説明

遠隔制御システム

【課題】遠隔制御装置に監視用表示装置が表示する制御情報の場所を変更することなく、また、システム全体を変更することなく保存容量が変更できる遠隔制御システムを提供する。
【解決手段】電力消費機器Bnと、エネルギー計測機器Cnと、電力消費機器Bnとエネルギー計測機器Cnの通信データを変換するインターフェースユニットDと、インターフェースユニットDを介し電力消費機器Bnの状態データやエネルギー計測機器Cnの制御情報を受信する通信手段1と制御情報を保存する保存装置2と保存装置2に定期的に制御情報を保存する保存制御手段3と保存装置2の制御情報を消去する消去制御手段4と外部保存装置Fを検出する外部保存装置検出手段6とからなるインターネット網Eに接続する遠隔制御装置Gであって、制御情報が増加した場合に保存制御手段3により保存先を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機器の遠隔制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遠隔制御システムでは、例えば図2に記載された空調管理システムがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図2において、各空気調和機104を運転制御し監視するビル中央監視盤101と、ビル中央監視盤101から出される制御指令と制御情報を記憶する記憶装置107と各空気調和機104の運転状態を示す情報を中継する集中制御装置102とを備える空調管理システムであって、ビル中央監視盤101および中央制御装置102のそれぞれに各空気調和機104への制御情報を入力する入出力手段105と、各空気調和機104からの運転状態情報を表示する表示手段106とを設け、更に集中制御装置102にはビル中央監視盤101および集中制御装置102何れかの入力手段105から入力される最新の指令を各空気調和機104へ送信するゲートウェイから構成されている。
【特許文献1】特開平6−241544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の構成では、保存装置の容量が決められており、制御情報の増加による保存容量を変更する場合システム全体を変更しなければならないという課題を有していた。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、システム全体を変更することなく保存容量が変更できる遠隔制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の遠隔制御システムは、遠隔制御装置に監視用表示装置が表示する制御情報の場所を変更することなく、外部保存装置検出手段の出力により外部保存装置に制御情報の保存先を切り替える保存制手段を設けたものである。
このことにより、システム全体を変更することなく保存容量が変更できる遠隔制御システムを提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の遠隔制御システムは、制御情報が増加した場合に保存制御手段により保存先を切り替えることによりシステムを変更することなく保存容量を変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、複数台の電力消費機器と、複数のエネルギー計測機器と、前記電力消費機器と前記エネルギー計測機器の通信データを変換するインターフェースユニットと、前記インターフェースユニットを介し前記電力消費機器の状態データや前記エネルギー計測機器の制御情報を受信する通信手段と制御情報を保存する保存装置と前記保存装置に定期的に制御情報を保存する保存制御手段と前記保存装置の制御情報を消去する消去制御手段とインターネット網に接続された外部保存装置を検出する外部保存装置検出手段とからなるインターネット網に接続する遠隔制御装置と、インターネット網を介し前記遠隔制御装置に保存されている制御情報を表示する監視用表示手段と監視用入力手段とからなる監視装置を備え、前記保存制御手段は、前記監視用表示装置が表示する制御情報の場所を変更
することなく、前記外部保存装置検出手段の出力により前記外部保存装置に制御情報の保存先を切り替えることにより、システムを変更することなく、制御情報が増加した場合の保存容量を変更することができる。
【0009】
第2の発明は、特に、第1の発明の消去制御手段を外部保存装置の容量によって制御情報の保存期間を決定し、保存期間を過ぎた制御情報を消去することにより、保存容量を超過することなく最新の制御情報を保存する事ができる。
【0010】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の外部保存装置接続手段を、外部保存装置が接続された場合に保存装置に保存の制御情報を前記外部保存装置に移動することにより、保存先を切り替えた場合に既存の保存データを利用する事ができる。
【0011】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれかひとつの発明の監視用表示装置を外部保存装置接続手段の出力により外部保存装置の接続状態を表示することにより、遠隔地にある遠隔制御装置の外部保存装置の接続状態がわかり、メンテナンスを容易に実施する事ができる。
【0012】
第5の発明は、特に、第1〜4いずれかひとつの発明の監視入力手段を制御情報の保存期間が入力できるものとしたことにより、保存期間を限定する事ができ、制御情報の管理を容易にする事ができる。
【0013】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における遠隔制御システムのブロック図を示すものである。
【0014】
図1において、遠隔制御システムAは、複数台の電力消費機器B1〜Bnと、複数のエネルギー計測機器C1〜Cnと、電力消費機器B1〜Bnとエネルギー計測機器C1〜Cnの通信データを変換するインターフェースユニットDと、インターフェースユニットDを介し電力消費機器B1〜Bnの状態データおよびエネルギー計測機器C1〜Cnの制御情報を受信する通信手段1と、制御情報を保存する保存装置2と、保存装置2に定期的に制御情報を保存する保存制御手段3と、保存装置2の制御情報を消去する消去制御手段4と、インターネット網Eに接続される外部保存装置Fを検出する外部保存装置検出手段6とからなるインターネット網Eに接続する遠隔制御装置Gと、インターネット網Eを介し遠隔制御装置Gに保存されている制御情報を表示する監視用表示手段7と監視用入力手段8とからなる監視装置Hである。
【0015】
以上のように構成された遠隔制御システムについて、以下その動作、作用について説明する。
