説明

遊技機

【課題】遊技機の動作制御の一部を担う演算装置に異常が発生した場合において遊技機を正常状態に復帰させるまでの時間を短縮し、遊技者の遊技に対する集中力や興味が低下するのを抑える。
【解決手段】操作者によるシステム制御CPU301、VDP311、音響DSP312、およびLMP制御CPU321の何れかへの再起動指示に関する操作入力をリセットスイッチ352にて受け付け、リセットロジック回路351は、リセットスイッチ352での操作入力を認識し、認識した操作入力における入力形態に対応させてシステム制御CPU301、VDP311、音響DSP312、およびLMP制御CPU321の何れかを再起動対象として選択し、選択した再起動対象に対して再起動を指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球の入賞によって大当たりの抽選を行うパチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等の遊技機では、電源投入を契機として遊技機全体をリセットし、遊技機を初期状態に設定する処理が行われる。
例えば特許文献1には、遊技制御装置への電源投入を検出して発生させたシステムリセット信号に応答させて、遊技制御のための演算処理を行う遊技用演算処理装置(CPU)をシステムリセットするとともに、遊技用演算処理装置の内部の各種リソースを初期状態に設定する遊技機が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2008−114096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで一般に、遊技機の各種動作を制御する演算装置(CPU)には、各種動作制御に関する一連の演算処理を実行するプログラムが組み込まれる。かかるプログラムは、ノイズの侵入や想定外の割込信号の入力等が契機となって本来の正常な処理フローから外れ、所謂「暴走」や「永久ループへの入り込み」等の異常が発生することがある。このような異常は遊技機の動作制御の一部を担う例えば演出を制御する演算装置だけに発生する場合もある。ところが、異常が生じた演算装置が遊技機の動作制御の一部だけを担うものであっても、かかる演算装置を異常状態から回復させるためには、電源の再投入を行って遊技機全体をリセットする必要があった。そのため、遊技機が正常状態に復帰するまでに要する時間が長くなり、遊技者の遊技に対する関心や集中力を減退させることがあった。
本発明は、遊技機の動作制御の一部を担う演算装置に異常が発生した場合において遊技機を正常状態に復帰させるまでの時間を短縮し、遊技者の遊技に対する集中力や興味が低下するのを抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が適用される遊技機100は、当たり抽選を行って遊技状態を設定し、設定した当該遊技状態に応じた演出を行う遊技機100であって、前記当たり抽選に関する演算処理を行い、当該当たり抽選における抽選結果を生成する第1の演算装置201と、前記第1の演算装置201から前記抽選結果を取得し、当該抽選結果に基づき実行する演出を制御するための演算処理を行うとともに、当該演出の内容を設定する演出制御情報を生成する第2の演算装置301と、前記第2の演算装置301にて生成された前記演出制御情報に従って前記演出を異なる態様で実行する複数の機能部に対応して設けられ、当該機能部の動作を制御するための演算処理を行う複数の第3の演算装置311,312,321と、操作者による前記第2の演算装置301および前記複数の第3の演算装置311,312,321の何れかへの再起動指示に関する操作入力を受け付ける操作入力手段352と、前記操作入力手段352での前記操作入力を認識し、認識した当該操作入力における入力形態に対応させて前記第2の演算装置301および前記複数の第3の演算装置311,312,321の何れかを再起動対象として選択し、選択した当該再起動対象に対して再起動を指示する再起動指示手段351とを備えたことを特徴としている。
【0006】
ここで、前記再起動指示手段351は、前記入力形態として操作者が行った前記操作入力の回数を認識し、認識した当該回数に対応させて前記再起動対象を選択することを特徴とすることができる。
また、前記再起動指示手段351は、認識した前記回数が予め定めた回数以上であった場合に、前記第2の演算装置301および前記複数の第3の演算装置311,312,321の何れかを前記再起動対象として選択することを特徴とすることができる。
また、前記再起動指示手段351は、前記入力形態として操作者が前記操作入力を継続させた時間を認識し、認識した当該時間に対応させて前記再起動対象を選択することを特徴とすることができる。
また、前記再起動指示手段351は、認識した前記時間が予め定めた時間を超えている場合に、前記第2の演算装置301および前記複数の第3の演算装置311,312,321の何れかを前記再起動対象として選択することを特徴とすることができる。
また、前記第2の演算装置301は、前記再起動指示手段351が前記複数の第3の演算装置311,312,321の何れかに再起動を指示したことにより前記演出制御情報を記憶手段305に保持し、当該第3の演算装置311,312,321が再起動することにより当該第3の演算装置311,312,321により全部または一部が構成され前記機能部の動作を制御する制御装置310,320に対して当該記憶手段305に保持した当該演出制御情報を出力することを特徴とすることができる。
また、前記第2の演算装置301は、大当たり当選確率が通常遊技状態よりも高い高確率遊技状態が設定されていることの可能性の大きさを表す期待値を生成し、前記再起動指示手段351が前記複数の第3の演算装置311,312,321の何れかに再起動を指示したことにより当該期待値に対応する演出の内容を設定する前記演出制御情報を記憶手段305に記憶し、前記第3の演算装置311,312,321が前記再起動指示手段351からの再起動指示によって再起動することにより、当該第3の演算装置311,312,321により全部または一部が構成され前記機能部の動作を制御する制御装置310,320に対して当該記憶手段305に記憶した当該演出制御情報を出力することを特徴とすることができる。
【0007】
また、電池309により駆動され、前記第2の演算装置301にて生成された前記演出制御情報を記憶する第2の記憶手段308をさらに備え、前記第2の演算装置301は、大当たり当選確率が通常遊技状態よりも高い高確率遊技状態が設定されていることの可能性の大きさを表す期待値を生成し、当該期待値に対応する演出の内容を設定する前記演出制御情報を生成する毎に前記第2の記憶手段308に記憶し、前記再起動指示手段351からの再起動指示によって自身が再起動したことにより当該第2の記憶手段308に記憶された前記演出制御情報を読み出し、読み出した当該演出制御情報を前記機能部の動作を制御する制御装置310,320に出力することを特徴とすることができる。
また、前記再起動指示手段351は、前記複数の第3の演算装置311,312,321の何れかに再起動を指示したことを前記第2の演算装置301に通知することを特徴とすることができる。
【0008】
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遊技機の動作制御の一部を担う演算装置に異常が発生した場合において遊技機を正常状態に復帰させるまでの時間を短縮でき、遊技者の遊技に対する集中力や興味が低下するのを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150と、を備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
【0011】
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113と、を備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に装飾図柄により報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による予告演出を表示したりする。なお、画像表示部114としては、例えば液晶表示装置、EL表示装置、LEDドット表示装置または7セグ表示装置等による構成例が考えられる。
また、本実施の形態では、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110に対して可動に構成され、可動による各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで光による各種の演出を行う。
【0012】
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
【0013】
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121と、第1始動口121の下方に位置し、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選が始動する第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動するゲート124と、が遊技盤110に配設されている。ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別電動役物(大入賞口125)、または予め定められた1の特別図柄表示器の何れかを作動させることとなる遊技球の入賞に係る入賞口をいう。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球は第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば6秒間)および規定回数(例えば3回)だけ開く。
【0014】
なお、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選時に大当たりが抽選される大当たり確率が変動する場合(低確状態(例えば300分の1)から高確状態(例えば30分の1)への変動)がある。また、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選時の当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ123の羽根の開時間が延長されたり、電動チューリップ123の羽根が開く回数が増えたりする(電チューサポート)場合がある。
【0015】
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、第2始動口122の下方に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選が始動しない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。この大入賞口125は、通常は閉状態であるが特別図柄抽選の結果により所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで突出傾斜して開状態が維持されるラウンドを所定回数(例えば15回または2回)だけ繰り返す。
なお、本実施の形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例や他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施の形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。この表示器130の詳細は後述する。
【0016】
賞球の払い出しについて説明する。第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。その一例を示すと、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
【0017】
なお、遊技盤110の後面には、図示しない各種の基板等が取り付けられる。この各種の基板等について付言すると、遊技盤110の後面には、メイン基板およびサブ基板が配設されている。すなわち、遊技盤110の後面には、メイン基板として、内部抽選および当選の判定等を行う後述の遊技制御部200が構成された遊技制御基板が配設されている。この遊技制御基板は、開封することにより痕跡が残るように透明部材で構成されたメイン基板ケースに密封されている。
また、サブ基板として、演出を統括的に制御する後述の演出制御部300と、画像および音による演出を制御する後述の画像/音響制御部310とが構成された演出/画像/音響制御基板、および、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御する後述のランプ制御部320が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤110の後面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
付言すると、払出球の払い出し制御を行う後述の払出制御部400が構成された払出制御基板と、払出制御基板により制御され、外部から補給された補給球を一時的に溜めておき、賞球の払い出しや貸し球の払い出しを行う払い出しユニット(不図示)と、が枠部材150に配設されている。
【0018】
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153(図2参照)と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
【0019】
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。さらに、枠部材150は、遊技盤110に対して開閉自在に取り付けられた開閉部材の一例として機能し、特定の鍵(電子錠を含む)等を操作することにより遊技盤110から開放されるように構成されている。
【0020】
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、(a)は、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2の(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。なお、本実施の形態では、第1特別図柄表示器221および第2特別図柄表示器222は、7セグ表示装置で構成され、また、普通図柄表示器223は、LED表示装置で構成されている。
【0021】
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。この保留について説明する。変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに他の遊技球による入賞があると、その入賞した遊技球に対する図柄の変動表示動作は、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、規定個数(例えば4個)を限度に保留される。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未抽選数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。なお、本実施の形態では、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220の各々は、一列に配設したLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
【0022】
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2の(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。演出キー162は、その中央に1つの中央キーを配置し、また、中央キーの周囲に略同一形状の4つの周囲キーを配置して構成されている。遊技者は、4つの周囲キーを操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを指示することが可能であり、また、中央キーを操作することにより、指示した画像を選択することが可能である。
【0023】
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、内部抽選および当選の判定等といった払い出す賞球数に関する各種制御を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部400各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、さらにはサブ基板としての演出/画像/音響制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
【0024】
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、内部抽選および当選の判定等といった払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かの判定結果を演出制御部300に送る。また、特別図柄抽選時の当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間の短縮設定、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間の短縮設定を行い、設定内容を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、電動チューリップ123の羽根の開時間の延長、および電動チューリップ123の羽根が開く回数の設定、さらには羽根が開く際の開閉動作間隔の設定を制御する。また、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
また、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口125が所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで突出傾斜して開状態を維持するラウンドを所定回数(例えば15回または2回)だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
【0025】
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部400に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部400に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部400に指示しない。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
【0026】
遊技制御部200には、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
【0027】
