説明

遊技機

【課題】回路基板が設けられて可動する演出部材において、演出部材の動作に伴って発生する静電気の回路基板への放電を抑制する。
【解決手段】パチンコ遊技機の所定の位置に設けられるリフト部41と、リフト部41に移動可能に保持される胴体部31と、胴体部31に取り付けられ、胴体部31を一端から他端の方向に沿ってスライドさせる第2スライド部材342と、リフト部41に取り付けられ、一端から他端の方向に沿った第2スライド部材342の移動を案内する第2案内部材452と、胴体部ベース部材31Bに設けられ、電子回路が形成され電子部品が実装される胴体部第2基板72と、第2スライド部材342と第2案内部材452との摩擦によって生じる静電気に対する絶縁性を有し、第2スライド部材342と胴体部第2基板72との間に設けられる第2基板保持部732とを有する演出部材を備えたパチンコ遊技機100である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶画面等で行われる画像演出に合わせて、実際の構造物、いわゆるギミックといわれる演出部材を作動させて、演出効果を盛り上げる遊技機が提案されている。
例えば、特許文献1には、演出部材の一例であるギミックに関する技術が記載されている。特許文献1には、装飾が施されるとともに回転移動可能に設けられた回転部材と、その部材を回転駆動する駆動機構を有し、駆動機構によって回転部材を回転させて演出を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−200193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、可動する演出部材においては、演出部材が移動する際の摩擦によって静電気が発生する可能性がある。そして、演出部材に電子部品が接続する回路基板が設けられている場合、演出部材にて生じた静電気が回路基板へと放電することがある。このような場合には、回路基板に接続する電子部品が損傷したり、回路基板に接続する電子部品に誤作動が生じたりする畏れがあった。
本発明は、回路基板が設けられて可動する演出部材において、演出部材の動作に伴って発生する静電気の回路基板への放電を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成する本発明は、遊技演出を行う演出部材を有する遊技機100であって、演出部材115は、遊技機100の所定の位置に設けられる基礎部材41と、基礎部材41に移動可能に保持される可動部材31と、可動部材31に取り付けられ、可動部材31を一端から他端の方向に沿ってスライドさせるスライド部材(341,342)と、基礎部材41に取り付けられ、一端から他端の方向に沿ったスライド部材(341,342)の移動を案内する案内部材(451,452)と、可動部材31に設けられ、電子回路が形成され電子部品が実装される回路基板(71,72)と、スライド部材(341,342)と案内部材(451,452)との摩擦によって生じる静電気に対する絶縁性を有し、スライド部材(341,342)と回路基板(71,72)との間に設けられる保護部(731,732)と、を備えることを特徴とする遊技機100である。
【0006】
そして、可動部材31は、可動部材31の回路基板(71,72)が設けられる位置の反対側の面にて回路基板(71,72)から離れる方向に突出した突出部(32L,32R)を有し、スライド部材(341,342)は、可動部材31の突出部(32L,32R)に取り付けることを特徴とすることができる。
また、保護部(731,732)は、可動部材31に設けられるとともに、回路基板(71,72)を覆うように形成されることを特徴とすることができる。
さらに、保護部(731,732)は、可動部材31を構成する部材(31B)に一体形成されていることを特徴とすることができる。
【0007】
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、回路基板が設けられて可動する演出部材において、演出部材の動作に伴って発生する静電気の回路基板への放電を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。
【図2】本実施形態のパチンコ遊技機の部分拡大図である。
【図3】本実施形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。
【図4】本実施形態の可動役物の全体図である。
【図5】頭部を説明するための図である。
【図6】アーム部を説明するための図である。
【図7】胴体部ユニットの全体図である。
【図8】胴体部ユニットの分解図である。
【図9】胴体部ユニットの背面図である。
【図10】胴体部第1基板及び胴体部第2基板の保持を説明するための図である。
【図11】胴体ベース部材のハーネス保持部を詳細に説明するための図である。
【図12】出現状態にある胴体部ユニットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
【0011】
遊技盤110は、正面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の正面に、各種の演出に用いられる可動役物115(後述の図4参照)および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
【0012】
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
【0013】
本実施形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動するゲート124と、が遊技盤110に配設されている。ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器を作動させることとなる遊技球の入賞に係る入賞口をいう。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば6秒間)および規定回数(例えば3回)だけ開く。
【0014】
なお、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選において大当たりに当選する大当たり確率が変動する場合(低確状態(例えば300分の1)から高確状態(例えば30分の1)への変動)がある。また、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選時の当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ123の羽根の開時間が延長されたり、電動チューリップ123の羽根が開く回数が増えたりする場合がある。
【0015】
また、本実施形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選が始動しない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
なお、本実施形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
【0016】
また、遊技盤110の裏面には、内部抽選および当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
【0017】
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153(図2参照)と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
【0018】
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
【0019】
