説明

遺伝子転写を調節する特性を含むDNA配列及びそのようなDNA配列を検出し且つ使用するための方法

【課題】調節配列の体系的な説明及び識別に関連し、他のスクリーニングの間に且つ調節配列が識別されうるところの検出方法を提供する。
【解決手段】遺伝子転写を調節する特性を有するDNA配列を検出し、任意的に選択するための方法であって、転写システムに様々なフラグメント含有ベクターを備えることを含み、前記ベクターは、i)遺伝子転写を抑制する特性を有するエレメント、及びii)レポーター遺伝子の転写を指示するプロモーターを含む。また、前記方法による、様々な分野たとえば制限されるものではないがタンパク質生産、診断、形質転換植物及び動物、並びに治療分野におけるそれらの使用方法。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
遺伝子転写を調節する特性を有するDNA配列を選択するための方法であって、転写システムに様々なフラグメント含有ベクターを備えることを含み、前記ベクターは、i)遺伝子転写を抑制する特性を有するエレメント、及びii)レポーター遺伝子の転写を指示するプロモーターをさらに含み、前記方法は前記遺伝子転写を調節する特性を有する前記DNA配列を含むフラグメントを識別するために前記転写システムにおいて選択ステップを実行することをさらに含む、前記方法。
【請求項2】
前記DNA配列は安定な遺伝子転写調節特性を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記DNA配列は遺伝子転写を助長する特性を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記転写システムは、宿主細胞を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記プロモーターは前記転写システムにおいて活性であってもよく、しかし前記ベクターにおける遺伝子転写抑制は遺伝子転写を抑制するクロマチンをもたらす、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
遺伝子転写抑制に関係するDNA配列がタンパク質複合体によって認識されるDNA配列であり、かつ前記転写システムが前記複合体を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記複合体は、ヘテロクロマチン結合性タンパク質HP1、ポリコーム−グループ(Pc-G)タンパク質、ヒストン脱アセチル化酵素活性又はMeCP2(メチル−CpG−結合性タンパク質)を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記ベクターがエピソーム的に複製するベクターである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ベクターが、イプシュタイン−バール(Epstein-Barr)ウィルス(EBV)、OriP、及び核抗原(EBNA-1)からの複製起源を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに一項に記載の方法。
【請求項10】
i)植物若しくは脊椎動物から単離されたDNA配列又はそれらの誘導体、又はii)合成DNA配列すなわち遺伝子エンジニアリングの手段によって構築されたDNA配列を含むDNA配列であって、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法の手段によって検出され、選択され及び任意的にクローニングされ得る、抑制を阻害する配列であるところの前記DNA配列。
【請求項11】
i)植物若しくは脊椎動物から単離されたDNA配列又はそれらの誘導体、又はii)合成DNA配列すなわち遺伝子エンジニアリングの手段によって構築されたDNA配列を含むDNA配列であって、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法の手段によって検出され、選択され及び任意的にクローニングされるところの前記DNA配列。
【請求項12】
遺伝子転写抑制特性を有するDNA配列を識別するための方法であって、
テスト核酸の集合を用意すること、
プロモーターの転写制御下にあるテスト核酸及び第1のレポーター遺伝子を含む発現ベクターの集合を生成すること、
細胞に発現ベクターの前記集合を備えること、
それらの後代を含む細胞又はベクターを選択すること、ここで前記第1のレポーター遺伝子の転写は抑制されている、及び
前記細胞中の前記テスト核酸を識別すること、
を含む、前記方法。
【請求項13】
前記DNA配列は遺伝子転写を抑制するクロマチン特性を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記DNA配列はポリコーム−グループ様応答エレメントを含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記ベクターが第2のレポーター遺伝子をさらに含む、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記転写システムが細胞を含む、請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第2のレポーター遺伝子がベクター含有細胞の選択を行うために使用される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ベクターが、遺伝子転写を調節する特性を有するDNA配列をさらに含む、請求項12〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記DNA配列は安定な遺伝子転写調節特性を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記DNA配列は、請求項10又は11に記載の配列を含む、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
前記DNA配列が、前記ベクターにおける前記DNA配列の一つの側に存在する、遺伝子転写を抑制する特性を有するDNA配列の転写を抑制する効果の拡散を少なくとも一部分ブロックする、請求項18〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記DNA配列が、前記第2のレポーター遺伝子の転写に対する遺伝子転写を抑制する効果を少なくとも一部分阻害する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のレポーター遺伝子が自殺遺伝子を含む、請求項12〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記第2のレポーター遺伝子が優勢な選択可能なレポーター遺伝子を含む、請求項12〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記プロモーターが誘導性プロモーターを含む、請求項1〜9又は12〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
請求項12〜25のいずれか一項に記載の方法によって取得可能な遺伝子転写を抑制する特性を有するDNA配列。
【請求項27】
表4Bに従う配列又はそれらの機能的相同物を含む、請求項26に記載のDNA配列。
【請求項28】
遺伝子転写を抑制する特性を有する前記DNA配列が請求項12〜25のいずれか一項に記載の方法によって取得可能なDNA配列を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
約50〜5000塩基対の核酸配列内のSTAR配列の存在を検出するための方法であって、前記配列における少なくとも1つの配列パターンの出現の頻度を決定し、そして出現の頻度がSTAR配列を含む少なくとも1つの配列における前記少なくとも1つの配列パターンの出現の頻度を表わすことを決定することを含む、前記方法。
【請求項30】
