過酷な環境の応用のための傾斜分布熱膨張係数を有する積み重ね複合構造
【課題】非常に異なる熱膨張係数(CTE)を有する2つの構造を接続するため傾斜分布CTEを有する構成成分を備えた複合構造と、傾斜分布CTE複合構造の生成方法を提供する。
【解決手段】傾斜分布熱膨張係数(CTE)を有する一体化された複合構造は傾斜分布CTEを有する材料の複数の層を選択し、CTEの傾斜分布された層化された複合プレフォームを生成するために金属付着または粉末治金のような積み重ね(上昇型の)製造方法を使用し、その後CTEの傾斜分布で一体化された複合ビレット又はニアネットシェイプを生成するために強化され熱処理されることにより形成される。一体化された複合ビレット又はニアネットシェイプは第1のCTEを有する第1の構造部材を取付けるための第1の表面を生成し、第2のCTEを有する第2の構造部材を取付けるための第2の表面を生成するように処理される。
【解決手段】傾斜分布熱膨張係数(CTE)を有する一体化された複合構造は傾斜分布CTEを有する材料の複数の層を選択し、CTEの傾斜分布された層化された複合プレフォームを生成するために金属付着または粉末治金のような積み重ね(上昇型の)製造方法を使用し、その後CTEの傾斜分布で一体化された複合ビレット又はニアネットシェイプを生成するために強化され熱処理されることにより形成される。一体化された複合ビレット又はニアネットシェイプは第1のCTEを有する第1の構造部材を取付けるための第1の表面を生成し、第2のCTEを有する第2の構造部材を取付けるための第2の表面を生成するように処理される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は通常、非常に異なった熱膨張係数(CTE)を有する材料とコンポーネントの相互取付けのための構造の分野に関し、特に非常に異なるCTEを有する2つの構造を接続するため傾斜分布CTEを有する構成成分を備えた複合構造と、傾斜分布CTE複合構造の生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高い能力、重量効率、長持ちする過酷な環境の構造の必要性には高能力の高度に過酷な環境の材料(例えば限定ではないが、セラミックマトリックス複合物、炭素−炭素複合物、耐火金属/合金/2種類以上の金属、陶性合金、金属間化合物)の使用が余儀なくされる。このような新しい材料は通常の構造合金と比較して非常に異なるCTEを有する。さらに、これらには延性が少ない可能性がある。このような新しい材料を過酷な環境の構造の設計に組み込むことはこれらが非常に高いCTEおよび延性を有する通常の構造合金に幾つかの点において取付けられることを必要とする可能性がある。目的とされる過酷な環境に露出されるとき、非常に高い熱応力と歪みが成長し、これらは不所望な結果を招く可能性がある。これはこれらの新しい構造材料の使用を完全に制限し、有効な構造合金への取付けを可能にするための重量のペナルティまたは設計の複雑さの増加のために価格の高騰を生じるので重要的な問題である。高および低温度応用で使用するために非常に異なるCTEを有する部材を取付けることは非常に挑戦的な仕事である。(部材が非常に異なるCTEを有するならば通常は実現可能ではない)既存の解決策は、主にアセンブリが加熱されるか冷却されるときに異なるCTEを有する部材間の相対的な運動を可能にするための複雑な機構および/または複雑な設計を含む複雑な機械固定装置を含む。既存の解決策はこれらが相対的な運動を可能にするのに本質的にフレキシブルであり、これらはエンジン、タービン、ビークルの前縁のような典型的に高温の応用で使用するのに好ましくない特徴をもたない可能性があるという事実のために厳格ではない傾向がある。
【0003】
それ故、大きな熱応力または歪みを誘起せずに加熱または冷却されることができるアセンブリを製造するため非常に異なるCTEを有する部材を取付けるために使用されることができる構造を提供することが望ましい。
【0004】
さらに、加熱または冷却期間中に相対的な変形を可能にするための複雑化された機構及び複雑な設計に依存せず、エンジン、タービン、ビークルの前縁のサブシステムで遭遇される広範囲のCTE不一致を本質的に適合するように調節された実質的に剛性の解決を可能にするシステムを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
傾斜分布熱膨張係数(CTE)インターフェースは第1のCTEを有する構造コンポーネントへ取付けるための第1の端部と、第2のCTEを有する構造コンポーネントへ取付けるための第2の端部とを有する複合構造により与えられる。傾斜分布CTEを有する多数の層が選択され、積み重ね製造プロセスが傾斜分布CTEを有する層化された複合ビレットまたはニアネットシェイプを生成するために使用される。CTEの傾斜分布された層化複合ビレットまたはニアネットシェイプが第1の実施形態では典型的な金属付着技術により、第2の実施形態では典型的な粉末治金技術により与えられる。複合ビレットまたはニアネットシェイプはその後、第1のCTEを有する第1の構造部材の取付けのための第1の表面を生成し、第2のCTEを有する第2の構造部材の取付けのための第2の表面を生成するように処理される。結果的なアセンブリは大きな熱応力または歪みを誘起せずに加熱または冷却されることができるアセンブリを製造するために非常に異なるCTEを有する構造部材を取付ける能力を提供する。さらに、アセンブリは加熱または冷却期間中に相対的な運動を可能にするための複雑化された機構及び複雑な設計に依存せず、広範囲のCTE不一致に本質的に適合するように調節された実質的に剛性の解決を可能にする。
【0006】
第1の方法の実施形態における傾斜分布熱膨張係数(CTE)を有する一体化された複合インターフェースの生成は、CTEの傾斜分布された層化複合ビレットまたはニアネットシェイプを生成するために典型的な粉末治金技術を使用し、その後必要ならば強化され、第1のCTEを有する第1の構造コンポーネントへ取付けるための第1の表面と、第2のCTEを有する第2の構造コンポーネントへ取付けるための第2の表面を提供するように後処理(熱処理、成形および/または機械加工)される。CTEの傾斜分布された層化複合インターフェースはCTEの傾斜分布されたニアネットシェイプのプレフォームを生成するため典型的な粉末治金技術を使用して第2の方法の実施形態で生成され、その後必要ならば強化され、第1のCTEを有する第1の構造コンポーネントへ取付けるための第1の表面と、第2のCTEを有する第2の構造コンポーネントへ取付けるための第2の表面を提供するように後処理(熱処理、成形および/または機械加工)される。
【0007】
11.粉末治金を使用してCTEの傾斜分布プレフォームを生成し、
プレフォームを強化し、
CTEの傾斜分布され一体化された複合ビレットを生成するため強化されたプレフォームを熱処理し、
第1のCTEを有する第1の構造コンポーネントへ取付けるための第1の表面と、第2のCTEを有する第2の構造コンポーネントへ取付けるための第2の表面とを提供するためにビレットを成形するステップを含んでいる傾斜分布熱膨張係数(CTE)を有する一体化された複合インターフェースを生成する方法。
【0008】
12.強化するステップは熱間等静圧圧縮を含んでいる請求項11記載の方法。
【0009】
13.ニアネットシェイプのCTEの傾斜分布プレフォームを生成するために粉末治金を使用し、
プレフォームを強化し、
CTEの傾斜分布されたニアネットシェイプのコンポーネントを生成するために強化されたプレフォームを熱処理し、
第1のCTEを有する第1の構造コンポーネントへ取付けるための第1の表面と、第2のCTEを有する第2の構造コンポーネントへ取付けるための第2の表面とを提供するためにコンポーネントを成形するステップを含んでいる傾斜分布熱膨張係数(CTE)を有する一体化された複合インターフェースを生成する方法。
【0010】
14.強化するステップは熱間等静圧圧縮を含んでいる請求項11記載の方法。
【0011】
15.非常に異なるCTEを有する傾斜分布熱膨張係数(CTE)接合構造部材を有する一体化された複合インターフェースを備えた航空宇宙構造を生成する方法において、
第1の部材と第2の部材を取付けるための過酷な環境応用を識別し、
CTEの傾斜分布した複合物から第1の部材と第2の部材への取付け方法の決定を含んでいるCTEの傾斜分布した複合物の接続コンポーネント設計を決定し、
構造により必要とされるCTEの不整合の適合のレベルを決定するために各部材の温度依存CTE特性を評価し、運用期間中に遭遇する加熱/冷却温度勾配のレベルを評価し、アセンブリの熱機械的負荷状態を解析する処理を含んでいる熱機械解析を行い、
傾斜分布CTE複合物の材料選択を行い、
積み重ね製造技術を選択し、
CTE複合物の層の局部的なインターフェース設計を決定し、
選択された材料、製造技術、局部的なインターフェース設計を使用して異なるCTEの材料の層を使用しているCTEの傾斜分布された部材を積み重ね、
二次処理を行い、
第1の部材と第2の部材をCTEの傾斜分布コンポーネントに組み立てるステップを含んでいる方法。
【0012】
16.CTEの傾斜分布部材を積み重ねるステップはニアネットシェイプのCTEの傾斜分布複合物を生成するためにレーザを使用する金属付着を含んでいる請求項15記載の方法。
【0013】
17.局部的なインターフェース設計を決定するステップは、
第1の隣接層の材料の約75%と第2の隣接層の材料の約25%の材料組成を有する第1の中間層と、第1の隣接層の材料の約50%と第2の隣接層の材料の約50%の材料組成を有する第2の中間層と、第1の隣接層の材料の約25%と第2の隣接層の材料の約75%の材料組成を有する第3の中間層とを有する中間層を第1及び第2の隣接層間に設けるステップを含んでいる請求項16記載の方法。
【0014】
18.CTEの傾斜分布部材を積み立てるステップは、
CTEの傾斜分布されたデレクトリビレットを生成するために粉末治金処理を使用し、
出発コンポーネントを形成するためにビレットを機械加工し、
出発コンポーネントをニアネットシェイプに熱間圧延し、
第1の部材と第2の部材にボルトで取付けるための要求に適合するように最終特徴を化学機械加工するステップを含んでいる請求項15記載の方法。
【0015】
19.局部的なインターフェース設計を決定するステップは、
2つの隣接層の各材料の複数の交番層を具備する各2つの隣接層間に中間層を設けるステップを含んでいる請求項18記載の方法。
【0016】
20.セラミックマトリックス複合ノズルと、
インコネル718超合金フランジと、
ノズルとフランジを相互接続し、傾斜分布熱膨張係数(CTE)を有する一体化された複合インターフェースとを具備しており、前記インターフェースは、
所望のCTEの傾斜分布に対応する傾斜分布化学的性質を有するビレットを粉末治金処理し、
CTEの傾斜分布ビレットから出発コンポーネントを機械加工し、
さらに強化するためにコンポーネントを熱間リング圧延し、
複合ノズルへ結合するためのボルトインターフェースを機械加工し、
フランジに結合するためのボルトインターフェースを機械加工することにより形成されている航空機エンジン構造。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、ここで提示されている一般化された方法のフローチャートである。
【図2】図2は、典型的なCTEの傾斜分布された層化複合構造を生成するために使用される例示的な合金のセットの温度関数としてのCTEのグラフである。
【図3A】図3Aは、ニアネットシェイプのCTEの傾斜分布された層化複合物を生成するための典型的な金属付着処理ステップを表す図である。
【図3B】図3Bは、ニアネットシェイプのCTEの傾斜分布された層化複合物を生成するための典型的な金属付着処理ステップを表す図である。
