遠隔活性化ロックシステムと方法
ロックの物理的操作無しにロックのロック解除および/またはロック動作を許容するように設計された遠隔活性化ロックが、製品/商品に関連した1つまたは複数の便益を拒否するようなやり方で製品/商品に連接される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年5月22日出願の米国仮特許出願第61/180,714号、2009年5月22日出願の米国仮特許出願第第61/180,719号、2009年8月6日出願の米国仮特許出願第61/231,952号、2009年9月14日出願の米国仮特許出願第61/242,351号、2009年9月30日出願の米国仮特許出願第61/247,483号、2009年10月5日出願の米国仮特許出願第61/248,791号、2009年11月16日出願の米国仮特許出願第61/261,619号、2009年12月10日出願の米国仮特許出願第61/285,285号、2010年1月6日出願の米国仮特許出願第61/292,606号、2010年2月1日出願の米国仮特許出願第61/300,257号、2010年3月8日出願の米国仮特許出願第61/311,471号、および2010年4月2日出願の米国仮特許出願第61/312,758号の米国特許法第119条(e)に基づく優先権を主張し、それらの全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は一般的には、ロックの物理的操作の無いロック解除および/またはロック動作を可能にするように設計された遠隔活性化ロック(remote−activation lock)に関する。より具体的には、本明細書に記載の遠隔活性化ロックの実施形態は、ロックが活性化された(すなわちロックされた)構成であるときに、製品に関連した1つまたは複数の便益にアクセス可能にさせないようにすることによりこれら便益を拒絶するように使用されてもよい。このようなロックは、ロック機構が非活性化(すなわちロック解除)されない限り製品を販売に不適当にするあるいは販売に望ましくなくするために適用されてもよい。遠隔活性化ロックの実施形態は選択電磁気放射またはプロフィールの印加により非活性化または活性化されてもよい。上述の遠隔活性化ロックは、例えば広域スペクトル放射を使用することによりロックシステムを妨害しようとするときに正しい送信以外のものが使用されてロックの状態を変化させるとその作用を互いに打ち消す活性化部品と非活性化部品の両方を含んでもよい。
【背景技術】
【0003】
製品を製造し出荷する多くの企業が直面する著しく困難な課題はそれら製品の盗難、不正使用、または海賊行為である。Hayes International Research Retail Theft Surveyによると、2008年に、世界中の小売り業者は盗難の直接的結果として870億ドル以上損失し、その結果として損失予防方法に250億ドル以上費やした。損失は、製造業者の現場からの盗難、積荷盗難および流通網横流しによっても被る。このような損失は盗難による小売り損失に匹敵すると考えられる。
【0004】
盗難による製造業者、流通業者、積送人、および小売り業者が被る損失のために、各々は盗みを減らすために多くの技術に取り組み始めた。これらの技術の多くは、高度にセキュアな容器(製品を従業員、積送人および顧客が直接手に届かないようにする容器)内に製品を隔離することを伴う。このような技術に関する問題は、試験目的、在庫管理目的、および販売目的のために実際の製品にアクセスすることがしばしば有利であるということである。例えば、プロの販売促進者らは、直接アクセスが顧客に提供されれば陳列台内にまたはその後ろに収容されている製品の販売を大いに改善できるだろうと広く信じている。このような「オープン販売促進:open merchandising」は、音楽プレーヤー、撮像安定化多焦点カメラ、ゲーム、および映画ディスク等の個人用、カスタマイズ可能、または没入型製品の「ハイタッチ:high−touch」マーケティングに特に適切である。本発明の目的の1つは、万引きからこれらの商品を保護する一方で、オープン販売促進を行う権限を小売業者に与えることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子装置および電子装置のアクセサリがますます小型化されるにつれ、高価値製品をポケットにこっそり入れることがより容易になった。したがって、盗難損出は増大するだけと予想される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示するのは、いくつかの実施形態では、限定するものではないが電子装置、電子装置アクセサリ(電子読み出し可能媒体等)および消耗品を含む製品(集合的に「製品群」と呼ぶ)への不正アクセスおよび/またはその使用(および/または完全便宜使用)を防止するように構成された遠隔活性化ロックである。一実施形態では、このようなロックは、規定送信範囲を受信すると物理的特性が変化する送信感応接着システム(transmission−sensitive adhesive system)を採用する。いくつかの実施形態におけるこのような変化は、ロックまたはロックの一部をロックまたはロック解除するために使用される体積の変化または接着性の変化を伴う。
【0007】
本開示の遠隔活性化ロックは、そのロック状態において、製品にあるいは製品を覆う囲いケースに物理的に接着されてもよい。このようなロックは、意図したように、製品が使用または完全に使用されるのを防止するように配置されてよい。ロックの解除は外部から印加される刺激によってもよく、また有利な実施形態ではロックの解除は規定された波長、強度、および/またはパルススペクトルのロックへの電磁気送信を介してもよい。好適な刺激はまた、磁気的または電気的刺激を含んでもよい。本開示の遠隔活性化ロックは2つ以上のロック部品を有するアセンブリを含む。
【0008】
接着システムがロックシステムにより使用される場合、このようなシステムは1つまたは複数の接着材料を含んでもよい。接着剤全体にわたる送信のエネルギーの分配を達成するために、接着剤は、任意の接着層の1つまたは複数の表面に関連付けられてよいおよび/または接着剤自体内に一様または非一様に分配されてよい1つまたは複数のエネルギー分配部品をさらに含んでもよい。このようなエネルギー分配部品は例えば送信を受ける金属層または金属量子ドットを含んでもよい。エネルギー分配部品は、機能的には、電波送信を熱に変換するなど傍受された送信エネルギーを第2の形式のエネルギーに変換してよく、したがってエネルギー変換器として機能する。第2の形式のエネルギーは、ロック動作またはロック解除を可能にする接着剤組成物の物理的特性の変化を引き起こしてもよい。したがって、接着剤の1つまたは複数の物理的特性(接着性、接着強度、密度等)の変化がロックアセンブリをロック解除するために使用されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、遠隔活性化ロックは、非限定的な例として再ロック能力とスプーフィング防止(anti−spoofing)(すなわち、ロックをロック解除する不正な企ての防止)能力を提供してよい追加のロック部品を含んでもよい。例えば、第1のロック部品は、特定のエネルギー送信に晒されると密度が変化し(例えば、xの波長に晒されると同じ質量の接着材料に対し体積が増加し)この密度変化がロック解除を誘導する接着システムを含んでもよい。第2のロック部品は、接着状態に活性化される接着システム、すなわちyの波長に対する露出など特定のエネルギー送信に晒されると密度変化が生じロック部品がロックする接着システムを含んでもよい。したがって認可(正しいロック解除送信の知識)無くロックシステムを回避しようとして広範囲の送信に対する露出がなされた場合、第2のロックは製品をロックしたままにさせようとしてもよい。第2のロックは、周波数帯域全体にわたる走査が製品にかなりの危害を加えるように、認可プロフィールを挟み込むように配置されたハッキング防止ゾーンに入る周波数を有する場(field)に反応するように設計されてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態における本開示の遠隔活性化ロックは、保護したい製品におよび/または製品を囲む任意の保護物理構造(製品ブリスターパック等)に固定されてもよい別個のモジュールとして実施されてもよい。別の実施形態では、遠隔活性化ロックは製品または製品包装内に組み込まれてもよい。
【0011】
したがっていくつかの実施形態では、遠隔活性化ロックは、ロック機能/ロック解除機能を有効にするために規定プロフィールを有する磁気、電気または電磁場の印加を必要とすることにより(すなわち、例えばロック接着システムの組成物に基づき)安全性を提供する。遠隔活性化ロックの構成とその構成ロック素子とが、操作に必要な場プロフィールを判断する。各ロックまたはロック群の構成は、その特性が秘密にされた一意的なプロフィールに反応しこれによりロックのセキュア「キー」を実施するように設計されてもよい。規定プロフィールとしては、限定するものではないが、場のタイプ、周波数、場の強度、電力レベル、および時間波形特徴の仕様が挙げられる。いくつかの実施形態については、それぞれが異なるプロフィールを有する一連の場がキーの属性として予想される。代替案として、あるいはそれに加え、それぞれが異なるプロフィールを有する複数場の同時印加がキーとして必要かもしれない。キーの追加要素が、場キー(field key)の印加の特定物理的配向の要件であってもよい。
【0012】
ロック解除する(および/またはロックする)ために必要なセキュアキーとして有利に選択された送信を使用することにより、ロック状態の変化を引き起こすための製品、ロック、またはさらには外部製品包装との物理的接触の必要性をなくすことができる。非光場セキュリティキーを採用する実施形態では、遠隔活性化ロックは外部製品包装の外側で視認される必要はない。ロック解除のための物理的接触の必要性が無いことはまた、保護製品の潜在的汚染の管理を容易にする。
【0013】
遠隔活性化ロックはまた、ロックをスプーフ(すなわち不正ロック解除)する企てに打ち勝つための特徴を含んでもよい。スプーフ企ての例としては、規定の場プロフィールの特徴に準拠しない環境または外部場に対する露出が挙げられる。ロックは、ロックを物理的に(すなわち機械的に)取り外す不正な企てに応答して保護製品に物理的損害を加える構成素子をさらに含んでもよい。
【0014】
一実施形態では、製品の使用を防止するように構成されたアクセス遮断構造に保護対象製品が遠隔活性化ロックアセンブリにより取り付けられる便益拒絶システム(denial−of−benefits system)が開示される。遠隔活性化ロックは、製品とアクセス遮断構造間の接着層を形成する接着ロック素子(adhesive lock element)を含んでもよい。アクセス遮断構造は、そのように接着された場合、製品を取り外す不正な企てが製品に修復不能損傷をもたらすように構成されてもよい。規定プロフィールを有する場に晒されると、製品と保護構造間の接着層は弱められ、これにより未損傷製品の安全な取り外しを可能にする。例えば、キャップは、サムドライブとキャップとを分離できなくしこれによりサムドライブとコンピュータポータルとの相互作用を防止するように、サムドライブまたは他のUSBポータルアクセサリ(または別のコンピュータポータルを介し相互作用する電子アクセサリ)に接着されてもよい。キャップはさらに、キャップが何らかの力により取り外されるとサムドライブポータル連接部(thumb drive portal articulation portion)を損傷する構造を有するように、サムドライブとの連接面(articulating surface)上に構成されてもよい。したがって正しい場露出によるロックの活性化は、サムドライブの機能へのアクセスを許可するのに重要となるであろう。
【0015】
追加の実施形態では、遠隔活性化ロックは、製品と従来の製品包装間の接着層を形成する接着ロック素子を含む。従来の製品包装は例えば、ジャーまたは瓶のキャップ、ポンプの蓋、ブリスター層と裏地層とを接着することにより形成されたブリスターパックを含んでもよい。規定プロフィールを有する場に対する露出は、接着ロック素子接合を弱めこれにより内蔵製品へのアクセスを可能にする。
【0016】
別の実施形態では、遠隔活性化ロックシステムは複数のロック部品を含んで採用されてもよい。このような複数のロック部品は、接着剤の状態に基づいてラッチがラッチされるかラッチ解除されるかに影響を与えることができるように機械的ラッチ機構に関して配置された接着剤の状態に基づき有効性をラッチする際に変更される機械的ラッチ機構を有する1つまたは複数の部品を、含んでもよい。1つの構成では、機械的ラッチ機構はアクセス遮断構造を保護対象製品にしっかりと固定する。初期のロック設置中、機械的ラッチ機構は製品に容易に取り付け可能であるが、不正な取り外し企ては製品に修復不能な損傷をもたらすだろう。規定プロフィールを有する場に対する露出は、ロックアセンブリ内に設置された接着ロック素子に機械的ラッチ機構を解除させこれにより未損傷製品をロックアセンブリから解放する。
【0017】
一実施形態では、規定場に対する露出は、接着ロック素子接合を完全に解放させ、追加の機械的力を印加することなく分離を可能にする。他の実施形態では、接着ロック素子は場に対する露出に応答して弱まるだけとなるように構成されてもよい。ここでは製品にアクセスするためには追加の外部機械的力を印加しなければならない。例えば、遠隔活性化ロックは、1つまたは複数のエネルギー分配部品(エネルギー変換器部品であってよい)の有無に関らず、2つの部品を結合して製品を囲むブリスターパックとする送信敏感接着剤(transmission sensitive adhesive)を含んでもよい。ブリスターパック内の製品を、接着剤を活性化して低接着性の状態にする送信に露出することにより、ブリスターパックは消費者によりより簡単に開くことができる(はさみを取り出してブリスターパックを切り離す必要性を回避する)。
【0018】
本開示のさらに別の遠隔活性化ロックでは、電荷を保持することができる2つの基板間の電気的剥離可能接着剤(electrically−releasable adhesive)を利用する。1つのこのような実施形態では、電気的剥離可能接着剤は、このような基板を接着剤の表面に接着することができるポリマーであってその少なくとも1つが極性でありかつその少なくとも1つが無極性である複数のポリマーを含む。例えば、このような電気的剥離可能接着剤は、例えば導電性塩、金属粒子、金属配線、ナノワイヤおよびカーボンナノチューブの1つまたは複数からなる群から選択された1つまたは複数の導電性材料をさらに含んでもよい。極性および無極性ポリマーと導電性材料とを適切に選択することにより、外部からの電気的および/または磁気的エネルギー(「電磁気エネルギー」)の印加に応答して第1の状態から第2の状態へ遷移することができる電気的剥離可能接着剤組成物を提供してもよい。外部エネルギーは、印加電圧などの電磁気エネルギーの特定プロフィールであってもよい。一実施形態では、第1の状態は第1の接着状態であり第2の状態は第2の接着状態であり、例えば第1の接着状態は第2の接着状態とは異なる密度を有する。
【0019】
電気的剥離可能接着剤はまた、一実施形態では、複合磁歪/電歪層(「ME複合物」)を採用した遠隔活性化ロックに使用されてもよい。このような実施形態では、接着剤は、このような基板を接着剤の表面に接着することができるポリマーであってその少なくとも1つが極性でありまたその少なくとも1つが無極性である複数のポリマーを含む。上記電気的剥離可能接着剤は例えば、導電性塩、金属粒子、金属配線、ナノワイヤおよびカーボンナノチューブの1つまたは複数からなる群から選択された1つまたは複数の導電性材料を含んでもよい。ロックおよび/またはロック解除に使用される外部エネルギーは、電磁気エネルギーの特定プロフィールであってもよい。一実施形態では、第1の状態は第1の接着状態であり第2の状態は第2の接着状態であり、例えば第1の接着状態は第2の接着状態とは異なる密度を有する。
【0020】
さらに、いくつかの実施形態では、遠隔活性化ロックシステムが解放された後製品上には残留物が残されていないかもしれない。1つの非限定的実施例では、残留物が存在しないことは、電気的剥離可能接着剤が直流すなわちDCバイアス場に付されると達成され、製品は導電性であるか、あるいは製品はその上の導電性膜を特徴とし、保護構造は導電性であるか、あるいは保護構造はその上の導電性膜を特徴とし、製品またはその膜と保護構造またはその膜はそれぞれ陽極(正電荷に接続される)と陰極(陰電荷に接続される)として機能する。この例では、500倍を越える倍率で顕微鏡検査を行っても、剥離後、陽極表面には接着性残留物が無いと考えられる。別の実施形態では、残留物は剥離後の製品に残されてもよい。一実施形態では、ロック解除された後に視認できる識別マークがロックに組み込まれてもよい。識別マークは例えば「購入の有効証明:Valid Proof of Purchase」等の語句であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本明細書に組み込まれ本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態の様々な態様を例示し、実施形態を本明細書と共に説明する役目を果たす。
【0022】
【図1】単一のエネルギー変換器基板を含むとともに保護製品と保護構造間に接合を形成する例示的接着ロック素子の簡略図である。
【図2】二重エネルギー変換器基板を含む例示的接着ロック素子であって、規定場に晒されるに先立って保護製品と保護構造間に接合を形成する例示的接着ロック素子の簡略図である。一実施形態では、二重エネルギー変換器基板は、電圧を、2つの基板間と電気的剥離可能接着剤により充填された隙間両端の電界に変換するように構成される。
【図3】2つのロック素子を含む遠隔活性化ロックの簡略図である。第1のロック素子は、図1に示すように、規定場に対する露出によりロック解除されこれにより製品を安全に解放し得る保護製品/保護構造接合を形成してもよい。第2のロック素子は、非規定場に晒されると製品を保護構造に恒久的かつ不可逆的に接着し、これにより不正アクセスから製品を保護するスプーフィング防止型である。いくつかの実施形態では、追加のロック能力を提供するために3つ以上のロック素子が直列または並列に組み合わせられてもよい。
【図4】規定場に晒されると1つまたは複数のロック素子により活性化される機械機構を含む遠隔活性化ロックアセンブリの簡略図である。
【図5a】保護対象光ディスクと遠隔活性化ロックアセンブリの部品の絵画的図である。
【図5b】設置された遠隔活性化ロックアセンブリを有する保護対象光ディスクの絵画的図である。
【図6】キャップ部品間の係合を示す遠隔活性化ロックアセンブリの破断面の概略図である。
【図7】ロック解除を示す遠隔活性化ロックアセンブリの破断面の概略図である。
【図8】追加のスプーフィング防止ロック素子を示す遠隔活性化ロックアセンブリの破断面の概略図である。
【図9】昇降手段が接着ロック素子で置換された別の実施形態を示す遠隔活性化ロックアセンブリの破断面の概略図である。
【図10】保護電子機器のUSBコネクタにロックされた遠隔活性化ロックアセンブリの単純化概略破断面図である。
【図11】保護電子機器のUSBコネクタからロック解除された遠隔活性化ロックアセンブリの単純化概略破断面図である。
【図12】保護電子機器のUSBコネクタにロックされた遠隔活性化ロックアセンブリの単純化概略破断面図である。ロック解除する不正な企てから起こり得るように、非規定場または条件による活性化後のラッチレバーの上部に位置する膨張したロック素子が示される。
【図13】保護電子機器のUSBコネクタにロックされた遠隔活性化ロックアセンブリの単純化概略破断面図である。ラッチレバーとプラットフォーム間の接合を形成しこれによりロックアセンブリの安全な除去を防止するラッチレバーの下に位置する接着ロック素子を示す。
【図14】処方薬に好適な、ねじ蓋容器の内容物を保護するように設計された遠隔活性化ロックシステムの単純化概略図である。
【図15】遠隔活性化ロックの素子を内蔵するねじ搭載容器上部を有する容器の単純化描写である。
【図16】ロック状態における図15の容器の単純化断面図である。
【図17】ロック解除状態における図15の容器の単純化断面図である。
【図18】メッシュ容器として構成された遠隔活性化ロックの簡略図である。
【図19】図18のメッシュ容器に組み込まれた遠隔活性化ロック機構の概略図を示す。
【図20】2つの遠隔活性化ロックメッシュ容器の実施形態を示す。
【図21】図18のメッシュ容器に組み込まれた遠隔活性化ロック機構の概略図の水平方向断面図を示す。
【図22】2つの図における電気的剥離可能接着層を採用した遠隔活性化ロックユニット実施形態の概略図であり、1つの図はロックユニットがロックされた位置にあり(図22A)、他の図はロックユニットが、電気的剥離可能接着層の側面にある2つの基板両端への印加電圧の印加により引き起こされたロック解除位置にある(図22B)。
【図23】電気的剥離可能接着剤を採用する別の遠隔活性化ロックユニット実施形態の概略図であり、実施形態の印加電流プロフィールを示す。
【図24】遠隔活性化ロックシステムのアーキテクチャの単純化実施形態を示す。
【図25】それぞれが共通のサブシステムレベルアーキテクチャを共有してもよい活性化、非活性化および再活性化処理サブシステムのシステムアーキテクチャの実施形態の単純化概略図である。
【図26A】アセンブリ内にロックされたメモリーカードを含む例示的遠隔活性化ロックアセンブリの概略図である。
【図26B】適切なエネルギープロフィールを有する外部刺激に晒された後のロック解除された後の例示的遠隔活性化ロックアセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の遠隔活性化ロック部品を含む遠隔活性化ロックアセンブリが提供される。遠隔活性化ロックアセンブリは、製品の使用をロックするあるいは製品の完全使用をロックすることにより製品への不正アクセスを防止するために採用されることができる。いくつかの実施形態では、遠隔活性化ロックアセンブリは、製品の使用/完全使用を防止するやり方で製品に物理的に取り付けられる。他の実施形態では、遠隔活性化ロックは、製品を覆う構造の一部(例えばブリスター包装材料)であるか、あるいは製品の完全な便宜へのアクセスを制限する構造の一部を囲む。遠隔活性化ロックアセンブリは、製品自体に結合された別のモジュールとしてあるいは製品に結合された構造として実装されてよい。遠隔活性化ロックアセンブリはまた、製品の一部をあるいは製品と一体化された製品包装を形成してもよい。
【0024】
いくつかの実施形態のロック部品は、1つまたは複数の送信活性化可能接着(transmission activatible−adhesive)ロック素子および/または送信活性化非接着(transmission activatible−non−adhesive)ロック素子を含んでもよい。ロック部品は、製品の使用または完全使用を妨害する機械機構と構造をさらに含んでもよい。
【0025】
ロックアセンブリは、適切なエネルギーまたはエネルギーのプロフィールにより活性化されると、1)アセンブリに関連した1つまたは複数のロックがロック状態からロック解除状態に移る、2)アセンブリに関連した1つまたは複数のロックがロック解除状態からロック状態に移る、3)1つまたは複数のロックがロック状態からロック解除状態に移り、同時にまたは別の時刻に、アセンブリに関連した1つまたは複数のロックがロック解除状態からロック状態に移る、ように設計されてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、ロック機能/ロック解除機能のそれぞれの作動には、セキュアキーとして機能する規定プロフィールを有する場(または場群)等の送信の印加を必要とする。セキュアキーは、例えば、規定プロフィールを有する磁場、電場、電磁場、光場、音場の1つまたはそれらの組み合わせを含んでもよい。規定プロフィールは、限定するものではないが、場のタイプ、周波数、場の強度、電力レベルおよび時間波形特徴の仕様を含んでよい。いくつかの実施形態については、それぞれが異なるプロフィールを有する一連の場がキーの構成要素を含む。さらに、それぞれが異なるプロフィールを有する複数場の同時印加がキーとして必要かもしれない。キーの追加要素が、場キー(field key)の印加の点または配向の要件であってもよい。
【0027】
本明細書の開示内容により理解されるであろうように、遠隔活性化ロックの構成とその構成ロック素子が、操作に必要な場プロフィールを判断してもよい。各ロックまたはロック群の構成は、その特性が秘密にされた一意的なプロフィールにだけ反応しこれによりロックのセキュアキーを実施するように設計されてもよい。
【0028】
ロック/ロック解除操作の規則正しい順序を提供する遠隔活性化ロックアセンブリ実施形態については、各順序の操作は一意的場プロフィールの印加を必要としてもよい。一意的場プロフィールの対応順序は、順序の初期に必要とされる一意的なプロフィールがその後の順序工程を時期尚早に活性化しないように構成されなければならない。
【0029】
いくつかの実施形態では、ロック機能のいくつか(またはすべて)が規定環境条件により活性化あるいは交互に活性化されてもよい。このような条件の例としては、限定するものではないが、温度、湿度、加速、力印加が挙げられる。
【0030】
遠隔活性化接着ロックの実施形態の「ビルディングブロック」は、送信により印加され得る規定エネルギーに晒されると化学的または物理的特性(「化学物理的特性」)が変化する接着剤である送信活性化可能接着剤であってよい。化学物理的特性の変化は、ロック状態からロック解除状態へあるいはロック解除状態からロック状態への変化をもたらすために変化を使用することができる程度のものでなければならない。
【0031】
接着剤組成物は、電気信号、磁場、電磁波、光または熱等のエネルギーの送信などの特定のエネルギーに応答してその物理的特性の少なくとも1つを著しく変化(すなわち状態変化)させるように作製されてもよい。影響を受ける物理的特性は、限定するものではないが、外形寸法、体積/密度、接着性、張力、圧縮強度、剪断強度を含んでもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、接着ロック素子は、複合構造を形成するために、エネルギー分配器および/またはエネルギー変換器と一体化された接着剤組成物を含む。一体化されたエネルギー分配器は接着剤を介しエネルギーを分配するのを助ける。一体化されたエネルギー分配器は、特定の外部印加エネルギー(電磁波等)を、接着剤の状態の変化に少なくとも部分的役割を負う第2の型のエネルギー(熱エネルギー等)に変換する変換器としてさらに作用してもよい。
【0033】
遠隔活性化ロックは、単一または複数のロック素子を採用することによりロック動作/ロック解除/再ロック動作/スプーフィング防止特徴の任意の所望の組み合わせを提供するように構成されてもよい。ロック素子は、素子の各グループ分けが表面間の界面を形成する並列に、あるいはロック素子のグループ分けが表面間のサンドイッチとして構成される直列に、構成されてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔活性化ロックは、ロック素子の直列および並列グループ分けの両方を含んでもよい。
【0034】
図1に示すのは、遠隔活性化アセンブリにおいて使用されてもよい遠隔活性化接着ロック素子2の一実施形態である。遠隔活性化接着ロック素子2は、エネルギー変換器として機能する第1のキャリア基板6に接着された接着材料4の積層物を含む。第1のキャリア基板6は、例えばエネルギーを接着材料4の表面に導く導電性金属シート(アルミニウム、鉄、鋼、銅、金、白金箔等)であってよい。遠隔活性化接着ロック素子2は、製品3の表面を接着材料4の1つの表面に沿って接着しそして接着材料4の別の表面に沿って保護構造5に接着して示されている。このような実施形態における外部印加場への第1のキャリア基板6の露出は渦電流を引き起こす。渦電流は金属シートの抵抗により熱として放散される。放散された熱は、接着材料4の温度を上昇させ接着剤を製品3から剥離させる。
【0035】
場管理および周波数応答は、磁場を変化させることにより影響を受ける粒子および/または膜の好適な選択により管理される。これらの材料は両方とも、渦電流を内部に誘導させることにより向きを変え、機能する。特に、これらの材料は、誘導電流の磁束の伝導および表皮厚さと材料の抵抗率とに依存して、異なる強度および周波数の場に対し劇的に異なる反応を有する。渦電流が第1のキャリア基板6内に誘導されると、渦電流は表皮効果に従ってシートの表面の近傍を流れる傾向があると考えられる。表皮効果は、電流フローに使用可能な金属シートの電気的断面積を、表皮厚さとして一般的に示される平均深さまで減らす。表皮厚さはδ=(r/(πμf))1/2として数学的に表される。ここで、rは抵抗率、μは透磁率[H/m]、fは周波数である。これらは、限定するものではないが表1に示すように公知の材料から単独であるいは組み合わせて選択されてもよい。選択により、接着剤キーの周波数に対する感度の態様を与えてよい。これらの材料は層、膜または粒子として選択されてもよい。膜として、これらの材料は有利には名目上0.0001インチ〜0.001の厚さ、あるいは粒子としては接着剤の0.5%〜10体積%であってもよい。様々な金属の透磁率の広いバラツキは、エネルギー変換器の表皮厚さとしたがって抵抗とが、金属膜を含む材料を選択することにより設計されることができるということを示す。渦電流フローにより発生した熱が、接着剤組成物の温度を上昇させて、これによりその特性(接着性等)の変化を引き起こしてもよい。生成された熱の量と結果として得られる温度は、部分的には、場の特徴、接着剤組成物の熱的特性、および金属シートの電気的特性により決定される。さらに、金属シートの物理的形状と寸法は、エネルギー変換器の周波数選択特性と熱分布特性を与えるように構成されてもよい。強磁性エネルギー変換器材料のための追加の加熱機構が生じる。外部から印加される交流磁場は、磁気ヒステリシスから熱を発生させる。ヒステリシスは、強磁性体内の要素磁石が外部から印加される逆転磁場に整合しようとするので生じる。
【0036】
【表1】
【0037】
接着材料4が熱的条件よりむしろ静電界に応答して状態を変化させる場合、このような接着材料4は、保護構造5のロックの変化を製品3に与えるために使用されてもよい。例えば、基板6と6’に静電位が差動電圧により印加されると、イオン輸送が起こり、接着性の低下を引き起こす接着材料4の表面における反応を生じる。非限定的な例として、部品4に好適な電気的剥離可能接着材料はEIC LaboratoryのER E−4接着剤である。この例では、接着剤は通常、20〜180秒間DC9〜50ボルトの電位差に付されると陽極表面から剥離する。ばね材料が電場を短絡しないあるいは剥離処理のイオン流れを妨害しないことを保証するように配慮した上で、この期間は、接着剤内にばねまたは同様の装置を埋め込むことにより速められてもよい。剥離は、2つの導電面間の短絡を引き起こすのに十分な電圧の印加により禁止されてもよい。このような短絡は、接着剤両端間の電圧勾配の印加を排除し、これにより接着性を恒久的にし、これによりシステムを攻撃する走査を行うハッカーを阻止するであろう。適切ならば、ハッカーを妨害し不正アクセスを防止するために、1つまたは複数の電気的剥離可能領域が採用され、従来のアバランシェまたはツェナーダイオードなどの単純なインテリジェンスにより、あるいは集積回路などのよりインテリジェントスイッチにより制御されてもよい。