出現の頻度が、STAR配列を含む少なくとも1つの配列における前記少なくとも1つの配列パターンの出現の頻度を表わすことを決定する前記ステップが、前記少なくとも1つの配列パターンの出現の頻度が、前記少なくとも1つのSTAR配列及び少なくとも1つの制御配列の間で有意に異なることを決定することを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1つの配列パターンの出現の頻度が、前記少なくとも1つの制御配列と比較して、STAR配列を含む前記少なくとも1つの配列において有意に高い、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記パターンの少なくとも1つが、STAR配列を含む前記少なくとも1つの配列と制御配列との間で所望の及び好ましくは最適の判別に基づいて選択される、請求項29〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記制御配列が、STAR配列を含む前記少なくとも1つの配列と類似のAT/CG含量を有するランダム配列を含む、請求項30〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも1つの配列パターンが少なくとも5塩基を含む、請求項29〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
少なくとも1つの配列パターンが少なくとも6塩基を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つの配列パターンが表9及び/又は表10にリストされたパターンを含む、請求項29〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記パターンが少なくとも8塩基を含む、請求項29〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記出現が、STAR配列を含む少なくとも2配列における前記少なくとも1つの配列パターンの出現の頻度を表わす、請求項29〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記出現が、STAR配列を含む少なくとも5配列における前記少なくとも1つの配列パターンの出現の頻度を表わす、請求項29〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記出現が、STAR配列を含む少なくとも10配列における前記少なくとも1つの配列パターンの出現の頻度を表わす、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記出現が、STAR配列を含む少なくとも50配列における前記少なくとも1つの配列パターンの出現の頻度を表わす、請求項29〜40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
STAR配列を含む前記配列が、図26に示された配列の少なくとも1つを含む、請求項29〜41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
STAR配列を含む前記配列が図26に示された配列を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記少なくとも1つの配列パターンが、配列パターンGGACCC、CCCTGC、AAGCCC、CCCCCA及び/又はAGCACCを含む、請求項29〜43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記少なくとも1つの配列パターンが、配列パターンCCCN{16}AGC、GGCN{9}GAC、CACN{13}AGG及び/又はCTGN{4}GCCを含む、請求項29〜44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
約50〜5000塩基対の核酸配列内のSTAR配列の存在を検出するための方法であって、一つの種(species)の細胞の染色体の一部分におけるSTAR配列を含む配列を識別すること、そして前記配列及び異なる種の染色体の配列との間の有意な相同性を検出することを含む、前記方法。
【請求項47】
前記種が植物種又は脊椎動物種、好ましくは哺乳動物種を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
脊椎動物種又は植物種の約50〜5000塩基対の核酸配列内のSTARエレメントの存在を検出するための方法であって、前記核酸配列の隣接(flanking)配列が少なくとも1つの他の種に保存されているかどうかを識別することを含む、前記方法。
【請求項49】
請求項1〜9、29〜48のいずれか一項に記載の方法によって取得可能なSTAR配列。
【請求項50】
STAR配列を含む前記少なくとも1つの配列が請求項49に記載のSTAR配列である、請求項29〜48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
請求項49に記載のSTAR配列の集合。
【請求項52】
約50〜5000塩基対の核酸配列がSTAR配列を含むかどうかを決定するための方法であって、請求項51に記載されたSTAR配列の集合における前記パターンの出現の頻度を含む配列パターンの第1のテーブルを生成すること、少なくとも1つの参照配列における前記パターンの出現の頻度を含む前記パターンの第2のテーブルを生成すること、出現の頻度が前記2つのテーブル間で異なるところの少なくとも1つのパターンを選択すること、約50〜5000塩基対の核酸配列内で前記選択されたパターンの少なくとも1つの出現の頻度を決定すること、及び前記テスト核酸における出現の頻度がSTAR配列の前記集合物における前記選択されたパターンの出現の頻度を表わすかどうかを決定することを含む、前記方法。
【請求項53】
約50〜5000塩基の前記核酸配列が遺伝子転写を調節する特性を含むかどうかを決定することをさらに含む、請求項29〜48、50及び52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記遺伝子転写を調節する特性が請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法を使用して決定される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
STARの前記集合物が図26に記載されている配列を含む、請求項52又は53に記載の方法。
【請求項56】
請求項52〜55のいずれか一項に記載の方法によって取得可能なSTAR配列を含む、単離された及び/又は組換えられた核酸配列。
【請求項57】
請求項10、11、26、27、49及び56のいずれか一項に記載のDNA配列を備えられたDNA構築物。
【請求項58】
請求項10、11、26、27、49及び56のいずれか一項に記載されたDNA配列が修飾されているところのDNA構築物。
【請求項59】
目的の核酸に動作可能にリンクされたプロモーターを含む、請求項57又は58に記載のDNA構築物。
【請求項60】
遺伝子転写を調節する及び/又は抑制する特性を有する前記DNA配列の特性の活性の量が、前記プロモーターと比較して前記構築物内での前記DNA配列の方向に依存する、請求項59に記載のDNA構築物。
【請求項61】
遺伝子転写を調節する及び/又は抑制する特性がシグナルの存在に依存する、請求項57〜60のいずれか一項に記載されたDNA構築物又は請求項10、11、26、27、49又は56に記載されたDNA配列。
【請求項62】
前記シグナルがDNA結合性タンパク質を含む、請求項61に記載のDNA構築物又はDNA配列。
【請求項63】
前記シグナルがヒト免疫不全ウィルスTATタンパク質を含む、請求項61又は請求項62に記載のDNA構築物又はDNA配列。
【請求項64】
目的の核酸の転写を調節するために、請求項10、11、26、27、49、56〜63のいずれか一項に記載のDNA構築物又はDNA配列を使用する方法。
【請求項65】
