遠隔操作玩具用のシューティング・ゲームにおいて対象を認識するための方法
本発明は、搭載型ビデオ・カメラ(25)を備える第1の遠隔操作ビークル(51)と、第2の遠隔操作ビークル(53)と、第1のビークル(51)を遠隔操作するために使用される電子動画ディスプレイ・ユニットとを備えるシューティングビデオ・ゲーム・システムのための対象認識方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオ・ゲーム・システム用の対象を認識する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなシステムは、WO01/95988A1の文献より知られている。この文献は、搭載型ビデオ・カメラを備えた2つの遠隔誘導ビークルを伴うビデオ・ハンター・ゲームを説明している。2つの遠隔誘導ビークルの内の一方が捕獲者であり、他方が被捕獲者である。捕獲者ビークルのビデオ・カメラからの動画が、制御ユニットに送信されて、そこにおいて表示される。捕獲者ビークルによって配信された動画は、敵のビークルの像を検出するためにスキャンされる。敵のビークルがこの動画中に検出された場合には、この動画内の敵のビークルは、バーチャル・ゲームのキャラクターに置換される。したがって、捕獲者ビークルを操縦するために制御ユニットを使用しているプレーヤーは、動画上に、敵のビークルの像ではなく、プレーヤーがビークルで追っているゲーム・キャラクターのバーチャル像を見ることとなる。
【0003】
しかし、WO01/95988A1の文献に開示される対象認識方法は、シューティング・ゲームには適用不可能である。したがって、本発明の目的は、ビデオ・シューティング・ゲーム用の対象認識方法を提案することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO01/95988A1
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この目的は、ビデオ・シューティング・ゲーム・システムのための対象認識方法によって達成され、このシステムは、
搭載型ビデオ・カメラを備える第1の遠隔操作ビークルと、
第2の遠隔操作ビークルと、
第1のビークルを遠隔操作する役割を果たす、電子動画ディスプレイ要素と
を備え、この方法は、以下のステップ、すなわち、
搭載型カメラによって配信された画像を電子要素の動画ディスプレイ上に表示させるステップと、
動画内で移動可能なバーチャル十字線を表示させるステップと、
バーチャル射撃を発射するためのコマンドが電子要素に入力されたことを検出するステップと、
動画内のバーチャル十字線の位置Aを取得するステップと、
動画内で第2の遠隔操作ビークルを認識するステップと、
認識に失敗した場合に、バーチャル射撃を無効化するステップ、または
認識に成功した場合に、
a)動画内で第2のビークルの位置Bを取得するステップ、
b)位置Aを位置Bと比較するステップ、
c)AとBとが同一である場合に、バーチャル射撃を有効化するステップ、もしくは
d)AとBとが異なる場合に、バーチャル射撃を無効化するステップ
とを含むことを特徴とする。
【0006】
好ましくは、このシステムの電子要素は、動画画面を有する可搬式コンソールである。
【0007】
本発明の方法を用いることにより、ビデオ・シューティング・ゲームに複数の現実の遠隔操作玩具を提供することが可能となる。各参加者は、遠隔操作ビークルを操縦し、実環境または現実状況を利用することが可能であり、その中で遠隔操作ビークルは動く。
【0008】
とりわけ、プレーヤーは、他のプレーヤーによって発射された射撃から自身の遠隔操作ビークルを護ろうと試みるために、現実の障害物を利用することができる。本発明においては、ビークルによって発射される射撃は、架空のものにすぎず、これらは、ゲーム・システムによってシミュレートされる。したがって、本発明は、完全にバーチャルな従来のビデオ・シューティング・ゲームと、完全に現実のものである従来の遠隔操作ビークル・ゲームとの態様の新規の組合せを提供する。
【0009】
本発明により、遠隔操作ビークルを操縦するプレーヤーは、現実状況の要素を、ゲームの要素として利用することが可能となる。
【0010】
好ましくは、第2のビークルは、第2のビークルの上に配置された識別要素、すなわち発光ダイオード(LED)を認識することによって認識される。
【0011】
好ましい用例においては、LEDは、ある特定の形状からなる形態に配置される。また、LEDは、第2のビークルの認識をより容易なものにするために、ある予め定められた頻度で点滅してよい、ある特定の色彩を有してよい、および/または経時的に変化する色彩を有してよい。
【0012】
また、LEDの認識は、LEDの合計明度を計測し、それにより、計測された明度値に応じて、視認可能な第2のビークルの割合を推定することを含んでよい。
【0013】
このようにして明度を計測することにより、遠隔操作ビークルが、現実状況の障害物によって部分的に隠されているか否かを推定することが可能となる。さらに、このようなビークルの部分的な認識は、架空射撃が有効化されるべきか否かに関する決定に影響を与えることが可能である。とりわけ、架空射撃によって生じた架空ダメージ量は、第2のビークルの検出された割合の規模に応じたものであってよい。
【0014】
また、好ましくは、本発明の方法は、標的ビークルおよび/または射撃者ビークルの上の、速度センサ、および/または加速度センサ、および/または位置センサを使用する。これらのセンサにより、2つのビークルは、リアルタイムでそれら自体の3次元座標を決定することが可能となる。さらに、これらの座標は、無線手段によって送信されてよい。
【0015】
好ましくは、本発明の方法は、
第1のビークルの動きの計測、および/または
動画内での第2のビークルの以前の動き
にもとづいて、動画内での第2のビークルの動きを予測するステップをさらに含む。
【0016】
上述の2つの特徴、すなわち、ビークルに搭載されたセンサの使用および動画内の第2のビークルの動きの予測は、共に組み合わされてよい。ソフトウェアが、位置情報を組み合わせて、2つのビークルのそれぞれに搭載された慣性ユニットが被り得るドリフトによる影響を受けない関連情報を取得する。
【0017】
本発明の好ましいバージョンにおいては、ビークルは、それらの位置の良好な推定を得る。敵のビークルが推定位置から突然に姿を消す場合には、これは、敵のビークルが現実の障害物の背後に隠されている可能性が非常に高いことを示す。
【0018】
バーチャル・シューティング・ゲームが現実の障害物を考慮するという特徴は、本発明の好ましい態様である。
【0019】
以下、添付の図面を参照として、本発明の実装形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1a】本発明による、架空事象をシミュレートするための第1のシステムの作動を示す図である。
【図1b】例えば障害物など、架空対象を追加することを可能にする第2のシステムの図である。
【図1c】ゲーム・コンソールのディスプレイ上にゲームによって追加された架空要素を示す図である。
【図1d】搭載型自動操縦装置を備える、本発明の第3のシステムを示す図である。
【図2a】自動操縦装置に関連付けされる、本発明の第2のシミュレーション・システムの作動を示す図である。
【図2b】完成型のシステム、すなわち、非常に完成度の高いゲームにおいて相互作用する架空事象、架空対象および自動操縦装置を示す図である。
【図3】2つの遠隔操作ビークルと、それらに関連付けされる遠隔制御装置との図である。
【図4a】本発明の第1のシューティング・ゲームの動画ディスプレイを示す図である。
【図4b】本発明の第1のシューティング・ゲームの動画ディスプレイを示す図である。
【図5】本発明の第2のシューティング・ゲームの実環境を示す図である。
【図6a】本発明の第2のシューティング・ゲームより得られた種々のそれぞれ異なる動画の1つを示す図である。
【図6b】本発明の第2のシューティング・ゲームより得られた種々のそれぞれ異なる動画の1つを示す図である。
【図6c】本発明の第2のシューティング・ゲームより得られた種々のそれぞれ異なる動画の1つを示す図である。
【図7a】プレーヤーが架空射撃を発射している場合の、第2のシューティング・ゲームの動画を示す図である。
【図7b】プレーヤーが架空射撃を発射している場合の、第2のシューティング・ゲームの動画を示す図である。
【図8】シューティング・ゲームの最中に発射された架空射撃を有効化または無効化するための対象認識方法の流れ図である。
【図9】標的が現実の障害物によって隠される場合に放物線形射撃を有効化または無効化するための流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1aは、「開ループ」ビデオ・ゲームのコンセプトである、本発明のコンセプトを図示する。
【0022】
シミュレータ1が、無線操作玩具3の作動を管理する。
【0023】
ビデオ・ゲームのシミュレータ1は、玩具3を操縦するための、プレーヤー7からの指示5を、修正する。玩具3は、シミュレータ1から操縦命令9を受信する。これらの命令9は、操縦指示5を考慮しつつ、シミュレータ1によって生成される。玩具3は、受信された命令9だけではなく、ゲームの外部に存在する現実事象にも左右される。
【0024】
玩具3上に配置されたセンサ13が、玩具3の環境に関する情報を、ビデオ・ゲームのディスプレイ手段15に送信する。センサ13からもたらされる情報により、このビデオ・ゲーム・システムは、その実環境内における玩具3の状況の変化を推定することが可能となる。ディスプレイ手段15は、センサ13からの情報を使用して、プレーヤー7により操作される制御ユニット23の画面21上にディスプレイを生成する。
【0025】
とりわけ、センサ13は、遠隔操作玩具3の上に搭載されたビデオ・カメラ25を備える。このビデオ・カメラ25は、動画を配信し、この動画は、プレーヤー7が使用する画面21上に、ディスプレイ手段によって表示される。したがって、ビデオ・カメラ25により、プレーヤー7は、遠隔操作ビークル3により「知覚」された眺めを取得する。
【0026】
また、玩具は、他の追加のセンサを備えてよい。これらは、加速度計などの非常に単純なセンサ、または例えば慣性ユニットなどの極めて高性能なセンサであってよい。センサ13を用いることによって、ビデオ・ゲームはディスプレイを構築する。例えば、ジャイロおよび/または加速度計ならびにディスプレイ・ソフトウェアを用いて、ビデオ・ゲームは、遠隔操作ビークルが遠隔誘導航空機である場合には、人工水平儀を再構築することが可能である。
