説明

道路用防護柵の金属片付着防止用ワッシャー

【課題】 道路用防護柵に接触する走行車両から剥離した金属片の上記継手ボルトへの付着を防止する。
【解決手段】 道路用防護柵4の支柱部分41において端部を互いに重ね合わせたビーム材42を長手方向に連結するための継手ボルト48に対し、或いは端部を互いに突き合わせたビームパイプを長手方向に連結するための継手ボルトに対し、短軸方向から切欠き部が形成された略楕円形状の合成樹脂又はゴムの弾性体からなるとともに外周から上記切欠き部へ向けて徐々に隆起させたワッシャー本体部を嵌合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガードレールやガードパイプ等の道路用防護柵に接触する走行車両から剥離した金属片の付着を防止する際に好適な道路用防護柵の金属片付着防止用ワッシャー並びに道路用防護柵の金属片付着防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般道路や高速道路等に設けられる道路用防護柵として、ガードレール、ガードパイプ等が従来から広く知られている。これらの道路用防護柵は、進行方向を誤った車両が路外、対向車線または歩道等に逸脱するのを防ぐとともに、車両乗員の傷害および車両の破損を最小限にとどめて、車両を正常な進行方向に復元させることを目的とし、また、歩行者および自転車の転落もしくはみだりな横断を抑制するなどの目的を備えている。
【0003】
特に、路肩に沿って配置されるガードレールは、道路に臨んで帯状に走るように施工されるので、急カーブ等の道路の状況変化を誘導するための設備としても有用である。また、夜間における交通事故を軽減させる目的で、支柱の上部やビーム材の表面に、ヘッドライトの光を効率よく反射させる反射材を設置したガードレールも開発されている。
【0004】
一般にガードレールは、所定の間隔を存して立設された支柱に鉄などの鋼性を有する金属製のビーム材が取り付けられている。例えば、図9に示すように、このビーム材113は、略中央が支柱117の周囲に反って密着され、固定ボルト118とナット119によって支柱117に固定されている。
【0005】
このように山部と谷部とからなるビーム材113を道路に沿って連結していくことにより、適度な剛性と、靭性を有する波形断面のガードレールを作り出すことができ、走行車両が衝突した場合においても、その衝撃に対して、ビーム材113と支柱117によりエネルギーを吸収することが可能となる。
【特許文献1】特公平4−66962号公報
【特許文献2】実開平7−25022号公報
【特許文献3】特願2004−65575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このようなガードレールに対して、金属片が付着するケースが全国各地で多数確認されている。この金属片は、ガードレールに衝突した走行車両の一部が剥離して付着したものと考えられており、例えば図10に示すように、鋭利な刃物状の金属片が車道側に突き出した状態で付着している。この金属片は、図10(a)に示すように、隣接するビーム材113を互いに長手方向へ連結するためのボルト121頭部とビーム材113との間隙に差し込まれるようにして付着されている場合もあり、また、図10(b)に示すように、互いに隣接するビーム材113につき、山部と谷部とを重ね合わせた継手部分131の間隙に差し込まれるようにして付着されている場合もある。
【0007】
このような鋭利な金属片がガードレールから道路へと突き出していると、自転車等で車道上を走行している通行人がこれに接触し、負傷する場合もある。このため、ガードレールに車が衝突した場合であっても、金属片の付着を防止することが可能な構造に改善することが求められている。
【0008】
従来において、ガードレールを支柱に固定するためのボルトを危険突起物とみなして、これを被覆する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1の開示技術では、紫外線透過性のキャップ状容器に、紫外線硬化型樹脂組成物と無機充填剤よりなるパテを所定量充填し、これを危険突起物としてのボルトに被覆するものであり、紫外線を通じてこれを硬化することにより、歩行者の安全性を向上させている。