【図3C】図3Cは、ニアネットシェイプのCTEの傾斜分布された層化複合物を生成するための典型的な金属付着処理ステップを表す図である。
【図3D】図3Dは、ニアネットシェイプのCTEの傾斜分布された層化複合物を生成するための典型的な金属付着処理ステップを表す図である。
【図3E】図3Eは、CTEの傾斜分布された層化複合ビレットを生成するための典型的な金属付着処理ステップを表す図である。
【図3F】図3Fは、CTEの傾斜分布された層化複合ビレットを生成するための典型的な金属付着処理ステップを表す図である。
【図3G】図3Gは、CTEの傾斜分布された層化複合ビレットを生成するための典型的な金属付着処理ステップを表す図である。
【図3H】図3Hは、CTEの傾斜分布された層化複合ビレットを生成するための典型的な金属付着処理ステップを表す図である。
【図3I】図3Iは、図3A−HのCTEの傾斜分布された層化複合構造を生成するためのプロセスのフローチャートである。
【図4A】図4Aは、ニアネットシェイプのCTEの傾斜分布された層化複合物を生成するための典型的な粉末治金処理ステップを表す図である。
【図4B】図4Bは、ニアネットシェイプのCTEの傾斜分布された層化複合物を生成するための典型的な粉末治金処理ステップを表す図である。
【図4C】図4Cは、CTEの傾斜分布された層化複合ビレットを生成するための典型的な粉末治金処理ステップを表す図である。
【図4D】図4Dは、CTEの傾斜分布された層化複合ビレットを生成するための典型的な粉末治金処理ステップを表す図である。
【図4E】図4Eは、図4A−DのCTEの傾斜分布された層化複合構造を生成するためのプロセスのフローチャートである。
【図5】図5は、ここでの方法の実施形態により生成される例示的な傾斜分布CTE複合ビレットと、別の層化インターフェースを与えるためにこのビレットから機械加工される素子とを示す図である。
【図5D】図5Dは、図5のCTEの傾斜分布された層化複合構造を生成するためのプロセスのフローチャートである。
【図6A】図6Aは、CTEの傾斜分布されたス化複合ビレットからネット形状のインターフェースリングを生成するフローを表す図である。
【図6B】図6Bは、CTEの傾斜分布されたス化複合ビレットからネット形状のインターフェースリングを生成するプロセスステップのフローチャートである。
【図7A】図7Aは、合金A−合金Bの中間層の局部的配合を促進するために幾つかの薄い中間層により局部中間層インターフェースにおけるCTEの不整合をさらに最小にする例示的な方法を表す図である。
【図7B】図7Bは、合金A−合金Bの中間層の組成を段階的に配合することにより局部的中間層インターフェースにおけるCTEの不整合をさらに最小にしている例示的な方法を表す図である。
【図7C】図7Cは、図7Aと7Bの典型的なCTEの傾斜分布された層化複合構造の付加的に必要とされるCTE適合構成を備えた局部的インターフェースを生成するプロセスのフローチャートである。
【図8A】図8Aは、回転するマンドレルで熱溶射処理によりCTEの傾斜分布された層化複合構造を生成する例示的な方法を示す図である。
【図8B】図8Bは、図8Aで使用される方法により生成されるリングを示す図である。
【図8C】図8Cは、二次処理前及び後のCTEの傾斜分布された層化複合構造でスカーフ継ぎされた中間層を使用して局部的インターフェースにおけるCTEの不整合をさらに小さくした構成を示す図8Bからの断面図である。
【図8D】図8Dは、図8A−8CのCTEの傾斜分布された層化複合材料の付加的に必要とされるCTE適合特性を備えた局部的インターフェースを生成するためのプロセスのフローチャートである。
【図9A】図9Aは、ロケットエンジンのインジェクタ−スラスタ室相互取付けコンポーネントとしてCTEの傾斜分布された層化複合物を使用する航空宇宙構造を生成するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【図9B】図9Bは、図9Aのプロセスを使用して接合されるロケット室及びインジェクタコンポーネントの分解図である。
【図9C】図9Cは、層化された複合接続リングの断面図である。
【図9D】図9Dは、組み立てられたロケットエンジン構造の斜視図である。
【図10A】図10Aは、航空機エンジン−ノズル相互取付けコンポーネントとしてCTEの傾斜分布された層化複合物を使用する航空宇宙構造を生成するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【図10B】図10Bは、インコネル718フランジに接続されるセラミックマトリックス複合排気ノズルを有する航空機エンジンの分解図である。
【図10C】図10Cは、セラミックマトリックス複合排気ノズルと最終的なアセンブリに取付けられたCTEの傾斜分布された層化複合コネクタリングの斜視図である。
【図10D】図10Dは、図10Aのプロセスを使用して生成されたCTEの傾斜分布され一体化された複合インターフェースリング94に取付けられた例示的なセラミックマトリックス複合排気ノズル90を示す図である。
【図11】図11は、航空宇宙ビークルの製造と運用方法のフロー図である。
【図12】図12は、図11の航空宇宙ビークルの例としての航空機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで説明されている実施形態の特徴及び利点は添付図面を伴って考察するとき以下の詳細な説明を参照することにより良好に理解されるであろう。
非常に異なるCTEを有する部材を相互接続するために傾斜分布熱膨張係数を有する複合構造の生成は図1に示されているようなプロセスを使用する。応用と環境がステップ102で決定され、部材間の転移コンポーネントはステップ104で設計される。このような応用の幾つかの特別な例を次に詳細に説明する。熱機械的解析はステップ106で必要とされるCTE適合のレベルを理解するために行われる。適切なコンポーネント性能に必要な介在材料のタイプと数が傾斜分布CTE複合物についてステップ108で選択される。設計されたCTEの傾斜分布された層化複合物の適切な積み重ね方法の決定がステップ110で行われる。任意の付加的な必要なCTE適合特性を有する局部インターフェースがステップ112で設計される。CTE層の主な製造はその後選択された製造方法によりステップ114で行われる。仕上げられたコンポーネントが設計されたように生成されるよう、ステップ116でCTEの傾斜分布された層化複合物において二次処理が行われる。その後ステップ118で、生成されたCTEの傾斜分布コンポーネントとその他の部材の最終的な組立てが行われる。
【0019】
非常に高いCTEの部材(例えばインコネル718から作られる部材)を非常に低いCTEの部材(例えばセラミックマトリックス複合物のような非常に過酷な環境の材料から作られる部材)に室温と1200Fの間で循環する環境のアセンブリにおいて取付けることを意図する例示的な応用では、傾斜分布材料は第1の層ではコバールの指定された素子12、第2の層では合金42の指定された素子14、第3の層では合金48の指定された素子16、第4の層では15−5PHの指定された素子18、第5の層ではインコネル718の指定された素子20から選択されることができる。この例の傾斜分布複合物の例示的な材料の温度の関数としてのCTEの値が図2に示されている。
【0020】
典型的な金属付着技術を使用する積み重ね製造プロセスが傾斜分布CTE材料で複合ビレットまたはニアネットシェイプを生成するために第1の実施形態で使用されている。図3Aに示されているように、公称的にボルト29aとして示されているレーザを使用するニアネットシェイプ製造、レーザ焼結、溶射成形または熱溶射成形がCTEの傾斜分布された層化複合物のニアネットシェイプのプレフォーム30aを生成するために使用される。圧力の矢印31aとして示されている緻密化および特性強化のための熱間等静圧圧縮(HIP)又はその他の強化プロセスが介在するニアネットシェイプ32aを生成するために図3Bで示されているように使用され、図3Cに示されているような最終的なニアネットシェイプの複合物33aを生成するために熱処理が使用される。簡明にするために図3CではCTEの傾斜分布複合物は異なる層で図示されているが、最終的な積み重ねのCTEの傾斜分布された層化複合物のニアネットシェイプは図3Dに示されているように第1のCTEインターフェース表面34から第2のCTEインターフェース表面36の円滑な転移を行う配合された特性を有することができる。代わりに図3Eに示されているように、ボルト29bとして公称的に示されているレーザを使用するニアネットシェイプ製造、レーザ焼結、溶射成形または熱溶射成形がCTEの傾斜分布された層化複合ビレットプレフォーム30bを生成するために使用される。矢印31bとして公称的に示されている圧力が緻密化および特性強化のための熱間等静圧圧縮(HIP)又は他の強化プロセスが介在するニアネットシェイプ32bを生成するために図3Fで示されているように使用され、図3Gに示されているような最終的な構造ビレット33bを生成するために熱処理が使用される。簡明にするために図3GではCTEの傾斜分布複合物は異なる層で図面には示されているが、最終的な積み重ねのCTEの傾斜分布された層化複合ビレットは図3Hに示されているように第1のCTEインターフェース表面34から第2のCTEインターフェース表面36へ円滑な転移を行う配合された特性を有することができる。
【0021】
図3Iは前述したように傾斜分布複合物の準備を行う動作方法を与える。第1のCTEを有する第1の構造コンポーネントへ取付けるための表面を有する第1の取付け層は302で規定され、第2のCTEを有する第2の構造コンポーネントへ取付けるための第2の表面を有する第2の取付け層は304で規定される。第1の取付け層と第2の取着け層との間に介在するそれぞれ予め定められたCTEの1以上の層は306で与えられ、複合ビレットまたはニアネットシェイプのプレフォームを生成するためCTEの傾斜分布の順序による第1の取付け層、介在層、第2の取付け層の積み重ねは308で行われる。積み重ね処理はレーザを使用するニアネットシェイプ製造、レーザ焼結、溶射成形または熱溶射成形のような金属付着処理の形態を含むことができる。プレフォームはその後HIPにより強化され、その後CTEの傾斜分布された層化複合ビレット又はニアネットシェイプを生成するために309で任意の必要な付加的な熱処理が行われる。複合ビレット又はニアネットシェイプはその後310で第1及び第2の構造コンポーネントの寸法決め及び取付けインターフェースの細部について後処理される。第1の構造コンポーネントはその後312で第1の取付け層に取付けられ、第2の構造コンポーネントは314で第2の取付け層へ取付けられる。
【0022】
典型的な粉末治金技術を使用する積み重ね製造プロセスは傾斜分布CTE材料で複合ビレット又はニアネットシェイプを生成するために第2の実施形態で使用される。図4Aに示されているように、CTEの傾斜分布された層化複合物のニアネットシェイププレフォーム37aは所望のCTEの傾斜分布に対応する傾斜分布されたベース要素の粉末化学物質と典型的に粉末治金処理で使用され圧縮される他の添加物で作られる。典型的な強化およびHIP処理はその後図4Bに示されているようにニアネットシェイプの積み重ねられてCTEの傾斜分布された層化複合物38aを生成するために使用される。代わりに図4Cで示されているように、CTEの傾斜分布された層化複合ビレットプレフォーム37bが所望のCTEの傾斜分布に対応する傾斜分布されたベース要素粉末化学物質と典型的に粉末治金処理で使用され圧縮される他の添加物で作られる。典型的な強化およびHIP処理はその後図4Dに示されているようにビレット形状の積み重ねCTEの傾斜分布された層化複合物38bを生成するために使用される。
【0023】
