過熱防止装置およびその過熱防止装置を備えたガスレンジ
本発明は、使用者がガスレンジの使用中にうっかりして他の用事をする場合でも、使用者が予め設定しておいた時間が経過すると、バーナーの火が消えることで、火災の安全事故を未然に防止することができる、過熱防止装置およびこれを備えたガスレンジに関するものであって、本発明に係るガスレンジの過熱防止装置は、ガスレンジのバーナー部に取り付けられた熱電対と、熱電対の熱起電力で磁力を生成してガス供給通路を選択的に開閉するマグネチックガス開閉装置と、熱電対の出力端子とマグネチックガス開閉装置の入力端子との間に設けられ、開始状態および設定時間終了状態においては、接続された2つの端子を電気的な切断状態に保持し、設定時間の持続状態においては、接続された2つの端子を電気的な接続状態に保持するタイマースイッチとを備えてなる。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、過熱防止装置を備えたガスレンジに関し、特に、熱電対を用いたマグネチックガス開閉装置にタイマースイッチを結合し、タイマースイッチに時間設定を行って始めて点火が可能となるように構成された過熱防止装置およびこれを備えたガスレンジ、そして、バーナーの火を感知するとマグネチックガス開閉装置を開放するように制御し、バーナーの火を感知してから所定の時間が経過した場合またはバーナーの火が消えたのを感知した場合は、マグネチックガス開閉装置を閉鎖するように制御する、ガスレンジの電子過熱防止装置およびこれを備えたガスレンジに関する。
【0002】
人類の文明は、火の使用と共に発展してきていると言っても言い過ぎではない。人類の文明の発展と共に人類の使用する燃料も発展し、近年は、ガス(例えば、LNG、LPG、ブタンガスなど)を調理または暖房のための燃料として使用する装置が開発されつつある。
【0003】
このようなガス燃料は、石油または石炭のような燃料に比べて、熱効率が高く取り扱いが容易で、公害を起こさないなど、環境にやさしいというメリットを有するが、小さなスパークによっても爆発または火事を起こすことがあるという危険を持っている。従って、ガスを燃料として使用するガスレンジには、種々の安全装置を備えるように法的に強制しており、使用者の不注意な使い方にも安全な製品を開発するための努力が続けられている。なお、本発明におけるガスレンジは、調理用ガスレンジ、ガスストーブ、携帯用ガスレンジなどを含むものであって、ガスを燃料とする、調理用および暖房用の装置を含むものと定義する。
【0004】
従来のガスレンジでは、ガス供給の途中、鍋からの汁こぼれ、強い風、使用者の誤操作などでバーナーの火が消えると、ガスが流出してしまい、火事などの安全事故が発生することがあり得る。即ち、このようなガスレンジは、作動中にはガス供給通路が開放状態に保持されるため、バーナーの火が消化された状態でもガスが流出されるようになる。従って、使用者が点火用ガス調節ノブでガスを閉めないと、ガスが燃焼されずにバーナーから流出されてしまうことになる。このような状況で、使用者が点火用ガス調節ノブを用いてバーナーを再点火すると、流出されたガスによる爆発、火事などの安全事故が発生する可能性が非常に高い。
【0005】
〔背景技術〕
前述のような安全事故を防止するため、熱電対を用いたマグネチックガス開閉装置を備えたガスレンジが開発されている。熱電対を用いたマグネチックガス開閉装置を備えたガスレンジでは、ガスレンジのバーナー部の近くに熱電対を設けるようになる。バーナーが発火すると、熱電対においては熱起電力が発生し、マグネチックガス開閉装置は、該熱起電力を供給されて磁力を生成することで、ガス供給通路を開放状態に保持させる。従って、使用者は、点火用ガス調節ノブを手で押圧してガス供給通路を開放させることでバーナーにガスを供給して点火させる。なお、熱電対により発生した熱起電力によるマグネチックガス開閉装置の磁力は、使用者による押圧動作の代わりにガス供給通路を開放状態に保持させる働きをする。よって、バーナーの火が付いている時、使用者が点火用ガス調節ノブを押圧する力を解除しても、マグネチックガス開閉装置の磁力によりガス供給通路は開放状態に保持されるが、バーナーの火が消えると、熱電対の熱起電力がなくなり、マグネチックガス開閉装置の磁力もなくなるため、ガス供給通路は閉鎖され、ガスの流出が発生しなくなる。
【0006】
しかし、熱電対を用いたガス開閉装置を備えたガスレンジにおいても、使用者の不注意で点火状態が過度に長く維持される場合、過熱による火災が発生するおそれがある。即ち、例えば、ガスレンジの弁開閉量を調節して料理などのために火を付けたままで使用者が他の用事をする場合、料理の焦げまたは鍋の過熱による火災事故が発生するおそれがある。これを防止するため、従来は、ガスレンジにタイマーを取り付けて選択的にタイマーで時間設定を行うことで、タイマーの設定時間が経過するとガス供給通路を閉鎖されるという方式が提案されている。
【0007】
しかし、このような選択的タイマーを採用する方式においても、使用者の不注意から完璧に安全であるとは言えない。即ち、使用者がガスヒータを点火させた後、タイマーの設定を行わずに外出または昼寝をする場合などで火災事故に繋がることが多いためである。
【0008】
また、従来の技術による熱電対を用いたガス開閉装置においては、バーナーの火が付いたとしても、マグネチックガス開閉装置がガス供給通路を開放状態に保持できる程の熱起電力を生成するまでは、いくらかの加熱時間が必要になるが、十分な加熱時間が経過する前に使用者が点火用ガス調節ノブを押える力を解除すると、ガス供給通路が閉鎖されてしまい、バーナーの火が消える現象が発生する。
【0009】
また、従来の技術による熱電対を用いたガス開閉装置を採用するガスレンジでは、使用者が直接肉眼でバーナーの火が付いているか否かを確認する必要があるが、ガスレンジの設置位置が使用者の目の高さに比べて低くなっている場合は、使用者に不便を与える。
【0010】
〔発明の開示〕
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、熱電対を用いたマグネチックガス開閉装置を備えたガスレンジにタイマースイッチを取り付けることで、タイマースイッチに時間設定が行われた場合にのみガスレンジの点火などのような作動ができるようにし、設定時間が経過した後は、ガス供給通路を閉鎖するように構成することで、使用者の不注意な使い方にも爆発、火災事故から安全な過熱防止装置およびその過熱防止装置を備えたガスレンジを提供することに、第1および第2の目的がある。
【0011】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、バーナーの火を感知した後、所定の時間が経過すると、使用者が認知または操作したか否かにかかわらずにガス供給を遮断することで、安全事故を未然に防止し、バーナーの火が感知されると、即時にマグネチックガス開閉装置がガス供給通路を開放状態に保持できる程の起電力を供給し、また、ガスの火を外部から容易に確認できる手段を提供する、ガスレンジの電子加熱防止装置およびその電子過熱防止装置を備えたガスレンジを提供することに、第3および第4の目的がある。
【0012】
上記の第1の目的を達成するための本発明に係るガスレンジの過熱防止装置は、ガスレンジのバーナー部に取り付けられ、バーナーの火による熱起電力を生成する熱電対と、前記熱電対の熱起電力で磁力を生成してガス供給通路を選択的に開閉するマグネチックガス開閉装置と、前記熱電対の出力端子のいずれか1つと前記マグネチックガス開閉装置の入力端子のいずれか1つとの間に設けられ、開始状態および設定時間終了状態においては、切断状態に保持し、設定時間の持続状態においては、接続状態に保持するタイマースイッチと、を備えてなる。
【0013】
上記の第2の目的を達成するための本発明による過熱防止装置を備えたガスレンジは、供給されたガスを燃焼させてバーナーの火を生成するバーナー部と、前記バーナー部に取り付けられ、バーナーの火による熱起電力を生成する熱電対と、前記熱電対の熱起電力で磁力を生成して前記バーナー部に供給されるガスの供給通路を選択的に開閉するマグネチックガス開閉装置と、前記熱電対の2つの出力端子のいずれか1つと前記マグネチックガス開閉装置の2つの入力端子のいずれか1つとの間に設けられ、開始状態および設定時間終了状態においては、接続された2つの端子を電気的な切断状態に保持し、設定時間の持続状態においては、接続された2つの端子を電気的な接続状態に保持するタイマースイッチと、を備えてなる。
【0014】
前記過熱防止装置を備えたガスレンジは、LPGまたはLNGを燃料として使用する調理用ガスレンジであり、前記調理用ガスレンジは、複数のバーナー部を有し、バーナー部別に熱電対およびマグネチックガス開閉装置を有し、前記タイマースイッチは、各熱電対の2つの出力端子のいずれか1つと熱電対と対応するマグネチックガス開閉装置の2つの入力端子のいずれか1つとを開閉する複数のスイッチを有し、開始状態および設定時間終了状態においては、全てのスイッチを電気的切断状態に保持し、設定時間の持続状態においては、全てのスイッチを電気的接続状態に保持することを特徴とする。
【0015】
前記過熱防止装置を備えたガスレンジは、LPGまたはLNGを燃料として使用するガスストーブであることを特徴とする。
【0016】
前記過熱防止装置を備えたガスレンジは、携帯用ブタンガスを燃料として使用する携帯用ガスレンジであることを特徴とする。
【0017】
上記の第3の目的を達成するための、1つ以上のバーナーを備えたガスレンジのガス供給通路を安全に開閉するように制御する本発明に係るガスレンジの電子過熱防止装置は、所定の起電力を有する直流電源を供給する電源供給部と、バーナーの熱を感知して熱起電力を生成する1つ以上の熱感知部と、使用者からバーナー別の動作時間調整信号を入力される入力ボタン部と、磁化起電力が保持されると、対応するバーナーのガス供給通路を開放保持し、磁化起電力がなくなると、対応するバーナーのガス供給通路を遮断する1つ以上のマグネチックガス開閉装置と、バーナー別の動作時間を数字で表示する数字表示部と、熱感知部の熱起電力が所定の閾値以上に上がると、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を供給するように制御し、動作時間が経過した時または熱起電力が閾値以下に下がる時は、対応するマグネチックガス開閉装置に供給される磁化起電力を遮断するように制御し、所定の基準動作時間を基準にして動作時間調整信号により調整されたバーナー別の動作時間を時間の流れに沿って調整管理する制御回路部と、を有し、前記制御回路部は、入力ボタンから当該バーナーの動作時間調整信号が入力されていない場合は、基準動作時間が経過した後、対応するマグネチックガス開閉装置に供給される磁化起電力を遮断するように制御することを特徴とする。
【0018】
上記の第4の目的を達成するための、電子過熱防止装置を備えたガスレンジは、ガスを供給するガス供給部と、供給されるガスを燃焼させてバーナーの火を生成する1つ以上のバーナーと、所定の起電力を有する直流電源を供給する電源供給部と、バーナーの熱を感知して熱起電力を生成する1つ以上の熱感知部と、使用者からバーナー別の動作時間調整信号を入力される入力ボタン部と、磁化起電力が保持されると、対応するバーナーのガス供給通路を開放保持し、磁化起電力がなくなると、対応するバーナーのガス供給通路を遮断する1つ以上のマグネチックガス開閉装置と、バーナー別の動作時間を表示する数字表示部と、熱感知部の熱起電力が所定の閾値以上に上がると、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を供給するように制御し、動作時間が経過した時または熱起電力が閾値以下に下がる時は、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を遮断するように制御し、所定の基準動作時間を基準にして動作時間調整信号により調整されたバーナー別の動作時間を時間の流れに沿って調整管理する制御回路部と、を有し、前記制御回路部は、入力ボタンから当該バーナーの動作時間調整信号が入力されていない場合は、基準動作時間が経過した後、対応するマグネチックガス開閉装置に供給される磁化起電力を遮断するように制御することを特徴とする。
【0019】
前記ガスレンジの電子過熱防止装置およびその電子過熱防止装置を備えたガスレンジにおいて、制御回路部は、熱感知部からの熱起電力を増幅し、その値が所定の閾値以上に上がると、熱感知信号をオンとする熱起電力増幅部と、クロック信号を生成するクロックオシレータと、熱感知信号がオンすると、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を供給するように制御するバーナー制御信号を生成し、バーナー別に基準動作時間または動作時間をクロックオシレータのクロック信号により管理される時間情報に従って減少し、0となるか、熱感知信号がオフとなると、対応するマグネチックガス開閉装置に供給される磁化起電力を遮断するように制御するバーナー制御信号を生成するマイコンと、マイコンからバーナー別の基準動作時間または動作時間データを受け取って数字形成信号を生成し、その信号を数字表示部へ転送する数字形成信号生成部と、を備えることを特徴とする。
【0020】
〔発明を実施するための最良の形態〕
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な一実施例を詳述する。
【0021】
図1に示されたように、使用者の意図から外れた長時間のガスレンジ使用による過熱を防止するための本発明に係る過熱防止装置(1)は、熱電対(10)、マグネチックガス開閉装置(20)およびタイマースイッチ(40)を含んでなる。
【0022】
熱電対(10)は、ガスレンジのバーナー部(図示省略)に取り付けられ、バーナーの火による熱起電力を生成する。熱電対は、2種類の金属導体の両端を電気的に接続させ、その両端に温度差を与えると回路中に電流が流れる、Zeeback効果を用いるものであって、一方の側(基準接点)を一定の温度に維持し、他方の側(測温接点)をバーナー火の近くに位置させることで、両金属導体の温度差による熱起電力が得られる。
