部品収納テープ
【課題】半導体チップや精密電子部品等を生産ラインの各ステージに連続的に供給する部品収納テープにおいて、エンボステープの厚みを増すことなく、ポケットが深い場合であっても、容易に変形しない剛性の高いポケットであって、外力から収納部品を保護する能力の高いポケットを有する部品収納テープを提供する。
【解決手段】エンボステープのポケットの底面に、上面が塞がれた円筒形補強突起を複数設ける。また、ポケットの側面を、その水平方向の断面が波形形状となる補強壁とする。
、ポケット幅方向の隆起壁を設ける。
【解決手段】エンボステープのポケットの底面に、上面が塞がれた円筒形補強突起を複数設ける。また、ポケットの側面を、その水平方向の断面が波形形状となる補強壁とする。
、ポケット幅方向の隆起壁を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、多数の半導体チップや精密電子部品等を一定間隔でテープ状部材のエンボスポケットに収納し、生産ラインの各ステージに連続的に供給する部品収納テープに関する。
【背景技術】
【０００２】
半導体チップや精密電子部品等を生産ラインの各ステージに連続的に供給するために、これらを一定間隔でテープ状の部材に収納したもの（以下、部品収納テープという）が使用されている。このような部品収納テープには、部品形状のポケット（窪み）を設けたエンボステープの上面をカバーテープで覆い封止したものなどがあり、カバーテープが剥離可能に構成されている。
【０００３】
部品収納テープでは、ポケット部内の部品を損傷から守るため、ポケット部の壁および底部に十分な厚さを確保する必要がある。厚さを自在に調整可能な射出成形法により各ポケット部を有する個片を形成し、テープ状に接続してエンボステープを作製する技術がある（例えば、特許文献１参照。）。
【０００４】
部品収納テープに収納された部品は、リールに巻かれて提供される。製造現場のステージにおいて、コンピュータ等の電子機器を組み立てる生産ラインの動作に連動してリールに巻かれた部品収納テープが引き出され、部品がステージに供給される。
【０００５】
特許文献１に記載の技術で作製した部品供給テープは、複数の個片を接続してエンボステープとするため、リールへの巻き込み、巻き取りや送り出しがスムーズにできない可能性や、接続部が分断する危惧がある。
【０００６】
これを避けるため、厚さが０．２〜０．５ｍｍ程度の薄い樹脂テープを、プレス成形によりエンボス加工したものをエンボステープとして用いる技術がある。しかし、プレス加工では帯状のものを連続成形することが可能ではあるが、加工対象である樹脂テープに厚みを持たせることができない。エンボス加工により引き伸ばされた部分は更に薄くなり、特に、部品を収納するポケット部分は窪みを作るため張力を受けて薄くなる。
【０００７】
このようなエンボステープにおいては、ポケット部内の部品を損傷から守るため、ポケット部底部の変形や破損を回避するようポケット部底部に十字型や格子型に浮き出し補強加工を行う。
【０００８】
【特許文献１】特開２０００−１０９１７３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
プレス加工で帯状に連続成形されたエンボステープは、素材自体も薄く、ポケット間に接続部がないため、巻きつけ、送り出しはスムーズになる。しかし、ポケット底部の補強加工が、十字型や格子型のように角部を有するものである場合、その角部に外力を受けると局部的に応力の手中が起きて、変形または破損の要因となる。特にポケットが深く、収納部品が大きく重い場合はその危険が多い。
【００１０】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、リールへの巻き付けおよびリールからの送り出しのスムーズさを犠牲にせず、外力に対するポケットの強度を向上させた部品収納テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
上記目的を達成するため、本発明の部品収納テープは、プレス成形で作製され、強度を加工技術で補う。
【００１２】
