説明

遊技機

【課題】入賞を誤検出させる不正行為を防止する遊技機を提供する。
【解決手段】遊技球を検出する検出手段と、検出手段からの検出信号に基づき遊技を制御する制御手段とを備えた遊技機において、検出手段は、所定帯域の高周波信号を発振する第1発振回路と、遊技球の近接を検出する第1コイルを含み、該高周波信号の帯域を含む共振周波数が設定された第1LC共振回路と、第1発振回路が発振停止状態になると検出信号を出力する検出信号出力手段と、第1発振回路の帯域を含む高周波信号を発振する第2発振回路と第2コイルを含み、高周波信号を含む共振周波数が設定された第2LC共振回路と、異常信号を出力する異常信号出力手段とを備え、第1LC共振回路は遊技球が近接すると第1発振回路を発振停止状態とし、第2LC共振回路は常態で第2発振回路を発振停止状態とし、異常信号出力手段は第2発振回路が発振状態であることを検出すると異常信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を検知する近接センサに電波を照射して入賞を誤検出させる不正行為を防止可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機には、所定数の賞球を与える入賞口や所定のゲートを遊技球が通過したことを検出するために、複数の遊技球検出スイッチが搭載されている。遊技球検出スイッチは、遊技球の通過を検出すると、遊技制御装置に検出信号を出力するように構成されている。
【0003】
遊技球検出スイッチは、例えば、パチンコ球を検知する近接センサであって、内部に備えたサブストーレート型PNPトランジスタの作用により、当該近接センサに外部から電波が照射されたときにパチンコ球の通過を誤って検出することを防止可能な構造となっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平03−292978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された近接センサは、金属球を近接させていない状態で外部から電波を照射しても、比較回路4からは「球無」のレベルの信号出力が行われるので、誤動作を行うことはない。しかしながら、この近接センサは、当該特許文献1の第5図に示されるように、金属球を近接させた状態で、当該近接センサに外部から繰り返し電波を間隔を空けながら照射すると、比較回路4からは、「球無」と「球有」のレベルの信号出力を行ってしまうものであった。
【0006】
これは、近接センサのコイル部分にパチンコ球よりもやや径の大きい金属球体を詰まらせた状態で、外部から電波を照射することで実現できる。この場合、図15に示すように、電波が照射されているときには、近接センサからの出力信号レベルが「球無」を示すレベルと同一となってしまうために、遊技機の制御装置では、近接センサのコイル部分をパチンコ球が何度も通過しているものと判断してしまうという問題があった。なお、図15に示す遊技機では、「球無」の状態を検出後、所定のサンプリングタイミング(例えば2ms)で複数回(例えば2回)継続して「球有」の状態を検出すると入賞したと判断するように構成されている。
【0007】
すなわち、特許文献1の従来技術の近接センサは、金属球を近接させていない状態では、外部から電波を照射してパチンコ球を検出したときと同一の信号出力を得ることが困難な回路構成であったが、金属球を近接させている状態で外部から電波を照射した場合には、誤動作を行わせることが可能であった。そのため、故意に近接センサのコイル部分に金属球体を詰まらせた状態で電波を照射するような不正行為が行われるおそれがあった。
【0008】
本発明は上記の問題を鑑み、近接センサに金属球体を詰まらせた状態で電波を照射するような不正行為を検出可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の代表的な形態では、遊技球を検出する検出手段と、該検出手段による検出信号に基づいて遊技に関わる制御を行う制御手段と、を備えた遊技機において、前記検出手段は、所定帯域の高周波信号を発振する第1の発振回路と、遊技球の近接を検出する第1のコイルを含み、前記第1の発振回路によって発振される高周波信号の帯域を含むように共振周波数が設定された第1のLC共振回路と、前記第1の発振回路が発振停止状態となった場合に前記検出信号を前記制御手段に出力する検出信号出力手段と、前記第1の発振回路と略同一の周波数となる高周波信号を発振する第2の発振回路と、前記第1のコイルとは別の第2のコイルを含み、前記第2の発振回路によって発振される高周波信号の帯域を含むように共振周波数が設定された第2のLC共振回路と、当該検出手段にて異常が発生したことを示す異常信号を前記制御手段に出力する異常信号出力手段と、を備え、前記第1のLC共振回路は、前記第1のコイルにて遊技球の近接を検出すると前記第1の発振回路を発振停止状態とする一方で、該第1のコイルにて遊技球の近接を検出しなかった場合には該第1の発振回路を発振状態とし、前記第2のLC共振回路は、常態において前記第2の発振回路を発振停止状態とし、前記異常信号出力手段は、前記第2の発振回路が発振状態であることを検出した場合には前記異常信号を出力し、前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、所定の収納ケース内に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、近接センサ(検出手段)に金属球体を詰まらせた状態で電波を照射する不正行為を行った場合に、異常信号を出力させずに検出信号のみを出力させることが困難となるので、不正行為を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態の遊技盤の正面図である。
【図2】本発明の実施の形態の遊技制御装置及び演出制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態の普図始動ゲートのゲートスイッチで使用される近接センサの構造を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の金属球を詰まらせた状態で電波が照射された場合に異常信号を出力可能な近接センサの構造を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態の金属球を詰まらせた状態で電波が照射された場合に異常信号を出力可能な近接センサの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態の遊技球の通過が検出されている状態で所定の周波数の電波を照射することによって入賞を誤検出させる不正行為が行われた場合を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態の遊技球の通過が検出されていない状態で所定の周波数の電波を照射することによって入賞を誤検出させる不正行為が行われた場合を説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理のフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態のタイマ割込処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態の検出信号V1及び異常信号V2の信号レベルの変化の一例を説明する図である。
【図11】本発明の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態の始動口SW監視処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態の特図始動口SW共通処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態の変形例の金属球を詰まらせた状態で電波が照射された場合に異常信号を出力可能な近接センサの構造を示す分解斜視図である。
【図15】従来技術において不正行為実施時の近接センサによる入賞検知を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
〔遊技機の構成〕
図1は、本発明の実施の形態の遊技盤10の正面図である。
【0014】
遊技機は、内部の遊技領域10a内に遊技球を発射して(弾球して)遊技を行うものである。遊技機は、図示しないカバーガラス(透明部材)によって前面を覆われる遊技盤10を遊技枠に収装し、遊技盤10に遊技領域10aを設置する。
【0015】
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材33が取り付けられている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行う。遊技領域10aには、センターケース51の右部に縦長な円弧上の遊技球通路57が形成され、打球方向変換部材として多数の障害釘(図示略)などが配設されている。発射された遊技球は遊技球通路57を通って、これらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
【0016】
遊技領域10aの略中央には、飾り特図変動表示ゲームの表示領域となる窓部52を形成するセンターケース51が取り付けられている。センターケース51に形成された窓部52の後方には、複数の識別情報を変動表示する飾り特図変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置53が配される。表示装置53は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示部53aがセンターケース51の窓部52を介して遊技盤10の前面側から視認可能となるように配置される。なお、表示装置53は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
【0017】
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や飾り変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
【0018】
また、センターケース51の上部には、大当りの可能性(信頼度)を報知する信頼度報知装置15が備えられる。信頼度報知装置15には、複数色のLED(例えば、赤、青、緑の3色のLED)が備えられており、信頼度に応じた色及び態様で発光するように制御される。
【0019】
さらに、センターケース51の左部には、遊技球が流下可能な球導入路(ワープ流路)50が設けられ、遊技領域10aに向けて入口50aが開放した状態で開設されている。球導入路50は、センターケース51の内部に連通しており、入口50aから流入した遊技球は、センターケース51の裏側を通過して、ユニット側ステージ部49b上に排出される。さらに、ユニット側ステージ部49b上で転動した遊技球が当該ユニット側ステージ部49bの下方に配置されたベース側ステージ部49a上に流下できるように構成されている。
【0020】
センターケース51の周縁部には、複数の装飾具47が配置される。センターケース51の右下部には、装飾ランプ48が配置される、センターケース51の上部には、複数の装飾ピース46が上下動可能な状態で配置される。装飾具47、装飾ランプ48及び装飾ピース46は、後述する演出制御装置40からの命令に従って演出動作を行う。センターケース51の構成については、図2〜図4を参照しながらさらに詳細に説明する。
【0021】
また、遊技領域10aには、センターケース51の右下方に、発光によって各種装飾表示を行うサイドランプ45が配置される。
【0022】
そして、遊技領域10aのセンターケース51の左側方には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための近接センサ200(図3参照)を備えたゲートスイッチ(SW)34a(図2参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
【0023】
さらに、センターケース51の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターケース51の右下側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44n(図2参照)によって検出される。入賞口SW44a〜44nには、遊技球の通過を検出する近接センサ300(図4参照)が備えられる。
【0024】
