遮光装置、入力装置、表示装置、および電子機器
【課題】遮光層が基体の主面から剥がれてしまう可能性を低減することができる遮光装置、入力装置、表示装置、および電子機器を提供する。
【解決手段】遮光装置は、第1主面2a、第1主面2aの反対側に位置する第2主面2b、および第1主面2aと第2主面2bとに隣接する端面2cを有した基体2と、基体2の第2主面2b上に設けられた遮光層6と、を備え、遮光層6は、基体2の端面2cにおける第2主面2b側の端部21cから離間して設けられている。
【解決手段】遮光装置は、第1主面2a、第1主面2aの反対側に位置する第2主面2b、および第1主面2aと第2主面2bとに隣接する端面2cを有した基体2と、基体2の第2主面2b上に設けられた遮光層6と、を備え、遮光層6は、基体2の端面2cにおける第2主面2b側の端部21cから離間して設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮光装置、入力装置、表示装置、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
入力装置としては、例えば、指と検出電極との間での静電容量の変化を捉えて入力位置を検出する静電容量方式のタッチパネルが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
【0003】
このような入力装置は、入力領域および非入力領域を有している。入力装置は、主面、および該主面に隣接する端面を有した基体を備えている。入力装置は、入力領域に対応する基体の主面上に設けられた検出電極と、非入力領域に対応する基体の主面上に設けられており、検出電極と電気的に接続された検出用配線と、非入力領域に対応する基体の主面上に設けられた遮光層と、を備えている。遮光層は、非入力領域を加飾するための役割を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−97283号公報
【特許文献2】特開2008−310551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の入力装置では、遮光層が、基体の端面における主面側の端部間際まで設けられていることから、当該端部間際に設けられた遮光層を起点として、遮光層が基体の主面から剥がれてしまう可能性があった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、遮光層が基体の主面から剥がれてしまう可能性を低減することができる遮光装置、入力装置、表示装置、および電子機器に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遮光装置における一態様は、主面、および該主面に隣接する端面を有した基体と、前記基体の前記主面上に設けられた遮光層と、を備え、前記遮光層は、前記基体の前記端面における前記主面側の端部から離間して設けられている。
【0008】
本発明の入力装置における一態様は、入力領域および非入力領域を有した入力装置であって、上記の遮光装置と、前記入力領域に対応して位置しており、前記遮光装置における前記基体の前記主面上に設けられた検出電極と、前記非入力領域に対応して位置しており、前記遮光装置における前記基体の前記主面上に設けられており、前記検出電極と電気的に接続された検出用配線と、を備え、前記遮光層は、前記非入力領域に対応して位置している。
【0009】
本発明の表示装置における一態様は、上記の入力装置と、前記入力装置に対向して配置された表示パネルと、前記表示パネルが収容された筐体と、を備える。
【0010】
本発明の電子機器における一態様は、上記の表示装置を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の遮光装置、入力装置、表示装置、および電子機器は、遮光層が基体の主面から剥がれてしまう可能性を低減することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態に係る入力装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】本実施形態に係る入力装置の概略構成を示す平面図であって、基体を透視した図である。
【図3】図2中に示した切断線I−Iに沿って切断した断面図である。
【図4】図2中に示した切断線II−IIに沿って切断した断面図である。
【図5】図2中に示した切断線III−IIIに沿って切断した断面図である。
【図6】本実施形態に係る表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図7】本実施形態に係る携帯端末の概略構成を示す斜視図である。
【図8】変形例1に係る入力装置の概略構成を示す平面図であって、基体を透視した図である。
【図9】図8中に示した切断線IV−IVに沿って切断した断面図である。
【図10】変形例2に係る入力装置の概略構成を示す平面図であって、基体を透視した図である。
【図11】図10中に示した切断線V−Vに沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材を簡略化して示したものである。したがって、本発明に係る遮光装置、入力装置、表示装置、および電子機器は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
【0015】
図1および図2に示すように、本実施形態に係る入力装置X1は、投影型の静電容量方式のタッチパネルである。なお、図2では、図1と異なり遮光層6を着色せずに表している。入力装置X1は、入力領域E1および非入力領域E2を有している。入力領域E1は、使用者が入力操作をすることができる領域である。非入力領域E2は、使用者が入力操作をすることができない領域である。本実施形態に係る非入力領域E2は、入力領域E1を取り囲むように当該入力領域E1の外側に位置しているが、これに限らない。例えば、入力領域E1内に非入力領域E2が位置していてもよい。
【0016】
なお、入力装置X1は、投影型の静電容量方式のタッチパネルに限らず、表面型の静電容量方式のタッチパネルであってもよい。また、入力装置X1として、例えば、抵抗膜方式のタッチパネル、表面弾性波方式のタッチパネル、赤外線方式のタッチパネル、あるいは電磁誘導方式のタッチパネルであってもよい。
【0017】
図1〜図5に示すように、入力装置X1は、基体2を備えている。
【0018】
基体2は、入力領域E1において第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、および第2接続電極4bを支持する役割を有するとともに、非入力領域E2において検出用配線8を支持する役割を有する。基体2は、第1主面2a、第1主面2aの反対側に位置する第2主面2b、および第1主面2aと第2主面2bとに隣接する端面2cを有している。本実施形態では、基体2の平面視形状が略矩形状であるため、本実施形態に係る基体2は、端面2cを4つ有している。なお、基体2の平面視形状は、本実施形態のように角部が丸みを帯びている略矩形状であってもよいし、角部が丸みを帯びていない矩
形状であってもよい。また、基体2の平面視形状は、例えば、円形状、多角形状であってもよい。
【0019】
基体2は、第1主面2aおよび第2主面2bに対して交差する方向に光を適切に透過することが可能な構成とされるとともに、絶縁性を有する構成とされている。基体2の構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチック等の透光性を有するものが挙げられるが、中でも視認性の観点においてガラスが好ましい。基体2の構成材料がガラスである場合、強度向上のため、イオン交換によって化学強化されたガラスを用いることが好ましい。なお、本明細書において透光性とは、可視光に対する透過性を有することを意味する。
【0020】
図2〜図4に示すように、入力領域E1に対応する基体2の第2主面2b上には、第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、第2接続電極4b、および絶縁体5が設けられている。
【0021】
第1検出電極3aは、入力領域E1に接近した使用者の指F1の、Y方向における入力位置の検出を行う役割を有するものであり、指F1との間に静電容量を発生する機能を有している。すなわち、第1検出電極3aは、基体2の第2主面2b上に、X方向に沿って所定の間隔を空けて設けられている。ここで、本実施形態に係る第1検出電極3aは、検出感度を向上する観点から、平面視形状が略ひし形とされているが、これには限られない。
【0022】
第1接続電極3bは、隣り合う第1検出電極3aを電気的に接続する役割を有する。第1接続電極3bは、基体2の第2主面2b上に設けられている。
【0023】
