説明

遊技機

【課題】 遊技機が異常状態にあることをより適切に検出可能とすること。
【解決手段】 特賞状態の生起期間のうち開閉部材が閉状態にある期間に、大入賞口スイッチで検出された遊技球の数を計数し、計数された遊技球の数が不正入賞個数以上になった場合に、パチンコ機が異常状態にあると判定する構成とした(ステップS200〜S226)。それゆえ、例えば、特賞状態におけるオープニング期間中に、針金等を使って大入賞口を無理に開かせ、遊技球を入賞させるような不正行為が行われた場合、大入賞口スイッチで計数された遊技球の数が不正入賞個数以上になると、パチンコ機が異常状態にあると判定できる。そのため、異常状態にあることをより適切に検出できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機としては、例えば、特許文献1に記載のパチンコ機がある。
特許文献1に記載のパチンコ機では、遊技状態が特賞状態になると、大入賞口を開放し、開放した大入賞口に入賞する遊技球を大入賞口スイッチで検出し、検出した遊技球の数に応じて賞球を払い出すようになっている。ここで、大入賞口スイッチの検出結果は、特賞状態の間だけ有効とされる。これにより、針金等を使って大入賞口を無理に開かせ、遊技球を大入賞口に入賞させるような不正行為が行われた場合に、遊技機が異常状態にあると適切に判定でき、不正行為によって賞球が払い出されることを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−029568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の遊技機では、大入賞口スイッチの検出結果を特賞状態の間だけ有効としていた。それゆえ、例えば、特賞状態中に、不正行為が行われた場合には、遊技機が異常状態にあると判定できず、賞球が払い出される可能性があった。
本発明は、上記の点に着目し、遊技機が異常状態にあることをより適切に検出可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、
遊技球が通過可能な入賞口と、前記入賞口を開放して前記入賞口への遊技球の通過を許容する開状態、及び前記入賞口を閉鎖して前記入賞口への遊遊技球の通過を禁止する閉状態に可動される開閉部材と、を備えた入賞装置と、
前記入賞口を通過した遊技球を検出する検出手段と、
前記開閉部材を閉状態及び開状態に可動させる開閉動作を行う駆動手段と、
前記駆動手段による開閉動作が許容される期間である開閉動作許容期間を発生させるか否かを抽選する抽選手段と、
前記抽選に当選すると、前記開閉動作許容期間を発生させるとともに、この前記開閉動作許容期間内に、前記開閉部材を閉状態から開状態へと可動させ、特定契機の成立をもって前記開閉部材を開状態から閉状態へと可動させるラウンド遊技を前記駆動手段に行わせる制御手段と、
前記開閉動作許容期間のうち前記開閉部材が閉状態にある期間である特定期間に前記検出手段で設定数以上の遊技球が検出されると、遊技機が異常状態にあると判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、例えば、特定期間中に、入賞口を無理に開かせ、遊技球を入賞させるような不正行為が行われた場合、検出手段で検出された遊技球の数が設定数以上になると、遊技機が異常状態にあると判定される。
そのため、遊技機が異常状態にあることをより適切に検出できる。
【0007】
本発明の他の態様は、
前記特定期間は、前記開閉動作許容期間において前記ラウンド遊技が複数回行われる場合、複数の前記ラウンド遊技のうちの一のラウンド遊技の次に行われる他のラウンド遊技の開始を前記一のラウンド遊技における前記特定契機の成立後から定められた時間禁止するインターバル期間を含み、
前記制御手段は、前記開閉動作許容期間において前記ラウンド遊技が複数回行われる場合、前記一のラウンド遊技における前記特定契機の成立後から前記インターバル期間が経過した後に前記他のラウンド遊技を開始し、
前記判定手段は、前記インターバル期間に前記検出手段で設定数以上の遊技球が検出されると、遊技機が異常状態にあると判定することを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、例えば、インターバル期間中に、入賞口を無理に開かせ、遊技球を入賞させるような不正行為が行われた場合、検出手段で検出された遊技球の数が設定数以上になると、遊技機が異常状態にあると判定できる。また、インターバル期間中は、入賞口が閉鎖される前に入賞した遊技球である開放中遊技球が検出手段で検出されることがあるが、インターバル期間中に検出されることが予想される開放中遊技球の最大数よりも設定数を大きな数とすることで、インターバル期間中に、開放中遊技球を検出手段が検出することに起因して遊技状態が異常状態にあると誤判定されることを防止できる。
【0009】
本発明の他の態様は、
前記検出手段は、前記入賞口から離間した位置に設けられ、
前記特定期間は、前記特定契機の成立後から前記入賞装置内に残留した最後の遊技球が前記検出手段で検出されるまでの期間である球はけ期間を含み、
前記判定手段は、前記球はけ期間に前記検出手段で設定数以上の遊技球が検出されると、遊技機が異常状態にあると判定することを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、例えば、球はけ期間中に、入賞口を無理に開かせ、遊技球を入賞させるような不正行為が行われた場合、検出手段で検出された遊技球の数が設定数以上になると、遊技機が異常状態にあると判定される。また、球はけ期間中は、入賞口が閉鎖される前に入賞した遊技球である開放中遊技球が検出手段で検出されることがあるが、球はけ期間中に検出されることが予想される開放中遊技球の最大数よりも設定数を大きな数とすることで、球はけ期間中に、開放中遊技球を検出手段が検出することに起因して遊技状態が異常状態にあると誤判定されることを防止できる。
【0011】
本発明の他の態様は、
前記特定期間は、前記開閉動作許容期間において初めて行われる前記ラウンド遊技である初回ラウンド遊技の開始前に当該初回ラウンド遊技の開始を前記開閉動作許容期間の発生から定められた時間禁止するオープニング期間を含み、
前記判定手段は、前記オープニング期間に前記検出手段で設定数以上の遊技球が検出されると、遊技機が異常状態にあると判定することを特徴とする。
このような構成によれば、例えば、オープニング期間中に、入賞口を無理に開かせ、遊技球を入賞させるような不正行為が行われた場合、検出手段で検出された遊技球の数が設定数以上になると、遊技機が異常状態にあると判定できる。
【0012】
本発明の他の態様は、
前記特定期間は、前記開閉動作許容期間において最後に行われる前記ラウンド遊技である最終ラウンド遊技における前記特定契機の成立後から前記開閉動作許容期間の終了までの期間であるエンディング期間を含み、
前記判定手段は、前記エンディング期間に前記検出手段で設定数以上の遊技球が検出されると、遊技機が異常状態にあると判定することを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、例えば、エンディング期間中に、入賞口を無理に開かせ、遊技球を入賞させるような不正行為が行われた場合、検出手段で検出された遊技球の数が設定数以上になると、遊技機が異常状態にあると判定される。また、エンディング期間中は、入賞口が閉鎖される前に入賞した遊技球である開放中遊技球が検出手段で検出されることがあるが、エンディング期間中に検出されることが予想される開放中遊技球の最大数よりも設定数を大きな数とすることで、エンディング期間中に、開放中遊技球を検出手段が検出することに起因して遊技状態が異常状態にあると誤判定されることを防止できる。
【0014】
本願発明の他の態様は、
前記検出手段で遊技球が検出された場合に予め定められた個数の賞球を払い出す払出手段を備え、
前記制御手段は、前記判定手段で遊技機が異常状態にあると判定されると、前記払出手段に前記賞球の払出しを禁止させることを特徴とする。
このような構成によれば、不正行為によって賞球が払い出されることを防止できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、不正行為をより適切に検出可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】遊技盤面の正面部、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
