説明

部品識別システムおよび消耗部品

【課題】容易な手段により規格外品が正規品として判断されることのない部品識別システムおよび当該部品識別システムで識別される消耗部品を提供する。
【解決手段】部品識別システムは、機器本体20と消耗部品10とからなる。消耗部品10に実装されたマイコン110の主制御部111は、同じく消耗部品10に実装されたPTC素子100を備える特性検出部101に対して識別処理用電圧信号を印加する。PTC素子100は識別処理用電圧信号の印加時間に応じて抵抗値が変化し、特性検出部101は、このPTC素子100の抵抗値変化に基づく判定用データを出力する。判定部112は、メモリ120に記憶された正規品のPTC素子に基づく基準データと判定用データとを比較し、PTC素子100および消耗部品10が正規品であるか規格外品であるかを識別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、装置本体に装着される消耗部品が正規品であるか規格外品であるかを判定する部品識別システムと、該部品識別システムによって判定される消耗部品とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、装着された消耗部品を利用して、所望の機能を実現する電子機器が各種存在する。このような電子機器では、消耗部品が正規品でないと、所望の機能を確実に実現できなかったり、場合によっては電子機器が故障してしまう可能性がある。
【0003】
このため、従来、特許文献1に示すように、消耗部品が正規品であるか規格外品であるかを識別する識別装置が考案されている。
【0004】
特許文献1の識別装置では、通電部および検出部を備える。識別装置の通電部は、当該識別装置本体に装着される消耗部品に対して通電を行う。消耗部品は特性変動アナログ素子を備えており、この通電により電気特性が変動する。識別装置の検出部は、この電気特性の変動を検出し、この検出した電気特性から正規品と規格外品とを識別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−110210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1の識別装置では、検出部や通電部が識別装置本体に備えられているので、当該検出部を容易に調整して、正規品の許容範囲を変化させることができる。これにより、本来、規格外品となるべき消耗部品が正規品と識別されてしまう。
【0007】
本発明の目的は、容易な手段により規格外品が正規品として判断されることのない部品識別システムおよび当該部品識別システムで識別される消耗部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の部品識別システムは、消耗部品と、該消耗部品が装着される本体装置と、電源とを備える。電源は、消耗部品もしくは本体装置に備えられ、印加電圧を供給する。なお、印加電圧は、消耗部品もしくは本体装置に備えられる主制御部に制御される。消耗部品は、印加電圧によって特性が変化する特性変動アナログ素子、および、該印加電圧による特性変動アナログ素子の特性変化が正規規格範囲内にあるかどうかを判定する判定部を備える。
【0009】
この構成では、消耗部品に判定部が備えられているので、本体装置を調整するだけでは規格外品を正規品として判断させることができず、各消耗部品を調整しなければならない。
【0010】
また、この発明の部品識別システムの本体装置は特性変動アナログ素子の判定基準となる基準特性変動アナログ素子を備える。主制御部は、特性変動アナログ素子と基準特性変動アナログ素子とに同じ印加電圧を与えるように制御する。消耗部品の判定部は、基準特性変動アナログ素子の特性変化を基準にして、特性変動アナログ素子の特性変化が正規規格範囲内にあるかどうかを判定する。
【0011】
この構成では、正規品に備えられている特性変動アナログ素子と同じ特性を有し、判定基準となる基準特性変動アナログ素子を利用する。これにより、当該基準特性変動アナログ素子と消耗部品の特性変動アナログ素子とを比較すれば、正規品と規格外品とを正確に識別できる。
【0012】
また、この発明の部品識別システムの主制御部は、特性変動アナログ素子への電圧印加と基準特性変動アナログ素子への電圧印加の少なくともいずれか一方に対して、印加のオン/オフや印加電圧値の制御を行う。
【0013】
この構成では、印加電圧が適宜制御されることで、電圧印加開始タイミングや電圧印加停止タイミング等の識別のための制御を状況に応じて適宜調整することができる。
【0014】
また、この発明の部品識別システムの消耗部品は、特性変動アナログ素子の周囲温度を検出する消耗部品側部品温度検出部を備える。一方、本体装置は、基準特性変動アナログ素子の周囲温度を検出する本体装置側部品温度検出部を備える。消耗部品の判定部は、消耗部品側部品温度検出部の消耗部品側検出温度と、本体装置側部品温度検出部の本体装置側検出温度とを用いて、特性変動アナログ素子の特性変化が正規規格範囲内にあるかどうかを判定する。
【0015】