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
【0020】
図2は、本実施形態に係るパチンコ遊技機100の部分拡大図である。図2(a)は遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、図2(b)はパチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED(Light Emitting Diode)表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
【0021】
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
【0022】
ここで、保留について説明する。特別図柄や普通図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに他の遊技球による入賞があると、その入賞した遊技球に対する図柄の変動表示動作は、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、規定個数(例えば4個)を限度に保留される。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未抽選数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
【0023】
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2(b)に示すように、本実施形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。演出キー162は、その中央に1つの中央キーを配置し、また、中央キーの周囲に略同一形状の4つの周囲キーを配置して構成されている。遊技者は、4つの周囲キーを操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶことが可能であり、また、中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
【0024】
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。
図3に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、内部抽選および当選の判定等といった払い出す賞球数に関する各種制御を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
【0025】
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部400各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
【0026】
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、内部抽選および当選の判定等といった払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かの判定結果を演出制御部300に送る。また、特別図柄抽選時の当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間の短縮設定、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間の短縮設定を行い、設定内容を演出制御部300に送る。
【0027】
さらに、遊技制御部200は、電動チューリップ123の羽根の開時間の延長、および電動チューリップ123の羽根が開く回数の設定、さらには羽根が開く際の開閉動作間隔の設定を制御する。また、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
また、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口125が所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
【0028】
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部400に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部400に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部400に指示しない。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
【0029】
遊技制御部200には、図2に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
【0030】
また、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(大当たり抽選)の未抽選分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、ゲート124への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
【0031】
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
【0032】
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板250が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部400から取得した払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板250を介してホストコンピュータに送信する。
【0033】
〔演出制御部の構成・機能〕
次に、演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果に基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン等(演出ボタン161および演出キー162)を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。また、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、遊技制御部200が特別図柄抽選時の当選確率を変動させた場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させた場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させた場合には、演出制御部300は設定された内容に対応させて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
【0034】
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
【0035】
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。さらには、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
【0036】
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
【0037】
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
【0038】
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
