説明

遊技機

【課題】入賞口に遊技球が入賞したことを条件として賞球数データを送信する遊技制御装置と、賞球数データを未払出数データとして記憶し、当該未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置と、を備える遊技機において、停電復旧時の払出制御装置の処理負担を軽減する。
【解決手段】遊技制御装置100が、払出制御装置200に賞球数データを送信する賞球数データ送信手段を備え、賞球数データ送信手段は、遊技制御装置100の電源遮断状態からの復帰後、払出用未払出数データがない旨の未払出球有無データを受信するまでの期間、及び、払出用未払出数データがある旨の未払出球有無データを受信し、かつ、払出完了信号を受信するまでの期間を送信禁止期間として賞球数データを送信しないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入賞口に遊技球が入賞したことを条件として賞球数データを送信する遊技制御装置と、賞球数データを未払出数データとして記憶し、当該未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置と、を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技領域に遊技球を発射し、当該遊技領域に設けられた入賞口への遊技球の入賞に基づき、所定の遊技球を払い出す遊技機が知られている。このような遊技機として、入賞口に設けたセンサからの遊技球の検出信号が、遊技を統括的に管理する遊技制御装置に入力され、遊技制御装置が排出装置を制御する払出制御装置に対して入賞口に対応する数の遊技球を払い出す指令を送信し、払出制御装置が遊技制御装置からの指令に基づき排出装置を制御して所定数の遊技球を払い出すように構成された遊技機が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1の遊技機では、通常時は未払出の賞球数データを遊技制御装置と排出制御装置の両方で管理する機能と、停電が発生した際に両方の装置でバックアップをとることができるようにする機能を備えており、停電復旧後に未払い出しの遊技球を払い出すことができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−204934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1の遊技機では、停電復旧後に払出制御装置において未払い出しの遊技球の払出処理が開始していないにもかかわらず、遊技制御装置から賞球数データが送信されるため、停電復旧時の払出制御装置の処理が煩雑になっていた。
【0006】
本発明の目的は、入賞口に遊技球が入賞したことを条件として賞球数データを送信する遊技制御装置と、賞球数データを未払出数データとして記憶し、当該未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置と、を備える遊技機において、停電復旧時の払出制御装置の処理負担を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、遊技盤の遊技領域に設けられた入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、賞球数データを送信する遊技制御装置と、
前記遊技制御装置から受信した賞球数データを払出用未払出数データとして記憶する払出用未払出数記憶手段を備え、該払出用未払出数記憶手段に記憶された払出用未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置と、を備える遊技機において、
前記払出制御装置は、
賞球数データに対応する数の遊技球の払い出しが完了したことを示す払出完了信号を前記遊技制御装置に送信する払出完了信号送信手段と、
前記遊技制御装置と相互認証を行う払出側相互認証手段と、
前記遊技制御装置と前記払出制御装置が相互認証された場合、前記払出用未払出数データの有無を示す未払出球有無データを送信する未払出球有無データ送信手段と、を備え、
前記遊技制御装置は、
前記払出制御装置に賞球数データを送信する賞球数データ送信手段と、
電源遮断状態からの復帰後、前記払出制御装置と相互認証を行う遊技側相互認証手段と、を備え、
前記賞球数データ送信手段は、
前記遊技制御装置の電源遮断状態からの復帰後、前記払出用未払出数データがない旨の前記未払出球有無データを受信するまでの期間、及び、前記払出用未払出数データがある旨の前記未払出球有無データを受信し、かつ、前記払出完了信号を受信するまでの期間を送信禁止期間として前記賞球数データを送信しないことを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、遊技制御装置が、停電復旧後に払出制御装置で遊技球の払い出しが開始されたことを確認してから賞球数データを送信するようになるので、停電復旧時の払出制御装置の処理負担を軽減することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機であって、前記賞球数データ送信手段は、
前記送信禁止期間の経過後は前記払出完了信号の受信を待たずに賞球数データを送信することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、通常時は払い出しをスピーディーに行うことができるようになる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の遊技機であって、遊技制御装置は、
前記入賞口への入賞毎に対応する数の賞球数が加算される未払出数データを記憶する未払出数記憶手段と、
前記払出制御装置からの払出完了信号を受信することで、対応する払出数を前記未払出数データから減算する未払出数減算手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、遊技制御装置で未払い出しの遊技球数を把握でき、バックアップが容易になる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の遊技機であって、遊技機外部から供給される定格電圧から所定の電源電圧を生成して前記各制御装置に供給する電源装置を備え、
前記電源装置は、
前記電源電圧が第1電圧に低下したことを検出し、第1停電検出信号を生成する第1停電検出手段と、
前記第1停電検出信号を前記払出制御装置に送信する第1送信手段と、を備え、
前記払出制御装置は、
前記第1電圧への低下から第1所定時間は動作可能であり、
前記第1停電検出信号の受信に基づいて、前記第1所定時間内に前記払出用未払出数記憶手段の払出用未払出数データを前記遊技制御装置に送信する停電処理手段を備え、
前記遊技制御装置は、
前記第1電圧への低下から前記第1所定時間以上の第2所定時間は動作可能であり、
電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段を備え、
前記払出制御装置から払出用未払出数データを受信することに基づき、前記第2所定時間内に当該払出用未払出数データを前記バックアップ記憶手段に記憶するとともに、自身のデータのバックアップ処理を行うバックアップ手段を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、停電発生時には、遊技制御装置のみでバックアップを行うため、遊技制御装置のみがバックアップ機能を備えればよく、コストダウンを図ることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機であって、前記電源装置は、
前記第1電圧よりも低い第2電圧に低下したことを検出し、第2停電検出信号を生成する第2停電検出手段と、
前記第2停電検出信号を前記遊技制御装置に送信する第2送信手段と、を備え、
前記遊技制御装置は、
前記第2電圧への低下から第3所定時間は動作可能であり、
前記バックアップ手段は、
前記払出制御装置から払出用未払出数データを受信せずに前記第2停電検出信号を受信した場合は、前記第3所定時間内に自身のデータのバックアップ処理を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、第1電圧に低下した際に払出制御装置から払出用未払出数データが送信されず、第1電圧への低下を契機に遊技制御装置でバックアップ処理が開始されなくても、第2電圧への低下により必ずバックアップ処理が開始されるので、少なくとも遊技制御装置のデータは確実にバックアップされるようになり、データの損失を最低限に抑えることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、遊技制御装置が、停電復旧後に払出制御装置で遊技球の払い出しが開始されたことを確認してから賞球数データを送信するようになるので、停電復旧時の払出制御装置の処理負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態の遊技機を前面側から見た斜視図である。
【図2】遊技機の裏面図である。
【図3】遊技盤の正面図である。
【図4】遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図5】遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図6】電源装置の構成を示すブロック図である。
【図7】電源の供給先を説明するための図である。
【図8】停電発生時の電力の状態と停電検出信号の出力のタイミングを説明するためのタイムチャートである。
【図9】払出メイン処理を説明するフローチャートである。
【図10】払出メイン処理を説明するフローチャートである。
【図11】払出関連データ受信処理を説明するフローチャートである。
【図12】払出装置制御開始判定処理を説明するフローチャートである。
【図13】賞球制御開始判定処理を説明するフローチャートである。
【図14】メイン処理を説明するフローチャートである。
【図15】停電復旧処理を説明するフローチャートである。
【図16】払出関連データ送信処理を説明するフローチャートである。
【図17】払出側未払出数データ表示処理を説明するフローチャートである。
【図18】停電復旧時の表示の例を示す図である。
【図19】チェックサム算出処理を説明するフローチャートである。
【図20】タイマ割り込み処理を説明するフローチャートである。
【図21】電源断情報受信処理を説明するフローチャートである。
【図22】特図ゲーム処理を説明するフローチャートである。
【図23】第1変形例での遊技制御装置と払出制御装置との間でのデータの送受信を説明する図である。
【図24】第1変形例での賞球制御処理を説明するフローチャートである。
【図25】第1変形例での賞球払出開始処理を説明するフローチャートである。
【図26】第1変形例での賞球払出終結処理を説明するフローチャートである。
【図27】第1変形例での停電復旧時の処理を説明するフローチャートである。
【図28】第1変形例での停電復旧時の処理を説明するフローチャートである。
【図29】第1変形例での停電時処理の一例を説明するフローチャートである。
【図30】第1変形例でのID確認処理の一例を説明するフローチャートである。
【図31】第1変形例での停電時処理の一例を説明するフローチャートである。
【図32】第1変形例でのID確認処理の一例を説明するフローチャートである。
【図33】第1変形例の別例での停電時払出データ送信処理を説明するフローチャートである。
【図34】第1変形例の別例での払出側未払出数データ確認処理を説明するフローチャートである。
【図35】第2変形例での遊技制御装置と払出制御装置との間でのデータの送受信を説明する図である。
【図36】第2変形例での入賞検出処理を説明するフローチャートである。
【図37】第2変形例での払出完了信号受信処理を説明するフローチャートである。
【図38】第3変形例での遊技制御装置と払出制御装置との間でのデータの送受信を説明する図である。
【図39】第3変形例での払出完了要求信号送信処理を説明するフローチャートである。
【図40】第3変形例での払出完了要求信号の送信タイミングを説明する図である。
【図41】第3変形例での払出完了情報送信処理を説明するフローチャートである。
【図42】第4変形例での賞球数データの送信態様を説明するタイムチャートである。
【図43】第4変形例での遊技側未払出数データ送信処理を説明するフローチャートである。
【図44】第5変形例での外部入力確認処理を説明するフローチャートである。
【図45】第5変形例での割込賞球データ送信処理を説明するフローチャートである。
【図46】第5変形例での払出完了信号と賞球数データの送信タイミングを説明するタイムチャートである。
【図47】第6変形例での送受信されるデータ構造を説明する図である。
【図48】第7変形例での停電発生時の処理を説明するフローチャートである。
【図49】第7変形例での停電復旧時の処理を説明するフローチャートである。
【図50】第8変形例でのデータのバックアップを説明する図である。
【図51】第9変形例でのデータのバックアップを説明する図である。
【図52】第10変形例でのデータのバックアップを説明する図である。
【図53】第11変形例での遊技制御装置と払出制御装置との間でのデータの送受信方法を説明する図である。
【図54】第12変形例での電源装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
【0020】
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図3参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
【0021】
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
【0022】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
【0023】
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図3参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
【0024】
また、図2に示すように、遊技機10の裏面には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置100(主制御装置)と、遊技制御装置100から送信されたコマンドに基づき各種電子部品(LEDやソレノイド、モータ、センサなど)を制御する演出制御装置300(副制御装置)が備えられている。遊技制御装置100の裏面には外部情報信号を出力する外部情報端子71が備えられている。さらに、遊技機10の裏面には、遊技球の払い出しを制御する払出制御装置200(副制御装置)と、各制御装置に電力を供給する電源装置400、遊技機10に隣接して配されるカードユニットと接続するためのカードユニット接続基板600が備えられている。
【0025】
次に、図3を用いて遊技盤30の一例について説明する。図3は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
【0026】
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
【0027】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0028】
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図4参照)が配設されている。
【0029】
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口)が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
【0030】
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図4参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
【0031】
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
【0032】
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図4参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図4参照)が配設されている。特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
【0033】
また、遊技領域32の外側には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0034】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
【0035】
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0036】
普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0037】
特図1保留表示器は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。特図2保留表示器は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
【0038】
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
【0039】
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
【0040】
エラー表示器は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
【0041】
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0042】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
【0043】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図4参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
【0044】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。
【0045】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となり普図の当りとなって、内蔵されている普電ソレノイド37c(図4参照)が駆動されることにより、普通変動入賞装置37の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0046】
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図4参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
【0047】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41(変動表示装置)にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様(停止結果態様)も特別結果態様となる。
【0048】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、まず前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第一特別図柄)、右変動表示領域(第二特別図柄)、中変動表示領域(第三特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される停止結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。すなわち、複数の識別情報を複数列で変動表示し、複数列の識別情報の停止結果態様により結果を表示する。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0049】