【図2】パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】遊技制御処理を示すフローチャートである。
【図4】電動役物制御処理を示すフローチャートである。
【図5】不正検知処理を示すフローチャートである。
【図6】パチンコ機1の動作を示すタイムチャートである。
【図7】パチンコ機1の動作を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、本発明に係る遊技機を、パチンコ機1に適用している。
(遊技盤面の構成)
まず、パチンコ機1における遊技盤面10の構成を説明する。
図1は、遊技盤面の正面部、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
図1に示すように、遊技盤面10には、遊技球の発射路20を構成する外レール21及び内レール22が設けられている。遊技盤面10では、外レール21及び内レール22によって囲まれた円形状の領域が、遊技球を転動させる遊技領域30となっている。
遊技領域30の中央部には、役物装置100が配設されている。役物装置100の内側には、中央転動経路31が構成されている。また、遊技領域30の左側には、左側転動経路32が構成され、遊技領域30の右側には、右側転動経路33が構成されている。
【0018】
役物装置100の下方には、第一始動入賞口210が配設されている。第一始動入賞口210は、上向きに開口した入賞口(いわゆるヘソ)であり、常時、遊技球が入賞可能な状態となっている。第一始動入賞口210に入賞した遊技球は、所定領域(図示せず)に誘導される。この所定領域には、始動入賞口スイッチ310(図2参照)が配設されている。始動入賞口スイッチ310は、遊技球の通過を検出して、検出信号を主制御装置400(後述)に出力する。そして、主制御装置400は、始動入賞口スイッチ310から検出信号が出力されることを契機として、特別図柄抽選を実行する。特別図柄抽選では、後述する開閉部材222を開状態及び閉状態に可動させる開閉動作が許容される期間である特賞状態を生起(発生)させるか否かを抽選する。
【0019】
役物装置100の右方には、始動ゲート230が配設されている。始動ゲート230は、上向きに開口したゲートであり、常時、遊技球が通過可能な状態となっている。始動ゲート230の内部には、始動ゲートスイッチ311(図2参照)が配設されている。始動ゲートスイッチ311は、始動ゲート230への遊技球の通過を検出して、検出信号を主制御装置400に出力する。そして、主制御装置400は、始動ゲートスイッチ311からの検出信号が出力されることを契機として、普通図柄抽選を実行する。
【0020】
始動ゲート230の下方には、普通電動役物220が配設されている。普通電動役物220は、上向きに開口した第二始動入賞口221、及び第二始動入賞口221を開閉可能な開閉部材222を有する可変入賞装置(いわゆる電動チューリップ)となっている。開閉部材222は、始動入賞口ソレノイド320(図2参照)によって開閉される。そして、第二始動入賞口221は、通常時は、開閉部材222が閉鎖状態となり、遊技球が入賞することができない状態となっている。また、第二始動入賞口221は、普通図柄抽選に当選した場合に、開閉部材222が所定パターンで開放状態となり、遊技球が入賞可能な状態となる。第二始動入賞口221に入賞した遊技球は、第一始動入賞口210に入賞した遊技球と同様に、所定領域に誘導される。そして、第二始動入賞口221に入賞した遊技球は、所定領域に配設されている始動入賞口スイッチ310によって検出され、特別図柄抽選の契機を与える。
【0021】
すなわち、本実施形態では、始動入賞口スイッチ310は、第一始動入賞口210への遊技球の入賞及び第二始動入賞口221への遊技球の入賞を検出して、特別図柄抽選の契機を与える。なお、第一始動入賞口210への遊技球の入賞を検出するスイッチ及び第二始動入賞口221への遊技球の入賞を検出するスイッチを、それぞれ別個に設けて、それぞれのスイッチによる遊技球の検出に応じて抽選を実行する構成としても構わない。
【0022】
第二始動入賞口221の下方には、特別電動役物240が配設されている。特別電動役物240は、上向きに開口した大入賞口241、並びに大入賞口241を開放して大入賞口241への遊技球の通過を許容する開状態、及び大入賞口241を閉鎖して大入賞口241への遊技球の通過を禁止する閉状態に可動される開閉部材242を有する可変入賞装置(いわゆるアタッカー)となっている。開閉部材242は、大入賞口ソレノイド321(図2参照)によって開状態及び閉状態に可動される。大入賞口241は、通常時は、開閉部材242が閉鎖状態となり、遊技球が入賞することができない状態となっている。そして、大入賞口241は、特別図柄抽選に当選して特賞状態が生起された場合に、開閉部材242が所定パターンで開放状態となり、遊技球が入賞可能(通過可能)な状態となる。大入賞口241の開放動作は、所定の時間(例えば、30秒)経過するか、所定数(例えば、10個)の遊技球が入賞する特定契機が成立するまで(1ラウンド)継続される。また、大入賞口241の開放動作は、所定のラウンド数(例えば、15ラウンド)繰り返し行われる。
【0023】
特別電動役物240の内部には、大入賞口スイッチ313(図2参照)と、この大入賞口スイッチ313に遊技球を誘導する球通路(図示せず)とが配設されている。大入賞口スイッチ313は、大入賞口241に入賞した遊技球を誘導する球通路上であって大入賞口241から離間した位置に設けられ、大入賞口241を通過して直接大入賞口スイッチ313に向かった遊技球や、球通路を転動してきた遊技球を検出して、検出信号を主制御装置400に出力する。そして、主制御装置400は、大入賞口スイッチ313から出力される検出信号入力に応じて、賞球を払い出すための処理を実行する。これにより、大入賞口241に入賞した遊技球の数に応じた賞球が払い出される。
【0024】
第一始動入賞口210の左方には、左中一般入賞口250a及び左下一般入賞口250bが配設されている。また、第一始動入賞口210の右方には、右中一般入賞口260a及び右下一般入賞口260bが配設されている。左中一般入賞口250a、左下一般入賞口250b、右中一般入賞口260a及び右下一般入賞口260bは、それぞれ、上向きに開口した入賞口であり、常時、遊技球が入賞可能な状態となっている。
【0025】
左中一般入賞口250a及び左下一般入賞口250bの内部には、左一般入賞口スイッチ314(図2参照)が配設されている。左一般入賞口スイッチ314は、左中一般入賞口250a及び左下一般入賞口250bへの遊技球の入賞を検出して、検出信号を主制御装置400に出力する。また、右中一般入賞口260a及び右下一般入賞口260bの内部には、右一般入賞口スイッチ315(図2参照)が配設されている。右一般入賞口スイッチ315は、右中一般入賞口260a及び右下一般入賞口260bへの遊技球の入賞を検出して、検出信号を主制御装置400に出力する。そして、主制御装置400は、左一般入賞口スイッチ314及び右一般入賞口スイッチ315から出力される検出信号に応じて、賞球を払い出すための処理を実行する。これにより、左中一般入賞口250a、左下一般入賞口250b、右中一般入賞口260a及び右下一般入賞口260bに入賞した遊技球の数に応じた賞球が払い出される。
【0026】
遊技領域30の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収するためのアウト口270が設けられている。
役物装置100の左方には、パチンコ機1の遊技状態を表示する遊技状態表示装置280が配設されている。遊技状態表示装置280は、LEDランプ、7セグメントLED、ドットマトリクスLED等によって構成される。遊技状態表示装置280は、特別図柄表示部281、及び普通図柄表示部282を有している。
【0027】
特別図柄表示部281は、数字や図柄等からなる特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。特別図柄表示部281では、特別図柄抽選が実行された場合に、特別図柄の変動表示が行われ、その後、当該特別図柄抽選の結果に応じた態様による特別図柄の停止表示が行われる。
普通図柄表示部282は、数字や図柄等からなる普通図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。普通図柄表示部282では、普通図柄抽選が実行された場合に、普通図柄の変動表示が行われ、その後、当該普通図柄抽選の結果に応じた態様による普通図柄の停止表示が行われる。