【0039】
また、払出制御部400には、払出駆動部411により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部412と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部413と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部414と、が接続されている。そして、払出制御部400は、払出球検出部412、球有り検出部413および満タン検出部414にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
【0040】
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
【0041】
〔可動役物の機能・構成〕
図4は、本実施形態の可動役物115の全体図である。
可動役物115は、図4に示すように、頭部ユニット10、胴体部ユニット30及び腕部ユニット60を備えている。また、本実施形態の可動役物115は、図4に示すように、ロボットの形をしている。そして、本実施形態の可動役物115では、例えば遊技状態に応じて、装飾部材118の背面側(遊技盤側)に待機させておいた頭部ユニット10、胴体部ユニット30及び腕部ユニット60が遊技盤110の中央部に向けて移動することで出現する。
【0042】
頭部ユニット10は、遊技盤110の上側に設けられている。頭部ユニット10は、頭を模した頭部11及び頭部11を上下方向に移動させるアーム部21を有している。そして、頭部ユニット10は、遊技盤110の上側にて装飾部材118の背面側Bに待機させた頭部11を、アーム部21によって下方に移動させ、例えば画像表示部114の前に頭部11を出現させる。本実施形態では、頭部11と胴体部31とが接続して合体するため、頭部11は、胴体部31に向けて移動する。そして、特定の演出が終了すると、頭部ユニット10では、アーム部21によって頭部11を上方に移動させ、元の待機させた状態にする。
【0043】
胴体部ユニット30は、遊技盤110の下側に設けられている。胴体部ユニット30は、胴体を摸した胴体部31及び胴体部31を上下方向に移動させるリフト部41を有している。そして、胴体部ユニット30は、遊技盤110の下側にて装飾部材118の背面側Bに待機させた胴体部31を、リフト部41によって上方に移動させ、本実施形態では画像表示部114の前に胴体部31を出現させる。そして、頭部11と胴体部31とを接続して合体させるために、胴体部31は頭部11に向けて移動する。その後、特定の演出が終了すると、リフト部41によって胴体部31を下方に移動させ、元の待機させた状態になる。
【0044】
そして、本実施形態の可動役物115は、頭部ユニット10の頭部11と胴体部ユニット30の胴体部31とが待機した状態からそれぞれ移動して、遊技盤110の中央部に集まる。そして、図4に示すように、頭部ユニット10の頭部11と胴体部ユニット30の胴体部31とが合体する(コンバイン)ように構成されている。
【0045】
腕部ユニット60は、図4の左側に配置される第1腕部ユニット60Lと、図4の右側に配置される第2腕部ユニット60Rとを備えている。また、第1腕部ユニット60L及び第2腕部ユニット60Rは、それぞれ前腕部61及び拳部62を有している。
そして、第1腕部ユニット60Lにおいて、前腕部61及び拳部62は、下方に設けられる回転軸を中心に図中時計周りに回転し、遊技盤110の左側側面における装飾部材118の背面側Bに待機した状態(図1の状態)から遊技盤110の中央部に出現する。また、第2腕部ユニット60Rにおいて、前腕部61及び拳部62は、下方に設けられる回転軸を中心に図中反時計回りに回転し、遊技盤110の右側側面の装飾部材118の背面側Bに待機した状態(図1の状態)から、遊技盤110の中央部に出現する。
【0046】
なお、以下の説明において、頭部ユニット10の頭部11、胴体部ユニット30の胴体部31、及び腕部ユニット60の前腕部61及び拳部62が遊技盤110の中央部に出現した状態を「出現状態」と呼び、中央部から退いて遊技盤110の装飾部材118の背面側Bにそれぞれ位置した状態を「待機状態」と呼ぶ。
【0047】
〔頭部ユニットの機能・構成〕
(頭部の機能・構成)
図5は、頭部11を説明するための図である。なお、図5(a)は、後述の顔シャッタ13が閉じた状態であり、図5(b)は顔シャッタ13が開いた状態である。
図5(a)に示すように、頭部11は、顔部材12と、顔部材12に対して移動可能に設けられ顔部材12を覆う顔シャッタ13とを備えている。また、図5(b)に示すように、顔部材12は、顔シャッタ13に接続するシャッタばね17と案内ピン15を有する。顔シャッタ13は、顔シャッタ13の移動を案内するシャッタ案内部14と後述の第1フック部材521及び第2フック部材522の掛かりを受けるフック受け部16を有する。
【0048】
図5(b)に示すように、シャッタ案内部14は、顔シャッタ13の左右側部にそれぞれ形成された直線状の溝である。シャッタ案内部14は、頭部11が遊技盤110に設けられた状態で、溝の方向が遊技盤110の上下方向に沿うように設定されている。また、シャッタ案内部14の溝は、顔部材12に形成される案内ピン15が移動可能に嵌るように幅が設定されている。
【0049】
案内ピン15は、シャッタ案内部14に嵌められて、顔部材12の正面側F(遊技者側)に取り付けられる。本実施形態の案内ピン15は、図5(b)に示すように、顔シャッタ13の左右それぞれに設けられている。案内ピン15には、顔シャッタ13のシャッタ案内部14の溝が嵌り込むようになっている。そして、顔部材12の案内ピン15は、シャッタ案内部14を保持することによって、顔シャッタ13の移動方向を案内する。
なお、本実施形態では、左右の2箇所にて顔シャッタ13の移動を案内することで、顔シャッタ13の移動を安定させている。
【0050】
フック受け部16は、顔シャッタ13の下端部に設けられる。また、本実施形態では、フック受け部16は、顔シャッタ13の左右方向の端部側にそれぞれ一つずつ設けられて合計2箇所に設けられる。本実施形態では、フック受け部16を離れた2箇所に設けることによって、顔シャッタ13を移動させる際に、顔シャッタ13が傾かないようにし、顔シャッタ13の開閉動作が安定するようにしている。
また、シャッタばね17には、本実施形態ではコイルばねを用いることができる。シャッタばね17は、顔部材12と顔シャッタ13とをつなぐ部材である。シャッタばね17は、図5(b)に示すように、一端が顔部材12の上側に接続し、他端が顔シャッタ13の上端に接続している。そして、シャッタばね17は、顔シャッタ13が顔部材12を覆う、顔シャッタ13を図中上側に引っ張る力を顔シャッタ13に付与する。
【0051】
続いて、頭部11における顔シャッタ13の開閉動作について説明する。
図5(b)に示すように、シャッタばね17の引っ張り力に抗して、フック受け部16を下側に向けて引っ張ることによって、頭部11の顔シャッタ13が下側にスライド移動する。このとき、顔シャッタ13は、シャッタ案内部14が顔部材12の案内ピン15に案内されて、下側に向けて直線状に移動する。そして、顔シャッタ13が下側に向けて降りることで、顔シャッタ13の背後に設けられる顔部材12が現れる。
【0052】
そして、顔シャッタ13が下側に降りて顔シャッタ13が開いた状態において、フック受け部16を開放すると、シャッタばね17のバネ力によって顔シャッタ13が引き戻される。そして、顔シャッタ13が上側に向けて上昇する。その結果、図5(a)に示すように、顔シャッタ13により顔部材12が再び覆われた状態になる。
以上のようにして、頭部11は、顔部材12に対して顔シャッタ13が開閉し、顔部材12が隠れた状態と顔部材12が現れた状態との2つの状態をとるように構成されている。