【0009】
しかしながら、この特許文献1の開示技術は、あくまで危険突起物としてのボルト等に歩行者が接触するのを防止することを目的としており、車両の衝突によりこれらボルト等に金属片が付着することを防止する点を念頭においているものではない。このため、上述の如き走行車両の衝突に基づく金属片の付着に対して有効に機能するとは限らない。
【0010】
また、特許文献2には、互いに隣接するビーム材につき、重ね合わせた継手部分に隙間が生じるのを抑制する構成が開示されている。また特許文献3には、隣接するビーム材を連結するためのボルトや、これらビーム材の継手部分全体を被覆可能な保護部材も提案されている。
【0011】
しかしながら、特許文献2の開示技術では、あくまでビーム材を組立性や外観に着眼点が置かれており、また出願人ほかの出願にかかる特許文献3では、製作コストやドライバーの視認性に着眼点が置かれている。このため、これら特許文献2、3についても同様に、車両の衝突に基づく金属片の付着を防止する点につき、何ら念頭に入れてなく、これに対して有効に機能するとは限らない。
【0012】
即ち、金属片の付着防止、通行者の安全性の確保のみに焦点を当て、その効果面においても、またコスト面においても優れた構成を早急に案出する必要があった。また、とりわけ多くの既設のガードレールに対しても、金属片の付着防止処理を施すことができるように、できるだけ汎用性の高い方法を案出する必要性もあった。
【0013】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、ガードレールやガードパイプ等の道路用防護柵に接触する走行車両から剥離した金属片の付着を効果的に防止することが可能な道路用防護柵の金属片付着防止用ワッシャー並びに道路用防護柵の金属片付着防止方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は、道路用防護柵のビーム材の長手方向接続部における車道側に頭部が突出した継手ボルトに対し、短軸方向から切欠き部が形成された略楕円形状の樹脂又はゴムからなるとともに外周から上記切欠き部へ向けて徐々に隆起させたワッシャー本体部を嵌合させることにより、上述した課題の解決を図ることとした。
【0015】
即ち、本発明を適用した道路用防護柵の金属片付着防止用ワッシャーは、短軸方向から切欠き部が形成された略楕円形状の弾性を有する合成樹脂又はゴムからなるとともに、外周から上記切欠き部へ向けて徐々に隆起させたワッシャー本体部を備え、上記切り欠き部は、道路用防護柵のビーム材の長手方向接続部における車道側に頭部が突出した継手ボルトに対し、嵌合自在とされている。
【0016】
また、本発明を適用した道路用防護柵の金属片付着防止用ワッシャーは、中央に孔部が形成された略楕円形状の弾性を有する合成樹脂又はゴムからなるワッシャー本体部を備え、上記孔部は、道路用防護柵のビーム材の長手方向接続部における車道側に頭部が突出した継手ボルトに対し、挿通自在とされている。
【0017】
即ち、本発明を適用した道路用防護柵の金属片付着防止方法は、道路用防護柵のビーム材の長手方向接続部における車道側に頭部が突出した継手ボルトに対し、短軸方向から切欠き部が形成された略楕円形状の弾性を有する合成樹脂又はゴムからなるとともに外周から上記切欠き部へ向けて徐々に隆起させたワッシャー本体部を嵌合する。
【0018】
また、本発明を適用した道路用防護柵の金属片付着防止方法は、道路用防護柵のビーム材の長手方向接続部における車道側に頭部が突出した継手ボルトを中央に孔部が形成された略楕円形状の弾性を有する合成樹脂又はゴムからなるワッシャー本体部を介して螺着する。
【0019】