【0027】
次に、シミュレータ1の役割および動作を詳細に説明する。シミュレータ1は、プレーヤー7と無線操作玩具3との間に位置する。シミュレータ1は、プレーヤー7から操縦指示5を受信する。これらの操縦コマンドまたはアクション5は、例えばある方向に玩具3を向けるためになど、推進要素(玩具3のエンジンなど)および/または誘導要素(玩具3の操縦翼面など)に対してプレーヤー7が行おうと試みる変更を表す。
【0028】
これらの操縦アクション5は、遠隔操作玩具に対して、そのまま直接的に送信されない。玩具3は、シミュレータ1により、プレーヤー7による操縦から切り離される。シミュレータ1が、命令9を玩具3に送信することにより、玩具3を直接制御する。これらの命令9は、指示5を考慮しつつ、シミュレータ1によって生成される。
【0029】
特に有利な態様は、シミュレータ1が、指示5にもとづいてのみならず、とりわけ、シミュレータ1により自動的に生成される「操作特徴」にもとづいて、命令9を生成するものである。これらの操作特徴は、プレーヤー7により選択されたビデオ・ゲームに応じて生成される。選択されたビデオ・ゲームにもとづき、シミュレータ1は、現実世界には存在せず、玩具3に対して影響を与える新規の事象をシミュレートする。これらの架空事象は、操作特徴に「変換」され、この操作特徴が、玩具3に送信される命令9を修正し、それにより玩具3の挙動が、修正される。
【0030】
例えば、シミュレータ1は、玩具3のエンジンの故障をシミュレートすることができる。玩具3が、航空機である場合には、シミュレータ1は、操作特徴を生成することにより、航空機を擬似的に「より重く」することができ、これは、航空機3がコマンド5に対して通常よりも遅く応答しているという印象をプレーヤー7に与える。また、シミュレータ1は、航空機3が嵐の中を飛行しているなどといった、完全に架空のシナリオを作成することができる。この例においては、シミュレータ1は、あたかも突風を受けているかのように遠隔操作航空機3を振動させる効果を有する命令9を生じさせる操作特徴を生成する。
【0031】
したがって、シミュレータ1は、複雑な態様でおよびリアルタイムに玩具3の操縦に作用して、非常に豊かなゲーム体験をプレーヤー7にもたらす。これは、エラーまたは危険といった事象においてアクションを起こすためにプレーヤーの操縦をモニタリングする問題のみに止まらない。シミュレータ1は、より多様なおよびより面白い挙動を玩具3にとらせるために、玩具3の操縦に対して有効かつ計算された影響を与えている。
【0032】
現実の遠隔操作ビークルを伴わない、もっぱらコンピュータ上のみで行われる従来のビデオ・ゲームとの大きな違いは、状況の変更が、シミュレーションのみによって行われるのではなく、開ループの変化にも左右され、この状況の変更が、センサによって計測されるという点である。
【0033】
図1bは、本発明のシステムのさらに完成度の高いバージョンである。ゲームのシナリオをさらに富んだものにするために、シミュレータは、組み合わされた事象に加えて、指示に架空要素を追加する。これらの架空要素は、例えば障害物であってよく、または、より面白いものとしては、例えばバーチャルな敵などの、挙動を呈するバーチャル対象であってよい。また、架空要素は、照準器とバーチャル発射体を発射するバーチャル武器とを有する武器システムなど、無線操作玩具自体のバーチャル要素であってもよい。
【0034】
このような環境下において、2つの追加フィードバック・ループが、このシステムに追加される。第1のループにおいては、玩具のセンサからの情報が、シミュレータにより使用されて、例えばバーチャルな敵からの射撃がこの玩具に命中したか否かを決定するためになど、無線操作玩具の位置を推定する。
【0035】
第2のフィードバック・ループは、シミュレータとディスプレイ・ソフトウェアとの間の範囲に定められる。ディスプレイ・ソフトウェアは、バーチャル対象の動きに関する情報を受け、それにより複合ディスプレイを生成することが可能である。例えば、ディスプレイ・ソフトウェアは、バーチャル要素を、すなわち、障害物、バーチャルな敵、さらには図4aの要素43などのシューティング・システムの要素を、動画に対して追加する。
【0036】
図1cは、拡張現実の一例を示す。バーチャル要素、すなわち敵、発射体および着地区域が、追加される。この画像は、現実世界と架空対照との複合物である。
【0037】
図1dは、搭載型自動操縦装置がある場合のループを示す。フィードバック・ループが、無線無人機(drone)自体内で行われる。ディスプレイ・ループ用に使用されるものと同一のセンサが、使用される。
【0038】
図2aは、本発明のシステムのさらに完成度の高いバージョンを示す。
【0039】
このシステムには、自動操縦装置27が追加されている。これは、航空機3の動作をサーボ制御する役割を果たす。自動操縦装置27により、航空機3の挙動は、より安定的かつ予測可能なものとなることが可能である。したがって、ビデオ・ゲーム29と玩具3との間の相互作用源は、さらに多数となる。自動操縦装置27を備えるシステムにおいては、玩具3は、プレーヤー7による操縦を必要とせずに現実状況内において自律的に動く能力を有するため、無線無人機であると言うことができる。
【0040】
自動操縦装置27は、コマンド・エンベロープを有する。ビークル3が、戦車である場合には、例えばエンベロープは、その最大速度、最大加速度、回転速度、等々を規定することができる。
【0041】
ビークル3が、クアドリコプターである場合には、自動操縦装置27のコマンド・エンベロープは、その最大上昇速度、その最大角速度、およびホバリング飛行と前進飛行との間の主要な遷移の運行を規定することができる。
【0042】
したがって、自動操縦装置27のコマンド・エンベロープは、ビークル3が行い得る動きに対する制約を規定するデータ・セットである。したがって、自動操縦装置27のコマンド・エンベロープは、ビークル3の能力を限定する。
【0043】
自動操縦装置のエンベロープを操作することにより、ビデオ・ゲームは、複数の物理的規模をシミュレートすることが可能となる。例えば、エンベロープのデータを変更することにより、ビークルの加速度を制限することによるより大きな慣性量のシミュレーションよって、より重いビークルをシミュレートすることが可能である。このようなエンベロープは、ビークル3のエンジンに対して比較的小さな力を割り当てる効果を有する。これは、シミュレータ1の制御下にある。
【0044】
したがって、シミュレータ1は、多様な架空のシナリオを作成することが可能である。例えば、ゲーム・シーケンスの開始時に、シミュレータ1は、燃料を満載しているために比較的重くなっているビークル3をシミュレートしてよい。ゲームが進行するにつれて、シミュレータ1は、ビークル3の重量が軽くなってゆくのをシミュレートする。あるいは、シミュレータ1は、ビークル3によって輸送されている架空装備の荷卸しの任務をシミュレートしてよい。再度、シミュレータ1は、架空装備が荷卸しされる際に、ゲーム中にビークル3の重量が変化する印象をプレーヤー7に与えるような命令9を生じさせる操作特徴を生成する。この例におけるシミュレータと操縦者との間での命令は、無線無人機のバーチャル重量を変更する役割を果たす。この例においては、ゲームの開始時に、操作特徴は、比較的低い最大速度および最大加速度を玩具3に与えることができる。したがって、プレーヤー7は、操縦コマンド5が高速進行を命じても、玩具3を高速で進ませることができなくなる。ゲームが進行するにつれて、操作特徴は変化し、それにより、玩具3が達成することの可能な速度限界および加速度限界が漸増的に上昇する。したがって、ゲームの後期には、プレーヤーは、玩具3について比較的高速に達することが可能である。このようにして、プレーヤーは、玩具の軽量化がもっぱらシミュレーションのみによって実現されるとしても、時間の進行とともにますます軽くなる玩具を操縦しているという印象をあたかも事実であるかのように持つ。
【0045】
理論的には、自動操縦装置の制御は、「遠隔自動操縦装置」モードにおいてはシミュレータによって直接実施され得る。これは、自動操縦装置を玩具3に搭載させたシステム設計に関しては、はるかにより効率的なものとなる。自動操縦装置27の制御により、情報量およびリアルタイムにおけるその決定的性質は低減される。シミュレータは、例えば架空ダメージ、ビークルの重量変化、または、ビデオ・ゲームから得られるバーチャル事象の結果として緊急着陸を実行するための指示など、より高レベルの命令を自動操縦装置に送信する。
【0046】
シミュレータ1は、特にプレーヤー7からの指示5と同一の階層の新規事象をこの指示5に重畳することにより、プレーヤー7からの指示5をある程度まで修正することができる。この重畳は、加算、減算、除算、乗算、限度設定、等々であってよい。重畳は、算術演算および/または論理演算の任意の組合せを用いて実施されてよい。
【0047】
例えば、プレーヤー7から与えられたコマンド信号5に対して、シミュレータ1により生成された信号を加算することによる、または、プレーヤー7から与えられたコマンド信号5から、シミュレータ1により生成された信号を減算することによるこのような重畳は、ビークル3の操縦にバイアスをかけるように試みる事象をシミュレートすることにとって非常に有効である。
【0048】
例えば、ビークル3が戦車である場合には、重畳により、敵により命中された戦車をシミュレートすることが可能になる。この命中は、非致命的ではあるが、戦車にダメージを与えるものとしてシミュレートされる。したがって、シミュレータ1は、プレーヤーのアクション5に対して、戦車がゆっくりと回転するような傾向付けをシミュレートする信号を重畳する。次いで、プレーヤー7は、この重畳されたバイアスを補正するように、戦車の操縦進路を合わせることが必要となる。このような状況下においては、プレーヤー7は、シミュレータ1により生成されたバイアスを補正するように、戦車に対して逆方向コマンドを与えることが必要となる。
【0049】
クアドリコプターの形態の玩具3では、操縦は、ドリフト・コンポーネントの追加による風のシミュレーションにより、さらにより複雑なものとすることが可能である。例えば突風のシミュレーションなど、さらにより複雑な態様でのシミュレーションが可能である。そして、プレーヤーは、次から次へと続くこれらの事象を補正することが必要となる。
【0050】
別の相互作用モードにおいては、ビデオ・ゲームが、一時的にまたは永続的に、玩具3を完全に制御する。例えば、ビークル3が戦車である場合には、命中されたことのシミュレーションが可能である。次いで、シミュレータ1が、排他的制御を行い、このビークルをスピンさせ振動させる。その後、制御がプレーヤーに返される。
