説明

遊技機

【課題】遊技状態が確率変動状態であるか否かを秘匿する秘匿状態の生起時は勿論のこと当該秘匿状態の生起後においても遊技者の確率変動状態への関心を高める演出を行うことで、秘匿状態の生起中の演出に対する興趣の向上を図る。
【解決手段】チャンスモードでは、図6のように、期待度メータMと示唆ゲージGを出現させ、示唆ゲージGの示唆位置により確変状態への期待度を遊技者に示唆するようにした。そして、チャンスモードへ移行時には大当り遊技終了後の遊技状態に応じて初期設定位置を決定するようにした。また、チャンスモード中、共通演出、又は敵殲滅演出を伴う図柄変動ゲームでは、演出用ボタンの操作に基づき、示唆位置を遊技状態に応じた変化率で変化させるようにした。したがって、チャンスモードへの移行時は勿論のこと当該チャンスモード中においても遊技者の確変状態への関心を高める演出を実行可能に構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大当り判定手段の判定結果が肯定の場合には大当り遊技が行われ、確変判定手段の判定結果が肯定の場合には前記大当り遊技の終了後に確率変動状態が付与される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、大入賞口を開放する大当り遊技が行われ、該大当り遊技終了後、大当りの当選確率が低確率である通常確率から高確率に変動する確率変動状態、又は大当りの当選確率が通常確率である非確率変動状態を付与するものが提供されている。すなわち、このようなパチンコ遊技機において遊技状態は、大当り遊技を契機に確率変動状態、又は非確率変動状態に移行するように構成されている。さらに、このようなパチンコ遊技機では、大当り遊技終了後、遊技状態が確率変動状態であるか否かを遊技者に秘匿する秘匿状態を生起させるものもあった(例えば、特許文献1)。そして、特許文献1では、大当り遊技終了後、遊技状態が確率変動状態であるか否かを遊技者に秘匿する秘匿状態を生起させることで、遊技者にその内部状態(遊技状態)の変化を推測させて興趣を向上させていた。
【特許文献1】特開2007−125320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1において、秘匿状態であることを報知する「特別モード」の演出としては、1種類(三日月が描かれた夜の背景)のみを設けて演出内容の変化から(昼の背景から夜の背景に変化する)秘匿状態に移行したことを遊技者に認識させるようになっていた。すなわち、遊技者は、遊技状態が確率変動状態に移行したか否かは、特別モードの演出により秘匿状態に移行したか否かのみにより推測するしかなかった。その一方で、近年では、秘匿状態である特別モードに移行するか否かだけでなく、特別モードの移行後においても遊技者にその内部状態(遊技状態)の変化を推測させて特別モード(秘匿状態)中の興趣を向上させることが望まれている。
【0004】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、遊技状態が確率変動状態であるか否かを秘匿する秘匿状態の生起時は勿論のこと当該秘匿状態の生起後においても遊技者の確率変動状態への関心を高める演出を行うことで、秘匿状態の生起中の演出に対する興趣の向上を図り得る遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームを行う表示手段と、前記図柄変動ゲームの始動条件の成立を契機に大当りとするか否かを判定する大当り判定手段と、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合に大当りの抽選確率が低確率である通常状態から高確率である確率変動状態に変動させるか否かを判定する確変判定手段とを備え、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合には大当り遊技が行われるとともに、前記確変判定手段の判定結果が肯定の場合には前記大当り遊技の終了後に確率変動状態が付与される遊技機において、遊技者が操作可能な演出用操作手段と、前記大当り判定手段の判定結果に基づき、前記図柄変動ゲームの変動内容を特定可能な変動パターンを複数種類の中から決定する変動パターン決定手段と、前記図柄変動ゲーム中に前記確率変動状態への期待度を前記確率変動状態への期待度が最も低い最低段階から前記確率変動状態への期待度が最も高い最高段階に亘る複数段階に跨って遊技者に示唆し、各段階に応じた報知態様に変化可能な期待度示唆手段と、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに基づき前記期待度示唆手段の報知態様を変化させることで前記確率変動状態である可能性を遊技者に示唆する示唆演出を実行させるか否かを判定する示唆演出判定手段と、前記示唆演出判定手段で前記示唆演出の実行を決定している場合の図柄変動ゲーム中に前記演出用操作手段の操作を有効とする操作有効期間を設定する有効期間設定手段と、前記操作有効期間中に前記演出用操作手段が操作されたか否かを判定する操作判定手段と、前記示唆演出を実行させる場合に前記有効期間設定手段が前記操作有効期間を設定するのに先立って前記示唆演出の実行を予告する予告演出の実行を予告手段に指示する予告指示手段と、前記大当り遊技終了後、当該大当り遊技終了後の遊技状態が前記確率変動状態であるか否かを秘匿する秘匿状態を生起させ、該秘匿状態の生起中に前記期待度示唆手段を制御する秘匿演出制御手段と、を備え、前記秘匿演出制御手段は、前記秘匿状態を生起させるに際し、前記大当り遊技終了後の次の図柄変動ゲームが開始されるまでに前記期待度示唆手段の初期段階位置を前記最低段階から前記最高段階までのいずれかの段階となるように前記大当り遊技終了後に付与される遊技状態に応じて決定して、前記大当り遊技終了後の次の図柄変動ゲームの開始に伴って決定した初期段階位置になるように前記期待度示唆手段の報知態様を制御し、前記秘匿状態の生起中、前記示唆演出判定手段の判定結果が肯定とされる場合、前記図柄変動ゲーム中に前記予告演出の実行が指示された後、前記操作判定手段で演出用操作手段が操作されたと判定されることを契機に遊技状態に応じて前記期待度示唆手段の報知態様の変化割合を決定するようになっており、前記確率変動状態であるときには前記確率変動状態でないときよりも滞在している段階から前記最高段階に到達し易いように前記変化割合を決定し、決定した変化割合分だけ前記期待度示唆手段の報知態様を変化させることで前記確率変動状態である可能性を遊技者に示唆することを特徴とする遊技機。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記秘匿演出制御手段は、前記秘匿状態の生起中、前記示唆演出判定手段の判定結果が否定である場合にも前記図柄変動ゲーム中に前記期待度示唆手段の報知態様を変化可能に構成されており、前記期待度示唆手段の報知態様を変化させるときには前記図柄変動ゲームの開始に伴って前記変化割合を前記確率変動状態であるときに前記確率変動状態でないときよりも滞在している段階から前記最高段階に到達し易いように前記変化割合を決定し、決定した変化割合分だけ前記期待度示唆手段の報知態様を変化させることを要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、前記秘匿演出制御手段は、前記秘匿状態の生起中、前記示唆演出判定手段の判定結果が否定である場合に前記期待度示唆手段の報知態様を変化させるときには前記変動パターン決定手段で決定された変動パターンが前記大当り判定手段で大当りを決定している場合に決定される変動パターンであることを条件に、前記遊技状態にかかわらず前記変化割合として前記期待度示唆手段の報知態様を前記最高段階まで一気に変化させる割合を決定し得ることで、前記期待度示唆手段の変化態様から前記大当り判定手段の判定結果を遊技者に示唆し得るように構成されたことを要旨とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機において、前記秘匿演出制御手段は、前記秘匿状態の生起中、前記示唆演出判定手段の判定結果が肯定である場合、前記操作有効期間中に前記演出用操作手段が操作された操作回数が所定回数以上であるときに前記操作回数が所定回数よりも少ないときよりも前記変化割合として滞在している段階から前記最高段階に到達し易いように前記変化割合を決定するようになっており、前記演出用操作手段が操作された回数が所定回数以上であるときにのみ前記確率変動状態であることを条件に、前記変化割合として前記期待度示唆手段の報知態様を前記最高段階まで一気に変化させる割合を決定するように構成されたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遊技状態が確率変動状態であるか否かを秘匿する秘匿状態の生起時は勿論のこと当該秘匿状態の生起後においても遊技者の確率変動状態への関心を高める演出を行うことで、秘匿状態の生起中の演出に対する興趣の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図19にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10と該パチンコ遊技機10が遊技場の遊技機設置設備(遊技島)に設置された際に並設される遊技媒体貸出用ユニットとしてのカードユニット装置11が略示されている。カードユニット装置11には、遊技者に貸し出される貸出用遊技媒体としての遊技球(貸し球)と交換可能な交換媒体としてのプリペイドカードを投入するための投入口11aが設けられている。カードユニット装置11は、投入されたプリペイドカードの価値を読み書き可能な構成となっている。具体的に言えば、カードユニット装置11は、投入時にプリペイドカードの残金(価値)を読込むとともに、貸し球の払出しに伴ってプリペイドカードの残金(価値)を書き替える。
【0011】
パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠12の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠13が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠13の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠13に重なるように組み付けられている。このため、中枠13は、前枠14の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠14は、中央部に窓口15を有するとともに、該窓口15の下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)16を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口15を覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠13に装着される。また、前枠14には、窓口15のほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部を構成する上側枠用ランプ部17と、左側枠用ランプ部18と、右側枠用ランプ部19とが配置されている。各枠用ランプ部17,18,19は、前枠14の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズ17a,18a,19aで覆って構成されている。
【0012】
前枠14には、窓口15の左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う左スピーカ20と、右スピーカ21とが配置されている。左スピーカ20と右スピーカ21は、前枠14の裏面に装着されており、該前枠14の前面であって左スピーカ20及び右スピーカ21の装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
【0013】
中枠13の前面側であって前枠14の下部には、上皿16から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)23が装着されている。また、中枠13の前面側であって下皿23の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル24が装着されている。また、前枠14には、下皿23の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ25が配置されている。下スピーカ25は、中枠13に装着されている。
【0014】
上皿16には、その左方側に機内部から払出される遊技球の払出口16aが設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路16bが連設されており、さらに右方側に貯留通路16b内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿16に貯留された遊技球は、貯留通路16bにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル24の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下皿23には、上皿16から溢れ出て流下した遊技球の出口23aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部23bが遊技球の出口23aに連設されている。
【0015】
遊技盤YBの遊技領域H1のほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)27が装着されている。表示枠体27の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口27aが形成されており、当該セット口27aに整合して表示枠体27には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示装置28が装着されている。演出表示装置28には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置28の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置28の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。また、表示枠体27には、発光により発光演出を行う盤用ランプ部27bが装着されている。
【0016】
また、表示枠体27の左下方には、表示手段としての特別図柄表示装置30が設けられている。特別図柄表示装置30は、例えば7セグメントLED型の発光装置から構成されている。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。そして、本実施形態では、特別図柄として、100種類の大当り図柄と、1種類のはずれ図柄が用意されている。
【0017】
演出表示装置28と特別図柄表示装置30では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置30では特別図柄の変動が開始する一方で、演出表示装置28では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、演出表示装置28と特別図柄表示装置30には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り図柄又ははずれ図柄が確定的に停止表示される。このとき、特別図柄表示装置30と演出表示装置28では、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合には何れの表示装置にも大当り図柄が確定的に停止表示(確定停止表示)され、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示装置にもはずれ図柄が確定停止表示される。大当り図柄は、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものであり、はずれ図柄は、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。
【0018】
本実施形態において演出表示装置28の図柄変動ゲームで導出される大当り図柄とはずれ図柄は、各列に導出された飾り図柄の組み合わせによって構成されるとともに、例えば、大当り図柄は全列が同一の飾り図柄からなる組み合わせで構成される一方で、はずれ図柄は全列が同一の飾り図柄にならない組み合わせで構成される。本実施形態において演出表示装置28には、各列毎に、「1」〜「8」までの数字が装飾された図柄が飾り図柄として表示されるようになっている。本実施形態では、特別図柄表示装置30で大当り図柄が導出される場合に、全列が同一の飾り図柄からなる組み合わせで構成される図柄組み合わせが遊技者に大当りを視認させることができる大当り図柄である。
【0019】
また、本実施形態において、演出表示装置28における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置28において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾図が停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾図が同一種類となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾図が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾図によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾図を一旦停止表示させる左列が第1停止図柄列になるとともに、次に飾図を一旦停止表示させる右列が第2停止図柄列になり、さらに最後に飾図を一旦停止表示させる中列が第3停止図柄列となる。
【0020】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置28の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置30の表示領域よりも大きく形成し、演出表示装置28を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置30よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出が行われる演出表示装置28の表示内容に注目し、該演出表示装置28の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識し得るように構成されている。
【0021】
また、表示枠体27の右下方には、普通図柄表示装置31が設けられている。普通図柄表示装置31は、例えば7セグメントLED型の発光装置から構成されている。普通図柄表示装置31では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う当りか否か(開閉羽根35の開動作により下始動入賞口34を開放するか否か)の内部抽選(当り抽選)の抽選結果を表示する。そして、本実施形態の普通図柄表示装置31では、当り抽選で当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで当り図柄が確定停止表示される一方で、当り抽選ではずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームではずれ図柄が確定停止表示される。
【0022】