この構成では、特性変動アナログ素子および基準特性変動アナログ素子は周囲温度により特性が変化することを考慮し、消耗部品の特性変動アナログ素子の周囲温度と、本体装置の基準特性変動アナログ素子の周囲温度を識別のための判断要素に利用する。これにより、正規品と規格外品とをさらに正確に識別することができる。
【0016】
また、この発明の部品識別システムにおける消耗部品の判定部は、消耗部品側検出温度と本体装置側検出温度との温度差が部品識別判定許可範囲内にある場合にのみ、特性変動アナログ素子の特性変化が正規規格範囲内にあるかどうかを判定する。
【0017】
消耗部品の特性変動アナログ素子の周囲温度と本体装置の基準特性変動アナログ素子の周囲温度とに大きな差がある場合に、当該温度差により特性変動アナログ素子と基準特性変動アナログ素子とが同じものであっても、特性に差が生じてしまう。このため、この構成では、所定の温度差がある場合には識別処理は行わず、温度差が部品識別判定許可範囲内の場合にのみ識別処理を行う。これにより、周囲温度の影響を低減して、正規品と規格外品とを正確に識別することができる。
【0018】
また、この発明の部品識別システムにおける主制御部は、消耗部品側検出温度と本体装置側検出温度との温度差が部品識別判定許可範囲内となるように、特性変動アナログ素子への電圧印加と基準特性変動アナログ素子への電圧印加の少なくともいずれか一方に対して、印加のオン/オフや印加電圧値の制御を行う。
【0019】
この構成では、特性変動アナログ素子もしくは基準特性変動アナログ素子の印加電圧を調整することで、上述の温度差を部品識別判定許可範囲内にすることができる。これにより、特性変動アナログ素子や基準特性変動アナログ素子の周囲温度に影響されることなく、正規品と規格外品とを正確に識別することができる。
【0020】
また、この発明の部品識別システムにおける主制御部は、電圧無印加時の消耗部品側検出温度および本体装置側検出温度を観測し、消耗部品側検出温度および本体装置側検出温度の低温側の素子の温度を、高温側の素子の温度よりも昇温させた後に該高温側の素子の温度と一致させて部品識別用の電圧印加を開始する。
【0021】
この構成では、基準特性変動アナログ素子を用いる場合に、当該基準特性変動アナログ素子と特性変動アナログ素子との周囲温度を一致させるのであるが、低温側の素子を直接高温側の素子の温度に合わせるのでは周囲温度を安定して一致されることができないが、低温側の素子の温度を、一旦、高温側の素子の温度よりも昇温させて、降温させながら高温側の素子の温度に一致させることで、周囲温度を安定して一致させることができる。これにより、さらに正確に正規品と規格外品とを識別することができる。
【0022】
また、この発明における部品識別システムの消耗部品は、特性変動アナログ素子の周囲温度を検出する消耗部品側部品温度検出部を備え、判定部は、消耗部品側部品温度検出部の消耗部品側検出温度を用いて、特性変化が正規規格範囲内にあるかどうかを判定する。
【0023】
この構成では、消耗部品側検出温度を用いて、各温度における判定基準データと比較することができるので、正規品と規格外品とを正確に識別することができる。
【0024】
また、この発明の部品識別システムにおける本体装置は、消耗部品に対するデータ書き換え手段を備える。主制御部は、データ書き換え手段の動作開始を停止するデータ書き換え停止手段を備える。そして、消耗部品の特性変動アナログ素子の特性変化が正規規格範囲内にある場合にのみ、データ書き換え停止手段を実行する。
【0025】
この構成では、上記識別の結果、規格外品であった場合に消耗部品のデータが書き換えられるので、これ以降、当該規格外品と判定された消耗部品を利用できないようにすることができる。
【0026】
また、この発明の消耗部品は、特性変動アナログ素子、および判定部を備える。特性変動アナログ素子は、印加電圧によって特性が変化する。判定部は、印加電圧による特性変動アナログ素子の特性変化が正規規格範囲内にあるかどうかを判定する。
【0027】
この構成では、消耗部品に特性変動アナログ素子や識別のための各回路ブロックが実装や形成されているので、容易に調整を行うことができない。これにより、規格外品となる消耗部品が故意に製造されることを抑制できる。
【0028】
また、この発明の消耗部品は、少なくとも特性変動アナログ素子を封止する封止する封止部材を有する。
【0029】
この構成では、消耗部品の調整を行うことがさらに困難となり、規格外品となる消耗部品が故意に製造されることをさらに抑制できる。
【0030】
また、この発明の消耗部品は、特性変動アナログ素子の周囲温度を検出する部品温度検出部を備える。特性変動アナログ素子および部品温度検出部は、封止部材により封止されている。
【0031】
この構成では、特性変動アナログ素子および部品温度検出部が封止されているので、特性変動アナログ素子の温度をより正確に測定することができる。また、封止されているので、より調整が困難となり、規格外品となる消耗部品が故意に製造されることをさらに効果的に抑制できる。
【発明の効果】
【0032】
