選択性に優れた抗がんキメラペプチド
【課題】本発明は、細胞内安定性や正常細胞への機能障害などから副作用を避けることができる抗がん剤またはDDSとして使用可能な物質を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明者らは、EGFRに結合するペプチド配列等の結合ペプチドおよび溶解型ペプチド配列を用いて、EGFR等を過剰に発現するがん細胞を標的とする新規キメラペプチドを開発したことによって、かかる課題を解決した。特に、EGF受容体結合ペプチド等と、細胞殺傷性ペプチドとを含むキメラペプチドを用いることによって、この課題を解決した。
【解決手段】本発明者らは、EGFRに結合するペプチド配列等の結合ペプチドおよび溶解型ペプチド配列を用いて、EGFR等を過剰に発現するがん細胞を標的とする新規キメラペプチドを開発したことによって、かかる課題を解決した。特に、EGF受容体結合ペプチド等と、細胞殺傷性ペプチドとを含むキメラペプチドを用いることによって、この課題を解決した。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
受容体結合ペプチドと、細胞殺傷性ペプチドとを含むキメラペプチド。
【請求項2】
前記受容体結合ペプチドは、EGF受容体結合ペプチド、インターロイキン4(IL−4)受容体結合ペプチド、インターロイキン13(IL−13)受容体結合ペプチド、ニューロピリン(neuropilin)受容体結合ペプチド、ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)結合ペプチド、血管上皮増殖因子受容体(VEGFR)結合ペプチドおよびトランスフェリン受容体(Transferrin Receptor,TfR)結合ペプチドからなる群より選択される、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項3】
EGF受容体結合ペプチドと、細胞殺傷性ペプチドとを含む請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項4】
前記受容体結合ペプチドは、EGF受容体結合ペプチドであり、アミノ酸配列YHWYGYTPQNVI(配列番号7)(ここで、アルファベットは、アミノ酸の1文字表示である。)またはその改変配列を有するものである、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項5】
前記受容体結合ペプチドは、EGF受容体結合ペプチドであり、
アミノ酸配列X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12(配列番号8)を有するものであって、ここで
X1は、Yまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X2は、Hまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X3は、Wまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X4は、Yまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X5は、Gまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X6は、Yまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X7は、Tまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X8は、Pまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X9は、Qまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X10は、Nまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X11は、Vまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X12は、Iまたはそれに類似するアミノ酸である、
請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項6】
前記受容体結合ペプチドは、EGF受容体結合ペプチドであり、
アミノ酸配列X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12(配列番号8)を有するものであって、ここで
X1は、Yまたはそれに類似するOH基を有するアミノ酸または芳香族基を有するアミノ酸であり;
X2は、Hまたはそれに類似するプラスチャージを有するアミノ酸であり;
X3は、Wまたはそれに類似する芳香族を有するアミノ酸であり;
X4は、Yまたはそれに類似するOH基を有するアミノ酸であり;
X5は、Gまたはそれに類似する脂肪族系側鎖を有するアミノ酸であり;
X6は、Yまたはそれに類似するOH基を有するアミノ酸であり;
X7は、Tまたはそれに類似するOH基を有するアミノ酸であり;
X8は、Pまたはそれに類似するイミノ酸系のアミノ酸であり;
X9は、Qまたはそれに類似するアミド系のアミノ酸であり;
X10は、Nまたはそれに類似するOH基を有するアミノ酸であり;
