説明

遊技機

【課題】ドリンクホルダが遊技の邪魔になることを防止するとともに、遊技機の前面部裏側に設けられる機器への影響を排除する。
【解決手段】飲料容器2を支持するドリンクホルダ1を備えるスロットマシン100であって、ドリンクホルダ1は、飲料容器2の底部を支持する受け皿部10と、受け皿部10の上面部に立設され、飲料容器2の胴部を囲う囲い部20とを備え、受け皿部10は、スロットマシン100の前面部に収められる収納姿勢と、スロットマシン100の前面部から前方に突出して飲料容器2の底部を支持可能な使用姿勢とに姿勢変化可能であり、囲い部20は、線状弾性部材を用いて伸縮自在に形成され、受け皿部10が使用姿勢のときは、伸長して飲料容器2の胴部を囲い、受け皿部10が収納姿勢のときは、縮小して所定のスペースSに収納される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン、パチンコ機などの遊技機に関し、特に、飲料容器を支持するドリンクホルダを備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スロットマシン、パチンコ機などの遊技機は、前面が開口された箱状又は枠状の筐体と、筐体の前面開口を開閉自在に覆う扉とを備えて構成されている。
例えば、スロットマシンは、リールユニット、メダル払出装置などが収容される箱状の筐体と、スタートレバー、停止ボタン、液晶パネル、メダルセレクタ、スピーカなどが取り付けられる前扉とを備えている。
【0003】
ところで、このような遊技機で遊技する遊技者は、缶、ペットボトルなどの容器に入ったコーヒー、ジュースなどの飲料を飲みながら遊技を行うことがある。このとき遊技者は、飲みかけの飲料容器を常に手に持った状態で遊技を行うのではなく、遊技機の近傍にあるテーブルなどの飲料容器置き場に飲みかけの飲料容器を置いた状態で遊技を行うのが一般的であるが、飲料容器置き場の位置が適切でない場合、遊技者の利便性を阻害するだけでなく、誤って飲料容器を倒すおそれがあった。
【0004】
そこで、飲料容器を支持するドリンクホルダを備える遊技機(スロットマシン)が提案されている。
例えば、特許文献1に示される遊技機は、その前面部にドリンクホルダを備えるとともに、このドリンクホルダを左右移動可能としている。
また、特許文献2に示される遊技機は、その前面部に凹状の飲料収容部を形成するとともに、この飲料収容部内にドリンクホルダを設け、さらに、飲料収容部の前面開口を引き戸状の開閉部材で開閉可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−260004号公報
【特許文献2】特開2008−237526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示される遊技機では、ドリンクホルダの左右位置を遊技者の好みに応じて任意に変更できるという利点があるものの、ドリンクホルダが常に遊技機の前面部から前方に突出した状態を維持するので、遊技の邪魔になるおそれがある。
一方、特許文献2に示される遊技機では、ドリンクホルダが遊技の邪魔にならないという利点があるものの、飲料収容部を奥行きの深い凹部とする必要があるので、前扉の裏側に設けられる機器(例えば、メダルセレクタ、スピーカ、スイッチなど)の配置に影響を及ぼし、容易に実施できないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、飲料容器を支持するドリンクホルダを備える遊技機でありながら、使用しないときはドリンクホルダを遊技機前面部に収納することにより、ドリンクホルダが遊技の邪魔になることを防止し、さらには、ドリンクホルダをコンパクトに収納することにより、遊技機の前面部裏側に設けられる機器への影響を排除できる遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明の遊技機は、飲料容器を支持するドリンクホルダを備える遊技機であって、前記ドリンクホルダは、前記飲料容器の底部を支持する受け皿部と、前記受け皿部の上面部に立設され、前記飲料容器の胴部を囲う囲い部と、を備え、前記受け皿部は、遊技機前面部に収められる収納姿勢と、遊技機前面部から前方に突出して前記飲料容器の底部を支持可能な使用姿勢と、に姿勢変化可能であり、前記囲い部は、線状弾性部材を用いて伸縮自在に形成され、前記受け皿部が使用姿勢のときは、伸長して前記飲料容器の胴部を囲い、前記受け皿部が収納姿勢のときは、縮小して所定のスペースに収納される構成としてある。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、飲料容器を支持するドリンクホルダを備える遊技機でありながら、使用しないときはドリンクホルダを遊技機前面部に収納することにより、ドリンクホルダが遊技の邪魔になることを防止し、さらには、ドリンクホルダをコンパクトに収納することにより、遊技機の前面部裏側に設けられる機器への影響を排除できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第一実施形態に係るスロットマシンの全体を示す概略斜視図であり、ドリンクホルダを前扉の前面部に収納した状態を示す図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係るスロットマシンの全体を示す概略斜視図であり、ドリンクホルダを前扉の前面部から突出させた状態を示す図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係るスロットマシンの要部を示す拡大斜視図であり、ドリンクホルダを前扉の前面部から突出させた状態を示す図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係るスロットマシンの要部を示す拡大断面図であり、(a)は、ドリンクホルダを前扉の前面部に収納した状態を示す図、(b)は、ドリンクホルダを前扉の前面部から突出させた状態を示す図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係るスロットマシンのドリンクホルダを示す図であり、(a)は、ドリンクホルダの変形例を示す断面図、(b)は、ドリンクホルダの作用を示す断面図である。
【図6】本発明の第二実施形態に係るスロットマシンの要部を示す拡大断面図であり、(a)〜(c)は、第二実施形態のドリンクホルダが備える収納ガイド片の作用を示す図である。
【図7】本発明の第三実施形態に係るスロットマシンの要部を示す図であり、(a)は、第三実施形態のドリンクホルダを示す平面図、(b)は、第三実施形態のドリンクホルダを示す断面図である。
【図8】本発明の第四実施形態に係るスロットマシンの要部を示す図であり、(a)は、第四実施形態のドリンクホルダを示す斜視図、(b)は、第四実施形態のドリンクホルダの収納状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
遊技機には、スロットマシン、パチンコ機、アレンジボール、雀球など様々な種類があるが、本実施形態では、メダルを遊技媒体とするスロットマシンに本発明を適用した場合について説明する。
【0012】
[スロットマシン]
図1及び図2に示すスロットマシン100は、図示しない複数のリールを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
スロットマシン100は、必要な機械、装置等を収納する正面側が開口した箱状の筐体100aと、筐体100aの正面開口を開閉可能に覆う前扉100bとを備えて構成されている。
【0013】
筐体100a内の中央部には、複数のリールと、各リールを回転駆動させるモータと、各リールの回転位置を検出するセンサとが組み込まれた不図示のリールユニットが設けられている。
また、筐体100a内の下部には、メダルの貯留・払出しを行う不図示のメダル払出装置が設けられている。
【0014】
前扉100bの前面部には、演出用の画像を表示する液晶パネル101、複数のリールを目視可能に覆うリール表示窓102、メダルが投入されるメダル投入口103、各リールの回転を始動させるスタートレバー104、回転している各リールを停止させる3つの停止ボタン105〜107、機種毎のデザインが施される前面パネル108、払い出されたメダルを受けるメダル受け部109、タバコの吸い殻を入れる灰皿110などが設けられて、スロットマシン100の正面部を構成している。
また、前扉100bの裏面側には、投入メダルの識別や計数を行う不図示のメダルセレクタ、演出用のサウンドや音声を出力する不図示のスピーカ、スタートレバー104や停止ボタン105〜107の操作を検出する不図示のスイッチなどが設けられている。
【0015】
[ドリンクホルダ]
図1〜図5に示すように、前扉100bの前面部には、飲料容器2を支持するドリンクホルダ1が設けられている。ドリンクホルダ1は、飲料容器2の底部を支持する受け皿部10と、受け皿部10の上面部に立設され、飲料容器2の胴部を囲う囲い部20とを備えている。
【0016】
受け皿部10は、前扉100bの前面部に収められる収納姿勢と、前扉100bの前面部から前方に突出して飲料容器2の底部を支持可能な使用姿勢とに姿勢変化可能に構成されている。