この発明によれば、容易な手段によって規格外品が正規品として判断されることなく、正規品と規格外品とを正確に識別できる部品識別システムを実現できる。また、このような規格外の消耗部品が容易に製作されないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第1の実施形態の部品識別システムの構成を示すブロック図および特性検出部101の回路図である。
【図2】消耗部品10のマイコン110の制御フローを示すフローチャートである。
【図3】第2の実施形態の部品識別システムの構成を示すブロック図および特性検出部101、基準特性検出部211の回路図である。
【図4】消耗部品10’のマイコン110’の制御フローを示すフローチャートである。
【図5】第3の実施形態の部品識別システムのフローチャートである。
【図6】第4の実施形態の部品識別システムの構成を示すブロック図および特性検出部101、基準特性検出部211の回路図である。
【図7】消耗部品10”のマイコン110”の制御フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の第1の実施形態に係る部品識別システムおよび当該部品識別システムの識別対象となる消耗部品について、図を参照して説明する。
【0035】
図1(A)は本実施形態の部品識別システムの構成を示すブロック図であり、図1(B)は特性検出部の主要構成を示す回路図である。図1(A)に示すように、部品識別システム1は、識別対象である消耗部品10と、該消耗部品10が装着される機器本体20とを備える。
【0036】
まず、後述する消耗部品10の説明を理解しやすくするために、消耗部品10が装着されるとともに、通常動作時には当該消耗部品10に対して電気的に作用し、部品識別処理時には電源供給を行う機器本体20の構成を説明する。機器本体20は、電源200、本体機能部201、操作部202、表示部203、および消耗部品装着部210を備える。
【0037】
消耗部品装着部210には、消耗部品10が装着される。本体機能部201は、機器本体20の機能を実現する回路であり、機器本体20が消耗部品10に電気的に作用することで実現される機能を実行する。また、本体機能部201は、操作部202を用いたユーザからの操作入力や、消耗部品10の消耗部品装着部210への装着の検出や、機器本体20の電源投入に応じて、消耗部品10の主制御部111に対して、部品識別処理を実行するように指示する。そして、本体機能部201は、消耗部品10の主制御部111から識別結果を取得すると、表示部203へ識別結果を表示する表示制御を行う。
【0038】
電源200は、例えば、交流電力を直流電力に変換するインバータと所定レベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータとからなり、本体機能部201等の機器本体20の各部に電源供給をするとともに、消耗部品10に対しても電源供給を行う。また、電源200は、部品識別処理に際して、消耗部品10の主制御部111から印加電圧制御を受けると、DC−DCコンバータをコントロールして該印加電圧制御にしたがった所定の電圧波形からなる識別処理用電圧信号を発生し、消耗部品10の特性検出部101へ供給する。
【0039】
操作部202は、ユーザからの操作入力を受け付け、本体機能部201へ操作入力信号を与える。例えば、ユーザから部品識別の操作入力を受け付けると、部品識別処理を開始させる操作入力信号を、本体機能部201へ与える。表示部203は、本体機能部201から表示制御を受け、画像表示を行う。例えば、消耗部品10の主制御部111から識別結果を本体機能部201が受け付けると、当該本体機能部201から識別結果表示制御を受け、表示部203に識別結果が表示される。
【0040】
消耗部品10は、マイコン110と、特性検出部101と、メモリ120とを備える。
【0041】
消耗部品10は、筐体と該筐体内に設置された回路基板とを備え、当該回路基板上に、マイコン110と、特性検出部101と、メモリ120とが実装される構造からなる。そして、この特性検出部101のPTC素子100を少なくとも覆うように、樹脂によって封止されている。
【0042】
マイコン110は、主制御部111および判定部112を備える、所定ビットからなる演算素子と該演算素子に後述する部品識別処理等の各種処理を実行させるプログラムとにより実現される。なお、プログラムは、後述する判定基準データが記憶されたメモリ120に記憶しても良く、別途プログラム用のメモリを用意し、当該プログラム用メモリに記憶しても良い。
【0043】
主制御部111は、上述のような機器本体20との通信制御や、部品識別処理を制御する。主制御部111は、部品識別処理を実行する際に、機器本体20の電源200に対して印加電圧制御を行う。また、主制御部111は、判定部112からのPTC素子100の判定結果に基づく消耗部品10の識別結果を本体機能部201に与える。なお、本実施形態の説明では、部品識別処理の開始を機器本体20の本体機能部201が設定する例を示したが、消耗部品装着部210への装着や電源投入をトリガとして、主制御部111が部品識別処理の開始を指示してもよい。
【0044】