【0023】
マグネチックガス開閉装置(20)は、熱電対(10)の熱起電力で磁力を生成してガスレンジのバーナーへのガス供給通路を選択的に開閉する。
【0024】
また、図2に示されたように、マグネチックガス開閉装置(20)は、円筒形のハウジング(27)内部に空間部(24)が形成され、空間部には、電磁石(25)と長さ方向に往復動可能な移動ロッド(21)が位置し、移動ロッド(21)の一側には、金属片(22)と仕上げ部材(23)とが設けられている。金属片(22)は、熱電対(10)の熱起電力で磁化した電磁石(25)に密着されるように設けられ、金属片(22)の後側に固定された仕上げ部材(23)は、ハウジング(27)に形成されたガス排出溝(28)を選択的に開閉させることができるようになっている。仕上げ部材(23)としては、ガスを選択的に遮断させる時、密閉力を向上させるため、ゴム材を使用することが好ましい。
【0025】
マグネチックガス開閉装置(20)の移動ロッド(21)の外側部には、選択的に長さ方向に進退する移動ロッド(21)を緩衝および復元させるための第1のバネ(26)が外挿される。即ち、第1のバネ(26)は、電磁石(25)と金属片(22)との間に位置し、電磁石(25)が生成する磁力の強さに応じて進退する仕上げ部材(23)を復元および緩衝する働きをする。
【0026】
マグネチックガス開閉装置ハウジング(27)は、内部に形成された空間部(24)と連結されるガス流入溝(29)およびガス排出溝(28)を有し、また、ガス排出溝(28)と連結される制御溝(30)を有する。制御溝(30)には、移動ロッド(21)の端部を押して空間部(24)とガス排出溝(28)との間にガス流れのための通路を形成するためのプッシュピン(31)が位置する。プッシュピン(31)の胴部の後側には係止板(32)が設けられ、マグネチックガス開閉装置ハウジング(27)と係止板(32)との間には、プッシュピン(31)を取り囲む第2のバネ(37)が位置する。
【0027】
プッシュピン(31)は、ガス調節ノブ(34)の回転により移動ロッド(21)方向に移動することで空間部(24)とガス排出溝(28)との間にガス流れのための通路を形成する働きをし、胴部の後側の係止板(32)に係止する第2のバネ(37)は、使用者がガス調節ノブ(34)を回転させてバーナーの点火を行った後、ガス調節ノブ(34)から手を離す場合、再びプッシュピン(31)を復元させるためのものである。
【0028】
ガスレンジ本体(図示省略)またはマグネチックガス開閉装置ハウジング(27)の一部分には、プッシュピン(31)を移動ロッド(21)方向に移動させるための押圧ピン(33)が設けられている。押圧ピン(33)は、回動すると共にプッシュピン(31)を前方に押しながら移動できるように、その一側には、プッシュピン(31)の係止板(32)の後側に垂直に位置した押圧部(33a)が設けられ、他側には、回動部(33b)が設けられている。
【0029】
ガス調節ノブ(34)の胴部の後側の中央部には、突出片(35)が設けられ、外側部には、押圧片(36)が設けられている。なお、突出片(35)は、ガス調節ノブ(34)を中心に押圧片(36)より多少高く位置するが、その理由は、ガス調節ノブ(34)の回転により、突出片(35)が押圧ピン(33)を回動させてプッシュピン(31)と移動ロッド(21)とを前面に移動させることでガスがバーナーへ供給された後、押圧片(36)がガス調節ノブ(34)の近くに位置した圧電素子(図示省略)を押圧して点火させるようにするためである。
【0030】
なお、図2に示されたマグネチックガス開閉装置(20)は、1つの実施例に過ぎず、本発明の範囲はこれに限定されない。従って、熱電対(10)の熱起電力で磁力を生成してバーナーに供給されるガスの供給通路を選択的に開閉する機能を有する全ての形態のマグネチックガス開閉装置が本発明の範囲に含まれることは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、容易に理解できるだろう。
【0031】
タイマースイッチ(40)は、熱電対(10)の出力端子のいずれか1つとマグネチックガス開閉装置(20)の入力端子のいずれか1つとの間に設けられるが、開始状態および設定時間終了状態においては、接続された両端子を電気的な切断状態に保持し、設定時間の持続状態においては、接続された両端子を電気的な接続状態に保持する働きをする。
【0032】
図3A乃至図3Dに示されたように、タイマースイッチ(40)は、スイッチング部(42)、時間設定ノブ(44)、ぜんまい部(46)、振子(48)、歯車部(50)、スイッチング作動部(52)を含んでなる。
【0033】
図3Aに例示的に示されたように、時間設定ノブ(44)は、ガスレンジの正面外部に突設され、使用者が手で把持して回転させることができるように構成される。時間設定ノブ(44)は、平常は「開始(OFF)」状態となっており、使用者により選択された時間の位置に回転して設定された後、選択された時間が経過すると「開始(OFF)」状態(または「設定時間終了」状態)に戻される。
【0034】
図3Bは、開始(オフ)状態のタイマースイッチを示したものであり、図3Cは、時間が設定された状態のタイマースイッチを示すものであり、図3Dは、タイマースイッチの分解図である。
【0035】
スイッチング部(42)の一端子(42a)は、熱電対の出力端子と連結され、他端子(42b)は、マグネチックガス開閉装置の入力端子と連結される。スイッチング部(42)の一端子(42a)には、他端子(42b)と電気的に接続するためのスイッチングノード(42c)が設けられるが、スイッチングノード(42c)に弾性的な力を加えると、スイッチング部(42)の一端子(42a)は、他端子(42b)と通電し、その力を除去すると、スイッチング部(42)の一端子(42a)は、他端子(42b)と切断するように構成される。
【0036】
ぜんまい部(46)は、時間設定ノブ(44)を介した使用者の運動エネルギーを伝達されて弾性エネルギーとして保持する。ぜんまい部(46)の弾性エネルギーは、歯車部(50)の運動エネルギーへ変換し、変換された運動エネルギーは、振子(48)の振動周期に合わせて歯車部(50)を構成する多数の歯車に設けられた歯を一つずつ移動させる。歯車部(50)に設けられた最後の歯車は、時間設定ノブ(44)のような回転軸(44a)上に固定して設けられ、時間設定ノブ(44)を「開始」状態(または「設定時間終了」状態)に戻す。
【0037】
スイッチング作動部(52)は、回転体(53)およびスイッチングレバー(54)を有する。時間設定ノブ(44)が設けられた回転軸(44a)上にはスイッチング作動部(52)の回転体(53)が設けられ、回転体(53)の一部分には、溝(53a)が形成されている。スイッチングレバー(54)の一端は、タイマースイッチのハウジング(56)に回動可能に固定されており、その一部分には、回転体(53)の溝(53a)に対応する第1の突出部(54a)と該第1の突出部(54a)の反対方向にスイッチングノードを作動させるための第2の突出部(54b)とが形成されている。
【0038】
従って、図3Bに示されたように、時間設定ノブ(44)が「開始(オフ)」状態にある場合、スイッチング作動部(52)の第1の突出部(54a)は、回転体(53)の溝(53a)に噛み合うようになり、第2の突出部(54b)は、スイッチングノード(42c)に力を加えていない状態に保持される。従って、スイッチング部(42)の2つの端子(42a、42b)が電気的に切断状態を保持するようになる。
【0039】
なお、使用者が時間設定ノブ(44)に力を加えて回転させると、図3Cに示されたように、時間設定ノブ(44)が「開始(オフ)」状態(または「設定時間終了」状態)に戻るまでスイッチング作動部(52)の第1の突出部(54a)は、回転体(53)の溝(53a)から外れ、これによって、第2の突出部(54b)は、スイッチングノード(42c)に力を加えるようになり、結局、スイッチング部(42)の2つの端子(42a、42b)が電気的に連結状態を保持するようになる。
【0040】
本発明に係るガスレンジにバーナー部が複数設けられている場合、図4Aに示されたように、バーナー部別に熱電対(10)および対応するマグネチックガス開閉装置(20)が設けられる。このとき、図4Bに示されたように、タイマースイッチ(60)は、図3B乃至図3Dに示されたタイマースイッチ(40)と対応するスイッチング部(62)、時間設定ノブ(図示省略)、ぜんまい部(66)、振子(68)、歯車部(70)、スイッチング作動部(72)を備えてなる。なお、タイマースイッチ(60)を構成する時間設定ノブ、ぜんまい部(66)、振子(68)、歯車部(70)およびスイッチング作動部(72)は、タイマースイッチ(40)の構成要素とその機能面において同様であるため、説明を省略する。
【0041】
タイマースイッチ(60)を構成するスイッチング部(62)は、その一端が各熱電対(10)の2つの出力端子のいずれか1つに接続され、その他端が対応するマグネチックガス開閉装置(20)の2つの入力端子のいずれか1つに接続されるスイッチ(62a)を多数備えている。また、タイマースイッチ(60)のスイッチング作動部(62)は、開始状態および設定時間終了状態においては、全てのスイッチ(62a)が備えるスイッチングノード(62c)に力を印加しておらず、設定時間の持続状態においては、全てのスイッチ(62a)が備えるスイッチングノード(62c)に同時に力を印加することで、いずれも接続状態を保持するように作動する(各スイッチの間には絶縁状態が保持される)。従って、タイマースイッチ(60)に予め時間が設定されていない状態では、バーナーの点火で生成された熱電対(10)の起電力がマグネチックガス開閉装置(20)へは伝達されない。結局、使用者は、タイマースイッチ(60)に予め時間を設定しておかないと、いずれのバーナーも使用できない。
【0042】
図3A乃至図4Bに示された機械的タイマースイッチ(40、60)は、全て本発明の実施例に過ぎないもので、本発明の範囲はこれに限定されない。従って、前述のような機械的な動作でなく、電子的に動作しても、熱電対とマグネチックガス開閉装置との間の電気的な流れを開閉するが、開始および設定時間終了状態では、電気的切断状態を保持し、設定時間の持続状態では、電気的な接続状態を保持する機能を備えるものであれば、本発明の構成要素としてのタイマースイッチとなり得ることは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、容易に理解できるだろう。
【0043】
以下、本発明に係るガスレンジの動作状態を詳細に説明する。
【0044】
先ず、使用者がタイマースイッチ(40)を作動させずにガスの点火を行う場合について説明する。
【0045】
使用者が、ガス調節ノブ(34)を把持して時計反対方向に回すと、回転する突出片(35)が押圧ピン(33)を回動させ、プッシュピン(31)と移動ロッド(21)が前面に移動することでバーナーへガスが供給され、その後、捻りコイルバネ形状の押圧ピン(33)がそれ自体の弾性で押圧片(36)が圧電素子(図示省略)を押圧して点火がなされるようになる。従って、熱電対(10)は、バーナーの火により熱起電力を発生するが、熱電対(10)とマグネチックガス開閉装置(20)とがなす閉回路の間に位置するタイマースイッチ(40)が電気的に切断状態を維持しているため、マグネチックガス開閉装置(20)は磁力を生成しなくなる。
【0046】
その後、使用者がガス調節ノブ(34)から手を離すと、前面に移動したプッシュピン(31)は、第2のバネ(37)の復元力で後側に移動し、移動ロッド(21)は、第1のバネ(26)の復元力により元の位置に戻りながら、仕上げ部材(23)は、ハウジング(27)に形成されたガス排出溝(28)を閉鎖させる。従って、バーナーへのガス供給が止まり、点火された火が消えるようになる。結局、使用者は、タイマースイッチ(40)を作動させないと、本発明によるガスレンジを正常に使用することができない。
【0047】
次に、使用者がタイマースイッチ(40)により希望の時間を設定した後、ガス点火を行う場合について説明する。
【0048】
使用者が時間設定ノブ(44)を回して希望の時間に設定しておくと、スイッチング作動部(52)の第1の突出部(54a)は、回転体(53)の溝(53a)から外れ、これにより、第2の突出部(54b)は、スイッチングノード(42c)に力を加えるようになり、スイッチング部(42)の2つの端子(42a、42b)が連結される。よって、熱電対(10)とマグネチックガス開閉装置(20)とがなす閉回路は、完全に通電可能な状態になる。
【0049】
次いで、使用者が、ガス調節ノブ(34)を把持して時計反対方向に回すと、回転する突出片(35)が押圧ピン(33)を回動させることでプッシュピン(31)と移動ロッド(21)とが前面に移動することでガスのバーナーへの供給が行われた後、捻りコイルバネ形状の押圧ピン(33)がそれ自体の弾性で押圧片(36)が圧電素子(図示省略)を押圧して点火がなされるようにする。従って、熱電対(10)は、バーナーの火により熱起電力を発生するようになり、熱電対(10)からの起電力によってマグネチックガス開閉装置(20)の電磁石(25)は磁力を生成することで金属片(22)と仕上げ部材(23)とを引っ張る状態を保持する。
【0050】
従って、使用者がガス調節ノブ(34)から手を離しても、前面に移送したプッシュピン(31)は、第2のバネ(37)の復元力により後側に移動するが、仕上げ部材(23)は、ハウジング(27)に形成されたガス排出溝(28)を閉鎖することなくガス供給通路を維持させる。従って、バーナーに点火した火が消えることなく使用者はガスレンジを正常に使用することができる。
【0051】
その後、ぜんまい部(46)の弾性エネルギーは、歯車部(50)の運動エネルギーに変換し、変換した運動エネルギーは、振子(48)の振動周期に合わせて歯車部(50)を構成する多数の歯車に設けられた歯を1つずつ移動させる。