囲い部20は、線状弾性部材を用いて伸縮自在に形成されており、受け皿部10が使用姿勢のときは、伸長して飲料容器2の胴部を囲い、受け皿部10が収納姿勢のときは、縮小して所定のスペースSに収納されるようになっている。
【0017】
このようなドリンクホルダ1を備えるスロットマシン100によれば、使用しないときはドリンクホルダ1を前扉100bの前面部に収納することができるので、ドリンクホルダ1が遊技の邪魔になることを防止できる。しかも、囲い部20は、縮小状態で収納されるので、ドリンクホルダ1をコンパクトに収納することが可能になり、その結果、前扉100bの裏側に設けられる機器への影響も排除することができる。
以下、本実施形態に係るドリンクホルダ1の具体的な構成について、図1〜図5を参照して説明する。
【0018】
前扉100bにおける前面パネル108の左端部には、囲い部20を収納するスペースSとなる正面四角形の凹部108aが形成されている。この凹部108aは、奥行き寸法が浅く(例えば、20mm〜30mm)、前扉100bの裏側に設けられるメダルセレクタ、スピーカ、スイッチなどの配置に影響を及ぼすことはない。
【0019】
受け皿部10は、飲料容器2の底部よりも広い面積を持つ板状部材からなり、凹部108aの下端部を支点(支軸11)として前後回動自在に支持されるとともに、この前後回動にもとづいて、上述した収納姿勢と使用姿勢とに姿勢変化するようになっている。そして、受け皿部10は、前扉100bの前面部に収められる収納姿勢においては、凹部108aの前面開口を閉じ、前扉100bの前面部から前方に突出して飲料容器2の底部を支持可能な使用姿勢においては、凹部108aの前面開口を開くようになっている。
【0020】
図4に示すように、受け皿部10は、取っ手12及び係合片13を備えることが好ましい。
取っ手12は、受け皿部10の開き操作に際して指掛けとなる部分であり、例えば、受け皿部10が収納姿勢(閉じ姿勢)のとき、その上端部から前方下方に突出するように形成される。
また、係合片13は、受け皿部10を収納姿勢(閉じ姿勢)に保持するための手段であり、例えば、凹部108a内に設けられた、弾性部材(バネ)により下方側に付勢されたボールを備えるボールプランジャ14との係合により、受け皿部10を収納姿勢に保持するように形成される。なお、ボールプランジャ14に代えて、復元したときに係合片13と係合する弾性爪でもよい。
【0021】
また、本実施形態の受け皿部10は、飲料容器2の底部を支持する上面がフラットであるが、図5の(a)に示すような円筒ガイド15によって凹部16を形成してもよい。このようにすると、受け皿部10の上面に零れた飲料や、温度差により付着した水滴などを凹部16内で受け止め、受け皿部10から零れることを防止できる。
【0022】
囲い部20は、受け皿部10を使用姿勢から収納姿勢に回動操作する際、受け皿部10の上面と凹部108aの内壁108bとの間で圧縮されることにより、縮小して凹部108a内に収納されるように構成される。例えば、本実施形態の囲い部20は、弾性復元力が比較的弱く、容易に圧縮して縮小させることが可能な圧縮コイルバネ状に形成されている。
なお、本実施形態の囲い部20は、複数の止金21で受け皿部10の上面に取り付けられているが、受け皿部10に対する取付構造は適宜変更することができる。
【0023】
つぎに、本実施形態に係るドリンクホルダ1の使用方法について、図4の(a)、(b)及び図5の(a)を参照して説明する。
【0024】
図4の(a)は、収納状態のドリンクホルダ1を示している。遊技者は、ドリンクホルダ1を使用する場合、受け皿部10の上端部に形成される取っ手12を手前側に引っ張る。取っ手12を手前側に引っ張ると、ボールプランジャ14による係合片13の係合が解除され、受け皿部10が凹部108aの下端部を支点として前方に回動する。これにより、受け皿部10は、前扉100bの前面部から前方に突出して飲料容器2の底部を支持可能な使用姿勢となる。また、受け皿部10が前方に回動すると、囲い部20も伸長して飲料容器2の胴部を支持可能な姿勢となる。
【0025】
図4の(b)は、使用状態のドリンクホルダ1を示している。この図に示すように、受け皿部10が前方に突出する使用姿勢においては、囲い部20内に上方から飲料容器2を差し込むことにより、当該飲料容器2がドリンクホルダ1で支持される。ドリンクホルダ1で支持された飲料容器2を取り出す場合は、飲料容器2を真上に持ち上げれば良いが、本実施形態のドリンクホルダ1では、図5の(b)に示すように、ある程度傾けた状態でも飲料容器2を取り出すことができる。これは、囲い部20が弾性線状部材で形成されており、囲い部20の傾き方向の弾性変形が許容されるからである。その結果、サイズの大きい飲料容器2をドリンクホルダ1から取り出すとき、飲料容器2を若干手前側に傾けるようにすれば、飲料容器2をスムーズに取り出すことができるという利点がある。
