説明

遠心分離機用ロータユニット

遠心分離機用のロータユニットであって、遠心分離機は、ロータユニットが中心回転軸周りに配置されている回転不能なハウジングと、分離される成分の混合物をロータユニットに供給する入口と、ロータユニットの動作中に分離された成分用の少なくとも1つの出口と、を有し、少なくとも一部が金属でできているロータユニットは、ロータユニット内側に形成されている分離チャンバと、入口と分離チャンバとに接続されている入口チャンバであって、分離チャンバ内に半径方向に形成されているとともに、通常は分離チャンバから遮蔽されている入口チャンバと、分離チャンバに接続されている少なくとも1つの出口と、分離チャンバ内で互いに軸方向に離間して回転軸と同軸に配置されている複数の分離ディスクと、を有し、ロータユニットの金属部の少なくともいくつかは、複合体を形成するように分離不能に共に接合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心分離機のロータユニットであって、遠心分離機が、金属でできている少なくとも一部を有するロータユニットが回転軸周りに配置されている回転不能なハウジングと、分離される成分の液体状の混合物を供給する入口と、動作中に分離された成分用の少なくとも1つの出口と、を有する、ロータユニットは、
ロータユニット内に形成されている分離チャンバと、
入口と分離チャンバとに接続されている入口チャンバであって、分離チャンバ内に半径方向に形成されているとともに、通常は分離チャンバから遮蔽されている入口チャンバと、
分離チャンバに接続されている少なくとも1つの出口と、
分離チャンバ内で互いに軸方向に離間して回転軸と同軸に配置されている複数の分離ディスクと、を有するロータユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
前述の種類の遠心分離機の例は、国際公開第90/04460号パンフレットにおいて参照されている。その遠心分離機では、入口チャンバが封止部材の形態である隔壁によって複数の分離チャンバから遮蔽されており、封止部材が分離ディスクの凹部に配置されているか、あるいは分離ディスクと封止部材とがプラスチックでできている場合には各分離ディスクと一体である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多数の分離ディスクを扱わなければならないことに加えて、封止部材がたとえばゴム材料でできている場合など、摩耗しがちで定期的に交換が必要なさらに多くの部分を扱う場合には、分離ディスクの凹部内に配置されている封止部材によって問題が発生する。それぞれの分離ディスクに一体であってプラスチックでできている封止部材は、分離ディスクの強度に関して限定を伴う。ディスクの材料および封止部材の材料の特徴によっても、遠心分離機が使用可能な用途が限定される。
【0004】
前述の種類の複数の回転部分を共に保持する一般的な方法は、国際公開第90/04460号パンフレットで参照されているように、ねじ接続によって複数の回転部分を互いに係合することである。分離ディスクは、ロッドによってしっかりと所定の位置に保持されており、嵌め込まれた分離ディスクの剛性を増加させるように圧縮工具によって圧縮されている。各分離ディスクを圧縮することによって、それらが共に押圧しあい、その押圧は、各分離ディスクの対称性と相互の位置合わせとに影響する。これにより、ロータが回転するときに重要になる場合がある不安定性を生じさせる可能性がある。
【0005】
本発明は、上で特定した問題を解消することを目的とし、さらに分離の効果を維持または改善するロータユニットであって、回転に関して動的に安定している遠心分離機用ロータユニットを提供することを目的とする。
【0006】
本発明のもう1つの目的は、遠心分離機の別個な構成部分の数を減らすによって取り付けと取り外しとが容易である遠心分離機用ロータユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの目的は、ロータユニットの金属部の少なくともいくつかが、複合体を形成するように分離不能に共に接合されていることを特徴とする、導入部分で示されている装置によって達せられる。
【0008】
本発明の実施態様によれば、ロータユニットは、はんだ付けによって共に接合されている一部を有している。
【0009】
はんだ付け手段によってロータユニットの一部を共に接合することは、より薄い分離ディスクを同じ空間内で使用することが可能であるため、より多くの分離ディスクを使用することができることを意味する。これにより、分離の効果が高められる。
【0010】
