説明

選別機のユニット構成

【課題】 穀粒タンクの排出口が選別機の投入口より低くしてタンク自体の重心を下げて安定させるタンクの構成であっても、選別機の供給口に連続してタンクから穀粒を供給できる構成として、タンクを構成する部材の厚さ・使用量・強度を軽減させ、製造コストが安価で部品の運搬と組立性が良好な選別機のユニット構成を提供する。
【解決手段】 穀粒タンクを選別機の上方から側部に隣接して配置し、タンクの全長を低く、さらにその排出口を選別機の投入口より低くしてタンク自体の重心を下げて安定させると共に、昇降装置から選別機の投入口に接続される投入経路を備えて、投入経路から溢流する穀粒が、穀粒タンク内に貯留するよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀粒を粒径、外観品位又は内部品質で選別するための選別機であって、穀粒を貯留する貯留タンクと、投入ホッパを備えた昇降装置を一体に配置する選別機のユニット構成に関する。
【背景技術】
【0002】
穀粒を揚穀するための投入ホッパを備える昇降装置と、揚穀された穀粒を貯留する貯留タンクを備え、穀粒の外観で選別する色彩選別機のユニットは、特開2007−021381公報(特許文献1)に記載されている。また、特開2000−185261公報(特許文献2)では混合米昇降機からの混合米を集積する混合米タンクを備えて、この混合米タンクの側壁一部にオーバーフロー管を設けて、混合米昇降機から混合米タンクに過剰供給された混合米を籾摺り部に戻した後、脱ぷ部を通過させて再度混合米昇降機の投入口に供給する経路を構成した籾摺装置が記載されている。
【0003】
さらに特開平11−037947号公報(特許文献3)では、昇降エレベータの上端位置で、一側方に精米系路を、そして他側方には測定系路を備えて、それぞれの系路には穀粒の貯留部を配置し、精米系路の貯留部に堆積させた穀粒と、精米機を通過した穀粒を再度昇降エレベータの投入口に供給して測定系路に供給する構成が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2007−021381公報
【特許文献2】特開2000−185261公報
【特許文献3】特開平11−037947号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、食の安全・安心のニーズが高まり、穀物においても農薬の使用が軽減されていると共に、温暖化の影響も関係するのか害虫が多く発生し、穀物の外観や内部品質を下げる減少が現れている。穀物において特に米のカメムシによる被害粒、即ち黒点米の発生が多く見られ、生産者においても特許文献1に記載する外観即ち色彩による不良米を除去する色彩選別機の普及が進んでいる。
【0006】
特許文献1のように、選別装置と選別装置に穀粒を供給する昇降装置とその投入口となるホッパ、そして穀粒を貯留するための穀粒タンクを一体に備えたユニットが要望されていて、特に図1に示すような穀物乾燥調整施設のライン内に、色彩による外観の選別装置を配置する要望が高まっている。
【0007】
現行の外観選別装置を穀物乾燥調整ラインに組み込む構成では、図1に示すように、穀物乾燥装置3で乾燥が終了した穀物を搬送装置4によって籾一時集積タンク6に集積し、粗選別機7を通過して籾摺り機8へと供給され玄米と籾殻に分離される。そして粒径選別機9によって規格以上の玄米粒径を石抜き機10へと送る。この後の径路に選別機16を配置して、搬送装置5を経由させて玄米貯留タンク11に製品となる玄米を堆積させるレイアウトとなっている。
【0008】
図1に示す選別機の選定においては、石抜き機10から排出される玄米を選別機16で滞らせないようにするためには、処理量の多い選別機16を選定する必要があるが、今現在において外観で選別する選別機16の価格は高く、認定農家及び担い手農家個人での購入は困難であって、処理能力の比較的低い安価な選別機をライン上に配置する形態が多々見受けられる。このように処理能力の低い選別機16を配置するレイアウトにおいては、外観選別作業を夜間や早朝の時間帯に無人で稼動させ、長時間の稼働によって処理量をカバーするよう計画されるので、選別機16に図2及び図3に示すような大きな穀粒タンク17をその上方に配置して、さらに昇降装置18を穀粒タンク17に接続してなる選別ユニット15を形成させている。
