説明

遠赤外線・マイナスイオンによる引出し式冷凍食品解凍庫

【課題】従来の解凍手段は解凍時に冷凍食品の細胞が破壊されるためドリップの量が極めて多く鮮度、味等が損なわれ、変色が生じ雑菌が繁殖し易くなるなど食品の食感、外観を損ない賞味期間を短縮する課題があり、また、引出し式の冷凍食品解凍庫はこれまで提供されていない課題があった。
【解決手段】断熱構成の庫体と機器部の上面に天板を備え、引出しを前面開口から庫内に出入自在に備え、庫内の後面、左右面にマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面を備え、後面のマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面に加熱シートを備え、庫内に送風機、加湿器、ミスト発生器の噴気口を備え、機器部に冷凍機、ミスト発生器、操作盤を備え、引出しは、正面板を断熱構成とし、左右側板を金属製の孔開き板とし、後面を遠赤外線を透過する樹脂板とし、底面に通風通水板を着脱自在に備えた、遠赤外線・マイナスイオンによる引出し式冷凍食品解凍庫によって課題を解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
庫内空気を冷凍機で設定温度に冷却し、送風機で内壁面に沿って送風し、引出しの孔開き板及び通風通水板を通過送風して、庫内を万遍なく循環せしめ、その循環空気を庫内後面及び左右面のマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面のトルマリン粉末・粒子に接触・衝突させてマイナスイオンを継続的に多量発生するように備えて、マイナスイオン発生兼遠赤外線放射面から発生・放射するマイナスイオン空気及び遠赤外線を、引出しの通風通水板に載せた冷凍食品に接触・衝突・透過・吸収することにより冷凍食品の外面及び内部の全体を均等温度に加熱することによって解凍するように備えると共に、庫内後面のマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面のトルマリンを加熱シートで加熱して遠赤外線放射を活発化し、該遠赤外線放射を引出し後面の樹脂板を透過して引出し内の冷凍食品に透過・吸収せしめて冷凍食品を解凍するように備えて、前記マイナスイオン及び遠赤外線による解凍作用の相乗作用によって、冷凍食品を効率的に解凍するようにしたことを特徴とする、遠赤外線・マイナスイオンによる引出し式冷凍食品解凍庫。
【背景技術】
【0002】
冷凍食品を解凍する場合、その食品の素材自体の鮮度を落とさず、味、色、外観を損なわず、また、冷凍食品の解凍時に必然的に生じるドリップの発生量が少ない状態に解凍することが望ましいとされ、従来、下記のような解凍手段が一般的に行なわれている。
1、水槽等の設定温度の水中に設定時間浸漬する。
2、冷凍食品に温風・冷風をあてたり、流水をかけたりして解凍する。
3、ヒーター等の熱により加熱解凍する。
4、高周波・マイクロ波(振動)を利用して解凍する。
5、高電圧を利用して発生したマイナスイオン空気を冷凍食品に当てて解凍する。
【0003】
前記マイナスイオンが細胞活性、殺菌・滅菌・除金作用を有し、冷凍食品の解凍、鮮度保持に効果があることが知られているが、従来はマイナスイオン発生装置に高電圧を使用(例・特公平5−77387号)するため、常に、装置、冷凍食品側に安全性のための絶縁構造対応が必要とされて、構造的制約が多くコスト高となり、また、使用者が頻繁に強い静電気ショックを受ける点で嫌われる課題があった。
【0004】
近時、トルマリン(電気石)の特性に着目して、マイナスイオン発生させることが知られている。トルマリンは、ナトリウム、マグネシウム、鉄、マンガン、リチウム、アルミニウム、ホウ素、珪素、水素、フッ素等を含み、トルマリンが水に溶けると水をミネラル化させることが知られ、特に、「電気石」の名の通り、永久的に静電気を発生しており、該静電気はマイナスイオンを発生することが知られ、このトルマリンによって発生したマイナスイオンは、界面活性作用を有し、細胞活性、滅菌・殺菌、除塵、調湿等の作用を発揮することが知られているため、冷凍食品の有効な解凍に応用されつつある。
【0005】
トルマリンは常に波長4〜25μm(マイクロメーター)の中間遠赤外線を放射している。
遠赤外線は電磁波(波長4〜1000μm)であり、それ自体に温度がないが、食品等の有機物を透過して水分子を振動し水分子同士の振動摩擦で発熱する。その発熱温度は有機物の外面(例えば庫内温度)と内部と同一(即ち内外温度が均等)となり、該温度より上昇も低下もしない特性がある。
また、遠赤外線の放射源(例えば、トルマリン)の温度を高くすると遠赤外線の放射が活発になることが知られている。
