説明

選別装置

【課題】選別機構による選別動作中における後続のワークWの挟み込みや選別動作不良を防止する。
【解決手段】検査装置20において不良品と判定されたワークWを選別動作により不良品搬送方向へ搬送する際に、ワークWの選別動作中においてワーク検出部14で挟み込み誘発領域A内に後続のワークWが進入してきたことを検出すると、制御部15にワーク検出信号が出力される。制御部15は、ワーク検出信号を入力すると、選別機構13の選別動作を中断する駆動停止信号を選別機構13の駆動手段13bに出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上流側の検査装置によるワークの検査結果若しくはワークの種類に応じて、下流側で分岐する複数の搬送路のうち適切な搬送方向にワークを排出して選別を行う選別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食品等を生産する生産ラインにおいて、検査対象となる搬送物品(以下、「ワーク」という)に対して重量検査や金属混入のチェック等の品質検査が行われ、その検査結果に基づき、正常であればワークをそのまま通過させ、不良品であれば搬送されたワークを所定方向に押し出して搬送方向と異なる方向へ選別する、所謂プッシャ方式により正常物品及び不良物品を振り分ける装置として、例えば下記特許文献1の選別装置が知られている。
【0003】
下記特許文献1に開示される選別装置は、検査手段からの検査済みの物品を所定の搬送方向に搬送する搬送手段と、検査手段による物品の検査結果が設定条件と異なる場合に検査手段からの検査結果信号を受けて搬送されているワークを押し出し部材により搬送方向と異なる方向に排出する分配手段と、分配手段の移動時に搬送方向に対するその傾斜角θが変化する挟み込み防止板とを備え、分配手段が搬送方向下流側の搬送路上に進入して不良物品であるワークを搬送路上から排出する際に、押し出し部材の姿勢位置に応じて挟み込み防止板を姿勢変化させ、不良物品の排出動作時に後続のワークが押出し部材側に接触するのを回避している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−55732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の装置では、ワークの排出動作時に押し出し部材の姿勢位置に応じて挟み込み防止板の姿勢位置を変化させる機構を備えているため、これらを構成する部品点数が多くなるとともに、装置構成が複雑化するという問題があった。また、搬送されるワークによってその大きさや形状が異なるため、各部材の位置調整や角度調整が煩雑であった。
【0006】
さらに、上記装置では比較的軽量で小型なワークの高速選別作業において有効であるが、ワークとして例えば業務用チーズや加工肉等を段ボールに大量に梱包した重々量で大型な製品であった場合、ワークの大きさや重量によって挟み込み防止部材による係合が不十分となる虞があった。
【0007】
また、図4に示すように、検査装置としてX線検査装置を使用し、生産ラインにおける搬送距離の短縮に伴い検査装置が選別装置の直前に配置されるような場合、選別動作時に押出部材の裏面側に引っ掛かったワークが検査装置の外周を覆うX線漏洩防止用のカバーとの間で挟み込まれてカバーが破壊されてしまうという問題があった。
【0008】
さらに、この種の選別装置は、生産ラインにおける処理装置として組み込まれるため、下記(1)〜(3)に示すような状況により予め設定されているワークの搬送タイミングにずれが生じてしまい、その結果、図5(a)に示すようにワークの誤搬送によりワークの挟み込みが発生したり、図5(b)に示すようにワークが搬送路外に誤って排出されてしまうという問題があった。
(1)生産ラインにおける生産工程でのワーク供給能力のバラツキが生じるケース。
(2)検査装置としてX線検査装置を用いた場合、X線漏洩防止用のX線遮蔽カーテンがワークの搬入側と排出側にそれぞれ設けられているため、ワークの種類によってはこのカーテンによって搬送ピッチがずれてしまうケース。
(3)検査装置の搬送手段から選別装置の搬送手段へ搬送されるワークの乗り継ぎが乱れてしまうケース。
【0009】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、ワークの形状、重量、搬送タイミング等に左右されることなく確実に押出部材の挟み込みを防止することのできる選別装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された選別装置は、所定の搬送方向に沿ってワークWを搬送する搬送路11a上を前記ワークの押出開始位置から押出終了位置まで移動して前記ワークを前記搬送方向と異なる方向へ選別する押出部材13aを有する選別機構13と、