図4Eは前述したように傾斜分布複合物の処理を行う動作方法を与える。第1のCTEを有する第1の構造コンポーネントへ取付けるための表面を有する第1の取付け層は302で規定され、第2のCTEを有する第2の構造コンポーネントへ取付けるための第2の表面を有する第2の取付け層は304で規定される。第1の取付け層と第2の取着け層との間に介在するそれぞれ予め定められたCTEの1以上の層は306で与えられ、典型的には粉末治金方法を使用して複合ビレットまたはニアネットシェイプのプレフォームを生成するために予め定められたCTEの傾斜分布順序による第1の取付け層、介在層、第2の取付け層の積み重ねが402で行われる。プロセスAとして識別される積み重ね処理は粉末治金処理の種々の状態を含むことができる。プレフォームはその後HIPにより強化され、その後309でCTEの傾斜分布された層化複合ビレット又はニアネットシェイプを生成するために任意の必要な付加的な熱処理が行われる。複合ビレット又はニアネットシェイプはその後310で第1及び第2の構造コンポーネントの寸法決め及び取付けインターフェースの細部について後処理される。第1の構造コンポーネントはその後312で第1の取付け層に取付けられ、314で第2の構造コンポーネントは第2の取付け層へ取付けられる。
【0024】
図5の(A)−(C)に示されているように、接合の一体性を最適化するための種々のインターフェース設計が使用される。図3GとHおよび図4Dに関して説明されている積み重ねプロセスにより形成される図5の(A)で示されているベースのCTEの傾斜分布された層化複合ビレット10は種々の結合する表面構造のために二次処理で図5Dの方法で示されているように機械加工されることができる。層間の実質的に直交するインターフェースは条帯の縦軸に実質的に垂直な傾斜分布CTE層インターフェース40を有する複合接続条帯39で図5の(B)に示されているように実現されることができる。504でCTEの傾斜分布順で層を積み重ねられた複合ビレットは層間の直交インターフェースを条帯を与えるように機械加工される。代わりに図5の(C)に示されているように、ビレットはCTE勾配による局部的な応力に良好に適合するようにステップ506で層間に傾斜された結合インターフェース44を有する複合条帯142を提供するように機械加工され処理される。介在層の幅は複合物の全体的な所望のCTE特性に基づいて決定され、隣接層材料に関してその材料の膨張特性に基づいて個々の層で変化されることができる。励起された条帯、シート、またはプレートはその後、508でプリント毎に組み当てられ/成形され/機械加工され、第1及び第2の構造コンポーネントの寸法決め及び取付けインターフェースの細部について後処理される。
【0025】
前述の例で規定されているようにCTEの傾斜分布複合溶接構造は加熱または冷却されているアセンブリの部材間の任意のCTEの不整合に本質的に適合するように調節されることができる。傾斜分布CTE複合物は異なるCTEを有する部材間の相対的運動を可能にするために複雑にされた機械的締付け装置で必要な要求を軽減する。簡単な、通常の接合技術が部材の取付けに使用されることができ、したがって高い価格、複雑な設計、重量のペナルティを回避する。処理方法は種々の素子の幾何学形状(例えば、リング、条帯、ブロック等)におけるCTEの傾斜分布され一体化された複合構造の製造を可能にし、これはその後、大きな熱応力または歪みを誘起せずに加熱または冷却されることができるアセンブリを生成するため非常に異なるCTEを有する部材を取付けるために直接使用されることができる。さらに、素子の幾何学形状は過酷な環境の応用においてCTEの傾斜分布コンポーネントとして使用されることができる新しい構造を形成するために後処理(例えば機械加工、成形等)されることができる。図6AとBに示されているように、任意の積み重ね方法602により形成されたCTEの傾斜分布された層化複合ビレット10は前述したようにステップ604でプレフォーム50を生成するように機械加工され、ステップ606で介在形状52に拡張/鋳造され、その後、ニアネットシェイプの取付けリング54を形成するようにステップ608で圧延されることができる。取付けリングはその後、ステップ610で第1及び第2の構造コンポーネントの寸法決め及び取付けインターフェースの細部について後処理される。
【0026】
前述の方法を使用してCTEの傾斜分布された層化複合ビレットとニアネットシェイプから生成されるアセンブリは通常、過酷な環境応用と(例えば加熱又は冷却される)熱機械的負荷の処理に大きな熱応力又は歪なしに適合する。しかしながら局部的処理又は応用の熱機械的負荷の過酷さによりさらに局部的な中間層インターフェースでのCTEの不整合を最小にする必要性が存在する場合があり得る。図7Aは前述した初期的なニアネットシェイプのコンポーネント33aまたはビレット33bを示している。図7Aは最初に説明した5つの層の例から素子16が合金48、素子18が15−5PHとして随意選択的に示されている合金A−合金Bと注釈付けられている隣接層間の中間層の局部的配合を促進するため幾つかの薄い中間層56を交互に付着することによってこのようなビレット又はニアネットシェイプのコンポーネントの局部的な中間層インターフェースのCTEの不整合を最小にするための例示的な方法を示している。示されている例では、各薄い中間層は合金Aと合金Bの薄い交互の層により生成される。図7Bは混合された金属中間層58a−58cを使用して合金A−合金B中間層で漸進的に組成を配合することにより図7Bに示されているニアネットシェイプのコンポーネント38aまたはビレット38bの局部中間層インターフェースのCTEの不整合をさらに最小にするための例示的な方法を示している。75%の合金Aと25%の合金Bの合金A層に隣接する第1の中間層58aと、合金Aと合金Bが50%の第2の中間層58bと、25%の合金Aと75%の合金Bの合金B層に隣接する第3の中間層58cが例として示されている。図7Aと図7Bの典型的なCTEの傾斜分布された層化複合構造の付加的に必要とされるCTE適合特性を有する局部インターフェースを生成するためのプロセスのフローチャートが図7Cに示されている。
【0027】
インターフェース設計は図3Iに関して前述したような初期の傾斜分布CTE層を組み込んでおり、第1のCTEを有する第1の構造コンポーネントへ取付けるための第1の表面はステップ302で規定され、第2のCTEを有する第2の構造コンポーネントへ取付けるための第2の表面はステップ304で規定されている。それぞれ予め定められたCTEの第1の取付け層と第2の取着け層との間に介在する1以上の層はステップ306で与えられる。ステップ702で複数の薄い中間層が隣接層から交番する材料で与えられ、または代わりに各隣接層AとBで75%の合金Aと25%の合金Bの合金A層に隣接する第1の中間層と、合金Aと合金Bが50%の第2の中間層と、25%の合金Aと75%の合金Bの第3の中間層が与えられる。積み重ねはステップ706で複合ビレット又はニアネットシェイプのプレフォームを生成するために金属付着を使用してCTEの傾斜分布順による第1の取付け層、中間層設計を有する介在層、第2の取付け層を使用して行われる。構造部材に対する二次処理および取付けはその後図3Iに記載されているように行われる。
【0028】
ニアネットシェイプのCTEの傾斜分布された積層複合取付けリング構造は大きい円筒形の相互取付けコンポーネントを通常必要とした多くの過酷な環境構造に有益である。以下説明するように、通常の金属付着積み重ね製造方法である熱溶射処理はこの要求を解決するために使用されることができる。図8Aに示されているように、マンドレル60は環状の粉末供給装置68を有するプラズマスプレートーチまたはガン66を使用して軸方向で異なるCTEの層62、64の付着に使用される。軸方向の層は図8Bに示されているニアネットシェイプのCTEの傾斜分布された積層複合取付けリングを形成する。局部的インターフェースにおけるCTEの不整合を最小にするため、材料の供給は図8Cの(A)に示されているように軸方向に延在する層間にスカーフ継ぎインターフェース63を生成するように調節されることができる。さらに局部中間層の機械的及び熱的特性を強化するため、熱間等静圧圧縮(HIP)がその後図8Cの(B)に示されているようにスカーフ継ぎされた中間層インターフェースで合金構成物質65の相互拡散の領域を生成するために使用される。図8Dに示されているプロセスはそれぞれ予め定められたCTEの第1の取付け層と第2の取着け層の間に介在する多数の層の選択と、回転マンドレルの提供を802で行い、804で回転マンドレル上で予め定められた材料組成が取付けリングを生成するために軸方向に延在する溶射成形をすることにより与えられる。材料の供給は806で各軸方向に延在する層間にスカーフ継ぎインターフェースを生成するように調節される。808で層はCTEの傾斜分布された層化複合取付けリングを形成するようにマンドレルに沿って軸方向に付加される。マンドレルは前述したように除去され、810で最終的な取付けインターフェースになるように高い差CTEコンポーネントへ機械加工または化学研磨(化学研磨)されることができるニアネットシェイプのインターフェースリングを与える。
【0029】
過酷な環境応用における通常存在する取付け/密封要求の以下の例は、過酷な環境応用で大きな熱応力または歪みを誘起せずに加熱または冷却されることができるアセンブリを生成するために大きく異なるCTEを有する部材を取付け/密封するために使用されることのできる頑丈で航空力学的な軽量で簡単で廉価な構造を開発するために前述の実施形態で説明したCTEの傾斜分布された層化複合構造を組み込む方法の例として与えられている。
【0030】
例1−ロケットエンジンアセンブリにおけるセラミックマトリックス複合スラスタ室のチタニウムインジェクタへの取付け。
【0031】
ロケット燃焼室の構造の最も普通の材料はケイ化物被覆Nb合金である。2500F(燃焼温度の約50%)に限定された動作温度と、燃料膜の冷却はこの熱限度を維持するために使用される。大量の燃料膜冷却の使用は性能を非常に劣化する可能性があり、プルーム汚染の原因となる可能性がある。高性能へのキーとなることは燃焼室材料寿命限定機構である。高性能の別の挑戦的な問題は燃焼室を(低温で維持される必要がある)インジェクタ/弁/取付け部に取付けながら漏洩のない接合を行うことである。現在Nbロケット燃焼室はインジェクタへ直接溶接されている。
【0032】
セラミックマトリックス複合物室の使用は、通常の温度で動作し、再使用可能な宇宙船の寿命を増加させるためにプルーム汚染を減少し、(現在のNb室と比較して普通の推進剤で最大の可能な性能に非常に近い)高い熱余裕を有する高性能のロケットエンジンの設計を可能にする。セラミックマトリックス複合燃焼室72とチタニウムインジェクタ74の間に漏洩のない取付けを行う試みは、図9Bに示されているようにこれらが直接溶接されることができず、他の取付け手段は大きなCTEの不整合のために実際的ではないので、CTEの傾斜分布された層化複合取付けコンポーネントを生成するための前述の実施形態を使用して解決されることができる。
【0033】