【0028】
また、遊技状態表示装置280には、特賞状態が生起されていること、当該特賞状態のラウンド数、普通図柄抽選の保留数、時短状態が生起されていること、当該時短状態の時短回数等が表示される。
パチンコ機1には、遊技者による操作に応じて、遊技球を発射することが可能な発射装置(図示せず)が配設されている。そして、発射装置によって発射された遊技球は、発射路20を介して、遊技領域30に打ち出される。
遊技領域30に打ち出された遊技球は、中央転動経路31、左側転動経路32及び右側転動経路33のうちいずれかの転動路を、下方に向かって転動する。
【0029】
ここで、第一始動入賞口210は、遊技領域30に打ち出された遊技球のうち、役物装置100の内側に構成された中央転動経路31を通過した遊技球のみが入賞可能となるように配設されている。また、第二始動入賞口221、始動ゲート230及び大入賞口241は、それぞれ、遊技領域30に打ち出された遊技球のうち、右側転動経路33を通過した遊技球のみが入賞又は通過可能となるように配設されている。
なお、遊技領域30には、第一始動入賞口210、第二始動入賞口221、始動ゲート230、大入賞口241等に向かって遊技球を導くように、複数の釘nが配設されている。
【0030】
(制御系の構成)
次に、パチンコ機1における制御系の構成を説明する。
図2は、パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、パチンコ機1は、始動入賞口スイッチ310、始動ゲートスイッチ311、大入賞口スイッチ313、左一般入賞口スイッチ314、及び右一般入賞口スイッチ315を備えている。
始動入賞口スイッチ310は、第一始動入賞口210及び第二始動入賞口221への遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置400に出力する。始動ゲートスイッチ311は、始動ゲート230への遊技球の通過を検出し、検出信号を主制御装置400に出力する。大入賞口スイッチ313は、大入賞口241への遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置400に出力する。左一般入賞口スイッチ314は、左中一般入賞口250a及び左下一般入賞口250bへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置400に出力する。右一般入賞口スイッチ315は、右中一般入賞口260a及び右下一般入賞口260bへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置400に出力する。
【0031】
また、パチンコ機1は、制御部として、主制御装置400、及び副制御装置500を備えている。不正行為防止等のため、主制御装置400及び副制御装置500は、それぞれ別々の基板に実装される。また、制御部では、主制御装置400から副制御装置500への一方向にのみデータの送信が可能となっている。
主制御装置400は、主として、始動入賞口スイッチ310からの検出信号の入力に応じて、各種の乱数カウンタから乱数を取得する。そして、主制御装置400は、取得した各種乱数に基づいて、制御コマンドの送信及び遊技全体の制御を行う。
【0032】
また、主制御装置400は、遊技状態表示装置280、始動入賞口ソレノイド320(駆動手段)、大入賞口ソレノイド321(駆動手段)及び賞球払出制御装置350、等を直接制御する。賞球払出制御装置350は、大入賞口スイッチ313、左一般入賞口スイッチ314及び右一般入賞項スイッチ315等で遊技球が検出された場合に予め定められた個数の賞球を払い出す。
【0033】
主制御装置400は、CPU(Central Processing Unit)410、ROM(Read Only Memory)420、RAM(Random Access Memory)430、入力ポート440、及び出力ポート450を備える。
入力ポート440は、始動入賞口スイッチ310、始動ゲートスイッチ311、大入賞口スイッチ313、左一般入賞口スイッチ314、及び右一般入賞口スイッチ315のそれぞれから入力された検出信号をCPU410に出力する。
【0034】
出力ポート450は、副制御装置500、遊技状態表示装置280及び賞球払出制御装置350のそれぞれに制御コマンドを出力するとともに、始動入賞口ソレノイド320、及び大入賞口ソレノイド321のそれぞれに制御信号を出力する。また、出力ポート450は、パチンコ機1の出玉情報や異常信号等をホールコンピュータ800に出力する。
ROM420には、主制御装置400で実行されるパチンコ機1を制御するためのプログラム、遊技制御用のデータ等が記憶されている。
【0035】
RAM430には、主制御装置400に対する入出力データ、演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等が一時的に記憶される。
CPU410は、入力ポート440から入力された制御コマンドに応じて、ROM420に記憶されているプログラムに従った処理を実行する。
【0036】
また、主制御装置400には、電源供給を行うための電源回路900が接続されている。
副制御装置500は、CPU、ROM、RAM、入力ポート、及び出力ポートを備える。
副制御装置500のROMには、副制御装置500で実行される演出を制御するためのプログラム、各種データ等が記憶されている。
【0037】
副制御装置500のRAMには、主制御装置400から入力された制御コマンド、演算処理を実行するためのデータ等が一時的に記憶される。
副制御装置500のCPUは、主制御装置400から受信した制御コマンドに応じて、ROMに記憶されているプログラムに従った処理を実行する。これにより、副制御装置500のCPUは、遊技状態に応じた演出や、パチンコ機1が異常状態にあることを報知する報知動作等を、ランプ530の点灯、点滅の制御、スピーカ540からの効果音の出力の制御等を行う。
【0038】
次に、主制御装置400で実行される遊技制御処理を説明する。
CPU410は、マイクロプロセッシングユニット等からなり、所定の動作クロック(例えば、4[ms])で1サイクルを実行可能な遊技制御プログラムに基づいて動作し、ROM420の所定領域に格納されている遊技制御プログラムを起動させ、図3のフローチャートに示す遊技制御処理を実行する。
【0039】
まず、主制御装置400が実行する遊技制御処理を説明する。
図3は、遊技制御処理を示すフローチャートである。
遊技制御処理は、CPU410において実行されると、図3に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、遊技者の利益に直接影響する出玉の決定等に関わる各種乱数を更新する当たり決定乱数等更新処理を実行する。ここで、出玉の決定等に直接関わる各種乱数としては、当たりを生起させるか否かの当たり抽選に用いる乱数(以下、「当たり決定乱数」と称する)、当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数等がある。
【0040】
次にステップS102に移行して、演出に関わる演出制御用乱数を更新する演出制御用乱数更新処理を実行する。
次にステップS104に移行して、入力ポート440を介して、各スイッチ310、311、313、314、315からの信号を入力する入力処理を実行する。
次にステップS106に移行して、当たりの判定を行うとともに特別図柄の変動パターンを決定する変動設定処理を実行する。
【0041】
次にステップS108に移行して、大入賞口241を所定パターンで開放させる電動役物制御処理(後述)を実行する。
次にステップS110に移行して、賞球払出制御装置350に払出し動作を行わせるための制御コマンドをRAM430の所定領域に格納する賞球払出管理処理を実行する。
次にステップS112に移行して、遊技制御に関する外部情報信号をホールコンピュータ800に出力する外部情報出力処理を実行する。
【0042】
次にステップS114に移行して、パチンコ機1の検査に必要な遊技機検査信号を出力する遊技機検査信号出力処理を実行する。なお、場合によっては、ステップS114の処理は省略することもできる。
次にステップS116に移行して、出力ポート450を介して、RAM430に格納した制御コマンドを出力するポート出力処理を実行した後、この遊技制御処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0043】
図4は、電動役物制御処理を示すフローチャートである。