また、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(大当たり抽選)の未抽選分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、ゲート124への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222、普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、が接続されている。
【0028】
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
【0029】
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板250が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部400から取得した払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板250を介してホストコンピュータに送信する。
【0030】
〔演出制御部の構成・機能〕
次に、演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPUと、CPUにて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMと、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAMと、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)と、を備えている。なお、演出制御部300の回路構成については、後段(図20)で詳細に説明する。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果に基づいて、演出内容を設定する。その際に、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、遊技制御部200が特別図柄抽選時の当選確率を変動させた場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させた場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させた場合には、演出制御部300は設定された内容に対応させて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
【0031】
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像データを生成処理する画像生成処理部と、演出内容を表現する音響データを生成処理する音響生成処理部と、画像生成処理部および音響生成処理部にて使用される各種データ等が記憶されたROMと、を備えている。なお、画像/音響制御部310の回路構成については、後段(図20)で詳細に説明する。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像データおよびスピーカ156から出力する音響データを生成し、画像表示部114およびスピーカ156にそれぞれ出力する。
具体的には、画像/音響制御部310のROMには、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等に関する画像データが記憶されている。さらには、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等に関する各種音響データが記憶されている。画像処理部および音響処理部は、ROMに記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像生成処理と、読み出した音響データを用いた音声生成処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、生成処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、生成処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
【0032】
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPUと、CPUにて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMと、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAMと、を備えている。なお、ランプ制御部320の回路構成については、後段(図20)で詳細に説明する。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROMには、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157での発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROMには、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPUは、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
【0033】
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
【0034】
また、払出制御部400には、払出駆動部411により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部412と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部413と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部414と、が接続されている。そして、払出制御部400は、払出球検出部412、球有り検出部413および満タン検出部414にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
【0035】
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、特別図柄抽選部231と、普通図柄抽選部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄抽選結果判定部234と、普通図柄制御部237と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235と、遊技進行制御部236と、を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部238と、電動チューリップ動作制御部239と、賞球処理部240と、出力制御部241と、乱数制御部242と、を備えている。
【0036】
特別図柄抽選部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄の抽選を行う。
普通図柄抽選部232は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄抽選を行う。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
【0037】
特別図柄抽選結果判定部234は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。
ここで、「大当たり」の種類には、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる「長当たり」と、大当たり遊技の時間が短い「短当たり」とがある。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが例えば15回繰り返される。また、「短当たり」では、大入賞口125でのラウンドが例えば2回繰り返される。
【0038】
さらに、「長当たり」には、大当たり遊技の終了後に確率変動(確変)遊技状態および時間短縮(時短)遊技状態の両方を発生させる「15ラウンド確変当たり」とも呼ばれる大当たり(後段の「特定図柄A」での大当たり)と、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態のみを発生させ確変遊技状態は発生させない「通常大当たり」とも呼ばれる大当たり(後段の「通常図柄」での大当たり)とがある。また、「短当たり」は、大当たり遊技の終了後に確変遊技状態を発生させ時短遊技状態を発生させない所謂「2ラウンド確変当たり」と呼ばれる大当たり(後段の「特定図柄B」での大当たり)である。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば大入賞口125の開閉が2回行われる小当たり遊技が行われ、終了した後においても小当たり当選時の遊技状態を継続する当たり(後段の「小当たり図柄」での当たり)である。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が確変遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても確変遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が確率変動も時間短縮もしていない通常の遊技状態(通常遊技状態)である場合には、小当たり遊技の終了後においても通常遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「はずれ」では、「大当たり」でも「小当たり」でもなく、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない(後段の「はずれ図柄」の設定)。
【0039】
変動パターン選択部235は、特別図柄の抽選結果が「大当たり」であった場合に、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターンを選択する。また、「リーチ演出を行うか否か」を判定する。ここでの「リーチ演出」とは、遊技者に大当たりを期待させるための画像表示部114等にて行われる演出である。
遊技進行制御部236は、各遊技状態において遊技の進行を制御する。
【0040】
普通図柄制御部237は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。また、その抽選結果に応じて普通図柄の変動を制御する。
「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間(例えば6秒間)および規定回数(例えば3回)だけ開放し、第2始動口122への遊技球の入賞確率が高まる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態は発生されない。
【0041】
大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の開放動作を制御する。
賞球処理部240は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しを制御する。
出力制御部241は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部242は、メイン制御手段やサブ制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
【0042】
〔遊技機の基本動作〕
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の基本的な動作は、メイン制御手段である遊技制御部200により行われる。そして、この遊技制御部200の制御の下、サブ制御手段である演出制御部300により遊技上の演出の制御が行われ、払出制御部400により賞球の払い出しの制御が行われる。
【0043】
図5は、遊技制御部200の主要動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。図5を参照すると、乱数更新処理、始動口スイッチ(SW)処理、ゲートスイッチ(SW)処理、特別図柄処理、普通図柄処理、大入賞口処理、電動チューリップ(電チュー)処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(ステップ501〜509)。
【0044】
乱数更新処理(ステップ501)では、遊技制御部200の乱数制御部242は、メイン制御手段やサブ制御手段による処理で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
始動口スイッチ処理(ステップ502)では、遊技制御部200の特別図柄抽選部231は、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。始動口スイッチ処理の詳細な内容については後述する。
ゲートスイッチ処理(ステップ503)では、遊技制御部200の普通図柄抽選部232は、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。ゲートスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
特別図柄処理(ステップ504)では、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233、特別図柄抽選結果判定部234、変動パターン選択部235、および遊技進行制御部236により、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。特別図柄処理の詳細な内容については後述する。
普通図柄処理(ステップ505)では、遊技制御部200の普通図柄制御部237により、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。普通図柄処理の詳細な内容については後述する。
大入賞口処理(ステップ506)では、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。大入賞口処理の詳細な内容については後述する。
電動チューリップ処理(ステップ507)では、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。電動チューリップ処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(ステップ508)では、遊技制御部200の賞球処理部240は、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しを制御する。
出力処理(ステップ509)では、遊技制御部200の出力制御部241は、演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドを出力する。制御用コマンドは、ステップ508までの各処理において生成され、RAM203にセットされており、この出力処理で出力される。
【0045】
〔遊技制御部での始動口スイッチ処理〕
図6は、始動口スイッチ処理(図5のステップ502)の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理において、遊技制御部200の特別図柄抽選部231は、まず、始動口121、122に遊技球が入賞して始動口スイッチ211、212がONとなったか否かを判断する(ステップ601)。始動口スイッチ211、212がONとなったならば、次に特別図柄抽選部231は、未抽選分の保留数Uが上限値未満か否かを判断する(ステップ602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数Uが上限値に達している場合は(ステップ602でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、始動口スイッチ処理を終了する。
【0046】
一方、保留数Uが上限値未満である場合(ステップ602でYes)、次に特別図柄抽選部231は、保留数Uの値を1加算する(ステップ603)。そして、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に保持する(ステップ604)。ここでは、始動口121、122の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数など)が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップ501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により特別図柄抽選の結果が確定される。
【0047】
〔遊技制御部でのゲートスイッチ処理〕
図7は、ゲートスイッチ処理(図5のステップ503)の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200の普通図柄抽選部232は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(ステップ701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に普通図柄抽選部232は、未抽選分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップ702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(ステップ702でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
【0048】
一方、保留数Gが上限値未満である場合(ステップ702でYes)、次に普通図柄抽選部232は、保留数Gの値を1加算する(ステップ703)。そして、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に保持する(ステップ704)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数など)が取得される。
【0049】
〔遊技制御部での特別図柄処理〕
図8は、特別図柄処理(図5のステップ504)の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、パチンコ遊技機100の現在の状態が大当たり(特別図柄抽選の当選)中か否かを判断する(ステップ801)。大当たり中であれば、既に何らかの大当たりを表す特別図柄が選択されて停止している状態なので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップ801でYes)。一方、大当たり中でない場合(ステップ801でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(ステップ802)。特別図柄変動中でない場合(ステップ802でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未抽選分の保留数U(図6参照)が1以上か判断する(ステップ803)。保留数U=0である場合は(ステップ803でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せずに処理を終了する。
【0050】