判定部112は、特性検出部101からの判定用データと、メモリ120に記憶されている判定基準データとを比較する。判定基準データは判定用データが正規規格範囲内であることを判定する基準のデータであり、判定部112は、判定用データが判定基準データに適合すれば、PTC素子100が正規品であると判定する。一方、判定部112は、判定用データが判定基準データに適合しなければ、PTC素子100が規格外品であると判定する。これらの判定結果は主制御部111へ与えられる。
【0045】
特性検出部101は、本発明の「特性変動アナログ素子」に相当するPTC素子100を備え、機器本体20の電源200から識別処理用電圧信号が与えられる。なお、本実施形態では、特性変動アナログ素子として、PTC素子を例に説明したが、印加させる電圧や電流によって電気的特性が変化する他の素子を用いてもよい。さらには、外的な作用により電気的特性が変化するような素子を用いてもよい。
【0046】
特性検出部101は、例えば図1(B)に示すような回路構成からなる。特性検出部101は、PTC素子100と抵抗素子102との直列回路を備える。当該直列回路の抵抗素子102側の端部は識別処理用電圧印加端子であり、直列回路のPTC素子100側の端部はグランドに接続されており、この直列回路に識別処理用電圧信号が印加される。識別処理用電圧信号が印加されると、PTC素子100と抵抗素子102との接続点の電圧、すなわち直列回路の分圧電圧は、PTC素子100と抵抗素子102との抵抗比によって変動する。これを利用し、この分圧電圧を検出電圧信号として、判定部112へ出力する。
【0047】
ここで、正規のPTC素子は正の抵抗温度特性を有し、キュリー温度を超えることで、抵抗値が急激に増加する特性を有する。このため、正規のPTC素子と規格外品とでは、識別処理用電圧信号が印加された場合の検出電圧信号の特性が異なる。
【0048】
これを利用し、判定部112は、検出電圧信号に基づく判定用データを生成し、予めメモリ120に記憶されている判定基準データとを比較することで、消耗部品10に装着されているPTC素子100が正規品であるか規格外品であるかを判定する。
【0049】
次に、この部品識別フローについて、図2を参照して説明する。図2は、図1に示す消耗部品10のマイコン110の制御フローを示すフローチャートである。
【0050】
まず、上述のように部品識別処理の開始が指定されると、消耗部品10の主制御部111は、機器本体20の電源200に対して印加電圧制御を行う(S101)。印加電圧制御が実行されると、特性検出部101は、PTC素子100へ印加される識別処理用電圧信号に応じた検出電圧信号を出力する。
【0051】
判定部112は、この検出電圧信号を取得してA/D変換し、判定用データを取得する(S102)。判定部112は、メモリ120から判定基準データを取得し、判定用データと判定基準データとを比較する(S103)。判定部112は、判定用データが判定基準データに適合すればPTC素子100が正規品であると判定し(S104:Yes→S105)、判定用データが判定基準データに適合しなければPTC素子100が規格外品であると判定する(S104:No→S106)。判定部112は判定結果を主制御部111に与え、主制御部111は判定結果に基づく識別結果を、本体機能部201を介して表示部203へ表示する(S107)。
【0052】
以上のような構成および処理を行うことで、消耗部品10が正規品であるか規格外品であるかの部品識別処理を、消耗部品10内に実装されたマイコン110で行うことができる。これにより、調整が行い易い機器本体20で部品識別処理を行うよりも、規格外品を正規品に識別させる調整を行い難くなり、規格外品が利用されることを抑制できる。また、調整を消耗部品10に施さなければならないため、規格外品を正規品に認識させるように消耗部品10を製造しなければならず、手間や製造コストがかかることになる。したがって、このような規格外品による消耗部品の製造も抑制することができる。さらに、上述のように、PTC素子を樹脂で封止していることで、規格外品と判定された場合にPTC素子を取り替える等の作業が難しくなり、より一層、規格外品の消耗部品の製造を抑制することができる。
【0053】
なお、上述の判定基準データを記憶するメモリは、消耗部品10に形成されることが望ましいが、機器本体20側に形成されても良い。
【0054】
また、上述の識別処理用電圧信号を発生する電源は、機器本体20に備えられた電源200を用いることで、部品識別のための余分な電源を用意する必要がないが、別途電源を設けても良い。
【0055】
また、上述の本実施形態では、消耗部品10のマイコン110内に主制御部111と判定部112とを構成する例を示したが、少なくとも消耗部品10には判定部112が構成されておればよく、主制御部111は消耗部品10外部(例えば機器本体20)にあってもよい。
【0056】
次に、第2の実施形態に係る部品識別システムについて、図を参照して説明する。図3(A)は本実施形態の部品識別システム1’の構成を示すブロック図であり、図3(B)は特性検出部101および基準特性検出部211の主要構成を示す回路図である。
【0057】