また、表示枠体27の下方の遊技領域H1には、遊技球の入球口33aを有する始動口装置としての上始動入賞口33と遊技球の入球口34aを有する始動口装置としての下始動入賞口34が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口33は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口33aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口34は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根35を備えており、開閉羽根35が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口34aを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口34は、開閉羽根35が開動作して入球口34aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。
【0023】
上始動入賞口33の奥方には、入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1(図2に示す)が配設されているとともに、下始動入賞口34の奥方には、入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2(図2に示す)が配設されている。上始動入賞口33と下始動入賞口34は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口34は開閉羽根35が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根35が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球の入球が不能となる状態とされる。
【0024】
また、下始動入賞口34の下方の遊技領域H1には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉36を備えた大入賞口37が配設されている。大入賞口37の奥方には、入球した遊技球を検知するセンサ(図示しない)が配設されている。大入賞口37は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0025】
そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉36が開動作して大入賞口37が開放され、その開放により遊技球の入球が許容される。このため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示されることを契機に付与される。
【0026】
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉36の開動作により大入賞口37が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数(ラウンド遊技の上限回数)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過する、又は予め定めた入球上限個数の遊技球が入球するの何れか一方の条件を満たすことにより終了する。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
【0027】
また、表示枠体27の左方の遊技領域H1には、普通図柄作動ゲートSGが配設されている。普通図柄作動ゲートSGの奥方には、該普通図柄作動ゲートSGへ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW3(図2に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲートSGは、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件のみを付与し得る。
【0028】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、上始動入賞口33又は下始動入賞口34へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球の個数を記憶し、特別図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板40の主制御用RAM40c)で記憶するようになっている。特別図柄用の保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。特別図柄用の保留記憶数は、上始動入賞口33又は下始動入賞口34に遊技球が入賞することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に上始動入賞口33又は下始動入賞口34へ遊技球が入賞すると、特別図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。そして、機内部で記憶した特別図柄用の保留記憶数は、図1において表示枠体27の右下方(演出表示装置28の右下方)に配置した特図保留記憶数表示部TRにより、遊技者に報知される。
【0029】
特図保留記憶数表示部TRは、4つの保留ランプTRa〜TRdからなる発光手段によって構成されている。そして、特図保留記憶数表示部TRは、保留ランプTRa〜TRdの点灯個数により保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知する構成となっている。例えば、1つの保留ランプTRaのみが点灯している場合には1回の図柄変動ゲームが保留中であることを示し、全ての保留ランプTRa〜TRdが点灯している場合には4回の図柄変動ゲームが保留中であることを示している。
【0030】
そして、図柄変動ゲームの終了時に、大当り遊技が開始されることがないとともに特別図柄用の保留記憶数が存在しない(0(零)である)場合、図柄変動ゲームが行われていない状態(変動停止中)となる。すなわち、図柄変動ゲームが途切れている次回の図柄変動ゲームの開始を待機する待機状態となる。待機状態は、一旦生起させると該待機状態中に図柄変動ゲームの始動条件が成立することを終了条件として該終了条件が成立するまで継続される。なお、待機状態中には、該待機状態であることを示すデモンストレーション演出が実行されるようになっている。
【0031】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、普通図柄作動ゲートSGへ遊技球が入球し通過した場合、その通過した遊技球の個数を記憶し、普通図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板40の主制御用RAM40c)で記憶するようになっている。普通図柄用の保留記憶数は、保留中(普通図柄変動ゲーム待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示している。普通図柄用の保留記憶数は、普通図柄作動ゲートSGに遊技球が入賞することで1加算され、普通図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、普通図柄変動ゲーム中に普通図柄作動ゲートSGへ遊技球が入球すると、普通図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。そして、機内部で記憶した普通図柄用の保留記憶数は、図1において普通図柄表示装置31の右方に配置した普図保留記憶数表示部HRにより、遊技者に報知される。
【0032】
普図保留記憶数表示部HRは、4つの保留ランプHRa〜HRdからなる発光手段によって構成されている。そして、普図保留記憶数表示部HRは、保留ランプHRa〜HRdの点灯個数により保留中の普通図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知する構成となっている。例えば、1つの保留ランプのみが点灯している場合には1回の普通図柄変動ゲームが保留中であることを示し、全ての保留ランプが点灯している場合には4回の普通図柄変動ゲームが保留中であることを示している。
【0033】
また、遊技盤YBの遊技領域H1の最下方(大入賞口41よりも下方)には、遊技領域H1に発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口38が形成されている。アウト球口38を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
【0034】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10には、その機前面側に遊技者及び遊技場の従業員が操作可能な演出用操作手段としての演出用ボタン39が配置されている。本実施形態において演出用ボタン39は、押しボタン式とされており、上皿16の上面16cに配置されている。演出用ボタン39は、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲーム中、大当り遊技中やデモンストレーション中など)に、その操作が有効とされるようになっている。そして、演出用ボタン39の操作が有効である場合には演出用ボタン39に内蔵した図示しないランプが点灯するとともに、演出用ボタン39の操作が無効である場合には演出用ボタン39に内蔵したランプが消灯するようになっている。
【0035】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)である通常確率(本実施形態では4/1223)から高確率(本実施形態では40/1223)に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、確変状態は、次の大当り遊技が付与されるまでの間、付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
【0036】
また、確変状態が付与されると、開閉羽根35を開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が短縮される、及び普図ゲームの普通当り確率が通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与される場合がある。この入球率向上状態において、開閉羽根35は、普図ゲームにおいて当選した際、通常状態(非確変状態)である場合とは異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、通常状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根35が1回開放し、開放してから300ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。その一方、入球率向上状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根35が3回開放するとともに、1回の開放において開放してから1600msが経過するまで開放状態を維持するようになっている。つまり、開閉羽根35は、入球率向上状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。
【0037】
なお、開放してから規定時間経過する前であっても、入球上限個数(例えば、10球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根35は閉鎖するようになっている。同様に、所定回数開放していなくても、入球上限個数(例えば、10球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根35は閉鎖するようになっている。また、本実施形態の入球率向上状態は、確変図柄(大当り遊技)の種類によって付与される上限(本実施形態では、次の大当り遊技が付与されるまでの間、又は予め定めた回数である100のいずれか)が決定される。
【0038】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、非確変状態となる大当り遊技終了後に変動時間短縮(以下、「時短」と示す)状態を付与する時短機能を備えている。時短状態が付与されると、開閉羽根35を開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が短縮される、及び普図ゲームの当り確率が通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与されるようなっている。入球率向上状態において、開閉羽根35は、前述同様、普図ゲームにおいて当選した際、通常状態である場合と異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。
【0039】
すなわち、通常状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根35が1回開放し、開放してから300ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。その一方で、入球率向上状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根35が3回開放するとともに、1回の開放において開放してから1600msが経過するまで開放状態を維持するようになっている。つまり、開閉羽根35は、時短状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。また、時短状態は、予め定めた回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。本実施形態では、非確変大当りとなるとき、大当り遊技終了後、時短状態が付与される。
【0040】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、規定ラウンド数を「15回」とする3種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技の種類が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、3種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技を付与するかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において100種類の特別図柄の大当り図柄は、図3に示すように、特別図柄A、特別図柄B及び特別図柄Cの3種類に分類されている。そして、これら特別図柄A,B,Cには、所定個数ずつの大当り図柄がそれぞれ属している。各特別図柄A,B,Cに属する大当り図柄の割合により、各大当り遊技が付与される割合が定められる。
【0041】
特別図柄Aに基づく大当り遊技は、1回のラウンド遊技中に大入賞口37を開放させる15ラウンド大当り遊技となっている。特別図柄Aに基づく15ラウンド大当り遊技は、その大当り遊技終了後には確変状態と入球率向上状態を次の大当り遊技が付与されるまでの間、付与されるようになっている。また、特別図柄Aに基づく15ラウンド大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「10球」に設定されているとともに、1回のラウンド遊技の規定開放時間は「25秒」に設定されている。
【0042】
特別図柄Bに基づく大当り遊技は、1回のラウンド遊技中に大入賞口37を開放させる15ラウンド大当り遊技となっている。特別図柄Bに基づく15ラウンド大当り遊技は、その大当り遊技終了後には確変状態が次の大当り遊技が付与されるまでの間、付与される一方で、入球率向上状態が予め定めた回数(100回)を上限として付与されるようになっている。また、特別図柄Bに基づく15ラウンド大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「10球」に設定されているとともに、1回のラウンド遊技の規定開放時間は「25秒」に設定されている。
【0043】
特別図柄Cに基づく大当り遊技は、1回のラウンド遊技中に大入賞口37を開放させる15ラウンド大当り遊技となっている。特別図柄Cに基づく15ラウンド大当り遊技は、その大当り遊技終了後には時短状態が予め定めた回数(100回)を上限として付与されるようになっている。また、特別図柄Cに基づく15ラウンド大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「10球」に設定されているとともに、1回のラウンド遊技の規定開放時間は「25秒」に設定されている。
【0044】
このように構成される本実施形態では、特別図柄B,Cに基づく15ラウンド大当り遊技の終了後において、確変大当りであるか否かに拘わらず予め定めた回数の100回を上限として入球率向上状態が付与されるようになっており、入球率向上状態中は勿論のこと、入球率向上状態の終了後であっても確変状態であるか否かを遊技者に認識し難く構成されている。
【0045】
次に、パチンコ遊技機10の制御構成について図2に基づき説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御基板40が装着されている。主制御基板40は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板41と、演出表示制御基板42と、音声・ランプ制御基板43が装着されている。サブ統括制御基板41は、主制御基板40が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板42、及び音声・ランプ制御基板43を統括的に制御する。演出表示制御基板42は、主制御基板40とサブ統括制御基板41が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置28の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板43は、主制御基板40とサブ統括制御基板41が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ部17〜19,27bの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)及びスピーカ20,21,25の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
【0046】
以下、主制御基板40、サブ統括制御基板41、演出表示制御基板42及び音声・ランプ制御基板43について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板40には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU40aと、主制御用CPU40aの制御プログラムを格納する主制御用ROM40bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM40cが設けられている。主制御用CPU40aには、主制御用ROM40bと主制御用RAM40cが接続されている。また、主制御用CPU40aには、上始動入賞口33に入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1と、下始動入賞口34に入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU40aには、普通図柄作動ゲートSGを通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW3が接続されている。また、主制御用CPU40aには、特別図柄表示装置30と、普通図柄表示装置31が接続されている。また、主制御用CPU40aには、特図保留記憶数表示部TR(保留ランプTRa,TRb,TRc,TRd)が接続されている。また、主制御用CPU40aには、普図保留記憶数表示部HR(保留ランプHRa,HRb,HRc,HRd)が接続されている。また、主制御用CPU40aは、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、変動パターン振分用乱数や当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM40cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。大当り図柄用乱数は、大当りとする場合に特別図柄表示装置30に確定停止表示させる特別図柄としての大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容(大当り演出、はずれ演出など)を決定する際に用いる乱数である。当り判定用乱数は、当りとするか否かの当り抽選(当り判定)で用いる乱数である。また、本実施形態の主制御用CPU40aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