【0038】
剥離可能接着剤の追加実施形態では、少なくとも1つの極性ポリマーと少なくとも1つの無極性ポリマーとからなる少なくとも2つのポリマーと、導電性塩、金属粒子、金属配線、ナノワイヤおよびカーボンナノチューブの材料の1つまたは複数を含む導電性材料と、を含み、外部エネルギーの印加に応答し第1の状態から第2の状態へ遷移することにより特徴付けられた電気的剥離可能接着剤が開示される。外部エネルギーは、印加電圧などの電磁気エネルギーの特定プロフィールであってもよい。一実施形態では、第1の状態は第1の接着状態であり、第2の状態は第2の接着状態である。異なる状態は例えば、接着剤の物理的体積または接着強度の変化であってよい。
【0039】
粒子または膜であってよい接着添加剤は、限定するものではないが、熱エネルギー転送を管理することによりおよび入力エネルギーの閾値を効果的に設定することによりキーの一部の形成を可能にする熱拡散係数を制御するために、表2から選択される。熱拡散係数はD=λ/(Cpρ)として数学的に表されてもよく、ここでCpは材料の比熱、λはその熱伝導率、ρはその密度である。したがって、特性の集合により与えられる特定の熱閾値に達するために、エネルギーと時間の極めて特別な比が必要とされる。特性差の大きさは、0.5%〜10%の少量の材料添加が性能の根本的な差異を生じ得ることを意味する。
【0040】
【表2】
【0041】
別の実施形態では、ME(磁歪/電歪:magnetostrictive/electrostrictive)層と、少なくとも1つの極性ポリマーと少なくとも1つの無極性ポリマーとからなる少なくとも2つのポリマーを含む接着層と、導電性塩、金属粒子、金属配線、ナノワイヤおよびカーボンナノチューブの材料の1つまたは複数を含む導電性材料と、を含む遠隔制御可能な剥離可能接着剤システムであって、外部エネルギーの印加に応じて第1の状態から第2の状態に遷移することにより特徴付けられたシステムが開示される。磁歪は、磁場に付されるとその形状または寸法を変化させる強磁性体の特性である。電歪は、電界の印加下でその形状を変化させるすべての電気的不導体または誘電体の特性である。外部エネルギーは電磁気エネルギーの特別のプロフィールであってよい。一実施形態では、第1の状態は第1の接着状態であり、第2の状態は第2の接着状態である。
【0042】
別の実施形態における遠隔活性化接着ロックは、図2に示すように、サンドイッチ型遠隔活性化ロック10を形成するために接着材料4を挟む2つのキャリア基板6と6’を含み、キャリア基板6は保護構造5に結合され、保護基板6’は製品3に結合される。キャリア基板6と6’が導電性基板である場合、2つの導電性基板はエネルギー変換器として機能してもよい。このエネルギー変換器は、加熱強化だけをまたは別の実施形態では静電界を提供するように機能する。ロックのセキュリティキーは、接着材料4の熱的特性および温度関連状態変化特性と組み合わせたエネルギー変換器の物理的および電気的特性により定義されてよい規定の場プロフィールにより実施されてもよい。
【0043】
この実施形態の接着ロック素子のアプリケーションに好適な接着剤組成物の例は、接着剤と接着剤中に分散された非接着材料の粒子との混合物を含む。
【0044】
実際の接着剤は、製造要件と製品ロック要件との組み合わせに基づき選択される。例えば、ロックアプリケーションに使用する適切な1つの「基本」接着剤は、Raymat Materials,Inc.30081 Ahern Ave,Union City製のRaymat8303A UV硬化アクリル系粘着剤である。この接着剤は、名目上流体でありしたがって追加成分を好都合に添加することができるので便利である。この接着剤は、液体として、箔裏打ちに塗布され、ロールツーロール処理システムにおいて粘着状態を硬化させるために紫外線エネルギーが使用される。軽い力だけで剥がすことができる剥離ライナーが取り付けられる。この剥離ライナーは、接着剤が強力に付着しないパラフィン紙またはシリコーン膜と類似のものであってよい。これにより、擬似テープとして簡単な組み立てが可能となる。このテープは、例えばテープが強力に接着しているラッチを固定するロックアセンブリにおいて今や好都合に使用されることができる。しかしながら、取り付けと組み立ての便宜が課題ではなく強度が最重要である場合、エポキシアミン等の基本接着剤を使用することもできるであろう。
【0045】
接着剤全体に分散した粒子が、接着材料の特性を変え、熱エネルギーをより効果的に分配するのを助け、および/または追加の第1のエネルギー源から第2のエネルギー源への変換機構(例えば、電磁エネルギーから熱エネルギー変換)を提供してもよい。さらに、他の分散された粒子が、外部印加場に応答して所望の物理的振る舞いを発揮してもよい。一実施形態では、分散された粒子は、接着剤中の熱の流れを強化または妨害する混合剤の熱伝導率特性を変更する役目を果たしてもよい。高熱伝導率により特徴付けられた金属粒子が熱の流れを強化し、非金属粒子が熱の流れを妨害してもよい。
【0046】
別の実施形態では、外部印加場の周波数に共振する寸法を有する導電性粒子がエネルギー変換素子として機能してもよい。導電性粒子は、共振場により励起されると、例えば磁性粒子の音響共振により誘導された渦電流または摩擦効果の抵抗性放散によって熱を発生することがある。別の実施形態では、分散された粒子は外部印加場に対する露出に応答して物理的に膨張してもよい。分散された粒子の物理的膨張は、接着ロック素子接合の機械的破壊をもたらしこれによりロックを解放するだろう。
【0047】
図1の別の実施形態では、ロック素子2はこの例示的ケースでは外部場プロフィールなどの選択した外部エネルギー源に対する露出前にかなりの接着性を欠くことにより特徴付けられる接着材料4を含む。このケースでは、選択した外部エネルギーに対する露出は、接着剤に保護構造5と製品3を強く接着させる接着材料4の接着性の増加を引き起こす。図1の別の実施形態では、接着材料4は、特定のエネルギー源に対する露出前の初期体積xとこのようなエネルギー源に対する露出後の体積x+y(ここで、y>0)とにより特徴付けられる。体積の増加は接着材料4の接着性の破壊を伴いロック2を製品3から解放すると考えられる。
【0048】
図3に図式的に示されるのは、2つのロック素子32、34を含む遠隔活性化ロックアセンブリ28である。ロック素子32は、製品の使用を防止する保護構造5に製品3の表面を接着する。ロック素子32は、従来の接着剤40により保護構造5に恒久的に取り付けられてもよい。好適な従来の接着剤の非限定的な例としては、エポキシ樹脂と熱硬化性プラスチックが挙げられる。ロック素子32と製品3間の接合はエネルギー反応性状態変化接着材料(energy−responsive state change adhesive material)4により形成される。ロック素子32が接着される製品3の表面は、ロック素子32の強制取り外しが製品3の使用を防止する損傷をもたらすように選択されてもよい。第2のロック素子を含むロック素子34は、製品3と保護構造5間の第2の物理的界面を形成するように配置される。ロック素子34はまた、従来の接着剤40により保護構造5に恒久的に取り付けられてもよい。製品3とロック素子34間の界面は、エネルギー反応性状態変化接着材料4と異なるエネルギーまたはエネルギープロフィールに反応するエネルギー反応性状態変化接着材料4’である。遠隔活性化ロック素子32と34のそれぞれは、外部印加エネルギーを別のエネルギーに(例えば、電磁波を熱に)変換するように構成された関連するエネルギー変換器6と6’を有する。1つのロック素子がロック位置にあり別のロック素子がロック解除位置にある場合、遠隔活性化ロックアセンブリ28は、広域スペクトル送信を使用して不法な活性化(すなわち、保護製品上のロックを破ろうとする企て)を防止するのを助ける。すなわち、1つのロック素子が1つの送信でロックするように設計されている場合、多くの送信に対する広範な露出が、ロックされたロック素子を打ち破るかもしれないが、露出はまた、製品を使用することができないかあるいは十分には使用することができなくなるように他のロック素子に製品をロックさせてもよい。
【0049】
例えば、製品3は、ロック素子32が規定の場プロフィールに晒されるまで保護構造5に接着されたままであってよい。規定の場プロフィールに晒されると、ロック素子32接合は解放され、これにより製品3を損傷なしに保護構造5から分離することができるようになる。非規定の場プロフィールに露出することにより製品3を取り外す不正な企てがなされると、ロック素子34は活性化され、これにより保護構造5と製品3間の恒久的な接合を形成してもよい。非規定の場プロフィールが規定の場プロフィールを包含する状況では、ロック素子34接合は、ロック素子32接合が解放されても製品に対するアクセスを防止することができる。
【0050】
本開示から理解されるであろうように、製品のロックを有効にするために、異なる構造をロック素子に連接することができる。例えば、連接レバーを使用する遠隔活性化ロックアセンブリ50の実施形態を図4に図式的に示す。このような実施形態では、遠隔活性化ロックアセンブリ50は複数ロック素子52、52’と機械機構ロック部品54を含む。製品3’と保護構造5’間に接着層を形成するのではなく、ロックアセンブリ50は、この場合ロックアセンブリ50の筐体の内側延長部62から旋回されるレバーに取り付けられたピンを含む非接着剤機械保持装置60により製品3’に固定される。他の非限定的例示的保持装置60は例えば、伸長/収縮可能ラッチ、爪、ピストン、および/または製品内に組み込まれた対応する容器と係合するピンを含んでもよい。機械保持装置60は、遠隔活性化ロックアセンブリ50を含む機械機構の操作により伸長または収縮されてよい。接着ロック素子52は、規定の場プロフィールに付されると部品機械機構を作動するようにロックアセンブリ50内に構成されてもよい。部品機械機構62の作動は機械保持手段60の拡張または収縮を引き起こし、これにより保護製品からの遠隔活性化ロックアセンブリ50の安全な取り外しを可能にする。非規定の場プロフィールに付されると部品機械機構の作動を防止するように、追加のロック素子(不図示)がロックアセンブリ内に構成されてもよい。
【0051】
さらに別の実施形態では、DVD、CDおよび他の記録媒体等の製品を保護するのに好適な遠隔活性化ロックアセンブリが開示される。図5aに、2つのロックキャップ100と110が保護構造として機能する1つのこのような記録媒体ロック遠隔活性化ロックアセンブリシステムを示す。図示のように、キャップ100と110は光ディスク105の中央開口部102を通して係合するように構成される。図5bに、光ディスク105の中央開口部102内に固定された(すなわち、2つのキャップ100と110が連結した)ロックされた遠隔活性化ロックアセンブリ104を示す。
【0052】
図6に、ロックキャップ100と110の可能なロックアセンブリを示す。このような例示的遠隔活性化ロックアセンブリ104では、キャップ100と110はそれぞれ相互作用する機械機構190と200を有する。同図に例示するように、相互作用するバネ装架ラッチシステムが見られる。ロックアセンブリ105は、多くの他の素子と共にこのような連結機械機構190と200を含む。このような他の素子としては、図示のように、平坦でかつキャップ100の表面に隣接するものとして示した機械的ロックアセンブリ105の内部に位置する恒久的接着剤組成物120が挙げられる。第1のエネルギー変換器130は、恒久的接着剤組成物120の上でかつ連接されたロック機構200の内部に位置する。ロックアセンブリ105は、エネルギー変換器130の上に位置する状態変化接着剤組成物140の第2の層をさらに含み、また機械的ロック機構200の内部にある。状態変化接着剤組成物140は、ロック動作またはロック解除に対して選択されたあるエネルギー源プロフィールに晒されると状態変化を受ける接着剤であり、恒久的接着剤組成物120は、ロック解除するために使用されるエネルギープロフィールに関係なく接着性を保つように設計された接着剤である。キャップ110は、嵌め合いバネ装架ラッチ(mating spring−loaded latch)により例示されるように嵌め合い機械ロック部品190を含む。図示のように、キャップ110はまた、機械的ロック機構190の内部に位置するとともに図示のように平坦でありかつキャップ110の表面に隣接する恒久的接着剤組成物180の層を有する。キャップ110は、図ではその直径が機械ロック部品190より小さく恒久的接着剤組成物180に隣接して配置された円筒状ノブとして示される突出昇降手段(protruding elevator)170をさらに含む。突出昇降手段170の底に隣接して(すなわち、キャップ100に最も近い側に)、状態変化接着剤組成物160の別の層がある。第2のエネルギー変換器150は状態変化接着剤組成物160に隣接する。
【0053】
恒久的接着剤組成物120と180は同じ接着剤であってもよいがそうである必要はない。例示的な接着剤としては、Raymat Materials Inc.の368、468または568エポキシ樹脂が挙げられる。エネルギー変換器130と150は、限定するものではないが、アルミニウムと鋼あるいは透磁率とキュリー温度等の特定の磁気特性を有する磁性材料を含む導体箔または膜であってよい。例示的代表的磁性材料は1010鋼である。状態変化接着剤組成物160と140は、接着剤組成物120と180と同じまたは異なるエポキシ樹脂であって、所望のエネルギープロフィールが印加されると状態変化を可能にしロック機構の特定用途への調整を可能にするようにその成分が変更されたエポキシ樹脂(例えば、特定のエネルギープロフィールが印加されると体積が膨張し、これにより接着剤の接着層を壊す材料を含む)であってもよい。
【0054】
キャップ110のロック部品190は、2つが機械的に連結するようにキャップ100のロック部品200の内部に嵌まる。ロック部品190と200は状態変化接着材料140と一緒に固定される。キャップ100と110間に実質的に壊れない接合を提供するエポキシ樹脂の重要な領域がある。例えば、0.25インチの接合領域に広がる8,000psiの接着材料は、離れるのに2,000ポンドの力を必要とすると考えられる。
【0055】
図7に示すように、規定プロフィールを有する場に露出することにより遠隔活性化ロックアセンブリ104をロック解除させる。例示的実施形態では、第1のロックキャップ100は、規定のエネルギープロフィールを受ける(例えば、ある温度に達する)と機械的ロック機構200の内面および機械的ロック機構190の最下層外面から剥離する状態変化接着剤組成物140を含む。状態変化接着剤組成物140のよく知られた状態変化を引き起こすのに必要なエネルギープロフィールは、エネルギー変換器130と150による傍受電磁場の熱エネルギーへの変換など1つのエネルギー場を別のエネルギー場に変換することにより作用してもよい。図示のように、エネルギー変換器130と150は、接着剤組成物140の両面上に積層される。エネルギー変換器は例えば、電気伝導、熱伝導、発電(磁歪/電歪)、熱生成(誘導)、および/または光伝送を伴ってもよい。
【0056】
ロックされたロックキャップ100と110をロック解除する機構を、図7に概略的に示す。第2のロックキャップ110は、規定のエネルギープロフィールを有する場に付されると膨張する状態変化接着剤組成物160を含む。エネルギーは、エネルギー変換器150により接着剤組成物160に送られる。接着剤組成物160の膨張により、円筒状昇降手段170に鉛直力を印加し、昇降手段をキャップ110内に押し付け、矢印175により示すようにキャップ110の両側を下に曲げる。キャップ110の曲げは、矢印185により示すように内側ロック機構190を内側へ移動させる水平力を生成する。このときキャップ110をキャップ100から分離することができる。
【0057】
図8に示す実施形態に示す図6の遠隔活性化ロックアセンブリのスプーフィング防止特徴を提供するために追加ロック素子を加えてもよい。この実施形態に示すように、追加ロック素子は、例えばドーナツ形状を有し、キャップ100の表面と直接接触し、キャップ100の外径に位置する第3のエネルギー変換器210と、エネルギー変換器210層の上に直接配置された状態変化接着剤組成物の別の層230と、2つの他の層210と230に隣接するがキャップ100の内径方向により近くに配置された状態変化接着剤組成物の別の層220と、を含む。
【0058】
接着剤組成物220と230は、特定温度で硬化するホットメルト接着剤を含んでもよい。第3のエネルギー変換器210は、めっき、スパッタリングまたは他のやり方など任意の様々な方法により蒸着された導電性または磁性材料である箔または膜を含んでもよい。状態変化接着剤組成物220と230とエネルギー変換器210は、ロック解除するように意図されたエネルギープロフィールに晒されても目に付く程度に状態を変えないように構成される。例えば、このような組成物は、遠隔活性化ロックの認可されたロック解除のための規定場に付されても硬化に必要な温度まで熱くならない。しかしながら、規定場に準拠しない十分な電力場に対する露出は、ホットメルト接着剤220と230をディスクに恒久的に接着させ、装置をディスクに恒久的にロックし、その使用を妨げる。
【0059】
本開示に包含される遠隔活性化ロックの他の実施形態は、限定するものではないが以下のものを含む。図9に表されるように、円筒状昇降手段170は削除され接着剤により置換されてもよい。遠隔活性化ロックのロック解除は、例えば接着材料だけの剥離による、あるいは接着材料だけを膨張させることによる、のいずれかによる単一の作動方法を含むことができるであろう。遠隔活性化ロックは、2つのエネルギー変換器130と150の代わりに1つのエネルギー変換器130を含むことができるであろう。エネルギー変換器130は、キャップ100に一体化されることにより接着剤組成物120の必要性を無しにしてもよい。めっき、スパッタリングまたは任意の他の方法によりキャップ100上にエネルギー変換器層を蒸着することができるであろう。円筒状昇降手段170は、導体箔よりむしろスパッタリングまたは任意の他の方法により蒸着された集積化エネルギー変換器を含んでもよい。
【0060】
本開示の遠隔活性化ロックアセンブリはまた、部品と、それへのアクセスが部品またはユニットの使用に必要である接続ジャックまたはソケットを含む装置と、を保護するのに好適なようなアセンブリを含む。
【0061】
1つのこのような実施形態では、遠隔活性化ロックは、操作に必要な嵌め合いUSBコネクタ(mating USB connector)の挿入を阻止するように電子装置の1つまたは複数のUSB(ユニバーサルシリアルバス)コネクタを物理的にロックする。遠隔活性化ロックアセンブリは、保護装置にロックされるとコネクタからロックを不正に取り外すためには破壊的力の印加を必要とするだろう。一実施形態では、遠隔活性化ロックをロック解除しようとする不正な企てが、ロックされたコネクタを使用不能にしてもよい。
【0062】
図10に、このような接続ジャックまたはソケット遠隔活性化ロックアセンブリ300の実施形態の単純化概略図を示す。このような実施形態は、1つまたは複数のUSBコネクタを含む電子機器の使用保護に好適である。遠隔活性化ロックアセンブリ300は中空箱のような構造である装置筐体310を含む。中空箱は、内部空洞320を画定するともに、平坦な正面壁330および並列の平坦な裏面壁340と2つの側壁と1つの天井350と床360とを含む。平坦な正面壁330は面壁330を内部空洞320内に侵入させる矩形間隙370を画定する。矩形間隙370はUSBコネクタ390の端子部分380の挿入を許容するように寸法決めされる。隆起プラットフォーム400は内部空洞320内に配置され、平坦な裏面壁340から正面壁330に向かって延びる床360に平行な表面を形成する。ラッチレバーまたは爪410を含むラッチ400は、プラットフォーム400と裏面壁340との交点の近傍の内部空洞320内で蝶番的に取り付けられ、少なくとも2つの位置を取るように作動可能に構成される。閉位置では、ラッチレバー410はプラットフォーム400に平行であり、ラッチレバー410は、遠隔活性化ロックとコネクタ390との分離を防ぐように、挿入された雄コネクタの端子部分380と係合する。開位置では、ラッチレバー410は、遠隔活性化ロックアセンブリ300のコネクタ390からの安全な取り外しを許容するように端子部分380からラッチレバー410のヘッドを引き離すように、プラットフォーム400から旋回されて離される。
【0063】
作動時、USBコネクタ390の端子部分380は装置筐体310の間隙370内に挿入される。ロック状態では、バネ装架であってよいラッチレバー410は、USBコネクタ390の端子部分380の2つの孔にラッチされる。ロック状態では、過剰引っ張り(>100ポンド)がUSBコネクタ390をUSB筐体本体420から分離させることになる。過剰力は、ラッチレバー410を回転させ、雄のUSBコネクタ390の端子部分380に結合させ、端子部分380の銅トレースを引っ掻き、銅トレースを使用不能にする。USBコネクタ390は、規定のエネルギープロフィールの適切な印加だけにより安全に取り外されてもよい。
【0064】
ラッチレバー410の位置は、規定プロフィールを有する対応場に付されるとそれぞれが個々に活性化されてよい3つのロック素子430、440、450により制御される。
【0065】
保護装置へのアクセス許可は剥離可能ロックアセンブリ300により提供されてもよい。第1のロック素子430はラッチレバー410の下のプラットフォーム400上に固定され、第1の規定プロフィールを有する場に付されると膨張する第1の接着剤組成物460を含む。第1のロック素子430は、第1の規定プロフィールを有する場により励起されると変換エネルギーを第1の接着剤組成物460に印加するエネルギー変換器470をさらに含む。第1のロック素子430は、第1の接着剤組成物460の膨張がラッチレバー410に力を印加してラッチレバー410を閉位置から開位置へ駆動するように構成される。
【0066】
図11を参照すると、ラッチレバー410のロック解除を引き起こすために規定の第1のプロフィールを有する場が印加される図10の実施形態が示される。活性化エネルギーは、USBコネクタ390の端子部分380を安全に取り外せるように接着剤組成物460を膨張させラッチレバーヘッド480を上昇させるエネルギー変換器470により受け取られる。第1の規定プロフィールを有する場の印加は、エネルギー変換器490によるエネルギーの大きな変換を引き起こさなく、したがって接着剤組成物500の特性の変化をもたらさない。
【0067】
保護装置に対する不正アクセスは、図12に示す実施形態の追加ロック素子により防止されてもよい。第2のロック素子440は、ラッチレバーヘッド480の上のラッチレバー410上に設置され、第1の規定プロフィールに準拠しない場に付されると膨張する第2の接着剤組成物500を含む。第2のロック素子440は、第1の規定プロフィールに準拠しない外部印加場により励起されると変換エネルギーを第2の接着剤組成物500に与える第2のエネルギー変換器490をさらに含む。第2のロック素子440は、第2の接着剤組成物500の膨張が第2のロック素子を天井350の内側面と接触させ、これによりラッチレバー410に下向きの力を与え、ラッチレバー410を閉位置方向に駆動するように構成される。第2のロック素子440により起こされる力の大きさは、第1のロック素子430のものより大きく、したがって第1のロック素子430により与えられた力に打ち勝つ。第2のロック素子440の活性化は、ラッチレバーヘッド480爪の係合を維持し、これにより遠隔活性化ロックアセンブリ300の保護装置からの安全な取り外しを防止する。
【0068】
図13に示すように、広域スペクトルエネルギー送信攻撃に対する保護のために追加ロック素子が使用されてもよい。図示のように、保護装置に対する不正アクセスをさらに防止し得る第3のロック素子450が設けられる。ロック素子450は、第2のロック素子440とプラットフォーム400の先端間のラッチレバー410の下のプラットフォーム400に隣接した位置にあり、第3の接着剤組成物510を含む。第3の接着剤組成物510は例えば熱硬化性接着剤であってもよい。その初期状態では、第3の接着剤組成物510はまだその硬化温度に付されておらず、大きな接着性を発揮しない。外部エネルギーが第3の接着剤組成物510に印加されると、第3の接着剤組成物510は硬化して、ラッチレバー410を閉位置に恒久的に接着させる。第3の接着剤組成物510の接着性は第1のロック素子430により加えられた力を克服するのに十分であり、したがってラッチレバー410を閉位置に保ち、ラッチレバー480爪の係合を維持する。任意のプロフィールを有する場へのその後の露出は、遠隔活性化ロックアセンブリ300の保護装置からの安全な取り外しを許容しない。
【0069】
図14に、処方薬などのねじ蓋容器内に包装された製品を保護するように設計された遠隔活性化ロックシステムの実施形態の外観図を示す。このシステムは、容器710上にねじで留められてもよいねじ蓋キャップ700を含む。限定するものではないが、容器710は、ガラスまたはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、PET等のプラスチックで作られてもよく、金型または成形により製作されてもよい。
【0070】
図15に、遠隔活性化ロックシステムのロック特徴を示す。図15Aに、容器の一端上の雄ねじ720と容器710の同じ端上の軸方向に延びるラチェット部材730とを有する容器710を示す。ラチェット部材730はモールド成形により製作されてもよい。図15Bに、ねじ蓋キャップの内壁に沿って配置された雌ねじ740と、ねじ蓋キャップの内部の上部に配置されたラチェット爪の一部であるロック部材750と、を有するねじ蓋キャップ710の内部を示す。
【0071】
図16に、ロック状態のねじ蓋容器の例示的遠隔活性化ロックシステムの詳細な断面図を示す。ねじ蓋キャップ700は、成型プラスチック、金属またはセラミック材のいずれかで形成されるとともに雌ねじ740を有するワンピースキャップ構造770を含む。雌ねじ740は、容器710の本体の雄ねじ720と係合しその中で蓋780とラチェット爪790と係合するように寸法決めされる。キャップ構造770の中心は、蓋780と可動ラチェット爪790とを含むラチェット爪アセンブリを受け入れ取り込むための溝を含む。上部空洞800は、ロック解除処理中のラチェット爪の運動を許容し、いくつかの実施形態では、内容物にアクセスする不正な企てがなされると活性化する改ざん防止層(anti−tampering layer)を含む。蓋780とラチェット爪790は接着剤810により互に接着される。静止蓋780に対して平坦な接着剤810は、熱膨張粒子、熱伝導粒子、またはRF感受体粒子(RF susceptor particle)の1つまたは複数を含むエネルギー変換器または層または構造を含んでもよい。
【0072】
ねじ蓋キャップ700をねじると、雌ねじ740は容器710上の対応する雄ねじ720と係合し、ねじ蓋キャップ700上のラチェット爪ロック部材750は容器710の首上のラチェット部材730と係合する。ラチェット爪ロック部材750は、ねじ蓋キャップ700の締め付け一方向回転だけを許容して、ねじ蓋キャップ700の緩みを防止する。
【0073】
図17に示すように、容器が規定プロフィールを有する場に晒されると、接着剤は膨張し垂直方向に力を生成する。発生された力は、蓋780からラチェット爪790を押しやり、これにより容器710上のラチェット部材730からラチェット爪ロック部材750を切り離す。その後、ねじ蓋キャップ700は取り外されてもよい。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態では、改ざん防止材料(anti−tampering material)が、空洞800の領域内のラチェット爪790の頂部に被膜として加えられてもよい。改ざん防止材料はEVA(エチル酢酸ビニル)または別の構成の接着剤からなってもよい。高熱または不正エネルギープロフィールを使用して容器上のロック装置を改ざんする企てがあれば、改ざんは、ラチェット部材と爪を互に接着するであろうEVAを溶かすことができる改ざん防止層、あるいは改ざん防止接着剤の場合は、爪とギヤとの係合を保つために下部接着剤より大きな力を有ししたがって容器の底に向かう下向きの正味力を有するように構成されるであろう改ざん防止層、のいずれかを活性化するであろう。
【0075】
本発明の他の実施形態では、遠隔活性化ロックシステムは半径方向に延びるラチェットと爪部材を使用するように構成されてもよい。追加の実施形態は、また、適切な設計のラチェット爪と協同して働く雄ねじに隣接する容器の外面上にラチェット部材を含んでもよい。
【0076】
別の実施形態では、図18に、任意の形状の容器内に包装された高い盗難リスク品を保護するように設計された遠隔活性化ロック保護容器を示す。包装900は、埋め込み切断耐性メッシュ(embedded cut−resistant mesh)910を有する材料で作られた箱状または任意の他の形状の容器を含んでもよい。包装900は、限定するものではないが、繊維、紙またはプラスチックで作られてもよい。メッシュ910は、限定するものではないが、ステンレス鋼、ケブラー、任意の他の強靭ポリマーまたは任意の他の切断耐性材料の任意のもので作製されてもよい。メッシュは外部環境に対し視認可能であっても視認可能でなくてもよく、包装材料の2つまたは複数の層間に挟まれてよい。図18の例示的容器は、包装900の頂部縁部に密閉されるともに遠隔活性化ロック機構930を組み込んだ蓋920を含む。
【0077】
図19に、ロック状態にある例示的遠隔活性化ロックメッシュ容器ロック機構930の詳細な断面図を示す。ロック機構930は、接着剤または任意の他の固定方法を使用して包装900に取り付けられる底パッド940と、接着剤または任意の他の固定方法により容器蓋920に取り付けられるキャップ950と、を含む。底パッド940は、その中にエネルギー変換器960が置かれるわずかな窪みを有する。エネルギー変換器960は、限定するものではないがアルミニウムまたは銅または任意の他の導体材料で作られた箔または積層箔を含んでもよく、渦電流を生成ししたがって電磁場の存在下でエネルギーを変換する。エネルギー変換器960は、膨張可能接着剤を含む片面または両面を有する底パッド940とキャップ950に接着剤970を接着するために、その両平面上に接着剤970を有する。接着層は底パッド940内の窪みの底に対して平らである。膨張可能接着剤は、膨張粒子、熱伝導粒子またはRF感受体粒子の1つまたは複数を含む層または構造を含んでもよい。このような感受体粒子はRFエネルギーを吸収し、フェライト粉、金属粉、カーボンブラック、黒鉛粉末、アモルファス金属粉末またはガラス繊維、ガラス気泡等の被覆粒子、または薄い連続金属膜で被覆された雲母フレークを含んでもよく、そのすべては、熱硬化性ポリマー等の随意的なポリマーを含んでもよい。
【0078】
本発明の他の実施形態では、キャップ950と、膨張接着剤により作動させることができるラッチ等の底パッド940と、の間に追加の機械的アタッチメントが存在してもよい。
【0079】