具体的には、部品の収納および搬送に使用される部品収納テープであって、前記部品が収納される複数のポケット部を有するエンボステープ部を備え、前記各ポケット部は、底面に上面が塞がれた円筒形補強突起を複数備え、前記エンボステープ部は、連続した帯状のテープを加工して得られるものであることを特徴とする部品収納テープを提供する。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、リールへの巻き付けおよびリールからの送り出しのスムーズさを犠牲にせず、外力に対するポケットの強度を向上させた部品収納テープを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、本発明を適用する実施形態を、図面を参照して説明する。図１は、本実施形態の部品収納テープ１００の平面図である、図２は、図１に示す部品収納テープ１００のＡ−Ａ断面図である。また、図３は、図２の領域Ｂを拡大した拡大図である。本実施形態の部品収納テープ１００は、エンボステープ１とカバーテープ２とを備える。図１では、カバーテープ２は省略されている。
【００１５】
本実施形態のエンボステープ１は、部品８を収納するポケット３と、送り穴４と、円筒形補強突起５と、壁面６と、カバーテープ２に接着する接着部７と、底面９とを備える。
【００１６】
カバーテープ２は、ポケット３内に収納されている部品がポケット３から飛び出さないようにエンボステープ１のポケット３の開口面をカバーするもので、接着部７により、エンボステープ１の端部およびポケット３の直近部に接着されている。
【００１７】
送り穴４は、部品収納テープ１００を順に送り出すために、エンボステープ１の幅方向の端部に、エンボステープ１の長手方向に一定間隔で多数形成されている。なお、本実施形態では、送り穴４は、エンボステープ１の幅方向の片端にのみ形成されているが、両端に備えられていてもよい。本実施形態の部品収納テープ１００は、リールに巻かれ、送り穴４により順次送り出されて、部品を供給する。
【００１８】
ここで、部品収納テープ１００を送り出し、部品を供給する部品供給装置について説明する。図４、図５は、本実施形態の部品収納テープ１００が用いられる部品供給装置１０の概略図である。図４は、上方から見た図（平面図）であり、図５は、側面から見た図である。
【００１９】
供給リール１１に巻かれた部品収納テープ１００は、送り装置１５により、巻き取りリール１２側に順次送り出される。その間、カバーテープ剥離装置１３により、カバーテープ２が剥離され、部品取り出し装置１４により部品が取り出される。なお、１６は作業台、１７は、操作盤である。
【００２０】
円筒形補強突起５は、図３に示すように、ポケット３の底面９からポケット３内部に突出するよう形成され、円筒形状を有する。その高さは、ポケット３の高さと内部に収納する部品の高さ、重さ、形状によって適宜定められる。直径も同様に収納する部品の重さ、形状に応じて適宜定められる。これらの円筒形補強突起５は、底面９内に、適当な間隔を置き、複数設けられる。
【００２１】
本実施形態の円筒形補強突起５は、ポケット３を形成する押し型（オス）および受け型（メス）に円筒状の補強突起を形成し、プレス成形によりポケット３の形成と同時に形成される。このようなポケット３を有する本実施形態のエンボステープ１は、帯状の素材（テープ）を巻き取りながら、加熱、ポケット３のプレス成形、送り穴４の打ち抜き加工、を連続して行い、作製される。
【００２２】
なお、円筒形補強突起５は、その高さ、直径、個数、配置を変更することにより、様々な収納部品に対し、接触面積、接触面圧、接触位置、等を適切に調整することができる。円筒形補強突起５の高さは、プレス成形において、押し型押し付け時のストロークの加減により調整することができる。
【００２３】
以上説明したように、本実施形態の円筒形補強突起５は、本実施形態のポケット３の底面９に、高い剛性を与えるだけでなく、その形状が円筒形であり、外力を受けた場合に局部的に応力の集中が起きる角部がないため、ポケット３の底面９に変形、破損を発生させにくい。このようなポケット３を備える本実施形態のエンボステープ１からなる部品収納テープ１００は、全体的に剛性が高くなり変形しにくい。
【００２４】
また、収納部品が円筒形補強突起５の上面に接して支持されるため、円筒形補強突起５は、収納部品に対してクッション効果を発揮し、収納部品を外力から保護する。
【００２５】
一般に、射出成形により部品収納テープのエンボステープを作製する場合、厚みを自在に形成でき、強度を高くできる。しかし、テープ状にするためには連結および接続加工が必須であり、リールへの巻き付け、リールからの送り出し時に連結部に不具合が生じる可能性が高い。一方、本実施形態の部品収納テープ１００のエンボステープ１は、プレス成形により形成するため、連結および接続加工は不要であり、連続したエンボステープ１からなる部品収納テープ１００を容易に作製することができる。従って、本実施形態の部品収納テープ１００は、高い剛性を有するとともに、リールへの巻き付け、リールからの送り出しをスムーズに行うことができる。