【0026】
一方、ドリンクホルダ1を収納する場合は、前扉100bから前方に突出する受け皿部10を上方に回動操作し、前扉100bの前面部に沿わせる。このとき、囲い部20は、受け皿部10の上面と凹部108aの内壁108bとの間で圧縮されることにより、縮小して凹部108a内に収納される。また、受け皿部10の係合片13が、ボールプランジャ14に係合することにより、受け皿部10が収納姿勢に保持される。
【0027】
以上のように構成された本実施形態によれば、飲料容器2を支持するドリンクホルダ1を備えるスロットマシン100であって、ドリンクホルダ1は、飲料容器2の底部を支持する受け皿部10と、受け皿部10の上面部に立設され、飲料容器2の胴部を囲う囲い部20とを備え、受け皿部10は、スロットマシン100の前面部に収められる収納姿勢と、スロットマシン100の前面部から前方に突出して飲料容器2の底部を支持可能な使用姿勢とに姿勢変化可能であり、囲い部20は、線状弾性部材を用いて伸縮自在に形成され、受け皿部10が使用姿勢のときは、伸長して飲料容器2の胴部を囲い、受け皿部10が収納姿勢のときは、縮小して所定のスペースSに収納されるので、飲料容器2を支持するドリンクホルダ1を備えるスロットマシン100でありながら、使用しないときはドリンクホルダ1をスロットマシン100の前面部に収納することにより、ドリンクホルダ1が遊技の邪魔になることを防止し、さらには、ドリンクホルダ1をコンパクトに収納することにより、スロットマシン100の前扉100b裏側に設けられる機器への影響を排除できる。
【0028】
また、スペースSは、前扉100b(前面パネル108)の前面部に形成された凹部108aであり、受け皿部10は、凹部108aの下端部を支点とする前後回動にもとづいて、収納姿勢と使用姿勢とに姿勢変化するとともに、使用姿勢のときは凹部108aを開き、収納姿勢のときは凹部108aを閉じるように構成され、囲い部20は、受け皿部10を使用姿勢から収納姿勢に回動操作する際、受け皿部10の上面と凹部108aの内壁108bとの間で圧縮されることにより、縮小して凹部108a内に収納されるので、単に受け皿部10を回動操作するだけで、囲い部20を縮小させたり、伸長させることが可能になり、その結果、コンパクトに収納可能なドリンクホルダ1でありながら、遊技者にとって使い勝手の良いものとできる。
【0029】
[第二実施形態]
つぎに、本発明の第二実施形態に係るスロットマシン100について、図6を参照しつつ説明する。
ただし、前記実施形態と共通する部分については、前記実施形態と同じ符号を付けることにより、前記実施形態の説明を援用する。
【0030】
図6に示すように、本発明の第二実施形態に係るスロットマシン100のドリンクホルダ1Bは、囲い部20の上端部に収納ガイド片22を備える点が前記実施形態と相違している。この収納ガイド片22は、受け皿部10を使用姿勢から収納姿勢に回動操作する際、凹部108aの内壁108bに囲い部20よりも先行して摺接することにより、凹部108aに対する囲い部20の収納をガイドするものであって、囲い部20のスムーズな収納を促す。
【0031】
すなわち、受け皿部10を使用姿勢から収納姿勢に回動操作する際、圧縮コイルバネ状に形成された囲い部20の上端部(後端側)が凹部108aの内壁108bに直接摺接すると、摺接部分における弾性線状部材の向きが摺接方向と略直交することから、大きな摺接抵抗が発生して囲い部20がスムーズに圧縮されない可能性があるが、上記の収納ガイド片22を設けると、摺動抵抗が低減されるので、囲い部20をスムーズに圧縮させ、凹部108a内に収納することが可能になる。
なお、本実施形態の収納ガイド片22は、上下方向に沿い、凹部108aの奥側に膨出するフック状の舌片としてあるが、収納ガイド片22の形状は適宜変更することができる。
【0032】
以上のように構成された第二実施形態によれば、囲い部20の上端部に設けられ、受け皿部10を使用姿勢から収納姿勢に回動操作する際、凹部108aの内壁108bに摺接することにより、凹部108aに対する囲い部20の収納をガイドする収納ガイド片22を備えるので、囲い部20を凹部108a内にスムーズに収納することができる。
【0033】
[第三実施形態]
つぎに、本発明の第三実施形態に係るスロットマシン100について、図7を参照しつつ説明する。