容器が規定プロフィールを有する場に晒されると、エネルギー変換器960は遠隔電磁場からエネルギーを吸収し、そのエネルギーを接着剤内に伝達する。接着剤970もまたエネルギーを吸収する。接着剤は膨張し、垂直方向に力を生成し、容器900からキャップ950を押しやり、これにより蓋920を容器900に結合するシールへのアクセスを許容する。次にシールを剥がすことができ、次に蓋920が取り外されてもよい。
【0080】
図20に、本発明の2つの追加の実施形態を示す。図20Aは、バッグの頂部において2つの金属またはプラスチック棒を介し密閉する埋め込みメッシュ材料で作られたバッグを示す。図20Bに、バッグの頂部においてメッシュを通るワイヤにより生成された膨張可能開口を有する、埋め込みメッシュ材料で作られたバッグを示す。2つのワイヤ端は、図19に詳述されたものと類似のロック機構内に埋め込まれている。
【0081】
図21は、図20Aの容器のロック機構980の水平断面を示す。ロック機構980は、2つの金属またはプラスチック棒、すなわち延長部材1010を有する第1の棒990と、延長部材1010を受け入れるように設計されたフックまたはラッチ1020を有するとともにエンボスまたは機械加工または任意の他の好適な方法により製作されてよい第2の棒1000と、を含む。第1の棒990と第2の棒1000は互に押し付けられ、第1の棒990は延長部材1010が第2の棒1000のフックまたはラッチ1020に係合するようにスライドするようにされる。キャップ1030は、延長部材1010とフックまたはラッチ1020間の係合領域を覆うように接着される。延長部材1010とフックまたはラッチ1020間の上述した棒に沿って1つまたは複数の係合が存在してもよい。
【0082】
バッグが規定プロフィールを有する場に晒されると、エネルギーは規定場によりエネルギー変換器1050内に誘導される。エネルギー変換器1050内のエネルギーは接着剤1040に移動し、接着剤1040もまたエネルギーを吸収する。接着剤1040は膨張し、矢印により示すように垂直方向に力を生成し、キャップ1030をフックまたはラッチ1020から押しやり、これにより棒990と延長部材1010が左向きの矢印により示すように棒1000上のフックまたはラッチ1020からスライドして離れるようにする。
【0083】
規定場プロフィール
遠隔活性化アセンブリロックの操作には、規定プロフィールを有する1つまたは複数の場の印加を必要とする。遠隔活性化ロックアセンブリまたは遠隔活性化ロックアセンブリ群をロック解除または再ロックするには、ロック素子の所与の構成に特有の場プロフィールの知識を必要とする。プロフィール定義は、限定するものではないが、場のタイプ、周波数、場の強度、電力レベルおよび時間波形特徴の1つまたは複数の仕様を含んでよい。いくつかの実施形態については、それぞれが異なるプロフィールを有する一連の場が考えられる。代替案としてあるいはさらに、それぞれが異なるプロフィールを有する複数場の同時印加がキーとして必要かもしれない。キーの追加要素が、場キーの印加の点または配向の要件であってもよい。
【0084】
一実施形態では、プロフィール定義が、プロフィール定義を指標または商品識別子に関連付けるデータベース内に維持されてもよい。商品識別子は一意的であってもよい、あるいは、場合によっては、例えば当業者に周知のように個人情報(Personally Identifiable Information)すなわちPIIとして解釈されてもよい取り引きデータの危険な収集を防止するために商品識別子はほぼ一意的であってよいが厳密に一意的でなくてもよい。衝突頻度は、構成要素の秘密(constituent’s privacy)を保護する一方で重要な操作結果を有しないように十分に低くてよい。さらに、安全性を強化するために、所与の商品識別子は2つ以上のロックアセンブリプロフィールに関連付けられてもよい。これらの様々な指標は一意的商品識別子と呼ばれる。一意的商品識別子は、例えば英数字バーコード、RFID、または製品に取り付けられた磁気符号化ラベルを読み取ることにより得られてもよい。一意的商品識別子は、場露出履歴を記録する読み出し可能標識をさらに含んでもよい。このような標識の非限定的な例は、活性化場への露出から生じるであろう温度増加に反応するインクを使用することにより部分的に印刷されたラベルである。別の非限定的実施形態では、一意的商品識別子は印加された活性化場に反応する強磁性特徴を含んでもよい。
【0085】
別の実施形態では、一意的商品識別子は、製品、製品包装、または遠隔活性化ロックアセンブリのいずれかに取り付けられたRFID(無線周波数識別タグ)を含んでもよい。RFIDは、一意的商品識別子、必要とされる場プロフィール定義、および以前の遠隔活性化ロック操作を記述するデータを含むメモリを含んでもよい。
【0086】
遠隔活性化ロック接着材料
一実施形態では、遠隔活性化ロックに用いるのに好適な接着材料は、その中に熱膨張粒子、および/またはRF敏感粒子および/または熱伝導粒子が含まれてよい基本液状接着剤を含んでもよい。
【0087】
遠隔活性化ロックでは、解放は急速(例えば2秒以下)であり、かつ接着剤の表面全体にわたって完全(クリーン)である必要があると考えられる。急速解放を起こすためにRF誘導を使用すると、特に、貧弱な熱伝導特性をしばしば有する接着剤では、温度勾配が生じる。さらに、いくつかの遠隔活性化ロックシステムは、狭い処理ウインドウ内の操作を必要とする。
【0088】
温度勾配の問題に対処するために、接着剤中に分散された熱伝導粒子が、エネルギー変換器膜および/またはRF感受体粒子により発生されたエネルギー(例えば熱エネルギー)を伝導するのを助けてもよい。エネルギー反応粒子は、接着剤の温度がある点に達すると大きさを劇的に増し接着層と取り付けられた基板との間の化学結合を壊すように選択されてよい。
【0089】
接着剤を構成する基本液状接着剤は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂/メタクリル樹脂、2部または1部ポリウレタン、1部または2部シリコーン、ポリエステル、ポリアミド、ポリユリア、フェノール樹脂、メラミンホルムアルデヒド凝縮物、および/またはアルキド樹脂、またはそれらの混合物など接着に使用される任意の一般クラスのポリマーまたはポリマー樹脂であってよい。接着剤は、剥離することができるであろう温度より低い温度において、そして場合によっては、好ましくは室温で、時間ともに硬化する。急速加熱を有するために低い熱慣性と低い比熱を有する接着剤を熱膨張粒子の解放点まで加熱することが望ましいかもしれない。
【0090】
熱膨張粒子または液滴は、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウムおよびアジ化物化合物等の無機粒子であってよい。熱膨張粒子または液滴はまた、水、アルカンクロロフッ化物、例えばトリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタンと;アゾ化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾジカーボンアミド、バリウムアゾジカルボキシラートと;ヒドラジン化合物、例えばp−トルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’ジスルホニルヒドラジド、4,4’オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)およびアリルビス(スルフォニルヒドラジド)と;セミカルバジド化合物、例えばp−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4’オキシビス−(ベンゼンスルフォニルセミカルバジド)と;トリアゾール化合物、例えば5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリゾールと;、N−ニトロソ化合物、例えばN,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミドと、を含んでもよい。
【0091】
熱膨張粒子または液滴はまた、ポリマーシェル中ヘのガス状成分の封入により作成された小球体、熱膨張可能微粒子を含んでもよい。ガス状成分は熱エネルギーが印加されるとそのシェルから解放される。ブタン、プロパン、ヘプタン等の気体薬剤は、混合操作の容易性のためにガス状成分が好ましい。Expancel Microspheres(商標)などの市販熱膨張可能微粒子が使用されてもよい。さらに、ポリスチレンに閉じ込められた水も、熱膨張粒子として使用されてもよい。市販のように、粒子は通常1〜100マイクロメートルの粒径を有するが、いくつかの実施形態では、粒径のより狭い分布を採用すべきかもしれない。例えば、熱処理されると接着剤の完全かつ有効な解放は5〜40umの平均粒径を有する微粒子で生じると考えられる。
【0092】
解放温度の調節は小球体を囲むポリマーシェルを変化させることにより達成されてもよい。シェルの成分に依存して、小球体は室温から摂氏200度までの間で膨張してもよいが、摂氏50〜175度の間が好ましいと考えられる。小球体シェルは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)を含む熱可塑性物質などのポリマーで作られてよい。熱膨張粒子は体積が40倍も増加してもよい。
【0093】
熱伝導粒子は、銅などの金属またはガラスなどの無機物を含んでもよい。銅粒子は直径約100マイクロメートルである。RF感受体粒子の例は、PowderTech社から入手可能なFP130(商標)である10%Zn2Yである。RF粒子はまた磁性的であってもよく、この場合には、粒子の加熱は主として、渦電流よりむしろ磁気ヒステリシス損失により生じてもよい。
【0094】
構造が膜であってよいエネルギー変換器は、交流磁場の存在下で渦電流を生成する材料であってもよい。アルミニウム、1010鋼、永久磁石、銅材料で作られた導体膜または箔が好適である。さらに、交流磁場に付された磁歪膜は変動応力場を有し、熱を生成する。
【0095】
誘導的解放可能な接着システムの他の実施形態は、接着剤にワックス粒子を添加することを含む。ワックス粒子は、熱膨張球、熱伝導粒子およびRF感受体粒子との様々な組み合わせで接着剤中に取り込まれてよいが、低体積%でなければならない。ワックス粒子が、取り付けられた基板から接着剤を解放するのを助けてもよい。代表的ワックスとしては47〜65℃の融点(最も望ましい)を有するパラフィン蝋が挙げられるが、カルナウバ蝋(78〜85℃の融点)またはミツバチのワックス(45℃の融点)を採用してもよい。他の好適なワックスは、カ氏165〜240度の範囲の融点を有してもよい。
【0096】
図22は、2つの図における電気的剥離可能接着層を採用した遠隔活性化ロックユニット実施形態の概略図であり、1つの図ではロックユニットがロック位置にあり(図22A)、他の図では、電気的剥離可能接着層を側方に置く2つの基板両端の印加電圧によりロックユニットはロック解除位置にある(図22B)。このような実施形態における電気的剥離可能接着層は基板1106と基板1106’に恒久的に接着してもよい。電気的剥離可能接着剤1141は、極性ポリマー1142を含む少なくとも1つのポリマーと無極性ポリマー1143を含む少なくとも1つのポリマーとからなる少なくとも2つのポリマーと、導電性塩類、金属粒子、金属配線、ナノワイヤおよびカーボンナノチューブの1つまたは複数を含む導電性材料1144と、の液状接着剤混合物を含む。
【0097】
極性ポリマーは、例えば(限定するものではないが)、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールまたは任意の他の極性ポリオール、またはアミン末端ポリオールの1つまたは複数を含んでよい。無極性ポリマーは、例えば(限定するものではないが)、シリコーンポリオール、カルボキシ末端ポリブタジエン、イソシアナート末端ポリブタジエン、フッ化ポリオールポリブタジエンポリオール、メラニン化ポリブタジエンを含んでもよい。
【0098】
図22Bに示すように、2つの基板1106と1106’が好適なエネルギープロフィール(例えば、2つの基板1106と1106’の両端に印加された電圧)に付されると、正電荷が1つの基板1106上に堆積し、負電荷は他方の基板1106’上に堆積する。接着剤内では、共有結合で接着されないいくつかの電子を有する極性分子1142が回転し印加場と整合する。電気的剥離可能接着剤1141内に見られる導電性材料1144も電場の存在により影響を受けると考えられる。例えば、導電性材料1144が導電性塩である場合、アニオンは正電荷を有する基板1106に移動し、カチオンは負電荷を有する基板1106’に移動することになる。無極性分子1143は、その電子が共有結合で接着されるので電界内で回転しない。結果的に、接着剤1141内に何らかの相分離が存在することなり、より高い導電率(極性)の領域と無視できる導電率(無極性)の領域とを生じる。電場との有極性分子1142の物理的整合により生成された力は、接着剤1141の接着性を弱め、そして印加電圧の方向と電気的剥離可能接着剤1141内に見られる特定の導電性材料1144とに依存して基板1106または1106’のいずれかを剥離させる。この概略図では、印加電圧が有極性分子1142を電場に整合させると、有極性分子は延びて、基板1106と1106’間に配置された接着剤1141の厚さを増加させ(すなわち密度が減少する)、接着剤1141と基板1106と1106’間の接合を弱める内向きの水平方向力を内側に向けて生成する。
【0099】
図23は、電気的剥離可能接着剤を採用した別の遠隔活性化ロックユニット実施形態の概略図であり、実施形態の印加電流プロフィールを示す。この実施形態における電気的剥離可能接着剤1145は、一方の表面上には電歪層1148があり、電歪層1148の他方の表面上には磁歪層1109がある。このような複合磁歪/電歪層(magnetostrictive/electrostrictive layers)はME構造と呼ばれる。再び、電気的剥離可能接着層1141は、少なくとも1つのポリマーが極性ポリマー1142であり少なくとも他のポリマーが無極性ポリマー1143である複数のポリマーを含んでもよい。例えば(限定するものではないが)導電性塩、金属粒子、金属配線、ナノワイヤおよびカーボンナノチューブの1つまたは複数を含む導電性材料1144が電気的剥離可能接着剤1141内に見られる。極性および無極性ポリマーと導電性材料を適切に選択することにより、外部からの電気的および/または磁気的エネルギー(「電磁気エネルギー」)の印加に応答して第1の状態から第2の状態に遷移することができる電気的剥離可能接着剤組成物を提供してもよい。
【0100】
磁歪層1109は、例えば、Terfenol−Dなどの希土類材料を取り込んだ合金、室温および比較的小さな印加場において大きな磁気歪みを発揮する特別に配合されたテルビウム、ジスプロシウム、鉄の合金であってよい。電歪層1148は圧電層であってもよく、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、石英またはロッシェル塩を含んでもよい。ME構造は、各層の場反応がその隣に影響を与える限り、単一の磁歪層1109と単一の電歪層1148で、あるいは多くの交互磁歪層1109と電歪層1148で構成されてもよい。
【0101】
遠隔活性化ロックユニットをロックまたはロック解除するために使用される外部エネルギーは、電磁気エネルギーの特定のプロフィールであってもよい。一実施形態では、30KHz〜300KHzの周波数を有する無線周波数(RF)磁場が採用されてもよい。その振動が各磁歪層内の振動歪みを生成する振動RF磁場がME構造に印加されると、磁歪層1109は例えば磁場の各サイクルによりその緩和状態のものからその寸法のいくつかまたはすべてを変化させることにより反応する。隣接するあるいは交互配置された電歪層1148はその緩和状態において一定の形状を保持する。物理的応力に付されると、電歪層1148は歪を呈する。歪は電歪層1148を変形させ電圧差を生ずる。したがって変動磁場の印加により、例えばダイオード1147を使用して整流することができる交流電圧および電流を与える。印加電流は図23の挿入図に概略的に示される。さらに、構造の機械的共振振動数における振動により、所与の振動場入力のためのより大きな電圧出力を与える。これにより作動可能電圧および電流が生成される唯一の周波数であってよい好ましい周波数を与える。
【0102】
整流された電圧または電流を電歪層1148から基板1108に印加すると、例えば図示のように正電荷は基板1108の上に蓄積し、負電荷は電歪層1148上に蓄積する。接着剤内では、共有結合されないいくつかの電子を有する極性分子1142が回転し印加場と整合する。交流磁場の周波数は高いので、極性分子は回転してもとの状態に戻るための時間を有しない。電気的剥離可能接着剤1141内に見られる導電性材料l144は、ME46構造により生成された静電界の存在により同様に影響を受ける。導電性材料1144が導電性塩である場合、アニオンは正電荷(例えば1108)を有する基板に移動し、カチオンは負電荷を有する基板の表面(例えば基板1148の表面)に移動する。無極性分子1143は、その電子が共有結合されるので電場内で回転しない。結果的に、電気的剥離可能接着剤1141内に何らかの相分離が存在することなり、より高い導電率(極性)の領域と無視できる導電率(無極性)の領域とを生じる。場と極性分子1142との物理的整合により生成された力は、電気的剥離可能接着剤1141の接着性を弱め、そして印加電圧の方向と電気的剥離可能接着剤1141内に見られる特定の導電性材料1144とに依存して基板1108または1148のいずれかを剥離させる。
【0103】
ロックとキーはこのような実施形態の追加盗難防止特徴として作成されてよい。例えば電気的剥離可能接着剤1141は、特定の接着剤組成物と混合物が特定の規定エネルギープロフィールによりロック解除されるように極性ポリマー1142、無極性ポリマー1143および導電性材料1144の組成物または体積パーセントを変化させることにより変更されてもよい。さらに、ロック解除状態は、構造剛性の変化、したがってME構造からの接着剤の剥離により生じる音響共振の変化から検出されることができる。
【0104】
遠隔活性化ロックシステムアーキテクチャ
次に図24を参照すると、遠隔活性化ロックシステムの例示的なアーキテクチャが示される。4つの主要なサブシステムと2つの随意的なサブシステムが概略的に示される。
【0105】
図24に示すように、遠隔活性化ロック600は製品の不正使用を妨害または防止するロック機構である。ロックは、ロックが正しく取り外されない限り役立たなくする保護製品に固定されてもよい。さらに、ロックの不正な取り外しは製品を恒久的に損傷または破壊するだろう。随意的に、遠隔活性化ロック600は、ロック解除許可に必要な情報を安全に提供する製品バッチIDサブシステムを有してもよい。
【0106】
活性化装置610は設定またはロック動作するための態様である。遠隔活性化ロック600は、通常(に限らないが)、製造のある時点で活性化により設定される。活性化は、いくつかの実施形態では、接着ラベルとして構成されたロック素子の圧力印加であってもよいし、あるいは遠隔活性化ロック600に対するより複雑な物理的または化学的変化を含んでもよい。
【0107】
非活性化装置620は、遠隔活性化ロック600をロック解除する手段を提供する。非活性化装置620は、通常(に限らないが)、勘定カウンタにおいて設定される。保護製品の購入は、遠隔活性化ロック600をロック解除することと、これにより購入者による製品に対する自由なアクセスを許容することと、を含む。この工程は時に非活性化と呼ばれる。
【0108】
再活性化装置630は、遠隔活性化ロック600をロック状態にリセットする能力を提供する。このような再活性化は、製品が返品され再購入のために用意される際に実行されてもよい。この操作は再ロックおよび再活性化と呼ばれることがある。再活性化は、勘定カウンタとは異なりバックルーム設定(back−room setting)において達成されてもよい。
【0109】
活性化/非活性化/再活性化操作のそれぞれは、製品に対し既に実行された操作の履歴の知識を必要とする。各操作の実行は、履歴を、操作前に検索できるようにする指示装置内に書き込まれてもよい。好適な指示装置の実施形態は、磁気識別タグ、熱反応識別タグ、およびリード/ライトメモリを内蔵する無線周波数識別タグを含む。
【0110】
ローカルサーバー640は遠隔活性化ロックシステムの随意的なサブシステムである。ローカルサーバーの機能は、
i)非活性化許可のために非活性化装置620とローカルサーバー640間のローカル通信を可能にすること、
ii)非活性化装置動作ログを収集するための局所集中型施設(locally centralized facility)を提供することと、ログデータからレポートを作成すること、
iii)取り引き処理許可とデータベース更新のために広域ネットワーク通信スループットを減らすこと、
iv)より早く、より信頼できる操作のために広域通信リンクへの依存性を減らすこと、
v)非活性化装置620の電源が切られるとブランクにされてよい揮発性メモリ内にそれらのデータベース情報を置くことにより、非活性化装置620の安全性を改善すること、である。電源が投入されると、非活性化装置620はローカルサーバー640データベースから再ロードされてもよい。
【0111】
リモートサーバー650は、様々なソフトウェア品とデータ項目の集中型ソースとして設けられてもよい。システムが発達し、リモートサーバー650への信頼が増すにつれて、アーキテクチャは、同期されかつ地理的に分離されたリモートサーバー650が負荷を共有できるようにし、全体システムにおいてより大きな耐障害性を提供する。リモートサーバーは、
i)ローカルサーバー640、活性化装置610、非活性化装置620および再活性化装置630のファームウェアとソフトウェア更新と、
ii)ローカルサーバー640へのダウンロードのための非活性化データベースの集中型レポジトリーと、
iii)ローカルサーバー640が存在しない場合の非活性化装置620へのダウンロードのための非活性化データベースの集中型レポジトリーと、
iv)非活性化装置620が非活性化データベースのローカル記憶装置無しに随意的に構成された場合の非活性化データベース内の個々の取り引き処理ルックアップと、を含んでもよい。
【0112】
また、随意的なのは、活性化装置610、非活性化装置620、または再活性化装置630と通信を行ってもよいサービス装置660である。サービス装置660は次の機能を提供する。
a)ローカルサーバー640が存在しない場合あるいはリモートサーバー650への接続が無い場合の活性化装置610、非活性化装置620、および再活性化装置630に対するファームウェアとソフトウェア更新の提供。
b)ローカルサーバー640が存在しない場合あるいはリモートサーバー650への接続が無い場合の活性化装置610、非活性化装置620および再活性化装置630に対するセキュリティデータとロック方式データ更新の提供。
c)ローカルサーバー640が存在しない場合あるいはリモートサーバー650への接続が無い場合の活性化装置610、非活性化装置620および再活性化装置630を初期化で通常機能を行えるようにするための要件の提供。これにより、これら手段を未初期化の使用不能な状態で出荷または格納できるようにする。
d)ローカルサーバー640が存在しない場合あるいはリモートサーバー650への接続が無い場合、活性化装置610、非活性化装置620および再活性化装置630を閉鎖して、出荷または格納されるがそれらの通常機能を行えなくするための要件の提供。
e)性能、保守またはセキュリティ問題を追跡するためのサービスログデータをダウンロードするための要件の提供。
f)活性化装置610、非活性化装置620および再活性化装置630に関する問題を診断するための要件の提供。
【0113】
3つの処理(活性化、非活性化または再活性化)は、3つの態様すべてにおいて反応することができる単一装置、態様ごとの個別装置、あるいは態様の他の組み合わせにより達成されてもよい。単一または複数態様装置では、セキュリティ対策は所定時刻にどの態様が使用可能かを制御する。例えば、非活性化態様は、有線、従来型無線、または無線メッシュネットワークが、存在すると予想される一組の隣接非活性化装置の少なくともいくつかのメンバーもまた利用可能であるということを示す場合にだけ、利用可能であってよく、これにより、店から盗まれたまたは取り出された非活性化装置の単独操作を防止する。非活性化装置は、その環境について学ぶための設置または装置トレーニング態様を入力することに向けられてもよく、その後、期待される環境要因が存在する場合だけ作動することに向けられてもよい。この特徴の代表的要因としては、WiFiおよび携帯電話シグネチャ、TCP/IPアドレスと無線周波スペクトルシグネチャを介したジオコーディング、照明および温度パターン、勘定支払施設内またはその近傍に埋め込まれたRFID認証タグの存在検出、スマートカードの存在、および関連トークン、その非時間および伝搬態様を含む原子時計信号、所与の設定に対し適切な一日の時刻および週の時刻の決定が挙げられる。
【0114】
次に図25を参照すると、それぞれが共通のサブシステムレベルアーキテクチャを共有してよい活性化装置610、非活性化装置620および再活性化装置630サブシステムの具体化アーキテクチャが示されている。
【0115】
部品は次のものを含む。
【0116】
エネルギー転送モジュール670は遠隔活性化ロック600に対するインターフェースである。高レベルのセキュリティモジュールが活性化、非活性化または再活性化処理を承認すると、エネルギー転送モジュール680は活性化、非活性化または再活性化処理を完了するために遠隔活性化ロック600にエネルギーを転送する。印加エネルギーは、遠隔活性化ロック600の構成に依存して、電磁気、光学、化学、機械、超音波、他の個々の手段またはその組み合わせであってよい。
【0117】
セキュリティモジュール680は、ユーザにより要求された活性化、非活性化または再活性化処理を認可する。セキュリティモジュール680は、装置の内部に格納されたデータ、またはローカルサーバー640またはリモートサーバー650に格納されたデータ、またはRFIDチップ内のロック600自体に埋め込まれたデータ、バーコードラベル、または他の電子的または光学的読み出し可能標識にアクセスすることを含んでもよい。セキュリティモジュール680は自己保護している。ローカルに格納されたデータは、装置が電源から取り外された場合あるいは所定期間の間サーバーの1つとの有効な通信結合から取り外された場合にアクセス不能にされる。装置からのデータの取り出しを妨害するために、そしてデータが装置から取り出させたとしたとしてもデータが攻撃者にとって無価値となることを保証するために、データを保護する様々なやり方が採用される。例えば、ローカルおよびリモート使用可能データ記憶装置が、合法操作では決して生じない商品識別子の指標を含んでもよい。キーサブシステム(特には非活性化装置)は、ハッカーおよび泥棒などの違法ユーザによりシステムに提示されるだけのような「キルコード:kill code」に遭遇すると直ちにまたは優雅に遮断するようにプログラムされてもよい。サブシステムはまた、データまたはソフトウェア更新を受信した場合あるいは一定期間内に認証プロトコルを完了した場合にだけ動作し続けることに向けられてもよい。データおよびソフトウェア更新は、所与のサブシステムに期待される情報の履歴に合わせてもよい。例えば、所与の非活性化装置の更新は、非活性化装置が受信しなければならなかった最近のN回の更新に、あるいはチェックサムまたはチェックサムの他のダイジェスト版に合わせられてもよく、これによりハッカーに装置の履歴を監視する負荷を押し付ける。
【0118】
セキュリティモジュール680は、他の提出時に開示されるアルゴリズムを監視する適応使用(adaptive usage)に基づきセキュリティを随意的に提供してもよい。異常な活性化、非活性化または再活性化活動が過去の使用に基づき検出された場合、サブシステム装置は要求を完了する前に別の許可を必要としてもよい。装置は、その場所を検出して、装置の使用を許容場所だけに地理的または実質的に(すなわち、どんな通信経路を介したかにより)制限し、盗まれたならば装置をさらに役立たなくするように構成されてもよい。ユーザに装置の使用を許可する前に認証処理を必要としてもよい。
【0119】
ロギングモジュール690は、「フレンドリ攻撃」(すなわち、不正なやり方で装置を使用する従業員による)を検出するために活性化、非活性化または再活性化活動のバックオフィス解析のための情報を得る手段としてすべての活動をログする。活動ログは、限定するものではないが、活動、時間/日付、ユーザ、場所、製品および/またはロックバッチID、ソフトウェア変更データ、電源投入/切断データ、および悪意の行動を特定する際に価値があると思われる任意の他のデータを含んでもよい。
【0120】
サブシステム装置が、いかなるローカルサーバー640またはリモートサーバー650、ロック解除対象製品の識別のためのロック600、あるいは随意的な実施形態では製品購入の有効性に関する情報を提供してもよい別のPOSシステムにも接続されない場合、通信モジュール700は、サブシステム装置の随意的ローカルサーバー640とリモートサーバー650に対する通信と、装置を活性化しソフトウェア更新をインストールしログをダウンロードしあるいはデータベースを更新する目的のためにリモート通信を置換してよいサービス装置660に対する通信と、を管理する。
【0121】
実施形態のシステムは、完全に単独動作可能であってもよく、他のサブシステム装置にネットワーク接続されても、ローカルサーバー640にネットワーク接続されても、リモートサーバー650にネットワーク接続されてもよく、あるいはこれらの通信選択肢の任意の組み合わせであってもよい。システムは、その動作を店内のPOSシステムのものと一体化することにより追加機能(例えば、完了した販売の信号を条件として非活性化させる)を提供してもよい。POS一体化はシステムの随意的機能である。
【0122】
追加実施形態
先に説明したように、RFIDタグが遠隔活性化ロックシステムにおいて採用されてもよい。RFIDは、通常は、内部データが読み取られ次に同報通信され戻されるのに十分な電力をRFID内に生成するような強度のRF問い合わせ信号を受信すると情報を提供する。戻り同報通信(broadcast back)は、信号を電磁スペクトル内の任意の場所で送信する放射手段により行われてよい。
【0123】
一実施形態では、RFIDタグは、所定の問い合わせ信号の受信に関係する共振から導出される情報を提供するように作動可能に構成される共振構造を含む。適切な問い合わせ信号を受信すると、構造からの共振は外部検出器により判断されてもよいし、あるいは共振構造がRFIDに関連した放射手段に作動可能に結合されている場合は外部受信器による実際の応答信号の受信を伴ってもよい。応答の帯域幅は、部分的には共振構造のQにより決定される。1つのこのような共振構造の実施形態では、共振構造は、複数共振周波数を有する磁歪/電歪(ME)結合構造を含む。それぞれが共振周波数を有する複数MEを採用してもよい。共振周波数は、ME結合構造の形状、長さ、または構成などのME結合構造の物理化学的特性を変更することにより変更されてもよい。集合的に、識別情報は共振振動数を介し伝達される。
