説明

遺伝子発現のための多重プロモーターおよびその使用

【課題】ファインケミカルまたはタンパク質の製造方法を発展させ、あるいはファインケミカルまたはタンパク質の既存の製造方法の生産性を増大しまたは改良した生合成産物の調製方法を提供する。
【解決手段】多重プロモーターおよび発現ユニット、遺伝子の転写および発現を調節するためのそれらの使用、この種の多重プロモーターまたは発現ユニットを含む発現カセット、そのような発現カセットを含むベクター、この種のベクターおよび/または発現ユニットを含む遺伝子改変した微生物、ならびに、前記遺伝子改変した微生物を培養することにより生合成産物を調製する方法。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式I:
5'-P1-(-Ax-Px-)n-Ay-Py-3' (I)
(式中、
nは、0〜10の整数であり;
AxおよびAyは、同一または異なり、かつ化学結合またはリンカーの核酸配列であり;
P1、PxおよびPyは、少なくとも1つのRNAポリメラーゼ結合部分を含む、同一のまたは異なるプロモーター配列をコードし;また
少なくともPyは、リボソーム結合媒介性3'末端配列部分を含む)
の配列モジュールを5’から3’方向に含む、多重プロモーター含有型発現ユニット。
【請求項2】
P1、PxおよびPyが、それぞれ、同一のまたは異なる真核生物もしくは原核生物に由来するプロモーター配列または人工プロモーター配列である、請求項1に記載の発現ユニット。
【請求項3】
P1、PxおよびPyが、それぞれ、前記生物のゲノム中のタンパク質コーディング配列の5'上流に位置する35〜500ヌクレオチド残基の連続した配列に由来する、請求項2に記載の発現ユニット。
【請求項4】
前記生物がコリネフォルム細菌である、請求項2または3に記載の発現ユニット。
【請求項5】
P1、PxおよびPyが、互いに独立して、生物中に多量に存在するタンパク質のコーディング配列用のプロモーター配列のなかから選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発現ユニット。
【請求項6】
P1、PxおよびPyが、互いに独立して、配列番号1、配列番号2、配列番号3および配列番号4のなかから選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発現ユニット。
【請求項7】
前記プロモーターが、強力な、構成的プロモーターまたは調節可能プロモーターのなかから選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発現ユニット。
【請求項8】
以下の式II:
5'-P1-(-Ax-Px-)n-Ay-Py-G-3' (II)
(式中、
n、Ax、Ay、P1、PxおよびPyは、上記に定義されるとおりであり、かつ
Gは、5'上流の調節配列に機能的に連結された少なくとも1つのコーディング核酸配列である)
の配列モジュールを5’から3’方向に含む、発現カセット。
【請求項9】
Gが、以下:
a. タンパク質構成アミノ酸および非タンパク質構成アミノ酸の生合成経路のタンパク質をコードする核酸;
b. ヌクレオチドおよびヌクレオシドの生合成経路のタンパク質をコードする核酸;
c. 有機酸の生合成経路のタンパク質をコードする核酸;
d. 脂質および脂肪酸の生合成経路のタンパク質をコードする核酸;
e. ジオールの生合成経路のタンパク質をコードする核酸;
f. 炭水化物の生合成経路のタンパク質をコードする核酸;
g. 芳香族化合物の生合成経路のタンパク質をコードする核酸;
h. ビタミンの生合成経路のタンパク質をコードする核酸;
i. 補因子の生合成経路のタンパク質をコードする核酸;
j. 酵素の生合成経路のタンパク質をコードする核酸;および
k. 中央代謝のタンパク質をコードする核酸、
から選択される、請求項8に記載の発現カセット。
【請求項10】
前記核酸が、以下:
アスパラギン酸キナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼ、ジアミノピメリン酸デカルボキシラーゼ、ジヒドロジピコリン酸シンテターゼ、ジヒドロジピコリン酸レダクターゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、3-ホスホグリセリン酸キナーゼ、ピルビン酸カルボキシラーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、転写調節因子LuxR、転写調節因子LysR1、転写調節因子LysR2、リンゴ酸キノンオキシドレダクターゼ、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、6-ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ、トランスケトラーゼ、トランスアルドラーゼ、ホモセリン-O-アセチルトランスフェラーゼ、シスタチオニン-γ-シンターゼ、シスタチオニン-β-リアーゼ、セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ、O-アセチルホモセリンスルフヒドリラーゼ、メチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼ、ホスホセリンアミノトランスフェラーゼ、ホスホセリンホスファターゼ、セリンアセチルトランスフェラーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼ、トレオニンシンターゼ、トレオニン輸送担体、トレオニンデヒドラターゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、リシンエクスポーター、ビオチンリガーゼ、システインシンターゼI、システインシンターゼII、補酵素B12依存性メチオニンシンターゼ、補酵素B12非依存性メチオニンシンターゼ活性、スルフェートアデニリルトランスフェラーゼサブユニット1および2、ホスホアデノシンホスホ硫酸レダクターゼ、フェレドキシン亜硫酸レダクターゼ、フェレドキシンNADPレダクターゼ、3-ホスホグリセリン酸デヒドロゲナーゼ、RXA00655調節因子、RXN2910調節因子、アルギニルtRNAシンテターゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、トレオニン排出タンパク質(threonine efflux protein)、セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ、フルクトース1,6-ビスホスファターゼ、硫酸還元タンパク質RXA077、硫酸還元タンパク質RXA248、硫酸還元タンパク質RXA247、OpcAタンパク質、1-ホスホフルクトキナーゼ、6-ホスホフルクトキナーゼ、テトラヒドロピコリン酸スクシニラーゼ、スクシニルアミノケトピメリン酸アミノトランスフェラーゼ、スクシニルジアミノピメリン酸デスクシニラーゼ、ジアミノピメリン酸エピメラーゼ、6-ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ、グルコースリン酸イソメラーゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、アスパラギン酸トランスアミナーゼ、およびリンゴ酸酵素、
から選択される、アミノ酸生合成経路のタンパク質をコードする、請求項9のa.に記載の発現カセット。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか1項に記載の発現カセットの少なくとも1つを含むベクター。
【請求項12】
請求項11に記載のベクターの少なくとも1つで形質転換されているか、または請求項8〜10のいずれか1項に記載の発現カセットを少なくとも1つ含む、遺伝子改変微生物。
【請求項13】
コリネフォルム細菌に由来する、請求項12に記載の遺伝子改変微生物。
【請求項14】
コリネバクテリウム属またはブレビバクテリウム属の細菌に由来する、請求項13に記載の遺伝子改変微生物。
【請求項15】
統合型発現カセットを少なくとも1つ含む、請求項12〜14のいずれか1項に記載の遺伝子改変微生物。
【請求項16】
請求項12〜15のいずれか1項に記載の遺伝子改変微生物を培養すること、および該培養物から所望の産物を単離することを含んでなる、生合成産物の調製方法。
【請求項17】
前記生合成産物が、有機酸、タンパク質、ヌクレオチドおよびヌクレオシド、タンパク質構成アミノ酸および非タンパク質構成アミノ酸の両方、脂質および脂肪酸、ジオール、炭水化物、芳香族化合物、ビタミンおよび補因子、酵素およびタンパク質のなかから選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
産物の生合成を調節するための、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発現ユニットの使用。

【図1】
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【公開番号】特開2008−212157(P2008−212157A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95920(P2008−95920)
【出願日】平成20年4月2日(2008.4.2)
【分割の表示】特願2007−547344(P2007−547344)の分割
【原出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】