ただし、前記実施形態と共通する部分については、前記実施形態と同じ符号を付けることにより、前記実施形態の説明を援用する。
【0034】
図7に示すように、本発明の第三実施形態に係るスロットマシン100のドリンクホルダ1Cでは、受け皿部10が、凹部108aの下端部を支点として前後回動自在に設けられる下側受け皿部10aと、下側受け皿部10aの上方に重ねて設けられるとともに、上面に囲い部20が立設される上側受け皿部10bとを備え、上側受け皿部10bを下側受け皿部10aの上方から左右いずれか側方に移動操作可能とし、下側受け皿部10aの上面をテーブルとして使用可能にした点が前記実施形態と相違している。このようなドリンクホルダ1Cによれば、下側受け皿部10aの上面に、パンやお菓子を置くことができるので、これらを飲料と一緒に飲食する場合に便利である。
【0035】
本実施形態の上側受け皿部10bは、下側受け皿部10aの前端部左端又は右端を支点(支軸17)とする左右回動にもとづいて、下側受け皿部10aの上方から左右いずれか側方にスライド移動操作可能としてある。このとき、上側受け皿部10bの移動方向は、前扉100bの中心側ではなく、外側方向とすることが好ましい。例えば、正面から見て前扉100bの前面左側にドリンクホルダ1Cを設ける場合、上側受け皿部10bの移動方向は左方向とする。このようにすると、移動した上側受け皿部10bが遊技操作(例えば、スタートレバー104と停止ボタン105〜107の操作)の邪魔になる可能性を低減させることができる。
【0036】
また、本実施形態の下側受け皿部10aは、前端部及び左右端部に沿って凸条縁部18を有しており、下側受け皿部10aの上面に零れた飲料や、温度差により付着した水滴などが下側受け皿部10aから零れることを防止するとともに、これらを凹部108a内の受け樋108cに回収するようになっている。さらに、受け樋108cの一端部には、ドレン穴108dが形成されており、回収した飲料や水滴がドレン穴108dを介して灰皿110に流れ込むようにしている。
【0037】
以上のように構成された第三実施形態によれば、受け皿部10は、凹部108aの下端部を支点として前後回動自在に設けられる下側受け皿部10aと、下側受け皿部10aの上方に重ねて設けられるとともに、上面に囲い部20が立設される上側受け皿部10bと、を備え、上側受け皿部10bを下側受け皿部10aの上方から左右いずれか側方にスライド移動操作可能とし、下側受け皿部10aの上面をテーブルとして使用可能にしたので、下側受け皿部10aの上面に、パンやお菓子を置き、飲料と一緒に飲食することができる。
【0038】
[第四実施形態]
つぎに、本発明の第四実施形態に係るスロットマシン100について、図8を参照しつつ説明する。
ただし、前記実施形態と共通する部分については、前記実施形態と同じ符号を付けることにより、前記実施形態の説明を援用する。
【0039】
本発明の第四実施形態に係るスロットマシン100のドリンクホルダ1Dでは、囲い部20が一の線状弾性部材をループさせた側面Z状であり、その上端部が凹部108aの奥側に向けて下方に傾斜するとともに、傾斜下端部に左右一組の湾曲部23を有し、これらの湾曲部23が、受け皿部10を使用姿勢から収納姿勢に回動操作する際、凹部108aの内壁108bに摺接することにより、凹部108aに対する囲い部20の収納をガイドする点が前記実施形態と相違する。このようにすると、囲い部20に別部材からなる収納ガイド片22を設けなくても、囲い部20を凹部108a内にスムーズに収納することが可能になる。
【0040】
また、本実施形態では、囲い部20を一の線状弾性部材をループさせた側面Z状とするにあたり、湾曲部23の上側近傍に内方に曲折する左右一組のくびれ部24を形成している。囲い部20を側面Z状とした場合、凹部108a側には開口が形成され、飲料容器2がこの開口から後方への倒れてしまうことがある。
そこで、凹部108a側に形成される開口を飲料容器2の胴部を支持可能に狭めるため、湾曲部23の上側近傍を内方に曲折させたくびれ部24を形成してある。このようなくびれ部24を形成することで、飲料容器2の後方への倒れを簡易、かつ確実に規制できるので、囲い部20を側面Z状にしても、飲料容器2を良好に支持することができる。
【0041】
以上のように構成された第四実施形態によれば、囲い部10は、側面Z状であり、その上端部が凹部108aの奥側に向けて下方に傾斜するとともに、傾斜下端部に左右一組の湾曲部23を有し、これらの湾曲部23は、受け皿部10を使用姿勢から収納姿勢に回動操作する際、凹部108aの内壁108bに摺接することにより、凹部108aに対する囲い部10の収納をガイドするので、囲い部20に別部材からなる収納ガイド片22を設けなくても、囲い部20を凹部108a内にスムーズに収納することができる。