【0124】
別の実施形態では、RFIDチップは、従来のウェーハレベル製造技術が装置を作製するために使用されるように単一基板上にアンテナと一体化される。1つのこのような実施形態では、ME結合構造はアンテナのように振舞う。
【0125】
別の実施形態では、発電がRFID装置の特徴であってもよい。発電は例えば、このようなMEを適切な磁場に晒してMEの電歪部品内に電流を流すことによりME結合構造の活性化を介し達成されてもよい。例えば、磁歪部品が物理的に変形して応力を圧電素子(電歪部品を含む)に印加しこれにより電流を流すようにしてもよい。
【0126】
この実施形態によると、RFIDタグは基板上に配置された集積回路とアンテナを含んでもよい。アンテナは、ME構造を形成する1つまたは複数の磁歪(M)層と電歪(E)層とを含んでもよい。電歪層は圧電層(PE)であってもよい。圧電層は、限定するものではないが、チタン酸ジルコン酸鉛(PST)または石英とロッシェル塩であってもよい。磁歪層は、限定するものではないが、Terfenol−D、室温および比較的小さな印加場において大きな磁気歪みを発揮するテルビウム、ジスプロシウムおよび鉄の特別に配合された合金であってよい。結合磁歪/電歪構造は基板上に直接作製されてもよい。ME構造は、各層の場反応がその隣に影響を与える限り単一磁歪(MS)/電歪層あるいは材料を交互に切り替えた多くの層を含んでよい。集積回路(IC)は、別個に作製されME構造上に接着されてもよいし、あるいは従来のウェーハレベル製造技術を使用して作製されてもよい。
【0127】
ME構造は様々な長さのフィンガー内に作製されてもよい。様々な長さのフィンガーはリソグラフィ、蒸着またはエッチングにより形成されてもよい。フィンガー長さの調節はレーザートリミングまたは他の切断処理により行なわれてもよい。あるいは、様々な長さのフィンガーは、選択的材料成長により直接作製されてもよい。ME構造内では、MS材料はその緩和状態において一定の形状を保持する。磁場がMS材料に印加されると、材料は、緩和状態のものからその寸法のいくつかまたはすべてを変化させることにより反応する。振動磁場の印加は振動する変形を生じる。隣接してまたは交互に配置されたPE材料はまた、その緩和状態において一定の形状を保持する。物理的な応力に付されると、材料は歪を呈する。歪はPE結晶を変形させ電圧差を生成する。ME構造内では、印加磁場に反応するMS層の振動歪みは、次に、MS層に隣接してまたはMS層間に位置する電歪材料(PE層を含んでもよい)を変形する。結果的に、PE層が電圧差を生成することになる。したがって振動磁場の印加は、ダイオードを使用して整流することができる交流電圧を与える。振動磁場は、磁場がフィンガーの共振振動数で振動するときフィンガー内に最大限に結合するだろう。その周波数応答によるRFIDタグの一意的同定は、異なる長さのフィンガーを取り込むことにより実施されてもよい。ある範囲の周波数にわたる掃引は、その特定共振周波数において各フィンガーを励起して装置の一意的シグネチャを提供するだろう。
【0128】
この情報を、任意の所望の電磁気周波数、例えば10〜10,000キロヘルツのAMまたはFM信号、紫外線、可視周波数、赤外線、またはテラヘルツ周波数を含む任意の光周波数を使用した光学エネルギーを使用することにより同報通信するために送信器を使用してもよい。光周波数が使用される場合、装置から情報を送信するためにOLED(有機発光ダイオード:organic light emitting diode)を使用してもよい。
【0129】
一実施形態では、アンテナはRFID装置と一体化されてもよい。電力を生成するために非共振磁場をRFIDタグに印加してもよい。オンボードプロセッサは識別チップレジスタから識別子を読み取る。アクティブな送信器は、この情報を、任意の所望の電磁気周波数、例えば10〜10,000キロヘルツまたはギガヘルツ範囲のAMまたはFM信号、紫外線、可視周波数、赤外線、またはテラヘルツ周波数を含む任意の光周波数を使用した光学エネルギーを使用することにより同報通信する。光周波数が使用される場合、装置から情報を送信するためにOLED(有機発光ダイオード:organic light emitting diode)を使用してもよい。この装置の受信器は、信号を受信するために必要な近接性をもって配置されなければならない。信号はまた、音響検波器によっても測定されることができるであろう。
【0130】
さらに別の実施形態では、RFIDは、一体化アンテナを有するまたは有しない発電能力を提供する。この実施形態では、最初の工程は最も効率的な電力を生成することである。部品が特定され、それへ電力を供給すること(例えば、タグを剥離するために)が必要となると、オンボードスイッチが活性化されてもよい。このスイッチは、これらに限定しないが、MEM(マイクロエレクトロメカニカル)リレーまたはトランジスタであってもよいであろう。次に、電力がアクティブ負荷に送られる。電力は、ME構造または蓄積エネルギー(MEと容量)または電池から直接発生することができるかもしれない。一実施形態では、RFID集積回路を給電するのに十分な電力は、結合磁歪/電歪層を含む少なくとも複数の共振器が励起されなければ発生されない。
【0131】
別の実施形態では、給電された集積回路は、RFIDタグが貼り付けられた品目の動作が活性化されるようにスイッチを切り替えさせる。1つのこのような実施形態では、タグは、タグが取り付けられた品目の使用を防止する短絡を除くように剥離される。
【0132】
一実施形態では、保護対象製品を受け入れる大きさに作られた格納空洞(containment cavity)を画定するスリーブ構造を含む遠隔活性化ロックアセンブリが開示される。保護対象製品を含むスリーブ構造は、格納空洞内へのアクセスを介した製品へのアクセスが容器構造により防止されるように容器内に接着される。スリーブ構造と容器は、格納空洞への不正なアクセスを保護製品を損傷することなく防止するのに十分に耐久性のある材料で製造される。
【0133】
一実施形態では、セキュアディジタルなどのメモリーカードをセキュア包装内にロックするスリーブ容器便益拒絶ロック包装(sleeve−receptacle benefit denial locking package)が提供される。このような実施形態では、メモリーカードを含むスリーブは接着剤組成物および/または構造により容器に接着される。盗まれた場合、ロック包装からカードを取り出す企てはメモリーカードの損傷を生じるので、メモリーカードの便益が拒絶されるだろう。
【0134】
図26Aに、盗難からメモリーカードを保護するように設計された遠隔活性化ロックアセンブリの実施形態を示す。この装置は、その内面1210が空洞を画定する中空容器1200を含む。空洞は中空容器1200の表面において開口される。内面1210の寸法はスリーブ1220の摺動挿入を許容する大きさに作られる。次に、スリーブ1220はメモリーカード1230または任意の他の保護品目の格納空洞内への挿入を許容するように寸法決めされる。メモリーカード1230または任意の他の製品は、その端子開口部1225においてスリーブ1220の格納空洞内に挿入される。接着剤組成物および/または構造1240は容器1200の内底面に貼り付けられるかあるいはその上に堆積される。スリーブ1220は、スリーブ1220の下面が容器1200の内底面と平行になるように容器1200の空洞内に挿入される。接着剤組成物および/または構造1240は必要に応じ硬化され、スリーブ1220と容器1200間に強く長持ちする接合を生成してもよい。便益拒絶装置を包装材料に固定できるようにするフランジ1260は容器1200の下部外面に一体化されてもよい。一実施形態では、フランジは包装内の厚紙により捕捉され、これにより、厚紙または紙の連続シート1270が包装の平坦面下に置かれ、容器1200がそれを貫通して突き出ることを可能にする正方形開口を有する1枚の厚紙または紙1280がフランジ1260の上面に固定される。
【0135】
スリーブ1220と容器1200間の接合は非常に強いので、便益拒絶ロック包装を妨害する企てと過度の物理的力を使用してスリーブを取り外す企ては、メモリーカード1230または他の資産を損傷して、便益の拒絶をもたらすことになるであろう。
【0136】
容器1200は、ポリカーボネート、ABS、プラスチックまたは他の適切に強い材料で作られてもよい。スリーブ1220は、任意の同様に堅く、強く、低コストの材料で作られてもよい。ロック包装は、スリーブ1220が容器1200の上面1250とぴったり重なるかあるいはそれにはめ込まれるように設計されてもよい。図26Bに示された本発明の有利な実施形態では、非活性化後、接着剤組成物および/または構造1240の膨張が、メモリーカード1230または他の保護資産がスリーブ1220の端子1225開口からスライドして出るようにさせるのに十分な垂直方向高さにスリーブ1220を上昇させないように、ロック包装は設計され、非活性化後に保護品目が包装から落下する可能性をなくす。このような場合、スリーブ1220をさらに取り出すために追加の機械的力を外部から印加し、これにより保護品目を取り出せるようにしてもよい。
【0137】
先に開示したように、製品へのアクセスが許可されている場合、スリーブ構造と容器間の接合は外部印加エネルギーの特定のプロフィールの印加により剥離されてもよい。図26Bを参照すると、適切なエネルギープロフィールを有する外部刺激が便益拒絶ロック包装に印加された(すなわち、ロック機構が非活性化された)図26Aの実施形態が示される。外部刺激からのエネルギーは接着剤組成物および/または構造1240により受け取られ、接着剤組成物および/または構造1240を膨張させる。接着剤組成物および/または構造1240が膨張するので、スリーブ1220と容器1200の内底面間の接合は破壊され、挿入されたメモリーカード1230または他の資産を有するスリーブ1220を容器1200の空洞から取り外すことができるようになる。次に、メモリーカード1230または他の資産はスリーブ1220から取り外されてもよい。
【0138】
別の実施形態では、スリーブ構造と容器間の接合の解放は、限定するものではないが、結合材だけの接着性能の変化だけにより、あるいは機械的力印加機構(すなわち、ばね、レバー等)と組み合わせて達成されてもよい。追加の実施形態では、接合は、機械的ラッチ機構により実施されてもよい。ここでは、接合の非活性化は、機械ラッチに取り込まれた材料への規定プロフィールの外部印加エネルギーの印加(材料は反応して機械的状態または特性を変化させる)により達成される。
【0139】
保護製品の取り引き処理順序(transaction sequence)の実施形態
遠隔活性化ロック製品購入および非活性化システムの実施形態は、様々な購入活動および非活性化処理を調整するコンピュータまたは制御装置と;製品価格とSKUなどの他の情報を決定するために製品上の小売り業者バーコードを読み取るバーコード読み取り装置と;製品に対する現金支払いを受け入れ、おつりを支払う請求書処理装置と;製品搭載装置から遠隔活性化ロック製品識別情報を読み取るクレジットカード読み取り装置、RFID読み取り装置と;その一部が遠隔活性化ロック製品IDと様々なエネルギープロフィールを有する電磁気信号を含むそれぞれのキーとを照合する記録を格納するデータベースを管理する遠隔活性化ロック認証システム、セキュアサーバーと;便益拒絶ロックをロック解除するために適切な電磁気信号を送信する非活性化装置と;ディスプレイと;コンピュータまたは制御装置が情報を受信し遠隔活性化ロック認証サーバーを含む様々な装置に命令を送信できるようにする通信ハードウェアと、外部システム装置と通信を行うあるいは互いに通信を行う(例えば、クレジットカード読み取り装置から外部検証システムへ)装置のいくつかと、を含む。一実施形態では、RFIDタグと読み取り装置は、製品に固定された第2のバーコードにより置換され、小売り業者バーコードを読み取るために既に利用されているバーコード読み取り装置により読み取られる。遠隔活性化ロック製品購入およびロック非活性化システムは通常、キオスク内に収容されるであろうがそうである必要はない。実用的な非キオスクの実施形態は、製品電池ポート、信号ポート、ディスプレイ、および/または製品の有効な操作または便利な操作に必須のボタンおよびスイッチへのアクセスを遮断する保護構造と係合するために電気的剥離可能接着剤を使用することにより、単一ロックまたはロックの集合体を適用する。ロックの取り外しは、製品を信号に接続することにより達成されてもよい。実際上、信号接続は、コンピュータまたは同様の装置上のUSBまたは同様のポートを介してもよく、その保護構造から製品を効果的にロック解除するための適切な信号は、製品登録あるいはアクセス制御手続きが完了した後だけ使用可能となってもよい。このような手順は、POSまたはその近傍の店内で、あるいはユースポイントまたはその近傍の顧客の家または事務所において完了してもよい。この実施形態は、プリンターカートリッジ、ディジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、通信装置、メディアプレイヤー、テーザーなどのいくつかの登録可能武器、いくつかの医療装置、およびいくつかのコンピュータ、特には、それらが情報およびファームウェア更新に依存するので定期的に他のコンピュータにドッキングされるあるいはデータネットワークに接続される傾向があるハンドヘルドコンピューター、ノートブックおよびタブレットコンピュータを保護するために有用と考えられる。電池室、信号ポート、電極、ディスプレイおよびスイッチを遮断することにより、サプライチェーンおよび小売り業の盗難を被りやすい品目の有用性と販売性の両方が著しく損なわれると考えられる。この手法のこの便益は、ロックおよびロック解除された製品が同じまたはほぼ同じに見え、ソフトウェアだけに基づくセキュリティシステムの周知のハッカー性(hackability)に脆弱になり得るソフトウェアだけのアクセス制御方式より優れていると考えられる
【0140】
消費者が、遠隔活性化ロックが取り付けられた製品の購入準備ができると、かれらはキオスクまたはシステムに近づく。消費者はバーコード読み取り装置により製品を走査し、製品の価格がディスプレイ上に示される。制御装置またはコンピュータは、消費者に支払い金を挿入するようにを指示する。支払いが現金である場合、紙幣が紙幣処理装置に挿入され、その信憑性を検証し、次に必要に応じてつりを払う。支払いがクレジットカードによる場合、制御装置は消費者に自身のカードを挿入するように指示し、カードは検証され、課金される。制御装置は、小売り業者在庫システムに購入を通知する。支払いが行なわれると、制御装置はディスプレイ上の製品購入を確認し、レシートを印刷し、顧客にRFID読み取り装置により製品を走査するように指示する。RFID読み取り装置はカウンタ内に埋め込まれていてもよいし、あるいは携帯型ユニットであってもよい。製品上のRFIDは、製品識別番号を有する信号をRFID読み取り装置に送信する。RFID読み取り装置は、遠隔活性化ロックの非活性化に必要な対応する電磁気信号プロフィールであるキーを判断するために遠隔活性化ロック認証システムに製品IDを送信する。遠隔活性化ロック認証システム送信は、必要な電磁気信号プロフィールを制御装置に送信し、制御装置はその後それを非活性化ユニットに送信する。非活性化装置は、適切な電磁気信号を、製品上に配置された製品搭載遠隔活性化ロックに送信するために使用され、この製品上の装置はロック解除される。製品上装置は、磁気ロック、接着剤ロック、ロック式スパイダラップ、ロック式DVDハブ、ロック式USB装置、ロック式瓶、ロック式煙草、あるいは遠隔活性化ロック技術により固定された任意の他の製品の1つまたは複数を含んでもよい。
【0141】
2部エポキシ熱剥離可能接着剤の例:
パートA:
Epon Resin 863(Hexion)30g
031 DUX 40(Expancel)20g
これらの材料は白色ペーストを得るために十分に混合された。
パートB:
Ancamine 2390(Air Product)40g
パートAとパートBは十分に混合される。
混合接着剤は25℃で19分リフト加工される。
接着剤が塗布された後、最終接着強度に達するために24時間以上25℃で硬化することを推奨する。
【0142】
電気剥離可能接着剤の詳細:
2部ポリウレタン接着剤:
好ましい極性ポリマーは、Dow Chemicalsのポリエチレングリコール、Carbowax PEG 200、300、400、540、600、1000、1450である。好ましい無極性ポリマーは、Genesee Polymer TechnologyのGP 690とOP 676などの水酸基末端シリコーンポリマーである。好ましい無極性ポリマーはまた、Solvey SolexisのFluorolink D10、D10−H、E−10、E10−H、ETXなどのフルオロポリマーであってよい。
例:
パートA:
Carbowax PEG 600(Dow)50g
アンモニウムヘキサフルオロホスファート20g
塩が極性ポリマー内に溶解するのを確実にするために十分に混合する。
パートB:
GP690(Genesee Polymer Technology)50g
MDI(BASF)20g
強粘液を得るために混合器は70℃まで加熱された。
パートAとパートBは十分に混合される。
接着剤が塗布された後、最終接着強度に達するために2時間以上70℃で硬化することを推奨する。
【0143】
好ましい実施形態に関する声明
本発明は好ましい実施形態に関して説明されたが、様々な変更および/または修正は、添付の特許請求範囲により定義されるように本発明の精神または範囲から逸脱することなく本発明に対してなされ得るということを当業者は容易に理解するだろう。本明細書で引用されたすべての文書は、追加または代替の詳細、特徴および/または技術的背景の教示に適切な場合、参照により本明細書に援用される。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年5月22日出願の米国仮特許出願第61/180,714号、2009年5月22日出願の米国仮特許出願第第61/180,719号、2009年8月6日出願の米国仮特許出願第61/231,952号、2009年9月14日出願の米国仮特許出願第61/242,351号、2009年9月30日出願の米国仮特許出願第61/247,483号、2009年10月5日出願の米国仮特許出願第61/248,791号、2009年11月16日出願の米国仮特許出願第61/261,619号、2009年12月10日出願の米国仮特許出願第61/285,285号、2010年1月6日出願の米国仮特許出願第61/292,606号、2010年2月1日出願の米国仮特許出願第61/300,257号、2010年3月8日出願の米国仮特許出願第61/311,471号、および2010年4月2日出願の米国仮特許出願第61/312,758号の米国特許法第119条(e)に基づく優先権を主張し、それらの全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は一般的には、ロックの物理的操作の無いロック解除および/またはロック動作を可能にするように設計された遠隔活性化ロック(remote−activation lock)に関する。より具体的には、本明細書に記載の遠隔活性化ロックの実施形態は、ロックが活性化された(すなわちロックされた)構成であるときに、製品に関連した1つまたは複数の便益にアクセス可能にさせないようにすることによりこれら便益を拒絶するように使用されてもよい。このようなロックは、ロック機構が非活性化(すなわちロック解除)されない限り製品を販売に不適当にするあるいは販売に望ましくなくするために適用されてもよい。遠隔活性化ロックの実施形態は選択電磁気放射またはプロフィールの印加により非活性化または活性化されてもよい。上述の遠隔活性化ロックは、例えば広域スペクトル放射を使用することによりロックシステムを妨害しようとするときに正しい送信以外のものが使用されてロックの状態を変化させるとその作用を互いに打ち消す活性化部品と非活性化部品の両方を含んでもよい。
【背景技術】
【0003】
製品を製造し出荷する多くの企業が直面する著しく困難な課題はそれら製品の盗難、不正使用、または海賊行為である。Hayes International Research Retail Theft Surveyによると、2008年に、世界中の小売り業者は盗難の直接的結果として870億ドル以上損失し、その結果として損失予防方法に250億ドル以上費やした。損失は、製造業者の現場からの盗難、積荷盗難および流通網横流しによっても被る。このような損失は盗難による小売り損失に匹敵すると考えられる。
【0004】
盗難による製造業者、流通業者、積送人、および小売り業者が被る損失のために、各々は盗みを減らすために多くの技術に取り組み始めた。これらの技術の多くは、高度にセキュアな容器(製品を従業員、積送人および顧客が直接手に届かないようにする容器)内に製品を隔離することを伴う。このような技術に関する問題は、試験目的、在庫管理目的、および販売目的のために実際の製品にアクセスすることがしばしば有利であるということである。例えば、プロの販売促進者らは、直接アクセスが顧客に提供されれば陳列台内にまたはその後ろに収容されている製品の販売を大いに改善できるだろうと広く信じている。このような「オープン販売促進:open merchandising」は、音楽プレーヤー、撮像安定化多焦点カメラ、ゲーム、および映画ディスク等の個人用、カスタマイズ可能、または没入型製品の「ハイタッチ:high−touch」マーケティングに特に適切である。本発明の目的の1つは、万引きからこれらの商品を保護する一方で、オープン販売促進を行う権限を小売業者に与えることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子装置および電子装置のアクセサリがますます小型化されるにつれ、高価値製品をポケットにこっそり入れることがより容易になった。したがって、盗難損出は増大するだけと予想される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示するのは、いくつかの実施形態では、限定するものではないが電子装置、電子装置アクセサリ(電子読み出し可能媒体等)および消耗品を含む製品(集合的に「製品群」と呼ぶ)への不正アクセスおよび/またはその使用(および/または完全便宜使用)を防止するように構成された遠隔活性化ロックである。一実施形態では、このようなロックは、規定送信範囲を受信すると物理的特性が変化する送信感応接着システム(transmission−sensitive adhesive system)を採用する。いくつかの実施形態におけるこのような変化は、ロックまたはロックの一部をロックまたはロック解除するために使用される体積の変化または接着性の変化を伴う。
【0007】
本開示の遠隔活性化ロックは、そのロック状態において、製品にあるいは製品を覆う囲いケースに物理的に接着されてもよい。このようなロックは、意図したように、製品が使用または完全に使用されるのを防止するように配置されてよい。ロックの解除は外部から印加される刺激によってもよく、また有利な実施形態ではロックの解除は規定された波長、強度、および/またはパルススペクトルのロックへの電磁気送信を介してもよい。好適な刺激はまた、磁気的または電気的刺激を含んでもよい。本開示の遠隔活性化ロックは2つ以上のロック部品を有するアセンブリを含む。
【0008】
接着システムがロックシステムにより使用される場合、このようなシステムは1つまたは複数の接着材料を含んでもよい。接着剤全体にわたる送信のエネルギーの分配を達成するために、接着剤は、任意の接着層の1つまたは複数の表面に関連付けられてよいおよび/または接着剤自体内に一様または非一様に分配されてよい1つまたは複数のエネルギー分配部品をさらに含んでもよい。このようなエネルギー分配部品は例えば送信を受ける金属層または金属量子ドットを含んでもよい。エネルギー分配部品は、機能的には、電波送信を熱に変換するなど傍受された送信エネルギーを第2の形式のエネルギーに変換してよく、したがってエネルギー変換器として機能する。第2の形式のエネルギーは、ロック動作またはロック解除を可能にする接着剤組成物の物理的特性の変化を引き起こしてもよい。したがって、接着剤の1つまたは複数の物理的特性(接着性、接着強度、密度等)の変化がロックアセンブリをロック解除するために使用されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、遠隔活性化ロックは、非限定的な例として再ロック能力とスプーフィング防止(anti−spoofing)(すなわち、ロックをロック解除する不正な企ての防止)能力を提供してよい追加のロック部品を含んでもよい。例えば、第1のロック部品は、特定のエネルギー送信に晒されると密度が変化し(例えば、xの波長に晒されると同じ質量の接着材料に対し体積が増加し)この密度変化がロック解除を誘導する接着システムを含んでもよい。第2のロック部品は、接着状態に活性化される接着システム、すなわちyの波長に対する露出など特定のエネルギー送信に晒されると密度変化が生じロック部品がロックする接着システムを含んでもよい。したがって認可(正しいロック解除送信の知識)無くロックシステムを回避しようとして広範囲の送信に対する露出がなされた場合、第2のロックは製品をロックしたままにさせようとしてもよい。第2のロックは、周波数帯域全体にわたる走査が製品にかなりの危害を加えるように、認可プロフィールを挟み込むように配置されたハッキング防止ゾーンに入る周波数を有する場(field)に反応するように設計されてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態における本開示の遠隔活性化ロックは、保護したい製品におよび/または製品を囲む任意の保護物理構造(製品ブリスターパック等)に固定されてもよい別個のモジュールとして実施されてもよい。別の実施形態では、遠隔活性化ロックは製品または製品包装内に組み込まれてもよい。
【0011】
したがっていくつかの実施形態では、遠隔活性化ロックは、ロック機能/ロック解除機能を有効にするために規定プロフィールを有する磁気、電気または電磁場の印加を必要とすることにより(すなわち、例えばロック接着システムの組成物に基づき)安全性を提供する。遠隔活性化ロックの構成とその構成ロック素子とが、操作に必要な場プロフィールを判断する。各ロックまたはロック群の構成は、その特性が秘密にされた一意的なプロフィールに反応しこれによりロックのセキュア「キー」を実施するように設計されてもよい。規定プロフィールとしては、限定するものではないが、場のタイプ、周波数、場の強度、電力レベル、および時間波形特徴の仕様が挙げられる。いくつかの実施形態については、それぞれが異なるプロフィールを有する一連の場がキーの属性として予想される。代替案として、あるいはそれに加え、それぞれが異なるプロフィールを有する複数場の同時印加がキーとして必要かもしれない。キーの追加要素が、場キー(field key)の印加の特定物理的配向の要件であってもよい。
【0012】
ロック解除する(および/またはロックする)ために必要なセキュアキーとして有利に選択された送信を使用することにより、ロック状態の変化を引き起こすための製品、ロック、またはさらには外部製品包装との物理的接触の必要性をなくすことができる。非光場セキュリティキーを採用する実施形態では、遠隔活性化ロックは外部製品包装の外側で視認される必要はない。ロック解除のための物理的接触の必要性が無いことはまた、保護製品の潜在的汚染の管理を容易にする。
【0013】
遠隔活性化ロックはまた、ロックをスプーフ(すなわち不正ロック解除)する企てに打ち勝つための特徴を含んでもよい。スプーフ企ての例としては、規定の場プロフィールの特徴に準拠しない環境または外部場に対する露出が挙げられる。ロックは、ロックを物理的に(すなわち機械的に)取り外す不正な企てに応答して保護製品に物理的損害を加える構成素子をさらに含んでもよい。
【0014】
一実施形態では、製品の使用を防止するように構成されたアクセス遮断構造に保護対象製品が遠隔活性化ロックアセンブリにより取り付けられる便益拒絶システム(denial−of−benefits system)が開示される。遠隔活性化ロックは、製品とアクセス遮断構造間の接着層を形成する接着ロック素子(adhesive lock element)を含んでもよい。アクセス遮断構造は、そのように接着された場合、製品を取り外す不正な企てが製品に修復不能損傷をもたらすように構成されてもよい。規定プロフィールを有する場に晒されると、製品と保護構造間の接着層は弱められ、これにより未損傷製品の安全な取り外しを可能にする。例えば、キャップは、サムドライブとキャップとを分離できなくしこれによりサムドライブとコンピュータポータルとの相互作用を防止するように、サムドライブまたは他のUSBポータルアクセサリ(または別のコンピュータポータルを介し相互作用する電子アクセサリ)に接着されてもよい。キャップはさらに、キャップが何らかの力により取り外されるとサムドライブポータル連接部(thumb drive portal articulation portion)を損傷する構造を有するように、サムドライブとの連接面(articulating surface)上に構成されてもよい。したがって正しい場露出によるロックの活性化は、サムドライブの機能へのアクセスを許可するのに重要となるであろう。
【0015】
追加の実施形態では、遠隔活性化ロックは、製品と従来の製品包装間の接着層を形成する接着ロック素子を含む。従来の製品包装は例えば、ジャーまたは瓶のキャップ、ポンプの蓋、ブリスター層と裏地層とを接着することにより形成されたブリスターパックを含んでもよい。規定プロフィールを有する場に対する露出は、接着ロック素子接合を弱めこれにより内蔵製品へのアクセスを可能にする。
【0016】
別の実施形態では、遠隔活性化ロックシステムは複数のロック部品を含んで採用されてもよい。このような複数のロック部品は、接着剤の状態に基づいてラッチがラッチされるかラッチ解除されるかに影響を与えることができるように機械的ラッチ機構に関して配置された接着剤の状態に基づき有効性をラッチする際に変更される機械的ラッチ機構を有する1つまたは複数の部品を、含んでもよい。1つの構成では、機械的ラッチ機構はアクセス遮断構造を保護対象製品にしっかりと固定する。初期のロック設置中、機械的ラッチ機構は製品に容易に取り付け可能であるが、不正な取り外し企ては製品に修復不能な損傷をもたらすだろう。規定プロフィールを有する場に対する露出は、ロックアセンブリ内に設置された接着ロック素子に機械的ラッチ機構を解除させこれにより未損傷製品をロックアセンブリから解放する。
【0017】
一実施形態では、規定場に対する露出は、接着ロック素子接合を完全に解放させ、追加の機械的力を印加することなく分離を可能にする。他の実施形態では、接着ロック素子は場に対する露出に応答して弱まるだけとなるように構成されてもよい。ここでは製品にアクセスするためには追加の外部機械的力を印加しなければならない。例えば、遠隔活性化ロックは、1つまたは複数のエネルギー分配部品(エネルギー変換器部品であってよい)の有無に関らず、2つの部品を結合して製品を囲むブリスターパックとする送信敏感接着剤(transmission sensitive adhesive)を含んでもよい。ブリスターパック内の製品を、接着剤を活性化して低接着性の状態にする送信に露出することにより、ブリスターパックは消費者によりより簡単に開くことができる(はさみを取り出してブリスターパックを切り離す必要性を回避する)。
