説明

道路標示読取装置

【課題】路面に描かれた文字等の道路標示を簡易な構成で正確に読み取ることができる道路標示読取装置を提供する。
【解決手段】検出装置10は、複数の検出ユニット1からなり、車両の床下に設けられる。検出ユニット1は、光源(LED)11とこれに対応する光検出器(センサ)12とからなる。検出ユニット1の各々が車両の幅方向に配置される。光源11の各々が、読取制御部6の制御に従って、所定の周期で、道路に向けて光を照射する。光検出器12の各々が、対応する光源11から所定の周期で照射された光が道路で反射した光を検出して、検出信号として出力する。道路標示認識手段(7)が、光源11からの複数回の光の照射により得られた光検出器12からの検出信号に基づいて、道路標示を認識する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路標示読取装置に関し、特に、路面に描かれた文字等の道路標示を簡易な構成で正確に読み取ることができる道路標示読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
道路には、道路交通の安全を保つため又は各種の交通規制を運転者に知らせるための道路標示が設けられている。道路標示は、運転者が目視によって認識するものである。しかし、道路標示は、運転者の不注意や遮蔽物によって視界を妨げられる等の原因によって、見落とされる場合がある。また、運転者が道路標示を故意に無視する場合もある。これらは交通事故の原因となる。
【0003】
例えば、信号機の設置されていない見通しの悪い交差点においては、多くの場合、優先道路に交差する道路(非優先道路)に一時停止の道路標示が設置されている。非優先道路を走行する車両の運転者は、優先道路に車両の有る無しにかかわらず、一時停止線の手前で一旦停止することを義務付けられている。しかし、運転者がしばしばこれを遵守しないため、優先道路を走行する車両と衝突するいわゆる出会い頭衝突の事故が起きる原因となっている。
【0004】
そこで、運転者の目視に頼らずに、道路情報を確実に車両に直接伝えるために、種々の手段が検討されている。例えば、ラインイメージセンサを車両の前部の下方に設置して、これを用いて車両の直前の前方位置の道路標示を読み取ることにより、道路標示を広い範囲で画像データとして得ることが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−111180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の従来技術によれば、車両の幅にほぼ等しい長尺のラインイメージセンサを用いて、道路標示の画像データを得る。従って、ラインイメージセンサが極めて高価になり、コストの面から採用が難しい。また、車両の直前の前方位置の道路標示を読み取るので、日照の影響を大きく受け、安定して読み取ることができない。更に、一般に、ラインイメージセンサーは、対象物に近接した場合には、対象物の光学的なパターン等を良好に読み取る。しかし、対象物から離れた場合には、対象物の検出領域をセンサー面に結像するための結像レンズが必要となる。従って、ラインイメージセンサを車両の下方に設置した場合には高価になり、この点でも、コストの面から採用が難しい。
【0006】
一方、小型の(短い)ラインイメージセンサを用いることが考えられる。この場合、ラインイメージセンサはある程度安価になる。しかし、横方向に広く分布した道路標示を読み取るために、結像レンズが必要となる。しかも、この場合、極めて広角の特殊な結像レンズが必要となる。このため、全体としては高価であり、依然としてコストの面から採用が難しい。これに加えて、この場合には、ラインイメージセンサから横方向に離れた路面の観測において、ラインイメージセンサが路面に対して大きな角度をなした光線を受光する。従って、路面に雨水がたまった場合には、道路標示の材料(例えば塗料)からの反射光よりも、水面からの反射光の比率が大きくなる。この結果、路面と道路標示とのコントラストが劣化して、道路標示を正確に読み出すことができない。
【0007】
本発明は、路面に描かれた文字等の道路標示を簡易な構成で正確に読み取ることができる道路標示読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の道路標示読取装置は、道路を走行する車両に搭載され、検出装置と、前記検出装置を制御する読取制御部と、前記検出装置の検出信号に基づいて、道路に描かれた道路標示を認識する道路標示認識手段とを備える。前記検出装置は、各々が光源とこれに対応する光検出器とからなる複数の検出ユニットであって、前記検出ユニットの各々を車両の幅方向に配置し、前記光源の各々を道路に向けて光を照射するように設け、前記光検出器の各々を前記対応する光源からの光が道路で反射した光を検出するように設けた複数の検出ユニットからなり、前記車両の床下に設けられる。前記光源の各々が、前記読取制御部の制御に従って、所定の周期で光を照射する。前記光検出器の各々が、当該対応する光源から所定の周期で照射された光が道路で反射した光を検出して検出信号として出力する。前記道路標示認識手段が、前記光源からの複数回の光の照射により得られた前記光検出器の各々からの検出信号に基づいて、道路標示を認識する。
【0009】
好ましくは、本発明の一実施態様において、前記読取制御部が、前記複数の検出ユニットにおいて、隣接する光源が相互に異なる第1及び第2のタイミングで光を照射するように、前記光源の各々を制御する。