【0052】
使用者が設定した時間が経過すると、歯車部(50)の最終の歯車は、時間設定ノブ(44)を「開始(オフ)」状態(または「設定時間終了」状態)に戻す。従って、スイッチング作動部(52)の第1の突出部(54a)は、回転体(53)の溝(53a)に入り、第2の突出部(54b)は、スイッチングノード(42c)から離れ、スイッチングノード(42c)は、弾性力により復元されることで、スイッチング部(42)の2つの端子(42a、42b)は、切断状態に保持される。また、熱電対(10)で生成された起電力は、マグネチックガス開閉装置(20)へ伝達されず、電磁石(25)により生成された磁力がなくなるに従って移動ロッド(21)は第1のバネ(26)の復元力により元の位置に戻りながら、仕上げ部材(23)は、ハウジング(27)に形成されたガス排出溝(28)を閉鎖させる。従って、バーナーへのガス供給が止まり、点火された火が消えるようになる。
【0053】
図5は、本発明に係る電子過熱防止装置を備えたガスレンジ(130)の外観を示す図であり、図6は、本発明に係る電子過熱防止装置(150)を示すブロック構成図である。
【0054】
図5に示されたように、3つのバーナー(132)を備えた本発明によるガスレンジ(130)のハウジングの前面部には、3つのバーナー(132)に対応する3つの点火用ガス調節ノブ(134)の他に4つの数字を表示するLEDディスプレイ(136)、3つのボタン(選択ボタン、アップボタン、ダウンボタン)(138)および3つのバーナー(132)に対応する3つのLEDランプ(140)がさらに設けられている。図5には、全体的には示されていないが、本発明によるガスレンジ(130)には、ブタンガス容器、LPGガス容器またはLNGガスホースからガスを引き込んでバーナーへ供給するガス供給部と、ガス供給部からバーナー(132)に至るガス供給通路を電子的に開閉させる電子過熱防止機構を備える。
【0055】
電子過熱防止装置には、基準動作時間(例えば、30分乃至120分のいずれかの値)が予め設定されている。従って、電子過熱防止装置は、バーナーの点火が感知された後、基準動作時間が経過すると、ガス供給通路を遮断することで、当該バーナーを消化させる。即ち、使用者がバーナーの火を付けたままで外出または昼寝をする場合でも、バーナーの火は、電子過熱防止装置により、基準動作時間が経過した後は、自動に消化される。
【0056】
なお、使用者は、選択ボタンを用いてLEDディスプレイ(136)に表示されるバーナー(132)を選択し、アップボタンおよびダウンボタンを用いて基準動作時間を変更させることで、バーナー別の動作時間(即ち、ガス供給通路が遮断されるまでの時間)を新しく設定することができる。このとき、選択されたバーナーの番号および選択されたバーナーの動作時間は、LEDディスプレイ(136)に表示される。
【0057】
また、電子過熱防止装置は、バーナー(132)の熱が所定の閾値以上の値と感知されると、ガス供給通路を開放状態に保持し、バーナー(132)の熱が所定の閾値以下の値と感知されると、ガス供給通路を遮断し、ガス供給通路を開放させたバーナー(132)に対応するLEDランプ(140)を点灯させる。従って、使用者が点火用ガス調節ノブ(134)を用いてバーナー(132)を点火させた後でも、マグネチックガス開閉装置がガス供給通路を開放状態に保持することができるほどの熱起電力を熱電対が生成するまで点火用ガス調節ノブ(134)を押圧保持する必要がなくなり、また、使用者が肉眼で直接バーナーの火が付いているか否かを確認する必要もなくなる。
【0058】
図6に示されたように、本発明に係るガスレンジの電子過熱防止装置(150)は、電源供給部(152)、1つ以上の熱感知部(154)、入力ボタン部(156)、ガス感知部(158)、1つ以上のマグネチックガス開閉装置(162)、1つ以上の動作表示灯(164)、数字表示部(166)、スピーカ(168)および制御回路部(160)を備えてなる。ここで、熱感知部(154)、マグネチックガス開閉装置(162)および動作表示灯(164)は、それぞれガスレンジに取り付けられたバーナー(132)の数に対応するように設けることが好ましい。
【0059】
電源供給部(152)は、本発明による電子過熱防止装置(150)の各構成要素の動作に必要な所定の起電力(例えば、5V)の直流電源を供給する。従って、電源供給部(152)は、電池を使用し、または、交流電源を減圧・整流して使用し、または、交流電源を減圧・整流して使用し、また、停電時には充電された電池を使用するなどの種々の方法を用いることができる。図7Aは、電池により直流電源を供給する電源供給部(152)の例示的な回路を示す。
【0060】
熱感知部(154)は、バーナー(132)の火から発生する熱を感知して熱起電力を生成するセンサーであって、熱電対を採用することができる。熱電対は、ガスレンジのバーナー(132)の近くに取り付けられ、バーナーの火による熱起電力を生成する。熱電対は、2種類の金属導体の両端を電気的に接続させ、この両端に温度差を与えると、回路中に電気が流れる、Zeeback効果を用いるものであって、一方の側(基準接点)を一定の温度に保持し、他方の側(測温接点)をバーナー火の近くに位置させることで、両金属導体の温度差による熱起電力が得られる。
【0061】
入力ボタン部(156)は、図5に示されたように、選択ボタン、アップボタンおよびダウンボタンの3つのボタン(138)から構成され、使用者からバーナー別の動作時間調整信号を入力される。使用者が選択ボタンを用いてバーナー(132)を選択すると、数字表示部(166)には、選択されたボタンの番号と動作時間がディスプレイされる。使用者が再び選択ボタンを押すと、次の点火したバーナー(132)が選択される。バーナー(132)が選択される手順は、予め決められている。なお、本発明に係るガスレンジの電子過熱防止装置(150)が現在時間表示機能を有する場合、選択ボタンを押すことで数字表示部(166)には、現在時間、第1バーナーの動作時間、第2バーナーの動作時間、第3バーナーの動作時間が順次表示される。使用者は、アップボタンを押して数字表示部(166)に表示された現在時間または動作時間を増やすことができ、また、ダウンボタンを押して数字表示部(166)に表示された現在時間または動作時間を減らすことができる。
【0062】
ガス感知部(158)は、周囲のガスを感知して起電力を生成するもので、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、市販の種々のガスセンサーから本発明に適合したものを容易に選択して使用することができるだろう。
【0063】
マグネチックガス開閉装置(162)は、磁化起電力が保持されると、対応するバーナー(132)のガス供給通路を開放保持し、磁化起電力がなくなると、対応するバーナー(132)のガス供給通路を遮断する。マグネチックガス開閉装置(162)は、その構成および動作については、図2に示されたマグネチックガス開閉装置(20)と同様であるため、重複説明は省略する。
【0064】
動作表示灯(164)は、バーナー(132)の点火状態を表示するものであって、図5に示されたようなLEDランプ(140)を使用することができる。
【0065】
数字表示部(166)は、バーナー別の動作時間を数字で表示するディスプレイであって、図5に示されたような4桁数字を表示するLEDディスプレイ(136)を使用することができる。
【0066】
スピーカ(168)は、制御回路部(160)の制御で必要な警報音を生成する。
【0067】
制御回路部(160)は、熱感知部(154)の熱起電力が所定の閾値以上に上がると、対応するマグネチックガス開閉装置(162)に磁化起電力を供給するように制御し、熱起電力が閾値以下に下がると、対応するマグネチックガス開閉装置(162)に供給される磁化起電力を遮断するように制御する。このとき、制御回路部(160)は、マグネチックガス開閉装置(162)に磁化起電力を供給すると共に対応する動作表示灯(164)に電源を供給するように制御することで使用者がバーナー(132)の火が付いているか否かを確認することが可能となる。
【0068】
また、制御回路部(160)は、熱感知部(154)からの熱起電力が所定の閾値以上に上がった後、予め定められた基準動作時間が経過すると、前記熱感知部(154)と対応するマグネチックガス開閉装置(162)から供給される磁化起電力を遮断するように制御する。また、入力ボタン部(156)から入力された動作時間調整信号に応じて基準動作時間を変更させることでバーナー別に動作時間を格納・管理する。このように格納・管理されるバーナー別動作時間は、時間の流れに沿って短くなり、その値が0に至ると、制御回路部(160)は、対応するマグネチックガス開閉装置(162)に供給される磁化起電力を遮断するように制御する。
【0069】
なお、制御回路部(160)は、ガス感知部(154)からの起電力が所定の閾値以上に上がると、スピーカ(168)に警報音を生成するように制御する。
【0070】
このような制御回路部(160)は、熱起電力増幅部(170)、クロックオシレータ(172)、マイコン(174)および数字形成信号生成部(176)を備える。
【0071】
図7A乃至図7Eは、制御回路部(160)と関連した構造要素の例示的な回路を示すものである。図7Bに示された熱起電力増幅部(170)は、熱感知部(154)からの熱起電力を増幅し、その値が所定の閾値以上に上がると、熱感知信号をオンしてマイコン(174)へ伝達する。
【0072】
図7Cに示されたように、マイコン(174)は、ガス感知部(158)からガス感知信号を入力され、熱起電力増幅部(170)から熱感知信号を入力され、入力ボタン部(156)から動作時間調整信号を入力され、クロックオシレータ(172)が生成したクロック信号を入力される。また、マイコン(174)の内部レジスタ(図示省略)には、各バーナーの動作時間を管理するが、熱感知信号がオンすると、基準動作時間に設定されているが、クロック信号により管理される時間の流れと動作時間調整信号に修正される。マイコン(174)は、熱感知信号がオンすると、対応するマグネチックガス開閉装置(162)に磁化起電力を供給するように制御するバーナー制御信号を生成し、バーナー別に管理される動作時間がクロック信号により管理される時間の流れに沿って短くなり、0となるか、熱感知信号がオフとなると、対応するマグネチックガス開閉装置(162)に供給される磁化起電力を遮断するように制御するバーナー制御信号を生成し、対応するバーナーの動作時間を0にリセットする。図7Cに示されたように、バーナー制御信号は、対応するマグネチックガス開閉装置(162)だけでなく、対応する動作表示灯(164)の電源を制御することが好ましい。図7Dには、バーナー制御信号により制御されるマグネチックガス開閉装置(162)を例示的に示す。
【0073】
マイコン(174)は、現在時間、第1バーナーの動作時間、第2バーナーの動作時間、第3バーナーの動作時間、第4バーナーの動作時間のデータのうちの1つを選択ボタンにより選択されて数字形成信号生成部(176)に伝達する。すると、数字形成信号生成部(176)は、伝達されたデータに対応する数字を形成する信号を生成して数字表示部(166)が該当する数字を表示するように制御する。図7Eは、数字形成信号により制御される数字表示部(166)を例示的に示すものである。
【0074】
また、マイコン(174)は、マグネチックガス開閉装置(162)に供給される磁化起電力を遮断するように制御するバーナー制御信号を生成する場合のように重要な動作結果を使用者に認知させようとする場合は、警告信号を生成してスピーカ(168)を介して警告音を発するようにすることができる。
【0075】
以下、図8を参照してマイコン(174)が行う動作の流れを説明する。
【0076】
マイコン(174)に電源が供給されると、先ず、ガス感知部(158)からのガス感知信号によりガスレンジの周囲にガスがあるか否かを感知して確認する(S100)。ガス感知部(158)からのガス感知信号がオンとなると、マイコン(174)は、スピーカ(168)が、一定時間の間、警告音を発するようにし、動作を終了する(S220)。
【0077】
その後、マイコン(174)は、バーナー(132)別に熱起電力増幅部(170)から熱感知信号によりバーナー(132)が点火されたか否かを確認する(S110)。この確認は、熱起電力増幅部(170)から入力される熱感知信号により行われるが、熱感知信号がオンの場合は、対応するバーナー(132)が点火された状態であると、オフの場合は、対応するバーナー(132)が消化された状態であると判断する。熱感知信号がオン状態を保持し、バーナー(132)の動作時間が0となると、即ち、設定された動作時間が終了すると(S120)、マイコン(174)は、スピーカ(168)から当該バーナー(132)の消化を知らす警告音を発するようにする(S130)。そして、当該バーナー(132)の熱感知信号がオン状態からオフ状態に変わると(即ち、使用者の意図或いは事故などにより当該バーナー(132)の火が消えると)、マイコン(174)は、当該バーナー(132)の動作時間を0にリセットする。また、バーナー(132)の熱感知信号がオフ状態であるか、バーナー(132)の動作時間が0となると、マイコン(174)は、バーナー制御信号をオフすることで、マグネチックガス開閉装置(162)が当該バーナー(132)への供給ガスを遮断するようにし、対応する動作表示灯(164)を消灯するように制御する(S140)。
【0078】
熱感知信号がオフの状態からオンの状態に変わると、基準動作時間を当該バーナーの動作時間に割り当てる。また、熱感知信号がオンで、当該バーナー(132)の動作時間が0でない値に設定されていれば、バーナー制御信号をオンに保持する(S150)。バーナー制御信号がオンの場合、対応するマグネチックガス開閉装置(162)が、バーナー(132)へのガス供給通路を開放して点火状態を保持し、対応する動作表示灯(164)を点灯することで使用者がバーナーの点火状態を確認することができる。