前記押出部材が移動しているときに、前記搬送路上における前記ワークの搬入側の前記押出開始位置と移動中の前記押出部材との間の領域であって前記押出部材の可動領域である挟み込み誘発領域A内に後続のワークが進入したことを検出するワーク検出部14と、
前記ワーク検出部で前記挟み込み誘発領域A内に前記後続のワークが進入したことを検出したときは、前記選別機構による選別すべきワークの選別動作を中断するよう制御する制御部15と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載された選別装置は、請求項1記載の選別装置において、前記制御部15は、前記押出部材13aが前記押出開始位置から前記押出終了位置まで移動中のときに前記ワーク検出部14によって前記挟み込み誘発領域A内の前記後続のワークWが検出されると、前記押出部材を押出終了位置まで移動した後、前記選別機構による選別動作を中断するよう制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の選別装置によれば、選別機構によるワークの選別動作時にワーク検出部によって挟み込み誘発領域A内に後続のワークが進入したことを検出したときは選別機構によって選別すべきワークの選別動作を中断するため、後続のワークによる挟み込みや選別動作不良を防止することができる。
【0013】
さらに、ワーク検出部で挟み込み誘発領域A内に進入した後続のワークを検出したときに押出部材が押出開始位置から押出終了位置まで移動中のときは、押出部材を押出終了位置まで移動した後に選別機構による選別動作を中断するよう制御することで、不良品であるワークの選別動作を実行した後に押出部材による挟み込みが防止され、不良品選別が確実に行われるとともに挟み込み誘発領域A内に進入した後続のワークによる挟み込みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る選別装置の装置構成を示す概略上面図である。
【図2】(a)、(b) 選別機構の動作を示す説明図である。
【図3】(a) ワークが良品のときの処理動作を示す説明図である。 (b) ワークが不良品のときの処理動作を示す説明図である。 (c) 選別動作中断時の処理動作を示す説明図である。
【図4】検査装置としてX線検査装置を使用した場合のワークの挟み込み例を示す説明図である。
【図5】(a) 誤搬送されたワークの挟み込み例を示す説明図である。 (b) 誤搬送されたワークが搬送路外に排出された例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者等によりなされる実施可能な他の形態、実施例及び運用技術等はすべて本発明の範疇に含まれる。
【0016】
なお、本明細書において、「選別位置」は検査装置から搬送される不良品のワークを選別機構で選別動作開始する位置であり、「押出開始位置」は選別機構による不良品のワークの選別動作時に押出部材の移動が開始される位置であるとともにワークが良品の際に選別動作を実行せず押出部材が待機する初期位置であり、「押出終了位置」は選別機構による不良品のワークの選別動作時に移動した押出部材がワークを押し切った位置としてそれぞれ定義する。
【0017】
また、ワークの搬送方向として、「良品搬送方向」とは検査装置により良品と判定されたワークが搬送される方向(本形態では、検査装置からのワークの搬送方向と同方向)であり、「不良品搬送方向」とは検査装置により不良品として判定されたワークが搬送される方向(本形態では、検査装置からのワークの搬送方向と直交する方向)としてそれぞれ定義する。
【0018】
[装置構成]
まず、図1〜3を参照しながら、本発明に係る選別装置1の構成について説明する。
図1に示すように、本例の選別装置1は、本装置の上流側に配置される検査装置20(例えばX線検査装置、金属検出装置、重量検査装置)から搬送されるワークWを良品搬送方向に搬送する搬送手段11と、検査装置20において不良品と判定されたワークWを不良品搬送方向へ搬送する不良品搬送手段12と、検査装置20からの検査結果に基づき搬送路11a上のワークWを良品搬送方向又は不良品搬送方向の何れかの方向に選別する選別機構13と、選別機構13によって選別されるワークWの次に搬送される後続のワークWが、選別機構13の押出部材13aが不良搬送方向に移動して戻るときに挟み込みが起きやすい挟み込み誘発領域A内にあるか否かを検出するワーク検出部14と、選別装置1を構成する各部の駆動制御を行う制御部15とを備えている。
【0019】
なお、検査装置20は、例えばボタン操作やスイッチ操作により検査開始が指示されると、ワークWを順次搬入して所定の検査を実行し、選別装置1に対し、検査終了を起点として予めワーク毎に設定される選別タイミング信号(すなわち、ワークWの搬送速度、ワークWの重量、ワークWの搬送ピッチ、選別機構13による選別動作時間に基づき決定する選別機構13の駆動タイミングを制御する信号)を良否判定情報とともに出力している。
