部材の位置管理システム及び部材の位置管理方法
【課題】ある部材(特定部材)の位置の特定を行うときに、特定部材の周辺に位置していて特定部材とは異なる他の部材の位置情報を利用することによって、特定部材の位置の管理を行い易くする。
【解決手段】本発明に係る部材の位置管理システム1は、部材IDが記録されたRFIDタグ3と、タグリーダ4と、位置情報データベース5と、この位置情報データベース5を用いて部材2の位置を決定する位置決定手段6とを備えている。タグリーダ4は、位置を特定しようとする部材2である特定部材2aの部材IDと、特定部材2aの周辺に位置していて特定部材2aとは異なる他の部材2bの部材IDとを同時又は異時に取得するように構成されている。位置決定手段6は、タグリーダ4で取得した他の部材2bの部材IDと位置情報データベース5とに基づいて、他の部材2bの位置情報を求め、求めた他の部材2bの位置情報を特定部材2aの位置情報として適用する。
【解決手段】本発明に係る部材の位置管理システム1は、部材IDが記録されたRFIDタグ3と、タグリーダ4と、位置情報データベース5と、この位置情報データベース5を用いて部材2の位置を決定する位置決定手段6とを備えている。タグリーダ4は、位置を特定しようとする部材2である特定部材2aの部材IDと、特定部材2aの周辺に位置していて特定部材2aとは異なる他の部材2bの部材IDとを同時又は異時に取得するように構成されている。位置決定手段6は、タグリーダ4で取得した他の部材2bの部材IDと位置情報データベース5とに基づいて、他の部材2bの位置情報を求め、求めた他の部材2bの位置情報を特定部材2aの位置情報として適用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エリア内に配置された複数の部材の位置を管理する部材の位置管理システム及び部材の位置管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、工場内や倉庫内にある物品(部材)の位置を管理する方法として、RFIDタグの識別用タグなどを取り付けておき、リーダ装置で読み込むことによって部材の位置を管理するという技術がある。
例えば、部材を置く棚などの位置管理単位ごとに「位置タグ」などを取り付けておくと共に、部材には「部材タグ」を取り付けておき、これら「部材タグ」と「位置タグ」とを、リーダ装置で同時に読み込むことによって部材の位置を管理するという技術がある。また、複数の「位置タグ」を同時に読み込むことにより部材の位置を推定するという技術も開発されており、例えば、特許文献1に示すものがある。
【0003】
特許文献1に示した物品探索システム及び物品探索プログラムでは、エリア内に位置情報を示す「位置タグ」を多数設置しておき、据え置き型のリーダ装置で信号出力を変化させながら部材と同時に検出される「位置タグ」を検出する。そして、信号出力の変化と検知される「位置タグ」の増減の関係や異なる場所のリーダ装置で「位置タグ」が重複検出されるかどうか等の情報を用いて物品位置を推定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−85826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術は、位置タグが示す置場に物品が確実に存在する(置かれている)ことを前提としており、この前提を基として物品位置を推定するものとなっている。
ところが、実際の現場では、様々な事情により、物品が実際に置かれている場所と、その物品に関係づけられた位置タグが示す場所とが異なることが往々にしてある。例えば、荷物搬入のため、ある物品を本来の置場からその置き場の位置タグの範囲外となっている他の置場に移動させ、その後、再移動を行っていない等の状況である。この場合、位置タグが示す置場に、該当物品が置かれていない状況下となっている。
【0006】
上述した特許文献1の技術は、斯かる状況に対応できるものとはなっておらず、実際の現場に適用できる柔軟性・汎用性のある技術とは言い難い。
また、物品(部材)に取り付けられた部材タグに関しては、様々な原因により情報の一部、例えば置き場情報(位置情報)が未入力となっていることがあり、この場合にも、その状態で置き場におかれると、その物品がその置き場におかれるべきものかが不明確となり、位置管理ができないといった問題が生じる。
【0007】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、位置を特定する部材である特定部材の位置管理を確実に行うことのできる部材の位置管理システム及び部材の位置管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明の技術的手段は、エリア内に配置された複数の部材の位置を管理する位置管理システムにおいて、各部材に設けられると共に各部材の部材識別情報を内部に記憶する部材タグと、前記部材タグ内の部材識別情報を読み取り可能なタグリーダと、各部材の部材識別情報と前記エリア内での各部材の位置情報とを関連づけて保存する位置情報データベースと、前記位置情報データベースを用いて部材の位置を決定する位置決定手段と、を備え、前記タグリーダは、位置を特定しようとする部材である特定部材の部材識別情報と、前記特定部材の周辺に位置していて前記特定部材とは異なる他の部材の部材識別情報とを同時又は異時に取得するように構成され、前記位置決定手段は、前記タグリーダで取得した他の部材の部材識別情報と位置情報データベースとに基づいて他の部材の位置情報を求め、求めた他の部材の位置情報を、前記特定部材の位置情報とする点にある。
【0009】
前記位置決定手段は、位置情報データベース内に保存されている他の部材の部材識別情報から他の部材の位置情報を求める位置情報算出部と、前記位置情報算出部で求めた他の部材の位置情報を前記特定部材の位置情報とすべく、他の部材の位置情報とタグリーダで取得された前記特定部材の部材識別情報とを関連づける位置情報決定部と、を備えていることが好ましい。
【0010】
前記位置情報決定部は、求めた他の部材の位置情報に関する最頻値を特定部材の位置情報とすることが好ましい。
ここで、求めた他の部材の位置情報に関する最頻値とは、求めた他の部材の位置情報が複数あるときに、複数存在する他の部材の位置情報のうち、最も多いもの(モード値)である。
【0011】
前記エリア内に1又は複数の置場が設定され、前記置場には、各置場を示す置場識別情報を内部に記憶する位置タグが設置されており、前記タグリーダは、前記位置タグ内の置場識別情報を読み取り可能に構成され、前記位置情報決定部は、求めた他の部材の位置情報に代えて、タグリーダで読み取られた置場識別情報を前記特定部材の位置情報とすることが好ましい。
【0012】
前記位置決定手段は、前記位置情報データベース内の部材の位置情報を修正する修正部を備えており、前記修正部は、前記位置情報データベース内において位置情報に関する最頻値を求め、前記最頻値を除く別の位置情報の個数が所定以下であるとき、個数が所定以下である位置情報を前記最頻値に修正することが好ましい。
本発明の他の技術的手段は、エリア内に配置された複数の部材の位置を管理する位置管理方法において、各部材に設けられると共に各部材の部材識別情報を内部に記憶する部材タグと、前記部材タグ内の部材識別情報を読み取り可能なタグリーダと、各部材の部材識別情報と前記エリア内での各部材の位置情報とを関連づけて保存する位置情報データベースと、を用意しておき、前記タグリーダにより、位置を特定しようとする部材である特定部材の部材識別情報と、前記特定部材の周辺に位置していて前記特定部材とは異なる他の部材の部材識別情報とを同時又は異時に取得し、さらに、前記タグリーダで取得した他の部材の部材識別情報と位置情報データベースとに基づいて他の部材の位置情報を求め、求めた他の部材の位置情報を、前記特定部材の位置情報とする点にある。
