説明

遠隔操作コマ玩具

【課題】モータを高回転で回転させる回転時間を制限するとともに、その高回転のタイミングをむやみに使用できないように操作できる回数を制限してコマ玩具の制御に緊張感を与えることができる遠隔操作コマ玩具を提供すること。
【解決手段】遠隔操作コマ玩具Aは、コマ玩具1と、該コマ玩具1の動作態様を遠隔操作で変化させるリモートコントローラ装置2との組合せからなり、上記コマ玩具1にはモータ18が配置され、該モータ18は上記リモートコントローラ装置から発信される制御信号で回転方向と回転速度とが制御され、コマ玩具1のコマ軸24は上記モータ18の回転に連動して回転し、上記リモートコントローラ装置2には上記制御信号を操作する複数の操作部33を設けるとともに、該操作部33の操作に基づいて制御信号の発信を制御する制御部60を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔制御コマ玩具、詳しくは回転するコマ玩具の動作特性を遠隔操作で変化させることができる遠隔制御コマ玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遠隔操作でコマ玩具の動作特性を変えることができる遠隔操作コマ玩具が本出願人から提案されている(例えば、特許文献1)。この遠隔制御コマ玩具はコマ玩具と、コマ玩具の動作態様を遠隔制御するリモートコントローラ装置とで構成され、上記コマ玩具の回転軸体をモータに連動して回転するようにし、上記モータを上記リモートコントローラ装置から発信する制御信号により正逆回転の回転方向と回転速度とを制御してコマ玩具の回転軸体の回転をリモートコントローラ装置で繰り返し制御できるようにし、対戦相手のコマ玩具を攻撃したり、相手の攻撃を避けたりすることができるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−185548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする問題点は、上述の遠隔操作コマ玩具は、モータの回転方向と回転速度とを繰り返し制御することができるもので、その機能を繰り返し使用できるため、操作するタイミングを間違ってもリカバリーすることが可能なため、タイミングを図って操作する必要を強く感じなくなる恐れがあり、緊迫感のあるゲームを展開できなくなる問題があるとともに、回転速度を上げたままプレイを続行するとコマ玩具が遊戯ステージから飛び出してしまう問題もあった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決し、モータを高回転で回転させる回転時間を制限するとともに、その高回転のタイミングをむやみに使用できないように操作できる回数を制限してコマ玩具の制御に緊張感を与えることができる遠隔操作コマ玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明に係る遠隔制御コマ玩具は、以下の要件を備えることを特徴とする。
(イ)上記コマ玩具にはモータが配置され、該モータは上記リモートコントローラ装置から発信される制御信号で回転方向と回転速度とが制御されること
(ロ)上記コマ玩具のコマ軸は上記モータに連動して回転すること
(ハ)上記リモートコントローラ装置は複数の操作部を備え、該操作部の操作に基づいて上記制御信号を発信すること
(ハ)上記制御信号は上記モータの回転方向を制御する回転制御信号と、モータの回転速度を制御する速度制御信号とで構成されていること
(ニ)上記速度制御信号によるモータの制御時間は一定時間に制限されていること
【0007】
なお、前記リモートコントローラ装置は前記速度制御信号の発信状況を監視し、監視結果に基づいて該速度制御信号を発信するか否かを判断することが好ましい。
【0008】
また、前記リモートコントローラ装置には前記コマ玩具に回転を付与して発射する発射機構を設けることが好ましい。
【0009】
さらに、前記リモートコントローラ装置は前記発射装置の操作時に前記速度制御信号の監視結果を初期化するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、モータの回転速度を変えることができる時間が一定時間に制限されているので、操作するタイミングが重要になるとともに、コマ玩具が遊戯ステージから飛び出してしまう問題も解消される遠隔制御コマ玩具を実現することができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、速度制御信号の発信状況を監視し、監視結果に基づいて該速度制御信号を発信するか否かを判断するので、速度制御信号の発信をむやみに行なうことができなくなり緊張感のあるゲームを遂行することができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、リモートコントローラ装置にコマ玩具に回転を付与して発射する発射機構を設けたので、リモートコントローラ1つで、コマ玩具を発射するとともに、発射したコマ玩具の動作を制御することができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、コマ玩具を発射することにより速度制御信号の監視結果が初期化されるので、リセットボタンのような操作ボタンを押し操作する必要もないし、押し忘れることもなく確実にリモートコントローラ装置を初期化できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る遠隔制御コマ玩具の構成を説明する斜視図
【図2】コマ玩具の構成を説明する分解斜視図
【図3】コマ本体の構成を説明する分解斜視図
【図4】(a)〜(c)はリモートコントローラ装置の正面図、側面図及び背面図
【図5】(a)(b)はコマ玩具とリモートコントローラ装置のブロック図
【図6】(a)(b)は操作ボタンの押し操作に対応した制御信号の説明図
【図7】上記遠隔操作コマ玩具の使用態様を説明するフローチャート図
【図8】(a)(b)はコマ玩具の動作態様を説明する平面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明に係る遠隔制御コマ玩具の一例を示し、この遠隔制御コマ玩具Aはコマ玩具1と、リモートコントローラ装置2とから構成され、リモートコントローラ装置2に設けた発射機構3でコマ玩具1に回転を与えてゲーム盤4上に発射し、他のコマ玩具とゲーム盤4上で対戦させて遊ぶことができるようにしたものである。
【0016】
なお、上記発射機構3はラックベルト5をリモートコントローラ装置2に差し込み、引き抜き操作することにより作動してコマ玩具1に回転を付与することができるようにした公知の発射機構で構成されていればよい。
【0017】
そして、ゲーム盤4は上面が凹面鏡状に湾曲した遊戯面5を備えたもので、コマ玩具1の回転速度が速ければ回転しながら遊戯面5上を外周方向に向かって移動し、コマ玩具1の回転速度が遅ければ遊戯面5上を中央に向かって移動するようになっているもので、一点に留まらずに移動して他のコマ玩具に接触し、弾き飛ばされたコマ玩具がゲーム盤から飛び出すと勝敗が決定するようになっているものである。
【0018】
コマ玩具1は、図2に示すように、コマ本体10と、コマ本体10の底部を覆う下カバー11と、金属製の錘リング12と、対戦相手のコマ玩具を横から攻撃する第1の攻撃リング13と、対戦相手のコマ玩具を下から攻撃する第2の攻撃リング14と、錘リング12、第1の攻撃リング13及び第2の攻撃リング14をコマ本体10に固定するロックパーツ15とで構成され、コマ本体10は、図3に示すように、下ケース16と上ケース17との内部に、モータ18と、電源スイッチ19が配置されたスイッチ基板20と、受光部21が上面に配置された制御基板22とが収容され、下ケース16にはボタン電池23を収容する収容部16aが形成されている。
【0019】
そして、モータ18の回転軸には先端がフラットなコマ軸24が固定され、このコマ軸24は先端部が下ケース16を貫通し、下カバー11の底面から下方に突出している。なお、コマ玩具1に照射された赤外線が受光部21に到達するように、ロックパーツ15と上ケース17とは透光性を有する素材で形成されている。
【0020】
リモートコントローラ装置2は、図4(a)〜(c)に示すように、装置本体30の下半分が片手で握ることができるようにグリップ部31を構成し、グリップ部31にはバッテリー32が収容され、グリップ部31の上方には操作ボタン33が押し操作可能に配置されている。この操作ボタン33は、コマ玩具1のモータ18を右回転させるための第1の操作ボタン33aと、左回転させるための第2の操作ボタン33bとで構成され、装置本体30の先端部には赤外線発光ダイオード34が配置されている。
【0021】
このリモートコントローラ装置2は操作ボタン33を押し操作すると、押し操作している間はコマ玩具1のモータ18を回転させる制御信号が赤外線で赤外線発光ダイオード34から発信されるが、一方の操作ボタン33を押しながら他方の操作ボタン33を押し操作するとモータ18の回転を高くするように制御信号が変化するようになっている。
【0022】
そして、リモートコントローラ装置2にはコマ玩具1に初期回転を与える発射機構3が配置されている。この発射機構3は装置本体30の上部を左右に貫通して挿通孔35(35a、35b)が形成され、この2つの挿通孔35の何れかにラックベルト5を挿通させると、挿通したラックベルト5に図示しない歯車が噛合し、ラックベルト5の引き操作でこの歯車を回転させ、この歯車に連係して装置本体30の裏面に配置された回転板40を高速で回転させるようになっているもので、ラックベルト5が完全に装置本体30から引き抜かれると図示しないラチェットが歯車に噛み込んで回転板40の回転を瞬時に停止させるようになっている公知の発射機構で構成されていればよい。
