けられ、前記遊技盤から排出される遊技済みのパチンコ球の排出経路が形成された遊技補助盤と
を備え、以下の構成を備えたことを特徴とする遊技機。
(11)前記外枠の前記中枠の開閉経路の直下を構成する外枠下部上面に、前記中枠を閉じたときに前記遊技補助盤に形成された前記排出経路の排出口をカバーする左右方向の範囲を示す目印を表示したこと。
(12)前記目印は、前記外枠下部上面に形成した凹部によって構成されていること。
【請求項2】
さらに、以下の構成を備えていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
(21)前記目印は、前記外枠下部上面に左右方向に離間して形成される左方限界目印と右方限界目印とから構成したこと。
【請求項3】
さらに、以下の構成を備えていることを特徴とする請求項2記載の遊技機。
(31)前記遊技補助盤には、前記排出経路として、アウト球排出経路及びセーフ球排出経路と、それぞれの排出口とが形成されていること。
(32)前記左方限界目印及び右方限界目印は、前記アウト球排出経路及びセーフ球排出経路の各排出口からのパチンコ球放出範囲の両方を同時にカバーする範囲を示す目印として構成されていること。
【請求項4】
さらに、以下の構成を備えていることを特徴とする請求項2記載の遊技機。
(41)前記遊技補助盤には、前記排出経路として、アウト球排出経路、セーフ球排出経路及び両排出経路を合流させる集合排出路と、該集合排出路の排出口とが形成されていること。
(42)前記左方限界目印及び右方限界目印は、前記集合排出路の排出口からのパチンコ球放出範囲をカバーする範囲を示す目印として構成されていること。
【請求項5】
さらに、以下の構成を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の遊技機。
(51)前記目印は、前記中枠に設けられた賞球払出装置等のパチンコ球貯留部分からの球抜き経路の排出口をもカバーする様に構成されていること。
【請求項6】
さらに、以下の構成を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の遊技機。
(61)前記目印を表示される外枠下部は、外枠本体に対して着脱可能な装飾用の合成樹脂製で、背面側が開放された箱板状構造の幕板で構成されていること。
(62)前記目印は、前記幕板の上面の前縁に底辺が達し、後方に向かう頂点が該底辺の左右端よりも外へはみ出さない様な三角形状若しくは台形状の凹所として一体成形されていること。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−101070(P2009−101070A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−277741(P2007−277741)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】