説明

遠隔患者管理に対する動機付けシステム

患者管理システムは、ケアプラン18によって患者に対する関与をスケジューリングするように構成されたスケジューラ20を含む。前記関与は、少なくともオーディオ/ビデオコンテンツの提示を含む。オーディオ/ビデオ提示装置10は、前記スケジューラにより指示されるとおりに前記患者にオーディオ/ビデオコンテンツを提示するように構成される。入力装置12は、患者応答を受け取るように構成される。応答アナライザ34は、少なくとも1つの患者応答を分析して、前記ケアプランのゴールに対する患者コンプライアンスを決定するように構成される。インセンティブルールエンジン40は、前記患者コンプライアンスに基づいてインセンティブを生成するように構成される。前記インセンティブルールエンジンは、前記生成されたインセンティブの動機付け値を高めるように少なくとも1つの追加因子に基づいて前記生成されたインセンティブを調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
下記の事項は、医療分野に関する。これは、遠隔患者管理システムに応用されるが、より一般的には、いかなる遠隔患者/ヘルスケアインタラクションシステムにも応用可能である。
【背景技術】
【0002】
適切な行動修正が、改良された医療的介入結果及び一般に健康増進をもたらすことは既知である。このような行動修正は、例えば、改良された食事、禁煙すること、定期的に予定されたエクササイズに参加すること、及び計画的な薬剤投与を受けること等を含むことができる。不幸なことに、ほとんどの国における医療的ケアパラダイムは、成功的行動修正を管理するのに適切ではない。患者は、よくても稀に、ことによると月1回又は更に稀に医者にかかると思われる。特定の状態に対する治療下にない人は、更に稀に医者にかかると思われる。例えば、米国において、このような人は、年に1度の身体検査を受けると思われる。
【0003】
外来医療監視及び介入システムを発展させる努力がなされている。例えば、Motiva(登録商標)システム(コーニンクレッカフィリップスエレクトロニクスN.V.、アイントホーフェン、オランダ)は、個人に合わせたケアプランによって遠隔の患者を管理するインターネットベース又は他の通信ネットワークベースのツールを提供する。健康関連トピックに関連する教育的及び動機付けのビデオが、予定に基づいて提供される。患者の進歩に関するフィードバックは、インタラクティブ評価調査、教育的ビデオ提示後に管理される情報保持試験、前記患者により過程で測定される患者体重又はバイタルサインの送信、及び他のツールにより得られる。
【0004】
予備的研究は、Motivaが介入結果を実質的に向上させ、患者に対するクオリティ・オブ・ライフ基準を改良することを示している。しかしながら、Motiva及び他の遠隔健康管理システムの長期的な成功は、患者により連続した長期の参加を条件とする。この関連で、強気で快活な患者は、自動健康管理に参加しそうなのに対し、元気のない又は弱気な患者は、あまり参加しそうにない。したがって、患者の意欲が、遠隔患者管理の成功又は失敗の重要な因子である。
【0005】
患者に動機付けする1つのアプローチは、患者管理プログラムに沿った測定可能な進歩に対して報酬を提供することである。例えば、インターネットベースの食事計画組織SparkPeople(登録商標)は、食事プログラムのコンプライアンス、SparkPeopleウェブサイトへのログイン、及び健康関連記事を読むこと等のようなアクションに基づいて参加者にポイントを割り当てるSparkPoints(登録商標)プログラムを設けた。SparkPeopleウェブサイトは、匿名性を提供するようにエイリアス識別を使用して最高ポイント数を累積したスコアリーダを表示する。
【0006】
SparkPeopleのアプローチは、動機付けツールとしてある不利点を持っている。(スコアリーダに対して数万に達する)取得されたポイント数は、動機付けの重要性を失うまで高くなることができる。前記プログラムは、成績の悪い人に対して動機付けになりにくい。実際に、スコアリーダの非常に高いポイント合計と比較して、あまり素晴らしくない実行者によるポイント累積の欠如は、やる気をなくさせる効果を持つ可能性がある。問題として、典型的に動機付けの後押しを最も必要とするのは、まさに、プログラムにおいて成績の悪い人である。スコアリーダは既に高度に動機付けされており、ポイントインセンティブ無しであっても良好に実行すると思われる。
【0007】
実際に、このような問題は、既存のスコアシステムにもともと備わっており、高度に動機付けされた個人がスコアリーダになるように努力し、これにより追加の(典型的には不要な)動機を受け取るのに対し、動機付けされていない又は不成功の個人が、前記スコアリーダについていくのに失敗することにより更にやる気をそがれることになる。ポイントを得ることをより容易にすることは、動機付けされていない又は不成功の個人がより容易にポイントを取得することを可能にするが、取得されたスコアの価値を下げ、ポイントインセンティブシステムの全体的な有効性を減少させることを犠牲にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
下記の事項は、上記の問題及び他の問題を克服する新しい改良された装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様によると、ケアプランによって患者に対する関与(engagement)をスケジューリングするように構成されたスケジューラであって、前記関与が少なくともオーディオ/ビデオコンテンツの提示を含む当該スケジューラと、前記スケジューラにより指示されるとおりに前記患者にオーディオ/ビデオコンテンツを提示するように構成されるオーディオ/ビデオ提示装置と、患者応答を受け取るように構成された入力装置と、前記ケアプランのゴールに対する患者コンプライアンスを決定するように少なくとも1つの患者応答を分析するように構成された応答アナライザと、前記患者コンプライアンスに基づいてインセンティブを生成するように構成され、前記生成されたインセンティブの動機付け値(motivational value)を向上させるように少なくとも1つの追加の因子に基づいて前記生成されたインセンティブを調整するインセンティブルールエンジンとを有する患者管理システムが開示される。
【0010】