【００２６】
また、射出成形の金型費はプレス成形のそれの数倍かかる。従って、射出成形により部品収納テープを作製すると、上述のような連結および接続加工の手間に加え、さらに、高価な金型が必要となり、全体として製品コストが高くなる。本実施形態の部品収納テープ１００は、プレス成形で作製されるため、余計な製造工程も不要で、かつ、安い金型で済み、射出成形品に比べて製品コストを抑えることができる。特に本実施形態の部品収納テープ１００は、補強加工として採用した突起の形状が単純な円筒形であるため、金型作製も容易である。
【００２７】
以上説明したように、本実施形態によれば、ポケット３の底面９に円筒形補強突起５を設ける構成であるため、素材全体の厚みを増すことなく、外力に対するポケットの強度を向上させることができる。また、プレス形成により帯状の樹脂テープから連続してエンボステープ１を作製するため、リールへの巻き付けおよびリールからの送り出しのスムーズさを犠牲にすることもない。また、突起の形状が単純な円筒形であるため、突起自体を作り易いだけでなく、ポケットの大きさ、収納部品のサイズ、形状に応じて補強突起の径、数を変更するだけで必要な強度を得ることができ、収納部品に応じたエンボステープを容易に作製できる。
【００２８】
また、本実施形態のエンボステープ１の壁面６を、その水平断面が波形形状を有する構成としてもよい。図６は、壁面６が波形の場合のエンボステープ１の平面図である。このように構成することで、壁面６全体の剛性を高め、変形を防止することができる。この効果は、ポケット部３が深い場合に特に効果が高い。さらに、この壁面６の波形形状は、収納部品に対してクッション効果を発揮するため、外力から収納部品を保護する効果も高まる。
【００２９】
また、本実施形態のエンボステープ１のポケット３は、仕切り８を内部に有していてもよい。図７は、仕切り８を有する場合の本実施形態のエンボステープ１の平面図である。仕切り８により、ポケット３を、収納部品の主要な部分であって重量のある部分を収容する第一のポケット３ａと、収納部品の付属的な部分（例えば、半導体部品であれば、リード線など）を収容する第２のポケット３ｂとに分割する。この場合、円筒形補強突起５は、主要部を収容する第一のポケット３ａにのみ形成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【００３０】
【図１】本発明の実施形態の部品収納テープの平面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。
【図３】図２の領域Ｂの拡大図である。
【図４】本発明の実施形態の部品供給装置の平面図である。
【図５】本発明の実施形態の部品供給装置の側面図である。
【図６】本発明の実施形態の別の例のエンボステープの平面図である。
【図７】本発明の実施形態の別の例のエンボステープの平面図である。
【符号の説明】
【００３１】
１：エンボステープ、２：カバーテープ、３：ポケット、４：送り孔、５：円筒形補強突起、６：壁面、７：接着部、８：仕切、９：底面、１０：部品供給装置、１１：供給リール、１２：巻き取りリール、１３：カバーテープ剥離装置、１４：部品取り出し装置、１５：送り装置、１６：作業台、１７：操作盤、１００：部品収納テープ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、多数の半導体チップや精密電子部品等を一定間隔でテープ状部材のエンボスポケットに収納し、生産ラインの各ステージに連続的に供給する部品収納テープに関する。
【背景技術】
【０００２】
半導体チップや精密電子部品等を生産ラインの各ステージに連続的に供給するために、これらを一定間隔でテープ状の部材に収納したもの（以下、部品収納テープという）が使用されている。このような部品収納テープには、部品形状のポケット（窪み）を設けたエンボステープの上面をカバーテープで覆い封止したものなどがあり、カバーテープが剥離可能に構成されている。
【０００３】
部品収納テープでは、ポケット部内の部品を損傷から守るため、ポケット部の壁および底部に十分な厚さを確保する必要がある。厚さを自在に調整可能な射出成形法により各ポケット部を有する個片を形成し、テープ状に接続してエンボステープを作製する技術がある（例えば、特許文献１参照。）。