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0050】
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明においては、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0051】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0052】
図4は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0053】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0054】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置100や払出制御装置200に停電の発生、回復を知らせる停電検出信号1、2や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0055】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0056】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM111Cに記憶されたデータが保持されるようになっている。すなわち、RAN111Cが、電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段をなす。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視して、それが第1電圧に低下すると第1停電検出信号を出力し、第1電圧よりも低い第2電圧に低下すると第2停電検出信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0057】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0058】
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
【0059】
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。また、停電発生時のバックアップデータを記憶するためにも利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0060】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
【0061】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0062】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する(はずれとなる)場合における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0063】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0064】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
【0065】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0066】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0067】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0068】
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0069】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0070】
また、入力部120には、電源装置400からの停電検出信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電検出信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0071】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0072】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力するデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から演出制御装置300へはパラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0073】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0074】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0075】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0076】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0077】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0078】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0079】
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0080】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
【0081】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態(演出モード)の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
【0082】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、25秒又は0.5秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0083】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、特別遊技状態の発生確率である確率状態を通常確率状態と、該通常確率状態よりも高めた高確率状態との何れかで制御する確率変動制御手段をなす。
【0084】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
【0085】
例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000msが600ms)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604ms)よりも短い第2停止時間(例えば704ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば300ms)よりも長い第2開放時間(例えば1400ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
【0086】
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
【0087】
また、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、カウントスイッチ38a、入賞口スイッチ35a〜35nによる遊技球の検出に基づき、対応する賞球数の情報を含む賞球数データを賞球コマンドとして払出制御装置200に送信する。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御装置200に賞球数データを送信する賞球数データ送信手段をなす。払出制御装置200では、この賞球数データに基づき対応する数の賞球数を払い出す処理を行う。
【0088】
次に、図5を用いて、払出制御装置200の構成について説明する。払出制御装置200は、CPU201a、RAM201b、ROM201c等を有するワンチップマイクロコンピュータ201、入出力インタフェース(入出力I/F)202、電波検出などにより発生したエラーを解除するためのエラー解除スイッチ203等により構成されている。この払出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球数データやカードユニット601からの貸球要求信号の入力に基づいて所定数の遊技球(賞球、貸球)を払出装置210から排出させる制御を行うものである。
【0089】
CPU201aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、遊技制御装置100からの賞球数データに従って、払出装置210のモータ211を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。RAM201bは、CPU201aの作業領域や、受信した賞球数データのうち未だ払い出しが完了していない遊技球数が記録される未払出数データの記憶領域等を備えている。ROM201cには、制御プログラムや制御データが書き込まれている。すなわち、RAM201bが、遊技制御装置100から受信した賞球数データを未払出数データとして記憶する未払出数記憶手段をなし、払出制御装置200は未払出数記憶手段に記憶された未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出すようになっている。
【0090】
また、入出力インタフェース202には、遊技制御装置100、カードユニット601が接続されている。また、払出装置210に設けられ払い出される遊技球を検出する払出球検出SW212や不正な電波を検出する電波検出SW213、前面枠12に設けられ払出し前の遊技球の不足を示すシュート球有無検出SW214や下皿23のオーバーフローを示すオーバーフロー検出SW215が接続されている。そして、これらから入力された各種信号を中継し、CPU201aに対し出力する。
【0091】
また、入出力インタフェース202には、CPU201aから出力される各種の制御信号が入力される。これら制御信号は、該入出力インタフェース202により中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、遊技制御装置100、カードユニット601、払出装置210のモータ211、発射制御装置220、試射試験装置230、遊技機外部の管理装置などと接続する枠用外部端子板240に出力されるようになっている。
【0092】
また、払出制御装置200には、電源装置400から電力が供給されている。この電源装置400の制御信号生成部430からは、電源電圧が第1電圧に低下したことを示す第1停電検出信号が入力され、払出制御装置200ではこの第1停電検出信号に基づきバックアップ処理を行うようになっている。また、電源装置400の制御信号生成部430からは電源投入時にリセット信号が入力され、電源の投入に伴い初期化が行われるようになっている。
【0093】
図6には電源装置400の詳細を示した。トランス440によってAC100Vから変換され電源装置400に入力されたAC24Vは、過電流保護回路401、電源スイッチ402を介して整流回路411に供給される。なお、一部は整流回路411を介さずに、図7に示すようにカードユニット接続基板600を介してカードユニット601へ出力される。整流回路411により全波整流された後、一部はNDC24Vとして出力され、一部は平滑化回路412へ入力されて平滑化される。平滑化回路412で平滑化された直流電圧は、DC−DCコンバータからなる直流電圧生成回路(413から416)に入力され、DC32V,DC12V,DC5V,DC5VBBに変換されて出力される。
【0094】
第1停電検出回路431は、32Vの電圧を監視し、それが第1電圧に低下すると第1停電検出信号生成回路432で第1停電検出信号を生成し、払出制御装置200に出力する。すなわち、第1停電検出回路431及び第1停電検出信号生成回路432が、電源電圧が第1電圧に低下したことを検出し、第1停電検出信号を生成する第1停電検出手段をなすとともに第1停電検出信号を払出制御装置200に送信する第1送信手段をなす。
【0095】
また、第2停電検出回路433は、32Vの電圧を監視し、それが第1電圧よりも低い第2電圧に低下すると第2停電検出信号生成回路434で第2停電検出信号を生成し、遊技制御装置100に出力する。すなわち、第2停電検出回路433及び第2停電検出信号生成回路434が、電源電圧が第1電圧よりも低い第2電圧に低下したことを検出し、第2停電検出信号を生成する第2停電検出手段をなすとともに第2停電検出信号を遊技制御装置100に送信する第2送信手段をなす。
【0096】
また、電源装置400はリセット信号生成回路435を備え、電源投入時に各制御装置にリセット信号を送信する。また、電源装置400はRAM初期化スイッチ436を備え、電源投入時に初期化スイッチ436がオン状態にされたときには、RAM初期化信号生成回路437から初期化スイッチ信号が出力される。この初期化スイッチ信号により、遊技用マイコン111内のRAM111Cに記憶されている情報(バックアップされた情報)が強制的に初期化される。
【0097】
電源装置400により生成された直流電源電圧は、図7に示すように各制御装置へ分配される。遊技制御装置100には、DC32V,DC12V,DC5V,DC5VBBが出力される。また、演出制御装置300には、DC32V,DC12V,DC5V、NDC24Vが出力される。また、払出制御装置200には、DC32V,DC12V,DC5Vが出力され、さらに払出制御装置200を介して発射制御装置220へ、DC32V,DC5Vが出力される。また、カードユニット接続基板600にはAC24Vが出力され、さらに、カードユニット接続基板600を介してカードユニット601にAC24Vが出力される。すなわち、電源装置400が、遊技機外部から供給される定格電圧から所定の電源電圧を生成して各制御装置に供給していることとなる。
【0098】
図8には、停電発生時における通常電源部410から出力される電圧と、停電検出信号の出力タイミングを示した。電源が遮断される(t1)と徐々にDC32Vの電圧が低下する。電圧が第1電圧よりも高い所定電圧となるまでは(t2)、再度電力が供給されれば継続して遊技が可能である。すなわちこの期間は、僅かな時間の停電による遊技機のリセット等の動作を防止し、遊技の継続を可能とする瞬停保証期間である。
【0099】
この瞬停保証期間で停電が回復せず、電圧が第1電圧となると、第1停電検出回路431により停電の発生が検出される(t3)。第1停電検出回路431により停電の発生が検出されると、第1停電検出信号生成回路432で第1停電検出信号が生成されて払出制御装置200に出力される。第1停電検出信号は、停電検出信号1の出力状態の変化として送信される。停電検出信号1は、第1電圧となるまではON状態とされ、第1電圧となると第1停電検出信号生成回路432でOFF状態に変化されるようになっている。
【0100】
この出力状態の変化が第1停電検出信号をなし、この第1停電検出信号の受信により払出制御装置200においてデータのバックアップ処理が行われる。後述するように、このバックアップ処理では遊技制御装置100に未払出数データ等を含むバックアップデータを送信する処理を行う。なお、払出制御装置200は、第1電圧への低下から第1所定時間(t3からt5)は動作可能であって、この第1所定時間内にバックアップ処理を行うようになっており、遊技制御装置100にデータを送信不能となる前に処理を完了して確実にバックアップを行うことができるようにされている。また、遊技制御装置100は、第1電圧への低下から第1所定時間以上の第2所定時間(t3からt5)は動作可能であって、この第2所定時間内に払出制御装置200から受信したバックアップデータや自身のデータをバックアップする処理を行うようになっており、動作不能となる前に処理を完了して確実にバックアップを行うことができるようにされている。
【0101】
その後、電圧が低下して、第1電圧よりも低い第2電圧となると、第2停電検出回路433により停電の発生が検出される(t4)。第2停電検出回路433により停電の発生が検出されると、第2停電検出信号生成回路434で第2停電検出信号が生成されて遊技制御装置100に出力される。第2停電検出信号は、停電検出信号2の出力状態の変化として送信される。停電検出信号2は、第2電圧となるまではON状態とされ、第2電圧となると第2停電検出信号生成回路434でOFF状態に変化されるようになっている。この出力状態の変化が第2停電検出信号をなす。遊技制御装置100は、払出制御装置200からバックアップデータを受信していなくても第2停電検出信号を受信することにより、自身のデータをバックアップする処理を行う。また、遊技制御装置100は、第2電圧への低下から第3所定時間(t4からt5)は動作可能であって、この第3所定時間内に自身のデータをバックアップする処理を行うようになっており、動作不能となる前に処理を完了して確実にバックアップを行うことができるようにされている。
【0102】
なお、電源の遮断(t1)から第2電圧に低下した後の所定時間(t5)までの期間はDC5V保証期間としてDC5Vが供給される期間となっており遊技制御装置100や払出制御装置200のCPUが動作可能な期間となっている。また、第2電圧に低下した後からDC5V保証期間の終了までの期間(t4からt5)は、遊技制御装置100でバックアップ処理を行うのに十分な期間とされており、確実にデータのバックアップ処理を行うことができるようになっている。
【0103】
次に、上記払出制御装置200のワンチップマイクロコンピュータ201によって実行される制御について説明する。ワンチップマイクロコンピュータ201では、図9に示す払出メイン処理が行われる。
【0104】
〔払出メイン処理〕
払出メイン処理は電源が投入されることで開始される。この払出メイン処理においては、まず、割込み禁止する処理(ステップA1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップA2)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップA3)を行う。
【0105】
次に、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップA4)、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップA5)。その後、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップA6)を行い、遊技制御装置100との通信を行うシリアルポートを設定する処理を行う(ステップA7)。
【0106】
そして、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップA8)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップA9)、入力制御、出力信号、受信バッファに係る領域をリセットする(ステップA10)。次に、ワンチップマイクロコンピュータ201(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(ステップA11)なお、CTC回路は、ワンチップマイクロコンピュータ201内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU201aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号を発生するCTC回路とを備えている。
【0107】