第2検出電極4aは、入力領域E1に接近した使用者の指F1の、X方向における入力位置の検出を行う役割を有するものであり、指F1との間に静電容量を発生する機能を有している。すなわち、第2検出電極4aは、基体2の第2主面2b上に、Y方向に沿って所定の間隔を空けて設けられている。ここで、本実施形態に係る第2検出電極4aは、検出感度を向上する観点から、平面視形状が略ひし形とされているが、これには限られない。
【0024】
第2接続電極4bは、隣り合う第2検出電極4aを電気的に接続する役割を有する。第2接続電極4bは、第1接続電極3bと電気的に絶縁するように、絶縁体5を跨ぐように、絶縁体5上に設けられている。ここで、絶縁体5は、第1接続電極3bを覆うように基体2の第2主面2b上に設けられている。絶縁体5の構成材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、二酸化珪素、あるいは窒化珪素が挙げられる。
【0025】
上述の第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、および第2接続電極4bの構成材料としては、例えば、透光性を有する導電性部材が挙げられる。透光性を有する導電性部材としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ATO(Antimony Tin Oxide)、AZO(Al-Doped Zinc Oxide)、酸化錫、酸化亜鉛、あるいは導電性高分子が挙げられる。
【0026】
また、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2b上には、遮光層6、絶縁層7、および検出用配線8が設けられている。
【0027】
遮光層6は、非入力領域E2を加飾する役割を有する。本実施形態では、遮光層6によって非入力領域E2を黒色に加飾しているが、黒色に限らず、黒色以外の色で加飾してもよい。また、本実施形態では、遮光層6は、入力領域E1を取り囲むように枠状に設けら
れている。遮光層6が枠状に設けられているので、入力装置X1のデザイン性を向上させることができる。遮光層6の構成材料としては、樹脂材料に着色材料を含んだものが挙げられる。樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、あるいはシリコーン系樹脂が挙げられる。着色材料としては、例えば、カーボン、チタン、あるいはクロムが挙げられる。遮光層6の形成方法としては、例えば、スクリーン印刷法、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、あるいは蒸着法が挙げられる。
【0028】
ここで、基体2および遮光層6が、本発明に係る遮光装置の一実施形態となる。
【0029】
絶縁層7は、遮光層6と検出用配線8とを絶縁させる役割を有する。また、絶縁層7は、遮光層6を保護する役割も有する。遮光層6を保護する役割としては、例えば、遮光層6を水分の吸湿による腐食から保護する役割、あるいは、遮光層6の材質が変質してしまう可能性を低減する役割が挙げられる。絶縁層7は、遮光層6上に位置している。本実施形態では、絶縁層7は、遮光層6を被覆している。絶縁層7の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂、ウレタン系樹脂、あるいは、ケイ素を含む無機化合物が挙げられる。絶縁層7の形成方法としては、例えば、転写印刷法、スピンコート法、あるいはスリットコート法が挙げられる。
【0030】
検出用配線8は、第1検出電極3aおよび第2検出電極4aと指F1との間において発生した静電容量の変化を検出する役割を有する。検出用配線8は、その一端部が第1検出電極3aおよび第2検出電極4aと電気的に接続され、その他端部が外部導通領域G1に位置している。外部導通領域G1は、例えば、フレキシブル基板等の外部基板と電気的に接続される領域である。
【0031】
本実施形態では、検出用配線8は、複数設けられており、複数の検出用配線8は、絶縁層7を介して遮光層6上に設けられている。すなわち、検出用配線8は、平面視して遮光層6と重なるように、絶縁層7上に設けられている。このため、遮光層6によって、検出用配線8が使用者に視認されてしまう可能性を低減することができる。また、検出用配線8が絶縁層7を介して遮光層6上に設けられていることから、遮光層6が設けられた基体2の第2主面2bの領域以外の領域に検出用配線8が設けられた場合と比べて、入力装置X1を横方向(X方向およびY方向)に小型化することができる。
【0032】
検出用配線8は、例えば、硬質で高い形状安定性を得るべく、金属薄膜で構成されている。この金属薄膜としては、例えば、アルミニウム膜、アルミニウム合金膜、クロム膜とアルミニウム膜との積層膜、クロム膜とアルミニウム合金膜との積層膜、銀膜、銀合金膜、あるいは金合金膜が挙げられる。なお、金属薄膜を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、蒸着法、あるいは化学気相成長法が挙げられる。
【0033】
なお、上記では、検出用配線8は、絶縁層7を介して遮光層6上に設けられている例について説明したが、これに限らない。すなわち、検出用配線8は、絶縁層7を設けることなく、遮光層6上に直接設けられていてもよい。この場合、入力装置X1の製造工程において、絶縁層7を設ける工程を省略することができるため、好ましい。但し、遮光層6の構成材料として例えばカーボンを含んでいる場合、隣り合う検出用配線8間で微量ながらも導通してしまう可能性がある。隣り合う検出用配線8間で微量ながらも導通してしまうと、入力装置X1の検出感度が低下する。また、検出用配線8の遮光層6に対する接着力が弱いため、検出用配線8が遮光層6から剥がれてしまう可能性がある。さらに、遮光層6には検出用配線8を腐食させるための成分が含まれていることがあるため、当該成分によって検出用配線8が腐食する可能性がある。このようなことから、本実施形態のように、検出用配線8は、絶縁層7を介して遮光層6上に設けられていることが好ましい。
【0034】
また、入力領域E1および非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2b上には、第1保護層9が設けられている。
【0035】
第1保護層9は、第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、第2接続電極4b、絶縁体5、および検出用配線8を保護する役割を有する。第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、第2接続電極4b、絶縁体5、および検出用配線8を保護する役割としては、例えば、これらの部材3a,3b,4a,4b,5,8を水分の吸湿による腐食から保護する役割、あるいは、これらの部材3a,3b,4a,4b,5,8が変質してしまう可能性を低減する役割が挙げられる。
【0036】
第1保護層9は、第1基部9aおよび第1接着層9bを有している。第1基部9aは、第1接着層9bを介して、入力領域E1および非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2b上に設けられている。具体的には、入力領域E1において、第1基部9aは、第1接着層9bを介して、第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、第2接続電極4b、および絶縁体5を被覆している。また、非入力領域E2において、第1基部9aは、第1接着層9bを介して、検出用配線8を被覆している。なお、第1保護層9には、外部導通領域G1に対応して開口部が設けられている。第1基部9aの構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチックが挙げられる。また、第1接着層9bの構成材料としては、例えば、アクリル系粘着材、シリコーン系粘着材、ゴム系粘着材、あるいはウレタン系粘着材が挙げられる。
【0037】
ここで、遮光層6は、基体2の端面2cにおける第2主面2b側の端部21cから離間して設けられている。遮光層6が基体2の端面2cの端部21cから離間して設けられているので、遮光層6が基体2の第2主面2bから剥がれてしまう可能性を低減することができる。
【0038】
仮に、遮光層が、基体の端面の端部間際まで設けられている場合、当該端部間際に設けられた遮光層を起点として、遮光層が基体の第2主面から剥がれてしまう可能性があった。具体的には、使用者によって基体が繰り返し押圧されると、基体の端面の端部間際まで設けられた遮光層に応力が加わることにより、当該端部間際に設けられた遮光層を起点として、遮光層が基体の第2主面から剥がれてしまう可能性があった。また、例えば、入力装置の製造工程において、基体の端面を物理的あるいは化学的に研磨した際、当該研磨とともに遮光層が基体の第2主面から剥がれてしまう可能性があった。
【0039】