【0079】
使用者は、選択ボタンにより点火されたバーナーの動作時間または現在時間を選択することができるが(S160)、その選択モードは、マイコンのレジスタに書き込まれる。選択モードがバーナーモードである場合、マイコン(174)は、数字表示部(166)が選択ボタンにより選択された、点火されたバーナーの動作時間をディスプレイするように制御するが、入力ボタン部(156)のアップボタンまたはダウンボタンにより当該バーナーの動作時間を新しく設定することができるように支援する(S170、S180、S190)。選択モードが現在時間である場合、マイコン(174)は、数字表示部(166)が現在時間をディスプレイするように制御するが、入力ボタン部(156)のアップボタンまたはダウンボタンにより現在時間を新しく設定することができるように支援する(S170、S200、S210)。
【0080】
S100乃至S210のステップは、マイコン(174)に電源が供給される間、繰り返して行われる。
【0081】
以上、本発明の好適な実施例を挙げて説明してきたが、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特徴から逸脱しない範囲内で種々の形態に変更して実施できることが理解できるだろう。それで、前述の実施例は、限定的な観点でなく説明的な観点から理解すべきである。本発明の範囲は、前述の説明でなく特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内の全ての差異点は、本発明に含まれる。
【0082】
〔産業上の利用可能性〕
本発明に係る過熱防止装置によれば、使用者がガスレンジを使用するためには、先ず、タイマースイッチを操作してガスレンジの使用時間を設定しておき、設定された使用時間が経過すると、バーナーの火が自動に消える。
【0083】
従って、本発明に係る過熱防止装置によれば、使用者は、ガスレンジの使用中にうっかりして外出または昼寝をしても、使用者が設定した時間が経過すると、バーナーの火が自動に消化されるため、不注意による安全事故を防止することができる。
【0084】
また、前述のように、本発明に係る電子過熱防止装置によれば、バーナーの点火後、所定の時間が経過すると、使用者の認知または操作なしでも、無条件ガスの供給を遮断させることで、使用者の不注意による安全事故を未然に防止することができる。
【0085】
また、本発明に係る電子過熱防止装置によれば、バーナーの火が感知されると、直にマグネチックガス開閉装置がガス供給通路を開放状態に保持できるほどの起電力を即時に供給することで、使用者が点火用ガス調節ノブを使用してバーナーに点火させた後でも、マグネチックガス開閉装置がガス供給通路を開放状態に維持できるほどの熱起電力を熱電対が生成するまで点火用ガス調節ノブを押圧保持する必要がなくなる。また、ガスの火を外部から容易に確認できる手段を提供することで、使用者が肉眼でバーナーの火が付いているかを確認する必要もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の一実施例によるガスレンジの過熱防止装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施例による過熱防止装置を構成するマグネチックガス開閉装置の断面図である。
【図3A】本発明の一実施例による過熱防止装置を備えたガスレンジの外観を示す図である。
【図3B】本発明の一実施例による過熱防止装置に設けられたタイマースイッチの開始状態を示す図である。
【図3C】本発明の一実施例による過熱防止装置に設けられたタイマースイッチにおいて時間が設定された状態を示す図である。
【図3D】本発明の一実施例による過熱防止装置に設けられたタイマースイッチの分解図である。
【図4A】多数のバーナー部を備えたガスレンジの過熱防止装置の構成を示す図である。
【図4B】本発明の他の実施例による過熱防止装置に設けられたタイマースイッチの分解図である。
【図5】本発明による電子過熱防止装置が設けられたガスレンジの外観を示す斜視図である。
【図6】本発明によるガスレンジの電子過熱防止装置の構成を示すブロック図である。
【図7A】本発明によるガスレンジの電子過熱防止装置の構成要素である制御回路部と関連構成要素を示す例示的な回路図である。
【図7B】本発明によるガスレンジの電子過熱防止装置の構成要素である制御回路部と関連構成要素を示す例示的な回路図である。
【図7C】本発明によるガスレンジの電子過熱防止装置の構成要素である制御回路部と関連構成要素を示す例示的な回路図である。
【図7D】本発明によるガスレンジの電子過熱防止装置の構成要素である制御回路部と関連構成要素を示す例示的な回路図である。
【図7E】本発明によるガスレンジの電子過熱防止装置の構成要素である制御回路部と関連構成要素を示す例示的な回路図である。
【図8】本発明によるガスレンジの電子過熱防止装置の構成要素であるマイコンの動作ロジックを示すフローチャートである。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、過熱防止装置を備えたガスレンジに関し、特に、熱電対を用いたマグネチックガス開閉装置にタイマースイッチを結合し、タイマースイッチに時間設定を行って始めて点火が可能となるように構成された過熱防止装置およびこれを備えたガスレンジ、そして、バーナーの火を感知するとマグネチックガス開閉装置を開放するように制御し、バーナーの火を感知してから所定の時間が経過した場合またはバーナーの火が消えたのを感知した場合は、マグネチックガス開閉装置を閉鎖するように制御する、ガスレンジの電子過熱防止装置およびこれを備えたガスレンジに関する。
【0002】
人類の文明は、火の使用と共に発展してきていると言っても言い過ぎではない。人類の文明の発展と共に人類の使用する燃料も発展し、近年は、ガス(例えば、LNG、LPG、ブタンガスなど)を調理または暖房のための燃料として使用する装置が開発されつつある。
【0003】
このようなガス燃料は、石油または石炭のような燃料に比べて、熱効率が高く取り扱いが容易で、公害を起こさないなど、環境にやさしいというメリットを有するが、小さなスパークによっても爆発または火事を起こすことがあるという危険を持っている。従って、ガスを燃料として使用するガスレンジには、種々の安全装置を備えるように法的に強制しており、使用者の不注意な使い方にも安全な製品を開発するための努力が続けられている。なお、本発明におけるガスレンジは、調理用ガスレンジ、ガスストーブ、携帯用ガスレンジなどを含むものであって、ガスを燃料とする、調理用および暖房用の装置を含むものと定義する。
【0004】
従来のガスレンジでは、ガス供給の途中、鍋からの汁こぼれ、強い風、使用者の誤操作などでバーナーの火が消えると、ガスが流出してしまい、火事などの安全事故が発生することがあり得る。即ち、このようなガスレンジは、作動中にはガス供給通路が開放状態に保持されるため、バーナーの火が消化された状態でもガスが流出されるようになる。従って、使用者が点火用ガス調節ノブでガスを閉めないと、ガスが燃焼されずにバーナーから流出されてしまうことになる。このような状況で、使用者が点火用ガス調節ノブを用いてバーナーを再点火すると、流出されたガスによる爆発、火事などの安全事故が発生する可能性が非常に高い。
【0005】
〔背景技術〕
前述のような安全事故を防止するため、熱電対を用いたマグネチックガス開閉装置を備えたガスレンジが開発されている。熱電対を用いたマグネチックガス開閉装置を備えたガスレンジでは、ガスレンジのバーナー部の近くに熱電対を設けるようになる。バーナーが発火すると、熱電対においては熱起電力が発生し、マグネチックガス開閉装置は、該熱起電力を供給されて磁力を生成することで、ガス供給通路を開放状態に保持させる。従って、使用者は、点火用ガス調節ノブを手で押圧してガス供給通路を開放させることでバーナーにガスを供給して点火させる。なお、熱電対により発生した熱起電力によるマグネチックガス開閉装置の磁力は、使用者による押圧動作の代わりにガス供給通路を開放状態に保持させる働きをする。よって、バーナーの火が付いている時、使用者が点火用ガス調節ノブを押圧する力を解除しても、マグネチックガス開閉装置の磁力によりガス供給通路は開放状態に保持されるが、バーナーの火が消えると、熱電対の熱起電力がなくなり、マグネチックガス開閉装置の磁力もなくなるため、ガス供給通路は閉鎖され、ガスの流出が発生しなくなる。
【0006】
しかし、熱電対を用いたガス開閉装置を備えたガスレンジにおいても、使用者の不注意で点火状態が過度に長く維持される場合、過熱による火災が発生するおそれがある。即ち、例えば、ガスレンジの弁開閉量を調節して料理などのために火を付けたままで使用者が他の用事をする場合、料理の焦げまたは鍋の過熱による火災事故が発生するおそれがある。これを防止するため、従来は、ガスレンジにタイマーを取り付けて選択的にタイマーで時間設定を行うことで、タイマーの設定時間が経過するとガス供給通路を閉鎖されるという方式が提案されている。
【0007】
しかし、このような選択的タイマーを採用する方式においても、使用者の不注意から完璧に安全であるとは言えない。即ち、使用者がガスヒータを点火させた後、タイマーの設定を行わずに外出または昼寝をする場合などで火災事故に繋がることが多いためである。
【0008】
また、従来の技術による熱電対を用いたガス開閉装置においては、バーナーの火が付いたとしても、マグネチックガス開閉装置がガス供給通路を開放状態に保持できる程の熱起電力を生成するまでは、いくらかの加熱時間が必要になるが、十分な加熱時間が経過する前に使用者が点火用ガス調節ノブを押える力を解除すると、ガス供給通路が閉鎖されてしまい、バーナーの火が消える現象が発生する。
【0009】
また、従来の技術による熱電対を用いたガス開閉装置を採用するガスレンジでは、使用者が直接肉眼でバーナーの火が付いているか否かを確認する必要があるが、ガスレンジの設置位置が使用者の目の高さに比べて低くなっている場合は、使用者に不便を与える。
【0010】
〔発明の開示〕
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、熱電対を用いたマグネチックガス開閉装置を備えたガスレンジにタイマースイッチを取り付けることで、タイマースイッチに時間設定が行われた場合にのみガスレンジの点火などのような作動ができるようにし、設定時間が経過した後は、ガス供給通路を閉鎖するように構成することで、使用者の不注意な使い方にも爆発、火災事故から安全な過熱防止装置およびその過熱防止装置を備えたガスレンジを提供することに、第1および第2の目的がある。
【0011】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、バーナーの火を感知した後、所定の時間が経過すると、使用者が認知または操作したか否かにかかわらずにガス供給を遮断することで、安全事故を未然に防止し、バーナーの火が感知されると、即時にマグネチックガス開閉装置がガス供給通路を開放状態に保持できる程の起電力を供給し、また、ガスの火を外部から容易に確認できる手段を提供する、ガスレンジの電子加熱防止装置およびその電子過熱防止装置を備えたガスレンジを提供することに、第3および第4の目的がある。
【0012】
上記の第1の目的を達成するための本発明に係るガスレンジの過熱防止装置は、ガスレンジのバーナー部に取り付けられ、バーナーの火による熱起電力を生成する熱電対と、前記熱電対の熱起電力で磁力を生成してガス供給通路を選択的に開閉するマグネチックガス開閉装置と、前記熱電対の出力端子のいずれか1つと前記マグネチックガス開閉装置の入力端子のいずれか1つとの間に設けられ、開始状態および設定時間終了状態においては、切断状態に保持し、設定時間の持続状態においては、接続状態に保持するタイマースイッチと、を備えてなる。
【0013】
上記の第2の目的を達成するための本発明による過熱防止装置を備えたガスレンジは、供給されたガスを燃焼させてバーナーの火を生成するバーナー部と、前記バーナー部に取り付けられ、バーナーの火による熱起電力を生成する熱電対と、前記熱電対の熱起電力で磁力を生成して前記バーナー部に供給されるガスの供給通路を選択的に開閉するマグネチックガス開閉装置と、前記熱電対の2つの出力端子のいずれか1つと前記マグネチックガス開閉装置の2つの入力端子のいずれか1つとの間に設けられ、開始状態および設定時間終了状態においては、接続された2つの端子を電気的な切断状態に保持し、設定時間の持続状態においては、接続された2つの端子を電気的な接続状態に保持するタイマースイッチと、を備えてなる。
【0014】
前記過熱防止装置を備えたガスレンジは、LPGまたはLNGを燃料として使用する調理用ガスレンジであり、前記調理用ガスレンジは、複数のバーナー部を有し、バーナー部別に熱電対およびマグネチックガス開閉装置を有し、前記タイマースイッチは、各熱電対の2つの出力端子のいずれか1つと熱電対と対応するマグネチックガス開閉装置の2つの入力端子のいずれか1つとを開閉する複数のスイッチを有し、開始状態および設定時間終了状態においては、全てのスイッチを電気的切断状態に保持し、設定時間の持続状態においては、全てのスイッチを電気的接続状態に保持することを特徴とする。
【0015】
前記過熱防止装置を備えたガスレンジは、LPGまたはLNGを燃料として使用するガスストーブであることを特徴とする。
【0016】
前記過熱防止装置を備えたガスレンジは、携帯用ブタンガスを燃料として使用する携帯用ガスレンジであることを特徴とする。
【0017】