その後、割り込みを許可し(ステップA12)、払出関連データ受信処理(ステップA13)を行う。図11に示すように、払出関連データ受信処理では、まず、払出関連データの受信を待機する(ステップA31)。払出関連データとは、停電発生時に払出制御装置200が遊技制御装置100に送信し、遊技制御装置100でバックアップされていたデータであり、電源投入に伴い遊技制御装置100から送信されるようになっている。この払出関連データには停電発生時の情報として、スイッチの入力情報、遊技制御装置100からの賞球数データに基づく要求払出数、受信バッファの情報、払い出しを完了した遊技球数の情報が含まれる払出数監視領域の情報、払い出しが完了していない遊技球数の情報である未払出数データなどが含まれる。なお、遊技制御装置100にバックアップされたデータがない場合は、電源投入に伴い払出関連データとして空のデータが送信されるようになっている。
【0108】
この払出関連データを受信した場合(ステップA31;Yes)は、受信した払出関連データを対応する記憶領域に記憶し(ステップA32)、払出関連データ受信済みデータを遊技制御装置100に送信して(ステップA33)、払出関連データ受信処理を終了する。この払出関連データ受信処理を行った後、図10に示すように、遊技球の発射が可能であるかを判定する発射制御判定処理を行う(ステップA14)。
【0109】
その後、カードユニット600からの貸球情報に基づき遊技球を排出する球貸し制御モード中であるかを判定する(ステップA15)。この球貸しモードである場合(ステップA15;Yes)は、球貸し制御処理(ステップA19)を行い、払出制御処理(ステップA21)を行って、エラー報知編集処理(ステップA22)を行う。この球貸し制御処理(ステップA19)及び払出制御処理(ステップA21)により、遊技者が貸球操作を行った場合にカードユニット600から送信される貸球情報に基づき所定数の遊技球が排出される。
【0110】
一方、球貸し制御モード中でない場合(ステップA15;No)は、入賞口への入賞の発生により遊技制御装置100から送信される賞球数データに基づき遊技球を排出する賞球制御モード中であるかを判定する(ステップA16)。この賞球制御モード中である場合(ステップA16;Yes)は、賞球制御処理(ステップA20)を行い、払出制御処理(ステップA21)を行って、エラー報知編集処理(ステップA22)を行う。この賞球制御処理(ステップA20)及び払出制御処理(ステップA21)により、入賞口への入賞の発生により遊技制御装置100から送信される賞球数データに基づき所定数の遊技球が排出される。
【0111】
また、賞球制御モード中でない場合(ステップA16;No)は、遊技球を過剰に払い出したエラーの発生を監視する払出過剰エラー監視処理(ステップA17)を行い、払出装置制御開始判定処理(ステップA18)を行って、エラー報知編集処理(ステップA19)を行う。払出装置制御開始判定処理では、図12に示すように、払出過剰エラー中であるかを判定し(ステップA41)、払出過剰エラー中である場合(ステップA41;Yes)は、払出装置制御開始判定処理を終了する。また、払出過剰エラー中でない場合(ステップA41;No)は、賞球の払い出し制御を開始するかを判定する賞球制御開始判定処理(ステップA42)を行い、貸球の払い出し制御を開始するかを判定する球貸し制御開始判定処理(ステップA43)を行って、払出装置制御開始判定処理を終了する。
【0112】
図13に示すように賞球制御開始判定処理では、まず、賞球数データに基づき払いだすべき数の遊技球のうち、未だ払い出しが完了していない遊技球数である払出側未払出数が0であるかを判定する(ステップA51)。この払出側未払出数が0である場合(ステップA51;Yes)は、賞球制御開始判定処理を終了する。また、払出側未払出数が0でない場合(ステップA51;No)は、払出禁止中であるかを判定する(ステップA52)。
【0113】
払出禁止中である場合(ステップA52;Yes)は、賞球制御開始判定処理を終了する。また、払出禁止中でない場合(ステップA52;No)は、シュート球切れスイッチが未確定状態であるかを判定する(ステップA53)。シュート球切れスイッチが未確定状態である場合(ステップA53;Yes)、すなわち球切れである場合は、賞球制御開始判定処理を終了する。また、シュート球切れスイッチが未確定状態でない場合(ステップA53;No)、すなわち球切れでない場合は、オーバーフロースイッチが未確定状態であるかを判定する(ステップA54)。
【0114】
オーバーフロースイッチが未確定状態でない場合(ステップA54;No)、すなわちオーバーフロー中である場合は、賞球制御開始判定処理を終了する。また、オーバーフロースイッチが未確定状態である場合(ステップA54;Yes)、すなわちオーバーフロー中でない場合は、払出装置制御モードに賞球制御モード中を設定し(ステップA55)、賞球制御開始判定処理を終了する。これにより賞球の払い出し制御が開始される。
【0115】
なお、図12に示す球貸し制御開始判定処理(ステップA43)では、図13に示した賞球制御開始判定処理における払出側未払出数が0であるかの判定(ステップA51)に替えて賞球制御モードが設定されているかを判定し、賞球制御モードが設定されていない場合にステップA52からA54の処理を行う。そして、オーバーフロースイッチが未確定状態である場合(ステップA54;Yes)、すなわちオーバーフロー中でない場合は、払出装置制御モードに球貸し制御モード中を設定し球貸し制御開始判定処理を終了する処理を行う。
【0116】
図10に戻り、エラー報知編集処理(ステップA22)を行った後、停電検出信号1がOFFであるかを判定する(ステップA23)。停電検出信号1のONからOFFへの変化は第1停電検出信号として定義されており、この第1停電検出信号の受信により停電の発生を検出するようになっている。停電検出信号1がOFFでない場合(ステップA23;No)、すなわち停電が発生していない場合は、発射制御判定処理(ステップA14)に戻る。また、停電検出信号1がOFFである場合(ステップA23;Yes)、すなわち停電が発生して第1停電検出信号を受信した場合は、停電時払出関連データ送信処理(ステップA24)を行う。
【0117】
停電時払出関連データ送信処理(ステップA24)では、現時点でのスイッチの入力情報、遊技制御装置100からの賞球数データに基づく要求払出数、受信バッファの情報、払い出しを完了した遊技球数の情報が含まれる払出数監視領域の情報、払い出しが完了していない遊技球数の情報である未払出数データなどが含まれる払出関連データを遊技制御装置100に送信する処理を行う。その後、割り込みを禁止し(ステップA25)、全出力ポートをオフにして(ステップA26)、RWMへのアクセスを禁止し(ステップA27)、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。なお、ステップA24からA27の処理は、第1電圧への低下から払出制御装置200が動作可能な時間である第1所定時間内に完了するようになっている。すなわち、払出制御装置200が、第1停電検出信号の受信に基づいて、第1所定時間内に未払出数記憶手段の未払出数データを遊技制御装置100に送信する停電処理手段をなす。
【0118】
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図14に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図20に示すタイマ割込み処理とからなる。
【0119】
〔メイン処理〕
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図14に示すように、まず、初期化処理(ステップB1)を行う。この初期化処理では、割込み禁止する処理を行い、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理を行う。
【0120】
次に、払出制御装置200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する。また、シリアルポートを設定する処理を行う。
【0121】
この初期化処理を行った後、停電復旧処理(ステップB2)を行い、割込みを許可する(ステップB3)。その後、バックアップしていたデータを払出制御装置200に送信する払出関連データ送信処理(ステップB4)を行い、表示装置41に未払出数を表示する払出側未払出数データ表示処理を行う(ステップB5)。
【0122】
そして、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップB6)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。また、初期値乱数更新処理(ステップB6)の前に割込みを許可する(ステップB3)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0123】
なお、上記ステップB6での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0124】
上記ステップB6の初期値乱数更新処理の後、払出関連データを受信したかを判定する(ステップB7)。払出関連データは、払出制御装置200が第1停電検出信号を受信したことに基づき送信するデータであり、この払出関連データを受信した場合(ステップB7;Yes)は、払出関連データをバックアップ可能記憶領域に記憶し(ステップB9)、停電発生時の処理を行う(ステップB10からB16)。また、払出関連データを受信していない場合(ステップB7;No)は、停電検出信号2がOFFであるかを判定する(ステップB8)。
【0125】
停電検出信号2のONからOFFへの変化は第2停電検出信号として定義されており、この第2停電検出信号の受信により払出関連データを受信しなくても停電の発生を検出するようになっている。停電検出信号2がOFFでない場合(ステップB8;No)、すなわち停電が発生していない場合は、初期値乱数更新処理(ステップB6)に戻る。また、停電検出信号2がOFFである場合(ステップB8;Yes)、すなわち停電が発生した場合は、停電発生時の処理を行う(ステップB10からB16)。
【0126】
停電発生時の処理では、割込みを禁止し(ステップB10)、全出力ポートをオフにする(ステップB11)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップB12)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップB13)。そして、チェックサムを算出する処理(ステップB14)を行った後、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブし(ステップB15)、RWMへのアクセスを禁止して(ステップB16)、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0127】
なお、払出関連データの受信(ステップB7;Yes)からRAMアクセスを禁止する処理(ステップB16)までの処理は、第1電圧への低下から遊技制御装置100が動作可能な時間である第2所定時間内に行われるようになっている。また、停電検出信号2がOFFとなることによる第2停電検出信号の受信(ステップB8;Yes)からRAMアクセスを禁止する処理(ステップB16)までの処理は、第2電圧への低下から遊技制御装置100が動作可能な時間である第3所定時間内に行われるようになっている。以上のことから、遊技制御装置100が、データのバックアップ処理を行うバックアップ手段をなす。
【0128】
〔停電復旧処理〕
図15には、図14に示したメイン処理における停電復旧処理(ステップB2)を示した。この停電復旧処理では、まず、電源装置400内の初期化スイッチが操作されることでオンとなる初期化スイッチ信号がオンであるかを判定し(ステップB21)。初期化スイッチ信号がオフである場合(ステップB21;No)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるかをチェックする(ステップB22)。そして、正常であれば(ステップB23;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるかをチェックする(ステップB24)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップB25;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップB26)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップB27)、一致するかを判定する(ステップB28)。そして、一致する場合(ステップB28;Yes)は、停電から正常に復旧した場合の処理(ステップB29からB35)を行う。
【0129】
また、初期化スイッチ信号がオンである場合(ステップB21;Yes)や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップB23;NoもしくはステップB25;No)、チェックサムが正常でない(ステップB28;No)と判定された場合(停電時にデータが正しくバックアップされなかったり停電復旧時にバックアップされていたデータが破損していたりしたなどの場合)は、初期化の処理(ステップB36からB40)を行う。
【0130】
停電から正常に復旧した場合の処理では、全ての停電検査領域をクリアし(ステップB29)、チェックサム領域をクリアして(ステップB30)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップB31)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップB32)。
【0131】
そして、高確率である場合(ステップB32;Yes)は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップB33)、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップB34)。その後、後述の特図ゲーム処理の処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信し(ステップB35)、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(ステップB41)。また、高確率でない場合(ステップB32;No)は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを送信し(ステップB35)、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(ステップB41)。
【0132】
一方、初期化の処理では、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップB36)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップB37)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップB38)。そして、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)の出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブし(ステップB39)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップB40)、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(ステップB41)。
【0133】
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0134】
上記ステップB41のCTC起動処理の後、乱数生成回路を起動する(ステップB42)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブして(ステップB43)、停電復旧処理を終了する。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0135】
〔払出関連データ送信処理〕
図16には、図14に示したメイン処理における払出関連データ送信処理(ステップB4)を示した。この払出関連データ送信処理では、まず、遊技制御装置100でバックアップしていた払出関連データを払出制御装置200に送信する(ステップB51)。なお、バックアップしたデータがない場合は、払出関連データとして空のデータを送信する。そして、払出制御装置200からの払出関連データ受信済みデータの受信を待ち(ステップB52)、払出関連データ受信済みデータを受信した場合(ステップB52;Yes)は、払出関連データ送信処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、電源遮断状態から復帰後、バックアップ記憶手段に記憶された未払出数データを払出制御装置200に送信する停電復帰送信手段をなす。
【0136】
〔払出側未払出数データ表示処理〕
図17には、図14に示したメイン処理における払出側未払出数データ表示処理(ステップB5)を示した。この払出側未払出数データ表示処理では、まず、バックアップしていた払出側未払出数データの未払出数が16個以上であるかを判定する(ステップB61)。そして、未払出数が16個未満である場合(ステップB61;No)は、特図/普図タイマ更新を許容し(ステップB66)、払出側未払出数データ表示処理を終了する。
【0137】
特図/普図タイマは、遊技制御装置100において特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームを実行する各種処理での計時を行うためのタイマである。このタイマにより各種処理で必要な時間を計時し、タイマがタイムアップすることにより遊技状態を更新することで遊技が進行するようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、遊技状態を更新する為の遊技タイマを更新する遊技タイマ更新手段をなす。
【0138】
未払出数が16個以上である場合(ステップB61;Yes)は、払出側未払出数データを表示装置に送信するために設定を行い(ステップB62)、特図/普図タイマ更新を許容する(ステップB63)。その後、演出制御装置に払出側未払出数データを送信し(ステップB64)、状態移行フラグをOFFにして(ステップB65)、払出側未払出数データ表示処理を終了する。
【0139】
この処理により、未払出数が16個以上である場合は、図18(a)に示すように未払い出しの遊技球数が表示装置41に表示されて払い出しが行われる。このとき、特図/普図タイマ更新は開始されているので、一定の区切りまでは遊技の進行が可能となっている。このように未払出数データに対応する遊技球の払い出し完了前に特図/普図タイマの更新を開始することで、未払い出しの遊技球の払い出しに時間がかかっても、遊技の進行が遅延することを防止できる。その後、未払出数が16個未満となると、一定の区切りまで進行した遊技の表示が表示され、遊技の続きが開始されるようになっている。以上のことから、遊技制御装置100は、電源遮断状態から復帰後、未払出数が所定数以下になるまで報知を行うようにしたこととなる。
【0140】
また、未払出数が16個未満である場合は、図18(b)に示すように停電発生時の遊技の表示が表示されて払い出しが行われる。この場合も未払出数データに対応する遊技球の払い出し完了前に特図/普図タイマの更新が開始されていて、この場合は当初から遊技の続きが開始されるようになっており、未払い出しの遊技球がある状態でも、その数が少ない場合は遊技者に発射遊技を促すことができ、遊技に早く復帰できる。なお、遊技機で異常が発生していた状態で停電が発生し、その後停電が復旧した場合や、未払い出しの遊技球数が異常に多い場合(例えば1万個以上)は、図18(c)に示すように表示装置41で異常報知が行われるようになっている。
【0141】
〔チェックサム算出処理〕
図19には、図14に示したメイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップB14)及び図15に示した停電復旧処理におけるチェックサム算出処理(ステップB26)を示した。このチェックサム算出処理では、まず、算出アドレスの開始値としてRWMの先頭アドレスを設定し(ステップB71)、繰り返し数を設定して(ステップB72)、算出値として0を設定する(ステップB73)。