図9Aで示されている方法は902で過酷な環境応用の推定を行い、これは示されている例ではチタニウムから製造されたインジェクタとCMCから構成された室を有するロケットエンジン中のインジェクタ−室取付けコンポーネントである。コンポーネント設計904はその後、一方の側でEB溶接される円筒形の相互取付けリングをチタニウムインジェクタへ与え、CMC室に反対側でろう付けされることにより実現される。熱機械的解析がその後906で行われ、これは華氏約1300度のインターフェースの最大温度と、主として熱応力による機械的負荷を示している。各部材の温度依存CTE特性はCTEの不整合のレベルを決定するために評価される。加熱/冷却(運用中に遭遇する温度勾配)のレベルとアセンブリの熱機械的負荷条件が評価される。材料選択908がその後行われる。例示的な応用では、図9Bに示されているような3つの層、即ちチタニウム78、合金42 80、コバール82の積層を有する転移リング76はCTEの不整合を適切に適合する。図3A−3Dに関して前述したプロセスのような初期的な粉末化学技術が適切な層積み重ねに選択される。積み重ね製造方法910が選択され、それは典型的なコンポーネントの寸法と低いレベルの設計の複雑性において示されている実施形態では図3A−3Dに関して前述したようなニアネットシェイプのレーザを使用した金属付着プロセスである。局部的インターフェース設計912は例示的な応用では、図9Cに示され図7Bに関して前述されているように75%の合金42と25%のコバールの最初の層84と、50%の合金42と50%のコバール86の第2の転移層86と、75%のコバールと25%の合金42の第3の転移層88の粉末又はワイヤ供給を構成する配合された介在層インターフェースに対して選択される。一次製造914はその後、レーザを使用するニアネットシェイプの金属付着を使用して説明したように配合された中間層インターフェースを有する傾斜分布円筒形リングの積み重ねで実現される。二次処理916がその後、配合された中間層インターフェースで合金組成物の必要な相互拡散を確実にするために延長期間に10%低温及び圧力において継続するHIPを含むために事後の熱機械処理を使用して行われることができる。リングはその後、印刷のために機械加工することにより後処理される。最終的な組立て918は図9Dで示されているような最終的な組立てのために、複合転移リング76のチタニウム面78をインジェクタ74にEB溶接し、コバール面82をノズル72にろう付けすることにより実現される。
【0034】
例2−ロケットエンジンにおけるインコネル718フランジへのセラミックマトリックス複合ノズルの取付け。
【0035】
航空機エンジンは燃焼器部分を高温で動作することによってより良好な燃料の節約を行うことができる。通常排気系に使用される金属合金は高温では不所望な短い運用寿命である可能性がある。現在の金属排気系をセラミックマトリックス複合物に置換することはこの問題を解決でき、潜在的に重量を減らす助けになる。しかしながらこのようなセラミックマトリックス複合排気系(非常に低いCTE)は超合金エンジンインターフェース(非常に高いCTE)に結合するように設計されなければならない。漏洩のない取付けをセラミックマトリックス複合ノズル90と(例えばインコネル718で作られる)超合金フランジ92との間に設ける試みは、これらが直接溶接されることができず他の取付けの手段が大きなCTEの不整合のために実際的ではないため説明された実施形態を使用して解決されることができる。これを解決するため高温の金属アダプタリング94が必要とされ、これは低い歪みで故障するセラミックマトリックス複合物と結合するのに適切な特徴を有している。このインターフェース設計はインコネル718のフランジとセラミックマトリックス複合ノズルとの間の大きなCTEの不整合を適合させる必要がある。
【0036】
図10Aに示されている方法は航空機のエンジン−ノズル取付けコンポーネントを構成する過酷な環境応用1002を決定し、ここではエンジンフランジはインコネル718であり、ノズルはCMCである。コンポーネントの設計は1004で行われ、これは第1の側で718フランジに、反対側でCMCノズルにボルトにより結合される円筒形の相互取付けリングを必要とする。熱機械的解析は1006で行われ、主として熱応力による負荷を有して華氏約1200度のインターフェースの最大温度を規定する。材料選択は718フランジとCMCノズル間のCTEの不整合を適合させるため図2に関して前述した特性を有しているインコネル718の層20と15−5PHの層18と合金48の層16と合金42の層13とコバール層12とを含んだ図10Cに示されているような5つの層積層を有する相互取付けリングについて行われる。積み重ね製造方法は図4Cと4Dに関して説明されているように1010でCTC傾斜分布ビレットを製造するために予測されるコンポーネント寸法と、粉末治金処理方法の設計の複雑性における低レベルに基づいて選択される。局部的インターフェース設計は図7Aに関して前述したように局部的配合を促進するために中間層インターフェースに位置される各隣接層材料の交番する薄層を使用して1012で行われる。一次製造はその後1014で行われ、典型的な粉末治金処理を使用して局部的層化インターフェース設計を有するCTEの傾斜分布された層化複合ビレットを積み重ねる。二次処理はその後1016で行われ、図6Aと6Bに関して前述したように、出発リングを提供するようにビレットを機械加工し、その後ニアネットシェイプへ熱間圧延する。取付けリングはその後化学的に研磨(化学研磨)され、最終的なインターフェース寸法に機械加工される。最終的な組立て1018はその後、718エンジンフランジをCTEの傾斜分布複合リングの718側に、CMCノズルをリングのコバール側にボルトにより結合することによって実現される。
【0037】
図10Dは図10Aのプロセスを使用して生成されたCTEの傾斜分布され一体化された複合インターフェースリング94に取付けられる例示的なセラミックマトリックス複合排気ノズル90を示している。
【0038】
図11と12を参照すると、実施形態は図11に示されているような製造及び運用方法200と図12で示されているような航空宇宙ビークルまたは航空機202について説明されることができる。図11と12の説明では、ここでは実施例2に関して説明されたようなエンジンを備えた航空機を説明するが、ビークルはロケット、宇宙船またはその他の航空宇宙、船舶、戦闘システムを含むビークル及びその他のビークル応用であってもよい。製造前の期間、例示的な方法200は図2の航空機202の仕様及び設計204と材料の調達206を含むことができる。製造中、航空機202のコンポーネントとサブアセンブリの製造208及びシステムの統合210が行われる。その後航空機202は運用214のために検定および運送212をされる。カスタマにより運用されながら、航空機202は日常のメンテナンス及び運用216のスケジュールを定められる(変更、再構成、一新等を含むことができる)。
【0039】
方法200の各プロセスはシステムインテグレータ、第3パーティ、および/またはオペレータ(例えばカスタマ)により行われ実行されることができる。この説明の目的に対しては、システムインテグレータは限定せずに任意の多数の航空機製造業と主要システムの下請け会社を含むことができ、第3パーティは限定ではないが任意の複数の販売業者、下請け会社、供給業者を含むことができ、オペレータは航空機、リース会社、軍事エンティティ、運用組織等であってもよい。
【0040】
図12に示されているように、例示的な方法200により生成される航空機202は複数のシステム220と内装222と共に機体218を含むことができる。高レベルのシステム220の例には推進系224、電気系226、水圧系226、環境系230の1以上を含む。
【0041】
ここで実施されることができる装置及び方法は製造及び運用方法200の任意の1以上の段階中に使用されることができる。例えば、製造プロセス208に対応するコンポーネントまたはサブアセンブリは航空機202が運用中に製造されるコンポーネントまたはサブアセンブリと類似した方法で製造または生産されることができる。また1以上の装置の実施形態、方法の実施形態またはその組合せは例えば実質的に航空機202の組み立てを実質的に促進するか、その価格を減少することにより製造段208および210期間中に使用されることができる。同様に、1以上の装置の実施形態、方法の実施形態またはその組合せは例えば限定としてではなくメンテナンス及び運用サービス216のような航空機202が運用中の間に使用されることができる。
【0042】
特許法で必要とされるように本発明の種々の実施形態を詳細に説明した。当業者はここで説明した特別な実施形態に対する変形および代替手段を認識するであろう。このような変更は特許請求の範囲に規定されている本発明の技術的範囲内に含まれるべきものである。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は通常、非常に異なった熱膨張係数(CTE)を有する材料とコンポーネントの相互取付けのための構造の分野に関し、特に非常に異なるCTEを有する2つの構造を接続するため傾斜分布CTEを有する構成成分を備えた複合構造と、傾斜分布CTE複合構造の生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高い能力、重量効率、長持ちする過酷な環境の構造の必要性には高能力の高度に過酷な環境の材料(例えば限定ではないが、セラミックマトリックス複合物、炭素−炭素複合物、耐火金属/合金/2種類以上の金属、陶性合金、金属間化合物)の使用が余儀なくされる。このような新しい材料は通常の構造合金と比較して非常に異なるCTEを有する。さらに、これらには延性が少ない可能性がある。このような新しい材料を過酷な環境の構造の設計に組み込むことはこれらが非常に高いCTEおよび延性を有する通常の構造合金に幾つかの点において取付けられることを必要とする可能性がある。目的とされる過酷な環境に露出されるとき、非常に高い熱応力と歪みが成長し、これらは不所望な結果を招く可能性がある。これはこれらの新しい構造材料の使用を完全に制限し、有効な構造合金への取付けを可能にするための重量のペナルティまたは設計の複雑さの増加のために価格の高騰を生じるので重要的な問題である。高および低温度応用で使用するために非常に異なるCTEを有する部材を取付けることは非常に挑戦的な仕事である。(部材が非常に異なるCTEを有するならば通常は実現可能ではない)既存の解決策は、主にアセンブリが加熱されるか冷却されるときに異なるCTEを有する部材間の相対的な運動を可能にするための複雑な機構および/または複雑な設計を含む複雑な機械固定装置を含む。既存の解決策はこれらが相対的な運動を可能にするのに本質的にフレキシブルであり、これらはエンジン、タービン、ビークルの前縁のような典型的に高温の応用で使用するのに好ましくない特徴をもたない可能性があるという事実のために厳格ではない傾向がある。
【0003】
それ故、大きな熱応力または歪みを誘起せずに加熱または冷却されることができるアセンブリを製造するため非常に異なるCTEを有する部材を取付けるために使用されることができる構造を提供することが望ましい。
【0004】
さらに、加熱または冷却期間中に相対的な変形を可能にするための複雑化された機構及び複雑な設計に依存せず、エンジン、タービン、ビークルの前縁のサブシステムで遭遇される広範囲のCTE不一致を本質的に適合するように調節された実質的に剛性の解決を可能にするシステムを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
傾斜分布熱膨張係数(CTE)インターフェースは第1のCTEを有する構造コンポーネントへ取付けるための第1の端部と、第2のCTEを有する構造コンポーネントへ取付けるための第2の端部とを有する複合構造により与えられる。傾斜分布CTEを有する多数の層が選択され、積み重ね製造プロセスが傾斜分布CTEを有する層化された複合ビレットまたはニアネットシェイプを生成するために使用される。CTEの傾斜分布された層化複合ビレットまたはニアネットシェイプが第1の実施形態では典型的な金属付着技術により、第2の実施形態では典型的な粉末治金技術により与えられる。複合ビレットまたはニアネットシェイプはその後、第1のCTEを有する第1の構造部材の取付けのための第1の表面を生成し、第2のCTEを有する第2の構造部材の取付けのための第2の表面を生成するように処理される。結果的なアセンブリは大きな熱応力または歪みを誘起せずに加熱または冷却されることができるアセンブリを製造するために非常に異なるCTEを有する構造部材を取付ける能力を提供する。さらに、アセンブリは加熱または冷却期間中に相対的な運動を可能にするための複雑化された機構及び複雑な設計に依存せず、広範囲のCTE不一致に本質的に適合するように調節された実質的に剛性の解決を可能にする。
