説明

部品供給テープの連結方法、その連結構造、およびその連結方法に使用する部品供給テープ用鋏

部品(P)を収納する凹部(11a、21a)を所定ピッチにて形成した細長いキャリアテープ(11、21)と、このキャリアテープ(11、22)の上面に凹部(11a、21a)開口を覆って貼着された細長いトップテープ(12、22)とからなる第1及び第2部品供給テープ(10、20)の終端と始端を連結する連結方法及び連結構造であって、第1のトップテープ(12)の終端上面に第2のトップテープ(22)の始端を重ね、その上から第1および第2のトップテープ(12、22)を連結するように連結テープ(30)を貼着する連結方法及び連結構造である。また、第2のトップテープ(22)が、第2のキャリアテープ(21)より突出するように切断する部品供給テープ用鋏(40、50)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、部品実装機を構成する部品供給装置に備えられた部品供給テープの連結方法、その連結構造、およびその連結方法に使用する部品供給テープ用鋏に関する。
【背景技術】
基板に部品を実装する部品実装機を構成する部品供給装置は、リールに巻きつけられた部品供給テープを備えており、この部品供給テープから部品を連続的に供給している。この部品供給テープは、部品を収納する上面が開口した凹部を所定ピッチにて形成した細長いキャリアテープと、このキャリアテープの上面に凹部開口を覆って貼着された細長いトップテープとからなる。かかる部品供給テープの残りが少なくなると、この部品供給テープ(第1の部品供給テープ)に新しい部品供給テープ(第2の部品供給テープ)を連結して補給する。この連結方法として、両部品供給テープのキャリアテープおよびトップテープをそれぞれ連結テープで連結するものが示されている(特許文献1)。第1および第2の部品供給テープの終端および始端は波状の切断刃を備えた切断具によって切断され、これら終端および始端を重ねることなく接合させた状態で連結テープにより連結するようになっている。
特許文献1は特開2002−187210号公報(第7〜9頁、図1,4,15,16)である。
上述した両部品供給テープのトップテープを連結テープで連結したものにおいては、連結テープのトップテープに対する粘着力がトップテープのキャリアテープに対する粘着力より弱かったり、キャリアテープとトップテープとを重ねた状態にて切断するため切断部にて両テープが食い込んでトップテープがキャリアテープから剥がれにくくなったりする場合には、連結テープにより連結されたトップテープを剥がす際に、連結テープが新しい部品供給テープのトップテープから剥がれるおそれがあるので、トップテープがキャリアテープから上手く繋がって剥がれないという問題があった。
そこで、本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、連結テープにより連結されたトップテープが上手く繋がって剥がれる部品供給テープの連結方法、その連結構造、およびその連結方法に使用する部品供給用鋏を提供することを目的とする。
【発明の開示】
本発明は、部品を収納する上面が開口した凹部を所定ピッチにて形成した細長い第1のキャリアテープと、このキャリアテープの上面に凹部開口を覆って貼着された細長い第1のトップテープとからなる第1の部品供給テープの終端を、部品を収納する上面が開口した凹部を所定ピッチにて形成した細長い第2のキャリアテープと、このキャリアテープの上面に凹部開口を覆って貼着された細長い第2のトップテープとからなる第2の部品供給テープの始端に連結する連結方法において、第1のトップテープの終端の上面に第2のトップテープの始端を重ねて、その上から第1および第2のトップテープを連結するように連結テープを貼着する部品供給テープの連結方法である。
このことによって、第1のトップテープの終端の上面には第2のトップテープの始端が重ねられ、その上から第1および第2のトップテープを連結するように連結テープが貼着される。これにより、第2のトップテープの始端が第1のトップテープの終端と連結テープによって挟持されるので、両トップテープを強固に連結することができる。したがって、連結テープによって連結された第1および第2のトップテープを剥離する際に、第1のトップテープの終端が持ち上げられるのにともなって第2のトップテープの始端も持ち上げられるため第2のトップテープが第2のキャリアテープから上手く剥離するので、第1および第2のトップテープが上手く繋がって剥がれることが可能となる。