【0013】
求めた他の部材の位置情報に関する最頻値を、前記特定部材の位置情報とすることが好ましい。
前記エリア内に1又は複数の置場が設定され、前記置場には各置場を示す置場識別情報を内部に記憶する位置タグが設置されているに際し、前記タグリーダによって、前記位置タグ内の置場識別情報を読み取り、求めた他の部材の位置情報に代えて、前記タグリーダで読み取られた置場識別情報を前記特定部材の位置情報とすることが好ましい。
【0014】
前記位置情報データベース内の部材の位置情報を修正する際には、前記位置情報データベース内において位置情報に関する最頻値を求め、前記最頻値を除く別の位置情報の個数が所定以下であるとき、個数が所定以下である位置情報を前記最頻値に修正することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、位置を特定する部材である特定部材の位置管理を確実に行うことができ、例えば、オペレータ等による部材位置情報の入力ミスを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】位置管理システムの概略を示した図である。
【図2】位置情報データベースの情報を示した図である。
【図3】第1実施形態における位置管理システムの詳細を示した図である。
【図4】第1実施形態における位置情報データベースの情報を示した図である。
【図5】第2実施形態における位置管理システムの詳細を示した図である。
【図6】第2実施形態における位置情報データベースの情報を示した図である。
【図7】第3実施形態における位置管理システムの詳細を示した図である。
【図8】第3実施形態における位置情報データベースの情報を示した図である。
【図9】第4実施形態における位置管理システムの詳細を示した図である。
【図10】第4実施形態における位置情報データベースの情報を示した図である。
【図11】実際に部材の調査を行う場合のフローチャートを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図を基に説明する。
[第1実施形態]
本発明の位置管理システムは、屋外、工場内、倉庫内等に置かれた部材(物品)の位置を管理するものである。図1は、屋外、工場内、倉庫内等のエリア内に部材が置かれた場合の位置管理システムの全体図を示している。
【0018】
図1に示すように、位置管理システムでは、屋外、工場内、倉庫内において部材2を置くためにエリアEが、例えば、置場A、置場B、置場Cの3つに区切られていて、区切られた各置場に複数の部材2が置かれている。即ち、エリアE内に各置場が設定され、各置場に部材2が置かれている。
また、各置場A,B,Cに、どのような部材2を置くかは、例えば、部材2の種類、大きさ、部材2の納期など様々な事情によって決められている。なお、この実施形態では、置場の数が3つ(置場A〜置場C)となっているが、当然の如く、3つに限定されない。
【0019】
位置管理システム1は、各置場に置かれた部材2に取り付けられた部材タグ3a内の部材識別情報などをタグリーダ4で読み込み(取得し)、タグリーダ4で取得した部材識別情報と位置情報データベース5に保存されている部材2等の位置情報とから部材2の位置を把握したり、位置情報データベース5内の様々な情報を更新しようというものである。
なお、部材タグ3a内に記憶されている部材識別情報は、[0001]のように数字からなるID番号で構成されているため、以降、「部材識別情報」を「部材ID」と表現する。
【0020】
まず、位置管理システム1の詳細構成を順に説明する。
位置管理システム1は、部材タグ3aと、タグリーダ4と、位置情報データベース5と、位置決定手段6とを備えている。
部材タグ3aは、部材2毎に取り付けられていて内部に部材IDが記録されている。この部材タグ3aは、例えば、RFIDタグ3(Radio Frequency Identification Tag)で構成されたものである。このRFIDタグ3はICチップ及びアンテナで構成されており、ICチップに書き込まれた情報は、外部より非接触で読み取り乃至は書き換え可能となっている。
【0021】
タグリーダ4は、部材タグ3aの部材IDを読み込むためのもので持ち運びが容易な携帯型である。このタグリーダ4は、部材タグ3aに向けて電波(UHF波)を発信し、発信された電波に応答して部材タグ3aからの電波を受信することにより、部材タグ3a内の部材IDを読み込むことができるようになっている(パッシブRFIDタグ)。また、タグリーダ4は、受信した部材IDを無線等の通信手段7を介して位置情報データベース5に送信することができる。
【0022】
一方、各置場A,B,Cには、その置場の名前を記した表示ポールなどが設置され、この表示ポールには、位置タグ3bが取り付けられている。この位置タグ3bもRFIDタグ3から構成され、タグリーダ4により、内部に記録された情報である置場識別情報を読み込み可能となっている。
位置タグ3b内に記憶されている置場識別情報は、[10001]のように数字からなるID番号で構成されているため、以降、「置場識別情報」を「置場ID」と表現する。
【0023】
図2に示すように、位置情報データベース5は、部材IDと、この部材IDに関連付けられた情報とを保存するためのものであって、ハードディスクドライブ(HDD)内に構成されている。
詳しくは、位置情報データベース5には、部材タグ3aの部材IDと、この部材IDに関連付けられた位置情報(置場の位置)とが保存されていると共に、位置タグ3bの置場IDと、この置場IDが指し示す位置情報(置場の位置)とが保存されている。
【0024】
図2に示される位置情報データベース5では、部材タグ3aの部材IDと位置情報とが関連付けられて保存されているため、部材タグ3aの部材IDが分かれば、この部材IDの部材2の置場所を示す位置情報を抽出することができる。例えば、図2に示すように、部材ID[0003]である部材2は、位置情報により置場Aに置かれているということが分かり、部材IDが[0005]である部材2は、位置情報により置場Cに置かれているということが分かる。
【0025】
また、位置情報データベース5では、位置タグ3bの置場IDと位置情報とが関連付けられて保存されているため、位置タグ3bの置場IDが分かれば、この位置タグ3bの置場を示す情報を抽出することができる。例えば、置場IDが[1001]である位置タグ3bは、位置情報により置場Aを示しているということが分かる。
位置決定手段6は、タグリーダ4で取得した部材IDと位置情報データベース5とを用いて部材2の位置を決定するためのものであり、例えば、タグリーダ4に内蔵されたプログラム等により構成され、無線等の通信手段7を介して位置情報データベース5内の情報を読み込んだり、書き換えたりすることができるようになっている。
【0026】
まず、作業者が特定部材2aの位置を把握(決定)する方法について、位置決定手段6と合わせて説明する。
図3は、作業者が部材2の位置を把握するためにタグリーダ4を持って置場Aに置いた部材2の調査を行っている状態を示したものである。
部材2の位置を決定(特定)するためには、まず、作業者がタグリーダ4を持って置場Aに向かい、置場Aに置かれている特定部材2aの部材ID(部材ID[0005])を取得する。この際、タグリーダ4の電波は周囲にも伝播するため、特定部材2aの周辺乃至は隣接する複数の部材2bの部材ID(例えば、部材ID[0004」、[0006]〜0009])をほぼ同時に取得する。
【0027】