【0016】
まず、保存装置2は遠隔制御装置G内部に配置される読み書き可能な不揮発性メモリである。また、外部保存装置Fは、接続通知手段9と大容量記憶装置10とからなり、インターネット網Eを介してデータの読み書きができるものである。
【0017】
また、大容量記憶装置10は、たとえばハードディスクである。
【0018】
外部保存装置Fは、インターネット網Eに接続されると接続通知手段9により、接続されたことをインターネット網Eに通知する。
【0019】
外部保存装置検出手段6は、インターネット網に接続通知手段9により通知されたことを検出すると外部保存装置Fの接続信号を発する。
【0020】
遠隔制御装置Gは一定時間毎に通信手段1により、インターフェースユニットDを介し、電力消費機器B1〜Bnの状態データやエネルギー計測機器C1〜Cnの計測データなどの制御情報を受信する。
【0021】
受信した制御情報は保存制御手段3によって外部保存装置検出手段6から外部保存装置Fの接続信号があればインターネット網Eを介し外部保存装置Fに保存され、接続信号がなければ保存装置2に保存される。
【0022】
制御情報は一定時間毎に新しい情報として保存される。消去手段4は一定時間毎に保存制御手段3を介して制御情報の一部を消去する。
【0023】
このとき、保存制御手段3は、外部保存装置検出手段6から外部保存装置Fの接続信号があれば外部保存装置5の制御情報を、接続信号がなければ保存装置2の制御情報を消去する。
【0024】
次に、遠隔地の制御情報管理者は、保存されている制御情報をインターネット網Eを介し監視用表示手段7に表示させ、電力消費機器Bやエネルギー計測機器Cの状態を監視する。表示される制御情報は、保存制御装置3により外部保存装置検出手段6から外部保存装置5の接続信号があれば外部保存装置5の制御情報、接続信号がなければ保存装置2の制御情報が選択される。
【0025】
以上のように本実施の形態における遠隔制御システムは、電力消費機器Bやエネルギー計測機器Cの接続台数が増えることで制御情報が増加しても、外部保存装置を接続する事により、システムを変更せず制御情報の保存容量を増やす事ができる。
【0026】
また、消去手段4は保存制御手段3を介して、外部保存装置検出手段6から外部保存装置5の接続信号があれば外部保存装置5の容量、接続信号がなければ保存装置2の容量により、制御情報を消去する時期を決定することにより、保存容量を越えることなく、最新の制御情報を保存する事ができる。
【0027】
また、外部保存装置検出手段6は、外部保存装置5が接続された時、保存装置2に保存されている制御情報を外部保存装置5に移動する事により、既存の制御情報を利用する事ができる。
【0028】
また、遠隔地の管理者は、インターネット網Eを介し、外部位保存装置検出手段6の接続信号の状態を監視用表示手段7で監視する事により、遠隔地の遠隔制御装置Fの状態を管理する事ができ、遠隔地に出向くことなく、メンテナンスを容易に実施する事ができる。
【0029】
また、監視入力手段8は、制御情報の保存期間を入力する事ができ、消去手段4は、入力された保存期間に従って、制御情報を消去する。このことにより、遠隔地の管理者は、保存期間を入力する事により制御情報の管理を容易にする事ができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上の様に、本発明の遠隔制御システムは、遠隔制御装置に監視用表示装置が表示する制御情報の場所を変更することなく、また、システム全体を変更することなく保存容量が変更できるので、照明やヒータや電動機等、空気調和機以外のあらゆる負荷に応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態1における遠隔制御システムのブロック図
【図2】従来の遠隔制御システムのブロック図
【符号の説明】
【0032】
A 遠隔制御システム
B エネルギー計測機器
C 電力消費機器
D インターフェースユニット
E インターネット網
F 外部保存装置
G 遠隔制御装置
H 監視装置
1 通信手段
2 保存装置
3 保存制御手段
4 消去手段
6 外部保存装置検出手段
7 監視用表示手段
8 監視用入力手段
9 接続通知手段
10 大容量記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台の電力消費機器と、複数のエネルギー計測機器と、前記電力消費機器と前記エネルギー計測機器の通信データを変換するインターフェースユニットと、前記インターフェースユニットを介し前記電力消費機器の状態データおよび前記エネルギー計測機器の制御情報を受信する通信手段と、制御情報を保存する保存装置と、前記保存装置に定期的に制御情報を保存する保存制御手段と、前記保存装置の制御情報を消去する消去制御手段と、インターネット網に接続された外部保存装置を検出する外部保存装置検出手段とからなるインターネット網に接続する遠隔制御装置と、インターネット網を介し前記遠隔制御装置に保存されている制御情報を表示する監視用表示手段と監視用入力手段とからなる監視装置を備え、前記保存制御手段は、前記監視用表示装置が表示する制御情報の場所を変更することなく、前記外部保存装置検出手段の出力により前記外部保存装置に制御情報の保存先を切り替えることを特徴とする遠隔制御システム。
【請求項2】
消去手段は、外部保存装置の容量によって制御情報の保存期間を決定し、保存期間を過ぎた制御情報を消去する事を特徴とする、請求項1記載の遠隔制御システム。
【請求項3】
外部保存装置検出手段は、外部保存装置が検出された場合に保存装置に保存の制御情報を前記外部保存装置に移動することを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の遠隔制御システム。
【請求項4】
監視用表示装置は、外部保存装置検出手段の出力により外部保存装置の接続状態を表示する事を特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の遠隔制御システム。
【請求項5】
監視入力手段を制御情報の保存期間が入力できるものとしたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の遠隔制御システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−162212(P2006−162212A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−357853(P2004−357853)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】