また、本発明の部品供給テープの連結方法においては、第2のトップテープを第2のキャリアテープより所定量だけ突出するようにこれら両テープを切断し、第1のキャリアテープと端が揃っている第1のトップテープの終端の上面に第2のトップテープの突出端を重ねて、その上から第1および第2のトップテープを連結するように連結テープを貼着するようにしている。
このことによって、第2のキャリアテープおよび第2のトップテープは第2のトップテープを第2のキャリアテープより所定量だけ突出するように切断され、第1のキャリアテープと端が揃っている第1のトップテープの終端の上面に第2のトップテープの突出端が重ねられ、その上から第1および第2のトップテープを連結するように連結テープが貼着される。これにより、第1および第2のキャリアテープを重ね合わせなくても接合させるだけで、容易に第1および第2のトップテープを重ね合わせることができる。
また、本発明は、部品を収納する上面が開口した凹部を所定ピッチにて形成した細長い第1のキャリアテープと、このキャリアテープの上面に凹部開口を覆って貼着された細長い第1のトップテープとからなる第1の部品供給テープの終端を、部品を収納する上面が開口した凹部を所定ピッチにて形成した細長い第2のキャリアテープと、このキャリアテープの上面に凹部開口を覆って貼着された細長い第2のトップテープとからなる第2の部品供給テープの始端に連結する連結構造において、第1のトップテープの終端の上面に第2のトップテープの始端を重ねて、その上から第1および第2のトップテープを連結するように連結テープを貼着した部品供給テープの連結構造である。
このことによって、第1および第2のトップテープの連結構造は、第1のトップテープの終端の上面に第2のトップテープの始端が重ねられ、その上から連結テープが貼着されて第1および第2のトップテープを連結するようになっている。これにより、第2のトップテープの始端が第1のトップテープの終端と連結テープによって挟持されるので、両トップテープを強固に連結することができる。したがって、連結テープによって連結された第1および第2のトップテープを剥離する際に、第1のトップテープの終端が持ち上げられるのにともなって第2のトップテープの始端も持ち上げられるため第2のトップテープが第2のキャリアテープから上手く剥離するので、第1および第2のトップテープが上手く繋がって剥がれることが可能となる。
また、本発明は、部品を収納する上面が開口した凹部を所定ピッチにて形成した細長いキャリアテープと、このキャリアテープの上面に凹部開口を覆って貼着された細長いトップテープとからなる部品供給テープを切断する部品供給テープ用鋏において、支承軸回りに互いに相対回動可能に枢着された刃部およびこの刃部を受ける刃受け部と、これら刃部および刃受け部の各枢着端から延設された一対の握り部とを備え、刃部は所定距離だけ隔てて平行に並設された第1および第2切断刃を備え、この第1切断刃は切断状態にあるときに刃受け部に対してトップテープの厚み分の隙間を有するように配置され、第2切断刃は切断状態にあるときに刃受け部に当接するように配置されてなり、第1切断刃側から差し込まれた部品供給テープを切断する部品供給テープ用鋏である。
この部品供給テープ用鋏を使用して部品供給テープを切断するにあたって、部品供給テープを部品供給テープ用鋏の第1切断刃側から差し込んで一対の握り部を閉じて刃部と刃受け部とによって切断すると、刃部の第1切断刃と刃受け部によって部品供給テープのキャリアテープが切断され、これと同時に第2切断刃と刃受け部によって部品供給テープのトップテープが切断される。したがって、トップテープがキャリアテープよりも第1および第2切断刃の刃間距離分だけ突出した状態の部品供給テープを容易に作成することができる。
また、本発明の部品供給テープ用鋏においては、部品供給テープを第1切断刃側から差し込んで切断するようにしている。このことによって、第1および第2切断刃の刃間距離分だけ突出した状態の部品供給テープを確実に作成することができる。
さらに、本発明の部品供給テープ用鋏においては、刃部の第1切断刃の側方に部品供給テープを支持する支持部を取り付けるようにしている。このことによって、部品供給テープを切断する際に支持部によって部品供給テープを確実に支持することができる。これにより、作業者は簡単に部品供給テープを切断することができる。
また、本発明は、部品を収納する上面が開口した凹部を所定ピッチにて形成した細長いキャリアテープと、このキャリアテープの上面に凹部開口を覆って貼着された細長いトップテープとからなる部品供給テープを切断する部品供給テープ用鋏において、支承軸回りに互いに相対回動可能に枢着された一対の刃部と、これら刃部の枢着端から延設された一対の握り部とを備え、部品供給テープを上面に位置決め固定した状態で第1位置およびこの第1位置から刃部と反対側に所定距離だけ離れた第2位置に移動可能に位置決めされるスライド機構を一方の刃部の側方に備え、スライド機構を第1位置に位置決めしてキャリアテープを切断し、スライド機構を第2位置に位置決めしてトップテープを切断する部品供給テープ用鋏である。