【0047】
主制御用ROM40bには、前記制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンと各種判定値(大当り判定値や当り判定値など)が記憶されている。変動パターンは、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30において図柄の変動開始による図柄変動ゲームが開始してから、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30において図柄が確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了するまでの変動時間と演出内容を特定するためのパターンである。この変動パターンに基づき特別図柄表示装置30では、特別図柄の変動が開始してから、変動パターンに定める変動時間の経過時に変動が停止し、大当り図柄又ははずれ図柄が確定停止表示される図柄変動ゲームが実行される。一方、変動パターンに基づき演出表示装置28では、飾り図柄の変動が開始してから、変動パターンで特定される演出内容で各種遊技演出が行われるとともに変動パターンに定める変動時間の経過時に変動が停止し、大当り図柄又ははずれ図柄を確定停止表示させる図柄変動ゲームが実行される。そして、変動パターンは、大当り演出用、はずれ演出用からなる演出内容毎に分類されている。
【0048】
変動パターンは、図4に示すように、大当り抽選に当選した際に選択される大当り演出用の変動パターンP1〜P3がある。また、変動パターンは、大当り抽選に当選しなかったはずれの場合に選択されるはずれリーチ演出用の変動パターンP4〜P6とはずれ演出用(はずれリーチなし演出用)の変動パターンP7がある。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技状態が入球率向上状態の付与中であるか否かに基づいて選択し得る変動パターンの種類が異なるようになっており、図4には入球率向上状態の付与中である場合の変動パターンを示している。したがって、図4は、本実施形態のパチンコ遊技機10において、主制御用ROM40bに記憶されている変動パターンの一部を示しており、実際には図4に示す変動パターンの他に入球率向上状態の付与中に選択される変動パターンや入球率向上状態の付与中でないときに選択される変動パターンなどがある。本実施形態では、当該本実施形態の説明を通じて図4に示す入球率向上状態の付与中に選択され得る変動パターンを中心に説明する。
【0049】
大当り演出用の変動パターンP1〜P3に基づき行われる大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される大当り演出である。また、はずれ変動パターンP4〜P6に基づき行われるはずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれ演出用の変動パターンP7に基づき行われるはずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置28の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせとなるリーチ状態が形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当りの図柄組み合わせ又ははずれの図柄組み合わせ)が導出される迄の間に行われる演出である。なお、はずれ演出用の変動パターンP7に基づき行われるはずれ演出は、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させる通常変動によるはずれ演出である。
【0050】
以下、各変動パターンP1〜P7について説明する。
大当り演出用の変動パターンでは、特別図柄Aが決定された際に変動パターンP1,P2が選択され得るとともに、特別図柄B,Cが決定された際に変動パターンP3が選択され得るようになっている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別図柄B,Cが決定された際に同一の変動パターンP3が選択されるようになっており、図柄変動ゲームの演出内容が同一内容(同一変動時間)となるようになっている。また、大当り演出用の変動パターンP1〜P3に基づき図柄変動ゲームが行われた場合、特別図柄表示装置30及び演出表示装置28において、夫々に大当りを認識できる大当り図柄及び大当りの図柄組み合わせが最終的に表示されるようになっている。
【0051】
また、はずれリーチ演出用の変動パターンP4〜P6に基づき図柄変動ゲームが行われると、特別図柄表示装置30及び演出表示装置28において、夫々にはずれ図柄及びはずれ(はずれリーチ)の図柄組み合わせが最終的に表示されるようになっている。また、はずれ演出用の変動パターンP7に基づき図柄変動ゲームが行われると、特別図柄表示装置30及び演出表示装置28において、変動表示後、夫々にはずれ図柄及びはずれの図柄組み合わせが最終的に表示されるようになっている。
【0052】
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、変動パターンP1には、リーチ変動を行う大当り演出のパターンが対応付けされている。また、変動パターンP2,P3には、リーチ変動を行うとともにリーチ演出で、画像表示部GHに表示される「敵」を殲滅させることができれば「大当り確定」となる「敵殲滅演出」を伴う大当り演出のパターンが対応付けされている。なお、「敵殲滅演出」の詳細については、後で詳述する。また、変動パターンP4には、リーチ変動を行うはずれリーチ演出のパターンが対応付けされている。また、変動パターンP5には、リーチ変動を行うとともにリーチ演出で、「敵殲滅演出」を伴うはずれリーチ演出のパターンが対応付けされている。また、変動パターンP6には、リーチ変動を行うとともにリーチ演出で、画像表示部GHに表示される「敵」を次々に倒していき敵を倒した数を「斬撃数」としてカウントし、「斬撃数」により確変状態への期待度を報知する「斬撃アップ演出」を伴うはずれリーチ演出のパターンが対応付けされている。なお、「斬撃アップ演出」の詳細については、後で詳述する。
【0053】
また、本実施形態において、リーチ変動を伴う変動パターンP1と変動パターンP4とでは、互いに同一種類のリーチ変動が特定されるようになっている。また、リーチ変動を伴う変動パターンP2,P3と変動パターンP5とでは、互いに同一種類のリーチ変動が特定されるようになっている。また、変動パターンP2,P3と変動パターンP5とでは、「敵殲滅演出」を伴う結果、確定停止表示される図柄組み合わせの種類(確変用、チャンス用、又ははずれの図柄組み合わせ)であるかが異なるのみで、図柄組み合わせが確定停止表示されるまでの展開を同一展開になるように構成されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10において、「敵殲滅演出」を伴う図柄変動ゲームでは、当該図柄変動ゲームの演出内容を視認しても、図柄変動ゲームで図柄組み合わせが確定停止表示されるまでの間、大当り演出及びはずれリーチ演出のいずれかを遊技者に認識させないようなっている。
【0054】
大当り判定値は、大当り判定で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。そして、本実施形態では、通常状態時に大当り判定で肯定判定される割合、すなわち通常状態時の大当りの当選確率を4/12243(約300分の1)とし、確変状態時に大当り判定で肯定判定される割合、すなわち確変状態時の大当りの当選確率を40/12243(約30分の1)の通常状態時の10倍となるように判定値を振分けている。
【0055】
次に、サブ統括制御基板41について説明する。
サブ統括制御基板41には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU41aと、統括制御用CPU41aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM41bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM41cが設けられている。統括制御用CPU41aには、統括制御用ROM41bと統括制御用RAM41cが接続されているとともに、演出用ボタン39が接続されている。そして、統括制御用CPU41aは、各種演出を決定するために用いる各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御用RAM41cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、本実施形態の統括制御用CPU41aはタイマ機能(タイマ)を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミングやデモ演出を開始するタイミング)で時間を計測する。
【0056】
統括制御用ROM41bには、前記制御プログラムに加え、各種演出を決定する際に参照する各種テーブルが記憶されている。なお、各種テーブルについての詳細は、後述する。
【0057】
次に、演出表示制御基板42について説明する。
演出表示制御基板42には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU42aと、表示制御用CPU42aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM42bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM42cが設けられている。表示制御用CPU42aには、表示制御用ROM42bと、表示制御用RAM42cが接続されている。また、表示制御用CPU42aには、演出表示装置28が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU42aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。表示制御用ROM42bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。なお、表示制御用ROM42bには、統括制御用CPU41aによって実行が指示される各種演出に応じて実行させる内容を特定したりするテーブルなどが記憶されている。
【0058】
以下、主制御基板40、サブ統括制御基板41、及び演出表示制御基板42が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板40について説明する。
【0059】
主制御基板40の主制御用CPU40aは、上始動入賞口33又は下始動入賞口34へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM40cに記憶されている特別図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU40aは、特別図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。主制御用CPU40aは、特別図柄用の保留記憶数を書き換えた後、該書き換えた後の保留記憶数を表示するために特図保留記憶数表示部TRの表示内容を制御する。また、主制御用CPU40aは、保留判定を肯定判定している場合、大当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を主制御用RAM40cから取得し、その取得した大当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM40cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU40aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特別図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、大当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を取得しない。
【0060】
そして、主制御用CPU40aは、大当り遊技中ではなく、かつ図柄変動ゲームの実行中でない場合、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM40cの所定の記憶領域に格納した大当り判定用乱数の値を読み出し、その読み出した大当り判定用乱数の値と主制御用ROM40bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定を行う。大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU40aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU40aは、大当り図柄用乱数の値をもとに、特別図柄表示装置30で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる大当り図柄(特別図柄)を決定する。そして、大当り図柄を決定した主制御用CPU40aは、決定した大当り図柄を主制御用RAM40cに記憶する。また、大当りを決定した主制御用CPU40aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM40cから取得し、該値に対応する変動パターンを大当り演出用の変動パターンの中から選択して決定する。なお、本実施形態において、主制御用CPU40aは、入球率向上状態の付与中、大当り図柄として特別図柄Aを決定する場合には、大当り演出用の変動パターンとして変動パターンP1,P2を選択し得る一方で、大当り図柄として特別図柄B,Cを決定する場合には、大当り演出用の変動パターンとして変動パターンP3を選択し得る。
【0061】
また、主制御用CPU40aは、特図を決定した場合、当該特図の種類に基づき、確変状態を付与するか否かを決定している。そして、主制御用CPU40aは、確変大当りに対応する特別図柄Aを決定した場合、主制御用RAM40cに確変状態を付与することを示す情報(フラグなど)とともに、入球率向上状態を次の大当り遊技が付与されるまで付与することを示す情報(フラグなど)を記憶(設定)する。
【0062】
また、主制御用CPU40aは、確変大当りに対応する特別図柄Bを決定した場合、主制御用RAM40cに確変状態を付与することを示す情報(フラグなど)とともに、入球率向上状態を100回の図柄変動ゲームを上限として付与することを示す情報(フラグなど)を記憶(設定)する。本実施形態では、主制御用RAM40cに現在の遊技状態を示す情報(フラグなど)が記憶されており、主制御用CPU40aは、該情報に基づき現在の遊技状態が確変状態であるか否か、及び入球率向上状態が付与されているか否かなどを把握している。
【0063】
また、主制御用CPU40aは、非確変大当りに対応する特別図柄Cを決定した場合、主制御用RAM40cに時短状態を付与することを示す情報として、通常状態(非確変状態)を付与することを示す情報(フラグなど)とともに、入球率向上状態を100回の図柄変動ゲームを上限として付与することを示す情報(フラグなど)を記憶(設定)する。
【0064】
一方、主制御用CPU40aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、はずれを決定した主制御用CPU40aは、特別図柄表示装置30に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれを決定した主制御用CPU40aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを乱数抽選で決定する。この判定結果が肯定(はずれリーチ演出を実行する)の場合、主制御用CPU40aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM40cから取得し、該値に対応する変動パターンをはずれリーチ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。なお、本実施形態において、主制御用CPU40aは、入球率向上状態の付与中、はずれ図柄を決定するとともにはずれリーチ演出の実行を決定する場合には、はずれリーチ演出用の変動パターンとして変動パターンP4〜P6を選択し得る。一方、主制御用CPU40aは、はずれリーチ演出を実行するか否かの判定結果が否定(はずれリーチ演出を実行しない)の場合、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM40cから取得し、該値に対応する変動パターンをはずれ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。なお、本実施形態において、主制御用CPU40aは、入球率向上状態の付与中、はずれ図柄を決定するとともにはずれリーチ演出の実行を決定しない場合には、はずれ演出用の変動パターンとして変動パターンP7を選択し得る。
【0065】
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU40aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板41(統括制御用CPU41a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU40aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。次に、主制御用CPU40aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU40aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを出力する。また、主制御用CPU40aは、図柄変動ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数を1減算(−1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU40aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置30の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU40aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
【0066】