【0053】
(アーム部の機能・構成)
図6は、アーム部21を説明するための図である。なお、図6(a)は頭部11を待機状態に位置させた場合を示し、図6(b)は頭部11を出現状態に位置させた場合を示す。なお、図6(a)及び図6(b)は、それぞれ頭部ユニット10を背面側から見た図である。
図6(a)に示すように、アーム部21は、図中左側に位置する第1アーム部材22Laと第2アーム部材22Lbとを有している。第1アーム部材22Laと第2アーム部材22Lbとは、ヒンジ23Lによって互いに接続している。また、アーム部21は、図中右側に位置する第3アーム部材22Raと第4アーム部材22Rbとを有している。第3アーム部材22Raと第4アーム部材22Rbとは、ヒンジ23Rによって互いに接続している。そして、これら第1アーム部材22La、第2アーム部材22Lb、第3アーム部材22Ra、及び第4アーム部材22Rbの4本の部材は菱形状に配置される。
【0054】
さらには、アーム部21は、第1アーム部材22Laなどのアーム部材を移動させる際の動力源となるアームモータ21Mを備えている。また、アーム部21は、図6(a)に示すように、円弧状歯部241に設けた被検知部27の通過を検知するアームセンサ28を備えている。そして、アーム部21は、第1アーム部材22Laなどのアーム部材やアームモータ21M及びアームセンサ28を保持するアームベース部材21Bを備えている。
【0055】
図6(a)に示すように、第1アーム部材22Laは、ヒンジ23Lが接続しない側の端部に複数の歯を円弧状に配置した円弧状歯部241を有している。第2アーム部材22Lbは、ヒンジ23Lが設けられない側の端部に円弧状歯部242を有している。
また、第3アーム部材22Raは、ヒンジ23Rが設けられない側の端部に円弧状歯部243を有している。第4アーム部材22Rbは、ヒンジ23Rが接続しない側の端部に円弧状歯部244を有している。
【0056】
そして、本実施形態では、第1アーム部材22Laの円弧状歯部241の回転中心に通される軸261が、上側の枠部材150(図1参照)に固定されるアームベース部材21Bに取り付けられる。同様に、第3アーム部材22Raの円弧状歯部243の回転中心に通される軸263が、アームベース部材21Bに取り付けられる。これによって、アーム部21は、アームベース部材21Bにぶら下がるように保持される。
【0057】
また、図6(a)に示すように、第2アーム部材22Lbの円弧状歯部242の回転中心に通される軸262が、頭部11の背面側に取り付けられる。同様に、第4アーム部材22Rbの円弧状歯部244の回転中心に通される軸264が、頭部11の背面側Bに取り付けられる。これにより、本実施形態の頭部11は、アーム部21を介してアームベース部材21Bから吊り下げられた状態になる。
なお、本実施形態では、上記のとおり、第2アーム部材22Lb及び第4アーム部材22Rbの2本の部材によって、例えば頭部11が傾かないように頭部11を安定して保持している。
【0058】
さらに、アーム部21は、図6(a)に示すように、第1アーム部材22Laの円弧状歯部241に噛み合う第1ギア251と、第1ギア251及び第3アーム部材22Raの円弧状歯部243にそれぞれ噛み合う第3ギア253とを備える。
さらに、アーム部21は、第2アーム部材22Lbの円弧状歯部242に噛み合う第2ギア252と、第2ギア252と第4アーム部材22Rbの円弧状歯部244にそれぞれ噛み合う第4ギア254とを備える。
【0059】
本実施形態では、円弧状歯部243と円弧状歯部244とを、第2ギア252及び第4ギア254を介して接続することによって、第1ギア251〜第4ギア254、及び第1アーム部材22La〜第4アーム部材22Rbが機構的に連結する。そして、本実施形態では、アーム部21を構成する上記の部材が連動するようにしている。本実施形態では、このように全ての部材を連動させ、例えば特定の部材が他の部材よりも遅れて動くといった部材間のずれを防止している。また、後述するように、単一のアームモータ21Mによりアーム部21を構成する部材全体を動かすことを可能にしている。
【0060】
アームモータ21Mには、本実施形態ではステッピングモータなどを採用することができる。アームモータ21Mは、アームベース部材21Bに取り付けられる。また、アームモータ21Mは、ランプ制御部320の制御によって駆動する。そして、アームモータ21Mは、本実施形態では第1ギア251に接続し、第1ギア251に回転駆動力を付与する。
【0061】
アームセンサ28は、アームベース部材21Bに取り付けられている。従って、第1アーム部材22Laが動作した際においても、アームセンサ28の位置は移動しない。また、アームセンサ28は、図6(a)に示すように、円弧状歯部241の被検知部27が対向した際に、被検知部27を挟むようにして配置される発光素子及び受光素子(検知素子)を備えている。そして、アームセンサ28は、発光素子から発したビームが受光素子によって検知されたか否かという検知結果をランプ制御部320に送る。
【0062】
被検知部27は、図6(a)に示すように、円弧状歯部241の外周に設けられた扇形の板状の部材である。被検知部27は、一端27aと他端27bとを有する。そして、被検知部27の一端27aは、図6(a)に示すように、頭部11が待機状態になるように円弧状歯部241が回転した状態において、アームセンサ28に対向する部分となるように設定されている。また、被検知部27の他端27bは、図6(b)に示すように、頭部11が出現状態になるように円弧状歯部241が回転した状態において、アームセンサ28に対向する部分となるように設定されている。
【0063】
そして、本実施形態では、アームセンサ28の検知結果に基づいて、アーム部21の状態を把握する。例えば、図6(a)の待機状態から図6(b)の出現状態へと移行する場合、被検知部27の他端27bがアームセンサ28を通過する。この通過するとき、アームセンサ28の検出パターン結果は、アームセンサ28に対し被検知部27の一端27aから他端27bまでの間の領域が対向する状態の「受光なし」から、他端27bを通過してアームセンサ28に被検知部27が対向しない状態の「受光あり」に変化する。本実施形態では、この「受光なし」から「受光あり」に変化する受光パターンの検知結果に基づいて、頭部11が出現状態の位置にとなる状態にアーム部21がなったと把握する。なお、出現状態から待機状態へと移行する場合も同様である。
【0064】
本実施形態において、ランプ制御部320は、通常、アーム部21を動作させる際には、アームモータ21Mを予め定めた回転角度だけ回転するように制御する。本実施形態のアーム部21において、例えば頭部11を待機状態から出現状態に移行させる場合、ランプ制御部320は、待機状態のアーム部21のアームモータ21Mを予め定められたステップ数(回転角度)だけ回転させる。また、アーム部21によって頭部11を出現状態から待機状態に移行させる場合には、ランプ制御部320は、出現状態のアーム部21のアームモータ21Mを予め定められたステップ数(回転角度)だけ回転させる。
このように、アームモータ21Mのステップ数(回転角度)を制御することによって、アーム部21の上下動を制御することにより、本実施形態では、ランプ制御部320におけるアーム部21の制御プログラムの簡略化を図っている。
【0065】
ここで、何らかの原因によって、アーム部21の動作が意図する状態から外れる場合がある。即ち、出現状態のアーム部21において予め定めた回転角度だけアームモータ21Mを回転させたにもかかわらず、アーム部21が待機状態にならない場合がある。このような場合には、アームセンサ28の検知結果を利用することで、アーム部21の動作の修正を図る。
【0066】