他の態様によると、患者に対するケアプランを生成するステップと、前記ケアプランによって前記患者に関与するステップであって、前記関与が少なくとも前記ケアプランによって前記患者にオーディオビデオコンテンツを提示することを含む当該関与するステップと、少なくとも1つの患者メトリック(patient metric)を使用して前記ケアプランに従う前記患者の進歩を数量化するステップと、インセンティブを累積するステップであって、前記少なくとも1つの患者メトリック及び前記累積するインセンティブの動機付け値を向上させるように選択された少なくとも1つの追加因子に基づいてインセンティブを累積するステップとを有する患者管理方法が開示される。
【0011】
他の態様によると、スコアのコレクションを公表する方法が開示され、前記方法は、最低のスコアから最高のスコアまで前記スコアの順序を保持しながら前記スコアの範囲を圧縮するようにリスケールするステップと、前記リスケールされたスコアを公表するステップとを有する。
【0012】
他の態様によると、患者に割り当てられた保険料を調整する方法が開示され、前記方法は、患者に対するケアプランを生成するステップと、前記ケアプランによって前記患者に関与するステップであって、前記関与が少なくとも前記ケアプランによって前記患者にオーディオビデオコンテンツを提示することを含む当該関与するステップと、少なくとも1つの患者メトリックを使用して前記ケアプランに従う前記患者の進歩を数量化するステップと、少なくとも前記少なくとも1つの患者メトリックに基づいてインセンティブを累積するステップと、前記累積されたインセンティブに基づいて決定された量により前記患者に割り当てられた前記保険料を下方に調整するステップとを有する。
【0013】
1つの利点は、患者ケアプランにおいて成績の悪い人に対して効果的である遠隔患者管理のインセンティブベースの動機付けを提供することにある。
【0014】
他の利点は、成績の悪い患者に対して有効であるインセンティブベースの動機付けを提供することにある。
【0015】
他の利点は、比較スコア公表により生じる競争に関連した動機付けの特徴を維持しながら、成績の悪い実行者のやる気をそがない形式でスコア公表を提供することにある。
【0016】
他の利点は、前記患者の心的状態に適合したインセンティブベースの動機付けを提供することにある。
【0017】
他の利点は、支配的な患者特性に基づいて選択されたインセンティブのタイプを使用するインセンティブベースの動機付けを提供することにある。
【0018】
本発明の更に他の利点は、以下の詳細な説明を読み、理解すると当業者に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】インセンティブベースの動機付け機構を含む遠隔患者管理システムを概略的に示す。
【図2】患者のケアプランのゴールに対するコンプライアンスに基づいて生成された調整されていないインセンティブを概略的に示す。
【図3】患者の心的状態に基づくインセンティブ重み付け調整を概略的に示す。
【図4】累積されたポイント又はスコアに基づくインセンティブ重み付け調整を概略的に示す。
【図5】公表の前にスコアに適切に使用されたリスケール関数を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1を参照すると、遠隔患者管理システムは、自動化された又は半自動化された情報転送、患者インタラクション及び患者の健康及び福祉を促進する他の態様を提供する。ここで使用される用語"患者"は、前記遠隔患者管理システムから援助を受ける人を含むと広く解釈されるべきである。このような患者は、慢性疾患患者、手術又は疾患から回復している人、又は広く福祉又は健康維持を促進するために前記遠隔患者管理システムから援助を受ける健康な人等を含みうる。前記患者は、自宅で、又は介護付きの環境で、又は養護施設等で生活している外来患者でありうる。代わりに、前記患者は、病院又は他の医療ケア施設に入院している入院患者であってもよい。
【0021】
前記患者は、図示されたテレビ10又はグラフィカルディスプレイを持つ携帯電話、又はグラフィカルディスプレイを持つパーソナルデータアシスタント(PDA)、又はビデオ再生能力を持つ個人用音楽プレーヤ等のようなオーディオ/ビデオ提示装置に対するアクセスを持つ。一部の実施例において、前記患者は、前記遠隔患者管理システムにアクセスするのに1以上のこのようなオーディオ/ビデオ提示装置を選択的に使用することができ、例えば自宅にいる場合には図示されたテレビ10を使用するが、自宅から離れている場合には携帯電話を使用することができる。前記オーディオ/ビデオ提示装置は、典型的には、前記患者管理システムとは別個の主要機能を持ち、前記患者管理システムにより選択されたオーディオ/ビデオコンテンツを提示するように動作する。例えば、テレビ10は、(オプションとしてケーブルネットワーク、又は衛星ネットワーク等を介して供給される)放送テレビを提示し、オプションとしてDVD再生又は他の非放送コンテンツを提示する主要機能を保持する。テレビ10は、これに加えて、前記遠隔患者管理システムにより提供されるコンテンツを提示するように構成される。このような二重機能性オーディオ/ビデオ提示装置は、一般に前記患者によく知られており、空間占有を減少させる等のような利点を持つ。しかしながら、前記オーディオ/ビデオ提示装置が、前記遠隔患者管理システムにより提供されるオーディオ/ビデオコンテンツを単に提示するのに使用される専用装置であることも考えられる。
【0022】
前記患者は、図示されたハンドヘルドリモートコントローラ12、携帯電話又はPDAのキーパッド、又は個人用音楽プレーヤのユーザインタフェースのような応答入力装置に対するアクセスをも持つ。前記応答入力装置は、前記オーディオ/ビデオ提示装置を制御し、前記遠隔患者管理システムに患者応答を提供することを含む機能性を持つ。典型的には、同じ応答入力装置が、両方の機能に対して使用され、例えば、リモートコントローラ12は、(視聴するチャネルを選択する、音量を変更する等のように)テレビ10を制御するように、及び前記遠隔患者管理システムに患者応答を提供するようにも構成されることができる。同様に、携帯電話のキーパッドは、(呼び出す電話番号を入力する、スピーカ音量を変更する等のように)前記電話を制御するように、及び前記遠隔患者管理システムに患者応答を提供するようにも構成されることができる。両方の機能に対して単一の装置を使用することは、典型的には、前記患者にとって便利であるが、しかしながら、前記オーディオ/ビデオ提示装置の制御を実行する別個の装置、及び前記遠隔患者管理システムに患者応答を提供するのに別個の装置を持つことが考えられる。このような別個の構成は、前記遠隔患者管理システムと連動して動作するように既存のテレビ又は他のオーディオ/ビデオ提示装置を改良するのにより実際的でありうる。前記オーディオ/ビデオ提示装置が、前記遠隔患者管理システムにより提供されるオーディオ/ビデオコンテンツを単に提示するのに使用される専用装置である場合、前記応答入力装置も、典型的には専用装置である。