また、本発明を適用した道路用防護柵の金属片付着防止方法は、道路用防護柵のビーム材の長手方向接続部における車道側に頭部が突出した継手ボルトに対し、上記道路用防護柵に接触する走行車両から剥離した金属片の上記継手ボルトへの付着を防止するために、少なくともその外周部分につきコーキング剤で被覆する。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、道路用防護柵のビーム材の長手方向接続部における車道側に頭部が突出した継手ボルトに対し、短軸方向から切欠き部が形成された略楕円形状の樹脂又はゴムからなるとともに外周から上記切欠き部へ向けて徐々に隆起させたワッシャー本体部を嵌合させ、コーキング剤で被覆する。
【0021】
これにより、本発明では、ガードレールやガードパイプ等の道路用防護柵に接触する走行車両から剥離した金属片の付着を効果的に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
本発明を適用した金属片付着防止用ワッシャーは、例えば、ガードレール、ガードフェンス、ガードパイプ等に代表され、一般道路や高速道路等に設けられる道路用防護柵に配設される。図1(a)は、本発明を適用した金属片付着防止用ワッシャー1が配設されるガードレール4の全体構造の斜視図を、また図1(b)はその側面図を示している。
【0024】
ガードレール4は、所定の間隔をおいて道路に沿って立設される支柱41と、この立設された支柱41間において架設される金属性のビーム材42とを備えている。
【0025】
支柱41は、鋼管又は木材等を用いることができ、上部に貫通する図示しないボルト孔が設けられている。そして、この図示しないボルト孔に挿通されたボルト44a及びナット44bによってビーム材42がブラケット61を介して支柱41に取り付けられている。
【0026】
ビーム材42は、支柱41付近において隣接する他のビーム材42と、長手方向へ向けて連結されることになる。かかる連結時においては、互いに隣接するビーム材42aとビーム材42bにつき、山部と谷部とを重ね合わせ、互いの図示しない固定孔に対してボルト48を挿通させ、さらにナット49を螺着させることにより固定することになる。
【0027】
このようにして、接合金物45の前面に当接された隣接する2枚のビーム材42は、長手方向に沿ってほぼ連続した外観を形成する。また、このように山部と谷部とからなるビーム材42を道路に沿って連結していくことにより、適度な剛性と、靭性を有する波形断面のガードレール4を作り出すことができ、走行車両が衝突した場合においても、その衝撃に対して、ビーム材42と支柱41によりエネルギーを吸収することが可能となる。
【0028】
このような構成からなるガードレール4に対して、金属片付着防止用ワッシャー1は、図1に示すように、隣接するビーム材42を連結するためのボルト48に取り付けられることになる。
【0029】
図2(a)、(b)は、かかる金属片付着防止用ワッシャー1の詳細な構成を示している。この金属片付着防止用ワッシャー1は、短軸方向から切欠き部11が形成された略楕円形状の樹脂又はゴムからなる。この図2の例においては、長軸方向が60mm、短軸方向が40mmからなる略楕円形状で構成した場合を示している。
【0030】
金属片付着防止用ワッシャー1は、外周12から切欠き部11へ向けて徐々に隆起させて構成されている。この図2の例においては、厚さ1mm以下で構成される外周12から切欠き部11へ向かうにつれて高さを徐々に高くして構成している。
【0031】
また、この切欠き部11は、ボルト48に対して嵌合自在とされている。切欠き部11は、ボルト48への固定性を向上させるべく、例えば、ボルト48の頭部下面へ介装可能な鍔部14が形成されていてもよい。
【0032】
実際に、この金属片付着防止用ワッシャー1をボルト48に取り付ける場合には、切欠き部11をボルト48へ嵌合させた後、図1(a)に示すように、その長軸方向を長手方向に合わせた状態で固定することになる。
【0033】
