説明

遠隔監視端末装置及び移動体

【課題】遠隔監視装置との間で通信を行うことにより遠隔監視される移動体に備えられる遠隔監視端末装置であって、バッテリーの電力消費量を抑えつつ、遠隔監視装置が遠隔監視端末装置の給電状態を把握しなくても、遠隔監視端末装置側が給電時に遠隔監視装置に対して発報することができ、これにより遠隔監視装置で確実にデータを収集することができる遠隔監視端末装置及びそれを備えた移動体を提供する。
【解決手段】遠隔監視端末装置113は、移動体情報を取得する取得部113cと、移動体情報を遠隔監視装置121に送信する通信部113aと、電源スイッチSWの電源オフ状態及び電源オン状態に関わらず、バッテリーBTに接続されるリアルタイムクロック113rとを備え、リアルタイムクロック113rのアラーム機能によりバッテリーBTからの電力を通信部113aへ供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔監視装置との間で通信を行うことにより遠隔監視される移動体に備えられる遠隔監視端末装置及びそれを備えた移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔監視センターに備えられる遠隔監視装置と、移動体(例えば冷凍コンテナ)に備えられる遠隔監視端末装置との間で通信を行って、この移動体を監視する移動体遠隔監視システムは従来から公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる移動体遠隔監視システムでは、移動体の運転状況が管理されるようになっている。例えば、移動体が車両や船舶などの輸送手段で貨物輸送を行う冷凍コンテナである場合において、冷凍コンテナ室内の温度や冷凍装置の運転状態を示す運転情報或いは冷凍コンテナの位置情報などの冷凍コンテナに関する移動体情報として冷凍コンテナに備えられた遠隔監視端末装置で収集し、この遠隔監視端末装置から遠隔監視センターに設置された遠隔監視装置にインターネットや電話回線などの通信網を介して送信することで、遠隔監視センターで冷凍コンテナを監視してその状況を把握することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−172395号公報
【特許文献2】特開2007−67829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の遠隔監視端末装置は、通常は移動体に搭載されるバッテリーで駆動されるため、該バッテリーの電力消費量を可及的に抑えることが要求されている。
【0006】
図9は、従来の遠隔監視端末装置113Dを備えた移動体110Dにおいて、バッテリーBTと遠隔監視端末装置113Dとの接続構成の一例を示す概略ブロック図である。
【0007】
図9に示すように、バッテリーBTは、移動体110Dにおける図示しない動力源(例えば、エンジン等)の稼動時に該動力源からの動力にて図示しない発電機から供給される電力によって充電されるようになっている。
【0008】
そして、バッテリーBTと遠隔監視端末装置113Dとが電源接続ラインLaを介して接続されている。また、バッテリーBTは、移動体110Dに備えられる電源スイッチSWを介して移動体110Dの電装系112Dにも接続されている。これにより、電源オン状態のときにはバッテリーBTから電装系112Dへ電力が供給される一方、電源オフ状態のときにはバッテリーBTから電装系112Dへの電力供給が遮断されるようになっており、電源スイッチSWの電源オン状態及び電源オフ状態に関わらず、バッテリーBTから遠隔監視端末装置113Dへ電力が常時供給されるようになっている。
【0009】
図9に示すような移動体110Dでは、バッテリーBTから遠隔監視端末装置113Dへ電力が常時供給されるので、移動体200における動力源の稼動時間が短いと、バッテリーBTが規定の低電圧以下となる不都合(所謂バッテリー上がり)を誘発するという問題があった。
【0010】
図10は、従来の遠隔監視端末装置113Dを備えた移動体110Eにおいて、バッテリーBTと遠隔監視端末装置113Dとの接続構成の他の例を示す概略ブロック図である。
【0011】
図10に示す移動体110Eは、図9に示す移動体110Dにおいて、遠隔監視端末装置113DとバッテリーBTとの間に接続された電源接続ラインLa1、及び電装系112DとバッテリーBTとの間に接続された電源接続ラインLa2に電源スイッチSWを接続したものである。これにより、電源オン状態のときにはバッテリーBTから遠隔監視端末装置113D及び電装系112Dへ電力が供給される一方、電源オフ状態のときにはバッテリーBTから遠隔監視端末装置113D及び電装系112Dへの電力供給が遮断されるようになっている。すなわち、電源スイッチSWの電源オフ状態に連動してバッテリーBTからの電力供給が停止される。
【0012】
図10に示すような移動体110Eでは、電源スイッチSWが電源オフ状態の場合に、移動体遠隔監視システムの運用ができないという問題点があった。
【0013】
このような問題に対し、特許文献2は、遠隔監視端末装置として作用する子機において、電池を駆動電源とし、所定の休眠時間を挟んで間欠的に起床して、遠隔監視装置として作用する親機からの呼出信号の受信待機を行い、検出した電池の出力電圧が所定の電圧に達しないとき、休眠時間を延長する設定を行う電池駆動通信装置を開示している。
【0014】
しかしながら、特許文献2に記載の電池駆動通信装置では、親機側が子機の給電状態を把握して通信を開始しないと、遠隔監視装置でデータの収集を行えないという問題がある。
【0015】
そこで、本発明は、遠隔監視装置との間で通信を行うことにより遠隔監視される移動体に備えられる遠隔監視端末装置であって、バッテリーの電力消費量を抑えつつ、遠隔監視装置が遠隔監視端末装置の給電状態を把握しなくても、遠隔監視端末装置側が給電時に遠隔監視装置に対して発報することができ、これにより遠隔監視装置で確実にデータを収集することができる遠隔監視端末装置及びそれを備えた移動体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するために講じられた本発明の解決手段は、遠隔監視装置との間で通信を行うことにより遠隔監視される移動体に備えられ、バッテリーとの間に接続された電源スイッチによって電源オン状態及び電源オフ状態が選択的に切り替えられる遠隔監視端末装置及びそれを備えた移動体を前提とし、この遠隔監視端末装置に対し、前記移動体に関する移動体情報を取得する取得部と、前記取得部にて取得した前記移動体情報を前記遠隔監視装置に送信する通信部とが備えられている。
【0017】
また、本発明の解決手段は、遠隔監視装置との間で通信を行うことにより遠隔監視される移動体を前提とし、前記遠隔監視端末装置と、バッテリー及び前記遠隔監視端末装置の間に接続される電源スイッチとを備えている。
【0018】
そして、前記遠隔監視端末装置は、前記電源スイッチの電源オフ状態及び電源オン状態に関わらず、前記バッテリーに接続されるリアルタイムクロックを備えており、前記リアルタイムクロックのアラーム機能により前記バッテリーからの電力を前記通信部へ供給する。
【0019】
この特定事項では、前記リアルタイムクロックが前記電源スイッチの電源オフ状態及び電源オン状態に関わらず前記バッテリーに接続されるので、前記電源オフ状態のときに、前記遠隔監視端末装置の構成要素のうち少なくとも前記リアルタイムクロックに前記バッテリーからの電力を供給することができ、これにより、前記バッテリーの電力消費量を可及的に抑えることができる。しかも、前記リアルタイムクロックのアラーム機能により前記バッテリーからの電力を前記通信部へ供給するので、前記通信部から前記遠隔監視装置へ前記移動体情報を自発的に送信することができる。
【0020】
ここで、「移動体」は、監視対象となり得る移動体であれば何れのものでもよい。この移動体としては、例えば、冷凍コンテナや、建機や農作業機等の作業機を挙げることができる。但し、それに限定されるものではない。
【0021】
また、前記移動体情報としては、前記移動体の稼動状態の情報、前記移動体の位置情報、前記移動体の速度情報のうち少なくとも一つを例示できる。例えば、前記移動体が冷凍コンテナである場合、冷凍コンテナの位置情報や速度情報或いは冷凍コンテナ室内の温度や冷凍装置の運転状態に関する運転情報を挙げることができる。また、前記移動体が作業機である場合、作業機の位置情報や速度情報或いは作業機の故障不具合、メンテナンスや作業機の運転状態に関する運転情報を挙げることができる。但し、それに限定されるものではない。
【0022】
本発明において、前記リアルタイムクロックのアラーム機能により予め設定されたアラーム時刻に前記バッテリーからの電力を前記通信部へ定期的に供給する。
【0023】
この特定事項では、前記アラーム時刻になると、前記通信部から前記遠隔監視装置へ前記移動体情報を定期的に送信することができ、これにより前記遠隔監視装置で定期的にデータを収集することができる。
【0024】
本発明において、前記リアルタイムクロックのアラーム機能により前記バッテリーからの電力を前記取得部にも供給する。
【0025】
