説明

遠赤外線放射冷却装置

【課題】 従来のものに比較して高い放射冷却性能が得られる遠赤外線放射冷却装置を提供する。
【解決手段】 遠赤外線放射冷却装置10によれば、遠赤外線輻射材料の微結晶粒の集合体から構成された遠赤外線輻射層16を伝熱部材14の表面に備えていることから、半導体12から伝導された熱が放射エネルギーとして遠赤外線輻射層16から放射される。遠赤外線輻射層16には、遠赤外線輻射能の低い物質からなる結合剤や基材を用いる必要がなく、高い放射冷却性能が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝熱部材の表面に固着された遠赤外線輻射層から電磁波を放射することによってその伝熱部材を冷却するための遠赤外線放射冷却装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
限られたスペースで、低コストで最大限の冷却を実現するためのものとして、伝熱部材の表面に固着された遠赤外線輻射層から電磁波を放射することによってその伝熱部材を冷却するための遠赤外線放射冷却装置が知られている。たとえば、特許文献1に記載された電子部品用放熱材がそれである。これによれば、アルミナ、ジルコニア、チタニア、コージェライト、β−スポジューメン、チタン酸アルミニウム、繊維元素酸化物系セラミックス等の遠赤外線を放射する物質が、たとえばシリコン系樹脂、ガラス、多孔質セラミックスなどの中実或いは多孔質の基材中に混入されることにより構成される。
【特許文献1】特開平7−161884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来の電子部品用放熱材では、遠赤外線輻射材料を結合させるために一般的に輻射効率が低い結合剤が用いられるため、理論限界に近い十分な冷却性能が得られないという不都合があった。
【0004】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、従来のものに比較して高い放射冷却性能が得られる遠赤外線放射冷却装置を提供することにある。
【0005】
本発明者は、遠赤外線放射冷却装置の遠赤外線輻射層の放射冷却性能について研究を重ねるうち、従来の遠赤外線輻射層は、遠赤外線輻射材料が基材(ベース材)中に混入されたり或いは樹脂などの有機結合剤やガラス質などの無機結合剤により結合されることにより構成されており、その基材や結合剤自体は遠赤外線輻射材料よりも遠赤外線輻射能の低い物質であることが、放射冷却性能を得るための障害となっていると推定し、基材や結合剤を用いないで、遠赤外線輻射材料の微結晶粒の集合体から遠赤外線輻射層を構成すると、その遠赤外線輻射能が高くなり好適に高い放射冷却性能が得られることを見出した。本発明はこのような知見に基づいて為されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、上記課題を解決するための請求項1に係る発明の遠赤外線放射冷却装置の要旨とするところは、遠赤外線輻射材料の微結晶粒の集合体から構成された遠赤外線輻射層を、伝熱部材の表面に備えたことにある。
【0007】
また、請求項2に係る発明の要旨とするところは、前記遠赤外線輻射材料は、前記遠赤外線輻射材料が溶射されることにより前記伝熱部材の表面に固着されたものであることにある。
【0008】
また、請求項3に係る発明の要旨とするところは、前記遠赤外線輻射材料は、Wienの変位則の式から実際の温度に基づいて決まるピーク波長以上の波長を吸収するが、可視、赤外、遠赤外に相当する所定波長の電磁波を反射するものであることにある。
【0009】
また、請求項4に係る発明の要旨とするところは、前記伝熱部材の表面に固着された遠赤外線輻射層から放射された電磁波を流体により吸収するための電磁波吸収手段を、さらに含むものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明の遠赤外線放射冷却装置によれば、遠赤外線輻射材料の微結晶粒の集合体から構成された遠赤外線輻射層を伝熱部材の表面に備えていることから、遠赤外線輻射能の低い物質からなる結合材や基材を用いる必要がなく、高い放射冷却性能が得られる。