X11は、Vまたはそれに類似する脂肪族系側鎖を有するアミノ酸であり;
X12は、Iまたはそれに類似する脂肪族系側鎖を有するアミノ酸である、
請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項7】
前記受容体結合ペプチドは、EGF受容体結合ペプチドであり、
アミノ酸配列X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12(配列番号8)を有するものであって、ここで
X1は、Yまたはそれに類似するS、HもしくはFであるアミノ酸であり;
X2は、Hまたはそれに類似するRもしくはKであるアミノ酸であり;
X3は、Wまたはそれに類似するY、FもしくはHであるアミノ酸であり;
X4は、Yまたはそれに類似するS、HもしくはFであるアミノ酸であり;
X5は、Gまたはそれに類似するA、V、IもしくはLであるアミノ酸であり;
X6は、Yまたはそれに類似するS、HもしくはFであるアミノ酸であり;
X7は、Tまたはそれに類似するS、HもしくはFであるアミノ酸であり;
X8は、Pまたはそれに類似するヒドロキシルプロリンであるアミノ酸であり;
X9は、Qまたはそれに類似するNであるアミノ酸であり;
X10は、Nまたはそれに類似するS、HもしくはFであるアミノ酸であり;
X11は、Vまたはそれに類似するG、A、LもしくはIであるアミノ酸であり;
X12は、Iまたはそれに類似するG、A、VもしくはLであるアミノ酸である、
請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項8】
前記配列において、X2は、Hまたはそれに類似するRもしくはKであるアミノ酸である、請求項5に記載のキメラペプチド。
【請求項9】
前記EGF受容体結合ペプチドは、YRWYGYTPQNVI(配列番号9)またはYKWYGYTPQNVI(配列番号10)を有する、請求項3に記載のキメラペプチド。
【請求項10】
前記細胞殺傷性ペプチドは、細胞膜溶解性ペプチド、細胞膜電位不安定化ペプチド、細胞膜溶解・核酸結合ペプチドおよびミトコンドリア膜崩壊ペプチドからなる群より選択される、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項11】
前記細胞膜溶解性ペプチドは、KおよびLのみからなる10〜20個連なったアミノ酸配列を有し、該アミノ酸は、L体、D体もしくはDL混合である、請求項10に記載のキメラペプチド。
【請求項12】
前記細胞膜溶解性ペプチドは、KLLLKLLKKLLKLLKKK(配列番号48)であり、該アミノ酸は、L体、D体もしくはDL混合である、請求項11に記載のキメラペプチド。
【請求項13】
前記細胞膜電位不安定化ペプチドは、FLKLLKKLAAKLF(配列番号11)である、請求項10に記載のキメラペプチド。
【請求項14】
前記細胞膜溶解・核酸結合ペプチドは、RLLRRLLRRLLRRLLRRLLR(配列番号12)またはRLLRRLLRRLLRK(配列番号13)である、請求項10に記載のキメラペプチド。
【請求項15】
前記ミトコンドリア膜崩壊ペプチドは、KLAKLAKKLAKLAK(配列番号4)である、請求項10に記載のキメラペプチド。
【請求項16】
前記細胞殺傷性ペプチドは、プラスチャージを持つアミノ酸と疎水性アミノ酸から構成され、両親媒性ヘリックス構造をとる10から30アミノ酸からなる配列を有する、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項17】
前記プラスチャージを持つアミノ酸は、K、RまたはHであり、前記疎水性アミノ酸は、I、L、V、AまたはFである、請求項16に記載のキメラペプチド。
【請求項18】
前記細胞殺傷性ペプチドは、KLLLKLLKKLLKLLKKK(配列番号1)であり、ここで、各アミノ酸はL体またはD体であり、下線は、D体を示す、請求項16に記載のキメラペプチド。
【請求項19】
スペーサーペプチドをさらに有する、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項20】
前記スペーサーペプチドはグリシンまたはプロリンまたはその混合物が0〜5個連なった配列である、請求項19に記載のキメラペプチド。
【請求項21】
前記スペーサーペプチドはGGGである、請求項19に記載のキメラペプチド。
【請求項22】
YHWYGYTPQNVIGGGKLLLKLLKKLLKLLKKK(配列番号2)の配列を有するものであり、下線は、D体を示す、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項23】
YRWYGYTPQNVIGGGKLLLKLLKKLLKLLKKK(配列番号43)の配列を有するものであり、下線は、D体を示す、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項24】
前記受容体結合ペプチドは、インターロイキン4(IL−4)受容体結合ペプチドであり、アミノ酸配列KQLIRFLKRLDRN(配列番号26)またはその改変配列を有するものである、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項25】