この特定事項では、前記リアルタイムクロックのアラーム機能により前記バッテリーからの電力を前記取得部へ供給したときに、前記取得部にて最新の前記移動体情報を取得し、取得した最新の移動体情報を前記通信部から前記遠隔監視装置へ送信することができる。
【0026】
本発明において、前記遠隔監視端末装置は、前記電源スイッチの電源オフ状態及び電源オン状態に関わらず、前記バッテリーに接続される制御部を備えている。
【0027】
この特定事項では、前記電源オフ状態のときに、前記遠隔監視端末装置の構成要素のうち少なくとも前記リアルタイムクロック及び前記制御部に前記バッテリーからの電力を供給することができる。
【0028】
本発明において、前記制御部は、前記バッテリーから前記通信部へ電力を供給する通信部給電状態と、前記バッテリーから前記通信部への電力供給を遮断する通信部遮断状態とを選択的に切り替える構成とされている。
【0029】
この特定事項では、前記制御部の指示により前記バッテリーから前記通信部への電力供給を制御することができる。
【0030】
本発明において、前記制御部は、前記電源スイッチが電源オフ状態及び電源オン状態の何れにあるかを監視する構成とされている。
【0031】
この特定事項では、前記制御部が前記電源オフ状態のときに前記バッテリーからの電力を前記通信部へ確実に供給することができる。
【0032】
本発明において、前記制御部は、前記電源オフ状態のときに、前記リアルタイムクロックのアラーム機能により前記通信部給電状態に切り替える。
【0033】
この特定事項では、前記バッテリーからの電力を前記通信部へ供給することができ、これにより前記電源オフ状態のときに前記リアルタイムクロックのアラーム機能に基づき前記制御部の指示により前記通信部から前記遠隔監視装置へ前記移動体情報を自発的に送信することができる。
【0034】
本発明において、前記制御部は、前記バッテリーから前記取得部へ電力を供給する取得部給電状態と、前記バッテリーから前記取得部への電力供給を遮断する取得部遮断状態とを選択的に切り替える構成とされている。
【0035】
この特定事項では、前記制御部の指示により前記バッテリーから前記取得部への電力供給を制御することができる。
【0036】
本発明において、前記制御部は、前記電源オフ状態のときに、前記リアルタイムクロックのアラーム機能により前記取得部給電状態に切り替える。
【0037】
この特定事項では、前記バッテリーからの電力を前記取得部へ供給することができ、これにより前記電源オフ状態のときに前記リアルタイムクロックのアラーム機能に基づき前記制御部の指示により前記バッテリーからの電力を前記取得部へ供給したときに、前記取得部にて最新の前記移動体情報を取得し、取得した最新の移動体情報を前記通信部から前記遠隔監視装置へ送信することができる。
【0038】
本発明において、前記制御部は、前記バッテリーの電圧レベルを監視する構成とされている。
【0039】
この特定事項では、前記バッテリーの電圧レベルに応じた前記通信部への電力供給を制御することができる。
【0040】
本発明において、前記制御部は、前記電源オフ状態のときに、前記バッテリーの電圧レベルと予め設定された第1電圧レベルとに基づき前記通信部への電力供給を制御する。
【0041】
この特定事項では、前記バッテリーが規定の低電圧以下或いは規定の低電圧を下回る不都合(所謂バッテリー上がり)になるまでに要する時間を延ばすことができる。例えば、前記バッテリーの電圧レベルが前記第1電圧レベル以下或いは前記第1電圧レベルを下回る場合に、前記通信部への電力供給を停止させることで、前記バッテリーがバッテリー上がりになるまでに要する時間を可及的に延ばすことが可能となる。
【0042】
ところで、本発明において、例えば、前記取得部が前記電源スイッチの前記電源オフ状態及び前記電源オン状態に関わらず前記バッテリーに接続される場合には、それだけ前記バッテリーの消費電力量が大きくなる。
【0043】
かかる観点から、本発明において、前記制御部は、前記バッテリーの電圧レベルを監視し、かつ、前記バッテリーから前記取得部へ電力を供給する取得部給電状態と、前記バッテリーから前記取得部への電力供給を遮断する取得部遮断状態とを選択的に切り替える構成とされており、前記電源オフ状態のときに、前記バッテリーの電圧レベルが予め設定された第2電圧レベル以下のとき或いは前記第2電圧レベルを下回ったときに前記取得部遮断状態に切り替える。なお、前記第2電圧レベルは、前記第1電圧レベルとは異なった値であることが好ましい。例えば、前記第2電圧レベルは、前記第1電圧レベルと等しいか或いは前記第1電圧レベルよりも大きい値であることが好ましい。
【0044】
この特定事項では、前記バッテリーの電圧レベルが前記第2電圧レベル以下のとき或いは前記第2電圧レベルを下回ったときに、前記取得部への電力供給を停止することができ、これにより、前記バッテリーの消費電力量を抑制することができる。例えば、前記バッテリーの電圧レベルが前記第2電圧レベル以下のとき或いは前記第2電圧レベルを下回ったときに、前記リアルタイムクロックのアラーム機能により前記通信部から前記遠隔監視装置へ前記移動体情報を送信するとき以外は、前記取得部への電力供給を停止させることができる。これにより、前記バッテリーの消費電力量を抑制することができる。
【0045】
本発明において、前記取得部は、前記移動体の位置情報を検出する位置情報検出部を含み、前記位置情報検出部は、前記電源スイッチの電源オフ状態及び電源オン状態に関わらず、前記バッテリーに接続され、前記制御部は、前記電源オフ状態のときに、前記位置情報検出部からの前記位置情報と予め設定された設定位置情報とに基づき前記通信部給電状態に切り替える。
【0046】
この特定事項では、前記電源オフ状態のときに、前記バッテリーからの電力を前記通信部へ供給することができ、これにより前記移動体の異常な位置情報を前記遠隔監視装置へ知らせることができる。例えば、前記設定位置情報を、前記移動体が位置すべきエリアとした場合、前記電源オフ状態のときに、前記位置情報検出部からの前記位置情報が前記エリア外に位置していると判断した場合には、前記バッテリーからの電力を前記通信部へ供給して前記通信部から前記遠隔監視装置へ前記位置情報を送信することができ、これにより、前記遠隔監視装置側で前記移動体が本来位置すべきエリアにいないとみなし、例えば、前記移動体の盗難検知に利用することが可能となる。
【0047】
本発明において、前記取得部は、前記移動体の速度情報を検出する速度情報検出部を含み、前記速度情報検出部は、前記電源スイッチの電源オフ状態及び電源オン状態に関わらず、前記バッテリーに接続され、前記制御部は、前記電源オフ状態のときに、前記速度情報検出部からの前記速度情報と予め設定された設定速度情報とに基づき前記通信部給電状態に切り替える。
【0048】
この特定事項では、前記電源オフ状態のときに、前記バッテリーからの電力を前記通信部へ供給することができ、これにより前記移動体の異常な速度情報を前記遠隔監視装置へ知らせることができる。例えば、前記設定速度情報を、前記移動体が移動するときの設定速度の上限値及び/又は下限値(具体的には、移動体が運搬される場合には、移動体が運搬される際の速度範囲、或いは、移動体が自走する場合には走行可能な速度範囲)とした場合、前記電源オフ状態のときに、前記位置情報検出部からの前記速度情報が設定速度の上限値以上或いは上限値を超える及び/又は下限値以下或いは下限値を下回ると判断した場合には、前記バッテリーからの電力を前記通信部へ供給して前記通信部から前記遠隔監視装置へ前記速度情報を送信することができ、これにより、前記遠隔監視装置側で前記移動体の搬送状態が本来の搬送状態でないとみなし、例えば、前記移動体の盗難検知に利用することが可能となる。
【発明の効果】
【0049】
以上説明したように、本発明によると、前記リアルタイムクロックが前記電源スイッチの電源オフ状態及び電源オン状態に関わらず前記バッテリーに接続されることで、前記電源オフ状態のときに、前記遠隔監視端末装置の構成要素のうち少なくとも前記リアルタイムクロックに前記バッテリーからの電力を供給することができ、これにより、前記バッテリーの電力消費量を可及的に抑えることができる。しかも、前記リアルタイムクロックのアラーム機能により前記バッテリーからの電力を前記通信部へ供給することで、前記通信部から前記遠隔監視装置へ前記移動体情報を自発的に送信することができる。
【0050】
従って、前記バッテリーの電力消費量を抑えつつ、前記遠隔監視装置が前記遠隔監視端末装置の給電状態を把握しなくても、前記遠隔監視端末装置側が給電時に前記遠隔監視装置に対して発報することができ、これにより前記遠隔監視装置で確実にデータを収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】冷凍コンテナを遠隔監視する移動体遠隔監視システムを概略的に示す斜視図である。
【図2】移動体遠隔監視システムにおける冷凍コンテナの構成を示すブロック図である。
【図3】移動体遠隔監視システムにおける遠隔監視センターの構成を示すブロック図である。
【図4A】第1実施形態の遠隔監視端末装置の詳細構成を示す詳細ブロック図である。
【図4B】第1実施形態の一例の動作例を示すフローチャートである。
【図5A】第2実施形態の遠隔監視端末装置の詳細構成を示す詳細ブロック図である。