電動役物制御処理は、主制御装置400のCPU410において実行されると、図4に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、特賞状態が生起されていない期間である非生起期間に、大入賞口スイッチ313で検出された遊技球の数を計数し、計数された遊技球の数が不正入賞個数以上である場合には、パチンコ機1が異常状態にあると判定する不正検知処理(後述)を実行する。不正入賞個数とは、パチンコ機1への不正行為によって、パチンコ機1が異常状態にあると判定できる遊技球の個数である。本実施形態においては、「非生起期間」における不正入賞個数(設定数)は「1」と設定されている。そのため「非生起期間」において大入賞口スイッチ313で遊技球が検出された場合には直ちに異常状態にあると判定される。不正入賞個数は、例えば、常に同一の値としてもよいし、遊技球の計数を行う期間によって異なる値としてもよい。
【0044】
次にステップS202に移行して、特賞状態を開始させるか否かを判定する。具体的には、遊技制御処理で更新された当たり決定乱数が予め定められた値である大当り判定値と一致し、且つ特別図柄表示部281に特賞状態の生起を表す特別図柄が停止表示されたか否かを判定する。そして、遊技制御処理で更新された当たり決定乱数が大当り判定値と一致し、且つ特別図柄表示部281に特賞状態の生起を表す特別図柄が停止表示されたと判定した場合には(YES)特賞状態を開始(発生)させるか否かの抽選に当選したと判定し、ステップS204に移行する。そして、特賞状態を発生させるとともに、発生した特賞状態の実施期間内に、開閉部材242を閉状態から開状態へと可動させ、特定契機が成立するまで開状態を維持し、特定契機の成立をもって開閉部材242を開状態から閉状態へと可動させるラウンド遊技を行う。一方、遊技制御処理で更新された当たり決定乱数が大当り判定値と不一致であると判定した場合、または特別図柄表示部281に特賞状態の生起を表す特別図柄が停止表示されていないと判定した場合には(NO)この電動役物制御処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0045】
次にステップS204に移行して、特賞状態における遊技状態をオープニング期間に移行させる。オープニング期間とは、特賞状態の生起期間において初めて行われるラウンド遊技である初回ラウンド遊技の開始前に当該初回ラウンド遊技の開始を特賞状態の生起期間の発生から定められた時間禁止する期間である。本実施形態においては、このオープニング期間で、特賞状態の開始を表す演出であるオープニング演出を行うため、オープニング演出の開始を指示するコマンドであるオープニング演出開始コマンドを副制御装置500に送信する。続いて、オープニング演出開始コマンドを送信してからの経過時間の計測を開始する。なお、オープニング演出は全ての特賞状態で行う必要はなく、例えば、後述する「小当り」を実行する場合にはオープニング演出を行わないようにしてもよい。
【0046】
次にステップS206に移行して、不正検知処理を繰り返し実行する。この不正検知処理では、オープニング期間に、大入賞口スイッチ313で検出された遊技球の数を計数し、計数された遊技球の数が不正入賞個数以上である場合には、パチンコ機1が異常状態にあると判定する。本実施形態においては、オープニング期間における不正入賞個数(設定数)は「1」と設定されている。同時に、前記ステップS204で計測が開始された経過時間がオープニング演出に要する時間であるオープニング時間を超えたか否かを判定する。そして、当該経過時間がオープニング時間を超えたと判定した場合にはステップS208に移行する。一方、当該経過時間がオープニング時間を超えていないと判定した場合にはこの判定を再度実行する。
【0047】
次にステップS208に移行して、不正検知処理で使用される変数である不正入賞判定用カウンタ値をクリアして「0」とする。
次にステップS210移行して、特賞状態における遊技状態を開放期間に移行させる。開放期間では、大入賞口241を開放させる制御信号を大入賞口ソレノイド321に送信する。続いて、当該制御信号を送信した後所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または大入賞口241に所定数(例えば10個)以上の遊技球が入賞した場合に、開閉部材242で大入賞口241を閉鎖させる制御信号を大入賞口ソレノイド321に送信する。
【0048】
次にステップS212に移行して、特賞状態における遊技状態を球はけ期間に移行させる。球はけ期間とは、開閉部材242で大入賞口241が閉鎖されてから球はけ時間(例えば1.89秒)が経過するまでの期間である。球はけ時間とは、開放期間に大入賞口241に入賞した遊技球の全てが大入賞口スイッチ313で検出されるまでに要すると予想される時間である。すなわち、大入賞口スイッチ313が大入賞口241から離間した位置に設けられることで、大入賞口241を通過した遊技球が大入賞口スイッチ313で検出されるまでに時間の遅れがあるところ、球はけ期間は、特定契機の成立後から、大入賞口241に入賞した遊技球を誘導する球通路に残留した最後の遊技球が大入賞口スイッチ313で検出されるまでの期間である。球はけ期間では、大入賞口ソレノイド321への制御信号の送信を禁止し、開閉部材242に大入賞口241の閉鎖を継続させる。また、前記ステップS210で大入賞口ソレノイド321に制御信号を送信してからの経過時間の計測を開始する。
【0049】
次にステップS214に移行して、不正検知処理を繰り返し実行する。この不正検知処理では、球はけ期間に大入賞口スイッチ313で検出された遊技球の数を計数し、計数された遊技球の数が不正入賞個数以上である場合には、パチンコ機1が異常状態にあると判定する。本実施形態においては、球はけ期間における不正入賞個数(設定数)は「3」と設定され、球はけ期間において計数された遊技球の数が「2」以下である場合にはパチンコ機1が異常状態にあるとは判定されないように構成されている。このように構成されるのは以下のような理由による。すなわち、可変入賞装置(アタッカー)においては、上述のように大入賞口スイッチ241が大入賞口241から離間しているため、開放期間が終了する直前に大入賞口241を通過した遊技球、いわゆる残留球が、閉状態となった可変入賞装置内に残留することがある。このような残留球は可変入賞装置が閉状態になった後に大入賞口スイッチ241にて検知されることとなるが、残留球はゴト行為によらない正規の遊技において入賞したものといえるので異常状態にあると判定されるのは遊技者の不利益となり、好ましくない。そのため、開放期間の終了後に球はけ期間を設け、この球はけ期間における遊技球の検知を、残留球が生じうる最低限の範囲内(本実施形態の場合は「2」)で認めることとしている。なお、本実施形態において、球はけ期間における不正入賞個数は「3」と設定されているが、大入賞口241から大入賞口スイッチ241までの距離、球通路の形状、可変入賞装置(アタッカー)の大きさ等に応じて適宜設定可能なことは言うまでもない。同時に、前記ステップS212で計測が開始された経過時間が球はけ時間を超えたか否かを判定する。そして、当該経過時間が球はけ時間を超えたと判定した場合にはステップS216に移行する。一方、当該経過時間が球はけ時間を超えていないと判定した場合にはこの判定を再度実行する。
【0050】
次にステップS216に移行して、特賞状態の最終ラウンド(例えば、15ラウンド)が終了したか否かを判定する。そして、特賞状態の最終ラウンドが終了したと判定した場合には(YES)ステップS218に移行する。一方、特賞状態の最終ラウンドが終了していないと判定した場合には(NO)ステップS222に移行する。
前記ステップS218では、特賞状態における遊技状態を閉鎖期間に移行させる。閉鎖期間とは、球はけ期間の経過後予備時間(例えば0.1秒)が経過するまでの期間である。閉鎖期間では、大入賞口ソレノイド321への制御信号の送信を禁止し、開閉部材242に大入賞口241の閉鎖を継続させる。また、球はけ期間が終了してからの経過時間の計測を開始する。
このように、球はけ期間及び閉鎖期間を含む期間(インターバル期間)では、複数のラウンド遊技のうちの一のラウンド遊技の次に行われる他のラウンド遊技の開始を当該一のラウンド遊技における特定契機の成立後から定められた時間禁止する。
【0051】