上記の第3の目的を達成するための、1つ以上のバーナーを備えたガスレンジのガス供給通路を安全に開閉するように制御する本発明に係るガスレンジの電子過熱防止装置は、所定の起電力を有する直流電源を供給する電源供給部と、バーナーの熱を感知して熱起電力を生成する1つ以上の熱感知部と、使用者からバーナー別の動作時間調整信号を入力される入力ボタン部と、磁化起電力が保持されると、対応するバーナーのガス供給通路を開放保持し、磁化起電力がなくなると、対応するバーナーのガス供給通路を遮断する1つ以上のマグネチックガス開閉装置と、バーナー別の動作時間を数字で表示する数字表示部と、熱感知部の熱起電力が所定の閾値以上に上がると、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を供給するように制御し、動作時間が経過した時または熱起電力が閾値以下に下がる時は、対応するマグネチックガス開閉装置に供給される磁化起電力を遮断するように制御し、所定の基準動作時間を基準にして動作時間調整信号により調整されたバーナー別の動作時間を時間の流れに沿って調整管理する制御回路部と、を有し、前記制御回路部は、入力ボタンから当該バーナーの動作時間調整信号が入力されていない場合は、基準動作時間が経過した後、対応するマグネチックガス開閉装置に供給される磁化起電力を遮断するように制御することを特徴とする。
【0018】
上記の第4の目的を達成するための、電子過熱防止装置を備えたガスレンジは、ガスを供給するガス供給部と、供給されるガスを燃焼させてバーナーの火を生成する1つ以上のバーナーと、所定の起電力を有する直流電源を供給する電源供給部と、バーナーの熱を感知して熱起電力を生成する1つ以上の熱感知部と、使用者からバーナー別の動作時間調整信号を入力される入力ボタン部と、磁化起電力が保持されると、対応するバーナーのガス供給通路を開放保持し、磁化起電力がなくなると、対応するバーナーのガス供給通路を遮断する1つ以上のマグネチックガス開閉装置と、バーナー別の動作時間を表示する数字表示部と、熱感知部の熱起電力が所定の閾値以上に上がると、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を供給するように制御し、動作時間が経過した時または熱起電力が閾値以下に下がる時は、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を遮断するように制御し、所定の基準動作時間を基準にして動作時間調整信号により調整されたバーナー別の動作時間を時間の流れに沿って調整管理する制御回路部と、を有し、前記制御回路部は、入力ボタンから当該バーナーの動作時間調整信号が入力されていない場合は、基準動作時間が経過した後、対応するマグネチックガス開閉装置に供給される磁化起電力を遮断するように制御することを特徴とする。
【0019】
前記ガスレンジの電子過熱防止装置およびその電子過熱防止装置を備えたガスレンジにおいて、制御回路部は、熱感知部からの熱起電力を増幅し、その値が所定の閾値以上に上がると、熱感知信号をオンとする熱起電力増幅部と、クロック信号を生成するクロックオシレータと、熱感知信号がオンすると、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を供給するように制御するバーナー制御信号を生成し、バーナー別に基準動作時間または動作時間をクロックオシレータのクロック信号により管理される時間情報に従って減少し、0となるか、熱感知信号がオフとなると、対応するマグネチックガス開閉装置に供給される磁化起電力を遮断するように制御するバーナー制御信号を生成するマイコンと、マイコンからバーナー別の基準動作時間または動作時間データを受け取って数字形成信号を生成し、その信号を数字表示部へ転送する数字形成信号生成部と、を備えることを特徴とする。
【0020】
〔発明を実施するための最良の形態〕
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な一実施例を詳述する。
【0021】
図1に示されたように、使用者の意図から外れた長時間のガスレンジ使用による過熱を防止するための本発明に係る過熱防止装置(1)は、熱電対(10)、マグネチックガス開閉装置(20)およびタイマースイッチ(40)を含んでなる。
【0022】
熱電対(10)は、ガスレンジのバーナー部(図示省略)に取り付けられ、バーナーの火による熱起電力を生成する。熱電対は、2種類の金属導体の両端を電気的に接続させ、その両端に温度差を与えると回路中に電流が流れる、Zeeback効果を用いるものであって、一方の側(基準接点)を一定の温度に維持し、他方の側(測温接点)をバーナー火の近くに位置させることで、両金属導体の温度差による熱起電力が得られる。
【0023】
マグネチックガス開閉装置(20)は、熱電対(10)の熱起電力で磁力を生成してガスレンジのバーナーへのガス供給通路を選択的に開閉する。
【0024】
また、図2に示されたように、マグネチックガス開閉装置(20)は、円筒形のハウジング(27)内部に空間部(24)が形成され、空間部には、電磁石(25)と長さ方向に往復動可能な移動ロッド(21)が位置し、移動ロッド(21)の一側には、金属片(22)と仕上げ部材(23)とが設けられている。金属片(22)は、熱電対(10)の熱起電力で磁化した電磁石(25)に密着されるように設けられ、金属片(22)の後側に固定された仕上げ部材(23)は、ハウジング(27)に形成されたガス排出溝(28)を選択的に開閉させることができるようになっている。仕上げ部材(23)としては、ガスを選択的に遮断させる時、密閉力を向上させるため、ゴム材を使用することが好ましい。
【0025】
マグネチックガス開閉装置(20)の移動ロッド(21)の外側部には、選択的に長さ方向に進退する移動ロッド(21)を緩衝および復元させるための第1のバネ(26)が外挿される。即ち、第1のバネ(26)は、電磁石(25)と金属片(22)との間に位置し、電磁石(25)が生成する磁力の強さに応じて進退する仕上げ部材(23)を復元および緩衝する働きをする。
【0026】
マグネチックガス開閉装置ハウジング(27)は、内部に形成された空間部(24)と連結されるガス流入溝(29)およびガス排出溝(28)を有し、また、ガス排出溝(28)と連結される制御溝(30)を有する。制御溝(30)には、移動ロッド(21)の端部を押して空間部(24)とガス排出溝(28)との間にガス流れのための通路を形成するためのプッシュピン(31)が位置する。プッシュピン(31)の胴部の後側には係止板(32)が設けられ、マグネチックガス開閉装置ハウジング(27)と係止板(32)との間には、プッシュピン(31)を取り囲む第2のバネ(37)が位置する。
【0027】
プッシュピン(31)は、ガス調節ノブ(34)の回転により移動ロッド(21)方向に移動することで空間部(24)とガス排出溝(28)との間にガス流れのための通路を形成する働きをし、胴部の後側の係止板(32)に係止する第2のバネ(37)は、使用者がガス調節ノブ(34)を回転させてバーナーの点火を行った後、ガス調節ノブ(34)から手を離す場合、再びプッシュピン(31)を復元させるためのものである。
【0028】
ガスレンジ本体(図示省略)またはマグネチックガス開閉装置ハウジング(27)の一部分には、プッシュピン(31)を移動ロッド(21)方向に移動させるための押圧ピン(33)が設けられている。押圧ピン(33)は、回動すると共にプッシュピン(31)を前方に押しながら移動できるように、その一側には、プッシュピン(31)の係止板(32)の後側に垂直に位置した押圧部(33a)が設けられ、他側には、回動部(33b)が設けられている。
【0029】
ガス調節ノブ(34)の胴部の後側の中央部には、突出片(35)が設けられ、外側部には、押圧片(36)が設けられている。なお、突出片(35)は、ガス調節ノブ(34)を中心に押圧片(36)より多少高く位置するが、その理由は、ガス調節ノブ(34)の回転により、突出片(35)が押圧ピン(33)を回動させてプッシュピン(31)と移動ロッド(21)とを前面に移動させることでガスがバーナーへ供給された後、押圧片(36)がガス調節ノブ(34)の近くに位置した圧電素子(図示省略)を押圧して点火させるようにするためである。
【0030】
なお、図2に示されたマグネチックガス開閉装置(20)は、1つの実施例に過ぎず、本発明の範囲はこれに限定されない。従って、熱電対(10)の熱起電力で磁力を生成してバーナーに供給されるガスの供給通路を選択的に開閉する機能を有する全ての形態のマグネチックガス開閉装置が本発明の範囲に含まれることは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、容易に理解できるだろう。
【0031】
タイマースイッチ(40)は、熱電対(10)の出力端子のいずれか1つとマグネチックガス開閉装置(20)の入力端子のいずれか1つとの間に設けられるが、開始状態および設定時間終了状態においては、接続された両端子を電気的な切断状態に保持し、設定時間の持続状態においては、接続された両端子を電気的な接続状態に保持する働きをする。
【0032】
図3A乃至図3Dに示されたように、タイマースイッチ(40)は、スイッチング部(42)、時間設定ノブ(44)、ぜんまい部(46)、振子(48)、歯車部(50)、スイッチング作動部(52)を含んでなる。
【0033】
図3Aに例示的に示されたように、時間設定ノブ(44)は、ガスレンジの正面外部に突設され、使用者が手で把持して回転させることができるように構成される。時間設定ノブ(44)は、平常は「開始(OFF)」状態となっており、使用者により選択された時間の位置に回転して設定された後、選択された時間が経過すると「開始(OFF)」状態(または「設定時間終了」状態)に戻される。
【0034】
図3Bは、開始(オフ)状態のタイマースイッチを示したものであり、図3Cは、時間が設定された状態のタイマースイッチを示すものであり、図3Dは、タイマースイッチの分解図である。
【0035】
スイッチング部(42)の一端子(42a)は、熱電対の出力端子と連結され、他端子(42b)は、マグネチックガス開閉装置の入力端子と連結される。スイッチング部(42)の一端子(42a)には、他端子(42b)と電気的に接続するためのスイッチングノード(42c)が設けられるが、スイッチングノード(42c)に弾性的な力を加えると、スイッチング部(42)の一端子(42a)は、他端子(42b)と通電し、その力を除去すると、スイッチング部(42)の一端子(42a)は、他端子(42b)と切断するように構成される。
【0036】
ぜんまい部(46)は、時間設定ノブ(44)を介した使用者の運動エネルギーを伝達されて弾性エネルギーとして保持する。ぜんまい部(46)の弾性エネルギーは、歯車部(50)の運動エネルギーへ変換し、変換された運動エネルギーは、振子(48)の振動周期に合わせて歯車部(50)を構成する多数の歯車に設けられた歯を一つずつ移動させる。歯車部(50)に設けられた最後の歯車は、時間設定ノブ(44)のような回転軸(44a)上に固定して設けられ、時間設定ノブ(44)を「開始」状態(または「設定時間終了」状態)に戻す。
【0037】
スイッチング作動部(52)は、回転体(53)およびスイッチングレバー(54)を有する。時間設定ノブ(44)が設けられた回転軸(44a)上にはスイッチング作動部(52)の回転体(53)が設けられ、回転体(53)の一部分には、溝(53a)が形成されている。スイッチングレバー(54)の一端は、タイマースイッチのハウジング(56)に回動可能に固定されており、その一部分には、回転体(53)の溝(53a)に対応する第1の突出部(54a)と該第1の突出部(54a)の反対方向にスイッチングノードを作動させるための第2の突出部(54b)とが形成されている。
【0038】
従って、図3Bに示されたように、時間設定ノブ(44)が「開始(オフ)」状態にある場合、スイッチング作動部(52)の第1の突出部(54a)は、回転体(53)の溝(53a)に噛み合うようになり、第2の突出部(54b)は、スイッチングノード(42c)に力を加えていない状態に保持される。従って、スイッチング部(42)の2つの端子(42a、42b)が電気的に切断状態を保持するようになる。
【0039】
なお、使用者が時間設定ノブ(44)に力を加えて回転させると、図3Cに示されたように、時間設定ノブ(44)が「開始(オフ)」状態(または「設定時間終了」状態)に戻るまでスイッチング作動部(52)の第1の突出部(54a)は、回転体(53)の溝(53a)から外れ、これによって、第2の突出部(54b)は、スイッチングノード(42c)に力を加えるようになり、結局、スイッチング部(42)の2つの端子(42a、42b)が電気的に連結状態を保持するようになる。
【0040】
本発明に係るガスレンジにバーナー部が複数設けられている場合、図4Aに示されたように、バーナー部別に熱電対(10)および対応するマグネチックガス開閉装置(20)が設けられる。このとき、図4Bに示されたように、タイマースイッチ(60)は、図3B乃至図3Dに示されたタイマースイッチ(40)と対応するスイッチング部(62)、時間設定ノブ(図示省略)、ぜんまい部(66)、振子(68)、歯車部(70)、スイッチング作動部(72)を備えてなる。なお、タイマースイッチ(60)を構成する時間設定ノブ、ぜんまい部(66)、振子(68)、歯車部(70)およびスイッチング作動部(72)は、タイマースイッチ(40)の構成要素とその機能面において同様であるため、説明を省略する。
【0041】
タイマースイッチ(60)を構成するスイッチング部(62)は、その一端が各熱電対(10)の2つの出力端子のいずれか1つに接続され、その他端が対応するマグネチックガス開閉装置(20)の2つの入力端子のいずれか1つに接続されるスイッチ(62a)を多数備えている。また、タイマースイッチ(60)のスイッチング作動部(62)は、開始状態および設定時間終了状態においては、全てのスイッチ(62a)が備えるスイッチングノード(62c)に力を印加しておらず、設定時間の持続状態においては、全てのスイッチ(62a)が備えるスイッチングノード(62c)に同時に力を印加することで、いずれも接続状態を保持するように作動する(各スイッチの間には絶縁状態が保持される)。従って、タイマースイッチ(60)に予め時間が設定されていない状態では、バーナーの点火で生成された熱電対(10)の起電力がマグネチックガス開閉装置(20)へは伝達されない。結局、使用者は、タイマースイッチ(60)に予め時間を設定しておかないと、いずれのバーナーも使用できない。