前記受容体結合ペプチドは、インターロイキン13(IL−13)受容体結合ペプチドであり、アミノ酸配列KDLLLHLKKLFREGQFN(配列番号28)またはその改変配列を有するものである、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項26】
前記受容体結合ペプチドは、ニューロピリン(neuropilin)受容体結合ペプチドであり、アミノ酸配列NYQWVPYQGRVPYPR(配列番号29)またはその改変配列を有するものである、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項27】
前記受容体結合ペプチドは、ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)結合ペプチドであり、アミノ酸配列YCDGFYACYMDV(配列番号30)またはその改変配列を有するものである、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項28】
前記受容体結合ペプチドは、血管上皮増殖因子受容体1(VEGFR1)結合ペプチドであり、アミノ酸配列WHSDMEWWYLLG(配列番号31)、VEPNCDIHVMWEWECFERL−NH2(配列番号32)もしくはGGNECDAIRMWEWECFERL(配列番号33)またはその改変配列を有するものである、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項29】
前記受容体結合ペプチドは、トランスフェリン受容体(Transferrin Receptor,TfR)結合ペプチドであり、アミノ酸配列THRPPMWSPVWP(配列番号34)またはその改変配列を有するものである、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項30】
前記受容体結合ペプチドは、繊維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)結合ペプチドであり、MQLPLAT(配列番号5)またはAAVALLPAVLLALLAP(配列番号6)であるか;ニューロピリン1(NRP1)/血管内皮細胞増殖因子受容体2(VEGFR2)結合ペプチドであり、ATWLPPR(配列番号36)であるか;エフリンB1(EphB1)結合ペプチドであり、EWLS(配列番号37)であるか;エフリンB2(EphB2)結合ペプチドであり、SNEW(配列番号38)であるか;インターロイキン11受容体(IL11R)結合ペプチドであり、CGRRAGGSC(環状)(配列番号22)であるか;グルコース調節タンパク質78(GRP78)結合ペプチドであり、WDLAWMFRLPVG(配列番号39)またはCTVALPGGYVRVC(環状)(配列番号40)であるか;前立腺特異的膜抗原(PSMA)結合ペプチドであり、CQKHHNYLC(配列番号35)であるか、あるいは、これらの改変配列である、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項31】
配列番号2、14、21、42、43または21からなる群より選択される配列またはその改変配列を有する、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項32】
配列番号15に示す配列またはその改変配列を有する、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項33】
配列番号16に示す配列またはその改変配列を有する、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項34】
配列番号17に示す配列またはその改変配列を有する、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項35】
配列番号18または44に示す配列またはその改変配列を有する、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項36】
配列番号19に示す配列またはその改変配列を有する、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項37】
配列番号20、46または47に示す配列またはその改変配列を有する、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項38】
請求項1〜37のいずれかに記載のキメラペプチドをコードする核酸。
【請求項39】
請求項1〜37のいずれかに記載のキメラペプチドをコードする核酸を含むベクター。
【請求項40】
請求項1〜37のいずれかに記載のキメラペプチドをコードする核酸を含む細胞。
【請求項41】
請求項1〜37に記載のキメラペプチドを含む医薬組成物。
【請求項42】
請求項1〜37に記載のキメラペプチドを含む抗がん剤。
【請求項43】
請求項1〜37に記載のキメラペプチドの、医薬組成物の製造のための使用。
【請求項44】
請求項1〜37に記載のキメラペプチドの、抗がん剤の製造のための使用。
【請求項45】
請求項1〜37に記載のキメラペプチドを投与する工程を包含する治療方法。
【請求項46】
請求項1〜37に記載のキメラペプチドを投与する工程を包含するがんの治療方法。
【請求項47】
EGF受容体結合ペプチドがターゲットとするアミノ酸配列を用いる、医薬のスクリーニング方法。
【請求項48】
EGF受容体結合ペプチドがターゲットとするアミノ酸配列を用いる、抗がん剤のスクリーニング方法。