本実施形態の部品識別システム1’は、上述の第1の実施形態の部品識別システム1に対して、基準特性検出部211が追加され、判定部112’は、特性検出部101からの判定用データと基準特性検出部211からの基準データとを比較して、正規品または規格外品の判定及び識別を行うものである。したがって、本実施形態では、当該部分に関する説明のみを行い、第1の実施形態と同じ部分に関しては説明を省略する。
【0058】
基準特性検出部211は、機器本体20’の本体機能部201’に備えられている。具体的には、基準特性検出部211は、基準PTC素子300と抵抗器302との直列回路により形成されている。当該直列回路の抵抗器302側の端部は識別処理用電圧印加端子であり、直列回路の基準PTC素子300側の端部はグランドに接続されており、この直列回路に、消耗部品10’の特性検出部101と同期して、識別処理用電圧信号が印加される。基準特性検出部211は、識別処理用電圧信号が印加されると、基準PTC素子300と抵抗素子302との接続点の電圧すなわち直列回路の分圧電圧による基準電圧信号を判定部112’へ出力する。ここで、基準PTC素子300は、正規のPTC素子を代表する特性を有する素子であり、抵抗素子302は、正規品の消耗部品の特性検出部101に実装される抵抗素子101と同じ特性を有する素子である。
【0059】
判定部112’は、特性検出部101からの判定用データと基準特性検出部211からの基準データとを、所定間隔からなるサンプリングタイミング毎に比較する。判定部112’は、各タイミングでの判定用データと基準データとの差が予め設定した正規規格範囲を決定する閾値以下であれば、消耗部品10が正規品であると判定する。一方で、判定部112’は、正規規格範囲を決定する閾値よりも大きな差を、全てのサンプリングタイミング中で一度でも検出すれば、規格外品であると判定する。
【0060】
上述の構成とすることで、図4に示すようなフローで部品識別処理が実行される。図4は、図3に示す消耗部品10’のマイコン110’の制御フローを示すフローチャートである。
【0061】
まず、部品識別処理の開始が指定されると、消耗部品10の主制御部111は、機器本体20’の電源200に対して印加電圧制御を行う(S201)。この際、主制御部111は、特性検出部101と基準特性検出部211とに電圧を印加するように印加電圧制御を行う。印加電圧制御が実行されると、特性検出部101は検出電圧信号を出力し、基準特性検出部211は基準電圧信号を出力する。判定部112’は、検出電圧信号を取得してA/D変換し、判定用データを取得するとともに、基準電圧信号を取得してA/D変換し基準データを取得する(S202)。判定部112’は、判定用データと基準データとの差をサンプリングタイミング毎に算出し、各サンプリングタイミングでのデータ値の差と閾値とを比較する(S203)。判定部112’は、全てのサンプリングタイミングでの判定用データと基準データとの差が閾値以下であれば、PTC素子100が正規品であると判定し(S204:Yes→S205)、各サンプリングタイミングでの差が一つでも閾値よりも大きければPTC素子100が規格外品であると判定する(S204:No→S206)。判定部112’は判定結果を主制御部111に与え、主制御部111は判定結果に基づく識別結果を、本体機能部201’を介して表示部203へ表示する(S207)。
【0062】
以上のような構成および処理を行うことでも、正規品と規格外品とを正確に識別することができ、規格外品が容易に製造されることを抑制することができる。さらに、本実施形態の構成を用いることで、機器本体20’と消耗部品10’の双方を調整しなければ、規格外品を正規品として識別できるようにならないので、第1の実施形態の構成よりも、さらに一層手間が係る。これにより、規格外品の製造をより効果的に抑制できる。
【0063】
なお、上述の説明に示したように、基準特性検出部211全体を機器本体20’内に形成しても良いが、基準PTC素子300のみを機器本体20’内に形成する等の基準特性検出部211を機器本体20’と消耗部費点10’とに分離する構成を用いることで、機器本体20’側における本体機能に直接関わらない部品識別のための回路規模を小さくすることができる。また、判定用データを記憶データとして蓄積しないので、データの抜き出しを防ぐことができ、より秘匿性を高めることができる。
【0064】
また、消耗部品10のPTC素子100のように、基準PTC素子300も樹脂で封止する構造を用いると良い。これにより、基準PTC素子の取り替えや調整が容易ではなくなり、規格外品の消耗部品が使用できるように本体機器側を調整することも難しくなる。この結果、規格外品の使用や製造をさらに抑制することができる。
【0065】
次に、第3の実施形態に係る部品識別システムについて図を参照して説明する。
【0066】
図5は本実施形態の部品識別システムのフローチャートである。本実施形態の部品識別システムは、第1の実施形態の部品識別システムと装置構成(機器本体20と消耗部品10とからなる構成)は同じであり、これらの箇所については説明を省略する。
【0067】