そして、タグリーダ4は、無線等の通信手段7を介して位置情報データベース5にアクセスを行い、取得した部材ID(図3の場合は、6個の部材ID)の位置情報を位置情報データベース5から取得する。
図4に示すように、位置情報データベース5には、部材ID[0004],部材ID[0006]〜[0009]までの部材2については、既に部材IDと位置情報との関連付けが終了して位置情報が保存されているとすると、これら部材ID[0004],部材ID[0006]〜[0009]の部材2の位置情報は全て置場Aであるため、取得した5つの部材IDのうち、4つの部材IDに対応する部材2は、置場Aに置かれていると判断できる。
【0028】
ここで、部材ID[0005]である部材2については、部材IDと位置情報との関連付けは行われておらず、部材ID[0005]に対する位置情報は部材IDを取得した時点では存在しない。
位置決定手段6は、部材ID[0005]である部材2については、位置情報データベース5内に位置情報が存在していないため、この部材ID[0005]である部材2が置場Aに新たに置かれたと判断する(更新対象となる)。
【0029】
そして、位置決定手段6は、この部材ID[0005]と同時に取得した他の部材ID[0004]及び部材ID[0006]〜[0009]の部材2の位置情報(置場A)を、部材ID[0005]の位置情報と同じとし、部材ID[0005]と位置情報(置場A)との関連付けを行うと共に部材ID[0005]に対応する位置情報に置場Aという情報を書き込む。
【0030】
上述した如く、位置決定手段6は動作をするが、さらに、詳しく説明すると、位置情報算出部10、位置情報決定部11とを備えている。
位置情報算出部10は、位置情報データベース5内に保存されている他の部材2bの部材IDから他の部材2bの位置情報を求めるものである。図3の例では、他の部材2bの部材IDの関連付けられた位置情報は全て置場Aを示していることから、位置情報算出部10は、他の部材2bの位置情報を「置場A」とする。
【0031】
位置情報決定部11は、位置情報算出部10で求めた他の部材2bの位置情報とタグリーダ4で取得された特定部材2aの部材IDとを関連付ける。図3の例では、他の部材2bの位置情報を「置場A」としているため、この位置情報である置場Aと特定部材2aの部材ID([0005])とを関連付けたうえで、位置情報データベース5に特定部材2aの部材IDと位置情報とを保存する。
【0032】
本発明によれば、特定部材2aは、他の部材2bと同じ置場に置かれている可能性が高いことから数m程度の検知距離を持っているRFIDタグ3によって周辺の部材2b(他の部材)の部材IDを検知して、この部材IDから得られる周辺の部材2bの位置を、新しく置かれた部材2a(特定部材)の位置としている。即ち、特定部材2aの位置情報を決定する際には、当該特定部材2aの部材IDと特定部材2aの周辺に位置していて特定部材2aとは異なる他の部材2bの部材IDとを同時に取得し、さらに、タグリーダ4で取得した他の部材2bの部材IDと位置情報データベース5とに基づいて他の部材2bの位置情報を求め、求めた他の部材2bの位置情報を、タグリーダ4によって部材IDを取得した特定部材2aの位置情報として適用している。
【0033】
即ち、新しく置かれた部材2(特定部材2a)の位置を、既に置かれている別の部材2bの位置を用いて設定しているため、特定部材2aの位置情報の登録作業を容易に行うことができる。
[第2実施形態]
第1実施形態は、特定部材2aと他の部材2bとが同じ場所(置場A)に置かれていることを例にとり説明しているが、この第2実施形態では、例えば、特定部材2aが隣接する置場の境界付近に置かれた場合を説明する。
【0034】
図5は、作業者が部材2の位置を把握するためにタグリーダ4を持って置場A又は置場Bに置いた部材2の調査を行っている状態を示したものである。なお、部材ID[0005]である部材2(特定部材2a)が新たに置場Aに置かれ、他の部材2bは置場A及び置場Bに既に置かれているものとして説明する。
例えば、作業者が置場A及び置場Bの境界付近に居るときに、タグリーダ4によって、置場Aに置かれている複数の部材2の部材ID(例えば、[0004],[0005],[0007]〜[0009])を任意に取得し、さらに、置場Bに置かれている複数の部材2の部材ID(例えば、[0010],[0011])も取得したとする。
【0035】
図6に示すように、これらの部材IDに対応する各部材2の位置情報を位置情報算出部10によって位置情報データベース5を用いて求めると、取得した7つの部材IDのうち、4つの部材IDに対応する部材2は置場Aとなり、2つの部材IDに対応する部材2は置場Bとなり、残りの部材2が特定部材2aとなる。即ち、位置情報算出部10によって他の部材2bの位置情報を求めたとき、4つの他の部材2bについては、求めた位置情報が置場Aであり、2つの他の部材2bについては、求めた位置情報が置場Bとなる。
【0036】
位置情報データベース5から求めた他の部材2bの位置情報が複数(図5では、置場A、置場B)ある場合、位置情報決定部11は、他の部材2bの位置情報の中で最も多いもの、すなわち位置情報の最頻値(図5では、置場A)と、特定部材2aの部材ID[0005]とを関連付け、他の部材2bの位置を用いて特定部材2aの位置を設定する。
このように、特定部材2aが複数の置場の境界線上に近い場合には、検知した他の部材2bの位置情報として複数の置場のものが含まれる。このような場合でも、新しく置かれた部材2(特定部材2a)の周辺には、同じ置場の部材2がより多く置かれていると考えることができるから、他の部材2bの置場のうち、最も多い置場を多数決で選び(最頻値を選び)、多数決で得られた置場を特定部材2aの位置として設定してもよく、これにより、特定部材2aが置場の境界に置かれた場合であっても、特定部材2aの位置情報の登録作業を容易に行うことができる。
【0037】
なお、タグリーダ4による部材タグ3aの読み取りの結果、位置情報の最頻値が一意に決定できない場合が生じた時(例えば、6個の他の部材2bに関し、3つが置場Aであり他の3つが置場Bである時)は、タグリーダ4による読み込みを再度行ったり、オペレータに警告を発するようにするとよい。
[第3実施形態]
第3実施形態では、第1実施形態や第2実施形態とは異なり、タグリーダ4にて部材2の部材IDを取得しているときに、同時に位置タグ内に記録された置場IDも取得した場合について説明する。
【0038】
図7は、特定部材2aが置場Eを示す位置タグ3bの近くに配置されている状態を示したものである。なお、部材ID[0006]である部材2(特定部材2a)が新たに置場Aに置かれ、この特定部材2aが置場Aを示す位置タグ3bの近くに配置されているものとして説明する。
図7に示すように、作業者がタグリーダ4にて部材2の位置の調査を行った際、タグリーダ4によって、置場Aに置かれている複数の部材2の部材ID(例えば、[0005],[0006],[0008],[0009])を任意に取得し、さらに、置場Aであることを示す置場ID(例えば、[1001])も取得したとする。
【0039】
ここで、他の部材2bの位置情報を位置情報算出部10によって求めると置場Aとなるが、位置情報決定部11は、タグリーダ4によって、特定部材2aの部材IDや他の部材2bの部材IDだけでなく、置場を示す位置タグ3bの置場IDを取得したときは、求めた他の部材2bの位置情報(置場A)の代わりに位置タグ3bの置場IDから求められる置場の位置と特定部材2aの部材ID[0006]とを関連付け、他の部材2bの位置ではなく位置タグ3bによる位置情報を用いて特定部材2aの位置を設定する。
【0040】