なお、遠赤外線は、金属特に平滑な金属面(例、ステンレス磨板、アルミ板)では反射してしまい、吸収・透過しないことが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特願2009−008935号
【特許文献2】特公平5−077387号公報
【特許文献3】特開平9−110468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来([0002]〜[0003]項記載)の解凍手段は、冷凍食品の外部と内部の温度が均等に解凍せず、外部が解凍しても内部が未解凍であったり、または、その逆であったりして、冷凍食品の細胞破壊の要因となり、そのためドリップの量が多くなり、また、鮮度、味等が損なわれ、変色が生じ、雑菌が繁殖しやすくなって、食品の賞味期間を短縮する等の課題があった。
【0008】
上記のトルマリンが発するマイナスイオン及び遠赤外線の特性については、その特性を冷凍食品の解凍に活用することが出来る有効な手段、特に、食品解凍の適正温度条件(例、−2℃〜+5℃)において、トルマリンが発するマイナスイオン及び遠赤外線を活用することが出来る有効な手段が未だ提供されていないことが大きな課題であった。
【0009】
また、従来の冷凍食品解凍庫は、いずれも、開扉式の冷凍庫、冷蔵庫タイプのものばかりであって、本発明のような解凍専用の引出し式冷凍食品解凍庫は全く提供されていなかったため、本発明引出し式冷凍食品解凍庫と異なり、冷凍・解凍食品を種々処理して庫内に出し入れする際に、本発明が天板上で、即座に、冷凍・解凍食品を取扱い処理できるのに比し、便利さに欠ける課題があった。
【0010】
そこで、本発明の出願人、発明者は、先に出願した特願2009−008935号(平成21年1月19日出願)、発明の名称「マイナスイオン・遠赤外線による冷凍食品解凍庫」に基づいて、本発明を行なったものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、引出しの挿入口を開口した前面、後面、上下面、左右面を断熱構成とした庫体を備え、該庫体に機器部を隣設して備え、庫体と機器部の上面に天板を一体に備え、引出しを前面の挿入口から庫内に出入自在に備えたものであり、
【0012】
庫内の後面及び左右面に、アルミ板の表面側にトルマリンの粉末・粒子を付着して備えたマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面を備え、後面のマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面にヒーター線を配設した加熱シートを備え、庫内に、庫内空気を循環する送風機、庫内の湿度を高める加湿器、及びミスト発生器の噴気口を備え、機器部に、庫内を解凍温度に調整する冷凍機、庫内に霧状のミストを送給するミスト発生器、及び電気系統の操作盤を備え、引出しは、正面板を断熱構成とし、左右側板を金属製の孔開き板とし、後面を遠赤外線を透過する樹脂板とし、底面に通風通水板を着脱自在に備えたものであって、
【0013】
庫内空気を冷凍機で設定温度に冷却し、送風機で内壁面に沿って送風し、引出しの孔開き板及び通風通水板を通過送風して、庫内を万遍なく循環せしめ、その循環空気を庫内後面及び左右面のマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面のトルマリン粉末・粒子に接触・衝突させてマイナスイオンを継続的に多量発生するように備えて、マイナスイオン発生兼遠赤外線放射面から発生・放射するマイナスイオン空気及び遠赤外線を、引出しの通風通水板に載せた冷凍食品に接触・衝突・透過することによって冷凍食品の外面及び内部の全体を均等温度に加熱することによって解凍するように備えると共に、庫内後面のマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面のトルマリンを加熱シートで加熱して遠赤外線放射を活発化し、該遠赤外線放射を引出し後面の樹脂板を透過して引出し内の冷凍食品に吸収・透過せしめて冷凍食品を解凍するように備えて、
【0014】
前記マイナスイオン及び遠赤外線による解凍作用の相乗作用によって、冷凍食品を効率的に解凍するようにしたことを特徴とする、マイナスイオン・遠赤外線による引出し式冷凍食品解凍庫によって課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0015】