これに対して、入力装置X1では、遮光層6が基体2の端面2cの端部21cから離間して設けられているので、上記にて説明した問題が生じる可能性を低減することができる。このため、入力装置X1では、遮光層6が基体2の第2主面2bから剥がれてしまう可能性を低減することができる。
【0040】
また、仮に、遮光層が、基体の端面の端部間際まで設けられている場合、液晶パネルに入力装置を取り付ける場合等の表示装置の組み立て工程において、基体の端面に表示装置を構成する筐体等が接触する可能性がある。基体の端面と筐体とが接触すると、基体の端面の端部間際に設けられた遮光層と筐体との間で静電気が発生し、発生した静電気が遮光層に浸入し、検出用配線が静電気による影響を受ける可能性がある。検出用配線が静電気による影響を受けると、入力装置の検出感度が低下する可能性がある。
【0041】
これに対して、入力装置X1では、遮光層6が基体2の端面2cの端部21cから離間して設けられているので、例えば、表示装置Y1(図6参照)の組み立て工程において、基体2の端面2cに筐体104等が接触しても、遮光層6と筐体104等とが接触する可能性を低減することができることから、遮光層6と筐体104等との間で静電気が発生す
る可能性を低減することができる。このため、遮光層6に静電気が浸入する可能性を低減することができる。そのため、入力装置X1の検出感度が低下する可能性を低減することができる。
【0042】
本実施形態では、基体2は、端面2cを4つ有していることから、枠状に設けられた遮光層6は、基体2の4つの端面2cの端部21cから離間して設けられている。遮光層6が基体2の4つの端面2cの端部21cから離間して設けられているので、例えば、入力装置X1の製造工程において、基体2の4つの端面21cを物理的あるいは化学的に研磨した場合であっても、遮光層6が基体2の第2主面2bから剥がれてしまう可能性を低減することができる。また、本実施形態では、遮光層6は、基体2の端面2cの端部21cに沿って設けられている。遮光層6が基体2の端面2cの端部21cに沿って設けられているので、入力装置X1のデザイン性を向上させることができる。
【0043】
なお、遮光層6は、基体2の端面2cの端部21cから0.1〜0.5mm離間して設けられていることが好ましい。すなわち、図5に示すL1が、0.1〜0.5mmの範囲内であることが好ましい。L1が0.1mmより小さいと、遮光層6が基体2の第2主面2bから剥がれてしまう可能性がある。また、L1が0.5mmより大きいと、使用者が視認できる程度に基体2の端面2cから遮光層6がずれて配置されることになるので、入力装置X1のデザイン性が低下する。このため、遮光層6は、基体2の端面2cの端部21cから0.1〜0.5mm離間して設けられていることが好ましい。
【0044】
また、入力装置X1では、遮光層6が基体2の第2主面2b上に設けられているので、遮光層が基体の第1主面上に設けられている場合と比べて、入力装置X1の製造工程を簡略化することができる。すなわち、遮光層が基体の第1主面上に設けられている場合、入力装置の製造工程において、基体の第2主面上に、第1検出電極、第1接続電極、第2検出電極、第2接続電極、および絶縁体を形成した後に、基体を反対側に向けて、基体の第1主面上に、遮光層を形成する必要がある。つまり、遮光層が基体の第1主面上に設けられている場合、基体を反対側に向ける工程が必要となる。
【0045】
これに対して、入力装置X1では、遮光層6は、基体2の第2主面2b上に設けられている。このため、基体2を反対側に向けることなく、基体2の第2主面2b上に、第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、第2接続電極4b、および絶縁体5を形成するとともに、遮光層6も形成することができる。このため、入力装置X1では、製造工程を簡略化することができる。
【0046】
また、図5に示すように、絶縁層7の基体2の第2主面2bからの高さをHとするとき、複数の検出用配線8のうち最も入力領域E1側に位置する検出用配線8aは、入力領域E1側に位置する遮光層6の端部6aからH以上離間して設けられていることが好ましい。本実施形態では、検出用配線8aは、絶縁層7上において、遮光層6の端部6aから所定距離L2(但しL2はHよりも大きい)離間して設けられている。このようにすると、入力領域E1を視認した使用者から検出用配線8aが視認されてしまう可能性を低減することができる。
【0047】
なお、遮光層6の厚みは、1〜3μmであることが好ましい。また、絶縁膜7の厚みは、1〜3μmであることが好ましい。また、検出用配線8の厚みは、0.1〜0.3μmであることが好ましい。
【0048】
また、入力領域E1および非入力領域E2に対応する基体2の第1主面2a上には、第2保護層10が設けられている。
【0049】
第2保護層10は、使用者の指F1の接触によって基体2の第1主面2aを傷付けないように保護する役割を有する。第2保護層10は、第2基部10aおよび第2接着層10bを有している。第2基部10aは、第2接着層10bを介して、入力領域E1および非入力領域E2に対応する基体2の第1主面2a上に設けられている。第2基部10aの構成材料としては、第1基部9aと同様のものが挙げられる。第2接着層10bの構成材料としては、第1接着層10aと同様のものが挙げられる。
【0050】
次に、入力装置X1の検出原理について説明する。
【0051】
図示しない位置検出ドライバは、外部導通領域G1に位置する検出用配線8と電気的に接続されている。なお、位置検出ドライバは、電源部を備えている。位置検出ドライバの電源部は、第1検出電極3aおよび第2検出電極4aに電圧を供給している。ここで、入力領域E1に対応する基体2の第1主面2aに、第2保護層10を介して導電体である指F1が接近すると、指F1と第1検出電極3aおよび第2検出電極4aとの間において静電容量が発生する。位置検出ドライバは、第1検出電極3aおよび第2検出電極4aにおいて発生する静電容量を常時検出している。位置検出ドライバは、所定値以上の静電容量を検出した第1検出電極3aおよび第2検出電極4aの組合せによって、使用者が入力操作を行った入力位置を検出する。このようにして、入力装置X1は、入力位置を検出することができる。
【0052】
以上のように、入力装置X1では、遮光層6が基体2の第2主面2bから剥がれてしまう可能性を低減することができる。
【0053】
次に、入力装置X1を備えた表示装置Y1について、図6を参照しながら説明する。
【0054】
図6に示すように、本実施形態に係る表示装置Y1は、入力装置X1、液晶パネル101、バックライト102、回路基板103、および第1筐体104を備えている。
【0055】
液晶パネル101は、表示のために液晶組成物を利用した表示パネルである。液晶パネル101は、空間S1を介して入力装置X1に対向して配置される。なお、液晶パネル101の代わりに、プラズマパネル、有機ELパネル、電子ペーパ等の表示パネルを用いてもよい。ここで、有機ELパネルは、電圧を印加すると発光する物質を利用した表示パネルである。具体的には、有機ELパネルは、ジアミン類等の有機物を用いた発光体を基板に蒸着し、5〜10Vの直流電圧を印加することで表示が行われる。なお、液晶パネル101の代わりに有機ELパネルを用いた場合には、バックライト102は不要となる。
【0056】
バックライト102は、光源102aおよび導光板102bを備えている。光源102aは、導光板102bに向けて光を出射する役割を有する。光源102は、例えば、LED(Light Emitting Diode)から構成される。なお、LEDの代わりに、冷陰極蛍光ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、EL(Electro-Luminescence)であってもよい。導光板102bは、液晶パネル101の下面全体にわたって、光源102aからの光を略均一に導くための役割を有する。
【0057】
回路基板103は、IC(Integrated Circuit)、抵抗器、コンデンサ等の部品を表面に実装し、その部品間を配線で接続することで電子回路を構成する板状またはフィルム状の基板である。回路基板103は、バックライト102の背面側に配置されている。また、回路基板103にはコネクタが設けられている。このコネクタには、外部導通領域G1に接続されたフレキシブル基板が挿入される。
【0058】
第1筐体104は、液晶パネル101、バックライト102、および回路基板103を
収容する役割を有する。第1筐体104の構成材料としては、例えば、ポリカーボネート等の樹脂、あるいは、ステンレス、アルミニウム等の金属が挙げられる。
【0059】
また、第1筐体104は、支持部材104aを含む。支持部材104aは、入力装置X1を支持する役割を有する。具体的には、支持部材104aは、入力領域E1を取り囲むように非入力領域E2を支持する。入力装置X1と支持部材104aとは、両面テープ等の接着部材によって接着される。
【0060】