この部品供給テープ用鋏を使用して部品供給テープを切断するにあたって、部品供給テープをスライド機構に載置しその状態でスライド機構を第1位置に位置決めしてキャリアテープを切断し、第1位置から刃部と反対側に所定距離だけ離れた第2位置にスライド機構を位置決めしてトップテープを切断する。したがって、トップテープがキャリアテープよりもスライド機構の第1および第2位置間の移動距離分だけ突出した状態の部品供給テープを容易に作成することができる。
また、本発明の部品供給テープ用鋏においては、部品供給テープは押え部材によってスライド機構に位置決め固定されるようにしている。このことによって、部品供給テープを切断する際に押え部材によって部品供給テープをスライド機構に確実に固定することができる。これにより、作業者は簡単に部品供給テープを切断することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図の(a)は本発明による部品供給テープの連結方法の一実施の形態の工程を示す上面図であり、第1図の(b)は側面図であり、第2図の(a)は本発明による部品供給テープの連結方法の一実施の形態の工程を示す上面図であり、第2図の(b)は側面図であり、第2図の(c)は拡大側面図であり、第3図の(a)は本発明による部品供給テープの連結方法の一実施の形態の工程を示す上面図であり、第3図の(b)は側面図であり、第3図の(c)は拡大側面図であり、第4図は本発明の第1の実施の形態による部品供給テープ用鋏の正面図であり、第5図は本発明の第1の実施の形態による部品供給テープ用鋏の上面図であり、第6図は本発明の第1の実施の形態による部品供給テープ用鋏の側面図であり、第7図は本発明の第2の実施の形態による部品供給テープ用鋏の正面図であり、第8図は本発明の第2の実施の形態による部品供給テープ用鋏の上面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明による部品供給テープの連結方法の一実施の形態について説明する。図1〜図3は部品供給テープを連結する工程を示す工程図である。部品供給テープの連結方法を説明する前に、部品供給テープについて若干の説明をすると、部品供給テープは図示しないリールに巻きつけられて部品実装機を構成する部品供給装置に備えられており、部品実装機は部品供給テープから連続的に供給される部品を基板に実装する。
部品供給テープ10の残りが少なくなると、この部品供給テープ10(第1の部品供給テープ)に新しい部品供給テープ20(第2の部品供給テープ)を連結して補給する。図1には、第1の部品供給テープ10の終端部と第2の部品供給テープ20の始端部を示している。第1の部品供給テープ10は、部品Pを収納する上面が開口した凹部11aを所定ピッチにて形成した細長い第1のキャリアテープ11と、このキャリアテープ11の上面に凹部11a開口を覆って貼着された細長い第1のトップテープ12とからなる。キャリアテープ11は、紙製のテープに部品を収納する穴(凹部11a)をパンチングで抜き、底面にボトムテープを貼着して作成したものであり、長手方向に凹部11aと並べて送り穴11bが設けられている。なお、第1のキャリアテープ11と第1のトップテープ12の端(終端)は揃っている。
第2の部品供給テープ20も、第1の部品供給テープ10と同様に部品Pを収納する凹部21aを所定ピッチにて形成した細長い第2のキャリアテープ21と、このキャリアテープ21の上面に凹部21a開口を覆って貼着された細長い第2のトップテープ22とからなる。キャリアテープ21にも、送り穴21bが長手方向に並べて設けられている。第2のトップテープ22の始端は第2のキャリアテープ21の始端より所定量(例えば2mm)だけ突出するようにこれら両テープ21,22が切断されている。なお突出量はトップテープのキャリアテープに対する粘着力と連結テープのトップテープに対する粘着力の差、トップテープの幅などを考慮して設定される。
上述した第1のトップテープ12の終端の上面に第2のトップテープ22の始端である突出端22aを重ねて(図2参照)、その上から第1および第2のトップテープ12,22を連結するように連結テープ30を貼着する(図3参照)。
このような連結方法によって連結された第1および第2のトップテープ12,22の連結構造は、図3に示すように、第1のトップテープ12の終端の上面に第2のトップテープ22の始端(突出端22a)が重ねられ、その上から連結テープ30が貼着されて第1および第2のトップテープ12,22を連結するようになっている。これにより、第2のトップテープ22の始端(突出端22a)が第1のトップテープ12の終端と連結テープ30によって挟持される構造となるので、両トップテープ12,22を強固に連結することができる。