これに対し、保留数Uが1以上である場合(ステップ803でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数Uの値を1減算し(ステップ804)、次に別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(ステップ805、806)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる設定情報(図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。
【0051】
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定情報を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(ステップ807)。そして、この設定情報に基づき、図3に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動を開始し(ステップ808)、変動パターンで設定された時間だけ特別図柄変動を行うために、変動時間の計測を開始する(ステップ809)。ステップ807でセットされた変動開始コマンドは、図5のステップ509に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0052】
次に、ステップ802で特別図柄変動中と判断された場合(ステップ802でYes)、特別図柄変動制御部233は、変動時間が終了したか否かを判断する(ステップ810)。すなわち、ステップ809で計測開始された変動時間がステップ806の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間が終了していなければ(ステップ810でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
【0053】
一方、変動時間が終了した場合(ステップ810でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず変動停止コマンドをRAM203にセットする(ステップ811)。次に、特別図柄変動制御部233は、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動を終了して(ステップ812)、計測された変動時間をリセットする(ステップ813)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(ステップ814)。停止中処理の内容については後述する。ステップ811でセットされた変動停止コマンドは、図5のステップ509に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0054】
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図9は、大当たり判定処理(図8のステップ805)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄抽選結果判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数の判定を行い(ステップ901)、大当たりしたか否かを判断する(ステップ902)。大当たりしたか否かは、図6のステップ604で取得した大当たり乱数の値が大当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
【0055】
ステップ901の判断で大当たりだった場合(ステップ902でYes)、次に特別図柄抽選結果判定部234は、大当たり図柄乱数の判定を行う(ステップ903)。この判定では、まず特別図柄抽選の当選確率を変動(確率変動、確変)するか否かを判断する(ステップ904)。確率変動するか否かは、図6のステップ604で取得した大当たり図柄乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
確率変動する場合(ステップ904でYes)、次に特別図柄抽選結果判定部234は、図柄の変動時間を短縮(時間短縮、時短)するか否かを判断する(ステップ905)。時間短縮するか否かは、確率変動の判断と同様に、図6のステップ604で取得した大当たり図柄乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
【0056】
以上の判定の後、特別図柄抽選結果判定部234は、時間短縮する場合(ステップ905でYes)は、確率変動および時間短縮を伴う大当たりであることを表す図柄(以下、特定図柄A)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ906)。時間短縮しない場合(ステップ905でNo)は、確率変動を伴うが時間短縮を伴わない大当たりであることを表す図柄(以下、特定図柄B)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ907)。また、確率変動しない場合(ステップ904でNo)は、時間短縮を伴うが確率変動を伴わない大当たりであることを表す図柄(以下、通常図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ908)。
【0057】
大当たりしなかった場合(ステップ902でNo)、次に特別図柄抽選結果判定部234は、小当たりしたか否かを判断する(ステップ909)。小当たりしたか否かは、大当たりの判断と同様に、図6のステップ604で取得した大当たり乱数の値が小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
特別図柄抽選結果判定部234は、小当たりである場合(ステップ909でYes)は、確率変動も時間短縮も伴わない当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ910)。小当たりでない場合(ステップ909でNo)は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ911)。
【0058】
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図10は、変動パターン選択処理(図8のステップ806)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1001)。この判断は、大当たり判定処理(図9)のステップ901と同様である(ステップ901の判断結果を用いても良い)。そして、大当たりだった場合(ステップ1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1002)。
【0059】
一方、大当たりしなかった場合(ステップ1001でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数の判定を行う(ステップ1003)。リーチ演出を行うか否かは、図6のステップ604で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
乱数を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップ1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1005)。また、リーチ演出を行わない場合(ステップ1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
【0060】
次に、変動パターン選択部235は、変動パターンを決定するための乱数(変動パターン乱数)を取得し、RAM203に保持する(ステップ1007)。そして、ステップ1002、1005、1006でセットされた変動パターンテーブルを用いて変動パターン乱数の判定を行う(ステップ1008)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、ステップ1007で取得した乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、特別図柄抽選の結果が、大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か、といった状態の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる場合がある。
【0061】
この後変動パターン選択部235は、ステップ1008で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(ステップ1009)。ステップ1009でセットされた変動パターンの設定情報は、図8のステップ807でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図5のステップ509に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0062】
〔遊技制御部による停止中処理〕
図11は、停止中処理(図8のステップ814)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200の遊技進行制御部236は、まず、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1101)。そして、大当たりだった場合(ステップ1101でYes)、次に遊技進行制御部236は、大当たりの種類が長当たりか否かを判断する(ステップ1102)。
これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)で設定情報にセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。ここで、特定図柄Aおよび通常図柄の大当たりは長当たりであり、特定図柄Bの大当たりは短当たりである。したがって、設定情報に特定図柄Aまたは通常図柄がセットされているならば、ステップ1101、1102の両方でYesである。特定図柄Bがセットされているならば、ステップ1101でYes、ステップ1102でNoである。はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、ステップ1101でNoである。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のステップ902、904、905と概ね同様であるので、ステップ902、904、905の判断結果を用いても良い。
【0063】
大当たりの種類が長当たりであった場合(ステップ1102でYes)、遊技進行制御部236は、長当たり遊技であることを識別するためのフラグ(長当たり遊技フラグ)をONにする(ステップ1103)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が長当たり遊技状態となる。なお、上記のように、ここでは長当たりにおいて、確率変動の有無を区別していない。これらは、後述の大入賞口処理(図13−1)における大当たり遊技処理(図13−2)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
【0064】
次に、遊技進行制御部236は、長当たり遊技を開始するための長当たり遊技開始コマンドをRAM203にセットし(ステップ1104)、時短遊技や確率変動時の確変遊技であることを識別するためのフラグ(時短遊技フラグ、確変遊技フラグ、潜伏確変遊技フラグ)をOFFにして(ステップ1105)、停止中処理を終了する。なお、時短遊技フラグ、確変遊技フラグ、潜伏確変遊技フラグをONにする操作は、後述の大入賞口処理(図13−1)における大当たり遊技処理(図13−2)で行われる。
【0065】
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(ステップ1102でNo)、遊技進行制御部236は、短当たり遊技であることを識別するためのフラグ(短当たり遊技フラグ)をONにする(ステップ1106)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が短当たり遊技状態となる。
次に、遊技進行制御部236は、短当たり遊技を開始するための短当たり遊技開始コマンドをRAM203にセットし(ステップ1107)、時短遊技フラグ、確変遊技フラグ、潜伏確変遊技フラグをOFFにして(ステップ1105)、停止中処理を終了する。
【0066】
一方、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(ステップ1101でNo)、次に遊技進行制御部236は、RAM203の遊技状態の設定において時短遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1108)。時短遊技フラグがONである場合(ステップ1108でYes)、遊技進行制御部236は、後述する時短遊技状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(ステップ1109)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(ステップ1110)。そして、抽選回数J=0であれば(ステップ1110でYes)、時短遊技フラグをOFFにする(ステップ1111)。なお、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図13−1)における大当たり遊技処理(図13−2)で行われる。
【0067】
時短遊技フラグがOFFであった場合(ステップ1108でNo)またはステップ1111でOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(ステップ1110でNo)、次に遊技進行制御部236は、RAM203の遊技状態の設定において確変遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1112)。なお、ここでは、潜伏確変遊技も確変遊技に含まれるものとする。すなわち、ステップ1112では、確変遊技フラグまたは潜伏確変遊技フラグのいずれかがONか否かが判断される。
【0068】
確変遊技フラグ(または潜伏確変遊技フラグ)がONである場合(ステップ1112でYes)、遊技進行制御部236は、後述する確変遊技状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(ステップ1113)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(ステップ1114)。そして、抽選回数X=0であれば(ステップ1114でYes)、確変遊技フラグ(または潜伏確変遊技フラグ)をOFFにする(ステップ1115)。なお、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図13−1)における大当たり遊技処理(図13−2)で行われる。
【0069】
確変遊技フラグ(または潜伏確変遊技フラグ)がOFFであった場合(ステップ1112でNo)またはステップ1115でOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(ステップ1114でNo)、次に遊技進行制御部236は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(ステップ1116)。小当たりでなかった場合は(ステップ1116でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(ステップ1116でYes)、遊技進行制御部236は、小当たり遊技であることを識別するためのフラグ(小当たり遊技フラグ)をONにする(ステップ1117)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。そして、遊技進行制御部236は、小当たり遊技を開始するための小当たり遊技開始コマンドをRAM203にセットして(ステップ1118)、停止中処理を終了する。
【0070】
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図12は、普通図柄処理(図5のステップ505)の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄制御部237は、まず、パチンコ遊技機100の現在の状態が補助遊技(普通図柄抽選の当選)中か否かを判断する(ステップ1201)。補助遊技中であれば、既に普通図柄が選択されて停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(ステップ1201でYes)。一方、補助遊技中でない場合(ステップ1201でNo)、次に普通図柄制御部237は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(ステップ1202)。普通図柄変動中でない場合(ステップ1202でNo)、次に普通図柄制御部237は、普通図柄の未抽選分の保留数G(図7参照)が1以上か判断する(ステップ1203)。保留数G=0である場合は(ステップ1203でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
【0071】
これに対し、保留数Gが1以上である場合(ステップ1203でYes)、普通図柄制御部237は、保留数Gの値を1減算し(ステップ1204)、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行い(ステップ1205)、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップ1206)。当選したか否かは、図7のステップ704で取得した当たり乱数の値が当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。普通図柄抽選に当選した場合(ステップ1206でYes)、普通図柄制御部237は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ1207)。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合(ステップ1206でNo)、普通図柄制御部237は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ1208)。
【0072】
次に、普通図柄制御部237は、現在のパチンコ遊技機100の動作状態が確変遊技状態または時短遊技状態のいずれかに該当するか否かを判断する(ステップ1209)。いずれかの遊技状態に該当する場合(ステップ1209でYes)、普通図柄制御部237は、普通図柄変動の変動時間を短時間に設定する(ステップ1210)。図12に示す例では、3秒に設定される。これに対し、パチンコ遊技機100の現在の動作状態が確変遊技状態または時短遊技状態のいずれにも該当しない場合(ステップ1209でNo)、普通図柄制御部237は、普通図柄変動の変動時間を長時間に設定する(ステップ1211)。図12に示す例では、29秒に設定される。
【0073】
この後、普通図柄制御部237は、ステップ1207またはステップ1208の設定内容に基づき、図3に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(ステップ1212)。また、ステップ1210またはステップ1211で設定された時間だけ普通図柄変動を行うために、変動時間の計測を開始する(ステップ1213)。