【図5B】第2実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図6A】第3実施形態の遠隔監視端末装置の詳細構成を示す詳細ブロック図である。
【図6B】第3実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図6C】第3実施形態の変形例1の動作例を示すフローチャートである。
【図6D】第3実施形態の変形例2の動作例を示すフローチャートである。
【図6E】第3実施形態の変形例3の動作例を示すフローチャートである。
【図6F】第3実施形態の変形例4の動作例を示すフローチャートである。
【図7A】第4実施形態の遠隔監視端末装置の詳細構成を示す詳細ブロック図である。
【図7B】第4実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図7C】第4実施形態の変形例1の動作例を示すフローチャートである。
【図7D】第4実施形態の変形例2の動作例を示すフローチャートである。
【図7E】第4実施形態の変形例3の動作例を示すフローチャートである。
【図7F】第4実施形態の変形例4の動作例を示すフローチャートである。
【図8A】第5実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図8B】第6実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図9】従来の遠隔監視端末装置を備えた移動体において、バッテリーと遠隔監視端末装置との接続構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図10】従来の遠隔監視端末装置を備えた移動体において、バッテリーと遠隔監視端末装置との接続構成の他の例を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の実施の形態について移動体として冷凍コンテナを取り挙げて添付図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0053】
図1は、冷凍コンテナ110,…を遠隔監視する移動体遠隔監視システム100を概略的に示す斜視図である。図2は、移動体遠隔監視システム100における冷凍コンテナ110,…の構成を示すブロック図である。また、図3は、移動体遠隔監視システム100における遠隔監視センター120の構成を示すブロック図である。
【0054】
図1に示すように、移動体遠隔監視システム(以下、単に遠隔監視システムという)100は、貨物列車などの運搬車両に搭載されて輸送される1つ又は複数の(ここでは複数の)冷凍コンテナ(移動体の一例)110,…と、冷凍コンテナ110,…に対して遠く離れた位置にある遠隔監視センター120に備えられた遠隔監視装置121とを備えている。ここでは、冷凍コンテナ110,…は運搬車両に搭載されて輸送されるものであるが、冷凍コンテナ110,…を任意の場所に設置して倉庫代わりに利用してもよい。
【0055】
冷凍コンテナ110,…は、図2に示すように、冷凍物品を収容する冷凍コンテナ室111と、冷凍コンテナ室111内を冷却する冷凍装置112と、通信部(具体的には通信モジュール)113aを有する遠隔監視端末装置113とを備えている。
【0056】
遠隔監視センター120に備えられる遠隔監視装置121は、図3に示すように、通信部(具体的には通信モジュール)121aを有している。
【0057】
図1に示すように、遠隔監視端末装置113と遠隔監視装置121とは、電話回線やインターネットなどからなる通信網130を介して互いの通信部113a,121aで接続されることで、遠隔監視端末装置113と遠隔監視装置121との間で情報の送受信が可能とされ、これにより、遠隔監視センター120で冷凍コンテナ110,…を遠隔監視することができるようになっている。なお、通信網130は、有線通信網でもよいし、無線通信網でもよく、有線通信網及び無線通信網を組み合わせたものであってもよい。
【0058】
図2に示すように、冷凍コンテナ110における冷凍装置112は、制御装置112a、エンジン(例えばガスエンジンヒートポンプ型空調装置(GHP))112b、発電機112c、電源スイッチSWを備えており、バッテリーBTが搭載されている。そして、冷凍装置112は、冷凍コンテナ室111内の温度管理の他、運転開始/休止の操作や、エンジン112bの駆動による運転状態の制御が行われるようになっている。すなわち、冷凍装置112は、図示を省略したが、さらに、エンジン排気管、燃料タンク、換気ファン、庫内温度等の設定装置、制御ボックス、アキュムレータ、モータ、コンプレッサ、庫外熱交換器、庫内熱交換器を備えており、冷凍コンテナ室111内へ冷却風が送り込まれるようになっている。
【0059】
なお、冷凍装置112の運転状態(エンジン稼動状態)においては、発電機112cから供給される電力によってバッテリーBTの充電が適宜行われるようになっている。
【0060】
冷凍装置112に備えられている電源スイッチSWは、バッテリーBTから遠隔監視端末装置113及び制御装置112aへ電力を供給する電源オン状態と、バッテリーBTから遠隔監視端末装置113及び制御装置112aへの電力供給を遮断する電源オフ状態とを選択的に切り替えるものとされている。
【0061】
詳しくは、バッテリーBTは、遠隔監視端末装置113に接続された電源接続ラインL1及び制御装置112aに接続された電源接続ラインL2の双方に電源スイッチSWを介して接続されている。
【0062】
この例では、電源スイッチSWは、所謂キースイッチと呼ばれるスイッチであり、「ON」端子は、エンジン運転状態での電源接続ラインL1,L2の接続端子を示している。「ACC(アクセサリ)」端子は、エンジン停止状態での制御装置112aとの電源接続ラインL3の接続端子を示している。「OFF」端子は、電源オフ状態のときの端子を示している。
【0063】
なお、後述するように、電源スイッチSWの状態に関わらず、バッテリーBTと遠隔監視端末装置113の一部の構成要素とが電源接続ラインLbtを介して接続されている。これにより、遠隔監視端末装置113の一部の構成要素は、バッテリーBTからの電力が常時供給されるようになっている。
【0064】
制御装置112aは、冷凍コンテナ室111への運転状態を制御し、かつ、冷凍動作の運転情報に基づき冷凍コンテナ室111の状況を監視し、冷凍コンテナ室111への運転状態を適切に制御する。
【0065】
詳しくは、制御装置112aは、図示しない温度検知部にて検知した冷凍コンテナ室111内の温度に基づき冷凍コンテナ室111への運転状態を作動制御する。また、制御装置112aは、トラブルの発生の有無が適宜判断される。
【0066】
[第1実施形態]
図4Aは、第1実施形態の遠隔監視端末装置113の詳細構成を示す詳細ブロック図である。
【0067】
図4Aに示すように、遠隔監視端末装置113は、通信部113aに加えて、通信時におけるデータの送受信、各種の入出力制御及び演算処理の制御を行う制御部113bと、冷凍コンテナ110に関する移動体情報を取得する取得部113cと、リアルタイムクロック113rとを備えている。
【0068】
通信部113a、制御部113b及び取得部113cは、制御基板114に設けられている。制御基板114は、電源ライン(図示せず)が電源接続ラインL1に接続されている。電源接続ラインL1は、電源スイッチSWの「ON」端子に接続されている。なお、本第1実施形態では、電源接続ラインL1は、制御基板114上に形成された電源ラインのパターン配線に接続されている。なお、通信部113a、制御部113b及び取得部113cのうち少なくとも一つが個別の基板に設けられていてもよい。
【0069】
また、リアルタイムクロック113rは、電源スイッチSWの電源オフ状態及び電源オン状態に関わらず、バッテリーBTに接続されている。具体的には、バッテリーBTとリアルタイムクロック113rの入力側電源ライン(図示せず)とが電源接続ラインL4(Lbt)によって接続されている。これにより、リアルタイムクロック113rは、バッテリーBTからの電力が常時供給されるようになっている。
【0070】
また、リアルタイムクロック113rの出力側電源ライン(図示せず)と通信部113aの電源ライン(図示せず)とが電源接続ラインL5によって接続されている。
【0071】
通信部113aは、遠隔監視センター120における遠隔監視装置121の通信部121aと同一の通信プロトコル(通信規約)で通信可能とされている。通信時に送受信されるデータは、通信プロトコルに従うように通信部113aで変換される。そして、通信部113aは、取得部113cにて取得した移動体情報を遠隔監視装置121に送信する。
【0072】
ここでは、取得部113cは、冷凍コンテナ110の位置情報を検出する位置情報検出部113fを含んでいる。また、取得部113cは、冷凍コンテナ110の速度情報を検出する速度情報検出部113gを含んでいる。すなわち、移動体情報は、冷凍コンテナ110の位置情報及び速度情報を含んでいる。移動体情報は、冷凍装置2からの運転情報や冷凍装置112におけるトラブルの情報も含んでいてもよい。
【0073】