【0018】
本開示のさらに別の遠隔活性化ロックでは、電荷を保持することができる2つの基板間の電気的剥離可能接着剤(electrically−releasable adhesive)を利用する。1つのこのような実施形態では、電気的剥離可能接着剤は、このような基板を接着剤の表面に接着することができるポリマーであってその少なくとも1つが極性でありかつその少なくとも1つが無極性である複数のポリマーを含む。例えば、このような電気的剥離可能接着剤は、例えば導電性塩、金属粒子、金属配線、ナノワイヤおよびカーボンナノチューブの1つまたは複数からなる群から選択された1つまたは複数の導電性材料をさらに含んでもよい。極性および無極性ポリマーと導電性材料とを適切に選択することにより、外部からの電気的および/または磁気的エネルギー(「電磁気エネルギー」)の印加に応答して第1の状態から第2の状態へ遷移することができる電気的剥離可能接着剤組成物を提供してもよい。外部エネルギーは、印加電圧などの電磁気エネルギーの特定プロフィールであってもよい。一実施形態では、第1の状態は第1の接着状態であり第2の状態は第2の接着状態であり、例えば第1の接着状態は第2の接着状態とは異なる密度を有する。
【0019】
電気的剥離可能接着剤はまた、一実施形態では、複合磁歪/電歪層(「ME複合物」)を採用した遠隔活性化ロックに使用されてもよい。このような実施形態では、接着剤は、このような基板を接着剤の表面に接着することができるポリマーであってその少なくとも1つが極性でありまたその少なくとも1つが無極性である複数のポリマーを含む。上記電気的剥離可能接着剤は例えば、導電性塩、金属粒子、金属配線、ナノワイヤおよびカーボンナノチューブの1つまたは複数からなる群から選択された1つまたは複数の導電性材料を含んでもよい。ロックおよび/またはロック解除に使用される外部エネルギーは、電磁気エネルギーの特定プロフィールであってもよい。一実施形態では、第1の状態は第1の接着状態であり第2の状態は第2の接着状態であり、例えば第1の接着状態は第2の接着状態とは異なる密度を有する。
【0020】
さらに、いくつかの実施形態では、遠隔活性化ロックシステムが解放された後製品上には残留物が残されていないかもしれない。1つの非限定的実施例では、残留物が存在しないことは、電気的剥離可能接着剤が直流すなわちDCバイアス場に付されると達成され、製品は導電性であるか、あるいは製品はその上の導電性膜を特徴とし、保護構造は導電性であるか、あるいは保護構造はその上の導電性膜を特徴とし、製品またはその膜と保護構造またはその膜はそれぞれ陽極(正電荷に接続される)と陰極(陰電荷に接続される)として機能する。この例では、500倍を越える倍率で顕微鏡検査を行っても、剥離後、陽極表面には接着性残留物が無いと考えられる。別の実施形態では、残留物は剥離後の製品に残されてもよい。一実施形態では、ロック解除された後に視認できる識別マークがロックに組み込まれてもよい。識別マークは例えば「購入の有効証明:Valid Proof of Purchase」等の語句であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本明細書に組み込まれ本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態の様々な態様を例示し、実施形態を本明細書と共に説明する役目を果たす。
【0022】
【図1】単一のエネルギー変換器基板を含むとともに保護製品と保護構造間に接合を形成する例示的接着ロック素子の簡略図である。
【図2】二重エネルギー変換器基板を含む例示的接着ロック素子であって、規定場に晒されるに先立って保護製品と保護構造間に接合を形成する例示的接着ロック素子の簡略図である。一実施形態では、二重エネルギー変換器基板は、電圧を、2つの基板間と電気的剥離可能接着剤により充填された隙間両端の電界に変換するように構成される。
【図3】2つのロック素子を含む遠隔活性化ロックの簡略図である。第1のロック素子は、図1に示すように、規定場に対する露出によりロック解除されこれにより製品を安全に解放し得る保護製品/保護構造接合を形成してもよい。第2のロック素子は、非規定場に晒されると製品を保護構造に恒久的かつ不可逆的に接着し、これにより不正アクセスから製品を保護するスプーフィング防止型である。いくつかの実施形態では、追加のロック能力を提供するために3つ以上のロック素子が直列または並列に組み合わせられてもよい。
【図4】規定場に晒されると1つまたは複数のロック素子により活性化される機械機構を含む遠隔活性化ロックアセンブリの簡略図である。
【図5a】保護対象光ディスクと遠隔活性化ロックアセンブリの部品の絵画的図である。
【図5b】設置された遠隔活性化ロックアセンブリを有する保護対象光ディスクの絵画的図である。
【図6】キャップ部品間の係合を示す遠隔活性化ロックアセンブリの破断面の概略図である。
【図7】ロック解除を示す遠隔活性化ロックアセンブリの破断面の概略図である。
【図8】追加のスプーフィング防止ロック素子を示す遠隔活性化ロックアセンブリの破断面の概略図である。
【図9】昇降手段が接着ロック素子で置換された別の実施形態を示す遠隔活性化ロックアセンブリの破断面の概略図である。
【図10】保護電子機器のUSBコネクタにロックされた遠隔活性化ロックアセンブリの単純化概略破断面図である。
【図11】保護電子機器のUSBコネクタからロック解除された遠隔活性化ロックアセンブリの単純化概略破断面図である。
【図12】保護電子機器のUSBコネクタにロックされた遠隔活性化ロックアセンブリの単純化概略破断面図である。ロック解除する不正な企てから起こり得るように、非規定場または条件による活性化後のラッチレバーの上部に位置する膨張したロック素子が示される。
【図13】保護電子機器のUSBコネクタにロックされた遠隔活性化ロックアセンブリの単純化概略破断面図である。ラッチレバーとプラットフォーム間の接合を形成しこれによりロックアセンブリの安全な除去を防止するラッチレバーの下に位置する接着ロック素子を示す。
【図14】処方薬に好適な、ねじ蓋容器の内容物を保護するように設計された遠隔活性化ロックシステムの単純化概略図である。
【図15】遠隔活性化ロックの素子を内蔵するねじ搭載容器上部を有する容器の単純化描写である。
【図16】ロック状態における図15の容器の単純化断面図である。
【図17】ロック解除状態における図15の容器の単純化断面図である。
【図18】メッシュ容器として構成された遠隔活性化ロックの簡略図である。
【図19】図18のメッシュ容器に組み込まれた遠隔活性化ロック機構の概略図を示す。
【図20】2つの遠隔活性化ロックメッシュ容器の実施形態を示す。
【図21】図18のメッシュ容器に組み込まれた遠隔活性化ロック機構の概略図の水平方向断面図を示す。
【図22】2つの図における電気的剥離可能接着層を採用した遠隔活性化ロックユニット実施形態の概略図であり、1つの図はロックユニットがロックされた位置にあり(図22A)、他の図はロックユニットが、電気的剥離可能接着層の側面にある2つの基板両端への印加電圧の印加により引き起こされたロック解除位置にある(図22B)。
【図23】電気的剥離可能接着剤を採用する別の遠隔活性化ロックユニット実施形態の概略図であり、実施形態の印加電流プロフィールを示す。
【図24】遠隔活性化ロックシステムのアーキテクチャの単純化実施形態を示す。
【図25】それぞれが共通のサブシステムレベルアーキテクチャを共有してもよい活性化、非活性化および再活性化処理サブシステムのシステムアーキテクチャの実施形態の単純化概略図である。
【図26A】アセンブリ内にロックされたメモリーカードを含む例示的遠隔活性化ロックアセンブリの概略図である。
【図26B】適切なエネルギープロフィールを有する外部刺激に晒された後のロック解除された後の例示的遠隔活性化ロックアセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の遠隔活性化ロック部品を含む遠隔活性化ロックアセンブリが提供される。遠隔活性化ロックアセンブリは、製品の使用をロックするあるいは製品の完全使用をロックすることにより製品への不正アクセスを防止するために採用されることができる。いくつかの実施形態では、遠隔活性化ロックアセンブリは、製品の使用/完全使用を防止するやり方で製品に物理的に取り付けられる。他の実施形態では、遠隔活性化ロックは、製品を覆う構造の一部(例えばブリスター包装材料)であるか、あるいは製品の完全な便宜へのアクセスを制限する構造の一部を囲む。遠隔活性化ロックアセンブリは、製品自体に結合された別のモジュールとしてあるいは製品に結合された構造として実装されてよい。遠隔活性化ロックアセンブリはまた、製品の一部をあるいは製品と一体化された製品包装を形成してもよい。
【0024】
いくつかの実施形態のロック部品は、1つまたは複数の送信活性化可能接着(transmission activatible−adhesive)ロック素子および/または送信活性化非接着(transmission activatible−non−adhesive)ロック素子を含んでもよい。ロック部品は、製品の使用または完全使用を妨害する機械機構と構造をさらに含んでもよい。
【0025】
ロックアセンブリは、適切なエネルギーまたはエネルギーのプロフィールにより活性化されると、1)アセンブリに関連した1つまたは複数のロックがロック状態からロック解除状態に移る、2)アセンブリに関連した1つまたは複数のロックがロック解除状態からロック状態に移る、3)1つまたは複数のロックがロック状態からロック解除状態に移り、同時にまたは別の時刻に、アセンブリに関連した1つまたは複数のロックがロック解除状態からロック状態に移る、ように設計されてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、ロック機能/ロック解除機能のそれぞれの作動には、セキュアキーとして機能する規定プロフィールを有する場(または場群)等の送信の印加を必要とする。セキュアキーは、例えば、規定プロフィールを有する磁場、電場、電磁場、光場、音場の1つまたはそれらの組み合わせを含んでもよい。規定プロフィールは、限定するものではないが、場のタイプ、周波数、場の強度、電力レベルおよび時間波形特徴の仕様を含んでよい。いくつかの実施形態については、それぞれが異なるプロフィールを有する一連の場がキーの構成要素を含む。さらに、それぞれが異なるプロフィールを有する複数場の同時印加がキーとして必要かもしれない。キーの追加要素が、場キー(field key)の印加の点または配向の要件であってもよい。
【0027】
本明細書の開示内容により理解されるであろうように、遠隔活性化ロックの構成とその構成ロック素子が、操作に必要な場プロフィールを判断してもよい。各ロックまたはロック群の構成は、その特性が秘密にされた一意的なプロフィールにだけ反応しこれによりロックのセキュアキーを実施するように設計されてもよい。
【0028】
ロック/ロック解除操作の規則正しい順序を提供する遠隔活性化ロックアセンブリ実施形態については、各順序の操作は一意的場プロフィールの印加を必要としてもよい。一意的場プロフィールの対応順序は、順序の初期に必要とされる一意的なプロフィールがその後の順序工程を時期尚早に活性化しないように構成されなければならない。
【0029】
いくつかの実施形態では、ロック機能のいくつか(またはすべて)が規定環境条件により活性化あるいは交互に活性化されてもよい。このような条件の例としては、限定するものではないが、温度、湿度、加速、力印加が挙げられる。
【0030】
遠隔活性化接着ロックの実施形態の「ビルディングブロック」は、送信により印加され得る規定エネルギーに晒されると化学的または物理的特性(「化学物理的特性」)が変化する接着剤である送信活性化可能接着剤であってよい。化学物理的特性の変化は、ロック状態からロック解除状態へあるいはロック解除状態からロック状態への変化をもたらすために変化を使用することができる程度のものでなければならない。
【0031】
接着剤組成物は、電気信号、磁場、電磁波、光または熱等のエネルギーの送信などの特定のエネルギーに応答してその物理的特性の少なくとも1つを著しく変化(すなわち状態変化)させるように作製されてもよい。影響を受ける物理的特性は、限定するものではないが、外形寸法、体積/密度、接着性、張力、圧縮強度、剪断強度を含んでもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、接着ロック素子は、複合構造を形成するために、エネルギー分配器および/またはエネルギー変換器と一体化された接着剤組成物を含む。一体化されたエネルギー分配器は接着剤を介しエネルギーを分配するのを助ける。一体化されたエネルギー分配器は、特定の外部印加エネルギー(電磁波等)を、接着剤の状態の変化に少なくとも部分的役割を負う第2の型のエネルギー(熱エネルギー等)に変換する変換器としてさらに作用してもよい。
【0033】
遠隔活性化ロックは、単一または複数のロック素子を採用することによりロック動作/ロック解除/再ロック動作/スプーフィング防止特徴の任意の所望の組み合わせを提供するように構成されてもよい。ロック素子は、素子の各グループ分けが表面間の界面を形成する並列に、あるいはロック素子のグループ分けが表面間のサンドイッチとして構成される直列に、構成されてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔活性化ロックは、ロック素子の直列および並列グループ分けの両方を含んでもよい。
【0034】
図1に示すのは、遠隔活性化アセンブリにおいて使用されてもよい遠隔活性化接着ロック素子2の一実施形態である。遠隔活性化接着ロック素子2は、エネルギー変換器として機能する第1のキャリア基板6に接着された接着材料4の積層物を含む。第1のキャリア基板6は、例えばエネルギーを接着材料4の表面に導く導電性金属シート(アルミニウム、鉄、鋼、銅、金、白金箔等)であってよい。遠隔活性化接着ロック素子2は、製品3の表面を接着材料4の1つの表面に沿って接着しそして接着材料4の別の表面に沿って保護構造5に接着して示されている。このような実施形態における外部印加場への第1のキャリア基板6の露出は渦電流を引き起こす。渦電流は金属シートの抵抗により熱として放散される。放散された熱は、接着材料4の温度を上昇させ接着剤を製品3から剥離させる。
【0035】
場管理および周波数応答は、磁場を変化させることにより影響を受ける粒子および/または膜の好適な選択により管理される。これらの材料は両方とも、渦電流を内部に誘導させることにより向きを変え、機能する。特に、これらの材料は、誘導電流の磁束の伝導および表皮厚さと材料の抵抗率とに依存して、異なる強度および周波数の場に対し劇的に異なる反応を有する。渦電流が第1のキャリア基板6内に誘導されると、渦電流は表皮効果に従ってシートの表面の近傍を流れる傾向があると考えられる。表皮効果は、電流フローに使用可能な金属シートの電気的断面積を、表皮厚さとして一般的に示される平均深さまで減らす。表皮厚さはδ=(r/(πμf))1/2として数学的に表される。ここで、rは抵抗率、μは透磁率[H/m]、fは周波数である。これらは、限定するものではないが表1に示すように公知の材料から単独であるいは組み合わせて選択されてもよい。選択により、接着剤キーの周波数に対する感度の態様を与えてよい。これらの材料は層、膜または粒子として選択されてもよい。膜として、これらの材料は有利には名目上0.0001インチ〜0.001の厚さ、あるいは粒子としては接着剤の0.5%〜10体積%であってもよい。様々な金属の透磁率の広いバラツキは、エネルギー変換器の表皮厚さとしたがって抵抗とが、金属膜を含む材料を選択することにより設計されることができるということを示す。渦電流フローにより発生した熱が、接着剤組成物の温度を上昇させて、これによりその特性(接着性等)の変化を引き起こしてもよい。生成された熱の量と結果として得られる温度は、部分的には、場の特徴、接着剤組成物の熱的特性、および金属シートの電気的特性により決定される。さらに、金属シートの物理的形状と寸法は、エネルギー変換器の周波数選択特性と熱分布特性を与えるように構成されてもよい。強磁性エネルギー変換器材料のための追加の加熱機構が生じる。外部から印加される交流磁場は、磁気ヒステリシスから熱を発生させる。ヒステリシスは、強磁性体内の要素磁石が外部から印加される逆転磁場に整合しようとするので生じる。
【0036】
【表1】
【0037】
接着材料4が熱的条件よりむしろ静電界に応答して状態を変化させる場合、このような接着材料4は、保護構造5のロックの変化を製品3に与えるために使用されてもよい。例えば、基板6と6’に静電位が差動電圧により印加されると、イオン輸送が起こり、接着性の低下を引き起こす接着材料4の表面における反応を生じる。非限定的な例として、部品4に好適な電気的剥離可能接着材料はEIC LaboratoryのER E−4接着剤である。この例では、接着剤は通常、20〜180秒間DC9〜50ボルトの電位差に付されると陽極表面から剥離する。ばね材料が電場を短絡しないあるいは剥離処理のイオン流れを妨害しないことを保証するように配慮した上で、この期間は、接着剤内にばねまたは同様の装置を埋め込むことにより速められてもよい。剥離は、2つの導電面間の短絡を引き起こすのに十分な電圧の印加により禁止されてもよい。このような短絡は、接着剤両端間の電圧勾配の印加を排除し、これにより接着性を恒久的にし、これによりシステムを攻撃する走査を行うハッカーを阻止するであろう。適切ならば、ハッカーを妨害し不正アクセスを防止するために、1つまたは複数の電気的剥離可能領域が採用され、従来のアバランシェまたはツェナーダイオードなどの単純なインテリジェンスにより、あるいは集積回路などのよりインテリジェントスイッチにより制御されてもよい。
【0038】
剥離可能接着剤の追加実施形態では、少なくとも1つの極性ポリマーと少なくとも1つの無極性ポリマーとからなる少なくとも2つのポリマーと、導電性塩、金属粒子、金属配線、ナノワイヤおよびカーボンナノチューブの材料の1つまたは複数を含む導電性材料と、を含み、外部エネルギーの印加に応答し第1の状態から第2の状態へ遷移することにより特徴付けられた電気的剥離可能接着剤が開示される。外部エネルギーは、印加電圧などの電磁気エネルギーの特定プロフィールであってもよい。一実施形態では、第1の状態は第1の接着状態であり、第2の状態は第2の接着状態である。異なる状態は例えば、接着剤の物理的体積または接着強度の変化であってよい。
【0039】
粒子または膜であってよい接着添加剤は、限定するものではないが、熱エネルギー転送を管理することによりおよび入力エネルギーの閾値を効果的に設定することによりキーの一部の形成を可能にする熱拡散係数を制御するために、表2から選択される。熱拡散係数はD=λ/(Cpρ)として数学的に表されてもよく、ここでCpは材料の比熱、λはその熱伝導率、ρはその密度である。したがって、特性の集合により与えられる特定の熱閾値に達するために、エネルギーと時間の極めて特別な比が必要とされる。特性差の大きさは、0.5%〜10%の少量の材料添加が性能の根本的な差異を生じ得ることを意味する。
【0040】
【表2】
【0041】
別の実施形態では、ME(磁歪/電歪:magnetostrictive/electrostrictive)層と、少なくとも1つの極性ポリマーと少なくとも1つの無極性ポリマーとからなる少なくとも2つのポリマーを含む接着層と、導電性塩、金属粒子、金属配線、ナノワイヤおよびカーボンナノチューブの材料の1つまたは複数を含む導電性材料と、を含む遠隔制御可能な剥離可能接着剤システムであって、外部エネルギーの印加に応じて第1の状態から第2の状態に遷移することにより特徴付けられたシステムが開示される。磁歪は、磁場に付されるとその形状または寸法を変化させる強磁性体の特性である。電歪は、電界の印加下でその形状を変化させるすべての電気的不導体または誘電体の特性である。外部エネルギーは電磁気エネルギーの特別のプロフィールであってよい。一実施形態では、第1の状態は第1の接着状態であり、第2の状態は第2の接着状態である。
【0042】
別の実施形態における遠隔活性化接着ロックは、図2に示すように、サンドイッチ型遠隔活性化ロック10を形成するために接着材料4を挟む2つのキャリア基板6と6’を含み、キャリア基板6は保護構造5に結合され、保護基板6’は製品3に結合される。キャリア基板6と6’が導電性基板である場合、2つの導電性基板はエネルギー変換器として機能してもよい。このエネルギー変換器は、加熱強化だけをまたは別の実施形態では静電界を提供するように機能する。ロックのセキュリティキーは、接着材料4の熱的特性および温度関連状態変化特性と組み合わせたエネルギー変換器の物理的および電気的特性により定義されてよい規定の場プロフィールにより実施されてもよい。
【0043】
この実施形態の接着ロック素子のアプリケーションに好適な接着剤組成物の例は、接着剤と接着剤中に分散された非接着材料の粒子との混合物を含む。
【0044】
実際の接着剤は、製造要件と製品ロック要件との組み合わせに基づき選択される。例えば、ロックアプリケーションに使用する適切な1つの「基本」接着剤は、Raymat Materials,Inc.30081 Ahern Ave,Union City製のRaymat8303A UV硬化アクリル系粘着剤である。この接着剤は、名目上流体でありしたがって追加成分を好都合に添加することができるので便利である。この接着剤は、液体として、箔裏打ちに塗布され、ロールツーロール処理システムにおいて粘着状態を硬化させるために紫外線エネルギーが使用される。軽い力だけで剥がすことができる剥離ライナーが取り付けられる。この剥離ライナーは、接着剤が強力に付着しないパラフィン紙またはシリコーン膜と類似のものであってよい。これにより、擬似テープとして簡単な組み立てが可能となる。このテープは、例えばテープが強力に接着しているラッチを固定するロックアセンブリにおいて今や好都合に使用されることができる。しかしながら、取り付けと組み立ての便宜が課題ではなく強度が最重要である場合、エポキシアミン等の基本接着剤を使用することもできるであろう。
【0045】
接着剤全体に分散した粒子が、接着材料の特性を変え、熱エネルギーをより効果的に分配するのを助け、および/または追加の第1のエネルギー源から第2のエネルギー源への変換機構(例えば、電磁エネルギーから熱エネルギー変換)を提供してもよい。さらに、他の分散された粒子が、外部印加場に応答して所望の物理的振る舞いを発揮してもよい。一実施形態では、分散された粒子は、接着剤中の熱の流れを強化または妨害する混合剤の熱伝導率特性を変更する役目を果たしてもよい。高熱伝導率により特徴付けられた金属粒子が熱の流れを強化し、非金属粒子が熱の流れを妨害してもよい。
【0046】
別の実施形態では、外部印加場の周波数に共振する寸法を有する導電性粒子がエネルギー変換素子として機能してもよい。導電性粒子は、共振場により励起されると、例えば磁性粒子の音響共振により誘導された渦電流または摩擦効果の抵抗性放散によって熱を発生することがある。別の実施形態では、分散された粒子は外部印加場に対する露出に応答して物理的に膨張してもよい。分散された粒子の物理的膨張は、接着ロック素子接合の機械的破壊をもたらしこれによりロックを解放するだろう。
【0047】
図1の別の実施形態では、ロック素子2はこの例示的ケースでは外部場プロフィールなどの選択した外部エネルギー源に対する露出前にかなりの接着性を欠くことにより特徴付けられる接着材料4を含む。このケースでは、選択した外部エネルギーに対する露出は、接着剤に保護構造5と製品3を強く接着させる接着材料4の接着性の増加を引き起こす。図1の別の実施形態では、接着材料4は、特定のエネルギー源に対する露出前の初期体積xとこのようなエネルギー源に対する露出後の体積x+y(ここで、y>0)とにより特徴付けられる。体積の増加は接着材料4の接着性の破壊を伴いロック2を製品3から解放すると考えられる。
【0048】
図3に図式的に示されるのは、2つのロック素子32、34を含む遠隔活性化ロックアセンブリ28である。ロック素子32は、製品の使用を防止する保護構造5に製品3の表面を接着する。ロック素子32は、従来の接着剤40により保護構造5に恒久的に取り付けられてもよい。好適な従来の接着剤の非限定的な例としては、エポキシ樹脂と熱硬化性プラスチックが挙げられる。ロック素子32と製品3間の接合はエネルギー反応性状態変化接着材料(energy−responsive state change adhesive material)4により形成される。ロック素子32が接着される製品3の表面は、ロック素子32の強制取り外しが製品3の使用を防止する損傷をもたらすように選択されてもよい。第2のロック素子を含むロック素子34は、製品3と保護構造5間の第2の物理的界面を形成するように配置される。ロック素子34はまた、従来の接着剤40により保護構造5に恒久的に取り付けられてもよい。製品3とロック素子34間の界面は、エネルギー反応性状態変化接着材料4と異なるエネルギーまたはエネルギープロフィールに反応するエネルギー反応性状態変化接着材料4’である。遠隔活性化ロック素子32と34のそれぞれは、外部印加エネルギーを別のエネルギーに(例えば、電磁波を熱に)変換するように構成された関連するエネルギー変換器6と6’を有する。1つのロック素子がロック位置にあり別のロック素子がロック解除位置にある場合、遠隔活性化ロックアセンブリ28は、広域スペクトル送信を使用して不法な活性化(すなわち、保護製品上のロックを破ろうとする企て)を防止するのを助ける。すなわち、1つのロック素子が1つの送信でロックするように設計されている場合、多くの送信に対する広範な露出が、ロックされたロック素子を打ち破るかもしれないが、露出はまた、製品を使用することができないかあるいは十分には使用することができなくなるように他のロック素子に製品をロックさせてもよい。
【0049】
例えば、製品3は、ロック素子32が規定の場プロフィールに晒されるまで保護構造5に接着されたままであってよい。規定の場プロフィールに晒されると、ロック素子32接合は解放され、これにより製品3を損傷なしに保護構造5から分離することができるようになる。非規定の場プロフィールに露出することにより製品3を取り外す不正な企てがなされると、ロック素子34は活性化され、これにより保護構造5と製品3間の恒久的な接合を形成してもよい。非規定の場プロフィールが規定の場プロフィールを包含する状況では、ロック素子34接合は、ロック素子32接合が解放されても製品に対するアクセスを防止することができる。
【0050】
本開示から理解されるであろうように、製品のロックを有効にするために、異なる構造をロック素子に連接することができる。例えば、連接レバーを使用する遠隔活性化ロックアセンブリ50の実施形態を図4に図式的に示す。このような実施形態では、遠隔活性化ロックアセンブリ50は複数ロック素子52、52’と機械機構ロック部品54を含む。製品3’と保護構造5’間に接着層を形成するのではなく、ロックアセンブリ50は、この場合ロックアセンブリ50の筐体の内側延長部62から旋回されるレバーに取り付けられたピンを含む非接着剤機械保持装置60により製品3’に固定される。他の非限定的例示的保持装置60は例えば、伸長/収縮可能ラッチ、爪、ピストン、および/または製品内に組み込まれた対応する容器と係合するピンを含んでもよい。機械保持装置60は、遠隔活性化ロックアセンブリ50を含む機械機構の操作により伸長または収縮されてよい。接着ロック素子52は、規定の場プロフィールに付されると部品機械機構を作動するようにロックアセンブリ50内に構成されてもよい。部品機械機構62の作動は機械保持手段60の拡張または収縮を引き起こし、これにより保護製品からの遠隔活性化ロックアセンブリ50の安全な取り外しを可能にする。非規定の場プロフィールに付されると部品機械機構の作動を防止するように、追加のロック素子(不図示)がロックアセンブリ内に構成されてもよい。
【0051】
さらに別の実施形態では、DVD、CDおよび他の記録媒体等の製品を保護するのに好適な遠隔活性化ロックアセンブリが開示される。図5aに、2つのロックキャップ100と110が保護構造として機能する1つのこのような記録媒体ロック遠隔活性化ロックアセンブリシステムを示す。図示のように、キャップ100と110は光ディスク105の中央開口部102を通して係合するように構成される。図5bに、光ディスク105の中央開口部102内に固定された(すなわち、2つのキャップ100と110が連結した)ロックされた遠隔活性化ロックアセンブリ104を示す。
【0052】
図6に、ロックキャップ100と110の可能なロックアセンブリを示す。このような例示的遠隔活性化ロックアセンブリ104では、キャップ100と110はそれぞれ相互作用する機械機構190と200を有する。同図に例示するように、相互作用するバネ装架ラッチシステムが見られる。ロックアセンブリ105は、多くの他の素子と共にこのような連結機械機構190と200を含む。このような他の素子としては、図示のように、平坦でかつキャップ100の表面に隣接するものとして示した機械的ロックアセンブリ105の内部に位置する恒久的接着剤組成物120が挙げられる。第1のエネルギー変換器130は、恒久的接着剤組成物120の上でかつ連接されたロック機構200の内部に位置する。ロックアセンブリ105は、エネルギー変換器130の上に位置する状態変化接着剤組成物140の第2の層をさらに含み、また機械的ロック機構200の内部にある。状態変化接着剤組成物140は、ロック動作またはロック解除に対して選択されたあるエネルギー源プロフィールに晒されると状態変化を受ける接着剤であり、恒久的接着剤組成物120は、ロック解除するために使用されるエネルギープロフィールに関係なく接着性を保つように設計された接着剤である。キャップ110は、嵌め合いバネ装架ラッチ(mating spring−loaded latch)により例示されるように嵌め合い機械ロック部品190を含む。図示のように、キャップ110はまた、機械的ロック機構190の内部に位置するとともに図示のように平坦でありかつキャップ110の表面に隣接する恒久的接着剤組成物180の層を有する。キャップ110は、図ではその直径が機械ロック部品190より小さく恒久的接着剤組成物180に隣接して配置された円筒状ノブとして示される突出昇降手段(protruding elevator)170をさらに含む。突出昇降手段170の底に隣接して(すなわち、キャップ100に最も近い側に)、状態変化接着剤組成物160の別の層がある。第2のエネルギー変換器150は状態変化接着剤組成物160に隣接する。
【0053】
恒久的接着剤組成物120と180は同じ接着剤であってもよいがそうである必要はない。例示的な接着剤としては、Raymat Materials Inc.の368、468または568エポキシ樹脂が挙げられる。エネルギー変換器130と150は、限定するものではないが、アルミニウムと鋼あるいは透磁率とキュリー温度等の特定の磁気特性を有する磁性材料を含む導体箔または膜であってよい。例示的代表的磁性材料は1010鋼である。状態変化接着剤組成物160と140は、接着剤組成物120と180と同じまたは異なるエポキシ樹脂であって、所望のエネルギープロフィールが印加されると状態変化を可能にしロック機構の特定用途への調整を可能にするようにその成分が変更されたエポキシ樹脂(例えば、特定のエネルギープロフィールが印加されると体積が膨張し、これにより接着剤の接着層を壊す材料を含む)であってもよい。