このように、特定部材2aの近くに置場を示す位置タグ3bがあった場合には、特定部材2aの部材IDだけでなく位置タグ3bの置場IDも同時に検知することができる。この場合、検知することができた位置タグ3bの示す置場を新たに置いた特定部材2aの位置情報として設定してもよく、置場を示す位置タグ3bを用いて特定部材2aの位置情報の登録作業を容易に行うことができる。
[第4実施形態]
上述した第1実施形態〜第3実施形態では、タグリーダ4にて部材2の部材IDを取得して、取得した部材IDを位置決定手段6に送り、位置決定手段6にて位置情報データベース5と取得した部材IDとを用いて、特定部材2aの位置情報を決定するようにしている。
【0041】
この第4実施形態では、既に位置情報データベース5に保存されている位置情報を修正する場合(データベース自体の修正方法)について説明する。
図9に示すように、位置決定手段6は、位置情報算出部10及び位置情報決定部11の他に、位置情報データベース5内の部材2の位置情報を修正する修正部12を備えている。
【0042】
作業者によって部材2の位置の調査を行った結果、図10に示すように、部材2の部材IDと位置情報とか関連付けられて保存されているとする。ここで、図9に示すように、部材ID[0001]〜[0009]である部材2は、間違いなく置場Aに置かれているとする。この場合、図10の位置情報データベース5内に保存されている部材ID[0002]である部材2の位置情報が置場Bとなっているため、実際の部材2の位置と位置情報データベース5内の位置情報とに整合性が取られておらず、位置情報データベース5内の部材ID[0002]に関連する位置情報が誤っている可能性があると考えられる。
【0043】
このような状況下において、本実施形態では、修正部12が位置情報データベース5を修正するようにする。
詳しくは、まず、修正部12によって位置情報データベース5内において最も多い位置情報、すなわち位置情報に関する最頻値(置場A)を求めると共に、最も多い位置情報(置場A)を除く別の位置情報(置場B)の個数が所定以下であるとき、個数が所定以下である位置情報(置場B)を最も多い位置情報(置場A)に修正する。即ち、部材ID[0002]である部材2の位置情報を置場Bではなく置場Aに書き換える。
【0044】
なお、位置情報を書き換える基準となる別の位置情報の個数(閾値)は任意に設定すればよく、例えば、閾値を1個にすると図10に示すように、異なる位置情報が1つでもあると、その位置情報は最も多い位置情報に必ず書き換えられることになる。
この実施形態によれば、もしも、搬入後に位置情報の更新がなされなかった部材2があった場合、その置場の中には他の部材2b(周囲部材2)の位置情報とは異なる位置情報を持つ別の部材2が混じっていることになる。広い置場に位置情報が異なる少数の部材2があると検出された場合には、少数の部材2は位置情報が誤っているとして、周囲部材2と同様の位置情報に修正することが好ましい。なお、この実施形態では、修正部12によって位置情報を修正しているが、位置情報が異なる部材2が存在する(修正候補がある)として、ブザーや点滅などによって作業者に報知してもよい。
[使用態様]
図11は、第1実施形態〜第4実施形態のいずれかの位置管理方法を基に、実際に部材2の管理を行う場合のフローチャートを示したものである。
【0045】
まず作業者は、タグリーダ4を持って所定の置場に行くことによって、特定部材2aとこれとは異なる他の部材2bとの部材IDを取得(検知)する(S1)。タグリーダ4は、位置情報データベース5にアクセスし、検知した部材IDの位置情報を取得する(S2)。
取得した位置情報の中で、位置情報データベース5に登録されていない部材タグ3aがあった場合(不明な部材タグ3aがあった場合)には、それを情報更新対象候補として選定する(S3)。
【0046】
全ての部材タグ3aに対して位置情報が登録されている場合は、第4実施形態に示したように、最も多い位置情報以外の部材タグ3a(別の部材タグ3a)における位置情報が所定の個数以下であるかどうかを判定し、所定の個数以下である場合には、それを情報更新対象をして選定する(S4,Yes)。
上記のいずれにも該当しない場合(S4,No)は、検知した全ての部材タグ3aを情報更新対象候補無しとする(S5)。
【0047】
タグリーダ4は、選定された情報更新対象候補を当該タグリーダ4の画面に表示し、作業者は表示された候補を承認する、あるいはそれ以外の検知されたタグの中から情報更新対象を自ら選定する。特に情報更新の必要がなければここで処理を終了しても良い(S6)。
さらに、タグリーダ4は、第3実施形態に示したように、検知されたRFIDタグ3の中に位置タグ3bがあるかどうかを判定し、位置タグ3bがある場合(S7,Yes)には、位置タグ3bに関連付けられた置場を更新後の位置候補として選定する。
【0048】
タグリーダ4は、位置タグ3bがない場合(S7,No)には、第1実施形態に示した処理を行うか、第2実施形態に示したように、残りのタグの中で最も多くのタグが関連付けられている位置を多数決で選定し、更新後の位置候補として選定する(S8)。
位置タグ3bが存在する場合(S7,Yes)、第3実施形態に示したように、置場を示す位置タグ3bの置場IDを用いて、特定部材2aの位置情報の登録を行う(S9)。
【0049】
上記の各ステップ(S)において、特定部材2aの位置情報の更新を行うに際しては、更新後の位置候補をタグリーダ4の画面に表示し、作業者は表示された候補を承認する、あるいはそれ以外の位置を自ら選定するようにするとよい。
なお、図11のフローチャートでは、上述した第1実施形態〜第4実施形態を複合したものであるが、各実施形態に示した方法や装置によって部材2の管理を行っても良い。
【0050】
ところで、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、発明の本質を変更しない範囲で各部材2の形状、構造、組み合わせなどを適宜変更可能である。
上記の実施形態では、特定部材2aの部材IDと、他の部材2bの部材IDとを同時に取得していたが、これに限らず、異時に取得してもよい。例えば、まず、タグリーダ4によって特定部材2aの部材IDを取得し、その後しばらくして、タグリーダ4の別ボタンを押すことで、他の部材2bの部材IDを読み込んでもよい。また、タグリーダ4によって特定部材2aの部材IDを取得しつつ他の部材2bの部材IDを読み込み、その後しばらくして、タグリーダ4の別ボタンを押すことで、位置タグ3bの置場IDを読み込んでもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 位置管理システム
2 部材
2a 特定部材
2b 他の部材
3 RFIDタグ
3a 部材タグ
3b 位置タグ
4 IDタグリーダ
5 位置情報データベース
6 位置決定手段
7 通信手段
10 位置情報算出部
11 位置情報決定部
12 修正部
【技術分野】
【0001】
本発明は、エリア内に配置された複数の部材の位置を管理する部材の位置管理システム及び部材の位置管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、工場内や倉庫内にある物品(部材)の位置を管理する方法として、RFIDタグの識別用タグなどを取り付けておき、リーダ装置で読み込むことによって部材の位置を管理するという技術がある。
例えば、部材を置く棚などの位置管理単位ごとに「位置タグ」などを取り付けておくと共に、部材には「部材タグ」を取り付けておき、これら「部材タグ」と「位置タグ」とを、リーダ装置で同時に読み込むことによって部材の位置を管理するという技術がある。また、複数の「位置タグ」を同時に読み込むことにより部材の位置を推定するという技術も開発されており、例えば、特許文献1に示すものがある。
【0003】