(1)本発明は、トルマリンの静電気作用で、常時、継続して大量のマイナスイオンを発生でき、よって、大量のマイナスイオンを効率的に冷凍食品に接触させて冷凍食品の解凍(水分子の細分化→霜付着(ミスト氷結)→霜が水にならずに直接昇華)をその細胞を傷めず効果的に促進し、従って冷凍食品の表面と中心の温度差が少なく、冷凍食品の中心部までドリップの発生なしにむらなく均等に解凍することが出来る優れた効果がある。
(2)また、トルマリンが放射する遠赤外線の特徴により、冷凍食品は、その表面温度が庫内温度(例えば解凍適正温度として設定した−2℃〜+5℃の範囲)まで加熱され同一となった時点で、それ以上温度上昇することがなく、冷凍食品内部へ熱移動した分だけ受熱することになり、よって、冷凍食品の表面は設定温度に調節した庫内循環空気と触れた直後から短時間で該温度に接近すると共に、遠赤外線の透過で短時間で冷凍食品の内部を前記表面温度と均等温に加熱し、そして、加熱時間がオーバーしても設定庫内温度以上に温度上昇することがないので、短い時間で冷凍食品の表面から内部までを均等温に加熱することができ、即ち、前記解凍適正温度に加熱して、その食品の素材自体の鮮度を落とさず、味、色、外観を損なわず、また、冷凍食品の解凍時に必然的に生じるドリップの発生量が極めて少ない状態に解凍することでき、よって、冷凍食品の解凍手段として最適な特徴がある。
(3)本発明は、アルミ板の表面側にトルマリンの粉末・粒子を付着したマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面の裏面側に加熱シート(シート状、フイルム状等の電熱シート)を設置して、トルマリンを加熱するようにしたので、加熱による温度上昇によってトルマリンの遠赤外線放射を活発にする特徴がある。
(4)トルマリンは常に遠赤外線を放射しており、その遠赤外線は波長4〜25μmの中間赤外線で、生物の細胞を活性化・賦活する働きがあるため、上記と遠赤外線との相乗的作用によって魚貝類、肉類、野菜類等の生鮮食品、パン、ケーキ、麺類等のあらゆる冷凍食品その他の解凍対象物を有功かつ効率的に解凍できる画期的な効果がある。
(5)マイナスイオンは除塵、除菌、調湿、効果に優れ、また、遠赤外線は生物の細胞を活性化・賦活する効果があるため、解凍は衛生的かつ食品を害することなく行われ、解凍後も冷蔵庫となり低温保冷で菌の増殖、繁殖を防ぐ効果がある。
(6)本発明は、前面引出し式であるため、通常の前面ドアー式等解凍庫が奥の方に入れた物が見え無いため管理し難く、また、取出し難いのに対して、引出し式は引出しを引出すだけで貯蔵物を上から一覧できてるため、管理、取出し等に極めて便利な利点がある。
(7)なお、遠赤外線はアルミ板15(金属)は透過せず反射されるが、本発明は、加熱シートを設置したマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面に相対する引出しの後面を樹脂板製とすることによって、遠赤外線が透過するように備えた特徴がある。
(8)本発明は、冷凍機、ヒーター、加湿器、循環空気等で庫内を常に適正な温度(例、−2℃〜+5℃の範囲)及び湿度に自動調整して冷凍食品をむら無く効率的に解凍することができると共に、解凍の終了と同時に、自動的に温度調整して、「冷蔵庫」として、解凍済み食品の鮮度を長時間保持することができる利便性がある。
(9)本発明は、引出しの左右側板及び底面を通風自在な構成にしたので、循環空気を万遍なく庫内を循環させることができ、前記温度調整効果、及びマイナスイオン効果等を冷凍食品にむら無く効率的に及ぼすことができる優れた効果がある。
(10)本発明は、電力消費量(料)、水使用量(料)が極めて少なくて済み、また、人件費も冷凍食品の入出庫作業の外は全自動で不要であるため、ランニングコストを極めて低く抑えることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は実施例の引出し式冷凍食品解凍庫の正面斜視図である。(実施例1)
【図2】図2は、図1の実施例の庫体部分を縦断した概略説明図である。(実施例1)
【図3】図3は、図1の実施例の庫体部分を横断した概略説明図である。(実施例1)
【図4】図4は、引出しの斜視図である。(実施例1)
【図5】図4は、図2のA−A線断面矢視一部拡大図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0017】