【0042】
図3A乃至図4Bに示された機械的タイマースイッチ(40、60)は、全て本発明の実施例に過ぎないもので、本発明の範囲はこれに限定されない。従って、前述のような機械的な動作でなく、電子的に動作しても、熱電対とマグネチックガス開閉装置との間の電気的な流れを開閉するが、開始および設定時間終了状態では、電気的切断状態を保持し、設定時間の持続状態では、電気的な接続状態を保持する機能を備えるものであれば、本発明の構成要素としてのタイマースイッチとなり得ることは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、容易に理解できるだろう。
【0043】
以下、本発明に係るガスレンジの動作状態を詳細に説明する。
【0044】
先ず、使用者がタイマースイッチ(40)を作動させずにガスの点火を行う場合について説明する。
【0045】
使用者が、ガス調節ノブ(34)を把持して時計反対方向に回すと、回転する突出片(35)が押圧ピン(33)を回動させ、プッシュピン(31)と移動ロッド(21)が前面に移動することでバーナーへガスが供給され、その後、捻りコイルバネ形状の押圧ピン(33)がそれ自体の弾性で押圧片(36)が圧電素子(図示省略)を押圧して点火がなされるようになる。従って、熱電対(10)は、バーナーの火により熱起電力を発生するが、熱電対(10)とマグネチックガス開閉装置(20)とがなす閉回路の間に位置するタイマースイッチ(40)が電気的に切断状態を維持しているため、マグネチックガス開閉装置(20)は磁力を生成しなくなる。
【0046】
その後、使用者がガス調節ノブ(34)から手を離すと、前面に移動したプッシュピン(31)は、第2のバネ(37)の復元力で後側に移動し、移動ロッド(21)は、第1のバネ(26)の復元力により元の位置に戻りながら、仕上げ部材(23)は、ハウジング(27)に形成されたガス排出溝(28)を閉鎖させる。従って、バーナーへのガス供給が止まり、点火された火が消えるようになる。結局、使用者は、タイマースイッチ(40)を作動させないと、本発明によるガスレンジを正常に使用することができない。
【0047】
次に、使用者がタイマースイッチ(40)により希望の時間を設定した後、ガス点火を行う場合について説明する。
【0048】
使用者が時間設定ノブ(44)を回して希望の時間に設定しておくと、スイッチング作動部(52)の第1の突出部(54a)は、回転体(53)の溝(53a)から外れ、これにより、第2の突出部(54b)は、スイッチングノード(42c)に力を加えるようになり、スイッチング部(42)の2つの端子(42a、42b)が連結される。よって、熱電対(10)とマグネチックガス開閉装置(20)とがなす閉回路は、完全に通電可能な状態になる。
【0049】
次いで、使用者が、ガス調節ノブ(34)を把持して時計反対方向に回すと、回転する突出片(35)が押圧ピン(33)を回動させることでプッシュピン(31)と移動ロッド(21)とが前面に移動することでガスのバーナーへの供給が行われた後、捻りコイルバネ形状の押圧ピン(33)がそれ自体の弾性で押圧片(36)が圧電素子(図示省略)を押圧して点火がなされるようにする。従って、熱電対(10)は、バーナーの火により熱起電力を発生するようになり、熱電対(10)からの起電力によってマグネチックガス開閉装置(20)の電磁石(25)は磁力を生成することで金属片(22)と仕上げ部材(23)とを引っ張る状態を保持する。
【0050】
従って、使用者がガス調節ノブ(34)から手を離しても、前面に移送したプッシュピン(31)は、第2のバネ(37)の復元力により後側に移動するが、仕上げ部材(23)は、ハウジング(27)に形成されたガス排出溝(28)を閉鎖することなくガス供給通路を維持させる。従って、バーナーに点火した火が消えることなく使用者はガスレンジを正常に使用することができる。
【0051】
その後、ぜんまい部(46)の弾性エネルギーは、歯車部(50)の運動エネルギーに変換し、変換した運動エネルギーは、振子(48)の振動周期に合わせて歯車部(50)を構成する多数の歯車に設けられた歯を1つずつ移動させる。
【0052】
使用者が設定した時間が経過すると、歯車部(50)の最終の歯車は、時間設定ノブ(44)を「開始(オフ)」状態(または「設定時間終了」状態)に戻す。従って、スイッチング作動部(52)の第1の突出部(54a)は、回転体(53)の溝(53a)に入り、第2の突出部(54b)は、スイッチングノード(42c)から離れ、スイッチングノード(42c)は、弾性力により復元されることで、スイッチング部(42)の2つの端子(42a、42b)は、切断状態に保持される。また、熱電対(10)で生成された起電力は、マグネチックガス開閉装置(20)へ伝達されず、電磁石(25)により生成された磁力がなくなるに従って移動ロッド(21)は第1のバネ(26)の復元力により元の位置に戻りながら、仕上げ部材(23)は、ハウジング(27)に形成されたガス排出溝(28)を閉鎖させる。従って、バーナーへのガス供給が止まり、点火された火が消えるようになる。
【0053】
図5は、本発明に係る電子過熱防止装置を備えたガスレンジ(130)の外観を示す図であり、図6は、本発明に係る電子過熱防止装置(150)を示すブロック構成図である。
【0054】
図5に示されたように、3つのバーナー(132)を備えた本発明によるガスレンジ(130)のハウジングの前面部には、3つのバーナー(132)に対応する3つの点火用ガス調節ノブ(134)の他に4つの数字を表示するLEDディスプレイ(136)、3つのボタン(選択ボタン、アップボタン、ダウンボタン)(138)および3つのバーナー(132)に対応する3つのLEDランプ(140)がさらに設けられている。図5には、全体的には示されていないが、本発明によるガスレンジ(130)には、ブタンガス容器、LPGガス容器またはLNGガスホースからガスを引き込んでバーナーへ供給するガス供給部と、ガス供給部からバーナー(132)に至るガス供給通路を電子的に開閉させる電子過熱防止機構を備える。
【0055】
電子過熱防止装置には、基準動作時間(例えば、30分乃至120分のいずれかの値)が予め設定されている。従って、電子過熱防止装置は、バーナーの点火が感知された後、基準動作時間が経過すると、ガス供給通路を遮断することで、当該バーナーを消化させる。即ち、使用者がバーナーの火を付けたままで外出または昼寝をする場合でも、バーナーの火は、電子過熱防止装置により、基準動作時間が経過した後は、自動に消化される。
【0056】
なお、使用者は、選択ボタンを用いてLEDディスプレイ(136)に表示されるバーナー(132)を選択し、アップボタンおよびダウンボタンを用いて基準動作時間を変更させることで、バーナー別の動作時間(即ち、ガス供給通路が遮断されるまでの時間)を新しく設定することができる。このとき、選択されたバーナーの番号および選択されたバーナーの動作時間は、LEDディスプレイ(136)に表示される。
【0057】
また、電子過熱防止装置は、バーナー(132)の熱が所定の閾値以上の値と感知されると、ガス供給通路を開放状態に保持し、バーナー(132)の熱が所定の閾値以下の値と感知されると、ガス供給通路を遮断し、ガス供給通路を開放させたバーナー(132)に対応するLEDランプ(140)を点灯させる。従って、使用者が点火用ガス調節ノブ(134)を用いてバーナー(132)を点火させた後でも、マグネチックガス開閉装置がガス供給通路を開放状態に保持することができるほどの熱起電力を熱電対が生成するまで点火用ガス調節ノブ(134)を押圧保持する必要がなくなり、また、使用者が肉眼で直接バーナーの火が付いているか否かを確認する必要もなくなる。
【0058】
図6に示されたように、本発明に係るガスレンジの電子過熱防止装置(150)は、電源供給部(152)、1つ以上の熱感知部(154)、入力ボタン部(156)、ガス感知部(158)、1つ以上のマグネチックガス開閉装置(162)、1つ以上の動作表示灯(164)、数字表示部(166)、スピーカ(168)および制御回路部(160)を備えてなる。ここで、熱感知部(154)、マグネチックガス開閉装置(162)および動作表示灯(164)は、それぞれガスレンジに取り付けられたバーナー(132)の数に対応するように設けることが好ましい。
【0059】
電源供給部(152)は、本発明による電子過熱防止装置(150)の各構成要素の動作に必要な所定の起電力(例えば、5V)の直流電源を供給する。従って、電源供給部(152)は、電池を使用し、または、交流電源を減圧・整流して使用し、または、交流電源を減圧・整流して使用し、また、停電時には充電された電池を使用するなどの種々の方法を用いることができる。図7Aは、電池により直流電源を供給する電源供給部(152)の例示的な回路を示す。
【0060】
熱感知部(154)は、バーナー(132)の火から発生する熱を感知して熱起電力を生成するセンサーであって、熱電対を採用することができる。熱電対は、ガスレンジのバーナー(132)の近くに取り付けられ、バーナーの火による熱起電力を生成する。熱電対は、2種類の金属導体の両端を電気的に接続させ、この両端に温度差を与えると、回路中に電気が流れる、Zeeback効果を用いるものであって、一方の側(基準接点)を一定の温度に保持し、他方の側(測温接点)をバーナー火の近くに位置させることで、両金属導体の温度差による熱起電力が得られる。
【0061】
入力ボタン部(156)は、図5に示されたように、選択ボタン、アップボタンおよびダウンボタンの3つのボタン(138)から構成され、使用者からバーナー別の動作時間調整信号を入力される。使用者が選択ボタンを用いてバーナー(132)を選択すると、数字表示部(166)には、選択されたボタンの番号と動作時間がディスプレイされる。使用者が再び選択ボタンを押すと、次の点火したバーナー(132)が選択される。バーナー(132)が選択される手順は、予め決められている。なお、本発明に係るガスレンジの電子過熱防止装置(150)が現在時間表示機能を有する場合、選択ボタンを押すことで数字表示部(166)には、現在時間、第1バーナーの動作時間、第2バーナーの動作時間、第3バーナーの動作時間が順次表示される。使用者は、アップボタンを押して数字表示部(166)に表示された現在時間または動作時間を増やすことができ、また、ダウンボタンを押して数字表示部(166)に表示された現在時間または動作時間を減らすことができる。
【0062】
ガス感知部(158)は、周囲のガスを感知して起電力を生成するもので、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、市販の種々のガスセンサーから本発明に適合したものを容易に選択して使用することができるだろう。
【0063】
マグネチックガス開閉装置(162)は、磁化起電力が保持されると、対応するバーナー(132)のガス供給通路を開放保持し、磁化起電力がなくなると、対応するバーナー(132)のガス供給通路を遮断する。マグネチックガス開閉装置(162)は、その構成および動作については、図2に示されたマグネチックガス開閉装置(20)と同様であるため、重複説明は省略する。
【0064】
動作表示灯(164)は、バーナー(132)の点火状態を表示するものであって、図5に示されたようなLEDランプ(140)を使用することができる。
【0065】
数字表示部(166)は、バーナー別の動作時間を数字で表示するディスプレイであって、図5に示されたような4桁数字を表示するLEDディスプレイ(136)を使用することができる。
【0066】
スピーカ(168)は、制御回路部(160)の制御で必要な警報音を生成する。
【0067】
制御回路部(160)は、熱感知部(154)の熱起電力が所定の閾値以上に上がると、対応するマグネチックガス開閉装置(162)に磁化起電力を供給するように制御し、熱起電力が閾値以下に下がると、対応するマグネチックガス開閉装置(162)に供給される磁化起電力を遮断するように制御する。このとき、制御回路部(160)は、マグネチックガス開閉装置(162)に磁化起電力を供給すると共に対応する動作表示灯(164)に電源を供給するように制御することで使用者がバーナー(132)の火が付いているか否かを確認することが可能となる。
【0068】
また、制御回路部(160)は、熱感知部(154)からの熱起電力が所定の閾値以上に上がった後、予め定められた基準動作時間が経過すると、前記熱感知部(154)と対応するマグネチックガス開閉装置(162)から供給される磁化起電力を遮断するように制御する。また、入力ボタン部(156)から入力された動作時間調整信号に応じて基準動作時間を変更させることでバーナー別に動作時間を格納・管理する。このように格納・管理されるバーナー別動作時間は、時間の流れに沿って短くなり、その値が0に至ると、制御回路部(160)は、対応するマグネチックガス開閉装置(162)に供給される磁化起電力を遮断するように制御する。
【0069】
なお、制御回路部(160)は、ガス感知部(154)からの起電力が所定の閾値以上に上がると、スピーカ(168)に警報音を生成するように制御する。
【0070】
このような制御回路部(160)は、熱起電力増幅部(170)、クロックオシレータ(172)、マイコン(174)および数字形成信号生成部(176)を備える。
【0071】
図7A乃至図7Eは、制御回路部(160)と関連した構造要素の例示的な回路を示すものである。図7Bに示された熱起電力増幅部(170)は、熱感知部(154)からの熱起電力を増幅し、その値が所定の閾値以上に上がると、熱感知信号をオンしてマイコン(174)へ伝達する。
【0072】