また、センターケース51の下方には、第1特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の開閉部材36aを備えるとともに内部に第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える第2始動入賞口(第2始動入賞領域)が設けられる普通変動入賞装置36が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37に入賞した場合には、補助遊技としての第1特図変動表示ゲームが実行される。また、普通変動入賞装置36に入賞した場合には、補助遊技としての第2特図変動表示ゲームが実行される。
【0025】
普通変動入賞装置36の一対の開閉部材36aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置36の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
【0026】
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド36b(図2参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置36に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるように構成されている。
【0027】
さらに遊技領域10aの普通変動入賞装置36の下方には、大入賞口ソレノイド42b(図2参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置42が設けられている。特別変動入賞装置42は、第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ42c(図2参照)が配設されている。
【0028】
一般入賞口44、第1始動入賞口37、普通変動入賞装置36、及び特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が入賞すると、排出発射制御装置150(図2参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を排出装置151から排出するように制御する。また、特別変動入賞装置42の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
【0029】
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の左下部)には、表示装置53における特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する普図・特図表示器35が備えられている。
【0030】
普図・特図表示器35は、セグメントLED等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)35a及び第2特図変動表示部(特図2表示器)35bと、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)35cと、さらに、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部とが設けられ、第1特図変動表示ゲームの未処理回数(第1特図始動記憶数)、第2特図変動表示ゲームの未処理回数(第2特図始動記憶数)及び普図変動表示ゲームの未処理回数(普図始動記憶数)が表示される。
【0031】
ここで、本発明の実施の形態の遊技機における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム、飾り特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
【0032】
前述のように、本発明の実施の形態の遊技機では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、普通変動入賞装置36又は特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、普通変動入賞装置36又は特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、排出発射制御装置150によって制御される排出装置151から排出される。
【0033】
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図2参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型の近接センサである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
【0034】
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普通変動入賞装置36が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶される。
【0035】
普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。普図始動記憶数は、普図・特図表示器35に設けられる普図保留表示器に表示される。
【0036】
普図変動表示ゲームは、普図・特図表示器35に設けられる変動表示部(普図表示器)35c(図2参照)で実行されるようになっている。普図表示器35cは、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
【0037】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器35c(図2参照)に表示される普通図柄が所定の停止表示態様(特定結果)で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置36の第2始動入賞口は、内蔵されている普電ソレノイド36b(図2参照)が駆動されることにより、開閉部材36aが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、普通変動入賞装置36への遊技球の入賞が許容される。
【0038】
なお、普図変動表示ゲームは、表示装置53の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしてもよく、この場合は識別図柄として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、この識別図柄を所定時間変動表示させた後、停止表示させることによって行うように構成する。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当り状態となる。
【0039】
また、第1始動入賞口37の内部には、該第1始動入賞口37へ入賞した遊技球を検出する第1始動口スイッチ(SW)37d(図2参照)が備えられている。第1始動口SW37dによって遊技球を検出すると、第1特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生する。このとき、第1特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で第1特図始動記憶として記憶される。
【0040】
なお、第1特図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームの何れかが実行開始され、その特図変動表示ゲームが終了していない場合や、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなって特別変動入賞装置42が開放状態に変換されている場合には、第1始動入賞口37に遊技球が入賞すると、第1特図始動記憶の上限数未満ならば、第1特図始動記憶の数が加算(+1)されて第1特図始動記憶が1つ追加記憶される。
【0041】
そして、第1特図変動表示ゲームが開始できる状態となると、第1特図始動記憶に記憶された始動記憶数を1つ減算して、第1特図変動表示ゲームを開始するための処理がおこなわれる。ただし、本実施形態の遊技機では、第1特図変動表示ゲームよりも第2特図変動表示ゲームを優先して実行するため、第2特図変動表示ゲームを開始する始動記憶(第2特図始動記憶)の数が0でない場合には、第2特図始動記憶数が0になるまで第1特図変動表示ゲームは開始されない。
【0042】
なお、第1特図始動記憶には、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための大当り判定用乱数値が記憶されるようになっており、第1特図変動表示ゲームを開始するための処理では、この大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定する。そして、大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致した場合には、当該第1特図変動表示ゲームが大当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。第1特図始動記憶数は、普図・特図表示器35に設けられる第1特図保留表示器に表示される。
【0043】
第1特図変動表示ゲームは、普図・特図表示器35に設けられる変動表示部(第1特図表示器)35a(図2参照)で実行されるようになっている。第1特図表示器35aは、7セグメント表示のLED(複数個(n個)のLEDの点等状態の組合せ(点灯/消灯の組合せ)により、2のべき乗(n乗)通りのパターン表現が可能な表示装置)から構成され、このLEDの表示を更新することで識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDに予め定めされたパターンの表示を行うことで、結果を表示するようになっている。
【0044】
そして、第1始動入賞口37への入賞検出時に抽出した特図乱数値が当り値であるときには、第1特図表示器35aに表示される特別図柄が所定の停止表示態様(特定結果)で停止し、大当り状態となる。このとき、特別変動入賞装置42は、内蔵されている大入賞口ソレノイド42b(図2参照)が駆動されることにより、開閉扉42aが所定の時間(例えば、30秒間)だけ開放する状態に変換され、特別変動入賞装置42への遊技球の入賞が許容される。
【0045】
この開閉扉42aの開放動作は、大入賞口に所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば25秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば15回)継続する制御(サイクル遊技)を行う。
【0046】
一方で、普通変動入賞装置36の内部には、普通変動入賞装置36の第2始動入賞口を通過した遊技球を検出するための近接センサを含む第2始動口SW36d(図2参照)が備えられる。第2始動口SW36dによって遊技球を検出すると、第2特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生する。このとき、第2特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で第2特図始動記憶として記憶される。
【0047】
なお、第2特図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームの何れかが実行開始され、その特図変動表示ゲームが終了していない場合や、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなって特別変動入賞装置42が開放状態に変換されている場合には、普通変動入賞装置36の第2始動入賞口に遊技球が入賞すると、第2特図始動記憶の上限数未満ならば、第2特図始動記憶の数が加算(+1)されて第2特図始動記憶が1つ追加記憶される。
【0048】
そして、第2特図変動表示ゲームが開始できる状態となると、第2特図始動記憶に記憶された始動記憶数を1つ減算して、第2特図変動表示ゲームを開始するための処理がおこなわれる。
【0049】
なお、第2特図始動記憶には、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための大当り判定用乱数値が記憶されるようになっており、第2特図変動表示ゲームを開始するための処理では、この大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定する。そして、大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致した場合には、当該第2特図変動表示ゲームが大当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。第2特図始動記憶数は、普図・特図表示器35に設けられる第2特図保留表示器に表示される。
【0050】