本実施形態の部品識別システムでは、部品識別処理の開始が指定されると、消耗部品10の主制御部111は、機器本体20の電源200に対して印加電圧制御を行うとともに、本体機能部201へ識別開始通知を行う(S301)。
【0068】
機器本体20の本体機能部201は、消耗部品10の主制御部111からの識別開始通知を受け付けると(S401)、計時を開始する(S402)。
【0069】
消耗部品10の特性検出部101は、印加される識別処理用電圧信号に応じた検出電圧信号を出力し、判定部112は、この検出電信号を取得してA/D変換し、判定用データを取得する(S302)。判定部112は、メモリ120から判定基準データを取得し、判定用データと判定基準データとを比較する(S303)。判定部112は、判定用データが判定基準データに適合すればPTC素子100が正規品であると判定し(S304:Yes→S305)、判定用データが判定基準データに適合しなければPTC素子100が規格外品であると判定する(S304:No→S306)。判定部112は判定結果を主制御部111に与え、主制御部111は判定結果に基づく識別結果を、本体機能部201に通知する。
【0070】
本体機能部201は、識別結果を受信しなければ、識別結果待機閾値時間までは、識別結果の受信待機状態となり、計時を続ける(S403:No→S404:No→S402)。本体機能部201は、識別結果を受信すると(S403:Yes)、識別結果が正規品を示すものであれば、データ消去処理制御を行うことなく、識別処理を終了する(S405:Yes)。一方、本体機能部201は、識別結果が規格外品であれば(S405:No)、データ消去処理制御を消耗部品10に対して実行する(S406)。また、本体機能部201は、識別結果が受信できない状態が識別結果待機閾値時間に達した場合にも(S404:Yes)、データ消去処理制御を消耗部品10に対して実行する(S406)。
【0071】
消耗部品10の主制御部111は、本体機能部201からデータ消去処理制御を受信し(S307またはS308)、正規品と判定した場合にのみデータ消去処理停止制御を行う(S309)。
【0072】
このような処理を行うことで、消耗部品10が規格外品であれば消耗部品10のデータが消去され、消耗部品10が正規品の場合にのみ機器本体20を正常に動作させることができる。これにより、さらに規格外品の使用を抑制でき、ひいては規格外品の製造を抑制することができる。
【0073】
なお、本実施形態では、規格外品の消耗部品を使用できなくなる例を示したが、機器本体の機能を制限したり、著しく低下させたり、停止させたりするようにしても良い。
【0074】
また、本実施形態の処理を第2の実施形態の構成に適用しても良い。
【0075】
次に、第4の実施形態に係る部品識別システムについて図を参照して説明する。
図6(A)は本実施形態の部品識別システム1”の構成を示すブロック図であり、図6(B)は特性検出部101’および基準特性検出部210’の回路図である。本実施形態の部品識別システム1”は、第2の実施形態に示した部品識別システム1’に対して温度検出処理を実行する構成を追加したものであり、他の構成は同じである。したがって、温度検出処理と当該温度検出処理結果を用いた識別処理についてのみ説明する。
【0076】
図6に示すように、基準特性検出部211’は、基準PTC素子300と抵抗素子302とからなるPTC直列回路、および、サーミスタ500と抵抗素子502とからなるサーミスタ直列回路とにより形成されている。PTC直列回路の抵抗素子302側の端部は識別処理用電圧印加端子であり、PTC直列回路の基準PTC素子300側の端部はグランドに接続されており、このPTC直列回路に、消耗部品20’の特性検出部101’と同期して識別処理用電圧信号が印加される。基準特性検出部211’は、識別処理用電圧信号が印加されると、基準PTC素子300と抵抗素子302との分圧電圧による基準電圧信号を出力する。
【0077】
基準特性検出部211’のサーミスタ直列回路の抵抗素子502側の端部は温度検出用電圧印加端子であり、サーミスタ直列回路のサーミスタ500側の端部は、グランドに接続されており、このサーミスタ直列回路に、電源200から温度検出用電圧信号が印加される。サーミス500は、基準PTC素子300の周囲温度に応じて抵抗値が変化する素子である。サーミスタ500は、温度検出用電圧信号が印加されることで、基準PTC素子300の周囲温度に準じたレベルの温度検出信号を主制御部111へ出力する。
【0078】
消耗部品10”の特性検出部101’は、PTC素子100と抵抗素子102との識別用PTC直列回路、および、サーミスタ400と抵抗素子402との識別用サーミスタ直列回路とにより形成されている。
【0079】
特性検出部101’の識別用PTC直列回路の抵抗素子102側の端部は識別処理用電圧印加端子であり、識別用PTC直列回路のPTC素子100側の端部はグランドに接続されており、この識別用PTC直列回路に、機器本体20”の基準特性検出部211’と同期して識別処理用電圧信号が印加される。特性検出部101’は、識別処理用電圧信号が印加されると、PTC素子100と抵抗素子102との分圧電圧による検出電圧信号を出力する。