そして、主制御用CPU40aは、図柄変動ゲーム終了後(図柄停止コマンドの出力後)、インターバル期間(本実施形態では500ms)を経たときに保留記憶数が「0(零)」でない場合、始動保留球に基づき次の図柄組み合わせゲームを開始させるための処理を実行する。そして、前記処理の実行後、主制御用CPU40aは、次の図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力し、当該ゲームを開始させる。なお、次の図柄変動ゲームは、前の図柄変動ゲームの終了後、前記インターバル期間を経て開始される。
【0067】
また、主制御用CPU40aは、大当りを決定した場合、大当り演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技に係る制御(オープニング演出などの演出指示や大入賞口扉36開閉動作の制御)を実行する。そして、主制御用CPU40aは、大当りを決定している場合に大当り遊技を開始させる。次に、主制御用CPU40aは、大当り遊技の終了後、主制御用RAM40cに確変状態を付与することが示されている場合に遊技状態を確変状態で制御するとともに、主制御用RAM40cに入球率向上状態を付与することが示されている場合に設定されている上限の間、遊技状態を入球率向上状態で制御する。一方、主制御用CPU40aは、大当り遊技の終了後、主制御用RAM40cに時短状態(非確変状態)を付与することが示されている場合に遊技状態を時短状態で制御する。
【0068】
そして、主制御用CPU40aは、遊技状態として確変状態を開始させる場合に、確変状態の開始を指示する確変開始コマンドとともに、入球率向上状態の開始を指示する入球率向上状態開始コマンドを統括制御用CPU41aに出力する。また、主制御用CPU40aは、遊技状態として時短状態(非確変状態)を開始させる場合に、入球率向上状態の開始を指示する入球率向上状態開始コマンドを統括制御用CPU41aに出力する。
【0069】
一方、主制御用CPU40aは、大当り遊技の開始に伴って確変状態を終了させる場合に、確変状態の終了を指示する確変終了コマンドを統括制御用CPU41aに出力する。また、主制御用CPU40aは、入球率向上状態を開始させてから入球率向上状態の上限の図柄変動ゲームの終了、又は大当り遊技の開始に伴って入球率向上状態の終了を指示する入球率向上状態終了コマンドを統括制御用CPU41aに出力する。
【0070】
また、主制御用CPU40aは、普通図柄作動ゲートSGに遊技球が通過し、普通図柄変動スイッチSW3からの検知信号を入力すると、普通図柄用の保留記憶数が上限数未満であるか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU40aは、普通図柄用の保留記憶数を1加算するとともに、当り判定用乱数を主制御用RAM40cから読み出し、主制御用RAM40cの所定の格納領域に格納(記憶)する。また、前記判定結果が肯定の場合、主制御用CPU40aは、加算後の普通図柄用の保留記憶数に応じた数だけ普図保留ランプを点灯させるように普図保留記憶数表示部HRを制御する。
【0071】
そして、主制御用CPU40aは、普通図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM40cに記憶されている前記当り判定用乱数の値と主制御用ROM40bに記憶されている当り判定値とを比較して当り判定を実行する。主制御用CPU40aは、当り判定の判定結果が肯定の場合に当りを決定し、前記判定結果が否定の場合にはずれを決定する。そして、主制御用CPU40aは、普通図柄表示装置31の表示内容を制御し、普通図柄の変動を開始させ、予め定めた変動時間の経過時に、当りであれば当り図柄を確定的に停止表示させるとともに、はずれであればはずれ図柄を確定的に停止表示させる。普通図柄変動ゲームの変動時間は、時短状態が付与されているときと付与されていないときで異なる。なお、主制御用CPU40aは、普通図柄変動ゲームの開始に伴って普通図柄用の保留記憶数を1減算するとともに、減算後の普通図柄用の保留記憶数に応じた数だけ普図保留ランプを点灯させるように普図保留記憶数表示部HRを制御する。
【0072】
なお、本実施形態では、主制御用CPU40aが大当り判定手段、確変判定手段、変動パターン決定手段として機能する。
次に、サブ統括制御基板41について説明する。
【0073】
統括制御用CPU41aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板42、及び音声・ランプ制御基板43に出力する。また、統括制御用CPU41aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示装置28に停止表示させる図柄組み合わせを構成する飾り図柄を決定する。また、統括制御用CPU41aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板42、及び音声・ランプ制御基板43に出力する。そして、統括制御用CPU41aは、1回の図柄変動ゲームが終了されるので、次の図柄変動ゲームの実行に係る処理に移行する。
【0074】
また、統括制御用CPU41aは、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンの種類と停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)の種類から、演出表示装置28で実行される図柄変動ゲームにおいて導出する飾り図柄の図柄組み合わせを決定する。統括制御用CPU41aは、大当り演出用の変動パターンが指定され、かつ特別図柄の停止図柄指定が大当り図柄の場合には、最終的に停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄として大当り図柄を決定する。
【0075】
詳しく説明すると、図3に示すように、統括制御用CPU41aは、特別図柄の停止図柄指定が、特別図柄Aの場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、確変状態とともに入球率向上状態が次の大当り遊技が付与されるまでの間、付与する大当り遊技が付与されることを認識し得る特定図柄による確変用の大当りの図柄組み合わせ[777]を決定する。また、図3に示すように、統括制御用CPU41aは、特別図柄の停止図柄指定が特別図柄B,Cの場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、確変状態が付与されることに期待を持つことができることを認識し得るチャンス用の大当りの図柄組み合わせ([111][222][333][444][555][666][888])を決定する。なお、本実施形態では、大当り図柄が特別図柄Aの場合にのみ、確変用の大当りの図柄組み合わせ[777]を決定し得るようになっている。このため、本実施形態では、飾り図柄として[777]を決定する場合を除いて、大当り遊技が付与されるときに飾り図柄による図柄組み合わせから、該大当り遊技に基づく大当りが確変大当り及び非確変大当りのいずれであるかが遊技者に認識し得ないように構成されている。
【0076】
なお、本実施形態において、統括制御用CPU41aは、リーチ状態を形成する飾り図柄(所謂、仮停止図柄)を別途決定するようになっており、その仮停止図柄を必ずしも確定停止表示させる飾り図柄の図柄組み合わせから決定するのではなく、全ての飾り図柄(数字)を決定し得るようになっている。そして、リーチ状態を構成する仮停止図柄により図柄変動ゲームが展開される結果、最終的に統括制御用CPU41aが決定した飾り図柄の図柄組み合わせが確定停止表示される。このため、本実施形態では、リーチ状態の形成時点における飾り図柄の図柄組み合わせからは最終的に確定停止表示される飾り図柄の図柄組み合わせが、確変用であるかチャンス用であるかを遊技者に認識し得ないようになっている。 また、統括制御用CPU41aは、主制御用CPU40aにより大当り遊技に係るオープニング演出などの演出指示がされる場合に、それら演出指示を演出表示制御基板42及び音声・ランプ制御基板43に指示する。
【0077】
詳しく説明すると、統括制御用CPU41aは、特別図柄の停止図柄指定が、特別図柄Aの場合、大当り遊技終了後に確変状態とともに入球率向上状態が次の大当り遊技が付与されるまでの間、付与する大当り遊技が付与されたことを示す遊技演出を大当り遊技の演出内容とする演出パターンを指示する演出コマンドを出力する。また、統括制御用CPU41aは、特別図柄の停止図柄指定が、特別図柄B,Cの場合、確変状態が付与されることに期待を持つことができることを示す遊技演出を大当り遊技の演出内容とする演出パターンを指示する演出コマンドを出力する。
【0078】
このように、本実施形態では、特別図柄B,Cに基づく大当り遊技を付与する場合、導出する図柄組み合わせとして同一の図柄組み合わせ(チャンスの図柄組み合わせ)を導出するようにした。また、特別図柄B,Cに基づく大当り遊技を付与する場合には、大当り遊技演出の演出内容として同一の演出内容(確変状態が付与されることに期待を持つことができることを示す遊技演出を大当り遊技の演出内容)を決定するようにした。このため、特別図柄B,Cに基づくこれら大当り遊技の遊技態様からだけでなく演出表示装置28の表示内容からも各大当り遊技のいずれかが付与されているかを、遊技者に認識し得ないようになっている。
【0079】
また、統括制御用CPU41aは、はずれリーチ演出用又ははずれ演出用の変動パターンが指定され、特別図柄の停止図柄指定がはずれ図柄の場合には、最終的に確定停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄としてはずれ図柄を決定する。そして、飾り図柄を決定した統括制御用CPU41aは、飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板42に出力する。
【0080】
また、統括制御用CPU41aは、主制御用CPU40aにより大当り遊技に係るオープニング演出などの演出指示がされる場合に、それら演出指示を演出表示制御基板42及び音声・ランプ制御基板43に指示する。
【0081】
詳しく説明すると、統括制御用CPU41aは、特別図柄の停止図柄指定が、特別図柄Aの場合、大当り遊技終了後に確変状態とともに入球率向上状態が次の大当り遊技が付与されるまでの間、付与する大当り遊技が付与されたことを示す遊技演出を大当り遊技の演出内容とする演出パターンを指示する演出コマンドを出力する。また、統括制御用CPU41aは、特別図柄の停止図柄指定が、特別図柄B,Cの場合、確変状態が付与されることに期待を持つことができることを示す遊技演出を大当り遊技の演出内容とする演出パターンを指示する演出コマンドを出力する。
【0082】
このように、本実施形態では、特別図柄B,Cに基づく大当り遊技を付与する場合、導出する図柄組み合わせとして同一の図柄組み合わせ(チャンス用の大当りの図柄組み合わせ)を導出するようにした。また、特別図柄B,Cに基づく大当り遊技を付与する場合には、大当り遊技演出の演出内容として同一の演出内容(確変状態が付与されることに期待を持つことができることを示す遊技演出を大当り遊技の演出内容)を決定するようにした。このため、特別図柄B,Cに基づくこれら大当り遊技の遊技態様からだけでなく演出表示装置28の表示内容からも各大当り遊技のいずれかが付与されているかを、遊技者に認識し得ないようになっている。
【0083】
また、図5に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技状態が確変状態であることを遊技者に報知する確変報知モード演出(以下、「確変モード」と示す)をモード実行手段である演出表示装置28で実行可能に構成されている。また、本実施形態では、遊技状態が確変状態であることに対して期待を持つことができることを遊技者に報知するチャンスモード演出(以下、「チャンスモード」)をモード実行手段である演出表示装置28で実行可能に構成されている。また、前記確変モード及び前記チャンスモードのいずれでもない場合に、主に遊技状態が確変状態でないときに実行される確変状態でない可能性が高いことを遊技者に報知する通常モード演出(以下、「通常モード」と示す)をモード実行手段である演出表示装置28で実行可能に構成されている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10において通常モード滞在中、実際には、確変状態であるか否かを遊技者に把握させていない秘匿状態であるので、遊技状態が確変状態である可能性が皆無であるというわけではない。そして、本実施形態では、演出表示装置28でそれぞれに表示態様の異なる複数種類の各種モード演出を実行させることで、演出表示装置28の表示態様(表示演出)により現在滞在している演出モードの種類を遊技者に把握させて確変状態であることに対して期待を持つことができるかどうかを報知したり、確変状態であることを報知したりするようになっている。
【0084】
図5に示すように、確変モードは、確変状態と入球率向上状態が共に次に大当り遊技が付与されるまでを上限として付与されている間に実行される演出(モード)となっている。また、チャンスモードは、入球率向上状態が付与されている場合であって100回を上限とする入球率向上状態が付与されている間に実行される演出(モード)となっている。なお、チャンスモードでは、確変状態及び非確変状態のいずれの抽選状態も存在する。また、通常モードは、入球率向上状態が付与されていない場合に実行される演出(モード)となっている。なお、通常モードでは、確変状態及び非確変状態のいずれかの抽選状態も存在する。
【0085】
そして、統括制御用CPU41aは、特別図柄Aに基づく大当り遊技の終了後、演出表示装置28の表示態様を確変モードで制御することを指示するモード指定コマンドを各制御基板42,43に出力する。また、統括制御用CPU41aは、特別図柄B,Cに基づく大当り遊技の終了後、演出表示装置28の表示態様をチャンスモードで制御することを指示するモード指定コマンドを各制御基板42,43に出力する。また、統括制御用CPU41aは、特別図柄B,Cに基づく大当り遊技の終了後、大当りに当選することなく100回を入球率向上状態が終了されることを契機に演出表示装置28の表示態様を通常モードで制御することを指示するモード指定コマンドを各制御基板42,43に出力する。
【0086】
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10においてチャンスモードの滞在中の図柄変動ゲームで実行可能な各種演出、「共通演出」、「敵殲滅演出」、「斬撃アップ演出」について説明する。
【0087】
本実施形態のパチンコ遊技機10において、チャンスモードの滞在中の図柄変動ゲームでは、当該図柄変動ゲームの開始に伴って所定の確率で、所定のキャラクタが出現して台詞を発する演出態様で実行される共通演出を実行するようになっている。共通演出は、図柄変動ゲームの開始後でリーチ状態の形成前における、所定のキャラクタの出現後、演出用ボタン39の操作(ボタン操作)を有効とする操作有効期間を設定し、演出用ボタン39の操作によって、所定のキャラクタが台詞を発する(台詞を画像表示部GHに表示するとともに音声をスピーカ20,21,25から出力する)ことで行う。すなわち、共通演出では、所定のキャラクタを出現させることで、操作有効期間の開始を遊技者に報知している。そして、共通演出の演出内容として、共通演出の実行可と共通演出を実行否とする演出内容を含む複数種類の演出内容が用意されており、共通演出の実行可とする演出内容の中でも演出内容EP1〜EP4の演出内容が出現する場合には、演出用ボタン39の操作による共通演出実行を契機に、示唆ゲージGを変化させ得るようになっている。なお、本実施形態では、共通演出の実行可が決定されている場合、演出内容にかかわらず、まず所定のキャラクタを出現させて、演出用ボタン39の操作を契機にして台詞を発するようになっている。
【0088】
そして、共通演出を伴う図柄変動ゲームの実行に際し、統括制御用CPU41aは、図柄変動ゲームの開始後、リーチ状態を形成する前、共通演出で所定のキャラクタを出現させる所定のタイミングで操作有効期間を設定する。統括制御用CPU41aは、操作有効期間を設定すると、その旨を示す有効期間設定コマンドを各制御基板42,43に出力するとともに演出用ボタン39に内蔵されているランプを消灯→点灯へ切替制御する。また、統括制御用CPU41aは、有効期間設定コマンドで共通演出の実行に伴って所定のキャラクタの出現も指示するようになっている。そして、操作有効期間を設定した統括制御用CPU41aは、操作有効期間の終了時までに、演出用ボタン39のボタン操作がされたか否か、すなわち操作有効期間中において演出用ボタン39の操作信号がOFF→ONへ立ち上がったか否かを判定する。統括制御用CPU41aは、操作有効期間中に演出用ボタン39の操作を検知すると、操作に伴って共通演出抽選で決定した演出内容の台詞を発する(表示するとともに音声出力)ことを指示する演出コマンドを各制御基板42,43に出力する。すなわち、統括制御用CPU41aは、共通演出を伴う図柄変動ゲームである場合、操作有効期間中に演出用ボタン39の操作を検知することを条件に、いずれかの演出内容による共通演出の実行を指示するようになっている。
【0089】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、チャンスモードの滞在中、変動パターンP2,P3,P5に基づく図柄変動ゲームでは、敵殲滅演出を実行するようになっている。敵殲滅演出は、図柄変動ゲームの開始後、リーチ状態の形成後であって予め定めた敵の残り数の画像表示後、演出用ボタン39の操作(ボタン操作)を有効とする操作有効期間を設定し、演出用ボタン39の操作によって演出表示装置28の表示内容を変化させて行う。すなわち、敵殲滅演出では、予め定めた敵の残り数の画像表示させることで、操作有効期間が開始されたことを遊技者に報知している。敵殲滅演出では、表示内容として敵の残り数を画像表示し、演出用ボタン39の操作によって予め定めた敵の残り数を減らしていき最終的に敵を殲滅する(残り数を「0」にする)成功パターンとなることを「大当り確定(本実施形態では特別図柄Aに対応する大当り遊技確定)」として予告する。また、敵殲滅演出では、表示内容として敵の残り数を画像表示し、演出用ボタン39の操作によって予め定めた敵の残り数を減らしていき最終的に敵の援軍が到着する引分パターンとなることを「大当り確定(特別図柄B,Cに対応する大当り遊技確定)」として予告する。また、敵殲滅演出では、表示内容として敵の残り数を画像表示し、演出用ボタン39の操作によって敵の残り数を減らしていき最終的に敵を殲滅することができない(残り数を「0」にする)ことができない失敗パターンとなることを「はずれ確定」として予告する。なお、本実施形態では、変動パターンP2に基づく図柄変動ゲームでは成功パターンとなり、変動パターンP3に基づく図柄変動ゲームでは引分パターンとなり、変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームでは失敗パターンとなる。
【0090】
そして、敵殲滅演出を伴う図柄変動ゲームの実行に際し、統括制御用CPU41aは、図柄変動ゲームの開始後、敵殲滅演出を開始させる所定のタイミングで操作有効期間を設定する。統括制御用CPU41aは、操作有効期間を設定すると、その旨を示す有効期間設定コマンドを各制御基板42,43に出力するとともに演出用ボタン39に内蔵されているランプを消灯→点灯へ切替制御する。また、統括制御用CPU41aは、有効期間設定コマンドで敵殲滅演出の実行に予め定めた敵の残り数の画像表示も指示するようになっている。そして、操作有効期間を設定した統括制御用CPU41aは、操作有効期間の終了時までに、演出用ボタン39のボタン操作がされたか否か、すなわち操作有効期間中において演出用ボタン39の操作信号がOFF→ONへ立ち上がったか否かを判定する。統括制御用CPU41aは、操作有効期間中に演出用ボタン39の操作を検知すると、操作を検知する毎に(検知する(操作される)回数に伴って)敵の残り数を減少させる減少数を決定し、決定した減少数分だけ敵の残り数を減少させることを指示する演出コマンドを各制御基板42,43に出力する。また、統括制御用CPU41aは、最終的に変動パターンに応じたパターンの演出結果の実行を指示する演出コマンドを各制御基板42,43に出力する。