【0010】
好ましくは、本発明の一実施態様において、前記道路標示認識手段が、更に、前記光検出器の各々に対応して設けられ、対応する前記光検出器の出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器と、デジタル信号に変換された前記光検出器の各々からの検出信号を、その位置に対応するようにかつその出力の順に格納することにより、前記光源からの複数回の光の照射により得られた前記光検出器の各々からの検出信号を2次元データとして格納するメモリと、前記メモリに格納された2次元データについての認識処理を行うことにより、道路標示を認識する認識処理部とからなる。
【0011】
好ましくは、本発明の一実施態様において、前記道路標示認識手段が、更に、前記検出装置に対応して設けられ、前記光検出器の各々が出力するアナログ信号を所定の順に周期的に取り込み、前記光検出器の各々が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器と、デジタル信号に変換された前記光検出器の各々からの検出信号を、その位置に対応するようにかつその出力の順に格納することにより、前記光源からの複数回の光の照射により得られた前記光検出器の各々からの検出信号を2次元データとして格納するメモリと、前記メモリに格納された2次元データについての認識処理を行うことにより、道路標示を認識する認識処理部とからなる。
【0012】
好ましくは、本発明の一実施態様において、当該道路標示読取装置が、更に、前記車両の速度を検出する車速検知部を備える。前記認識処理部が、前記メモリに格納された2次元データを、前記車両の速度に応じて、前記出力の順の格納の方向に伸縮し、当該伸縮した2次元データについての認識処理を行う。
【発明の効果】
【0013】
本発明の道路標示読取装置によれば、複数の検出ユニットが車両の床下に車両の幅方向に設けられ、光源が道路に向けて所定の周期で光を照射し、光検出器が光源からの光が道路で反射した光を検出し、光源からの複数回の光の照射により得られた光検出器の検出信号に基づいて道路標示が認識される。これにより、車両の下部の車両の陰になった道路標示を読み取るので、日照等の外乱光の影響を殆ど無くして、道路標示を安定にかつ正確に読み取ることができる。また、光源からの光を例えばほぼ垂直方向に照射することにより、路面にほぼ垂直な方向の反射光を得ることができる。これにより、路面に雨水がたまった場合でも、道路標示からの反射光と水面からの反射光とを十分に区別することができ、道路標示を正確に読み出すことができる。更に、道路標示を読み取るために、車両の幅の
分のラインイメージセンサや結像レンズを用いる必要が無いので、この分のコストを抑えることができる。特に、検出ユニットを対象物から離れた車両の下部に設けても、結像レンズは不要であるので、この点でも、コストを抑えることができる。
【0014】
本発明の一実施態様によれば、隣接する光源が相互に異なる第1及び第2のタイミングで光を照射する。これにより、日照等の外乱光の影響を殆ど無くした上で、更に、隣接する光源の影響もほぼ完全に無くすことができる。また、光源からの光を例えばほぼ垂直方向に照射することと併せて、路面の雨水の影響もほぼ完全に無くすことができる。従って、より一層、道路標示を安定にかつ正確に読み取ることができる。
【0015】
本発明の一実施態様によれば、アナログデジタル変換器を光検出器の各々に対応して設け、デジタル信号に変換された光検出器の各々からの検出信号を2次元データとして格納し、これについての認識処理を行うことにより道路標示を認識する。これにより、特に専用のハードウェア等を用いることなく、光検出器からの検出信号をメモリ上に展開するという簡明な構成により、道路標示を正確に読み取ることができる。
【0016】
本発明の一実施態様によれば、アナログデジタル変換器を検出装置に対応して設け、デジタル信号に変換された光検出器の各々からの検出信号を2次元データとして格納し、これについての認識処理を行うことにより道路標示を認識する。これにより、特に専用のハードウェア等を用いることなく、光検出器からの検出信号をメモリ上に展開するという簡明な構成により、道路標示を正確に読み取ることができると共に、道路標示を読み取るために、高価なアナログデジタル変換器を光検出器の数だけ備える必要が無いので、回路構成を簡単なものとすることができ、また、この分のコストを抑えることができる。
【0017】
本発明の一実施態様によれば、メモリに格納された2次元データを、車両の速度に応じて、前記出力の順の格納の方向に伸縮し、当該伸縮した2次元データについての認識処理を行う。これにより、車両の速度が変化した場合に、歪んで検出される可能性のある2次元データを適切なデータに補正して、道路標示を正確に読み取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明の道路標示読取装置の一例を示す構成図である。道路標示読取装置は、複数の検出ユニット1と、複数の増幅器2と、複数のアナログデジタル変換器(ADC)3と、FIFOメモリ5と、読取制御部6と、認識処理部7と、画像メモリ8とを備える。複数の(例えば16個の)検出ユニット1は、一体に構成され、検出装置10を構成する。検出ユニット1は、各々、光源(LED)11と、これに対応する光検出器(センサ)12とからなる。
【0019】
