説明

遮熱シート

【課題】 高い断熱性や輻射の遮断性に優れるとともに、通気性も発揮することにより、衣服や身装具をはじめ、さまざまな分野に幅広く利用することができる遮熱シートを提供すること。
【解決手段】 アルミニウムシート又はアルミニウム箔に不織布を補強支持するポリエチレン樹脂よりなる支持シートとポリエチレン樹脂よりなる不織布を積層し、さらに炭粉体を含有する塗料組成層をこの順に配設した遮熱シートにおいて、かかる遮熱シートを糸状体に形成するとともに、かかる糸状体を織成、編成、または縫成することにより形成されることを特徴とする。
また前記遮熱シートを布材に装着したり、遮熱シートを布材にて挟持したりしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い断熱性や輻射の遮熱性に優れるとともに、通気性も発揮することができる遮熱シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数のシート体を積層させることにより、熱や冷気を効率よく遮断する断熱材が開発されている。一般的な断熱材はシート状を呈しており、建築物の壁面、屋根、床面等に配設させることで、夏は外気の熱を、また冬は外気の冷気を反射させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
また、建築分野、健康分野、環境分野等に使用されて遮熱、断熱、湿気の吸収、悪臭や不快臭の吸収分解除去、電磁波の吸収等で快適な環境を提供する遮熱シートがある(例えば特許文献1参照)。
上掲特許文献1の遮熱シートは、アルミニウムシート又はアルミニウム箔に不織布を補強支持するポリエチレン樹脂よりなる支持シートとポリエチレン樹脂よりなる不織布を積層し、さらに炭粉体を含有する塗料組成層をこの順に配設したことを特徴としている。
【特許文献1】特許第4120893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遮熱シートは、炭塗料そのものの特性を十分に活かし、かつ取り扱いが極めて良好であり、高い断熱性や輻射の遮断性に優れるという特徴を有するが、柔軟性や通気性に劣るという欠点があった。
【0005】
そこで本考案は上記の点に鑑み、高い断熱性や輻射の遮断性に優れるとともに、通気性も発揮することにより、衣服や身装具をはじめ、さまざまな分野に幅広く利用することができる遮熱シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の遮熱シートは、アルミニウムシート又はアルミニウム箔に不織布を補強支持するポリエチレン樹脂よりなる支持シートとポリエチレン樹脂よりなる不織布を積層し、さらに炭粉体を含有する塗料組成層をこの順に配設した遮熱シートにおいて、かかる遮熱シートを糸状体に形成するとともに、かかる糸状体を織成、編成、または縫成することにより形成されることを特徴とする。
【0007】
また、前記遮熱シートを布材に装着した。
【0008】
さらに、前記遮熱シートを布材にて挟持した。
【発明の効果】
【0009】
アルミニウムシート又はアルミニウム箔に不織布を補強支持するポリエチレン樹脂よりなる支持シートとポリエチレン樹脂よりなる不織布を積層し、さらに炭粉体を含有する塗料組成層をこの順に配設した遮熱シートにおいて、かかる遮熱シートを糸状体に形成するとともに、かかる糸状体を織成、編成、または縫成することにより、高い断熱性や輻射の遮断性に優れるとともに、糸状体の間に隙間が生じ通気性も発揮することができる。そのため、通気性を必要とする衣服や身装具をはじめ、さまざまな分野に利用することができる。さらに、適度の通気性が得られるので、壁面や床材等の建築材料として使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明における遮熱シートの拡大図である。
【図2】前記遮熱シートの拡大断面図である。
【図3】前記遮熱シートに布材を装着した状態の断面図である。
【図4】前記遮熱シートを布材にて挟持した状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の遮熱シートにおける実施の形態を図面に基づいて説明する。
先ず図2において、遮熱シート1の詳細を説明する。遮熱シート1は、アルミニウムシート又はアルミニウム箔2に不織布を補強支持するポリエチレン樹脂よりなる支持シート3とポリエチレン樹脂よりなる不織布4を積層し、さらに炭粉体を含有する塗料組成層5をこの順に配設し、接着剤6,7により接着して形成される。