【0023】
上記回転板40にはコマ玩具1を保持する2枚の保持板41が突出形成され、回転板40をラックベルト5で回転させることにより保持板41で保持したコマ玩具1を高速で回転させることができるようになっており、回転板40が急停止するとコマ玩具1は慣性で回転を続けるため保持板41から離脱し、独立して回転するようになっている。
【0024】
なお、発射機構3は、上記挿通孔35aに挿通したラックベルトを引き抜くと回転板40を右回転させ、挿通孔35bに挿通したラックベルトを引き抜くと回転板40を左回転させるようになっている。
【0025】
図5(a)(b)は、コマ玩具1とリモートコントローラ装置2との電気的構成の概略を説明するブロック図を示す。
【0026】
コマ玩具1は、リモートコントローラ装置2から発信される赤外線を受光する受光部21、受光した赤外線に基づいてモータ18を駆動するモータ駆動信号を作成しモータ18の回転を制御する制御回路50と、モータ駆動信号に基づいてモータ18を駆動するモータドライバー51と、モータ18と、バッテリー(ボタン電池)23とで構成されている。
【0027】
上記制御回路50は後述するリモートコントローラ装置2から送信される回転制御信号D1、D2に基づいて、モータ駆動信号MD1、MD2を作成し、モータ18をノーマル回転させるが、速度制御信号V1、V2を受信すると内蔵するモータ18をターボ回転させるとともにタイマー52をスタートさせ、所定時間経過するとターボ回転を終了しノーマル回転に戻すようになっている。
【0028】
リモートコントローラ装置2は、操作ボタン33a、33bを押し操作することによりそれぞれONする第1のスイッチSW1、第2のスイッチSW2と、このスイッチSW1、SW2に対応してコマ玩具1のモータ18の回転を遠隔制御する制御信号を作成する制御部60と、制御信号を赤外線に変換して発信する赤外線発光ダイオード34と、バッテリー32とで構成されている。
【0029】
上記制御部60は、第1のスイッチSW1でモータ18を右回転指令する回転制御信号D1を作成し、第2のスイッチSW2でモータ18を左回転指令する回転制御信号D2を作成し赤外線で発信するようになっている。この回転制御信号D1(D2)を受信したコマ玩具の制御部50はON/OFFを繰り返すパルス状信号(以下、これをノーマル信号という)で構成されたモータ駆動信号MD1(MD2)を作成し、モータ18を低速(ON/OFFが1:1であれば稼働率50%)で回転するように制御する。
そして、図6(b)に示すように、一方のスイッチSW1(SW2)をONさせている状態で他方のスイッチSW2(SW1)がONするように操作ボタン33を押し操作(以下、この操作をターボ操作という)すると制御部60は、回転制御信号D1(D2)を速度制御信号V1(V2)に切り換えて発信する。
【0030】
この速度制御信号V1(V2)を受信したコマ玩具の制御部50は回転制御信号D1(D2)で作成していたモータ駆動信号MD1(MD2)をパルス状のノーマル信号からON状態を持続させたターボ信号に変化させ、モータを低速で回転させるノーマル回転の状態からモータを連続回転(稼働率100%)で回転させるターボ回転に変換するようになっている。
【0031】
そして、制御部50は内蔵したタイマー53をスタートさせ所定時間(例えば、1秒)を経過すると、ターボ信号はノーマル信号に変化させ、ターボ回転からノーマル回転に戻し回転速度を高速から低速に戻すようになっている。
【0032】
なお、リモートコントローラ装置2の制御部60はターボ操作をした回数をカウントするカウンター61を備え、制御部60はカウンター61のカウント値が所定値(例えば、3)を超えてターボ操作をした時にはターボ操作は無視するようにプログラミングされ、やたらにターボ操作ができないようにしている。
【0033】
また、図5(b)において、符号SW3は、ラックベルト5をリモートコントローラ装置2に差し込んだとき、ラックベルト5に係合してONするように発射機構3に配置されたスイッチを示し、ラックベルト5を引き抜いてスイッチSW3がOFFしたときには制御部60はカウンター61をリセットし、リモートコントローラ装置2を初期化するようになっている。
【0034】
次に、上記遠隔制御コマ玩具Aの使用態様を、図7のフローチャート図に基づいて説明する。
【0035】
コマ玩具1とリモートコントローラ装置2の電源をONした後、ラックベルト5を装置本体30の挿通孔35に充分に差し込み、リモートコントローラ装置2にコマ玩具1をセットする。