次にステップS220に移行して、不正入賞判定用カウンタ値をクリアして「0」とした後、不正検知処理を繰り返し実行する。この不正検知処理では、閉鎖期間に、大入賞口スイッチ313で検出された遊技球の数を計数し、計数された遊技球の数が不正入賞個数以上である場合には、パチンコ機1が異常状態にあると判定する。本実施形態においては、閉鎖期間における不正入賞個数(設定数)は「1」と設定されている。同時に、前記ステップS218で計測が開始された経過時間が予備時間を超えたか否かを判定する。そして、当該経過時間が予備時間を超えたと判定した場合には前記ステップS208に戻る。一方、当該経過時間が予備時間を超えていないと判定した場合にはこの判定を再度実行する。
このように、一のラウンド遊技における特定契機の成立後からインターバル期間が経過した後に、当該一のラウンド遊技の次に行われる他のラウンド遊技を開始する。
【0052】
一方、前記ステップS222では、特賞状態における遊技状態をエンディング期間に移行させる。エンディング期間とは、特賞状態の生起期間において最後に行われるラウンド遊技である最終ラウンド遊技における特定契機の成立後から特賞状態の生起期間の終了までの期間である。本実施形態においては、特賞状態の終了を表す演出であるエンディング演出を行うため、エンディング演出の開始を指定するためのコマンドであるエンディング演出開始コマンドを副制御装置500に送信する。続いて、エンディング演出開始コマンドを送信してからの経過時間の計測を開始する。なお、エンディング演出は全ての特賞状態で行う必要はなく、例えば、後述する「小当り」を実行する場合にはエンディング演出を行わないようにしてもよい。
【0053】
次にステップS224に移行して、不正入賞判定用カウンタ値をクリアして「0」とした後、不正検知処理を繰り返し実行する。この不正検知処理では、エンディング期間に、大入賞口スイッチ313で検出された遊技球の数を計数し、計数された遊技球の数が不正入賞個数以上である場合には、パチンコ機1が異常状態にあると判定する。本実施形態においては、エンディング期間における不正入賞個数(設定数)は「1」と設定されている。同時に、前記ステップS222で計測が開始された経過時間がエンディング演出に要する時間であるエンディング時間を超えたか否かを判定する。そして、当該経過時間がエンディング時間を超えたと判定した場合にはステップS226に移行する。一方、当該経過時間がエンディング時間を超えていないと判定した場合にはこの判定を再度実行する。
【0054】
前記ステップS226では、不正入賞判定用カウンタ値をクリアして「0」とした後、電動役物制御処理を終了して元の遊技制御処理に復帰させる。
図5は、不正検知処理を示すフローチャートである。
不正検知処理は、主制御装置400のCPUにおいて実行されると、図5に示すように、まず、ステップS300に移行する。
【0055】
ステップS300では、大入賞口241への遊技球の入賞があったか否かを判定する。具体的には、大入賞口スイッチ313から検出信号が出力されたか否かを判定する。そして、大入賞口スイッチ313から検出信号が出力されたと判定した場合(YES)ステップS302に移行する。一方、大入賞口スイッチ313から検出信号が出力されていないと判定した場合(NO)この不正検知処理を終了する。
前記ステップS302では、不正入賞判定用カウンタ値に「1」を加算する。これにより、大入賞口スイッチ313で検出された遊技球の数を計数する。
【0056】
次にステップS304に移行して、不正入賞判定用カウンタ値が不正入賞個数以上であるか否かを判定する。そして、不正入賞判定用カウンタ値が不正入賞個数以上であると判定した場合には(YES)、パチンコ機1が異常状態にあると判定し、ステップS306に移行する。一方、不正入賞判定用カウンタ値が不正入賞個数未満であると判定した場合には(NO)この不正検知処理を終了して元の電動役物制御処理に復帰する。
前記ステップS306では、まず、不正入賞判定用カウンタ値をクリアして「0」とする。続いて、パチンコ機1が異常状態にあることを報知する報知動作をランプ530及びスピーカ540に行わせるコマンドであるエラーコマンドを副制御装置500に送信する。続いて、この不正検知処理を終了して元の電動役物制御処理に復帰する。
【0057】
(動作)
次に、本実施形態のパチンコ機1の動作について説明する。
図6は、パチンコ機1の動作を示すタイムチャートである。
まず、主制御装置400が遊技制御処理を実行すると、主制御装置400が、図3に示すように、当たり判定乱数等更新処理を実行し、各種乱数(当たり決定乱数、当たり種別決定乱数等)を更新する(ステップS100)。続いて、主制御装置400が、演出制御用乱数更新処理、入力処理、及び変動設定処理を実行する(ステップS102、S104、S106)。続いて、主制御装置400が、電動役物制御処理を実行し(ステップS108)、電動役物制御処理において、図4に示すように、不正検知処理を実行する(ステップS200)。続いて、主制御装置400が、不正検知処理において、図5に示すように、大入賞口241への遊技球の入賞があったか否かを判定する(ステップS300)。
【0058】
ここで、図6の期間A(非生起期間)に示すように、特賞状態が生起されておらず、大入賞口241が開閉部材242で閉鎖されていたところ、遊技者が、針金等を使って大入賞口241を無理に開かせ、遊技球を大入賞口241に入賞させる不正行為(以下、「ゴト行為」と称する)を行ったとする。すると、大入賞口スイッチ313が、大入賞口241への遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置400に出力する。これにより、主制御装置400が、大入賞口スイッチ313から検出信号が出力されたと判定し、大入賞口241への遊技球の入賞があったと判定する(ステップS300、YES)。続いて、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値に「1」を加算し、大入賞口スイッチ313で検出された遊技球の数を計数する(ステップS302)。不正入賞判定用カウンタ値は、特賞状態が生起されていない期間である非生起期間に検出された遊技球の数を表すことになる。続いて、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値が不正入賞個数以上であるか否かを判定する(ステップS304)。ここで期間Aにおける不正入賞個数は「1」に設定されているため、この期間Aにおいて入賞があった場合には、すべからく不正入賞個数以上であると判定される(ステップS304、YES)。続いて、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値をクリアして「0」とし、エラーコマンドを副制御装置500に送信する(ステップS306)。これにより、副制御装置500が、主制御装置400から送信されたエラーコマンドに従って、パチンコ機1が異常状態にあることを報知する報知動作をランプ530及びスピーカ540に行わせる。
【0059】
一方、図6の期間Aにてゴト行為が行われなかった場合、すなわち、主制御装置400によって、大入賞口241への遊技球の入賞がなかったと判定された場合(ステップS300、NO)この不正検知処理を終了して元の電動役物制御処理に復帰する。
電動役物制御処理に復帰すると、図4に戻り、主制御装置400が、特賞状態を開始させるか判定する(ステップS202)。
ここで、遊技制御処理で更新された当たり決定乱数が当り判定値と不一致であったとする。すると、主制御装置400が、特賞状態のオープニング演出を開始しないと判定し、元の遊技制御処理に復帰する(ステップS202、NO)。遊技制御処理に復帰すると、図3に戻り、主制御装置400が、賞球払出管理処理、外部情報出力処理、遊技機検査信号出力処理、及びポート出力処理を順次実行した後(ステップS110〜S116)、前記ステップS100から上記フローの実行を繰り返す。
【0060】
上記フローの実行が繰り返されるうちに、遊技制御処理で更新された当たり決定乱数が当り判定値と一致し、且つ特別図柄表示部281に大当たり状態の生起を表す特別図柄が停止表示されたとする。すると、図4に戻り、主制御装置400が、特賞状態(通常大当たり)を開始させると判定する(ステップS202、YES)。続いて、主制御装置400が、オープニング演出開始コマンドを副制御装置500に送信する(ステップS204)。これにより、副制御装置500が、オープニング演出開始コマンドに従って、ランプ530及びスピーカ540にオープニング演出を行わせる。これによって、図6の期間Bに示すように、特賞状態における遊技状態がオープニング期間に移行される。続いて、主制御装置400が、オープニング演出開始コマンドを送信してからの経過時間の計測を開始する(ステップS204)。続いて、主制御装置400が、不正検知処理を実行する(ステップS206)。