【0051】
別の例としては、ビークルが致命的な命中を受け、これは、ビークルがその最期にがっくりと傾ぎ、その後完全に停止するような態様でシミュレートされる。そして、ゲームが終了する。
【0052】
図2bは、完成型のシミュレーション・システムを図示し、フィードバック・ループが、3つの異なるレベルで組み合わされて、完成度の高い拡張現実ゲームを生成する。
【0053】
第1のデバイスは、例えば架空事象を追加するために、プレーヤーからの「指示」を命令に変換するデバイスである。
【0054】
第1のフィードバック・ループは、バーチャル対象がシミュレータによってシステムに追加されるループである。次いで、ディスプレイ・ソフトウェアが、センサからの計測値と、シミュレータからの情報とを組み合わせて、現実の画像およびバーチャル対象を含む複合ディスプレイを生成する。
【0055】
第2のフィードバック・ループでは、シミュレータが、無線操作玩具のセンサからの計測値を使用する。これらの計測値により、例えば、玩具がバーチャル障害物に衝突しているか否かを検証するために、または、無線操作玩具の追跡を試みているバーチャルな敵を知らせるために、シミュレータがバーチャル対象をシミュレートすることが可能となる。
【0056】
第3のループは、自動操縦装置のループであり、これは、例えばビークルをバーチャル上でさらに重くして、異なって見えるようにするために、シミュレータからの高レベル命令にビークルの挙動エンベロープをマッチングさせる役割を果たす。
【0057】
図3は、第1の遠隔操作ビークル31および第2の遠隔操作ビークル33と、それらに関連付けされた遠隔制御装置35および37との形態の、図1または図2のシステムの実装形態を示す。遠隔操作ビークル31および33は、戦車の形態の玩具である。遠隔制御装置35および37は、動画ディスプレイ39および制御ボタン41を備える可搬式コンソールの形態である。戦車31および33はそれぞれ、搭載型ビデオ・カメラを有する。搭載型カメラにより配信された動画は、対応する可搬式コンソール35、37に送信され、その画面39上に表示される。ユーザが、対応するゲーム・コンソール35、37上の制御装置41の補助により戦車31、33の一方を操作する。好ましくは、ゲーム・コンソールと戦車との間の通信、および戦車同士の通信は、Bluetooth(登録商標)またはWiFi(登録商標)プロトコルを利用して行われる。
【0058】
2人のプレーヤーが、戦車31および33、ならびにコンソール35および37を使用して、シューティング・ゲームに参加することが可能であり、その図が図4aおよび図4bに示される。
【0059】
プレーヤーは、それぞれゲーム・コンソール35、37およびビデオ玩具31、33を介して、対戦プレーを行う。このゲームは、主に、戦車31、33を動かすこと、戦車の回転砲塔および火砲の動作を命じること、ゲーム・コンソール35、37の画面39上でバーチャル十字線43を移動させること、敵の像45の上にバーチャル十字線43を重畳させること、および敵にバーチャル射撃を発射することに、その本質がある。
【0060】
これらの種々のステップは、図4aおよび図4bに示される。図4aは、一方の戦車の上の2つのビデオ・カメラの内の一方により配信された動画の一例である。動画47は、戦車から送信され、ゲーム・コンソールの画面39上にて、戦車の操縦者に示される。バーチャル照準器のバーチャル十字線43、および戦車の火砲の仰角を示すバーチャル・スケール49など、種々のバーチャル要素が、動画上に差し込まれる。
【0061】
コンソール上の制御装置41により、プレーヤーは、図4bに図示されるように、動画47上のバーチャル十字線43が、敵の像45の上に重畳されるまで、この十字線43を移動させる。このようにしてプレーヤーが敵に照準を定めると、射撃を発するのに十分となる。次いで、ビデオ・ゲームは、架空砲弾の経路、とりわけ速度、放物線形弾道、その衝突角度をシミュレートするが、これらのパラメータは全てビデオ・ゲームによって推定される。また、敵の戦車に対するダメージをシミュレートすることが可能である。このような状況下においては、ダメージの度合いを表す情報が、敵の戦車に(または敵のゲーム・コンソールに)転送される。この情報は、敵の戦車のダメージをシミュレートするために使用される。これにより、戦車を動かす能力が、シミュレータ1によって擬似的に修正される(図1および図2を参照)。この命中が致命的なものでないと見なされる場合には、ビデオ・ゲーム・システムは、戦車の速度を擬似的に制限する、または、戦車の回転砲塔が一方向のみにしか回転できないように、操縦コマンドに対する戦車の応答を修正する。命中が、致命的なものと見なされる場合には、システムにより戦車の動きは止められ、ゲームが終了する。
【0062】
図5から図7は、本発明のシューティング・ゲームの第2の変形形態を図示する。
【0063】
この変形形態においては、ゲームは、2つの遠隔操作戦車間では行われず、搭載型ビデオ・カメラ25を有する非航空機ビークル51の形態の玩具と、クアドリコプター53の形態の玩具との間で行われる。図5は、例えば障害物としての現実の木57を含む、実環境55の全体図を示す。ビークル51およびクアドリコプター53は、操縦命令に応じて、現実状況内で動く。1人のプレーヤーが、非航空機ビークル51を操縦し、もう1人のプレーヤーが、クアドリコプター53を操縦する。このゲームのコンテクストにおいては、非航空機ビークル51の操縦者は、バーチャル上で、他方のプレーヤーによって制御されるクアドリコプター53を打ち落とそうと試みる。
【0064】
図6aから図6cは、ビークル51に搭載されたビデオ・カメラ25によりビークル51の操縦者に配信される視点を図示する。図6aから図6cは、図5とは異なる現実状況を示す。ここにおいては、実環境は、2つの家および複数の木を有する。図6aの第1の動画においては、はっきりとクアドリコプター53を見ることが可能である。図6aの画像に続く、図6bの第2の動画においては、クアドリコプター53は、移動しており、草木により部分的に隠されている。図6bの画像に続く、図6cの第3の動画においては、クアドリコプターは、逆方向に戻っており、一方の家の背後に隠れる最中にある。
【0065】
本発明のゲーム・システムは、図6aから図6cに図示されるように、クアドリコプター53が動画内で視認可能である、部分的に視認可能である、または隠れている、のいずれかであるかを推定することが可能である。この認識手順が、図8の流れ図によって詳細に示される。
【0066】
画像内の対象のこのような認識により、ゲーム・システムは、クアドリコプター53が動画内で視認可能であるものとして認識される(および適切に照準を定められる)場合には、クアドリコプター53への架空射撃を有効化することが可能となる。クアドリコプター53が、隠れているものとして認識される場合には、クアドリコプター53の方向への射撃は、無効化される。
【0067】
このようにして、ビデオ・ゲームのプレーヤーは、ゲームの要素として、現実状況内の要素を利用することが可能である。
【0068】
図7aおよび図7bは、図5の非航空機ビークル51に搭載されたカメラ25によって配信された2つの動画を示す。特に、図7aおよび図7bは、動画内のクアドリコプター53を認識するための手順を示し、架空射撃を発射するために位置決めされるバーチャル十字線43を示す。ビークル51の操縦者は、動画上で、ビークル51の武器を表すバーチャル十字線43を動かして、敵すなわちクアドリコプター53に照準を定める。プレーヤーは、図7bに図示されるように、クアドリコプター53の像の上にバーチャル十字線43を重畳させるまで、バーチャル十字線43を動かす。次いで、プレーヤーは、射撃を発射する。しかし、クアドリコプター53が、木57によって隠されているため、十字線が射撃者によって適切に位置決めされても、ゲームによってこの射撃は無効化されることとなる。
【0069】
図8は、ビデオ・ゲーム・システムにより利用される、対象認識および射撃有効化手順の詳細を示す。ステップ100において、射撃者のゲーム・コンソールの画面上に、ビデオ・カメラ25により配信された動画を表示させることによって、この手順が開始される。ステップ101においては、ビデオ・ゲーム・システムは、表示された動画内にバーチャル十字線43を差し込む。ここで、射撃者は、バーチャル十字線43を動かして、照準を定め、その後に射撃を発射することが可能となる。ステップ102において、射撃の発射が検出される。射撃が検出されるとすぐに、ステップ103において、システムは、動画上のバーチャル十字線43の瞬間位置Aを取得する。
【0070】
発射の際のバーチャル十字線の位置Aが認識されると、ステップ104において、画像認識ソフトウェアが、動画内の敵のビークル53の存在を認識するために、動画をスキャンする。
【0071】
敵は、様々な方法により画像内で認識されてよい。例えば、認識ソフトウェアは、既知の形状の敵のビークル53を発見しようと試みつつ、動画をスキャンするだけでもよい。しかし、認識を容易にするためには、敵のビークル53の表面上に認識要素を配置させることが好ましい。例として、これらは反射要素であってよい。
【0072】
本発明の好ましい実装形態においては、敵のビークル53は、その周囲全体に多数の点滅するLEDを有する。これらのLEDは、既知の構成配置になされ、既知の頻度で点滅し、既知の色彩のものである。したがって、認識ソフトウェアは、動画内で敵のビークル53をより容易に検出することが可能になる。
【0073】
また、認識を容易化するために、グリーンからレッド乃至オレンジへと変わる多色LEDの使用を予期することが可能である。また、LEDは、赤外線を発光してもよい。これにより、ゲーム・システム中にて肉眼で視認可能な要素はなくなる。
【0074】
画像認識ソフトウェアは、遠隔操作ビークル51内に配置されてもよく、または、例えばゲーム・コンソールなどの制御ユニット内に配置されてもよい。
【0075】
認識をさらに向上させるためには、認識ソフトウェアが、敵のビークル53の認識要素を追跡するためのアルゴリズムを有してよい。次々と続く画像ごとに、このアルゴリズムが、認識要素の動きを計測する。このために、認識ソフトウェアは、射撃者のビークル51の移動に依拠することが可能となり、したがって、認識ソフトウェアは、以前に観察された敵のビークル53の動きを追加することによりソフトウェアが敵のビークル53の位置を予期することが可能になることによって、画像内で敵のビークル53を発見できるはずである位置を予測することが可能となる。