第2特図変動表示ゲームは、普図・特図表示器35に設けられる変動表示部(第2特図表示器)35b(図2参照)で実行されるようになっている。第2特図表示器35bは、第1特図表示器35aと同一構成の表示器であり、この表示器の表示を更新することで識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、表示器に予め定めされたパターンの表示を行うことで、結果を表示するようになっている。
【0051】
そして、普通変動入賞装置36の第2始動入賞口への入賞検出時に抽出した特図乱数値が当り値であるときには、第2特図表示器35bに表示される特別図柄が所定の停止表示態様(特定結果)で停止し、大当り状態となる。このとき、第1特図変動表示ゲームが大当りとなったときと同様に、内蔵されている大入賞口ソレノイド42bが駆動されることにより、開閉扉42aが所定の時間だけ開放する状態に変換され、特別変動入賞装置42への遊技球の入賞が許容される。
【0052】
この開閉扉42aの開放動作は、第1特図変動表示ゲームが大当りとなったときと同様に、大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する制御を行う。
【0053】
なお、本発明の実施の形態のパチンコ遊技機は、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの何れも含む)の結果に対応して、以後の特図変動表示ゲームの大当たり確率が変化する場合があり、遊技状態は、常時、特図変動表示ゲームが低確率で大当たりとなる低確率状態(通常確率状態)か、当該低確率状態よりも特図変動表示ゲームが高確率で大当たりとなる高確率状態のいずれかに設定されている。なお、低確率状態を非確変遊技状態と称したり、高確率状態を確変遊技状態と称したりする場合もある。
【0054】
さらに、本発明の実施の形態のパチンコ遊技機の遊技状態は、特図変動表示ゲームの結果に対応して、普通変動入賞装置36の開放頻度が変化する場合があり、遊技状態は、常時、普通変動入賞装置36の開放頻度が低い抑制状態か、当該抑制状態よりも普通変動入賞装置36の開放頻度が高い促進状態のいずれかに設定されている。なお、抑制状態を非時短遊技状態と称したり、促進状態を時短遊技状態と称したりする場合もある。
【0055】
この促進状態においては、普図変動表示ゲームの実行時間が抑制状態における実行時間より短くなるように制御される(例えば、抑制状態で10秒に対し、促進状態で1秒)。これによって、単位時間当たりの普通変動入賞装置36の開放回数が実質的に多くなるように制御され、第2始動入賞口に遊技球が入賞しやすくなることに起因して、第2特図変動表示ゲームが実行されやすい状態となる。
【0056】
なお、促進状態においては、普図変動表示ゲームが当たり結果となって普通変動入賞装置36が開放される場合に、開放時間が抑制状態の開放時間より長くなるように制御されてもよい(例えば、抑制状態で0.3秒に対し、促進状態で2.9秒)。また、促進状態においては、普通図柄変動表示ゲームの1回の当たり結果に対して、普通変動入賞装置36が1回ではなく、複数回(例えば、2回)開放してもよい。さらに、促進状態においては、普図変動表示ゲームの当たり結果となる確率が抑制状態より高くなるように制御してもよい。すなわち、促進状態では、抑制状態よりも普通変動入賞装置36の開放頻度が増加し、普通変動入賞装置36の第2始動入賞口に遊技球が入賞しやすくなることで、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる特典が付与される。
【0057】
このように、補助遊技としての特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲーム)は、遊技盤10に設けられた普図・特図表示器35で実行され、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。この場合、第1特図変動表示ゲームよりも第2特図変動表示ゲームが優先して実行されるが、それぞれの特図変動表示ゲームが同時に実行されることはなく、何れか一方の特図変動表示ゲームのみが実行される。
【0058】
また、表示装置53では、この特図変動表示ゲームの実行に同期して、複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示する飾り特図変動表示ゲームが実行される。そして、特図変動表示ゲームの結果として、普図・特図表示器35の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して表示装置53の飾り特図変動表示ゲームの表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。
【0059】
図2は、本発明の実施の形態の遊技制御装置及び演出制御装置の構成を示すブロック図である。
【0060】
図2に示すように、遊技機は、その制御系として遊技の進行を制御する遊技制御手段としての遊技制御装置30と、遊技制御装置30の制御下で各種の演出に関する制御を行う演出制御手段としての演出制御装置40と、排出装置151による賞球又は貸球の払い出しの制御及び発射装置152による遊技球の発射の制御を行うと、電力を供給する電源供給装置160とを備える。
【0061】
遊技制御装置30は、CPU31a、ROM31b、RAM31cを有する遊技用マイクロコンピュータ31と、入出力インタフェース(入出力I/F)39と、各種処理の同期やタイマ等のためのパルス信号を出力する発振器としてのクロック(CLK)38とから構成されている。
【0062】
CPU31aは、制御部及び演算部を備え、各種の演算制御を行う。また、CPU31aは、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームで共通に用いられる大当り判定用乱数(特図判定用乱数)、第1特図変動表示ゲームの大当り時の図柄を決定するための大当り図柄用乱数(第1特図図柄用乱数)、第2特図変動表示ゲームの大当り時の図柄を決定するための大当り図柄用乱数(第2特図図柄用乱数)、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数(普図乱数)、飾り特図変動表示ゲームでの変動パターン(実行態様)を決定するための変動パターン乱数等の各種乱数値を生成する。
【0063】
RAM31cは、第1始動入賞口37に設けられた第1始動口SW37d、普通変動入賞装置36に設けられた第2始動口SW36dのオン信号等を記憶する記憶領域や、CPU31aで生成された乱数値の記憶領域、CPU31aの作業領域を備えている。
【0064】
ROM31bには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている。またROM31bには、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの大当り発生を判定するための特図変動表示ゲームの大当り判定値や、飾り特図変動表示ゲームの変動パターン(実行態様)を決定するための各種判定値、普図変動表示ゲームの当り判定値、普図変動表示ゲームの変動パターンも記憶されている。
【0065】
入出力I/F39には、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、第1始動口SW37d、第2始動口SW36d、ゲートSW34a、カウントSW42c、入賞口SW44a〜44n、ガラス枠開放SW146、内枠開放SW121、排出発射制御装置150等が接続されている。入出力I/F39は、これらから入力された各種信号を中継し、CPU31aに対し出力する。なお、ガラス枠開放SW146はクリア部材保持枠が開放されていることを検出する装置であり、内枠開放SW121は前面枠が開放されていることを検出する装置である。
【0066】
第1始動口SW37d、第2始動口SW36d、カウントSW42c、及び入賞口SW44a〜44nから出力される信号には、遊技球の通過を検出する球検出信号と、所定の状態を検出する異常判定用信号とが含まれる。異常信号合成回路(異常信号出力手段)29は、出力された球検出信号及び異常判定用信号に基づいて異常が発生したか否かを判定する。そして、異常が発生したと判定された場合には、異常信号を合成して遊技用マイクロコンピュータ31に当該異常信号を出力する。
【0067】
さらに、入出力I/F39には、CPU31aから出力される各種制御信号が入力される。これら制御信号は、入出力I/F39を中継し、図示しない出力ポート及びドライバを介して、特図1表示器35a、特図2表示器35b、普図表示器35c、特図1記憶表示器、特図2記憶表示器、普図記憶表示器、遊技状態等表示LED、普電SOL36b、大入賞口SOL42b、遊技場に設置される管理装置と接続する外部出力端子16、演出制御装置40、排出発射制御装置150に出力される。
【0068】
上記のように構成される遊技制御装置30は、制御信号を普電SOL36b及び大入賞口SOL42bに送信することで、普電SOL36b及び大入賞口SOL42bの動作を制御し、普通変動入賞装置36の開閉部材36a及び特別変動入賞装置42の開閉扉42aの開閉状態を制御する。
【0069】
演出制御装置40は、CPU40a、ROM40b、RAM40c、画像や映像データが記憶されたCGROM40d、グラフィックプロセッサとしてのVDP40e(video display processor)、遊技盤10の前方を覆うクリア部材保持枠に設けられる装飾用の各種LED147等を駆動するドライバ40f、及び音の出力を制御する音源LSI40gを備えている。
【0070】
演出制御装置40は図示しない入出力インタフェースを有しており、入出力インタフェースにはローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して遊技制御装置30が接続される。遊技制御装置30から演出制御装置40に入力する各種信号(演出制御データ)は、入出力インタフェースにより中継されて、CPU40aに出力される。演出制御装置40は、遊技制御装置30からの演出制御データ(各種コマンド等)に基づいて遊技機の制御を行う。
【0071】
演出制御装置40は、遊技機の上皿に設けられた操作ボタン158からの入力信号を受け付け、これらの入力信号に基づいて演出を制御する。
【0072】
さらに、演出制御装置40の入出力インタフェースにはCPU40aから出力される各種の制御信号が入力し、これら制御信号は入出力インタフェースにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバ40fを介して各種LED147、遊技盤10に設けられる可動演出装置の可動モータ144、役物駆動ソレノイド(図示せず)等に出力される。なお、可動モータ144とは、可動演出装置58を駆動するための役物駆動第1モータ71や役物駆動第2モータ81(図4参照)、装飾具47を駆動するためのモータ(図示せず)のことである。また、役物駆動ソレノイドとは、前述の装飾ピース46を駆動させるソレノイドのことである。
【0073】
CPU40aから出力される制御信号のうち画像の制御に関する制御信号はCPU40aからVDP40eに出力され、VDP40eから制御信号に基づく画像データが表示装置53に出力される。また、CPU40aから出力される制御信号のうち音声の制御に関する制御信号は、CPU40aから音源LSI40gに出力され、音源LSI40gから制御信号に基づく音声データがスピーカ145に出力される。
【0074】
排出発射制御装置150は、演算処理用CPU、ROM、RAMを備え、遊技制御装置30からの賞球制御指令(賞球数データの受信)や図示しない球貸機からの球貸制御指令に基づいて、排出装置151に所定数の遊技球を排出させる制御を行う。排出発射制御装置150には遊技者が操作ハンドルに触れているかを検出するタッチセンサ54及び操作ハンドルに設けられ、遊技者の操作によって遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ153からの信号が入力され、これら入力信号に基づいて排出発射制御装置150は発射装置152による遊技球の発射制御を行う。
【0075】
電源供給装置160は、遊技制御装置30に電力を供給する。その他の装置にも、電源供給装置160から電力が供給される。電源供給装置160には、外部からの電力供給が途絶える停電時等においても各種装置への電力供給を可能とするためのバックアップ電源161が設けられている。そのため、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失が防止される。
【0076】
〔ゲートスイッチ用近接センサの構成〕
図3は、本発明の実施の形態の普図始動ゲート34のゲートスイッチ34aで使用される近接センサ200の構造を示す分解斜視図である。
【0077】
ゲートスイッチ34aを構成する近接センサ200は、収納部210、コイルユニット220、及び制御回路部230を含む。
【0078】