具体的には、アーム部21が待機状態となる方向にアームモータ21Mを回転させる。そして、アームセンサ28による受光パターンが「受光なし」→「受光あり」に変化したタイミングでアームモータ21Mの回転を停止する。これにより、アーム部21を待機状態に戻すことができる。
また、アーム部21が出現状態となる方向にアームモータ21Mを回転させる。そして、アームセンサ28による受光パターンが「受光なし」→「受光あり」に変化したタイミングでアームモータ21Mの回転を停止する。これにより、アーム部21を出現状態にすることができる。
【0067】
(アーム部の動作)
図6(b)に示すように、アームモータ21Mを駆動することによって、第1ギア251を図中矢印VIb方向に回転させる。そうすると、第1ギア251の回転を受けた第1アーム部材22Laの円弧状歯部241が回転することにより、第1アーム部材22Laが下側に向けて押し下げられる。そして、第1アーム部材22Laが押し下げられることで、ヒンジ23Lを介して、第2アーム部材22Lbも押し下げられる。
また、第1ギア251が回転することにより、第3ギア253が回転し、第3ギア253の回転を受けた第3アーム部材22Raの円弧状歯部243が回転することにより、第3アーム部材22Raが下側に向けて押し下げられる。そして、第3アーム部材22Raが押し下げられることで、ヒンジ23Rを介して、第4アーム部材22Rbも押し下げられる。
そして、第2アーム部材22Lbの円弧状歯部242を通る軸262、及び第4アーム部材22Rbの円弧状歯部244を通る軸264に接続する頭部11が下側に向けて移動する。
【0068】
以上のように、本実施形態では、アームモータ21Mを駆動し、第1ギア251を回転させることによって、図6(a)に示す待機状態から、図6(b)に示す出現状態へと頭部11の位置が移行する。
なお、頭部11の位置を出現状態から待機状態へと移行させる場合には、図6(b)に示す矢印VIbとは逆方向に第1ギア251を回転させる。これによって、図6(b)に示す出現状態のように頭部11が下側に位置した状態から、図6(a)に示す待機状態のように頭部11が上側に位置した状態へと移行する。
【0069】
〔胴体部ユニットの機能・構成〕
図7は、胴体部ユニット30の全体図である。また、図8は、胴体部ユニット30の分解図である。そして、図9は、胴体部ユニット30の背面図である。なお、図7〜図9では、待機状態にある胴体部ユニット30を示している。
また、図10は、胴体部第1基板及び胴体部第2基板の保持を説明するための図である。
【0070】
図7に示すように、胴体部ユニット30は、胴体部31と、胴体部31を昇降させるリフト部41と、胴体部31及びリフト部41の間の制御信号及び電力の伝達を中継する中継部90とを備えている。
(胴体部の機能・構成)
可動部材の一例としての胴体部31は、図7に示すように、胴体部31の正面側Fに装飾を施す胴体装飾部材33と、頭部ユニット10における頭部11の顔シャッタ13を開閉する開閉機構部51と、光源や接続端子などの電子部品を有する基板部70と、胴体ベース部材31Bとを備えている。
図8に示すように、本実施形態の胴体部31では、正面側Fから背面側Bに向けて、胴体装飾部材33、開閉機構部51、基板部70の順に、胴体ベース部材31Bに取り付けられる。従って、リフト部41により胴体ベース部材31Bを上下に移動させた際には、胴体装飾部材33、開閉機構部51及び基板部70も胴体ベース部材31Bに伴って上下に移動する。
【0071】
−胴体装飾部材−
胴体装飾部材33は、図7及び図8に示すとおり、胴体部ユニット30の最も遊技者側(正面側F)に設けられる部材である。胴体装飾部材33は、本実施形態では、ロボットの形をした本実施形態の可動役物115の胴体を表現するように装飾が施された部材である。そして、胴体装飾部材33は、胴体部ユニット30に取り付けられた状態にて、各種部材を覆うように形成されている。また、胴体装飾部材33は、一部が基板部70の後述するLED73の光を透過する部材によって構成されている。そして、LED73から光の照射を受けることによって、胴体装飾部材33の一部が光って見えるという演出を行う。
【0072】
−開閉機構部−
図8に示すように、開閉機構部51は、頭部11における顔シャッタ13のフック受け部16(図5参照)に掛けられる第1フック部材521及び第2フック部材522と、第1フック部材521及び第2フック部材522を上下方向に移動させるフック移動部材53と、フック移動部材53の動力源となるフックモータ51Mと、フックモータ51M及びフック移動部材53を接続するギア列54とを備える。
そして、第1フック部材521及び第2フック部材522が顔シャッタ13のフック受け部16に掛かった状態で、フックモータ51Mによってギア列54を回転駆動させてフック移動部材53を移動させる。例えばフック移動部材53を下側に移動させると、第1フック部材521及び第2フック部材522によって頭部11の顔シャッタ13が下がり、顔部材12が現れた状態になる。また、例えばフック移動部材53を移動させて、第1フック部材521及び第2フック部材522の顔シャッタ13のフック受け部16への掛かりを解除することで、顔部材12が覆われた状態に戻る。
【0073】
−基板部−
基板部70は、図8に示すように、胴体部第1基板71と胴体部第2基板72とを有する。胴体部第1基板71は、胴体ベース部材31Bに取り付けられる。胴体部第1基板71は、予め定められた配線パターンの電子回路を有している。そして、胴体部第1基板71の電子回路には、複数のLED73や、給電を受けるための受電部71Rが接続する。
【0074】
また、胴体部第2基板72は、胴体ベース部材31Bに取り付けられる。胴体部第2基板72は、予め定められた配線パターンの電子回路を有している。そして、胴体部第2基板72の電子回路には、複数のLED73や、中継部90の第2ハーネス92(後述)のコネクタ92C2の接続を受ける受電部72Rが実装される。また、胴体部第2基板72の電子回路には、胴体部第1基板71の受電部71Rにつながるハーネス(不図示)を接続するための接続端子72Sが取り付けられる。さらに、胴体部第2基板72の電子回路には、開閉機構部51のフックモータ51Mに電気的につながるハーネス(不図示)を接続するための接続端子72Dが実装される。
【0075】
上記のように構成される基板部70では、胴体部第2基板72の受電部72Rを介して中継部90の第2ハーネス92から制御信号の伝達及び電力供給を受ける。そして、胴体部第2基板72において給電により複数のLED73が発光することで、胴体装飾部材33がLED73によって内側から照らされる。また、胴体部第2基板72の接続端子72S及び胴体部第1基板71の受電部71Rを介して、胴体部第1基板71の複数のLED73が給電を受ける。これによって、胴体部第1基板71のLED73が発光することで、胴体装飾部材33が内側から照らされる。
【0076】
また、胴体部第2基板72の受電部72Rにて第2ハーネス92から受けた制御信号のうち開閉機構部51のフックモータ51Mの動作に関わる信号は、胴体部第2基板72の接続端子72Dを介してフックモータ51Mへとさらに伝達される。そして、フックモータ51Mは、接続端子72Dを介して受け付けた信号に基づいて動作することで、上述のとおり顔シャッタ13の開閉動作を行う。
【0077】
−胴体ベース部材−
図8に示すように、胴体ベース部材31Bは、リフト部41と対向する側となる背面側Bに、第1スライド部341及び第2スライド部342を有している。また、胴体ベース部材31Bは、第1スライド部341及び第2スライド部342が取り付けられる部分となる第1突起部32L及び第2突起部32R(突出部)を備えている。さらに、胴体ベース部材31Bは、胴体装飾部材33と対向する側となる正面側Fに、基板部70を保持する領域である第1基板保持部371及び第2基板保持部372を有する。また、胴体ベース部材31Bは、胴体ベース部材31Bの位置を検知する際に検知対象となる被検知部36を備えている。さらに、胴体ベース部材31Bは、中継部90の第2ハーネス92(後述)を保持するハーネス保持部80を有している。なお、ハーネス保持部80については、後に詳しく説明する。