【0074】
次に、ステップ1202で普通図柄変動中と判断された場合(ステップ1202でYes)、普通図柄制御部237は、変動時間が終了したか否かを判断する(ステップ1214)。すなわち、ステップ1213で計測開始された変動時間がステップ1210またはステップ1211で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間が終了していなければ(ステップ1214でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
【0075】
一方、変動時間が終了した場合(ステップ1214でYes)、普通図柄制御部237は、まず、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を終了して(ステップ1215)、計測された変動時間をリセットする(ステップ1216)。次に、普通図柄制御部237は、変動を終了して停止した普通図柄に基づき当選したか否かを判断する(ステップ1217)。当選したならば(ステップ1217でYes)、補助遊技の動作制御を開始する(ステップ1218)。一方、抽選にはずれたならば(ステップ1217でNo)、パチンコ遊技機100の現在の状態を保持したまま普通図柄処理を終了する。
【0076】
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図13−1、13−2は、大入賞口処理(図5のステップ506)の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、まず、パチンコ遊技機100の現在の状態が大当たり中か否かを判断する(ステップ1301)。大当たり中でない場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(ステップ1301でNo)。一方、大当たり中である場合(ステップ1301でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(ステップ1302)。
【0077】
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(ステップ1302でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1303)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1303でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(ステップ1303でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の開放ラウンド数Rの値を現在の値から1加算し(ステップ1304)、大入賞口125を開放する(ステップ1305)。
【0078】
次に、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125での開放状態が予め設定された時間(開放時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1306)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(ステップ1306でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125への入賞個数Cが9個以上か否かを判断する(ステップ1307)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが9個未満である場合は、大入賞口125の開放状態が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1307でNo)。一方、大入賞口125の開放状態が開放時間を経過したか(ステップ1306でYes)、または入賞個数Cが9個に達した場合(ステップ1307でYes)、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125を閉口する(ステップ1308)。
【0079】
次に、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の開放ラウンド数Rが予め設定された最大値に達したか否かを判断する(ステップ1309)。そして、最大値に達していないならば、大当たり時の動作制御が継続するので、大入賞口処理を終了する(ステップ1309でNo)。この最大値は、大当たり判定処理(図9)でセットされた特定図柄により特定される大当たりの種類に応じて設定される。例えば、上記した特定図柄Aおよび通常図柄の大当たりでは最大値は15ラウンド、特定図柄Bの大当たりでは最大値は2ラウンドに設定される。
【0080】
大入賞口125の開放ラウンド数Rが最大値に達したならば(ステップ1309でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、開放ラウンド数Rを0にリセットし(ステップ1310)、大当たり時の動作制御におけるエンディング動作を開始する(ステップ1311)。この後、大入賞口動作制御部238は、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1312)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1312でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(ステップ1312でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、大当たり遊技処理を行った後、大入賞口処理を終了する(ステップ1313)。大当たり遊技処理の内容については後述する。
【0081】
ステップ1302で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(ステップ1302でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125が開放中か否かを判断する(ステップ1314)。そして、開放中であるならば、上記ステップ1306以降の動作を実行する(ステップ1314でYes)。
【0082】
大入賞口125が開放中でない場合(ステップ1314でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、パチンコ遊技機100がエンディング中か否かを判断する(ステップ1315)。そして、エンディング中であるならば、上記ステップ1312以降の動作を実行する(ステップ1315でYes)。
【0083】
パチンコ遊技機100がエンディング中でない場合(ステップ1315でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125を閉口した後の経過時間が予め設定された開放ラウンドの実施間隔(インターバル時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1316)。そして、インターバル時間を経過していない場合は、まだ次の開放ラウンドを実施しないので、大入賞口処理を終了する(ステップ1316でNo)。一方、大入賞口125を閉口した後の経過時間がインターバル時間を経過したならば、次の開放ラウンドを実施するため、上記ステップ1304以降の動作を実行する(ステップ1316でYes)。
【0084】
〔大当たり遊技処理〕
エンディング時間が経過した場合(ステップ1312でYes)に実行される大当たり遊技処理(ステップ1313)の内容を図13−2に示す。
図13−2に示すように、大入賞口動作制御部238は、まず図11のステップ1103でONになった長当たり遊技フラグまたはステップ1106でONになった短当たり遊技フラグをOFFにする(ステップ1317)。
【0085】
次に、大入賞口動作制御部238は、図13−1のステップ1301で判断した大当たりが通常大当たりか否かを判断する(ステップ1318)。そして、通常大当たりである場合(ステップ1318でYes)、大入賞口動作制御部238は、時短遊技フラグをONにする(ステップ1319)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が時短遊技状態となる。また、大入賞口動作制御部238は、抽選回数Jの初期値を設定し(ステップ1320)、大当たり遊技処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、時短遊技状態が終了する。
【0086】
図13−1のステップ1301で判断した大当たりが通常大当たりでない場合(ステップ1318でNo)、大入賞口動作制御部238は、この大当たりが確変大当たりか否かを判断する(ステップ1321)。ここで、確変大当たりとは、長当たりにおいて確率変動を発生させる大当たりであり、特定図柄Aでの大当たりが該当する。
【0087】
確変大当たりである場合(ステップ1321でYes)、大入賞口動作制御部238は、確変遊技フラグをONにする(ステップ1322)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が確変遊技状態かつ時短遊技状態となる。一方、確変大当たりでない場合(ステップ1321でNo)、大当たりの種類は、短当たり、すなわち特定図柄Bでの大当たりである(通常大当たりでも特定図柄Aの大当たりでもない)。したがって、大入賞口動作制御部238は、潜伏確変遊技フラグをONにする(ステップ1323)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が確変遊技状態(時短遊技状態を伴わない)となる。
【0088】
確変遊技フラグまたは潜伏確変遊技フラグをONとした後、大入賞口動作制御部238は、抽選回数Xの初期値を設定し(ステップ1324)、大当たり遊技処理を終了する。抽選回数Xの初期値は、図示の例では1000回である。したがって、確変遊技状態(または確変遊技状態+時短遊技状態)における抽選が1000回行われたならば、確変遊技状態(または確変遊技状態+時短遊技状態)が終了する。
【0089】
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図14は、電動チューリップ処理(図5のステップ507)の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、まず、パチンコ遊技機100の現在の状態が補助遊技中か否かを判断する(ステップ1401)。補助遊技中でない場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1401でNo)。一方、補助遊技中である場合(ステップ1401でYes)、次に電動チューリップ動作制御部239は、パチンコ遊技機100が補助遊技時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(ステップ1402)。
【0090】
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(ステップ1402でYes)、次に電動チューリップ動作制御部239は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1403)。オープニング時間を経過していないならば、オープニング動作が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1403でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(ステップ1403でYes)、次に電動チューリップ動作制御部239は、現在のパチンコ遊技機100の動作状態が確変遊技状態または時短遊技状態のいずれかに該当するか否かを判断する(ステップ1404)。いずれかの遊技状態に該当する場合(ステップ1404でYes)、電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の開放時間を長時間に設定する(ステップ1405)。図14に示す例では、3.5秒に設定される。これに対し、現在のパチンコ遊技機100の動作状態が確変遊技状態または時短遊技状態のいずれにも該当しない場合(ステップ1404でNo)、電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の開放時間を短時間に設定する(ステップ1406)。図14に示す例では、0.2秒に設定される。
【0091】
この後、電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123を開放し(ステップ1407)、解放後の経過時間を計測して、ステップ1405またはステップ1406で設定された開放時間を経過したか否かを判断する(ステップ1408)。そして、開放時間を経過していないならば、電動チューリップ123の開放が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1408でNo)。
【0092】
一方、電動チューリップ123の解放後の経過時間が開放時間を経過したならば(ステップ1408でYes)、次に電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123を閉口し(ステップ1409)、補助遊技時の動作制御を終了して電動チューリップ処理を終了する(ステップ1410)。
【0093】
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図12)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図15は、本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図である。
図15(a)には大当たり乱数の構成例、図15(b)には大当たり図柄乱数の構成例、図15(c)にはリーチ乱数の構成例、図15(d)には当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
【0094】
図15(a)を参照すると、大当たり乱数は、パチンコ遊技機100が通常遊技状態であるときの大当たりと確変遊技状態であるときの大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲はいずれも0〜299の300個である。通常遊技状態での大当たりの場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また確変遊技状態での大当たりの場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、確変遊技状態で始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、通常遊技状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また小当たりの場合、当選値は3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
【0095】
図15(b)を参照すると、大当たり図柄には、通常図柄と特定図柄Aと特定図柄Bの3種類が用意されている。ここで、大当たり判定処理(図9)の説明において述べたように、通常図柄は確率変動を伴わない大当たりであることを表す図柄であり、特定図柄Aは確率変動および時間短縮を伴う大当たりであることを表す図柄であり、特定図柄Bは確率変動を伴うが時間短縮を伴わない大当たりであることを表す図柄である。乱数の値の範囲は0〜9の10個である。そして、通常図柄と特定図柄Aに、それぞれ4個ずつの値が割り当てられている。また、特定図柄Bに、2個の値が割り当てられている。すなわち図示の例では、大当たりした場合に、確率変動する確率が6/10(=4/10+2/10=3/5)、確率変動しない確率が4/10(=2/5)となる。なお、図示の例では、大当たり図柄を通常図柄と特定図柄2種類の合計3種類としているが、大当たりの内容を4種類以上に分類して乱数値を割り当てても良い。
【0096】
図15(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/228(=11/114)の確率でリーチ演出が行われる。
【0097】
図15(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、当選値は9個設定されている。すなわち図示の例では、ゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選が行われると、9/10の確率で当選する。
【0098】
これらの乱数値は、所定の初期値から始まって、図5に示す乱数更新処理(ステップ501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図6)およびゲートスイッチ処理(図7)で取得され、特別図柄処理(図8)や普通図柄処理(図12)で使用される。なお、このカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当たり乱数では299)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
【0099】
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図16〜図19は、遊技制御部200からコマンドを受信した際の演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
図16は、演出制御部300の主要動作を示す。
図16に示すように、演出制御部300は、遊技制御部200からコマンドを受信するとコマンド受信処理を行う(ステップ1601)。これにより、演出パターンが選択される。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(ステップ1602)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
【0100】
図17は、コマンド受信処理(図16のステップ1601)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(ステップ1701)。変動開始コマンドであった場合(ステップ1701でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(ステップ1702)。演出選択処理の詳細については後述する。
【0101】
受信したコマンドが変動開始コマンドでない場合(ステップ1701でNo)、またはステップ1702の演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動終了コマンドか否かを判断する(ステップ1703)。変動終了コマンドであった場合(ステップ1703でYes)、演出制御部300は、変動終了コマンドをRAM305(後段図20参照)にセットする(ステップ1704)。
【0102】