【0012】
前記遮熱シート1は、特許第4120893号に開示されている先行技術であり、上述の構成とすることで、炭塗料組成物層を有する遮熱シートを極めて薄く形成できるため、内壁、床下、天井裏、押入れ等に簡単に切断加工して貼付することができ、作業が簡単に行えて空気中のプラスイオン吸着や悪臭・不快臭の吸着解消、吸湿による調湿等で空気の浄化ができ、さらには電位波も吸収して室内環境が大幅に改善される。
【0013】
特に前記遮熱シート1は、アルミニウムシート又はアルミニウム箔が輻射熱に対して反射効率が高いので高断熱効果が得られる。また、支持シートと不織布をポリエチレン樹脂で構成したことにより、不織布が支持シートに接着支持されて補強されることになる。そしてこのポリエチレン樹脂は廃棄の際に溶解してアルミニウムと分別できるため、再利用に供することができる。さらに、炭塗料組成物が樹脂塗料に微細炭粉が混合されたものなのでシートに塗布し易く遮熱シートの製作が容易となるといったような多くの作用効果が得られることが記載されている。
【0014】
図1に示す本発明の遮熱シート10は、前記遮熱シート1を糸状体11に形成するとともに、かかる糸状体11を織成、編成、または縫成することにより形成される。糸状体11の径や形状は特に限定されるものではなく、薄状の短冊状や断面円形状でもよく、さらには、単一の糸状体11を複数撚り合わせたものであってもよい。
【0015】
図1に示す遮熱シート10は、前記糸状体11を平織状に織成した状態を示すものである。また前記遮熱シート10は、前記平織りの他、綾織り、朱子織り、ガーゼ織り、ギンガム織り、サテン織り、デニム織り、スエード織り、キャラコ織り等にてシート状に織成することができる。
【0016】
また、前記遮熱シート1は糸状体11を編成、例えば平編み、ゴム編み、フライス編み、鹿の子編み、なわ編み、ジャガード編み、トリコット編み、ラッシェル編み等にシート状に編成することができる。さらに前記遮熱シート10をシート状に縫成にてもよい。
【0017】
本発明の遮熱シート10は、糸状体11を織成、編成、または縫成することにより形成されているため、糸状体11の間に隙間12が生じて遮熱シート10に通気性が得られる。
【0018】
また他の好適例として、図3に示すように、前記遮熱シート10の一側面に布材13を装着してもよい。布材13は特に限定されるものではなく、織布、不織布等のさまざまな素材が使用される。前記遮熱シート10の一側面に布材13を装着することにより、肌触りが向上するため衣服や装身具として使用することができる。
【0019】
また他の好適例として、図4に示すように、前記遮熱シート10を布材14,15にて挟持してもよい。前記遮熱シート10の両側面に布材14,15を配置させることで、断熱性と通気性の両方を兼ね備える遮熱シート10を形成することができる。
【符号の説明】
【0020】
1 遮熱シート
2 アルミニウムシート又はアルミニウム箔
3 支持シート
4 不織布
5 塗料組成層
6 接着剤
7 接着剤
10 遮熱シート
11 糸状体
12 隙間
13 布
14 布
15 布

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウムシート又はアルミニウム箔に不織布を補強支持するポリエチレン樹脂よりなる支持シートとポリエチレン樹脂よりなる不織布を積層し、さらに炭粉体を含有する塗料組成層をこの順に配設した遮熱シートにおいて、かかる遮熱シートを糸状体に形成するとともに、かかる糸状体を織成、編成、または縫成することにより形成されることを特徴とする遮熱シート。
【請求項2】
前記遮熱シートを布材に装着した請求項1記載の遮熱シート。
【請求項3】
前記遮熱シートを布材にて挟持した請求項1記載の遮熱シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−56305(P2012−56305A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224324(P2010−224324)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(509253963)
【Fターム(参考)】