特許文献1に示した物品探索システム及び物品探索プログラムでは、エリア内に位置情報を示す「位置タグ」を多数設置しておき、据え置き型のリーダ装置で信号出力を変化させながら部材と同時に検出される「位置タグ」を検出する。そして、信号出力の変化と検知される「位置タグ」の増減の関係や異なる場所のリーダ装置で「位置タグ」が重複検出されるかどうか等の情報を用いて物品位置を推定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−85826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術は、位置タグが示す置場に物品が確実に存在する(置かれている)ことを前提としており、この前提を基として物品位置を推定するものとなっている。
ところが、実際の現場では、様々な事情により、物品が実際に置かれている場所と、その物品に関係づけられた位置タグが示す場所とが異なることが往々にしてある。例えば、荷物搬入のため、ある物品を本来の置場からその置き場の位置タグの範囲外となっている他の置場に移動させ、その後、再移動を行っていない等の状況である。この場合、位置タグが示す置場に、該当物品が置かれていない状況下となっている。
【0006】
上述した特許文献1の技術は、斯かる状況に対応できるものとはなっておらず、実際の現場に適用できる柔軟性・汎用性のある技術とは言い難い。
また、物品(部材)に取り付けられた部材タグに関しては、様々な原因により情報の一部、例えば置き場情報(位置情報)が未入力となっていることがあり、この場合にも、その状態で置き場におかれると、その物品がその置き場におかれるべきものかが不明確となり、位置管理ができないといった問題が生じる。
【0007】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、位置を特定する部材である特定部材の位置管理を確実に行うことのできる部材の位置管理システム及び部材の位置管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明の技術的手段は、エリア内に配置された複数の部材の位置を管理する位置管理システムにおいて、各部材に設けられると共に各部材の部材識別情報を内部に記憶する部材タグと、前記部材タグ内の部材識別情報を読み取り可能なタグリーダと、各部材の部材識別情報と前記エリア内での各部材の位置情報とを関連づけて保存する位置情報データベースと、前記位置情報データベースを用いて部材の位置を決定する位置決定手段と、を備え、前記タグリーダは、位置を特定しようとする部材である特定部材の部材識別情報と、前記特定部材の周辺に位置していて前記特定部材とは異なる他の部材の部材識別情報とを同時又は異時に取得するように構成され、前記位置決定手段は、前記タグリーダで取得した他の部材の部材識別情報と位置情報データベースとに基づいて他の部材の位置情報を求め、求めた他の部材の位置情報を、前記特定部材の位置情報とする点にある。
【0009】
前記位置決定手段は、位置情報データベース内に保存されている他の部材の部材識別情報から他の部材の位置情報を求める位置情報算出部と、前記位置情報算出部で求めた他の部材の位置情報を前記特定部材の位置情報とすべく、他の部材の位置情報とタグリーダで取得された前記特定部材の部材識別情報とを関連づける位置情報決定部と、を備えていることが好ましい。
【0010】
前記位置情報決定部は、求めた他の部材の位置情報に関する最頻値を特定部材の位置情報とすることが好ましい。
ここで、求めた他の部材の位置情報に関する最頻値とは、求めた他の部材の位置情報が複数あるときに、複数存在する他の部材の位置情報のうち、最も多いもの(モード値)である。
【0011】
前記エリア内に1又は複数の置場が設定され、前記置場には、各置場を示す置場識別情報を内部に記憶する位置タグが設置されており、前記タグリーダは、前記位置タグ内の置場識別情報を読み取り可能に構成され、前記位置情報決定部は、求めた他の部材の位置情報に代えて、タグリーダで読み取られた置場識別情報を前記特定部材の位置情報とすることが好ましい。
【0012】
前記位置決定手段は、前記位置情報データベース内の部材の位置情報を修正する修正部を備えており、前記修正部は、前記位置情報データベース内において位置情報に関する最頻値を求め、前記最頻値を除く別の位置情報の個数が所定以下であるとき、個数が所定以下である位置情報を前記最頻値に修正することが好ましい。
本発明の他の技術的手段は、エリア内に配置された複数の部材の位置を管理する位置管理方法において、各部材に設けられると共に各部材の部材識別情報を内部に記憶する部材タグと、前記部材タグ内の部材識別情報を読み取り可能なタグリーダと、各部材の部材識別情報と前記エリア内での各部材の位置情報とを関連づけて保存する位置情報データベースと、を用意しておき、前記タグリーダにより、位置を特定しようとする部材である特定部材の部材識別情報と、前記特定部材の周辺に位置していて前記特定部材とは異なる他の部材の部材識別情報とを同時又は異時に取得し、さらに、前記タグリーダで取得した他の部材の部材識別情報と位置情報データベースとに基づいて他の部材の位置情報を求め、求めた他の部材の位置情報を、前記特定部材の位置情報とする点にある。
【0013】
求めた他の部材の位置情報に関する最頻値を、前記特定部材の位置情報とすることが好ましい。
前記エリア内に1又は複数の置場が設定され、前記置場には各置場を示す置場識別情報を内部に記憶する位置タグが設置されているに際し、前記タグリーダによって、前記位置タグ内の置場識別情報を読み取り、求めた他の部材の位置情報に代えて、前記タグリーダで読み取られた置場識別情報を前記特定部材の位置情報とすることが好ましい。
【0014】
前記位置情報データベース内の部材の位置情報を修正する際には、前記位置情報データベース内において位置情報に関する最頻値を求め、前記最頻値を除く別の位置情報の個数が所定以下であるとき、個数が所定以下である位置情報を前記最頻値に修正することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、位置を特定する部材である特定部材の位置管理を確実に行うことができ、例えば、オペレータ等による部材位置情報の入力ミスを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】位置管理システムの概略を示した図である。
【図2】位置情報データベースの情報を示した図である。
【図3】第1実施形態における位置管理システムの詳細を示した図である。
【図4】第1実施形態における位置情報データベースの情報を示した図である。
【図5】第2実施形態における位置管理システムの詳細を示した図である。
【図6】第2実施形態における位置情報データベースの情報を示した図である。
【図7】第3実施形態における位置管理システムの詳細を示した図である。
【図8】第3実施形態における位置情報データベースの情報を示した図である。
【図9】第4実施形態における位置管理システムの詳細を示した図である。
【図10】第4実施形態における位置情報データベースの情報を示した図である。
【図11】実際に部材の調査を行う場合のフローチャートを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図を基に説明する。
[第1実施形態]
本発明の位置管理システムは、屋外、工場内、倉庫内等に置かれた部材(物品)の位置を管理するものである。図1は、屋外、工場内、倉庫内等のエリア内に部材が置かれた場合の位置管理システムの全体図を示している。
【0018】
図1に示すように、位置管理システムでは、屋外、工場内、倉庫内において部材2を置くためにエリアEが、例えば、置場A、置場B、置場Cの3つに区切られていて、区切られた各置場に複数の部材2が置かれている。即ち、エリアE内に各置場が設定され、各置場に部材2が置かれている。