【0061】
ここで、図6の期間B(オープニング期間)においてゴト行為が行われたとする。すると、大入賞口スイッチ313が、大入賞口241への遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置400に出力する。続いて、図5に戻り、主制御装置400が、大入賞口スイッチ313から検出信号が出力されたと判定し、大入賞口241への遊技球の入賞があったと判定する(ステップS300、YES)。続いて、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値に「1」を加算し、大入賞口スイッチ313で検出された遊技球の数を計数する(ステップS302)。続いて、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値が不正入賞個数以上であるか否かを判定する(ステップS304)。ここで期間Bにおける不正入賞個数は「1」に設定されているため、この期間Bにおいて入賞があった場合には、すべからく不正入賞個数以上であると判定される(ステップS304、YES)。続いて、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値をクリアして「0」とし、エラーコマンドを副制御装置500に送信する(ステップS306)。これにより、副制御装置500が、主制御装置400から送信されたエラーコマンドに従って、パチンコ機1が異常状態にあることを報知する報知動作をランプ530及びスピーカ540に行わせる。
【0062】
一方、図6の期間Bにてゴト行為が行われなかった場合、すなわち、主制御装置400によって、大入賞口241への遊技球の入賞がなかったと判定された場合(ステップS300、NO)この不正検知処理を終了して元の電動役物制御処理に復帰する。
このように本実施形態では、非生起期間とオープニング期間とのそれぞれにおいて大入賞口スイッチ313で検出された遊技球の数を計数し、計数された遊技球の数が不正入賞個数以上になった場合には、パチンコ機1が異常状態にあると判定する構成とした。それゆえ、例えば、これらの期間中に、上記ゴト行為が行われた場合、大入賞口スイッチ313で計数された遊技球の数が不正入賞個数以上になると、パチンコ機1が異常状態にあると判定できる。特に、特賞状態の一部であるが未だ大入賞口への入賞機会が得られない期間であるオープニング期間中にゴト行為が行われたような場合であっても、パチンコ機1が異常状態にあることを適切に検出できる。
【0063】
また、前記ステップS206の不正検知処理が繰り返されるうちに、オープニング期間が終了したとする。すると、図4に示すように、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値をクリアして「0」とする(ステップS208)。続いて、主制御装置400が、開閉部材242によって大入賞口241を開放させる制御信号を大入賞口ソレノイド321に送信する(ステップS210)。これにより、大入賞口ソレノイド321が、主制御装置400から送信された制御信号に従って、開閉部材242に大入賞口241を開放させる(ステップS210)。これによって、図6の期間Cに示すように、特賞状態における遊技状態が開放期間に移行される。続いて、図4に戻り、主制御装置400が、当該制御信号を送信した後所定時間が経過した場合、または大入賞口241に所定数の遊技球が入賞した場合に、開閉部材242で大入賞口241を閉鎖させる制御信号を大入賞口ソレノイド321に送信する(ステップS210)。これにより、大入賞口ソレノイド321が、主制御装置400から送信された制御信号に従って、開閉部材242に大入賞口241を閉鎖させる。続いて、主制御装置400が、大入賞口ソレノイド157への制御信号の送信を禁止し、開閉部材242に大入賞口241の閉鎖を継続させる(ステップS212)。これにより、図6の期間Dに示すように、特賞状態における遊技状態が球はけ期間に移行される。また、主制御装置400が、前記ステップS210で大入賞口ソレノイド321に制御信号を送信してからの経過時間の計測を開始する。続いて、主制御装置400が、不正検知処理を実行する(ステップS214)。
【0064】
ここで、図6の期間D(球はけ期間)においてゴト行為が行われたとする。すると、大入賞口スイッチ313が、大入賞口241への遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置400に出力する。続いて、主制御装置400が、大入賞口スイッチ313から検出信号が出力されたと判定し、大入賞口241への遊技球の入賞があったと判定する(ステップS300、YES)。続いて、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値に「1」を加算し、大入賞口スイッチ313で検出された遊技球の数を計数する(ステップS302)。不正入賞判定用カウンタ値は、球はけ期間に検出された遊技球の数を表すことになる。続いて、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値が不正入賞個数以上であるか否かを判定する(ステップS304)。ここで、期間Dにおける不正入賞個数は「3」に設定されているため、この期間Dにおいて入賞があったと判定された場合であっても、不正入賞判定用カウンタ値が「2」以下である場合には、不正入賞個数以上であると判定されない(ステップS304、NO)。この場合には、この不正検知処理を終了して元の電動役物制御処理に復帰する。電動役物制御処理に復帰すると、図4に示すように、主制御装置400が、不正検知処理を再度実行し(ステップS214)、前記ステップS300から不正検知処理の実行を繰り返す。そして、不正検知処理の実行が繰り返されるうちに、不正入賞判定用カウンタ値が不正入賞個数以上になったとする。すると、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値が不正入賞個数以上であると判定する(ステップS304、YES)。続いて、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値をクリアして「0」とし、エラーコマンドを副制御装置500に送信する。これにより、パチンコ機1が異常状態にあることをホールに通知できる。
【0065】
このように本実施形態では、球はけ期間に、大入賞口スイッチ313で検出された遊技球の数を計数し、計数された遊技球の数が不正入賞個数未満である場合にはパチンコ機1が異常状態にあるとは判定せず、不正入賞個数以上になった場合には、パチンコ機1が異常状態にあると判定する構成とした。それゆえ、例えば、玉はけ期間中に、上記ゴト行為が行われた場合、大入賞口スイッチ313で計数された遊技球の数が不正入賞個数以上になると、パチンコ機1が異常状態にあると判定できる。また、球はけ期間中は、開放期間中に入賞した遊技球である開放中遊技球が大入賞口スイッチ313で検出されることがあるが、球はけ期間中に検出されることが予想される開放中遊技球の最大数よりも不正入賞個数を大きな数とすることで、球はけ期間中に、開放中遊技球を大入賞口スイッチ313が検出することに起因して遊技状態が異常状態にあると誤判定されることを防止できる。そのため、普通に遊技を行っている遊技者が、ゴト行為を行っていないにもかかわらず、パチンコ機1が異常状態にあると判断されるような不利益を防止しつつ、特賞状態が生起されているときに行われるゴト行為を適切に検出できる。
【0066】
また、前記ステップS214の不正検知処理が繰り返されるうちに、球はけ期間が終了したとする。すると、図4に示すように、主制御装置400が、特賞状態の最終ラウンドが終了したか否かを判定する(S216)。この判定で特賞状態の最終ラウンドが終了していないと判定した場合(ステップS216、NO)、主制御装置400が、大入賞口ソレノイド321への制御信号の送信を禁止し、開閉部材242に大入賞口241の閉鎖を継続させる(ステップS218)。これにより、図6の期間Eに示すように、特賞状態における遊技状態が閉鎖期間に移行される。また、図4に戻り、主制御装置400が、球はけ期間が終了してからの経過時間の計測を開始する(ステップS218)。続いて、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値をクリアした後、不正検知処理を実行する(ステップS220)。