【請求項49】
標的結合ペプチドと細胞殺傷性の溶解性ペプチド成分とを含む標的化キメラペプチドであるペプチドトキシン。
【請求項50】
前記標的結合ペプチドは、がん細胞高発現受容体特異的結合配列を有し、前記溶解性ペプチド成分は、がん細胞膜溶解型配列を有し、スペーサーを有する、請求項49に記載のペプチドトキシン。
【請求項51】
前記溶解性ペプチド成分は、プラスチャージを持つアミノ酸と疎水性アミノ酸から構成され、両親媒性ヘリックス構造をとる10から30アミノ酸からなる配列を有する、請求項50に記載のペプチドトキシン。
【請求項52】
前記プラスチャージを持つアミノ酸は、K、RまたはHであり、前記疎水性アミノ酸を持つアミノ酸は、I、L、V、AまたはFである、請求項50に記載のペプチドトキシン。
【請求項53】
前記スペーサーは、グリシンまたはプロリンまたはその混合0〜5個連なった配列である、請求項50に記載のペプチドトキシン。
【請求項54】
EGFR高発現がん細胞におけるEGFRおよび該EGFR高発現がん細胞のがん細胞膜の両方をターゲットとするアミノ酸配列を用いることを特徴とする、医薬のスクリーニング方法。
【請求項55】
前記医薬は抗がん剤である、請求項54に記載のスクリーニング方法。
【請求項56】
前記アミノ酸配列は、YHWYGYTPQNVIGGGKLLLKLLKKLLKLLKKK(配列番号2)である、請求項54に記載のスクリーニング方法。
【請求項1】
受容体結合ペプチドと、細胞殺傷性ペプチドとを含むキメラペプチド。
【請求項2】
前記受容体結合ペプチドは、EGF受容体結合ペプチド、インターロイキン4(IL−4)受容体結合ペプチド、インターロイキン13(IL−13)受容体結合ペプチド、ニューロピリン(neuropilin)受容体結合ペプチド、ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)結合ペプチド、血管上皮増殖因子受容体(VEGFR)結合ペプチドおよびトランスフェリン受容体(Transferrin Receptor,TfR)結合ペプチドからなる群より選択される、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項3】
EGF受容体結合ペプチドと、細胞殺傷性ペプチドとを含む請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項4】
前記受容体結合ペプチドは、EGF受容体結合ペプチドであり、アミノ酸配列YHWYGYTPQNVI(配列番号7)(ここで、アルファベットは、アミノ酸の1文字表示である。)またはその改変配列を有するものである、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項5】
前記受容体結合ペプチドは、EGF受容体結合ペプチドであり、
アミノ酸配列X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12(配列番号8)を有するものであって、ここで
X1は、Yまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X2は、Hまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X3は、Wまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X4は、Yまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X5は、Gまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X6は、Yまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X7は、Tまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X8は、Pまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X9は、Qまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X10は、Nまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X11は、Vまたはそれに類似するアミノ酸であり;
X12は、Iまたはそれに類似するアミノ酸である、
請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項6】
前記受容体結合ペプチドは、EGF受容体結合ペプチドであり、
アミノ酸配列X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12(配列番号8)を有するものであって、ここで
X1は、Yまたはそれに類似するOH基を有するアミノ酸または芳香族基を有するアミノ酸であり;
X2は、Hまたはそれに類似するプラスチャージを有するアミノ酸であり;
X3は、Wまたはそれに類似する芳香族を有するアミノ酸であり;
X4は、Yまたはそれに類似するOH基を有するアミノ酸であり;
X5は、Gまたはそれに類似する脂肪族系側鎖を有するアミノ酸であり;
X6は、Yまたはそれに類似するOH基を有するアミノ酸であり;
X7は、Tまたはそれに類似するOH基を有するアミノ酸であり;