受信したコマンドが変動開始コマンドおよび変動終了コマンドでない場合(ステップ1701およびステップ1703でNo)、またはステップ1704の変動終了コマンドのセット後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるオープニングを開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(ステップ1705)。オープニングコマンドであった場合(ステップ1705でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(ステップ1706)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
【0103】
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動終了コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(ステップ1701、ステップ1703およびステップ1705でNo)、またはステップ1706の当たり演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるエンディングを開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(ステップ1707)。エンディングコマンドであった場合(ステップ1707でYes)、演出制御部300は、エンディングコマンドをRAM305(後段図20参照)にセットする(ステップ1708)。
【0104】
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(ステップ1701、ステップ1703、ステップ1705およびステップ1707でNo)、またはステップ1708のエンディングコマンドのセット後にコマンドを受信した場合、次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンドか否かを判断する(ステップ1709)。客待ちコマンドであった場合、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(ステップ1710)、RAM305(後段図20参照)において計測フラグをONにする(ステップ1711)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合、RAM305に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(ステップ1712)。計測フラグがOFFであれば(ステップ1712でNo)、コマンド受信処理を終了する。
【0105】
計測フラグがONである場合(ステップ1712でYes)、次に演出制御部300は、計測時間があらかじめ定められたタイムアップ時間に達したか否かを判断する(ステップ1713)。タイムアップしていない場合(ステップ1713でNo)、コマンド受信処理を終了する。一方、タイムアップした場合(ステップ1713でYes)、演出制御部300は、客待ち演出を行うための客待ち演出コマンドをRAM305(後段図20参照)にセットし(ステップ1714)、RAM305に保持されている計測フラグをOFFにして(ステップ1715)、コマンド受信処理を終了する。
【0106】
図18は、図17の演出選択処理(ステップ1702)の内容を示すフローチャートである。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(ステップ1801)。また、RAM305(後段図20参照)の設定からパチンコ遊技機100の現在の動作モードを参照する(ステップ1802)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果および動作モードの情報に基づき、その動作モードで画像表示部114に表示する画像による図柄演出の演出パターン(図柄演出パターン)を選択する(ステップ1803)。最後に、演出制御部300は、選択した図柄演出を指示する図柄演出コマンドをRAM305にセットして(ステップ1804)、演出選択処理を終了する。
【0107】
図19は、図17の当たり演出選択処理(ステップ1706)の内容を示すフローチャートである。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(ステップ1901)、オープニングコマンドに含まれる情報に基づいてパチンコ遊技機100の動作モードを再設定する(ステップ1902)。そして、演出制御部300は、オープニングコマンドから得られた情報に基づき、新たな動作モードにおける大当たり演出の演出パターン(当たり演出パターン)を選択する(ステップ1903)。最後に、演出制御部300は、選択した演出を指示する当たり演出コマンドをRAM305(後段図20参照)にセットして(ステップ1904)、演出選択処理を終了する。
【0108】
以上のようにしてコマンド受信処理が完了すると、演出制御部300のRAM305(後段図20参照)には、演出の内容を設定する演出制御情報の一例としての図柄演出コマンド、変動終了コマンド、当たり演出コマンド、エンディングコマンド、客待ち演出コマンドのいずれかがセットされている。この後、演出制御部300は、図16のコマンド送信処理(ステップ1602)を行って、セットされたコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信する。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320が、受信したコマンドまたは制御信号に基づき、画像表示部114への画像表示、音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
【0109】
〔演出制御部、画像/音響制御部、およびランプ制御部の回路構成〕
図20は、演出制御部300、画像/音響制御部310、およびランプ制御部320の主要部の回路構成を例示する図である。
同図に示すように、演出制御部300および画像/音響制御部310は、演出/画像/音響制御基板330に配置され、ランプ制御部320は、ランプ制御基板340に配置されている。そして、演出/画像/音響制御基板330とランプ制御部320とは、コネクタ331とコネクタ341とで相互に電気的に結合されている。
【0110】
〔演出制御部の回路構成〕
演出/画像/音響制御基板330に配置された演出制御部300は、第2の演算装置の一例としてのシステム制御CPU301を備えている。
システム制御CPU301には、システム制御CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶された制御用ROM303と、システム制御CPU301の作業用メモリ等として用いられる記憶手段の一例としてのRAM305と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)307と、が接続されている。RTC307は、電池(BATT)309によりバックアップされ、内部に第2の記憶手段の一例としてのRAM308を備えている。
【0111】
さらに、演出制御部300は、画像/音響制御部310のVDP(Video Display Processor)311、音響DSP(Digital Signal Processor)312、ランプ制御部320のランプ(LMP)制御CPU321、および演出制御部300のシステム制御CPU301各々を個別にリセット(再起動)するための操作者からの操作入力を受け付ける操作入力手段の一例としてのリセットスイッチ352を備えている。さらに、リセットスイッチ352が操作者(例えば、パチンコ遊技機100の管理者)の操作入力によりONされた場合に、VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、およびシステム制御CPU301の何れかに対して再起動指示信号の一例であるリセット要求信号を出力して再起動を指示する再起動指示手段の一例としてのリセットロジック回路351を備えている。
本実施の形態のリセットロジック回路351は、リセットスイッチ352をONする際の操作者による操作入力の入力形態に対応させて、VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、およびシステム制御CPU301の何れかにリセット要求信号を出力する。例えば、リセットロジック回路351は、リセットスイッチ352をONする際の操作者による操作入力の入力形態として、リセットスイッチ352を連続してON(操作入力)する回数、リセットスイッチ352を継続してON(操作入力)する時間等に対応させて、リセット要求信号を出力する対象を選択し設定する。
【0112】
システム制御CPU301は、コネクタ332を介して遊技制御部200から特別図柄処理(図8参照)の結果(抽選結果)に応じたコマンドを取得する。そして、遊技制御部200から受信したコマンドに対して上記図16に示したコマンド受信処理やコマンド送信処理等を含む各種処理を行う。それにより、遊技制御部200からのコマンドに応じた演出内容を実行するように、画像/音響制御部310およびランプ制御部320を統合的に制御する。
また、システム制御CPU301は、上記図18に示した演出選択処理において、変動開始コマンドの解析結果および現在の動作モードの情報が予め定めた条件を満たす場合に、動作モードとして、パチンコ遊技機100の動作状態を報知する演出を行わず高確率状態にあるか否かを遊技者には明確に知らせない「潜伏モード」を設定する。加えて、潜伏モードを設定した場合には、システム制御CPU301は、現在の動作状態が確変遊技状態(高確率遊技状態)であることの可能性の大きさを表す「期待値」を生成する。そして、システム制御CPU301は、生成した期待値に対応する図柄演出の演出パターン(図柄演出パターン)を選択し、選択した図柄演出を指示する図柄演出コマンドをRAM305にセットする。それにより、生成した期待値に対応する画像(図柄演出パターン)を画像表示部114に表示させて、動作状態が高確率状態(確変遊技状態)にあることの可能性の大きさを遊技者に示唆する演出を行う。
【0113】
ここでシステム制御CPU301が生成する「期待値」とは、ゲーム性を持った演出を実施する際の演出内容を設定する指標値であって、必ずしも現在の動作状態そのものを報知/示唆するものではない。例えば、潜伏モードが設定された場合には、画像表示部114において期待値に対応する画像を用いた演出を行うが、その場合に、例えば期待値が90%程度であることを示唆する画像が画像表示部114に表示された場合には、遊技者は、高い確率で確変遊技状態が設定されていると予想する。しかし、その場合にも通常遊技状態が設定されている可能性は排除されていない。それにより、遊技者は、確変遊技状態が設定されている期待感とともに、通常遊技状態が設定されている不安感も抱くこととなる。その逆に、例えば期待値が10%程度であることを示唆する画像が画像表示部114に表示された場合には、遊技者は、高い確率で確変遊技状態が設定されていないと予想する。しかし、その場合にも確変遊技状態が設定されている可能性は排除されていない。それにより、遊技者は、確変遊技状態が設定されている僅かな期待感を抱くこととなる。
このように、潜伏モードが設定された場合に行う「期待値」を用いた演出は、遊技者の推理力に働きかけることで遊技者に刺激を与え、遊技者の遊技に対する集中力や興味を高める作用を発揮するものとなる。
【0114】
この場合に、システム制御CPU301は、例えば、変動開始コマンドに設定情報として「特定図柄B」または「小当たり図柄」が含まれる場合に潜伏モードを設定し、例えば乱数を用いて「期待値」を生成する。そして、システム制御CPU301は、期待値を新たに生成する度毎に、生成した期待値に対応する図柄演出の演出パターン(図柄演出パターン)を選択し、選択した図柄演出を指示する図柄演出コマンドをRAM305にセットする。さらには、RAM305に加えて、BATT309によりバックアップされたRTC307内部のRAM308にも図柄演出コマンドを記憶する。したがって、RTC307内部のRAM308には、システム制御CPU301がリセットされた場合にも、現在設定されている期待値に対応する図柄演出コマンドが保持される。
また、システム制御CPU301は、上記図16に示したコマンド受信処理にて生成したコマンド(図柄演出コマンド、変動終了コマンド、当たり演出コマンド、エンディングコマンド、客待ち演出コマンドのいずれか)をRAM305にセットする。さらに加えて、生成したコマンドをRTC307内部のRAM308にも記憶する。それにより、RTC307内部のRAM308には、システム制御CPU301がリセットされた場合にも、現在設定されているコマンドも保持される。
【0115】
システム制御CPU301は、RAM305にセットした演出制御情報の一例としてのコマンド(図柄演出コマンド、変動終了コマンド、当たり演出コマンド、エンディングコマンド、客待ち演出コマンド等)、および期待値に対応する演出制御情報の一例としての図柄演出コマンドを演出制御CPU302およびランプ制御部320に出力する。
【0116】
〔画像/音響制御部の回路構成〕
演出/画像/音響制御基板330に配置された画像/音響制御部310は、各種演出を実行する機能部を制御する制御信号を生成する演出制御CPU302と、演出制御CPU302から取得した制御信号に基づき演出内容を表現する画像を生成する第3の演算装置の一例としてのVDP311と、演出制御CPU302から取得した制御信号に基づき演出内容を表現する音響を生成する第3の演算装置の一例としての音響DSP312と、を備えている。
【0117】
演出制御CPU302には、演出制御CPU302にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶された制御用ROM304と、演出制御CPU302の作業用メモリ等として用いられるRAM306と、が接続されている。
演出制御CPU302は、演出制御部300(システム制御CPU301)から取得したコマンドに対応させて、各種演出を実行する機能部における各種動作を制御するための制御信号を生成する。そして、演出制御CPU302は、生成した制御信号をVDP311および音響DSP312に出力する。
【0118】
VDP311には、演出を実行する機能部の一例としての画像表示部114(図1参照)において演出内容(演出画像)として表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、期待値の大きさに応じた演出を表示するためのキャラクタやアイテム等に関する画像データを記憶する画像用ROM313が接続されている。
VDP311は、画像用ROM313に記憶された画像データの中から、演出制御CPU302から送られた制御信号に対応したものを選択して読み出す。そして、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等を行うための画像データを生成する。さらには、生成した画像データをコネクタ334を介して画像表示部114(図3参照)に出力する。
このように、VDP311は、演出制御CPU302との協働により演出内容を表現する画像の生成を制御する画像制御装置の一例としての画像/音響制御部310の一部を構成する。
【0119】
また、音響DSP312には、演出を実行する機能部の一例としてのスピーカ156(図1参照)から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROM315と、音響DSP312の作業用メモリ等として用いられるSDRAM314と、が接続されている。
音響DSP312は、音響用ROM315に記憶された音響データの中から、演出制御CPU302から送られた制御信号に対応したものを選択して読み出す。そして、VDP311から出力される画像データと同期させて、またはVDP311から出力される画像データとは独立させて、生成した音響データをコネクタ333から増幅器(アンプ:不図示)を介してスピーカ156(図3参照)に出力する。
このように、音響DSP312は、演出制御CPU302との協働により演出内容を表現する音響の生成を制御する音響制御装置の一例としての画像/音響制御部310の一部を構成する。
【0120】
また、演出/画像/音響制御基板330には電源回路部360が配置されている。電源回路部360は、ランプ制御基板340からコネクタ331およびコネクタ341を介して供給される例えば直流電圧3.3Vを例えば直流電圧1.26Vおよび1.2Vに変換して、それぞれ音響DSP312およびVDP311に供給する。
【0121】
〔ランプ制御部の回路構成〕
ランプ制御基板340に配置されたランプ制御部320は、発光制御装置および可動役物動作制御装置を構成するとともに第3の演算装置の一例であるランプ(LMP)制御CPU321と、演出を実行する機能部の一例としての例えばLED(Light Emitting Diode)で構成される盤ランプ116や枠ランプ157(図3参照)を駆動するLEDドライバ325と、演出を実行する機能部の一例としての可動役物115(図3参照)を動作させるモータを駆動するモータドライバ326と、を備えている。
LMP制御CPU321には、LMP制御CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶された制御用ROM322と、LMP制御CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、が接続されている。さらに、LMP制御CPU321からの制御信号に応じてロジックレベル「0」または「1」を選択してLEDドライバ325に出力するI/O回路部324が接続されている。
【0122】
LMP制御CPU321は、システム制御CPU301にて遊技制御部200からのコマンドを処理することで生成されたコマンド(図柄演出コマンド、変動終了コマンド、当たり演出コマンド、エンディングコマンド、客待ち演出コマンド等)、および期待値に対応する図柄演出コマンドをコネクタ331およびコネクタ341を介して取得する。そして、システム制御CPU301にて生成されたコマンドに対応させて、LEDドライバ325およびモータドライバ326を制御する制御信号を生成する。さらには、生成した制御信号をI/O回路部324を介してLEDドライバ325と、モータドライバ326と、に出力する。
【0123】
具体的には、LMP制御CPU321に接続された制御用ROM322には、システム制御CPU301にて生成されたコマンド(演出内容)に応じた盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。LMP制御CPU321は、制御用ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、システム制御CPU301からのコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、LMP制御CPU321は、読み出した発光パターンデータをI/O回路部324を介してLEDドライバ325に出力する。それにより、LEDドライバ325は、コネクタ342,343,344を介して接続された盤ランプ116や枠ランプ157を発光パターンデータに対応させて発光させる。