【0078】
本実施形態の胴体ベース部材31Bは、例えば合成樹脂を材料に用いることができる。そして、本実施形態は、胴体ベース部材31Bにおける第1突起部32L及び第2突起部32Rと、第1基板保持部371及び第2基板保持部372と、被検知部36と、ハーネス保持部80とを一体形成している。
【0079】
さらにまた、本実施形態では、第1基板保持部371及び第2基板保持部372(胴体ベース部材31B)は、導電性を有しない合成樹脂材料によって構成している。そして、後に詳しく説明するとおり、第1基板保持部371及び第2基板保持部372が、第1スライド部341及び第2スライド部342にて発生した静電気に対して絶縁性を有するようにしている。なお、第1基板保持部371及び第2基板保持部372は、第1スライド部341及び第2スライド部342にて発生した静電気に対して絶縁性を有する部材を用いれば良く、本実施形態のように合成樹脂材料以外のものを用いても構わない。
【0080】
第1スライド部341及び第2スライド部342は、図9に示すように、胴体部31が遊技盤110に取り付けられた状態にて、それぞれ上下方向に延びて形成される。第1スライド部341及び第2スライド部342は、筋状の凸形状を有する部材である。そして、第1スライド部341は後述の第1リフト案内部451の溝に、第2スライド部342は後述の第2リフト案内部452の溝に嵌め込まれて移動可能に保持される。
【0081】
また、本実施形態の胴体ベース部材31Bは、図8に示すように、背面において更に背面側Bに向けて突出する筋状の第1突起部32L及び第2突起部32Rを有している。胴体ベース部材31Bにおいて、第1突起部32L及び第2突起部32Rは、第1基板保持部371及び第2基板保持部372が形成される位置の反対側に形成している。そして、本実施形態では、第1スライド部341及び第2スライド部342を、第1突起部32L及び第2突起部32Rにそれぞれ取り付けている。
【0082】
これによって、図10に示すように、第1基板保持部371に設けられる胴体部第1基板71と、第1スライド部341との距離が一定以上離れるようにしている。同様に、第2基板保持部372に設けられる胴体部第2基板72と第1スライド部341との距離が一定以上離れるようにしている。これによって、本実施形態では、後に詳しく説明するように第1スライド部341及び第2スライド部342にて静電気が発生した場合に、発生した静電気が胴体部第1基板71及び胴体部第2基板72へと放電し難くなるようにしている。
【0083】
そして、第1スライド部341及び第2スライド部342は、図9に示すように、それぞれ第1ラックギア351及び第2ラックギア352を有している。第1ラックギア351及び第2ラックギア352は、胴体部31が遊技盤110に設けられた状態で、上下方向に沿って延びて設けられる。第1ラックギア351及び第2ラックギア352は、本実施形態では、胴体ベース部材31Bの左右の端部にて、第1ラックギア351の歯と第2ラックギア352の歯とが向き合うように設けられる。第1ラックギア351には第1ピニオンギア441が接続し、第2ラックギア352には第2ピニオンギア442が接続する。そして、第1ラックギア351及び第2ラックギア352が力を受けることによって、胴体ベース部材31Bが上下方向に移動する。
【0084】
保護部の一例としての第1基板保持部371及び第2基板保持部372は、図8に示すように、胴体ベース部材31Bの一端側と他端側とにそれぞれ設けられている。そして、図10に示すように、第1基板保持部371は基板部70の胴体部第1基板71を保持し、第2基板保持部372は基板部70の胴体部第2基板72を保持する。
図10に示すように、第1基板保持部371は、胴体部第1基板71の外形よりも大きい領域を有している。一方の、第2基板保持部372も、胴体部第2基板72の外形よりも大きい領域を有している。このように、本実施形態では、第1基板保持部371及び第2基板保持部372は、胴体部第1基板71及び胴体部第2基板72の全体をそれぞれ覆うようにして胴体部第1基板71及び胴体部第2基板72を保持する。
【0085】
被検知部36は、図8に示すように、本実施形態ではハーネス保持部80の下側に配置され、胴体ベース部材31Bの側部にて外側に向けて突出するように形成される。被検知部36は、リフト部41の後述のリフトセンサ46(図7参照)を用いた胴体ベース部材31Bの位置の検出の際に用いられる検知対象となる部位である。本実施形態では、被検知部36は、図7に示すように、胴体部31が待機状態の位置にあるときに、リフトセンサ46に対向する胴体ベース部材31Bの端側の一部に形成する。
【0086】
(中継部の機能・構成)
中継部90は、図8に示すように、ランプ制御部320から送られる制御信号や電力を中継する中継端子板90Bと、ランプ制御部320及び中継端子板90Bを電気的に接続する第1ハーネス91と、中継端子板90B及び基板部70の第2基板を電気的に接続する第2ハーネス92とを備える。
中継端子板90Bは、予め定められた配線パターンの電子回路が形成された基板である。本実施形態では、中継端子板90Bの表面側及び裏面側にそれぞれ配線パターンが形成されており、表面側及び裏面側の配線パターンは中継端子板90Bに貫通形成されるスルーホール(不図示)により電気的に接続している。そして、本実施形態では、中継端子板90Bは、リフトベース部材41Bの図8中右側の端部における背面側Bに取り付けられる。
【0087】
第1ハーネス91は、信号経路や給電経路など複数の電線を有している。そして、第1ハーネス91の一端側はランプ制御部320に電気的に接続している。また、第1ハーネス91の他端側にはコネクタ91Cが設けられ、コネクタ91Cが中継端子板90Bの裏面側に設けられる受電部95に接続している。
第2ハーネス92は、信号経路や給電経路など複数の電線を有している。第2ハーネス92の一端側にはコネクタ92C1が、第2ハーネス92の他端側にはコネクタ92C2が設けられる。そして、第2ハーネス92のコネクタ92C1が中継端子板90Bの表面側の受電部96に接続し、第2ハーネス92のコネクタ92C2が基板部70の胴体部第2基板72の受電部72Rに電気的に接続することで、中継端子板90Bと胴体部第2基板72とが第2ハーネス92によって電気的に接続する。
【0088】
(リフト部の機能・構成)
基礎部材の一例としてのリフト部41は、図8に示すように、リフトベース部材41Bを有する。また、リフト部41は、駆動源であるリフトモータ41M、リフトモータ41Mの回転軸に直接取り付けられるギア430に接続するギア432、及びギア432に接続するギア431を備える。さらに、リフト部41は、ギア431及び胴体部31の第1ラックギア351(図9参照)に噛み合う第1ピニオンギア441と、ギア432及び胴体部31の第2ラックギア352(図9参照)に噛み合う第2ピニオンギア442とを備える。
また、図8に示すように、リフトベース部材41Bは、胴体ベース部材31Bを案内する第1リフト案内部451及び第2リフト案内部452を左右方向の端部にそれぞれ有している。さらに、リフト部41は、ランプ制御部320に電気的に接続するとともに基板部70に電気的に接続して、ランプ制御部320からの制御信号及び電力供給を基板部70へと中継する中継部90を有している。また、リフト部41は、胴体ベース部材31Bに設けられる被検知部36(図7参照)を検知するリフトセンサ46を備えている。
【0089】