【0076】
無線操作玩具同士の位置の認識をさらに向上させるためには、各無線操作玩具の上のセンサ13が使用される。この情報は、ビークルを操縦するために使用されるゲーム・コンソールだけではなく、他の全てのゲーム・コンソールに送信される。このようにして、シミュレータは、敵のビークルの推定位置を認識する。ビデオ認識手段は、画像内で敵のビークルを発見する役割を果たすのではなく、2つのビークル間に現実の障害物が存在するか否かを検証する。この原理は、ビデオ・ゲームのコンテクストにおいては非常に興味深いものである。これにより、現実の障害物を考慮に入れることが容易になる。このようにして、図7bに図示されるように、プレーヤーは、木の背後に隠れることができる。
【0077】
図8に戻ると、認識ステップ104が上述のように実施された後に、認識の結果に応じて手順が続く。
【0078】
認識できない場合には、ステップ105において、射撃が無効化される。逆に、認識ソフトウェアが、動画内に敵のビークル53を認識した場合には、次のステップ106で、動画内の敵のビークル53の瞬間位置Bを取得することとなる。その後、ステップ107において、射撃が発射された時に、敵のビークル53の位置Bがバーチャル十字線43の位置Aと比較される。これらの位置が同一である場合には、ステップ108において、射撃が有効化される、すなわち架空射撃がその標的に命中する。これらの位置が異なる場合には、ステップ109において、射撃が無効化される。
【0079】
対象認識をさらにより効果的なものとするためには、敵のビークル53もまた、その瞬間位置を射撃者のビークル51に送信してよい。
【0080】
上述のように、ビークルは、センサと、とりわけ慣性ユニットとを有する。ゲームの継続期間の間、ビークルは、それらの位置を送信する。ビークルがビデオ・カメラの視野内に入ると、無線により送信されたその位置が認識される。これは、検出アルゴリズムにより、初期位置として利用される。これにより、ビークルは、より容易により速く一所に集まることが可能になる。
【0081】
動画の動きの感知および予期のこの2つの方法を共に組み合わせることが可能である。ソフトウェアが、位置情報を利用して、慣性ユニットにおけるドリフトによる影響を被らない関連情報を取得する。
【0082】
したがって、本発明の好ましいバージョンにおいては、ビークルは、それらの位置の良好な推定値を生成する。検出アルゴリズムが、ビークルが推定位置から突然に姿を消したことを示す場合には、これは、2つのビークルの間に現実の障害物が存在する可能性が非常に高いことを示す。
【0083】
要約すると、画像を分析するためのソフトウェアおよび位置センサを使用することによって、ゲーム・システムは、画像内で敵のビークル53の位置を認識する。ゲーム・システムは、敵のビークル53が隠されている、または視界にいない、のいずれであるかを決定することが可能である。ゲーム・システムは、画像内で正確な位置でLEDを検出するまで待機し、そうでない場合には、ゲーム・システムは、何も検出せず、敵のビークル53が隠されていると結論付ける。
【0084】
また、射撃者が、隠れた敵のビークルを間接的に射撃するゲーム・ステージを想定することが可能である。しかし、架空射撃は、慣性ユニットにより認識された位置により、および、ゲームが、敵のビークルが背後に隠れている障害物の周辺に放物線形射撃を発射することを伴うと仮定することにより、有効化される。
【0085】
また、発射が間接的であり、射撃者が敵のビークルの正面に十字線の照準を定める、さらにより現実的なゲーム・ステージを想定することが可能である。次いで、シミュレーション・ソフトウェアが、逐次、バーチャル発射体の位置を規定する。認識および移動予測のためのソフトウェアが、バーチャル影響を及ぼす程度にまで敵の動きを追跡する。シミュレーション・ソフトウェアは、複雑な発射パラメータをシミュレートすることが可能である。例えば、砲弾の初期速度は、発射時には非常に速く、急速に減速してもよい。また、ソフトウェアは、標的の付近での発射体の爆発、または誘導ミサイル、または自動追尾ミサイルなど、軍需品の複雑な挙動をシミュレートすることが可能である。このタイプの発射体のシミュレーションによって、ゲームはさらにより面白いものとなり、敵は、発射される敵対発射体を見ることができ、さらに、これを避けるために非常に迅速に機動することができる。また、これにより、発射体の弾道が発射した航空機の軌道に左右され、衝突箇所の位置が射撃の発射数秒後の敵の航空機の位置に左右されるような、戦闘機同士のシューティング・ゲームなど、非常に複雑な状況をシミュレートすることが可能になる。
【0086】
図9は、間接シューティングに関する流れ図である。位置Cは、発射体シミュレータによって算定されたバーチャル位置である。このアルゴリズムの目的は、バーチャル発射体の位置が、位置Bの敵のビークルの位置と同一であるか否かを検証することである。位置Aは、十字線の位置であり、発射体が発射される初期条件を規定する役割を果たすのみである。発射体の位置Cは、経時的に変わり、シミュレーションの継続期間は、ソフトウェアによって制限される。
【0087】
最後に、対象を認識するための手順が、部分的な認識を進めてもよい、すなわち、この手順が、対象が部分的に隠されているか否かを推定してもよい。この部分的認識は、画像ごとのLEDの明度の変化を計測することによって実施されてよい。この部分的認識を有効なものとするために、当該の遠隔操作ビークルの表面上に多数のLEDを配置することが好ましい。例として、システムは、明度が半減した場合には、半数のLEDが隠され、これは敵のビークルが半分隠されていることを意味するものと仮定してよい。
【0088】
当然ながら、本明細書において説明されたビデオ・ゲームが、2つのみの遠隔操作ビークルを伴うとしても、本発明は、それらの内の1つまたは2つのみを有するゲームに限定されない。説明されたゲームは、3人以上のプレーヤーおよび3つ以上の遠隔操作玩具を用いてプレーされるものであってよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオ・ゲーム・システム用の対象を認識する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなシステムは、WO01/95988A1の文献より知られている。この文献は、搭載型ビデオ・カメラを備えた2つの遠隔誘導ビークルを伴うビデオ・ハンター・ゲームを説明している。2つの遠隔誘導ビークルの内の一方が捕獲者であり、他方が被捕獲者である。捕獲者ビークルのビデオ・カメラからの動画が、制御ユニットに送信されて、そこにおいて表示される。捕獲者ビークルによって配信された動画は、敵のビークルの像を検出するためにスキャンされる。敵のビークルがこの動画中に検出された場合には、この動画内の敵のビークルは、バーチャル・ゲームのキャラクターに置換される。したがって、捕獲者ビークルを操縦するために制御ユニットを使用しているプレーヤーは、動画上に、敵のビークルの像ではなく、プレーヤーがビークルで追っているゲーム・キャラクターのバーチャル像を見ることとなる。
【0003】
しかし、WO01/95988A1の文献に開示される対象認識方法は、シューティング・ゲームには適用不可能である。したがって、本発明の目的は、ビデオ・シューティング・ゲーム用の対象認識方法を提案することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO01/95988A1
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この目的は、ビデオ・シューティング・ゲーム・システムのための対象認識方法によって達成され、このシステムは、
搭載型ビデオ・カメラを備える第1の遠隔操作ビークルと、
第2の遠隔操作ビークルと、
第1のビークルを遠隔操作する役割を果たす、電子動画ディスプレイ要素と
を備え、この方法は、以下のステップ、すなわち、
搭載型カメラによって配信された画像を電子要素の動画ディスプレイ上に表示させるステップと、
動画内で移動可能なバーチャル十字線を表示させるステップと、
バーチャル射撃を発射するためのコマンドが電子要素に入力されたことを検出するステップと、
動画内のバーチャル十字線の位置Aを取得するステップと、
動画内で第2の遠隔操作ビークルを認識するステップと、
認識に失敗した場合に、バーチャル射撃を無効化するステップ、または
認識に成功した場合に、
a)動画内で第2のビークルの位置Bを取得するステップ、
b)位置Aを位置Bと比較するステップ、
c)AとBとが同一である場合に、バーチャル射撃を有効化するステップ、もしくは
d)AとBとが異なる場合に、バーチャル射撃を無効化するステップ
とを含むことを特徴とする。
【0006】
好ましくは、このシステムの電子要素は、動画画面を有する可搬式コンソールである。
【0007】
本発明の方法を用いることにより、ビデオ・シューティング・ゲームに複数の現実の遠隔操作玩具を提供することが可能となる。各参加者は、遠隔操作ビークルを操縦し、実環境または現実状況を利用することが可能であり、その中で遠隔操作ビークルは動く。
【0008】
とりわけ、プレーヤーは、他のプレーヤーによって発射された射撃から自身の遠隔操作ビークルを護ろうと試みるために、現実の障害物を利用することができる。本発明においては、ビークルによって発射される射撃は、架空のものにすぎず、これらは、ゲーム・システムによってシミュレートされる。したがって、本発明は、完全にバーチャルな従来のビデオ・シューティング・ゲームと、完全に現実のものである従来の遠隔操作ビークル・ゲームとの態様の新規の組合せを提供する。
【0009】
本発明により、遠隔操作ビークルを操縦するプレーヤーは、現実状況の要素を、ゲームの要素として利用することが可能となる。
【0010】
好ましくは、第2のビークルは、第2のビークルの上に配置された識別要素、すなわち発光ダイオード(LED)を認識することによって認識される。
【0011】
好ましい用例においては、LEDは、ある特定の形状からなる形態に配置される。また、LEDは、第2のビークルの認識をより容易なものにするために、ある予め定められた頻度で点滅してよい、ある特定の色彩を有してよい、および/または経時的に変化する色彩を有してよい。
【0012】
また、LEDの認識は、LEDの合計明度を計測し、それにより、計測された明度値に応じて、視認可能な第2のビークルの割合を推定することを含んでよい。
【0013】