【0023】
前記遠隔患者管理システムは、パーソナライズされ、各患者が、典型的には電子形式である関連付けられた患者記録14を持つが、幾つかの部分は、追加的に又は代替的に印刷された形式でありうる。前記患者記録は、典型的には、(完全であるかもしれず、完全でないかもしれない)医療履歴16と、介入的関与(interventional engagement)により達成されることを意図される1以上のゴールに沿って前記患者に対してスケジューリングされるこのような介入的関与に関する情報を提供するケアプラン18を含む。スケジューラ20は、前記患者に提示するオーディオ/ビデオコンテンツをスケジューリングする。前記スケジューリングされたオーディオ/ビデオコンテンツは、様々なソースから来ることができる。例えば、スケジューリングされたコンテンツは、禁煙する方法に関するビデオ、体重減少ビデオ、エクササイズビデオ、動機付けビデオ、及びインタラクティブ調査ビデオ等のようなコンテンツを含むオーディオ/ビデオコンテンツデータベース22から取り出されることができる。スケジューリングされたコンテンツは、前記患者の医師からの又は看護師等からのビデオメッセージのようなパーソナライズされたオーディオ/ビデオコンテンツ24をも含みうる。オプションのパーソナライズされたオーディオ/ビデオコンテンツ24は、前記患者に医療専門家とのパーソナライズされた連絡を有利に提供する。オプションのパーソナライズされたオーディオ/ビデオコンテンツ24は、オプションとして、前記遠隔患者管理システムにより援助されている他の人からの個人メッセージをも含みうる。このような個人メッセージは、同様の状態を持つ患者間のサポートネットワークを確立するツールとして、及び在宅の患者あるいは社会的に孤立した患者等の社会性を促進するツールとして考えられる。
【0024】
スケジューラ20は、ケアプラン18に基づいて提示に対してスケジューリングされたコンテンツを選択する。例えば、ケアプラン18は、絶対的である(例えば、ビデオ"x"が2008年12月14日に提示されるべきであることを示す)又は相対的である(例えば、特定の日付又は時間の無い提示の順序を示す)又は絶対的及び相対的タイミング情報であることができる提示時間情報に沿ったデータベース22からの記憶されたコンテンツのリストを含むことができる。パーソナライズされたコンテンツデータベース24からのパーソナライズされたメッセージは、事前にスケジューリングされる(例えば、医師が毎週又は他のスケジューリングされた時間に基づいて前記患者に対するメッセージを記録することができる)又は偶発的である(例えば、前記患者の記録14を見直している看護師が、前記患者に与えられるべき情報を識別し、適切なメッセージを記録する)ことができる。偶発的な場合、前記メッセージは、典型的には、現実的である範囲で早く提示される。
【0025】
オーディオ/ビデオエンジン30は、前記スケジューリングされたコンテンツの提示を処理する。一部の実施例において、オーディオ/ビデオエンジン30は、実質的な処理性能を持ち、例えば、テレビ10に接続されたコントロールボックスとして実施され、オーディオ/ビデオエンジン30は、前記患者に視聴するオプションのメニューを提供するグラフィカルユーザインタフェースを実装する。このような構成において、(ビデオ、ビデオメッセージ又はビデオ調査等のような)利用可能なスケジューリングされたオーディオ/ビデオコンテンツは、前記グラフィカルユーザインタフェースを介して前記患者に対して識別され、前記患者は、いずれのコンテンツが提示されるべきかを選択することができる。他の実施例において、オーディオ/ビデオエンジン30は、低い処理性能を含むことができ、単にフォーマット装置又は前記スケジューリングされたオーディオ/ビデオコンテンツをテレビ10又は他の提示装置に導く他のルートとして機能することができる。
【0026】
システム構成要素の物理的及び論理的レイアウトが変化することができると理解されるべきである。前記オーディオ/ビデオ提示装置は、前記患者の近くにあるべきであり、テレビの場合に前記患者の自宅にあり、又は携帯電話、PDA若しくは携帯音楽プレーヤ等の場合には典型的には前記患者とともに持ち運ばれる。オーディオ/ビデオエンジン30は、前記患者の自宅に配置されることができ、又は前記提示装置のプロセッサ上で実行するソフトウェア(例えば携帯電話、PDA等のプロセッサにより実行されるプログラム)として前記提示装置内に配置されることができ、又は例えばインターネット、又は携帯電話ネットワーク等を介して前記提示装置と通信する遠隔サーバに配置されることができる。患者記録14は、典型的には、コンピュータ32又は病院、診療所、若しくは他の医療施設に配置された他のインタフェースを介して医療専門家によりアクセス可能である。しかしながら、患者記録14は、このような医療施設又は他の場所に記憶されてもよい。一部の実施例において、患者記録14又はその一部は、オーディオ/ビデオエンジン30のハードディスク又は他の記憶部に記録されることができる。患者記録14の様々な構成要素は、物理的に若しくは論理的に別々であることができ、又は物理的に若しくは論理的に一体化されることができる。したがって、例えば、医療履歴16は、安全な病院データベースに記憶されることができるのに対し、ケアプラン18及びスケジューラ20は、前記遠隔患者管理システムをホスティングする専用安全サーバに記憶されてもよい。
【0027】