【0020】
搬送手段11は、周回する環状の搬送ベルトが良品搬送方向と直交する方向に回動自在に軸支される搬送ベルトローラに掛け回されて構成され、搬送ベルトと搬送ベルトローラとが協働して搬送路11a上のワークWを良品搬送方向に搬送する。搬送手段11は、制御部15からの制御に基づき検査装置20からのワークWを搬入するとともに、良品と判定されたワークWを後段の後処理部(不図示)へと搬送する良品搬送手段30に搬送している。
【0021】
不良品搬送手段12は、良品搬送方向と平行して回動自在に列設された複数のローラで構成され、隣接する搬送手段11における不良品のワークWの排出側(図1中における搬送路11aの下方側の側端)から選別機構13によって選別されたワークWを不良品搬送方向に搬送している。
【0022】
選別機構13は、押出部材13aと、駆動手段13bとで構成され、制御部15の制御に基づき搬送されたワークWを所定の搬送方向(良品搬送方向又は不良品搬送方向)へ振り分けてワークWの選別を行っている。
【0023】
押出部材13aは、例えばステンレス鋼板の板状部材で構成され、選別動作時に不良品のワークWと当接する当接面の裏面側における中央部分と後述する駆動手段13bの可動部材13cの先端部分とが接合して、前記当接面が搬送路11aに対して垂直となるよう立設されている。また、押出部材13aにおける当接面は、ワークWの大きさや形状に左右されることなく安定して不良品搬送方向へ押し出せる程度の当接面積を有している。よって、本例の押出部材13aでは、図1に示すように重々量で大型なワークWであっても安定して不良品搬送方向へ排出可能とするべく良品搬送方向を長手方向とする長方形状を有しており、鉛直方向上方からみると可動部材13cとの接続形状がT字形状を成している。なお、押出部材13aは、搬送される不良品であるワークWと当接した際に変形することなく排出可能な剛性を有する材料であれば特に限定はされない。
【0024】
駆動手段13bは、空気圧又は油圧による駆動シリンダ、ステッピングモータ等の駆動装置で構成され、搬送路11aを挟んで不良品搬送手段12と対向する位置に設けられている。また、駆動手段13bは、不良品搬送方向に沿って進退移動して自身の駆動力を伝達して押出部材13aを図1における点線で囲まれた可動範囲内で移動させる可動部材13c(駆動シリンダではロッド、ステッピングモータではモータの回転力を直進方向に変換する動力伝達機構を介して接続される軸)を備えている。駆動手段13bは、制御部15からの待機信号に基づき可動部材13cを駆動させずに押出部材13aを押出開始位置で待機させている。また、駆動手段13bは、制御部15からの選別実行信号に基づき可動部材13cを不良品搬送方向に沿って進退移動させることで、押出部材13aを図2(a)に示す押出開始位置と図2(b)に示す押出終了位置との間を往復移動させている。さらに、駆動手段13bは、制御部15からの駆動停止信号に基づき可動部材13cの駆動を停止して選別動作を中断する。
【0025】
ワーク検出部14は、光を投受光する投受光器と投光された光を反射する反射ミラーとで構成される投受光センサである。ワーク検出部14は、不良品であるワークWの選別動作中で押出部材13が押出開始位置と押出終了位置との間で往復移動しているときに、図1における一点鎖線で囲まれた挟み込み誘発領域A(搬送路11a上におけるワークWの搬入側の押出開始位置と移動中の押出部材13aとの間の領域であって押出部材13aの可動領域)内に後続のワークWが進入したことを検出すると、この検出に基づくワーク検出信号を制御部15に出力している。なお、本形態では、図1に示すように駆動手段13bにおけるワークWの搬入側端に投受光器を、押出部材13aの裏面側におけるワークWの搬入側に反射ミラーを配設した例であるが、ワーク検出部14は上述の挟み込み誘発領域A内へのワークWの進入を検出できるものであればよく、例えば撮像手段によって撮像された監視画像から挟み込み誘発領域A内に後続のワークWが進入したことを検出するようにしてもよい。
【0026】
制御部15は、例えばCPUやROM、RAMなどのマイクロコンピュータで構成され、選別装置1を構成する各部の駆動制御を行っている。また、制御部15は、検査装置20からの良否判定情報(良品判定情報、不良品判定情報)、選別タイミング信号、ワーク検出部14からのワーク検出信号に基づき選別機構13の駆動制御を行っている。
【0027】
ここで、選別機構13における選別動作に関する制御内容について図3を参照しながら説明する。なお、選別機構13に出力される各種信号による制御は、良否判定情報に付加された選別タイミング信号に基づくタイミングで実行される。