このようにして明度を計測することにより、遠隔操作ビークルが、現実状況の障害物によって部分的に隠されているか否かを推定することが可能となる。さらに、このようなビークルの部分的な認識は、架空射撃が有効化されるべきか否かに関する決定に影響を与えることが可能である。とりわけ、架空射撃によって生じた架空ダメージ量は、第2のビークルの検出された割合の規模に応じたものであってよい。
【0014】
また、好ましくは、本発明の方法は、標的ビークルおよび/または射撃者ビークルの上の、速度センサ、および/または加速度センサ、および/または位置センサを使用する。これらのセンサにより、2つのビークルは、リアルタイムでそれら自体の3次元座標を決定することが可能となる。さらに、これらの座標は、無線手段によって送信されてよい。
【0015】
好ましくは、本発明の方法は、
第1のビークルの動きの計測、および/または
動画内での第2のビークルの以前の動き
にもとづいて、動画内での第2のビークルの動きを予測するステップをさらに含む。
【0016】
上述の2つの特徴、すなわち、ビークルに搭載されたセンサの使用および動画内の第2のビークルの動きの予測は、共に組み合わされてよい。ソフトウェアが、位置情報を組み合わせて、2つのビークルのそれぞれに搭載された慣性ユニットが被り得るドリフトによる影響を受けない関連情報を取得する。
【0017】
本発明の好ましいバージョンにおいては、ビークルは、それらの位置の良好な推定を得る。敵のビークルが推定位置から突然に姿を消す場合には、これは、敵のビークルが現実の障害物の背後に隠されている可能性が非常に高いことを示す。
【0018】
バーチャル・シューティング・ゲームが現実の障害物を考慮するという特徴は、本発明の好ましい態様である。
【0019】
以下、添付の図面を参照として、本発明の実装形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1a】本発明による、架空事象をシミュレートするための第1のシステムの作動を示す図である。
【図1b】例えば障害物など、架空対象を追加することを可能にする第2のシステムの図である。
【図1c】ゲーム・コンソールのディスプレイ上にゲームによって追加された架空要素を示す図である。
【図1d】搭載型自動操縦装置を備える、本発明の第3のシステムを示す図である。
【図2a】自動操縦装置に関連付けされる、本発明の第2のシミュレーション・システムの作動を示す図である。
【図2b】完成型のシステム、すなわち、非常に完成度の高いゲームにおいて相互作用する架空事象、架空対象および自動操縦装置を示す図である。
【図3】2つの遠隔操作ビークルと、それらに関連付けされる遠隔制御装置との図である。
【図4a】本発明の第1のシューティング・ゲームの動画ディスプレイを示す図である。
【図4b】本発明の第1のシューティング・ゲームの動画ディスプレイを示す図である。
【図5】本発明の第2のシューティング・ゲームの実環境を示す図である。
【図6a】本発明の第2のシューティング・ゲームより得られた種々のそれぞれ異なる動画の1つを示す図である。
【図6b】本発明の第2のシューティング・ゲームより得られた種々のそれぞれ異なる動画の1つを示す図である。
【図6c】本発明の第2のシューティング・ゲームより得られた種々のそれぞれ異なる動画の1つを示す図である。
【図7a】プレーヤーが架空射撃を発射している場合の、第2のシューティング・ゲームの動画を示す図である。
【図7b】プレーヤーが架空射撃を発射している場合の、第2のシューティング・ゲームの動画を示す図である。
【図8】シューティング・ゲームの最中に発射された架空射撃を有効化または無効化するための対象認識方法の流れ図である。
【図9】標的が現実の障害物によって隠される場合に放物線形射撃を有効化または無効化するための流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1aは、「開ループ」ビデオ・ゲームのコンセプトである、本発明のコンセプトを図示する。
【0022】
シミュレータ1が、無線操作玩具3の作動を管理する。
【0023】
ビデオ・ゲームのシミュレータ1は、玩具3を操縦するための、プレーヤー7からの指示5を、修正する。玩具3は、シミュレータ1から操縦命令9を受信する。これらの命令9は、操縦指示5を考慮しつつ、シミュレータ1によって生成される。玩具3は、受信された命令9だけではなく、ゲームの外部に存在する現実事象にも左右される。
【0024】
玩具3上に配置されたセンサ13が、玩具3の環境に関する情報を、ビデオ・ゲームのディスプレイ手段15に送信する。センサ13からもたらされる情報により、このビデオ・ゲーム・システムは、その実環境内における玩具3の状況の変化を推定することが可能となる。ディスプレイ手段15は、センサ13からの情報を使用して、プレーヤー7により操作される制御ユニット23の画面21上にディスプレイを生成する。
【0025】
とりわけ、センサ13は、遠隔操作玩具3の上に搭載されたビデオ・カメラ25を備える。このビデオ・カメラ25は、動画を配信し、この動画は、プレーヤー7が使用する画面21上に、ディスプレイ手段によって表示される。したがって、ビデオ・カメラ25により、プレーヤー7は、遠隔操作ビークル3により「知覚」された眺めを取得する。
【0026】
また、玩具は、他の追加のセンサを備えてよい。これらは、加速度計などの非常に単純なセンサ、または例えば慣性ユニットなどの極めて高性能なセンサであってよい。センサ13を用いることによって、ビデオ・ゲームはディスプレイを構築する。例えば、ジャイロおよび/または加速度計ならびにディスプレイ・ソフトウェアを用いて、ビデオ・ゲームは、遠隔操作ビークルが遠隔誘導航空機である場合には、人工水平儀を再構築することが可能である。
【0027】
次に、シミュレータ1の役割および動作を詳細に説明する。シミュレータ1は、プレーヤー7と無線操作玩具3との間に位置する。シミュレータ1は、プレーヤー7から操縦指示5を受信する。これらの操縦コマンドまたはアクション5は、例えばある方向に玩具3を向けるためになど、推進要素(玩具3のエンジンなど)および/または誘導要素(玩具3の操縦翼面など)に対してプレーヤー7が行おうと試みる変更を表す。
【0028】
これらの操縦アクション5は、遠隔操作玩具に対して、そのまま直接的に送信されない。玩具3は、シミュレータ1により、プレーヤー7による操縦から切り離される。シミュレータ1が、命令9を玩具3に送信することにより、玩具3を直接制御する。これらの命令9は、指示5を考慮しつつ、シミュレータ1によって生成される。
【0029】
特に有利な態様は、シミュレータ1が、指示5にもとづいてのみならず、とりわけ、シミュレータ1により自動的に生成される「操作特徴」にもとづいて、命令9を生成するものである。これらの操作特徴は、プレーヤー7により選択されたビデオ・ゲームに応じて生成される。選択されたビデオ・ゲームにもとづき、シミュレータ1は、現実世界には存在せず、玩具3に対して影響を与える新規の事象をシミュレートする。これらの架空事象は、操作特徴に「変換」され、この操作特徴が、玩具3に送信される命令9を修正し、それにより玩具3の挙動が、修正される。
【0030】
例えば、シミュレータ1は、玩具3のエンジンの故障をシミュレートすることができる。玩具3が、航空機である場合には、シミュレータ1は、操作特徴を生成することにより、航空機を擬似的に「より重く」することができ、これは、航空機3がコマンド5に対して通常よりも遅く応答しているという印象をプレーヤー7に与える。また、シミュレータ1は、航空機3が嵐の中を飛行しているなどといった、完全に架空のシナリオを作成することができる。この例においては、シミュレータ1は、あたかも突風を受けているかのように遠隔操作航空機3を振動させる効果を有する命令9を生じさせる操作特徴を生成する。
【0031】
したがって、シミュレータ1は、複雑な態様でおよびリアルタイムに玩具3の操縦に作用して、非常に豊かなゲーム体験をプレーヤー7にもたらす。これは、エラーまたは危険といった事象においてアクションを起こすためにプレーヤーの操縦をモニタリングする問題のみに止まらない。シミュレータ1は、より多様なおよびより面白い挙動を玩具3にとらせるために、玩具3の操縦に対して有効かつ計算された影響を与えている。
【0032】
現実の遠隔操作ビークルを伴わない、もっぱらコンピュータ上のみで行われる従来のビデオ・ゲームとの大きな違いは、状況の変更が、シミュレーションのみによって行われるのではなく、開ループの変化にも左右され、この状況の変更が、センサによって計測されるという点である。
【0033】
図1bは、本発明のシステムのさらに完成度の高いバージョンである。ゲームのシナリオをさらに富んだものにするために、シミュレータは、組み合わされた事象に加えて、指示に架空要素を追加する。これらの架空要素は、例えば障害物であってよく、または、より面白いものとしては、例えばバーチャルな敵などの、挙動を呈するバーチャル対象であってよい。また、架空要素は、照準器とバーチャル発射体を発射するバーチャル武器とを有する武器システムなど、無線操作玩具自体のバーチャル要素であってもよい。
【0034】
このような環境下において、2つの追加フィードバック・ループが、このシステムに追加される。第1のループにおいては、玩具のセンサからの情報が、シミュレータにより使用されて、例えばバーチャルな敵からの射撃がこの玩具に命中したか否かを決定するためになど、無線操作玩具の位置を推定する。
【0035】
第2のフィードバック・ループは、シミュレータとディスプレイ・ソフトウェアとの間の範囲に定められる。ディスプレイ・ソフトウェアは、バーチャル対象の動きに関する情報を受け、それにより複合ディスプレイを生成することが可能である。例えば、ディスプレイ・ソフトウェアは、バーチャル要素を、すなわち、障害物、バーチャルな敵、さらには図4aの要素43などのシューティング・システムの要素を、動画に対して追加する。
【0036】
図1cは、拡張現実の一例を示す。バーチャル要素、すなわち敵、発射体および着地区域が、追加される。この画像は、現実世界と架空対照との複合物である。
【0037】
図1dは、搭載型自動操縦装置がある場合のループを示す。フィードバック・ループが、無線無人機(drone)自体内で行われる。ディスプレイ・ループ用に使用されるものと同一のセンサが、使用される。
【0038】
図2aは、本発明のシステムのさらに完成度の高いバージョンを示す。
【0039】