X8は、Pまたはそれに類似するイミノ酸系のアミノ酸であり;
X9は、Qまたはそれに類似するアミド系のアミノ酸であり;
X10は、Nまたはそれに類似するOH基を有するアミノ酸であり;
X11は、Vまたはそれに類似する脂肪族系側鎖を有するアミノ酸であり;
X12は、Iまたはそれに類似する脂肪族系側鎖を有するアミノ酸である、
請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項7】
前記受容体結合ペプチドは、EGF受容体結合ペプチドであり、
アミノ酸配列X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12(配列番号8)を有するものであって、ここで
X1は、Yまたはそれに類似するS、HもしくはFであるアミノ酸であり;
X2は、Hまたはそれに類似するRもしくはKであるアミノ酸であり;
X3は、Wまたはそれに類似するY、FもしくはHであるアミノ酸であり;
X4は、Yまたはそれに類似するS、HもしくはFであるアミノ酸であり;
X5は、Gまたはそれに類似するA、V、IもしくはLであるアミノ酸であり;
X6は、Yまたはそれに類似するS、HもしくはFであるアミノ酸であり;
X7は、Tまたはそれに類似するS、HもしくはFであるアミノ酸であり;
X8は、Pまたはそれに類似するヒドロキシルプロリンであるアミノ酸であり;
X9は、Qまたはそれに類似するNであるアミノ酸であり;
X10は、Nまたはそれに類似するS、HもしくはFであるアミノ酸であり;
X11は、Vまたはそれに類似するG、A、LもしくはIであるアミノ酸であり;
X12は、Iまたはそれに類似するG、A、VもしくはLであるアミノ酸である、
請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項8】
前記配列において、X2は、Hまたはそれに類似するRもしくはKであるアミノ酸である、請求項5に記載のキメラペプチド。
【請求項9】
前記EGF受容体結合ペプチドは、YRWYGYTPQNVI(配列番号9)またはYKWYGYTPQNVI(配列番号10)を有する、請求項3に記載のキメラペプチド。
【請求項10】
前記細胞殺傷性ペプチドは、細胞膜溶解性ペプチド、細胞膜電位不安定化ペプチド、細胞膜溶解・核酸結合ペプチドおよびミトコンドリア膜崩壊ペプチドからなる群より選択される、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項11】
前記細胞膜溶解性ペプチドは、KおよびLのみからなる10〜20個連なったアミノ酸配列を有し、該アミノ酸は、L体、D体もしくはDL混合である、請求項10に記載のキメラペプチド。
【請求項12】
前記細胞膜溶解性ペプチドは、KLLLKLLKKLLKLLKKK(配列番号48)であり、該アミノ酸は、L体、D体もしくはDL混合である、請求項11に記載のキメラペプチド。
【請求項13】
前記細胞膜電位不安定化ペプチドは、FLKLLKKLAAKLF(配列番号11)である、請求項10に記載のキメラペプチド。
【請求項14】
前記細胞膜溶解・核酸結合ペプチドは、RLLRRLLRRLLRRLLRRLLR(配列番号12)またはRLLRRLLRRLLRK(配列番号13)である、請求項10に記載のキメラペプチド。
【請求項15】
前記ミトコンドリア膜崩壊ペプチドは、KLAKLAKKLAKLAK(配列番号4)である、請求項10に記載のキメラペプチド。
【請求項16】
前記細胞殺傷性ペプチドは、プラスチャージを持つアミノ酸と疎水性アミノ酸から構成され、両親媒性ヘリックス構造をとる10から30アミノ酸からなる配列を有する、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項17】
前記プラスチャージを持つアミノ酸は、K、RまたはHであり、前記疎水性アミノ酸は、I、L、V、AまたはFである、請求項16に記載のキメラペプチド。
【請求項18】
前記細胞殺傷性ペプチドは、KLLLKLLKKLLKLLKKK(配列番号1)であり、ここで、各アミノ酸はL体またはD体であり、下線は、D体を示す、請求項16に記載のキメラペプチド。
【請求項19】
スペーサーペプチドをさらに有する、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項20】
前記スペーサーペプチドはグリシンまたはプロリンまたはその混合物が0〜5個連なった配列である、請求項19に記載のキメラペプチド。
【請求項21】
前記スペーサーペプチドはGGGである、請求項19に記載のキメラペプチド。
【請求項22】
YHWYGYTPQNVIGGGKLLLKLLKKLLKLLKKK(配列番号2)の配列を有するものであり、下線は、D体を示す、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項23】
YRWYGYTPQNVIGGGKLLLKLLKKLLKLLKKK(配列番号43)の配列を有するものであり、下線は、D体を示す、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項24】
前記受容体結合ペプチドは、インターロイキン4(IL−4)受容体結合ペプチドであり、アミノ酸配列KQLIRFLKRLDRN(配列番号26)またはその改変配列を有するものである、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項25】