【0142】
そして、算出アドレスの内容をロードし、ロードした値に算出値を加算した値を新たな算出値とする(ステップB74)。次に、算出アドレスを+1更新し(ステップB75)、繰り返し数を−1更新して、繰り返し数が0となりチェックサムの算出が終了したかをチェックする(ステップB76)。算出が終了していない場合(ステップB77;No)は、ステップB74へ戻って上記処理を繰り返す。また、算出が終了した場合(ステップB77;Yes)は、チェックサム算出処理を終了する。
【0143】
以上の処理により、遊技制御装置100では、払出制御装置200から未払出数データを受信することに基づき、第2所定時間の終了前に当該未払出数データをバックアップ記憶手段に記憶するとともに、自身のデータのバックアップ処理が行われることとなる。また、払出制御装置200から未払出数データを受信せずに第2停電検出信号を受信した場合は、第3所定時間内に自身のデータのバックアップ処理が行われることとなる。
【0144】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図20のタイマ割込み処理が開始される。
【0145】
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップB81)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理や、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理を行う入出力処理(ステップB82)を行う。
【0146】
そして、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップB83)を行い、乱数更新処理1(ステップB84)、初期値乱数更新処理(ステップB85)、乱数更新処理2(ステップB86)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視を行う入賞口スイッチ監視処理(ステップB87)を行い、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行うエラー監視処理(ステップB88)を行う。
【0147】
そして、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップB89)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップB90)を行い、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップB91)を行う。
【0148】
次に、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップB92)を行い、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(ステップB93)。その後、ステップB81で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップB94)を行い、割込みを許可する処理(ステップB95)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0149】
〔電源断情報受信処理〕
図21には、図20に示したタイマ割り込み処理における入出力処理(ステップB82)で行われる電源断情報受信処理を示した。この電源断情報受信処理では、まず、第2停電検出信号を受信したかを判定する(ステップB100)。第2停電検出信号は、停電検出信号2のONからOFFへの変化として定義される信号であり、この第2停電検出信号を受信していない場合(ステップB101;No)は、電源断情報受信処理を終了する。また、第2停電検出信号を受信した場合(ステップB101;Yes)は、対応する払出制御データをバックアップ記憶領域に格納し(ステップB102)、払出制御装置への賞球数データの送信を停止して(ステップB103)、電源断情報受信処理を終了する。
【0150】
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップB89)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0151】
図22に示すように、特図ゲーム処理では、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップB111)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
【0152】
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップB112)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。その後、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがすでにタイムアップしているか又は更新によりタイムアップしたか否かをチェックして(ステップB113)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップB133;No)と判定すると、処理をステップB129に移行して、それ以降の処理を行う。また、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップB114;Yes)と判定すると、状態移行フラグがONであるかを判定する(ステップB115)。
【0153】
状態移行フラグは、後述する処理番号によって分岐する処理において次の処理への移行を許容するか否かを設定するフラグである。この状態移行フラグがONである場合(ステップB115;Yes)は、処理番号によって分岐する処理において次の処理への移行が許容され、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップB118)。その後、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップB119)、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップB120)、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップB121)を行う。
【0154】
ステップB121にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップB122)を行う。ステップB121にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップB123)を行う。
【0155】
ステップB121にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップB124)を行う。ステップB121にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップB125)を行う。
【0156】
ステップB121にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップB126)を行う。ステップB121にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップB127)を行う。
【0157】
ステップB121にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップB122)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップB128)を行う。この大当り終了処理では、特別結果の種類に基づき特別遊技状態の終了後の遊技状態として確変状態とするか否か及び時短状態とするか否かが設定される。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後の遊技状態を、当該特別遊技状態の発生の契機となった特別結果の種類により設定する遊技状態設定手段をなす。
【0158】
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップB129)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップB130)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップB131)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップB132)を行う。
【0159】
一方、状態移行フラグがONであるかの判定(ステップB115)において、状態移行フラグがOFFである場合(ステップB115;No)は、現在の払出側未払出数データの未払出数が16個以上であるかを判定する(ステップB116)。そして、払出側未払出数データの未払出数が16個以上である場合(ステップB116;Yes)は、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備する処理(ステップB129)以降の処理を行う。これにより、処理番号によって分岐する処理において次の処理へ移行しないようになる。また、払出側未払出数データの未払出数が16個未満である場合(ステップB116;No)は、状態移行フラグをONにし(ステップB117)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップB118)以降の処理を行う。
【0160】
状態移行フラグがOFFとされるのは、電源投入時にバックアップされていた払出側未払出数データの未払出数が16個以上である場合である(図17参照)。この場合、順次払い出しが行われ、未払出数が16個未満となるまでは処理番号によって分岐する処理において次の処理へ移行しないようにされる。そして、未払出数が16個未満となると処理番号によって分岐する処理において次の処理への移行が許容される。
【0161】
ただし、状態移行フラグがOFFであっても特図/普図タイマの更新は許容されているので、現在滞在している処理中での遊技は進行するので、一定の区切りまでは遊技が進行するようになっている。なお、大入賞口開放中処理(ステップB126)の実行中であって特別変動入賞装置38を開放している場合は、カウントスイッチ監視処理(ステップB112)で入賞数を監視しているので、入賞数が規定数に到達した時点で特別変動入賞装置38が閉鎖されるようになっており、特別変動入賞装置38が開放したままとなることがないようになっている。
【0162】
以上のような処理により、通常時は未払出数データを払出制御装置200のみで管理することで遊技制御装置100の負担を軽減できる。また、停電発生時には、遊技制御装置100のみでバックアップを行うため、遊技制御装置100のみがバックアップ機能を備えればよく、コストダウンを図ることができる。また、第1電圧に低下した際に払出制御装置200から未払出数データが送信されず、第1電圧への低下を契機に遊技制御装置100でバックアップ処理が開始されなくても、第2電圧への低下により必ずバックアップ処理が開始されるので、少なくとも遊技制御装置100のデータは確実にバックアップされるようになり、データの損失を最低限に抑えることができる。
【0163】
以上のことから、遊技盤30の遊技領域32に設けられた入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35)に遊技球が入賞したことを条件として、賞球数データを送信する遊技制御装置100と、遊技制御装置100から受信した賞球数データを未払出数データとして記憶する未払出数記憶手段(払出制御装置200)を備え、該未払出数記憶手段に記憶された未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置200と、遊技機外部から供給される定格電圧から所定の電源電圧を生成して各制御装置に供給する電源装置400と、を備える遊技機において、電源装置400は、電源電圧が、第1電圧に低下したことを検出し、第1停電検出信号を生成する第1停電検出手段(第1停電検出回路431)と、第1停電検出信号を払出制御装置200に送信する第1送信手段(第1停電検出信号生成回路432)と、を備え、払出制御装置200は、第1電圧への低下から第1所定時間は動作可能であり、第1停電検出信号の受信に基づいて、第1所定時間内に未払出数記憶手段の未払出数データを遊技制御装置に送信する停電処理手段(払出制御装置200)を備え、遊技制御装置100は、第1電圧への低下から第1所定時間以上の第2所定時間は動作可能であり、電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段(遊技制御装置100)と、払出制御装置200から未払出数データを受信することに基づき、第2所定時間内に当該未払出数データをバックアップ記憶手段に記憶するとともに、自身のデータのバックアップ処理を行うバックアップ手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
【0164】
また、遊技盤30の遊技領域32に設けられた入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35)に遊技球が入賞したことを条件として、賞球数データを送信する遊技制御装置100と、遊技制御装置100から受信した賞球数データを未払出数データとして記憶する未払出数記憶手段(払出制御装置200)を備え、該未払出数記憶手段に記憶された未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置200と、遊技機外部から供給される定格電圧から所定の電源電圧を生成して各制御装置に供給する電源装置400と、を備える遊技機において、電源装置400は、電源電圧が第1電圧に低下したことを検出し、第1停電検出信号を生成する第1停電検出手段(第1停電検出回路431)と、第1電圧よりも低い第2電圧に低下したことを検出し、第2停電検出信号を生成する第2停電検出手段(第2停電検出回路433)と、第1停電検出信号を払出制御装置200に送信する第1送信手段(第1停電検出信号生成回路432)と、第2停電検出信号を遊技制御装置100に送信する第2送信手段(第2停電検出信号生成回路434)と、を備え、払出制御装置200は、第1電圧への低下から第1所定時間は動作可能であり、第1停電検出信号の受信に基づいて、第1所定時間内に未払出数記憶手段の未払出数データを遊技制御装置100に送信する停電処理手段(払出制御装置200)を備え、遊技制御装置100は、第2電圧への低下から第3所定時間までは動作可能であり、電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段(遊技制御装置100)と、データのバックアップ処理を行うバックアップ手段(遊技制御装置100)と、を備え、バックアップ手段は、払出制御装置200から未払出数データを受信することに基づき、第3所定時間の終了前に当該未払出数データをバックアップ記憶手段に記憶するとともに、自身のデータのバックアップ処理を行い、払出制御装置200から未払出数データを受信せずに第2停電検出信号を受信した場合は、第3所定時間内に自身のデータのバックアップ処理を行うようにしていることとなる。
【0165】
また、遊技盤30の遊技領域32に設けられた入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35)に遊技球が入賞したことを条件として、賞球数データを送信する遊技制御装置100と、遊技制御装置100から受信した賞球数データを未払出数データとして記憶する未払出数記憶手段(払出制御装置200)を備え、該未払出数記憶手段に記憶された未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置200と、遊技機外部から供給される定格電圧から所定の電源電圧を生成して各制御装置に供給する電源装置400と、を備える遊技機において、電源装置400は、電源電圧が第1電圧に低下したことを検出し、第1停電検出信号を生成する第1停電検出手段(第1停電検出回路431)と、第1停電検出信号を払出制御装置200に送信する第1送信手段(第1停電検出信号生成回路432)と、を備え、払出制御装置200は、第1電圧への低下から第1所定時間は動作可能であり、第1停電検出信号の受信に基づいて、第1所定時間内に未払出数記憶手段の未払出数データを遊技制御装置100に送信する停電処理手段(払出制御装置200)を備え、遊技制御装置100は、第1電圧への低下から第1所定時間以上の第2所定時間は動作可能であり、電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段(遊技制御装置100)と、払出制御装置200から未払出数データを受信することに基づき、第2所定時間内に当該未払出数データをバックアップ記憶手段に記憶するとともに、自身のデータのバックアップ処理を行うバックアップ手段(遊技制御装置100)と、電源遮断状態から復帰後、バックアップ記憶手段に記憶された未払出数データを払出制御装置200に送信する停電復帰送信手段(遊技制御装置100)と、遊技状態を更新する為の遊技タイマを更新する遊技タイマ更新手段(遊技制御装置100)と、を備え、遊技タイマ更新手段は、未払出数データに対応する遊技球の払い出し完了前に遊技タイマの更新を開始するようにしていることとなる。
【0166】
また、遊技制御装置100は、電源遮断状態から復帰後、未払出数が所定数以下になるまで報知を行うようにしていることとなる。
【0167】
〔第1変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、電源投入時に制御装置が相互認証を行い、正当性を確認するようになっている。また、遊技制御装置100は、相互認証の後に払出制御装置200で遊技球の払い出しが開始してから新たな賞球数データを送信するようにしている。
【0168】
図23には、遊技制御装置100と払出制御装置200との間で送受信されるデータを示した。遊技制御装置100と払出制御装置200は電源投入時に相互認証データを送受信することで、互いの制御装置の正当性を確認し、不正な制御装置の交換を防止するようになっている。
【0169】
また、遊技制御装置100は、入賞口への入賞に伴い賞球数データを含む個数別賞球コマンドを送信し、払出制御装置200に遊技球の払い出しを行わせる。そして、払出制御装置200は、賞球数データに対応する遊技球の払い出しが完了する毎に遊技制御装置100に個数別払出完了信号を送信する。また、払出制御装置200が起動している状態で遊技制御装置100が後から起動した場合には、払出制御装置200が未だ払い出しが完了していない遊技球数である払出側未払出数の有無を示す払出側未払出数有無データを遊技制御装置100に送信する。
【0170】
遊技制御装置100と払出制御装置200との間でシリアル通信により双方向で通信を行うシリアル通信手段としては、第1シリアル通信手段と第2シリアル通信手段が設けられている。第1シリアル通信手段は、データを暗号化して送信する暗号化通信手段であり、第2シリアル通信手段は、データを暗号化せずに送信する通常通信手段である。相互認証を行うためのデータの送受信には第1シリアル通信手段を用い、相互認証の手順や通信内容を秘匿するようにしている。また、その他のデータの送受信には第2シリアル通信手段を用いる。特に、停電発生時に払出制御装置200から遊技制御装置100に送信するバックアップデータの送信に第2シリアル通信手段を用いることで、データの暗号化及び復号化の処理を省くことができ、電源遮断前に確実にバックアップデータを送信することができる。
【0171】
〔賞球制御処理〕
払出制御装置200では、図10に示した払出メイン処理における賞球制御処理(ステップA20)において図24に示す処理を行う。この賞球制御処理では、まず賞球処理番号をロードし(ステップA61)、処理番号による分岐処理を行う(ステップA62)。処理番号が0である場合は、賞球数データに応じた賞球の払い出しを開始する賞球払出開始処理(ステップA63)を行う。処理番号が1である場合は、賞球払出リトライ判定処理(ステップA64)を行う。処理番号が2である場合は、賞球払出不足エラー解除待ち処理(ステップA65)を行う。処理番号が3である場合は、賞球数データに応じた賞球の払い出しを完了する賞球払出終結処理(ステップA66)を行う。