具体的には、取得部113c(113f,113g)は、GPS(Global Positioning System)受信機を有しており、GPS衛星と共に測位システムを構成している。取得部113cは、複数のGPS衛星からの電波を受信してそれぞれとの距離を割り出すことにより、冷凍コンテナ110の現在位置の位置情報(例えば緯度及び経度)を測定することができる。また、単位時間当たりの変位を割り出すことにより、冷凍コンテナ110の速度情報を測定することができる。
【0074】
制御部113bは、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータからなる処理部113pと、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)やデータ書き換え可能な不揮発性メモリ等の記憶装置を含む記憶部113mとを有している。
【0075】
制御部113bは、処理部113pが記憶部113mのROMに予め格納された制御プログラムを記憶部113mのRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の作動制御を行うようになっている。記憶部113mのRAMは、処理部113pに対して作業用のワークエリアを提供する。
【0076】
また、記憶部113mは、取得部113cにて取得した移動体情報を記憶する。ここでは、記憶部113mには、冷凍コンテナ110の位置情報及び速度情報を含む移動体情報が随時記憶される。そして、移動体情報は、後述するように所定の時期に又は所定の条件で通信部113aにて遠隔監視装置121の通信部121aの通信プロトコルに応じたフォーマットに変換された後、通信網130及び通信部121aを経て遠隔監視装置121に送信されるようになっている。これにより、遠隔監視センター側での移動体情報(例えば冷凍コンテナ110の現在位置や速度)が確認できるようになっている。
【0077】
ところで、遠隔監視端末装置113において、バッテリーBTの電力消費量を可及的に抑えることが要求されていることから、遠隔監視端末装置113は、次のように構成されている。
【0078】
すなわち、リアルタイムクロック113rのアラーム機能によりバッテリーBTからの電力を通信部113aへ供給するようになっている。
【0079】
詳しくは、リアルタイムクロック113rには予めアラーム時刻が設定されている。つまり、リアルタイムクロック113rは、現在時刻がアラーム時刻でない場合には、入力側電源ラインと出力側電源ラインとが非導通状態になる。一方、リアルタイムクロック113rは、現在時刻がアラーム時刻になると、入力側電源ラインと出力側電源ラインとが導通状態になる。これにより、リアルタイムクロック113rは、現在時刻がアラーム時刻になると、バッテリーBTからの電力を通信部113aへ供給することができる。
【0080】
(第1実施形態の動作例)
次に、第1実施形態の動作例について説明する。図4Bは、第1実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【0081】
図4Bに示すフローチャートでは、先ず、リアルタイムクロック113rによって通信部113aへの電力供給を遮断する(ステップS1)。
【0082】
次に、リアルタイムクロック113rの現在時刻がアラーム時刻であるか否かを判断し(ステップS2)、現在時刻がアラーム時刻になるまで待機する(ステップS2:No)。現在時刻がアラーム時刻になると(ステップS2:Yes)、リアルタイムクロック113rが電源接続ラインL5を通じて通信部113aへ電力を供給する(ステップS3)。
【0083】
そして、記憶部113mに記憶されている移動体情報を遠隔監視装置121に通信部113aを介して送信して遠隔監視センター120に報告し(ステップS4)、ステップS1へ移行する。
【0084】
[第2実施形態]
図5Aは、第2実施形態の遠隔監視端末装置113の詳細構成を示す詳細ブロック図である。なお、図5A及び後述する各図において、実質的に同じ構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0085】
図5Aに示す第2実施形態の遠隔監視端末装置113は、図4Aに示す第1実施形態において、リアルタイムクロック113rの出力側電源ライン(図示せず)と取得部113cの電源ライン(図示せず)とを電源接続ラインL6によって接続したものである。
【0086】
本第2実施形態では、リアルタイムクロック113rのアラーム機能によりバッテリーBTからの電力を取得部113cにも供給する構成とされている。
【0087】
詳しくは、リアルタイムクロック113rは、現在時刻がアラーム時刻になると、バッテリーBTからの電力を取得部113cへ供給することができる。
【0088】
(第2実施形態の動作例)
次に、第2実施形態の動作例について説明する。図5Bは、第2実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【0089】
図5Bに示すフローチャートは、図4Bに示すフローチャートにおいて、ステップS1,S3,S4に代えてそれぞれステップS1a,S3a,S4aを設けたものである
すなわち、ステップS1aでは、リアルタイムクロック113rによって通信部113a及び取得部113cへの電力供給を遮断する。ステップS3aでは、リアルタイムクロック113rが電源接続ラインL5,L6を通じて通信部113a及び取得部113cへ電力を供給する。また、ステップS4aでは、取得部113cで取得した最新の移動体情報を遠隔監視装置121に通信部113aを介して送信して遠隔監視センター120に報告する。なお、取得部113cで取得した最新の移動体情報は、記憶部113mに記憶される。
【0090】
[第3実施形態]
図6Aは、第3実施形態の遠隔監視端末装置113の詳細構成を示す詳細ブロック図である。
【0091】
図6Aに示す第3実施形態の遠隔監視端末装置113は、図4Aに示す第1実施形態において、電源接続ラインL5を除去する一方、切り替え部(例えば電磁リレー)113dを設けて制御部113bによって切り替え部113dを切り替え制御することにより通信部113aへの電力供給を制御するようにしたものである。
【0092】
本第3実施形態では、リアルタイムクロック113rから出力されるアラーム信号に基づき制御部113bにて切り替え部113dの切り替え動作を制御する構成とされている。
【0093】
詳しくは、リアルタイムクロック113rは、アラーム時刻になると、アラーム信号を出力する。リアルタイムクロック113rは、アラーム信号の信号出力ライン(図示せず)を有している。リアルタイムクロック113rの信号出力ラインと制御部113bの信号入力ライン(図示せず)とが信号接続ラインSN1によって接続されている。
【0094】
制御部113b及び切り替え部113dは、リアルタイムクロック113rに加えて、電源スイッチSWの電源オフ状態及び電源オン状態に関わらず、バッテリーBTに接続されている。具体的には、バッテリーBTと制御部113bの電源ライン(図示せず)とが電源接続ラインL7(Lbt)によって接続されている。バッテリーBTと切り替え部113dの入力側電源ライン(図示せず)とが電源接続ラインL8(Lbt)によって接続されている。これにより、制御部113b及び切り替え部113dは、バッテリーBTからの電力が常時供給される。そして、切り替え部113dの出力側電源ライン(図示せず)と通信部113aの電源ラインとが電源接続ラインL9によって接続されている。
【0095】
切り替え部113dは、バッテリーBTから通信部113aへ電力を供給する通信部給電状態と、バッテリーBTから通信部113aへの電力供給を遮断する通信部遮断状態とを切り替え可能な構成とされている。
【0096】
切り替え部113dは、切り替え動作の作動信号によって切り替え動作される。切り替え部113dは、作動信号が入力される信号入力ライン(図示せず)を有している。切り替え部113dの信号入力ライン(図示せず)と制御部113bの信号出力ライン(図示せず)とが信号接続ラインSN2によって接続されている。
【0097】
制御部113bは、リアルタイムクロック113rからのアラーム信号がない場合には切り替え部113dを通信部遮断状態にする信号を信号出力ラインに出力する。一方、制御部113bは、リアルタイムクロック113rからのアラーム信号を受信した場合には、切り替え部113dを通信部給電状態にする信号を信号出力ラインに出力する。こうして、制御部113bは切り替え部113dの切り替え動作を行う。なお、切り替え部113dは、制御基板114上や制御部113bに組み込まれたスイッチング半導体素子であってもよい。
【0098】
本第3実施形態では、制御部113bは、電源スイッチSWが電源オフ状態及び電源オン状態の何れにあるかを監視する。
【0099】
詳しくは、制御部113bは、電源スイッチSWの「ON」端子に接続される電源接続ラインL2に印加される電圧を検出する検出部113eを有している。なお、検出部113eは、制御部113bとは別に設けられていてもよい。
【0100】