ケアプラン18は、看護師、医師又は前記患者に対して少なくとも幾らかのパーソナライゼーションを持つ他の医療若しくは管理関係者により適切に構成される。例えば、前記患者は、非喫煙者であり、どちらかというと太りすぎであり、心臓病の家族歴を持ち、理想的とは言えない食事をしていると識別されることができる。前記看護師、医師又は医療若しくは管理関係者は、この情報を受け取り、患者側からの前記システムの基本操作、食事及び心臓病予防、及びこれらのトピックに関する動機付けビデオに関するオーディオ/ビデオコンテンツデータベース22から事前に記録されたモジュールを提示のために選択することによりケアプラン18を組み立て、好ましくはインタラクティブ患者調査、バイタルサイン測定要求ビデオ又は患者フィードバックを引き出すために構成された他のインタラクティブモジュールを組み入れて、これらを提示に対してスケジューリングする。前記看護師、医師又は他の医療若しくは管理関係者は、オプションとして、前記遠隔患者管理システムにおける前記患者の個人的連絡に関する情報を含む歓迎メッセージのような患者特有のオーディオ/ビデオコンテンツを更に記録し(オプションとして、これは前記メッセージを記録する人であることができる)、更にこれを前記ケアプランスケジュールに取り入れる。指定された時間に、スケジューラ20は、前記患者に対する提示のために前記スケジューリングされたオーディオ/ビデオコンテンツをオーディオ/ビデオエンジン30に運ぶ。
【0028】
インタラクティブ調査、バイタルサイン測定要求ビデオ又は他のインタラクティブモジュールが提示される場合、前記患者は、要求されるフィードバックを提供するのにハンドヘルドリモートコントローラ12又は他の患者応答装置を使用する。例えば、インタラクティブ調査は、複数の回答オプションを持つ質問(例えば、"元気"、"まあまあ"、"少し元気のない"及び"元気のない"を含む回答オプションを持つ"今日の調子はどうですか")を表示することができ、前記患者は、リモートコントローラ12の"上"及び"下"矢印キーを押してこれらの選択肢の中を移動し、 "エンター"キーを押して選択を行う。バイタルサイン測定要求ビデオの場合、前記患者は、例えば、脈拍を測ることを要求され、次いでハンドヘルドリモート12の数字ボタンを使用して測定された脈拍を入力するように依頼される。結果の患者応答33は、応答アナライザ34に運ばれ、応答アナライザ34は、図1において別個の構成要素として示されているが、オプションとして前記遠隔患者管理システムの前記スケジューラ又は他の構成要素に一体化される。応答アナライザ34は、患者メトリック又は複数の患者メトリック35を出力する。患者メトリック35は、(測定されたパルスのような)未処理応答、(調査において前記患者により達成された累積スコアのような)処理結果、又は未処理及び処理結果の組み合わせを含みうる。患者記録アップデータ36は、患者メトリック36に基づいて患者記録14を更新する。このような更新は、例えば、医療履歴16に対する測定されたバイタルサイン示度の追加、又は患者メトリック35に基づくケアプラン18の更新等を含むことができる。後者の状況の一例として、前記患者が調査において悪いスコアを取った場合、ケアプラン18は、前記患者が関連した情報を学習することを強化又は保証するように、前記調査のトピックに関する指示を提供する1以上のビデオの繰り返しをスケジューリングするように更新されることができる。同様に、バイタルサイン測定値が問題である(例えば、高血圧示度)場合、追加のビデオ又はビデオのセットが、問題のあるバイタルサイン測定値により反映される根本的な問題を補正するように意図される行動修正に向けてスケジューリングされることができる(例えば、高血圧示度を引き起こしうる高ストレスに対処することを意図されたリラックスビデオ)。
【0029】
図1を参照して記載され、様々な構成要素10、12、14、22、30、32、34、36を含む前記遠隔患者管理システムは、説明用の例である。他のシステムが、患者に対するケアプランを生成するステップと、ケアプランスケジュールによって前記患者にオーディオ/ビデオコンテンツを提示するステップ及び患者応答を受け取るステップを含む前記ケアプランによって前記患者に関与するステップとを含む患者管理方法を実施する目的で構成されることができる。ここで使用されるように、前記患者応答は、前記患者により提供されるフィードバックを含むことを意図される。例えば、スケジューリングされたビデオを受信するために単にテレビ10をオンにすることは、患者応答と見なされることができる。一部の実施例において、前記患者応答は、インターネット又は他の通信経路と動作的に接続されたSpO2メータにより自動的に取得されたSpO2血液酸素飽和度示度のような自動的に取得された患者データを含むことを意図される。
【0030】
図1を参照し続けると、図示された遠隔患者管理システムは、インセンティブベースの動機付け機構を含む。インセンティブルールエンジン40は、患者メトリック35を受信し、更なる進歩に向けて前記患者を動機付けするのに適切なインセンティブを計算する。インセンティブのタイプは、主要な患者特性に適切に依存する。前記患者特性は、例えば、前記患者の特性に関する情報を引き出すように設計された質問を含む調査に対する回答に基づいて決定されることができる。応答アナライザ34は、前記応答を適切に分析して主要な患者特性を抽出し、患者記録アップデータ36は、このような分析により決定された前記主要な患者特性を用いて患者記録14を更新する。代替的に、ケアプラン18を組み立てる前記看護師、医師、又は他の医療若しくは管理関係者は、前記患者に関する当該関係者の直接的又は間接的な情報に基づいて前記主要な患者特性を患者記録14に入力することができる。
【表1】

【0031】
表1は、様々な識別された特性を持つ患者に対して有利である幾つかの実例インセンティブタイプを示す。患者特性に基づく前記インセンティブタイプの選択は、高度に動機付けするインセンティブを生成するのに有利であることができる。例えば、健康結果予測の形式でインセンティブを提供することは、"管理している"及び自身の健康を改良することができるという意見を持つ健康に熱心な人である患者に対して高度に動機付けになることができる。このインセンティブタイプに対して、インセンティブルールエンジン40は、前記患者メトリック及び前記患者メトリックを統計的患者健康結果予測に関連付ける適切なアルゴリズム又は式に基づいて健康結果予測を適切に計算する。例えば、5ポンドごとの体重減少は、寿命見込みの特定の増加に関連付けられることができる。他方で、心気症である患者は、おそらく、これが心気症傾向を増加しうるので、健康結果問題を思い出させられるべきでない。心気症に対して、前記遠隔健康管理システムの患者関与セッション中にオーディオ/ビデオ装置10に表示される"幸福顔(happy face)"カウンタの形式の動機付けは、より動機付けになりうる。このような表示された"幸福顔"カウンタは、前記心気症患者に前記患者が実際に経過良好であることを思い出させる。
【0032】