収納部210は、コイルユニット220及び制御回路部230を収納する。また、収納部210は、収納ケース蓋部211a及び収納ケース底部211bによって構成される。収納ケース蓋部211a及び収納ケース底部211bは、図示しない部材によって嵌合されている。また、収納ケース蓋部211a及び収納ケース底部211bは、内部を目視できるように、少なくとも一方が透明な部材によって構成されている。
【0079】
収納ケース蓋部211a及び収納ケース底部211bには、遊技球を通過させることが可能な円形状の貫通口である遊技球通過部212a、212bが形成されている。収納ケース底部211bの底面に形成された遊技球通過部212bには、周囲に底面から垂直上方に突出させた環状壁部213が形成されている。コイルユニット220及び制御回路部230によって構成された遊技球検出部が貫通口を通過した遊技球を検出すると、制御回路部230に信号が出力される。
【0080】
コイルユニット220は、円筒状に形成され、環状壁部213の同軸上に配置される。そして、収納ケース蓋部211aの遊技球通過部212a、コイルユニット220の内部、及び収納ケース底部211bの遊技球通過部212bを遊技球が通過できるように形成されている。コイルユニット220は、コイル221、コイルスプール222及びシールド部材223によって構成される。
【0081】
コイルスプール222は、樹脂を素材として構成され、外側側面の外周方向に溝が設けられており、当該溝に沿って銅線が複数回環状に巻き付けられることにより、コイル221が埋め込まれた構造となっている。
【0082】
したがって、遊技球通過部212を遊技球が通過すると、コイル221により誘起される電圧に基づいて、電磁界の発生が検出され、検出結果に対応する信号が制御回路部230に供給される。
【0083】
シールド部材223は、金属等の導電性部材により構成され、コイル221及びコイルスプール222を包囲し、外部からの電磁界を遮蔽する。シールド部材223は、それぞれ環状に形成された第1シールド部材223a及び第2シールド部材223bによって構成される。
【0084】
第1シールド部材223aは、コイルスプール222を上方から覆うように配置され、外周から下方に突出するように壁部が形成されてコイル221を包囲している。第2シールド部材223bは、コイルスプール222を下方から覆うように配置され、外周から上方に突出するように壁部が形成されてコイル221を包囲している。
【0085】
そして、第1シールド部材223aと第2シールド部材223bとを嵌合させることによって円筒状に形成され、コイル221及びコイルスプール222を包囲する。したがって、不正行為を行う者が、シールド部材223の外側からコイル221に電波を照射して誤作動させようとしてもシールド部材223が遮蔽するため、不正行為を阻止することができる。
【0086】
また、シールド部材223には、コイル221を制御回路部230に接続するために、シールド部材223の外周の一部からコイル221を形成する銅線の両端を引き出せるように開口部が形成されている。なお、開口部は、遊技機の背面側に開口しているため、遊技機の前面側から電波が照射された場合であってもほとんど影響を与えない。
【0087】
制御回路部230は、コイル221の両端と接続され、遊技球の通過によって出力された電圧を検出すると、信号線232を介して遊技制御装置30に検出信号を出力する。また、制御回路部230には、2本の電源線231(制御回路部230の駆動電源線とグランド線)が接続され、電源装置から必要な電力が供給される。
【0088】
ゲートスイッチ34aでは、遊技球が普図始動ゲート34を通過した場合に信号が出力されるように構成され、遊技球の通過を検出するだけであるため、制御回路部330から遊技制御装置30に接続される信号線は1本のみである。
【0089】
〔入賞口用近接センサの構成〕
図4は、本発明の実施の形態の金属球を詰まらせた状態で電波が照射された場合に異常信号を出力可能な近接センサ300の構造を示す分解斜視図である。
【0090】
近接センサ300は、電波を照射することによって不正に遊技球を取得する不正が行われた場合に異常検出することが可能な構成となっている。近接センサ300は、第1始動口SW37d、第2始動口SW36d、カウントSW42c、入賞口SW44a〜nに使用される。
【0091】
近接センサ300は、収納部310、コイルユニット320、及び制御回路部330を含む。
【0092】
収納部310は、コイルユニット320及び制御回路部330を収納する。また、収納部310は、収納ケース蓋部311a及び収納ケース底部311bによって構成される。収納ケース蓋部311a及び収納ケース底部311bは、図示しない構成部材によって装着される。
【0093】
収納ケース蓋部311a及び収納ケース底部311bには、遊技球を通過させることが可能な貫通口を形成する遊技球通過部312a、312bが設けられている。図3に示した近接センサ200と同様に、コイルユニット320及び制御回路部330によって遊技球が遊技球通過部312を通過したことを検出する。
【0094】
収納ケース底部311bは、3列に区画されており、中列の手前側に遊技球通過部312bが形成されている。また、中列の奥側には制御回路部330が配置される。さらに、中列の手前側に形成された遊技球通過部312bには、周囲に底面から垂直上方に突出させた環状壁部312cが形成されている。
【0095】
また、収納ケース底部311bの左列及び右列の手前側には、底面から上方向に突出した環状の壁部(左環状壁部313、右環状壁部314)が形成される。なお、左環状壁部313及び右環状壁部314の内側は貫通していない。左環状壁部313及び右環状壁部314の径は、遊技球通過部312bとほぼ同じ径となっているが、後述するようにこれに限らない。
【0096】
また、近接センサ300には、3個のコイルユニット320(320a、320b、320c)が含まれており、各列に配置されている。コイルユニット320は、図3に示したコイルユニット220と同じ構造であり、コイル、コイルスプール及びシールド部材によって構成されている。また、各コイルユニット320は制御回路部330に接続されており、対応する3本の信号線332を介して遊技制御装置30に信号(後述の検出信号V1、異常信号V2、異常信号V3)を出力する。
【0097】
中列には、前述のように、遊技球が通過可能な貫通口を形成する遊技球通過部312bが形成されており、円筒状のコイルユニット320aを軸方向に遊技球が通過可能となるように配置されている。
【0098】
左環状壁部313の内側には、左環状壁部313の内径よりもやや小さい径の円柱状に形成された強磁性体340が嵌合されている。さらに、コイルユニット320bが左環状壁部313と同軸上に配置され、強磁性体340が内部を挿通している。したがって、制御回路部330は、コイルユニット320bの内部に遊技球を存在させた状態と同等の状態を常に検出することになる。また、コイルユニット320bのシールド部材によって、中列に形成された遊技球通過部312を遊技球が通過した場合であっても、発生した電磁界の影響を防ぐことが可能となる。
【0099】
右環状壁部314には、コイルユニット320cが同軸上に配置されている。コイルユニット320cの内側には何も挿通されていないため、制御回路部330は、コイルユニット320cの内部に遊技球が存在していない状態と同等の状態を常に検出することになる。また、コイルユニット320cのシールド部材によって、中列に形成された遊技球通過部312を遊技球が通過した場合であっても、発生した電磁界の影響を防ぐことが可能となる。
【0100】
制御回路部330は、コイルユニット320に含まれるコイルにより誘起される電圧に基づいて、電磁界の発生を検出し、検出結果に対応する信号を遊技制御装置30に出力する。近接センサ300における制御回路部330には3個のコイルユニット320が接続されており、制御回路部330は、各コイルユニット320における電磁界の発生を検出する。制御回路部330には各コイルユニット320に対応した3本の信号線332が遊技制御装置30に接続されている。また、制御回路部330には、前述の近接センサ200の制御回路部230同様に、2本の電源線331が接続され、電源装置から必要な電力が供給される。
【0101】
コイルユニット320aは、遊技球が通過した場合に電圧が誘起され、通過していない場合には電圧が誘起されていない状態となる。左環状壁部313に配置されたコイルユニット320bは、強磁性体340が挿通されているため、常に電圧が誘起されている状態となっている。一方、右環状壁部314に配置されたコイルユニット320cは、内部に何も挿通されておらず、また、遊技球などが通過することがないため、常に電圧が誘起されない状態となっている。
【0102】
なお、遊技球通過時及び電波照射時における、各コイルによって誘起される電圧の変化及び信号レベルの変化については図6及び図7を参照しながら説明する。
【0103】
続いて、図4に示した近接センサ300の構成についてさらに説明する。図5は、本発明の実施の形態の金属球を詰まらせた状態で電波が照射された場合に異常信号を出力可能な近接センサ300の構成を示すブロック図である。
【0104】
近接センサ300は、球検出用信号処理部350及び異常判定用信号処理部360を含む。球検出用信号処理部350は、コイルユニット320aに含まれるコイル321aに接続される。
【0105】
球検出用信号処理部350は、コンデンサ351、発振回路352、判別回路353及び検出信号出力回路354を含む。球検出用信号処理部350は、コイル321aによる電圧の誘起を検出することによって電磁界の発生を検出し、検出結果(検出信号)を遊技制御装置30に出力する。
【0106】
具体的に説明すると、コンデンサ351の両端はコイル321aと並列接続され、上位電圧となる端部は発振回路352に、下位電圧となる端部は接地されている。また、発振回路352は、電源から電力を供給されると共に接地されており、発振出力を判別回路353に供給する。なお、発振回路352は、通常状態(遊技球がコイル321aの内部に存在していない状態)において所定帯域の高周波信号を発振する発振状態に設定されており、遊技球がコイル321aの内部に存在(遊技球がコイル321aを通過)して電磁界が発生した場合に発振停止状態に移行するように設定されている。
【0107】
なお、発振停止状態において発振を完全に停止させる必要はなく、後述の判別回路353によって発振出力が検出できない程度に発振出力を低下させるようにしてもよい。よって、LC共振回路355の共振周波数と、発振回路352の発振周波数とが完全に同一でなくても問題はない。LC共振回路355の共振周波数は、発振回路352の発振出力の低下を発生させることが可能であれば、発振回路352の発振出力信号の帯域を含む任意の周波数に設定することができる。
【0108】
また、判別回路353は、発振回路352からの発振出力があるか否かを判別する回路であり、電源より電力供給を受けると共に接地されており、発振回路352から供給される発振出力と所定の閾値とを比較し、比較結果を検出信号出力回路354に出力する。検出信号出力回路354は、電源より電力供給を受けると共に接地されており、判別回路353の比較結果に基づいて電磁界を検出し、検出結果を検出信号V1として信号線332を介して遊技制御装置30に出力する。
【0109】
一方、異常判定用信号処理部360には、強磁性体340が挿通されたコイル321bに接続される第1処理部360aと、強磁性体340が挿通されていないコイル321cに接続される第2処理部360bとが含まれる。
【0110】
第1処理部360a及び第2処理部360bは、球検出用信号処理部350と同様に、コンデンサ(361a、361b)、発振回路(362a、362b)、判別回路(363a、363b)及び検出信号回路(364a、364b)を含む。各構成の接続形態も球検出用信号処理部350と同様である。また、発振回路(362a、362b)は、球検出用信号処理部350の発振回路352と略同じ帯域の高周波信号を発振する。
【0111】
第1処理部360aでは、コイル321bに強磁性体340が挿通されているため、常に遊技球が存在(通過)している状態と同じ状態になっており、発振回路362aが発振停止状態となっている。したがって、通常時には発振回路352は発振停止状態となっており、判別回路363aは、発振回路352が発振状態に移行した場合に異常が発生したと判定し、異常信号出力回路364aから異常信号V2を信号線332を介して出力する。具体的には、外部から特定の周波数の電波が照射されるなどして、遊技球が通過していない状態を検知した場合などである。
【0112】
なお、発振回路362aは、発振停止状態において発振を完全に停止させる必要はなく、判別回路363aによって発振出力が検出できない程度に発振出力を低下させるようにしてもよい。よって、LC共振回路365aの共振周波数と、発振回路362aの発振周波数とが完全に同一でなくても問題はない。LC共振回路365aの共振周波数は、発振回路362aの発振出力の低下を発生させることが可能でれば、発振回路362aの発振出力信号の帯域を含む任意の周波数に設定することができる。