このような連結構造によって連結された第1および第2のトップテープ12,22を剥離する際に、第1のトップテープ12の終端が持ち上げられるのにともなって第2のトップテープ22の突出端22aも持ち上げられるため第2のトップテープ22が第2のキャリアテープ21から上手く剥離するので、第1および第2のトップテープ12,22が上手く繋がって剥がれる。
なお、上述した実施の形態においては、キャリアテープがいわゆる紙テープである場合について説明したが、いわゆるエンボステープのキャリアテープについても本発明を適用可能である。なお、エンボステープはプラスチック製のテープに部品を収納する凹部を成形したものである。
次に、本発明による部品供給テープの連結方法に使用する部品供給テープ用鋏の第1の実施の形態について図4〜図6を参照して説明する。この部品供給テープ用鋏40は、図1(a)に示すように新しい部品供給テープ20のトップテープ22がキャリアテープ21より所定量(例えば2mm)だけ突出する突出端22aを有するようにこれら両テープ21,22を切断するものである。
部品供給テープ用鋏40は、支承軸41回りに互いに相対回動可能に枢着された刃部42およびこの刃部42を受ける刃受け部43と、これら刃部42および刃受け部43の各枢着端からそれぞれ延設された一対の握り部44,45とを備えている。刃部42には、図6に示すように、第1および第2切断刃42a,42bがその刃先が所定距離だけ隔てて平行に並設されている。この所定距離は突出端22aの突出量と同一となるように設定されている。第1切断刃42aは切断状態にあるときに刃受け部43に対してトップテープ22の厚み分の隙間を有するように配置され、第2切断刃42bは切断状態にあるときに刃受け部43に当接するように配置されている。
第1切断刃42aの側方には、部品供給テープ20を上面にて支持する支持部46が取り付けられている。支持部46は刃部42に固定された取付部材46aと取付部材46a上に移動可能に取り付けられた支持台46bを備えている。支持台46bの上面には、キャリアテープ21の送り穴21bに係合する複数の係合ピン46b1が送り穴21bに対応した間隔にて立設されており、支持台46bの上面に部品供給テープ20が位置決め固定されるようになっている。部品供給テープ20はトップテープ22の上面が支持台46bの上面と当接する状態で位置決めされている。支持台46bは部品供給テープ20の延在方向(図4の紙面の直交方向)に移動可能であるとともに、この方向に沿って設定された第1および第2位置に選択的に位置決め固定されるようになっており、部品供給テープ20に収容された部品Pが第1および第2切断刃42a,42bで切断されないように(キャリアテープ21の互いに隣り合う凹部21aの間が切断されるように)、支持台46bの位置が第1および第2位置から選択される。
上述した部品供給テープ用鋏を使用して部品供給テープを切断するにあたっては、図6に示すように、部品供給テープ20の始端を部品供給テープ用鋏40の第1切断刃42a側から差し込み、支持台46bの上面にトップテープ22の上面が当接するようにキャリアテープ21の送り穴21bを係合ピン46b1に係合して、部品供給テープ20を位置決め固定する。そして、支持台46bを第1および第2位置のいずれかに位置決め固定した後に、一対の握り部44,45を閉じて刃部42と刃受け部43とによって切断する。このとき、刃部42の第1切断刃42aと刃受け部43によって部品供給テープ20のキャリアテープ21が切断され、これと同時に第2切断刃42bと刃受け部43によって部品供給テープ20のキャリアテープ21およびトップテープ22が切断される。したがって、トップテープ22がキャリアテープ21よりも第1および第2切断刃42a,42bの刃間距離分だけ突出した状態の部品供給テープ20を容易に作成することができる。なお、部品供給テープ20を切断する際に支持部46によって部品供給テープ20を確実に支持することができるので、作業者は簡単に部品供給テープ20を切断することができる。
さらに、本発明による部品供給テープの連結方法に使用する部品供給テープ用鋏の第2の実施の形態について図7および図8を参照して説明する。この部品供給テープ用鋏50も、上述した部品供給テープ用鋏40と同様に図1(a)に示すようにトップテープ22がキャリアテープ21より所定量(例えば2mm)だけ突出する突出端22aを有するようにこれら両テープ21,22を切断するものである。