制御部113bの検出部113eの信号入力ライン(図示せず)と電源接続ラインL2とが信号接続ラインSN3によって接続されている。制御部113bは、電源接続ラインL2に電圧が印加されていない場合には、電源スイッチSWが電源オフ状態であると判断する。一方、制御部113bは、電源接続ラインL2に電圧が印加されている場合には、電源スイッチSWが電源オン状態であると判断する。こうして、制御部113bは電源スイッチSWの電源オフ状態及び電源オン状態の監視を行う。なお、電源スイッチSWの機械的な位置を検出して電源オフ状態及び電源オン状態を監視してもよい。
【0101】
本第3実施形態では、制御部113bは、バッテリーBTから取得部113cへ電力を供給する取得部給電状態と、バッテリーBTから取得部113cへの電力供給を遮断する取得部遮断状態とを選択的に切り替える構成とされている。この切り替え動作は、制御基板114上に組み込まれたスイッチング半導体素子(図示せず)によってなされる。なお、スイッチング半導体素子を前記した切り替え部(例えば電磁リレー)113dのように構成してもよい。
【0102】
そして、制御部113bは、検出部113eの検出結果に基づき電源スイッチSWが電源オフ状態にあると判断した場合には、リアルタイムクロック113rからのアラーム信号により切り替え部113dを通信部給電状態に切り替える。
【0103】
(第3実施形態の動作例)
次に、第3実施形態の動作例について説明する。図6Bは、第3実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【0104】
図6Bに示すフローチャートは、図4Bに示すフローチャートにおいて、ステップS1,S2,S3に代えてそれぞれステップS1b,S2b,S3bを設け、ステップS1bの処理の前にステップS101を設け、さらに、ステップS101の条件判断後の処理としてステップS5を設けたものである。
【0105】
すなわち、ステップS101では、検出部113eで検出した信号接続ラインSN3の電圧の状態に基づき制御部113bにて電源スイッチSWがオフ状態にあるか否かを判断し、電源スイッチSWが電源オフ状態にある場合には(ステップS101:Yes)、ステップS1bに移行する。一方、電源スイッチSWが電源オン状態にある場合には(ステップS101:No)、ステップS5に移行する。
【0106】
ステップS1bでは、制御部113bからの指示信号により切り替え部113dを作動制御して通信部113aへの電力供給を遮断し、さらに、制御部113bにより取得部遮断状態にして取得部113cへの電力供給を遮断する。
【0107】
ステップS2bでは、制御部113bによりリアルタイムクロック113rからのアラーム信号があるか否かを判断する。
【0108】
ステップS3bでは、リアルタイムクロック113rからのアラーム信号がある場合に制御部113bから信号接続ラインSN2を通じて伝達される指示信号により切り替え部113dを作動制御して電源接続ラインL9を通じて通信部113aへ電力を供給する。
【0109】
ステップS5では、制御部113bにて切り替え部113dを作動制御して電源接続ラインL9を通じて通信部113aへ電力を供給し、さらに、制御部113bからの指示信号により取得部給電状態にして取得部113cへ電力を供給する。そして、ステップS4,S5の処理後は、ステップS101へ移行する。
【0110】
(第3実施形態の変形例1)
本第3実施形態の変形例1では、リアルタイムクロック113rのアラーム機能によりバッテリーBTからの電力を取得部113cにも供給する構成とされている。
【0111】
詳しくは、制御部113bは、検出部113eの検出結果に基づき電源スイッチSWが電源オフ状態にあると判断した場合には、リアルタイムクロック113rからのアラーム信号により取得部給電状態に切り替える。
【0112】
(第3実施形態の変形例1の動作例)
次に、第3実施形態の変形例1の動作例について説明する。図6Cは、第3実施形態の変形例1の動作例を示すフローチャートである。
【0113】
図6Cに示すフローチャートは、図6Bに示すフローチャートにおいて、ステップS3b,S4に代えてそれぞれステップS3c,S4aを設けたものである。
【0114】
すなわち、ステップS3cでは、リアルタイムクロック113rからのアラーム信号がある場合に制御部113bにて切り替え部113dを作動制御して電源接続ラインL9を通じて通信部113aへ電力を供給し、さらに、制御部113bにて取得部113cへ電力を供給する。
【0115】
なお、ステップS4aは、図5Bに示すステップS4aの処理と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0116】
(第3実施形態の変形例2)
本第3実施形態の変形例2では、制御部113bは、バッテリーBTの電圧レベル(電圧値)を監視して通信部113aに電力を供給するか否かを判断する構成とされている。
【0117】
詳しくは、制御部113bは、電源接続ラインL7に印加される電圧を計測する計測部を有している。なお、計測部は、前記した検出部113eを兼ねている。このため、以下の説明では、計測部を検出部(計測部)113eという。また、記憶部113mには、第1電圧レベル(電圧値)が予め記憶(設定)されている。
【0118】
そして、制御部113bは、電源オフ状態のときに、検出部(計測部)113eにて検出したバッテリーBTの電圧レベルが記憶部113mに記憶されている第1電圧レベル以下のときは、現在時刻がアラーム時刻であっても、通信部113aへの電力供給を行わない。
【0119】
(第3実施形態の変形例2の動作例)
次に、第3実施形態の変形例2の動作例について説明する。図6Dは、第3実施形態の変形例2の動作例を示すフローチャートである。
【0120】
図6Dに示すフローチャートは、図6Bに示すフローチャートにおいて、ステップS2bとステップS3bとの間にステップS102を設けたものである。
【0121】
すなわち、ステップS102では、検出部(計測部)113eにて検出したバッテリーBTの電圧レベルが記憶部113mに記憶されている第1電圧レベル以下か否かを判断し、検出したバッテリーBTの電圧レベルが第1電圧レベル以下のときは(ステップS102:Yes)、ステップS101へ移行する。一方、検出したバッテリーBTの電圧レベルが第1電圧レベルを超えるときは(ステップS102:No)、ステップS3bへ移行する。
【0122】
(第3実施形態の変形例3)
本第3実施形態の変形例3では、制御部113bは、バッテリーBTの電圧レベル(電圧値)を監視して取得部113cに電力を供給するか否かを判断する構成とされている。
【0123】
詳しくは、制御部113bは、第3実施形態の変形例2と同様に検出部(計測部)113eを有している。また、記憶部113mには、第2電圧レベル(電圧値)が予め記憶(設定)されている。なお、第2電圧レベルは、ここでは第1電圧レベルよりも高い値とされている。
【0124】
そして、制御部113bは、電源オフ状態のときに、検出部(計測部)113eにて検出したバッテリーBTの電圧レベルが記憶部113mに記憶されている第2電圧レベル以下のときは、取得部113cへの電力供給を遮断する。
【0125】
(第3実施形態の変形例3の動作例)
次に、第3実施形態の変形例3の動作例について説明する。図6Eは、第3実施形態の変形例3の動作例を示すフローチャートである。
【0126】
図6Eに示すフローチャートは、図6Bに示すフローチャートにおいて、ステップS101の処理の前にステップS100を設け、ステップS1b,S4に代えてそれぞれステップS1c,S4aを設け、ステップS3bとステップS4aとの間にステップS103を設け、さらに,ステップS103の条件判断後の処理としてステップS104,S105,S4を設けたものである。
【0127】
すなわち、ステップS100では、制御部113bにて取得部113cへ電力を供給し、ステップS101へ移行する。
【0128】
ステップS1cでは、制御部113bにて切り替え部113dを作動制御して通信部113aへの電力供給を遮断する。
【0129】
ステップS103では、検出部(計測部)113eにて検出したバッテリーBTの電圧レベルが記憶部113mに記憶されている第2電圧レベル以下か否かを判断し、検出したバッテリーBTの電圧レベルが第2電圧レベル以下のときは(ステップS103:Yes)、ステップS105へ移行する。一方、検出したバッテリーBTの電圧レベルが第2電圧レベルを超えるときは(ステップS103:No)、ステップS104へ移行する。
【0130】
ステップS104では、制御部113bにて取得部113cへ電力を供給し、ステップS4aへ移行する。なお、ステップS4aは、図5Bに示すステップS4aの処理と同じであり、ここでは説明を省略する。また、ステップS105では、制御部113bにて取得部113cへの電力供給を遮断し、ステップS4へ移行する。そして、ステップS4,4aの処理後、ステップS101へ移行する。
【0131】
(第3実施形態の変形例4)
本第3実施形態の変形例4では、制御部113bは、取得部113cからの移動体情報(ここでは位置情報及び/又は速度情報)に基づき通信部113aに電力を供給するか否かを判断する構成とされている。
【0132】