【0113】
第2処理部360bでは、コイル321bに何も挿通されていないため、発振回路352が発振状態となっている。したがって、通常時には発振回路362bは発振状態となっており、判別回路363bは、発振回路362bが発振停止状態に移行した場合に異常が発生したと判定し、異常信号出力回路364bから異常信号V3を信号線332を介して出力する。具体的には、外部から特定の周波数の電波が照射されるなどして、遊技球が通過した状態が検知した場合などである。
【0114】
なお、発振回路362bは、発振停止状態において発振を完全に停止させる必要はなく、判別回路363bによって発振出力が検出できない程度に発振出力を低下させるようにしてもよい。よって、LC共振回路365bの共振周波数と、発振回路362bの発振周波数とが完全に同一でなくても問題はない。LC共振回路365bの共振周波数は、発振回路362bの発振出力の低下を発生させることが可能でれば、発振回路362bの発振出力信号の帯域を含む任意の周波数に設定することができる。
【0115】
また、本発明の実施の形態では、コイルユニット320a、コイルユニット320b及びコイルユニット320cに含まれる各コイルの大きさ及び巻数等が同じ、具体的には、各コイルのインダクタンスが同じになるように構成されているため、LC共振回路355、LC共振回路365a及びLC共振回路365bの共振周波数が統一されている。したがって、近接センサに影響する電波と同帯域の電波による異常を検出可能とするとともに、遊技球の検出に影響しない電波を非検出とすることができるため、他の要因による異常状態の誤検出を防止することが可能となる。
【0116】
さらに、本発明の実施の形態の効果を得るためには、LC共振回路355、LC共振回路365a及びLC共振回路365bの共振周波数が統一されていればよいため、各コイルのインダクタンスとLC共振回路のコンデンサの静電容量との積が同じになるように構成されていればよい。したがって、共振周波数を統一しながら、接続されるコンデンサの静電容量を大きくすることによって、コイルのインダクタンスを小さくする、すなわち、コイルの巻数を少なくしたり、コイルの径を小さくしたりすることが可能となり、コイルユニットを小型化することができる。
【0117】
なお、LC共振回路355とLC共振回路365aの共振周波数は、完全に同一な値に設定する必要はなく、異常な状態が検出できる範囲であれば、値が多少異なる周波数が設定されていても問題はない。同様に、LC共振回路355とLC共振回路365bの共振周波数の関係も、完全に同一な値に設定する必要はなく、異常な状態が検出できる範囲であれば、値が多少異なる周波数が設定されていても問題はない。
【0118】
後述する本発明の実施の形態の変形例では、異常を検出するためのコイルユニットを小型化した近接センサについて説明する。
【0119】
以下、不正行為の実行を検出する手順について説明する。まず、近接センサを誤検出させる手順について説明する。
【0120】
近接センサによって遊技球の通過が検出される時間は落下時の一瞬であるため、通常、遊技球の通過を検出する瞬間(コイル内部に遊技球が存在している期間)に電波を照射することは非常に困難である。しかし、遊技球通過部の径よりも少し大きい金属球で検出部を詰まらせることによって、常に遊技球の通過を検出している状態にすることができる。このとき、近接センサに向かって所定の周波数の電波を照射することによって遊技球が通過していない状態を検出させ、これを繰り返すことによって遊技球の通過を誤検出させることが可能となる。
【0121】
図6は、本発明の実施の形態の遊技球の通過が検出されている状態で所定の周波数の電波を照射することによって入賞を誤検出させる不正行為が行われた際の電圧変化を説明する図である。
【0122】
時刻t1から時刻t2までの間は、遊技球が通過していない状態(コイル内部に遊技球が存在していない状態)である。このとき、球検出用信号処理部350の発振回路352は発振状態となり、電圧Vaは所定の閾値(V0)よりも大きくなる。また、検出信号出力回路354から出力される信号(V1)はHIGHとなっている。
【0123】
また、異常判定用信号処理部360の第1処理部360aの発振回路362aは、強磁性体340によって遊技球を検出した状態となっているために発振停止状態となっており、電圧Vaは所定の閾値(V0)よりも小さくなる。また、異常信号出力回路364aから出力される信号(V2)はLOWとなっている。
【0124】
さらに、異常判定用信号処理部360の第2処理部360bの発振回路362bは発振状態となっており、電圧Vcは所定の閾値(V0)よりも大きくなる。また、異常信号出力回路364aから出力される信号(V3)はHIGHとなっている。
【0125】
したがって、遊技球が通過していない場合にはV1がHIGH、V2がLOW、V3がHIGHとなっている。この状態で時刻t4から時刻t5までの間、電波を近接センサに照射した場合について説明する。このとき照射される電波は、遊技球の通過を検出している状態で照射すると、遊技球が通過していない状態に誤認識させる周波数となっている。
【0126】
球検出用信号処理部350では、遊技球が通過していない状態であるため、遊技球が通過していない状態に誤認識させる電波を照射しても電圧Vaは大きく変化しない。また、異常判定用信号処理部360の第2処理部360bについても同様に、電圧Vcは大きく変化しない。したがって、信号V1及び信号V3はともに変化せずにHIGHに維持されたままとなっている。
【0127】
一方、異常判定用信号処理部360の第1処理部360aでは、強磁性体340によって電圧Vbは遊技球の検出状態に対応して閾値V0よりも小さい値となっている。このとき、電波が照射されると、電圧Vbが閾値V0よりも大きくなり、信号V2がLOWからHIGHに設定される。すなわち、信号V2がHIGHに変化した場合には電波が照射されたと判定することができる。
【0128】
続いて、遊技球の検出状態(時刻t2から時刻t3)において、時刻t6から時刻t7までの間、電波が照射された場合について説明する。ここでは、前述した方法などによって不正行為を行う者が遊技球の検出状態を意図的に生成した場合について説明する。
【0129】
球検出用信号処理部350では、遊技球の検出状態であるため、電圧Vaは閾値V0よりも小さい値となっている。このとき、遊技球が通過していない状態に誤認識させる電波を照射すると、電圧Vaが閾値V0を超え、信号V1がHIGHに設定される。したがって、球検出用信号処理部350では、時刻t2から時刻t6の間に遊技球が通過したと判定されるように信号が出力される。なお、異常判定用信号処理部360の第2処理部360bについては、電圧Vcは大きく変化しない。
【0130】
一方、異常判定用信号処理部360の第1処理部360aでは、前述のように、電圧Vbは遊技球の検出状態に対応して閾値V0よりも小さい値となっている。このとき、電波が照射されると、電圧Vbが閾値V0よりも大きくなり、信号V2がHIGHに設定される。すなわち、信号V2がHIGHに変化した場合には電波が照射される不正が行われたと判定することができる。
【0131】
なお、外部から電波を照射した場合であっても、異常判定用信号処理部360の第1処理部360aの発振回路362aのみを発振停止状態にし、球検出用信号処理部350の発振回路352を発振状態にすることができれば、異常と判定されることなく、不正行為を実行することは可能である。しかしながら、LC共振回路355とLC共振回路365aの共振周波数がほぼ同一の値に設定されているが故に、不正行為と判定されないようにして外部から電波を照射することは、非常に困難であるといえる。
【0132】
以上より、異常判定用信号処理部360の第1処理部360aによって電波が照射される不正を検出することができる。また、異常判定用信号処理部360の第1処理部360aから出力される異常信号を常時検出するのではなく、遊技球の検出状態が所定時間継続した場合に異常信号を検出するようにしてもよい。
【0133】
次に、遊技球が検出されていない状態で電波を照射することによって遊技球の通過を誤検出させる場合について説明する。この場合、発振回路を発振状態から発振停止状態に移行させる周波数の電波を照射する。
【0134】
図7は、本発明の実施の形態の遊技球の通過が検出されていない状態で所定の周波数の電波を照射することによって入賞を誤検出させる不正行為が行われた際の電圧変化を説明する図である。
【0135】
図7に示す例では、電波が照射されると、遊技球が非検出状態の場合に、電圧Vaが閾値V0よりも小さくなるため、球検出用信号処理部350は、遊技球が通過したと判定する。このとき、異常判定用信号処理部360の第1処理部360aでは、電圧Vbが閾値V0を超えないために異常を検出することができない。
【0136】
これに対し、前述した電波を照射されると、電圧Vcが閾値V0よりも小さくなるため、あり得ないはずの遊技球の通過を異常判定用信号処理部360の第2処理部360bが検出することになる。したがって、異常判定用信号処理部360の第2処理部360bが遊技球の通過を検出した場合に異常と判定することができる。
【0137】
以上のように、本発明の実施の形態では、遊技球を検出した状態で非検出状態とする電波を照射する不正行為、及び、遊技球を検出していない状態で検出状態とする電波を照射する不正行為の何れの不正行為も検出することが可能となっている。
【0138】
なお、遊技機は、ノイズが発生しやすい環境に設置されているため、後述するように、所定の期間、異常信号が継続して検出された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。
【0139】
次に、図8及び図9を参照して、遊技制御装置30で実行される遊技に関する処理を説明する。図8は、本発明の実施の形態の遊技制御装置30によって実行されるメイン処理のフローチャートである。図9は、本発明の実施の形態のタイマ割込処理の手順を示すフローチャートである。
【0140】
遊技制御装置30は、遊技に関する処理として、図8に示すメイン処理と、図9に示す所定時間(例えば4msec)毎のタイマ割込処理とを実行する。
【0141】
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
図8に示すメイン処理は、遊技機の電源投入時に実行を開始し、遊技機への電源供給が途絶えるまで継続して実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行を開始し、遊技場での営業を終了するために遊技機の電源を切断するまで(又は、停電が発生するまで)継続して実行される。
【0142】
遊技制御装置30は、プログラム開始時の処理として、まず電源投入時の初期化処理(ステップS1)を行い、その後停電復旧処理(ステップS2)を行う。
【0143】
停電復旧処理では、停電発生時にバックアップ電源161によって遊技制御装置30のRAM31c(図2参照)に保存記憶されていたデータを用いて、停電発生時点の遊技状態で遊技制御を再開するための処理が行われる。ただし、遊技機の裏面には、図示されない初期化操作部が設けられており、遊技機が電源投入される際に初期化操作部が操作されている場合には、遊技機の遊技状態を予め定めた状態に初期化する。この初期化により、後述の特図変動表示ゲームの抽選確率状態が低確率状態となり、後述の普電作動状態(普通変動入賞装置36の開閉部材36aの作動状態)が抑制状態になる。
【0144】
次に、遊技制御装置30は、メインループ処理を実行する。メインループ処理では、まず、割込みタイマを起動する処理(ステップS3)を行って、CTC(カウンタ タイマ サーキット)を起動する。次に、遊技制御装置30は、割込みを禁止する処理(ステップS4)を行う。その後、遊技制御装置30は、大当り判定用乱数(特図判定用乱数)や大当り図柄乱数(第1特図図柄用乱数、第2特図図柄用乱数)等の乱数の初期値を更新して乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS5)を行い、割込みを許可する処理(ステップS6)を行う。
【0145】
なお、ステップS5の初期値乱数更新処理では、特図1変動表示ゲーム用の乱数及び特図2変動表示ゲーム用の乱数のそれぞれについて同様の処理がなされる。
【0146】
ステップS7では、遊技制御装置30は、RAM31cの停電検査領域をチェックし、停電が発生したか否かの判定を行う。なお、RAM31cの停電検査領域には、停電により遊技機の電源が遮断された場合にチェックデータが記憶されるようになっており、通常時はチェックデータが記憶されていない。したがって、RAM31cの停電検査領域のチェックデータの有無を判定することで、停電が発生したか否かを判定することが可能となる。
【0147】