【0080】
また、特性検出部101’の識別用サーミスタ直列回路の抵抗素子102側の端部は温度検出用電圧印加端子であり、識別用サーミスタ直列回路のサーミスタ400側の端部は、グランドに接続されており、この識別用サーミスタ直列回路に、電源200から温度検出用電圧信号が印加される。サーミス400は、基準特性検出部211’のサーミスタ500と同じ特性を有し、PTC素子100の周囲温度に応じて抵抗値が変化する素子である。サーミスタ400は温度検出用電圧信号が印加されることで、PTC素子100の周囲温度に準じたレベルの温度検出信号を主制御部111へ出力する。
【0081】
主制御部111は、特性検出部101’からの温度検出信号に基づいてPTC素子100の周囲温度を検出するとともに、基準特性検出部211’からの温度検出信号に基づいて基準PTC素子300の周囲温度を検出する。主制御部111は、これらの温度差が部品識別判定許可範囲内にあれば、上述の第2の実施形態に示したように、消耗部品10”の識別処理を行う。この際、温度差が部品識別判定許可範囲内になければ、温度調整制御を行って、温度差が部品識別判定許可範囲内になるように温度調整を行い、消耗部品10”の識別処理を行う。
【0082】
このような構成とすることで、図7に示すようなフローで部品識別処理が実行される。図7は、図6に示す消耗部品10”のマイコン110”の制御フローを示すフローチャートである。
【0083】
部品識別処理の開始が指定されると、主制御部111は、サーミスタ400およびサーミスタ500に基づく各温度検出信号を用いてPTC素子100および基準PTC素子300の温度を検出する(S501)。主制御部111は、これらの温度差を算出して、当該温度差が予め設定した部品識別判定許可範囲内であるかどうかを判定する。主制御部111は、温度差が部品識別判定許可範囲内になければ(S502:No)、PTC素子100および基準PTC素子300に対する温度調整制御を行う(S503)。
【0084】
具体的には、主制御部111は、PTC素子100および基準PTC素子300の内の低温側の素子を検出し、当該低温側の素子に対して温度調整用電圧印加を行うように電源200を制御する。PTC素子100および基準PTC素子300は電圧印加により昇温するので、この昇温により周囲温度を上昇させる。この際、主制御部111は、低温側の素子の温度を高温側の素子の温度よりも所定温度分高い温度まで昇温した後に、温度調整用電圧印加を停止して、降温させながら高温側の素子の周囲温度に一致させる。
【0085】
このように、昇温の後に降温を行って温度を一致させることで、単に昇温のみで一致させる場合よりも周囲温度を安定して一致させることができる。これにより、PTC素子100および基準PTC素子300の周囲温度の差を、部品識別判定許可範囲内により安定して調整することができる。
【0086】
主制御部111は、PTC素子100の周囲温度と基準PTC素子300の周囲温度との温度差が部品識別判定許可範囲内にあることを検出すると(S502:Yes)、機器本体20”の電源200に対して印加電圧制御を行う(S504)。この際、主制御部111は、特性検出部101’と基準特性検出部211’とに電圧を印加するように印加電圧制御を行う。印加電圧制御が実行されると、特性検出部101’は検出電圧信号を出力し、基準特性検出部211’は基準電圧信号を出力する。判定部112”は、検出電圧信号を取得してA/D変換し、判定用データを取得するとともに、基準電圧信号を取得してA/D変換し、基準データを取得する(S505)。判定部112”は、判定用データと基準データとのデータ値の差をサンプリングタイミング毎に算出し、各サンプリングタイミングの差と閾値とを比較する(S506)。判定部112”は、全てのサンプリングタイミングでの判定用データと基準データとの差が閾値以下であれば、消耗部品10”が正規品であると判定し(S507:Yes→S508)、各サンプリングタイミングでの差が一つでも閾値よりも大きければ消耗部品10”が規格外品であると判定する(S507:No→S509)。判定部112”は判定結果を主制御部111に与え、主制御部111は判定結果に基づく識別結果を、本体機能部201”を介して表示部203へ表示する(S510)。
【0087】
このような構成および処理を用いることで、PTC素子100および基準PTC素子300の周囲温度を加味、調整した上で、識別処理を行うことができる。これにより、正規品および規格外品の識別を、より正確に行うことができる。
【0088】
なお、本実施形態のような温度調整制御を第1の実施形態に示した基準PTC素子300を用いない構成に適用しても良い。この場合、主制御部111は、PTC素子100の周囲温度を検出し、識別処理を開始するようにすれば良い。これにより、各温度における判定基準データと比較することができるので、より正確に識別を行うことができる。
【0089】
また、PTC素子100と温度検出素子400とを、ともに樹脂で封止すれば、温度検出素子はPTC素子の温度を正確に測定することができる。なお、基準PTC素子300と温度検出素子500についても同様である。
【符号の説明】
【0090】