検出装置10、即ち、道路標示読取装置は、図2に示すように、道路102を走行する車両101に搭載される。道路102上には、その幅の中央に、車両101の側が文字の下側になるように、道路標示103が描かれている。
【0020】
LED11は、読取制御部6により駆動されることにより、所定の時間間隔t1で、所定の強度の光を出力する(発光する)。センサ12は、入射した光を検出して、その強度に応じた電圧信号(アナログ信号)を形成して、検出信号として出力する。
【0021】
読取制御部6は、検出装置10を制御する。即ち、読取制御部6は、所定の時間間隔t1で、複数のLED11の各々に電圧を印加して発光させる。これは、車両101が走行している間、繰り返される。これにより、複数のLED11は、所定の時間間隔t1で、同時に発光することを繰り返す。読取制御部6は、当該道路標示読取装置のCPU上で主メモリに存在する当該プログラムを実行することにより実現される(認識処理部7につい
ても同じ)。
【0022】
増幅器2、ADC3、FIFOメモリ5、認識処理部7が道路標示認識手段を構成する。道路標示認識手段は、検出装置10からの検出信号に基づいて、即ち、LED11からの複数回の光の照射により得られたセンサ12の各々からの検出信号に基づいて、道路102に描かれた道路標示103を認識する。
【0023】
複数の増幅器2及び複数のADC3は、各々、複数の検出ユニット1のセンサ12に対応して設けられる。例えば、センサ12が16個設けられる場合、16個の8ビット信号が得られる。センサ12からの検出信号(アナログ信号)は、対応する増幅器2に入力されて増幅され、更に、対応するADC3に入力されて所定のビット数(例えば8ビット)のデジタル信号に変換される。複数のADC3の出力は、各々、FIFOメモリ5に入力される。
【0024】
FIFOメモリ5は、LED11からの複数回の光の照射により得られたセンサ12の各々からの検出信号を、後述するように、2次元データとして格納する。認識処理部7は、画像メモリ8を用いて、FIFOメモリ5に格納された2次元データについての認識処理を行うことにより、道路標示103を認識する。更に、認識処理部7は、この認識処理の結果に従って、所定の場合に警告を出力する。
【0025】
次に、主として図2及び図3を参照して、図1に示す本発明の道路標示読取装置の検出装置10の構成について詳細に説明する。
【0026】
検出装置10は、図2(A)及び図2(B)に示すように、車両101の床下(下部)に、車両101の幅方向即ち車両101の進行方向Xに対して直交する方向に設けられる(配置される)。検出装置10において、複数の検出ユニット1は、図2(B)に示すように、進行方向Xに対して直交する直線上に並べられる。複数の検出ユニット1は、車両101の幅方向の(実質的に)全域にわたって設けられる。検出ユニット1の数は、例えば16個(又は、8個、32個等)とされる。
【0027】
検出ユニット1は、図1に示すように、一対の光源11と光検出器12とからなる。光源11は、例えばLED(Light Emission Diode)11からなる。LED11としては、テレビ等のリモコンに使用される照射半値角4度の赤外線LEDが用いられる。従って、この明細書においては、光には赤外光を含む。なお、LED11の当該出力光の波長は、赤外光に限らず、可視光又は紫外光であっても良い。光検出器12は、例えばフォトダイオード等のセンサ(光センサ)12からなる。フォトダイオードとしては、光電変換効率が良く、比較的高速での検出が可能なPINフォトダイオードが用いられる。
【0028】
なお、車両101の床下と検出装置10との間に、車両101の床下の全面又は少なくとも検出装置10の周囲の部分を覆うように、フィルターを設けるようにしても良い。これにより、車両101の床下の空間に漏れてくる光(LED11の出力光の波長領域の電磁波)をカットして、道路標示103の検出を正確に行うことができる。
【0029】
車両101が道路102をX方向に進行するにつれて、図2(C)に示すように、検出装置10即ち複数の検出ユニット1は、道路標示103を読み取る。図2(C)に示す「60」は、道路標示103の一例であり、制限速度が「時速60Km」であることを示す。この他に、道路標示103としては、「止まれ」のような文字、Uターン禁止のような種々の記号等がある。道路標示103が、ストライプ状のバーコード、2次元バーコード等であっても良い。
【0030】
道路102及び道路標示103については、その規格が定められている。従って、道路標示103は、いずれもその形状及び大きさを予め知ることができる。一例を挙げると、道路102の幅は3.5m、道路標示103の幅は120cm、道路標示103の(進行方向Xの)長さは200〜500cm程度、道路標示103の文字(又は線)の幅は15cmとされる。これらの数値は地域によって異なる場合があるが、およそこのような値である。
【0031】
図3(A)に示すように、検出ユニット1の各々において、光源11とこれに対応する光検出器12とは、車両101の進行方向Xに直行する方向(直線上)において、隣接して配置される。これにより、光検出器12が、対応する光源11の光の反射光を、他の光源11の影響を受けることなく、検出することができる。
【0032】
また、図3(A)に示すように、複数の検出ユニット1において、LED11の各々が、道路102に向けて光を照射するように設けられる。この時、LED11の各々は、読取制御部6の制御に従って、所定の周期で光を照射する。また、複数の検出ユニット1において、センサ12の各々が、対応するLED11からの光が道路102で反射した光を検出するように設けられる。従って、センサ12の各々へ入射する光(従って、検出する光)は、対応するLED11から所定の周期で照射された光が道路標示103又は道路(又は路面)102で反射された光である。