前記受容体結合ペプチドは、インターロイキン13(IL−13)受容体結合ペプチドであり、アミノ酸配列KDLLLHLKKLFREGQFN(配列番号28)またはその改変配列を有するものである、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項26】
前記受容体結合ペプチドは、ニューロピリン(neuropilin)受容体結合ペプチドであり、アミノ酸配列NYQWVPYQGRVPYPR(配列番号29)またはその改変配列を有するものである、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項27】
前記受容体結合ペプチドは、ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)結合ペプチドであり、アミノ酸配列YCDGFYACYMDV(配列番号30)またはその改変配列を有するものである、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項28】
前記受容体結合ペプチドは、血管上皮増殖因子受容体1(VEGFR1)結合ペプチドであり、アミノ酸配列WHSDMEWWYLLG(配列番号31)、VEPNCDIHVMWEWECFERL−NH2(配列番号32)もしくはGGNECDAIRMWEWECFERL(配列番号33)またはその改変配列を有するものである、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項29】
前記受容体結合ペプチドは、トランスフェリン受容体(Transferrin Receptor,TfR)結合ペプチドであり、アミノ酸配列THRPPMWSPVWP(配列番号34)またはその改変配列を有するものである、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項30】
前記受容体結合ペプチドは、繊維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)結合ペプチドであり、MQLPLAT(配列番号5)またはAAVALLPAVLLALLAP(配列番号6)であるか;ニューロピリン1(NRP1)/血管内皮細胞増殖因子受容体2(VEGFR2)結合ペプチドであり、ATWLPPR(配列番号36)であるか;エフリンB1(EphB1)結合ペプチドであり、EWLS(配列番号37)であるか;エフリンB2(EphB2)結合ペプチドであり、SNEW(配列番号38)であるか;インターロイキン11受容体(IL11R)結合ペプチドであり、CGRRAGGSC(環状)(配列番号22)であるか;グルコース調節タンパク質78(GRP78)結合ペプチドであり、WDLAWMFRLPVG(配列番号39)またはCTVALPGGYVRVC(環状)(配列番号40)であるか;前立腺特異的膜抗原(PSMA)結合ペプチドであり、CQKHHNYLC(配列番号35)であるか、あるいは、これらの改変配列である、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項31】
配列番号2、14、21、42、43または21からなる群より選択される配列またはその改変配列を有する、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項32】
配列番号15に示す配列またはその改変配列を有する、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項33】
配列番号16に示す配列またはその改変配列を有する、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項34】
配列番号17に示す配列またはその改変配列を有する、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項35】
配列番号18または44に示す配列またはその改変配列を有する、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項36】
配列番号19に示す配列またはその改変配列を有する、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項37】
配列番号20、46または47に示す配列またはその改変配列を有する、請求項1に記載のキメラペプチド。
【請求項38】
請求項1〜37のいずれかに記載のキメラペプチドをコードする核酸。
【請求項39】
請求項1〜37のいずれかに記載のキメラペプチドをコードする核酸を含むベクター。
【請求項40】
請求項1〜37のいずれかに記載のキメラペプチドをコードする核酸を含む細胞。
【請求項41】
請求項1〜37に記載のキメラペプチドを含む医薬組成物。
【請求項42】
請求項1〜37に記載のキメラペプチドを含む抗がん剤。
【請求項43】
請求項1〜37に記載のキメラペプチドの、医薬組成物の製造のための使用。
【請求項44】
請求項1〜37に記載のキメラペプチドの、抗がん剤の製造のための使用。
【請求項45】
請求項1〜37に記載のキメラペプチドを投与する工程を包含する治療方法。
【請求項46】
請求項1〜37に記載のキメラペプチドを投与する工程を包含するがんの治療方法。
【請求項47】