【0011】
また、請求項2に係る発明の遠赤外線放射冷却装置によれば、前記遠赤外線輻射材料は、前記遠赤外線輻射材料が溶射されることにより前記伝熱部材の表面に固着されたものであることから、遠赤外線輻射能の低い物質からなる結合材や基材を用いていないので、高い放射冷却性能が得られる。
【0012】
また、請求項3に係る発明の遠赤外線放射冷却装置によれば、前記遠赤外線輻射材料は、Wienの変位則の式から実際の温度に基づいて決まるピーク波長以上の波長を吸収するが、可視、赤外、遠赤外に相当する所定波長の電磁波を反射するものであることから、理論限界に近い十分な放射冷却性能が得られる。
【0013】
また、請求項4に係る発明の遠赤外線放射冷却装置によれば、前記伝熱部材の表面に固着された遠赤外線輻射層から放射された電磁波を流体により吸収する電磁波吸収手段をさらに備えたものであるので、一層、高い放射冷却性能が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
ここで、好適には、前記伝熱部材は、少なくとも基材が銀、銀合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの熱伝導率の高い金属から構成されたものである。このようにすれば、伝熱部材の熱が好適に遠赤外線輻射層に伝熱される。銅合金等の基材の表面に対してニッケルメッキ、金メッキ等の表面処理が施されたものであってもよい。
【0015】
また、好適には、前記伝熱部材は、動作時に発熱する半導体素子に直接的または間接的に固着されたものであり、その半導体素子を冷却するためにその半導体素子から発生する熱を伝導するものである。このようにすれば、その半導体素子が効率良く放熱され、性能が維持されたり、耐久性が高められる。半導体素子としては、高出力LED、高出力LD、高速演算可能な中央演算処理素子(CPU)等が考えられる。
【0016】
また、好適には、前記電磁波吸収手段に用いられる流体は、空気、炭酸ガス、水蒸気を含む空気、アンモニアガス等の遠赤外線を吸収可能なガスや、着色された水や油等の遠赤外線を吸収可能な液体が用いられる。
【0017】
また、好適には、前記遠赤外線輻射材料は、(1) (1-a) 4族(IVA 族)乃至7族(VIIA族)、または14族(VIB 族)のカーバイド類、(1-b) 4族、または14族のボライド類、(1-c) 4族、13族(VB 族)、または14族のナイトライド類、(1-d) 6族(VIA 族)、7族(VIIA族)、8族(VIII族)、9族(IB族)、10族(IIB 族)、11族(IIIB族)の酸化物類のうちの少なくとも1種の単一成分、(2) 2族(IIA 族)と6族、7族、8族、9族との間の反応により得られるスピネル構造物(AB )、(3) (ランタノイド族、2族)と6族、7族、8族、9族との間の反応により得られるペロブスカイト構造物(ABO )、(4) 主たる成分がSiO 、Al +B 、Na O、KO、Li Oで構成されたガラス、(5) そのガラス中に上記(1) の単一成分、上記(2) のスピネル構造物、上記(3) のペロブスカイト構造物のうちの1種若しくは複数種を分散させたガラス組成物から構成されたものである。このような遠赤外線輻射材料によれば、高い放射冷却性能が得られる。
【0018】
また、好適には、遠赤外線輻射層は、粉末式或いは棒式の炎溶射、爆裂溶射、プラズマ溶射などの溶射装置を用いて前記遠赤外線輻射材料を伝熱部材の表面に溶射することにより構成される。この伝熱部材の表面には、密着性を良くするためなどの表面処理および加熱処理が予め行われる。これにより、遠赤外線輻射層は、微細な溶滴が衝突させられてそれが急冷させられることによって互いに固着した遠赤外線輻射材料の微結晶粒の集合体から構成される。上記炎溶射では、たとえば酸素−アセチレン炎で加熱した粉末状或いは棒の遠赤外線輻射材料からの溶射粒子を所定の速度で伝熱部材の表面に衝突させる。上記爆裂溶射では、爆発によって遠赤外線輻射材料粒子を高速で伝熱部材の表面に衝突させ、その衝突による加熱で密着させる。上記プラズマ溶射は、放電電極間で発生させた高温ガス(プラズマ)を熱源として用いることにより遠赤外線輻射材料からの溶射粒子を所定の速度で伝熱部材の表面に高速で衝突させる。いずれの溶射でも、遠赤外線輻射材料の微粒子が結合剤を用いないで伝熱部材の表面に固着される。