【0033】
道路標示103は、道路(路面)102上に、例えば白色の塗料(ペイント)で、視認可能に描かれ、また、強い光反射性を有する。このため、道路標示103は、アスファルト又はコンクリート等からなり黒色又は灰色である道路(路面)102よりも、光源101からの光について極めて高い反射率を有する。従って、道路標示103で反射された光の強度I1は、道路102で反射された光の強度I2よりも十分に大きい。
【0034】
道路102上に道路標示103が存在すれば、LED11からの光が道路標示103で反射された強度I1の光がセンサ12に入射する。センサ12は受光強度に応じた電気信号を出力する。即ち、センサ12は、強度I1に応じた大きさの電圧信号を形成して、検出信号として出力する。道路標示103が存在しなければ、LED11からの光が道路102で反射された強度I2の光がセンサ12に入射する。センサ12は、強度I2に応じた大きさの電圧信号を形成して出力する。両者の強度の相違は予め経験的に知ることができる。従って、強度I1及びI2に応じた大きさの電圧信号の中間値を閾値として用いることにより、両者を区別し、当該位置に道路標示103(の当該部分)が存在するか否かを検出することができる。
【0035】
個々のLED11は、図3(B)に示すように、道路102に対して垂直に光を照射する。LED11からの光は、所定の角度(照射半値角)で円錐状に広がり、道路102において半径d1の円形の領域(スポット領域)を照らすようにされる。この時、LED11から照射された光のスポット領域が、道路102において、隣接するLED11から照射された光のスポット領域と重ならないようにされる。なお、実際は、隣接するスポット領域は、図3(B)に示すように隣接する必要は無く、相互に離れていても良く、重ならなければ良い。このために、検出装置10において、複数のLED11は、各々、距離d2で設けられる。
【0036】
前述のように、道路標示103の線や文字の幅は15cmである。従って、LED11から路面に照射される光のスポットの大きさは、15cmとほぼ同じかより小さくされる。例えば、半径d1=5cmとされる。一方、LED11の照射半値角と、LED11と道路102との間の距離hとを考慮して、距離d2は例えば10cmとされる。センサ12の数が16個であるので、160cmにわたってセンサ12が設けられる。これはほぼ
車両101の幅に相当する。なお、LED11からの光束を絞るために、レンズを使用するようにしても良い。また、光源11として半導体レーザを使用して、その出力光が広がらないようにしても良い。
【0037】
複数の検出ユニット1において、LED11の各々は、読取制御部6により駆動されることにより、所定の時間間隔t1で、同時に発光する。車両101の走行速度と時間間隔t1とに基づいて、図3(C)に示すように、道路標示103又は道路102に光が当たる間隔d3が定まる。d3は、車両101の進行方向Xにおいて、道路標示103が読み取られる間隔である。d3は、車両101の通常の走行速度(例えば、時速40Km)において例えば5cm〜15cm程度となるようにされる。
【0038】
このように、車両101の走行速度と時間間隔t1とに基づいて、図3(C)に示すように、道路標示103の検出が行われる。即ち、複数のLED11の各々が所定の時間間隔t1で同時に発光し、これに応じて、進行方向Xにおいて間隔d3でセンサ12の各々から検出信号が得られる。従って、図3(C)に示す点線の交点の各々において、検出信号が得られる。このことから、LED11の複数回の発光に応じた検出信号を図3(C)に示すようにまとめると、即ち、2次元データとして見ると、道路標示103を認識できることが判る。
【0039】
なお、図3(C)において、図示の便宜上、間隔d3は、道路標示103に対する実際の間隔よりも大きく示してある。一方、センサ12(検出ユニット1)については、道路標示103に対してほぼ実際の大きさで示してある。
【0040】
次に、図4を参照して、本発明の道路標示読取装置における道路標示103の認識処理について説明する。なお、図4において、図示の便宜のため、16個の検出ユニット1の中の左側の7個のみを示し、これらが道路標示103の文字「60」の左側「6」を認識する場合について示している。
【0041】
読取制御部6は、車両101の走行中、所定の時間間隔t1で、複数の検出ユニット1に所定の電圧を印加する。これに応じて、図4の左端に示すように、複数のLED11が同時にon及びoffを繰り返す。車両101のX方向への進行に伴って、検出装置10即ち複数の検出ユニット1は、道路標示103をその下部から順に読み取る。
【0042】
道路標示103の手前では、LED11がonしても、道路標示103からの反射光が無く道路102からの反射光のみである。従って、複数のセンサ12の各々の検出信号は小さい。これらの検出信号がデジタル値に変換され、FIFOメモリ5に書き込まれる。従って、FIFOメモリ5には、2値データではなく、センサ12の検出信号(のデジタル値)がそのまま書き込まれる。複数のセンサ12の各々の検出信号の組が、1個のデータ列dsとされる。
【0043】