1,1’,1”,1A−部品識別システム、10,10’,10”,10A−消耗部品、100,100A〜100N−PTC素子、102,102A〜102N,302−抵抗素子、101,101’,101”−特性検出部、110,110’,110”,110A−マイコン、111−主制御部、112,112’,112”,112A−判定部、120−メモリ、20,20’,20”−機器本体、200−電源、201,201’,201”−本体機能部、202−操作部、203−表示部、210−消耗品装着部、211,211’−基準特性検出部、300−基準PTC素子、400,500−サーミスタ素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印加電圧によって特性が変化する特性変動アナログ素子、および、該印加電圧による前記特性変動アナログ素子の特性変化が正規規格範囲内にあるかどうかを判定する判定部を備えた消耗部品と、
該消耗部品が装着される本体装置と、
前記引加電圧を制御する主制御部と、
前記消耗部品もしくは前記本体装置に備えられた、前記印加電圧を供給する電源と、
を備えた部品識別システム。
【請求項2】
前記本体装置は、前記特性変動アナログ素子の判定基準となる基準特性変動アナログ素子を備え、
前記主制御部は、前記特性変動アナログ素子と前記基準特性変動アナログ素子とに同じ印加電圧を与えるように制御し、
前記判定部は、前記基準特性変動アナログ素子の特性変化を基準にして、前記特性変動アナログ素子の特性変化が前記正規規格範囲内にあるかどうかを判定する、請求項1に記載の部品識別システム。
【請求項3】
前記主制御部は、前記特性変動アナログ素子への電圧印加と前記基準特性変動アナログ素子への電圧印加の少なくともいずれか一方に対して、印加のオン/オフや印加電圧値の制御を行う、請求項1または請求項2に記載の部品識別システム。
【請求項4】
前記消耗部品は、前記特性変動アナログ素子の周囲温度を検出する消耗部品側部品温度検出部を備え、
前記本体装置は、前記基準特性変動アナログ素子の周囲温度を検出する本体装置側部品温度検出部を備え、
前記判定部は、前記消耗部品側部品温度検出部の消耗部品側検出温度と、前記本体装置側部品温度検出部の本体装置側検出温度とを用いて、前記特性変動アナログ素子の特性変化が前記正規規格範囲内にあるかどうかを判定する、請求項2に記載の部品識別システム。
【請求項5】
前記判定部は、前記消耗部品側検出温度と前記本体装置側検出温度との温度差が部品識別判定許可範囲内にある場合にのみ、前記特性変動アナログ素子の特性変化が前記正規規格範囲内にあるかどうかを判定する請求項4に記載の部品識別システム。
【請求項6】
前記主制御部は、前記消耗部品側検出温度と前記本体装置側検出温度との温度差が前記部品識別判定許可範囲内となるように、前記特性変動アナログ素子への電圧印加と前記基準特性変動アナログ素子への電圧印加の少なくともいずれか一方に対して、印加のオン/オフや印加電圧値の制御を行う、請求項5に記載の部品識別システム。
【請求項7】
前記主制御部は、電圧無印加時の前記消耗部品側検出温度および前記本体装置側検出温度を観測し、前記消耗部品側検出温度および前記本体装置側検出温度の低温側の素子の温度を、高温側の素子の温度よりも昇温させた後に該高温側の素子の温度と一致させて部品識別用の前記電圧印加を開始する、請求項6に記載の部品識別システム。
【請求項8】
前記消耗部品は、前記特性変動アナログ素子の周囲温度を検出する消耗部品側部品温度検出部を備え、
前記判定部は、前記消耗部品側部品温度検出部の消耗部品側検出温度を用いて、前記特性変化が前記正規規格範囲内にあるかどうかを判定する、請求項1に記載の部品識別システム。
【請求項9】
前記本体装置は、前記消耗部品に対するデータ書き換え手段を備え、
前記主制御部は、前記データ書き換え手段の動作開始を停止するデータ書き換え停止手段を備え、前記特性変動アナログ素子の特性変化が前記正規規格範囲内にある場合にのみ、前記データ書き換え停止手段を実行する、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の部品識別システム。
【請求項10】
印加電圧によって特性が変化する特性変動アナログ素子と、
該印加電圧による前記特性変動アナログ素子の特性変化が正規規格範囲内にあるかどうかを判定する判定部と、
を備えた消耗部品。
【請求項11】
前記特性変動アナログ素子を少なくとも封止する部材をさらに備えた請求項10に記載の消耗部品。
【請求項12】
前記特性変動アナログ素子の周囲温度を検出する部品温度検出部を備え、
該部品温度検出部が、前記封止部材により封止されている請求項10または請求項11に記載の消耗部品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−206337(P2010−206337A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47474(P2009−47474)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】