停電が発生していない場合(ステップS7の結果が「N」)には、ステップS4の割込み禁止処理に戻り、以降、遊技制御装置30はステップS4からステップS7の処理を繰り返し行う。一方、停電が発生した場合(ステップS7の結果が「Y」)には、遊技制御装置30はステップS8の停電発生時処理を行う。なお、停電発生時には、電源供給装置160のバックアップ電源161(図2参照)により停電発生時の処理を実行可能な電力が供給されるようになっている。また、バックアップ電源161は、遊技制御装置30のRAM31cの内容を保持するために必要な電力を停電中に供給する。このとき、バックアップ電源161は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
【0148】
ステップS8の停電発生時処理では、まず割り込みを禁止する処理を行い、全出力ポートをOFFにする処理を行った後に、停電検査領域をクリアする処理を行う。そして、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理を行った後、RAM31cの電源遮断時のチェックサムを算出する処理を行い、RAM31cへのアクセスを禁止する処理を行って遊技機の電源遮断を待機する。このように、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して保持することで、電源遮断前にRAM31cに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断することができる。
【0149】
〔タイマ割込処理(遊技制御装置)〕
続いて、図9を参照して、遊技制御装置30のタイマ割込処理について説明する。タイマ割込処理は、割込信号(割込みタイマにより所定間隔で発生する)の発生に対応して、メイン処理に割込む形態で実行される。
【0150】
タイマ割込処理においては、遊技制御装置30は、まずレジスタのデータを待避する処理(ステップS10)を行う。次に、各種センサ(第1始動口SW37d、第2始動口SW36d、ゲートSW34a、入賞口SW44a〜44n、カウントSW42c、ガラス枠開放SW146、内枠開放SW121等)からの入力、及び各種処理で設定された出力データに基づき大入賞口SOL42bや普電SOL36b等の駆動制御を行うための出力を処理する入出力処理(ステップS11)を行う。なお、ステップS11において、各スイッチの近接センサから出力された検出信号及び異常信号を受け付け、異常が発生したか否かを判定する。この判定については、図10にて説明する。
【0151】
ステップS12では、遊技制御装置30は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置40等に出力するコマンド送信処理を行う。
【0152】
ステップS13では、遊技制御装置30は、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの当りはずれを判定したり、特図変動表示ゲームの大当り図柄を判定したりするための乱数を更新する乱数更新処理1を行う。その後、遊技制御装置30は、乱数の初期値を更新し、乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS14)を実行する。なお、特図に関する乱数は、特図1変動表示ゲーム用の乱数及び特図2変動表示ゲーム用の乱数のそれぞれについて同様の処理がなされる。
【0153】
ステップS15では、遊技制御装置30は、特図変動表示ゲームに関連した飾り特図変動表示ゲームにおける変動パターン(実行態様)を決定する乱数を更新するための乱数更新処理2を行う。
【0154】
ステップS16では、遊技制御装置30は、第1始動口SW37d、第2始動口SW36d、ゲートSW34a、入賞口SW44a〜44n、カウントSW42cから信号の入力があるか否か(遊技球の検出を示す信号が入力されているか否か)を監視する入賞口スイッチ監視処理を行う。
【0155】
その後、遊技制御装置30は、各信号とエラーの監視を行うエラー監視処理(ステップS17)を行う。このとき、ステップS11において、各スイッチの近接センサから出力された検出信号及び異常信号に基づいて、不正行為が実行されたか否かを判定する。不正行為が実行されたと判定された場合には、警報音を出力したり、エラー画面を表示したりするために必要な処理を実行する。
【0156】
さらに、遊技制御装置30は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS18)を行い、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS19)を行う。
【0157】
遊技制御装置30は、遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDに関するセグメントLED編集処理(ステップS20)を行い、外部の管理装置190(図2参照)に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS21)を行う。そして、遊技制御装置30は、ステップS22において割込み終了宣言をする処理を行い、ステップS23において待避したレジスタのデータを復帰する処理を行う。そして遊技制御装置30は、ステップS24において割込みを許可する処理を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0158】
〔近接センサから出力される信号の変化〕
図10は、本発明の実施の形態の検出信号V1及び異常信号V2の信号レベルの変化の一例を説明する図である。
【0159】
前述のように、遊技機はノイズの発生しやすい場所に設置されるため、信号レベルが変化したか否かの判定は、変化後の信号レベルが所定期間継続した場合に変化したと判定される。本発明の実施の形態では、信号レベルが変化してから少なくとも2回以上タイマ割込(図9)が発生した場合に信号レベルが変化したと判定する。なお、図10の破線はタイマ割込の発生間隔を示している。
【0160】
したがって、図10に示すように、異常信号V2が変化したタイミングA〜Dでは、異常信号V2が異常を示すLOWとなっている期間におけるタイマ割込の発生が1回のみであるため、ノイズと判定する。
【0161】
一方、タイミングEにおいて、異常信号V2が異常を示すLOWとなっている期間にタイマ割込の発生が2回以上発生しているため、信号レベルが異常を示すLOWに変化したと判定する。このとき、検出信号V1の信号レベルも入賞を示すLOWに変化したため、不正行為が実施されている蓋然性が高いと判定することができる。
【0162】
不正行為が実施されたと判定されると、遊技制御装置30は、遊技場状態等表示LED35dを点灯させたり、演出制御装置40にコマンドを送信し、スピーカ145から警報音を出力したりする。また、遊技場の従業員等に警報が解除されるまで、入賞信号をすべて無視するように制御してもよい。
【0163】
〔特図ゲーム処理の概要〕
また、遊技制御装置30では、後に詳細に説明するが、ステップS18の特図ゲーム処理において、第1始動入賞口37に備えられた第1始動口SW37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してRAM31cに所定の上限数(例えば4)まで特図1始動記憶として記憶する処理を行う。同様に、普通変動入賞装置36に備えられた第2始動口SW36dからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してRAM31cに所定の上限数(例えば4)まで特図2始動記憶として記憶する処理を行う。
【0164】
遊技制御装置30は、特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームの開始時に、特図1始動記憶に記憶されている大当り判定用乱数値を、ROM31bに記憶されている特図1変動表示ゲーム用の大当り判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。この処理の後に、特図1始動記憶数を1減算する。
【0165】
同様に、遊技制御装置30は、特図2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームの開始時に、特図2始動記憶に記憶されている大当り判定用乱数値を、ROM31bに記憶されている特図2変動表示ゲーム用の大当り判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。この処理の後に、特図2始動記憶数を1減算する。
【0166】
遊技制御装置30は、特図1始動記憶及び特図2始動記憶のいずれに基づく処理においても、変動パターン乱数に基づき変動パターン(実行態様)を決定する(図15及び図16参照)。また、遊技制御装置30は、大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致する場合には、大当り図柄乱数に基づき特別結果態様を選択する処理を行う。遊技制御装置30は、上述したような始動記憶の判定結果に基づき、特図1表示器35aもしくは特図2表示器35bに特別識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を実行する。
【0167】
ここで、前述したように、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される確率状態には、低確率状態(通常確率状態)と、高確率状態(確変状態)の二つの確率状態があり、遊技制御装置30では何れか一つの確率状態を設定するようになっている。高確率状態は、特図変動表示ゲームでの大当り結果となる確率が、低確率状態に比べて高い状態である。低確率状態では特定値として所定数の第1判定値が設定され、この特定値(第1判定値)と大当り判定用乱数値とを比較し、一致する場合に大当りと判定するようになっている。また、高確率状態では特定値として第1判定値および第1判定値とは別の第2判定値が設定され、この特定値(第1判定値、第2判定値)と大当り判定用乱数値とを比較し、一致する場合に大当りと判定するようになっている。このように、遊技制御装置30が、特図変動表示ゲームの結果を特別結果にする抽選確率を、予め設定された複数の候補(低確率状態及び高確率状態)の中から選択して設定する導出確率設定手段をなす。
【0168】
なお、特図変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に、所定条件の成立を伴う場合(特定の特別結果態様(高確率図柄)である場合)は特別遊技状態の終了後に確率状態を高確率状態とするようにされている。また、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。なお、確率状態である場合に特図変動表示ゲームで特別結果が導出された場合には、所定条件の成立を伴う特別結果態様であるか否かや確率状態にかかわらず、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が一旦通常確率状態となる。そして、所定条件の成立を伴う特別結果態様であった場合は特別遊技状態の終了後に再び高確率状態となる。また、所定条件の成立を伴わない特別結果態様(通常図柄)であった場合は、特別遊技状態の終了後もそのまま通常確率状態とされる。
【0169】
また、上述したように普通変動入賞装置36の作動状態としては、抑制状態及び促進状態とがあり、特別遊技状態の種別によって当該特別遊技状態が終了後の特図変動表示ゲームの所定回数分の普通変動入賞装置36がどの作動状態で動作するのかが決まっている。
【0170】
また、遊技制御装置30は、所定のタイミング(始動入賞時等の任意のタイミング)で、特図1始動記憶に記憶されている大当り判定用乱数値や大当り図柄乱数、変動パターン乱数等の判定を行い、特図1変動表示ゲームの当りはずれ、大当りの図柄(特別結果態様の種類)、リーチ発生の有無を判定する先読み処理を行う。同様に、遊技制御装置30は、所定のタイミング(始動入賞時等の任意のタイミング)で、特図2始動記憶に記憶されている大当り判定用乱数値や大当り図柄乱数、変動パターン乱数等の判定を行い、特図2変動表示ゲームの大当りやはずれ、大当りの図柄(特別結果態様の種類)、リーチの発生の有無を判定する先読処理を行う。これらの判定結果は、結果情報として遊技制御装置30から演出制御装置40へ送信される。なお、特図2始動記憶については遊技状態に関わらず常に先読処理を行う。また、特図1始動記憶については普通変動入賞装置36の作動状態が促進状態である場合や特別遊技状態では先読処理を行わない。もしくは、先読処理は行ってもその結果に基づく予告報知は行わない。
【0171】