【0006】
第1の方法の実施形態における傾斜分布熱膨張係数(CTE)を有する一体化された複合インターフェースの生成は、CTEの傾斜分布された層化複合ビレットまたはニアネットシェイプを生成するために典型的な粉末治金技術を使用し、その後必要ならば強化され、第1のCTEを有する第1の構造コンポーネントへ取付けるための第1の表面と、第2のCTEを有する第2の構造コンポーネントへ取付けるための第2の表面を提供するように後処理(熱処理、成形および/または機械加工)される。CTEの傾斜分布された層化複合インターフェースはCTEの傾斜分布されたニアネットシェイプのプレフォームを生成するため典型的な粉末治金技術を使用して第2の方法の実施形態で生成され、その後必要ならば強化され、第1のCTEを有する第1の構造コンポーネントへ取付けるための第1の表面と、第2のCTEを有する第2の構造コンポーネントへ取付けるための第2の表面を提供するように後処理(熱処理、成形および/または機械加工)される。
【0007】
11.粉末治金を使用してCTEの傾斜分布プレフォームを生成し、
プレフォームを強化し、
CTEの傾斜分布され一体化された複合ビレットを生成するため強化されたプレフォームを熱処理し、
第1のCTEを有する第1の構造コンポーネントへ取付けるための第1の表面と、第2のCTEを有する第2の構造コンポーネントへ取付けるための第2の表面とを提供するためにビレットを成形するステップを含んでいる傾斜分布熱膨張係数(CTE)を有する一体化された複合インターフェースを生成する方法。
【0008】
12.強化するステップは熱間等静圧圧縮を含んでいる請求項11記載の方法。
【0009】
13.ニアネットシェイプのCTEの傾斜分布プレフォームを生成するために粉末治金を使用し、
プレフォームを強化し、
CTEの傾斜分布されたニアネットシェイプのコンポーネントを生成するために強化されたプレフォームを熱処理し、
第1のCTEを有する第1の構造コンポーネントへ取付けるための第1の表面と、第2のCTEを有する第2の構造コンポーネントへ取付けるための第2の表面とを提供するためにコンポーネントを成形するステップを含んでいる傾斜分布熱膨張係数(CTE)を有する一体化された複合インターフェースを生成する方法。
【0010】
14.強化するステップは熱間等静圧圧縮を含んでいる請求項11記載の方法。
【0011】
15.非常に異なるCTEを有する傾斜分布熱膨張係数(CTE)接合構造部材を有する一体化された複合インターフェースを備えた航空宇宙構造を生成する方法において、
第1の部材と第2の部材を取付けるための過酷な環境応用を識別し、
CTEの傾斜分布した複合物から第1の部材と第2の部材への取付け方法の決定を含んでいるCTEの傾斜分布した複合物の接続コンポーネント設計を決定し、
構造により必要とされるCTEの不整合の適合のレベルを決定するために各部材の温度依存CTE特性を評価し、運用期間中に遭遇する加熱/冷却温度勾配のレベルを評価し、アセンブリの熱機械的負荷状態を解析する処理を含んでいる熱機械解析を行い、
傾斜分布CTE複合物の材料選択を行い、
積み重ね製造技術を選択し、
CTE複合物の層の局部的なインターフェース設計を決定し、
選択された材料、製造技術、局部的なインターフェース設計を使用して異なるCTEの材料の層を使用しているCTEの傾斜分布された部材を積み重ね、
二次処理を行い、
第1の部材と第2の部材をCTEの傾斜分布コンポーネントに組み立てるステップを含んでいる方法。
【0012】
16.CTEの傾斜分布部材を積み重ねるステップはニアネットシェイプのCTEの傾斜分布複合物を生成するためにレーザを使用する金属付着を含んでいる請求項15記載の方法。
【0013】
17.局部的なインターフェース設計を決定するステップは、
第1の隣接層の材料の約75%と第2の隣接層の材料の約25%の材料組成を有する第1の中間層と、第1の隣接層の材料の約50%と第2の隣接層の材料の約50%の材料組成を有する第2の中間層と、第1の隣接層の材料の約25%と第2の隣接層の材料の約75%の材料組成を有する第3の中間層とを有する中間層を第1及び第2の隣接層間に設けるステップを含んでいる請求項16記載の方法。
【0014】
18.CTEの傾斜分布部材を積み立てるステップは、
CTEの傾斜分布されたデレクトリビレットを生成するために粉末治金処理を使用し、
出発コンポーネントを形成するためにビレットを機械加工し、
出発コンポーネントをニアネットシェイプに熱間圧延し、
第1の部材と第2の部材にボルトで取付けるための要求に適合するように最終特徴を化学機械加工するステップを含んでいる請求項15記載の方法。
【0015】
19.局部的なインターフェース設計を決定するステップは、
2つの隣接層の各材料の複数の交番層を具備する各2つの隣接層間に中間層を設けるステップを含んでいる請求項18記載の方法。
【0016】
20.セラミックマトリックス複合ノズルと、
インコネル718超合金フランジと、
ノズルとフランジを相互接続し、傾斜分布熱膨張係数(CTE)を有する一体化された複合インターフェースとを具備しており、前記インターフェースは、
所望のCTEの傾斜分布に対応する傾斜分布化学的性質を有するビレットを粉末治金処理し、
CTEの傾斜分布ビレットから出発コンポーネントを機械加工し、
さらに強化するためにコンポーネントを熱間リング圧延し、
複合ノズルへ結合するためのボルトインターフェースを機械加工し、
フランジに結合するためのボルトインターフェースを機械加工することにより形成されている航空機エンジン構造。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、ここで提示されている一般化された方法のフローチャートである。
【図2】図2は、典型的なCTEの傾斜分布された層化複合構造を生成するために使用される例示的な合金のセットの温度関数としてのCTEのグラフである。
【図3A】図3Aは、ニアネットシェイプのCTEの傾斜分布された層化複合物を生成するための典型的な金属付着処理ステップを表す図である。
【図3B】図3Bは、ニアネットシェイプのCTEの傾斜分布された層化複合物を生成するための典型的な金属付着処理ステップを表す図である。
【図3C】図3Cは、ニアネットシェイプのCTEの傾斜分布された層化複合物を生成するための典型的な金属付着処理ステップを表す図である。
【図3D】図3Dは、ニアネットシェイプのCTEの傾斜分布された層化複合物を生成するための典型的な金属付着処理ステップを表す図である。
【図3E】図3Eは、CTEの傾斜分布された層化複合ビレットを生成するための典型的な金属付着処理ステップを表す図である。
【図3F】図3Fは、CTEの傾斜分布された層化複合ビレットを生成するための典型的な金属付着処理ステップを表す図である。
【図3G】図3Gは、CTEの傾斜分布された層化複合ビレットを生成するための典型的な金属付着処理ステップを表す図である。
【図3H】図3Hは、CTEの傾斜分布された層化複合ビレットを生成するための典型的な金属付着処理ステップを表す図である。
【図3I】図3Iは、図3A−HのCTEの傾斜分布された層化複合構造を生成するためのプロセスのフローチャートである。
【図4A】図4Aは、ニアネットシェイプのCTEの傾斜分布された層化複合物を生成するための典型的な粉末治金処理ステップを表す図である。
【図4B】図4Bは、ニアネットシェイプのCTEの傾斜分布された層化複合物を生成するための典型的な粉末治金処理ステップを表す図である。
【図4C】図4Cは、CTEの傾斜分布された層化複合ビレットを生成するための典型的な粉末治金処理ステップを表す図である。
【図4D】図4Dは、CTEの傾斜分布された層化複合ビレットを生成するための典型的な粉末治金処理ステップを表す図である。
【図4E】図4Eは、図4A−DのCTEの傾斜分布された層化複合構造を生成するためのプロセスのフローチャートである。
【図5】図5は、ここでの方法の実施形態により生成される例示的な傾斜分布CTE複合ビレットと、別の層化インターフェースを与えるためにこのビレットから機械加工される素子とを示す図である。
【図5D】図5Dは、図5のCTEの傾斜分布された層化複合構造を生成するためのプロセスのフローチャートである。
【図6A】図6Aは、CTEの傾斜分布されたス化複合ビレットからネット形状のインターフェースリングを生成するフローを表す図である。
【図6B】図6Bは、CTEの傾斜分布されたス化複合ビレットからネット形状のインターフェースリングを生成するプロセスステップのフローチャートである。
【図7A】図7Aは、合金A−合金Bの中間層の局部的配合を促進するために幾つかの薄い中間層により局部中間層インターフェースにおけるCTEの不整合をさらに最小にする例示的な方法を表す図である。
【図7B】図7Bは、合金A−合金Bの中間層の組成を段階的に配合することにより局部的中間層インターフェースにおけるCTEの不整合をさらに最小にしている例示的な方法を表す図である。
【図7C】図7Cは、図7Aと7Bの典型的なCTEの傾斜分布された層化複合構造の付加的に必要とされるCTE適合構成を備えた局部的インターフェースを生成するプロセスのフローチャートである。
【図8A】図8Aは、回転するマンドレルで熱溶射処理によりCTEの傾斜分布された層化複合構造を生成する例示的な方法を示す図である。
【図8B】図8Bは、図8Aで使用される方法により生成されるリングを示す図である。
【図8C】図8Cは、二次処理前及び後のCTEの傾斜分布された層化複合構造でスカーフ継ぎされた中間層を使用して局部的インターフェースにおけるCTEの不整合をさらに小さくした構成を示す図8Bからの断面図である。
【図8D】図8Dは、図8A−8CのCTEの傾斜分布された層化複合材料の付加的に必要とされるCTE適合特性を備えた局部的インターフェースを生成するためのプロセスのフローチャートである。
【図9A】図9Aは、ロケットエンジンのインジェクタ−スラスタ室相互取付けコンポーネントとしてCTEの傾斜分布された層化複合物を使用する航空宇宙構造を生成するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【図9B】図9Bは、図9Aのプロセスを使用して接合されるロケット室及びインジェクタコンポーネントの分解図である。
【図9C】図9Cは、層化された複合接続リングの断面図である。
【図9D】図9Dは、組み立てられたロケットエンジン構造の斜視図である。
【図10A】図10Aは、航空機エンジン−ノズル相互取付けコンポーネントとしてCTEの傾斜分布された層化複合物を使用する航空宇宙構造を生成するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【図10B】図10Bは、インコネル718フランジに接続されるセラミックマトリックス複合排気ノズルを有する航空機エンジンの分解図である。
【図10C】図10Cは、セラミックマトリックス複合排気ノズルと最終的なアセンブリに取付けられたCTEの傾斜分布された層化複合コネクタリングの斜視図である。
【図10D】図10Dは、図10Aのプロセスを使用して生成されたCTEの傾斜分布され一体化された複合インターフェースリング94に取付けられた例示的なセラミックマトリックス複合排気ノズル90を示す図である。
【図11】図11は、航空宇宙ビークルの製造と運用方法のフロー図である。