車両101が道路標示103の上に差し掛かると、文字「6」の下端の部分が読み取られる。この時、7個の検出ユニット1のセンサ12の中で、両端の2個のセンサ12の検出信号は、道路標示103が存在しないので、道路102からの反射光のみである。従って、この2個のセンサ12の各々の検出信号は小さい。これを、図4において点線で囲んだ白い四角形で示す。一方、7個のセンサ12の中の中央の5個のセンサ12の検出信号は、道路標示103が存在するので、その反射光が得られる。従って、この5個のセンサ12の各々の検出信号は大きい。これを、図4において黒い四角形で示す。これにより、7個のセンサ12からのデータ列dsは、図4に点線で囲んで示すように、両端が小さい値で中央が大きい値のデータ列となる。これがFIFOメモリ5に書き込まれる。以下、同様にして、車両101の進行に伴って、複数のデータ列が得られる。
【0044】
なお、FIFOメモリ5には、これにデジタル信号に変換された検出信号を書き込むために、読取制御部6から書き込み制御信号が入力される。この書き込み制御信号は、LED11をonとするタイミングからデジタル信号の変換に必要な遅れを考慮したタイミングで送出される。
【0045】
車両101が進行すると、図4に黒い四角形で示すように、道路標示103からの反射光が順次検出され、最終的には、道路標示103の「6」の全体を読み取る。これによりFIFOメモリ5には、デジタル信号に変換されたセンサ12の各々からの検出信号が、その位置に対応するように、かつ、その出力の順に、格納される。この結果、図4に示すように、LED11からの複数回の光の照射により得られたセンサ12の各々からの検出信号(複数個のデータ列)が、2次元データとして格納される。即ち、図3(C)に対応するように、車両101の進行に伴って得られる複数の検出結果を、その進行方向の順に並べることにより、検出信号からなる2次元のパターンを得て、これに基づいて、道路標示103が認識される。
【0046】
1個の道路標示103を認識するために、何回のLED11からの光の照射(何個のデータ列)が必要であるかは、当該道路標示103によって異なり(道路標示103に依存し)、一定でない。例えば、d3=10cmであり、道路標示103の長さが200cmであるとすると、20個のデータ列が読み取られる。従って、FIFOメモリ5のサイズは、進行方向Xにおいて最大の道路標示103(予め知り得る)を認識することができるような個数のデータ列を格納できるようにされる。
【0047】
認識処理部7は、FIFOメモリ5に格納された2次元データについての認識処理を行うことにより、道路標示103を認識する。即ち、認識処理部7は、FIFOメモリ5に格納されたデジタル信号(例えば8ビット)について、各々、2値化処理を行うことにより2値データを得る。例えば、FIFOメモリ5のデジタル信号が、各々、予め定められた閾値と比較される。このために、認識処理部7はコンパレータ(図示せず)を備える。前述のように、黒い四角形で示す道路標示103で反射された光の強度I1は、白い四角形で示す道路102で反射された光の強度I2よりも、十分に大きい。従って、これらの中間値を閾値として用いることにより、両者を区別することができる。黒い四角形で示す道路標示103で反射された光は「1」とされ、白い四角形で示す道路102で反射された光は「0」とされる。
【0048】
次に、認識処理部7は、データ列毎に、当該生成した2値データを調べて、当該データ列に「1」が存在する場合、当該データ列を画像メモリ8に格納する。これにより、図4に示すように、文字「6」を読み取ったパターンが、画像メモリ8上に得られる。なお、道路標示103を読み取ったデータ列には必ず複数の「1」が含まれ、その全てが誤って「0」と判定されることは無いと考えられる。従って、「1」が存在するデータ列を画像メモリ8に格納することにより、道路標示103を認識することができる。
【0049】
更に、認識処理部7は、画像メモリ8に格納した2値データについて、画像認識処理を行う。このために、認識処理部7は、画像メモリ8の2値データにおける「1」により形成されるパターンを検出パターンとして、周知のパターン認識技術により、検出パターンと道路標示103のパターンとを比較する。このために、認識処理部7は道路標示103のパターンを予め備える。なお、文字「6」の進行方向Xにおける検出長さは、車両101の走行速度に依存して変化するので、道路標示103のパターンは、1個の道路標示103について複数個備えられる。
【0050】
この比較において、例えば検出パターンと道路標示103のパターンとの相関値を求め
、相関値が所定の値より大きい場合に、両者が一致したものとされる。これにより、走行速度に依存して変化し易い検出パターンをより正確に検出することができると共に、認識処理部7に備える道路標示103のパターンの数を減らすことができる。
【0051】
認識処理部7は、検出パターンと道路標示103のパターンとが一致した場合、当該検出パターンが道路標示103であると判断し、警告を出力する。例えば、認識処理部7は、認識した(読み取った)道路標示103が「60」である場合、これと車両101の現在の速度とを比較する。道路標示103が「60」であり現在の速度が80Kmである場合、認識処理部7は、速度超過であることを警告する。この警告は、例えば警告音の出力、カーナビゲーションシステム(以下、カーナビ、図示せず)のディスプレイへの警告の表示又はその音声による警告等により行われる。
【0052】