冷凍庫内の冷凍食品が細胞破壊のためドリップの量を極めて少なく抑えて鮮度、味等が損なわれることなしに効率的に解凍せんとする目的を、庫内空気を冷凍機で設定温度に冷却し、送風機で内壁面に沿って送風し、引出しの孔開き板及び通風通水板を通過送風して、庫内を万遍なく循環せしめ、その循環空気を庫内後面及び左右面のマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面のトルマリン粉末・粒子に接触・衝突させてマイナスイオンを継続的に多量発生するように備えて、マイナスイオン発生兼遠赤外線放射面から発生・放射するマイナスイオン空気及び遠赤外線を、引出しの通風通水板に載せた冷凍食品に接触・衝突・透過することによって冷凍食品の外面及び内部の全体を均等温度に加熱することによって解凍するように備えると共に、庫内後面のマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面のトルマリンを加熱シートで加熱して遠赤外線放射を活発化し、該遠赤外線放射を引出し後面の樹脂板を透過して引出し内の冷凍食品に透過・吸収せしめて冷凍食品を解凍するように備えた、本発明マイナスイオン・遠赤外線による引出し式冷凍食品解凍庫によって実現した。
【実施例1】
【0018】
以下、図面により、本発明の実施例につき説明する。
図1は実施例の引出し式冷凍食品解凍庫の正面斜視図であり、図2は図1の実施例の庫体部分を縦断した概略説明図であり、図3は図1の実施例の庫体部分を横断した概略説明図であり、図4は引出しの斜視図であり、図5は、図2のA−A線断面矢視一部拡大図である。
符号、1は実施例引出し式冷凍食品解凍庫の庫体、1aは庫体の前面、1b庫体の後面、1c庫体の上面、1d庫体の下面、1e庫体の左面、1f庫体の右面、2は機器部、3は天板、4は引出し、4aは正面板、4bは孔開き板、4cは通風通水板、5はマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面(板)、5aはアルミ板、5bはトルマリン、6は加熱シート、7は送風機、8は加湿器、9はミスト発生器、10は操作盤、11は冷凍食品、12は断熱シートを示す。
【0019】
引出し4の挿入口1gを開口した前面1a、後面1b、上下面1c、1d、左右面1e、1fを断熱パネル等の断熱材で断熱構成とした庫体1を備え、該庫体1に機器部2を隣設して備え、庫体1と機器部2の上面に天板3を一体に備え、引出し4を前面1aの挿入口1gから庫体1内に出入自在に備えたものであり、
【0020】
庫体1内の後面1b及び左右面1e、1fに、アルミ板5aの表面側にトルマリン5bの粉末・粒子を付着して備えたマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面(板)5を備え、後面1bのマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面(板)5の裏面側に加熱シート6(シート状、フイルム状等の電熱シート)を備え、庫体1内の上面1cに、庫体1内の空気を循環する送風機7、庫体1内の湿度を高める加湿器8、を備え、左面1eにミスト発生器9の噴気口9a備え、機器部2に、庫体1内を解凍温度に調整する冷凍機(図示を省く)、庫体1内に霧状のミストを送給するミスト発生器9、及び電気系統の操作盤10を備え、引出し4は、正面板4aを断熱構成とし、左右側板を金属製の孔開き板4bとし、後面を遠赤外線を透過する樹脂板4cとし、底面に通風通水板4dを着脱自在に備えたものであって、
【0021】
庫体1内空気を冷凍機で設定温度に冷却し、送風機7で内壁面に沿って送風し、引出し4の孔開き板4b及び通風通水板4dを通過送風して、庫体1内を万遍なく循環せしめ、その循環空気を庫体1内後面1b及び左右面1e、1fのマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面(板)5のトルマリン5b粉末・粒子に接触・衝突させてマイナスイオンを継続的に多量発生するように備えて、マイナスイオン発生兼遠赤外線放射面(板)5から発生・放射するマイナスイオン空気及び遠赤外線を、引出し4の通風通水板4dに載せた冷凍食品11に接触・衝突・透過することによって冷凍食品11の外面及び内部の全体を均等温度に加熱することによって解凍するように備えると共に、庫体1内後面1bのマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面(板)5のトルマリン5bを加熱シート6で加熱して遠赤外線放射を活発化し、該遠赤外線放射を引出し4後面の樹脂板4cを透過して引出し4内の冷凍食品11に吸収・透過せしめて冷凍食品11を解凍するように備えた、マイナスイオン・遠赤外線による引出し式冷凍食品解凍庫である。
【0022】