【図12】図12は、図11の航空宇宙ビークルの例としての航空機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで説明されている実施形態の特徴及び利点は添付図面を伴って考察するとき以下の詳細な説明を参照することにより良好に理解されるであろう。
非常に異なるCTEを有する部材を相互接続するために傾斜分布熱膨張係数を有する複合構造の生成は図1に示されているようなプロセスを使用する。応用と環境がステップ102で決定され、部材間の転移コンポーネントはステップ104で設計される。このような応用の幾つかの特別な例を次に詳細に説明する。熱機械的解析はステップ106で必要とされるCTE適合のレベルを理解するために行われる。適切なコンポーネント性能に必要な介在材料のタイプと数が傾斜分布CTE複合物についてステップ108で選択される。設計されたCTEの傾斜分布された層化複合物の適切な積み重ね方法の決定がステップ110で行われる。任意の付加的な必要なCTE適合特性を有する局部インターフェースがステップ112で設計される。CTE層の主な製造はその後選択された製造方法によりステップ114で行われる。仕上げられたコンポーネントが設計されたように生成されるよう、ステップ116でCTEの傾斜分布された層化複合物において二次処理が行われる。その後ステップ118で、生成されたCTEの傾斜分布コンポーネントとその他の部材の最終的な組立てが行われる。
【0019】
非常に高いCTEの部材(例えばインコネル718から作られる部材)を非常に低いCTEの部材(例えばセラミックマトリックス複合物のような非常に過酷な環境の材料から作られる部材)に室温と1200Fの間で循環する環境のアセンブリにおいて取付けることを意図する例示的な応用では、傾斜分布材料は第1の層ではコバールの指定された素子12、第2の層では合金42の指定された素子14、第3の層では合金48の指定された素子16、第4の層では15−5PHの指定された素子18、第5の層ではインコネル718の指定された素子20から選択されることができる。この例の傾斜分布複合物の例示的な材料の温度の関数としてのCTEの値が図2に示されている。
【0020】
典型的な金属付着技術を使用する積み重ね製造プロセスが傾斜分布CTE材料で複合ビレットまたはニアネットシェイプを生成するために第1の実施形態で使用されている。図3Aに示されているように、公称的にボルト29aとして示されているレーザを使用するニアネットシェイプ製造、レーザ焼結、溶射成形または熱溶射成形がCTEの傾斜分布された層化複合物のニアネットシェイプのプレフォーム30aを生成するために使用される。圧力の矢印31aとして示されている緻密化および特性強化のための熱間等静圧圧縮(HIP)又はその他の強化プロセスが介在するニアネットシェイプ32aを生成するために図3Bで示されているように使用され、図3Cに示されているような最終的なニアネットシェイプの複合物33aを生成するために熱処理が使用される。簡明にするために図3CではCTEの傾斜分布複合物は異なる層で図示されているが、最終的な積み重ねのCTEの傾斜分布された層化複合物のニアネットシェイプは図3Dに示されているように第1のCTEインターフェース表面34から第2のCTEインターフェース表面36の円滑な転移を行う配合された特性を有することができる。代わりに図3Eに示されているように、ボルト29bとして公称的に示されているレーザを使用するニアネットシェイプ製造、レーザ焼結、溶射成形または熱溶射成形がCTEの傾斜分布された層化複合ビレットプレフォーム30bを生成するために使用される。矢印31bとして公称的に示されている圧力が緻密化および特性強化のための熱間等静圧圧縮(HIP)又は他の強化プロセスが介在するニアネットシェイプ32bを生成するために図3Fで示されているように使用され、図3Gに示されているような最終的な構造ビレット33bを生成するために熱処理が使用される。簡明にするために図3GではCTEの傾斜分布複合物は異なる層で図面には示されているが、最終的な積み重ねのCTEの傾斜分布された層化複合ビレットは図3Hに示されているように第1のCTEインターフェース表面34から第2のCTEインターフェース表面36へ円滑な転移を行う配合された特性を有することができる。
【0021】
図3Iは前述したように傾斜分布複合物の準備を行う動作方法を与える。第1のCTEを有する第1の構造コンポーネントへ取付けるための表面を有する第1の取付け層は302で規定され、第2のCTEを有する第2の構造コンポーネントへ取付けるための第2の表面を有する第2の取付け層は304で規定される。第1の取付け層と第2の取着け層との間に介在するそれぞれ予め定められたCTEの1以上の層は306で与えられ、複合ビレットまたはニアネットシェイプのプレフォームを生成するためCTEの傾斜分布の順序による第1の取付け層、介在層、第2の取付け層の積み重ねは308で行われる。積み重ね処理はレーザを使用するニアネットシェイプ製造、レーザ焼結、溶射成形または熱溶射成形のような金属付着処理の形態を含むことができる。プレフォームはその後HIPにより強化され、その後CTEの傾斜分布された層化複合ビレット又はニアネットシェイプを生成するために309で任意の必要な付加的な熱処理が行われる。複合ビレット又はニアネットシェイプはその後310で第1及び第2の構造コンポーネントの寸法決め及び取付けインターフェースの細部について後処理される。第1の構造コンポーネントはその後312で第1の取付け層に取付けられ、第2の構造コンポーネントは314で第2の取付け層へ取付けられる。
【0022】
典型的な粉末治金技術を使用する積み重ね製造プロセスは傾斜分布CTE材料で複合ビレット又はニアネットシェイプを生成するために第2の実施形態で使用される。図4Aに示されているように、CTEの傾斜分布された層化複合物のニアネットシェイププレフォーム37aは所望のCTEの傾斜分布に対応する傾斜分布されたベース要素の粉末化学物質と典型的に粉末治金処理で使用され圧縮される他の添加物で作られる。典型的な強化およびHIP処理はその後図4Bに示されているようにニアネットシェイプの積み重ねられてCTEの傾斜分布された層化複合物38aを生成するために使用される。代わりに図4Cで示されているように、CTEの傾斜分布された層化複合ビレットプレフォーム37bが所望のCTEの傾斜分布に対応する傾斜分布されたベース要素粉末化学物質と典型的に粉末治金処理で使用され圧縮される他の添加物で作られる。典型的な強化およびHIP処理はその後図4Dに示されているようにビレット形状の積み重ねCTEの傾斜分布された層化複合物38bを生成するために使用される。
【0023】
図4Eは前述したように傾斜分布複合物の処理を行う動作方法を与える。第1のCTEを有する第1の構造コンポーネントへ取付けるための表面を有する第1の取付け層は302で規定され、第2のCTEを有する第2の構造コンポーネントへ取付けるための第2の表面を有する第2の取付け層は304で規定される。第1の取付け層と第2の取着け層との間に介在するそれぞれ予め定められたCTEの1以上の層は306で与えられ、典型的には粉末治金方法を使用して複合ビレットまたはニアネットシェイプのプレフォームを生成するために予め定められたCTEの傾斜分布順序による第1の取付け層、介在層、第2の取付け層の積み重ねが402で行われる。プロセスAとして識別される積み重ね処理は粉末治金処理の種々の状態を含むことができる。プレフォームはその後HIPにより強化され、その後309でCTEの傾斜分布された層化複合ビレット又はニアネットシェイプを生成するために任意の必要な付加的な熱処理が行われる。複合ビレット又はニアネットシェイプはその後310で第1及び第2の構造コンポーネントの寸法決め及び取付けインターフェースの細部について後処理される。第1の構造コンポーネントはその後312で第1の取付け層に取付けられ、314で第2の構造コンポーネントは第2の取付け層へ取付けられる。
【0024】
図5の(A)−(C)に示されているように、接合の一体性を最適化するための種々のインターフェース設計が使用される。図3GとHおよび図4Dに関して説明されている積み重ねプロセスにより形成される図5の(A)で示されているベースのCTEの傾斜分布された層化複合ビレット10は種々の結合する表面構造のために二次処理で図5Dの方法で示されているように機械加工されることができる。層間の実質的に直交するインターフェースは条帯の縦軸に実質的に垂直な傾斜分布CTE層インターフェース40を有する複合接続条帯39で図5の(B)に示されているように実現されることができる。504でCTEの傾斜分布順で層を積み重ねられた複合ビレットは層間の直交インターフェースを条帯を与えるように機械加工される。代わりに図5の(C)に示されているように、ビレットはCTE勾配による局部的な応力に良好に適合するようにステップ506で層間に傾斜された結合インターフェース44を有する複合条帯142を提供するように機械加工され処理される。介在層の幅は複合物の全体的な所望のCTE特性に基づいて決定され、隣接層材料に関してその材料の膨張特性に基づいて個々の層で変化されることができる。励起された条帯、シート、またはプレートはその後、508でプリント毎に組み当てられ/成形され/機械加工され、第1及び第2の構造コンポーネントの寸法決め及び取付けインターフェースの細部について後処理される。
【0025】
前述の例で規定されているようにCTEの傾斜分布複合溶接構造は加熱または冷却されているアセンブリの部材間の任意のCTEの不整合に本質的に適合するように調節されることができる。傾斜分布CTE複合物は異なるCTEを有する部材間の相対的運動を可能にするために複雑にされた機械的締付け装置で必要な要求を軽減する。簡単な、通常の接合技術が部材の取付けに使用されることができ、したがって高い価格、複雑な設計、重量のペナルティを回避する。処理方法は種々の素子の幾何学形状(例えば、リング、条帯、ブロック等)におけるCTEの傾斜分布され一体化された複合構造の製造を可能にし、これはその後、大きな熱応力または歪みを誘起せずに加熱または冷却されることができるアセンブリを生成するため非常に異なるCTEを有する部材を取付けるために直接使用されることができる。さらに、素子の幾何学形状は過酷な環境の応用においてCTEの傾斜分布コンポーネントとして使用されることができる新しい構造を形成するために後処理(例えば機械加工、成形等)されることができる。図6AとBに示されているように、任意の積み重ね方法602により形成されたCTEの傾斜分布された層化複合ビレット10は前述したようにステップ604でプレフォーム50を生成するように機械加工され、ステップ606で介在形状52に拡張/鋳造され、その後、ニアネットシェイプの取付けリング54を形成するようにステップ608で圧延されることができる。取付けリングはその後、ステップ610で第1及び第2の構造コンポーネントの寸法決め及び取付けインターフェースの細部について後処理される。
【0026】
前述の方法を使用してCTEの傾斜分布された層化複合ビレットとニアネットシェイプから生成されるアセンブリは通常、過酷な環境応用と(例えば加熱又は冷却される)熱機械的負荷の処理に大きな熱応力又は歪なしに適合する。しかしながら局部的処理又は応用の熱機械的負荷の過酷さによりさらに局部的な中間層インターフェースでのCTEの不整合を最小にする必要性が存在する場合があり得る。図7Aは前述した初期的なニアネットシェイプのコンポーネント33aまたはビレット33bを示している。図7Aは最初に説明した5つの層の例から素子16が合金48、素子18が15−5PHとして随意選択的に示されている合金A−合金Bと注釈付けられている隣接層間の中間層の局部的配合を促進するため幾つかの薄い中間層56を交互に付着することによってこのようなビレット又はニアネットシェイプのコンポーネントの局部的な中間層インターフェースのCTEの不整合を最小にするための例示的な方法を示している。示されている例では、各薄い中間層は合金Aと合金Bの薄い交互の層により生成される。図7Bは混合された金属中間層58a−58cを使用して合金A−合金B中間層で漸進的に組成を配合することにより図7Bに示されているニアネットシェイプのコンポーネント38aまたはビレット38bの局部中間層インターフェースのCTEの不整合をさらに最小にするための例示的な方法を示している。75%の合金Aと25%の合金Bの合金A層に隣接する第1の中間層58aと、合金Aと合金Bが50%の第2の中間層58bと、25%の合金Aと75%の合金Bの合金B層に隣接する第3の中間層58cが例として示されている。図7Aと図7Bの典型的なCTEの傾斜分布された層化複合構造の付加的に必要とされるCTE適合特性を有する局部インターフェースを生成するためのプロセスのフローチャートが図7Cに示されている。