細胞内で遺伝子生成物を生産するための方法であって、目的の遺伝子及び請求項10、11、26、27、49、56〜63のいずれか一項に記載のDNA配列又はDNA構築物を含む発現カセットを生成すること、及び細胞内で前記発現カセットの転写をさせることを含む、前記方法。
【請求項66】
前記遺伝子生産物の生産が誘発可能である、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
遺伝子転写を調節する特性及び/又は遺伝子転写を抑制する特性を含む、単離された及び/又は組換えられた核酸のライブラリー。
【請求項68】
前記核酸が同一のコンセンサス配列を含む、請求項67に記載のライブラリー。
【請求項69】
前記遺伝子転写を抑制する特性が、遺伝子転写を抑制するクロマチンの形成を誘発する特性を含む、請求項67又は68に記載のライブラリー。
【請求項70】
前記遺伝子転写を調節する特性が安定な転写特性を有する、請求項67〜69のいずれか一項に記載のライブラリー。
【請求項71】
前記遺伝子転写を調節する特性が、遺伝子転写を抑制するクロマチンの形成を妨げる特性を含む、請求項70に記載のライブラリー。
【請求項72】
前記遺伝子転写を調節する特性が転写を助長する特性を含む、請求項67〜71のいずれか一項に記載のライブラリー。
【請求項73】
染色体の遺伝子転写を調節する特性を有する全てのDNA配列を本質的に含む、請求項67〜72のいずれか一項に記載のライブラリー。
【請求項74】
前記染色体が哺乳動物又は植物の染色体である、請求項73に記載のライブラリー。
【請求項75】
前記染色体がヒトの染色体を含む、請求項74に記載のライブラリー。
【請求項76】
細胞の核DNAの遺伝子転写を調節する特性を有する全てのDNA配列を本質的に含む、請求項73〜75のいずれか一項に記載のライブラリー。
【請求項77】
遺伝子転写を調節する特性を有するDNA配列を選択するための方法であって、転写システムに様々なフラグメント含有ベクターを備えることを含み、前記ベクターは、i)遺伝子転写を調節する特性を有するエレメント、及びii)レポーター遺伝子の転写を指示するプロモーターを含み、前記方法は前記遺伝子転写を調節する特性を有する前記DNA配列を含むフラグメントを識別するために前記転写システムにおいて選択ステップを実行することをさらに含む、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26−1】
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【図26−2】
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【図26−3】
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【図26−4】
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【図26−5】
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【図26−6】
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【図26−7】
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【図26−8】
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【図26−9】
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【図26−10】
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【図26−11】
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【図26−12】
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【図26−13】
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【図26−14】
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【図26−15】
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【図26−16】
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【図26−17】
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【図26−18】
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【図26−19】
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【図26−20】
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【図26−21】
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【図26−22】
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【図26−23】
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【図26−24】
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【図26−25】
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【図26−26】
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【図26−27】
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【図26−28】
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【図26−29】
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【図26−30】
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【図26−31】
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【図26−32】
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【図26−33】
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【図26−34】
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【図26−35】
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【図26−36】
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【図26−37】
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【公開番号】特開2010−131024(P2010−131024A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8591(P2010−8591)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【分割の表示】特願2003−510461(P2003−510461)の分割
【原出願日】平成14年6月14日(2002.6.14)
【出願人】(504006308)クロマジェニックス ビー.ブイ. (2)
【Fターム(参考)】