はんだ付けに使用する結合剤は、通常のはんだよりも実質的に特性の優れている耐腐食性はんだであってもよい。耐腐食性はんだによって、たとえば、遠心分離機の腐食の問題が解消される。使用可能な他のはんだの例として、銅基、ニッケル基、または鉄基はんだがある。適切なはんだの成分および特徴の例は、たとえば、国際公開第02/38327A1号パンフレットまたは国際公開第02/098600A1号パンフレットに示されている。
【0011】
本発明のさらなる実施態様によれば、ロータユニットは、はんだによって入口チャンバと分離チャンバとの間で隔壁が容易に構成されるような一部を有している。はんだ付けされた隔壁によって、各分離ディスク間の中間スペースにさらに一様な圧力低下が生じることで、各分離ディスクの中間スペースにおける流れ分布がより良好となり、したがって分離度がより高くなる。
【0012】
分離ディスクは、はんだ付けによって共に接合可能な部分の一例であるが、分離される液体状の混合物の供給用の入口に配置された部分、分離された成分用の出口に配置された部分、引き込み部材などがはんだ付けによって共に接合可能であってよい。
【0013】
複数の分離ディスクは、それらの半径方向内側部分および/またはそれらの半径方向外側部分で分離不能に共に接合されていてもよい。各分離ディスクをそれらの半径方向内側の縁部で共に接合することによって、入口チャンバと分離チャンバとの間の境界を表す隔壁が形成される。各分離ディスク間の中間スペースは、ロータユニットとその周囲の回転不能なハウジングとの間の空間に対して開口していてもよいが、各分離ディスクがそれらの半径方向外側の縁部で回転軸を取り囲む線に沿って共に接合されている場合、各中間スペース内における接合は、ロータハウジングを共に構成している隔壁を構成する。複数の分離ディスクを共に接合することによって、剛性があるとともに安定性を有するロータユニットが形成される。
【0014】
前述のように、出口の一部も、一体的なユニットを形成するように分離ディスクに接合されていてもよい。そのような場合、出口は、たとえば、分離ディスクの円錐状部の形態である要素を有していてもよく、この円錐状部は半径方向内側に延びているとともに、入口に対して適切な軸方向位置に配置されている。出口は、分離された液体状の成分の1つ用の出口を形成するように、各分離ディスクが互いに積層された部分の一端部に配置された1つ以上の端部プレートを有していてもよい。通常の出口装置が本発明に係る出口装置に置き換えられているとともに、均一なパッケージを形成するように複数の分離ディスクが共に接合されている一実施態様では、空間を効果的に使用することでロータユニット内の分離ディスクの数を増やすことができ、これによって分離の効果を高めることができる。
【0015】
本発明のさらなる実施態様によれば、ロータユニットは、溶接によって共に接合されている一部を有している。この場合、上述のはんだ付けによる接合部と同様に溶接部によって隔壁を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
添付図面を参照して様々な実施形態を記述することによって本発明をより詳細に説明する。
【0017】
図1は、回転軸Rの周りに回転可能であって分離チャンバ2を区切るロータ本体1を有する従来のロータユニットを示している。ロータ本体1は、基部3および一部が円錐状の上側部分4を有し、基部3および上側部分4は共にロッキングリング4aによって円周部で軸方向に保持されている。入口装置5は、ロータ本体1と共に回転するように中心軸方向に配置されている。入口装置5は、ロータ本体1内側に形成されているいくつかのダクト7を介して分離チャンバ2と連通する入口チャンバ6を区切っている。入口装置5は、その両端部の一方に入口チャンバ6と連通する開口8も有している。ロータユニット内で処理される液体状の混合物を供給するための回転不能な入口パイプ9が、外側から入口チャンバ6内に延びているとともに、入口チャンバ6の内部に向かって開口している。複数の間隔保持部材10aによって軸方向に分離された円錐台状の複数の分離ディスク10が互いに積層された部分が、液体状の混合物が貫流する狭い複数の流路を複数の間隔保持部材10a間で区切るように分離チャンバ2内に配置されている。図1に示す複数の分離ディスク10間の軸方向の距離は、模式的であるにすぎず、各分離ディスクが互いに積層された部分における分離ディスクの数と複数の間隔保持部材10aの高さとに依存して変更することができる。複数の分離ディスク10が互いに積層された部分は実質的に円錐状の内側部分11によって軸方向に所定の位置に保持されており、内側部分11自体は上側部分4によって所定の位置に保持されている。複数の分離ディスク10が互いに積層された部分の軸方向の制御は、入口装置5の外側に配置されている軸方向のリブ(不図示)によって行われる。