EGF受容体結合ペプチドがターゲットとするアミノ酸配列を用いる、医薬のスクリーニング方法。
【請求項48】
EGF受容体結合ペプチドがターゲットとするアミノ酸配列を用いる、抗がん剤のスクリーニング方法。
【請求項49】
標的結合ペプチドと細胞殺傷性の溶解性ペプチド成分とを含む標的化キメラペプチドであるペプチドトキシン。
【請求項50】
前記標的結合ペプチドは、がん細胞高発現受容体特異的結合配列を有し、前記溶解性ペプチド成分は、がん細胞膜溶解型配列を有し、スペーサーを有する、請求項49に記載のペプチドトキシン。
【請求項51】
前記溶解性ペプチド成分は、プラスチャージを持つアミノ酸と疎水性アミノ酸から構成され、両親媒性ヘリックス構造をとる10から30アミノ酸からなる配列を有する、請求項50に記載のペプチドトキシン。
【請求項52】
前記プラスチャージを持つアミノ酸は、K、RまたはHであり、前記疎水性アミノ酸を持つアミノ酸は、I、L、V、AまたはFである、請求項50に記載のペプチドトキシン。
【請求項53】
前記スペーサーは、グリシンまたはプロリンまたはその混合0〜5個連なった配列である、請求項50に記載のペプチドトキシン。
【請求項54】
EGFR高発現がん細胞におけるEGFRおよび該EGFR高発現がん細胞のがん細胞膜の両方をターゲットとするアミノ酸配列を用いることを特徴とする、医薬のスクリーニング方法。
【請求項55】
前記医薬は抗がん剤である、請求項54に記載のスクリーニング方法。
【請求項56】
前記アミノ酸配列は、YHWYGYTPQNVIGGGKLLLKLLKKLLKLLKKK(配列番号2)である、請求項54に記載のスクリーニング方法。
【図39A】
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
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【図26C】
【図26D】
【図27A】
【図27B】
【図29】
【図30】
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【図32】
【図33A】
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【図34A】
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【図37】
【図38A】
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【図39B】
【図40】
【図41】
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
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【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
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【図4A】
【図4B】
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【図4D】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
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【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
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【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図26C】
【図26D】
【図27A】
【図27B】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33A】
【図33B】
【図34A】
【図34B】
【図34C】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38A】
【図38B】
【図39B】
【図40】
【図41】
【公表番号】特表2012−510287(P2012−510287A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539160(P2011−539160)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055476
【国際公開番号】WO2010/064207
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(509128373)株式会社アップストリーム・インフィニティ (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055476
【国際公開番号】WO2010/064207
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(509128373)株式会社アップストリーム・インフィニティ (1)
【Fターム(参考)】
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