このように、入力装置X1は、液晶パネル101を透視しながら入力領域E1を入力操作することによって、各種の情報を入力することができる。なお、各種の情報を入力する際に、情報を入力した使用者に対して、押圧感、なぞり感、肌触り感等の様々な触感を呈示する機能を入力装置X1に付与してもよい。この場合、入力装置X1における基体2に、1または複数の圧電素子を備え、所定の入力操作あるいは所定の押圧荷重を検知した場合に、当該圧電素子を所定の周波数で振動させることで実現することができる。
【0061】
表示装置Y1は、入力装置X1を備えているので、遮光層6が基体2の第2主面2bから剥がれてしまう可能性を低減することができる。
【0062】
次に、表示装置Y1を備えた携帯端末P1について、図7を参照しながら説明する。
【0063】
図7に示すように、本実施形態に係る携帯端末P1は、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器である。携帯端末P1は、表示装置Y1、音声入力部201、音声出力部202、キー入力部203、および第2筐体204を備えている。
【0064】
音声入力部201は、例えば、マイク等により構成されており、使用者の音声等が入力される。音声出力部202は、スピーカ等により構成されており、相手方からの音声等が出力される。キー入力部203は、例えば、機械的なキーにより構成される。なお、キー入力部203は、表示画面に表示された操作キーであってもよい。第2筐体204は、表示装置Y1、音声入力部201、音声出力部202、およびキー入力部203を収容する役割を有する。
【0065】
他にも、携帯端末P1は、必要な機能に応じて、デジタルカメラ機能部、ワンセグ放送用チューナ、赤外線通信機能部等の近距離無線通信部、および各種インタフェース等を備える場合もあるが、これらの詳細についての図示および説明は省略する。
【0066】
携帯端末P1は、表示装置Y1を備えているので、遮光層6が基体2の第2主面2bから剥がれてしまう可能性を低減することができる。
【0067】
なお、上記では、携帯端末P1に音声入力部201を備えている例について説明したが、これに限らない。すなわち、携帯端末P1には音声入力部201は備えられていなくともよい。
【0068】
また、上記では、携帯端末P1は、表示装置Y1、音声入力部201、音声出力部202、およびキー入力部203を収容する第2筐体204を備えている例について説明したが、これに限らない。第2筐体204を別個独立に設けることなく、表示装置Y1における第1筐体104が携帯端末P1の筐体となる態様であってもよい。
【0069】
さらに、表示装置Y1は、携帯端末P1の代わりに、産業用のプログラマブル表示器、車載用の表示器、電子手帳、パーソナルコンピュータ、複写機、ゲーム用の端末装置、テ
レビ、デジタルカメラ等の様々な電子機器に備えられていてもよい。
【0070】
なお、上述した実施形態は、本発明の実施形態の一具体例を示すものであり、種々の変形が可能である。以下、いくつかの主な変形例を示す。
【0071】
[変形例1]
図8は、変形例1に係る入力装置X2の概略構成を示す平面図である。図9は、図8中に示した切断線IV−IVに沿って切断した断面図である。図8および図9において、図2および図5と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0072】
図8および図9に示すように、入力装置X2では、上述の実施形態で説明した基体2の代わりに、基体20を備えている。基体20は、第1主面20a、第1主面20aの反対側に位置する第2主面20b、および第1主面20aと第2主面20bとに隣接する端面20cを有している。入力装置X2では、基体20の端面20cの端部201cの外表面は、曲面をなしている。端面20cの端部201cの外表面が曲面をなしているので、当該端部201cに欠けあるいはクラックが生じる可能性を低減することができる。
【0073】
以上のように、入力装置X2は、遮光層6が基体20の第2主面20bから剥がれてしまう可能性を低減することができるとともに、基体20の内部にクラックが進展する可能性を低減することができる。
【0074】
[変形例2]
図10は、変形例2に係る入力装置X3の概略構成を示す平面図である。図11は、図10中に示した切断線V−Vに沿って切断した断面図である。図10および図11において、図2および図5と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0075】
図10および図11に示すように、入力装置X3では、上述の実施形態で説明した遮光層6の代わりに、遮光層60を備えている。遮光層60は、導電性を有しており、基準電位に設定されている。このため、入力装置X3の外部で発生したノイズを、遮光層60によって遮蔽することができる。遮光層60によって外部で発生したノイズを遮蔽することができるので、第1検出電極3aおよび第2検出電極4aに対する外部からのノイズの影響を低減させることができる。このため、入力装置X3の検出精度または検出感度が低下する可能性を低減することができる。
【0076】
なお、外部で発生したノイズを遮光層60によって効果的に遮蔽するためには、遮光層60は、グランド電位に設定されていることが好ましい。
【0077】
以上のように、入力装置X3は、遮光層60が基体2の第2主面2bから剥がれてしまう可能性を低減することができるとともに、検出精度または検出感度が低下する可能性を低減することができる。
【0078】
[変形例3]
また、上記では、入力装置X1を備えた表示装置Y1の例について説明したが、入力装置X1に代えて、入力装置X2または入力装置X3を採用してもよい。また、入力装置X2または入力装置X3を採用した表示装置を備えた携帯端末を採用してもよい。さらに、上述した実施形態および上述した変形例は適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0079】
X1〜X3 入力装置
Y1 表示装置
P1 携帯端末(電子機器)
2,20 基体
3a 第1検出電極(検出電極)
4a 第2検出電極(検出電極)
6,60 遮光層
7 絶縁層
8 検出用配線
101 液晶パネル(表示パネル)
104 第1筐体(筐体)
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮光装置、入力装置、表示装置、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
入力装置としては、例えば、指と検出電極との間での静電容量の変化を捉えて入力位置を検出する静電容量方式のタッチパネルが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
【0003】
このような入力装置は、入力領域および非入力領域を有している。入力装置は、主面、および該主面に隣接する端面を有した基体を備えている。入力装置は、入力領域に対応する基体の主面上に設けられた検出電極と、非入力領域に対応する基体の主面上に設けられており、検出電極と電気的に接続された検出用配線と、非入力領域に対応する基体の主面上に設けられた遮光層と、を備えている。遮光層は、非入力領域を加飾するための役割を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−97283号公報
【特許文献2】特開2008−310551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の入力装置では、遮光層が、基体の端面における主面側の端部間際まで設けられていることから、当該端部間際に設けられた遮光層を起点として、遮光層が基体の主面から剥がれてしまう可能性があった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、遮光層が基体の主面から剥がれてしまう可能性を低減することができる遮光装置、入力装置、表示装置、および電子機器に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遮光装置における一態様は、主面、および該主面に隣接する端面を有した基体と、前記基体の前記主面上に設けられた遮光層と、を備え、前記遮光層は、前記基体の前記端面における前記主面側の端部から離間して設けられている。
【0008】
本発明の入力装置における一態様は、入力領域および非入力領域を有した入力装置であって、上記の遮光装置と、前記入力領域に対応して位置しており、前記遮光装置における前記基体の前記主面上に設けられた検出電極と、前記非入力領域に対応して位置しており、前記遮光装置における前記基体の前記主面上に設けられており、前記検出電極と電気的に接続された検出用配線と、を備え、前記遮光層は、前記非入力領域に対応して位置している。
【0009】
本発明の表示装置における一態様は、上記の入力装置と、前記入力装置に対向して配置された表示パネルと、前記表示パネルが収容された筐体と、を備える。
【0010】