【0018】
入口装置5は、入口チャンバ6と分離チャンバ2との間で隔壁13を構成している中心体12と、入口チャンバ6内に位置している引き込み装置とを有している。様々な引き込み装置の構成が可能であって、これらの引き込み装置は、ロータが回転すると入口チャンバ6に入口パイプ9を通って進入する液体状の混合物を動作中に引き込むことを目的とするものである。図1は、環状の平坦な複数の円盤を積層した部分の形態であるいくつかの引き込み部材14を示しており、引き込み部材14は軸方向に互いにある距離をおいて回転軸Rを取り囲むようにされている。しかし、複数の引き込み部材の構成は、回転軸R周りに分布しているとともに各々が半径方向および軸方向へ延びる複数の翼などの任意の他の適切な所望の形態であってもよい。
【0019】
入口チャンバ6から軸方向に離れている円筒状部分内には、中心体12が第1の排出チャンバ15を形成しており、第1の排出チャンバ15には、動作中に液体状の混合物から分離された特定の軽い液体状の成分が蓄積される。さらに、円筒状部分は分離チャンバ2に対して第1の排出チャンバ15を半径方向外側に区切っている。第1の排出チャンバ15は、環状の端壁16と、実質的円錐状部分11の半径方向内側の部分とによって軸方向に区切られている。
【0020】
排出チャンバ15は少なくとも1つのダクト17を介して分離チャンバ2と連通している。図1には、1つのダクト17が示されている。ダクトは、複数の分離ディスク10が互いに積層された部分の内側または外側の選択された軸方向位置にある入口開口と、排出チャンバ15において選択された半径方向位置にある出口開口とを有している。回転不能な排出手段18が、特定の軽い成分をロータユニットから排出するように排出チャンバ15内に配置されている。排出チャンバ15内では、特定の軽い成分が半径方向内側に向く自由液体表面を有する液体の回転体を形成しており、この自由液体表面は、回転不能な排出部材18内の出口ダクト19における背圧によって定まる半径方向位置に位置している。図1の遠心分離機では、ダクト17の位置は、出口開口が排出チャンバ15内に向かって直接開口するように設定されている。他の公知例では、ダクト17は、ダクト17の出口開口が自由液面の半径方向位置内で半径方向に開口するように入口チャンバ6に向かって軸方向にずれており、排出チャンバ15内の自由液体表面の半径方向位置ではなく、分離チャンバ2内のこの半径方向位置が決定的な液体位置となる。
【0021】
また、図1の遠心分離機は、特定の重い液体状の成分を排出するさらなる排出チャンバ20を有し、排出チャンバ20は少なくとも1つの通路21を介して分離チャンバ2の半径方向外側部分に通じており、通路21は第2の端壁22を同時に構成している円錐部分11によって分離チャンバ2の半径方向内側部分から分離されている。出口ダクト24を備えた回転不能な排出手段23も同様にこの排出チャンバ内に配置されている。この出口ダクト24と前述の出口ダクト19の各々は、出口25および26のそれぞれに接続されている。
【0022】
図2は、本発明に係るロータユニットの実施形態を示している。本発明の部分ばかりでなく、その技術の現状も形成する項目も様々な図面内で同じ参照番号が付されている。図2のロータユニットにおいて、複数の分離ディスク10は金属でできているとともに、それらの半径方向内側の部分で接合部27によって共に接合されている。接合部27は、はんだ付けされているか、あるいは溶接されている接合部であってもよい。図1のダクト17は、図2ではダクト28によって表されている。図2では、ダクト28は、各分離ディスク10が互いに積層された部分の一部である。ダクト28の軸方向位置は、いくつかの分離ディスク10間の接合部27を省略することによって選択することができる。
【0023】
図3は、分離ディスク10の一方の側を示す図2の線A−Aに沿って各分離ディスク10が互いに積層された部分の位置でロータユニットの一部を通過する断面を示しているとともに、分離ディスク10の一方の側、およびこの分離ディスク10の一方の側が接合部27によって中心体12にどのように接合されているかも示している。図3は入口チャンバ6、入口パイプ9、および円盤の形態である引き込み部材14も示している。図3の分離ディスク10には、回転軸周りに均等に分布するいくつかの穴29が設けられている。これらの穴29は、分離された特定の軽い液体状の成分をダクト28に向けて導くように、各分離ディスク10が互いに積層された部分内において軸方向のダクトを形成している。