【0036】
次に、コマ玩具1が遊戯台2の遊戯面5に対面するようにリモートコントローラ装置2を一方の手で保持し、他方の手で勢いよくラックベルト5を引き操作する。ラックベルト5の引き操作に連係して回転板40が高速で回転するので回転板40に設けられた保持板41で保持されたコマ玩具1は回転板40と一体で回転する。ラックベルト5が装置本体30の挿通孔35から完全に引き抜かれると回転板40は急停止するため、慣性で回転するコマ玩具1は保持板41から回転しながら離脱し、ゲーム盤5の遊戯面5上に落下し、遊戯面5上で継続して回転する。この時、スイッチSW3がOFFし、制御部60はカウンター61をリセットする(ステップST1)。
【0037】
そして、発射されたコマ玩具1はゲーム盤4の凹面鏡状に湾曲した遊戯面5上を回転しているが、コマ軸24の先端はフラットに形成されており、コマ玩具1はジャイロ効果で垂直に立っているので、コマ軸24の先端部の角が遊戯面5に接触することになり、コマ軸24の先端部周縁が小さな車輪のような機能を発揮し、コマ玩具1は回転しながら遊戯面5上を円弧を描くように移動(公転)する。この移動は回転数が高ければ大きな円弧を描いて移動することになる。
【0038】
この状態で、制御部60は操作ボタン33が押されるのを待つ(ステップST2)。操作ボタン33が押されると、ステップST3に進んで、第1の操作ボタン33a、第2の操作ボタン33bのどちらの操作ボタン33が押されたのかを判断する。
【0039】
第1の操作ボタン33aが押されれば、ステップST4に進んで、モータ18を右回転指令する回転制御信号D1を発信し、この回転制御信号D1を受信したコマ玩具1の制御部50は回転制御信号D1を受信中は回転制御信号D1のパターンと同じパターンのモータ駆動信号MD1を作成してモータ18を右回転させ、第2の操作ボタン33bが押されれば、ステップST5に進んで、モータ18を左回転指令する回転制御信号D2を発信し、この回転制御信号D2を受信したコマ玩具1の制御部50は回転制御信号D2の受信中は回転制御信号D2のパターンと同じパターンのモータ駆動信号MD2を作成してモータ18を左回転させる。
【0040】
なお、コマ玩具1の初期回転が右回転の場合にモータ11が右回転するとコマ軸24はモータの回転速度で右回転し、コマ玩具1全体の回転速度は増速するので、図8(a)に示すように、大きな径で反時計方向に公転移動して遊戯面5の外側に向かって移動するので、離れている対戦相手のコマ玩具1´を攻撃できるようになる。一方、コマ玩具1の初期回転が右回転の場合に、モータ11が左回転するとコマ軸24は左回転するので、図8(b)に示すように、コマ玩具1は時計方向に公転移動させ、対戦相手のコマ玩具1´を逆方向から攻撃できるようになり、コマ玩具1の初期回転と同じ方向にモータ18を回転させた場合はコマ玩具1は大きい径で公転移動するようになり、コマ玩具1の初期回転と異なる方向にモータ18を回転させた場合はコマ玩具1は公転の方向を変えて遊戯盤5上を移動させることができ、対戦相手のコマ玩具1´の攻撃をどのような方向から攻撃するかを制御することができる。
【0041】
そして、制御部60は操作ボタン33が押されている間(モータが回転している間)に、ターボ操作が行なわれたか否かを判断し(ステップST6)、ターボ操作がされない場合は、ステップST12に進んで操作ボタン33がOFFになったか否かを判断し、ターボ操作がなされないまま操作ボタン33をOFFした場合はステップST13に進んで、制御信号の発信を終了して、コマ玩具1のモータ18の駆動を終了し、ステップST2に戻って、再び操作ボタン33が押されるのを待つ。
【0042】
回転制御信号D1(又はD2)を発信中に、ターボ操作がなされた場合は、カウンター61をカウントアップし(ステップST7)、ステップST8に進んで、ターボ操作の回数が規定数を超えているか否かを判断する。規定回数(本発明では3回に設定)を超えている場合は、ターボ操作は無効と判断し、ステップST12に進んで操作ボタン33がOFFしたか否かを判断し、OFFしていなければステップST6に戻り、操作ボタン33がOFFするまで回転制御信号D1(又はD2)の送信を続ける。
【0043】
ステップST8で、ターボ操作の回数が規定回数を超えていなければ、ステップST9に進んで、制御部60は回転制御信号M1(又はM2)を速度制御信号V1(又はV2)に変えて発信する。速度制御信号を受信したコマ玩具1は、モータ駆動信号ノーマル信号からターボ信号に変更するが、初期回転と同じ方向のモータ18の回転であれば、ノーマル信号よりもさらに高速でモータが回転するので、コマ玩具1全体の回転速度は増速し、さらに速く大きな径で公転移動するようになり、遊戯面5の外側に向かって移動するようになり、初期回転と異なる方向のモータの回転であれば、コマ玩具1はノーマル信号のときよりも大きな径で公転の方向を変化させることになる。