本発明の電子機器における一態様は、上記の表示装置を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の遮光装置、入力装置、表示装置、および電子機器は、遮光層が基体の主面から剥がれてしまう可能性を低減することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態に係る入力装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】本実施形態に係る入力装置の概略構成を示す平面図であって、基体を透視した図である。
【図3】図2中に示した切断線I−Iに沿って切断した断面図である。
【図4】図2中に示した切断線II−IIに沿って切断した断面図である。
【図5】図2中に示した切断線III−IIIに沿って切断した断面図である。
【図6】本実施形態に係る表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図7】本実施形態に係る携帯端末の概略構成を示す斜視図である。
【図8】変形例1に係る入力装置の概略構成を示す平面図であって、基体を透視した図である。
【図9】図8中に示した切断線IV−IVに沿って切断した断面図である。
【図10】変形例2に係る入力装置の概略構成を示す平面図であって、基体を透視した図である。
【図11】図10中に示した切断線V−Vに沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材を簡略化して示したものである。したがって、本発明に係る遮光装置、入力装置、表示装置、および電子機器は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
【0015】
図1および図2に示すように、本実施形態に係る入力装置X1は、投影型の静電容量方式のタッチパネルである。なお、図2では、図1と異なり遮光層6を着色せずに表している。入力装置X1は、入力領域E1および非入力領域E2を有している。入力領域E1は、使用者が入力操作をすることができる領域である。非入力領域E2は、使用者が入力操作をすることができない領域である。本実施形態に係る非入力領域E2は、入力領域E1を取り囲むように当該入力領域E1の外側に位置しているが、これに限らない。例えば、入力領域E1内に非入力領域E2が位置していてもよい。
【0016】
なお、入力装置X1は、投影型の静電容量方式のタッチパネルに限らず、表面型の静電容量方式のタッチパネルであってもよい。また、入力装置X1として、例えば、抵抗膜方式のタッチパネル、表面弾性波方式のタッチパネル、赤外線方式のタッチパネル、あるいは電磁誘導方式のタッチパネルであってもよい。
【0017】
図1〜図5に示すように、入力装置X1は、基体2を備えている。
【0018】
基体2は、入力領域E1において第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、および第2接続電極4bを支持する役割を有するとともに、非入力領域E2において検出用配線8を支持する役割を有する。基体2は、第1主面2a、第1主面2aの反対側に位置する第2主面2b、および第1主面2aと第2主面2bとに隣接する端面2cを有している。本実施形態では、基体2の平面視形状が略矩形状であるため、本実施形態に係る基体2は、端面2cを4つ有している。なお、基体2の平面視形状は、本実施形態のように角部が丸みを帯びている略矩形状であってもよいし、角部が丸みを帯びていない矩
形状であってもよい。また、基体2の平面視形状は、例えば、円形状、多角形状であってもよい。
【0019】
基体2は、第1主面2aおよび第2主面2bに対して交差する方向に光を適切に透過することが可能な構成とされるとともに、絶縁性を有する構成とされている。基体2の構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチック等の透光性を有するものが挙げられるが、中でも視認性の観点においてガラスが好ましい。基体2の構成材料がガラスである場合、強度向上のため、イオン交換によって化学強化されたガラスを用いることが好ましい。なお、本明細書において透光性とは、可視光に対する透過性を有することを意味する。
【0020】
図2〜図4に示すように、入力領域E1に対応する基体2の第2主面2b上には、第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、第2接続電極4b、および絶縁体5が設けられている。
【0021】
第1検出電極3aは、入力領域E1に接近した使用者の指F1の、Y方向における入力位置の検出を行う役割を有するものであり、指F1との間に静電容量を発生する機能を有している。すなわち、第1検出電極3aは、基体2の第2主面2b上に、X方向に沿って所定の間隔を空けて設けられている。ここで、本実施形態に係る第1検出電極3aは、検出感度を向上する観点から、平面視形状が略ひし形とされているが、これには限られない。
【0022】
第1接続電極3bは、隣り合う第1検出電極3aを電気的に接続する役割を有する。第1接続電極3bは、基体2の第2主面2b上に設けられている。
【0023】
第2検出電極4aは、入力領域E1に接近した使用者の指F1の、X方向における入力位置の検出を行う役割を有するものであり、指F1との間に静電容量を発生する機能を有している。すなわち、第2検出電極4aは、基体2の第2主面2b上に、Y方向に沿って所定の間隔を空けて設けられている。ここで、本実施形態に係る第2検出電極4aは、検出感度を向上する観点から、平面視形状が略ひし形とされているが、これには限られない。
【0024】
第2接続電極4bは、隣り合う第2検出電極4aを電気的に接続する役割を有する。第2接続電極4bは、第1接続電極3bと電気的に絶縁するように、絶縁体5を跨ぐように、絶縁体5上に設けられている。ここで、絶縁体5は、第1接続電極3bを覆うように基体2の第2主面2b上に設けられている。絶縁体5の構成材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、二酸化珪素、あるいは窒化珪素が挙げられる。
【0025】
上述の第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、および第2接続電極4bの構成材料としては、例えば、透光性を有する導電性部材が挙げられる。透光性を有する導電性部材としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ATO(Antimony Tin Oxide)、AZO(Al-Doped Zinc Oxide)、酸化錫、酸化亜鉛、あるいは導電性高分子が挙げられる。
【0026】
また、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2b上には、遮光層6、絶縁層7、および検出用配線8が設けられている。
【0027】
遮光層6は、非入力領域E2を加飾する役割を有する。本実施形態では、遮光層6によって非入力領域E2を黒色に加飾しているが、黒色に限らず、黒色以外の色で加飾してもよい。また、本実施形態では、遮光層6は、入力領域E1を取り囲むように枠状に設けら
れている。遮光層6が枠状に設けられているので、入力装置X1のデザイン性を向上させることができる。遮光層6の構成材料としては、樹脂材料に着色材料を含んだものが挙げられる。樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、あるいはシリコーン系樹脂が挙げられる。着色材料としては、例えば、カーボン、チタン、あるいはクロムが挙げられる。遮光層6の形成方法としては、例えば、スクリーン印刷法、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、あるいは蒸着法が挙げられる。
【0028】
ここで、基体2および遮光層6が、本発明に係る遮光装置の一実施形態となる。
【0029】
絶縁層7は、遮光層6と検出用配線8とを絶縁させる役割を有する。また、絶縁層7は、遮光層6を保護する役割も有する。遮光層6を保護する役割としては、例えば、遮光層6を水分の吸湿による腐食から保護する役割、あるいは、遮光層6の材質が変質してしまう可能性を低減する役割が挙げられる。絶縁層7は、遮光層6上に位置している。本実施形態では、絶縁層7は、遮光層6を被覆している。絶縁層7の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂、ウレタン系樹脂、あるいは、ケイ素を含む無機化合物が挙げられる。絶縁層7の形成方法としては、例えば、転写印刷法、スピンコート法、あるいはスリットコート法が挙げられる。
【0030】
検出用配線8は、第1検出電極3aおよび第2検出電極4aと指F1との間において発生した静電容量の変化を検出する役割を有する。検出用配線8は、その一端部が第1検出電極3aおよび第2検出電極4aと電気的に接続され、その他端部が外部導通領域G1に位置している。外部導通領域G1は、例えば、フレキシブル基板等の外部基板と電気的に接続される領域である。