前記本発明引出し式冷凍食品解凍庫において、前記マイナスイオン発生兼遠赤外線放射面(板)5は、トルマリン5bの粉末・粒子をアルミ板5a面に接着、塗装その他の付着手段で直接付着した板、及び/又は、予めトルマリン5bの粉末・粒子を付着したシートを対象物に張設して形成し、また、後面1bのマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面(板)5のアルミ板5aの裏面に前記加熱シート6を配設し、該加熱シート6を断熱シート12で被覆して庫体1内後面1bの断熱材に悪影響を及ぼすのを防ぐように備えた。
また、上記トルマリン5bの粉末・粒子を付着する手段は適宜であるが、例えば、対象物面に接着、塗装その他の任意の付着手段で直接付着し(図示例)、及び/又は、予めトルマリン5bの粉末・粒子を付着したシート、板等を対象物に張設してマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面(板)5を形成したものである。
【0023】
前記引出し式冷凍食品解凍庫1において、前記冷凍機、加熱シート6、加湿器8等で設定温度(例、−2℃〜+5℃)・湿度に調節した庫内空気を送風機7でマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面(板)5に沿って送風すると共に、引出し4の孔開き板4b及び通風通水板4dを通過送風して、庫内を万遍なく循環せしめ、
【0024】
その循環空気を前記マイナスイオン発生兼遠赤外線放射面(板)5のトルマリン5bの粉末・粒子に接触・衝突させてマイナスイオンを継続的に多量発生せしめ、該マイナスイオン空気を前記引出し4の通風・通水板4dに載せた冷凍食品11に接触・衝突することによって該冷凍食品11を解凍するように備える。
【0025】
前記加湿器8は庫体1内の湿度を高めると共に前記ミスト発生器9による庫体1内の霧状のミスト発生を促進して、マイナスイオンを多量に発生させ、冷凍食品11の表面全体に霜(ミスト)をむら無く着霜し、該霜が水にならずに直接昇華することによって、解凍時の冷凍食品11を細胞破壊から保護すると同時に冷凍食品11への解凍熱の伝導率を高めて、ドロップを全く生せずに、解凍を安全に促進させる。
【0026】
遠赤外線放射物を加熱すると温度上昇に比例して遠赤外線の放射が増加する特性を利用し、前記マイナスイオン発生・遠赤外線放射面(板)5のトルマリン5bを加熱シート6で加熱して遠赤外線(波長4〜24μmの範囲)の放射をより活発化にし、該遠赤外線を前記引出し4の通風・通水板4dに載せた冷凍食品11に透過・吸収せしめて該冷凍食品11の外面及び内部の全体を均等温度に加熱することによって冷凍食品11を解凍するように備える。
【0027】
前記引出し4は、正面板4aを断熱構成とし、左右の孔開き板4bを通風用の多数の小孔若しくはスリットを明けた金属板で設け、後面を遠赤外線を透過する樹脂板4cとし、底面に通風・通水自在な金属製すのこ板状若しくは金網板状の通風通水板4dを着脱自在に備える。
【0028】
なお、庫体1内の左右面1e、1fに備えたマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面(板)5から放射された遠赤外線は、庫体1内面の金属板は透過せず反射・乱反射し、また、引出し4の左右側の孔開き板4bの多数の小孔若しくはスリットを通過し、底面の金属製すのこ板状若しくは金網板状の通風通水板4dを通過して、種々の方向から引出し4の通風通水板4dに載置した冷凍食品11を透過若しくは吸収されて、冷凍食品11を解凍する。
【0029】
庫内に霧状のミストを送給するミスト発生器は、機器部若しくは庫内に備え、また、天板3は、引出しに冷凍食品若しくは解凍済み食品その他の対照食品を出し入れするときのテーブルとして、若しくは、それらの対照食品を解体・切断・調理等の処理をする場所として、極めて便利に使用し得るものである。
【0030】
而して、前記マイナスイオン及び遠赤外線による解凍作用の相乗作用によって、冷凍食品11を効率的に解凍するようにしたことを特徴とする、マイナスイオン・遠赤外線による引出し式冷凍食品解凍庫によって課題を解決したものである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、例えば、業務用、レストラン用、家庭用等の解凍専用の引出し式冷凍食品解凍庫として使用することに限定されず、解凍庫及び通常の冷蔵庫として兼用し得るものである。
【符号の説明】
【0032】
1 実施例引出し式冷凍食品解凍庫の庫体
1a 庫体の前面
1b 庫体の後面
1c 庫体の上面
1d 庫体の下面
1e 庫体の左面
1f 庫体の右面
2 機器部
3 天板
4 引出し
4a 正面板
4b 孔開き板
4c 通風通水板
5 マイナスイオン発生兼遠赤外線放射面(板)
5a アルミ板
5b トルマリン
6 加熱シート
7 送風機