【0009】
現行の選別ユニット15の選別機16は、その内部に穀粒の定量供給装置と落下シュート、色彩判定部、高圧空気噴射口のイジェクターを垂直方向に備えて構成されるため、その装置の高さは約1.8m以上を必要としている。このように構成された選別機16に連続して多くの穀粒を長時間供給するためには、図2及び図3に示すような大型の穀粒タンク17を選別機16の上方に配置する必要があるので、穀粒タンク17自体とそれを支える柱の部材は強度を増すため、太く厚く重く、そして上方に向けて高く長くなっている。また昇降装置18においても、全長を高く構成された穀粒タンク17の上方から穀粒を供給するためにはその全長を長くする必要があり、昇降装置自体の強度と更なる駆動動力を必要とし、これらを備える選別ユニット15は全長が高い、即ち重心位置の高く不安定な、そして組立性と運搬性(部品)が劣り、製造コストの高い選別ユニット15として構成されている。また選別ユニット15自体での移動が困難で、揺れ防止や地震時の倒伏を防止するためアンカーによって作業場の設置面と固定されているのが現状である。
【0010】
そこで本発明は、選別機に穀粒を連続的に供給できるタンクを選別機の上方から側部に隣接して配置し、タンクの全長を低く、さらにその排出口を選別機の投入口より低くしてタンク自体の重心を下げて安定させるタンクの構成であっても、選別機の供給口に連続してタンクから穀粒を供給できる構成を提案し、タンクを構成する部材の厚さ及び使用量とその強度を軽減させ、製造コストが安価であっても集積容量の多い、そして部品の運搬と組立性が良好な選別機のユニット構成を提供する。
【0011】
さらに、タンク自体とタンクに穀粒を供給する昇降装置の低床による低重心化と安定性の向上を図り、ユニット自体として安定して自在に移動が可能な選別機のユニット構成を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために本発明の請求項1に係わる穀粒選別機のユニット構成は、投入ホッパを備える穀粒の昇降装置と、選別機と、穀粒を貯留する穀粒タンクを一体に備えた選別機のユニットにおいて、昇降装置の排出口は、選別機の投入口に接続される投入経路を備え、前記投入経路から溢流する穀粒が、穀粒タンク内に貯留するよう構成されたことを特徴とするものである。
【0013】
また、前記目的を達成するための本発明の請求項2に係わる穀粒選別機のユニット構成は、請求項1に係わる穀粒選別機のユニット構成において、穀粒タンクの下端は昇降装置の下方の循環ホッパと接合され、穀粒タンク内に貯留する穀粒を昇降装置に投入し、昇降装置の排出口から選別機の投入口に接続する投入経路に再度供給するよう構成されたことを特徴とする。
【0014】
請求項3に係わる穀粒選別機のユニット構成は、請求項2記載の穀粒選別機のユニット構成において、投入ホッパを備える昇降装置は、投入ホッパと対称位置に穀粒タンクから供給される穀粒を昇降装置内に投入するための循環ホッパを設けて構成し、投入ホッパと循環ホッパには、それぞれが連動して穀粒の進入の有無及び量を規制するためのシャッタを双方に備えたことを特徴とするものである。
【0015】
請求項4に係わる穀粒選別機のユニット構成は、請求項3記載の穀粒選別機のユニット構成において、投入ホッパと循環ホッパに備えたシャッタは、一方が開であれば他方は閉となって、それぞれの開閉の動作が対向して稼動するように構成したことを特徴とするものである。
【0016】
請求項5に係わる穀粒選別機のユニット構成は、請求項3記載の穀粒選別機のユニット構成において、投入ホッパと循環ホッパに備えるそれぞれのシャッタは、連動して対称方向に開閉するように構成し、連動しているシャッタの一方の開度を変更しても、投入ホッパと循環ホッパから昇降装置内に供給される穀粒の量が常に一定になるよう構成したことを特徴とするものである。