同様に、保険料控除の形式のインセンティブは、金銭的に裕福ではない患者に対して高度に動機付けとなることができるが、裕福な患者に対してはあまり動機付けにならないかもしれない。子どもは、(テレビ10を介してビデオゲームをすることにより適切に"キャッシュイン"され、オプションとしてオーディオ/ビデオエンジン30によりサポートされる)ビデオゲーム時間の形式のインセンティブが高度に動機付けになると感じるかもしれないのに対し、大人は、このようなインセンティブがほとんど又は全く動機付け値を持たないと感じるかもしれない。他の実例として、引きこもり(home-bound)患者は、(前記遠隔健康管理システムのプロバイダに従って動作しているケーブルサービスプロバイダから映画を要求することにより適切に"キャッシュイン"される)無料の映画クレジットが高度に動機付けになると感じるかもしれない。図1において、生成されたインセンティブ42は、概略的に示される。
【0033】
インセンティブルールエンジン40により使用されるルールは、生成されたインセンティブ42の動機付け値を高めるように選択される。一部の実施例において、前記生成されたインセンティブは、患者応答33の選択された部分に基づいて患者気分プロファイラ46により決定され、時折更新される患者気分プロファイル44に基づいて調整される。例えば、前記提示されるオーディオ/ビデオコンテンツは、前記患者の気分に関する情報を引き出すように設計された質問を含む調査を含むことができ、この情報は、患者気分プロファイル44を更新するために患者気分プロファイラ46により処理される。図示された実施例において、患者気分は、元気のない状態から元気のいい状態までの範囲のパラメータとして示され、しかしながら、患者気分のより複雑な表現が、例えば(例えば、絶望した状態と自信のある状態との間のスケールで表わされる)前記患者の希望レベルを説明するために、又は(例えば、孤立した状態と訪問者に圧倒された状態との間のスケールで表わされる)患者の社会的相互作用レベル等を説明するために考えられる。動機付け値を高めるように前記生成されたインセンティブを調整するのに説明されうる他の追加因子は、時々ここでスコア50と称される累積されたインセンティブ合計、及び乱数又は疑似乱数生成器52により適切に取り入れられる乱数因子を含む。
【0034】
図1を参照し続け、更に図2を参照すると、実例となるルールエンジン40は、前記患者がケアプラン18の1以上のゴールに対するコンプライアンスである又はより上であることに基づいて(調整前に)インセンティブを与える。適切なゴールの一部の例は、出席ゴール(例えば、前記患者は、視聴された各ビデオに対してインセンティブを受け取ることができる)、成績ゴール(例えば、体重減少プログラムの患者は、体重が減少したかどうか及びどのぐらい減少したかに基づく量のインセンティブを受け取ることができる)、行動修正ゴール(例えば、喫煙する患者は、前記患者が最後に煙草を吸ってからどれだけ経ったかに基づいてインセンティブを受け取ることができる)、又は達成ゴール(例えば、前記患者は、前記患者が首尾よく測定された血圧示度を報告するたびにインセンティブを受け取ることができる)等を含む。コンプライアンスは、様々なやり方で検出されることができる。出席ゴールに対して、コンプライアンスは、オーディオ/ビデオ提示装置10、又はオーディオ/ビデオエンジン30等の前記患者の操作に基づいて自動的に検出されることができる。他のゴールに対して、コンプライアンス又は非コンプライアンスの検出は、調査質問に対する回答若しくは提供されるバイタルサイン、体重、又は他の個人的測定のような患者応答33を頼りにすることができる。
【0035】
インセンティブの尺度は、二値であることができる(例えば、前記患者は、前記ビデオを視聴し、インセンティブポイントを受け取るか、又は視聴せず、したがってポイントを受け取らないかのいずれかである)か、又はアナログであることができる(例えば、調整前に受け取られるインセンティブポイントの量は、減少された体重のポンド数に基づくことができる)。前記ゴールがアナログである場合、図2に概略的に示されるように、前記患者がコンプライアンスより下であるがコンプライアンスに近い場合に幾らかのインセンティブポイントを提供することが考えられる。例えば、図2のゴールは、1か月の期間で5ポンド減少させることであることができる。したがって、前記患者は、前記患者が正確に5ポンド減少する場合にコンプライアンスであり、前記患者が5ポンド以上減少する場合にコンプライアンスより上である。他方で、前記患者が4ポンドしか減少しない場合、前記患者はコンプライアンスではないが、コンプライアンスに近い。このような場合に、幾らかの量のインセンティブが受け取られることができるが、前記患者がコンプライアンスにある又はより上である場合に受け取られる量より少ない。
【0036】
ゴールに対するコンプライアンスを促すために、インセンティブ累積は、図2に示されるようにコンプライアンス点において鋭く増加すべきである。そうでなければ、前記患者は、前記ゴールに近いが満たしていない成績で満足するように促されるかもしれない。オプションとして、前記インセンティブ累積は、アナログの場合に、前記成績が前記ゴールより上に増加すると増加する。図2に示されるように、この増加は、オプションとして、前記患者が前記ゴールに対するコンプライアンスより更に上に行くと前記インセンティブ累積のレートが減少するように下に凹である。このオプションの減少は、前記患者が前記コンプライアンスゴールを大幅に超過している場合に、前記患者がおそらく少なくともこのゴールに関して既に高度に動機付けされており、したがって追加のインセンティブ累積を提供する動機付け値が制限されるという利点を持つ。
【0037】
図2によって累積されたインセンティブは、前記インセンティブの動機付け値を高めるように調整されていない。図3及び4を参照すると、前記生成されたインセンティブに対する幾らかの調整が記載され、これは、調整されたインセンティブ42の動機付け値を高めると期待される。
【0038】