図3(a)、(b)は、この金属片付着防止用ワッシャー1をボルト48へ固定した状態を示した斜視図並びに正面図である。また、図4(a)、(b)は、かかる固定した状態につき、それぞれ長軸方向又は短軸方向から視認した側面図である。ボルト48は、頭部中央51を頂点とした凸状で構成されている。このため、ボルト48の頭部外周52の高さと、金属片付着防止用ワッシャー1表面の切欠き部11における高さとを略同一となるように調整しておくことで、図4(b)に示すように、金属片付着防止用ワッシャー1の上面Hと、ボルト48の上面Iとを合わせることが可能となる。これにより、金属片付着防止用ワッシャー1をボルト48へ嵌合させた場合に、外周12から頭部中央51にかけて徐々に隆起する形状を全体として作り出すことが可能となる。
【0034】
また、この切欠き部11において、上述した鍔部14を予め形成しておくことにより、金属片付着防止用ワッシャー1をボルト48へ嵌合する際に、かかる鍔部14をボルト48の頭部下面53へ介装させることが可能となり、より強固に固定することが可能となる。
【0035】
このように、本発明を適用した金属片付着防止用ワッシャー1は、弾性を有する合成樹脂又はゴム等の比較的軟らかい素材で構成されるとともに、略楕円体状からなる。一般に、走行車両の車体表面を構成する金属は、ボルト48と比較して、厚さが薄い場合が多い。このため、かかる走行車両がスピードを上げてガードレール4に接触すると、特にガードレール4から突出したボルト48により車体表面が剥ぎ取られ、ボルト48の頭部とビーム材42との間隙に付着してしまう。このため、本発明では上述の如く、走行車両の車両表面を構成する弾性のある樹脂又はゴム製からなる金属片付着防止用ワッシャー1をボルト48に嵌合させることにより、ガードレール4に接触する走行車両は、その車体表面がボルト48に最初に接触することなく、金属片付着防止用ワッシャー1に最初に接触することになる。その結果、走行車両の車両表面は、自身よりも力学的特性が低くてより軟らかい金属片付着防止用ワッシャー1に接触するため、これに伴って剥離することはなくなり、従来のように剥離した金属片がボルト48に付着することを防止することが可能となる。
【0036】
特に、本発明を適用した金属片付着防止用ワッシャー1は、略楕円体状で構成されるとともに、その長軸がガードレール4の長手方向と一致させた状態で嵌合される。ガードレール4の長手方向は、道路と同一方向であり、換言すれば車両の走行方向と同一方向でもある。このため、金属片付着防止用ワッシャー1に接触する走行車両は、その長軸方向へと接触してくることになる。金属片付着防止用ワッシャー1は、短軸方向と比較して長軸方向がより緩やかに隆起しているため、これと同一方向に接触する走行車両の衝撃力をより軽減させることが可能となる。
【0037】
さらに、本発明を適用した金属片付着防止用ワッシャー1は、切欠き部11の高さとボルト48の頭部外周52の高さとを合わせることも可能であるため、これらの間で隙間や段差を無くすことも可能となることから、走行車両の車両表面の剥離をより確実に軽減させることも可能となる。
【0038】
図5(a)は、本発明を適用した他の例としての金属片付着防止用ワッシャー2を示している。この金属片付着防止用ワッシャー2は、中央に孔部21が形成された略楕円形状の樹脂又はゴムからなる。この図5の例においては、長軸方向が60mm、短軸方向が40mmからなる略楕円形状で構成し、また板厚を3mmとしている。
【0039】
金属片付着防止用ワッシャー2は、外周12から孔部21へ向けて徐々に隆起させることなく、なだらかな平面で構成されている。
【0040】
孔部21は、ボルト48に対して挿通自在とされている。実際に、このボルト48をビーム材42に固定する場合に、この金属片付着防止用ワッシャー2をボルト48の頭部とビーム材42との間に介装させて、ナット49と螺着させることになる。
【0041】
図6(a)、(b)は、この金属片付着防止用ワッシャー2をボルト48へ固定した状態を示す斜視図並びに正面図である。また、図7(a)、(b)は、かかる固定した状態につき、それぞれ長軸方向又は短軸方向から視認した側面図である。この金属片付着防止用ワッシャー2についても同様に、長軸方向を長手方向に合わせた状態で固定することになる。即ち、車両表面を構成する弾性のある樹脂又はゴム製からなる金属片付着防止用ワッシャー2をボルト48とビーム材42との間に介装させることにより、ガードレール4に接触する走行車両の車両表面が剥離することはなくなる。また、ボルト48とビーム材42との間隙は、金属片付着防止用ワッシャー2が差し込まれている関係上、その間隙に対して金属片が付着することを防止することも可能となる。