【０００４】
部品収納テープに収納された部品は、リールに巻かれて提供される。製造現場のステージにおいて、コンピュータ等の電子機器を組み立てる生産ラインの動作に連動してリールに巻かれた部品収納テープが引き出され、部品がステージに供給される。
【０００５】
特許文献１に記載の技術で作製した部品供給テープは、複数の個片を接続してエンボステープとするため、リールへの巻き込み、巻き取りや送り出しがスムーズにできない可能性や、接続部が分断する危惧がある。
【０００６】
これを避けるため、厚さが０．２〜０．５ｍｍ程度の薄い樹脂テープを、プレス成形によりエンボス加工したものをエンボステープとして用いる技術がある。しかし、プレス加工では帯状のものを連続成形することが可能ではあるが、加工対象である樹脂テープに厚みを持たせることができない。エンボス加工により引き伸ばされた部分は更に薄くなり、特に、部品を収納するポケット部分は窪みを作るため張力を受けて薄くなる。
【０００７】
このようなエンボステープにおいては、ポケット部内の部品を損傷から守るため、ポケット部底部の変形や破損を回避するようポケット部底部に十字型や格子型に浮き出し補強加工を行う。
【０００８】
【特許文献１】特開２０００−１０９１７３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
プレス加工で帯状に連続成形されたエンボステープは、素材自体も薄く、ポケット間に接続部がないため、巻きつけ、送り出しはスムーズになる。しかし、ポケット底部の補強加工が、十字型や格子型のように角部を有するものである場合、その角部に外力を受けると局部的に応力の手中が起きて、変形または破損の要因となる。特にポケットが深く、収納部品が大きく重い場合はその危険が多い。
【００１０】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、リールへの巻き付けおよびリールからの送り出しのスムーズさを犠牲にせず、外力に対するポケットの強度を向上させた部品収納テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
上記目的を達成するため、本発明の部品収納テープは、プレス成形で作製され、強度を加工技術で補う。
【００１２】
具体的には、部品の収納および搬送に使用される部品収納テープであって、前記部品が収納される複数のポケット部を有するエンボステープ部を備え、前記各ポケット部は、底面に上面が塞がれた円筒形補強突起を複数備え、前記エンボステープ部は、連続した帯状のテープを加工して得られるものであることを特徴とする部品収納テープを提供する。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、リールへの巻き付けおよびリールからの送り出しのスムーズさを犠牲にせず、外力に対するポケットの強度を向上させた部品収納テープを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、本発明を適用する実施形態を、図面を参照して説明する。図１は、本実施形態の部品収納テープ１００の平面図である、図２は、図１に示す部品収納テープ１００のＡ−Ａ断面図である。また、図３は、図２の領域Ｂを拡大した拡大図である。本実施形態の部品収納テープ１００は、エンボステープ１とカバーテープ２とを備える。図１では、カバーテープ２は省略されている。
【００１５】
本実施形態のエンボステープ１は、部品８を収納するポケット３と、送り穴４と、円筒形補強突起５と、壁面６と、カバーテープ２に接着する接着部７と、底面９とを備える。
【００１６】
カバーテープ２は、ポケット３内に収納されている部品がポケット３から飛び出さないようにエンボステープ１のポケット３の開口面をカバーするもので、接着部７により、エンボステープ１の端部およびポケット３の直近部に接着されている。
【００１７】
送り穴４は、部品収納テープ１００を順に送り出すために、エンボステープ１の幅方向の端部に、エンボステープ１の長手方向に一定間隔で多数形成されている。なお、本実施形態では、送り穴４は、エンボステープ１の幅方向の片端にのみ形成されているが、両端に備えられていてもよい。本実施形態の部品収納テープ１００は、リールに巻かれ、送り穴４により順次送り出されて、部品を供給する。
【００１８】