図1を参照し続け、更に図3を参照すると、図示された実施例において、前記生成されたインセンティブは、前記患者が元気のない場合の比較的大きい値から前記患者が元気のいい場合の比較的小さい値までの範囲を取るWmoodで示される気分重み付けを使用することにより患者気分プロファイル44に基づいて調整される。したがって、調整前の前記生成されたインセンティブがNIにより表わされる場合に、前記調整されたインセンティブは、積Wmood×NIにより適切に与えられる。図示された実施例において、気分重み付けWmoodは、前記患者が、一般に、前記患者が元気のいい場合と比較して前記患者が元気のない場合により多くのインセンティブを受け取るように選択される。これは、前記患者が元気のいい場合と比較して前記患者が元気のない場合に前記患者が高められたインセンティブからの追加的な動機付けによって利益を得やすいので有利である。同様の関係は、他の気分表現に対して推定されることができ、例えば、より多くのインセンティブは、一般に、前記患者が希望にあふれていると感じている場合と比較して前記患者が絶望している場合に提供されるべきである。より一般的には、インセンティブルールエンジン44は、前記患者が、元気のない、絶望している又は恐れている等のようなやる気のない気分であることを示す患者気分プロファイラ46に応答して一般に上向きに、及び前記患者が、元気のいい、希望にあふれている又は勇気づけられている等のようなやる気のある気分であることを示す患者気分プロファイラ46に応答して一般に下向きに前記生成されたインセンティブを調整する。
【0039】
図1を参照し続け、更に図4を参照すると、図示された実施例において、前記生成されたインセンティブは、患者スコア50に基づいて、すなわち以前に累積されたインセンティブ合計に基づいて調整される。この調整は、前記患者が全く又はほとんどインセンティブを累積していない(すなわち低いスコアを持つ)場合に比較的大きな値から始まり、患者スコア50が増加すると減少するWpriorで示される先行インセンティブ合計重み付けを使用して行われる。調整前の前記生成されたインセンティブがNIにより表わされる場合、前記調整されたインセンティブは、積Wprior×NIにより適切に与えられる。調整が、気分(Wmood)及び先行累積インセンティブ(Wprior)の両方に対して行われるべきである場合、前記調整されたインセンティブは、Wmood×Wprior×NIにより適切に与えられる。図示された実施例において、Wpriorは、前記患者が、一般に、初期により多くのインセンティブを受け取り、前記患者が進歩すると前記インセンティブ累積のレートがWpriorによって低下するように選択される。これは、前記患者が、前記プログラムが定着した場合と比較して前記プログラムの初期に追加の動機付けにより、より多くの利益を得やすいので、有利である。
【0040】
一部の実施例において、一度前記患者がインセンティブの特定の累積に到達する、すなわち、図4においてNtermにより示される特定の最終的なスコアに到達する、又は他のレベル基準を満たすと、このインセンティブプログラムは終了し、新しいインセンティブプログラムを再開する。これは、前記インセンティブ合計がレベル基準Ntermに到達する場合に前記インセンティブ合計をゼロ又は他の選択された開始点にリセットし、異なる進歩メトリック、異なる動機付け強化調整因子若しくは複数の因子、又はこれらの変化の組み合わせを使用して前記リセットされたインセンティブ合計から開始するインセンティブの数量化及び累積を再開することにより行われることができる。例えば、"レベル1"において、前記患者は、行動修正又は身体的状況の進歩にかかわらず、単に前記ビデオを視聴し、前記調査に回答することによりインセンティブを稼ぐことができる。ある点で、前記患者は、インセンティブレベルNtermに到達し、"レベル2"に移動し、レベル2において、単にビデオを視聴し、調査に回答することにより得られたインセンティブが減少する又は除去され、ポイントは、代わりに、行動修正又は身体的状況に対する成績ゴールを満たすことにより得られる。
【0041】
他方で、一部の実施例において、前記患者が適合するのに常に失敗するゴールを低くするように作られた規定が存在してもよい。例えば、図2の"コンプライアンスである"ラインが毎日のエクササイズの目標量を示し、前記患者がこの目標を満たすのに常に失敗する場合、前記目標は低下されることができる。これを行う利点は、前記患者が、前記低下されたゴールを時折満たすことができ、したがって毎日のエクササイズをする更なる進歩に向けて前記患者を動機付けするインセンティブを受け取ることができることである。
【0042】
図1を参照すると、一部の実施例において、前記生成されたインセンティブの動機付け値を高める前記生成されたインセンティブの調整は、部分的にランダム化因子に基づく。実例的な図1において、このランダム化因子は、疑似乱数生成器52により提供される。インセンティブのランダムな調整の予想外の性質は、前記患者がランダムに膨張したインセンティブの形式で予想外の褒美を得ることを常に望んでいるので、動機付けとなることができる。
【0043】
図1を参照し続け、更に図5を参照すると、一部の実施例において、最高のスコア又はインセンティブ合計をリストする図1に概略的に示された"スコアリングリーダボード"60のように、インセンティブ合計が公表されることができるか、又はインセンティブ合計のサブセットが公表されることができる。この公表は、インターネットを介して、又は図1に示されるオーディオ/ビデオエンジン30及び提示装置10等を介して行われることができる。スコアを公表する困難性は、他の参加者と比べて成績の悪い人が、大幅に成績の良い人の高いスコアを見ることにより自信をなくされうることである。したがって、リスケーリングプロセッサ62は、オプションとして、公表の前に前記スコア又はインセンティブ合計をリスケールする。このリスケーリングは、スコアの順序を維持しながら、低いスコアに対して高いスコアを減少させる下に凹の単調増加リスケーリング関数により各公表されたインセンティブ合計を調整することを含む。すなわち、スコア間の差は、リスケーリングプロセッサ62により有利に減少され、スコア"A"がスコア"B"より高い場合に、リスケールされたスコア"A"もリスケールされたスコア"B"より高くなくてはならないことは、常に事実であるべきである。そうでないことは、公表されたスコア間の比較のインテグリティを危うくする。順序性質は、適用可能である間隔(すなわち、スコアが存在しうる間隔)にわたり単調増加するリスケーリング関数を使用することにより保証される。同時に、前記リスケーリングが、公表前に低いスコアと比較して高いスコアの範囲を圧縮することが望ましい。この圧縮は、前記リスケーリング関数の導関数が、適用可能である間隔にわたり単調減少することを保証する下に凹の性質により達成される。
【0044】
一部の適切な単調減少の下に凹のリスケーリング関数は、図5に示されるもののような対数ベースのリスケーリング関数を含む。この関数は、
リスケールされたスコア=A×log(スコア)+B (1)