【0172】
〔賞球払出開始処理〕
図25には、上述の賞球払出開始処理(ステップA63)を示した。この賞球払出開始処理では、払出装置210のモータ211を制御して賞球数データに応じた所定数の遊技球を払い出させる払出モータ制御処理(ステップA71)を行い、賞球処理番号に賞球払出リトライ判定処理の番号である1を設定して(ステップA72)、賞球払出開始処理を終了する。この処理により、賞球数データに応じた所定数の遊技球が払い出されることとなる。
【0173】
〔賞球払出終結処理〕
図26には、上述の賞球払出終結処理(ステップA66)を示した。この賞球払出終結処理は、賞球数データに対応する賞球の払出が完了した場合に行われる。この賞球払出終結処理では、まず、検出用払出数監視フラグをクリアし(ステップA81)、過剰に払い出した遊技球である過剰球の検出があるかを判定する(ステップA82)。過剰球の検出がある場合(ステップA82;Yes)は、払出モータ制御状態に初期位置確定動作を設定し(ステップA83)、過剰球検出フラグをクリアする(ステップA85)。また、過剰球の検出がない場合(ステップA82;No)は、払出モータ制御状態に基本動作を設定し(ステップA84)、過剰球検出フラグをクリアする(ステップA85)。
【0174】
その後、払出完了信号を遊技制御装置100に送信し(ステップA86)、賞球処理番号に賞球払出開始処理の番号である0を設定する(ステップA87)。そして、払出装置制御モードに待機動作モード中を設定し(ステップA88)、賞球払出終結処理を終了する。この処理により、賞球数データに応じた所定数の遊技球の払出が完了する毎に遊技制御装置100に払出完了信号が送信されるようになる。すなわち、払出制御装置200が、賞球数データに対応する数の遊技球の払い出しが完了したことを示す払出完了信号を遊技制御装置100に送信する払出完了信号送信手段をなす。
【0175】
図27、図28には、遊技制御装置100と払出制御装置200の相互認証の処理を示した。図27には、遊技制御装置100が起動した状態で払出制御装置200が後から起動した場合に行われる相互認証の処理を示した。なお、通常の電源投入時には、このように遊技制御装置100が起動した状態で払出制御装置200が後から起動するようになっている。
【0176】
遊技制御装置100ではタイマ割り込み処理において相互認証処理を行う。この相互認証処理では、相互認証データを受信したかを判定し(ステップB141)、受信していない場合(ステップB141;No)は、相互認証処理を終了する。また、受信した場合(ステップB141;Yes)は、相互認証に関する処理を行う。
【0177】
払出制御装置200では、電源投入時に停電復帰処理を行う。この停電復帰処理では、まず、相互認証データを遊技制御装置100に送信し(ステップA91)、遊技制御装置100からの相互認証データの受信を待機する。この相互認証データには、払出制御装置200を識別可能な固有ID(払出ID)の情報が含まれている。
【0178】
遊技制御装置100では、払出制御装置200からの相互認証データの受信(ステップB141;Yes)に基づき、相互認証に関する処理として、相互認証データが正当なものであるかを判定する(ステップB142)。相互認証データが正当なものであるかの判定では、電源遮断前に払出制御装置200から受信し、バックアップされた相互認証データと、今回払出制御装置200から受信した相互認証データが一致するかを判定し、一致しない場合は正当でないと判定して(ステップB142;No)、相互認証処理を終了する。また、一致する場合は正当であると判定して(ステップB142;Yes)、払出制御装置200に相互認証データを送信する(ステップB143)。
【0179】
払出制御装置200では、遊技制御装置100で相互認証が完了することで送信された相互認証データを受信した場合(ステップA93)には、電源遮断時に払出制御装置200から遊技制御装置100に送信して遊技制御装置100でバックアップされていた払出制御装置用データの受信を待機する。また、遊技制御装置100で相互認証が完了せず、相互認証データを受信せずに所定時間が経過した場合(ステップA92;Yes)は、エラー報知を行う(ステップA97)。
【0180】
遊技制御装置100では、相互認証データを送信する処理(ステップB143)の後、バックアップしていた払出側未払出数データを確認し(ステップB144)、この払出側未払出数データを含むバックアップしていたデータを、払出制御装置200に払出制御装置用データとして送信する(ステップB145)。
【0181】
払出制御装置200では、遊技制御装置100から払出制御装置用データを受信した場合(ステップA95;Yes)に、受信したデータを対応する記憶領域に記憶する(ステップA96)。また、払出制御用データを受信せずに所定時間が経過した場合(ステップA94;Yes)は、エラー報知を行う(ステップA98)。
【0182】
図28には、払出制御装置200が起動した状態で遊技制御装置100が後から起動した場合に行われる相互認証の処理を示した。この場合は、例えば遊技制御装置100でエラーが発生して遊技制御装置100のみが再起動した場合などが考えられる。
【0183】
遊技制御装置100では電源投入時に停電復帰処理を行う。この停電復帰処理では、まず停電復帰であるかを判定する(ステップB151)。ここでの停電復帰とは、例えば遊技制御装置100でエラーが発生して再起動した場合のような通常の電源投入ではない電源投入のことである。この停電復帰でない場合(ステップB151;No)は、停電復帰処理を終了する。また、停電復帰である場合(ステップB151;Yes)は、払出制御装置200等に相互認証データを送信し(ステップB152)、払出制御装置200等からの相互認証データの受信を待機する。この遊技制御装置100が送信する相互認証データには、遊技制御装置100を識別可能な固有ID(遊技ID)の情報が含まれている。
【0184】
払出制御装置200では、タイマ割り込み処理において相互認証処理を行う。この相互認証処理では、相互認証データを受信したかを判定し(ステップA101)、受信していない場合(ステップA101;No)は、相互認証処理を終了する。また、受信した場合(ステップA101;Yes)は、相互認証に関する処理を行う。
【0185】
相互認証データを受信した場合(ステップA101;Yes)は、相互認証に関する処理として相互認証データが正当なものであるかを判定する(ステップA102)。相互認証データが正当なものであるかの判定では、今回の相互認証データの受信前に遊技制御装置100から受信した相互認証データと、今回受信した相互認証データが一致するかを判定し、一致しない場合は正当でないと判定して(ステップA102;No)、相互認証処理を終了する。また、一致する場合は正当であると判定して(ステップA102;Yes)、遊技制御装置100に相互認証データを送信する(ステップA103)。
【0186】
遊技制御装置100では、払出制御装置200で相互認証が完了することで送信された相互認証データを受信した場合(ステップB154;Yes)には、払出側未払出数データ有無コマンドの受信を待機する。また、払出制御装置200で相互認証が完了せず、相互認証データを受信せずに所定時間が経過した場合(ステップB153;Yes)は、エラー報知を行う(ステップB160)。
【0187】
払出制御装置200では、相互認証データを送信した後に、賞球数データを受信しているが未払い出しとなっている遊技球の数である払出側未払出数データを確認し(ステップA104)、払出側未払出数データがあるか否かの情報を含む払出側未払出数データ有無コマンドを遊技制御装置200に送信する(ステップA105)。
【0188】
遊技制御装置100では、所定時間の間に払出制御装置200から払出側未払出数有無コマンドを受信しなかった場合(ステップB155;No)は、エラー報知を行う(ステップB161)。また、払出側未払出数有無コマンドを受信した場合(ステップB155;Yes)は、払出側未払出数有無コマンドに基づき払出側未払出数データがあるかを判定する(ステップB157)。そして、払出側未払出数データがある場合(ステップB157;Yes)は、払出完了信号を受信するまで賞球数データを送信しないようにする処理を行う(ステップB158)。また、払出側未払出数データがない場合(ステップB157;No)は、記憶された賞球数データを送信する処理を行う(ステップB159)。
【0189】
すなわち、遊技制御装置100が、電源遮断状態からの復帰後、払出制御装置200と相互認証を行う遊技側相互認証手段をなす。また、遊技制御装置100が、払出制御装置200から受信した未払出球有無データの判定結果に基づき賞球数データを送信する賞球数データ送信復帰処理をなす。また、払出制御装置200が、遊技制御装置100と相互認証を行う払出側相互認証手段をなす。また、払出制御装置200が、遊技制御装置100と払出制御装置200が相互認証された場合、払出用未払出数データの有無を示す未払出球有無データを送信する未払出球有無データ送信手段をなす。
【0190】
この処理により、遊技制御装置100の電源遮断状態からの復帰後、払出用未払出数データがない旨の未払出球有無データを受信するまでの期間、及び、払出用未払出数データがある旨の未払出球有無データを受信し、かつ、払出完了信号を受信するまでの期間が賞球数データを送信しない送信禁止期間とされる。これにより、停電復旧後に払出制御装置200で遊技球の払い出しが開始されたことを確認してから賞球数データを送信するようになるので、停電復旧時の払出制御装置200の処理負担を軽減することができる。例えば、払出制御装置200で払い出しが完了していないにもかかわらず、遊技制御装置100が新たな賞球数データを送信してしまうことを防止できる。この送信禁止期間の経過後は、払出完了信号の受信を待たずに賞球数データを送信するようになっており、払い出しをスピーディーに行うことができるようにしている。
【0191】
以上のことから、遊技盤30の遊技領域32に設けられた入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35)に遊技球が入賞したことを条件として、賞球数データを送信する遊技制御装置100と、遊技制御装置100から受信した賞球数データを払出用未払出数データとして記憶する払出用未払出数記憶手段(払出制御装置200)を備え、該払出用未払出数記憶手段に記憶された払出用未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置200と、を備える遊技機において、払出制御装置200は、賞球数データに対応する数の遊技球の払い出しが完了したことを示す払出完了信号を遊技制御装置100に送信する払出完了信号送信手段(払出制御装置200)と、遊技制御装置100と相互認証を行う払出側相互認証手段(払出制御装置200)と、遊技制御装置100と払出制御装置200が相互認証された場合、払出用未払出数データの有無を示す未払出球有無データを送信する未払出球有無データ送信手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御装置100は、払出制御装置200に賞球数データを送信する賞球数データ送信手段(遊技制御装置100)と、電源遮断状態からの復帰後、払出制御装置200と相互認証を行う遊技側相互認証手段(遊技制御装置100)と、を備え、賞球数データ送信手段は、遊技制御装置100の電源遮断状態からの復帰後、払出用未払出数データがない旨の未払出球有無データを受信するまでの期間、及び、払出用未払出数データがある旨の未払出球有無データを受信し、かつ、払出完了信号を受信するまでの期間を送信禁止期間として賞球数データを送信しないようにしていることとなる。
【0192】
また、賞球数データ送信手段(遊技制御装置100)は、送信禁止期間の経過後は払出完了信号の受信を待たずに賞球数データを送信するようにしたこととなる。
【0193】
図29、図30には、図27に示した遊技制御装置100で行われる相互認証処理で相互認証を行うための処理の一例を示した。払出制御装置200では、図10に示した払出メイン処理における停電時払出関連データ送信処理(ステップA24)において、払出制御装置200を識別可能な固有IDである払出IDを遊技制御装置100に送信する。遊技制御装置100では、図14に示したメイン処理における払出関連データをバックアップ可能記憶領域に記憶する処理(ステップB9)において、図29に示す停電時処理を行う。
【0194】
〔停電時処理〕
この停電時処理では、まず、払出IDを受信したかを判定し(ステップB171)、払出IDを受信した場合(ステップB171;Yes)は、払出IDをバックアップ可能な記憶領域に記憶し(ステップB172)、停電時処理を終了する。
【0195】
〔ID確認処理〕
そして、遊技制御装置100では、図27に示した相互認証処理において、図30に示すID確認処理を行う。このID確認処理では、まず、払出IDを受信したかを判定し(ステップB181)、払出IDを受信した場合(ステップB181;Yes)は、停電時処理でバックアップした停電前の払出IDと今回受信した停電後の払出IDが同じであるかを判定する(ステップB182)。
【0196】
IDが同じである場合(ステップB182;Yes)は、正常復帰処理(ステップB183)を行い、ID確認処理を終了する。この場合、図27に示した相互認証処理において払出制御装置200が正当であると判定され(ステップB142;Yes)、払出制御装置200に相互認証データが送信される(ステップB143)。また、IDが同じでない場合(ステップB182;No)は、エラー報知処理(ステップB184)を行い、ID確認処理を終了する。この場合、図27に示した相互認証処理において払出制御装置200が正当でないと判定され(ステップB142;No)、相互認証処理が終了する。
【0197】
また、図29、図30に示す処理に替えて図31、図32に示す処理を行うようにしても良い。図31に示す停電時処理では、払出IDを受信した場合(ステップB171;Yes)に、払出IDと遊技制御装置100を識別可能な遊技ID(自身のID)の合計値をバックアップ可能な記憶領域に記憶する(ステップB191)。
【0198】
また、図32に示すID確認処理では、払出IDを受信した場合(ステップB181;Yes)に、バックアップしていた合計IDから受信した払出IDを減算し、自身の遊技IDであるかを判定する(ステップB192)。そして、自身の遊技IDである場合(ステップB192;Yes)は正常復帰処理(ステップB182)を行い、自身の遊技IDで無い場合(ステップB192;No)は、エラー報知処理(ステップB183)を行うようにする。
【0199】
このようにIDを確認することで、停電中に払出制御装置200が不正に交換された場合でもこれを検出してエラー報知を行うようにすることができ、不正な遊技球の払い出しを防止することができる。また、合計IDをバックアップするようにすることで、停電中に遊技制御装置100にバックアップされた払出IDを不正に取得しようとしても遊技IDと合算された状態で記憶されているため払出IDを認識できず、不正に払出IDが取得されることを防止できる。なお、払出IDに替えて払出IDと払い出しに関連するデータ(例えば未払出数データ)の合計値を用いるようにしても、不正に払出IDが取得されることを防止できる。また、図29から32に示した処理は、本変形例の遊技機だけではなく上述した実施形態の遊技機において行うようにしても良い。
【0200】
なお、相互認証を行うためのデータの送受信には第1シリアル通信手段を用い、その他のデータの送受信には第2シリアル通信手段を用いるようにしたが、停電発生時でない通常時には、相互認証を行うためのデータ以外のデータも第1シリアル通信手段を用いて送受信するようにしても良い。
【0201】
また、停電発生時や停電復旧時に送受信するデータに優先順位を設定する優先順位設定手段を設けるとともに、優先順位設定手段により設定された優先順位に基づいて、データを送信する際の通信手段を設定する通信手段設定手段を設けるようにしても良い。優先順位は、例えば秘匿する必要性の高さに応じて設定するようにする。これにより、優先順位の高いデータは第1シリアル通信手段を用いて送信され、優先順位の低いデータは第2シリアル通信手段を用いて送信されるようになり、セキュリティを確保しつつ、迅速に情報を送受信することができる。
【0202】
以上のことから、遊技盤30の遊技領域32に設けられた入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35)に遊技球が入賞したことを条件として賞球数データを送信する遊技制御装置100と、遊技制御装置100から受信した賞球数データを未払出数データとして記憶する未払出数記憶手段(払出制御装置200)を備え、該未払出数記憶手段に記憶された未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置200と、遊技制御装置100と払出制御装置200とが双方向にシリアル通信可能なシリアル通信手段と、遊技機外部から供給される定格電圧から所定の電源電圧を生成して各制御装置に供給する電源装置400と、を備える遊技機において、電源装置400は、電源電圧が第1電圧に低下したことを検出し、第1停電検出信号を生成する第1停電検出手段(第1停電検出回路431)と、第1停電検出信号を払出制御装置200に送信する第1送信手段(第1停電検出信号生成回路432)と、を備え、払出制御装置200は、第1電圧への低下から第1所定時間は動作可能であり、第1停電検出信号の受信に基づいて、第1所定時間内に払い出しに関するデータを遊技制御装置100に送信する停電処理手段(払出制御装置200)と、払い出しに関するデータに優先順位を設定する払出側優先順位設定手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御装置100は、第1電圧への低下から第1所定時間以上の第2所定時間は動作可能であり、電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段(遊技制御装置100)と、払出制御装置200から払い出しに関するデータを受信することに基づき、第2所定時間内に払い出しに関するデータをバックアップ記憶手段に記憶するとともに、自身のデータのバックアップ処理を行うバックアップ手段(遊技制御装置100)と、払い出しに関するデータに優先順位を設定する遊技側優先順位設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、シリアル通信手段は、データを暗号化して送受信可能な暗号化通信手段(第1シリアル通信手段)と、データを暗号化せずに送受信可能な通常通信手段(第2シリアル通信手段)と、を備え、遊技側優先順位設定手段と払出側優先順位設定手段の優先順位に基づいて、データを送信する際の通信手段を設定する通信手段設定手段(遊技制御装置100、払出制御装置200)を備えることとなる。
【0203】
また、停電発生時に払出制御装置200から遊技制御装置100に送信するバックアップデータを、第1シリアル通信手段と第2シリアル通信手段の両方で送信し、遊技制御装置では双方の通信手段から受信したデータが一致した場合に正当なデータであると判定するようにしても良い。
【0204】
〔停電時払出データ送信処理〕
このような制御を行うために、払出制御装置200では、停電発生時に図33に示す停電時払出データ送信処理において、第1シリアル通信手段及び第2シリアル通信手段の両方を用いて未払出数データを遊技制御装置100に送信する。遊技制御装置100では、第1シリアル通信手段により送信されたデータと第2シリアル通信手段により送信されたデータの両方をバックアップする。すなわち、払出制御装置200が、第1停電検出信号の受信に基づいて、第1所定時間内に暗号化通信手段と通常通信手段の両方を使って未払出数記憶手段の未払出数データを遊技制御装置100に送信する停電処理手段をなす。
【0205】
〔払出側未払出数データ確認処理〕