【実施例】
【0019】
以下、本発明の一実施例である遠赤外線放射冷却装置10を図1を用いて説明する。図1において、半導体素子12は、高速CPU用ICチップ、高出力LEDチップ、高出力半導体レーザダイオードチップ、インバータ用IGBT、パワートランジスタチップなどであり、その作動時には発熱が伴い、且つ出力特性或いは作動性能を維持するために所定の温度以下に冷却される必要があるものである。半導体素子12は、高い熱伝導性を有する伝熱部材14の一面に、接着剤による接着、加熱押圧による熱圧着、半田付などにより固着されている。本実施例では、遠赤外線輻射層16が固着され伝熱部材14が遠赤外線放射冷却装置10として機能している。
【0020】
上記伝熱部材14は、たとえば無酸素銅などの高い熱伝導性を有する金属から構成され、必要に応じてその表面に防錆性、半田付性を高めるためなどのメッキが施されている。この伝熱部材14は、熱リザーバとして機能するものであり、その他面には、遠赤外線輻射材料が溶射されることによって遠赤外線輻射層16が固着されている。この溶射には、たとえば、放電電極間で発生させた高温ガス(プラズマ)を熱源として用いることにより遠赤外線輻射材料の細かな溶滴が生成され、その溶滴である溶射粒子が比較的高い速度で伝熱部材14の表面に衝突させるプラズマ溶射装置が用いられる。
【0021】
上記遠赤外線輻射層16は、遠赤外線輻射材料の細かな溶滴が衝突させられることによって、遠赤外線輻射材料の微粒子が互いに固着した集合体から構成されている。すなわち、本実施例の遠赤外線輻射層16は、専ら遠赤外線輻射材料の微粒子から構成されており、その遠赤外線輻射材料の微粒子を相互に結合させ且つ伝熱部材14の表面に固着させるためのガラス質等の結合剤が用いられていない点に特徴がある。
【0022】
上記遠赤外線輻射層16を構成する遠赤外線輻射材料は、(1) (1-a) 4族(IVA 族)乃至7族(VIIA族)、または14族(VIB 族)のカーバイド類、(1-b) 4族、または14族のボライド類、(1-c) 4族、13族(VB 族)、または14族のナイトライド類、(1-d) 6族(VIA 族)、7族(VIIA族)、8族(VIII族)、9族(IB族)、10族(IIB 族)、11族(IIIB族)の酸化物類のうちの少なくとも1種の単一成分、(2) 2族(IIA 族)と6族、7族、8族、9族との間の反応により得られるスピネル構造物(AB )、(3) (ランタノイド族、2族)と6族、7族、8族、9族との間の反応により得られるペロブスカイト構造物(ABO )、(4) 主たる成分がSiO 、Al +B 、Na O、K O、Li Oで構成された高融点ガラス、(5) その高融点ガラス中に上記(1) の単一成分、上記(2) のスピネル構造物、上記(3) のペロブスカイト構造物のうちの1種若しくは複数種を分散させたガラス組成物から構成されたものである。
【0023】
上記の遠赤外線輻射層16を構成する遠赤外線輻射材料は、Wienの変位則の式(1) から実際の温度Tに基づいて決まるピーク波長λm (T)以上の波長を吸収するが、可視、赤外、遠赤外に相当する所定波長の電磁波を反射するものである。図2は、各温度Tにおいて上記遠赤外線輻射材料から放射されるエネルギ分布の例を示しており、所定温度Tにおける波長分布のピーク波長λm (T)は、図2中の斜線(1点鎖線)により表され、上記(1) 式に対応している。遠赤外線輻射層16を構成する遠赤外線輻射材料は、図2に示すように、黒体から放射されるエネルギの波長分布に近似しているため、理論限界に近い十分な放射冷却性能が得られる。
【0024】
λm ×T=2898μm・K ・・・(1)
【0025】