分離ディスク10は、半径方向外側部分にいくつかの凹部30も備えており、凹部30は、まだ分離されていない液体状の混合物を実質的円錐状部分11に向けて導くように、各分離ディスク10が互いに積層された部分内において軸方向のダクトを同様に形成している。その代わりに、軸方向の複数の縁部が分離ディスク10内で穴の形態であってもよい。これらの穴の半径方向の配置は、精製されるべき成分が特定の軽い液体状の成分であるのか、あるいは特定の重い液体状の成分であるのかに依存している。穴が半径方向において分離ディスクの周辺に位置している場合、特定の軽い液体状の成分がより効果的に精製されることになる。これは、そのような場合には分離ディスク間の空間内を特定の軽い液体状の成分がより長い経路を経るためである。一方、穴が半径方向において分離ディスクの中心により近い位置にある場合、特定の重い液体状の成分がより効果的に精製されることになる。これは、そのような場合には分離ディスク間の空間内を特定の重い液体状の成分が長い経路を経るためである。また、分離ディスク10には、回転軸周りに均等に分布する隆起部の形態であるいくつかの間隔保持部材10aも備わっている。隆起部は細長い形状、点状、円弧状、あるいは特定の用途に適切な任意の好適な形状であってもよい。隆起部は分離ディスク10の上側または下側に位置していてもよい。
【0024】
図4は、本発明に係るロータユニットのさらなる実施形態を示している。このロータユニット内において、引き込み部材14は接合部27によって分離ディスク10に前述の実施形態と同様に接合されている。図4からわかるように、引き込み部材14は、分離ディスク10と重なるように配置された後、分離ディスク10と接合することができる。
【0025】
図5は、分離ディスク10の一方の側を示す図1の線A−Aに沿って各分離ディスク10が互いに積層された部分の位置でロータユニットの一部を通過する断面を示しているとともに、分離ディスク10の一方の側、およびこの分離ディスク10の一方の側が接合部27によって引き込み部材14にどのように接合されているかも示している。この場合、接合部27は、入口チャンバ6と分離チャンバ2との間で隔壁を構成している(図4参照)。分離ディスク10と同様に、引き込み部材14は、回転軸周りに均等に分布するいくつかの穴32を備えている。これらの穴32も流入して引き込まれた液体状の成分をダクト7に向けて導く軸方向のダクトを構成している。
【0026】
図6は、本発明に係るロータユニットのさらなる実施形態を示している。このロータユニット内において、引き込み部材14は分離ディスク10の一部を形成している。各分離ディスク10は、図4に示す方法と同様にして接合部27によって共に接合されており、これによって接合部は入口チャンバ6と分離チャンバ2との間で隔壁を構成している。
【0027】
また、分離ディスク10は、それらのいくつかが分離ディスク10が互いに積層された部分内で引き込み部材14を有する一方、他の分離ディスク10が分離ディスク10の積層部分内で引き込み部材14を有しないように構成されていてもよい。したがって、引き込み部材14間の軸方向距離は、各分離ディスク10に対して相対的に変化してもよい。
【0028】
図7は、本発明のさらなる実施形態に係るいくつかの分離ディスクを軸方向の断面において模式的に示しているとともに、分離ディスク10、および分離ディスク10が接合部27によって引き込み部材14にどのようにして接合されているかを示している。本発明のこのさらなる実施形態によれば、分離ディスク10の半径方向外側部分も接合部33によって共に接合されている。接合部33は、各分離ディスク10が互いに積層された部分と周囲との間で外部隔壁を構成している。したがって、各ディスク間の中間スペースは、分離空間を構成している。
【0029】
図8は図7の線A−Aに沿ったいくつかの分離ディスクの断面を模式的に示している。図8によれば、分離ディスク10は、回転軸の周りに均等に分布するいくつかのさらなる穴34を備えている。これらの穴34は、分離ディスク10の半径方向外側部分であって半径方向において接合部33内に位置しているとともに、特定の重い液体状の成分を出口ダクト24に向けて導く軸方向のダクトを構成している。穴34は、回転の方向に対して逆方向へ延びる部分も有することで、ダクト35を構成していてもよい。これらのダクト35は、汚泥などのより重い成分を運ぶことを意図している。
【0030】