また、制御用ROM322には、システム制御CPU301にて生成されたコマンド(演出内容)に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。LMP制御CPU321は、制御用ROM322に記憶された動作パターンデータの中から、システム制御CPU301からのコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、LMP制御CPU321は、読み出した動作パターンデータをモータドライバ326に出力する。それにより、モータドライバ326は、コネクタ345を介して接続された可動役物115を動作パターンデータに対応させて動作させる。
【0124】
また、ランプ制御基板340にはパチンコ遊技機100内の電源基板(不図示)から電力を受け取るコネクタ346が配置されている。コネクタ346は、ランプ制御基板340に配置されたランプ制御部320と、演出/画像/音響制御基板330に配置された演出制御部300および画像/音響制御部310とに対して、例えば直流電圧32V,15V,5V,3.3Vの電力を供給する。
【0125】
〔VDP、音響DSP等に対してリセットを行う回路部分の説明〕
図21は、VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、およびシステム制御CPU301に対してリセットを行う回路部分を説明する図である。
同図に示すように、画像/音響制御部310のVDP311、音響DSP312、ランプ制御部320のLMP制御CPU321、演出制御部300のシステム制御CPU301をリセットするためのリセットスイッチ352は、リセットロジック回路351に接続されている。
また、リセットロジック回路351は、信号線S1を介してVDP311に接続され、信号線S2を介して音響DSP312に接続されている。また、リセットロジック回路351は、信号線S3と、コネクタ331およびコネクタ341と、信号線S4とを介してLMP制御CPU321に接続されている。
さらに、リセットロジック回路351は、信号線S5を介してシステム制御CPU301に接続されている。
【0126】
リセットスイッチ352は、遊技者が操作できないように、枠部材150が鍵(電子錠を含む)により遊技盤110(図1参照)から開放されることで操作者が操作できる箇所(枠部材150の内側)に配置される。例えば、通常は枠部材150に覆われている遊技盤110の前面や、各種の基板等が取り付けられる遊技盤110の後面に配置される。
なお、リセットスイッチ352を遊技盤110の前面に配置すれば、操作者は、枠部材150を遊技盤110から開く動作(1アクション)を行うだけでリセットスイッチ352の配置箇所に到達できる。そのため、リセットスイッチ352の操作性が向上する。
【0127】
そして、リセットロジック回路351は、操作者(例えば、パチンコ遊技機100の管理者)がリセットスイッチ352をONするという操作入力を認識し、認識した操作者による操作入力の入力形態に対応させて、VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、およびシステム制御CPU301の何れかにリセット要求信号を出力する。具体的には、リセットロジック回路351は、リセットスイッチ352が例えば連続して2回ONされるという操作者による入力形態を認識すると、信号線S1を介してVDP311にリセット要求信号を出力する。またリセットロジック回路351は、リセットスイッチ352が例えば連続して3回ONされるという操作者による入力形態を認識すると、信号線S2を介して音響DSP312にリセット要求信号を出力する。またリセットロジック回路351は、リセットスイッチ352が例えば連続して4回ONされるという操作者による入力形態を認識すると、信号線S3、コネクタ331およびコネクタ341、信号線S4を介してLMP制御CPU321にリセット要求信号を出力する。
【0128】
さらにリセットロジック回路351は、リセットスイッチ352が例えば連続して5回ONされるという操作者による操作入力の入力形態を認識すると、信号線S5を介してシステム制御CPU301にリセット要求信号を出力する。
なお、リセットロジック回路351は、VDP311、音響DSP312、およびLMP制御CPU321の何れかにリセット要求信号が出力された場合には、それを信号線S5を介してシステム制御CPU301に対して通知する。
【0129】
ここで、本実施の形態では、リセットスイッチ352が例えば単に1回だけONされるという操作者による入力形態については、その入力が無効なものとして扱う。それにより、操作者がリセットスイッチ352を誤って触ってしまった場合等に、VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、およびシステム制御CPU301の何れかへのリセット要求信号の出力が抑えられる。
さらに、リセットスイッチ352を連続して複数回ONする操作者の操作入力を有効なものとして扱うことで、何らかの物体等がリセットスイッチ352をONし続けるような異常な状況が発生した場合にも、そのような入力は無効なものとして扱われる。
それにより、VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、またはシステム制御CPU301が操作者の意図とは関係なくリセットされるのが抑制される。
【0130】
本実施の形態では、上記のように、VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、およびシステム制御CPU301各々を個別にリセット(再起動)するための操作者からの操作入力を受け付ける共通のリセットスイッチ352を備えている。そして、操作者がリセットスイッチ352をONに操作する際の操作入力の入力形態に対応させて、リセット対象をVDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、およびシステム制御CPU301の何れかに設定する。
このように、リセットスイッチ352を共通に使用する構成とすることにより、リセットスイッチ352は小さな面積領域内で配置できる。それにより、例えば、リセットスイッチ352を遊技盤110(図1参照)の前面に配置する場合には、リセットスイッチ352を遊技者に目立たないように配置することができる。また、リセットスイッチ352を各種基板等が取り付けられる遊技盤110の後面に配置する場合には、遊技盤110の後面における各種基板等についての充分な配置領域を確保しながらリセットスイッチ352が配置される。また、リセットスイッチ352を各種基板の一つ(例えば、演出/画像/音響制御基板330)の表面上に配置する場合においても、基板内の回路が配置される充分な領域を確保しながらリセットスイッチ352が配置される。
さらには、パチンコ遊技機100の製造工程において、リセットスイッチ352の設置個数が削減され、さらに設置工数も減るので、パチンコ遊技機100の製造コストを安価なものとする。
【0131】
〔VDP、音響DSP等に対するリセット処理〕
上記したように、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、リセットスイッチ352をONする際の操作者による操作入力の入力形態に対応させて、リセットロジック回路351からVDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、またはシステム制御CPU301各々に対してリセット要求信号を個別に出力する。そして、それを契機(トリガ)として、VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、またはシステム制御CPU301は自らをリセット(再起動)する。
【0132】
その際に、リセットロジック回路351は、リセットスイッチ352がONされた際に、リセットスイッチ352を操作するに際して必ず行う必要のある枠部材150を遊技盤110(図1参照)から開放するという行為が行われた場合において、リセット要求信号を出力するように構成してもよい。
それにより、リセットロジック回路351は、枠部材150の開放を検知しなければリセット要求信号を出力しない。そのため、リセットロジック回路351への何らかの誤信号の入力や、またはリセットスイッチ352からの何らかの誤信号の出力によって、VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、およびシステム制御CPU301が意図せずリセットされるのが抑制される。
また、リセットスイッチ352は、枠部材150が鍵(電子錠を含む)により遊技盤110(図1参照)から開放されることで操作者が操作できる箇所に配置されているので、枠部材150の開放を検知するには、鍵が必要となる。そのため、リセットスイッチ352を操作できる操作者は限定される。それにより、VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、およびシステム制御CPU301が不正な操作によってリセットされ、動作モード等が変更されることも抑制される。
【0133】
〔リセットロジック回路でのリセット対象の判定処理〕
次に、リセットロジック回路351でのリセット対象を判定する処理について説明する。
図22は、リセットロジック回路351でのリセット対象を判定する処理の内容の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、リセットロジック回路351は、リセットスイッチ352が操作者の操作入力によりONされたことを認識すると(ステップ2201でYes)、リセットロジック回路351内部のタイマ(不図示)を0にリセットし(ステップ2202)、タイマにより時間の計測を開始する(ステップ2203)。それとともに、リセットスイッチ352が操作者の操作入力によりONされた回数を表す入力回数Rの値を1加算する(ステップ2204)。そして、リセットロジック回路351は、タイマにより計測された時間が予め定めた時間(例えば、1秒)を経過するまでは(ステップ2205でNo)、リセットスイッチ352が操作者の操作入力によりONされるのを待機する(ステップ2201)。
同様に、リセットロジック回路351は、リセットスイッチ352が操作者の操作入力によりONされるまで(ステップ2201でNo)、リセットスイッチ352が操作者の操作入力によりONされるのを待機する。
【0134】
一方、タイマにより計測された時間が予め定めた時間を経過した場合には(ステップ2205でYes)、リセットロジック回路351は、入力回数Rの値が2以上であるか否かを判定する(ステップ2206)。そして、入力回数Rの値が2未満であれば(ステップ2206でNo)、リセットロジック回路351は、入力回数Rの値を0にリセットし(ステップ2207)、リセット対象に関する判定処理を終了する。
また、リセットロジック回路351は、入力回数Rの値が2以上であれば(ステップ2206でYes)、入力回数Rの値に対応するリセット対象(VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、システム制御CPU301)を、リセットロジック回路351内のROM(不図示)に記憶したテーブル(後段図23参照)に基づいて決定する(ステップ2208)。
そして、リセット対象を決定すると、リセットロジック回路351は、入力回数Rの値を0にリセットし(ステップ2209)、リセット対象に関する判定処理を終了する。
【0135】
次の図23は、リセットロジック回路351内のROM(不図示)に記憶された入力回数Rの値とリセット対象(VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、システム制御CPU301)との対応関係を表すテーブルの一例を示す図である。
図23に例示したテーブルでは、入力回数Rが1回のリセットスイッチ352への操作入力は無効となる。それにより、リセットロジック回路351は、VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、およびシステム制御CPU301の何れにもリセット要求信号を出力しない。
また、図23に例示したテーブルでは、入力回数Rが2回である操作入力とLMP制御CPU321、入力回数Rが3回である操作入力と音響DSP312、入力回数Rが4回である操作入力とVDP311、入力回数Rが5回である操作入力とシステム制御CPU301を、それぞれ対応付けている。
【0136】
〔システム制御CPUに対するリセット処理〕
次に、上記図22に示したリセットロジック回路351での判定処理によりシステム制御CPU301がリセット対象と判定された場合において、システム制御CPU301に対するリセット処理について説明する。
図22の判定処理によりリセットロジック回路351にてシステム制御CPU301がリセット対象と判定された場合には、リセットロジック回路351はシステム制御CPU301に対してリセット要求信号を出力する。それにより、システム制御CPU301は自らをリセットする。
【0137】
また、上記したように、演出制御部300にてコマンド受信処理(図16参照)により生成したコマンド(図柄演出コマンド、変動終了コマンド、当たり演出コマンド、エンディングコマンド、客待ち演出コマンド等)や期待値に対応する図柄演出コマンドは、RTC307内部の第2の記憶手段の一例としてのRAM308に記憶されている。そして、RTC307内部のRAM308はBATT309によりバックアップされている。そのため、システム制御CPU301がリセットされても、RAM308に記憶されたコマンド(期待値に対応する図柄演出コマンドを含む)はRAM308内に保持される。
【0138】
そして、システム制御CPU301でのリセットが完了して、システム制御CPU301が再起動されると、システム制御CPU301は、RTC307内部のRAM308からコマンドを読み出し、読み出したコマンドをRAM305にセットする。そして、システム制御CPU301は、RAM305にセットしたコマンド(図柄演出コマンド、変動終了コマンド、当たり演出コマンド、エンディングコマンド、客待ち演出コマンド等)、および期待値に対応する図柄演出コマンドを再度、画像/音響制御部310の演出制御CPU302およびランプ制御部320のLMP制御CPU321に出力する。
それにより、画像/音響制御部310の演出制御CPU302は、システム制御CPU301から取得したコマンドに対応した制御信号を再度生成して、生成した制御信号を画像/音響制御部310に出力する。同様に、ランプ制御部320のLMP制御CPU321は、システム制御CPU301から取得したコマンドに対応した制御信号を再度生成して、I/O回路部324を介してLEDドライバ325と、モータドライバ326と、に出力する。
このようにして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320は、システム制御CPU301がリセットされる前に設定されていた演出内容を再開する。その場合に、画像/音響制御部310およびランプ制御部320は、システム制御CPU301から取得したコマンドに応じた演出内容を再度最初から開始するような構成であってもよいし、リセット処理が行われた時点から再開するような構成であってもよい。
それにより、システム制御CPU301がリセットされる前に設定されていた演出が再び実行されるので、システム制御CPU301をリセットしても、遊技者が不利益を被ったとの印象を受けるのを緩和することができる。
【0139】
ところで、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う各制御ユニット(遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、払出制御部400等)に配置される演算装置(CPU等)には、一連の処理を実行するプログラムが組み込まれる。かかるプログラムにノイズの侵入や想定外の割込信号の入力等が起こると、これが契機となってプログラムが本来の処理フローから外れ、演算装置に所謂「暴走」や「永久ループへの入り込み」等の異常が発生する。このような異常が例えば演出制御部300や画像/音響制御部310やランプ制御部320に配置された演算装置(システム制御CPU301、演出制御CPU302、VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321)に発生する場合がある。その場合には、電源の再投入によってパチンコ遊技機100全体をリセットして回復させる方法もある。ところが、例えば演出制御部300や画像/音響制御部310やランプ制御部320の演算装置は、パチンコ遊技機100の動作制御や信号処理の一部を担うものである。それにも拘わらず、パチンコ遊技機100全体をリセットすると、演出制御部300以外の遊技制御部200を含めた他の制御ユニットの演算装置もリセットされる。特に、遊技制御部200の演算装置(CPU201:第1の演算装置)は、パチンコ遊技機100全体の動作をも制御するものであって、リセット時にはブートプログラムを立ち上げ、オペレーティングシステムや各制御ユニットを動作させる各種アプリケーションソフトを起動させるための一連の処理を行うこととなる。そのため、電源の再投入によって遊技制御部200の演算装置(CPU201)がリセットされると、パチンコ遊技機100が通常の動作可能状態となるまでに要する時間は長くなる。それにより、遊技者の待ち時間が長時間となり、遊技者の遊技に対する関心や集中力を低下させる可能性がある。
【0140】
また、例えば演出制御部300のシステム制御CPU301は、遊技制御部200にて設定された確変遊技状態等の動作状態に基づいて上記した「期待値」を生成する。この期待値は、演出制御部300のシステム制御CPU301にて例えば乱数を用いて設定される演出内容の一部である。そのため、パチンコ遊技機100全体がリセットされる際に、仮に、遊技制御部200において例えば電池によりバックアップされたRAM203(図3参照)等によりパチンコ遊技機100の現在の動作状態に関する情報(コマンド)が保存(記憶)されていたとしても、遊技制御部200に保持されたコマンドを用いて、演出制御部300がリセット前の元の期待値と同じ期待値を再現することはできない。それにより、画像表示部114に表示される画像が、リセットされる前には例えば期待値が90%程度であることを示唆する演出画像であったのに対し、リセットされた後には例えば期待値が10%程度であることを示唆する演出画像に変わる事態が発生する可能性が高い。その場合には、遊技者に失望感を与え、遊技者の遊技に対する関心や集中力を低下させることとなる。
【0141】
それに対して、本実施の形態では、例えば、演出制御部300内に設けられたシステム制御CPU301、画像/音響制御部310内に設けられた演出制御CPU302やVDP311や音響DSP312、ランプ制御部320内に設けられたLMP制御CPU321といった演算装置に暴走や永久ループへの入り込み等の異常が発生した場合には、異常が発生したシステム制御CPU301、VDP311や音響DSP312、LMP制御CPU321においてのみリセット処理を行い、遊技制御部200の演算装置(CPU201)に対してはリセット処理を行わない。そして、操作者がリセットスイッチ352を規定回数(例えば5回)ONし、リセット対象としてシステム制御CPU301を選択することにより、演出制御部300のシステム制御CPU301をリセット処理することができる。さらには、その場合に、遊技制御部200のCPU201を稼働状態に維持する。