このシステムには、自動操縦装置27が追加されている。これは、航空機3の動作をサーボ制御する役割を果たす。自動操縦装置27により、航空機3の挙動は、より安定的かつ予測可能なものとなることが可能である。したがって、ビデオ・ゲーム29と玩具3との間の相互作用源は、さらに多数となる。自動操縦装置27を備えるシステムにおいては、玩具3は、プレーヤー7による操縦を必要とせずに現実状況内において自律的に動く能力を有するため、無線無人機であると言うことができる。
【0040】
自動操縦装置27は、コマンド・エンベロープを有する。ビークル3が、戦車である場合には、例えばエンベロープは、その最大速度、最大加速度、回転速度、等々を規定することができる。
【0041】
ビークル3が、クアドリコプターである場合には、自動操縦装置27のコマンド・エンベロープは、その最大上昇速度、その最大角速度、およびホバリング飛行と前進飛行との間の主要な遷移の運行を規定することができる。
【0042】
したがって、自動操縦装置27のコマンド・エンベロープは、ビークル3が行い得る動きに対する制約を規定するデータ・セットである。したがって、自動操縦装置27のコマンド・エンベロープは、ビークル3の能力を限定する。
【0043】
自動操縦装置のエンベロープを操作することにより、ビデオ・ゲームは、複数の物理的規模をシミュレートすることが可能となる。例えば、エンベロープのデータを変更することにより、ビークルの加速度を制限することによるより大きな慣性量のシミュレーションよって、より重いビークルをシミュレートすることが可能である。このようなエンベロープは、ビークル3のエンジンに対して比較的小さな力を割り当てる効果を有する。これは、シミュレータ1の制御下にある。
【0044】
したがって、シミュレータ1は、多様な架空のシナリオを作成することが可能である。例えば、ゲーム・シーケンスの開始時に、シミュレータ1は、燃料を満載しているために比較的重くなっているビークル3をシミュレートしてよい。ゲームが進行するにつれて、シミュレータ1は、ビークル3の重量が軽くなってゆくのをシミュレートする。あるいは、シミュレータ1は、ビークル3によって輸送されている架空装備の荷卸しの任務をシミュレートしてよい。再度、シミュレータ1は、架空装備が荷卸しされる際に、ゲーム中にビークル3の重量が変化する印象をプレーヤー7に与えるような命令9を生じさせる操作特徴を生成する。この例におけるシミュレータと操縦者との間での命令は、無線無人機のバーチャル重量を変更する役割を果たす。この例においては、ゲームの開始時に、操作特徴は、比較的低い最大速度および最大加速度を玩具3に与えることができる。したがって、プレーヤー7は、操縦コマンド5が高速進行を命じても、玩具3を高速で進ませることができなくなる。ゲームが進行するにつれて、操作特徴は変化し、それにより、玩具3が達成することの可能な速度限界および加速度限界が漸増的に上昇する。したがって、ゲームの後期には、プレーヤーは、玩具3について比較的高速に達することが可能である。このようにして、プレーヤーは、玩具の軽量化がもっぱらシミュレーションのみによって実現されるとしても、時間の進行とともにますます軽くなる玩具を操縦しているという印象をあたかも事実であるかのように持つ。
【0045】
理論的には、自動操縦装置の制御は、「遠隔自動操縦装置」モードにおいてはシミュレータによって直接実施され得る。これは、自動操縦装置を玩具3に搭載させたシステム設計に関しては、はるかにより効率的なものとなる。自動操縦装置27の制御により、情報量およびリアルタイムにおけるその決定的性質は低減される。シミュレータは、例えば架空ダメージ、ビークルの重量変化、または、ビデオ・ゲームから得られるバーチャル事象の結果として緊急着陸を実行するための指示など、より高レベルの命令を自動操縦装置に送信する。
【0046】
シミュレータ1は、特にプレーヤー7からの指示5と同一の階層の新規事象をこの指示5に重畳することにより、プレーヤー7からの指示5をある程度まで修正することができる。この重畳は、加算、減算、除算、乗算、限度設定、等々であってよい。重畳は、算術演算および/または論理演算の任意の組合せを用いて実施されてよい。
【0047】
例えば、プレーヤー7から与えられたコマンド信号5に対して、シミュレータ1により生成された信号を加算することによる、または、プレーヤー7から与えられたコマンド信号5から、シミュレータ1により生成された信号を減算することによるこのような重畳は、ビークル3の操縦にバイアスをかけるように試みる事象をシミュレートすることにとって非常に有効である。
【0048】
例えば、ビークル3が戦車である場合には、重畳により、敵により命中された戦車をシミュレートすることが可能になる。この命中は、非致命的ではあるが、戦車にダメージを与えるものとしてシミュレートされる。したがって、シミュレータ1は、プレーヤーのアクション5に対して、戦車がゆっくりと回転するような傾向付けをシミュレートする信号を重畳する。次いで、プレーヤー7は、この重畳されたバイアスを補正するように、戦車の操縦進路を合わせることが必要となる。このような状況下においては、プレーヤー7は、シミュレータ1により生成されたバイアスを補正するように、戦車に対して逆方向コマンドを与えることが必要となる。
【0049】
クアドリコプターの形態の玩具3では、操縦は、ドリフト・コンポーネントの追加による風のシミュレーションにより、さらにより複雑なものとすることが可能である。例えば突風のシミュレーションなど、さらにより複雑な態様でのシミュレーションが可能である。そして、プレーヤーは、次から次へと続くこれらの事象を補正することが必要となる。
【0050】
別の相互作用モードにおいては、ビデオ・ゲームが、一時的にまたは永続的に、玩具3を完全に制御する。例えば、ビークル3が戦車である場合には、命中されたことのシミュレーションが可能である。次いで、シミュレータ1が、排他的制御を行い、このビークルをスピンさせ振動させる。その後、制御がプレーヤーに返される。
【0051】
別の例としては、ビークルが致命的な命中を受け、これは、ビークルがその最期にがっくりと傾ぎ、その後完全に停止するような態様でシミュレートされる。そして、ゲームが終了する。
【0052】
図2bは、完成型のシミュレーション・システムを図示し、フィードバック・ループが、3つの異なるレベルで組み合わされて、完成度の高い拡張現実ゲームを生成する。
【0053】
第1のデバイスは、例えば架空事象を追加するために、プレーヤーからの「指示」を命令に変換するデバイスである。
【0054】
第1のフィードバック・ループは、バーチャル対象がシミュレータによってシステムに追加されるループである。次いで、ディスプレイ・ソフトウェアが、センサからの計測値と、シミュレータからの情報とを組み合わせて、現実の画像およびバーチャル対象を含む複合ディスプレイを生成する。
【0055】
第2のフィードバック・ループでは、シミュレータが、無線操作玩具のセンサからの計測値を使用する。これらの計測値により、例えば、玩具がバーチャル障害物に衝突しているか否かを検証するために、または、無線操作玩具の追跡を試みているバーチャルな敵を知らせるために、シミュレータがバーチャル対象をシミュレートすることが可能となる。
【0056】
第3のループは、自動操縦装置のループであり、これは、例えばビークルをバーチャル上でさらに重くして、異なって見えるようにするために、シミュレータからの高レベル命令にビークルの挙動エンベロープをマッチングさせる役割を果たす。
【0057】
図3は、第1の遠隔操作ビークル31および第2の遠隔操作ビークル33と、それらに関連付けされた遠隔制御装置35および37との形態の、図1または図2のシステムの実装形態を示す。遠隔操作ビークル31および33は、戦車の形態の玩具である。遠隔制御装置35および37は、動画ディスプレイ39および制御ボタン41を備える可搬式コンソールの形態である。戦車31および33はそれぞれ、搭載型ビデオ・カメラを有する。搭載型カメラにより配信された動画は、対応する可搬式コンソール35、37に送信され、その画面39上に表示される。ユーザが、対応するゲーム・コンソール35、37上の制御装置41の補助により戦車31、33の一方を操作する。好ましくは、ゲーム・コンソールと戦車との間の通信、および戦車同士の通信は、Bluetooth(登録商標)またはWiFi(登録商標)プロトコルを利用して行われる。
【0058】
2人のプレーヤーが、戦車31および33、ならびにコンソール35および37を使用して、シューティング・ゲームに参加することが可能であり、その図が図4aおよび図4bに示される。
【0059】
プレーヤーは、それぞれゲーム・コンソール35、37およびビデオ玩具31、33を介して、対戦プレーを行う。このゲームは、主に、戦車31、33を動かすこと、戦車の回転砲塔および火砲の動作を命じること、ゲーム・コンソール35、37の画面39上でバーチャル十字線43を移動させること、敵の像45の上にバーチャル十字線43を重畳させること、および敵にバーチャル射撃を発射することに、その本質がある。
【0060】
これらの種々のステップは、図4aおよび図4bに示される。図4aは、一方の戦車の上の2つのビデオ・カメラの内の一方により配信された動画の一例である。動画47は、戦車から送信され、ゲーム・コンソールの画面39上にて、戦車の操縦者に示される。バーチャル照準器のバーチャル十字線43、および戦車の火砲の仰角を示すバーチャル・スケール49など、種々のバーチャル要素が、動画上に差し込まれる。
【0061】
コンソール上の制御装置41により、プレーヤーは、図4bに図示されるように、動画47上のバーチャル十字線43が、敵の像45の上に重畳されるまで、この十字線43を移動させる。このようにしてプレーヤーが敵に照準を定めると、射撃を発するのに十分となる。次いで、ビデオ・ゲームは、架空砲弾の経路、とりわけ速度、放物線形弾道、その衝突角度をシミュレートするが、これらのパラメータは全てビデオ・ゲームによって推定される。また、敵の戦車に対するダメージをシミュレートすることが可能である。このような状況下においては、ダメージの度合いを表す情報が、敵の戦車に(または敵のゲーム・コンソールに)転送される。この情報は、敵の戦車のダメージをシミュレートするために使用される。これにより、戦車を動かす能力が、シミュレータ1によって擬似的に修正される(図1および図2を参照)。この命中が致命的なものでないと見なされる場合には、ビデオ・ゲーム・システムは、戦車の速度を擬似的に制限する、または、戦車の回転砲塔が一方向のみにしか回転できないように、操縦コマンドに対する戦車の応答を修正する。命中が、致命的なものと見なされる場合には、システムにより戦車の動きは止められ、ゲームが終了する。
【0062】
図5から図7は、本発明のシューティング・ゲームの第2の変形形態を図示する。