【0067】
ここで、図6の期間E(閉鎖期間)においてゴト行為が行われたとする。すると、大入賞口スイッチ313が、大入賞口241への遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置400に出力する。続いて、図5に示すように、主制御装置400が、大入賞口スイッチ313から検出信号が出力されたと判定し、大入賞口241への遊技球の入賞があった判定する(ステップS300、YES)。続いて、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値に「1」を加算し、大入賞口スイッチ313で検出された遊技球の数を計数する(ステップS302)。続いて、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値が不正入賞個数以上であるか否かを判定する(ステップS304)。ここで、期間Eにおける不正入賞個数は「1」に設定されているため、この期間Eにおいて入賞があった場合には、すべからく不正入賞個数以上であると判定される(ステップS304、YES)。続いて、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値をクリアして「0」とし、エラーコマンドを副制御装置500に送信する(ステップS306)。これにより、副制御装置500が、主制御装置400から送信されたエラーコマンドに従って、パチンコ機1が異常状態にあることを報知する報知動作をランプ530及びスピーカ540に行わせる。
【0068】
一方、図6の期間Eにてゴト行為が行われなかった場合、すなわち、主制御装置400によって、大入賞口241への遊技球の入賞がなかったと判定された場合(ステップS300、NO)この不正検知処理を終了して元の電動役物制御処理に復帰する。
このように本実施形態では、球はけ期間と閉鎖期間とのそれぞれの期間に、大入賞口スイッチ313で検出された遊技球の数を計数し、計数された遊技球の数が不正入賞個数以上になった場合には、パチンコ機1が異常状態にあると判定する構成とした。それゆえ、例えば、これらの期間中に、上記ゴト行為が行われた場合、大入賞口スイッチ313で計数された遊技球の数が不正入賞個数以上になると、パチンコ機1が異常状態にあると判定できる。また、球はけ期間中は、大入賞口スイッチ313で計数された遊技球の数が不正入賞個数未満である場合には、パチンコ機1が異常状態にあるとは判定しないため、開放期間の終了間際の入賞、もしくは球噛み等により、開放期間の終了後に遅れて大入賞口スイッチ313で遊技球が検出されたような場合であっても、これに起因してパチンコ機1が異常状態にあると誤判定されることを防止できる。そのため、普通に遊技を行っている遊技者が、ゴト行為を行っていないにもかかわらず、パチンコ機1が異常状態にあると判定されるような不具合を防止しつつも、球はけ期間と閉鎖期間と(インターバル期間)に行われるゴト行為をより適切に検出できる。
【0069】
また、前記前記ステップS220の不正検知処理が繰り返されるうちに、閉鎖期間が終了したとする。すると、図4に示すように、主制御装置400が、前記ステップS208から上記フローの実行を繰り返す。そして、上記フローの実行が繰り返されるうちに、特賞状態の最終ラウンドが終了したとする。すると、主制御装置400が、特賞状態の最終ラウンドが終了したと判定する(ステップS216、YES)。続いて、主制御装置400が、エンディング演出開始コマンドを副制御装置500に送信する(ステップS222)。これにより、副制御装置500が、エンディング演出開始コマンドに従って、ランプ530及びスピーカ540にエンディング演出を行わせる。これによって、図6の期間Fに示すように、遊技状態がエンディング期間に移行される。続いて、主制御装置400が、エンディング演出開始コマンドを送信してからの経過時間の計測を開始する(ステップS222)。続いて、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値をクリアした後、不正検知処理を実行する(ステップS224)。
【0070】
ここで、図6の期間F(エンディング期間)においてゴト行為が行われたとする。すると、大入賞口スイッチ313が、大入賞口241への遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置400に出力する。続いて、図5に示すように、主制御装置400が、大入賞口スイッチ313から検出信号が出力されたと判定し、大入賞口241への遊技球の入賞があった判定する(ステップS300、YES)。続いて、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値に「1」を加算し、大入賞口スイッチ313で検出された遊技球の数を計数する(ステップS302)。続いて、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値が不正入賞個数以上であるか否かを判定する(ステップS304)。ここで期間Fにおける不正入賞個数は「1」に設定されているため、この期間Fにおいて入賞があった場合には、すべからく不正入賞個数以上であると判定される(ステップS304、YES)。続いて、主制御装置400が、不正入賞判定用カウンタ値をクリアして「0」とし、エラーコマンドを副制御装置500に送信する(ステップS306)。これにより、副制御装置500が、主制御装置400から送信されたエラーコマンドに従って、パチンコ機1が異常状態にあることを報知する報知動作をランプ530及びスピーカ540に行わせる。
【0071】
一方、図6の期間Fにてゴト行為が行われなかった場合、すなわち、主制御装置400によって、大入賞口241への遊技球の入賞がなかったと判定された場合(ステップS300、NO)この不正検知処理を終了して元の電動役物制御処理に復帰する。
このように本実施形態では、エンディング期間に、大入賞口スイッチ313で検出された遊技球の数を計数し、計数された遊技球の数が不正入賞個数以上になった場合には、パチンコ機1が異常状態にあると判定する構成とした。それゆえ、例えば、エンディング期間中に、上記ゴト行為が行われた場合、大入賞口スイッチ313で計数された遊技球の数が不正入賞個数以上になると、パチンコ機1が異常状態にあると判定できる。そのため、特に、特賞状態の一部ではあるが当該特賞状態においては以降の大入賞口への入賞機会が得られない期間であるエンディング期間中にゴト行為が行われたような場合であっても、パチンコ機1が異常状態にあることをより適切に検出できる。
【0072】
また、本実施形態では、図1の大入賞口241が入賞口を構成する。以下同様に、図1の開閉部材242が開閉部材を構成する。また、図1の特別電動役物240が入賞装置を構成する。さらに、図2の大入賞口スイッチ313が検出手段を構成する。また、図2の大入賞口ソレノイド321が駆動手段を構成する。さらに、特賞状態が開閉動作許容期間を構成する。また、図2の主制御装置400及び図4のステップS202が抽選手段を構成する。さらに、図2の主制御装置400及び図4のステップS202、S210が制御手段を構成する。また、オープニング期間、球はけ期間、閉鎖期間及びエンディング期間が特定期間を構成する。さらに、図1の主制御装置400及び図5のステップS304が判定手段を構成する。また、ラウンド間における球はけ期間及び閉鎖期間がインターバル期間を構成する。さらに、図2の賞球払出制御装置350が払出手段を構成する。
【0073】
図7は、パチンコ機1の動作を示すタイムチャートである。
なお、本実施形態では、特賞状態として、通常の大当たり状態が生起された場合の動作を例として示したが、他の特賞状態が生起された場合にも同様に適用することができる。例えば、図7に示すように、ラウンドの最大継続回数が1回であり、開放期間が前半部C1と後半部C2とに分断され、前半部C1と後半部C2との間に大入賞口241を閉鎖するインターバル期間Xが設けられ、その開始前の遊技状態と終了後の遊技状態とで変化が生じることがない小当たりが生起された場合にも適用することができる。開放期間は、所定の時間経過するか、所定数の遊技球が大入賞口241に入賞すると終了する。それゆえ、開放期間は、前半部C1の実行中に所定数の遊技球が大入賞口241に入賞した場合には、後半部C2が実行されることなく当該開放処理を終了する。また、期間Xでは、当該期間Xに大入賞口スイッチ313で検出された遊技球の数、つまり、当該期間Xにおける不正入賞カウンタ値が不正入賞個数以上であるか否かを判定し、パチンコ機1が異常状態にあるかを判定する図5の不正検知処理を行う。なお、上記期間Xにおいては、不正検知処理を行わないようにし、その他の期間において不正検知処理を行うようにしてもよい。