(選別動作制御)
制御部15は、検査装置20からの検査結果としての良品判定情報が入力されると、選別機構13の駆動手段13bに待機信号を出力する。これにより、図3(a)に示すように、良品として判定されたワークWが選別機構13を通過するまで押出部材13aが押出開始位置に待機された状態に制御され、良品として判定されたワークWを良品搬送手段30に搬送する。
また、制御部15は、検査装置20からの検査結果としての不良品判定情報が入力されると、検査装置20からの選別タイミング信号により駆動手段13bの駆動を制御する。これにより、図3(b)に示すように、不良品として判定されたワークWが選別位置に到達するタイミングで押出部材13aを突出して押出開始位置と押出終了位置の間を往復移動することにより、不良品として判定されたワークWを不良品搬送手段12に搬送する。
【0028】
(選別動作中断制御)
制御部15は、不良品の選別動作中にワーク検出部14からのワーク検出信号が入力されると、選別動作を中断させるために選別機構13の駆動手段13bに駆動停止信号を出力する。これにより、図3(c)に示すように、選別動作時に押出開始位置と押出終了位置との間を往復移動する押出部材13aの移動が停止され、挟み込み誘発領域A内に進入した後続のワークWによる挟み込みや選別動作不良を防止する効果を奏する。また、制御部15は、選別動作を中断する際に、選別機構13の駆動手段13bに駆動停止信号を出力するとともに、搬送手段11を停止制御する。これにより、選別動作が中断するとともに、搬送手段11によるワークWの搬送を停止している。
【0029】
なお、選別動作中断制御の出力タイミングとしては、ワーク検出信号を入力した時点で即座に選別機構13の駆動手段13bに駆動停止信号を出力して選別動作を中断する制御、又はワーク検出信号を入力した時点で押出部材13aが押出開始位置から押出終了位置まで移動中のときは、押出部材13aが押出終了位置まで移動した後、駆動停止信号を出力して選別動作を中断する制御の何れでもよい。後者による制御の場合、不良品であるワークWの選別動作を実行した後に押出部材13aによる挟み込みを防止するため、不良品選別が確実に行われるとともに挟み込み誘発領域A内に進入したワークWによる挟み込みを防止することができる。
【0030】
[処理動作]
次に、上述した選別装置1の処理動作について説明する。ここでは、本装置を生産ラインにおける検査装置20の後段に配置した時のワークWに対する良否判定後の処理であり、良品判定時における処理動作、不良品判定時における処理動作、挟み込み誘発領域A内に後続のワークWが進入したときの選別動作中断時における処理動作についてそれぞれ説明する。
【0031】
(良品判定時の処理動作)
良品判定時の処理動作としては、まず検査装置20において搬送されるワークWが所定の基準を満たしているか否かの判定がなされ、検査結果が良品であると、この検査結果を示す良品判定情報を選別装置1に出力する。
【0032】
選別装置1は、検査装置20からの良品判定情報に基づきワークWを良品搬送方向へ搬送するよう制御するため、選別機構13に対し制御部15から待機信号が出力される。選別機構13は、制御部15からの待機信号に基づき可動部材13cを駆動させずに押出部材13aを押出開始位置で待機させ、検査装置20から搬送されるワークWを良品搬送方向に沿って良品搬送手段30に搬送して選別動作を終了する。
【0033】
(不良品判定時の処理動作)
不良品判定時の処理動作としては、まず検査装置20において搬送されるワークWが所定の基準を満たしているか否かの判定がなされ、検査結果が不良品であると、この検査結果を示す不良品判定情報を選別装置1に出力する。
【0034】
選別装置1は、検査装置20からの不良品判定情報及び選別タイミング信号に基づきワークWを不良品搬送方向へ搬送するよう制御するため、選別機構13は、選別タイミング信号に基づき検査装置20から搬送されるワークWが選別位置に到達するタイミングで押出部材13aを突出して押出開始位置と押出終了位置との間を往復移動することにより、ワークWを不良品搬送手段12に搬送して選別動作を終了する。
【0035】
(選別動作中断時の処理動作)
選別動作中断時の処理動作としては、まず検査装置20において搬送されるワークWが所定の基準を満たしているか否かの判定がなされ、検査結果が不良品であると、この検査結果を示す不良品判定情報を選別装置1に出力する。
【0036】
選別装置1は、検査装置20からの不良品判定情報及び選別タイミング信号に基づきワークWを不良品搬送方向へ搬送するよう制御するため、選別機構13は、選別タイミング信号に基づき検査装置20から搬送されるワークWが選別位置に到達するタイミングで押出部材13aを突出して押出開始位置と押出終了位置との間を往復移動することにより、ワークWを不良品搬送手段12に搬送する選別動作を行う。