本実施例の遠赤外線放射冷却装置10によれば、遠赤外線輻射材料の微結晶粒の集合体から構成された遠赤外線輻射層16を伝熱部材14の表面に備えていることから、遠赤外線輻射層16にたとえば低融点ガラスなどの遠赤外線輻射能の低い物質からなる結合剤や基材を用いる必要がなく、高い放射冷却性能が得られる。
【0026】
また、本実施例の遠赤外線放射冷却装置10によれば、遠赤外線輻射材料は、前記遠赤外線輻射材料が溶射されることにより伝熱部材14の表面に固着されたものであることから、遠赤外線輻射能の低い物質からなる結合材や基材を用いていないので、高い放射冷却性能が得られる。
【0027】
また、本実施例の遠赤外線放射冷却装置10によれば、遠赤外線輻射層16を構成する遠赤外線輻射材料は、Wienの変位則の式から実際の温度に基づいて決まるピーク波長以上の波長を吸収するが、可視、赤外、遠赤外に相当する所定波長の電磁波を反射するものであることから、理論限界に近い十分な放射冷却性能が得られる。
【0028】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0029】
図3は、遠赤外線放射冷却装置10に対応する遠赤外線輻射層16が半導体12の底面に直接的に固着されている例を示している。本実施例の半導体12は、たとえばサファイヤ基板の上に結晶成長させられたものであり、2〜300℃程度で遠赤外線輻射材料を溶射する。サファイヤ基板上に構成された半導体12からは、たとえば250℃以上とならないと電磁波の放射が開始されないが、たとえばCrO を遠赤外線輻射材料として用いた遠赤外線輻射層16からはそれよりも十分に低い温度で電磁波の放射が開始されるので、好適な放射冷却が得られるようになる。
【0030】
図4は、図1の実施例の伝熱部材14に対して空気を強制的に供給するファン20を設けた解放型循環を行う例を示している。この場合、空気中の水蒸気が遠赤外線輻射層16から放射される電磁波を吸収することによりその遠赤外線輻射層16による放射冷却が促進される。本実施例では、上記のファン20が、遠赤外線輻射層16から放射された電磁波を流体により吸収させる電磁波吸収手段或いは装置として機能している。
【0031】
図5および図6は、本発明者が行った実験結果であって、図1に示すものにおいて、半導体12としてLEDを用いてそれを以下の条件で作動させたときの温度上昇を測定したものである。◇印は遠赤外線輻射層16が設けられない場合、□印は1回コート(平均厚みが5〜15μm)により遠赤外線輻射層16が設けられた場合、△印は2回コート(平均厚みが10〜30μm)により遠赤外線輻射層16が設けられた場合をそれぞれ示している。
【0032】
図5の実験の作動条件
・風速0.05〜0.15m/s
・LEDの駆動電圧:6.30V
・LEDの駆動電流:700mA
・空気の温度:23℃
・空気の湿度:31%
【0033】
図6の実験の作動条件
・風速1.80〜2.00m/s
・LEDの駆動電圧:6.30V
・LEDの駆動電流:700mA
・空気の温度:23℃
・空気の湿度:31%
【0034】
低風速では、図5に示すように、遠赤外線輻射層16が設けられない場合に比較して、遠赤外線輻射層16が設けられた場合は、半導体12の温度が低く、特に2回コートにより遠赤外線輻射層16が設けられた場合(△印)では、50℃以上低くなっていた。高風速では、図6に示すように、遠赤外線輻射層16が設けられない場合に比較して、遠赤外線輻射層16が設けられた場合は、半導体12の温度が低く、1回コートにより遠赤外線輻射層16が設けられた場合(□印)では、40℃程度低くなっていた。2回コートにより遠赤外線輻射層16が設けられた場合(△印)では、30℃程度低くなっていた。
【0035】
図7は、図3の実施例の裏面に遠赤外線輻射層16が設けられた半導体12に対して気体を強制的に供給するファン20を設けた閉鎖型循環を行う例を示している。この場合、半導体12およびファン20を収容するダクト22と、放熱用熱交換器24とが循環路に設けられており、例えば炭酸ガス、アンモニアなどの赤外線吸収ガス26がファン20によって循環させられる。本実施例では、上記のファン20およびダクト22等が、遠赤外線輻射層16から放射された電磁波を流体により吸収させる電磁波吸収手段或いは装置として機能している。