【0074】
また、本実施形態では、大入賞口241を開状態と閉状態とで可動される可変入賞装置、いわゆるアタッカーについての例を示したが、その他、これに類するような入賞装置にも同様に適用することができる。例えば、第二始動入賞口221(普通電動役物)にも適用できる。
さらに、主制御装置400が、パチンコ機1が異常状態にあると判定した場合、エラーコマンドを副制御装置500に送信する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、主制御装置400が、パチンコ機1が異常状態にあると判定した場合、賞球払出制御装置350に賞球の払い出しを禁止させる構成としてもよい。このような構成によれば、不正行為によって賞球が払い出されることを防止できる。
【0075】
また、パチンコ機1が異常状態にあると判定していない場合であっても、開放期間及び球はけ期間以外の期間、つまり、非生起期間、オープニング期間、閉鎖期間、またはエンディング期間には、大入賞口スイッチ241が遊技球を検出し検出信号を出力しても、賞球払出制御装置350に賞球の払い出しを禁止させる構成としてもよい。
また、本実施形態では、非生起期間、オープニング期間、球はけ期間、閉鎖期間、及びエンディング期間のそれぞれで不正検知処理を個別に実行する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、非生起期間とオープニング期間とを組み合わせた第1検出期間、球はけ期間と閉鎖期間とを組み合わせた第2検出期間、及び球はけ期間とエンディング期間とを組み合わせた第3検出期間のそれぞれで不正検知処理を個別に行うようにしてもよいし、これらの期間の組合せで構成される期間それぞれで不正検知処理を個別に行うようにしてもよい。このように単独の期間を組み合わせた一まとまりの期間で不正検知処理を行うようにすることで、単独の期間毎に不正検知処理を行う場合に比べて制御処理に係る負担を軽減することができる。
【0076】
さらに、パチンコ機1が異常状態にあるか否かを主制御装置400が判定する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、当該判定を副制御装置500が行う構成を採用してもよい。すなわち、主制御装置400が、現在の遊技状態が非生起期間、オープニング期間、開放期間、球はけ期間、閉鎖期間、及びエンディング期間のいずれであるのかを報知するコマンドを副制御装置500に送信するとともに、大入賞口スイッチ313から検出信号が出力されるたびに大入賞口スイッチ313で遊技球が検出されたことを報知するコマンドを副制御装置500に送信するようにしてもよい。そして、副制御装置500が、主制御装置400から送信されるコマンドに従って、非生起期間、非生起期間とオープニング期間とを組み合わせた第1検出期間、球はけ期間、球はけ期間と閉鎖期間とを組み合わせた第2検出期間、及び球はけ期間とエンディング期間とを組み合わせた第3検出期間のいずれの期間であるかを判定し、これらの期間それそれで、大入賞口スイッチ313で検出された遊技球の数を計数し、計数された遊技球の数が不正入賞個数以上である場合には、パチンコ機1が異常状態にあると判定するようにしてもよい。当該判定を副制御装置500で行う場合には、副制御装置500が、パチンコ機1が異常状態にあると判定した場合に、パチンコ機1が異常状態にあることを報知する報知動作を行わせる制御信号をランプ530及びスピーカ540に出力する構成を採用できる。
【符号の説明】
【0077】
1 パチンコ機、10 遊技盤面、20 発射路、21 外レール、22 内レール、30 遊技領域、31 中央転動経路、32 左側転動経路、33 右側転動経路、100 役物装置、210 第一始動入賞口、220 普通電動役物、221 第二始動入賞口、222 開閉部材、230 始動ゲート、240 特別電動役物、241 大入賞口、242 開閉部材、250a 左中一般入賞口、250b 左下一般入賞口、260a 右中一般入賞口、260b 右下一般入賞口、270 アウト口、280 遊技状態表示装置、281 特別図柄表示部、282 普通図柄表示部、310 始動入賞口スイッチ、311 始動ゲートスイッチ、313 大入賞口スイッチ、314 左一般入賞口スイッチ、315 右一般入賞口スイッチ、320 始動入賞口ソレノイド、321 大入賞口ソレノイド、350 賞球払出制御装置、400 主制御装置、440 入力ポート、450 出力ポート、500 副制御装置、530 ランプ、540 スピーカ、800 ホールコンピュータ、900 電源回路、n 釘

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が通過可能な入賞口と、前記入賞口を開放して前記入賞口への遊技球の通過を許容する開状態、及び前記入賞口を閉鎖して前記入賞口への遊技球の通過を禁止する閉状態に可動される開閉部材と、を備えた入賞装置と、
前記入賞口を通過した遊技球を検出する検出手段と、
前記開閉部材を閉状態及び開状態に可動させる開閉動作を行う駆動手段と、
前記駆動手段による開閉動作が許容される期間である開閉動作許容期間を発生させるか否かを抽選する抽選手段と、
前記抽選に当選すると、前記開閉動作許容期間を発生させるとともに、この前記開閉動作許容期間内に、前記開閉部材を閉状態から開状態へと可動させ、特定契機の成立をもって前記開閉部材を開状態から閉状態へと可動させるラウンド遊技を前記駆動手段に行わせる制御手段と、
前記開閉動作許容期間のうち前記開閉部材が閉状態にある期間である特定期間に前記検出手段で設定数以上の遊技球が検出されると、遊技機が異常状態にあると判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特定期間は、前記開閉動作許容期間において前記ラウンド遊技が複数回行われる場合、複数の前記ラウンド遊技のうちの一のラウンド遊技の次に行われる他のラウンド遊技の開始を前記一のラウンド遊技における前記特定契機の成立後から定められた時間禁止するインターバル期間を含み、
前記制御手段は、前記開閉動作許容期間において前記ラウンド遊技が複数回行われる場合、前記一のラウンド遊技における前記特定契機の成立後から前記インターバル期間が経過した後に前記他のラウンド遊技を開始し、
前記判定手段は、前記インターバル期間に前記検出手段で設定数以上の遊技球が検出されると、遊技機が異常状態にあると判定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記検出手段は、前記入賞口から離間した位置に設けられ、
前記特定期間は、前記特定契機の成立後から前記入賞装置内に残留した最後の遊技球が前記検出手段で検出されるまでの期間である球はけ期間を含み、
前記判定手段は、前記球はけ期間に前記検出手段で設定数以上の遊技球が検出されると、遊技機が異常状態にあると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記特定期間は、前記開閉動作許容期間において初めて行われる前記ラウンド遊技である初回ラウンド遊技の開始前に当該初回ラウンド遊技の開始を前記開閉動作許容期間の発生から定められた時間禁止するオープニング期間を含み、
前記判定手段は、前記オープニング期間に前記検出手段で設定数以上の遊技球が検出されると、遊技機が異常状態にあると判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記特定期間は、前記開閉動作許容期間において最後に行われる前記ラウンド遊技である最終ラウンド遊技における前記特定契機の成立後から前記開閉動作許容期間の終了までの期間であるエンディング期間を含み、
前記判定手段は、前記エンディング期間に前記検出手段で設定数以上の遊技球が検出されると、遊技機が異常状態にあると判定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記検出手段で遊技球が検出された場合に予め定められた個数の賞球を払い出す払出手段を備え、
前記制御手段は、前記判定手段で遊技機が異常状態にあると判定されると、前記払出手段に前記賞球の払出しを禁止させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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