図7Cに示されたように、マイコン(174)は、ガス感知部(158)からガス感知信号を入力され、熱起電力増幅部(170)から熱感知信号を入力され、入力ボタン部(156)から動作時間調整信号を入力され、クロックオシレータ(172)が生成したクロック信号を入力される。また、マイコン(174)の内部レジスタ(図示省略)には、各バーナーの動作時間を管理するが、熱感知信号がオンすると、基準動作時間に設定されているが、クロック信号により管理される時間の流れと動作時間調整信号に修正される。マイコン(174)は、熱感知信号がオンすると、対応するマグネチックガス開閉装置(162)に磁化起電力を供給するように制御するバーナー制御信号を生成し、バーナー別に管理される動作時間がクロック信号により管理される時間の流れに沿って短くなり、0となるか、熱感知信号がオフとなると、対応するマグネチックガス開閉装置(162)に供給される磁化起電力を遮断するように制御するバーナー制御信号を生成し、対応するバーナーの動作時間を0にリセットする。図7Cに示されたように、バーナー制御信号は、対応するマグネチックガス開閉装置(162)だけでなく、対応する動作表示灯(164)の電源を制御することが好ましい。図7Dには、バーナー制御信号により制御されるマグネチックガス開閉装置(162)を例示的に示す。
【0073】
マイコン(174)は、現在時間、第1バーナーの動作時間、第2バーナーの動作時間、第3バーナーの動作時間、第4バーナーの動作時間のデータのうちの1つを選択ボタンにより選択されて数字形成信号生成部(176)に伝達する。すると、数字形成信号生成部(176)は、伝達されたデータに対応する数字を形成する信号を生成して数字表示部(166)が該当する数字を表示するように制御する。図7Eは、数字形成信号により制御される数字表示部(166)を例示的に示すものである。
【0074】
また、マイコン(174)は、マグネチックガス開閉装置(162)に供給される磁化起電力を遮断するように制御するバーナー制御信号を生成する場合のように重要な動作結果を使用者に認知させようとする場合は、警告信号を生成してスピーカ(168)を介して警告音を発するようにすることができる。
【0075】
以下、図8を参照してマイコン(174)が行う動作の流れを説明する。
【0076】
マイコン(174)に電源が供給されると、先ず、ガス感知部(158)からのガス感知信号によりガスレンジの周囲にガスがあるか否かを感知して確認する(S100)。ガス感知部(158)からのガス感知信号がオンとなると、マイコン(174)は、スピーカ(168)が、一定時間の間、警告音を発するようにし、動作を終了する(S220)。
【0077】
その後、マイコン(174)は、バーナー(132)別に熱起電力増幅部(170)から熱感知信号によりバーナー(132)が点火されたか否かを確認する(S110)。この確認は、熱起電力増幅部(170)から入力される熱感知信号により行われるが、熱感知信号がオンの場合は、対応するバーナー(132)が点火された状態であると、オフの場合は、対応するバーナー(132)が消化された状態であると判断する。熱感知信号がオン状態を保持し、バーナー(132)の動作時間が0となると、即ち、設定された動作時間が終了すると(S120)、マイコン(174)は、スピーカ(168)から当該バーナー(132)の消化を知らす警告音を発するようにする(S130)。そして、当該バーナー(132)の熱感知信号がオン状態からオフ状態に変わると(即ち、使用者の意図或いは事故などにより当該バーナー(132)の火が消えると)、マイコン(174)は、当該バーナー(132)の動作時間を0にリセットする。また、バーナー(132)の熱感知信号がオフ状態であるか、バーナー(132)の動作時間が0となると、マイコン(174)は、バーナー制御信号をオフすることで、マグネチックガス開閉装置(162)が当該バーナー(132)への供給ガスを遮断するようにし、対応する動作表示灯(164)を消灯するように制御する(S140)。
【0078】
熱感知信号がオフの状態からオンの状態に変わると、基準動作時間を当該バーナーの動作時間に割り当てる。また、熱感知信号がオンで、当該バーナー(132)の動作時間が0でない値に設定されていれば、バーナー制御信号をオンに保持する(S150)。バーナー制御信号がオンの場合、対応するマグネチックガス開閉装置(162)が、バーナー(132)へのガス供給通路を開放して点火状態を保持し、対応する動作表示灯(164)を点灯することで使用者がバーナーの点火状態を確認することができる。
【0079】
使用者は、選択ボタンにより点火されたバーナーの動作時間または現在時間を選択することができるが(S160)、その選択モードは、マイコンのレジスタに書き込まれる。選択モードがバーナーモードである場合、マイコン(174)は、数字表示部(166)が選択ボタンにより選択された、点火されたバーナーの動作時間をディスプレイするように制御するが、入力ボタン部(156)のアップボタンまたはダウンボタンにより当該バーナーの動作時間を新しく設定することができるように支援する(S170、S180、S190)。選択モードが現在時間である場合、マイコン(174)は、数字表示部(166)が現在時間をディスプレイするように制御するが、入力ボタン部(156)のアップボタンまたはダウンボタンにより現在時間を新しく設定することができるように支援する(S170、S200、S210)。
【0080】
S100乃至S210のステップは、マイコン(174)に電源が供給される間、繰り返して行われる。
【0081】
以上、本発明の好適な実施例を挙げて説明してきたが、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特徴から逸脱しない範囲内で種々の形態に変更して実施できることが理解できるだろう。それで、前述の実施例は、限定的な観点でなく説明的な観点から理解すべきである。本発明の範囲は、前述の説明でなく特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内の全ての差異点は、本発明に含まれる。
【0082】
〔産業上の利用可能性〕
本発明に係る過熱防止装置によれば、使用者がガスレンジを使用するためには、先ず、タイマースイッチを操作してガスレンジの使用時間を設定しておき、設定された使用時間が経過すると、バーナーの火が自動に消える。
【0083】
従って、本発明に係る過熱防止装置によれば、使用者は、ガスレンジの使用中にうっかりして外出または昼寝をしても、使用者が設定した時間が経過すると、バーナーの火が自動に消化されるため、不注意による安全事故を防止することができる。
【0084】
また、前述のように、本発明に係る電子過熱防止装置によれば、バーナーの点火後、所定の時間が経過すると、使用者の認知または操作なしでも、無条件ガスの供給を遮断させることで、使用者の不注意による安全事故を未然に防止することができる。
【0085】
また、本発明に係る電子過熱防止装置によれば、バーナーの火が感知されると、直にマグネチックガス開閉装置がガス供給通路を開放状態に保持できるほどの起電力を即時に供給することで、使用者が点火用ガス調節ノブを使用してバーナーに点火させた後でも、マグネチックガス開閉装置がガス供給通路を開放状態に維持できるほどの熱起電力を熱電対が生成するまで点火用ガス調節ノブを押圧保持する必要がなくなる。また、ガスの火を外部から容易に確認できる手段を提供することで、使用者が肉眼でバーナーの火が付いているかを確認する必要もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の一実施例によるガスレンジの過熱防止装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施例による過熱防止装置を構成するマグネチックガス開閉装置の断面図である。
【図3A】本発明の一実施例による過熱防止装置を備えたガスレンジの外観を示す図である。
【図3B】本発明の一実施例による過熱防止装置に設けられたタイマースイッチの開始状態を示す図である。
【図3C】本発明の一実施例による過熱防止装置に設けられたタイマースイッチにおいて時間が設定された状態を示す図である。
【図3D】本発明の一実施例による過熱防止装置に設けられたタイマースイッチの分解図である。
【図4A】多数のバーナー部を備えたガスレンジの過熱防止装置の構成を示す図である。
【図4B】本発明の他の実施例による過熱防止装置に設けられたタイマースイッチの分解図である。
【図5】本発明による電子過熱防止装置が設けられたガスレンジの外観を示す斜視図である。
【図6】本発明によるガスレンジの電子過熱防止装置の構成を示すブロック図である。
【図7A】本発明によるガスレンジの電子過熱防止装置の構成要素である制御回路部と関連構成要素を示す例示的な回路図である。
【図7B】本発明によるガスレンジの電子過熱防止装置の構成要素である制御回路部と関連構成要素を示す例示的な回路図である。
【図7C】本発明によるガスレンジの電子過熱防止装置の構成要素である制御回路部と関連構成要素を示す例示的な回路図である。
【図7D】本発明によるガスレンジの電子過熱防止装置の構成要素である制御回路部と関連構成要素を示す例示的な回路図である。
【図7E】本発明によるガスレンジの電子過熱防止装置の構成要素である制御回路部と関連構成要素を示す例示的な回路図である。
【図8】本発明によるガスレンジの電子過熱防止装置の構成要素であるマイコンの動作ロジックを示すフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の意図から外れた長時間のガスレンジ使用による過熱を防止するための装置において、
ガスレンジのバーナー部に取り付けられ、バーナーの火による熱起電力を生成する熱電対と、
前記熱電対の熱起電力で磁力を生成してガス供給通路を選択的に開閉するマグネチックガス開閉装置と、
前記熱電対の出力端子のいずれか1つと前記マグネチックガス開閉装置の入力端子のいずれか1つとの間に設けられ、開始状態および設定時間終了状態においては、切断状態に保持し、設定時間の持続状態においては、接続状態に保持するタイマースイッチと、を備えてなることを特徴とする過熱防止装置。
【請求項2】
ガスを燃料として使用して熱を発生するガスレンジにおいて、
供給されたガスを燃焼させてバーナーの火を生成するバーナー部と、
前記バーナー部に取り付けられ、バーナーの火による熱起電力を生成する熱電対と、
前記熱電対の熱起電力で磁力を生成して前記バーナー部に供給されるガスの供給通路を選択的に開閉するマグネチックガス開閉装置と、
前記熱電対の2つの出力端子のいずれか1つと前記マグネチックガス開閉装置の2つの入力端子のいずれか1つとの間に設けられ、開始状態および設定時間終了状態においては、切断状態に保持し、設定時間の持続状態においては、接続状態に保持するタイマースイッチと、を備えてなることを特徴とする過熱防止装置を備えたガスレンジ。
【請求項3】
前記ガスレンジは、LPGまたはLNGを燃料として使用する調理用ガスレンジであることを特徴とする請求項2に記載の過熱防止装置を備えたガスレンジ。
【請求項4】
前記調理用ガスレンジは、
複数のバーナー部を有し、
バーナー部別に熱電対および対応するマグネチックガス開閉装置を有し、
前記タイマースイッチは、各熱電対の2つの出力端子のいずれか1つと対応するマグネチックガス開閉装置の2つの入力端子のいずれか1つとを開閉する複数のスイッチを有し、開始状態および設定時間終了状態においては、全てのスイッチを切断状態に保持し、設定時間の持続状態においては、全てのスイッチを接続状態に保持することを特徴とする請求項3に記載の過熱防止装置を備えたガスレンジ。
【請求項5】
前記ガスレンジは、LPGまたはLNGを燃料として使用するガスストーブであることを特徴とする請求項2に記載の過熱防止装置を備えたガスレンジ。
【請求項6】
前記ガスレンジは、携帯用ブタンガスを燃料として使用する携帯用ガスレンジであることを特徴とする請求項2に記載の過熱防止装置を備えたガスレンジ。
【請求項7】
1つ以上のバーナーを有するガスレンジのガス供給通路を安全に開閉するように制御する装置において、
所定の起電力を有する直流電源を供給する電源供給部と、
バーナーの熱を感知して熱起電力を生成する1つ以上の熱感知部と、
使用者からバーナー別の動作時間調整信号を入力される入力ボタン部と、
磁化起電力が保持されると、対応するバーナーのガス供給通路を開放保持し、磁化起電力がなくなると、対応するバーナーのガス供給通路を遮断する1つ以上のマグネチックガス開閉装置と、
バーナー別の動作時間を数字で表示する数字表示部と、
熱感知部の熱起電力が所定の閾値以上に上がると、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を供給するように制御し、動作時間が経過した時または熱起電力が閾値以下に下がる時は、マグネチックガス開閉装置に供給される磁化起電力を遮断するように制御し、所定の基準動作時間を基準にして動作時間調整信号により調整されたバーナー別の動作時間を時間の流れに沿って調整管理する制御回路部と、を有し、
制御回路部は、入力ボタンから当該バーナーの動作時間調整信号が入力されていない場合は、基準動作時間が経過した後、対応するマグネチックガス開閉装置に供給される磁化起電力を遮断するように制御することを特徴とするガスレンジの電子過熱防止装置。
【請求項8】
バーナーが点火されたか否かを表示する1つ以上の動作表示灯をさらに有し、
制御回路部は、マグネチックガス開閉装置に磁化起電力を供給すると共に、対応する動作表示灯に電源を供給するように制御することを特徴とする請求項7に記載のガスレンジの電子過熱防止装置。
【請求項9】
周囲のガスを感知して起電力を生成するガス感知部と、
警報音を生成するスピーカと、を有し、
制御回路部は、ガス感知部からの起電力が所定の閾値以上に上がると、スピーカから警報音が発されるように制御することを特徴とする請求項7に記載のガスレンジの電子過熱防止装置。
【請求項10】
制御回路部は、
熱感知部からの熱起電力を増幅し、その値が所定の閾値以上に上がると、熱感知信号をオンする熱起電力増幅部と、
クロック信号を生成するクロックオシレータと、