なお、警告の後に一定時間が経過したら再度の警告を行うようにしても良い。更に、エンジン制御システム(図示せず)により自動的にエンジンに制動をかけ、速度を制限速度以下とするようにしても良い。警告は、道路標示103の種類によって異なり、また、その装備が異なるので車両101毎に異なる。
【0053】
図5は、本発明の道路標示読取装置の他の一例を示す構成図である。図5の例は、図1の例において、複数のADC3に代えて、1個のADC4を設けた例である。
【0054】
ADC4は、各々のセンサ12に対応してではなく、検出装置10に対応して設けられる。ADC4は、センサ12の各々が出力するアナログ信号を所定の順に周期的に取り込み、デジタル信号に変換する。このために、ADC4は、図示しないが、その内部に入力チャネル及びこれに対応する出力チャネルを備える。
【0055】
例えば、ADC4は、16個の入力チャネルを順次切り替えることにより、例えば16個のセンサ12(実際には、増幅器2)の並んでいる順に、その検出信号を取り込む。取り込まれた検出信号は、その順に逐次デジタル信号に変換される。なお、取り込まれた検出信号は、当該入力チャネルに次に検出信号が取り込まれるまで保持される。ADC4は、16個の出力チャネルを16個の入力チャネルに対応するように順次切り替えることにより、デジタル信号に変換された検出信号を出力する。当該検出信号は、当該出力チャネルに次にデジタル信号に変換された検出信号が出力されるまで保持される。ADC4は、チャネルの切り替えとAD変換とを周期的に繰り返す。これにより、ADC4の個数を1個のみとすることができる。
【0056】
図6(A)は、本発明の道路標示読取装置の更に他の一例を示す構成図である。図1の例においては、車両101の幅方向の全域にわたって複数の検出ユニット1を設けているが、図6(A)の例においては、複数の検出ユニット1が、車両101の幅方向の左半分の領域に設けられる。従って、検出ユニット1の数は、例えば図1の例の半分の8個とすることができる。
【0057】
道路標示103が制限速度である場合、図6(A)から判るように、標識「60」の左側の数字が重要であり、右側の数字は位取りのためのものである。従って、複数の検出ユニット1を車両101の幅方向の左半分に設けることにより、道路標示103を認識することができる。なお、道路標示103が制限速度でない場合であっても、道路標示103はその形状等が判っているので、その左側の認識ができれば、道路標示103を認識することができる。
【0058】
また、何らかの事情により、図3(C)の検出パターンの一部が欠落するような場合、図6(A)の場合と同様に、左側(左半分)のパターンを右側(右半分)のパターンに優
先させるようにしても良い。即ち、左側(左半分)のパターンのみで認識処理を行い、右側(右半分)のパターンを無視するようにしても良い。これによっても、車両101を安全な状態とすることができる。
【0059】
図6(B)は、本発明の道路標示読取装置の更に他の一例を示す構成図であり、図3(C)に対応する図である。図1の例においては、複数の検出ユニット1のLED11の各々が同時に(同一のタイミングで)光を照射するが、図6(B)の例においては、複数の検出ユニット1のLED11が異なるタイミングで光を照射する。なお、発光のタイミングは異なるが、発光の周期は同一である。
【0060】
この例の場合、読取制御部6が、複数の検出ユニット1において、隣接するLED11が相互に異なる第1及び第2のタイミングで光を照射するように、LED11の各々を制御する。例えば、16個のLED11のうち、左から数えて奇数番目のLED11が第1のタイミングで発光する。このタイミングを、図6(B)において、タイミングLで表す。また、偶数番目のLED11が第2のタイミングで発光する。このタイミングを、図6(B)において、タイミングRで表す。
【0061】
これにより、センサ12からの検出信号は、図6(B)における点線の交点において白丸を付して表すように、千鳥状に交互に得られる(他のセンサ12についても同じ)。しかし、前述のように、車両の進行方向Xにおける検出信号は十分に多く得られる。従って、このように1個のセンサ12につき1つ置きのタイミングで検出信号を得るようにしても、道路標示103の認識には支障がない。なお、図6(B)において白丸を付して表す位置に挟まれた位置の検出信号を、これの両側に隣接する位置(即ち、白丸の位置)の検出信号の値を用いて補間するようにしても良い。また、道路標示103をスキャンする(走査する)ようにしても良い。即ち、16個のLED11が全て異なるタイミングで並んでいる順に発光しかつ極めて短い時間間隔t1で周期的に発光するようにしても良い。
【0062】
図7は、本発明の道路標示読取装置の更に他の一例を示す構成図であり、図3(C)に対応する図である。
【0063】
図7の例は、図5の例において、更に、車両101の速度を検出する車速検知部9を設けた例である。なお、車両101の他の装置(例えば、カーナビ)から当該速度データを道路標示読取装置に入力するようにしても良い。
【0064】
図1の例においては、車両101の速度によって進行方向Xの情報量が変化する。例えば、速度が遅い場合には単位走行距離当りの検出回数が多くなり、速度が速い場合にはこの逆となる。この場合、認識処理部7は、参照パターンとして、本来の道路標示103のパターン以外に、これを進行方向Xに種々の比率で伸縮した多数のパターンを用意して、これらと検出したパターンとを比較する必要がある。このため、認識処理のための計算量が増え、また、FIFOメモリ5の容量を大きくする必要がある。
【0065】