【0042】
特に、本発明を適用した金属片付着防止用ワッシャー1は、略楕円体状で構成されるとともに、その長軸がガードレール4の長手方向と一致させた状態で固定されるため、これと同一方向に接触する走行車両の衝撃力をより軽減させることが可能となる。
【0043】
なお、上述した実施の形態においては、あくまで金属片付着防止用ワッシャー1、2をボルト48に対して固定する場合を例に挙げて説明をしたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、図8に示すように、ビーム材42の端部を互いに重ね合わせることにより構成される継手部分81をコーキング剤82で被覆するようにしてもよい。コーキング剤82は、シリコン系又はエポキシ系等のコーキング剤を適用するようにしてもよい。
【0044】
また、ボルト48をコーキング剤82で被覆するようにしてもよい。このとき、少なくともボルト48の頭部外周52のみがコーキング剤82により被覆されていればよい。これにより、ボルト48とビーム材42との間隙がコーキング剤82により覆われることになる。
【0045】
このように、ビーム材42の端部を互いに重ね合わせることにより構成される継手部分81や、ビーム材42を連結するためのボルト48とビーム材42の間隙に対して、コーキング剤82を被覆することにより、走行車両の衝突により剥離した金属片が当該箇所に付着するのを防止することが可能となる。
【0046】
また、上述した実施の形態においては、金属片付着防止用ワッシャー1やコーキング剤82を、あくまでガードレール4に付設する場合を例に挙げて説明をしたが、かかる場合に限定されるものではなく、いわゆるガードパイプやその他の道路用防護柵に対して付設するようにしてもよいことは勿論である。かかる場合には、例えば端部を互いに突き合わせたビームパイプを長手方向に連結するための継手ボルトに対し、金属片付着防止用ワッシャー1やコーキング剤82を付設するようにしてもよい。
【0047】
なお、本発明は、上述した例に限定されるものではなく、いかなる道路用防護柵のビーム材の長手方向接続部における車道側に頭部が突出した継手ボルトに対し、嵌合自在、挿通自在とされていればよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明を適用した金属片付着防止用ワッシャーが配設されるガードレールの全体構造を示す図である。
【図2】金属片付着防止用ワッシャーの詳細な構成を示す図である。
【図3】金属片付着防止用ワッシャーをボルトへ固定した状態を示す図である。
【図4】金属片付着防止用ワッシャーをボルトへ固定した状態を長軸方向又は短軸方向から視認した側面図である。
【図5】本発明を適用した他の例としての金属片付着防止用ワッシャーを示す図である。
【図6】他の例としての金属片付着防止用ワッシャーをボルトへ固定した状態を示す図である。
【図7】他の例としての金属片付着防止用ワッシャーをボルトへ固定した状態を長軸方向又は短軸方向から視認した側面図である。
【図8】ビーム材の端部を互いに重ね合わせることにより構成される継手部分をコーキング剤で被覆する例につき示す図である。
【図9】一般的なガードレールの側面図である。
【図10】ガードレールに金属片が付着する事例につき説明するための図である。
【符号の説明】
【0049】
1、2 金属片付着防止用ワッシャー
4 ガードレール
11 切欠き部
12 外周
14 鍔部
41 支柱
42 ビーム材
43 ボルト
44 ナット
45 立面
48 ボルト
49 ナット
51 頭部中央
52 頭部外周
61 ブラケット
82 コーキング剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
短軸方向から切欠き部が形成された略楕円形状の弾性を有する合成樹脂又はゴムからなるとともに、外周から上記切欠き部へ向けて徐々に隆起させたワッシャー本体部を備え、