【0054】
キャップ110のロック部品190は、2つが機械的に連結するようにキャップ100のロック部品200の内部に嵌まる。ロック部品190と200は状態変化接着材料140と一緒に固定される。キャップ100と110間に実質的に壊れない接合を提供するエポキシ樹脂の重要な領域がある。例えば、0.25インチの接合領域に広がる8,000psiの接着材料は、離れるのに2,000ポンドの力を必要とすると考えられる。
【0055】
図7に示すように、規定プロフィールを有する場に露出することにより遠隔活性化ロックアセンブリ104をロック解除させる。例示的実施形態では、第1のロックキャップ100は、規定のエネルギープロフィールを受ける(例えば、ある温度に達する)と機械的ロック機構200の内面および機械的ロック機構190の最下層外面から剥離する状態変化接着剤組成物140を含む。状態変化接着剤組成物140のよく知られた状態変化を引き起こすのに必要なエネルギープロフィールは、エネルギー変換器130と150による傍受電磁場の熱エネルギーへの変換など1つのエネルギー場を別のエネルギー場に変換することにより作用してもよい。図示のように、エネルギー変換器130と150は、接着剤組成物140の両面上に積層される。エネルギー変換器は例えば、電気伝導、熱伝導、発電(磁歪/電歪)、熱生成(誘導)、および/または光伝送を伴ってもよい。
【0056】
ロックされたロックキャップ100と110をロック解除する機構を、図7に概略的に示す。第2のロックキャップ110は、規定のエネルギープロフィールを有する場に付されると膨張する状態変化接着剤組成物160を含む。エネルギーは、エネルギー変換器150により接着剤組成物160に送られる。接着剤組成物160の膨張により、円筒状昇降手段170に鉛直力を印加し、昇降手段をキャップ110内に押し付け、矢印175により示すようにキャップ110の両側を下に曲げる。キャップ110の曲げは、矢印185により示すように内側ロック機構190を内側へ移動させる水平力を生成する。このときキャップ110をキャップ100から分離することができる。
【0057】
図8に示す実施形態に示す図6の遠隔活性化ロックアセンブリのスプーフィング防止特徴を提供するために追加ロック素子を加えてもよい。この実施形態に示すように、追加ロック素子は、例えばドーナツ形状を有し、キャップ100の表面と直接接触し、キャップ100の外径に位置する第3のエネルギー変換器210と、エネルギー変換器210層の上に直接配置された状態変化接着剤組成物の別の層230と、2つの他の層210と230に隣接するがキャップ100の内径方向により近くに配置された状態変化接着剤組成物の別の層220と、を含む。
【0058】
接着剤組成物220と230は、特定温度で硬化するホットメルト接着剤を含んでもよい。第3のエネルギー変換器210は、めっき、スパッタリングまたは他のやり方など任意の様々な方法により蒸着された導電性または磁性材料である箔または膜を含んでもよい。状態変化接着剤組成物220と230とエネルギー変換器210は、ロック解除するように意図されたエネルギープロフィールに晒されても目に付く程度に状態を変えないように構成される。例えば、このような組成物は、遠隔活性化ロックの認可されたロック解除のための規定場に付されても硬化に必要な温度まで熱くならない。しかしながら、規定場に準拠しない十分な電力場に対する露出は、ホットメルト接着剤220と230をディスクに恒久的に接着させ、装置をディスクに恒久的にロックし、その使用を妨げる。
【0059】
本開示に包含される遠隔活性化ロックの他の実施形態は、限定するものではないが以下のものを含む。図9に表されるように、円筒状昇降手段170は削除され接着剤により置換されてもよい。遠隔活性化ロックのロック解除は、例えば接着材料だけの剥離による、あるいは接着材料だけを膨張させることによる、のいずれかによる単一の作動方法を含むことができるであろう。遠隔活性化ロックは、2つのエネルギー変換器130と150の代わりに1つのエネルギー変換器130を含むことができるであろう。エネルギー変換器130は、キャップ100に一体化されることにより接着剤組成物120の必要性を無しにしてもよい。めっき、スパッタリングまたは任意の他の方法によりキャップ100上にエネルギー変換器層を蒸着することができるであろう。円筒状昇降手段170は、導体箔よりむしろスパッタリングまたは任意の他の方法により蒸着された集積化エネルギー変換器を含んでもよい。
【0060】
本開示の遠隔活性化ロックアセンブリはまた、部品と、それへのアクセスが部品またはユニットの使用に必要である接続ジャックまたはソケットを含む装置と、を保護するのに好適なようなアセンブリを含む。
【0061】
1つのこのような実施形態では、遠隔活性化ロックは、操作に必要な嵌め合いUSBコネクタ(mating USB connector)の挿入を阻止するように電子装置の1つまたは複数のUSB(ユニバーサルシリアルバス)コネクタを物理的にロックする。遠隔活性化ロックアセンブリは、保護装置にロックされるとコネクタからロックを不正に取り外すためには破壊的力の印加を必要とするだろう。一実施形態では、遠隔活性化ロックをロック解除しようとする不正な企てが、ロックされたコネクタを使用不能にしてもよい。
【0062】
図10に、このような接続ジャックまたはソケット遠隔活性化ロックアセンブリ300の実施形態の単純化概略図を示す。このような実施形態は、1つまたは複数のUSBコネクタを含む電子機器の使用保護に好適である。遠隔活性化ロックアセンブリ300は中空箱のような構造である装置筐体310を含む。中空箱は、内部空洞320を画定するともに、平坦な正面壁330および並列の平坦な裏面壁340と2つの側壁と1つの天井350と床360とを含む。平坦な正面壁330は面壁330を内部空洞320内に侵入させる矩形間隙370を画定する。矩形間隙370はUSBコネクタ390の端子部分380の挿入を許容するように寸法決めされる。隆起プラットフォーム400は内部空洞320内に配置され、平坦な裏面壁340から正面壁330に向かって延びる床360に平行な表面を形成する。ラッチレバーまたは爪410を含むラッチ400は、プラットフォーム400と裏面壁340との交点の近傍の内部空洞320内で蝶番的に取り付けられ、少なくとも2つの位置を取るように作動可能に構成される。閉位置では、ラッチレバー410はプラットフォーム400に平行であり、ラッチレバー410は、遠隔活性化ロックとコネクタ390との分離を防ぐように、挿入された雄コネクタの端子部分380と係合する。開位置では、ラッチレバー410は、遠隔活性化ロックアセンブリ300のコネクタ390からの安全な取り外しを許容するように端子部分380からラッチレバー410のヘッドを引き離すように、プラットフォーム400から旋回されて離される。
【0063】
作動時、USBコネクタ390の端子部分380は装置筐体310の間隙370内に挿入される。ロック状態では、バネ装架であってよいラッチレバー410は、USBコネクタ390の端子部分380の2つの孔にラッチされる。ロック状態では、過剰引っ張り(>100ポンド)がUSBコネクタ390をUSB筐体本体420から分離させることになる。過剰力は、ラッチレバー410を回転させ、雄のUSBコネクタ390の端子部分380に結合させ、端子部分380の銅トレースを引っ掻き、銅トレースを使用不能にする。USBコネクタ390は、規定のエネルギープロフィールの適切な印加だけにより安全に取り外されてもよい。
【0064】
ラッチレバー410の位置は、規定プロフィールを有する対応場に付されるとそれぞれが個々に活性化されてよい3つのロック素子430、440、450により制御される。
【0065】
保護装置へのアクセス許可は剥離可能ロックアセンブリ300により提供されてもよい。第1のロック素子430はラッチレバー410の下のプラットフォーム400上に固定され、第1の規定プロフィールを有する場に付されると膨張する第1の接着剤組成物460を含む。第1のロック素子430は、第1の規定プロフィールを有する場により励起されると変換エネルギーを第1の接着剤組成物460に印加するエネルギー変換器470をさらに含む。第1のロック素子430は、第1の接着剤組成物460の膨張がラッチレバー410に力を印加してラッチレバー410を閉位置から開位置へ駆動するように構成される。
【0066】
図11を参照すると、ラッチレバー410のロック解除を引き起こすために規定の第1のプロフィールを有する場が印加される図10の実施形態が示される。活性化エネルギーは、USBコネクタ390の端子部分380を安全に取り外せるように接着剤組成物460を膨張させラッチレバーヘッド480を上昇させるエネルギー変換器470により受け取られる。第1の規定プロフィールを有する場の印加は、エネルギー変換器490によるエネルギーの大きな変換を引き起こさなく、したがって接着剤組成物500の特性の変化をもたらさない。
【0067】
保護装置に対する不正アクセスは、図12に示す実施形態の追加ロック素子により防止されてもよい。第2のロック素子440は、ラッチレバーヘッド480の上のラッチレバー410上に設置され、第1の規定プロフィールに準拠しない場に付されると膨張する第2の接着剤組成物500を含む。第2のロック素子440は、第1の規定プロフィールに準拠しない外部印加場により励起されると変換エネルギーを第2の接着剤組成物500に与える第2のエネルギー変換器490をさらに含む。第2のロック素子440は、第2の接着剤組成物500の膨張が第2のロック素子を天井350の内側面と接触させ、これによりラッチレバー410に下向きの力を与え、ラッチレバー410を閉位置方向に駆動するように構成される。第2のロック素子440により起こされる力の大きさは、第1のロック素子430のものより大きく、したがって第1のロック素子430により与えられた力に打ち勝つ。第2のロック素子440の活性化は、ラッチレバーヘッド480爪の係合を維持し、これにより遠隔活性化ロックアセンブリ300の保護装置からの安全な取り外しを防止する。
【0068】
図13に示すように、広域スペクトルエネルギー送信攻撃に対する保護のために追加ロック素子が使用されてもよい。図示のように、保護装置に対する不正アクセスをさらに防止し得る第3のロック素子450が設けられる。ロック素子450は、第2のロック素子440とプラットフォーム400の先端間のラッチレバー410の下のプラットフォーム400に隣接した位置にあり、第3の接着剤組成物510を含む。第3の接着剤組成物510は例えば熱硬化性接着剤であってもよい。その初期状態では、第3の接着剤組成物510はまだその硬化温度に付されておらず、大きな接着性を発揮しない。外部エネルギーが第3の接着剤組成物510に印加されると、第3の接着剤組成物510は硬化して、ラッチレバー410を閉位置に恒久的に接着させる。第3の接着剤組成物510の接着性は第1のロック素子430により加えられた力を克服するのに十分であり、したがってラッチレバー410を閉位置に保ち、ラッチレバー480爪の係合を維持する。任意のプロフィールを有する場へのその後の露出は、遠隔活性化ロックアセンブリ300の保護装置からの安全な取り外しを許容しない。
【0069】
図14に、処方薬などのねじ蓋容器内に包装された製品を保護するように設計された遠隔活性化ロックシステムの実施形態の外観図を示す。このシステムは、容器710上にねじで留められてもよいねじ蓋キャップ700を含む。限定するものではないが、容器710は、ガラスまたはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、PET等のプラスチックで作られてもよく、金型または成形により製作されてもよい。
【0070】
図15に、遠隔活性化ロックシステムのロック特徴を示す。図15Aに、容器の一端上の雄ねじ720と容器710の同じ端上の軸方向に延びるラチェット部材730とを有する容器710を示す。ラチェット部材730はモールド成形により製作されてもよい。図15Bに、ねじ蓋キャップの内壁に沿って配置された雌ねじ740と、ねじ蓋キャップの内部の上部に配置されたラチェット爪の一部であるロック部材750と、を有するねじ蓋キャップ710の内部を示す。
【0071】
図16に、ロック状態のねじ蓋容器の例示的遠隔活性化ロックシステムの詳細な断面図を示す。ねじ蓋キャップ700は、成型プラスチック、金属またはセラミック材のいずれかで形成されるとともに雌ねじ740を有するワンピースキャップ構造770を含む。雌ねじ740は、容器710の本体の雄ねじ720と係合しその中で蓋780とラチェット爪790と係合するように寸法決めされる。キャップ構造770の中心は、蓋780と可動ラチェット爪790とを含むラチェット爪アセンブリを受け入れ取り込むための溝を含む。上部空洞800は、ロック解除処理中のラチェット爪の運動を許容し、いくつかの実施形態では、内容物にアクセスする不正な企てがなされると活性化する改ざん防止層(anti−tampering layer)を含む。蓋780とラチェット爪790は接着剤810により互に接着される。静止蓋780に対して平坦な接着剤810は、熱膨張粒子、熱伝導粒子、またはRF感受体粒子(RF susceptor particle)の1つまたは複数を含むエネルギー変換器または層または構造を含んでもよい。
【0072】
ねじ蓋キャップ700をねじると、雌ねじ740は容器710上の対応する雄ねじ720と係合し、ねじ蓋キャップ700上のラチェット爪ロック部材750は容器710の首上のラチェット部材730と係合する。ラチェット爪ロック部材750は、ねじ蓋キャップ700の締め付け一方向回転だけを許容して、ねじ蓋キャップ700の緩みを防止する。
【0073】
図17に示すように、容器が規定プロフィールを有する場に晒されると、接着剤は膨張し垂直方向に力を生成する。発生された力は、蓋780からラチェット爪790を押しやり、これにより容器710上のラチェット部材730からラチェット爪ロック部材750を切り離す。その後、ねじ蓋キャップ700は取り外されてもよい。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態では、改ざん防止材料(anti−tampering material)が、空洞800の領域内のラチェット爪790の頂部に被膜として加えられてもよい。改ざん防止材料はEVA(エチル酢酸ビニル)または別の構成の接着剤からなってもよい。高熱または不正エネルギープロフィールを使用して容器上のロック装置を改ざんする企てがあれば、改ざんは、ラチェット部材と爪を互に接着するであろうEVAを溶かすことができる改ざん防止層、あるいは改ざん防止接着剤の場合は、爪とギヤとの係合を保つために下部接着剤より大きな力を有ししたがって容器の底に向かう下向きの正味力を有するように構成されるであろう改ざん防止層、のいずれかを活性化するであろう。
【0075】
本発明の他の実施形態では、遠隔活性化ロックシステムは半径方向に延びるラチェットと爪部材を使用するように構成されてもよい。追加の実施形態は、また、適切な設計のラチェット爪と協同して働く雄ねじに隣接する容器の外面上にラチェット部材を含んでもよい。
【0076】
別の実施形態では、図18に、任意の形状の容器内に包装された高い盗難リスク品を保護するように設計された遠隔活性化ロック保護容器を示す。包装900は、埋め込み切断耐性メッシュ(embedded cut−resistant mesh)910を有する材料で作られた箱状または任意の他の形状の容器を含んでもよい。包装900は、限定するものではないが、繊維、紙またはプラスチックで作られてもよい。メッシュ910は、限定するものではないが、ステンレス鋼、ケブラー、任意の他の強靭ポリマーまたは任意の他の切断耐性材料の任意のもので作製されてもよい。メッシュは外部環境に対し視認可能であっても視認可能でなくてもよく、包装材料の2つまたは複数の層間に挟まれてよい。図18の例示的容器は、包装900の頂部縁部に密閉されるともに遠隔活性化ロック機構930を組み込んだ蓋920を含む。
【0077】
図19に、ロック状態にある例示的遠隔活性化ロックメッシュ容器ロック機構930の詳細な断面図を示す。ロック機構930は、接着剤または任意の他の固定方法を使用して包装900に取り付けられる底パッド940と、接着剤または任意の他の固定方法により容器蓋920に取り付けられるキャップ950と、を含む。底パッド940は、その中にエネルギー変換器960が置かれるわずかな窪みを有する。エネルギー変換器960は、限定するものではないがアルミニウムまたは銅または任意の他の導体材料で作られた箔または積層箔を含んでもよく、渦電流を生成ししたがって電磁場の存在下でエネルギーを変換する。エネルギー変換器960は、膨張可能接着剤を含む片面または両面を有する底パッド940とキャップ950に接着剤970を接着するために、その両平面上に接着剤970を有する。接着層は底パッド940内の窪みの底に対して平らである。膨張可能接着剤は、膨張粒子、熱伝導粒子またはRF感受体粒子の1つまたは複数を含む層または構造を含んでもよい。このような感受体粒子はRFエネルギーを吸収し、フェライト粉、金属粉、カーボンブラック、黒鉛粉末、アモルファス金属粉末またはガラス繊維、ガラス気泡等の被覆粒子、または薄い連続金属膜で被覆された雲母フレークを含んでもよく、そのすべては、熱硬化性ポリマー等の随意的なポリマーを含んでもよい。
【0078】
本発明の他の実施形態では、キャップ950と、膨張接着剤により作動させることができるラッチ等の底パッド940と、の間に追加の機械的アタッチメントが存在してもよい。
【0079】
容器が規定プロフィールを有する場に晒されると、エネルギー変換器960は遠隔電磁場からエネルギーを吸収し、そのエネルギーを接着剤内に伝達する。接着剤970もまたエネルギーを吸収する。接着剤は膨張し、垂直方向に力を生成し、容器900からキャップ950を押しやり、これにより蓋920を容器900に結合するシールへのアクセスを許容する。次にシールを剥がすことができ、次に蓋920が取り外されてもよい。
【0080】
図20に、本発明の2つの追加の実施形態を示す。図20Aは、バッグの頂部において2つの金属またはプラスチック棒を介し密閉する埋め込みメッシュ材料で作られたバッグを示す。図20Bに、バッグの頂部においてメッシュを通るワイヤにより生成された膨張可能開口を有する、埋め込みメッシュ材料で作られたバッグを示す。2つのワイヤ端は、図19に詳述されたものと類似のロック機構内に埋め込まれている。
【0081】
図21は、図20Aの容器のロック機構980の水平断面を示す。ロック機構980は、2つの金属またはプラスチック棒、すなわち延長部材1010を有する第1の棒990と、延長部材1010を受け入れるように設計されたフックまたはラッチ1020を有するとともにエンボスまたは機械加工または任意の他の好適な方法により製作されてよい第2の棒1000と、を含む。第1の棒990と第2の棒1000は互に押し付けられ、第1の棒990は延長部材1010が第2の棒1000のフックまたはラッチ1020に係合するようにスライドするようにされる。キャップ1030は、延長部材1010とフックまたはラッチ1020間の係合領域を覆うように接着される。延長部材1010とフックまたはラッチ1020間の上述した棒に沿って1つまたは複数の係合が存在してもよい。
【0082】
バッグが規定プロフィールを有する場に晒されると、エネルギーは規定場によりエネルギー変換器1050内に誘導される。エネルギー変換器1050内のエネルギーは接着剤1040に移動し、接着剤1040もまたエネルギーを吸収する。接着剤1040は膨張し、矢印により示すように垂直方向に力を生成し、キャップ1030をフックまたはラッチ1020から押しやり、これにより棒990と延長部材1010が左向きの矢印により示すように棒1000上のフックまたはラッチ1020からスライドして離れるようにする。
【0083】
規定場プロフィール
遠隔活性化アセンブリロックの操作には、規定プロフィールを有する1つまたは複数の場の印加を必要とする。遠隔活性化ロックアセンブリまたは遠隔活性化ロックアセンブリ群をロック解除または再ロックするには、ロック素子の所与の構成に特有の場プロフィールの知識を必要とする。プロフィール定義は、限定するものではないが、場のタイプ、周波数、場の強度、電力レベルおよび時間波形特徴の1つまたは複数の仕様を含んでよい。いくつかの実施形態については、それぞれが異なるプロフィールを有する一連の場が考えられる。代替案としてあるいはさらに、それぞれが異なるプロフィールを有する複数場の同時印加がキーとして必要かもしれない。キーの追加要素が、場キーの印加の点または配向の要件であってもよい。
【0084】
一実施形態では、プロフィール定義が、プロフィール定義を指標または商品識別子に関連付けるデータベース内に維持されてもよい。商品識別子は一意的であってもよい、あるいは、場合によっては、例えば当業者に周知のように個人情報(Personally Identifiable Information)すなわちPIIとして解釈されてもよい取り引きデータの危険な収集を防止するために商品識別子はほぼ一意的であってよいが厳密に一意的でなくてもよい。衝突頻度は、構成要素の秘密(constituent’s privacy)を保護する一方で重要な操作結果を有しないように十分に低くてよい。さらに、安全性を強化するために、所与の商品識別子は2つ以上のロックアセンブリプロフィールに関連付けられてもよい。これらの様々な指標は一意的商品識別子と呼ばれる。一意的商品識別子は、例えば英数字バーコード、RFID、または製品に取り付けられた磁気符号化ラベルを読み取ることにより得られてもよい。一意的商品識別子は、場露出履歴を記録する読み出し可能標識をさらに含んでもよい。このような標識の非限定的な例は、活性化場への露出から生じるであろう温度増加に反応するインクを使用することにより部分的に印刷されたラベルである。別の非限定的実施形態では、一意的商品識別子は印加された活性化場に反応する強磁性特徴を含んでもよい。
【0085】
別の実施形態では、一意的商品識別子は、製品、製品包装、または遠隔活性化ロックアセンブリのいずれかに取り付けられたRFID(無線周波数識別タグ)を含んでもよい。RFIDは、一意的商品識別子、必要とされる場プロフィール定義、および以前の遠隔活性化ロック操作を記述するデータを含むメモリを含んでもよい。
【0086】
遠隔活性化ロック接着材料
一実施形態では、遠隔活性化ロックに用いるのに好適な接着材料は、その中に熱膨張粒子、および/またはRF敏感粒子および/または熱伝導粒子が含まれてよい基本液状接着剤を含んでもよい。
【0087】
遠隔活性化ロックでは、解放は急速(例えば2秒以下)であり、かつ接着剤の表面全体にわたって完全(クリーン)である必要があると考えられる。急速解放を起こすためにRF誘導を使用すると、特に、貧弱な熱伝導特性をしばしば有する接着剤では、温度勾配が生じる。さらに、いくつかの遠隔活性化ロックシステムは、狭い処理ウインドウ内の操作を必要とする。
【0088】
温度勾配の問題に対処するために、接着剤中に分散された熱伝導粒子が、エネルギー変換器膜および/またはRF感受体粒子により発生されたエネルギー(例えば熱エネルギー)を伝導するのを助けてもよい。エネルギー反応粒子は、接着剤の温度がある点に達すると大きさを劇的に増し接着層と取り付けられた基板との間の化学結合を壊すように選択されてよい。
【0089】
接着剤を構成する基本液状接着剤は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂/メタクリル樹脂、2部または1部ポリウレタン、1部または2部シリコーン、ポリエステル、ポリアミド、ポリユリア、フェノール樹脂、メラミンホルムアルデヒド凝縮物、および/またはアルキド樹脂、またはそれらの混合物など接着に使用される任意の一般クラスのポリマーまたはポリマー樹脂であってよい。接着剤は、剥離することができるであろう温度より低い温度において、そして場合によっては、好ましくは室温で、時間ともに硬化する。急速加熱を有するために低い熱慣性と低い比熱を有する接着剤を熱膨張粒子の解放点まで加熱することが望ましいかもしれない。
【0090】
熱膨張粒子または液滴は、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウムおよびアジ化物化合物等の無機粒子であってよい。熱膨張粒子または液滴はまた、水、アルカンクロロフッ化物、例えばトリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタンと;アゾ化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾジカーボンアミド、バリウムアゾジカルボキシラートと;ヒドラジン化合物、例えばp−トルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’ジスルホニルヒドラジド、4,4’オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)およびアリルビス(スルフォニルヒドラジド)と;セミカルバジド化合物、例えばp−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4’オキシビス−(ベンゼンスルフォニルセミカルバジド)と;トリアゾール化合物、例えば5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリゾールと;、N−ニトロソ化合物、例えばN,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミドと、を含んでもよい。
【0091】
熱膨張粒子または液滴はまた、ポリマーシェル中ヘのガス状成分の封入により作成された小球体、熱膨張可能微粒子を含んでもよい。ガス状成分は熱エネルギーが印加されるとそのシェルから解放される。ブタン、プロパン、ヘプタン等の気体薬剤は、混合操作の容易性のためにガス状成分が好ましい。Expancel Microspheres(商標)などの市販熱膨張可能微粒子が使用されてもよい。さらに、ポリスチレンに閉じ込められた水も、熱膨張粒子として使用されてもよい。市販のように、粒子は通常1〜100マイクロメートルの粒径を有するが、いくつかの実施形態では、粒径のより狭い分布を採用すべきかもしれない。例えば、熱処理されると接着剤の完全かつ有効な解放は5〜40umの平均粒径を有する微粒子で生じると考えられる。
【0092】
解放温度の調節は小球体を囲むポリマーシェルを変化させることにより達成されてもよい。シェルの成分に依存して、小球体は室温から摂氏200度までの間で膨張してもよいが、摂氏50〜175度の間が好ましいと考えられる。小球体シェルは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)を含む熱可塑性物質などのポリマーで作られてよい。熱膨張粒子は体積が40倍も増加してもよい。
【0093】
熱伝導粒子は、銅などの金属またはガラスなどの無機物を含んでもよい。銅粒子は直径約100マイクロメートルである。RF感受体粒子の例は、PowderTech社から入手可能なFP130(商標)である10%Zn2Yである。RF粒子はまた磁性的であってもよく、この場合には、粒子の加熱は主として、渦電流よりむしろ磁気ヒステリシス損失により生じてもよい。
【0094】
構造が膜であってよいエネルギー変換器は、交流磁場の存在下で渦電流を生成する材料であってもよい。アルミニウム、1010鋼、永久磁石、銅材料で作られた導体膜または箔が好適である。さらに、交流磁場に付された磁歪膜は変動応力場を有し、熱を生成する。
【0095】
誘導的解放可能な接着システムの他の実施形態は、接着剤にワックス粒子を添加することを含む。ワックス粒子は、熱膨張球、熱伝導粒子およびRF感受体粒子との様々な組み合わせで接着剤中に取り込まれてよいが、低体積%でなければならない。ワックス粒子が、取り付けられた基板から接着剤を解放するのを助けてもよい。代表的ワックスとしては47〜65℃の融点(最も望ましい)を有するパラフィン蝋が挙げられるが、カルナウバ蝋(78〜85℃の融点)またはミツバチのワックス(45℃の融点)を採用してもよい。他の好適なワックスは、カ氏165〜240度の範囲の融点を有してもよい。
【0096】
図22は、2つの図における電気的剥離可能接着層を採用した遠隔活性化ロックユニット実施形態の概略図であり、1つの図ではロックユニットがロック位置にあり(図22A)、他の図では、電気的剥離可能接着層を側方に置く2つの基板両端の印加電圧によりロックユニットはロック解除位置にある(図22B)。このような実施形態における電気的剥離可能接着層は基板1106と基板1106’に恒久的に接着してもよい。電気的剥離可能接着剤1141は、極性ポリマー1142を含む少なくとも1つのポリマーと無極性ポリマー1143を含む少なくとも1つのポリマーとからなる少なくとも2つのポリマーと、導電性塩類、金属粒子、金属配線、ナノワイヤおよびカーボンナノチューブの1つまたは複数を含む導電性材料1144と、の液状接着剤混合物を含む。
【0097】
極性ポリマーは、例えば(限定するものではないが)、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールまたは任意の他の極性ポリオール、またはアミン末端ポリオールの1つまたは複数を含んでよい。無極性ポリマーは、例えば(限定するものではないが)、シリコーンポリオール、カルボキシ末端ポリブタジエン、イソシアナート末端ポリブタジエン、フッ化ポリオールポリブタジエンポリオール、メラニン化ポリブタジエンを含んでもよい。
【0098】
図22Bに示すように、2つの基板1106と1106’が好適なエネルギープロフィール(例えば、2つの基板1106と1106’の両端に印加された電圧)に付されると、正電荷が1つの基板1106上に堆積し、負電荷は他方の基板1106’上に堆積する。接着剤内では、共有結合で接着されないいくつかの電子を有する極性分子1142が回転し印加場と整合する。電気的剥離可能接着剤1141内に見られる導電性材料1144も電場の存在により影響を受けると考えられる。例えば、導電性材料1144が導電性塩である場合、アニオンは正電荷を有する基板1106に移動し、カチオンは負電荷を有する基板1106’に移動することになる。無極性分子1143は、その電子が共有結合で接着されるので電界内で回転しない。結果的に、接着剤1141内に何らかの相分離が存在することなり、より高い導電率(極性)の領域と無視できる導電率(無極性)の領域とを生じる。電場との有極性分子1142の物理的整合により生成された力は、接着剤1141の接着性を弱め、そして印加電圧の方向と電気的剥離可能接着剤1141内に見られる特定の導電性材料1144とに依存して基板1106または1106’のいずれかを剥離させる。この概略図では、印加電圧が有極性分子1142を電場に整合させると、有極性分子は延びて、基板1106と1106’間に配置された接着剤1141の厚さを増加させ(すなわち密度が減少する)、接着剤1141と基板1106と1106’間の接合を弱める内向きの水平方向力を内側に向けて生成する。
【0099】