そこで、図7の例では、認識処理部7が、FIFOメモリ5に格納された2次元データを、車速検知部9から通知された車両101の速度に応じて、出力の順(即ち、進行方向Xの順)の格納の方向に伸縮し、当該伸縮した2次元データについての認識処理を行う。具体的には、車両101の速度に比例して、FIFOメモリ5に格納された2次元データを均等に間引きすることにより、進行方向Xにおけるデータの数を一定とする。これにより、参照パターンを、車両101の速度によらず1種類とすることができ、認識処理のための計算量を抑えることができる。
【0066】
なお、図7の例において、FIFOメモリ5に格納された2次元データを伸縮すること
に代えて、道路標示103の読取周期(検出周期)それ自体を変更するようにしても良い。即ち、読取制御部6’が、図7に点線で示すように、車速検知部9から通知された車両101の速度に応じて、LED11の各々が光を照射する所定の周期を変更する。これにより、LED11は、一定時間毎に光を照射するのではなく、一定走行距離毎に光を照射する。この場合、FIFOメモリ5の大きさを車両101の速度によらず一定とすることができる。以上は、図1の例及び図5の例においても同じである。
【0067】
以上から判るように、本発明の実施形態の特徴が以下のように把握される。
【0068】
(付記1) 道路を走行する車両に搭載される道路標示読取装置であって、
各々が光源とこれに対応する光検出器とからなる複数の検出ユニットであって、前記検出ユニットの各々を車両の幅方向に配置し、前記光源の各々を道路に向けて光を照射するように設け、前記光検出器の各々を前記対応する光源からの光が道路で反射した光を検出するように設けた複数の検出ユニットからなり、前記車両の床下に設けられた検出装置と、
前記検出装置を制御する読取制御部と、
前記検出装置の検出信号に基づいて、道路に描かれた道路標示を認識する道路標示認識手段とを備え、
前記光源の各々が、前記読取制御部の制御に従って、所定の周期で光を照射し、
前記光検出器の各々が、当該対応する光源から所定の周期で照射された光が道路で反射した光を検出して検出信号として出力し、
前記道路標示認識手段が、前記光源からの複数回の光の照射により得られた前記光検出器の各々からの検出信号に基づいて、道路標示を認識する
ことを特徴とする道路標示読取装置。
【0069】
(付記2) 前記検出ユニットの各々において、前記光源とこれに対応する光検出器とを、車両の進行方向に直行する方向に隣接して配置する
ことを特徴とする付記1記載の道路標示読取装置。
【0070】
(付記3) 前記複数の検出ユニットが、前記車両の幅方向の全域にわたって設けられる
ことを特徴とする付記1記載の道路標示読取装置。
【0071】
(付記4) 前記複数の検出ユニットが、前記車両の幅方向の左半分の領域に設けられる
ことを特徴とする付記1記載の道路標示読取装置。
【0072】
(付記5) 前記光源から照射された光が、道路において、隣接する光源から照射された光と重ならないようにされる
ことを特徴とした付記1記載の道路標示読取装置。
【0073】
(付記6) 前記読取制御部が、前記複数の検出ユニットにおいて、隣接する光源が相互に異なる第1及び第2のタイミングで光を照射するように、前記光源の各々を制御する
ことを特徴とした付記1記載の道路標示読取装置。
【0074】
(付記7) 前記道路標示認識手段が、更に、
前記光検出器の各々に対応して設けられ、対応する前記光検出器の出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器と、
デジタル信号に変換された前記光検出器の各々からの検出信号を、その位置に対応するようにかつその出力の順に格納することにより、前記光源からの複数回の光の照射により
得られた前記光検出器の各々からの検出信号を2次元データとして格納するメモリと、
前記メモリに格納された2次元データについての認識処理を行うことにより、道路標示を認識する認識処理部とからなる
ことを特徴とする付記1記載の道路標示読取装置。
【0075】
(付記8) 前記道路標示認識手段が、更に、
前記検出装置に対応して設けられ、前記光検出器の各々が出力するアナログ信号を所定の順に周期的に取り込み、前記光検出器の各々が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器と、
デジタル信号に変換された前記光検出器の各々からの検出信号を、その位置に対応するようにかつその出力の順に格納することにより、前記光源からの複数回の光の照射により得られた前記光検出器の各々からの検出信号を2次元データとして格納するメモリと、
前記メモリに格納された2次元データについての認識処理を行うことにより、道路標示を認識する認識処理部とからなる
ことを特徴とする付記1記載の道路標示読取装置。
【0076】
(付記9) 当該道路標示読取装置が、更に、
前記車両の速度を検出する車速検知部を備え、
前記認識処理部が、前記メモリに格納された2次元データを、前記車両の速度に応じて、前記出力の順の格納の方向に伸縮し、当該伸縮した2次元データについての認識処理を行う
ことを特徴とする付記7又は付記8記載の道路標示読取装置。
【0077】
(付記10) 当該道路標示読取装置が、更に、
前記車両の速度を検出する車速検知部を備え、
前記読取制御部が、前記車両の速度に応じて、前記光源の各々が光を照射する前記所定の周期を変更する