【0031】
本実施形態では、検出用配線8は、複数設けられており、複数の検出用配線8は、絶縁層7を介して遮光層6上に設けられている。すなわち、検出用配線8は、平面視して遮光層6と重なるように、絶縁層7上に設けられている。このため、遮光層6によって、検出用配線8が使用者に視認されてしまう可能性を低減することができる。また、検出用配線8が絶縁層7を介して遮光層6上に設けられていることから、遮光層6が設けられた基体2の第2主面2bの領域以外の領域に検出用配線8が設けられた場合と比べて、入力装置X1を横方向(X方向およびY方向)に小型化することができる。
【0032】
検出用配線8は、例えば、硬質で高い形状安定性を得るべく、金属薄膜で構成されている。この金属薄膜としては、例えば、アルミニウム膜、アルミニウム合金膜、クロム膜とアルミニウム膜との積層膜、クロム膜とアルミニウム合金膜との積層膜、銀膜、銀合金膜、あるいは金合金膜が挙げられる。なお、金属薄膜を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、蒸着法、あるいは化学気相成長法が挙げられる。
【0033】
なお、上記では、検出用配線8は、絶縁層7を介して遮光層6上に設けられている例について説明したが、これに限らない。すなわち、検出用配線8は、絶縁層7を設けることなく、遮光層6上に直接設けられていてもよい。この場合、入力装置X1の製造工程において、絶縁層7を設ける工程を省略することができるため、好ましい。但し、遮光層6の構成材料として例えばカーボンを含んでいる場合、隣り合う検出用配線8間で微量ながらも導通してしまう可能性がある。隣り合う検出用配線8間で微量ながらも導通してしまうと、入力装置X1の検出感度が低下する。また、検出用配線8の遮光層6に対する接着力が弱いため、検出用配線8が遮光層6から剥がれてしまう可能性がある。さらに、遮光層6には検出用配線8を腐食させるための成分が含まれていることがあるため、当該成分によって検出用配線8が腐食する可能性がある。このようなことから、本実施形態のように、検出用配線8は、絶縁層7を介して遮光層6上に設けられていることが好ましい。
【0034】
また、入力領域E1および非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2b上には、第1保護層9が設けられている。
【0035】
第1保護層9は、第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、第2接続電極4b、絶縁体5、および検出用配線8を保護する役割を有する。第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、第2接続電極4b、絶縁体5、および検出用配線8を保護する役割としては、例えば、これらの部材3a,3b,4a,4b,5,8を水分の吸湿による腐食から保護する役割、あるいは、これらの部材3a,3b,4a,4b,5,8が変質してしまう可能性を低減する役割が挙げられる。
【0036】
第1保護層9は、第1基部9aおよび第1接着層9bを有している。第1基部9aは、第1接着層9bを介して、入力領域E1および非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2b上に設けられている。具体的には、入力領域E1において、第1基部9aは、第1接着層9bを介して、第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、第2接続電極4b、および絶縁体5を被覆している。また、非入力領域E2において、第1基部9aは、第1接着層9bを介して、検出用配線8を被覆している。なお、第1保護層9には、外部導通領域G1に対応して開口部が設けられている。第1基部9aの構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチックが挙げられる。また、第1接着層9bの構成材料としては、例えば、アクリル系粘着材、シリコーン系粘着材、ゴム系粘着材、あるいはウレタン系粘着材が挙げられる。
【0037】
ここで、遮光層6は、基体2の端面2cにおける第2主面2b側の端部21cから離間して設けられている。遮光層6が基体2の端面2cの端部21cから離間して設けられているので、遮光層6が基体2の第2主面2bから剥がれてしまう可能性を低減することができる。
【0038】
仮に、遮光層が、基体の端面の端部間際まで設けられている場合、当該端部間際に設けられた遮光層を起点として、遮光層が基体の第2主面から剥がれてしまう可能性があった。具体的には、使用者によって基体が繰り返し押圧されると、基体の端面の端部間際まで設けられた遮光層に応力が加わることにより、当該端部間際に設けられた遮光層を起点として、遮光層が基体の第2主面から剥がれてしまう可能性があった。また、例えば、入力装置の製造工程において、基体の端面を物理的あるいは化学的に研磨した際、当該研磨とともに遮光層が基体の第2主面から剥がれてしまう可能性があった。
【0039】
これに対して、入力装置X1では、遮光層6が基体2の端面2cの端部21cから離間して設けられているので、上記にて説明した問題が生じる可能性を低減することができる。このため、入力装置X1では、遮光層6が基体2の第2主面2bから剥がれてしまう可能性を低減することができる。
【0040】
また、仮に、遮光層が、基体の端面の端部間際まで設けられている場合、液晶パネルに入力装置を取り付ける場合等の表示装置の組み立て工程において、基体の端面に表示装置を構成する筐体等が接触する可能性がある。基体の端面と筐体とが接触すると、基体の端面の端部間際に設けられた遮光層と筐体との間で静電気が発生し、発生した静電気が遮光層に浸入し、検出用配線が静電気による影響を受ける可能性がある。検出用配線が静電気による影響を受けると、入力装置の検出感度が低下する可能性がある。
【0041】
これに対して、入力装置X1では、遮光層6が基体2の端面2cの端部21cから離間して設けられているので、例えば、表示装置Y1(図6参照)の組み立て工程において、基体2の端面2cに筐体104等が接触しても、遮光層6と筐体104等とが接触する可能性を低減することができることから、遮光層6と筐体104等との間で静電気が発生す
る可能性を低減することができる。このため、遮光層6に静電気が浸入する可能性を低減することができる。そのため、入力装置X1の検出感度が低下する可能性を低減することができる。
【0042】
本実施形態では、基体2は、端面2cを4つ有していることから、枠状に設けられた遮光層6は、基体2の4つの端面2cの端部21cから離間して設けられている。遮光層6が基体2の4つの端面2cの端部21cから離間して設けられているので、例えば、入力装置X1の製造工程において、基体2の4つの端面21cを物理的あるいは化学的に研磨した場合であっても、遮光層6が基体2の第2主面2bから剥がれてしまう可能性を低減することができる。また、本実施形態では、遮光層6は、基体2の端面2cの端部21cに沿って設けられている。遮光層6が基体2の端面2cの端部21cに沿って設けられているので、入力装置X1のデザイン性を向上させることができる。
【0043】
なお、遮光層6は、基体2の端面2cの端部21cから0.1〜0.5mm離間して設けられていることが好ましい。すなわち、図5に示すL1が、0.1〜0.5mmの範囲内であることが好ましい。L1が0.1mmより小さいと、遮光層6が基体2の第2主面2bから剥がれてしまう可能性がある。また、L1が0.5mmより大きいと、使用者が視認できる程度に基体2の端面2cから遮光層6がずれて配置されることになるので、入力装置X1のデザイン性が低下する。このため、遮光層6は、基体2の端面2cの端部21cから0.1〜0.5mm離間して設けられていることが好ましい。
【0044】
また、入力装置X1では、遮光層6が基体2の第2主面2b上に設けられているので、遮光層が基体の第1主面上に設けられている場合と比べて、入力装置X1の製造工程を簡略化することができる。すなわち、遮光層が基体の第1主面上に設けられている場合、入力装置の製造工程において、基体の第2主面上に、第1検出電極、第1接続電極、第2検出電極、第2接続電極、および絶縁体を形成した後に、基体を反対側に向けて、基体の第1主面上に、遮光層を形成する必要がある。つまり、遮光層が基体の第1主面上に設けられている場合、基体を反対側に向ける工程が必要となる。
【0045】
これに対して、入力装置X1では、遮光層6は、基体2の第2主面2b上に設けられている。このため、基体2を反対側に向けることなく、基体2の第2主面2b上に、第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、第2接続電極4b、および絶縁体5を形成するとともに、遮光層6も形成することができる。このため、入力装置X1では、製造工程を簡略化することができる。