また、各置場A,B,Cに、どのような部材2を置くかは、例えば、部材2の種類、大きさ、部材2の納期など様々な事情によって決められている。なお、この実施形態では、置場の数が3つ(置場A〜置場C)となっているが、当然の如く、3つに限定されない。
【0019】
位置管理システム1は、各置場に置かれた部材2に取り付けられた部材タグ3a内の部材識別情報などをタグリーダ4で読み込み(取得し)、タグリーダ4で取得した部材識別情報と位置情報データベース5に保存されている部材2等の位置情報とから部材2の位置を把握したり、位置情報データベース5内の様々な情報を更新しようというものである。
なお、部材タグ3a内に記憶されている部材識別情報は、[0001]のように数字からなるID番号で構成されているため、以降、「部材識別情報」を「部材ID」と表現する。
【0020】
まず、位置管理システム1の詳細構成を順に説明する。
位置管理システム1は、部材タグ3aと、タグリーダ4と、位置情報データベース5と、位置決定手段6とを備えている。
部材タグ3aは、部材2毎に取り付けられていて内部に部材IDが記録されている。この部材タグ3aは、例えば、RFIDタグ3(Radio Frequency Identification Tag)で構成されたものである。このRFIDタグ3はICチップ及びアンテナで構成されており、ICチップに書き込まれた情報は、外部より非接触で読み取り乃至は書き換え可能となっている。
【0021】
タグリーダ4は、部材タグ3aの部材IDを読み込むためのもので持ち運びが容易な携帯型である。このタグリーダ4は、部材タグ3aに向けて電波(UHF波)を発信し、発信された電波に応答して部材タグ3aからの電波を受信することにより、部材タグ3a内の部材IDを読み込むことができるようになっている(パッシブRFIDタグ)。また、タグリーダ4は、受信した部材IDを無線等の通信手段7を介して位置情報データベース5に送信することができる。
【0022】
一方、各置場A,B,Cには、その置場の名前を記した表示ポールなどが設置され、この表示ポールには、位置タグ3bが取り付けられている。この位置タグ3bもRFIDタグ3から構成され、タグリーダ4により、内部に記録された情報である置場識別情報を読み込み可能となっている。
位置タグ3b内に記憶されている置場識別情報は、[10001]のように数字からなるID番号で構成されているため、以降、「置場識別情報」を「置場ID」と表現する。
【0023】
図2に示すように、位置情報データベース5は、部材IDと、この部材IDに関連付けられた情報とを保存するためのものであって、ハードディスクドライブ(HDD)内に構成されている。
詳しくは、位置情報データベース5には、部材タグ3aの部材IDと、この部材IDに関連付けられた位置情報(置場の位置)とが保存されていると共に、位置タグ3bの置場IDと、この置場IDが指し示す位置情報(置場の位置)とが保存されている。
【0024】
図2に示される位置情報データベース5では、部材タグ3aの部材IDと位置情報とが関連付けられて保存されているため、部材タグ3aの部材IDが分かれば、この部材IDの部材2の置場所を示す位置情報を抽出することができる。例えば、図2に示すように、部材ID[0003]である部材2は、位置情報により置場Aに置かれているということが分かり、部材IDが[0005]である部材2は、位置情報により置場Cに置かれているということが分かる。
【0025】
また、位置情報データベース5では、位置タグ3bの置場IDと位置情報とが関連付けられて保存されているため、位置タグ3bの置場IDが分かれば、この位置タグ3bの置場を示す情報を抽出することができる。例えば、置場IDが[1001]である位置タグ3bは、位置情報により置場Aを示しているということが分かる。
位置決定手段6は、タグリーダ4で取得した部材IDと位置情報データベース5とを用いて部材2の位置を決定するためのものであり、例えば、タグリーダ4に内蔵されたプログラム等により構成され、無線等の通信手段7を介して位置情報データベース5内の情報を読み込んだり、書き換えたりすることができるようになっている。
【0026】
まず、作業者が特定部材2aの位置を把握(決定)する方法について、位置決定手段6と合わせて説明する。
図3は、作業者が部材2の位置を把握するためにタグリーダ4を持って置場Aに置いた部材2の調査を行っている状態を示したものである。
部材2の位置を決定(特定)するためには、まず、作業者がタグリーダ4を持って置場Aに向かい、置場Aに置かれている特定部材2aの部材ID(部材ID[0005])を取得する。この際、タグリーダ4の電波は周囲にも伝播するため、特定部材2aの周辺乃至は隣接する複数の部材2bの部材ID(例えば、部材ID[0004」、[0006]〜0009])をほぼ同時に取得する。
【0027】
そして、タグリーダ4は、無線等の通信手段7を介して位置情報データベース5にアクセスを行い、取得した部材ID(図3の場合は、6個の部材ID)の位置情報を位置情報データベース5から取得する。
図4に示すように、位置情報データベース5には、部材ID[0004],部材ID[0006]〜[0009]までの部材2については、既に部材IDと位置情報との関連付けが終了して位置情報が保存されているとすると、これら部材ID[0004],部材ID[0006]〜[0009]の部材2の位置情報は全て置場Aであるため、取得した5つの部材IDのうち、4つの部材IDに対応する部材2は、置場Aに置かれていると判断できる。
【0028】
ここで、部材ID[0005]である部材2については、部材IDと位置情報との関連付けは行われておらず、部材ID[0005]に対する位置情報は部材IDを取得した時点では存在しない。
位置決定手段6は、部材ID[0005]である部材2については、位置情報データベース5内に位置情報が存在していないため、この部材ID[0005]である部材2が置場Aに新たに置かれたと判断する(更新対象となる)。
【0029】
そして、位置決定手段6は、この部材ID[0005]と同時に取得した他の部材ID[0004]及び部材ID[0006]〜[0009]の部材2の位置情報(置場A)を、部材ID[0005]の位置情報と同じとし、部材ID[0005]と位置情報(置場A)との関連付けを行うと共に部材ID[0005]に対応する位置情報に置場Aという情報を書き込む。
【0030】
上述した如く、位置決定手段6は動作をするが、さらに、詳しく説明すると、位置情報算出部10、位置情報決定部11とを備えている。
位置情報算出部10は、位置情報データベース5内に保存されている他の部材2bの部材IDから他の部材2bの位置情報を求めるものである。図3の例では、他の部材2bの部材IDの関連付けられた位置情報は全て置場Aを示していることから、位置情報算出部10は、他の部材2bの位置情報を「置場A」とする。
【0031】
位置情報決定部11は、位置情報算出部10で求めた他の部材2bの位置情報とタグリーダ4で取得された特定部材2aの部材IDとを関連付ける。図3の例では、他の部材2bの位置情報を「置場A」としているため、この位置情報である置場Aと特定部材2aの部材ID([0005])とを関連付けたうえで、位置情報データベース5に特定部材2aの部材IDと位置情報とを保存する。
【0032】