ことを特徴とする付記1記載の道路標示読取装置。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上、説明したように、本発明によれば、道路標示読取装置において、日照等の外乱光の影響を殆ど無くして、道路標示を安定にかつ正確に読み取ることができる。また、路面に雨水がたまった場合でも、道路標示を正確に読み取ることができる。更に、ラインイメージセンサや結像レンズのような専用のハードウェア等を用いることなく、道路標示を正確に読み取ることができ、また、この分のコストを抑えることができる。このように、本発明によれば、道路標示を正確に読み取ることにより、運転者が道路標示を見落としたり故意に無視した場合でも、車両が運転者に警報を発したり、あるいは速度を制御したりすることによって、事故の発生を防止することができる。また、本発明によれば、コストを抑えることにより、車両への道路標示読取装置の搭載を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の道路標示読取装置の一例を示す構成図である。
【図2】本発明の道路標示読取装置を説明するための説明図である。
【図3】本発明の道路標示読取装置を説明するための説明図である。
【図4】本発明の道路標示読取装置を説明するための説明図である。
【図5】本発明の道路標示読取装置の他の一例を示す構成図である。
【図6】本発明の道路標示読取装置の更に他の一例を示す構成図である。
【図7】本発明の道路標示読取装置の更に他の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0080】
1 検出ユニット
2 増幅器
3、4 アナログデジタル変換器(ADC)
5 FIFOメモリ
6 読取制御部
7 認識処理部
8 画像メモリ
10 検出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路を走行する車両に搭載される道路標示読取装置であって、
各々が光源とこれに対応する光検出器とからなる複数の検出ユニットであって、前記検出ユニットの各々を車両の幅方向に配置し、前記光源の各々を道路に向けて光を照射するように設け、前記光検出器の各々を前記対応する光源からの光が道路で反射した光を検出するように設けた複数の検出ユニットからなり、前記車両の床下に設けられた検出装置と、
前記検出装置を制御する読取制御部と、
前記検出装置の検出信号に基づいて、道路に描かれた道路標示を認識する道路標示認識手段とを備え、
前記光源の各々が、前記読取制御部の制御に従って、所定の周期で光を照射し、
前記光検出器の各々が、当該対応する光源から所定の周期で照射された光が道路で反射した光を検出して検出信号として出力し、
前記道路標示認識手段が、前記光源からの複数回の光の照射により得られた前記光検出器の各々からの検出信号に基づいて、道路標示を認識する
ことを特徴とする道路標示読取装置。
【請求項2】
前記読取制御部が、前記複数の検出ユニットにおいて、隣接する光源が相互に異なる第1及び第2のタイミングで光を照射するように、前記光源の各々を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の道路標示読取装置。
【請求項3】
前記道路標示認識手段が、更に、
前記光検出器の各々に対応して設けられ、対応する前記光検出器の出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器と、
デジタル信号に変換された前記光検出器の各々からの検出信号を、その位置に対応するようにかつその出力の順に格納することにより、前記光源からの複数回の光の照射により得られた前記光検出器の各々からの検出信号を2次元データとして格納するメモリと、
前記メモリに格納された2次元データについての認識処理を行うことにより、道路標示を認識する認識処理部とからなる
ことを特徴とする請求項1に記載の道路標示読取装置。
【請求項4】
前記道路標示認識手段が、更に、
前記検出装置に対応して設けられ、前記光検出器の各々が出力するアナログ信号を所定の順に周期的に取り込み、前記光検出器の各々が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器と、
デジタル信号に変換された前記光検出器の各々からの検出信号を、その位置に対応するようにかつその出力の順に格納することにより、前記光源からの複数回の光の照射により得られた前記光検出器の各々からの検出信号を2次元データとして格納するメモリと、
前記メモリに格納された2次元データについての認識処理を行うことにより、道路標示を認識する認識処理部とからなる
ことを特徴とする請求項1に記載の道路標示読取装置。
【請求項5】
当該道路標示読取装置が、更に、
前記車両の速度を検出する車速検知部を備え、
前記認識処理部が、前記メモリに格納された2次元データを、前記車両の速度に応じて、前記出力の順の格納の方向に伸縮し、当該伸縮した2次元データについての認識処理を行う
ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の道路標示読取装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−134869(P2008−134869A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−321212(P2006−321212)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】