ここで、部品収納テープ１００を送り出し、部品を供給する部品供給装置について説明する。図４、図５は、本実施形態の部品収納テープ１００が用いられる部品供給装置１０の概略図である。図４は、上方から見た図（平面図）であり、図５は、側面から見た図である。
【００１９】
供給リール１１に巻かれた部品収納テープ１００は、送り装置１５により、巻き取りリール１２側に順次送り出される。その間、カバーテープ剥離装置１３により、カバーテープ２が剥離され、部品取り出し装置１４により部品が取り出される。なお、１６は作業台、１７は、操作盤である。
【００２０】
円筒形補強突起５は、図３に示すように、ポケット３の底面９からポケット３内部に突出するよう形成され、円筒形状を有する。その高さは、ポケット３の高さと内部に収納する部品の高さ、重さ、形状によって適宜定められる。直径も同様に収納する部品の重さ、形状に応じて適宜定められる。これらの円筒形補強突起５は、底面９内に、適当な間隔を置き、複数設けられる。
【００２１】
本実施形態の円筒形補強突起５は、ポケット３を形成する押し型（オス）および受け型（メス）に円筒状の補強突起を形成し、プレス成形によりポケット３の形成と同時に形成される。このようなポケット３を有する本実施形態のエンボステープ１は、帯状の素材（テープ）を巻き取りながら、加熱、ポケット３のプレス成形、送り穴４の打ち抜き加工、を連続して行い、作製される。
【００２２】
なお、円筒形補強突起５は、その高さ、直径、個数、配置を変更することにより、様々な収納部品に対し、接触面積、接触面圧、接触位置、等を適切に調整することができる。円筒形補強突起５の高さは、プレス成形において、押し型押し付け時のストロークの加減により調整することができる。
【００２３】
以上説明したように、本実施形態の円筒形補強突起５は、本実施形態のポケット３の底面９に、高い剛性を与えるだけでなく、その形状が円筒形であり、外力を受けた場合に局部的に応力の集中が起きる角部がないため、ポケット３の底面９に変形、破損を発生させにくい。このようなポケット３を備える本実施形態のエンボステープ１からなる部品収納テープ１００は、全体的に剛性が高くなり変形しにくい。
【００２４】
また、収納部品が円筒形補強突起５の上面に接して支持されるため、円筒形補強突起５は、収納部品に対してクッション効果を発揮し、収納部品を外力から保護する。
【００２５】
一般に、射出成形により部品収納テープのエンボステープを作製する場合、厚みを自在に形成でき、強度を高くできる。しかし、テープ状にするためには連結および接続加工が必須であり、リールへの巻き付け、リールからの送り出し時に連結部に不具合が生じる可能性が高い。一方、本実施形態の部品収納テープ１００のエンボステープ１は、プレス成形により形成するため、連結および接続加工は不要であり、連続したエンボステープ１からなる部品収納テープ１００を容易に作製することができる。従って、本実施形態の部品収納テープ１００は、高い剛性を有するとともに、リールへの巻き付け、リールからの送り出しをスムーズに行うことができる。
【００２６】
また、射出成形の金型費はプレス成形のそれの数倍かかる。従って、射出成形により部品収納テープを作製すると、上述のような連結および接続加工の手間に加え、さらに、高価な金型が必要となり、全体として製品コストが高くなる。本実施形態の部品収納テープ１００は、プレス成形で作製されるため、余計な製造工程も不要で、かつ、安い金型で済み、射出成形品に比べて製品コストを抑えることができる。特に本実施形態の部品収納テープ１００は、補強加工として採用した突起の形状が単純な円筒形であるため、金型作製も容易である。
【００２７】
以上説明したように、本実施形態によれば、ポケット３の底面９に円筒形補強突起５を設ける構成であるため、素材全体の厚みを増すことなく、外力に対するポケットの強度を向上させることができる。また、プレス形成により帯状の樹脂テープから連続してエンボステープ１を作製するため、リールへの巻き付けおよびリールからの送り出しのスムーズさを犠牲にすることもない。また、突起の形状が単純な円筒形であるため、突起自体を作り易いだけでなく、ポケットの大きさ、収納部品のサイズ、形状に応じて補強突起の径、数を変更するだけで必要な強度を得ることができ、収納部品に応じたエンボステープを容易に作製できる。
【００２８】
また、本実施形態のエンボステープ１の壁面６を、その水平断面が波形形状を有する構成としてもよい。図６は、壁面６が波形の場合のエンボステープ１の平面図である。このように構成することで、壁面６全体の剛性を高め、変形を防止することができる。この効果は、ポケット部３が深い場合に特に効果が高い。さらに、この壁面６の波形形状は、収納部品に対してクッション効果を発揮するため、外力から収納部品を保護する効果も高まる。