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示装置53にて変動表示ゲームが実行されている状態であって、実行結果が特別結果態様となる可能性があることを報知している状態のことである。本実施形態の遊技機では、変動表示ゲームの実行結果が特別結果態様となった場合は、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)が発生する。
【0172】
例えば、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲーム)に対応して表示装置53に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置53における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。この他に、すべての変動表示領域の変動表示を仮停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性(信頼度)が異なるリーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャルリーチ1(SP1リーチ)、スペシャルリーチ2(SP2リーチ)が設定されている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)に対応して発生する、飾り特図変動表示ゲームの変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されない場合(はずれとなる場合)に対応して発生する、飾り特図変動表示ゲームの変動表示態様に含まれることもある。したがって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0173】
遊技制御装置30では、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特図表示器に表示する特別結果態様は大当り判定用乱数値と同時に抽出して記憶される大当り図柄用乱数に基づき決定されるようになっている。なお、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、対応する特図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0174】
また、遊技制御装置30では、特別遊技状態を発生させる処理として、例えば大入賞口SOL42bにより特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放し、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば25秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば15回)継続する制御(サイクル遊技)を行う。これにより、遊技機は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生させる遊技機として機能する。
【0175】
さらに、遊技制御装置30では、各種入賞口に設けられたセンサ(第1始動口SW37d、第2始動口SW36d、入賞口SW44a〜44n、カウントSW42c)から入力される遊技球の検出信号に基づき、排出発射制御装置150を制御して排出装置151から所定数の遊技球が払い出されるようにする処理を行う。
【0176】
演出制御装置40では、遊技制御装置30からの指令信号(変動時間コマンド、変動停止コマンド等)に基づき、表示装置53で特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲーム)に対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理などの制御を行う。
【0177】
ここで、特別結果態様には、特別遊技状態の実行態様や特別遊技状態の終了後に遊技者に付与される付加遊技価値が異なる複数種類が設定されており、遊技制御装置30では大当り図柄乱数に基づき特別結果態様を選択する。すなわち、大当り図柄乱数に基づき付加遊技価値の量が決定されるといえる。なお、本実施形態の遊技機における特別遊技状態の実行態様とは、特別遊技状態で実行されるラウンドの回数や大入賞口が開放される時間を示す。また、付加遊技価値とは、特別遊技状態の終了後に次回の特別結果態様の導出まで確率状態を高確率状態とすることや、特別遊技状態の終了後の普通変動入賞装置36の作動状態を、所定回数の特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲーム)が実行されるまでの間、促進状態にすることなどである。
【0178】
〔特図ゲーム処理〕
次に、図11を参照して、図9のタイマ割込処理における特図ゲーム処理(ステップS18)の詳細を説明する。図11は、本発明の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
【0179】
ステップS30では、遊技制御装置30は、第1始動入賞口37(図1参照)及び普通変動入賞装置36(図1参照)の第2始動入賞口への遊技球の入賞を監視し、入賞に基づき各種乱数値の記憶を行う始動口SW監視処理を実行する。
【0180】
ステップS31では、遊技制御装置30は、カウントSW42c(図2参照)からの入力を監視するカウントスイッチ監視処理を行う。
【0181】
ステップS32では、遊技制御装置30は、ステップS36〜S42の各処理で設定される特図ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する。
【0182】
ステップS32において特図ゲーム処理タイマが0でないと判定された場合には、遊技制御装置30は、特図ゲーム処理タイマを−1更新し(ステップS33)、更新された特図ゲーム処理タイマがタイムアップして0になったか否かを判定する(ステップS34)。特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には遊技制御装置30はステップS35の処理を実行し、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には遊技制御装置30はステップS44の処理を実行する。
【0183】
一方、ステップS32で特図ゲーム処理タイマが0であると判定された場合、又はステップS34で特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定された場合には、遊技制御装置30は、ゲーム処理番号を取得し、取得したゲーム処理番号に基づいて実行する処理を選択するゲーム分岐処理(ステップS35)を行う。
【0184】
ゲーム処理番号が0である場合には、ステップS36において、遊技制御装置30は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定を行う特図普段処理を実行する。特図普段処理では、特図変動表示ゲームの変動に係る情報の設定を行うようになっており、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行に伴って始動記憶を1デクリメントする処理や特図変動表示ゲームにおける変動時間の設定処理等を行う。
【0185】
ゲーム処理番号が1である場合には、ステップS37において、遊技制御装置30は、ステップS38の特図表示中処理を行うために必要な情報(特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間等)の設定を行う特図変動中処理を実行する。
【0186】
ゲーム処理番号が2である場合には、ステップS38において、遊技制御装置30は、特図表示中処理を実行する。特図表示中処理では、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合にステップS39のファンファーレ・インターバル処理を行うために必要な情報が設定され、特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合にステップS36の特図普段処理を行うために必要な情報が設定される。
【0187】
ゲーム処理番号が3である場合には、ステップS39において、遊技制御装置30は、特別遊技状態における大入賞口の開放回数の更新等の処理を行うファンファーレ・インターバル処理を実行する。
【0188】
ゲーム処理番号が4である場合には、ステップS40において、遊技制御装置30は大入賞口開放中処理を行う。大入賞口開放中処理では、特別遊技状態が最終ラウンドでなければステップS39のファンファーレ・インターバル処理を行うために必要な情報が設定され、特別遊技状態が最終ラウンドであれば特別遊技状態の終了画面のコマンドの設定やステップS41の大入賞口残存球処理を行うために必要な情報が設定される。
【0189】
ゲーム処理番号が5である場合には、ステップS41において、遊技制御装置30は大入賞口残存球処理を行う。大入賞口残存球処理では、特別遊技状態が最終ラウンドである場合に、大入賞口を閉鎖した後に大入賞口内に残存する全ての遊技球がカウントSW42cで検出されるまでの時間が設定される。
【0190】
ゲーム処理番号が6である場合には、ステップS42において、遊技制御装置30は大当り終了処理を実行する。大当り終了処理では、特別遊技状態を終了する処理が行われ、ステップS36の特図普段処理を行うために必要な情報が設定される。
【0191】
ゲーム処理番号に基づくステップS36〜S42の処理を行った後、ステップS43において、遊技制御装置30は、設定された各種データをセーブするテーブルデータセーブ処理を実行する。その後、遊技制御装置30は、特図1変動表示ゲームのゲーム処理タイマの更新等を行う特図1変動制御処理(ステップS44)を実行し、特図2変動表示ゲームのゲーム処理タイマの更新等を行う特図2変動制御処理(ステップS45)を実行して、特図ゲーム処理を終了する。
【0192】
〔始動口SW監視処理〕
図12を参照して、図11の特図ゲーム処理における始動口SW監視処理(ステップS30)の詳細を説明する。図12は、本発明の実施の形態の始動口SW監視処理の手順を示すフローチャートである。
【0193】
始動口SW監視処理では、遊技制御装置30は、まず第1始動入賞があるか否かの判定を行う(ステップS50)。第1始動入賞口37への入賞があるか否かは、第1始動入賞口37への入賞があった場合に第1始動口SW37dから出力される遊技球の検出信号の有無によって判定される。第1始動入賞がない場合には、遊技制御装置30はステップS51の処理を実行する。これに対して、第1始動入賞がある場合には、遊技制御装置30はステップS54の特図始動口SW共通処理を実行し、始動口SW監視処理を終了する。なお、特図始動口SW共通処理の詳細は図13を参照して後述する。
【0194】
ステップS51では、遊技制御装置30は、普電作動中であるか否かを判定する。遊技制御装置30は、普電(普通電動役物)としての普通変動入賞装置36の開閉部材36aが作動し、遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する。開閉部材36aが開状態であって普電作動中である場合には、遊技制御装置30はステップS53の処理を実行する。これに対して、開閉部材36aが閉状態であって普電作動中でない場合は、遊技制御装置30はステップS52の処理を実行する。
【0195】
ステップS52では、遊技制御装置30は、不正入賞エラーが発生したか否かを判定する。遊技制御装置30は、普通変動入賞装置36の開閉部材36aが閉状態である状態で発生した不正な入賞があるか否かを判定する。なお、普通変動入賞装置36の開閉部材36aが閉状態になった後の所定期間に検出された入賞は、不正入賞ではないと判定される。不正入賞エラーが発生している場合には、遊技制御装置30は始動口SW監視処理を終了する。これに対して、不正入賞エラーが発生していない場合には、遊技制御装置30はステップS53の処理を実行する。
【0196】
ステップS53では、遊技制御装置30は、第2始動入賞(普通変動入賞装置36の第2始動入賞口への入賞)があるか否かを判定する。普通変動入賞装置36の第2始動入賞口への入賞があるか否かは、第2始動入賞口への入賞があった場合に第2始動口SW36dから出力される遊技球の検出信号の有無によって判定される。第2始動入賞がない場合には、遊技制御装置30は、始動口SW監視処理を終了する。これに対して、第2始動入賞がある場合には、遊技制御装置30はステップS54の特図始動口SW共通処理を実行し、始動口SW監視処理を終了する。
【0197】
〔特図始動口SW共通処理〕
図13を参照して、図12の始動口SW監視処理における特図始動口SW共通処理(ステップS54)の詳細を説明する。図13は、本発明の実施の形態の特図始動口SW共通処理の手順を示すフローチャートである。
【0198】