図9は、本発明のさらなる実施形態に係るいくつかの分離ディスクを軸方向の断面において模式的に示している。図9からわかるように、分離ディスク10は、各分離プレート10間で接合部を有する半径方向外側部分にフランジを備えている。つまり、分離ディスク10の構成は、図9に示すように、その外側部分が分離プレートの下方または上方で内側に折り曲げられていてもよい。その結果、各分離ディスク間にそれらの外側部分に位置している間隔保持部材が形成されることで、ロータユニットの剛性が高まる。図10は図9の線A−Aに沿った分離ディスクを通る断面を示している。
【0031】
ロータユニットは図面に示された配置方向には限定されず、水平な回転軸からずれていたり、開示された図面の方向に対してロータユニットが180°回転していたりする配置など、所望の任意の好適な態様で配置方向を設定することができる。
【0032】
前述のロータユニットはその回転中に公知の態様で機能する。
【0033】
発明が用いられる範囲は液体状の混合物の分離には限定されず、気体から気体中に浮遊している粒子を分離するなどの他の用途にも使用することができる。
【0034】
本発明は、例示した実施形態に限定されず、特許請求の範囲内で変形および修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】遠心分離機用の従来のロータユニットの軸方向における模式的な断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るロータユニットの軸方向における模式的な断面図である。
【図3】図2の線A−Aに沿ったロータユニットの一部を示す模式的な断面図である。
【図4】本発明のさらなる実施形態に係るロータユニットの軸方向における模式的な断面図である。
【図5】図4の線A−Aに沿ったロータユニットの一部を示す模式的な断面図である。
【図6】本発明のさらなる実施形態に係るロータユニットの軸方向における模式的な断面図である。
【図7】本発明の別の実施形態に係るいくつかの分離ディスクの軸方向における模式的な断面図である。
【図8】図7の線A−Aに沿った複数の分離ディスクを示す模式的な断面図である。
【図9】本発明の別の実施形態に係るいくつかの分離ディスクの軸方向における模式的な断面図である。
【図10】図9の線A−Aに沿った複数の分離ディスクを示す模式的な断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心分離機用のロータユニットであって、該遠心分離機は、該ロータユニットが中心回転軸(R)周りに配置されている回転不能なハウジングと、分離される成分の混合物を該ロータユニットに供給する入口(9)と、該ロータユニットの動作中に分離された成分用の少なくとも1つの出口(25、26)と、を有し、少なくとも一部が金属でできているロータユニットは、
前記ロータユニット内側に形成されている分離チャンバ(2)と、
前記入口(9)と前記分離チャンバとに接続されている入口チャンバ(6)であって、該分離チャンバ(2)内に半径方向に形成されているとともに、通常は該分離チャンバ(2)から遮蔽されている入口チャンバ(6)と、
前記分離チャンバに接続されている少なくとも1つの出口(25、26)と、
前記分離チャンバ(2)内で互いに軸方向に離間して前記回転軸(R)と同軸に配置されている複数の分離ディスク(10)と、
を有し、
前記ロータユニットの前記金属部の少なくともいくつかは、複合体を形成するように分離不能に共に接合されていることを特徴とする、
ロータユニット。
【請求項2】
前記ロータユニットの少なくとも一部は、はんだ付けによって共に接合されている、請求項1に記載のロータユニット。
【請求項3】
前記ロータユニットの少なくとも一部は、ステンレス鋼でできているとともに、耐腐食性はんだを用いたはんだ付けによって共に接合されている、請求項2に記載のロータユニット。
【請求項4】
前記ロータユニットの少なくとも一部は、ステンレス鋼でできているとともに、銅基はんだを用いたはんだ付けによって共に接合されている、請求項2に記載のロータユニット。
【請求項5】
前記ロータユニットの少なくとも一部は、ステンレス鋼でできているとともに、ニッケル基はんだを用いたはんだ付けによって共に接合されている、請求項2に記載のロータユニット。
【請求項6】
前記ロータユニットの少なくとも一部は、ステンレス鋼でできているとともに、鉄基はんだを用いたはんだ付けによって共に接合されている、請求項2に記載のロータユニット。
【請求項7】
前記入口チャンバ(6)は、軸方向に延びているとともに前記回転軸を取り囲んでいる隔壁によって前記分離チャンバ(2)から遮蔽されている、請求項1から6のいずれか1項に記載のロータユニット。
【請求項8】
はんだ付けによって形成されたはんだ接合部(27)が、前記入口チャンバ(6)と前記分離チャンバ(2)との間の隔壁を構成している、請求項2から7のいずれか1項に記載のロータユニット。