【００２９】
また、本実施形態のエンボステープ１のポケット３は、仕切り８を内部に有していてもよい。図７は、仕切り８を有する場合の本実施形態のエンボステープ１の平面図である。仕切り８により、ポケット３を、収納部品の主要な部分であって重量のある部分を収容する第一のポケット３ａと、収納部品の付属的な部分（例えば、半導体部品であれば、リード線など）を収容する第２のポケット３ｂとに分割する。この場合、円筒形補強突起５は、主要部を収容する第一のポケット３ａにのみ形成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【００３０】
【図１】本発明の実施形態の部品収納テープの平面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。
【図３】図２の領域Ｂの拡大図である。
【図４】本発明の実施形態の部品供給装置の平面図である。
【図５】本発明の実施形態の部品供給装置の側面図である。
【図６】本発明の実施形態の別の例のエンボステープの平面図である。
【図７】本発明の実施形態の別の例のエンボステープの平面図である。
【符号の説明】
【００３１】
１：エンボステープ、２：カバーテープ、３：ポケット、４：送り孔、５：円筒形補強突起、６：壁面、７：接着部、８：仕切、９：底面、１０：部品供給装置、１１：供給リール、１２：巻き取りリール、１３：カバーテープ剥離装置、１４：部品取り出し装置、１５：送り装置、１６：作業台、１７：操作盤、１００：部品収納テープ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
部品の収納および搬送に使用される部品収納テープであって、
前記部品が収納される複数のポケット部を有するエンボステープ部を備え、
前記各ポケット部は、底面に上面が塞がれた円筒形補強突起を複数備え、
前記エンボステープ部は、連続した帯状のテープを加工して得られるものであること
を特徴とする部品収納テープ。
【請求項２】
請求項１記載の部品収納テープであって、
前記ポケット部は、水平方向の断面が波形形状を有する側面を備えること
を特徴とする部品収納テープ。
【請求項３】
請求項１または２記載の部品収納テープであって、
前記ポケット部は、当該ポケット部内の空間を仕切る仕切り壁を備え、
前記仕切り壁により仕切られたポケット部内の空間の一方にのみ前記円筒形補強突起を備えること
を特徴とする部品収納テープ。
【請求項１】
部品の収納および搬送に使用される部品収納テープであって、
前記部品が収納される複数のポケット部を有するエンボステープ部を備え、
前記各ポケット部は、底面に上面が塞がれた円筒形補強突起を複数備え、
前記エンボステープ部は、連続した帯状のテープを加工して得られるものであること
を特徴とする部品収納テープ。
【請求項２】
請求項１記載の部品収納テープであって、
前記ポケット部は、水平方向の断面が波形形状を有する側面を備えること
を特徴とする部品収納テープ。
【請求項３】
請求項１または２記載の部品収納テープであって、
前記ポケット部は、当該ポケット部内の空間を仕切る仕切り壁を備え、
前記仕切り壁により仕切られたポケット部内の空間の一方にのみ前記円筒形補強突起を備えること
を特徴とする部品収納テープ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００９−４６１３１（Ｐ２００９−４６１３１Ａ）
【公開日】平成２１年３月５日（２００９．３．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−２１２１１５（Ｐ２００７−２１２１１５）
【出願日】平成１９年８月１６日（２００７．８．１６）
【出願人】（５０６４１０８９９）株式会社スピードジャパン (2)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年３月５日（２００９．３．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年８月１６日（２００７．８．１６）
【出願人】（５０６４１０８９９）株式会社スピードジャパン (2)
【Ｆターム（参考）】
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