また、遊技制御装置100では、停電復旧時に図34に示す払出側未払出数データ確認処理を行う。この払出側未払出数データ確認処理では、まず、バックアップしていたデータのうち、第1シリアル通信手段から受信したデータと第2シリアル通信手段から受信したデータが一致するかを判定する(ステップB201)。データが一致する場合(ステップB201;Yes)は、データが正当なものである判定して、バックアップしていたデータを払出制御装置200に送信する正常復帰処理(ステップB202)を行う。また、データが一致しない場合(ステップB201;No)は、データが正当なものでなく異常であると判定して、未払出の遊技球数を0個として払出制御装置200に送信する(ステップB203)。すなわち、遊技制御装置100が、停電復旧時に前記バックアップ記憶手段に記憶された暗号化通信手段により送信された未払出数データと通常通信手段により送信された未払出数データを比較し、両者が一致しない場合に異常と判定する異常判定手段をなす。
【0206】
以上のことから、遊技盤30の遊技領域32に設けられた入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35)に遊技球が入賞したことを条件として賞球数データを送信する遊技制御装置100と、遊技制御装置100から受信した賞球数データを未払出数データとして記憶する未払出数記憶手段(払出制御装置200)を備え、該未払出数記憶手段に記憶された未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置200と、遊技機外部から供給される定格電圧から所定の電源電圧を生成して各制御装置に供給する電源装置400と、を備える遊技機において、データを暗号化してシリアル通信で送信可能な暗号化通信手段(第1シリアル通信手段)と、データを暗号化せずに送信可能な通常通信手段(第2シリアル通信手段)と、を備え、電源装置400は、電源電圧が第1電圧に低下したことを検出し、第1停電検出信号を生成する第1停電検出手段(第1停電検出回路431)と、第1停電検出信号を払出制御装置200に送信する第1送信手段(第1停電検出信号生成回路432)と、を備え、払出制御装置200は、第1電圧への低下から第1所定時間は動作可能であり、第1停電検出信号の受信に基づいて、第1所定時間内に暗号化通信手段と通常通信手段の両方を使って未払出数記憶手段の未払出数データを遊技制御装置100に送信する停電処理手段(払出制御装置200)を備え、遊技制御装置100は、第1電圧への低下から第1所定時間以上の第2所定時間は動作可能であり、電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段(遊技制御装置100)と、払出制御装置200から未払出数データを受信することに基づき、第2所定時間内に未払出数データをバックアップ記憶手段に記憶するとともに、自身のデータのバックアップ処理を行うバックアップ手段(遊技制御装置100)を備え、バックアップ手段は、暗号化通信手段により送信された未払出数データと、通常通信手段により送信された未払出数データをそれぞれバックアップ記憶手段に記憶し、停電復旧時にバックアップ記憶手段に記憶された暗号化通信手段により送信された未払出数データと通常通信手段により送信された未払出数データを比較し、両者が一致しない場合に異常と判定する異常判定手段(遊技制御装置100)を備えることとなる。
【0207】
〔第2変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技制御装置100で未払い出しの遊技球数を管理できるようにしている。
【0208】
図35には、遊技制御装置100に記憶される賞球データに関する情報を示した。入賞口への入賞に伴い発生する賞球データには各入賞口の賞球数に対応した賞球データがあり、ここでは、13個の賞球を発生する入賞口への入賞により生成される13個賞球データと、10個の賞球を発生する入賞口への入賞により生成される10個賞球データと、3個の賞球を発生する入賞口への入賞により生成される3個賞球データがある。遊技制御装置100でバックアップ可能なRAM111Cには、払い出しが完了していない賞球データに関する情報が記憶されている。この賞球データに関する情報としては、払い出しが完了していない13個賞球データ、10個賞球データ、3個賞球データが別個に記憶されているとともに、払い出しが完了していない賞球データの賞球数を合計したデータである遊技側未払出数データが記憶されている。
【0209】
〔入賞検出処理〕
図20に示したタイマ割り込み処理におけるコマンド送信処理(ステップB83)では、入賞口への入賞が発生した場合に賞球データに関する情報を更新する処理として、図36に示す入賞検出処理を行う。この入賞検出処理では、まず入賞した入賞口に対応する賞球数を確認し(ステップB211)、対応する賞球データを1加算する(ステップB212)。そして、遊技側未払出数データに対応する賞球数分を加算して(ステップB213)、入賞検出処理を終了する。これにより、入賞口への入賞に伴い賞球データが発生すると、対応する賞球データが1加算されるとともに、対応する賞球数が遊技側未払出数データに加算される。すなわち、遊技制御装置100が、入賞口への入賞毎に対応する数の賞球数が加算される未払出数データを記憶する未払出数記憶手段をなす。
【0210】
〔払出完了信号受信処理〕
また、図20に示したタイマ割り込み処理における入出力処理(ステップB82)では、賞球データに対応する遊技球が払い出されて個数別払出完了信号を受信した場合に賞球データに関する情報を更新する処理として、図37に示す払出完了信号受信処理を行う。この払出完了信号受信処理では、まず、何個賞球の完了信号かを確認し(ステップB221)、対応する賞球データを1減算する(ステップB222)。そして、遊技側未払出数データから対応する賞球数分を減算して(ステップB223)、払出完了信号受信処理を終了する。これにより、賞球データに対応する遊技球が払い出され、個数別払出完了信号を受信した場合に、対応する賞球データが1減算されるとともに遊技側未払出数データから対応する賞球数が減算される。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御装置200からの払出完了信号を受信することで、対応する払出数を未払出数データから減算する未払出数減算手段をなす。
【0211】
このように、遊技制御装置100は、払出完了信号の受信により未払出数データを減算するので、停電発生時には遊技制御装置100に記憶された払い出しが完了していない賞球データに関する情報がバックアップされるので、確実にバックアップを行うことができる。なお、停電復旧時には図27に示した相互認証処理において、遊技側未払出数データを払い出し制御装置用データとして送信するようにする。
【0212】
以上のことから、遊技制御装置100は、入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35)への入賞毎に対応する数の賞球数が加算される未払出数データを記憶する未払出数記憶手段(遊技制御装置100)と、払出制御装置200からの払出完了信号を受信することで、対応する払出数を未払出数データから減算する未払出数減算手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
【0213】
〔第3変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技制御装置100が払出制御装置200に対して払出完了要求信号を送信し、払出制御装置200はこれに応答して払出完了信号を送信するようになっている。
【0214】
図38には、遊技制御装置100と払出制御装置200との接続を示した。遊技制御装置100と払出制御装置200は、一つのシリアル通信手段で接続され、このシリアル通信手段を用いて相互認証データや払出完了要求信号、払出完了信号、その他必要なデータの送受信を行うようになっている。なお第1変形例と同様の接続でも良い。
【0215】
〔払出完了要求信号送信処理〕
遊技制御装置100では、賞球数データの送信後に払出完了要求信号を送信する処理として図39に示す払出完了要求信号送信処理を行う。この払出完了要求信号送信処理では、個数別賞球コマンド(賞球数データ)を送信してから所定時間が経過しているかを判定し(ステップB231)、所定時間が経過している場合(ステップB231;Yes)は、払出完了要求信号を送信する(ステップB232)。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御装置200に払出完了信号を要求する払出完了要求信号を送信する払出完了要求信号送信手段をなす。
【0216】
図40には、払出完了要求信号の送信タイミングを示した。個数別賞球コマンドの送信後、所定時間(t11からt12)は払出完了要求信号を送信せず、その後払出完了要求信号を送信する。この所定時間は賞球数に応じて設定可能であり、例えば賞球数が3個の場合は150msとされている。このように個数別賞球コマンドの送信後、所定時間は払出完了要求信号を送信しないようにしたことで、通信回数を減らすことができ処理負担を軽減することができる。
【0217】
〔払出完了情報送信処理〕
払出制御装置200では、払出完了要求信号に応答する処理として図41に示す払出完了情報送信処理を行う。この払出完了情報送信処理では、まず、払出完了要求信号を受信したかを判定し(ステップA121)、払出完了要求信号を受信していない場合(ステップA121;No)は、払出完了情報送信処理を終了する。また、払出完了要求信号を受信した場合(ステップA121;Yes)は、払出完了要求信号に対応する賞球数データについての遊技球の払い出しが完了したかを判定する(ステップA122)。
【0218】
払い出しが完了した場合(ステップA122;Yes)は、遊技制御装置100に払出完了信号を送信し(ステップA123)、払出完了情報送信処理を終了する。また、払い出しが完了していない場合(ステップA122;No)は、遊技制御装置100に払出未完信号を送信し(ステップA124)、払出完了情報送信処理を終了する。
【0219】
以上のことから、遊技盤30の遊技領域32に設けられた入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35)に遊技球が入賞したことを条件として、賞球数データを送信する遊技制御装置100と、遊技制御装置100から受信した賞球数データを未払出数データとして記憶する未払出数記憶手段(払出制御装置200)を備え、該未払出数記憶手段に記憶された未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置200と、を備える遊技機において、払出制御装置200は、賞球数データに対応する数の遊技球の払い出しが完了したことを示す払出完了信号を遊技制御装置100に送信する払出完了信号送信手段(払出制御装置200)を備え、遊技制御装置100は、入賞口への入賞毎に対応する数の賞球数が加算される遊技用未払出数データを記憶する遊技用未払出数記憶手段(遊技制御装置100)と、払出制御装置からの払出完了信号を受信することで、対応する払出数を遊技用未払出数データから減算する未払出数減算手段(遊技制御装置100)と、払出制御装置200に賞球数データを送信する賞球数データ送信手段(遊技制御装置100)と、払出制御装置200に払出完了信号を要求する払出完了要求信号を送信する払出完了要求信号送信手段(遊技制御装置100)と、を備え、払出完了信号送信手段は、遊技制御装置100から払出完了要求信号を受信したことにより払出完了信号を送信し、払出完了要求信号送信手段は、賞球数データを送信した後、賞球数に対応した所定時間は払出完了要求信号を送信しないようにしていることとなる。
【0220】
また、払出完了信号送信手段(払出制御装置200)は、遊技制御装置100から払出完了要求信号を受信した際に、払い出しが完了していない場合は、払出未完信号を送信するようにしたこととなる。
【0221】
〔第4変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、停電復旧時の賞球数データの送信態様が異なり、賞球個数別で専用の送信線が設定されている。
【0222】
本変形例の遊技機では、各入賞口の賞球数に対応して払出制御装置200に送信される賞球数データとして、15個の賞球を発生する入賞口への入賞により生成される15個賞球数データと、10個の賞球を発生する入賞口への入賞により生成される10個賞球数データと、3個の賞球を発生する入賞口への入賞により生成される3個賞球数データと、端数が発生した場合に生成される1個賞球数データとがある。
【0223】
通常の遊技中は、図42(a)に示すように、15個の賞球を発生する入賞口への入賞により15個賞球数データが送信され、10個の賞球を発生する入賞口への入賞により10個賞球数データが送信され、3個の賞球を発生する入賞口への入賞により3個賞球数データが払出制御装置200に送信されるようになっている。すなわち、各入賞口の賞球数に対応した賞球数データが送信されるようになっている。なお、データ送信の際には、ストローブ信号(STB)の立ち上がりと立ち下がりとで賞球数データを確認するようにしている。
【0224】
そして、停電復旧時に、遊技制御装置100でバックアップされていた未払出数データを払出制御装置200に送信する場合には、最も賞球数の多い15個賞球数データを用いて送信し、15個未満の端数の賞球を10個賞球数データ、3個賞球数データ、1個賞球数データを用いて送信する。図42(b)には、未払出数データとして、15個賞球数データ、10個賞球数データ、3個賞球数データ及び3個賞球数データからなる31個の賞球数が未払い出しであった場合の停電復旧時の送信データを示した。この場合、未払出数データを構成する賞球数データの種類にかかわらず、15個賞球数データを2回送信し、1個賞球数データを1回送信することで31個の賞球数を送信するようになっている。
【0225】
これにより、通常時は入賞した入賞口に対応付けられた賞球数を単位とする賞球数データを送信するので、入賞毎に対応する賞球数が払い出されるようになり、どの入賞に対する賞球であるかが遊技者に分かり易い。そして、停電からの復帰時には、未払出数データに対応する賞球数を、所定数を単位とする賞球数データで送信するので、所定個数単位で未払い出しの遊技球の払い出しが行われ、払い出しが早く完了するようになる。
【0226】
〔遊技側未払出数データ送信処理〕
このような制御を行うため、遊技制御装置100では、停電復旧時に未払出数データを払出制御装置200に送信する処理として、図43に示す遊技側未払出数データ送信処理を行う。この遊技側未払出数データ送信処理では、まず、遊技制御装置100でバックアップしている未払出数データを確認し(ステップB241)、未払出数データを15個賞球数データに変換して送信する(ステップB242)。そして、15個未満の端数である端数未払出し数を対応する個数データで送信し(ステップB243)、遊技側未払出数データ送信処理を終了する。
【0227】
以上のことから、遊技盤30の遊技領域32に設けられた入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35)に遊技球が入賞したことを条件として、賞球数データを送信する遊技制御装置100と、遊技制御装置100から受信した賞球数データを未払出数データとして記憶する未払出数記憶手段(払出制御装置200)を備え、該未払出数記憶手段に記憶された未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置200と、遊技機外部から供給される定格電圧から所定の電源電圧を生成して各制御装置に供給する電源装置400と、を備える遊技機において、電源装置400は、電源電圧が第1電圧に低下したことを検出し、第1停電検出信号を生成する第1停電検出手段(第1停電検出回路431)と、第1停電検出信号を払出制御装置200に送信する第1送信手段(第1停電検出信号生成回路432)と、を備え、払出制御装置200は、第1電圧への低下から第1所定時間は動作可能であり、第1停電検出信号の受信に基づいて、第1所定時間内に未払出数記憶手段の未払出数データを遊技制御装置100に送信する停電処理手段(払出制御装置200)を備え、遊技制御装置100は、第1電圧への低下から第1所定時間以上の第2所定時間は動作可能であり、払出制御装置200に賞球数データを送信する賞球数データ送信手段(遊技制御装置100)と、電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段(遊技制御装置100)と、払出制御装200から未払出数データを受信することに基づき、第2所定時間内に当該未払出数データをバックアップ記憶手段に記憶するとともに、自身のデータのバックアップ処理を行うバックアップ手段(遊技制御装置100)と、を備え、賞球数データ送信手段は、入賞口への入賞が発生した場合には、入賞した入賞口に対応付けられた賞球数を単位とする賞球数データを送信し、電源遮断状態からの復帰時には、未払出数データに対応する賞球数を、所定数を単位とする賞球数データで送信するようにしていることとなる。また、賞球数データの送信方法は、複数のデータ線を使ってパラレル通信で送信しても良い。
【0228】
また、電源遮断状態からの復帰時に送信する所定数単位の賞球数データの所定数は、入賞した入賞口に対応付けられた賞球数のうち最大の賞球数であることとなる。
【0229】
〔第5変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第5変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、賞球数データの送信タイミングが異なる。
【0230】
本変形例の遊技機では、賞球数データに対応する遊技球の払い出しが完了してから次の賞球数データを送信するようになっている。このため遊技制御装置100では、入賞口への入賞に基づき生成され、未送信となっている賞球数データを記憶し、払出完了信号の受信に基づき送信した賞球数データを順次消去するようになっている。
【0231】
これにより、払い出し完了前に停電が発生しても、払い出しが完了していない賞球数データは保持されるので当該再度賞球数データを送信することができ、遊技者が損をすることがないようにすることができる。また、払出制御装置200にだけ記憶される未払出数データの未払出数を少なくすることができ、払出制御装置200の処理負担を軽減することができる。また、停電発生時のバックアップが容易になるとともに、万一バックアップができなかった場合でも遊技者の損害を最小限にすることができる。
【0232】
このような制御を行うため、遊技制御装置100には、払出制御装置200からの払出完了信号が外部割込端子に入力されるようにし、払出完了信号の受信に基づき通信割込処理として賞球数データの送信を行うようになっている。
【0233】
〔外部入力確認処理〕
遊技制御装置100では図44に示す外部入力確認処理を行う。この外部入力確認処理では、まず、払出制御装置200からの外部入力(払出完了信号の受信)があるかを判定する(ステップB251)。外部入力がない場合(ステップB251;No)は、外部入力確認処理を終了する。また、外部入力がある場合(ステップB251;Yes)は、タイマ割込処理中であるかを判定する(ステップB252)。
【0234】
タイマ割込処理中である場合(ステップB252;Yes)は、タイマ割込処理の終了まで待機し、タイマ割込処理が終了すると(ステップB252;No)、賞球数データを送信する処理を行う通信割込処理である外部割込処理(ステップB253)を行い、外部入力確認処理を終了する。このように、遊技に関する制御の割込処理中に払出完了信号が入力されても、通信割込処理を行わず、遊技に関する制御の割込処理を優先しているので、遊技に関する制御の実行中に割り込み処理が入らないようにすることができる。よって、遊技に関する制御の割込処理中に払出完了信号によるパラメータの途中変更が行われないので一貫した制御を行うことが出来る。
【0235】
〔割込賞球データ送信処理〕
上述の外部入力割込処理では、賞球数データを送信する処理として図45に示す割込賞球データ送信処理を行う。この割込賞球データ送信処理では、未送信の賞球数データがあるかを判定し(ステップB261)、未送信の賞球数データがある場合(ステップB261;Yes)は、賞球数データを送信する(ステップB262)。すなわち、遊技制御装置100が、払出完了信号を受信することにより、通信割り込み処理を開始し、該通信割り込み処理で次の賞球数データを送信可能とする通信割込手段をなす。
【0236】