【0027】
インターフェース設計は図3Iに関して前述したような初期の傾斜分布CTE層を組み込んでおり、第1のCTEを有する第1の構造コンポーネントへ取付けるための第1の表面はステップ302で規定され、第2のCTEを有する第2の構造コンポーネントへ取付けるための第2の表面はステップ304で規定されている。それぞれ予め定められたCTEの第1の取付け層と第2の取着け層との間に介在する1以上の層はステップ306で与えられる。ステップ702で複数の薄い中間層が隣接層から交番する材料で与えられ、または代わりに各隣接層AとBで75%の合金Aと25%の合金Bの合金A層に隣接する第1の中間層と、合金Aと合金Bが50%の第2の中間層と、25%の合金Aと75%の合金Bの第3の中間層が与えられる。積み重ねはステップ706で複合ビレット又はニアネットシェイプのプレフォームを生成するために金属付着を使用してCTEの傾斜分布順による第1の取付け層、中間層設計を有する介在層、第2の取付け層を使用して行われる。構造部材に対する二次処理および取付けはその後図3Iに記載されているように行われる。
【0028】
ニアネットシェイプのCTEの傾斜分布された積層複合取付けリング構造は大きい円筒形の相互取付けコンポーネントを通常必要とした多くの過酷な環境構造に有益である。以下説明するように、通常の金属付着積み重ね製造方法である熱溶射処理はこの要求を解決するために使用されることができる。図8Aに示されているように、マンドレル60は環状の粉末供給装置68を有するプラズマスプレートーチまたはガン66を使用して軸方向で異なるCTEの層62、64の付着に使用される。軸方向の層は図8Bに示されているニアネットシェイプのCTEの傾斜分布された積層複合取付けリングを形成する。局部的インターフェースにおけるCTEの不整合を最小にするため、材料の供給は図8Cの(A)に示されているように軸方向に延在する層間にスカーフ継ぎインターフェース63を生成するように調節されることができる。さらに局部中間層の機械的及び熱的特性を強化するため、熱間等静圧圧縮(HIP)がその後図8Cの(B)に示されているようにスカーフ継ぎされた中間層インターフェースで合金構成物質65の相互拡散の領域を生成するために使用される。図8Dに示されているプロセスはそれぞれ予め定められたCTEの第1の取付け層と第2の取着け層の間に介在する多数の層の選択と、回転マンドレルの提供を802で行い、804で回転マンドレル上で予め定められた材料組成が取付けリングを生成するために軸方向に延在する溶射成形をすることにより与えられる。材料の供給は806で各軸方向に延在する層間にスカーフ継ぎインターフェースを生成するように調節される。808で層はCTEの傾斜分布された層化複合取付けリングを形成するようにマンドレルに沿って軸方向に付加される。マンドレルは前述したように除去され、810で最終的な取付けインターフェースになるように高い差CTEコンポーネントへ機械加工または化学研磨(化学研磨)されることができるニアネットシェイプのインターフェースリングを与える。
【0029】
過酷な環境応用における通常存在する取付け/密封要求の以下の例は、過酷な環境応用で大きな熱応力または歪みを誘起せずに加熱または冷却されることができるアセンブリを生成するために大きく異なるCTEを有する部材を取付け/密封するために使用されることのできる頑丈で航空力学的な軽量で簡単で廉価な構造を開発するために前述の実施形態で説明したCTEの傾斜分布された層化複合構造を組み込む方法の例として与えられている。
【0030】
例1−ロケットエンジンアセンブリにおけるセラミックマトリックス複合スラスタ室のチタニウムインジェクタへの取付け。
【0031】
ロケット燃焼室の構造の最も普通の材料はケイ化物被覆Nb合金である。2500F(燃焼温度の約50%)に限定された動作温度と、燃料膜の冷却はこの熱限度を維持するために使用される。大量の燃料膜冷却の使用は性能を非常に劣化する可能性があり、プルーム汚染の原因となる可能性がある。高性能へのキーとなることは燃焼室材料寿命限定機構である。高性能の別の挑戦的な問題は燃焼室を(低温で維持される必要がある)インジェクタ/弁/取付け部に取付けながら漏洩のない接合を行うことである。現在Nbロケット燃焼室はインジェクタへ直接溶接されている。
【0032】
セラミックマトリックス複合物室の使用は、通常の温度で動作し、再使用可能な宇宙船の寿命を増加させるためにプルーム汚染を減少し、(現在のNb室と比較して普通の推進剤で最大の可能な性能に非常に近い)高い熱余裕を有する高性能のロケットエンジンの設計を可能にする。セラミックマトリックス複合燃焼室72とチタニウムインジェクタ74の間に漏洩のない取付けを行う試みは、図9Bに示されているようにこれらが直接溶接されることができず、他の取付け手段は大きなCTEの不整合のために実際的ではないので、CTEの傾斜分布された層化複合取付けコンポーネントを生成するための前述の実施形態を使用して解決されることができる。
【0033】
図9Aで示されている方法は902で過酷な環境応用の推定を行い、これは示されている例ではチタニウムから製造されたインジェクタとCMCから構成された室を有するロケットエンジン中のインジェクタ−室取付けコンポーネントである。コンポーネント設計904はその後、一方の側でEB溶接される円筒形の相互取付けリングをチタニウムインジェクタへ与え、CMC室に反対側でろう付けされることにより実現される。熱機械的解析がその後906で行われ、これは華氏約1300度のインターフェースの最大温度と、主として熱応力による機械的負荷を示している。各部材の温度依存CTE特性はCTEの不整合のレベルを決定するために評価される。加熱/冷却(運用中に遭遇する温度勾配)のレベルとアセンブリの熱機械的負荷条件が評価される。材料選択908がその後行われる。例示的な応用では、図9Bに示されているような3つの層、即ちチタニウム78、合金42 80、コバール82の積層を有する転移リング76はCTEの不整合を適切に適合する。図3A−3Dに関して前述したプロセスのような初期的な粉末化学技術が適切な層積み重ねに選択される。積み重ね製造方法910が選択され、それは典型的なコンポーネントの寸法と低いレベルの設計の複雑性において示されている実施形態では図3A−3Dに関して前述したようなニアネットシェイプのレーザを使用した金属付着プロセスである。局部的インターフェース設計912は例示的な応用では、図9Cに示され図7Bに関して前述されているように75%の合金42と25%のコバールの最初の層84と、50%の合金42と50%のコバール86の第2の転移層86と、75%のコバールと25%の合金42の第3の転移層88の粉末又はワイヤ供給を構成する配合された介在層インターフェースに対して選択される。一次製造914はその後、レーザを使用するニアネットシェイプの金属付着を使用して説明したように配合された中間層インターフェースを有する傾斜分布円筒形リングの積み重ねで実現される。二次処理916がその後、配合された中間層インターフェースで合金組成物の必要な相互拡散を確実にするために延長期間に10%低温及び圧力において継続するHIPを含むために事後の熱機械処理を使用して行われることができる。リングはその後、印刷のために機械加工することにより後処理される。最終的な組立て918は図9Dで示されているような最終的な組立てのために、複合転移リング76のチタニウム面78をインジェクタ74にEB溶接し、コバール面82をノズル72にろう付けすることにより実現される。
【0034】
例2−ロケットエンジンにおけるインコネル718フランジへのセラミックマトリックス複合ノズルの取付け。
【0035】
航空機エンジンは燃焼器部分を高温で動作することによってより良好な燃料の節約を行うことができる。通常排気系に使用される金属合金は高温では不所望な短い運用寿命である可能性がある。現在の金属排気系をセラミックマトリックス複合物に置換することはこの問題を解決でき、潜在的に重量を減らす助けになる。しかしながらこのようなセラミックマトリックス複合排気系(非常に低いCTE)は超合金エンジンインターフェース(非常に高いCTE)に結合するように設計されなければならない。漏洩のない取付けをセラミックマトリックス複合ノズル90と(例えばインコネル718で作られる)超合金フランジ92との間に設ける試みは、これらが直接溶接されることができず他の取付けの手段が大きなCTEの不整合のために実際的ではないため説明された実施形態を使用して解決されることができる。これを解決するため高温の金属アダプタリング94が必要とされ、これは低い歪みで故障するセラミックマトリックス複合物と結合するのに適切な特徴を有している。このインターフェース設計はインコネル718のフランジとセラミックマトリックス複合ノズルとの間の大きなCTEの不整合を適合させる必要がある。
【0036】
図10Aに示されている方法は航空機のエンジン−ノズル取付けコンポーネントを構成する過酷な環境応用1002を決定し、ここではエンジンフランジはインコネル718であり、ノズルはCMCである。コンポーネントの設計は1004で行われ、これは第1の側で718フランジに、反対側でCMCノズルにボルトにより結合される円筒形の相互取付けリングを必要とする。熱機械的解析は1006で行われ、主として熱応力による負荷を有して華氏約1200度のインターフェースの最大温度を規定する。材料選択は718フランジとCMCノズル間のCTEの不整合を適合させるため図2に関して前述した特性を有しているインコネル718の層20と15−5PHの層18と合金48の層16と合金42の層13とコバール層12とを含んだ図10Cに示されているような5つの層積層を有する相互取付けリングについて行われる。積み重ね製造方法は図4Cと4Dに関して説明されているように1010でCTC傾斜分布ビレットを製造するために予測されるコンポーネント寸法と、粉末治金処理方法の設計の複雑性における低レベルに基づいて選択される。局部的インターフェース設計は図7Aに関して前述したように局部的配合を促進するために中間層インターフェースに位置される各隣接層材料の交番する薄層を使用して1012で行われる。一次製造はその後1014で行われ、典型的な粉末治金処理を使用して局部的層化インターフェース設計を有するCTEの傾斜分布された層化複合ビレットを積み重ねる。二次処理はその後1016で行われ、図6Aと6Bに関して前述したように、出発リングを提供するようにビレットを機械加工し、その後ニアネットシェイプへ熱間圧延する。取付けリングはその後化学的に研磨(化学研磨)され、最終的なインターフェース寸法に機械加工される。最終的な組立て1018はその後、718エンジンフランジをCTEの傾斜分布複合リングの718側に、CMCノズルをリングのコバール側にボルトにより結合することによって実現される。
【0037】
図10Dは図10Aのプロセスを使用して生成されたCTEの傾斜分布され一体化された複合インターフェースリング94に取付けられる例示的なセラミックマトリックス複合排気ノズル90を示している。