8 加湿器
9 ミスト発生器
10 操作盤
11 冷凍食品
12 断熱シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引出しの挿入口を開口した前面、後面、上下面、左右面を断熱構成とした庫体を備え、該庫体に機器部を隣設して備え、庫体と機器部の上面に天板を一体に備え、引出しを前面の挿入口から庫内に出入自在に備えたものであり、
庫内の後面及び左右面に、アルミ板の表面側にトルマリンの粉末・粒子を付着して備えたマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面を備え、後面のマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面にヒーター線を配設した加熱シートを備え、庫内に、庫内空気を循環する送風機、庫内の湿度を高める加湿器、及びミスト発生器の噴気口を備え、機器部に、庫内を解凍温度に調整する冷凍機、庫内に霧状のミストを送給するミスト発生器、及び電気系統の操作盤を備え、引出しは、正面板を断熱構成とし、左右側板を金属製の孔開き板とし、後面を遠赤外線を透過する樹脂板とし、底面に通風通水板を着脱自在に備えたものであって、
庫内空気を冷凍機で設定温度に冷却し、送風機で内壁面に沿って送風し、引出しの孔開き板及び通風通水板を通過送風して、庫内を万遍なく循環せしめ、その循環空気を庫内後面及び左右面のマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面のトルマリン粉末・粒子に接触・衝突させてマイナスイオンを継続的に多量発生するように備えて、マイナスイオン発生兼遠赤外線放射面から発生・放射するマイナスイオン空気及び遠赤外線を、引出しの通風通水板に載せた冷凍食品に接触・衝突・透過することによって冷凍食品の外面及び内部の全体を均等温度に加熱することによって解凍するように備えると共に、庫内後面のマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面のトルマリンを加熱シートで加熱して遠赤外線放射を活発化し、該遠赤外線放射を引出し後面の樹脂板を透過して引出し内の冷凍食品に吸収・透過せしめて冷凍食品を解凍するように備えて、
前記マイナスイオン及び遠赤外線による解凍作用の相乗作用によって、冷凍食品を効率的に解凍するようにしたことを特徴とする、
マイナスイオン・遠赤外線による引出し式冷凍食品解凍庫。
【請求項2】
トルマリン粉末・粒子をアルミ板面に接着、塗装その他の付着手段で直接付着した板、及び/又は、予めトルマリン粉末・粒子を付着したシートを対象物に張設して前記マイナスイオン発生兼遠赤外線放射面を形成し、また、一部のマイナスイオン発生兼遠赤外線放射面のアルミ板の裏面に前記加熱シートを配設し、該加熱シートを断熱シートで被覆したことを特徴とする、
請求項1のマイナスイオン・遠赤外線による引出し式冷凍食品解凍庫。
【請求項3】
遠赤外線放射物を加熱すると温度上昇に比例して遠赤外線の放射が増加する特性を利用し、前記マイナスイオン発生・遠赤外線放射面のトルマリンを加熱シートで加熱することによって、波長4〜25μm(マイクロメーター)の範囲の遠赤外線の放射をより活発化するようにしたことを特徴とする、
請求項1のマイナスイオン・遠赤外線による引出し式冷凍食品解凍庫。
【請求項4】
引出しは、正面板を断熱構成とし、左右側板を金属板に通風用の多数の小孔若しくはスリットを明けた孔開き板とし、後面を遠赤外線を透過する樹脂板とし、底面に通風・通水自在な金属製すのこ板状若しくは金網板状の通風通水板を着脱自在に備えたものであることを特徴とする、
請求項1のマイナスイオン・遠赤外線による引出し式冷凍食品解凍庫。
【請求項5】
天板は、冷凍・解凍食品その他を載せるテーブル、冷凍・解凍食品その他を解体・切断・調理する処理・調理用の盤・板に多用可能に備え、また、庫内に霧状のミストを送給するミスト発生器は機器部若しくは庫内に備えたことを特徴とする、
請求項1のマイナスイオン・遠赤外線による引出し式冷凍食品解凍庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−24551(P2011−24551A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186874(P2009−186874)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(502009392)株式会社 日本プレハブ冷熱 (2)
【出願人】(509019196)ブソン ジャパン株式会社 (2)
【Fターム(参考)】