【0017】
請求項6に係わる穀粒選別機のユニット構成は、請求項1、2、3、4又は5記載の穀粒選別機のユニット構成において、外部から投入ホッパに投入される穀粒は、昇降装置排出口から選別機の投入口に供給され、選別機で処理されると共に、選別機で処理しきれない穀粒は溢流しながら穀粒タンクに堆積し、外部からの投入ホッパへの投入の終了の後に、循環ホッパを開として、穀粒タンク内の穀粒を昇降装置から投入経路に供給し、選別機の処理量より若干多く、そして投入経路から若干溢流して再度穀粒タンクに投入される循環経路を形成するよう、循環ホッパの開度を調節するよう構成したことを特徴とするものである。
【0018】
請求項7に係わる穀粒選別機のユニット構成は、請求項1、2、3、4、5又は6記載の穀粒選別機のユニット構成において、選別機の後方には隣接して穀粒タンクを備え、穀粒タンクの前方そして選別機の側方に昇降装置を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、穀粒選別機の投入口に連続して穀粒を供給することが出来る構成であっても、穀粒タンクの排出口を選別機の投入口より低く配置して穀粒タンクを低床にすることによって、穀粒タンク及び搬送装置の全長を下げて重心を低く構成できるので、移動可能な一体の安定したユニットとして容易に配置できるほか、穀粒タンク及び昇降装置の強度を必要としないので、部材を薄くそして部材の使用量を減らすことを可能として製造コストを安価にした穀粒選別機のユニットを供給することができる。
【0020】
さらに、昇降装置を低くすることによる駆動動力の軽減をも可能とするので、駆動源のコスト低減と、使用電力の節約をも可能とする効果を備えるものである。
【0021】
また本発明が提案する選別機のユニットは、昇降装置を連結したタンク部分、即ちタンク搬送ブロックと、選別機を容易に分離できるので、選別機の故障が生しても、選別機だけ切り離して修理作業の行ないやすい場所で作業を可能とするほか、選別機を容易に処理量の異なる機種に変更できるので、処理量や若干の外形寸法の異なる選別機のユニットを配置させようとする場合において、新たなタンクと昇降装置を設計する必要が無く、製造コストに優れるユニットを提供することが出来るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
穀粒を粒径、外観品位又は内部品質で選別するための選別機のユニットの例として、本実施例では外観品位を判定して選別する色彩選別ユニットに関して実施説明を行なう。
【0023】
図1は従来の穀物乾燥調整ラインを説明する模式図、図2と図3は従来の色彩選別ユニットを表す正面断面略図とその斜視図、図4は本発明の実施の形態に係わる選別機のユニット構成を表す斜視図、図5は本発明の実施の形態に係わる選別機のユニット構成の分離状態を示す側面図、図6は本発明の実施の形態に係わる作用説明図、図7は本発明の実施の形態に係わる作用説明図のその2、図8は本発明の実施の形態に係わる作用説明図のその3、図9は本発明の実施の形態に係わる昇降装置の断面略図、図10は本発明の実施の形態を配置した状態の穀物乾燥調整ラインを説明する模式図である。
【実施例1】
【0024】
図4に示す色彩選別ユニット20は、下端に移動手段(キャスタ)23を備える選別機21と、下端に移動手段(キャスタ)23を備えるタンク搬送ブロック22の連結体から構成され、双方が備える移動手段23によって連結されている場合であっても容易に色彩選別ユニット20は移動可能となっている(図5参照)。
【0025】
選別機21は上端に投入口24を配置し、この投入口24から選別機内に投入された穀粒を外観によって選別し、良好な穀粒を良品口25、不良品を不良品口26から機外に排出されて、後工程に供給するようになっている。
【0026】
タンク搬送ブロック22はタンク27と昇降装置28からなり、タンク27に昇降装置28が支持固定されている。タンク27の下方は、昇降装置28を備える方向に傾斜してその下端は昇降装置28の循環ホッパ29に接続されている。