図8に示すように、リフトモータ41Mは、リフトベース部材41Bに取り付けられる。また、ギア432、第1ピニオンギア441、及び第2ピニオンギア442の回転軸は、それぞれリフトベース部材41Bが保持している。さらに、中継部90の後述する中継端子板90B、及びリフトセンサ46は、リフトベース部材41Bに取り付けられる。そして、リフトベース部材41B自体は、遊技盤110の所定の位置に固定される。従って、リフトベース部材41Bに保持されるリフトモータ41Mやギア部材は、部材の位置として移動はしない。
【0090】
本実施形態のリフトモータ41Mには、ステッピングモータを用いることができる。リフトモータ41Mは、ランプ制御部320による制御により回転する。そして、リフトモータ41Mは、ギア430を介して回転力をギア432に付与する。
ギア432は、リフトモータ41Mから受けた回転力を第2ピニオンギア442に伝達する。また、ギア431は、ギア432を介してリフトモータ41Mから受けた回転力を第1ピニオンギア441に伝達する。
そして、図9に示すように、第1ピニオンギア441及び第2ピニオンギア442は、リフトモータ41Mから伝達される回転力を胴体部31の第1ラックギア351及び第2ラックギア352に付与する。
【0091】
第1リフト案内部451及び第2リフト案内部452は、図8に示すように凹部形状を有する溝である。そして、第1リフト案内部451及び第2リフト案内部452は、リフト部41が遊技盤110に設けられた状態にて、上下方向に沿って延びて形成される(図9参照)。第1リフト案内部451及び第2リフト案内部452を構成する凹部形状の溝の幅は、嵌め込まれる胴体ベース部材31Bの第1スライド部341及び第2スライド部342が摺動可能であって、胴体ベース部材31Bにガタツキが生じないように設定される。そして、第1リフト案内部451の凹部に沿って胴体ベース部材31Bの第1スライド部341が移動可能に嵌め込まれ、第2リフト案内部452の溝に沿って第2スライド部342が移動可能に嵌め込まれる。そして、リフト部41によって、胴体部31を昇降させる際に胴体ベース部材31Bの移動を案内する。
【0092】
リフトセンサ46は、図8に示すように、リフトベース部材41Bに取り付けられる。従って、胴体部31が移動しても、リフトセンサ46及びは移動しない。そして、リフトセンサ46は、被検知部36が対向した際に、被検知部36を挟むようにして配置される発光素子及び受光素子(検知素子)を有する(図7参照)。そして、リフトセンサ46は、それぞれ、発光素子から発したビームが受光素子によって検知されたか否かという検知結果をランプ制御部320に送る。
【0093】
例えば、図7に示す待機状態においては、リフトセンサ46には被検知部36が対向する。従って、リフトセンサ46では「受光なし」、では「受光あり」という検知結果が得られる。一方で、出現状態(後述の図12参照)では、リフトセンサ46には被検知部36は対向しない。この場合、リフトセンサ46では「受光あり」、では「受光なし」とう検知結果が得られる。これによって、本実施形態のランプ制御部320では、リフトセンサ46における受光のあり/なしの検知結果に基づき、胴体ベース部材31Bが待機状態の位置に位置しているか否かを判断可能な構成にしている。
【0094】
続いて、胴体ベース部材31Bに設けられ、中継部90の第2ハーネス92を保持するハーネス保持部80について詳しく説明する。
図11は、胴体ベース部材31Bのハーネス保持部80を詳細に説明するための図である。なお、図11(a)はハーネス保持部80の拡大図であり、図11(b)はハーネス保持部80周辺の底面図である。
図11(a)に示すように、ハーネス保持部80は、胴体ベース部材31Bの側部にてその側部からさらに外側に向けて突出して設けられている。そして、本実施形態では、ハーネス保持部80は、第2ハーネス92のハーネス保持部80側とは逆側が接続するリフトベース部材41B(中継端子板90B)に向けて突出して設けられる(図7参照)。
ハーネス保持部80は、開口部81と、挟み部82と、開口部81及び挟み部82を支持する板部83とを有している。ハーネス保持部80では、開口部81が胴体ベース部材31Bに取り付けられる基板部70に近い側に、挟み部82が胴体ベース部材31Bに取り付けられる基板部70から遠い側に位置するように形成される。また、図11(b)に示すように、ハーネス保持部80の背面側Bに板部83が位置するように設けられ、ハーネス保持部80の正面側Fは開放されている。
【0095】
挟み部82は、隙間を挟んで対峙する第1突起部821と第2突起部822とを有している。そして、第1突起部821と第2突起部822とは、胴体部31の移動方向に沿った一端側と他端側とに配置されている。また、第1突起部821及び第2突起部822とは、本実施形態では胴体ベース部材31Bの側部から一定の距離だけ離れた位置に設けられる。本実施形態では、胴体部第2基板72のコネクタ92C2を受ける受電部72Rが胴体ベース部材31Bの内側の端に位置している。従って、第1突起部821及び第2突起部822は、受電部72R及びコネクタ92C2に対して一定の距離だけ離れて設けられる。
【0096】
開口部81の開口の幅は、図11(a)に示すように、本実施形態では第2ハーネス92の外径よりも大きく、第2ハーネス92のコネクタ92C2の横幅以下になるように設定している。本実施形態では、開口部81の開口の幅を第2ハーネス92の外径よりも大きくすることで、開口部81が第2ハーネス92を拘束しないようにしている。また、本実施形態では、開口部81の開口の幅を第2ハーネス92のコネクタ92C2の横幅以下に設定することで、受電部72Rにコネクタ92C2を着脱する際に、開口部81(斜面部85)がコネクタ92C2に接触してコネクタ92C2の着脱を案内できるようにしている。
【0097】
挟み部82を構成する第1突起部821と第2突起部822との間隔は、第1突起部821と第2突起部822とによって第2ハーネス92を保持することが可能に設定されていれば良く、本実施形態では第2ハーネス92の外径より若干狭い幅に設定している。
【0098】
また、図10(b)に示すように、挟み部82を構成する第1突起部821と第2突起部822とは、板部83からの距離が第2ハーネス92を保持することが可能な高さになるように設定されている。そして、開口部81は、上側部(正面側Fを向く面)に斜面部85を有している。斜面部85は、挟み部82側から受電部72R及びコネクタ92C2に向かうに従って板部83からの高さが次第に低くなるように傾斜している。そして、斜面部85は、開口部81の受電部72R及びコネクタ92C2に最も近い側が胴体部第2基板72の上面と同じ位置あるいは上面よりも低くなるように設定されている。
【0099】
そして、第2ハーネス92を胴体部第2基板72に接続する際には、開口部81の斜面部85に沿わせて第2ハーネス92のコネクタ92C2を移動させる。そして、第2ハーネス92のコネクタ92C2を受電部72Rに接続させる。また、第2ハーネス92のコネクタ92C2から遠い部分を挟み部82の第1突起部821及び第2突起部822の間に挿入することでハーネス保持部80に第2ハーネス92を挟んで保持させる。
なお、本実施形態のハーネス保持部80では、正面側Fが開放しているためコネクタ92C2を正面側Fから開口部81及び挟み部82に差し込むことができ、取り付けが容易になっている。また、胴体部31(胴体ベース部材31B)の移動方向に沿って挟み部82の第1突起部821及び第2突起部822が並べて配置されるため、胴体部31の昇降移動によっては第2ハーネス92が外れ難くなっている。
【0100】
(胴体部ユニットの動作)
図12は、出現状態にある胴体部ユニット30を示す図である。
本実施形態では、ランプ制御部320によってリフトモータ41Mを制御することで、リフト部41を動作させる。例えば、ランプ制御部320は、リフトモータ41Mが予め定められた回転方向に、予め定められたステップ数(回転角度)だけ回転するように制御する。