このように構成することで、システム制御CPU301、VDP311や音響DSP312、LMP制御CPU321の何れかに異常が発生した場合には、遊技制御部200の演算装置(CPU201)においてブートプログラムを再度立ち上げ、オペレーティングシステムや各種アプリケーションソフトを起動させるための一連の処理を行う必要がない。そのため、パチンコ遊技機100が正常な動作可能状態となるまでの遊技者の待ち時間が短縮される。それにより、遊技者が遊技に対する関心や集中力を低下させるのを抑制する。
【0142】
また、演出制御部300のシステム制御CPU301がリセットされると、回路構成によっては、演出制御CPU302、VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321も同様にリセット処理される場合がある。ところが、システム制御CPU301は、リセットが完了して再起動された際には、RTC307内部のRAM308からコマンド(期待値に対応する図柄演出コマンドを含む)を直ちに読み出し、読み出したコマンドおよび期待値に対応する図柄演出コマンドをRAM305に再度セットする。そして、システム制御CPU301は、RAM305に再度セットしたコマンド(図柄演出コマンド、変動終了コマンド、当たり演出コマンド、エンディングコマンド、客待ち演出コマンド等)、および期待値に対応する図柄演出コマンドを再度、演出制御CPU302およびLMP制御CPU321に出力する。それにより、画像/音響制御部310およびランプ制御部320はリセット処理前の演出内容(図柄演出パターン)を再開する。それによって、演出制御部300のシステム制御CPU301にて設定した元の遊技状態や期待値に対応する演出内容が再現されるので、遊技者が受ける不利益を被ったとの印象を和らげ、遊技者の遊技に対する関心や集中力を持続させる。
【0143】
また、パチンコ遊技機100が通常の動作可能状態となるまでの時間が短縮され、さらに、リセット後は直ちに元の遊技状態や期待値に対応する演出内容が再現されることから、リセットスイッチ352がONされた際には従来よりも短時間で、例えばVDP311に演出制御CPU302からの制御信号が入力される。それにより、例えばVDP311に何らの信号も入力されないことに起因して画像表示部114(図3参照)に表示される所謂「カラーバー画像」の表示時間が短いものとなる。そのため、画像表示部114にカラーバー画像が表示されることで遊技者がパチンコ遊技機100に故障が生じたと思い込み、遊技の継続を諦めてしまうことを抑制する。
その場合に、例えばVDP311に何らの信号も入力されない状態で画像表示部114に表示する画像として、カラーバー画像に代えて、画像表示部114の全面に黒を表示する黒画像や、例えば「少しお待ち下さい」等のメッセージで構成されるメッセージ画面等を表示してもよい。それにより、遊技者が受けるパチンコ遊技機100に故障が生じたとの不安感が和らげられる。
【0144】
このように、本実施の形態では、システム制御CPU301、VDP311や音響DSP312、LMP制御CPU321の何れかに異常が発生した場合には、操作者がリセットスイッチ352を規定回数(例えば5回)ONし、リセット対象としてシステム制御CPU301を選択することにより、その中のシステム制御CPU301に対してリセット処理を行うことができる。そして、パチンコ遊技機100全体の動作を制御する遊技制御部200の演算装置に対してはリセット処理を行わない。それにより、パチンコ遊技機100が正常な動作可能状態となるまでの遊技者の待ち時間も短縮される。
また、演出制御部300のシステム制御CPU301は、リセットが完了して再起動された際には、RTC307内部のRAM308からコマンドを読み出し、読み出したコマンドに基づいてリセット処理前の演出内容を再開する。それにより、遊技者が受ける不利益を被ったとの印象を和らげるものとなる。その場合に、読み出したコマンドに応じた演出内容を再度最初から開始することにより、リセット処理による時間経過により失われた遊技に対する意欲を再度高めることともなる。
また、画像表示部114にカラーバー画像が表示される時間が従来よりも短くなり、遊技者がパチンコ遊技機100に故障が生じたと思い込むことで、遊技の継続を諦めてしまうのを抑制する。
【0145】
〔システム制御CPUに関するリセット処理の内容〕
次に、システム制御CPU301に関するリセット処理の内容について説明する。
図24は、システム制御CPU301に関するリセット処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、操作者がリセットスイッチ352を規定回数(例えば5回)ONし、リセット対象としてシステム制御CPU301を選択すると(ステップ2401)、リセットロジック回路351は、システム制御CPU301に対しリセット要求信号を出力する(ステップ2402)。システム制御CPU301は、リセットロジック回路351からリセット要求信号を受けると、リセット処理を開始する(ステップ2403)。
【0146】
システム制御CPU301は、自らをリセットし再起動すると(ステップ2404でYes)、BATT309によりバックアップされたRTC307内部のRAM308に記憶されたコマンド(図柄演出コマンド、変動終了コマンド、当たり演出コマンド、エンディングコマンド、客待ち演出コマンド等)および期待値に対応する図柄演出コマンドを読み出す(ステップ2405)。
そして、システム制御CPU301は、RTC307内部のRAM308から読み出したコマンド(期待値に対応する図柄演出コマンドを含む)をRAM305にセットする(ステップ2406)。さらに、システム制御CPU301は、RAM305にセットされたコマンドを演出制御CPU302およびLMP制御CPU321に転送する(ステップ2407)。それにより、演出制御CPU302およびLMP制御CPU321は、システム制御CPU301から取得したコマンドに対応した制御信号を再度生成する(ステップ2408)。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320は、生成された制御信号に基づき、画像表示部114への画像表示、音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する(ステップ2409)。
【0147】
なお、本実施の形態では、システム制御CPU301でのリセット処理が終了し、システム制御CPU301が再起動された段階で、システム制御CPU301がRTC307内部のRAM308からコマンドを読み出すように構成した。この場合に、遊技制御部200にてRAM203に対するクリア(消去)処理が実施されていない場合には、演出制御部300は、遊技制御部200からコマンドを再度受け取り、図柄演出コマンド(期待値に対応する図柄演出コマンドを除く)、変動終了コマンド、当たり演出コマンド、エンディングコマンド、客待ち演出コマンド等のコマンドに関し、上記図16に示したコマンド受信処理により再度生成するように構成してもよい。
また、本実施の形態では、コマンド(演出制御情報)を記憶する第2の記憶手段としてBATT309によりバックアップされたRTC307内部のRAM308を用いた。このような構成の他に、RTC307内部のRAM308以外の電池によりバックアップされたRAMを配置し、第2の記憶手段として用いてもよい。すなわち、システム制御CPU301に接続され、かつ、電池によりバックアップされたRAMであれば、如何なる形態のRAMもコマンド(演出制御情報)を記憶する第2の記憶手段として用いることができる。
【0148】
〔VDP、音響DSP、LMP制御CPUに対するリセット処理〕
続いて、上記図22に示したリセットロジック回路351での判定処理によりVDP311、音響DSP312、またはLMP制御CPU321がリセット対象と判定された場合において、VDP311、音響DSP312、およびLMP制御CPU321に対するリセット処理について説明する。
図22の判定処理によりリセットロジック回路351にてVDP311、音響DSP312、またはLMP制御CPU321がリセット対象と判定された場合には、リセットロジック回路351からVDP311、音響DSP312、またはLMP制御CPU321に対してリセット要求信号を個別に出力する。そして、それを契機(トリガ)として、VDP311、音響DSP312、またはLMP制御CPU321は、自らをリセット(再起動)する。
【0149】
リセットロジック回路351は、VDP311、音響DSP312、およびLMP制御CPU321の何れかにリセット要求信号を出力した場合には、システム制御CPU301に対し、VDP311、音響DSP312、およびLMP制御CPU321の何れかにリセット要求信号が出力されたことを信号線(図21のS5)を介して通知する。それにより、システム制御CPU301は、演出の実行を中断する。さらに、システム制御CPU301は、記憶手段の一例としてのRAM305にセット(記憶)したコマンド(図柄演出コマンド、変動終了コマンド、当たり演出コマンド、エンディングコマンド、客待ち演出コマンド等)や期待値に対応する図柄演出コマンドをそのままの状態で保持する。
【0150】
そして、リセット対象となったVDP311、音響DSP312、またはLMP制御CPU321のリセットが完了して再起動されると、システム制御CPU301は、RAM305からコマンドを読み出す。そして、システム制御CPU301は、RAM305から読み出したコマンド(期待値に対応する図柄演出コマンドを含む)を再度、演出制御CPU302およびランプ制御部320のLMP制御CPU321に出力する。
それにより、画像/音響制御部310の演出制御CPU302は、システム制御CPU301から取得したコマンドに対応した制御信号を再度生成して、生成した制御信号を画像/音響制御部310に出力する。同様に、ランプ制御部320のLMP制御CPU321は、システム制御CPU301から取得したコマンドに対応した制御信号を再度生成して、I/O回路部324を介してLEDドライバ325と、モータドライバ326と、に出力する。
このようにして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320は、リセット対象となったVDP311、音響DSP312、またはLMP制御CPU321がリセットされる前に設定されていた演出内容を再開する。その場合に、画像/音響制御部310およびランプ制御部320は、システム制御CPU301から取得したコマンドに応じた演出内容を再度最初から開始するような構成であってもよいし、リセット処理が行われた時点から再開するような構成であってもよい。
【0151】
本実施の形態では、例えば、画像/音響制御部310内に設けられたVDP311や音響DSP312、ランプ制御部320内に設けられたLMP制御CPU321に暴走や永久ループへの入り込み等の異常が発生した場合には、異常が発生したVDP311、音響DSP312、またはLMP制御CPU321に対してのみ個別にリセットを行い、直ちに演出制御部300内に設けられたシステム制御CPU301に対してのリセットを行わない。さらには、遊技制御部200の演算装置(CPU201)に対してはリセットを行わない。すなわち、操作者がリセットスイッチ352を規定回数(例えば2〜4回)ONするという選択により、VDP311、音響DSP312、またはLMP制御CPU321をリセットすることができる。そしてその場合には、演出制御部300内のシステム制御CPU301、遊技制御部200のCPU201を稼働状態に維持する。
このように構成することで、遊技制御部200の演算装置(CPU201)においてブートプログラムを再度立ち上げ、オペレーティングシステムや各種アプリケーションソフトを起動させるための一連の処理を行う必要がない。そのため、パチンコ遊技機100が正常な動作可能状態となるまでの遊技者の待ち時間が短縮される。それにより、遊技者が遊技に対する関心や集中力を低下させるのを抑制する。
【0152】
また、システム制御CPU301は、RAM305にコマンド(期待値に対応する図柄演出コマンドを含む)をセットしたまま保持(記憶)している。そして、VDP311、音響DSP312、またはLMP制御CPU321がリセットされた際には、システム制御CPU301は、RAM305からコマンド(期待値に対応する図柄演出コマンドを含む)を直ちに読み出して、再度、演出制御CPU302およびLMP制御CPU321に出力する。それにより、画像/音響制御部310およびランプ制御部320はリセット前の演出内容(図柄演出パターン)を再開する。それによって、演出制御部300のシステム制御CPU301にて設定した元の遊技状態や期待値に対応する演出内容が再現されるので、遊技者が受ける不利益を被ったとの印象を和らげ、遊技者の遊技に対する関心や集中力を持続させる。
【0153】
また、パチンコ遊技機100が通常の動作可能状態となるまでの時間が短縮され、さらに、リセット後は直ちに元の遊技状態や期待値に対応する演出内容が再現されることから、VDP311をリセットするためのリセットスイッチ352がONされた場合においても、従来よりも短時間でVDP311に演出制御CPU302からの制御信号が入力される。それにより、VDP311に何らの信号も入力されないことに起因して画像表示部114(図3参照)に表示される所謂「カラーバー画像」の表示時間が短くなる。そのため、画像表示部114にカラーバー画像が表示されることで遊技者がパチンコ遊技機100に故障が生じたと思い込み、遊技の継続を諦めてしまうことを抑制する。
その場合に、例えばVDP311に何らの信号も入力されない状態で画像表示部114に表示する画像として、カラーバー画像に代えて、画像表示部114の全面に黒を表示する黒画像や、例えば「少しお待ち下さい」等のメッセージで構成されるメッセージ画面等を表示してもよい。それにより、遊技者が受けるパチンコ遊技機100に故障が生じたとの不安感が和らげられる。
【0154】
加えて、音響DSP312またはLMP制御CPU321がリセット対象として選択された場合には、VDP311は動作状態が維持されるので、演出制御CPU302からの制御信号が入力された状態が継続される。そのため、画像表示部114には演出用の画像が継続して表示され、カラーバー画像や黒画像等は表示されない。それにより、遊技者がパチンコ遊技機100に故障が生じたと思い込み、遊技の継続を諦めてしまうことが抑制される。
【0155】
このように、本実施の形態では、画像/音響制御部310内に設けられたVDP311や音響DSP312、ランプ制御部320内に設けられたLMP制御CPU321に暴走や永久ループへの入り込み等の異常が発生した場合には、操作者がリセットスイッチ352を規定回数(例えば2〜4回)ONするという選択により、異常が発生したVDP311、音響DSP312、またはLMP制御CPU321に対してのみリセットを行う。そして、直ちに演出制御部300内に設けられたシステム制御CPU301に対してのリセットは行わない。さらには、遊技制御部200の演算装置(CPU201)に対してはリセットを行わない。それにより、パチンコ遊技機100が正常な動作可能状態となるまでの遊技者の待ち時間も短縮される。
また、システム制御CPU301は、VDP311、音響DSP312、またはLMP制御CPU321のリセットが完了して再起動された際には、RAM305からコマンドを読み出し、読み出したコマンドに基づいてリセット前の演出内容を再開する。それにより、遊技者が受ける不利益を被ったとの印象を和らげるものとなる。その場合に、読み出したコマンドに応じた演出内容を再度最初から開始することにより、リセット処理による時間経過により失われた遊技に対する意欲を再度高めることともなる。
また、VDP311をリセットする場合にも画像表示部114にカラーバー画像が表示される時間が従来よりも短くなる。さらに、音響DSP312またはLMP制御CPU321をリセットする場合には、画像表示部114には演出用の画像が継続して表示され、カラーバー画像等は表示されない。それにより、遊技者がパチンコ遊技機100に故障が生じたと思い込むことで、遊技の継続を諦めてしまうのを抑制する。
【0156】
加えて、本実施の形態では、VDP311、音響DSP312、およびLMP制御CPU321を個別にリセットするので、演出を実行する各機能部を制御する各種制御装置を構成する演算装置(VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321)、演出を実行する機能部である画像表示部114、スピーカ156、盤ランプ116や枠ランプ157、可動役物115の何れが故障箇所となっているかを判別できる。
例えば、VDP311をリセットすることで画像表示部114に生じた不具合が解消した場合には、VDP311に生じた暴走等の異常が不具合の原因であると判定できる。一方、VDP311をリセットしても画像表示部114に生じた不具合が解消しない場合には、VDP311以外の例えば画像表示部114自身に不具合の原因であると判定できる。音響DSP312、およびLMP制御CPU321のリセットによっても同様に不具合の原因であると判定できる。
さらに、VDP311、音響DSP312、およびLMP制御CPU321のすべてを個別にリセットしても、それぞれの不具合が解消しない場合には、演出制御部300のシステム制御CPU301に生じた暴走等の異常が不具合の原因であると判定できる。その場合には、操作者がリセットスイッチ352を規定回数(例えば5回)ONするという選択により、システム制御CPU301をリセットし、不具合の解消を図ることもできる。
【0157】
〔VDP、音響DSP、およびLMP制御CPUに関するリセット処理の内容〕
次に、VDP311、音響DSP312、およびLMP制御CPU321に関するリセット処理の内容について説明する。
図25−1、25−2は、VDP311、音響DSP312、およびLMP制御CPU321に関するリセット処理の内容を示すフローチャートである。
まず図25−1に示すように、操作者がリセットスイッチ352を規定回数(例えば2回)ONし、リセット対象としてLMP制御CPU321を選択すると(ステップ2501でYes)、リセットロジック回路351は、LMP制御CPU321に対しリセット要求信号を出力する(ステップ2502)。
続いて、リセットロジック回路351は、システム制御CPU301に対し、LMP制御CPU321にリセット要求信号を出力したことを通知する(ステップ2503)。それにより、システム制御CPU301は、演出の実行を中断する(ステップ2504)。
また、LMP制御CPU321は、リセットロジック回路351からリセット要求信号を受けると、リセット処理を開始する(ステップ2505)。
【0158】
操作者がリセットスイッチ352を規定回数(例えば3回)ONし、リセット対象として音響DSP312を選択すると(ステップ2501でNo、ステップ2506でYes)、リセットロジック回路351は、音響DSP312に対しリセット要求信号を出力する(ステップ2507)。
続いて、リセットロジック回路351は、システム制御CPU301に対し、音響DSP312にリセット要求信号を出力したことを通知する(ステップ2508)。それにより、システム制御CPU301は、演出の実行を中断する(ステップ2509)。
また、音響DSP312は、リセットロジック回路351からリセット要求信号を受けると、リセット処理を開始する(ステップ2510)。
【0159】
操作者がリセットスイッチ352を規定回数(例えば4回)ONし、リセット対象としてVDP311を選択すると(ステップ2506でNo、ステップ2511でYes)、VDP311に対しリセット要求信号を出力する(ステップ2512)。
続いて、リセットロジック回路351は、システム制御CPU301に対し、VDP311にリセット要求信号を出力したことを通知する(ステップ2513)。それにより、システム制御CPU301は、演出の実行を中断する(ステップ2514)。