図23は、電気的剥離可能接着剤を採用した別の遠隔活性化ロックユニット実施形態の概略図であり、実施形態の印加電流プロフィールを示す。この実施形態における電気的剥離可能接着剤1145は、一方の表面上には電歪層1148があり、電歪層1148の他方の表面上には磁歪層1109がある。このような複合磁歪/電歪層(magnetostrictive/electrostrictive layers)はME構造と呼ばれる。再び、電気的剥離可能接着層1141は、少なくとも1つのポリマーが極性ポリマー1142であり少なくとも他のポリマーが無極性ポリマー1143である複数のポリマーを含んでもよい。例えば(限定するものではないが)導電性塩、金属粒子、金属配線、ナノワイヤおよびカーボンナノチューブの1つまたは複数を含む導電性材料1144が電気的剥離可能接着剤1141内に見られる。極性および無極性ポリマーと導電性材料を適切に選択することにより、外部からの電気的および/または磁気的エネルギー(「電磁気エネルギー」)の印加に応答して第1の状態から第2の状態に遷移することができる電気的剥離可能接着剤組成物を提供してもよい。
【0100】
磁歪層1109は、例えば、Terfenol−Dなどの希土類材料を取り込んだ合金、室温および比較的小さな印加場において大きな磁気歪みを発揮する特別に配合されたテルビウム、ジスプロシウム、鉄の合金であってよい。電歪層1148は圧電層であってもよく、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、石英またはロッシェル塩を含んでもよい。ME構造は、各層の場反応がその隣に影響を与える限り、単一の磁歪層1109と単一の電歪層1148で、あるいは多くの交互磁歪層1109と電歪層1148で構成されてもよい。
【0101】
遠隔活性化ロックユニットをロックまたはロック解除するために使用される外部エネルギーは、電磁気エネルギーの特定のプロフィールであってもよい。一実施形態では、30KHz〜300KHzの周波数を有する無線周波数(RF)磁場が採用されてもよい。その振動が各磁歪層内の振動歪みを生成する振動RF磁場がME構造に印加されると、磁歪層1109は例えば磁場の各サイクルによりその緩和状態のものからその寸法のいくつかまたはすべてを変化させることにより反応する。隣接するあるいは交互配置された電歪層1148はその緩和状態において一定の形状を保持する。物理的応力に付されると、電歪層1148は歪を呈する。歪は電歪層1148を変形させ電圧差を生ずる。したがって変動磁場の印加により、例えばダイオード1147を使用して整流することができる交流電圧および電流を与える。印加電流は図23の挿入図に概略的に示される。さらに、構造の機械的共振振動数における振動により、所与の振動場入力のためのより大きな電圧出力を与える。これにより作動可能電圧および電流が生成される唯一の周波数であってよい好ましい周波数を与える。
【0102】
整流された電圧または電流を電歪層1148から基板1108に印加すると、例えば図示のように正電荷は基板1108の上に蓄積し、負電荷は電歪層1148上に蓄積する。接着剤内では、共有結合されないいくつかの電子を有する極性分子1142が回転し印加場と整合する。交流磁場の周波数は高いので、極性分子は回転してもとの状態に戻るための時間を有しない。電気的剥離可能接着剤1141内に見られる導電性材料l144は、ME46構造により生成された静電界の存在により同様に影響を受ける。導電性材料1144が導電性塩である場合、アニオンは正電荷(例えば1108)を有する基板に移動し、カチオンは負電荷を有する基板の表面(例えば基板1148の表面)に移動する。無極性分子1143は、その電子が共有結合されるので電場内で回転しない。結果的に、電気的剥離可能接着剤1141内に何らかの相分離が存在することなり、より高い導電率(極性)の領域と無視できる導電率(無極性)の領域とを生じる。場と極性分子1142との物理的整合により生成された力は、電気的剥離可能接着剤1141の接着性を弱め、そして印加電圧の方向と電気的剥離可能接着剤1141内に見られる特定の導電性材料1144とに依存して基板1108または1148のいずれかを剥離させる。
【0103】
ロックとキーはこのような実施形態の追加盗難防止特徴として作成されてよい。例えば電気的剥離可能接着剤1141は、特定の接着剤組成物と混合物が特定の規定エネルギープロフィールによりロック解除されるように極性ポリマー1142、無極性ポリマー1143および導電性材料1144の組成物または体積パーセントを変化させることにより変更されてもよい。さらに、ロック解除状態は、構造剛性の変化、したがってME構造からの接着剤の剥離により生じる音響共振の変化から検出されることができる。
【0104】
遠隔活性化ロックシステムアーキテクチャ
次に図24を参照すると、遠隔活性化ロックシステムの例示的なアーキテクチャが示される。4つの主要なサブシステムと2つの随意的なサブシステムが概略的に示される。
【0105】
図24に示すように、遠隔活性化ロック600は製品の不正使用を妨害または防止するロック機構である。ロックは、ロックが正しく取り外されない限り役立たなくする保護製品に固定されてもよい。さらに、ロックの不正な取り外しは製品を恒久的に損傷または破壊するだろう。随意的に、遠隔活性化ロック600は、ロック解除許可に必要な情報を安全に提供する製品バッチIDサブシステムを有してもよい。
【0106】
活性化装置610は設定またはロック動作するための態様である。遠隔活性化ロック600は、通常(に限らないが)、製造のある時点で活性化により設定される。活性化は、いくつかの実施形態では、接着ラベルとして構成されたロック素子の圧力印加であってもよいし、あるいは遠隔活性化ロック600に対するより複雑な物理的または化学的変化を含んでもよい。
【0107】
非活性化装置620は、遠隔活性化ロック600をロック解除する手段を提供する。非活性化装置620は、通常(に限らないが)、勘定カウンタにおいて設定される。保護製品の購入は、遠隔活性化ロック600をロック解除することと、これにより購入者による製品に対する自由なアクセスを許容することと、を含む。この工程は時に非活性化と呼ばれる。
【0108】
再活性化装置630は、遠隔活性化ロック600をロック状態にリセットする能力を提供する。このような再活性化は、製品が返品され再購入のために用意される際に実行されてもよい。この操作は再ロックおよび再活性化と呼ばれることがある。再活性化は、勘定カウンタとは異なりバックルーム設定(back−room setting)において達成されてもよい。
【0109】
活性化/非活性化/再活性化操作のそれぞれは、製品に対し既に実行された操作の履歴の知識を必要とする。各操作の実行は、履歴を、操作前に検索できるようにする指示装置内に書き込まれてもよい。好適な指示装置の実施形態は、磁気識別タグ、熱反応識別タグ、およびリード/ライトメモリを内蔵する無線周波数識別タグを含む。
【0110】
ローカルサーバー640は遠隔活性化ロックシステムの随意的なサブシステムである。ローカルサーバーの機能は、
i)非活性化許可のために非活性化装置620とローカルサーバー640間のローカル通信を可能にすること、
ii)非活性化装置動作ログを収集するための局所集中型施設(locally centralized facility)を提供することと、ログデータからレポートを作成すること、
iii)取り引き処理許可とデータベース更新のために広域ネットワーク通信スループットを減らすこと、
iv)より早く、より信頼できる操作のために広域通信リンクへの依存性を減らすこと、
v)非活性化装置620の電源が切られるとブランクにされてよい揮発性メモリ内にそれらのデータベース情報を置くことにより、非活性化装置620の安全性を改善すること、である。電源が投入されると、非活性化装置620はローカルサーバー640データベースから再ロードされてもよい。
【0111】
リモートサーバー650は、様々なソフトウェア品とデータ項目の集中型ソースとして設けられてもよい。システムが発達し、リモートサーバー650への信頼が増すにつれて、アーキテクチャは、同期されかつ地理的に分離されたリモートサーバー650が負荷を共有できるようにし、全体システムにおいてより大きな耐障害性を提供する。リモートサーバーは、
i)ローカルサーバー640、活性化装置610、非活性化装置620および再活性化装置630のファームウェアとソフトウェア更新と、
ii)ローカルサーバー640へのダウンロードのための非活性化データベースの集中型レポジトリーと、
iii)ローカルサーバー640が存在しない場合の非活性化装置620へのダウンロードのための非活性化データベースの集中型レポジトリーと、
iv)非活性化装置620が非活性化データベースのローカル記憶装置無しに随意的に構成された場合の非活性化データベース内の個々の取り引き処理ルックアップと、を含んでもよい。
【0112】
また、随意的なのは、活性化装置610、非活性化装置620、または再活性化装置630と通信を行ってもよいサービス装置660である。サービス装置660は次の機能を提供する。
a)ローカルサーバー640が存在しない場合あるいはリモートサーバー650への接続が無い場合の活性化装置610、非活性化装置620、および再活性化装置630に対するファームウェアとソフトウェア更新の提供。
b)ローカルサーバー640が存在しない場合あるいはリモートサーバー650への接続が無い場合の活性化装置610、非活性化装置620および再活性化装置630に対するセキュリティデータとロック方式データ更新の提供。
c)ローカルサーバー640が存在しない場合あるいはリモートサーバー650への接続が無い場合の活性化装置610、非活性化装置620および再活性化装置630を初期化で通常機能を行えるようにするための要件の提供。これにより、これら手段を未初期化の使用不能な状態で出荷または格納できるようにする。
d)ローカルサーバー640が存在しない場合あるいはリモートサーバー650への接続が無い場合、活性化装置610、非活性化装置620および再活性化装置630を閉鎖して、出荷または格納されるがそれらの通常機能を行えなくするための要件の提供。
e)性能、保守またはセキュリティ問題を追跡するためのサービスログデータをダウンロードするための要件の提供。
f)活性化装置610、非活性化装置620および再活性化装置630に関する問題を診断するための要件の提供。
【0113】
3つの処理(活性化、非活性化または再活性化)は、3つの態様すべてにおいて反応することができる単一装置、態様ごとの個別装置、あるいは態様の他の組み合わせにより達成されてもよい。単一または複数態様装置では、セキュリティ対策は所定時刻にどの態様が使用可能かを制御する。例えば、非活性化態様は、有線、従来型無線、または無線メッシュネットワークが、存在すると予想される一組の隣接非活性化装置の少なくともいくつかのメンバーもまた利用可能であるということを示す場合にだけ、利用可能であってよく、これにより、店から盗まれたまたは取り出された非活性化装置の単独操作を防止する。非活性化装置は、その環境について学ぶための設置または装置トレーニング態様を入力することに向けられてもよく、その後、期待される環境要因が存在する場合だけ作動することに向けられてもよい。この特徴の代表的要因としては、WiFiおよび携帯電話シグネチャ、TCP/IPアドレスと無線周波スペクトルシグネチャを介したジオコーディング、照明および温度パターン、勘定支払施設内またはその近傍に埋め込まれたRFID認証タグの存在検出、スマートカードの存在、および関連トークン、その非時間および伝搬態様を含む原子時計信号、所与の設定に対し適切な一日の時刻および週の時刻の決定が挙げられる。
【0114】
次に図25を参照すると、それぞれが共通のサブシステムレベルアーキテクチャを共有してよい活性化装置610、非活性化装置620および再活性化装置630サブシステムの具体化アーキテクチャが示されている。
【0115】
部品は次のものを含む。
【0116】
エネルギー転送モジュール670は遠隔活性化ロック600に対するインターフェースである。高レベルのセキュリティモジュールが活性化、非活性化または再活性化処理を承認すると、エネルギー転送モジュール680は活性化、非活性化または再活性化処理を完了するために遠隔活性化ロック600にエネルギーを転送する。印加エネルギーは、遠隔活性化ロック600の構成に依存して、電磁気、光学、化学、機械、超音波、他の個々の手段またはその組み合わせであってよい。
【0117】
セキュリティモジュール680は、ユーザにより要求された活性化、非活性化または再活性化処理を認可する。セキュリティモジュール680は、装置の内部に格納されたデータ、またはローカルサーバー640またはリモートサーバー650に格納されたデータ、またはRFIDチップ内のロック600自体に埋め込まれたデータ、バーコードラベル、または他の電子的または光学的読み出し可能標識にアクセスすることを含んでもよい。セキュリティモジュール680は自己保護している。ローカルに格納されたデータは、装置が電源から取り外された場合あるいは所定期間の間サーバーの1つとの有効な通信結合から取り外された場合にアクセス不能にされる。装置からのデータの取り出しを妨害するために、そしてデータが装置から取り出させたとしたとしてもデータが攻撃者にとって無価値となることを保証するために、データを保護する様々なやり方が採用される。例えば、ローカルおよびリモート使用可能データ記憶装置が、合法操作では決して生じない商品識別子の指標を含んでもよい。キーサブシステム(特には非活性化装置)は、ハッカーおよび泥棒などの違法ユーザによりシステムに提示されるだけのような「キルコード:kill code」に遭遇すると直ちにまたは優雅に遮断するようにプログラムされてもよい。サブシステムはまた、データまたはソフトウェア更新を受信した場合あるいは一定期間内に認証プロトコルを完了した場合にだけ動作し続けることに向けられてもよい。データおよびソフトウェア更新は、所与のサブシステムに期待される情報の履歴に合わせてもよい。例えば、所与の非活性化装置の更新は、非活性化装置が受信しなければならなかった最近のN回の更新に、あるいはチェックサムまたはチェックサムの他のダイジェスト版に合わせられてもよく、これによりハッカーに装置の履歴を監視する負荷を押し付ける。
【0118】
セキュリティモジュール680は、他の提出時に開示されるアルゴリズムを監視する適応使用(adaptive usage)に基づきセキュリティを随意的に提供してもよい。異常な活性化、非活性化または再活性化活動が過去の使用に基づき検出された場合、サブシステム装置は要求を完了する前に別の許可を必要としてもよい。装置は、その場所を検出して、装置の使用を許容場所だけに地理的または実質的に(すなわち、どんな通信経路を介したかにより)制限し、盗まれたならば装置をさらに役立たなくするように構成されてもよい。ユーザに装置の使用を許可する前に認証処理を必要としてもよい。
【0119】
ロギングモジュール690は、「フレンドリ攻撃」(すなわち、不正なやり方で装置を使用する従業員による)を検出するために活性化、非活性化または再活性化活動のバックオフィス解析のための情報を得る手段としてすべての活動をログする。活動ログは、限定するものではないが、活動、時間/日付、ユーザ、場所、製品および/またはロックバッチID、ソフトウェア変更データ、電源投入/切断データ、および悪意の行動を特定する際に価値があると思われる任意の他のデータを含んでもよい。
【0120】
サブシステム装置が、いかなるローカルサーバー640またはリモートサーバー650、ロック解除対象製品の識別のためのロック600、あるいは随意的な実施形態では製品購入の有効性に関する情報を提供してもよい別のPOSシステムにも接続されない場合、通信モジュール700は、サブシステム装置の随意的ローカルサーバー640とリモートサーバー650に対する通信と、装置を活性化しソフトウェア更新をインストールしログをダウンロードしあるいはデータベースを更新する目的のためにリモート通信を置換してよいサービス装置660に対する通信と、を管理する。
【0121】
実施形態のシステムは、完全に単独動作可能であってもよく、他のサブシステム装置にネットワーク接続されても、ローカルサーバー640にネットワーク接続されても、リモートサーバー650にネットワーク接続されてもよく、あるいはこれらの通信選択肢の任意の組み合わせであってもよい。システムは、その動作を店内のPOSシステムのものと一体化することにより追加機能(例えば、完了した販売の信号を条件として非活性化させる)を提供してもよい。POS一体化はシステムの随意的機能である。
【0122】
追加実施形態
先に説明したように、RFIDタグが遠隔活性化ロックシステムにおいて採用されてもよい。RFIDは、通常は、内部データが読み取られ次に同報通信され戻されるのに十分な電力をRFID内に生成するような強度のRF問い合わせ信号を受信すると情報を提供する。戻り同報通信(broadcast back)は、信号を電磁スペクトル内の任意の場所で送信する放射手段により行われてよい。
【0123】
一実施形態では、RFIDタグは、所定の問い合わせ信号の受信に関係する共振から導出される情報を提供するように作動可能に構成される共振構造を含む。適切な問い合わせ信号を受信すると、構造からの共振は外部検出器により判断されてもよいし、あるいは共振構造がRFIDに関連した放射手段に作動可能に結合されている場合は外部受信器による実際の応答信号の受信を伴ってもよい。応答の帯域幅は、部分的には共振構造のQにより決定される。1つのこのような共振構造の実施形態では、共振構造は、複数共振周波数を有する磁歪/電歪(ME)結合構造を含む。それぞれが共振周波数を有する複数MEを採用してもよい。共振周波数は、ME結合構造の形状、長さ、または構成などのME結合構造の物理化学的特性を変更することにより変更されてもよい。集合的に、識別情報は共振振動数を介し伝達される。
【0124】
別の実施形態では、RFIDチップは、従来のウェーハレベル製造技術が装置を作製するために使用されるように単一基板上にアンテナと一体化される。1つのこのような実施形態では、ME結合構造はアンテナのように振舞う。
【0125】
別の実施形態では、発電がRFID装置の特徴であってもよい。発電は例えば、このようなMEを適切な磁場に晒してMEの電歪部品内に電流を流すことによりME結合構造の活性化を介し達成されてもよい。例えば、磁歪部品が物理的に変形して応力を圧電素子(電歪部品を含む)に印加しこれにより電流を流すようにしてもよい。
【0126】
この実施形態によると、RFIDタグは基板上に配置された集積回路とアンテナを含んでもよい。アンテナは、ME構造を形成する1つまたは複数の磁歪(M)層と電歪(E)層とを含んでもよい。電歪層は圧電層(PE)であってもよい。圧電層は、限定するものではないが、チタン酸ジルコン酸鉛(PST)または石英とロッシェル塩であってもよい。磁歪層は、限定するものではないが、Terfenol−D、室温および比較的小さな印加場において大きな磁気歪みを発揮するテルビウム、ジスプロシウムおよび鉄の特別に配合された合金であってよい。結合磁歪/電歪構造は基板上に直接作製されてもよい。ME構造は、各層の場反応がその隣に影響を与える限り単一磁歪(MS)/電歪層あるいは材料を交互に切り替えた多くの層を含んでよい。集積回路(IC)は、別個に作製されME構造上に接着されてもよいし、あるいは従来のウェーハレベル製造技術を使用して作製されてもよい。
【0127】
ME構造は様々な長さのフィンガー内に作製されてもよい。様々な長さのフィンガーはリソグラフィ、蒸着またはエッチングにより形成されてもよい。フィンガー長さの調節はレーザートリミングまたは他の切断処理により行なわれてもよい。あるいは、様々な長さのフィンガーは、選択的材料成長により直接作製されてもよい。ME構造内では、MS材料はその緩和状態において一定の形状を保持する。磁場がMS材料に印加されると、材料は、緩和状態のものからその寸法のいくつかまたはすべてを変化させることにより反応する。振動磁場の印加は振動する変形を生じる。隣接してまたは交互に配置されたPE材料はまた、その緩和状態において一定の形状を保持する。物理的な応力に付されると、材料は歪を呈する。歪はPE結晶を変形させ電圧差を生成する。ME構造内では、印加磁場に反応するMS層の振動歪みは、次に、MS層に隣接してまたはMS層間に位置する電歪材料(PE層を含んでもよい)を変形する。結果的に、PE層が電圧差を生成することになる。したがって振動磁場の印加は、ダイオードを使用して整流することができる交流電圧を与える。振動磁場は、磁場がフィンガーの共振振動数で振動するときフィンガー内に最大限に結合するだろう。その周波数応答によるRFIDタグの一意的同定は、異なる長さのフィンガーを取り込むことにより実施されてもよい。ある範囲の周波数にわたる掃引は、その特定共振周波数において各フィンガーを励起して装置の一意的シグネチャを提供するだろう。
【0128】
この情報を、任意の所望の電磁気周波数、例えば10〜10,000キロヘルツのAMまたはFM信号、紫外線、可視周波数、赤外線、またはテラヘルツ周波数を含む任意の光周波数を使用した光学エネルギーを使用することにより同報通信するために送信器を使用してもよい。光周波数が使用される場合、装置から情報を送信するためにOLED(有機発光ダイオード:organic light emitting diode)を使用してもよい。
【0129】
一実施形態では、アンテナはRFID装置と一体化されてもよい。電力を生成するために非共振磁場をRFIDタグに印加してもよい。オンボードプロセッサは識別チップレジスタから識別子を読み取る。アクティブな送信器は、この情報を、任意の所望の電磁気周波数、例えば10〜10,000キロヘルツまたはギガヘルツ範囲のAMまたはFM信号、紫外線、可視周波数、赤外線、またはテラヘルツ周波数を含む任意の光周波数を使用した光学エネルギーを使用することにより同報通信する。光周波数が使用される場合、装置から情報を送信するためにOLED(有機発光ダイオード:organic light emitting diode)を使用してもよい。この装置の受信器は、信号を受信するために必要な近接性をもって配置されなければならない。信号はまた、音響検波器によっても測定されることができるであろう。
【0130】
さらに別の実施形態では、RFIDは、一体化アンテナを有するまたは有しない発電能力を提供する。この実施形態では、最初の工程は最も効率的な電力を生成することである。部品が特定され、それへ電力を供給すること(例えば、タグを剥離するために)が必要となると、オンボードスイッチが活性化されてもよい。このスイッチは、これらに限定しないが、MEM(マイクロエレクトロメカニカル)リレーまたはトランジスタであってもよいであろう。次に、電力がアクティブ負荷に送られる。電力は、ME構造または蓄積エネルギー(MEと容量)または電池から直接発生することができるかもしれない。一実施形態では、RFID集積回路を給電するのに十分な電力は、結合磁歪/電歪層を含む少なくとも複数の共振器が励起されなければ発生されない。
【0131】
別の実施形態では、給電された集積回路は、RFIDタグが貼り付けられた品目の動作が活性化されるようにスイッチを切り替えさせる。1つのこのような実施形態では、タグは、タグが取り付けられた品目の使用を防止する短絡を除くように剥離される。
【0132】
一実施形態では、保護対象製品を受け入れる大きさに作られた格納空洞(containment cavity)を画定するスリーブ構造を含む遠隔活性化ロックアセンブリが開示される。保護対象製品を含むスリーブ構造は、格納空洞内へのアクセスを介した製品へのアクセスが容器構造により防止されるように容器内に接着される。スリーブ構造と容器は、格納空洞への不正なアクセスを保護製品を損傷することなく防止するのに十分に耐久性のある材料で製造される。
【0133】
一実施形態では、セキュアディジタルなどのメモリーカードをセキュア包装内にロックするスリーブ容器便益拒絶ロック包装(sleeve−receptacle benefit denial locking package)が提供される。このような実施形態では、メモリーカードを含むスリーブは接着剤組成物および/または構造により容器に接着される。盗まれた場合、ロック包装からカードを取り出す企てはメモリーカードの損傷を生じるので、メモリーカードの便益が拒絶されるだろう。
【0134】
図26Aに、盗難からメモリーカードを保護するように設計された遠隔活性化ロックアセンブリの実施形態を示す。この装置は、その内面1210が空洞を画定する中空容器1200を含む。空洞は中空容器1200の表面において開口される。内面1210の寸法はスリーブ1220の摺動挿入を許容する大きさに作られる。次に、スリーブ1220はメモリーカード1230または任意の他の保護品目の格納空洞内への挿入を許容するように寸法決めされる。メモリーカード1230または任意の他の製品は、その端子開口部1225においてスリーブ1220の格納空洞内に挿入される。接着剤組成物および/または構造1240は容器1200の内底面に貼り付けられるかあるいはその上に堆積される。スリーブ1220は、スリーブ1220の下面が容器1200の内底面と平行になるように容器1200の空洞内に挿入される。接着剤組成物および/または構造1240は必要に応じ硬化され、スリーブ1220と容器1200間に強く長持ちする接合を生成してもよい。便益拒絶装置を包装材料に固定できるようにするフランジ1260は容器1200の下部外面に一体化されてもよい。一実施形態では、フランジは包装内の厚紙により捕捉され、これにより、厚紙または紙の連続シート1270が包装の平坦面下に置かれ、容器1200がそれを貫通して突き出ることを可能にする正方形開口を有する1枚の厚紙または紙1280がフランジ1260の上面に固定される。
【0135】
スリーブ1220と容器1200間の接合は非常に強いので、便益拒絶ロック包装を妨害する企てと過度の物理的力を使用してスリーブを取り外す企ては、メモリーカード1230または他の資産を損傷して、便益の拒絶をもたらすことになるであろう。
【0136】
容器1200は、ポリカーボネート、ABS、プラスチックまたは他の適切に強い材料で作られてもよい。スリーブ1220は、任意の同様に堅く、強く、低コストの材料で作られてもよい。ロック包装は、スリーブ1220が容器1200の上面1250とぴったり重なるかあるいはそれにはめ込まれるように設計されてもよい。図26Bに示された本発明の有利な実施形態では、非活性化後、接着剤組成物および/または構造1240の膨張が、メモリーカード1230または他の保護資産がスリーブ1220の端子1225開口からスライドして出るようにさせるのに十分な垂直方向高さにスリーブ1220を上昇させないように、ロック包装は設計され、非活性化後に保護品目が包装から落下する可能性をなくす。このような場合、スリーブ1220をさらに取り出すために追加の機械的力を外部から印加し、これにより保護品目を取り出せるようにしてもよい。
【0137】
先に開示したように、製品へのアクセスが許可されている場合、スリーブ構造と容器間の接合は外部印加エネルギーの特定のプロフィールの印加により剥離されてもよい。図26Bを参照すると、適切なエネルギープロフィールを有する外部刺激が便益拒絶ロック包装に印加された(すなわち、ロック機構が非活性化された)図26Aの実施形態が示される。外部刺激からのエネルギーは接着剤組成物および/または構造1240により受け取られ、接着剤組成物および/または構造1240を膨張させる。接着剤組成物および/または構造1240が膨張するので、スリーブ1220と容器1200の内底面間の接合は破壊され、挿入されたメモリーカード1230または他の資産を有するスリーブ1220を容器1200の空洞から取り外すことができるようになる。次に、メモリーカード1230または他の資産はスリーブ1220から取り外されてもよい。
【0138】
別の実施形態では、スリーブ構造と容器間の接合の解放は、限定するものではないが、結合材だけの接着性能の変化だけにより、あるいは機械的力印加機構(すなわち、ばね、レバー等)と組み合わせて達成されてもよい。追加の実施形態では、接合は、機械的ラッチ機構により実施されてもよい。ここでは、接合の非活性化は、機械ラッチに取り込まれた材料への規定プロフィールの外部印加エネルギーの印加(材料は反応して機械的状態または特性を変化させる)により達成される。
【0139】
保護製品の取り引き処理順序(transaction sequence)の実施形態
遠隔活性化ロック製品購入および非活性化システムの実施形態は、様々な購入活動および非活性化処理を調整するコンピュータまたは制御装置と;製品価格とSKUなどの他の情報を決定するために製品上の小売り業者バーコードを読み取るバーコード読み取り装置と;製品に対する現金支払いを受け入れ、おつりを支払う請求書処理装置と;製品搭載装置から遠隔活性化ロック製品識別情報を読み取るクレジットカード読み取り装置、RFID読み取り装置と;その一部が遠隔活性化ロック製品IDと様々なエネルギープロフィールを有する電磁気信号を含むそれぞれのキーとを照合する記録を格納するデータベースを管理する遠隔活性化ロック認証システム、セキュアサーバーと;便益拒絶ロックをロック解除するために適切な電磁気信号を送信する非活性化装置と;ディスプレイと;コンピュータまたは制御装置が情報を受信し遠隔活性化ロック認証サーバーを含む様々な装置に命令を送信できるようにする通信ハードウェアと、外部システム装置と通信を行うあるいは互いに通信を行う(例えば、クレジットカード読み取り装置から外部検証システムへ)装置のいくつかと、を含む。一実施形態では、RFIDタグと読み取り装置は、製品に固定された第2のバーコードにより置換され、小売り業者バーコードを読み取るために既に利用されているバーコード読み取り装置により読み取られる。遠隔活性化ロック製品購入およびロック非活性化システムは通常、キオスク内に収容されるであろうがそうである必要はない。実用的な非キオスクの実施形態は、製品電池ポート、信号ポート、ディスプレイ、および/または製品の有効な操作または便利な操作に必須のボタンおよびスイッチへのアクセスを遮断する保護構造と係合するために電気的剥離可能接着剤を使用することにより、単一ロックまたはロックの集合体を適用する。ロックの取り外しは、製品を信号に接続することにより達成されてもよい。実際上、信号接続は、コンピュータまたは同様の装置上のUSBまたは同様のポートを介してもよく、その保護構造から製品を効果的にロック解除するための適切な信号は、製品登録あるいはアクセス制御手続きが完了した後だけ使用可能となってもよい。このような手順は、POSまたはその近傍の店内で、あるいはユースポイントまたはその近傍の顧客の家または事務所において完了してもよい。この実施形態は、プリンターカートリッジ、ディジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、通信装置、メディアプレイヤー、テーザーなどのいくつかの登録可能武器、いくつかの医療装置、およびいくつかのコンピュータ、特には、それらが情報およびファームウェア更新に依存するので定期的に他のコンピュータにドッキングされるあるいはデータネットワークに接続される傾向があるハンドヘルドコンピューター、ノートブックおよびタブレットコンピュータを保護するために有用と考えられる。電池室、信号ポート、電極、ディスプレイおよびスイッチを遮断することにより、サプライチェーンおよび小売り業の盗難を被りやすい品目の有用性と販売性の両方が著しく損なわれると考えられる。この手法のこの便益は、ロックおよびロック解除された製品が同じまたはほぼ同じに見え、ソフトウェアだけに基づくセキュリティシステムの周知のハッカー性(hackability)に脆弱になり得るソフトウェアだけのアクセス制御方式より優れていると考えられる
【0140】