【0027】
昇降装置28の下端には、タンク27の下端と接続された循環ホッパ29とその対称方向に備えられた投入ホッパ30を備えて、外部からの穀粒が色彩選別ユニット内に供給されるようになっている。
【0028】
昇降装置28は、複数のバケットをベルトに一連に備えたバケット昇降機であって、駆動モータ31の動力の伝達によってバケットベルトが回転し、投入ホッパ30又は循環ホッパ29に投入される穀粒を上方に揚穀し、昇降装置28の排出口32から排出される。
【0029】
循環ホッパ29にはシャッタ33が、投入ホッパ30にはシャッタ34が備えられていて、それぞれは全閉、全開のほか、投入量を調節できるように途中の位置で固定できるようになっていて、図9に示すように、シャッタ33とシャッタ34は開閉レバー36に接続されていて、支点35によってシャッタ33を開にするとシャッタ34は閉となって昇降装置28内に投入するホッパを選択できるほか、それぞれのシャッタの開閉量を同時に調整できるので、双方のホッパから供給される穀粒の量を規制し、双方のホッパから同時に穀粒が昇降装置28内に供給されても、過供給に至らないように昇降装置内に投入される穀粒の量を調節できるようになっている。
【0030】
昇降装置28の排出口32には選別機21の投入口24と接続される投入径路37が備えられていて、排出口32から排出される穀粒が優先的に投入径路37から投入口24に供給されるようになっている。この投入径路37にはオーバーフロー径路38を備えてなり、このオーバーフロー径路38はタンク27の上面若しくは側面に接続されていて、この選別機21の投入口24から順次堆積する穀粒によって投入径路27内に充填して投入径路27から溢流した穀粒が、このオーバーフロー径路38からタンク内に集積するように構成されている。
【0031】
選別機21はその後方にタンク27を、昇降装置28は選別機21の側面そしてタンク27の前方に配置されている。
【0032】
選別しようとする穀粒を色彩選別ユニット20に投入する場合、循環ホッパ29のシャッタ33を閉に、投入ホッパ30のシャッタ34を開としてから投入ホッパ30に穀粒の投入を行なう。この場合、図9の示すように双方のシャッタ33・34が連動するように、支点35を中心に開閉レバー36によって対向して開閉するようになっている場合は、シャッタ34を全開にすることによって、シャッタ33は閉状態となる。
【0033】
選別機21と昇降装置28を稼動させた状態で、投入ホッパ30から投入された穀粒は昇降装置28内の複数のバケットの上昇によって揚穀され、排出口32から投入径路37に投入される。そして図6のように投入径路37に繋がる選別機21の投入口24に投入される。選別機21が稼動しているので、投入口24から投入された穀粒を外観で選別し、良米を良品口25から、着色米を不良品口26から排出して選別を行なう。しかしながら選別機21で処理できる量より、投入ホッパ30から投入され昇降装置28によって揚穀される穀粒量が勝る場合は、投入径路37に供給される穀粒は選別機21で処理される量だけ流下するものの、徐々に投入径路37内に堆積しオーバーフロー径路38まで達するようになり、投入径路37から選別機21で処理できない昇降装置28から供給される穀粒がオーバーフロー径路38に溢流をはじめる。
【0034】
オーバーフロー径路38の先端はタンク27の上面若しくは上方の側面に接合されているので、タンク27内に投入径路37から溢流した穀粒が投入される。タンク27の下方は昇降装置28を備える一方向に傾斜してその下端は昇降装置28の循環ホッパ29に接続されており、シャッタ33が閉となっているので徐々にタンク内に選別機21で処理しきれない溢流分の穀粒が堆積を開始する(図7参照)。
【0035】