図46には、データの送信タイミングを示した。遊技制御装置100から払出制御装置200に賞球数データが送信されると(t21)、当該賞球数データに基づき遊技球の払い出しが行われる。払出制御装置200では、この遊技球の払い出し完了までの間に払出完了信号の出力状態をOFF(第1状態)からON(第2状態)に変化させる(t22)。そして、払い出しが完了すると、払出完了信号の出力状態をON(第2状態)からOFF(第1状態)に変化させる(t23)。払出完了信号の出力状態がONからOFFに変化すること基づき遊技制御装置100では、図44、図45に示した処理が開始され、次の賞球数データが払出制御装置200に送信される(t23)。なお、払出完了信号の出力状態がONとなる期間(t22からt23)は、タイマ割込処理の周期よりも長くされている。このように、払出完了信号の出力状態がON(第2状態)となる時間をタイマ割込処理(遊技制御割り込み処理)の周期よりも長くしたことで、タイマ割込処理で払出完了信号の状態を直接確認することにより払出完了信号の出力状態の変化を検出することができる。
【0237】
以上のことから、遊技盤30の遊技領域32に設けられた入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35)に遊技球が入賞したことを条件として、賞球数データを送信する遊技制御装置100と、遊技制御装置100から受信した賞球数データを未払出数データとして記憶する未払出数記憶手段(払出制御装置200)を備え、該未払出数記憶手段に記憶された未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置200と、を備える遊技機において、払出制御装置200は、賞球数データに対応する数の遊技球の払い出しが完了したことを示す払出完了信号を遊技制御装置100に送信する払出完了信号送信手段(払出制御装置200)を備え、遊技制御装置100は、払出完了信号を受信することにより、通信割り込み処理を開始し、該通信割り込み処理で次の賞球数データを送信可能とする通信割込手段(遊技制御装置100)を備えていることとなる。
【0238】
また、払出完了信号送信手段(払出制御装置200)は、賞球数データの受信から当該賞球数データに基づく遊技球の払い出し完了までの間に、払い出し完了信号の出力状態を第1状態(OFF又はON)から第2状態(ON又はOFF)に変化させ、遊技球の払い出しの完了により払出完了信号を第2状態から第1状態に変化させるようにしていることとなる。
【0239】
また、遊技制御装置100は、遊技に関する制御を行うために所定の周期で遊技制御割り込み処理を行い、通信割り込み処理の優先順位を遊技制御割り込み処理よりも低くし、払出完了信号送信手段(払出制御装置200)は、払出完了信号の出力状態が第2状態となる時間を遊技制御割り込み処理の周期よりも長くしていることとなる。
【0240】
〔第6変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第6変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、通常時と停電発生時のデータの送信方法が異なる。
【0241】
図47には、遊技制御装置100と払出制御装置200との間で送受信されるデータのデータ構造を示した。停電が発生していない通常時は、正論理又は負論理の一方でデータを送受信するようになっている。これに対して停電発生時には、正論理と負論理の両方でデータを送信し、受信側では正論理で受信したデータの内容と負論理で受信したデータの内容を比較して、一致する場合に正しくデータを受信したと判断する。これによりバックアップするデータの信頼性を高めることができる。正論理で受信したデータの内容と負論理で受信したデータの内容が一致しない場合は再送信を要求するかデータを破棄するようにする。
【0242】
なお、停電発生時に送受信するデータの全てを正論理と負論理の両方で送信するようにしても良いが、重要なデータのみ正論理と負論理の両方で送信するようにしても良い。例えば、停電発生時に払出制御装置200から遊技制御装置100に送信される未払出数データは正論理と負論理の両方で送信するようにして、確実にバックアップされるようにする。すなわち、少なくとも、第1停電検出信号の受信に基づいて、第1所定時間内に未払出数記憶手段(払出制御装置200)の未払出数データを遊技制御装置100に送信する停電処理手段(払出制御装置200)が正論理と負論理の両方でデータを送信するようにする。
【0243】
以上のことから、遊技盤30の遊技領域32に設けられた入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35)に遊技球が入賞したことを条件として賞球数データを送信する遊技制御装置100と、遊技制御装置100から受信した賞球数データを未払出数データとして記憶する未払出数記憶手段(払出制御装置200)を備え、該未払出数記憶手段に記憶された未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置200と、遊技機外部から供給される定格電圧から所定の電源電圧を生成して各制御装置に供給する電源装置400と、を備える遊技機において、電源装置400は、電源電圧が第1電圧に低下したことを検出し、第1停電検出信号を生成する第1停電検出手段(第1停電検出回路431)と、第1停電検出信号を払出制御装置200に送信する第1送信手段(第1停電検出信号生成回路432)と、を備え、払出制御装置200は、第1電圧への低下から第1所定時間は動作可能であり、第1停電検出信号の受信に基づいて、第1所定時間内に未払出数記憶手段の未払出数データを遊技制御装置100に正論理と負論理の両方で送信する停電処理手段(払出制御装置200)を備え、遊技制御装置100は、第1電圧への低下から第1所定時間以上の第2所定時間は動作可能であり、電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段(遊技制御装置100)と、払出制御装置200から未払出数データを受信することに基づき、第2所定時間内に当該未払出数データをバックアップ記憶手段に記憶するとともに、自身のデータのバックアップ処理を行うバックアップ手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
【0244】
〔第7変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第7変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、電源投入時に払出制御装置200の正当性を確認するようになっている。
【0245】
図48には、停電発生時の遊技制御装置100と払出制御装置200の動作を示した。払出制御装置200では、第1停電検出信号の受信に基づき、払出制御装置200が動作可能な第1所定時間内にバックアップすべき情報の第1チェックサムを算出し(ステップA131)、バックアップすべき情報には、未払出数データを含む払い出しに関する情報と自身の払出IDが含まれる。
【0246】
そして、バックアップ情報を遊技制御装置100に送信して(ステップA132)、電源遮断を待つ(ステップA133)。バックアップ情報には、上述のバックアップすべき情報と第1チェックサムが含まれる。すなわち、払出制御装置200が、第1停電検出信号の受信に基づいて、第1所定時間内に払い出しに関するデータを遊技制御装置100に送信する停電処理手段をなす。
【0247】
遊技制御装置100では、払出制御装置200からバックアップ情報を受信することに基づき、遊技制御装置100が動作可能な第2所定時間内にバックアップ情報をRAMに格納し(ステップB271)、RAMの情報のバックアップ処理などの停電発生時の処理(ステップB272)を行って、電源の遮断を待つ(ステップB273)。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御装置200から払い出しに関するデータ及びチェックサム値を受信することに基づき、第2所定時間内に払い出しに関するデータ及びチェックサム値をバックアップ記憶手段(遊技制御装置100)に記憶するとともに、自身のデータのバックアップ処理を行うバックアップ手段をなす。
【0248】
図49には、停電復旧時の遊技制御装置100と払出制御装置200の動作を示した。遊技制御装置100では、電源復旧処理を行い(ステップB281)、バックアップ情報を払出制御装置100に送信する。このとき送信するバックアップ情報は、停電発生時に払出制御装置200から受信した払い出しに関する情報であり、第1チェックサム値は送信しない。
【0249】
払出制御装置200では、電源復旧に伴い初期化処理を行い(ステップA141)、遊技制御装置から受信したバックアップ情報と自身の払出IDを合わせて第2チェックサムを算出し(ステップA142)、遊技制御装置100に第2チェックサムを送信する(ステップA143)。すなわち、払出制御装置200が、停電発生時に、払い出しに関するデータと払出制御装置200を識別可能な固有の値と(払出ID)のチェックサム値(第1チェックサム)を演算するとともに、停電復帰後、遊技制御装置100から受信した払い出しに関するデータと払出制御装置200を識別可能な固有の値とのチェックサム値(第2チェックサム)を演算するチェックサム値演算手段をなす。また、チェックサム演算手段の演算結果を遊技制御装置100に送信するチェックサム値送信手段をなす。
【0250】
遊技制御装置100では、払出制御装置200から受信した第2チェックサムとバックアップしていた第1チェックサムを比較し(ステップB283)、比較結果が一致すれば停電復旧許可コマンドを払出制御装置200に送信し、比較結果が一致しなければRAMクリアコマンド払出制御装置200に送信する(ステップB284)。その後、比較結果が一致しなかった場合はRAMクリア処理を行う(ステップB285)。なお、比較結果が一致した場合はバックアップされていたデータを用いて停電復旧の処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停電復帰後、払出制御装置200から受信したチェックサム値(第2チェックサム)とバックアップ記憶手段に記憶されたチェックサム値(第1チェックサム)を比較し、判定するチェックサム値判定手段をなす。また、チェックサム値判定手段の判定結果に基づき、停電復旧するか否かを決定する停電復旧決定手段をなす。
【0251】
払出制御装置200では、停電復旧許可コマンドを受信した場合は、遊技制御装置100から受信したバックアップ情報を採用し、RAMクリアコマンドを受信した場合はバックアップ情報を破棄する(ステップA144)。この処理により、電源が遮断されている間における不正な払出制御装置200の交換を検出でき、不正な払出制御装置200の交換があった場合には、遊技制御装置100と払出制御装置200で初期化が行われるようになる。
【0252】
以上のことから、遊技盤30の遊技領域32に設けられた入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35)に遊技球が入賞したことを条件として賞球数データを送信する遊技制御装置100と、遊技制御装置100から受信した賞球数データを未払出数データとして記憶する未払出数記憶手段(払出制御装置200)を備え、該未払出数記憶手段に記憶された未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置200と、遊技機外部から供給される定格電圧から所定の電源電圧を生成して各制御装置に供給する電源装置400と、を備える遊技機において、電源装置400は、電源電圧が第1電圧に低下したことを検出し、第1停電検出信号を生成する第1停電検出手段(第1停電検出回路431)と、第1停電検出信号を払出制御装置200に送信する第1送信手段(第1停電検出信号生成回路432)と、を備え、払出制御装置200は、第1電圧への低下から第1所定時間は動作可能であり、第1停電検出信号の受信に基づいて、第1所定時間内に払い出しに関するデータを遊技制御装置100に送信する停電処理手段(払出制御装置200)と、停電発生時に、払い出しに関するデータと払出制御装置200を識別可能な固有の値とのチェックサム値を演算するとともに、停電復帰後、遊技制御装置100から受信した払い出しに関するデータと払出制御装置200を識別可能な固有の値とのチェックサム値を演算するチェックサム値演算手段(払出制御装置200)と、チェックサム演算手段の演算結果を遊技制御装置100に送信するチェックサム値送信手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御装置100は、第1電圧への低下から第1所定時間以上の第2所定時間は動作可能であり、電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段(遊技制御装置100)と、払出制御装置200から払い出しに関するデータ及びチェックサム値を受信することに基づき、第2所定時間内に払い出しに関するデータ及びチェックサム値をバックアップ記憶手段に記憶するとともに、自身のデータのバックアップ処理を行うバックアップ手段(遊技制御装置100)と、停電復帰後、払い出しに関するデータを払出制御装置200に送信する復帰後送信手段(遊技制御装置100)と、停電復帰後、払出制御装置200から受信したチェックサム値とバックアップ記憶手段に記憶されたチェックサム値を比較し、判定するチェックサム値判定手段(遊技制御装置100)と、チェックサム値判定手段の判定結果に基づき、停電復旧するか否かを決定する停電復旧決定手段(遊技制御装置100)と、を備えることとなる。
【0253】
〔第8変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第8変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、電源復旧時のバックアップデータの正当性の判断方法が異なる。
【0254】
図50には、電源遮断時におけるデータのバックアップの態様を示した。払出制御装置200では、第1停電検出信号の受信に基づき、払出制御装置200が動作可能な第1所定時間内に払い出しに関する情報等の払出制御装置の情報を遊技制御装置100に送信する。遊技制御装置100では、払出制御装置200から払出制御装置の情報を受信することに基づき、遊技制御装置100が動作可能な第2所定時間内に、これらの情報をバックアップ可能なRAM111Cに記憶するとともに、自身の遊技に関するデータと払出制御装置200から受信した払出制御装置の情報とを合わせてチェックサムを算出して記憶する。
【0255】
すなわち、遊技制御装置100が、払出制御装置200から払い出しに関するデータを受信することに基づき、第2所定時間内に払い出しに関するデータと遊技に関するデータのチェックサム値を演算し、払い出しに関するデータとチェックサム値をバックアップ記憶手段に記憶するとともに、遊技に関するデータのバックアップ処理を行うバックアップ手段をなす。
【0256】
電源復旧時には、遊技制御装置100において、バックアップしていた自身の遊技に関するデータと払出制御装置の情報とからチェックサムを算出してバックアップしていたチェックサムと比較する。そして、一致すればバックアップデータが正当なものであると判定し、バックアップしていた払出制御装置の情報を払出制御装置200に送信するなどの停電の復旧の処理を行う。また、一致しない場合は、バックアップデータが正当でないと判定し、初期化の処理を行う。
【0257】
すなわち、遊技制御装置100が、停電復帰後、バックアップ記憶手段に記憶された払い出しに関するデータと遊技に関するデータのチェックサム値を演算するチェックサム値演算手段をなす。また、停電復帰後のチェックサム値とバックアップ記憶手段に記憶されたチェックサム値を比較し、判定するチェックサム値判定手段をなす。また、チェックサム値判定手段の判定結果に基づき、停電復旧するか否かを決定する停電復旧決定手段をなす。このようなバックアップデータの正当性の判断方法とすることで、遊技制御装置100のデータと払出制御装置200のデータの両方の正当性を一のチェックサム値により判定することが可能となる。
【0258】
以上のことから、遊技盤30の遊技領域32に設けられた入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35)に遊技球が入賞したことを条件として賞球数データを送信する遊技制御装置100と、遊技制御装置100から受信した賞球数データを未払出数データとして記憶する未払出数記憶手段(払出制御装置200)を備え、該未払出数記憶手段に記憶された未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置200と、遊技機外部から供給される定格電圧から所定の電源電圧を生成して各制御装置に供給する電源装置400と、を備える遊技機において、電源装置400は、電源電圧が第1電圧に低下したことを検出し、第1停電検出信号を生成する第1停電検出手段(第1停電検出回路431)と、第1停電検出信号を払出制御装置200に送信する第1送信手段(第1停電検出信号生成回路432)と、を備え、払出制御装置200は、第1電圧への低下から第1所定時間は動作可能であり、第1停電検出信号の受信に基づいて、第1所定時間内に払い出しに関するデータを遊技制御装置100に送信する停電処理手段(払出制御装置200)を備え、遊技制御装置100は、第1電圧への低下から第1所定時間以上の第2所定時間は動作可能であり、遊技に関するデータを記憶する遊技データ記憶手段(遊技制御装置100)と、電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段(遊技制御装置100)と、払出制御装置200から払い出しに関するデータを受信することに基づき、第2所定時間内に払い出しに関するデータと遊技に関するデータのチェックサム値を演算し、払い出しに関するデータとチェックサム値をバックアップ記憶手段に記憶するとともに、遊技に関するデータのバックアップ処理を行うバックアップ手段(遊技制御装置100)と、停電復帰後、払い出しに関するデータを払出制御装置に送信する復帰後送信手段(遊技制御装置100)と、停電復帰後、バックアップ記憶手段に記憶された払い出しに関するデータと遊技に関するデータのチェックサム値を演算するチェックサム値演算手段(遊技制御装置100)と、停電復帰後のチェックサム値とバックアップ記憶手段に記憶されたチェックサム値を比較し、判定するチェックサム値判定手段(遊技制御装置100)と、チェックサム値判定手段の判定結果に基づき、停電復旧するか否かを決定する停電復旧決定手段(遊技制御装置100)と、を備えることとなる。
【0259】
〔第9変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第9変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、電源復旧時のバックアップデータの正当性の判断方法が異なる。
【0260】
図51には、電源遮断時におけるデータのバックアップの態様を示した。払出制御装置200では、第1停電検出信号の受信に基づき、払出制御装置200が動作可能な第1所定時間内に払い出しに関する情報等の払出制御装置の情報を遊技制御装置100に送信する。遊技制御装置100では、払出制御装置200から払出制御装置の情報を受信することに基づき、遊技制御装置100が動作可能な第2所定時間内に、これらの情報をバックアップ可能なRAM111Cに記憶するとともに、自身の遊技に関するデータのみからチェックサムを算出して記憶する。
【0261】
すなわち、遊技制御装置100が、払出制御装置200から払い出しに関するデータを受信することに基づき、第2所定時間内に払い出しに関するデータは含まない遊技に関するデータのチェックサム値を演算し、払い出しに関するデータとチェックサム値をバックアップ記憶手段に記憶するとともに、遊技に関するデータのバックアップ処理を行うバックアップ手段をなす。
【0262】
電源復旧時には、遊技制御装置100において、バックアップしていた自身の遊技に関するデータからチェックサムを算出してバックアップしていたチェックサムと比較する。そして、一致すればバックアップデータが正当なものであると判定し、バックアップしていた払出制御装置の情報を払出制御装置200に送信するなどの停電の復旧の処理を行う。また、一致しない場合は、バックアップデータが正当でないと判定し、初期化の処理を行う。