【0091】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、チャンスモードの滞在中、変動パターンP6に基づく図柄変動ゲームでは、斬撃アップ演出を実行するようになっている。斬撃アップ演出は、図柄変動ゲームの開始後、リーチ状態の形成後であって所定の表示画像(例えば、「斬撃カウント開始」など)の画像表示後、演出表示装置28の表示内容を変化させて行う。斬撃アップ演出では、表示内容として敵の倒した数を斬撃数として画像表示し、敵の斬撃数を増やしていき当該斬撃数によって確変状態への期待度を示唆する。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、チャンスモードの滞在中、斬撃数を累積的にカウント可能に構成されており、内部的に確変状態であるほど斬撃数が増加し易く構成されている。このため、チャンスモードの滞在中、斬撃数が増加すればするほど確変状態への期待度が高まるようになっている。
【0092】
そして、斬撃アップ演出を伴う図柄変動ゲームの実行に際し、統括制御用CPU41aは、斬撃アップ演出で斬撃数の増加態様を示す斬撃アップ用の演出パターンを複数種類の中から1つ選択して決定するようになっている。本実施形態のパチンコ遊技機10では、斬撃アップ用の演出パターンとして増加させる増加数の異なる複数種類が用意されている。そして、統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、確変状態である場合に非確変状態である場合よりも増加数を多く定めた斬撃アップ用の演出パターンを選択し易くなっている。続いて、統括制御用CPU41aは、決定した斬撃アップ用の演出パターンの種類を指示する演出コマンドを各制御基板42,43に出力する。また、統括制御用CPU41aは、最終的な演出結果として斬撃数が何回となったかの画像表示を指示する演出コマンドを各制御基板42,43に出力する。なお、本実施形態において斬撃アップ演出は、敵殲滅演出とは演出の実行態様を異ならせており、演出用ボタン39の操作を必要としない実行態様で構成されている。
【0093】
このように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、敵殲滅演出において図7に示すように、敵の残り数が少ないほど大当りへの期待度が高いことを遊技者に報知し、敵の残り数が「0」で「大当り確定(特別図柄Aに対応する大当り遊技確定)」を報知する。また、本実施形態では、斬撃アップ演出において図7に示すように、斬撃の数が多くなるほど確変状態への期待度が高いことを遊技者に報知するようになっている。すなわち、チャンスモードの滞在中、敵殲滅演出では演出用ボタン39の操作に応じて、数(敵の残り数)を減らすことで期待度(大当りへの期待度)を高める傍らで、斬撃アップ演出では斬撃数(斬撃の数)が増加することで期待度(確変状態への期待度)を高めるようになっている。すなわち、チャンスモードの滞在中、敵殲滅演出と斬撃アップ演出では、相反する展開となる演出を実行させ、それぞれに異なる期待度を遊技者に報知するようになっている。
【0094】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変状態であるか否かを遊技者が認識し得ないチャンスモードの滞在中の間、確変状態への期待が最も低い最低状態(最低段階)から確変状態への期待が最も高い最高状態(最高段階)に亘る複数段階に跨って、確変状態である可能性を遊技者に示唆する期待度示唆演出(示唆演出)を実行するようになっている。期待度示唆演出では、チャンスモードの滞在中、所定条件の成立を契機に、成立する所定条件の種類に応じた所定のタイミングで、演出表示装置28の表示内容を変化させて行う。期待度示唆演出では、表示内容として「期待度メータM」が出現し、当該「期待度メータM」上を示唆ゲージGが移動する画像を表示し、当該「期待度メータM」上の示唆ゲージGの示唆位置が変化する演出が展開され、その変化率の大小と変化後の「期待度メータM」上の示唆ゲージGの示唆位置(報知態様)により確変状態への期待度を遊技者に示唆する。なお、本実施形態において、期待度示唆演出では、示唆ゲージGの示唆位置が最高状態(最優勢側位置)となることを「確変状態確定」として示唆する。また、期待度示唆演出では、例え示唆ゲージGの示唆位置が最低状態(最劣勢側位置)となったとしても「非確変状態確定」が示唆されるわけではなく、確変状態であっても最低状態に変化し得る。
【0095】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、期待度示唆演出の「期待度メータM」上の示唆ゲージGの変化態様から1回の図柄変動ゲームを対象として、当該図柄変動ゲームで大当り遊技が付与される可能性も遊技者に示唆するようになっている。本実施形態では、示唆ゲージGの示唆位置が変化すると(期待度示唆演出が実行されると)、その変化するタイミングや共に出現する演出の種類によって確変状態への期待度を示唆したり、大当り遊技の付与への期待度を示唆したりするようになっているなお、本実施形態では、遊技者に確変状態への期待度と、大当り遊技の付与への期待度を示唆する、期待度メータMと、当該期待度メータM上で示唆位置を示す示唆ゲージGが期待度示唆手段となり得るとともに、これらを画像表示する演出表示装置28(画像表示部Gh)が期待度示唆手段となり得る。
【0096】
図6(a)〜(d)は、期待度示唆演出における「期待度メータM」上の示唆ゲージGの示唆位置に対応して表示される画像表示部GH(演出表示装置28)の表示態様を示す。
【0097】
図6(a)〜(d)は、チャンスモードの滞在中における画像表示部GHの表示態様である。画像表示部GHでは、当該画像表示部GHの下方側表示部に「期待度メータM」と示唆ゲージGが出現し、チャンスモードの滞在中、継続的に画像表示されるようになっている。そして、チャンスモードの滞在中では、所定のタイミング(図柄変動ゲームの開始時、実行中など)で「期待度メータM」上の示唆ゲージGが移動することで示唆位置が、図6(a)〜(d)のように変化する。
【0098】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、「期待度メータM」を2等分した位置に示唆ゲージGが位置する示唆位置(報知態様)を「均等位置」として、当該「均等位置」を中心として左右側位置にそれぞれ「劣勢側位置(左側位置)」及び「優勢側位置(右側位置)」に示唆ゲージGが移動可能に構成されている。また、本実施形態では、「劣勢側位置」及び「優勢側位置」をそれぞれに20分割し、「均等位置」を含めて全部で41種類の示唆ゲージGの示唆位置を有している。そして、本実施形態では、「均等位置」を「0(零)」として、当該「均等位置」に近いほうから「優勢側位置」に向って順に「+1」→「+2」→・・・→「+19」→「+20」と20段階の示唆位置を定めている。また、本実施形態では、「均等位置」に近いほうから「劣勢側位置」に向って順に「−1」→「−2」→・・・→「−19」→「−20」と20段階の示唆位置を定めている。このため、示唆ゲージGの示唆位置が合計で41段階に変化可能に構成されている。そして、示唆位置では、図6(b)に示すように、示唆ゲージGが「優勢側位置」に位置する場合、図6(c)に示すように、示唆ゲージGが「劣勢側位置」に位置する場合よりも確変状態への期待度が高くなる。また、示唆位置では、図6(d)に示すように、示唆ゲージGが優勢側位置の最も右側の「最優勢側位置」に位置することを「確変状態確定」として示唆する。すなわち、本実施形態において、示唆位置が右側に位置するほど確変状態への期待度が高いことを示唆する。また、本実施形態において、示唆ゲージGの示唆位置にかかわらず当該示唆位置の変化割合の大小により確変状態への期待度、又は大当り遊技の付与への期待度を示唆する。
【0099】
以下、チャンスモード滞在中における制御内容を説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10において、統括制御用CPU41aは、チャンスモードの移行契機となる特別図柄B,Cの当選に伴い、当該特別図柄B,Cに対応する大当り遊技の開始時(本実施形態では後述するオープニング演出コマンドの入力時)に、示唆ゲージGの初期設定位置を決定する初期位置抽選を実行する。なお、統括制御用CPU41aは、チャンスモードの滞在中における特別図柄B,Cの当選に伴っては初期位置抽選を実行しないで、当選時の示唆ゲージGの示唆位置を維持するようになっている。すなわち、統括制御用CPU41aは、他の演出モード(例えば確変モード)からチャンスモードへの移行を契機として初期位置抽選を実行する。
【0100】
統括制御用CPU41aは、初期位置抽選の実行に際し、特別図柄の停止図柄指定で指定されている特別図柄の種類を確認し、指定されている特別図柄に応じた初期位置振分テーブルST1,ST2にしたがって初期位置抽選を実行する。統括制御用CPU41aは、特別図柄の停止図柄指定で指定されている特別図柄の種類(特別図柄B,Cのいずれであるか)に基づいて乱数による乱数抽選を実行する。なお、統括制御用CPU41aは、図8に示すように、特別図柄の停止図柄指定で特別図柄Bが指定されている場合に初期位置振分テーブルST1を、特別図柄の停止図柄指定で特別図柄Cが指定されている場合に初期位置振分テーブルST2にしたがって初期位置抽選を実行する。
【0101】
そして、統括制御用CPU41aは、特別図柄の停止図柄指定で特別図柄Bが指定されている場合、図9に示すように初期位置振分テーブルST1にしたがって初期位置抽選を実行して示唆ゲージGの初期設定位置を決定する。また、統括制御用CPU41aは、特別図柄の停止図柄指定で特別図柄Cが指定されている場合、図9に示すように初期位置振分テーブルST2にしたがって初期位置抽選を実行して示唆ゲージGの初期設定位置を決定する。
【0102】
例えば、初期位置振分テーブルST1には、それぞれ乱数の取り得る数値(本実施形態では全251通りの整数)が示唆ゲージGの初期設定位置となる「−20」、「−15」、「−10」、「−5」、「0」、「5」、「10」、「15」のそれぞれの示唆位置に所定個数ずつ振分けられている。初期位置振分テーブルST1では、それぞれが選択される確率を、「−20」に5/251、「−15」に20/251、「−10」に50/251、「−5」に100/251、「0」に50/251、「5」に20/251、「10」に5/251、「15」に1/251となるように乱数を振分けている。
【0103】
本実施形態において初期位置振分テーブルST1,ST2では、図9に示すように、特別図柄Bが指定されている場合の方が特別図柄Cが指定されている場合よりも、初期設定位置の示唆位置として「優勢側位置」を決定し易いとともに、「最優勢側位置」に近い位置を決定し易くなっている。このため、チャンスモードに移行する場合には、示唆ゲージGの初期設定位置が「優勢側位置」の示唆位置であって、「最優勢側位置」に近いほど確変状態への期待度が高まるようになっている。
【0104】
そして、統括制御用CPU41aは、初期位置抽選により初期設定位置を決定すると、「期待度メータM」上の示唆ゲージGを決定した初期設定位置に制御するようになっている。なお、統括制御用CPU41aは、特別図柄B,Cに対応する大当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームの開始に伴って、チャンスモードへの移行を指示する演出コマンドとともに、示唆ゲージGの示唆位置を初期位置抽選により決定した初期設定位置とすることを指示する演出コマンドを各制御基板42,43に出力する。
【0105】
続いて、本実施形態のパチンコ遊技機10において、統括制御用CPU41aは、各所定条件の成立を契機に、「期待度メータM」上の示唆ゲージGの変化率(変化割合)を個々に抽選して決定し、抽選結果を所定のタイミングで反映させるようになっている。そして、本実施形態では、各変動パターンに基づく図柄変動ゲームにおける特定の演出内容(EP1〜EP4)による共通演出の実行指示を所定条件の成立として、示唆ゲージGの変化率を決定する。また、本実施形態では、変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームにおける敵殲滅演出の実行指示を所定条件の成立として、示唆ゲージGの変化率を決定する。また、本実施形態では、変動パターンP6に基づく図柄変動ゲームにおける斬撃アップ演出の実行指示を所定条件の成立として、示唆ゲージGの変化率を決定する。また、本実施形態では、変動パターンP4,P7に基づく図柄変動ゲームの実行指示を所定条件の成立として、示唆ゲージGの変化率を決定する。また、本実施形態では、変動パターンP1〜P3に基づく図柄変動ゲームの実行指示を所定条件の成立として、示唆ゲージGの変化率を決定する。
【0106】
まず、各変動パターンに基づく図柄変動ゲームにおける特定の演出内容(EP1〜EP4)による共通演出の実行指示を所定条件の成立とする場合について図10及び図11に基づき説明する。
【0107】
なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出内容EP1〜EP4による共通演出の実行可の決定が、期待度示唆演出の実行を決定していることとなる。そして、共通演出によって、操作有効期間の開始を示す所定のキャラクタの出現が、期待度示唆演出の実行を予告する予告演出となり、当該予告演出の実行中の演出用ボタン39の操作の検知を契機に期待度示唆演出での示唆位置の変化率が決定される。また、本実施形態では、予告演出を実行する演出表示装置28(画像表示部)が予告手段となり得る。
【0108】
統括制御用CPU41aは、各変動パターンに基づく図柄変動ゲームにおいて共通演出抽選で演出内容EP1〜EP4を決定していた場合、これら演出内容による共通演出の実行指示(演出用ボタン39の操作の検知)を契機に、示唆ゲージGの示唆位置を変化させる変化率(変化割合)を決定する共通演出時変化抽選を実行する。統括制御用CPU41aは、図10に示すように、共通演出時変化抽選の実行に際し、遊技状態が確変状態であるか否か(高確率であるか低確率であるか)と、共通演出の演出内容として決定している演出内容EP1〜EP4とに応じた変化率振分テーブルLT1〜LT4,HT1〜HT4にしたがって共通演出時変化抽選を実行する。統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態であるか否かとともに、共通演出として決定した演出内容の種類に基づいて乱数による乱数抽選を実行する。
【0109】
そして、統括制御用CPU41aは、遊技状態が非確変状態(低確率)である場合、演出内容EP1のときに、図10及び図11に示すように、示唆ゲージGの示唆位置の「最優勢側位置」方向への変化率が比較的小さい「上昇小」の変化態様となる、変化率振分テーブルLT1にしたがって共通演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が非確変状態(低確率)である場合、演出内容EP2の決定時に、図10及び図11に示すように、示唆ゲージGの示唆位置の「最優勢側位置」方向への変化率が比較的大きい「上昇大」の変化態様となる、変化率振分テーブルLT2にしたがって共通演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が非確変状態(低確率)である場合、演出内容EP3の決定時に、図10及び図11に示すように、示唆ゲージGの示唆位置の「最劣勢側位置」方向への変化率が比較的小さい「減少小」の変化態様となる、変化率振分テーブルLT3にしたがって共通演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が非確変状態(低確率)である場合、演出内容EP4の決定時に、図10及び図11に示すように、示唆ゲージGの示唆位置の「最劣勢側位置」方向への変化率が比較的大きい「減少大」の変化態様となる、変化率振分テーブルLT4にしたがって共通演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。
【0110】
また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態(高確率)である場合、演出内容EP1の決定時に、図10及び図11に示すように、示唆ゲージGの示唆位置の「最優勢側位置」方向への変化率が比較的小さい「上昇小」の変化態様となる、変化率振分テーブルHT1にしたがって共通演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態(高確率)である場合、演出内容EP2の決定時に、図10及び図11に示すように、示唆ゲージGの示唆位置の「最優勢側位置」方向への変化率が比較的大きい「上昇大」の変化態様となる、変化率振分テーブルHT2にしたがって共通演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態(高確率)である場合、演出内容EP3の決定時に、図10及び図11に示すように、示唆ゲージGの示唆位置の「最劣勢側位置」方向への変化率が比較的小さい「減少小」の変化態様となる、変化率振分テーブルHT3にしたがって共通演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態(高確率)である場合、演出内容EP4の決定時に、図10及び図11に示すように、示唆ゲージGの示唆位置の「最劣勢側位置」方向への変化率が比較的大きい「減少大」の変化態様となる、変化率振分テーブルHT4にしたがって共通演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。
【0111】
なお、図11に示す「変化率」は、示唆ゲージGの示唆位置に対して変化する移動数(段階数)であって、プラス(+)が「最優勢側位置」方向への移動(変化)を示し、マイナス(−)が「最劣勢側位置」方向への移動(変化)を示している。
【0112】
例えば、変化率振分テーブルLT1には、それぞれ乱数の取り得る数値(本実施形態では全251通りの整数)が示唆ゲージGの示唆位置の変化率となる「+1」、「+2」、「+3」、「+4」、「+5」のそれぞれの変化率に所定個数ずつ振分けられている。変化率振分テーブルLT1では、それぞれが選択される確率を、「+1」に81/251、「+2」に60/251、「+3」に50/251、「+4」に40/251、「+5」に20/251となるように乱数を振分けている。
【0113】
本実施形態において、変化態様が「上昇小」である変化率振分テーブルLT1,HT1では、決定し得る変化率が「+1」〜「+5」の範囲に定められ、決定し得る変化率が「+3」〜「+10」又は「+20」の範囲に定められ変化態様が「上昇大」である変化率振分テーブルLT2,HT2よりも「最優勢側位置」への変化率(移動数)が小さくなっている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10において、「+20」の変化率は、「均等位置」から一気に「最優勢側位置」に変化する態様に相当する変化率である。また、変化態様が「減少小」である変化率振分テーブルLT3,HT3では、決定し得る変化率が「−1」〜「−5」の範囲に定められ、決定し得る変化率が「−2」〜「−8」の範囲に定められ変化態様が「減少大」である変化率振分テーブルLT2,HT2よりも「最劣勢側位置」への変化率(移動数)が小さくなっている。
【0114】