【0037】
このとき、ワーク検出部14で挟み込み誘発領域A内に後続のワークWが進入したことが検出されると、選別機構13に対し即座に選別動作を中断する駆動停止信号が出力され、選別機構13による選別動作が中断される。
【0038】
また、上記選別動作中断時の処理動作の他の形態として、ワーク検出信号を入力した時点で押出部材13aが押出開始位置から押出終了位置まで移動中のとき(すなわち、不良品のワークWを不良品搬送方向へ搬送中のとき)は、押出終了位置まで移動した後、駆動停止信号を出力して選別動作を中断する。
【0039】
さらに、必要に応じて駆動停止信号の出力と同時に、搬送手段11を停止制御して搬送手段11によるワークWの搬送を停止する。
【0040】
以上説明したように、上述した選別装置1は、検査装置20において不良品と判定されたワークWを選別動作により不良品搬送方向へ搬送する際に、選別機構13によるワークWの選別動作中においてワーク検出部14で挟み込み誘発領域A内に後続のワークWが進入してきたことを検出すると、制御部15にワーク検出信号が出力される。制御部15は、ワーク検出信号を入力すると、選別手段の駆動を中断する駆動停止信号を選別機構13に出力している。
【0041】
これにより、選別動作時に押出開始位置と押出終了位置との間を往復移動する押出部材13aの移動が中断され、挟み込み誘発領域A内に進入した後続のワークWによる挟み込みや選別動作不良を防止する効果を奏する。特に、検査装置20としてX線検査装置を使用し、生産ラインにおける搬送距離の短縮に伴い検査装置20が選別装置1の直前に配置されるような場合、選別動作時に押出部材13aの裏面側に引っ掛かったワークWが検査装置20の外周を覆うX線漏洩防止用のカバーとの間で挟み込まれてカバーが破壊されてしまうような事態を未然に防止することができる。
【0042】
また、制御部15は、選別動作を中断する際に、駆動停止信号を選別機構13に出力するとともに、搬送手段11を停止制御することで、選別動作が停止するとともに、搬送手段11によるワークWの搬送が停止され、挟み込み誘発領域A内に進入した後続のワークWによる挟み込みや選別動作不良の防止効果がより向上する。
【0043】
さらに、ワーク検出部14で挟み込み誘発領域A内に進入した後続のワークWを検出したときに押出部材13aが押出開始位置から押出終了位置まで移動中のときは、押出部材13aを押出終了位置まで移動した後に選別機構13による選別動作を中断するよう制御することで、不良品であるワークWの選別動作を実行した後に押出部材13aによる挟み込みが防止され、不良品選別が確実に行われるとともに挟み込み誘発領域A内に進入した後続のワークによる挟み込みを防止することができる。
【符号の説明】
【0044】
1…選別装置
11…搬送手段(11a…搬送路)
12…不良品搬送手段
13…選別機構(13a…押出部材、13b…駆動手段、13c…可動部材)
14…ワーク検出部
15…制御部
20…検査装置
30…良品搬送手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の搬送方向に沿ってワーク(W)を搬送する搬送路(11a)上を前記ワークの押出開始位置から押出終了位置まで移動して前記ワークを前記搬送方向と異なる方向へ選別する押出部材(13a)を有する選別機構(13)と、
前記押出部材が移動しているときに、前記搬送路上における前記ワークの搬入側の前記押出開始位置と移動中の前記押出部材との間の領域であって前記押出部材の可動領域である挟み込み誘発領域A内に後続のワークが進入したことを検出するワーク検出部(14)と、
前記ワーク検出部で前記挟み込み誘発領域A内に前記後続のワークが進入したことを検出したときは、前記選別機構による選別すべきワークの選別動作を中断するよう制御する制御部(15)と、
を備えたことを特徴とする選別装置。
【請求項2】
前記制御部(15)は、前記押出部材(13a)が前記押出開始位置から前記押出終了位置まで移動中のときに前記ワーク検出部(14)によって前記挟み込み誘発領域A内の前記後続のワークWが検出されると、前記押出部材を押出終了位置まで移動した後、前記選別機構による選別動作を中断するよう制御することを特徴とする請求項1記載の選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−193001(P2012−193001A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56913(P2011−56913)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】