熱感知信号がオンすると、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を供給するように制御するバーナー制御信号を生成し、バーナー別に基準動作時間または動作時間をクロックオシレータのクロック信号により管理される時間情報に従って減少させ、0となるか熱感知信号がオフとなると、対応するマグネチックガス開閉装置に供給される磁化起電力を遮断するように制御するバーナー制御信号を生成するマイコンと、
マイコンからバーナー別の基準動作時間または動作時間データを受け取って数字形成信号を生成し、その信号を数字表示部へ転送する数字形成信号生成部と、を備えることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1つに記載のガスレンジの電子過熱防止装置。
【請求項11】
ガスを燃料として使用して熱を発生するガスレンジにおいて、
ガスを供給するガス供給部と、
供給されるガスを燃焼させてバーナーの火を生成する1つ以上のバーナーと、
所定の起電力を有する直流電源を供給する電源供給部と、
バーナーの熱を感知して熱起電力を生成する1つ以上の熱感知部と、
使用者からバーナー別の動作時間調整信号を入力される入力ボタン部と、
磁化起電力が保持されると、対応するバーナーのガス供給通路を開放保持し、磁化起電力がなくなると、対応するバーナーのガス供給通路を遮断する1つ以上のマグネチックガス開閉装置と、
バーナー別の動作時間を表示する数字表示部と、
熱感知部の熱起電力が所定の閾値以上に上がると、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を供給するように制御し、動作時間が経過した時または熱起電力が閾値以下に下がる時は、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を遮断するように制御し、所定の基準動作時間を基準にして動作時間調整信号により調整されたバーナー別の動作時間を時間の流れに沿って調整管理する制御回路部と、を有し、
制御回路部は、入力ボタンから当該バーナーの動作時間調整信号が入力されていない場合は、基準動作時間が経過した後、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を遮断するように制御することを特徴とする電子過熱防止装置を備えたガスレンジ。
【請求項12】
バーナーが点火されたか否かを表示する1つ以上の動作表示灯をさらに有し、
制御回路部は、マグネチックガス開閉装置に磁化起電力を供給すると共に対応する動作表示灯に電源を供給するように制御することを特徴とする請求項11に記載の電子過熱防止を備えたガスレンジ。
【請求項13】
周囲のガスを感知して起電力を生成するガス感知部と、
警報音を生成するスピーカと、を有し、
制御回路部は、ガス感知部からの起電力が所定の閾値以上に上がると、スピーカから警報音が発されるように制御することを特徴とする請求項11に記載の電子過熱防止装置を備えたガスレンジ。
【請求項14】
制御回路部は、
熱感知部からの熱起電力を増幅し、その値が所定の閾値以上に上がると、熱感知信号をオンする熱起電力増幅部と、
クロック信号を生成するクロックオシレータと、
熱感知信号がオンすると、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を供給するように制御するバーナー制御信号を生成し、バーナー別に基準動作時間または動作時間をクロックオシレータのクロック信号により管理される時間情報に従って減少させ、0となるか熱感知信号がオフとなると、対応するマグネチックガス開閉装置に供給される磁化起電力を遮断するように制御するバーナー制御信号を生成するマイコンと、
マイコンからバーナー別の基準動作時間または動作時間データを受け取って数字形成信号を生成し、その信号を数字表示部へ転送する数字形成信号生成部と、を備えることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1つに記載の電子過熱防止装置を備えたガスレンジ。
【請求項1】
使用者の意図から外れた長時間のガスレンジ使用による過熱を防止するための装置において、
ガスレンジのバーナー部に取り付けられ、バーナーの火による熱起電力を生成する熱電対と、
前記熱電対の熱起電力で磁力を生成してガス供給通路を選択的に開閉するマグネチックガス開閉装置と、
前記熱電対の出力端子のいずれか1つと前記マグネチックガス開閉装置の入力端子のいずれか1つとの間に設けられ、開始状態および設定時間終了状態においては、切断状態に保持し、設定時間の持続状態においては、接続状態に保持するタイマースイッチと、を備えてなることを特徴とする過熱防止装置。
【請求項2】
ガスを燃料として使用して熱を発生するガスレンジにおいて、
供給されたガスを燃焼させてバーナーの火を生成するバーナー部と、
前記バーナー部に取り付けられ、バーナーの火による熱起電力を生成する熱電対と、
前記熱電対の熱起電力で磁力を生成して前記バーナー部に供給されるガスの供給通路を選択的に開閉するマグネチックガス開閉装置と、
前記熱電対の2つの出力端子のいずれか1つと前記マグネチックガス開閉装置の2つの入力端子のいずれか1つとの間に設けられ、開始状態および設定時間終了状態においては、切断状態に保持し、設定時間の持続状態においては、接続状態に保持するタイマースイッチと、を備えてなることを特徴とする過熱防止装置を備えたガスレンジ。
【請求項3】
前記ガスレンジは、LPGまたはLNGを燃料として使用する調理用ガスレンジであることを特徴とする請求項2に記載の過熱防止装置を備えたガスレンジ。
【請求項4】
前記調理用ガスレンジは、
複数のバーナー部を有し、
バーナー部別に熱電対および対応するマグネチックガス開閉装置を有し、
前記タイマースイッチは、各熱電対の2つの出力端子のいずれか1つと対応するマグネチックガス開閉装置の2つの入力端子のいずれか1つとを開閉する複数のスイッチを有し、開始状態および設定時間終了状態においては、全てのスイッチを切断状態に保持し、設定時間の持続状態においては、全てのスイッチを接続状態に保持することを特徴とする請求項3に記載の過熱防止装置を備えたガスレンジ。
【請求項5】
前記ガスレンジは、LPGまたはLNGを燃料として使用するガスストーブであることを特徴とする請求項2に記載の過熱防止装置を備えたガスレンジ。
【請求項6】
前記ガスレンジは、携帯用ブタンガスを燃料として使用する携帯用ガスレンジであることを特徴とする請求項2に記載の過熱防止装置を備えたガスレンジ。
【請求項7】
1つ以上のバーナーを有するガスレンジのガス供給通路を安全に開閉するように制御する装置において、
所定の起電力を有する直流電源を供給する電源供給部と、
バーナーの熱を感知して熱起電力を生成する1つ以上の熱感知部と、
使用者からバーナー別の動作時間調整信号を入力される入力ボタン部と、
磁化起電力が保持されると、対応するバーナーのガス供給通路を開放保持し、磁化起電力がなくなると、対応するバーナーのガス供給通路を遮断する1つ以上のマグネチックガス開閉装置と、
バーナー別の動作時間を数字で表示する数字表示部と、
熱感知部の熱起電力が所定の閾値以上に上がると、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を供給するように制御し、動作時間が経過した時または熱起電力が閾値以下に下がる時は、マグネチックガス開閉装置に供給される磁化起電力を遮断するように制御し、所定の基準動作時間を基準にして動作時間調整信号により調整されたバーナー別の動作時間を時間の流れに沿って調整管理する制御回路部と、を有し、
制御回路部は、入力ボタンから当該バーナーの動作時間調整信号が入力されていない場合は、基準動作時間が経過した後、対応するマグネチックガス開閉装置に供給される磁化起電力を遮断するように制御することを特徴とするガスレンジの電子過熱防止装置。
【請求項8】
バーナーが点火されたか否かを表示する1つ以上の動作表示灯をさらに有し、
制御回路部は、マグネチックガス開閉装置に磁化起電力を供給すると共に、対応する動作表示灯に電源を供給するように制御することを特徴とする請求項7に記載のガスレンジの電子過熱防止装置。
【請求項9】
周囲のガスを感知して起電力を生成するガス感知部と、
警報音を生成するスピーカと、を有し、
制御回路部は、ガス感知部からの起電力が所定の閾値以上に上がると、スピーカから警報音が発されるように制御することを特徴とする請求項7に記載のガスレンジの電子過熱防止装置。
【請求項10】
制御回路部は、
熱感知部からの熱起電力を増幅し、その値が所定の閾値以上に上がると、熱感知信号をオンする熱起電力増幅部と、
クロック信号を生成するクロックオシレータと、
熱感知信号がオンすると、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を供給するように制御するバーナー制御信号を生成し、バーナー別に基準動作時間または動作時間をクロックオシレータのクロック信号により管理される時間情報に従って減少させ、0となるか熱感知信号がオフとなると、対応するマグネチックガス開閉装置に供給される磁化起電力を遮断するように制御するバーナー制御信号を生成するマイコンと、
マイコンからバーナー別の基準動作時間または動作時間データを受け取って数字形成信号を生成し、その信号を数字表示部へ転送する数字形成信号生成部と、を備えることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1つに記載のガスレンジの電子過熱防止装置。
【請求項11】
ガスを燃料として使用して熱を発生するガスレンジにおいて、
ガスを供給するガス供給部と、
供給されるガスを燃焼させてバーナーの火を生成する1つ以上のバーナーと、
所定の起電力を有する直流電源を供給する電源供給部と、
バーナーの熱を感知して熱起電力を生成する1つ以上の熱感知部と、
使用者からバーナー別の動作時間調整信号を入力される入力ボタン部と、
磁化起電力が保持されると、対応するバーナーのガス供給通路を開放保持し、磁化起電力がなくなると、対応するバーナーのガス供給通路を遮断する1つ以上のマグネチックガス開閉装置と、
バーナー別の動作時間を表示する数字表示部と、
熱感知部の熱起電力が所定の閾値以上に上がると、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を供給するように制御し、動作時間が経過した時または熱起電力が閾値以下に下がる時は、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を遮断するように制御し、所定の基準動作時間を基準にして動作時間調整信号により調整されたバーナー別の動作時間を時間の流れに沿って調整管理する制御回路部と、を有し、
制御回路部は、入力ボタンから当該バーナーの動作時間調整信号が入力されていない場合は、基準動作時間が経過した後、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を遮断するように制御することを特徴とする電子過熱防止装置を備えたガスレンジ。
【請求項12】
バーナーが点火されたか否かを表示する1つ以上の動作表示灯をさらに有し、
制御回路部は、マグネチックガス開閉装置に磁化起電力を供給すると共に対応する動作表示灯に電源を供給するように制御することを特徴とする請求項11に記載の電子過熱防止を備えたガスレンジ。
【請求項13】
周囲のガスを感知して起電力を生成するガス感知部と、
警報音を生成するスピーカと、を有し、
制御回路部は、ガス感知部からの起電力が所定の閾値以上に上がると、スピーカから警報音が発されるように制御することを特徴とする請求項11に記載の電子過熱防止装置を備えたガスレンジ。
【請求項14】
制御回路部は、
熱感知部からの熱起電力を増幅し、その値が所定の閾値以上に上がると、熱感知信号をオンする熱起電力増幅部と、
クロック信号を生成するクロックオシレータと、
熱感知信号がオンすると、対応するマグネチックガス開閉装置に磁化起電力を供給するように制御するバーナー制御信号を生成し、バーナー別に基準動作時間または動作時間をクロックオシレータのクロック信号により管理される時間情報に従って減少させ、0となるか熱感知信号がオフとなると、対応するマグネチックガス開閉装置に供給される磁化起電力を遮断するように制御するバーナー制御信号を生成するマイコンと、
マイコンからバーナー別の基準動作時間または動作時間データを受け取って数字形成信号を生成し、その信号を数字表示部へ転送する数字形成信号生成部と、を備えることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1つに記載の電子過熱防止装置を備えたガスレンジ。
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図8】
【図2】
【図5】
【図6】
【図8】
【公表番号】特表2006−502368(P2006−502368A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542894(P2004−542894)
【出願日】平成15年9月19日(2003.9.19)
【国際出願番号】PCT/KR2003/001934
【国際公開番号】WO2004/033967
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(502420221)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年9月19日(2003.9.19)
【国際出願番号】PCT/KR2003/001934
【国際公開番号】WO2004/033967
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(502420221)
【Fターム(参考)】
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