そして、リフトモータ41Mを動作させて、ギア432を図12中矢印XII方向に回転させる。そうすると、ギア432に接続する第2ピニオンギア442が回転する。そして、第2ピニオンギア442の回転を受けて、リフトベース部材41Bの第2ラックギア352が上方に向けて押し上げられる。一方、ギア432が回転することで、ギア431を介して第1ピニオンギア441が回転する。そして、第1ピニオンギア441の回転によって、リフトベース部材41Bの第1ラックギア351が上方に向けて押し上げられる。リフトベース部材41Bが上側に向けて押し上げられることで、リフトベース部材41Bに保持される胴体部31が出現状態の位置へと移動する。
【0101】
以上のように、本実施形態では、リフトモータ41M駆動し、ギア432を回転させることによって、待機状態(図7参照)から、図12に示す出現状態へと胴体部31の位置が移行する。
なお、胴体部31の位置を出現状態から待機状態へと移行させる場合には、図12に示す矢印XIIとは逆方向にギア432を回転させる。これによって、図12に示す出現状態のように胴体部31が上側に位置した状態から、待機状態(図7参照)のように胴体部31が下側に位置した状態へと移行する。
【0102】
リフト部41によって胴体部31が昇降することによって、一端側がリフト部41に設けられる中継端子板90Bに取り付けられ、他端側が胴体部31の胴体部第2基板72に取り付けられる第2ハーネス92は、昇降動作の度に移動して変形する。ここで、本実施形態では、ハーネス保持部80の挟み部82によって第2ハーネス92のコネクタ92C2から離れた位置を挟んで保持する一方で、コネクタ92C2近傍には開口部81が設けられているため、第2ハーネス92のコネクタ92C2の部分に対して負荷が掛かり難くなっている。
また、胴体部第2基板72の受電部72Rによってしっかりと固定されるコネクタ92C2から離れた位置にて、挟み部82によって第2ハーネス92の動きを規制することで、コネクタ92C2の部分にて第2ハーネス92が大きく振れることが抑制される。本実施形態では、ハーネス保持部80によって第2ハーネス92を保持することによって、第2ハーネス92の断線を防止している。
【0103】
特に、本実施形態では、ハーネス保持部80を胴体ベース部材31Bの端部にてリフトベース部材41Bに向けて突出させて形成することで、リフトベース部材41Bに対してより近い位置で第2ハーネス92を保持する(図7参照)。これによって、本実施形態では、例えばハーネス保持部80を胴体ベース部材31Bの端部の内側に設けるなどリフトベース部材41Bに対して遠い位置で第2ハーネス92を保持する場合と比較して、昇降移動に伴って第2ハーネス92における変形の範囲が小さくなる。このように、ハーネス保持部80を胴体ベース部材31Bの端部にてリフトベース部材41Bに向けて突出させて形成することで、第2ハーネス92の損傷をさらに低減している。
【0104】
また、上述のとおり、本実施形態では、ハーネス保持部80が設けられていることで、第2ハーネス92自体に損傷を防止するための特別な部材を設けることを必須要件としない。従って、例えば第2ハーネス92として汎用品を用いることができる。一方で、第2ハーネス92の接続対象となる部材(本実施形態では胴体部31が相当)は、機種や演出部材の種類毎に構成が異なる。そして、本実施形態では、第2ハーネス92の接続対象である胴体部第2基板72が取り付けられる胴体ベース部材31Bにハーネス保持部80を設けるため、胴体ベース部材31Bを設計・製造する段階にてハーネス保持部80を一貫して形成することができる。また、例えば、胴体ベース部材31Bにおける胴体部第2基板72の位置に変えたい場合には、それに対応して胴体ベース部材31Bにおけるハーネス保持部80の形成位置を変えることによって対応することも可能である。さらに、本実施形態ではハーネス保持部80が胴体ベース部材31Bに一体形成されており、ハーネス保持部80を別体に形成する場合と比較して製造工程の増加を抑制できる。
【0105】
また、リフト部41によって胴体部31が昇降する際に、胴体部31の胴体ベース部材31Bに設けられる第1スライド部341と第1リフト案内部451との間における摩擦によって静電気が発生する場合がある。同様に、胴体部31の胴体ベース部材31Bに設けられる第2スライド部342と第2リフト案内部452との間における摩擦によって静電気が発生する場合がある。
これに対して、本実施形態の胴体部ユニット30では、第1スライド部341と胴体部第1基板71との間に合成樹脂を材料とする絶縁性を有する第1基板保持部371が設けられている。また、第2スライド部342と胴体部第2基板72との間に合成樹脂を材料とする絶縁性を有する第2基板保持部372が設けられている。従って、第1スライド部341あるいは第2スライド部342にて発生した静電気は、それぞれ第1基板保持部371や第2基板保持部372によって遮蔽され、胴体部第1基板71や胴体部第2基板72へと放電し難くなっている。
【0106】
特に、図10に示すように、本実施形態の胴体部第1基板71や胴体部第2基板72の第1スライド部341及び第2スライド部342を向く側は、それぞれ第1基板保持部371や第2基板保持部372によって全体が覆われている。そして、胴体部第1基板71や胴体部第2基板72は、第1基板保持部371や第2基板保持部372に取り付けられて第1基板保持部371や第2基板保持部372と共に移動するため、第1スライド部341及び第2スライド部342において生じる静電気の影響をより受けないように構成されている。
【0107】
以上のように、本実施形態では、静電気の発生源の一つとなる第1スライド部341や第2スライド部342の付近に設けられる第1基板保持部371や第2基板保持部372を静電気放電から保護することで、第1基板保持部371や第2基板保持部372に接続する電子部品の損傷や誤作動の発生を抑制している。
【0108】
なお、本実施形態では、例えば可動役物115などをパチンコ遊技機100に適用した例を用いて説明したが、スロットマシンなどのパチンコ遊技機以外の遊技機に適用しても構わない。
【符号の説明】
【0109】
10…頭部ユニット、30…胴体部ユニット、60…腕部ユニット、100…パチンコ遊技機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技演出を行う演出部材を有する遊技機であって、
前記演出部材は、
遊技機の所定の位置に設けられる基礎部材と、
前記基礎部材に移動可能に保持される可動部材と、
前記可動部材に取り付けられ、当該可動部材を一端から他端の方向に沿ってスライドさせるスライド部材と、
前記基礎部材に取り付けられ、前記一端から前記他端の方向に沿った前記スライド部材の移動を案内する案内部材と、
前記可動部材に設けられ、電子回路が形成され電子部品が実装される回路基板と、
前記スライド部材と前記案内部材との摩擦によって生じる静電気に対する絶縁性を有し、当該スライド部材と前記回路基板との間に設けられる保護部と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記可動部材は、当該可動部材の前記回路基板が設けられる位置の反対側の面にて当該回路基板から離れる方向に突出した突出部を有し、
前記スライド部材は、前記可動部材の前記突出部に取り付けることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記保護部は、前記可動部材に設けられるとともに、前記回路基板を覆うように形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記保護部は、前記可動部材を構成する部材に一体形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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