タンク27内の穀粒が満量となったなら、選別機21と昇降装置28を稼動させたまま、図8に示すようにシャッタ34を閉として外部からの穀粒の色彩選別ユニット20内への穀粒の供給を停止させると共に、シャッタ33を開としてタンク27内の穀粒を昇降装置28に供給を開始する。この場合昇降装置28の排出口32から排出された穀粒が投入径路37内に堆積し、選別機21の処理量より多くオーバーフロー径路38に若干溢流するように、シャッタ33の開度を調節してタンク27から昇降装置28に供給される穀粒の量を調整しながら、タンク27内の穀粒を選別機21に供給する径路、即ちタンク27・循環ホッパ29・昇降装置28・排出口32・投入径路37・オーバーフロー径路38からなる穀粒の循環径路を形成し、その径路の途中に優先的に選別機21による、外観選別を行なわせて、タンク27内の穀粒をすべて選別機21で処理し、良米と着色米に分離させる。
【0036】
また、外部からの色彩選別ユニット20への穀粒の供給が終了した場合においても、図8に示すように投入ホッパ30のシャッタを閉とすると同時に、シャッタ33の開度を投入径路37から穀粒が若干オーバーフロー径路38に溢流するほどのタンク27から昇降装置28への供給量になるように調節するか、図9に示すように開閉レバー36と連動したそれぞれのシャッタ33、シャッタ34を開閉させて、シャッタ33からの流量が上記のようにオーバーフロー径路38に若干溢流する範囲で開閉レバー36の調節を行なう。
【0037】
図10は本発明の実施の形態を穀物乾燥調整ラインに配置した図であって、圃場で収穫した穀粒を投入装置1から粗選別機2、搬送装置4を経由して穀物乾燥装置3に供給され、時間をかけて(前日の夕方から翌日の早朝まで)穀物を乾燥し、乾燥終了後乾燥穀物を籾一時集積タンク6に集積させ、穀物乾燥装置3の内部を空にして次の圃場での収穫物の受け入れに対応できる状態にする。そして籾一時集積タンク6の穀粒を再度粗選別機7から籾摺り機8に供給して籾であれば籾殻と玄米に分離を行い、粒径選別機9と石抜き機10を経由して色彩選別ユニット20に供給され外観による選別が行なわれ、着色米は選別機21の不良米口26から機外に排出され、良米は選別機21の良米口25から玄米貯留タンク11に供給されて袋詰して運搬装置12で別貯蔵箇所に移動される。本発明の実施の形態を用いることによって、上記ライン内に価格の問題等の理由で処理能力の劣る選別機21を備えても、色彩選別ユニット20内のタンク27を設けることにとって大量の穀粒の貯留を可能としているので、ライン内にそれぞれの装置の後工程の流量(処理量)を考慮した調整を行なう必要が無く、ストレス無く穀粒の流れを持続できる、即ち詰まることのないラインを提供することが出来る。また本発明の実施の形態によれば、タンク27を低く低重心にしたことで、昇降装置28も低くすることを可能とし、よって、安定したタンク搬送ブロック22を構成することを可能としている。この低重心と安定化が可能となることで、装置下端に取り付けた移動装置によって容易に移動することが出来るので、穀物乾燥調整ラインを使用しない場合においては、邪魔にならない位置に移動することも可能としている。さらにこのタンク27と搬送装置28からなるタンク搬送ブロック22と選別機21とは容易に分離移動を可能としているので、メンティナンス性の向上と選別機21自体の機種及び処理能力の異なる機種への変更、そして選別機21を複数台配置することを可能とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の実施形態は、粉粒体を連続的に処理する装置で、大量のものを一時的に集積するような選別形態を有する構成であれば利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】従来の穀物乾燥調整ラインを説明する模式図。
【図2】従来の色彩選別ユニットを表す正面断面略図。
【図3】従来の色彩選別ユニットを表す斜視図。
【図4】本発明の実施の形態に係わる選別機のユニット構成を表す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係わる選別機のユニット構成の分離状態を示す側面図。
【図6】本発明の実施の形態に係わる作用説明図である。