本発明によれば、特定部材2aは、他の部材2bと同じ置場に置かれている可能性が高いことから数m程度の検知距離を持っているRFIDタグ3によって周辺の部材2b(他の部材)の部材IDを検知して、この部材IDから得られる周辺の部材2bの位置を、新しく置かれた部材2a(特定部材)の位置としている。即ち、特定部材2aの位置情報を決定する際には、当該特定部材2aの部材IDと特定部材2aの周辺に位置していて特定部材2aとは異なる他の部材2bの部材IDとを同時に取得し、さらに、タグリーダ4で取得した他の部材2bの部材IDと位置情報データベース5とに基づいて他の部材2bの位置情報を求め、求めた他の部材2bの位置情報を、タグリーダ4によって部材IDを取得した特定部材2aの位置情報として適用している。
【0033】
即ち、新しく置かれた部材2(特定部材2a)の位置を、既に置かれている別の部材2bの位置を用いて設定しているため、特定部材2aの位置情報の登録作業を容易に行うことができる。
[第2実施形態]
第1実施形態は、特定部材2aと他の部材2bとが同じ場所(置場A)に置かれていることを例にとり説明しているが、この第2実施形態では、例えば、特定部材2aが隣接する置場の境界付近に置かれた場合を説明する。
【0034】
図5は、作業者が部材2の位置を把握するためにタグリーダ4を持って置場A又は置場Bに置いた部材2の調査を行っている状態を示したものである。なお、部材ID[0005]である部材2(特定部材2a)が新たに置場Aに置かれ、他の部材2bは置場A及び置場Bに既に置かれているものとして説明する。
例えば、作業者が置場A及び置場Bの境界付近に居るときに、タグリーダ4によって、置場Aに置かれている複数の部材2の部材ID(例えば、[0004],[0005],[0007]〜[0009])を任意に取得し、さらに、置場Bに置かれている複数の部材2の部材ID(例えば、[0010],[0011])も取得したとする。
【0035】
図6に示すように、これらの部材IDに対応する各部材2の位置情報を位置情報算出部10によって位置情報データベース5を用いて求めると、取得した7つの部材IDのうち、4つの部材IDに対応する部材2は置場Aとなり、2つの部材IDに対応する部材2は置場Bとなり、残りの部材2が特定部材2aとなる。即ち、位置情報算出部10によって他の部材2bの位置情報を求めたとき、4つの他の部材2bについては、求めた位置情報が置場Aであり、2つの他の部材2bについては、求めた位置情報が置場Bとなる。
【0036】
位置情報データベース5から求めた他の部材2bの位置情報が複数(図5では、置場A、置場B)ある場合、位置情報決定部11は、他の部材2bの位置情報の中で最も多いもの、すなわち位置情報の最頻値(図5では、置場A)と、特定部材2aの部材ID[0005]とを関連付け、他の部材2bの位置を用いて特定部材2aの位置を設定する。
このように、特定部材2aが複数の置場の境界線上に近い場合には、検知した他の部材2bの位置情報として複数の置場のものが含まれる。このような場合でも、新しく置かれた部材2(特定部材2a)の周辺には、同じ置場の部材2がより多く置かれていると考えることができるから、他の部材2bの置場のうち、最も多い置場を多数決で選び(最頻値を選び)、多数決で得られた置場を特定部材2aの位置として設定してもよく、これにより、特定部材2aが置場の境界に置かれた場合であっても、特定部材2aの位置情報の登録作業を容易に行うことができる。
【0037】
なお、タグリーダ4による部材タグ3aの読み取りの結果、位置情報の最頻値が一意に決定できない場合が生じた時(例えば、6個の他の部材2bに関し、3つが置場Aであり他の3つが置場Bである時)は、タグリーダ4による読み込みを再度行ったり、オペレータに警告を発するようにするとよい。
[第3実施形態]
第3実施形態では、第1実施形態や第2実施形態とは異なり、タグリーダ4にて部材2の部材IDを取得しているときに、同時に位置タグ内に記録された置場IDも取得した場合について説明する。
【0038】
図7は、特定部材2aが置場Eを示す位置タグ3bの近くに配置されている状態を示したものである。なお、部材ID[0006]である部材2(特定部材2a)が新たに置場Aに置かれ、この特定部材2aが置場Aを示す位置タグ3bの近くに配置されているものとして説明する。
図7に示すように、作業者がタグリーダ4にて部材2の位置の調査を行った際、タグリーダ4によって、置場Aに置かれている複数の部材2の部材ID(例えば、[0005],[0006],[0008],[0009])を任意に取得し、さらに、置場Aであることを示す置場ID(例えば、[1001])も取得したとする。
【0039】
ここで、他の部材2bの位置情報を位置情報算出部10によって求めると置場Aとなるが、位置情報決定部11は、タグリーダ4によって、特定部材2aの部材IDや他の部材2bの部材IDだけでなく、置場を示す位置タグ3bの置場IDを取得したときは、求めた他の部材2bの位置情報(置場A)の代わりに位置タグ3bの置場IDから求められる置場の位置と特定部材2aの部材ID[0006]とを関連付け、他の部材2bの位置ではなく位置タグ3bによる位置情報を用いて特定部材2aの位置を設定する。
【0040】
このように、特定部材2aの近くに置場を示す位置タグ3bがあった場合には、特定部材2aの部材IDだけでなく位置タグ3bの置場IDも同時に検知することができる。この場合、検知することができた位置タグ3bの示す置場を新たに置いた特定部材2aの位置情報として設定してもよく、置場を示す位置タグ3bを用いて特定部材2aの位置情報の登録作業を容易に行うことができる。
[第4実施形態]
上述した第1実施形態〜第3実施形態では、タグリーダ4にて部材2の部材IDを取得して、取得した部材IDを位置決定手段6に送り、位置決定手段6にて位置情報データベース5と取得した部材IDとを用いて、特定部材2aの位置情報を決定するようにしている。
【0041】
この第4実施形態では、既に位置情報データベース5に保存されている位置情報を修正する場合(データベース自体の修正方法)について説明する。
図9に示すように、位置決定手段6は、位置情報算出部10及び位置情報決定部11の他に、位置情報データベース5内の部材2の位置情報を修正する修正部12を備えている。
【0042】
作業者によって部材2の位置の調査を行った結果、図10に示すように、部材2の部材IDと位置情報とか関連付けられて保存されているとする。ここで、図9に示すように、部材ID[0001]〜[0009]である部材2は、間違いなく置場Aに置かれているとする。この場合、図10の位置情報データベース5内に保存されている部材ID[0002]である部材2の位置情報が置場Bとなっているため、実際の部材2の位置と位置情報データベース5内の位置情報とに整合性が取られておらず、位置情報データベース5内の部材ID[0002]に関連する位置情報が誤っている可能性があると考えられる。
【0043】
このような状況下において、本実施形態では、修正部12が位置情報データベース5を修正するようにする。
詳しくは、まず、修正部12によって位置情報データベース5内において最も多い位置情報、すなわち位置情報に関する最頻値(置場A)を求めると共に、最も多い位置情報(置場A)を除く別の位置情報(置場B)の個数が所定以下であるとき、個数が所定以下である位置情報(置場B)を最も多い位置情報(置場A)に修正する。即ち、部材ID[0002]である部材2の位置情報を置場Bではなく置場Aに書き換える。
【0044】
なお、位置情報を書き換える基準となる別の位置情報の個数(閾値)は任意に設定すればよく、例えば、閾値を1個にすると図10に示すように、異なる位置情報が1つでもあると、その位置情報は最も多い位置情報に必ず書き換えられることになる。
この実施形態によれば、もしも、搬入後に位置情報の更新がなされなかった部材2があった場合、その置場の中には他の部材2b(周囲部材2)の位置情報とは異なる位置情報を持つ別の部材2が混じっていることになる。広い置場に位置情報が異なる少数の部材2があると検出された場合には、少数の部材2は位置情報が誤っているとして、周囲部材2と同様の位置情報に修正することが好ましい。なお、この実施形態では、修正部12によって位置情報を修正しているが、位置情報が異なる部材2が存在する(修正候補がある)として、ブザーや点滅などによって作業者に報知してもよい。