また、本実施形態において、変化率振分テーブルLT1〜LT4,HT1〜HT4では、確変状態である場合、非確変状態である場合よりも示唆位置の少ない変化率を決定し易い一方で、確変状態である場合にのみ「+20」の変化率が選択し得るようになっている。また、変化率振分テーブルLT1〜LT4,HT1〜HT4では、確変状態である場合にのみ「0(変化しない)」の変化率が選択し得るようになっている。このため、本実施形態では、共通演出抽選では、確変状態のときほど小さい変化率を決定し易いとともに、「最優勢側位置」への変化を決定するときには「+20」を決定し得るようになっている。
【0115】
また、統括制御用CPU41aは、共通演出時変化抽選により示唆位置の変化率を決定すると、変化前の示唆位置と決定した変化率に基づき変化判定処理を実行するようになっている。
【0116】
変化判定処理において、統括制御用CPU41aは、共通演出時変化抽選により示唆位置の変化率を決定すると、変化前の示唆位置が「0」〜「+16」であることを条件に、変化後の示唆位置が「最優勢側位置」に到達する又は越えてしまうか否かの上昇変化幅判定を実行する。そして、統括制御用CPU41aは、上昇変化幅判定が肯定の場合、変化前の示唆位置よりも「最優勢側位置」に「+17」への移動を上限として1段階以上変化するように変化後の示唆位置を決定するようになっている。なお、統括制御用CPU41aは、変化し得る示唆位置が複数存在する場合、変化後の示唆位置を均等割合で決定する。
【0117】
また、統括制御用CPU41aは、共通演出時変化抽選によりプラス(+)の変化率を決定すると、変化前の示唆位置が「+17」であることを条件に、示唆ゲージGの「+18」への変化を1/3の割合(「+17」の維持を2/3の割合)で決定するようになっている。また、統括制御用CPU41aは、共通演出時変化抽選によりプラス(+)の変化率を決定すると、変化前の示唆位置が「+18」であることを条件に、示唆ゲージGの「+19」への変化を1/5の割合(「+18」の維持を4/5の割合)で決定するようになっている。また、統括制御用CPU41aは、共通演出時変化抽選によりプラス(+)の変化率を決定すると、変化前の示唆位置が「+19」であることと、遊技状態が確変状態であることを条件に、示唆ゲージGの「+20(最優勢側位置)」への変化を1/10の割合(「+20(最優勢側位置)」の維持を9/10の割合)で決定するようになっている。なお、統括制御用CPU41aは、変化前の示唆位置が「+19」である場合に、共通演出時変化抽選によりプラス(+)の変化率を決定しても遊技状態が非確変状態であるときには「+20(最優勢側位置)」への変化を規制する(変化させない)ようになっている。また、統括制御用CPU41aは、示唆位置が一旦「+20」に到達するとマイナス(−)の変化率を決定しない限りその「最優勢側位置」を維持させるようになっている。
【0118】
また、変化判定処理において、統括制御用CPU41aは、共通演出時変化抽選により示唆位置の変化率を決定すると、変化前の示唆位置が「0」〜「−20」であることを条件に、変化後の示唆位置が「最劣勢側位置」を越えてしまうか否かの減少変化幅判定を実行する。そして、統括制御用CPU41aは、減少変化幅判定が肯定の場合、変化前の示唆位置が「0」〜「−14」であることを条件に、変化前の示唆位置よりも「最劣勢側位置」に「−17」への移動を上限として1段階以上変化するように変化後の示唆位置を決定するようになっている。なお、統括制御用CPU41aは、変化し得る示唆位置が複数存在する場合、変化後の示唆位置を均等割合で決定する。
【0119】
また、統括制御用CPU41aは、減少変化幅判定が肯定の場合、変化前の示唆位置が「−15」〜「−19」であることを条件に、変化前の示唆位置よりも「最劣勢側位置」に1段階のみ変化するように変化後の示唆位置を決定するようになっている。また、統括制御用CPU41aは、示唆位置が一旦「−20」に到達するとプラス(+)の変化率を決定しない限りその「最劣勢側位置」を維持させるようになっている。
【0120】
そして、統括制御用CPU41aは、共通演出時変化抽選により示唆位置の変化率とともに変化後の示唆位置を決定すると、共通演出の実行を指示するとともに、決定した演出コマンドで、示唆ゲージGの変化(変化前の示唆位置から変化後の示唆位置への変化)も各制御基板42,43に出力する。そして、本実施形態では、演出内容EP1〜EP4による共通演出の実行に伴って、期待度示唆演出が展開される。
【0121】
次に、変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームにおける敵殲滅演出の実行指示を所定条件の成立とする場合について図12及び図13に基づき説明する。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、変動パターンP5による失敗パターンとなる敵殲滅演出の実行可を決定している場合に、期待度示唆演出の実行を決定していることとなる。そして、敵殲滅演出によって、操作有効期間の開始を示す敵の残り数の表示が、期待度示唆演出の実行を予告する予告演出となり、当該予告演出の実行中の演出用ボタン39の操作の検知を契機に期待度示唆演出での示唆位置の変化率が決定される。
【0122】
統括制御用CPU41aは、変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームにおいて敵殲滅演出の開始とともに設定する操作有効期間の終了に伴って、当該操作有効期間中に演出用ボタン39の操作を検知していることを条件に、敵殲滅演出による演出結果の導出後に示唆ゲージGの示唆位置を変化させる変化率(変化割合)を決定する敵殲滅演出時変化抽選を実行する。なお、統括制御用CPU41aは、変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームにおいて操作有効期間中に演出用ボタン39の操作を検知していない場合、敵殲滅演出時変化抽選を実行しないで、示唆ゲージGの示唆位置を変化させないようになっている。統括制御用CPU41aは、図12に示すように、敵殲滅演出時変化抽選の実行に際し、遊技状態が確変状態であるか否か(高確率であるか低確率であるか)と、操作有効期間中に検知した演出用ボタン39の操作回数(検知回数)とに応じた変化率振分テーブルLT5〜LT7,HT5〜HT7にしたがって敵殲滅演出時変化抽選を実行する。統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態であるか否かとともに、操作有効期間中に検知した演出用ボタン39の操作回数(検知回数)に基づいて乱数による乱数抽選を実行する。
【0123】
そして、統括制御用CPU41aは、遊技状態が非確変状態(低確率)である場合、操作回数が「0回」〜「15回」のときに、図12及び図13に示すように、示唆ゲージGの示唆位置を維持する「維持」の変化態様となる、変化率振分テーブルLT5にしたがって敵殲滅演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が非確変状態(低確率)である場合、操作回数が「16回」〜「30回」のときに、図12及び図13に示すように、示唆ゲージGの示唆位置の「最優勢側位置」方向への変化率が比較的小さい「上昇小」の変化態様となる、変化率振分テーブルLT6にしたがって敵殲滅演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が非確変状態(低確率)である場合、操作回数が「31回」〜「254回」のときに、図12及び図13に示すように、示唆ゲージGの示唆位置の「最優勢側位置」方向への変化率が比較的大きい「上昇大」の変化態様となる、変化率振分テーブルLT7にしたがって敵殲滅演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。
【0124】
また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態(高確率)である場合、操作回数が「0回」〜「15回」のときに、図12及び図13に示すように、示唆ゲージGの示唆位置を維持する「維持」となる、変化率振分テーブルHT5にしたがって敵殲滅演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態(高確率)である場合、操作回数が「16回」〜「30回」のときに、図12及び図13に示すように、示唆ゲージGの示唆位置の「最優勢側位置」方向への変化率が比較的小さい「上昇小」の変化態様となる、変化率振分テーブルHT6にしたがって敵殲滅演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態(高確率)である場合、操作回数が「31回」〜「254回」のときに、図12及び図13に示すように、示唆ゲージGの示唆位置の「最優勢側位置」方向への変化率が比較的大きい「上昇大」の変化態様となる、変化率振分テーブルHT7にしたがって敵殲滅演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。
【0125】
なお、図13に示す「変化率」は、示唆ゲージGの示唆位置に対して変化する移動数(段階数)であって、プラス(+)が「最優勢側位置」方向への移動(変化)を示し、マイナス(−)が「最劣勢側位置」方向への移動(変化)を示している。
【0126】
例えば、変化率振分テーブルLT6には、それぞれ乱数の取り得る数値(本実施形態では全251通りの整数)が示唆ゲージGの示唆位置の変化率となる「+1」、「+3」、「+5」のそれぞれの変化率に所定個数ずつ振分けられている。変化率振分テーブルLT6では、それぞれが選択される確率を、「+1」に120/251、「+3」に89/251、「+5」に42/251となるように乱数を振分けている。
【0127】
本実施形態において、変化態様が「維持」である変化率振分テーブルLT5、HT5では、変化率として「0(維持)」のみを決定するようになっている。このため、敵殲滅演出において、演出用ボタン39の操作回数(検知回数)が少ない(15回以下)の場合、示唆ゲージGの示唆位置が変化しないようになっている。変化態様が「上昇小」である変化率振分テーブルLT6,HT6では、変化率として「+1」,「+3」,「+5」の中で「+1」を最も決定し易くなっており、「+3」を最も決定し易くなっている変化態様が「上昇大」である変化率振分テーブルLT7,HT7よりも「最優勢側位置」への変化率(移動数)が小さくなっている。このため、遊技状態にかかわらず敵殲滅演出において、演出用ボタン39の操作回数が「0回」〜「30回」で操作回数が同じの場合には、示唆位置の変化率がほとんど(変化率振分テーブルLT6で「0」又は「+20」の決定を除いて)同じとなる。
【0128】
また、変化率振分テーブルLT7では、変化率として「+1」,「+3」,「+5」の中で「+5」を最も決定し難くなっており、「+1」を最も決定し難くなっている変化率振分テーブルHT7よりも「最優勢側位置」への変化率(移動数)が大きくなっている。このため、敵殲滅演出において、演出用ボタン39の操作回数が同じ場合には、遊技状態が確変状態であるときに非確変状態であるときよりも示唆位置の変化率が大きくなるようになっている。
【0129】
また、本実施形態において、確変状態である場合に参照される変化率振分テーブルHT6,HT7では、「+20」の変化率を選択し得るようになっているとともに、確変状態である場合の中でも演出用ボタン39の操作回数が所定回数(本実施形態では16回)以上であるときにのみ「+20」の変化率を選択し得るようになっている。また、確変状態である場合に参照される変化率振分テーブルHT6,HT7では、「0(変化しない)」の変化率が選択し得るようになっている。
【0130】
そして、統括制御用CPU41aは、敵殲滅演出時変化抽選により示唆位置の変化率を決定すると、変化前の示唆位置と決定した変化率に基づき変化判定処理を実行するようになっている。続いて、統括制御用CPU41aは、敵殲滅演出時変化抽選により示唆位置の変化率とともに変化後の示唆位置を決定すると、適殲滅演出の演出結果の導出を指示するとともに、決定した演出コマンドで、示唆ゲージGの変化(変化前の示唆位置から変化後の示唆位置への変化)も各制御基板42,43に出力する。そして、本実施形態では、敵殲滅演出で演出結果が導出されることに伴って(導出された後)、期待度示唆演出が展開される。なお、本実施形態では、敵殲滅演出における期待度示唆演出の実行を変動パターンP5の決定に伴って決定するので、敵殲滅演出の演出結果として「失敗パターン」が導出された後に期待度示唆演出が実行される。
【0131】
次に、変動パターンP6に基づく図柄変動ゲームにおける斬撃アップ演出の実行指示を所定条件の成立とする場合について、図14及び図15に基づき説明する。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出内容EP1〜EP4による共通演出の実行可を決定していない場合や変動パターンP5による失敗パターンとなる敵殲滅演出の実行可を決定していない場合であっても、変動パターンP6による斬撃アップ演出の実行可を決定しているときに、期待度示唆演出の実行を決定していることとなる。そして、斬撃アップ演出を伴う図柄変動ゲームでは、当該図柄変動ゲームの開始を契機に期待度示唆演出での示唆位置の変化率が決定される。
【0132】
統括制御用CPU41aは、変動パターンP6に基づく図柄変動ゲームを開始させるに際し、斬撃アップ演出による演出結果の導出後(斬撃の数の表示後)に示唆ゲージGの示唆位置を変化させる変化率(変化割合)を、決定する斬撃アップ演出時変化抽選を実行する。なお、統括制御用CPU41aは、変動パターンP6に基づく図柄変動ゲームにおいて操作有効期間中に演出用ボタン39の操作を検知しているか否かにかかわらず、斬撃アップ演出時変化抽選を実行するようになっている。統括制御用CPU41aは、図14に示すように、斬撃アップ演出時変化抽選の実行に際し、遊技状態が確変状態であるか否か(高確率であるか低確率であるか)に応じた変化率振分テーブルLT8,HT8にしたがって斬撃アップ演出時変化抽選を実行する。統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態であるか否かに基づいて乱数による乱数抽選を実行する。
【0133】
そして、統括制御用CPU41aは、遊技状態が非確変状態(低確率)である場合に、図14及び図15に示すように、変化率振分テーブルLT8にしたがって斬撃アップ演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態(高確率)である場合に、図14及び図15に示すように、変化率振分テーブルHT8にしたがって斬撃アップ演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。
【0134】
なお、図15に示す「変化率」は、示唆ゲージGの示唆位置に対して変化する移動数(段階数)であって、プラス(+)が「最優勢側位置」方向への移動(変化)を示し、マイナス(−)が「最劣勢側位置」方向への移動(変化)を示している。
【0135】
例えば、変化率振分テーブルLT8には、それぞれ乱数の取り得る数値(本実施形態では全251通りの整数)が示唆ゲージGの示唆位置の変化率となる「+3」、「+6」、「+9」、「+12」、「+15」のそれぞれの変化率に所定個数ずつ振分けられている。変化率振分テーブルLT8では、それぞれが選択される確率を、「+3」に90/251、「+6」に106/251、「+9」に35/251、「+12」に15/251、「+15」に5/251となるように乱数を振分けている。
【0136】
本実施形態において、変化率振分テーブルLT8,HT8では、「0」、「+3」、「+6」、「+9」、「+12」、「+15」、「+20」の各変化率の選択される確率(振分けられている乱数の数)を比較すると、「+3」及び「+6」以外では変化率振分テーブルHT8で乱数が多く振分けられている。このため、斬撃アップ演出においては、遊技状態が確変状態であるときに非確変状態であるときよりも「+9」、「+12」、「+15」の変化率を決定し易く示唆位置の変化率が大きくなるようになっている。
【0137】
また、確変状態である場合に参照される変化率振分テーブルHT8では、「+20」の変化率が選択し得るようになっている。また、確変状態である場合に参照される変化率振分テーブルHT8では、「0(変化しない)」の変化率が選択し得るようになっている。
【0138】
そして、統括制御用CPU41aは、斬撃アップ演出時変化抽選により示唆位置の変化率を決定すると、示唆ゲージGの変化を各制御基板42,43に指示するタイミングで変化前の示唆位置と決定した変化率に基づき変化判定処理を実行するようになっている。なお、統括制御用CPU41aは、共通演出の実行により示唆位置が変化される場合、共通演出の実行による変化後の示唆位置を、変化前の示唆位置として変化判定処理を実行する。続いて、統括制御用CPU41aは、斬撃アップ演出時変化抽選により示唆位置の変化率とともに変化後の示唆位置を決定すると、斬撃アップ演出の演出結果の導出を指示する(操作有効期間を終了させて演出を終了させる)とともに、決定した演出コマンドで、示唆ゲージGの変化(変化前の示唆位置から変化後の示唆位置への変化)も各制御基板42,43に出力する。そして、本実施形態では、操作有効期間が終了されて斬撃アップ演出で演出結果が導出されることに伴って(導出された後)、期待度示唆演出が展開される。
【0139】
次に、はずれリーチ演出用、はずれ演出用の変動パターンのうち、敵殲滅演出及び斬撃アップ演出の演出内容を特定する変動パターンP4,P5以外の変動パターンP4,P7に基づく図柄変動ゲームの実行指示を所定条件の成立とする場合について図16及び図17に基づき説明する。
【0140】
なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出内容EP1〜EP4による共通演出の実行可を決定していない場合や変動パターンP5による失敗パターンとなる敵殲滅演出の実行可を決定していない場合であっても、変動パターンP4,P7による演出の実行可を決定しているときに、期待度示唆演出の実行を決定していることとなる。そして、変動パターンP4,P7による演出を伴う図柄変動ゲームでは、当該図柄変動ゲームの開始を契機に期待度示唆演出での示唆位置の変化率が決定される。
【0141】
統括制御用CPU41aは、変動パターンP4,P7に基づく図柄変動ゲームを開始させるに際し、当該図柄変動ゲーム開始に伴って(他の演出(本実施形態では共通演出)の実行に先立って)示唆ゲージGの示唆位置を変化させる変化率(変化割合)を、決定するはずれ演出時変化抽選を実行する。統括制御用CPU41aは、図16に示すように、変動パターンP4,P7に基づく図柄変動ゲームの実行に際し、遊技状態が確変状態であるか否か(高確率であるか低確率であるか)と、変動パターンの種類(変動パターンP4、変動パターンP7のいずれであるか)とに応じた変化率振分テーブルLT9,LT10,HT9,HT10にしたがってはずれ演出時変化抽選を実行する。統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態であるか否かとともに、変動パターンの種類に基づいて乱数による乱数抽選を実行する。
【0142】
そして、統括制御用CPU41aは、遊技状態が非確変状態(低確率)である場合、変動パターンが変動パターンP4であるときに、図16及び図17に示すように、変化率振分テーブルLT9にしたがってはずれ演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が非確変状態(低確率)である場合、変動パターンが変動パターンP7であるときに、図16及び図17に示すように、変化率振分テーブルLT10にしたがってはずれ演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。
【0143】