【0044】
ターボ信号に変更した後、ステップST10に進んで、ターボ操作が終了したか否かを判断し、ターボ操作が終了したらステップSTドライバ11に進んで、速度制御信号V1(又はV2)を回転制御信号M1(又はM2)に戻してステップST12に進み操作ボタン33がOFFになったか否かを判断し、OFFしていなければステップST6に戻り、再度ターボ操作をしたか否かを判断し、ターボ操作が行なわれなければそのまま回転制御信号M1(又はM2)の発信を続け、ターボ操作が行なわれれば、ステップST7に進みカウンターをカウントアップし、ステップST8でターボ操作の回数が規定回数を超えていなければ、ステップST9に進んで、制御部60は回転制御信号M1(又はM2)を速度制御信号V1(又はV2)に変えて発信し、規定回数を超えていれば、ステップST12に進んで、操作ボタンがOFFしたか否かを判断し、OFFするまで回転制御信号を発信することになる(図6(b)参照)。
【0045】
なお、図6(b)では、一方の操作ボタンを押し操作している間(スイッチSW1又はSW2がONしている間)に、他方の操作ボタンを押し操作してスイッチSW2又はSW2をオンさせるターボ操作を1回しか行なっていないが、一方の操作ボタンを押し操作している間に、他方の操作ボタン複数回押して回転制御信号を速度制御信号に変えてターボ回転させることは、フローチャート図からも明らかである。
【0046】
上述のようにゲーム盤4の遊戯面5上で回転するコマ玩具1に設けたモータ18の回転を制御することにより、遊戯面5を公転しながら移動するコマ玩具1を遊戯面5の外方に向かって移動させたり、中心に向かって移動させたり、公転方向を逆転させたりしてコマ玩具1の動作態様を自由に変化させることができるが、モータ18を高速で回転させる制御信号(ターボ信号)が発信から一定時間を経過するとノーマルな回転の制御信号(ノーマル信号)に戻ってしまうので、高速で回転させるタイミングを図らなければならないし、高速で回転させる回数をカウントし、カウントした結果が所定回数を超えてしまうといくら操作をしても高速で回転させることができなくなるので、むやみに回転を上げることはできず、失敗したら再度実行すればよいなどという安易な考えでゲームを進行させることができなくなるので、精神を集中して緊迫したゲームを楽しむことができる。
【0047】
なお、上述のリモートコントローラ装置では一方の操作ボタンを押し操作しているときに、他方の操作ボタンが押されたことによりプレイヤーはモータを高速で回転させるためにターボ操作をしたと制御部に判断させているが、一方のボタンを短時間に2度押しすることにより、制御部はプレイヤーがターボ操作をしたと判断するようにしても構わないし、右回転用のターボボタン、左回転用のターボボタンを設けても構わない。
【符号の説明】
【0048】
1 コマ玩具
2 リモートコントローラ装置
3 発射機構
4 ゲーム盤
18 モータ
33 操作部
24 コマ軸
60 制御部
A 遠隔制御コマ玩具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コマ玩具と、該コマ玩具の動作態様を遠隔操作で変化させるリモートコントローラ装置との組合せからなる、以下の要件を備えることを特徴とする遠隔制御コマ玩具。
(イ)上記コマ玩具にはモータが配置され、該モータは上記リモートコントローラ装置から発信される制御信号で回転方向と回転速度とが制御されること
(ロ)上記コマ玩具のコマ軸は上記モータに連動して回転すること
(ハ)上記リモートコントローラ装置は複数の操作部を備え、該操作部の操作に基づいて上記制御信号を発信すること
(ハ)上記制御信号は上記モータの回転方向を制御する回転制御信号と、モータの回転速度を制御する速度制御信号とで構成されていること
(ニ)上記速度制御信号によるモータの制御時間は一定時間に制限されていること
【請求項2】
前記リモートコントローラ装置は前記速度制御信号の発信状況を監視し、監視結果に基づいて該速度制御信号を発信するか否かを判断する、請求項1記載の遠隔制御コマ玩具。
【請求項3】
前記リモートコントローラ装置には前記コマ玩具に回転を付与して発射する発射機構を設けた、請求項1又は2記載の遠隔制御コマ玩具。
【請求項4】
前記リモートコントローラ装置は前記発射装置の操作時に前記速度制御信号の監視結果を初期化する、請求項3記載の遠隔制御コマ玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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