の形式を持ち、ここでA及びBは定数であり、"log()"は、ベース10の対数(すなわち、"log10()")又は自然対数(すなわち、"ln()")等のような対数関数である。表2は、選択されたスコアと、"log()"がベース10であり、A=B=1である式(1)の対数リスケーリング関数に対するリスケールされたスコアとを示す。表2に示されるように、前記スコアは、1の低い値から20000の高い値までの範囲を取り、4桁の大きさの範囲を表す。100のスコアを持つサリーが、それぞれ15000及び20000におけるマット及びジルの大幅に高いスコアの公表によりやる気をそがれることを容易に想像することができる。他方で、1.00の低い値から5.30の高い値までの範囲を取るリスケールされたスコアを公表することにより、サリーは、彼女の3.00のリスケールされたスコアが、それぞれ5.18及び5.30におけるマット及びジルの公表されたリスケールされたスコアの合理的な範囲内であるので、やる気をそがれない。
【表2】

【0045】
対数ベースのリスケーリング関数は、実例である。他の下に凹の単調増加リスケーリング関数が使用されることができる。
【0046】
更に、公表の前にインセンティブ合計をリスケールする開示されたシステム及び方法は、一般に、遠隔患者管理システムに関連したインセンティブ合計に対応するスコアを含むがこれに限定されないスコアの公表に適用可能である。例えば、スコアをリスケールする開示されたシステム及び方法は、レースの完走タイムのような競争競技スコア、又は学業成績スコアの公表に適用されることができる。前記リスケーリングは、有利には、低いスコアを持つ人を過度にやる気をそぐことなく、競争動機付けを生じる公表を可能にする。前記リスケールされたスコアは、対等者と比較して向上する要望、個人間競争、及び他の動機付け態様を助長するようにスコアの順序を保持する。表2に示されるように、対数ベースのリスケーリングは、有利に、数桁の大きさの範囲にわたるスコアを1桁以下の大きさの範囲を持つリスケールされたスコアに圧縮することができる。他方で、前記スコアが、レースの完走タイムのような小さな範囲を持つ場合、sqrt(x)のような活動性の低い下に凹の単調増加リスケーリング関数が使用されることができ、ここでxは前記スコアであり、sqrt(x)はxの平方根である。活動性の低いsqrt(x)リスケーリング関数は、約5の因数のスコア範囲を約2の因数のスコア範囲に減少させる効果を持つ。
【表3】

【0047】
前記リスケールされたスコアが公表される場合、各人は、オプションとして、このようなリスケーリング無しで、前記人のスコアを通知される。例えば、前記スコアが、レースの完走タイムのような意味のある量を反映する場合、前記スコアは、前記リスケールされたスコアが持っていない意味を持っている。
【0048】
図示された例において、前記累積インセンティブは、単一の図示された患者スコア50により数量化される。他の考えられる実施例において、2以上の異なる別個のゴールを反映する2以上の異なるスコアが維持されうる。例えば、1つの患者スコアは、禁煙に向かう進歩を反映することができるのに対し、別の患者スコアは、体重減少に向かう進歩を反映することができる。ここに開示されたシステム及び方法は、別個の及び別々に累積されたインセンティブを生成するように各ゴールに対してインセンティブルールエンジン40を使用することによりこのような状況に容易に応用される。補正Wpriorに対して、禁煙ゴールに対する前記累積されたインセンティブ合計は、前記禁煙ゴールに対する前記生成されたインセンティブを調整するのに使用されるのに対し、前記体重減少ゴールに対する前記累積されたインセンティブ合計は、前記体重減少ゴールに対する前記生成されたインセンティブを調整するのに使用される。一部の実施例において、看護師、医師又は他の医療専門家は、コンピュータ32又は他の適切なインタフェースを使用して前記患者により取得された前記インセンティブを見直すことができ、又は前記患者の心理状態を評価するために前記気分プロファイルを見ることができ、又は前記患者の状態及び進歩を評価するために患者記録14の他の側面を見ることができる。一部の実施例において、特定のインセンティブ合計に到達する患者に金銭的な褒美又は他の貴重な賞が与えられうる。
【0049】
本発明は、好適な実施例を参照して記載されている。修正及び変更は、先の詳細な説明を読み、理解すると他者が思いつくかもしれない。本発明が、全てのこのような修正及び変更が、添付の請求項又は同等物の範囲内にある限り、全てのこのような修正及び変更を含むと解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者管理システムにおいて、
ケアプランによって患者に対する関与をスケジューリングするように構成されたスケジューラであって、前記関与が、少なくともオーディオ/ビデオコンテンツの提示を含む、当該スケジューラと、
前記スケジューラにより指示されるとおりに前記患者にオーディオ/ビデオコンテンツを提示するように構成されたオーディオ/ビデオ提示装置と、
患者応答を受け取るように構成された入力装置と、
少なくとも1つの患者応答を分析して、前記ケアプランのゴールに対する患者コンプライアンスを決定するように構成された応答アナライザと、
前記患者コンプライアンスに基づいてインセンティブを生成するように構成され、前記生成されたインセンティブの動機付け値を高めるように少なくとも1つの追加因子に基づいて前記生成されたインセンティブを調整するインセンティブルールエンジンと、
を有する患者管理システム。
【請求項2】
前記オーディオ/ビデオ提示装置が、テレビを含み、前記入力装置が、少なくとも前記テレビを動作するように構成されたハンドヘルドリモートコントローラを含む、請求項1に記載の患者管理システム。
【請求項3】
少なくとも1つの患者応答を分析して、患者気分を決定するように構成された患者気分プロファイラであって、前記患者気分が、動機付け値を高めるように前記生成されたインセンティブを調整するのに前記インセンティブルールエンジンにより使用される、当該患者気分プロファイラ、
を更に含む請求項1に記載の患者管理システム。
【請求項4】
前記インセンティブルールエンジンは、前記患者がやる気をそがれた気分であることを示す前記患者気分プロファイラに応答して一般に上向きに、及び前記患者がやる気のある気分であることを示す前記患者気分プロファイラに応答して一般に下向きに前記生成されたインセンティブを調整する、請求項3に記載の患者管理システム。
【請求項5】