【0063】
この変形形態においては、ゲームは、2つの遠隔操作戦車間では行われず、搭載型ビデオ・カメラ25を有する非航空機ビークル51の形態の玩具と、クアドリコプター53の形態の玩具との間で行われる。図5は、例えば障害物としての現実の木57を含む、実環境55の全体図を示す。ビークル51およびクアドリコプター53は、操縦命令に応じて、現実状況内で動く。1人のプレーヤーが、非航空機ビークル51を操縦し、もう1人のプレーヤーが、クアドリコプター53を操縦する。このゲームのコンテクストにおいては、非航空機ビークル51の操縦者は、バーチャル上で、他方のプレーヤーによって制御されるクアドリコプター53を打ち落とそうと試みる。
【0064】
図6aから図6cは、ビークル51に搭載されたビデオ・カメラ25によりビークル51の操縦者に配信される視点を図示する。図6aから図6cは、図5とは異なる現実状況を示す。ここにおいては、実環境は、2つの家および複数の木を有する。図6aの第1の動画においては、はっきりとクアドリコプター53を見ることが可能である。図6aの画像に続く、図6bの第2の動画においては、クアドリコプター53は、移動しており、草木により部分的に隠されている。図6bの画像に続く、図6cの第3の動画においては、クアドリコプターは、逆方向に戻っており、一方の家の背後に隠れる最中にある。
【0065】
本発明のゲーム・システムは、図6aから図6cに図示されるように、クアドリコプター53が動画内で視認可能である、部分的に視認可能である、または隠れている、のいずれかであるかを推定することが可能である。この認識手順が、図8の流れ図によって詳細に示される。
【0066】
画像内の対象のこのような認識により、ゲーム・システムは、クアドリコプター53が動画内で視認可能であるものとして認識される(および適切に照準を定められる)場合には、クアドリコプター53への架空射撃を有効化することが可能となる。クアドリコプター53が、隠れているものとして認識される場合には、クアドリコプター53の方向への射撃は、無効化される。
【0067】
このようにして、ビデオ・ゲームのプレーヤーは、ゲームの要素として、現実状況内の要素を利用することが可能である。
【0068】
図7aおよび図7bは、図5の非航空機ビークル51に搭載されたカメラ25によって配信された2つの動画を示す。特に、図7aおよび図7bは、動画内のクアドリコプター53を認識するための手順を示し、架空射撃を発射するために位置決めされるバーチャル十字線43を示す。ビークル51の操縦者は、動画上で、ビークル51の武器を表すバーチャル十字線43を動かして、敵すなわちクアドリコプター53に照準を定める。プレーヤーは、図7bに図示されるように、クアドリコプター53の像の上にバーチャル十字線43を重畳させるまで、バーチャル十字線43を動かす。次いで、プレーヤーは、射撃を発射する。しかし、クアドリコプター53が、木57によって隠されているため、十字線が射撃者によって適切に位置決めされても、ゲームによってこの射撃は無効化されることとなる。
【0069】
図8は、ビデオ・ゲーム・システムにより利用される、対象認識および射撃有効化手順の詳細を示す。ステップ100において、射撃者のゲーム・コンソールの画面上に、ビデオ・カメラ25により配信された動画を表示させることによって、この手順が開始される。ステップ101においては、ビデオ・ゲーム・システムは、表示された動画内にバーチャル十字線43を差し込む。ここで、射撃者は、バーチャル十字線43を動かして、照準を定め、その後に射撃を発射することが可能となる。ステップ102において、射撃の発射が検出される。射撃が検出されるとすぐに、ステップ103において、システムは、動画上のバーチャル十字線43の瞬間位置Aを取得する。
【0070】
発射の際のバーチャル十字線の位置Aが認識されると、ステップ104において、画像認識ソフトウェアが、動画内の敵のビークル53の存在を認識するために、動画をスキャンする。
【0071】
敵は、様々な方法により画像内で認識されてよい。例えば、認識ソフトウェアは、既知の形状の敵のビークル53を発見しようと試みつつ、動画をスキャンするだけでもよい。しかし、認識を容易にするためには、敵のビークル53の表面上に認識要素を配置させることが好ましい。例として、これらは反射要素であってよい。
【0072】
本発明の好ましい実装形態においては、敵のビークル53は、その周囲全体に多数の点滅するLEDを有する。これらのLEDは、既知の構成配置になされ、既知の頻度で点滅し、既知の色彩のものである。したがって、認識ソフトウェアは、動画内で敵のビークル53をより容易に検出することが可能になる。
【0073】
また、認識を容易化するために、グリーンからレッド乃至オレンジへと変わる多色LEDの使用を予期することが可能である。また、LEDは、赤外線を発光してもよい。これにより、ゲーム・システム中にて肉眼で視認可能な要素はなくなる。
【0074】
画像認識ソフトウェアは、遠隔操作ビークル51内に配置されてもよく、または、例えばゲーム・コンソールなどの制御ユニット内に配置されてもよい。
【0075】
認識をさらに向上させるためには、認識ソフトウェアが、敵のビークル53の認識要素を追跡するためのアルゴリズムを有してよい。次々と続く画像ごとに、このアルゴリズムが、認識要素の動きを計測する。このために、認識ソフトウェアは、射撃者のビークル51の移動に依拠することが可能となり、したがって、認識ソフトウェアは、以前に観察された敵のビークル53の動きを追加することによりソフトウェアが敵のビークル53の位置を予期することが可能になることによって、画像内で敵のビークル53を発見できるはずである位置を予測することが可能となる。
【0076】
無線操作玩具同士の位置の認識をさらに向上させるためには、各無線操作玩具の上のセンサ13が使用される。この情報は、ビークルを操縦するために使用されるゲーム・コンソールだけではなく、他の全てのゲーム・コンソールに送信される。このようにして、シミュレータは、敵のビークルの推定位置を認識する。ビデオ認識手段は、画像内で敵のビークルを発見する役割を果たすのではなく、2つのビークル間に現実の障害物が存在するか否かを検証する。この原理は、ビデオ・ゲームのコンテクストにおいては非常に興味深いものである。これにより、現実の障害物を考慮に入れることが容易になる。このようにして、図7bに図示されるように、プレーヤーは、木の背後に隠れることができる。
【0077】
図8に戻ると、認識ステップ104が上述のように実施された後に、認識の結果に応じて手順が続く。
【0078】
認識できない場合には、ステップ105において、射撃が無効化される。逆に、認識ソフトウェアが、動画内に敵のビークル53を認識した場合には、次のステップ106で、動画内の敵のビークル53の瞬間位置Bを取得することとなる。その後、ステップ107において、射撃が発射された時に、敵のビークル53の位置Bがバーチャル十字線43の位置Aと比較される。これらの位置が同一である場合には、ステップ108において、射撃が有効化される、すなわち架空射撃がその標的に命中する。これらの位置が異なる場合には、ステップ109において、射撃が無効化される。
【0079】
対象認識をさらにより効果的なものとするためには、敵のビークル53もまた、その瞬間位置を射撃者のビークル51に送信してよい。
【0080】
上述のように、ビークルは、センサと、とりわけ慣性ユニットとを有する。ゲームの継続期間の間、ビークルは、それらの位置を送信する。ビークルがビデオ・カメラの視野内に入ると、無線により送信されたその位置が認識される。これは、検出アルゴリズムにより、初期位置として利用される。これにより、ビークルは、より容易により速く一所に集まることが可能になる。
【0081】
動画の動きの感知および予期のこの2つの方法を共に組み合わせることが可能である。ソフトウェアが、位置情報を利用して、慣性ユニットにおけるドリフトによる影響を被らない関連情報を取得する。
【0082】
したがって、本発明の好ましいバージョンにおいては、ビークルは、それらの位置の良好な推定値を生成する。検出アルゴリズムが、ビークルが推定位置から突然に姿を消したことを示す場合には、これは、2つのビークルの間に現実の障害物が存在する可能性が非常に高いことを示す。
【0083】
要約すると、画像を分析するためのソフトウェアおよび位置センサを使用することによって、ゲーム・システムは、画像内で敵のビークル53の位置を認識する。ゲーム・システムは、敵のビークル53が隠されている、または視界にいない、のいずれであるかを決定することが可能である。ゲーム・システムは、画像内で正確な位置でLEDを検出するまで待機し、そうでない場合には、ゲーム・システムは、何も検出せず、敵のビークル53が隠されていると結論付ける。
【0084】
また、射撃者が、隠れた敵のビークルを間接的に射撃するゲーム・ステージを想定することが可能である。しかし、架空射撃は、慣性ユニットにより認識された位置により、および、ゲームが、敵のビークルが背後に隠れている障害物の周辺に放物線形射撃を発射することを伴うと仮定することにより、有効化される。
【0085】
また、発射が間接的であり、射撃者が敵のビークルの正面に十字線の照準を定める、さらにより現実的なゲーム・ステージを想定することが可能である。次いで、シミュレーション・ソフトウェアが、逐次、バーチャル発射体の位置を規定する。認識および移動予測のためのソフトウェアが、バーチャル影響を及ぼす程度にまで敵の動きを追跡する。シミュレーション・ソフトウェアは、複雑な発射パラメータをシミュレートすることが可能である。例えば、砲弾の初期速度は、発射時には非常に速く、急速に減速してもよい。また、ソフトウェアは、標的の付近での発射体の爆発、または誘導ミサイル、または自動追尾ミサイルなど、軍需品の複雑な挙動をシミュレートすることが可能である。このタイプの発射体のシミュレーションによって、ゲームはさらにより面白いものとなり、敵は、発射される敵対発射体を見ることができ、さらに、これを避けるために非常に迅速に機動することができる。また、これにより、発射体の弾道が発射した航空機の軌道に左右され、衝突箇所の位置が射撃の発射数秒後の敵の航空機の位置に左右されるような、戦闘機同士のシューティング・ゲームなど、非常に複雑な状況をシミュレートすることが可能になる。
【0086】
図9は、間接シューティングに関する流れ図である。位置Cは、発射体シミュレータによって算定されたバーチャル位置である。このアルゴリズムの目的は、バーチャル発射体の位置が、位置Bの敵のビークルの位置と同一であるか否かを検証することである。位置Aは、十字線の位置であり、発射体が発射される初期条件を規定する役割を果たすのみである。発射体の位置Cは、経時的に変わり、シミュレーションの継続期間は、ソフトウェアによって制限される。