また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態(高確率)である場合、変動パターンが変動パターンP4であるときに、図16及び図17に示すように、変化率振分テーブルHT9にしたがってはずれ演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態(高確率)である場合、変動パターンが変動パターンP7であるときに、図16及び図17に示すように、変化率振分テーブルHT10にしたがってはずれ演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。
【0144】
なお、図17に示す「変化率」は、示唆ゲージGの示唆位置に対して変化する移動数(段階数)であって、プラス(+)が「最優勢側位置」方向への移動(変化)を示し、マイナス(−)が「最劣勢側位置」方向への移動(変化)を示している。
【0145】
例えば、変化率振分テーブルLT10には、それぞれ乱数の取り得る数値(本実施形態では全251通りの整数)が示唆ゲージGの示唆位置の変化率となる「−3」、「−1」、「0」、「1」、「3」のそれぞれの変化率に所定個数ずつ振分けられている。変化率振分テーブルLT10では、それぞれが選択される確率を、「−3」に24/251、「−1」に42/251、「0」に141/251、「+1」に22/251、「+3」に22/251となるように乱数を振分けている。
【0146】
変化率振分テーブルLT9,HT9では、変化率振分テーブルLT9よりも変化率振分テーブルHT9の方が「+3」及び「+5」の変化率を選択し易く、「0」、「−1」、「−3」、「−5」、「−7」及び「−9」の変化率を選択し難い。このため、変化率振分テーブルHT9では、変化率振分テーブルLT9よりも「最優勢側位置」に変化し易く、「最劣勢側位置」に変化し難くなっている。また、変化率振分テーブルHT9よりも変化率振分テーブルLT9の方が、「0」の変化率を選択し易いので、期待度示唆演出により示唆位置が変化するか否かに関しては、変化率振分テーブルHT9の方が変化率振分テーブルLT9よりも変化し易くなっている。また、本実施形態において、変化率振分テーブルLT10,HT10では、変化率振分テーブルLT10よりも変化率振分テーブルHT10の方が「−1」の変化率を選択し易く「−3」の変化率を選択し難いため、「最優勢側位置」に変化し易い。また、変化率振分テーブルLT10,HT10では、「0」の変化率を同じ割合で選択するので、期待度示唆演出により示唆位置が変化するか否かに関しては同じとなっている。その結果、変動パターンP4、P7に基づく図柄変動ゲームでは、示唆ゲージGが変化する場合に「最優勢側位置」に変化するほど確変状態への期待が高まるとともに、示唆ゲージGが変化しない場合よりも期待度示唆演出で示唆ゲージGが変化する場合に確変状態への期待が高まる。
【0147】
また、変化率振分テーブルLT9,HT9と変化率振分テーブルLT10,HT10では、変化率振分テーブルLT9,HT9よりも変化率振分テーブルLT10,HT10の方が「0」の変化率を選択し易い。さらに、変化率振分テーブルLT10,HT10よりも変化率振分テーブルLT9,HT9の方が決定し得る変化率の種類が多くなっている。このため、変動パターンP4の図柄変動ゲームでは、変動パターンP7の図柄変動ゲームよりも図柄変動ゲームの開始に伴って、示唆ゲージGが変化し易くなっている。また、変化する場合には、変動パターンP7による図柄変動ゲームよりも変動パターンP4による図柄変動ゲームの場合に、「最優勢側位置」に変化し易くなっている。その結果、図柄変動ゲームの開始時には、示唆ゲージGの変化態様から、図柄変動ゲームとしてリーチ演出が実行される可能性が遊技者に示唆されている。
【0148】
そして、統括制御用CPU41aは、はずれ演出時変化抽選により示唆位置の変化率を決定すると、変化前の示唆位置と決定した変化率に基づき変化判定処理を実行するようになっている。続いて、統括制御用CPU41aは、はずれ演出時変化抽選により示唆位置の変化率とともに変化後の示唆位置を決定すると、変動パターンP4,P7の図柄変動ゲームの開始を指示するとともに、当該図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドとともに、示唆ゲージGの変化(変化前の示唆位置から変化後の示唆位置への変化)を指示する演出コマンドを各制御基板42,43に出力する。そして、本実施形態では、変動パターンP4,P7に基づく図柄変動ゲームが開始されることに伴って(開始後)、期待度示唆演出が展開される。
【0149】
次に、大当り演出用の変動パターンである変動パターンP1〜P3に基づく図柄変動ゲームの実行指示を所定条件の成立とする場合について図18及び図19に基づき説明する。
【0150】
なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出内容EP1〜EP4による共通演出の実行可を決定していない場合や変動パターンP5による失敗パターンとなる敵殲滅演出の実行可を決定していない場合であっても、変動パターンP1〜P3による演出の実行可を決定しているときに、期待度示唆演出の実行を決定していることとなる。そして、変動パターンP1〜P3に基づく図柄変動ゲームでは、当該図柄変動ゲームの開始を契機に期待度示唆演出での示唆位置の変化率が決定される。
【0151】
統括制御用CPU41aは、変動パターンP1〜P3に基づく図柄変動ゲームを開始させるに際し、当該図柄変動ゲーム開始に伴って(他の演出(本実施形態では共通演出)の実行に先立って)示唆ゲージGの示唆位置を変化させる変化率(変化割合)を、決定する大当り演出時変化抽選を実行する。統括制御用CPU41aは、図18に示すように、変動パターンP1〜P3に基づく図柄変動ゲームの実行に際し、遊技状態が確変状態であるか否か(高確率であるか低確率であるか)と、変動パターンの種類(変動パターンP1〜P3のいずれであるか)とに応じた変化率振分テーブルLT11〜LT13,HT11〜HT13にしたがって大当り演出時変化抽選を実行する。統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態であるか否かとともに、変動パターンの種類に基づいて乱数による乱数抽選を実行する。
【0152】
そして、統括制御用CPU41aは、遊技状態が非確変状態(低確率)である場合、変動パターンが変動パターンP1であるときに、図18及び図19に示すように、変化率振分テーブルLT11にしたがって大当り演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が非確変状態(低確率)である場合、変動パターンが変動パターンP2であるときに、図18及び図19に示すように、変化率振分テーブルLT12にしたがって大当り演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が非確変状態(低確率)である場合、変動パターンが変動パターンP3であるときに、図18及び図19に示すように、変化率振分テーブルLT13にしたがって大当り演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。
【0153】
また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態(高確率)である場合、変動パターンが変動パターンP1であるときに、図18及び図19に示すように、変化率振分テーブルHT11にしたがって大当り演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態(高確率)である場合、変動パターンが変動パターンP2であるときに、図18及び図19に示すように、変化率振分テーブルHT12にしたがって大当り演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。また、統括制御用CPU41aは、遊技状態が確変状態(高確率)である場合、変動パターンが変動パターンP3であるときに、図18及び図19に示すように、変化率振分テーブルHT13にしたがって大当り演出時変化抽選を実行して変化率を決定する。
【0154】
なお、図19に示す「変化率」は、示唆ゲージGの示唆位置に対して変化する移動数(段階数)であって、プラス(+)が「最優勢側位置」方向への移動(変化)を示し、マイナス(−)が「最劣勢側位置」方向への移動(変化)を示している。
【0155】
例えば、変化率振分テーブルLT11には、それぞれ乱数の取り得る数値(本実施形態では全251通りの整数)が示唆ゲージGの示唆位置の変化率となる「−9」、「−7」、「−5」、「−3」、「−1」、「0」、「+1」、「+3」、「+5」、「+7」、「+9」、「+20」のそれぞれの変化率に所定個数ずつ振分けられている。変化率振分テーブルLT11では、それぞれが選択される確率を、「−9」に12/251、「−7」に10/251に、「−5」に20/251、「−3」に11/251、「−1」に10/251、「0」に80/251となるように乱数を振分けている。また、変化率振分テーブルLT11では、それぞれが選択される確率を、「+1」に5/251、「+3」に25/251、「+5」に31/251、「+7」に30/251、「+9」に15/251、「+20」に2/251となるように乱数を振分けている。
【0156】
本実施形態において、変化率振分テーブルLT11,LT12では、各変化率を同じ割合で選択するので、示唆位置の変化態様が同じ態様となるようになっている。また、変化率振分テーブルHT11,HT12では、各変化率を同じ割合で選択するので、示唆位置の変化態様が同じ態様となるようになっている。また、変化率振分テーブルLT11,LT12と変化率振分テーブルHT11,HT12では、変化率振分テーブルLT11,LT12よりも変化率振分テーブルHT11,HT12の方が「0」の変化率を選択し易く「+20」の変化率を選択し難くなっているが、ほぼ同じ態様となっている。また、変化率振分テーブルLT13,HT13では、各変化率を同じ割合で選択するので、示唆位置の変化態様が同じ態様となるようになっている。また、変化率振分テーブルLT11,LT12,HT11,HT12では、「−9」や「+9」や「+20」の変化率を選択し得る一方で、変化率振分テーブルLT13,HT13では、「−9」や「+9」や「+20」を選択し得ない。また、変化率振分テーブルLT11,LT12,HT11,HT12よりも変化率振分テーブルLT13,HT13の方が、「−3」や「−1」や「0」や「1」の変化率を選択し易く「+3」や「+5」や「+7」を選択し難い。このため、変化率振分テーブルLT13,HT13では、変化率振分テーブルLT11,LT12,HT11,HT12よりも示唆位置が変化し難く、「最優勢側位置」に変化し難くなっている。その結果、変動パターンP1〜P3に基づく図柄変動ゲームでは、大当り遊技が付与されて遊技状態が移行し得るので、期待度示唆演出の変化態様から遊技状態が確変状態であるか否かよりも大当りが付与されるか否かを遊技者に示唆するようになっている。そして、変動パターンP1〜P3に基づく図柄変動ゲームでは、示唆ゲージGの変化態様から、大当り遊技として、確変大当りが付与される可能性が遊技者に示唆されている。
【0157】
また、図17及び図19を対比すると、図柄変動ゲームではずれとなる場合に参照される変化率振分テーブルLT9,LT10,HT9,HT10と、図柄変動ゲームで大当りとなる場合に参照される変化率振分テーブルLT11〜LT13,HT11〜HT13における示唆ゲージGの示唆位置の変化態様(期待度示唆演出の実行態様)では、変化率振分テーブルLT9,LT10,HT9,HT10よりも変化率振分テーブルLT11〜LT13,HT11〜HT13の方が「最優勢側位置」に変化し易く、「最劣勢側位置」に変化し難くなっている。その結果、図柄変動ゲームの開始に伴って示唆ゲージGが変化する場合には、「最優勢側位置」に変化するほど大当り遊技の付与への期待が高まる。また、図柄変動ゲームの開始に伴って示唆ゲージGが変化する場合には、当該図柄変動ゲームがはずれであることを条件に、「最優勢側位置」に変化するほど確変状態への期待が高まるとともに、示唆ゲージGが変化しない場合よりも期待度示唆演出で示唆ゲージGが変化する場合に確変状態への期待が高まる。
【0158】
また、リーチ演出を伴う図柄変動ゲームではずれとなる場合に参照される変化率振分テーブルLT9,HT9と、リーチ演出を伴う図柄変動ゲームで大当りとなる場合に参照される変化率振分テーブルLT11〜LT13,HT11〜HT13では、決定し得る変化率の値が「+20」を除いて同じとなるように構成されている。このため、変化率振分テーブルLT9,HT9と、変化率振分テーブルLT11〜LT13,HT11〜HT13で決定し得る変化率分だけ図柄変動ゲームの開始に伴って示唆ゲージGが変化する場合には、リーチ演出に対する期待が高まり、さらにその変化によって「最優勢側位置」へ変化するほど大当り遊技の付与への期待が高まる。
【0159】
また、図17及び図19に示すテーブルのうち、変化率振分テーブルLT11,LT12,HT11,HT12の場合にのみ、「平均位置」から一気に「最優勢側位置」に変化する態様に相当する「+20」の変化率を振分けている。その結果、図柄変動ゲームの開始に伴って示唆ゲージGが「平均位置」から一気に「最優勢側位置」に変化する態様に相当する「+20」の変化率分だけ変化する場合、大当りであることが確定するとともに、さらに特別図柄Aに基づく大当り遊技の付与が確定するようになっている。
【0160】
そして、統括制御用CPU41aは、大当り演出時変化抽選により示唆位置の変化率を決定すると、変化前の示唆位置と決定した変化率に基づき変化判定処理を実行するようになっている。続いて、統括制御用CPU41aは、大当り演出時変化抽選により示唆位置の変化率とともに変化後の示唆位置を決定すると、変動パターンP1〜P3の図柄変動ゲームの開始を指示するとともに、当該図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドとともに、示唆ゲージGの変化(変化前の示唆位置から変化後の示唆位置への変化)を指示する演出コマンドを各制御基板42,43に出力する。そして、本実施形態では、変動パターンP1〜P3に基づく図柄変動ゲームが開始されることに伴って(開始後)、期待度示唆演出が展開される。
【0161】
なお、本実施形態では、統括制御用CPU41aが示唆演出判定手段、有効期間設定手段、操作判定手段、予告指示手段として機能するとともに、秘匿演出制御手段として機能する。
【0162】
次に、演出表示制御基板42について説明する。
演出表示制御基板42の表示制御用CPU42aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように演出表示装置28の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU42aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾図用の停止図柄指定コマンドで指示された飾り図柄を演出表示装置28に確定停止表示させるように表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
【0163】
また、表示制御用CPU42aは、チャンスモードの滞在中の図柄変動ゲームにおいて、期待度メータMと示唆ゲージGを出現させ、示唆ゲージGの示唆位置を変化させる期待度示唆演出を実行させるように演出表示装置28の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU42aは、示唆ゲージGの示唆位置として、初期位置抽選により決定した初期設定位置とすることを指示する演出コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される初期設定位置となるように演出表示装置28の表示内容を制御する。
【0164】
また、表示制御用CPU42aは、図柄変動ゲームの開始に伴って期待度示唆演出の実行を指示する演出コマンドを入力すると、当該コマンドに基づき示唆ゲージGを変化させるように演出表示装置28の表示内容を制御する。その結果、画像表示部GHでは、図柄変動ゲームの開始に伴って示唆ゲージGの示唆位置が変化したり変化しなかったりする。そして、示唆ゲージGの変化により、遊技者は、リーチ演出の出現への期待の高低とともに大当り遊技の付与への期待の高低、さらには特別図柄Aに基づく大当り遊技の付与への期待の高低を認識し得る。
【0165】
次に、共通演出を実行させる場合に表示制御用CPU42aが実行する制御内容について説明する。
表示制御用CPU42aは、有効期間設定コマンドを入力すると、当該コマンドに共通演出の実行に伴う所定のキャラクタの出現が指示される場合、操作有効期間が設定された旨を示す表示演出を実行させるとともに、共通演出の実行に伴う所定のキャラクタを出現させるように演出表示装置28の表示内容を制御する。その結果、画像表示部GHでは、図柄変動ゲームの開始後、所定のタイミング(操作有効期間が開始されるタイミング)で所定のキャラクタが出現される。
【0166】
続いて、表示制御用CPU42aは、共通演出の実行を指示するとともに期待度示唆演出の実行を指示する演出コマンドを入力すると、当該コマンドに基づく演出内容の台詞を発するとともに示唆ゲージGを変化させるように演出表示装置28の表示内容を制御する。その結果、画像表示部GHでは、所定のキャラクタの出現後、当該キャラクタが台詞を発するとともに示唆ゲージGの示唆位置が変化したり変化しなかったりする。そして、示唆ゲージGの変化により、遊技者は確変状態への期待の高低を認識し得る。
【0167】
次に、敵殲滅演出を伴う図柄変動ゲームを実行する場合の表示制御用CPU42aが実行する制御内容について説明する。
表示制御用CPU42aは、敵殲滅演出の図柄変動ゲームの開始に伴って各図柄列の変動を開始させ、当該ゲームを開始させてからの経過時間が所定時間(変動パターンに示される敵殲滅演出を開始させるタイミング)に達すると、リーチ状態を形成させるように演出表示装置28の表示内容を制御する。その結果、画像表示部GHでは、例えば、[7↓7]というようにリーチ状態が形成される。
【0168】
また、表示制御用CPU42aは、リーチ状態の形成後、直ちに敵殲滅演出を開始させるように演出表示装置28の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU42aは、有効期間設定コマンドを入力すると、操作有効期間が設定された旨を示す表示演出を実行させるように演出表示装置28の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU42aは、敵の残り数の減少を指示する演出コマンドを入力すると、当該コマンドに基づく減少数分ずつ敵の残り数を減少させるように演出表示装置28の表示内容を制御する。その結果、画像表示部GHでは、予め定めた敵の残り数が出現し、演出用ボタン39の操作を促す画像として演出用ボタン39を模した画像及び「ボタン連打」という文字が出現し、演出用ボタン39の操作によって敵の残り数が減少される。
【0169】
続いて、表示制御用CPU42aは、敵殲滅演出の演出結果の導出を指示する演出コマンドを入力すると、当該コマンドに基づく演出結果を導出するように演出表示装置28の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU42aは、敵殲滅演出の演出結果の導出とともに期待度示唆演出の実行を指示する演出コマンドを入力すると、当該コマンドに基づく演出結果(本実施形態では失敗パターン)を導出するとともに示唆ゲージGを変化させるように演出表示装置28の表示内容を制御する。その結果、画像表示部GHでは、所定の演出結果が導出され、失敗パターンの演出結果が導出されるときには当該演出結果の導出とともに示唆ゲージGの示唆位置が変化したりしなかったりする。そして、示唆ゲージGの変化により、遊技者は確変状態への期待の高低を認識し得る。
【0170】
次に、斬撃アップ演出を伴う図柄変動ゲームを実行する場合の表示制御用CPU42aが実行する制御内容について説明する。