【図7】本発明の実施の形態に係わる作用説明図のその2である。
【図8】本発明の実施の形態に係わる作用説明図のその3である。
【図9】本発明の実施の形態に係わる昇降装置の断面略図である。
【図10】本発明の実施の形態を配置した状態の穀物乾燥調整ラインを説明する模式図である。
【符号の説明】
【0040】
1 投入装置
2 粗選別機
3 穀物乾燥装置
4 搬送装置
5 昇降装置
6 籾一時集積タンク
7 粗選別機
8 籾摺り機
9 粒径選別機
10 石抜き機
11 玄米貯留タンク
12 運搬装置
15 色彩選別ユニット
16 選別機
17 穀粒タンク
18 昇降装置
20 色彩選別ユニット
21 選別機
22 タンク搬送ブロック
23 移動手段
24 投入口
25 良品口
26 不良品口
27 タンク
28 昇降装置
29 循環ホッパ
30 投入ホッパ
31 駆動モータ
32 排出口
33 シャッタ
34 シャッタ
35 支点
36 開閉レバー
37 投入径路
38 オーバーフロー径路




【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入ホッパを備える穀粒の昇降装置と、選別機と、穀粒を貯留する穀粒タンクを一体に備えた選別機のユニットにおいて、
昇降装置の排出口は、選別機の投入口に接続される投入経路を備え、
前記投入経路から溢流する穀粒が、穀粒タンク内に貯留するよう構成されたことを特徴とする、穀粒選別機のユニット構成。
【請求項2】
穀粒タンクの下端は昇降装置の下方の循環ホッパと接合され、穀粒タンク内に貯留する穀粒を昇降装置に投入し、昇降装置の排出口から選別機の投入口に接続する投入経路に再度供給するよう構成された、請求項1記載の穀粒選別機のユニット構成。
【請求項3】
投入ホッパを備える昇降装置は、投入ホッパと対称位置に穀粒タンクから供給される穀粒を昇降装置内に投入するための循環ホッパを設けて構成し、投入ホッパと循環ホッパには、それぞれが連動して穀粒の進入の有無及び量を規制するためのシャッタを双方に備えたことを特徴とする、請求項2記載の穀粒選別機のユニット構成。
【請求項4】
投入ホッパと循環ホッパに備えたシャッタは、一方が開であれば他方は閉となって、それぞれの開閉の動作が対向して稼動するように構成したことを特徴とする、請求項3記載の穀粒選別機のユニット構成。
【請求項5】
投入ホッパと循環ホッパに備えるそれぞれのシャッタは、連動して対称方向に開閉するように構成し、連動しているシャッタの一方の開度を変更しても、投入ホッパと循環ホッパから昇降装置内に供給される穀粒の量が常に一定になるよう構成したことを特徴とする、請求項3記載の穀粒選別機のユニット構成。
【請求項6】
外部から投入ホッパに投入される穀粒は、昇降装置排出口から選別機の投入口に供給され、選別機で処理されると共に、選別機で処理しきれない穀粒は溢流しながら穀粒タンクに堆積し、
外部からの投入ホッパへの投入の終了の後に、循環ホッパを開として、穀粒タンク内の穀粒を昇降装置から投入経路に供給し、選別機の処理量より若干多く、そして投入経路から若干溢流して再度穀粒タンクに投入される循環経路を形成するよう、循環ホッパの開度を調節するよう構成したことを特徴とする、請求項1、2、3、4又は5記載の穀粒選別機のユニット構成。
【請求項7】
選別機の後方には隣接して穀粒タンクを備え、穀粒タンクの前方そして選別機の側方に昇降装置を備えたことを特徴とする、請求項1、2、3、4、5又は6記載の穀粒選別機のユニット構成。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−285639(P2009−285639A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144004(P2008−144004)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(308020892)金子農機株式会社 (21)
【Fターム(参考)】