【0087】
最後に、対象を認識するための手順が、部分的な認識を進めてもよい、すなわち、この手順が、対象が部分的に隠されているか否かを推定してもよい。この部分的認識は、画像ごとのLEDの明度の変化を計測することによって実施されてよい。この部分的認識を有効なものとするために、当該の遠隔操作ビークルの表面上に多数のLEDを配置することが好ましい。例として、システムは、明度が半減した場合には、半数のLEDが隠され、これは敵のビークルが半分隠されていることを意味するものと仮定してよい。
【0088】
当然ながら、本明細書において説明されたビデオ・ゲームが、2つのみの遠隔操作ビークルを伴うとしても、本発明は、それらの内の1つまたは2つのみを有するゲームに限定されない。説明されたゲームは、3人以上のプレーヤーおよび3つ以上の遠隔操作玩具を用いてプレーされるものであってよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ・ゲーム・システムのための射撃有効化方法であって、前記システムは、
搭載型ビデオ・カメラ(25)を備える第1の遠隔操作ビークル(51)と、
第2の遠隔操作ビークル(53)と、
前記第1のビークル(51)を遠隔操作する役割を果たす、電子動画ディスプレイ要素(35、37)と
を備える、方法において、
前記搭載型カメラによって配信された画像を前記電子要素の動画ディスプレイ上に表示させるステップ(100)と、
前記動画内で移動可能なバーチャル十字線(43)を表示させるステップ(101)と、
バーチャル射撃を発射するためのコマンドが前記電子要素に入力されたことを検出するステップ(102)と、
前記動画内の前記バーチャル十字線(43)の位置Aを取得するステップ(103)と、
前記動画内で前記第2の遠隔操作ビークル(53)を認識するステップ(104)と、
認識に失敗した場合に、前記バーチャル射撃を無効化するステップ(105)、または
認識に成功した場合に、
a)前記動画内で前記第2のビークル(53)の位置Bを取得するステップ(106)、
b)前記位置Aを前記位置Bと比較するステップ(107)、
c)AとBとが同一である場合に、前記バーチャル射撃を有効化するステップ(108)、もしくは
d)AとBとが異なる場合に、前記バーチャル射撃を無効化するステップ(109)
とを含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第2のビークル(53)は、前記第2のビークルの上に配置された識別要素、すなわちLEDを認識することによって認識される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記LEDは、前記第2のビークル(53)の認識を容易にするために、
ある特定のパターンを形成するように配置される、
ある予め定められた頻度で点滅する、
ある特定の色彩を有する、および/または
経時的に変化する色彩を有する、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記LEDの認識は、前記LEDの合計明度を計測し、それにより、計測された明度値に応じて、視認可能な前記第2のビークル(53)の割合を認識可能にすることを含む、請求項2または3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のビークル(51)の動きの計測、および/または
前記動画内での前記第2のビークル(53)の以前の動き
にもとづいて、前記動画内での前記第2のビークル(53)の動きを予測するステップをさらに含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ビークル(51、53)は、それらの動きを追跡するためのセンサ、とりわけ位置センサと、前記動きの送信を可能にするための遠隔通信手段とを有し、前記動画(106)内の前記第2のビークル(53)の位置Bが、前記ビークル(51、53)によって送信された、前記センサによる情報にもとづいて認識される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記センサによって計測された前記位置は、前記動画(106)における認識アルゴリズムの初期条件として使用される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記動画(106)内の識別要素の認識が前記第2のビークル(53)の突然の消滅を示す場合には、前記第2のビークル(53)が現実の障害物の背後に移ったものと見なすことを本質とする分析ステップを含む、請求2乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
間接射撃の場合には射撃を有効化する代替ステップを含み、この射撃は、バーチャル発射体の弾道と、前記動画(106)内の前記標的ビークル(53)の位置Bでの前記バーチャル発射体の衝突とをシミュレートすることによって、有効化される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項1】
ビデオ・ゲーム・システムのための射撃有効化方法であって、前記システムは、
搭載型ビデオ・カメラ(25)を備える第1の遠隔操作ビークル(51)と、
第2の遠隔操作ビークル(53)と、
前記第1のビークル(51)を遠隔操作する役割を果たす、電子動画ディスプレイ要素(35、37)と
を備える、方法において、
前記搭載型カメラによって配信された画像を前記電子要素の動画ディスプレイ上に表示させるステップ(100)と、
前記動画内で移動可能なバーチャル十字線(43)を表示させるステップ(101)と、
バーチャル射撃を発射するためのコマンドが前記電子要素に入力されたことを検出するステップ(102)と、
前記動画内の前記バーチャル十字線(43)の位置Aを取得するステップ(103)と、
前記動画内で前記第2の遠隔操作ビークル(53)を認識するステップ(104)と、
認識に失敗した場合に、前記バーチャル射撃を無効化するステップ(105)、または
認識に成功した場合に、
a)前記動画内で前記第2のビークル(53)の位置Bを取得するステップ(106)、
b)前記位置Aを前記位置Bと比較するステップ(107)、
c)AとBとが同一である場合に、前記バーチャル射撃を有効化するステップ(108)、もしくは
d)AとBとが異なる場合に、前記バーチャル射撃を無効化するステップ(109)
とを含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第2のビークル(53)は、前記第2のビークルの上に配置された識別要素、すなわちLEDを認識することによって認識される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記LEDは、前記第2のビークル(53)の認識を容易にするために、
ある特定のパターンを形成するように配置される、
ある予め定められた頻度で点滅する、
ある特定の色彩を有する、および/または
経時的に変化する色彩を有する、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記LEDの認識は、前記LEDの合計明度を計測し、それにより、計測された明度値に応じて、視認可能な前記第2のビークル(53)の割合を認識可能にすることを含む、請求項2または3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のビークル(51)の動きの計測、および/または
前記動画内での前記第2のビークル(53)の以前の動き
にもとづいて、前記動画内での前記第2のビークル(53)の動きを予測するステップをさらに含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ビークル(51、53)は、それらの動きを追跡するためのセンサ、とりわけ位置センサと、前記動きの送信を可能にするための遠隔通信手段とを有し、前記動画(106)内の前記第2のビークル(53)の位置Bが、前記ビークル(51、53)によって送信された、前記センサによる情報にもとづいて認識される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記センサによって計測された前記位置は、前記動画(106)における認識アルゴリズムの初期条件として使用される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記動画(106)内の識別要素の認識が前記第2のビークル(53)の突然の消滅を示す場合には、前記第2のビークル(53)が現実の障害物の背後に移ったものと見なすことを本質とする分析ステップを含む、請求2乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
間接射撃の場合には射撃を有効化する代替ステップを含み、この射撃は、バーチャル発射体の弾道と、前記動画(106)内の前記標的ビークル(53)の位置Bでの前記バーチャル発射体の衝突とをシミュレートすることによって、有効化される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2010−518354(P2010−518354A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549841(P2009−549841)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【国際出願番号】PCT/FR2008/000180
【国際公開番号】WO2008/116982
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(509127457)パルロ (23)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【国際出願番号】PCT/FR2008/000180
【国際公開番号】WO2008/116982
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(509127457)パルロ (23)
【Fターム(参考)】
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