【請求項9】
前記ロータユニットまたはその一部は、溶接によって共に接合されている、請求項1に記載のロータユニット。
【請求項10】
前記溶接部は、前記入口チャンバ(6)と前記分離チャンバ(2)との間の隔壁を構成している、請求項9に記載のロータユニット。
【請求項11】
前記ロータユニットの前記接合部は、前記複数の分離ディスク(10)を有している、請求項1から10のいずれか1項に記載のロータユニット。
【請求項12】
前記複数の分離ディスク(10)は、少なくとも間隔保持部材(10a)の位置で互いに接合されており、該間隔保持部材(10a)は、前記複数の分離ディスク(10)の一部を形成している、請求項1から11のいずれか1項に記載のロータユニット。
【請求項13】
組み立てられた前記ロータユニットは前記隔壁も有し、該隔壁は前記複数の分離ディスク(10)の半径方向内側部分で該複数の分離ディスク(10)の少なくとも一部に接合されている、請求項7、8および10のいずれか1項に記載のロータユニット。
【請求項14】
前記隔壁は接合部によって構成されており、該接合部は、互いに隣接する前記複数の分離ディスク(10)のすべての対の間において前記回転軸(R)を取り囲んでいる、請求項13に記載のロータユニット。
【請求項15】
組み立てられた前記ロータユニットは引き込み部材(14)も有し、該引き込み部材(14)は、前記隔壁の半径方向内側に配置されているとともに該隔壁に接合されている、請求項13または14に記載のロータユニット。
【請求項16】
前記引き込み部材(14)は入口ディスクを有し、該入口ディスクは、前記入口チャンバ(6)内で前記回転軸と同軸に配置されているとともに、供給される液体状の前記混合物を動作中に穏やかに引き込むように構成されている、請求項15に記載のロータユニット。
【請求項17】
前記引き込み部材(14)は、前記複数の分離ディスク(10)の内側部分の一部として形成されている、請求項15または16に記載のロータユニット。
【請求項18】
前記引き込み部材(14)は、半径方向および軸方向に延びる翼を有している、請求項15に記載のロータユニット。
【請求項19】
前記出口は、前記複数の分離ディスクの内側部分のいくつかを有している、請求項1から18のいずれか1項に記載のロータユニット。
【請求項20】
前記出口の一部は、前記複数の分離ディスク(10)が前記引き込み部材(14)を構成している空間を軸方向に区切っている、請求項15から19のいずれか1項に記載のロータユニット。
【請求項21】
前記ロータユニット内の前記複数の分離ディスク(10)はすべて同一である、請求項1から20のいずれか1項に記載のロータユニット。
【請求項22】
接合される前記ロータユニットは外部隔壁も有し、該外部隔壁は半径方向外側部分で前記複数の分離ディスク(10)の少なくとも一部に接合されている、請求項1から21のいずれか1項に記載のロータユニット。
【請求項23】
前記隔壁はロータハウジングを構成している、請求項22に記載のロータユニット。
【請求項24】
各分離ディスク(10)は、前記複数の分離ディスク(10)が互いに積層されて取り付けられる際に軸方向のダクトを構成するいくつかの穴(29、32、34、35)を備えている、請求項1から23のいずれか1項に記載のロータユニット。
【請求項25】
前記出口の一部は、前記複数の分離ディスク(10)の半径方向内側の部分に配置されている、請求項1から24のいずれか1項に記載のロータユニット。
【請求項26】
前記出口の一部は、前記隔壁の位置で前記複数の分離ディスク(10)に接合されている、請求項25に記載のロータユニット。
【請求項27】
前記出口の一部は、前記複数の分離ディスク(10)の軸方向両端部の一方に配置されている、請求項1から26のいずれか1項に記載のロータユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−532204(P2009−532204A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504152(P2009−504152)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際出願番号】PCT/SE2007/000307
【国際公開番号】WO2007/114766
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(500515565)アルファ ラヴァル コーポレイト アクチボラゲット (90)
【Fターム(参考)】