また、VDP311は、リセットロジック回路351からリセット要求信号を受けると、リセット処理を開始する(ステップ2515)。
さらに、操作者がリセットスイッチ352を規定回数(例えば5回)ONし、リセット対象としてシステム制御CPU301を選択すると(ステップ2506でNo、ステップ2511でNo)、システム制御CPU301に関するリセット処理が行われる(ステップ2516)。すなわち、ステップ2516では上記図24に示した処理が行われる。
【0160】
次に図25−2に示すように、システム制御CPU301は、リセットロジック回路351からリセット要求信号についての出力通知を受けたVDP311、音響DSP312、またはLMP制御CPU321がリセットされ、再起動が完了したか否かを判定する(ステップ2517)。システム制御CPU301は、VDP311、音響DSP312、またはLMP制御CPU321がリセットされたと判定した場合に(ステップ2517でYes)、RAM305にセットされたコマンド(期待値に対応する図柄演出コマンドを含む)を読み出す(ステップ2518)。
システム制御CPU301は、VDP311、音響DSP312、またはLMP制御CPU321のリセットが完了していないと判定した場合には(ステップ2517でNo)、待機する。
【0161】
そして、システム制御CPU301は、RAM305から読み出したコマンドを演出制御CPU302およびLMP制御CPU321に転送する(ステップ2519)。それにより、演出制御CPU302およびLMP制御CPU321は、システム制御CPU301から取得したコマンドに対応した制御信号を再度生成する(ステップ2520)。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320は、生成された制御信号に基づき、画像表示部114への画像表示、音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する(ステップ2521)。
【0162】
〔リセットロジック回路でのリセット対象の判定処理の他の構成例〕
ところで、本実施の形態では、上記図22に示したように、リセットロジック回路351でのリセット対象の判定をリセットスイッチ352がONされる回数(入力回数R)により行う場合について説明した。このような構成の他に、リセットロジック回路351において、リセットスイッチ352がONされる時間(操作入力が継続される時間)により、リセット対象の判定を行うように構成してもよい。
【0163】
図26は、リセットロジック回路351でのリセット対象をリセットスイッチ352がONされる時間により判定する処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、リセットロジック回路351は、リセットスイッチ352が操作者の操作入力によりONされたことを認識すると(ステップ2601でYes)、リセットロジック回路351内部のタイマ(不図示)を0にリセットし(ステップ2602)、タイマにより時間の計測を開始する(ステップ2603)。そして、リセットロジック回路351は、リセットスイッチ352がOFFされるのを待機する(ステップ2604でNo)。
リセットロジック回路351は、リセットスイッチ352が操作者の操作入力によりOFFされたことを認識すると(ステップ2604でYes)、タイマによる時間の計測を停止する(ステップ2605)。
【0164】
続いて、タイマにより計測された時間(計測時間、操作入力が継続された時間)を判定し、計測時間が第1の時間(例えば1秒)を経過していなければ(ステップ2606でNo)、リセットロジック回路351は、リセット対象に関する判定処理を終了する。
また、リセットロジック回路351は、計測時間が第1の時間(例えば1秒)を経過し、かつ第2の時間(例えば2秒)を経過していなければ(ステップ2606でYes、ステップ2607でNo)、リセット対象をLMP制御CPU321に設定し(ステップ2608)、リセット対象に関する判定処理を終了する。
また、リセットロジック回路351は、計測時間が第2の時間を経過し、かつ第3の時間(例えば3秒)を経過していなければ(ステップ2607でYes、ステップ2609でNo)、リセット対象を音響DSP312に設定し(ステップ2610)、リセット対象に関する判定処理を終了する。
【0165】
また、リセットロジック回路351は、計測時間が第3の時間を経過し、かつ第4の時間(例えば4秒)を経過していなければ(ステップ2609でYes、ステップ2611でNo)、リセット対象をVDP311に設定し(ステップ2612)、リセット対象に関する判定処理を終了する。
また、リセットロジック回路351は、計測時間が第4の時間を経過していれば(ステップ2611でYes)、リセット対象をシステム制御CPU301に設定し(ステップ2613)、リセット対象に関する判定処理を終了する。
【0166】
ここで、図26に示した判定処理では、リセットスイッチ352がONされている時間(上記の計測時間)が第1の時間(例えば1秒)未満であるという操作者の操作入力は、その入力が無効なものとして扱う。それにより、操作者がリセットスイッチ352を誤って触ってしまった場合等に、VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、およびシステム制御CPU301の何れかへのリセット要求信号の出力が抑えられる。
それにより、VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、またはシステム制御CPU301が操作者の意図とは関係なくリセットされるのが抑制される。
【0167】
なお、操作者からの操作入力を受け付ける共通のリセットスイッチ352は、操作部の一例である1つの入力操作ボタンで構成されたものであっても、リセット対象の数よりも少ない複数の入力操作ボタンが集約的に構成されたものであってもよい。すなわち、リセットスイッチ352は、リセット対象各々について個々に設けられる構成に比べ、その設置面積を小さく構成できれば、如何なる構成も用いることができる。
リセット対象の数よりも少ない複数の入力操作ボタンが集約的に構成されたリセットスイッチ352を用いる場合には、例えば、ONされる入力操作ボタンの組み合わせやONされる順序等により、リセット対象を選択できるように構成してもよい。
【0168】
また、リセットスイッチ352に隣接して例えばLEDドット表示装置または7セグ表示装置等による表示装置を配置し、リセットスイッチ352がON(操作入力)された回数や、ONされてからの経過時間等を表示して、操作者に操作状況を報知するように構成してもよい。それにより、操作者がリセット対象を選択するに際しての利便性が向上する。
【0169】
〔演出制御部、画像/音響制御部、およびランプ制御部に関する他の回路構成〕
ところで、本実施の形態では、演算装置(第2の演算装置)であるシステム制御CPU301を演出制御部300に配置し、演算装置である演出制御CPU302や演算装置(第3の演算装置)であるVDP311および音響DSP312を画像/音響制御部310に配置し、演算装置(第3の演算装置)であるLMP制御CPU321をランプ制御部320に配置した構成を採用した。
このような各演算装置の配置構成としては、上記の構成に限定されない。例えば、図27に示したように、演算装置である演出制御CPU302を演出制御部300に配置する構成を採用してもよい。かかる図27に示した構成では、演出制御部300に配置された演出制御CPU302がシステム制御CPU301からのコマンド(期待値に対応する図柄演出コマンドを含む)に対応した制御信号を生成する。そのため、図27に示した構成においては、演出内容を表現する画像や音響を制御する制御信号が、演出制御部300から画像/音響制御部310に対し直接出力される。このような制御信号を演出制御部300から直接取得して動作する制御装置を構成する演算装置(VDP311、音響DSP312)に対してリセット処理を行うように構成してもよい。
【0170】
また、例えば、システム制御CPU301、演出制御CPU302、およびLMP制御CPU321を1つに統合した演算装置(統合CPU)として構成してもよい。このような構成では、再起動指示手段は、VDP311、音響DSP312、さらには統合CPUをそれぞれ個別にリセットするように構成される。
また、例えば、システム制御CPU301、およびLMP制御CPU321を1つに統合した演算装置(統合CPU)として構成してもよい。この構成では、再起動指示手段は、VDP311、音響DSP312、さらには統合CPUをそれぞれ個別にリセットするように構成される。
さらには、演出制御CPU302、VDP311、および音響DSP312を1つに統合した演算装置(統合CPU)として構成してもよい。このような構成では、再起動指示手段は、LMP制御CPU321、および統合CPUをそれぞれ個別にリセットするように構成される。
【0171】
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ遊技機100においては、VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、およびシステム制御CPU301各々を個別にリセットするための操作者からの操作入力を受け付ける共通のリセットスイッチ352を備えている。そして、操作者がリセットスイッチ352をONに操作する際の操作入力の入力形態に対応してリセット対象が選択され、VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、およびシステム制御CPU301の何れかがリセットされる。
それにより、パチンコ遊技機100を通常の動作可能状態に復帰させるまでの時間が短縮され、遊技者の待ち時間が短くなる。さらに、演算装置に異常が発生する前の演出内容が再現される。また、VDP311をリセットする際にも画像表示部114にカラーバー画像が表示される時間が従来よりも短くなる。また、音響DSP312またはLMP制御CPU321をリセットする際には、画像表示部114には演出用の画像が継続して表示される。
【0172】
さらに、リセットスイッチ352を共通に使用する構成とすることにより、リセットスイッチ352を遊技者に目立たないように配置できる。また、リセットスイッチ352が配置される構成部にて他の構成要素の充分な配置領域を確保しながらリセットスイッチ352を配置できる。さらには、パチンコ遊技機100の製造工程において、リセットスイッチ352の設置個数が削減され、さらに設置工数も減るので、パチンコ遊技機100の製造コストを安価なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】本実施の形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。
【図2】本実施の形態に係るパチンコ遊技機を説明する図であり、(a)は、遊技盤の右下に配設された表示器の一例を示す拡大図であり、(b)は、パチンコ遊技機の部分平面図である。
【図3】制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図4】遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。
【図5】遊技制御部の主要動作を示すフローチャートである。
【図6】始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
【図7】ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
【図9】大当たり判定処理の内容を示すフローチャートである。
【図10】変動パターン選択処理の内容を示すフローチャートである。
【図11】停止中処理の内容を示すフローチャートである。
【図12】普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
【図13−1】大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
【図13−2】大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
【図14】電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
【図15】本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図である。
【図16】演出制御部の主要動作を示すフローチャートである。
【図17】コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。
【図18】演出選択処理の内容を示すフローチャートである。
【図19】当たり演出選択処理の内容を示すフローチャートである。
【図20】演出制御部、画像/音響制御部、およびランプ制御部の主要部の回路構成を例示する図である。
【図21】VDP、音響DSP、LMP制御CPU、およびシステム制御CPUに対してリセットを行う回路部分を説明する図である。
【図22】リセットロジック回路でのリセット対象を判定する処理の内容の一例を示すフローチャートである。
【図23】リセットロジック回路内のROMに記憶された入力回数の値とリセット対象との対応関係を表すテーブルの一例を示す図である。
【図24】システム制御CPUに関するリセット処理の内容を示すフローチャートである。
【図25−1】VDP、音響DSP、およびLMP制御CPUに関するリセット処理の内容を示すフローチャートである。
【図25−2】VDP、音響DSP、およびLMP制御CPUに関するリセット処理の内容を示すフローチャートである。
【図26】リセットロジック回路でのリセット対象をリセットスイッチがONされる時間により判定する処理の内容を示すフローチャートである。
【図27】演出制御部、画像/音響制御部、およびランプ制御部の主要部の他の回路構成を例示する図である。
【符号の説明】
【0174】
100…パチンコ遊技機、301…システム制御CPU、311…VDP(Video Display Processor)、312…音響DSP(Digital Signal Processor)、321…ランプ(LMP)制御CPU、351…リセットロジック回路、352…リセットスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当たり抽選を行って遊技状態を設定し、設定した当該遊技状態に応じた演出を行う遊技機であって、
前記当たり抽選に関する演算処理を行い、当該当たり抽選における抽選結果を生成する第1の演算装置と、
前記第1の演算装置から前記抽選結果を取得し、当該抽選結果に基づき実行する演出を制御するための演算処理を行うとともに、当該演出の内容を設定する演出制御情報を生成する第2の演算装置と、
前記第2の演算装置にて生成された前記演出制御情報に従って前記演出を異なる態様で実行する複数の機能部に対応して設けられ、当該機能部の動作を制御するための演算処理を行う複数の第3の演算装置と、
操作者による前記第2の演算装置および前記複数の第3の演算装置の何れかへの再起動指示に関する操作入力を受け付ける操作入力手段と、
前記操作入力手段での前記操作入力を認識し、認識した当該操作入力における入力形態に対応させて前記第2の演算装置および前記複数の第3の演算装置の何れかを再起動対象として選択し、選択した当該再起動対象に対して再起動を指示する再起動指示手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記再起動指示手段は、前記入力形態として操作者が行った前記操作入力の回数を認識し、認識した当該回数に対応させて前記再起動対象を選択することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記再起動指示手段は、認識した前記回数が予め定めた回数以上であった場合に、前記第2の演算装置および前記複数の第3の演算装置の何れかを前記再起動対象として選択することを特徴とする請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記再起動指示手段は、前記入力形態として操作者が前記操作入力を継続させた時間を認識し、認識した当該時間に対応させて前記再起動対象を選択することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項5】
前記再起動指示手段は、認識した前記時間が予め定めた時間を超えている場合に、前記第2の演算装置および前記複数の第3の演算装置の何れかを前記再起動対象として選択することを特徴とする請求項4記載の遊技機。
【請求項6】
前記第2の演算装置は、前記再起動指示手段が前記複数の第3の演算装置の何れかに再起動を指示したことにより前記演出制御情報を記憶手段に保持し、当該第3の演算装置が再起動することにより当該第3の演算装置により全部または一部が構成され前記機能部の動作を制御する制御装置に対して当該記憶手段に保持した当該演出制御情報を出力することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項7】
前記第2の演算装置は、大当たり当選確率が通常遊技状態よりも高い高確率遊技状態が設定されていることの可能性の大きさを表す期待値を生成し、前記再起動指示手段が前記複数の第3の演算装置の何れかに再起動を指示したことにより当該期待値に対応する演出の内容を設定する前記演出制御情報を記憶手段に記憶し、前記第3の演算装置が前記再起動指示手段からの再起動指示によって再起動することにより、当該第3の演算装置により全部または一部が構成され前記機能部の動作を制御する制御装置に対して当該記憶手段に記憶した当該演出制御情報を出力することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項8】
電池により駆動され、前記第2の演算装置にて生成された前記演出制御情報を記憶する第2の記憶手段をさらに備え、
前記第2の演算装置は、大当たり当選確率が通常遊技状態よりも高い高確率遊技状態が設定されていることの可能性の大きさを表す期待値を生成し、当該期待値に対応する演出の内容を設定する前記演出制御情報を生成する毎に前記第2の記憶手段に記憶し、前記再起動指示手段からの再起動指示によって自身が再起動したことにより当該第2の記憶手段に記憶された前記演出制御情報を読み出し、読み出した当該演出制御情報を前記機能部の動作を制御する制御装置に出力することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項9】
前記再起動指示手段は、前記複数の第3の演算装置の何れかに再起動を指示したことを前記第2の演算装置に通知することを特徴とする請求項1記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25−1】
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【図25−2】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−4881(P2011−4881A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150125(P2009−150125)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】