【0046】
また、図5に示すように、絶縁層7の基体2の第2主面2bからの高さをHとするとき、複数の検出用配線8のうち最も入力領域E1側に位置する検出用配線8aは、入力領域E1側に位置する遮光層6の端部6aからH以上離間して設けられていることが好ましい。本実施形態では、検出用配線8aは、絶縁層7上において、遮光層6の端部6aから所定距離L2(但しL2はHよりも大きい)離間して設けられている。このようにすると、入力領域E1を視認した使用者から検出用配線8aが視認されてしまう可能性を低減することができる。
【0047】
なお、遮光層6の厚みは、1〜3μmであることが好ましい。また、絶縁膜7の厚みは、1〜3μmであることが好ましい。また、検出用配線8の厚みは、0.1〜0.3μmであることが好ましい。
【0048】
また、入力領域E1および非入力領域E2に対応する基体2の第1主面2a上には、第2保護層10が設けられている。
【0049】
第2保護層10は、使用者の指F1の接触によって基体2の第1主面2aを傷付けないように保護する役割を有する。第2保護層10は、第2基部10aおよび第2接着層10bを有している。第2基部10aは、第2接着層10bを介して、入力領域E1および非入力領域E2に対応する基体2の第1主面2a上に設けられている。第2基部10aの構成材料としては、第1基部9aと同様のものが挙げられる。第2接着層10bの構成材料としては、第1接着層10aと同様のものが挙げられる。
【0050】
次に、入力装置X1の検出原理について説明する。
【0051】
図示しない位置検出ドライバは、外部導通領域G1に位置する検出用配線8と電気的に接続されている。なお、位置検出ドライバは、電源部を備えている。位置検出ドライバの電源部は、第1検出電極3aおよび第2検出電極4aに電圧を供給している。ここで、入力領域E1に対応する基体2の第1主面2aに、第2保護層10を介して導電体である指F1が接近すると、指F1と第1検出電極3aおよび第2検出電極4aとの間において静電容量が発生する。位置検出ドライバは、第1検出電極3aおよび第2検出電極4aにおいて発生する静電容量を常時検出している。位置検出ドライバは、所定値以上の静電容量を検出した第1検出電極3aおよび第2検出電極4aの組合せによって、使用者が入力操作を行った入力位置を検出する。このようにして、入力装置X1は、入力位置を検出することができる。
【0052】
以上のように、入力装置X1では、遮光層6が基体2の第2主面2bから剥がれてしまう可能性を低減することができる。
【0053】
次に、入力装置X1を備えた表示装置Y1について、図6を参照しながら説明する。
【0054】
図6に示すように、本実施形態に係る表示装置Y1は、入力装置X1、液晶パネル101、バックライト102、回路基板103、および第1筐体104を備えている。
【0055】
液晶パネル101は、表示のために液晶組成物を利用した表示パネルである。液晶パネル101は、空間S1を介して入力装置X1に対向して配置される。なお、液晶パネル101の代わりに、プラズマパネル、有機ELパネル、電子ペーパ等の表示パネルを用いてもよい。ここで、有機ELパネルは、電圧を印加すると発光する物質を利用した表示パネルである。具体的には、有機ELパネルは、ジアミン類等の有機物を用いた発光体を基板に蒸着し、5〜10Vの直流電圧を印加することで表示が行われる。なお、液晶パネル101の代わりに有機ELパネルを用いた場合には、バックライト102は不要となる。
【0056】
バックライト102は、光源102aおよび導光板102bを備えている。光源102aは、導光板102bに向けて光を出射する役割を有する。光源102は、例えば、LED(Light Emitting Diode)から構成される。なお、LEDの代わりに、冷陰極蛍光ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、EL(Electro-Luminescence)であってもよい。導光板102bは、液晶パネル101の下面全体にわたって、光源102aからの光を略均一に導くための役割を有する。
【0057】
回路基板103は、IC(Integrated Circuit)、抵抗器、コンデンサ等の部品を表面に実装し、その部品間を配線で接続することで電子回路を構成する板状またはフィルム状の基板である。回路基板103は、バックライト102の背面側に配置されている。また、回路基板103にはコネクタが設けられている。このコネクタには、外部導通領域G1に接続されたフレキシブル基板が挿入される。
【0058】
第1筐体104は、液晶パネル101、バックライト102、および回路基板103を
収容する役割を有する。第1筐体104の構成材料としては、例えば、ポリカーボネート等の樹脂、あるいは、ステンレス、アルミニウム等の金属が挙げられる。
【0059】
また、第1筐体104は、支持部材104aを含む。支持部材104aは、入力装置X1を支持する役割を有する。具体的には、支持部材104aは、入力領域E1を取り囲むように非入力領域E2を支持する。入力装置X1と支持部材104aとは、両面テープ等の接着部材によって接着される。
【0060】
このように、入力装置X1は、液晶パネル101を透視しながら入力領域E1を入力操作することによって、各種の情報を入力することができる。なお、各種の情報を入力する際に、情報を入力した使用者に対して、押圧感、なぞり感、肌触り感等の様々な触感を呈示する機能を入力装置X1に付与してもよい。この場合、入力装置X1における基体2に、1または複数の圧電素子を備え、所定の入力操作あるいは所定の押圧荷重を検知した場合に、当該圧電素子を所定の周波数で振動させることで実現することができる。
【0061】
表示装置Y1は、入力装置X1を備えているので、遮光層6が基体2の第2主面2bから剥がれてしまう可能性を低減することができる。
【0062】
次に、表示装置Y1を備えた携帯端末P1について、図7を参照しながら説明する。
【0063】
図7に示すように、本実施形態に係る携帯端末P1は、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器である。携帯端末P1は、表示装置Y1、音声入力部201、音声出力部202、キー入力部203、および第2筐体204を備えている。
【0064】
音声入力部201は、例えば、マイク等により構成されており、使用者の音声等が入力される。音声出力部202は、スピーカ等により構成されており、相手方からの音声等が出力される。キー入力部203は、例えば、機械的なキーにより構成される。なお、キー入力部203は、表示画面に表示された操作キーであってもよい。第2筐体204は、表示装置Y1、音声入力部201、音声出力部202、およびキー入力部203を収容する役割を有する。
【0065】
他にも、携帯端末P1は、必要な機能に応じて、デジタルカメラ機能部、ワンセグ放送用チューナ、赤外線通信機能部等の近距離無線通信部、および各種インタフェース等を備える場合もあるが、これらの詳細についての図示および説明は省略する。
【0066】
携帯端末P1は、表示装置Y1を備えているので、遮光層6が基体2の第2主面2bから剥がれてしまう可能性を低減することができる。
【0067】
なお、上記では、携帯端末P1に音声入力部201を備えている例について説明したが、これに限らない。すなわち、携帯端末P1には音声入力部201は備えられていなくともよい。
【0068】
また、上記では、携帯端末P1は、表示装置Y1、音声入力部201、音声出力部202、およびキー入力部203を収容する第2筐体204を備えている例について説明したが、これに限らない。第2筐体204を別個独立に設けることなく、表示装置Y1における第1筐体104が携帯端末P1の筐体となる態様であってもよい。
【0069】
さらに、表示装置Y1は、携帯端末P1の代わりに、産業用のプログラマブル表示器、車載用の表示器、電子手帳、パーソナルコンピュータ、複写機、ゲーム用の端末装置、テ
レビ、デジタルカメラ等の様々な電子機器に備えられていてもよい。
【0070】
なお、上述した実施形態は、本発明の実施形態の一具体例を示すものであり、種々の変形が可能である。以下、いくつかの主な変形例を示す。
【0071】
[変形例1]
図8は、変形例1に係る入力装置X2の概略構成を示す平面図である。図9は、図8中に示した切断線IV−IVに沿って切断した断面図である。図8および図9において、図2および図5と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0072】
図8および図9に示すように、入力装置X2では、上述の実施形態で説明した基体2の代わりに、基体20を備えている。基体20は、第1主面20a、第1主面20aの反対側に位置する第2主面20b、および第1主面20aと第2主面20bとに隣接する端面20cを有している。入力装置X2では、基体20の端面20cの端部201cの外表面は、曲面をなしている。端面20cの端部201cの外表面が曲面をなしているので、当該端部201cに欠けあるいはクラックが生じる可能性を低減することができる。