前記インセンティブルールエンジンが、患者特性に基づいて前記生成されたインセンティブのタイプを決定する、請求項1に記載の患者管理システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの追加因子が、累積されたインセンティブ合計を含み、前記インセンティブルールエンジンが、一般に、前記インセンティブ合計が増加すると下向きに前記生成されたインセンティブを調整する、請求項1に記載の患者管理システム。
【請求項7】
公表の前にインセンティブ合計をリスケールするリスケーリングプロセッサであって、前記リスケールされたインセンティブ合計が前記オーディオ/ビデオ提示装置を使用して公表される、当該リスケーリングプロセッサ、
を更に含む請求項1に記載の患者管理システム。
【請求項8】
患者に対するケアプランを生成するステップと、
前記ケアプランによって前記患者に関与するステップであって、前記関与が、少なくとも前記ケアプランによって前記患者にオーディオ/ビデオコンテンツを提示することを含む、当該関与するステップと、
少なくとも1つの患者メトリックを使用して前記ケアプランに従う前記患者の進歩を数量化するステップと、
インセンティブを累積するステップであって、前記少なくとも1つの患者メトリック及び前記累積インセンティブの動機付け値を高めるように選択された少なくとも1つの追加因子に基づいて前記インセンティブを累積するステップと、
を有する患者管理方法。
【請求項9】
前記累積するステップが、
前記累積するステップにより生成されたインセンティブ合計が増加すると前記累積のレートを一般に減少させるステップと、
を含む、請求項8に記載の患者管理方法。
【請求項10】
前記累積するステップが、
前記患者の気分がやる気をそがれているという指示に応答して前記累積のレートを一般に増加するステップと、
前記患者の気分がやる気にされているという指示に応答して前記累積のレートを一般に減少するステップと、
の少なくとも1つを含む、請求項8に記載の患者管理方法。
【請求項11】
前記ケアプランによる前記患者の関与中に受け取られた患者応答に基づいて前記患者の気分を決定するステップ、
を更に含む、請求項10に記載の患者管理方法。
【請求項12】
前記累積するステップが、
コンプライアンス閾値に対する前記患者メトリックの比較に基づいてインセンティブを累積するステップ、
を含む、請求項8に記載の患者管理方法。
【請求項13】
遅すぎる前記インセンティブの累積に応答して、前記累積を強化するように前記コンプライアンス閾値を調整するステップ、
を更に含む、請求項12に記載の患者管理方法。
【請求項14】
前記累積するステップが、
前記累積に起因するインセンティブ合計がレベル基準を満たすまで、前記進歩の数量化及び前記インセンティブの累積を続行するステップと、
前記レベル基準を満たす前記インセンティブ合計に応答して前記インセンティブ合計をリセットするステップと、
(i)異なる少なくとも1つの患者メトリック及び(ii)異なる少なくとも1つの追加因子の少なくとも1つを使用して前記数量化及び累積を再開するステップと、
を含む、請求項8に記載の患者管理方法。
【請求項15】
下に凹の単調増加リスケーリング関数によりリスケールされたリスケールインセンティブ合計を公表するステップ、
を更に含む、請求項8に記載の患者管理方法。
【請求項16】
対数リスケーリング関数によりリスケールされたリスケールインセンティブ合計を公表するステップ、
を更に含む、請求項15に記載の患者管理方法。
【請求項17】
表示される"幸福顔"カウンタ、前記患者に対する健康結果予測、前記患者に対する保険料控除、前記患者に割り当てられたビデオゲーム時間、及び前記患者に割り当てられた映画クレジットの1つとして前記累積されたインセンティブを表すステップ、
を更に含む、請求項8に記載の患者管理方法。
【請求項18】
請求項8に記載の患者管理方法を実施する患者管理システム。
【請求項19】
スコアのコレクションを公表する方法において、
最低スコアから最高スコアまでの前記スコアの順序を保持しながら前記スコアの範囲を圧縮するように前記スコアをリスケールするステップと、
前記リスケールされたスコアを公表するステップと、
を有する方法。
【請求項20】
前記リスケールするステップが、
前記リスケールされたスコアを生成するように前記スコアに単調増加の下に凹のリスケーリング関数を使用するステップ、
を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記リスケールするステップが、
前記リスケールされたスコアを生成するように前記スコアに対数ベースのリスケーリング関数を使用するステップ、
を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
患者に割り当てられた保険料を調整する方法において、
患者に対するケアプランを生成するステップと、
前記ケアプランによって前記患者に関与するステップであって、前記関与が、少なくとも前記ケアプランによって前記患者にオーディオ/ビデオコンテンツを提示することを含む、当該関与するステップと、
少なくとも1つの患者メトリックを使用して前記ケアプランに従う前記患者の進歩を数量化するステップと、
少なくとも前記少なくとも1つの患者メトリックに基づいてインセンティブを累積するステップと、
前記累積されたインセンティブに基づいて決定された量だけ下向きに前記患者に割り当てられた保険料を調整するステップと、
を有する方法。
【請求項23】
前記インセンティブを累積するステップが、前記累積の動機付け値を高めるように選択された少なくとも1つの追加因子に更に基づく、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記累積の動機付け値を高めるように選択された前記少なくとも1つの追加因子が、前記患者の動機付けレベルを示す患者気分メトリックを含む、請求項23に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−519634(P2010−519634A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550344(P2009−550344)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【国際出願番号】PCT/IB2008/050318
【国際公開番号】WO2008/102279
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】