詳しくは、取得部113cは、電源スイッチSWの電源オフ状態及び電源オン状態に関わらず、制御部113bを介してバッテリーBTに接続されている。記憶部113mには、設定位置情報が予め記憶(設定)されている。設定位置情報は、ここでは、冷凍コンテナ110が位置すべき設定エリアとされており、冷凍コンテナ110が位置すべき範囲を示す緯度及び経度の情報とされている。また、記憶部113mには、設定速度の上限値及び/又は下限値(ここでは、設定速度範囲)が予め記憶(設定)されている。設定速度範囲は、ここでは、冷凍コンテナ110が運搬される貨物列車の速度範囲とされている。
【0133】
そして、制御部113bは、電源オフ状態のときに、取得部113cからの位置情報が記憶部113mに記憶されている設定エリア外にあるときに異常とみなして通信部113aに電力を供給する。また、制御部113bは、電源オフ状態のときに、取得部113cからの速度情報が記憶部113mに記憶されている設定速度範囲外にあるときに異常とみなして通信部113aに電力を供給する。
【0134】
(第3実施形態の変形例4の動作例)
次に、第3実施形態の変形例4の動作例について説明する。図6Fは、第3実施形態の変形例4の動作例を示すフローチャートである。
【0135】
図6Fに示すフローチャートは、図6Eに示すフローチャートにおいて、ステップS103〜S105及びステップS4を削除し、ステップS2bの条件判断(現在時刻がアラーム時刻でない場合:No)後にステップS106を設け、ステップS5に代えてステップS5aを設けたものである。
【0136】
すなわち、ステップS106では、取得部113cからの位置情報及び速度情報の少なくとも一方が異常か否かを判断し、位置情報及び速度情報の少なくとも一方が異常である場合には(ステップS106:Yes)、ステップS3bへ移行する。一方、位置情報及び速度情報の双方が正常である(範囲内にある)場合には(ステップS106:No)、ステップS2bへ移行する。
【0137】
ステップS5aでは、制御部113bにて切り替え部113dを作動制御して通信部113aへ電力を供給する。
【0138】
なお、第3実施形態及びその変形例1から変形例4のうちの少なくとも二つを組み合わせてもよい。
【0139】
[第4実施形態]
図7Aは、第4実施形態の遠隔監視端末装置113の詳細構成を示す詳細ブロック図である。
【0140】
図7Aに示す第4実施形態の遠隔監視端末装置113は、図6Aに示す第3実施形態において、リアルタイムクロック113r、制御部113b及び取得部113cを制御基板114上に設け、通信部113aを制御基板114から独立させたものである。それに伴い、信号接続ラインSN1を除去し、リアルタイムクロック113rの信号出力ラインと制御部113bの信号入力ラインとを制御基板114上で接続している。また、電源スイッチSWの「ON」端子と通信部113aの電源ラインとが電源接続ラインL10によって接続されている。
【0141】
リアルタイムクロック113rには、通信モジュールへの電力供給時刻が予め設定されている。制御部113bは、現在時刻が電力供給時刻になるとリアルタイムクロック113rからアラーム信号を受信し、切り替え部113dを通信部給電状態に切り替える。
【0142】
(第4実施形態の動作例)
次に、第4実施形態の動作例について説明する。図7Bは、第4実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【0143】
図7Bに示すフローチャートでは、先ず、検出部(計測部)113eで検出した電源接続ラインL1の電圧の状態に基づき制御部113bにて電源スイッチSWがオフ状態にあるか否かを判断し(ステップS201)、電源スイッチSWが電源オン状態にある場合には(ステップS201:No)、ステップS202に移行する。一方、電源スイッチSWが電源オフ状態にある場合には(ステップS201:Yes)、ステップS203に移行する。
【0144】
ステップS201で電源スイッチSWが電源オン状態にある場合(ステップS201:No)、制御部113bにて通信部113a及び取得部113cへ電力を供給し(ステップS202)、ステップS201へ移行する。
【0145】
また、ステップS201で電源スイッチSWが電源オフ状態にある場合(ステップS201:Yes)、通信部113a又は取得部113cへ電力が供給されているかを判断し(ステップS203)、通信部113a又は取得部113cへ電力が供給されている場合には(ステップS203:Yes)、制御部113bにて通信部113a及び取得部113cへの電力供給を遮断し(ステップS204)、ステップS201へ移行する。
【0146】
ステップS203で通信部113a又は取得部113cへ電力が供給されていないと判断した場合には(ステップS203:No)、リアルタイムクロック113rの現在時刻が電力供給時刻であるか否かを判断し(ステップS205)、現在時刻が電力供給時刻でない場合には(ステップS205:No)、ステップS201へ移行する。一方、現在時刻が電力供給時刻になると(ステップS205:Yes)、制御部113bにて通信部113aへ電力を供給する(ステップS206)。
【0147】
そして、記憶部113mに記憶されている移動体情報を遠隔監視装置121に通信部113aを介して送信して遠隔監視センター120に報告し(ステップS207)、ステップS204へ移行する。
【0148】
(第4実施形態の変形例1)
本第4実施形態の変形例1では、リアルタイムクロック113rのアラーム機能によりバッテリーBTからの電力を取得部113cにも供給する構成とされている。
【0149】
詳しくは、制御部113bは、検出部(計測部)113eの検出結果に基づき電源スイッチSWが電源オフ状態にあると判断した場合には、リアルタイムクロック113rからのアラーム信号により取得部給電状態に切り替える。
【0150】
(第4実施形態の変形例1の動作例)
次に、第4実施形態の変形例1の動作例について説明する。図7Cは、第4実施形態の変形例1の動作例を示すフローチャートである。
【0151】
図7Cに示すフローチャートは、図7Bに示すフローチャートにおいて、ステップS206,S207に代えてそれぞれステップS206a,S207aを設けたものである。
【0152】
すなわち、ステップS206aでは、制御部113bにて切り替え部113dを作動制御して通信部113aへ電力を供給し、さらに、制御部113bにて取得部113cへ電力を供給する。
【0153】
ステップS207aでは、取得部113cで取得した最新の移動体情報を遠隔監視装置121に通信部113aを介して送信して、遠隔監視センター120に報告する。なお、取得部113cで取得した最新の移動体情報は、記憶部113mに記憶される。
【0154】
(第4実施形態の変形例2)
本第4実施形態の変形例2では、制御部113bは、バッテリーBTの電圧レベル(電圧値)を監視して通信部113aに電力を供給するか否かを判断する構成とされている。
【0155】
詳しくは、制御部113bは、計測部(計測部)113eを有している。また、記憶部113mには、第1電圧レベル(電圧値)が予め記憶(設定)されている。
【0156】
そして、制御部113bは、電源オフ状態のときに、検出部(計測部)113eにて検出したバッテリーBTの電圧レベルが記憶部113mに記憶されている第1電圧レベル以下のときは、現在時刻がアラーム時刻であっても、通信部113aへの電力供給を行わない。
【0157】
(第4実施形態の変形例2の動作例)
次に、第4実施形態の変形例2の動作例について説明する。図7Dは、第4実施形態の変形例2の動作例を示すフローチャートである。
【0158】
図7Dに示すフローチャートは、図7Bに示すフローチャートにおいて、ステップS205とステップS206との間にステップS208を設けたものである。
【0159】
すなわち、ステップS208では、検出部(計測部)113eにて検出したバッテリーBTの電圧レベルが記憶部113mに記憶されている第1電圧レベル以下か否かを判断し、検出したバッテリーBTの電圧レベルが第1電圧レベル以下のときは(ステップS208:Yes)、ステップS204へ移行する。一方、検出したバッテリーBTの電圧レベルが第1電圧レベルを超えるときは(ステップS208:No)、ステップS206へ移行する。
【0160】
(第4実施形態の変形例3)
本第4実施形態の変形例3では、制御部113bは、バッテリーBTの電圧レベル(電圧値)を監視して取得部113cに電力を供給するか否かを判断する構成とされている。
【0161】
詳しくは、制御部113bは、検出部(計測部)113eを有している。また、記憶部113mには、第2電圧レベル(電圧値)が予め記憶(設定)されている。なお、第2電圧レベルは、ここでは第1電圧レベルよりも高い値とされている。
【0162】
そして、制御部113bは、電源オフ状態のときに、検出部(計測部)113eにて検出したバッテリーBTの電圧レベルが記憶部113mに記憶されている第2電圧レベル以下のときは、通信部113aへの電力供給を遮断する。
【0163】
(第4実施形態の変形例3の動作例)
次に、第4実施形態の変形例3の動作例について説明する。図7Eは、第4実施形態の変形例3の動作例を示すフローチャートである。
【0164】