【0263】
すなわち、遊技制御装置100が、停電復帰後、バックアップ記憶手段に記憶された遊技に関するデータのチェックサム値を演算するチェックサム値演算手段をなす。また、停電復帰後のチェックサム値とバックアップ記憶手段に記憶されたチェックサム値を比較し、判定するチェックサム値判定手段をなす。また、チェックサム値判定手段の判定結果に基づき、停電復旧するか否かを決定する停電復旧決定手段をなす。このようなバックアップデータの正当性の判断方法とすることで、払出制御装置200のデータに関連することなく、遊技制御装置100のデータの正当性を判断することができ、少なくとも遊技制御装置100のみを正常に復帰することができる。
【0264】
以上のことから、遊技盤30の遊技領域32に設けられた入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35)に遊技球が入賞したことを条件として賞球数データを送信する遊技制御装置100と、遊技制御装置100から受信した賞球数データを未払出数データとして記憶する未払出数記憶手段(払出制御装置200)を備え、該未払出数記憶手段に記憶された未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置200と、遊技機外部から供給される定格電圧から所定の電源電圧を生成して各制御装置に供給する電源装置400と、を備える遊技機において、電源装置400は、電源電圧が第1電圧に低下したことを検出し、第1停電検出信号を生成する第1停電検出手段(第1停電検出回路431)と、第1停電検出信号を払出制御装置200に送信する第1送信手段(第1停電検出信号生成回路432)と、を備え、払出制御装置200は、第1電圧への低下から第1所定時間は動作可能であり、第1停電検出信号の受信に基づいて、第1所定時間内に払い出しに関するデータを遊技制御装置100に送信する停電処理手段(払出制御装置200)を備え、遊技制御装置100は、第1電圧への低下から第1所定時間以上の第2所定時間は動作可能であり、遊技に関するデータを記憶する遊技データ記憶手段(遊技制御装置100)と、電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段(遊技制御装置100)と、払出制御装置200から払い出しに関するデータを受信することに基づき、第2所定時間内に払い出しに関するデータは含まない遊技に関するデータのチェックサム値を演算し、払い出しに関するデータとチェックサム値をバックアップ記憶手段に記憶するとともに、遊技に関するデータのバックアップ処理を行うバックアップ手段(遊技制御装置100)と、停電復帰後、払い出しに関するデータを払出制御装置200に送信する復帰後送信手段(遊技制御装置100)と、停電復帰後、バックアップ記憶手段に記憶された遊技に関するデータのチェックサム値を演算するチェックサム値演算手段(遊技制御装置100)と、停電復帰後のチェックサム値とバックアップ記憶手段に記憶されたチェックサム値を比較し、判定するチェックサム値判定手段(遊技制御装置100)と、チェックサム値判定手段の判定結果に基づき、停電復旧するか否かを決定する停電復旧決定手段(遊技制御装置100)と、を備えることとなる。
【0265】
〔第10変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第10変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、電源復旧時のバックアップデータの正当性の判断方法が異なる。
【0266】
図52には、電源遮断時におけるデータのバックアップの態様を示した。払出制御装置200では、第1停電検出信号の受信に基づき、払出制御装置200が動作可能な第1所定時間内に払い出しに関する情報等の払出制御装置の情報のチェックサムを算出し、払出制御装置の情報とチェックサムを遊技制御装置100に送信する。遊技制御装置100では、払出制御装置200から払出制御装置の情報とチェックサムを受信することに基づき、遊技制御装置100が動作可能な第2所定時間内に、これらの情報をバックアップ可能なRAM111Cに記憶するとともに、自身の遊技に関するデータのみからチェックサムを算出して別途記憶する。
【0267】
電源復旧時には、遊技制御装置100において、バックアップしていた自身の遊技に関するデータからチェックサムを算出してバックアップしていたチェックサムと比較する。また、バックアップしていた払出制御装置の情報からチェックサムを算出してバックアップしていたチェックサムと比較する。そして、両方とも一致すればバックアップデータが正当なものであると判定し、バックアップしていた払出制御装置の情報を払出制御装置200に送信するなどの停電の復旧の処理を行う。また、両方とも一致しない場合は、バックアップデータが正当でないと判定し、初期化の処理を行う。なお、一方のみが一致した場合は正当なデータのみを用いて停電の復旧の処理を行うようにしても良い。
【0268】
〔第11変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第11変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技制御装置100と払出制御装置200との通信方法が異なる。
【0269】
本変形例の遊技機では、遊技制御装置100と払出制御装置200との間で、双方向で通信を行う通信手段として、シリアル通信手段とパラレル通信手段が設けられている。シリアル通信手段はデータを暗号化して送信する暗号化通信手段であり、パラレル通信手段はシリアル信号をパラレル信号に変換してデータを暗号化せずに送信する通常通信手段である。
【0270】
停電発生時でない通常時は、データの送受信にシリアル通信手段を用いることで通信内容を秘匿することが可能となる。また、停電発生時には、払出制御装置200から遊技制御装置100に送信するバックアップデータの送信にパラレル通信手段を用いることで、送信時間を短縮することができるとともにデータの暗号化及び復号化の処理を省くことができ、電源遮断前に確実にバックアップデータを送信することが可能となる。また、停電復旧時には、相互認証を行うためのデータの送受信にシリアル通信手段を用い、遊技制御装置100からバックアップしていたデータを払出制御装置200に送信する際にはパラレル通信手段を用いることで迅速に停電復旧することができる。
【0271】
以上のことから、遊技盤30の遊技領域32に設けられた入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35)に遊技球が入賞したことを条件として賞球数データを送信する遊技制御装置100と、遊技制御装置100から受信した賞球数データを未払出数データとして記憶する未払出数記憶手段(払出制御装置200)を備え、該未払出数記憶手段に記憶された未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置200と、遊技機外部から供給される定格電圧から所定の電源電圧を生成して各制御装置に供給する電源装置400と、を備える遊技機において、データを暗号化してシリアル通信で送信可能な暗号化送信手段(シリアル通信手段)と、シリアル信号をパラレル信号に変換してデータを暗号化せずに送信可能なパラレル通信手段と、を備え、電源装置400は、電源電圧が第1電圧に低下したことを検出し、第1停電検出信号を生成する第1停電検出手段(第1停電検出回路431)と、第1停電検出信号を払出制御装置200に送信する第1送信手段(第1停電検出信号生成回路432)と、を備え、払出制御装置200は、第1電圧への低下から第1所定時間は動作可能であり、第1停電検出信号の受信に基づいて、第1所定時間内に未払出数記憶手段の未払出数データを遊技制御装置100に送信する停電処理手段(払出制御装置200)を備え、遊技制御装置100は、第1電圧への低下から第1所定時間以上の第2所定時間は動作可能であり、電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段(遊技制御装置100)と、払出制御装置200から未払出数データを受信することに基づき、第2所定時間内に当該未払出数データをバックアップ記憶手段に記憶するとともに、自身のデータのバックアップ処理を行うバックアップ手段(遊技制御装置100)と、を備え、遊技制御装置100と払出制御装置200間の通信は、停電発生時以外は暗号化送信手段で行い、停電発生時はパラレル通信手段で行うようにしていることとなる。
【0272】
〔第12変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第12変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、電源装置400の構成が異なる。
【0273】
本変形例の電源装置400では、第1停電検出回路431及び第2停電検出回路433に替えて停電検出回路438と遅延回路439を備えている。停電検出回路438は32Vの電圧を監視し、それが第1電圧に低下すると第1停電検出信号生成回路432で第1停電検出信号を生成し、払出制御装置200に出力する。また、停電検出回路438で第1電圧への低下を検出すると、検出信号が遅延回路439に入力され、この検出信号の入力から所定時間後に遅延回路439から第2停電検出信号生成回路434に信号が出力される。これにより第2停電検出信号生成回路434で第2停電検出信号が生成され、遊技制御装置100に出力される。すなわち、第2停電検出信号は第1停電検出信号の出力から所定時間後に出力される。
【0274】
遅延回路439において、停電検出回路438からの信号の入力から第2停電検出信号生成回路434に信号が出力されるまでの所定時間は、上述の実施形態における第1電圧への低下から第2電圧への低下までの時間と等しくされ、このような構成によっても上述の実施形態と同様の機能を実現することができる。
【0275】
以上のような遊技機10は、遊技盤30の遊技領域32に設けられた入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35)に遊技球が入賞したことを条件として、賞球数データを送信する遊技制御装置100と、遊技制御装置100から受信した賞球数データを払出用未払出数データとして記憶する払出用未払出数記憶手段(払出制御装置200)を備え、該払出用未払出数記憶手段に記憶された払出用未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置200と、を備える遊技機であって、払出制御装置200は、賞球数データに対応する数の遊技球の払い出しが完了したことを示す払出完了信号を遊技制御装置100に送信する払出完了信号送信手段(払出制御装置200)と、遊技制御装置100と相互認証を行う払出側相互認証手段(払出制御装置200)と、遊技制御装置100と払出制御装置200が相互認証された場合、払出用未払出数データの有無を示す未払出球有無データを送信する未払出球有無データ送信手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御装置100は、払出制御装置200に賞球数データを送信する賞球数データ送信手段(遊技制御装置100)と、電源遮断状態からの復帰後、払出制御装置200と相互認証を行う遊技側相互認証手段(遊技制御装置100)と、を備え、賞球数データ送信手段は、遊技制御装置100の電源遮断状態からの復帰後、払出用未払出数データがない旨の未払出球有無データを受信するまでの期間、及び、払出用未払出数データがある旨の未払出球有無データを受信し、かつ、払出完了信号を受信するまでの期間を送信禁止期間として賞球数データを送信しないようにしている。
【0276】
したがって、遊技制御装置100が、停電復旧後に払出制御装置200で遊技球の払い出しが開始されたことを確認してから賞球数データを送信するようになるので、停電復旧時の払出制御装置200の処理負担を軽減することができる。
【0277】
また、賞球数データ送信手段(遊技制御装置100)は、送信禁止期間の経過後は払出完了信号の受信を待たずに賞球数データを送信する。
【0278】
したがって、通常時は払い出しをスピーディーに行うことができるようになる。
【0279】
また、遊技制御装置100は、入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35)への入賞毎に対応する数の賞球数が加算される未払出数データを記憶する未払出数記憶手段(遊技制御装置100)と、払出制御装置200からの払出完了信号を受信することで、対応する払出数を未払出数データから減算する未払出数減算手段(遊技制御装置100)と、を備えている。
【0280】
したがって、遊技制御装置で未払い出しの遊技球数を把握でき、バックアップが容易になる。
【0281】
また、遊技機外部から供給される定格電圧から所定の電源電圧を生成して前記各制御装置に供給する電源装置400を備え、電源装置400は、電源電圧が第1電圧に低下したことを検出し、第1停電検出信号を生成する第1停電検出手段(第1停電検出回路431)と、第1停電検出信号を払出制御装置200に送信する第1送信手段(第1停電検出信号生成回路432)と、を備え、払出制御装置200は、第1電圧への低下から第1所定時間は動作可能であり、第1停電検出信号の受信に基づいて、第1所定時間内に払出用未払出数記憶手段の払出用未払出数データを遊技制御装置100に送信する停電処理手段(払出制御装置200)を備え、遊技制御装置100は、第1電圧への低下から第1所定時間以上の第2所定時間は動作可能であり、電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段(遊技制御装置100)を備え、払出制御装置200から払出用未払出数データを受信することに基づき、第2所定時間内に当該払出用未払出数データをバックアップ記憶手段に記憶するとともに、自身のデータのバックアップ処理を行うバックアップ手段(遊技制御装置100)を備えている。
【0282】
したがって、停電発生時には、遊技制御装置100のみでバックアップを行うため、遊技制御装置のみがバックアップ機能を備えればよく、コストダウンを図ることができる。
【0283】
また、電源装置400は、第1電圧よりも低い第2電圧に低下したことを検出し、第2停電検出信号を生成する第2停電検出手段(第2停電検出回路433)と、第2停電検出信号を遊技制御装置100に送信する第2送信手段(第2停電検出信号生成回路434)と、を備え、遊技制御装置100は、第2電圧への低下から第3所定時間は動作可能であり、バックアップ手段(遊技制御装置100)は、払出制御装置200から払出用未払出数データを受信せずに第2停電検出信号を受信した場合は、第3所定時間内に自身のデータのバックアップ処理を行うようにしている。
【0284】
したがって、第1電圧に低下した際に払出制御装置200から払出用未払出数データが送信されず、第1電圧への低下を契機に遊技制御装置100でバックアップ処理が開始されなくても、第2電圧への低下により必ずバックアップ処理が開始されるので、少なくとも遊技制御装置100のデータは確実にバックアップされるようになり、データの損失を最低限に抑えることができる。
【0285】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
【0286】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0287】
10 遊技機
30 遊技盤
32 遊技領域
35 一般入賞口(入賞口)
36 始動入賞口(入賞口)
37 普通変動入賞装置(入賞口)
38 特別変動入賞装置(入賞口)
100 遊技制御装置(賞球数データ送信手段、遊技側相互認証手段、未払出数記憶手段、未払出数減算手段、バックアップ記憶手段、バックアップ手段)
200 払出制御装置(払出用未払出数記憶手段、払出完了信号送信手段、払出側相互認証手段、未払出球有無データ送信手段、停電処理手段)
400 電源装置
431 第1停電検出回路(第1停電検出手段)
432 第1停電検出信号生成回路(第1送信手段)
433 第2停電検出回路(第2停電検出手段)
434 第2停電検出信号生成回路(第2送信手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤の遊技領域に設けられた入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、賞球数データを送信する遊技制御装置と、
前記遊技制御装置から受信した賞球数データを払出用未払出数データとして記憶する払出用未払出数記憶手段を備え、該払出用未払出数記憶手段に記憶された払出用未払出数データに基づき所定数の遊技球を払い出す払出制御装置と、を備える遊技機において、
前記払出制御装置は、
賞球数データに対応する数の遊技球の払い出しが完了したことを示す払出完了信号を前記遊技制御装置に送信する払出完了信号送信手段と、
前記遊技制御装置と相互認証を行う払出側相互認証手段と、
前記遊技制御装置と前記払出制御装置が相互認証された場合、前記払出用未払出数データの有無を示す未払出球有無データを送信する未払出球有無データ送信手段と、を備え、
前記遊技制御装置は、
前記払出制御装置に賞球数データを送信する賞球数データ送信手段と、
電源遮断状態からの復帰後、前記払出制御装置と相互認証を行う遊技側相互認証手段と、を備え、
前記賞球数データ送信手段は、
前記遊技制御装置の電源遮断状態からの復帰後、前記払出用未払出数データがない旨の前記未払出球有無データを受信するまでの期間、及び、前記払出用未払出数データがある旨の前記未払出球有無データを受信し、かつ、前記払出完了信号を受信するまでの期間を送信禁止期間として前記賞球数データを送信しないことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記賞球数データ送信手段は、
前記送信禁止期間の経過後は前記払出完了信号の受信を待たずに賞球数データを送信することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技制御装置は、
前記入賞口への入賞毎に対応する数の賞球数が加算される未払出数データを記憶する未払出数記憶手段と、
前記払出制御装置からの払出完了信号を受信することで、対応する払出数を前記未払出数データから減算する未払出数減算手段と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技機外部から供給される定格電圧から所定の電源電圧を生成して前記各制御装置に供給する電源装置を備え、
前記電源装置は、
前記電源電圧が第1電圧に低下したことを検出し、第1停電検出信号を生成する第1停電検出手段と、
前記第1停電検出信号を前記払出制御装置に送信する第1送信手段と、を備え、
前記払出制御装置は、
前記第1電圧への低下から第1所定時間は動作可能であり、
前記第1停電検出信号の受信に基づいて、前記第1所定時間内に前記払出用未払出数記憶手段の払出用未払出数データを前記遊技制御装置に送信する停電処理手段を備え、
前記遊技制御装置は、
前記第1電圧への低下から前記第1所定時間以上の第2所定時間は動作可能であり、
電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段を備え、
前記払出制御装置から払出用未払出数データを受信することに基づき、前記第2所定時間内に当該払出用未払出数データを前記バックアップ記憶手段に記憶するとともに、自身のデータのバックアップ処理を行うバックアップ手段を備えることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記電源装置は、
前記第1電圧よりも低い第2電圧に低下したことを検出し、第2停電検出信号を生成する第2停電検出手段と、
前記第2停電検出信号を前記遊技制御装置に送信する第2送信手段と、を備え、
前記遊技制御装置は、
前記第2電圧への低下から第3所定時間は動作可能であり、
前記バックアップ手段は、
前記払出制御装置から払出用未払出数データを受信せずに前記第2停電検出信号を受信した場合は、前記第3所定時間内に自身のデータのバックアップ処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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