消費者が、遠隔活性化ロックが取り付けられた製品の購入準備ができると、かれらはキオスクまたはシステムに近づく。消費者はバーコード読み取り装置により製品を走査し、製品の価格がディスプレイ上に示される。制御装置またはコンピュータは、消費者に支払い金を挿入するようにを指示する。支払いが現金である場合、紙幣が紙幣処理装置に挿入され、その信憑性を検証し、次に必要に応じてつりを払う。支払いがクレジットカードによる場合、制御装置は消費者に自身のカードを挿入するように指示し、カードは検証され、課金される。制御装置は、小売り業者在庫システムに購入を通知する。支払いが行なわれると、制御装置はディスプレイ上の製品購入を確認し、レシートを印刷し、顧客にRFID読み取り装置により製品を走査するように指示する。RFID読み取り装置はカウンタ内に埋め込まれていてもよいし、あるいは携帯型ユニットであってもよい。製品上のRFIDは、製品識別番号を有する信号をRFID読み取り装置に送信する。RFID読み取り装置は、遠隔活性化ロックの非活性化に必要な対応する電磁気信号プロフィールであるキーを判断するために遠隔活性化ロック認証システムに製品IDを送信する。遠隔活性化ロック認証システム送信は、必要な電磁気信号プロフィールを制御装置に送信し、制御装置はその後それを非活性化ユニットに送信する。非活性化装置は、適切な電磁気信号を、製品上に配置された製品搭載遠隔活性化ロックに送信するために使用され、この製品上の装置はロック解除される。製品上装置は、磁気ロック、接着剤ロック、ロック式スパイダラップ、ロック式DVDハブ、ロック式USB装置、ロック式瓶、ロック式煙草、あるいは遠隔活性化ロック技術により固定された任意の他の製品の1つまたは複数を含んでもよい。
【0141】
2部エポキシ熱剥離可能接着剤の例:
パートA:
Epon Resin 863(Hexion)30g
031 DUX 40(Expancel)20g
これらの材料は白色ペーストを得るために十分に混合された。
パートB:
Ancamine 2390(Air Product)40g
パートAとパートBは十分に混合される。
混合接着剤は25℃で19分リフト加工される。
接着剤が塗布された後、最終接着強度に達するために24時間以上25℃で硬化することを推奨する。
【0142】
電気剥離可能接着剤の詳細:
2部ポリウレタン接着剤:
好ましい極性ポリマーは、Dow Chemicalsのポリエチレングリコール、Carbowax PEG 200、300、400、540、600、1000、1450である。好ましい無極性ポリマーは、Genesee Polymer TechnologyのGP 690とOP 676などの水酸基末端シリコーンポリマーである。好ましい無極性ポリマーはまた、Solvey SolexisのFluorolink D10、D10−H、E−10、E10−H、ETXなどのフルオロポリマーであってよい。
例:
パートA:
Carbowax PEG 600(Dow)50g
アンモニウムヘキサフルオロホスファート20g
塩が極性ポリマー内に溶解するのを確実にするために十分に混合する。
パートB:
GP690(Genesee Polymer Technology)50g
MDI(BASF)20g
強粘液を得るために混合器は70℃まで加熱された。
パートAとパートBは十分に混合される。
接着剤が塗布された後、最終接着強度に達するために2時間以上70℃で硬化することを推奨する。
【0143】
好ましい実施形態に関する声明
本発明は好ましい実施形態に関して説明されたが、様々な変更および/または修正は、添付の特許請求範囲により定義されるように本発明の精神または範囲から逸脱することなく本発明に対してなされ得るということを当業者は容易に理解するだろう。本明細書で引用されたすべての文書は、追加または代替の詳細、特徴および/または技術的背景の教示に適切な場合、参照により本明細書に援用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤ベースと;
前記接着剤ベース全体にほぼ一様に分散された少なくとも1つの極性ポリマーと;
前記接着剤ベース全体にほぼ一様に分散された少なくとも1つの無極性ポリマーと;
前記接着剤ベース全体にほぼ一様に分散された少なくとも1つの導電性材料と;を含むエネルギー剥離可能接着剤混合物であって、
前記接着剤混合物は、送信エネルギーが印加されると第1の物理化学的状態から第2の物理化学的状態に遷移することができる、混合物。
【請求項2】
前記極性ポリマーは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アミン末端ポリオールからなる群の1つまたは複数から選択される、請求項1に記載のエネルギー剥離可能接着剤混合物。
【請求項3】
前記無極性ポリマーは、シリコーンポリオール、フッ化ポリオール、ポリブタジエンポリオール、カルボキシ末端ポリブタジエン、イソシアナート末端ポリブタジエン、メラニン化ポリブタジエンからなる群の1つまたは複数から選択される、請求項1に記載のエネルギー剥離可能接着剤混合物。
【請求項4】
前記導電性材料は、導電性塩類、金属粒子、金属配線、ナノワイヤ、カーボンナノチューブからなる群の1つまたは複数から選択される、請求項1に記載のエネルギー剥離可能接着剤混合物。
【請求項5】
前記接着剤混合物は、送信電磁気エネルギーの特定のプロフィールが印加されると第1の状態と第2の状態間で遷移することができる、請求項1に記載のエネルギー剥離可能接着剤混合物。
【請求項6】
前記第1の物理化学的状態は第1の接着状態であり前記第2の物理化学的状態は明らかに異なる第2の接着状態である、請求項1に記載のエネルギー剥離可能接着剤混合物。
【請求項7】
前記第1の物理化学的状態は第1の密度状態であり前記第2の物理化学的状態は明らかに異なる第2の密度状態である、請求項1に記載のエネルギー剥離可能接着剤混合物。
【請求項8】
縦方向上面と縦方向底面とを有する磁歪層と;
縦方向上面と縦方向底面とを有する電歪層であって、前記電歪層の前記縦方向上面は前記磁歪層の前記縦方向底面と結合される、電歪層と;
縦方向上面と縦方向底面とを有する接着剤混合物層であって、前記接着剤混合物層縦方向上面は前記電歪層縦方向底面と結合される、接着剤混合物層と;を含む積層物であって、
前記接着剤混合物層は:
接着剤ベースと;
前記接着剤ベース全体にほぼ一様に分散された少なくとも1つの極性ポリマーと;
前記接着剤ベース全体にほぼ一様に分散された少なくとも1つの無極性ポリマーと;
前記接着剤ベース全体にほぼ一様に分散された少なくとも1つの導電性材料と;とを含み、
前記接着剤混合物は、送信エネルギーが印加されると第1の物理化学的状態から第2の物理化学的状態に遷移することができる、積層物。
【請求項9】
前記接着剤混合物は、送信電磁気エネルギーの特定のプロフィールが印加されると第1の密度と第2の密度間で遷移することができる、請求項8に記載の積層物。
【請求項10】
前記接着剤混合物は第1の接着状態から第2の接着状態に遷移する、請求項8に記載の積層物。
【請求項11】
前記接着剤混合物の前記極性ポリマーは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アミン末端ポリオールからなる群の1つまたは複数から選択される、請求項8に記載の積層物。
【請求項12】
前記接着剤混合物の前記無極性ポリマーは、シリコーンポリオール、フッ化ポリオール、ポリブタジエンポリオール、カルボキシ末端ポリブタジエン、イソシアナート末端ポリブタジエン、メラニン化ポリブタジエンからなる群の1つまたは複数から選択される、請求項8に記載の積層物。
【請求項13】
前記接着剤混合物の前記導電性材料は、導電性塩類、金属粒子、金属配線、ナノワイヤ、カーボンナノチューブからなる群の1つまたは複数から選択される、請求項8に記載の積層物。
【請求項14】
製品の使用の完全な便宜が認可されるまでこの便宜を拒絶する方法であって:
接着剤ベースと;
前記接着剤ベース全体にほぼ一様に分散された少なくとも1つの極性ポリマーと;
前記接着剤ベース全体にほぼ一様に分散された少なくとも1つの無極性ポリマーと;
前記接着剤ベース全体にほぼ一様に分散された少なくとも1つの導電性材料と;を含むエネルギー剥離可能接着剤混合物であって、
前記接着剤混合物は送信エネルギーが印加されると第1の物理化学的状態から第2の物理化学的状態に遷移できるように配合された、混合物と;
前記製品の少なくとも一部と相互作用するように構成された保護構造であって、前記接着剤がその第1の物理化学的状態にあってその第2の物理化学的状態にない場合に前記製品の完全使用を物理的に防止するようなやり方で、少なくともその1つの表面に沿って、前記接着剤混合物を介し前記製品の1つまたは複数の部分または前記保護構造の他の部品と接触するように構成される保護構造と、を含むロックを得る工程と;
前記ロックを前記製品に結びつける工程と;
前記接着剤がその第1の物理化学的状態に入ることを可能にする工程と、を含む方法。
【請求項15】
ロックによりロックされた製品の使用の完全な便宜を許容する方法であって、前記ロックは、
送信エネルギーが印加されると第1の物理化学的状態から第2の物理化学的状態に遷移できるように配合されたエネルギー剥離可能接着剤混合物と、
前記製品の少なくとも一部と相互作用するように構成された保護構造であって、前記接着剤がその第1の物理化学的状態にあってその第2の物理化学的状態にない場合に前記製品の完全使用を物理的に防止するようなやり方で、少なくともその1つの表面に沿って、前記接着剤混合物を介し前記製品の1つまたは複数の部分または前記保護構造の他の部品と接触するように構成される、保護構造と、を含み、前記方法は、
前記接着剤混合物を前記第1の物理化学的状態から前記第2の物理化学的状態に遷移させるために必要なエネルギーを自動的に決定する工程と;
前記接着剤混合物をその第1の物理化学的状態からその第2の物理化学的状態に遷移させることができる前記ロックされた製品にエネルギーを自動的に送信する工程と;
前記保護構造はもはや、前記製品の完全使用を妨害するように前記製品の前記少なくとも1つの部分と相互作用していないことを確認する工程と、を含む方法。
【請求項16】
送信エネルギープロフィールが印加されると第1の物理化学的状態から第2の物理化学的状態に遷移できるように配合されたエネルギー剥離可能接着剤混合物と、
製品の少なくとも一部と相互作用するように構成された保護構造であって、前記接着剤がその第1の物理化学的状態にあってその第2の物理化学的状態にない場合に前記製品の完全使用を物理的に防止するようなやり方で、少なくともその1つの表面に沿って、前記接着剤混合物を介し前記製品の1つまたは複数の部分または前記保護構造の他の部品と接触するように構成される、保護構造と、
を有するロックと、
前記接着剤混合物を前記第1の物理化学的状態から前記第2の物理化学的状態に遷移させるのに必要な前記送信エネルギープロフィールに関して商品に付随した電子的読み出し可能標識と、を含む商品。
【請求項17】
異なるエネルギープロフィールを生成するように構成された活性化装置と;
前記活性化装置に動作可能に接続された読み取り装置であって、製品の完全な便宜を遮断するロックをロック解除するのに必要なエネルギープロフィールに関する命令を検出するために製品に付随した標識を読み取るように構成された、読み取り装置と;
前記読み取り装置と前記活性化装置に動作可能に接続されたプロセッサであって、前記読み取り装置からの命令情報を処理するともに、前記読み取り装置命令情報に基づき前記活性化装置に製品の完全な便宜を遮断するロックをロック解除するのに必要なエネルギープロフィールを生成するようにさせる、プロセッサと、を含むシステム。
【請求項18】
送信エネルギープロフィールが印加されると第1の物理化学的状態から第2の物理化学的状態に遷移できるように配合されたエネルギー剥離可能接着剤混合物と;
製品の少なくとも一部と相互作用するように構成された保護構造であって、前記接着剤がその第1の物理化学的状態にあってその第2の物理化学的状態にない場合に前記製品の完全使用を物理的に防止するようなやり方で、少なくともその1つの表面に沿って、前記接着剤混合物を介し前記製品の1つまたは複数の部分または前記保護構造の他の部品と接触するように構成される、保護構造と;を有する第1のロックと、
送信エネルギープロフィールが印加されると第2の物理化学的状態から第1の物理化学的状態に遷移できるように配合されたエネルギー接合可能接着剤混合物と;
製品の少なくとも一部と相互作用するように構成された保護構造であって、前記接着剤がその第1の物理化学的状態にあってその第2の物理化学的状態にない場合に前記製品の完全使用を物理的に防止するようなやり方で、少なくともその1つの表面に沿って、前記接着剤混合物を介し前記製品の1つまたは複数の部分または前記保護構造の他の部品と接触するように構成される、保護構造と、を有する第2のロックと、を含む製品ロックアセンブリであって、
前記第1のロックは、前記第2のロックがその第2の物理化学的状態にあると前記接着剤混合物はその第1の物理化学的状態にあるように構成され、
前記第1のロックの前記接着剤混合物は、前記第2のロックの前記第2の物理化学的状態から前記第1の物理化学的状態への遷移とは異なる送信エネルギープロフィールが印加されると、前記第1の物理化学的状態から前記第2の物理化学的状態への遷移を引き起こす、アセンブリ。
【請求項19】
送信エネルギーが印加されると第1の物理化学的状態から第2の物理化学的状態に遷移できるように配合されたエネルギー剥離可能接着剤混合物を含む接着層であって、上面と底面を有する、接着層と;
前記接着層の前記底面に積層されたエネルギー分配器/変換器であって電気および/または磁気抵抗率により特徴付けられた導体材料で作られたエネルギー分配器/変換器と;
前記製品の少なくとも一部と相互作用するように構成された保護構造であって、前記接着剤がその第1の物理化学的状態にあってその第2の物理化学的状態にない場合に前記製品の完全使用を物理的に防止するようなやり方で、少なくともその1つの表面に沿って、前記接着剤混合物を介し前記製品の1つまたは複数の部分または前記保護構造の他の部品と接触するように構成される、保護構造と、を含むロック。
【請求項20】
それぞれがエネルギー反応性接着材料層と導電性または非導電性基板との積層物を含む2つ以上のロック素子であって、前記接着材料はエネルギー源に晒されると物理化学的特性が第1の物理化学的状態から第2の物理化学的状態に変化し、前記接着材料層に積層されない前記基板表面はさらに、エネルギー非反応性接着剤に積層される、ロック素子と;
製品の少なくとも一部と相互作用するように構成された保護構造であって、前記接着剤がその第1の物理化学的状態にあってその第2の物理化学的状態にない場合に前記製品の完全使用を物理的に防止するようなやり方で、少なくともその1つの表面に沿って、前記ロック素子を介し前記製品の1つまたは複数の部分または前記保護構造の他の部品と接触するように構成される、保護構造と、を含む遠隔活性化ロックシステムであって、
第1のロック素子は、第2のロック素子がその第2の物理化学的状態にあると前記接着剤混合物はその第1の物理化学的状態にあるように構成され、
前記第1のロック素子の前記接着剤混合物は、前記第2のロック素子の前記第2の物理化学的状態から前記第1の物理化学的状態への遷移とは異なる送信エネルギープロフィールが印加されると、第1の物理化学的状態から前記第2の物理化学的状態への遷移を引き起こす、システム。
【請求項21】
2つの基板間のエネルギー剥離可能接着剤ロックの接着破壊を所望のエネルギープロフィール範囲内の1つまたは複数のエネルギープロフィールに合わせる方法であって、
(a)2つの基板表面同士をロックするのに望ましいエネルギー剥離可能接着剤質量を得る工程であって、前記接着剤質量は、前記基板間の接着破壊を引き起こすために前記所望のエネルギープロフィール範囲内の最低のエネルギープロフィール以上の1つのエネルギープロフィールを必要とする、工程と;
(b)電気的または熱的伝導性材料を前記接着剤質量の表面の外部におよび/または前記質量全体にほぼ均一に適用することにより、前記接着剤を電気的または熱的伝導性材料の量子に関連付ける工程と;
(c)前記基板間のロックの接着破壊が1つまたは複数のエネルギープロフィールにおいて破壊しているかどうかを判断するために前記接着破壊を引き起こすのに必要なエネルギープロフィールを測定する工程と;
(d)前記ロックの前記接着破壊が前記所望エネルギープロフィール範囲内の前記1つまたは複数のエネルギープロフィールにおいて生じるまで工程(b)、(c)を繰り返す工程と、を含む方法。
【請求項22】
内部空洞を画定する容器であって、側壁と底面と上面を画定する開口とを有する、容器と;
前記容器の前記内部空洞にぴったりとしかし着脱可能に嵌る大きさに作られたスリーブであって、端子開口を備えた格納空洞を有する、スリーブと;
前記容器の前記底面に接して配置された接着組成物および/または構造であって、外部印加エネルギーの特定のプロフィールに晒されると接合剥離することにより特徴付けられた、接着組成物および/または構造と、を含む装置。
【請求項1】
接着剤ベースと;
前記接着剤ベース全体にほぼ一様に分散された少なくとも1つの極性ポリマーと;
前記接着剤ベース全体にほぼ一様に分散された少なくとも1つの無極性ポリマーと;
前記接着剤ベース全体にほぼ一様に分散された少なくとも1つの導電性材料と;を含むエネルギー剥離可能接着剤混合物であって、
前記接着剤混合物は、送信エネルギーが印加されると第1の物理化学的状態から第2の物理化学的状態に遷移することができる、混合物。
【請求項2】
前記極性ポリマーは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アミン末端ポリオールからなる群の1つまたは複数から選択される、請求項1に記載のエネルギー剥離可能接着剤混合物。
【請求項3】
前記無極性ポリマーは、シリコーンポリオール、フッ化ポリオール、ポリブタジエンポリオール、カルボキシ末端ポリブタジエン、イソシアナート末端ポリブタジエン、メラニン化ポリブタジエンからなる群の1つまたは複数から選択される、請求項1に記載のエネルギー剥離可能接着剤混合物。
【請求項4】
前記導電性材料は、導電性塩類、金属粒子、金属配線、ナノワイヤ、カーボンナノチューブからなる群の1つまたは複数から選択される、請求項1に記載のエネルギー剥離可能接着剤混合物。
【請求項5】
前記接着剤混合物は、送信電磁気エネルギーの特定のプロフィールが印加されると第1の状態と第2の状態間で遷移することができる、請求項1に記載のエネルギー剥離可能接着剤混合物。
【請求項6】
前記第1の物理化学的状態は第1の接着状態であり前記第2の物理化学的状態は明らかに異なる第2の接着状態である、請求項1に記載のエネルギー剥離可能接着剤混合物。
【請求項7】
前記第1の物理化学的状態は第1の密度状態であり前記第2の物理化学的状態は明らかに異なる第2の密度状態である、請求項1に記載のエネルギー剥離可能接着剤混合物。
【請求項8】
縦方向上面と縦方向底面とを有する磁歪層と;
縦方向上面と縦方向底面とを有する電歪層であって、前記電歪層の前記縦方向上面は前記磁歪層の前記縦方向底面と結合される、電歪層と;
縦方向上面と縦方向底面とを有する接着剤混合物層であって、前記接着剤混合物層縦方向上面は前記電歪層縦方向底面と結合される、接着剤混合物層と;を含む積層物であって、
前記接着剤混合物層は:
接着剤ベースと;
前記接着剤ベース全体にほぼ一様に分散された少なくとも1つの極性ポリマーと;
前記接着剤ベース全体にほぼ一様に分散された少なくとも1つの無極性ポリマーと;
前記接着剤ベース全体にほぼ一様に分散された少なくとも1つの導電性材料と;とを含み、
前記接着剤混合物は、送信エネルギーが印加されると第1の物理化学的状態から第2の物理化学的状態に遷移することができる、積層物。
【請求項9】
前記接着剤混合物は、送信電磁気エネルギーの特定のプロフィールが印加されると第1の密度と第2の密度間で遷移することができる、請求項8に記載の積層物。
【請求項10】
前記接着剤混合物は第1の接着状態から第2の接着状態に遷移する、請求項8に記載の積層物。
【請求項11】
前記接着剤混合物の前記極性ポリマーは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アミン末端ポリオールからなる群の1つまたは複数から選択される、請求項8に記載の積層物。
【請求項12】
前記接着剤混合物の前記無極性ポリマーは、シリコーンポリオール、フッ化ポリオール、ポリブタジエンポリオール、カルボキシ末端ポリブタジエン、イソシアナート末端ポリブタジエン、メラニン化ポリブタジエンからなる群の1つまたは複数から選択される、請求項8に記載の積層物。
【請求項13】
前記接着剤混合物の前記導電性材料は、導電性塩類、金属粒子、金属配線、ナノワイヤ、カーボンナノチューブからなる群の1つまたは複数から選択される、請求項8に記載の積層物。
【請求項14】
製品の使用の完全な便宜が認可されるまでこの便宜を拒絶する方法であって:
接着剤ベースと;
前記接着剤ベース全体にほぼ一様に分散された少なくとも1つの極性ポリマーと;
前記接着剤ベース全体にほぼ一様に分散された少なくとも1つの無極性ポリマーと;
前記接着剤ベース全体にほぼ一様に分散された少なくとも1つの導電性材料と;を含むエネルギー剥離可能接着剤混合物であって、
前記接着剤混合物は送信エネルギーが印加されると第1の物理化学的状態から第2の物理化学的状態に遷移できるように配合された、混合物と;
前記製品の少なくとも一部と相互作用するように構成された保護構造であって、前記接着剤がその第1の物理化学的状態にあってその第2の物理化学的状態にない場合に前記製品の完全使用を物理的に防止するようなやり方で、少なくともその1つの表面に沿って、前記接着剤混合物を介し前記製品の1つまたは複数の部分または前記保護構造の他の部品と接触するように構成される保護構造と、を含むロックを得る工程と;
前記ロックを前記製品に結びつける工程と;
前記接着剤がその第1の物理化学的状態に入ることを可能にする工程と、を含む方法。
【請求項15】
ロックによりロックされた製品の使用の完全な便宜を許容する方法であって、前記ロックは、
送信エネルギーが印加されると第1の物理化学的状態から第2の物理化学的状態に遷移できるように配合されたエネルギー剥離可能接着剤混合物と、
前記製品の少なくとも一部と相互作用するように構成された保護構造であって、前記接着剤がその第1の物理化学的状態にあってその第2の物理化学的状態にない場合に前記製品の完全使用を物理的に防止するようなやり方で、少なくともその1つの表面に沿って、前記接着剤混合物を介し前記製品の1つまたは複数の部分または前記保護構造の他の部品と接触するように構成される、保護構造と、を含み、前記方法は、
前記接着剤混合物を前記第1の物理化学的状態から前記第2の物理化学的状態に遷移させるために必要なエネルギーを自動的に決定する工程と;
前記接着剤混合物をその第1の物理化学的状態からその第2の物理化学的状態に遷移させることができる前記ロックされた製品にエネルギーを自動的に送信する工程と;
前記保護構造はもはや、前記製品の完全使用を妨害するように前記製品の前記少なくとも1つの部分と相互作用していないことを確認する工程と、を含む方法。
【請求項16】
送信エネルギープロフィールが印加されると第1の物理化学的状態から第2の物理化学的状態に遷移できるように配合されたエネルギー剥離可能接着剤混合物と、
製品の少なくとも一部と相互作用するように構成された保護構造であって、前記接着剤がその第1の物理化学的状態にあってその第2の物理化学的状態にない場合に前記製品の完全使用を物理的に防止するようなやり方で、少なくともその1つの表面に沿って、前記接着剤混合物を介し前記製品の1つまたは複数の部分または前記保護構造の他の部品と接触するように構成される、保護構造と、
を有するロックと、
前記接着剤混合物を前記第1の物理化学的状態から前記第2の物理化学的状態に遷移させるのに必要な前記送信エネルギープロフィールに関して商品に付随した電子的読み出し可能標識と、を含む商品。
【請求項17】
異なるエネルギープロフィールを生成するように構成された活性化装置と;
前記活性化装置に動作可能に接続された読み取り装置であって、製品の完全な便宜を遮断するロックをロック解除するのに必要なエネルギープロフィールに関する命令を検出するために製品に付随した標識を読み取るように構成された、読み取り装置と;
前記読み取り装置と前記活性化装置に動作可能に接続されたプロセッサであって、前記読み取り装置からの命令情報を処理するともに、前記読み取り装置命令情報に基づき前記活性化装置に製品の完全な便宜を遮断するロックをロック解除するのに必要なエネルギープロフィールを生成するようにさせる、プロセッサと、を含むシステム。
【請求項18】
送信エネルギープロフィールが印加されると第1の物理化学的状態から第2の物理化学的状態に遷移できるように配合されたエネルギー剥離可能接着剤混合物と;
製品の少なくとも一部と相互作用するように構成された保護構造であって、前記接着剤がその第1の物理化学的状態にあってその第2の物理化学的状態にない場合に前記製品の完全使用を物理的に防止するようなやり方で、少なくともその1つの表面に沿って、前記接着剤混合物を介し前記製品の1つまたは複数の部分または前記保護構造の他の部品と接触するように構成される、保護構造と;を有する第1のロックと、
送信エネルギープロフィールが印加されると第2の物理化学的状態から第1の物理化学的状態に遷移できるように配合されたエネルギー接合可能接着剤混合物と;
製品の少なくとも一部と相互作用するように構成された保護構造であって、前記接着剤がその第1の物理化学的状態にあってその第2の物理化学的状態にない場合に前記製品の完全使用を物理的に防止するようなやり方で、少なくともその1つの表面に沿って、前記接着剤混合物を介し前記製品の1つまたは複数の部分または前記保護構造の他の部品と接触するように構成される、保護構造と、を有する第2のロックと、を含む製品ロックアセンブリであって、
前記第1のロックは、前記第2のロックがその第2の物理化学的状態にあると前記接着剤混合物はその第1の物理化学的状態にあるように構成され、
前記第1のロックの前記接着剤混合物は、前記第2のロックの前記第2の物理化学的状態から前記第1の物理化学的状態への遷移とは異なる送信エネルギープロフィールが印加されると、前記第1の物理化学的状態から前記第2の物理化学的状態への遷移を引き起こす、アセンブリ。
【請求項19】
送信エネルギーが印加されると第1の物理化学的状態から第2の物理化学的状態に遷移できるように配合されたエネルギー剥離可能接着剤混合物を含む接着層であって、上面と底面を有する、接着層と;
前記接着層の前記底面に積層されたエネルギー分配器/変換器であって電気および/または磁気抵抗率により特徴付けられた導体材料で作られたエネルギー分配器/変換器と;
前記製品の少なくとも一部と相互作用するように構成された保護構造であって、前記接着剤がその第1の物理化学的状態にあってその第2の物理化学的状態にない場合に前記製品の完全使用を物理的に防止するようなやり方で、少なくともその1つの表面に沿って、前記接着剤混合物を介し前記製品の1つまたは複数の部分または前記保護構造の他の部品と接触するように構成される、保護構造と、を含むロック。
【請求項20】
それぞれがエネルギー反応性接着材料層と導電性または非導電性基板との積層物を含む2つ以上のロック素子であって、前記接着材料はエネルギー源に晒されると物理化学的特性が第1の物理化学的状態から第2の物理化学的状態に変化し、前記接着材料層に積層されない前記基板表面はさらに、エネルギー非反応性接着剤に積層される、ロック素子と;
製品の少なくとも一部と相互作用するように構成された保護構造であって、前記接着剤がその第1の物理化学的状態にあってその第2の物理化学的状態にない場合に前記製品の完全使用を物理的に防止するようなやり方で、少なくともその1つの表面に沿って、前記ロック素子を介し前記製品の1つまたは複数の部分または前記保護構造の他の部品と接触するように構成される、保護構造と、を含む遠隔活性化ロックシステムであって、
第1のロック素子は、第2のロック素子がその第2の物理化学的状態にあると前記接着剤混合物はその第1の物理化学的状態にあるように構成され、
前記第1のロック素子の前記接着剤混合物は、前記第2のロック素子の前記第2の物理化学的状態から前記第1の物理化学的状態への遷移とは異なる送信エネルギープロフィールが印加されると、第1の物理化学的状態から前記第2の物理化学的状態への遷移を引き起こす、システム。
【請求項21】
2つの基板間のエネルギー剥離可能接着剤ロックの接着破壊を所望のエネルギープロフィール範囲内の1つまたは複数のエネルギープロフィールに合わせる方法であって、
(a)2つの基板表面同士をロックするのに望ましいエネルギー剥離可能接着剤質量を得る工程であって、前記接着剤質量は、前記基板間の接着破壊を引き起こすために前記所望のエネルギープロフィール範囲内の最低のエネルギープロフィール以上の1つのエネルギープロフィールを必要とする、工程と;
(b)電気的または熱的伝導性材料を前記接着剤質量の表面の外部におよび/または前記質量全体にほぼ均一に適用することにより、前記接着剤を電気的または熱的伝導性材料の量子に関連付ける工程と;
(c)前記基板間のロックの接着破壊が1つまたは複数のエネルギープロフィールにおいて破壊しているかどうかを判断するために前記接着破壊を引き起こすのに必要なエネルギープロフィールを測定する工程と;
(d)前記ロックの前記接着破壊が前記所望エネルギープロフィール範囲内の前記1つまたは複数のエネルギープロフィールにおいて生じるまで工程(b)、(c)を繰り返す工程と、を含む方法。
【請求項22】
内部空洞を画定する容器であって、側壁と底面と上面を画定する開口とを有する、容器と;
前記容器の前記内部空洞にぴったりとしかし着脱可能に嵌る大きさに作られたスリーブであって、端子開口を備えた格納空洞を有する、スリーブと;
前記容器の前記底面に接して配置された接着組成物および/または構造であって、外部印加エネルギーの特定のプロフィールに晒されると接合剥離することにより特徴付けられた、接着組成物および/または構造と、を含む装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【公表番号】特表2013−506063(P2013−506063A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512084(P2012−512084)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/035882
【国際公開番号】WO2010/135726
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(511284258)プロテクト テクノロジーズ インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/035882
【国際公開番号】WO2010/135726
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(511284258)プロテクト テクノロジーズ インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
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