【0042】
以上、本発明について、実施形態を示して説明したが、本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、ドリンクホルダをスロットマシンに適用したが、パチンコ機に適用することもできる。この場合には、本発明のドリンクホルダを、操作により遊技球を発射するハンドルと反対側(左側)であって、灰皿の上方に設けることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、スロットマシン、パチンコ機、アレンジボール、雀球などの遊技機に適用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 ドリンクホルダ
2 飲料容器
10 受け皿部
10a 下側受け皿部
10b 上側受け皿部
20 囲い部
22 収納ガイド片
23 湾曲部
100 スロットマシン
100b 前扉
100a 筐体
108 前面パネル
108a 凹部
108b 内壁
S スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料容器を支持するドリンクホルダを備える遊技機であって、
前記ドリンクホルダは、
前記飲料容器の底部を支持する受け皿部と、
前記受け皿部の上面部に立設され、前記飲料容器の胴部を囲う囲い部と、を備え、
前記受け皿部は、遊技機前面部に収められる収納姿勢と、遊技機前面部から前方に突出して前記飲料容器の底部を支持可能な使用姿勢と、に姿勢変化可能であり、
前記囲い部は、線状弾性部材を用いて伸縮自在に形成され、前記受け皿部が使用姿勢のときは、伸長して前記飲料容器の胴部を囲い、前記受け皿部が収納姿勢のときは、縮小して所定のスペースに収納されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記スペースは、遊技機前面部に形成された凹部であり、
前記受け皿部は、前記凹部の下端部を支点とする前後回動にもとづいて、収納姿勢と使用姿勢とに姿勢変化するとともに、使用姿勢のときは前記凹部を開き、収納姿勢のときは前記凹部を閉じるように構成され、
前記囲い部は、前記受け皿部を使用姿勢から収納姿勢に回動操作する際、前記受け皿部の上面と前記凹部の内壁との間で圧縮されることにより、縮小して前記凹部内に収納される請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記囲い部の上端部に設けられ、前記受け皿部を使用姿勢から収納姿勢に回動操作する際、前記凹部の内壁に摺接することにより、前記凹部に対する前記囲い部の収納をガイドする収納ガイド片を備える請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記囲い部は、側面Z状であり、その上端部が前記凹部の奥側に向けて下方に傾斜するとともに、傾斜下端部に左右一組の湾曲部を有し、これらの湾曲部は、前記受け皿部を使用姿勢から収納姿勢に回動操作する際、前記凹部の内壁に摺接することにより、前記凹部に対する前記囲い部の収納をガイドする請求項2記載の遊技機。
【請求項5】
前記囲い部は、その前記凹部側に形成される開口を狭めて前記飲料容器の胴部を支持するくびれ部を備える請求項4記載の遊技機。
【請求項6】
前記受け皿部は、
前記凹部の下端部を支点として前後回動自在に設けられる下側受け皿部と、
前記下側受け皿部の上方に重ねて設けられるとともに、上面に前記囲い部が立設される上側受け皿部と、を備え、
前記上側受け皿部を前記下側受け皿部の上方から左右いずれか側方に移動操作可能とし、前記下側受け皿部の上面をテーブルとして使用可能にした請求項2〜5のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記遊技機は、前面が開口された箱状の筐体と、前記筐体の前面開口を開閉自在に覆う前扉と、を備えるスロットマシンであり、前記前扉の前面部に、前記ドリンクホルダが設けられる請求項1〜6のいずれか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−147716(P2011−147716A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13173(P2010−13173)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】