表示制御用CPU42aは、斬撃アップ演出の図柄変動ゲームの開始に伴って各図柄列の変動を開始させ、当該ゲームを開始させてからの経過時間が所定時間(変動パターンに示される敵殲滅演出を開始させるタイミング)に達すると、リーチ状態を形成させるように演出表示装置28の表示内容を制御する。その結果、画像表示部GHでは、例えば、[7↓7]というようにリーチ状態が形成される。
【0171】
また、表示制御用CPU42aは、リーチ状態の形成後、直ちに斬撃アップ演出を開始させるように演出表示装置28の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU42aは、演出コマンドに指示される斬撃アップ用の演出パターンに基づく増加数に応じて、所定の増加数分ずつ斬撃数を増加させるように演出表示装置28の表示内容を制御する。その結果、画像表示部GHでは、所定の表示画像(例えば、「斬撃カウント開始」など)が出現し、所定の増加数分ずつ斬撃数が増加される。
【0172】
続いて、表示制御用CPU42aは、斬撃アップ演出の演出結果(最終的な斬撃数の表示)の導出を指示する演出コマンドを入力すると、当該コマンドに基づく演出結果(演出開始時の斬撃数に斬撃アップ用の演出パターンに基づく増加数を加算した最終的な斬撃数)を導出するように演出表示装置28の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU42aは、斬撃アップ演出の演出結果の導出とともに期待度示唆演出の実行を指示する演出コマンドを入力すると、当該コマンドに基づく演出結果(本実施形態では最終的な斬撃数)を導出するとともに示唆ゲージGを変化させるように演出表示装置28の表示内容を制御する。その結果、画像表示部GHでは、最終的な斬撃数の導出とともに示唆ゲージGの示唆位置が変化したりしなかったりする。そして、示唆ゲージGの変化により、遊技者は確変状態への期待の高低を認識し得る。
【0173】
なお、本実施形態では、表示制御用CPU42aが秘匿演出制御手段として機能する。
また、音声・ランプ制御基板43は、各種コマンドを入力すると、各種ランプ部17〜19,27bの発光態様、及びスピーカ20,21,25の音声出力態様を制御する。すなわち、音声・ランプ制御基板43は、演出表示制御基板42と同様にこれらのコマンドで指示された演出内容に応じた演出を行わせるように制御を行う。
【0174】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)チャンスモードへの移行に伴っては大当り遊技終了後の遊技状態に応じて示唆ゲージGの初期設定位置を「−20」から「+20」のうち、「−20」、「−15」、「−10」、「−5」、「0」、「+5」、「+10」、「+15」のいずれかとなるように決定することで、チャンスモードへの移行に伴う確変状態である可能性を遊技者に示唆(報知)するようにした。また、チャンスモードの滞在中、共通演出の実行可を決定している図柄変動ゲーム、又は変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームでは、所定のキャラクタが出現する又は予め定めた敵の残り数が出現した後の演出用ボタン39の操作に基づき、示唆ゲージGの示唆位置を遊技状態に応じた変化率(割合)で変化させることで確変状態である可能性を遊技者に示唆(報知)するようにした。したがって、遊技状態が確変状態であるか否かを秘匿するチャンスモードへの移行時は勿論のこと当該チャンスモードの滞在中においても遊技者の確変状態への関心を高める演出を行うことで、チャンスモードの滞在中の演出に対する興趣の向上を図ることができる。
【0175】
(2)チャンスモードの滞在中、共通演出の実行否を決定している図柄変動ゲーム、変動パターンP4又は変動パターンP6に基づく図柄変動ゲームにおいても示唆ゲージGの示唆位置を遊技状態に応じて変化させることで、チャンスモードの滞在中に行われる図柄変動ゲームでは、いずれの図柄変動ゲームでも示唆ゲージGの示唆位置が変化されるチャンスを遊技者に与えるようにした。すなわち、演出用ボタン39の操作を契機にしない場合であっても、示唆ゲージGの示唆位置を遊技状態に応じて変化させ得るようにした。このため、遊技者の確変状態への関心を高める演出を、チャンスモードの滞在中の共通演出の実行に伴う表示画像や、変動パターンP4,P6に基づくように敵殲滅演出の実行に伴う表示画像が画像表示されない図柄変動ゲームでも実行させ得る構成とすることで、チャンスモードの滞在中の演出に対する興趣の向上を図ることができる。
【0176】
(3)図柄変動ゲームの開始に伴って期待度示唆演出が実行される図柄変動ゲームでは、示唆ゲージGの示唆位置を変化させる場合には、大当り遊技の付与を決定していることを条件に、変化割合として示唆ゲージGの示唆位置が均等位置から一気に「最優勢側位置」に変化する態様に相当する変化率(本実施形態では「+20」)を決定し得るように構成するようにした。このため、図柄変動ゲームの開始に伴って期待度示唆演出が実行される図柄変動ゲームにおいては、示唆ゲージGの示唆位置の変化態様で大当り抽選の抽選結果を遊技者に示唆することができる。したがって、チャンスモードの滞在中、遊技者の確変状態への関心を高める演出を行う示唆ゲージGを用いて大当り遊技の付与への可能性も遊技者に示唆することで、示唆ゲージGの変化に対する興趣の向上を図ることができる。
【0177】
(4)統括制御用CPU41aは、変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームにおいて、演出用ボタン39の操作に応じて変化率(割合)を決定するに際し、敵殲滅演出の実行中の操作有効期間での演出用ボタン39の操作回数に応じて変化率(割合)の決定態様(参照するテーブル)を異ならせるようにした。また、統括制御用CPU41aは、変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームにおいて、敵殲滅演出の実行中の操作有効期間での演出用ボタン39の操作回数が所定回数(本実施形態では16回)以上であるときにのみ確変状態であることを条件に、変化率として示唆ゲージGの示唆位置を、均等位置から一気に「最優勢側位置」に変化する態様に相当する変化率(本実施形態では「+20」)を決定するようにした。このため、遊技者は変動パターンP5に基づく図柄変動ゲーム中において演出用ボタン39を操作することにより、遊技者自らが「+20」の変化率を選択的に取得し得るので、遊技に対する飽きを抑制することができ、チャンスモードの滞在中の遊技の興趣を向上させることができる。
【0178】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームの開始を所定条件とする場合、演出用ボタン39の操作回数にかかわらず遊技状態に応じて予め定めるテーブル(例えば、高確率では変化率振分テーブルLT6、低確率では変化率振分テーブルHT6)を参照するようにしてもよい。また、変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームの開始を所定条件とする場合には、演出用ボタン39の操作回数にかかわらず遊技状態に応じて抽選により参照するテーブル(例えば、高確率では変化率振分テーブルLT5〜LT7、低確率では変化率振分テーブルHT5〜HT7)を決定することもできる。
【0179】
・本実施形態では、変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームの開始を所定条件とする場合、「+20」の変化率を選択し得る演出用ボタン39の操作回数の所定回数を、例えば、15回以下の回数や17回以上の回数に変更することもできる。
【0180】
・本実施形態では、変化率振分テーブルLT6,LT7,HT6,HT7において、「+20」の変化率を決定し得ないように構成することもできる。また、各変化率振分テーブルにおいては、「+20」の変化率を決定し得ないように構成することもできる。
【0181】
・本実施形態では、変化率として「+20」の変化率を決定する場合、変化率判定の判定結果にかかわらず示唆位置が最優勢側位置に変化し得るときには最優勢側位置に変化させる構成を採用することもできる。また、「+20」の変化率では、現在の示唆ゲージGの示唆位置にかかわらず「最優勢側位置」への変化を特定する構成とすることもできる。また、変化率としては、「最優勢側位置」への変化を特定するような変化率を新たに設定する構成とすることもできる。
【0182】
・本実施形態では、期待度示唆演出において確変状態への期待を遊技者に示唆可能であればよく、図柄変動ゲームの開始時の期待度示唆演出においても確変状態への期待を遊技者に示唆大当り遊技の付与への期待を遊技者に示唆可能にすることもできる。例えば、図柄変動ゲームの開始時の期待度示唆演出における示唆位置の変化率を決定するに際し、統括制御用CPU41aは、大当り抽選の抽選結果にかかわらず遊技状態に応じて参照する変化率振分テーブルを決定する。
【0183】
・本実施形態では、図柄変動ゲームの開始時の期待度示唆演出における示唆位置の変化率を決定するに際し、はずれの場合と大当りの場合とで変化態様が異なっていればよく、「+20」の変化率を決定し得ないようにしてもよい。また、期待度示唆演出では、大当りの場合、特別図柄の種類にかかわらず同じ変化態様とすることできる。
【0184】
・本実施形態では、共通演出の実行時、又は変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームの実行時でのみ期待度示唆演出を実行する構成としてもよい。
・本実施形態では、チャンスモード中に特別図柄B,Cに基づく大当りに当選する場合にも初期位置抽選により初期設定位置を決定し得る構成としてもよい。
【0185】
・本実施形態では、共通演出の実行可を決定する場合、決定している演出内容の種類にかかわらず期待度示唆演出を実行可能にすることもできる。
・本実施形態において、統括制御用CPU41aは、斬撃アップ演出時変化抽選を、斬撃アップ演出で最終的な演出結果の導出時に示唆位置の変化率を決定するようにしてもよい。
【0186】
・本実施形態では、変化率判定を実行しなくてもよく、各種抽選で決定した変化率に基づき示唆ゲージGの示唆位置を「最優勢側位置」又は「最劣勢側位置」を上限として変化させ得る構成としてもよい。
【0187】
・本実施形態では、期待度示唆演出の演出態様は、任意に変更してもよく、例えば、「最劣勢側位置」で遊技者にとって有利な状態(確変状態)である旨を示唆するといった構成としてもよい。
【0188】
・本実施形態において、期待度示唆手段の演出態様は、任意に変更してもよく、例えば、期待度メータMを示唆位置毎に区切った区画をそれぞれに点灯可能に構成し、その点灯態様により実現することもできる。また、期待度示唆手段の演出態様は、専用の可動体による可動演出や、スピーカ20,21,25による音声演出や、各種ランプ部17〜19,27bによる発光演出で実現することもできる。
【0189】
・本実施形態では、期待度メータM上における示唆ゲージGの示唆位置を、2以上の複数の段階を有していれば、例えば、21段階や42段階以上や上限なしのように任意に変更してもよい。
【0190】
・本実施形態では、各種演出の演出態様を任意に変更してもよい。
・本実施形態では、通常モードにおいても期待度示唆演出を実行可能とすることもできる。
【0191】
・本実施形態では、期待度示唆演出で示唆ゲージGが「最優勢側位置」に変化する場合でも、「確変状態確定」や「大当り確定」としないで、非確変状態やはずれとなる場合にも「最優勢側位置」に変化し得る構成とするともできる。
【0192】
・本実施形態では、共通演出や敵殲滅演出や斬撃アップ演出の演出態様を任意に変更してもよく、共通演出の出現タイミングを変更したり、敵殲滅演出や斬撃アップ演出をリーチ状態の形成前に実行したりするなど変更することもできる。
【0193】
・本実施形態では、遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に秘匿可能な構成であればよく、例えば、入球率向上状態の付与態様や付与する場合の付与回数を任意に変更することもできる。また、特別図柄B,Cに基づく大当り遊技として、特別図柄Aよりもラウンド遊技の上限回数を少なく(例えば、2回)設定するとともに、大当り遊技に要する時間を短くした大当り遊技とすることもでき、このような大当り遊技の場合には当該大当り遊技の開始に伴って期待度メータMと示唆ゲージGを出現させるようにすることもできる。
【0194】
・本実施形態では、遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に認識させ得る報知ランプを備えるようなパチンコ遊技機に適用してもよい。
・本実施形態において、主制御用CPU40aは、図柄変動ゲームの決定に関する各種乱数を、各始動入賞口33,34の入賞時に全て主制御用RAM40cから取得するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0195】
【図1】パチンコ遊技機の機前面側を示す正面図。
【図2】制御構成を示すブロック図。
【図3】特別図柄の種類を示す表。
【図4】変動パターンを説明する模式図。
【図5】演出モードの種類を説明する模式図。
【図6】(a)〜(d)は、示唆ゲージの変化態様を示す模式図。
【図7】各種演出を説明する模式図。
【図8】初期位置抽選を説明する説明図。
【図9】初期位置振分テーブルを説明する説明図。
【図10】共通演出時変化抽選を説明する説明図。
【図11】変化率振分テーブルを説明する説明図。
【図12】敵殲滅演出時変化抽選を説明する説明図。
【図13】変化率振分テーブルを説明する説明図。
【図14】斬撃アップ演出時変化抽選を説明する説明図。
【図15】変化率振分テーブルを説明する説明図。
【図16】はずれ演出時変化抽選を説明する説明図。
【図17】変化率振分テーブルを説明する説明図。
【図18】大当り演出時変化抽選を説明する説明図。
【図19】変化率振分テーブルを説明する説明図。
【符号の説明】
【0196】
G…示唆ゲージ、M…期待度メータ、GH…画像表示部、P1〜P7…変動パターン、10…パチンコ遊技機、28…演出表示装置、30…特別図柄表示装置、39…演出用ボタン、40…主制御基板、40a…主制御用CPU、40b…主制御用ROM、40c…主制御用RAM、41…サブ統括制御基板、41a…統括制御用CPU、41b…統括制御用ROM、41c…統括制御用RAM、42…演出表示制御基板、42a…表示制御用CPU、42b…表示制御用ROM、42c…表示制御用RAM。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームを行う表示手段と、前記図柄変動ゲームの始動条件の成立を契機に大当りとするか否かを判定する大当り判定手段と、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合に大当りの抽選確率が低確率である通常状態から高確率である確率変動状態に変動させるか否かを判定する確変判定手段とを備え、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合には大当り遊技が行われるとともに、前記確変判定手段の判定結果が肯定の場合には前記大当り遊技の終了後に確率変動状態が付与される遊技機において、
遊技者が操作可能な演出用操作手段と、
前記大当り判定手段の判定結果に基づき、前記図柄変動ゲームの変動内容を特定可能な変動パターンを複数種類の中から決定する変動パターン決定手段と、
前記図柄変動ゲーム中に前記確率変動状態への期待度を前記確率変動状態への期待度が最も低い最低段階から前記確率変動状態への期待度が最も高い最高段階に亘る複数段階に跨って遊技者に示唆し、各段階に応じた報知態様に変化可能な期待度示唆手段と、
前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに基づき前記期待度示唆手段の報知態様を変化させることで前記確率変動状態である可能性を遊技者に示唆する示唆演出を実行させるか否かを判定する示唆演出判定手段と、
前記示唆演出判定手段で前記示唆演出の実行を決定している場合の図柄変動ゲーム中に前記演出用操作手段の操作を有効とする操作有効期間を設定する有効期間設定手段と、
前記操作有効期間中に前記演出用操作手段が操作されたか否かを判定する操作判定手段と、
前記示唆演出を実行させる場合に前記有効期間設定手段が前記操作有効期間を設定するのに先立って前記示唆演出の実行を予告する予告演出の実行を予告手段に指示する予告指示手段と、
前記大当り遊技終了後、当該大当り遊技終了後の遊技状態が前記確率変動状態であるか否かを秘匿する秘匿状態を生起させ、該秘匿状態の生起中に前記期待度示唆手段を制御する秘匿演出制御手段と、を備え、
前記秘匿演出制御手段は、
前記秘匿状態を生起させるに際し、前記大当り遊技終了後の次の図柄変動ゲームが開始されるまでに前記期待度示唆手段の初期段階位置を前記最低段階から前記最高段階までのいずれかの段階となるように前記大当り遊技終了後に付与される遊技状態に応じて決定して、前記大当り遊技終了後の次の図柄変動ゲームの開始に伴って決定した初期段階位置になるように前記期待度示唆手段の報知態様を制御し、
前記秘匿状態の生起中、前記示唆演出判定手段の判定結果が肯定とされる場合、前記図柄変動ゲーム中に前記予告演出の実行が指示された後、前記操作判定手段で演出用操作手段が操作されたと判定されることを契機に遊技状態に応じて前記期待度示唆手段の報知態様の変化割合を決定するようになっており、前記確率変動状態であるときには前記確率変動状態でないときよりも滞在している段階から前記最高段階に到達し易いように前記変化割合を決定し、決定した変化割合分だけ前記期待度示唆手段の報知態様を変化させることで前記確率変動状態である可能性を遊技者に示唆することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記秘匿演出制御手段は、前記秘匿状態の生起中、前記示唆演出判定手段の判定結果が否定である場合にも前記図柄変動ゲーム中に前記期待度示唆手段の報知態様を変化可能に構成されており、前記期待度示唆手段の報知態様を変化させるときには前記図柄変動ゲームの開始に伴って前記変化割合を前記確率変動状態であるときに前記確率変動状態でないときよりも滞在している段階から前記最高段階に到達し易いように前記変化割合を決定し、決定した変化割合分だけ前記期待度示唆手段の報知態様を変化させる請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記秘匿演出制御手段は、前記秘匿状態の生起中、前記示唆演出判定手段の判定結果が否定である場合に前記期待度示唆手段の報知態様を変化させるときには前記変動パターン決定手段で決定された変動パターンが前記大当り判定手段で大当りを決定している場合に決定される変動パターンであることを条件に、前記遊技状態にかかわらず前記変化割合として前記期待度示唆手段の報知態様を前記最高段階まで一気に変化させる割合を決定し得ることで、前記期待度示唆手段の変化態様から前記大当り判定手段の判定結果を遊技者に示唆し得るように構成された請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記秘匿演出制御手段は、前記秘匿状態の生起中、前記示唆演出判定手段の判定結果が肯定である場合、前記操作有効期間中に前記演出用操作手段が操作された操作回数が所定回数以上であるときに前記操作回数が所定回数よりも少ないときよりも前記変化割合として滞在している段階から前記最高段階に到達し易いように前記変化割合を決定するようになっており、前記演出用操作手段が操作された回数が所定回数以上であるときにのみ前記確率変動状態であることを条件に、前記変化割合として前記期待度示唆手段の報知態様を前記最高段階まで一気に変化させる割合を決定するように構成された請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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