部品供給テープ用鋏50は、支承軸51回りに互いに相対回動可能に枢着された一対の刃部52,53と、これら刃部52,53の枢着端から延設された一対の握り部54,55とを備えている。刃部52の側方には一端がネジ止めされ他端が溶着された取付ブラケット56を介してスライド機構60が取り付けられている。スライド機構60は本体61、この本体61の前後に固定された前後レール62,63、前後レール62,63の間の本体61上面に固定された支持台64から構成されている。前レール62の前端62aおよび後レール63の後端63aは、主として図8に示すように、取付ブラケット56に一対のガイド押え65,65によってそれぞれ固定された前後ガイド66,67の各凹部66a,67a内を左右方向(図面上下方向)に摺動可能に取り付けられている。これにより、スライド機構60が左右方向に摺動する。
本体61の下面には下方に延在する突出部61aが設けられており、突出部61aと取付ブラケット56の突出片56aとの間に介装したスプリング68によって本体61は刃部52,53の方に付勢され、前レール62の前端62aおよび後レール63の後端63aが前後ガイド66,67の各凹部66a,67aの右側内壁66a1,67a1に当接している。これにより、スライド機構60は図8の実線で示すように第1位置に位置決め固定される。作業者がスプリング68の付勢力に抗してスライド機構60を左方向(図8中下方向)に移動させると、前レール62の前端62aおよび後レール63の後端63aが前後ガイド66,67の各凹部66a,67aの左側内壁66a2,67a2に当接して図8の2点鎖線で示すように第2位置に位置決め固定される。第1位置および第2位置の移動距離は突出端22aの突出量と同一となるように設定されている。前レール62および支持台64の上面は刃部52の刃先と同じ高さとなるように配置されている。
スライド機構60には、前レール62の上面に立設されてキャリアテープ21の送り穴21bに係合する2本の係合ピン62bが備えられ、支持台64の上面に立設されてキャリアテープ21の送り穴21bに係合する2本の係合ピン64aが備えられている。これにより、部品供給テープ20はスライド機構60の上面に位置決め固定される。2本の係合ピン62bと2本の係合ピン64aは、その配列方向が平行でありかつその間隔が等しく設定されているが、その配列方向においては互いに若干ずれた状態で立設されている。これは部品供給テープ20が、収納される部品Pの大きさが異なる(収納凹部21aの大きさとピッチが異なる)場合であっても送り穴21bの間隔は等しく形成する規格であり、収納される部品の大きさによっては送り穴21bと収納凹部21aとの位置関係が異なる場合があるため、部品供給テープ20の種類に応じてキャリアテープ21の送り穴21bに係合ピン62bと係合ピン64aのいずれを係合させるかを選択し、部品供給テープ20に収納された部品Pが刃部52,53により切断されないように(キャリアテープ21の互いに隣り合う凹部21aの間が切断されるように)するためである。スライド機構60の後レール63の上面には、押さえ部材69が回動可能に取り付けられており、スライド機構60の上面に位置決め固定された部品供給テープ20は押さえ部材69によって上方から押えられ位置決め固定されている。
上述した部品供給テープ用鋏を使用して部品供給テープを切断するにあたっては、部品供給テープ20を部品供給テープ用鋏50のスライド機構60を設けた刃部52側から差し込み、押え部材69を開き、部品供給テープ20のキャリアテープ21を下にしてキャリアテープ21の送り穴21bを部品供給テープの種類に応じて係合ピン62bまたは64aに係合するようにスライド機構60の上面に載置し、押え部材69を閉じて、部品供給テープ20をスライド機構60に位置決め固定する。次に、トップテープ22を剥離して刃部52,53と反対方向(鋏の左方向)に引っ張った状態にて、一対の握り部54,55を閉じてキャリアテープ21のみ切断する。そして、左側に引っ張ったトップテープ22を元に戻し、スライダ機構60を第2位置に移動させ位置決め固定して、再び一対の握り部54,55を閉じてトップテープ22のみ切断する。したがって、トップテープ22がキャリアテープ21よりもスライド機構60の第1および第2位置間の移動距離分だけ突出した状態の部品供給テープ20を容易に作成することができる。なお、部品供給テープ20を切断する際に押え部材69によって部品供給テープ20をスライド機構60に確実に固定することができるので、作業者は簡単に部品供給テープ20を切断することができる。
【産業上の利用可能性】