上記切り欠き部は、道路用防護柵のビーム材の長手方向接続部における車道側に頭部が突出した継手ボルトに対し、嵌合自在とされていること
を特徴とする道路用防護柵の金属片付着防止用ワッシャー。
【請求項2】
上記ワッシャー本体部は、上記道路用防護柵に接触する走行車両から剥離した金属片の上記継手ボルトへの付着を防止するために、その長軸方向を上記長手方向に合わせた状態で当該継手ボルトへ固定可能とされていること
を特徴とする道路用防護柵の金属片付着防止用ワッシャー。
【請求項3】
上記ワッシャー本体部の外周は、高さ1mm以下であること
を特徴とする請求項1又は2記載の道路用防護柵の金属片付着防止用ワッシャー。
【請求項4】
上記切欠き部は、上記継手ボルトの頭部下面へ介装可能な厚さ1mm以下の平板が形成されてなること
を特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載の道路用防護柵の金属片付着防止用ワッシャー。
【請求項5】
中央に孔部が形成された略楕円形状の弾性を有する合成樹脂又はゴムからなるワッシャー本体部を備え、
上記孔部は、道路用防護柵のビーム材の長手方向接続部における車道側に頭部が突出した継手ボルトに対し、挿通自在とされていること
を特徴とする道路用防護柵の金属片付着防止用ワッシャー。
【請求項6】
上記ワッシャー本体部は、上記道路用防護柵に接触する走行車両から剥離した金属片の上記継手ボルトへの付着を防止するために、その長軸方向を上記長手方向に合わせた状態で当該継手ボルトへ固定可能とされていること
を特徴とする請求項5記載の道路用防護柵の金属片付着防止用ワッシャー。
【請求項7】
上記ワッシャー本体部の外周は、高さ3mm以下であること
を特徴とする請求項5又は6記載の道路用防護柵の金属片付着防止用ワッシャー。
【請求項8】
道路用防護柵のビーム材の長手方向接続部における車道側に頭部が突出した継手ボルトに対し、短軸方向から切欠き部が形成された略楕円形状の弾性を有する合成樹脂又はゴムからなるとともに外周から上記切欠き部へ向けて徐々に隆起させたワッシャー本体部を嵌合すること
を特徴とする道路用防護柵の金属片付着防止方法。
【請求項9】
道路用防護柵のビーム材の長手方向接続部における車道側に頭部が突出した継手ボルトを中央に孔部が形成された略楕円形状の弾性を有する合成樹脂又はゴムからなるワッシャー本体部を介して螺着すること
を特徴とする道路用防護柵の金属片付着防止方法。
【請求項10】
上記道路用防護柵に接触する走行車両から剥離した金属片の上記継手ボルトへの付着を防止するために、上記ワッシャー本体部の長軸方向を上記長手方向に合わせた状態で固定すること
を特徴とする請求項8又は9記載の道路用防護柵の金属片付着防止方法。
【請求項11】
道路用防護柵のビーム材の長手方向接続部における車道側に頭部が突出した継手ボルトに対し、上記道路用防護柵に接触する走行車両から剥離した金属片の上記継手ボルトへの付着を防止するために、少なくともその外周部分につきコーキング剤で被覆すること
を特徴とする道路用防護柵の金属片付着防止方法。
【請求項12】
道路用防護柵の支柱部分において端部を互いに重ね合わせたビーム材の継手部分をコーキング材で被覆すること
を特徴とする請求項8〜11のうち何れか1項記載の道路用防護柵の金属片付着防止方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2007−2612(P2007−2612A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−186866(P2005−186866)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(000006839)日鐵建材工業株式会社 (371)
【出願人】(000231110)JFE建材株式会社 (150)
【出願人】(000192615)神鋼建材工業株式会社 (61)
【出願人】(000101949)住友金属建材株式会社 (44)
【出願人】(000003528)東京製綱株式会社 (139)
【Fターム(参考)】