【0038】
図11と12を参照すると、実施形態は図11に示されているような製造及び運用方法200と図12で示されているような航空宇宙ビークルまたは航空機202について説明されることができる。図11と12の説明では、ここでは実施例2に関して説明されたようなエンジンを備えた航空機を説明するが、ビークルはロケット、宇宙船またはその他の航空宇宙、船舶、戦闘システムを含むビークル及びその他のビークル応用であってもよい。製造前の期間、例示的な方法200は図2の航空機202の仕様及び設計204と材料の調達206を含むことができる。製造中、航空機202のコンポーネントとサブアセンブリの製造208及びシステムの統合210が行われる。その後航空機202は運用214のために検定および運送212をされる。カスタマにより運用されながら、航空機202は日常のメンテナンス及び運用216のスケジュールを定められる(変更、再構成、一新等を含むことができる)。
【0039】
方法200の各プロセスはシステムインテグレータ、第3パーティ、および/またはオペレータ(例えばカスタマ)により行われ実行されることができる。この説明の目的に対しては、システムインテグレータは限定せずに任意の多数の航空機製造業と主要システムの下請け会社を含むことができ、第3パーティは限定ではないが任意の複数の販売業者、下請け会社、供給業者を含むことができ、オペレータは航空機、リース会社、軍事エンティティ、運用組織等であってもよい。
【0040】
図12に示されているように、例示的な方法200により生成される航空機202は複数のシステム220と内装222と共に機体218を含むことができる。高レベルのシステム220の例には推進系224、電気系226、水圧系226、環境系230の1以上を含む。
【0041】
ここで実施されることができる装置及び方法は製造及び運用方法200の任意の1以上の段階中に使用されることができる。例えば、製造プロセス208に対応するコンポーネントまたはサブアセンブリは航空機202が運用中に製造されるコンポーネントまたはサブアセンブリと類似した方法で製造または生産されることができる。また1以上の装置の実施形態、方法の実施形態またはその組合せは例えば実質的に航空機202の組み立てを実質的に促進するか、その価格を減少することにより製造段208および210期間中に使用されることができる。同様に、1以上の装置の実施形態、方法の実施形態またはその組合せは例えば限定としてではなくメンテナンス及び運用サービス216のような航空機202が運用中の間に使用されることができる。
【0042】
特許法で必要とされるように本発明の種々の実施形態を詳細に説明した。当業者はここで説明した特別な実施形態に対する変形および代替手段を認識するであろう。このような変更は特許請求の範囲に規定されている本発明の技術的範囲内に含まれるべきものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜分布CTEの複数の層を選択し、
CTEの傾斜分布され一体化された複合物を形成するために層を積み重ね、
第1のCTEを有する第1の構造コンポーネントへ取付けるための第1の表面と、第2のCTEを有する第2の構造コンポーネントへ取付けるための第2の表面とを生成するように一体化された複合物を処理するステップを含んでいる傾斜分布熱膨張係数(CTE)を有する一体化された複合インターフェースの生成方法。
【請求項2】
層の積み重ねステップは金属付着ステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項3】
層の積み重ねステップは粉末治属処理を使用する請求項1記載の方法。
【請求項4】
複数の層を選択するステップはコバール、合金42、合金48、15−5PH、インコネル718のグループからの層の選択を含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項5】
層の積み重ねステップは傾斜分布CTEビレットを提供し、処理ステップはさらに層間に直交インターフェースを有する条帯を提供するためにビレットを機械加工するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項6】
層の積み重ねステップは傾斜分布CTEビレットを提供し、処理ステップはさらに層間の傾斜されたインターフェースを有する条帯に与えるようにビレットを機械加工するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項7】
層の積み重ねステップは傾斜分布CTEビレットを提供し、処理ステップはさらに、
プレフォームを生成するようにビレットを機械加工し、
プレフォームを拡張し、
ニアネットシェイプの取付けリングを形成するように拡張された形状を圧延するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項8】
金属付着ステップは粉末供給装置を有するプラズマスプレートーチによる溶射処理を含んでおり、さらに、
回転マンドレルを設け、
取付けリングを生成するために軸層のマンドレルに対して予め定められた材料組成物を与え、
軸層間にスカーフ継ぎされたインターフェースを生成するために材料の供給を調節するステップを含んでいる請求項2記載の方法。
【請求項9】
さらに、CTEの傾斜分布され一体化された複合物を熱間等静圧圧縮(HIP)するステップを含んでいる請求項8記載の方法。
【請求項10】
金属付着ステップはさらに、レーザを使用するニアネットシェイプ製造、レーザ焼結、溶射成形または熱溶射成形のセットから金属付着プロセスを選択するステップを含んでいる請求項2記載の方法。
【請求項11】
セラミックマトリックス複合室と、
チタニウムインジェクタと、
前記複合室と、傾斜分布熱膨張係数(CTE)を有するインジェクタとを接合する一体化された複合インターフェースを具備し、前記インターフェースは、
インターフェースの形成のための金属付着処理と、
インターフェースの熱間等静圧圧縮と、
複合室とインジェクタへインターフェースを接合するための取付けの機械加工によって形成されるロケットエンジンアセンブリ。
【請求項12】
金属付着はレーザを使用するニアネットシェイプ製造、レーザ焼結、溶射成形または熱溶射成形のセットから選択される請求項11記載のロケットエンジンアセンブリ。
【請求項13】
金属付着プロセスは、チタニウムの第1の層、合金42の第2の層、コバールの第3の層を有する複合インターフェースを提供する請求項11記載のロケットエンジン。
【請求項14】
金属付着プロセスは、
合金42層とコバール層との間に介在する75%の合金42と25%のコバールのインターフェース層と、50%の合金42と50%のコバールの第2の転移層と、75%のコバールと25%の合金42の第3の転移層に対する材料の供給を含んでいる請求項11記載のロケットエンジン。
【請求項1】
傾斜分布CTEの複数の層を選択し、
CTEの傾斜分布され一体化された複合物を形成するために層を積み重ね、
第1のCTEを有する第1の構造コンポーネントへ取付けるための第1の表面と、第2のCTEを有する第2の構造コンポーネントへ取付けるための第2の表面とを生成するように一体化された複合物を処理するステップを含んでいる傾斜分布熱膨張係数(CTE)を有する一体化された複合インターフェースの生成方法。
【請求項2】
層の積み重ねステップは金属付着ステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項3】
層の積み重ねステップは粉末治属処理を使用する請求項1記載の方法。
【請求項4】
複数の層を選択するステップはコバール、合金42、合金48、15−5PH、インコネル718のグループからの層の選択を含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項5】
層の積み重ねステップは傾斜分布CTEビレットを提供し、処理ステップはさらに層間に直交インターフェースを有する条帯を提供するためにビレットを機械加工するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項6】
層の積み重ねステップは傾斜分布CTEビレットを提供し、処理ステップはさらに層間の傾斜されたインターフェースを有する条帯に与えるようにビレットを機械加工するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項7】
層の積み重ねステップは傾斜分布CTEビレットを提供し、処理ステップはさらに、
プレフォームを生成するようにビレットを機械加工し、
プレフォームを拡張し、
ニアネットシェイプの取付けリングを形成するように拡張された形状を圧延するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項8】
金属付着ステップは粉末供給装置を有するプラズマスプレートーチによる溶射処理を含んでおり、さらに、
回転マンドレルを設け、
取付けリングを生成するために軸層のマンドレルに対して予め定められた材料組成物を与え、
軸層間にスカーフ継ぎされたインターフェースを生成するために材料の供給を調節するステップを含んでいる請求項2記載の方法。
【請求項9】
さらに、CTEの傾斜分布され一体化された複合物を熱間等静圧圧縮(HIP)するステップを含んでいる請求項8記載の方法。
【請求項10】
金属付着ステップはさらに、レーザを使用するニアネットシェイプ製造、レーザ焼結、溶射成形または熱溶射成形のセットから金属付着プロセスを選択するステップを含んでいる請求項2記載の方法。
【請求項11】
セラミックマトリックス複合室と、
チタニウムインジェクタと、
前記複合室と、傾斜分布熱膨張係数(CTE)を有するインジェクタとを接合する一体化された複合インターフェースを具備し、前記インターフェースは、
インターフェースの形成のための金属付着処理と、
インターフェースの熱間等静圧圧縮と、
複合室とインジェクタへインターフェースを接合するための取付けの機械加工によって形成されるロケットエンジンアセンブリ。
【請求項12】
金属付着はレーザを使用するニアネットシェイプ製造、レーザ焼結、溶射成形または熱溶射成形のセットから選択される請求項11記載のロケットエンジンアセンブリ。
【請求項13】
金属付着プロセスは、チタニウムの第1の層、合金42の第2の層、コバールの第3の層を有する複合インターフェースを提供する請求項11記載のロケットエンジン。
【請求項14】
金属付着プロセスは、
合金42層とコバール層との間に介在する75%の合金42と25%のコバールのインターフェース層と、50%の合金42と50%のコバールの第2の転移層と、75%のコバールと25%の合金42の第3の転移層に対する材料の供給を含んでいる請求項11記載のロケットエンジン。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図3I】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図3I】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−299185(P2009−299185A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−109553(P2009−109553)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109553(P2009−109553)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】
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