特図始動口SW共通処理では、遊技制御装置30は、まず対応する始動入賞フラグを設定する処理を実行する(ステップS60)。遊技制御装置30は、第1始動入賞口37と普通変動入賞装置36の第2始動入賞口のいずれの始動口への入賞により特図始動口SW共通処理が開始されたかに基づき始動入賞フラグを設定する。始動入賞フラグとしては、第1始動入賞口37への入賞により特図始動口SW共通処理が開始された場合は特図1フラグが設定され、普通変動入賞装置36の第2始動入賞口への入賞により特図始動口SW共通処理が開始された場合は特図2フラグが設定される。以下の処理では、特図1フラグが設定されていれば対応する処理として特図1始動記憶についての処理が行われ、特図2フラグが設定されていれば対応する処理として特図2始動記憶についての処理が行われる。
【0199】
ステップS61では、遊技制御装置30は、対応する保留が上限(例えば4)であるか否かを判定する。これ以上対応する始動記憶を記憶できず、対応する保留が上限である場合には、遊技制御装置30は本処理を終了して始動口SW監視処理を終了する。これに対して、対応する保留は上限でない場合には、遊技制御装置30は、ステップS62において対応する始動記憶数を1インクリメントする処理を実行し、その後ステップS63の処理を実行する。
【0200】
ステップS63では、遊技制御装置30は、保留数情報を設定する処理を実行する。遊技制御装置30は、対応する始動記憶数が1インクリメントされたことに基づき、始動記憶数の情報である保留数情報を設定する。なお、保留数情報は、始動記憶に関する情報を含む保留情報コマンドの一つとして後のタイミングで演出制御装置40に送信されるようになっている。
【0201】
その後、遊技制御装置30は、対応する大当り判定用乱数を取得する処理(ステップS64)、対応する大当り図柄乱数を取得する処理(ステップS65)、対応する特図変動表示ゲームの変動パターン乱数を取得する処理(ステップS66)を実行する。さらに、ステップS67では、遊技制御装置30は特図保留情報判定処理を実行する。特図保留情報判定処理では、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読処理が行われる。
【0202】
そして、遊技制御装置30は、対応する大当り判定用乱数を記憶する処理(ステップS68)、対応する大当り図柄乱数を記憶する処理(ステップS69)、対応する変動パターン乱数を記憶する処理(ステップS70)を実行する。これらの各種乱数を記憶する処理(ステップS68〜S70)では、遊技制御装置30は、更新した始動記憶数に対応して設定される各種乱数値のセーブ領域に、取得した各種乱数値を記憶する処理を行う。
【0203】
ステップS71では、遊技制御装置30は、保留情報コマンドを設定する処理を実行して、本処理を終了して始動口SW監視処理を終了する。保留情報コマンドは、後に演出制御装置40に送信されるようになっている。
【0204】
〔実施形態の効果〕
以上のように、本発明の実施の形態によれば、始動口の遊技球通過部に金属球を詰まらせて、遊技球の検出状態に維持しながら、近接センサに向かって所定の周波数の電波を照射することによって遊技球が通過していない状態を検出させて、遊技球の通過を誤検出させる不正行為を防止することができる。
【0205】
〔変形例〕
本発明の実施の形態では、遊技球の通過を検出するコイルユニットの他に、異常を検出するために同じサイズのコイルユニットを挟み込むように配置していた。しかし、このように構成すると、従来の異常検出用のコイルのない近接センサと比較してサイズが大きくなってしまうという問題が生じるおそれがあった。
【0206】
そこで、本発明の実施の形態の変形例として、異常検出用のコイルを小型化して配置することによって、本発明の効果を維持しながら図4の近接センサよりもサイズの小さい近接センサについて説明する。
【0207】
図14は、本発明の実施の形態の変形例の金属球を詰まらせた状態で電波が照射された場合に異常信号を出力可能な近接センサ400の構造を示す分解斜視図である。本変形例の近接センサ400の機能は、図4に示した近接センサ300と同等であり、ブロック図は図5に示したものと同じである。
【0208】
収納部410は、収納蓋部411a及び収納底部411bによって構成される。収納蓋部411aと収納底部411bとは、収納蓋部411aを貫通するねじ穴414及び収納底部411bに形成されたねじ穴415にねじを螺合させることによって止着される。
【0209】
本変形例では、図14に示すように、遊技球通過部412bが環状壁部412cとともに形成され、遊技球通過部412bと貫通可能にコイルユニット420aが配置される。なお、コイルユニット420aは、図4に示したコイルユニット320aと同じでよい。
【0210】
また、図14に示すように、本変形例の近接センサ400における異常検出用のコイルを含むコイルユニット420b及び420cは、遊技球の通過を検出するためのコイルユニット420aよりも小型化されている。しかし、コイルユニットの小型化によってインダクタンスが小さくなるため、前述のように、各コイルユニットに対応するコンデンサの静電容量を大きくすることによってすべてのLC共振回路における共振周波数が統一されるように構成する。
【0211】
また、コイルユニット420b及びコイルユニット420cは、制御回路部430、コイルユニット420aを配置するための環状壁部412c、及び収納底部411bの鉛直上方に形成された外枠部417の間に配置される。
【0212】
コイルユニット420bは、図4のコイルユニット320bに対応する。図4のコイルユニット320bには、遊技球の検出状態で近接センサに対して電波が照射される不正行為を検出するために強磁性体340がコイルに挿通されていた。これに対し、本変形例では、強磁性体340の代わりに、収納蓋部411aと収納底部411bとを止着するためのねじを利用する。この場合、ねじの素材に強磁性体を用いる。コイルユニット420bは、ねじ穴415及びねじが挿通されることによって所定の位置に配置される。
【0213】
一方、コイルユニット420cは、図4のコイルユニット320cに対応する。コイルユニット320cは、遊技球の非検出時に周囲から電波が照射された場合に検出信号を出力していたが、本変形例のコイルユニット420cも同じ機能を有する。
【0214】
また、収納底部411bには、ねじ穴415の反対側に、ねじ穴415と同じ外径で収納底部411bと同じ樹脂製の突起部416が形成されている。コイルユニット420cは、突起部416が挿通されることによって所定の位置に配置される。
【0215】
なお、コイルユニット420bの内部に挿通される強磁性体は、必ずしもねじでなくてもよく、リベットのような止着部材や、止着部材としては機能しない単なる鉄芯であってもよい。また、コイルユニット420cの内部に強磁性体でない止着部材を挿通して、収納蓋部411aと収納底部411bとを止着するような構成であってもよい。
【0216】
また、コイルユニット420bとコイルユニット420cの径の大きさは、統一しても不統一であってもよい。さらに、コイルユニット420bとコイルユニット420cに用いる各コイルは、互いに巻数が統一されていてもいなくてもよい。
【0217】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例では、近接センサの大型化を抑制しながら本発明の実施の形態の近接センサと同様の効果を得ることが可能となる。
【0218】
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0219】
以上のように、本発明は、遊技球の通過を検出する近接センサを備えた遊技機に適用可能である。
【符号の説明】
【0220】
10 遊技盤
29 異常信号合成回路(異常信号出力手段)
30 遊技制御装置(制御手段)
31 遊技用マイクロコンピュータ
34 普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)
34a ゲートスイッチ(SW)
35 普図・特図表示器
36 普通変動入賞装置
36d 第2始動口SW
37 第1始動入賞口
37d 第1始動口スイッチ(SW)
40 演出制御装置
42 特別変動入賞装置
42c カウントスイッチ
43 アウト口
44 一般入賞口
44a 入賞口スイッチ(SW)
51 センターケース
52 窓部
53 表示装置
121 内枠開放SW
145 スピーカ
146 ガラス枠開放SW
200 近接センサ
210 収納部
212 遊技球通過部
220 コイルユニット
221 コイル
222 コイルスプール
223 シールド部材
230 制御回路部
300 近接センサ(検出手段)
310 収納部
312 遊技球通過部
321a コイル(第1のコイル)
321b コイル(第2のコイル)
321c コイル(第3のコイル)
330 制御回路部
340 強磁性体
350 球検出用信号処理部
351 コンデンサ
352 発振回路(第1の発振回路)
353 判別回路
354 検出信号出力回路
355 LC共振回路(第1のLC共振回路)
360 異常判定用信号処理部(異常信号出力手段)
361a コンデンサ
361b コンデンサ
362a 発振回路(第2の発振回路)
362b 発振回路(第3の発振回路)
363a 判別回路
363b 判別回路
364a 異常信号出力回路
364b 異常信号出力回路
365a LC共振回路(第2のLC共振回路)
365b LC共振回路(第3のLC共振回路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を検出する検出手段と、該検出手段による検出信号に基づいて遊技に関わる制御を行う制御手段と、を備えた遊技機において、
前記検出手段は、
所定帯域の高周波信号を発振する第1の発振回路と、
遊技球の近接を検出する第1のコイルを含み、前記第1の発振回路によって発振される高周波信号の帯域を含むように共振周波数が設定された第1のLC共振回路と、
前記第1の発振回路が発振停止状態となった場合に前記検出信号を前記制御手段に出力する検出信号出力手段と、
前記第1の発振回路と略同一の周波数となる高周波信号を発振する第2の発振回路と、
前記第1のコイルとは別の第2のコイルを含み、前記第2の発振回路によって発振される高周波信号の帯域を含むように共振周波数が設定された第2のLC共振回路と、
当該検出手段にて異常が発生したことを示す異常信号を前記制御手段に出力する異常信号出力手段と、
を備え、
前記第1のLC共振回路は、前記第1のコイルにて遊技球の近接を検出すると前記第1の発振回路を発振停止状態とする一方で、該第1のコイルにて遊技球の近接を検出しなかった場合には該第1の発振回路を発振状態とし、
前記第2のLC共振回路は、常態において前記第2の発振回路を発振停止状態とし、
前記異常信号出力手段は、前記第2の発振回路が発振状態であることを検出した場合には前記異常信号を出力し、
前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、所定の収納ケース内に配置されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第2のコイルのインダクタンスは、前記第1のコイルのインダクタンスよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第2のコイルの径は、前記第1のコイルの径よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第2のコイルは、前記所定の収納ケースに固定される固定部材が挿通され、
前記固定部材は、磁性体によって構成されていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記検出信号出力手段からの検出信号と、前記異常信号出力手段からの異常信号とを所定の間隔で判定するとともに、
前記異常信号により異常を示す状態が複数回連続して判定され、かつ、前記検出信号により球有りを示す状態が判定されると、所定の異常対応処理を実行することを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記検出手段は、
前記第1の発振回路と略同一の周波数となる高周波信号を発振する第3の発振回路と、
前記第1のコイルとは別の第3のコイルを含み、前記第3の発振回路によって発振される高周波信号の帯域を含むように共振周波数が設定された第3のLC共振回路と、
をさらに備え、
前記第3のLC共振回路は、常態において前記第3の発振回路を発振状態とし、
前記異常信号出力手段は、前記第3の発振回路が発振停止状態であることを検出した場合に異常信号を出力し、
前記第3のコイルは、前記第1のコイルと前記第2のコイルとともに、前記所定の収納ケース内に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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