【0073】
以上のように、入力装置X2は、遮光層6が基体20の第2主面20bから剥がれてしまう可能性を低減することができるとともに、基体20の内部にクラックが進展する可能性を低減することができる。
【0074】
[変形例2]
図10は、変形例2に係る入力装置X3の概略構成を示す平面図である。図11は、図10中に示した切断線V−Vに沿って切断した断面図である。図10および図11において、図2および図5と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0075】
図10および図11に示すように、入力装置X3では、上述の実施形態で説明した遮光層6の代わりに、遮光層60を備えている。遮光層60は、導電性を有しており、基準電位に設定されている。このため、入力装置X3の外部で発生したノイズを、遮光層60によって遮蔽することができる。遮光層60によって外部で発生したノイズを遮蔽することができるので、第1検出電極3aおよび第2検出電極4aに対する外部からのノイズの影響を低減させることができる。このため、入力装置X3の検出精度または検出感度が低下する可能性を低減することができる。
【0076】
なお、外部で発生したノイズを遮光層60によって効果的に遮蔽するためには、遮光層60は、グランド電位に設定されていることが好ましい。
【0077】
以上のように、入力装置X3は、遮光層60が基体2の第2主面2bから剥がれてしまう可能性を低減することができるとともに、検出精度または検出感度が低下する可能性を低減することができる。
【0078】
[変形例3]
また、上記では、入力装置X1を備えた表示装置Y1の例について説明したが、入力装置X1に代えて、入力装置X2または入力装置X3を採用してもよい。また、入力装置X2または入力装置X3を採用した表示装置を備えた携帯端末を採用してもよい。さらに、上述した実施形態および上述した変形例は適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0079】
X1〜X3 入力装置
Y1 表示装置
P1 携帯端末(電子機器)
2,20 基体
3a 第1検出電極(検出電極)
4a 第2検出電極(検出電極)
6,60 遮光層
7 絶縁層
8 検出用配線
101 液晶パネル(表示パネル)
104 第1筐体(筐体)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面、および該主面に隣接する端面を有した基体と、
前記基体の前記主面上に設けられた遮光層と、を備え、
前記遮光層は、前記基体の前記端面における前記主面側の端部から離間して設けられている、遮光装置。
【請求項2】
前記基体は、前記端面を4つ有しており、
前記遮光層は、枠状に設けられており、前記基体の4つの前記端面の前記端部から離間して設けられている、請求項1に記載の遮光装置。
【請求項3】
前記遮光層は、前記基体の前記端面の前記端部に沿って設けられている、請求項1または2に記載の遮光装置。
【請求項4】
前記基体の前記端面の前記端部の外表面は、曲面をなしている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の遮光装置。
【請求項5】
前記遮光層は、前記基体の前記端面の前記端部から0.1〜0.5mm離間して設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の遮光装置。
【請求項6】
入力領域および非入力領域を有した入力装置であって、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の遮光装置と、
前記入力領域に対応して位置しており、前記遮光装置における前記基体の前記主面上に設けられた検出電極と、
前記非入力領域に対応して位置しており、前記遮光装置における前記基体の前記主面上に設けられており、前記検出電極と電気的に接続された検出用配線と、を備え、
前記遮光層は、前記非入力領域に対応して位置している、入力装置。
【請求項7】
前記検出用配線は、前記遮光層上に設けられている、請求項6に記載の入力装置。
【請求項8】
前記遮光層上に絶縁層をさらに備え、
前記検出用配線は、前記絶縁層を介して前記遮光層上に設けられている、請求項7に記載の入力装置。
【請求項9】
前記検出用配線は、複数設けられており、
前記絶縁層の前記基体の前記主面からの高さをHとするとき、
複数の前記検出用配線のうち最も前記入力領域側に位置する前記検出用配線は、前記入力領域側に位置する前記遮光層の端部からH以上離間して設けられている、請求項8に記載の入力装置。
【請求項10】
前記遮光層は、導電性を有している、請求項8または9に記載の入力装置。
【請求項11】
請求項6〜10のいずれか一項に記載の入力装置と、
前記入力装置に対向して配置された表示パネルと、
前記表示パネルが収容された筐体と、を備えた表示装置。
【請求項12】
前記表示パネルは、液晶パネルまたは有機ELパネルである、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
請求項11または12に記載の表示装置を備えた電子機器。
【請求項1】
主面、および該主面に隣接する端面を有した基体と、
前記基体の前記主面上に設けられた遮光層と、を備え、
前記遮光層は、前記基体の前記端面における前記主面側の端部から離間して設けられている、遮光装置。
【請求項2】
前記基体は、前記端面を4つ有しており、
前記遮光層は、枠状に設けられており、前記基体の4つの前記端面の前記端部から離間して設けられている、請求項1に記載の遮光装置。
【請求項3】
前記遮光層は、前記基体の前記端面の前記端部に沿って設けられている、請求項1または2に記載の遮光装置。
【請求項4】
前記基体の前記端面の前記端部の外表面は、曲面をなしている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の遮光装置。
【請求項5】
前記遮光層は、前記基体の前記端面の前記端部から0.1〜0.5mm離間して設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の遮光装置。
【請求項6】
入力領域および非入力領域を有した入力装置であって、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の遮光装置と、
前記入力領域に対応して位置しており、前記遮光装置における前記基体の前記主面上に設けられた検出電極と、
前記非入力領域に対応して位置しており、前記遮光装置における前記基体の前記主面上に設けられており、前記検出電極と電気的に接続された検出用配線と、を備え、
前記遮光層は、前記非入力領域に対応して位置している、入力装置。
【請求項7】
前記検出用配線は、前記遮光層上に設けられている、請求項6に記載の入力装置。
【請求項8】
前記遮光層上に絶縁層をさらに備え、
前記検出用配線は、前記絶縁層を介して前記遮光層上に設けられている、請求項7に記載の入力装置。
【請求項9】
前記検出用配線は、複数設けられており、
前記絶縁層の前記基体の前記主面からの高さをHとするとき、
複数の前記検出用配線のうち最も前記入力領域側に位置する前記検出用配線は、前記入力領域側に位置する前記遮光層の端部からH以上離間して設けられている、請求項8に記載の入力装置。
【請求項10】
前記遮光層は、導電性を有している、請求項8または9に記載の入力装置。
【請求項11】
請求項6〜10のいずれか一項に記載の入力装置と、
前記入力装置に対向して配置された表示パネルと、
前記表示パネルが収容された筐体と、を備えた表示装置。
【請求項12】
前記表示パネルは、液晶パネルまたは有機ELパネルである、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
請求項11または12に記載の表示装置を備えた電子機器。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図6】
【図7】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2013−47937(P2013−47937A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−157666(P2012−157666)
【出願日】平成24年7月13日(2012.7.13)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月13日(2012.7.13)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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