図7Eに示すフローチャートは、図7Bに示すフローチャートにおいて、ステップS201の処理の前にステップS200を設け、ステップS203,S204に代えてそれぞれステップS203a,S204aを設け、ステップS206とステップS207との間にステップS209を設け、さらに,ステップS209の条件判断後の処理としてステップS210,S211,S207aを設けたものである。
【0165】
すなわち、ステップS200では、制御部113bによってリアルタイムクロック113r及び取得部113cへ電力を供給し、ステップS201へ移行する。
【0166】
ステップS203aでは、通信部113aへ電力が供給されているかを判断し、通信部113aへ電力が供給されている場合には(ステップS203a:Yes)、ステップS204aへ移行する。一方、通信部113aへ電力が供給されていないと判断した場合には(ステップS203a:No)、ステップS205へ移行する。ステップS204aでは、制御部113bにて通信部113aへの電力供給を遮断する。
【0167】
ステップS209では、検出部(計測部)113eにて検出したバッテリーBTの電圧レベルが記憶部113mに記憶されている第2電圧レベル以下か否かを判断し、検出したバッテリーBTの電圧レベルが第2電圧レベル以下のときは(ステップS209:Yes)、ステップS211へ移行する。一方、検出したバッテリーBTの電圧レベルが第2電圧レベルを超えるときは(ステップS209:No)、ステップS210へ移行する。
【0168】
ステップS210では、制御部113bにて取得部113cへ電力を供給し、ステップS207aへ移行する。なお、ステップS207aは、図7Cに示すステップS207aの処理と同じであり、ここでは説明を省略する。また、ステップS211では、制御部113bにて取得部113cへの電力供給を遮断し、ステップS207へ移行する。そして、ステップS207,207aの処理後、ステップS204aへ移行する。
【0169】
ステップS204aでは、制御部113bにて通信部113aへの電力供給を遮断する。
【0170】
(第4実施形態の変形例4)
本第4実施形態の変形例4では、制御部113bは、取得部113cからの移動体情報(ここでは位置情報及び/又は速度情報)に基づき通信部113aに電力を供給するか否かを判断する構成とされている。
【0171】
詳しくは、取得部113cは、電源スイッチSWの電源オフ状態及び電源オン状態に関わらず、バッテリーBTに接続されている。記憶部113mには、設定位置情報が予め記憶(設定)されている。設定位置情報は、ここでは、冷凍コンテナ110が位置すべき設定エリアとされており、冷凍コンテナ110が位置すべき範囲を示す緯度及び経度の情報とされている。また、記憶部113mには、設定速度の上限値及び/又は下限値(ここでは、設定速度範囲)が予め記憶(設定)されている。設定速度範囲は、ここでは、冷凍コンテナ110が運搬される貨物列車の速度範囲とされている。
【0172】
そして、制御部113bは、電源オフ状態のときに、取得部113cからの位置情報が記憶部113mに記憶されている設定エリア外にあるときに異常とみなして通信部113aに電力を供給する。また、制御部113bは、電源オフ状態のときに、取得部113cからの速度情報が記憶部113mに記憶されている設定速度範囲外にあるときに異常とみなして通信部113aに電力を供給する。
【0173】
(第4実施形態の変形例4の動作例)
次に、第4実施形態の変形例4の動作例について説明する。図7Fは、第4実施形態の変形例4の動作例を示すフローチャートである。
【0174】
図7Fに示すフローチャートは、図7Eに示すフローチャートにおいて、ステップS209〜S211及びステップS207を削除し、ステップS205の条件判断(現在時刻が電力供給時刻でない場合:No)後にステップS212を設けたものである。
【0175】
すなわち、ステップS212では、取得部113cからの位置情報及び速度情報の少なくとも一方が異常か否かを判断し、位置情報及び速度情報の少なくとも一方が異常である場合には(ステップS212:Yes)、ステップS206へ移行する。一方、位置情報及び速度情報の双方が正常である(範囲内にある)場合には(ステップS212:No)、ステップS201へ移行する。
【0176】
なお、第4実施形態及びその変形例1から変形例4のうち少なくとも二つを組み合わせてもよい。
【0177】
また、以上説明した第1及び第2実施形態と、第3実施形態及びその変形例1から変形例4と、第4実施形態及びその変形例1から変形例4とのうち少なくとも二つを組み合わせてもよい。
【0178】
[第5及び第6実施形態]
本第5及び第6実施形態では、制御部113bは、リアルタイムクロック113rのアラーム機能に関わらず、取得部113cからの移動体情報(ここでは位置情報及び/又は速度情報)に基づき通信部113aに電力を供給するか否かを判断する構成とされている。本第5及び第6実施形態は、図6A及び図7Aの構成にそれぞれ適用することができる。図6A及び図7Aの構成においてリアルタイムクロック113rは除去されていてもよい。
【0179】
(第5実施形態の動作例)
図8Aは、第5実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【0180】
図8Aに示すフローチャートは、図6Fに示すフローチャートにおいて、ステップS2bを削除したものである。
【0181】
すなわち、ステップS106では、取得部113cからの位置情報及び速度情報の少なくとも一方が異常か否かを判断し、位置情報及び速度情報の少なくとも一方が異常になるまで待機し(ステップS106:No)、位置情報及び速度情報の少なくとも一方が異常である場合には(ステップS106:Yes)、ステップS3bへ移行する。
【0182】
(第6実施形態の動作例)
図8Bは、第6実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【0183】
図8Bに示すフローチャートは、図7Fに示すフローチャートにおいて、ステップS205を削除したものである。
【0184】
すなわち、ステップS212では、取得部113cからの位置情報及び速度情報の少なくとも一方が異常か否かを判断し、位置情報及び速度情報の双方が正常である場合には(ステップS212:No)、ステップS201へ移行し、位置情報及び速度情報の少なくとも一方が異常である場合には(ステップS212:Yes)、ステップS206へ移行する。
【0185】
(第1実施形態から第6実施形態について)
以上説明した冷凍コンテナ110及び遠隔監視端末装置113によると、リアルタイムクロック113rが電源スイッチSWの電源オフ状態及び電源オン状態に関わらずバッテリーに接続されているので、電源オフ状態のときに、遠隔監視端末装置113の構成要素のうち少なくともリアルタイムクロック113rにバッテリーBTからの電力を供給することができ、従って、他の構成部材と比べて比較的消費電力の大きい通信部113aへの電力供給を必要最小限にすることができ、これにより、バッテリーBTの電力消費量を可及的に抑えることができる。しかも、リアルタイムクロック113rのアラーム機能によりバッテリーBTからの電力を通信部113aへ供給するので、通信部113aから遠隔監視装置121へ移動体情報を自発的に送信することができる。
【0186】
また、リアルタイムクロック113rのアラーム機能により予め設定されたアラーム時刻にバッテリーBTからの電力を通信部113aへ定期的に供給することで、アラーム時刻になると、通信部113から遠隔監視装置121へ移動体情報を定期的に送信することができ、これにより遠隔監視装置121で定期的にデータを収集することができる。
【0187】
また、図5A及び図5Bに示すように、リアルタイムクロック113rのアラーム機能によりバッテリーBTからの電力を取得部113cにも供給することで、該電力を取得部113cへ供給したときに、取得部113cにて最新の移動体情報を取得し、取得した最新の移動体情報を通信部113aから遠隔監視装置121へ送信することができる。
【0188】
また、図6A及び図7Aに示すように、制御部113bが電源スイッチSWの電源オフ状態及び電源オン状態に関わらずバッテリーBTに接続されていることで、電源オフ状態のときに、遠隔監視端末装置113の構成要素のうち少なくともリアルタイムクロック113r及び制御部113bにバッテリーBTからの電力を供給することができる。
【0189】
また、図6A及び図6B並びに図7A及び図7Bに示すように、制御部113bが通信部給電状態と通信部遮断状態とを選択的に切り替える構成とされていることで、制御部113bの指示によりバッテリーBTから通信部113aへの電力供給を制御することができる。
【0190】
また、第3から第6実施形態のように、制御部113bは、電源スイッチSWが電源オフ状態及び電源オン状態の何れにあるかを監視する構成とされていることで、制御部113bが電源オフ状態のときにバッテリーBTからの電力を通信部113aへ確実に供給することができる。
【0191】