【0036】
図4、図7の実施例の遠赤外線放射冷却装置10によれば、伝熱部材14或いは半導体12の表面或いは下面に固着された遠赤外線輻射層16から放射された電磁波を流体により吸収する電磁波吸収手段或いは装置をさらに備えたものであるので、一層、高い放射冷却性能が得られる。
【0037】
(実験例1)
カーエヤコンを制御するためのインバータ用IGBTは、水冷装置により冷却されることにより実用されている。この推定装置を取りはずした場合、その温度は120℃以上となって動作不能となる。しかし、前述の実施例に示すように、遠赤外線輻射層16をその一面に設けると、その作動温度は実走行状態で55℃程度に保たれた。また、図7に示す実施例のように、上記インバータ用IGBTの周囲に炭酸ガスを流した場合は40℃程度の作動温度となり、カーエヤコンは通常の動作で作動した。
【0038】
(実験例2)
クロック周波数2.8GHz、駆動電圧5V作動のペンティアム( インテル社商標)IV のパッケージの裏面に前述の遠赤外線輻射層16を固着し、通常のパーソナルコンピュータのワープロ動作を行ってその温度上昇を測定した。遠赤外線輻射層16を固着しないものは100℃に到達したが、遠赤外線輻射層16を設けたものは46℃に保持された。
【0039】
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施例の遠赤外線放射冷却装置を備えた半導体の構成を説明する略図である。
【図2】図1の実施例の遠赤外線輻射層を構成する遠赤外線輻射材料の放射エネルギ特性を示す図である。
【図3】本発明の他の実施例の遠赤外線放射冷却装置を備えた半導体の構成を説明する略図であって、図1に相当する図である。
【図4】本発明の他の実施例の遠赤外線放射冷却装置を備えた半導体であって、解放型強制空冷のためのファンを備えた例を示す図である。
【図5】遠赤外線輻射層の冷却性能を示すために、図4の実施例を用いて行った低風速の実験結果を示す図である。
【図6】遠赤外線輻射層の冷却性能を示すために、図4の実施例を用いて行った高風速の実験結果を示す図である。
【図7】本発明の他の実施例の遠赤外線放射冷却装置を備えた半導体であって、閉鎖型流体冷却のファンを備えた例を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
10:遠赤外線放射冷却装置
12:半導体(発熱体)
14:伝熱部材
16:遠赤外線輻射層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠赤外線輻射材料の微結晶粒の集合体から構成された遠赤外線輻射層を、伝熱部材の表面に備えたことを特徴とする遠赤外線放射冷却装置。
【請求項2】
前記遠赤外線輻射材料は、前記遠赤外線輻射材料が溶射されることにより前記伝熱部材の表面に固着されたものである請求項1の遠赤外線放射冷却装置。
【請求項3】
前記遠赤外線輻射材料は、Wienの変位則の式から実際の温度に基づいて決まるピーク波長以上の波長を吸収するが、可視、赤外、遠赤外に相当する所定波長の電磁波を反射するものである請求項1または2の遠赤外線放射冷却装置。
【請求項4】
前記伝熱部材の表面に固着された遠赤外線輻射層から放射された電磁波を流体により吸収するための電磁波吸収手段をさらに含むものである請求項1乃至3のいずれかの遠赤外線放射冷却装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−250513(P2006−250513A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−72008(P2005−72008)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(000004293)株式会社ノリタケカンパニーリミテド (449)
【Fターム(参考)】