以上のように、本発明にかかる部品供給テープの連結方法、その連結構造、およびその連結方法に使用する部品供給用鋏は、2つの部品供給テープを連結テープの貼着により連結する場合に適している。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を収納する上面が開口した凹部を所定ピッチにて形成した細長い第1のキャリアテープと、該キャリアテープの上面に凹部開口を覆って貼着された細長い第1のトップテープとからなる第1の部品供給テープの終端を、部品を収納する上面が開口した凹部を所定ピッチにて形成した細長い第2のキャリアテープと、該キャリアテープの上面に凹部開口を覆って貼着された細長い第2のトップテープとからなる第2の部品供給テープの始端に連結する連結方法において、
前記第1のトップテープの終端の上面に第2のトップテープの始端を重ねて、その上から第1および第2のトップテープを連結するように連結テープを貼着することを特徴とする部品供給テープの連結方法。
【請求項2】
前記第2のトップテープを前記第2のキャリアテープより所定量だけ突出するようにこれら両テープを切断し、前記第1のキャリアテープと端が揃っている前記第1のトップテープの終端の上面に前記第2のトップテープの突出端を重ねて、その上から第1および第2のトップテープを連結するように連結テープを貼着することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の部品供給テープの連結方法。
【請求項3】
部品を収納する上面が開口した凹部を所定ピッチにて形成した細長い第1のキャリアテープと、該キャリアテープの上面に凹部開口を覆って貼着された細長い第1のトップテープとからなる第1の部品供給テープの終端を、部品を収納する上面が開口した凹部を所定ピッチにて形成した細長い第2のキャリアテープと、該キャリアテープの上面に凹部開口を覆って貼着された細長い第2のトップテープとからなる第2の部品供給テープの始端に連結する連結構造において、
前記第1のトップテープの終端の上面に第2のトップテープの始端を重ねて、その上から第1および第2のトップテープを連結するように連結テープを貼着したことを特徴とする部品供給テープの連結構造。
【請求項4】
部品を収納する上面が開口した凹部を所定ピッチにて形成した細長いキャリアテープと、該キャリアテープの上面に凹部開口を覆って貼着された細長いトップテープとからなる部品供給テープを切断する部品供給テープ用鋏において、
支承軸回りに互いに相対回動可能に枢着された刃部および該刃部を受ける刃受け部と、該刃部および刃受け部の各枢着端から延設された一対の握り部とを備え、前記刃部は所定距離だけ隔てて平行に並設された第1および第2切断刃を備え、該第1切断刃は切断状態にあるときに前記刃受け部に対して前記トップテープの厚み分の隙間を有するように構成され、前記第2切断刃は切断状態にあるときに前記刃受け部に当接するように構成されることを特徴とする部品供給テープ用鋏。
【請求項5】
前記部品供給テープを前記第1切断刃側から差し込んで切断することを特徴とする請求の範囲第4項に記載の部品供給テープ用鋏。
【請求項6】
前記刃部の第1切断刃の側方に前記部品供給テープを支持する支持部を取り付けたことを特徴とする請求の範囲第4項または第5項に記載の部品供給テープ用鋏。
【請求項7】
部品を収納する上面が開口した凹部を所定ピッチにて形成した細長いキャリアテープと、該キャリアテープの上面に凹部開口を覆って貼着された細長いトップテープとからなる部品供給テープを切断する部品供給テープ用鋏において、
支承軸回りに互いに相対回動可能に枢着された一対の刃部と、これら刃部の枢着端から延設された一対の握り部とを備え、前記部品供給テープを上面に位置決め固定した状態で第1位置および該第1位置から刃部と反対側に所定距離だけ離れた第2位置に移動可能に位置決めされるスライド機構を前記一方の刃部の側方に備え、前記スライド機構を前記第1位置に位置決めして前記キャリアテープを切断し、前記スライド機構を前記第2位置に位置決めして前記トップテープを切断することを特徴とする部品供給テープ用鋏。
【請求項8】
前記部品供給テープは押え部材によって前記スライド機構に位置決め固定されたことを特徴とする請求の範囲第7項に記載の部品供給テープ用鋏。

【国際公開番号】WO2004/071896
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【発行日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−504965(P2005−504965)
【国際出願番号】PCT/JP2004/001373
【国際出願日】平成16年2月10日(2004.2.10)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】