また、制御部113bが電源オフ状態のときにリアルタイムクロック113rのアラーム機能により通信部給電状態に切り替えることで、バッテリーBTからの電力を通信部113aへ供給することができ、これにより電源オフ状態のときにリアルタイムクロック113rのアラーム機能に基づき制御部113bの指示により通信部113aから遠隔監視装置121へ移動体情報を自発的に送信することができる。
【0192】
また、図6A及び図6C並びに図7A及び図7Cに示すように、制御部113bが取得部給電状態と取得部遮断状態とを選択的に切り替える構成とされていることで、制御部113bの指示によりバッテリーBTから取得部113cへの電力供給を制御することができる。
【0193】
また、制御部113bが電源オフ状態のときにリアルタイムクロック113rのアラーム機能により取得部給電状態に切り替えることで、バッテリーBTからの電力を取得部113cへ供給することができ、これにより電源オフ状態のときにリアルタイムクロック113rのアラーム機能に基づき制御部113bの指示によりバッテリーBTからの電力を取得部113cへ供給したときに、取得部113cにて最新の移動体情報を取得し、取得した最新の移動体情報を通信部113aから遠隔監視装置121へ送信することができる。
【0194】
また、図6A及び図6D並びに図7A及び図7Dに示すように、制御部113bがバッテリーBTの電圧レベルを監視する構成とされていることで、バッテリーBTの電圧レベルに応じた通信部113aへの電力供給を制御することができる。
【0195】
また、制御部113bが電源オフ状態のときにバッテリーBTの電圧レベルと第1電圧レベルとに基づき通信部113aへの電力供給を制御することで、具体的には、バッテリーBTの電圧レベルが第1電圧レベル以下の場合に、通信部113aへの電力供給を停止させることで、バッテリーBTがバッテリー上がりになるまでに要する時間を可及的に延ばすことが可能となる。
【0196】
また、図6A及び図6E並びに図7A及び図7Eに示すように、制御部113bが電源オフ状態のときにバッテリーBTの電圧レベルが予め設定された第2電圧レベル以下のときに取得部遮断状態に切り替えることで、例えば、バッテリーBTの電圧レベルが第2電圧レベル以下のときに、リアルタイムクロック113rのアラーム機能により通信部113aから遠隔監視装置121へ移動体情報を送信するとき以外は、取得部113cへの電力供給を停止させることで、バッテリーBTの消費電力量を抑制することができる。
【0197】
また、図6A、図6F及び図8A並びに図7A、図7F及び図8Bに示すように、制御部113bが電源オフ状態のときに取得部113cからの位置情報と設定位置情報とに基づき通信部給電状態に切り替えることで、バッテリーBTからの電力を通信部113aへ供給することができ、これにより冷凍コンテナ110の異常な位置情報を遠隔監視装置121へ知らせることができる。これにより、遠隔監視装置121側で冷凍コンテナ110が本来位置すべきエリアにいないとみなし、例えば、冷凍コンテナ110の盗難検知に利用することが可能となる。
【0198】
また、図6A、図6F及び図8A並びに図7A、図7F及び図8Bに示すように、制御部113bが電源オフ状態のときに取得部113cからの速度情報と設定速度情報とに基づき通信部給電状態に切り替えることで、バッテリーBTからの電力を通信部113aへ供給することができ、これにより冷凍コンテナ110の異常な速度情報を遠隔監視装置121へ知らせることができる。これにより、遠隔監視装置121側で冷凍コンテナ110の搬送状態が本来の搬送状態でないとみなし、例えば、冷凍コンテナ110の盗難検知に利用することが可能となる。
【符号の説明】
【0199】
100 移動体遠隔監視システム
110 移動体
113 遠隔監視端末装置
113a 通信部113a
113b 制御部
113c 取得部
113d 切り替え部
113e 検出部(計測部)
113f 位置情報検出部
113g 速度情報検出部
113m 記憶部
113r リアルタイムクロック
120 遠隔監視センター
121 遠隔監視装置
130 通信網
BT バッテリー
SW 電源スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔監視装置との間で通信を行うことにより遠隔監視される移動体に備えられ、バッテリーとの間に接続された電源スイッチによって電源オフ状態及び電源オン状態が選択的に切り替えられる遠隔監視端末装置であって、
前記移動体に関する移動体情報を取得する取得部と、
前記取得部にて取得した前記移動体情報を前記遠隔監視装置に送信する通信部と、
前記電源スイッチの電源オフ状態及び電源オン状態に関わらず、前記バッテリーに接続されるリアルタイムクロックと
を備え、
前記リアルタイムクロックのアラーム機能により前記バッテリーからの電力を前記通信部へ供給することを特徴とする遠隔監視端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の遠隔監視端末装置であって、
前記リアルタイムクロックのアラーム機能により予め設定されたアラーム時刻に前記バッテリーからの電力を前記通信部へ定期的に供給することを特徴とする遠隔監視端末装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の遠隔監視端末装置であって、
前記リアルタイムクロックのアラーム機能により前記バッテリーからの電力を前記取得部にも供給することを特徴とする遠隔監視端末装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の遠隔監視端末装置であって、
前記電源スイッチの電源オフ状態及び電源オン状態に関わらず、前記バッテリーに接続される制御部を備え、
前記制御部は、前記バッテリーから前記通信部へ電力を供給する通信部給電状態と、前記バッテリーから前記通信部への電力供給を遮断する通信部遮断状態とを選択的に切り替える構成とされ、かつ、前記電源スイッチが電源オフ状態及び電源オン状態の何れにあるかを監視する構成とされており、前記電源オフ状態のときに、前記リアルタイムクロックのアラーム機能により前記通信部給電状態に切り替えることを特徴とする遠隔監視端末装置。
【請求項5】
請求項4に記載の遠隔監視端末装置であって、
前記制御部は、前記バッテリーから前記取得部へ電力を供給する取得部給電状態と、前記バッテリーから前記取得部への電力供給を遮断する取得部遮断状態とを選択的に切り替える構成とされており、前記電源オフ状態のときに、前記リアルタイムクロックのアラーム機能により前記取得部給電状態に切り替えることを特徴とする遠隔監視端末装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の遠隔監視端末装置であって、
前記制御部は、前記バッテリーの電圧レベルを監視する構成とされており、前記電源オフ状態のときに、前記バッテリーの電圧レベルと予め設定された第1電圧レベルとに基づき前記通信部への電力供給を制御することを特徴とする遠隔監視端末装置。
【請求項7】
請求項4から請求項6までの何れか一つに記載の遠隔監視端末装置であって、
前記制御部は、前記バッテリーの電圧レベルを監視する構成とされ、かつ、前記バッテリーから前記取得部へ電力を供給する取得部給電状態と、前記バッテリーから前記取得部への電力供給を遮断する取得部遮断状態とを選択的に切り替える構成とされており、前記電源オフ状態のときに、前記バッテリーの電圧レベルが予め設定された第2電圧レベル以下のとき或いは前記第2電圧レベルを下回ったときに前記取得部遮断状態に切り替えることを特徴とする遠隔監視端末装置。
【請求項8】
請求項4から請求項7までの何れか一つに記載の遠隔監視端末装置であって、
前記取得部は、前記移動体の位置情報を検出する位置情報検出部を含み、
前記位置情報検出部は、前記電源スイッチの電源オフ状態及び電源オン状態に関わらず、前記バッテリーに接続され、
前記制御部は、前記電源オフ状態のときに、前記位置情報検出部からの前記位置情報と予め設定された設定位置情報とに基づき前記通信部給電状態に切り替えることを特徴とする遠隔監視端末装置。
【請求項9】
請求項4から請求項8までの何れか一つに記載の遠隔監視端末装置であって、
前記取得部は、前記移動体の速度情報を検出する速度情報検出部を含み、
前記速度情報検出部は、前記電源スイッチの電源オフ状態及び電源オン状態に関わらず、前記バッテリーに接続され、
前記制御部は、前記電源オフ状態のときに、前記速度情報検出部からの前記速度情報と予め設定された設定速度情報とに基づき前記通信部給電状態に切り替えることを特徴とする遠隔監視端末装置。
【請求項10】
遠隔監視装置との間で通信を行うことにより遠隔監視される移動体であって、
請求項1から請求項9までの何れか一つに記載の遠隔監視端末装置と、
バッテリー及び前記遠隔監視端末装置の間に接続される電源スイッチと
を備えていることを特徴とする移動体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−176416(P2011−176416A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37229(P2010−37229)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】