[使用態様]
図11は、第1実施形態〜第4実施形態のいずれかの位置管理方法を基に、実際に部材2の管理を行う場合のフローチャートを示したものである。
【0045】
まず作業者は、タグリーダ4を持って所定の置場に行くことによって、特定部材2aとこれとは異なる他の部材2bとの部材IDを取得(検知)する(S1)。タグリーダ4は、位置情報データベース5にアクセスし、検知した部材IDの位置情報を取得する(S2)。
取得した位置情報の中で、位置情報データベース5に登録されていない部材タグ3aがあった場合(不明な部材タグ3aがあった場合)には、それを情報更新対象候補として選定する(S3)。
【0046】
全ての部材タグ3aに対して位置情報が登録されている場合は、第4実施形態に示したように、最も多い位置情報以外の部材タグ3a(別の部材タグ3a)における位置情報が所定の個数以下であるかどうかを判定し、所定の個数以下である場合には、それを情報更新対象をして選定する(S4,Yes)。
上記のいずれにも該当しない場合(S4,No)は、検知した全ての部材タグ3aを情報更新対象候補無しとする(S5)。
【0047】
タグリーダ4は、選定された情報更新対象候補を当該タグリーダ4の画面に表示し、作業者は表示された候補を承認する、あるいはそれ以外の検知されたタグの中から情報更新対象を自ら選定する。特に情報更新の必要がなければここで処理を終了しても良い(S6)。
さらに、タグリーダ4は、第3実施形態に示したように、検知されたRFIDタグ3の中に位置タグ3bがあるかどうかを判定し、位置タグ3bがある場合(S7,Yes)には、位置タグ3bに関連付けられた置場を更新後の位置候補として選定する。
【0048】
タグリーダ4は、位置タグ3bがない場合(S7,No)には、第1実施形態に示した処理を行うか、第2実施形態に示したように、残りのタグの中で最も多くのタグが関連付けられている位置を多数決で選定し、更新後の位置候補として選定する(S8)。
位置タグ3bが存在する場合(S7,Yes)、第3実施形態に示したように、置場を示す位置タグ3bの置場IDを用いて、特定部材2aの位置情報の登録を行う(S9)。
【0049】
上記の各ステップ(S)において、特定部材2aの位置情報の更新を行うに際しては、更新後の位置候補をタグリーダ4の画面に表示し、作業者は表示された候補を承認する、あるいはそれ以外の位置を自ら選定するようにするとよい。
なお、図11のフローチャートでは、上述した第1実施形態〜第4実施形態を複合したものであるが、各実施形態に示した方法や装置によって部材2の管理を行っても良い。
【0050】
ところで、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、発明の本質を変更しない範囲で各部材2の形状、構造、組み合わせなどを適宜変更可能である。
上記の実施形態では、特定部材2aの部材IDと、他の部材2bの部材IDとを同時に取得していたが、これに限らず、異時に取得してもよい。例えば、まず、タグリーダ4によって特定部材2aの部材IDを取得し、その後しばらくして、タグリーダ4の別ボタンを押すことで、他の部材2bの部材IDを読み込んでもよい。また、タグリーダ4によって特定部材2aの部材IDを取得しつつ他の部材2bの部材IDを読み込み、その後しばらくして、タグリーダ4の別ボタンを押すことで、位置タグ3bの置場IDを読み込んでもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 位置管理システム
2 部材
2a 特定部材
2b 他の部材
3 RFIDタグ
3a 部材タグ
3b 位置タグ
4 IDタグリーダ
5 位置情報データベース
6 位置決定手段
7 通信手段
10 位置情報算出部
11 位置情報決定部
12 修正部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エリア内に配置された複数の部材の位置を管理する位置管理システムにおいて、
各部材に設けられると共に各部材の部材識別情報を内部に記憶する部材タグと、前記部材タグ内の部材識別情報を読み取り可能なタグリーダと、各部材の部材識別情報と前記エリア内での各部材の位置情報とを関連づけて保存する位置情報データベースと、前記位置情報データベースを用いて部材の位置を決定する位置決定手段と、を備え、
前記タグリーダは、位置を特定しようとする部材である特定部材の部材識別情報と、前記特定部材の周辺に位置していて前記特定部材とは異なる他の部材の部材識別情報とを同時又は異時に取得するように構成され、
前記位置決定手段は、前記タグリーダで取得した他の部材の部材識別情報と位置情報データベースとに基づいて他の部材の位置情報を求め、求めた他の部材の位置情報を前記特定部材の位置情報とすることを特徴とする部材の位置管理システム。
【請求項2】
前記位置決定手段は、位置情報データベース内に保存されている他の部材の部材識別情報から他の部材の位置情報を求める位置情報算出部と、
前記位置情報算出部で求めた他の部材の位置情報を特定部材の位置情報とすべく、他の部材の位置情報とタグリーダで取得された前記特定部材の部材識別情報とを関連づける位置情報決定部と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の部材の位置管理システム。
【請求項3】
前記位置情報決定部は、求めた他の部材の位置情報に関する最頻値を特定部材の位置情報とすることを特徴とする請求項2に記載の部材の位置管理システム。
【請求項4】
前記エリア内に1又は複数の置場が設定され、前記置場には、各置場を示す置場識別情報を内部に記憶する位置タグが設置されており、
前記タグリーダは、前記位置タグ内の置場識別情報を読み取り可能に構成され、
前記位置情報決定部は、求めた他の部材の位置情報に代えて、タグリーダで読み取られた置場識別情報を前記特定部材の位置情報とすることを特徴とする請求項2に記載の部材の位置管理システム。
【請求項5】
前記位置決定手段は、前記位置情報データベース内の部材の位置情報を修正する修正部を備えており、
前記修正部は、前記位置情報データベース内において位置情報に関する最頻値を求め、前記最頻値を除く別の位置情報の個数が所定以下であるとき、個数が所定以下である位置情報を前記最頻値に修正することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の部材の位置管理システム。
【請求項6】
エリア内に配置された複数の部材の位置を管理する位置管理方法において、
各部材に設けられると共に各部材の部材識別情報を内部に記憶する部材タグと、前記部材タグ内の部材識別情報を読み取り可能なタグリーダと、各部材の部材識別情報と前記エリア内での各部材の位置情報とを関連づけて保存する位置情報データベースと、を用意しておき、
前記タグリーダにより、位置を特定しようとする部材である特定部材の部材識別情報と、前記特定部材の周辺に位置していて前記特定部材とは異なる他の部材の部材識別情報とを同時又は異時に取得し、
さらに、前記タグリーダで取得した他の部材の部材識別情報と位置情報データベースとに基づいて他の部材の位置情報を求め、求めた他の部材の位置情報を、前記特定部材の位置情報とすることを特徴とする部材の位置管理方法。
【請求項7】
求めた他の部材の位置情報に関する最頻値を、前記特定部材の位置情報とすることを特徴とする請求項6に記載の部材の位置管理方法。
【請求項8】
前記エリア内に1又は複数の置場が設定され、前記置場には各置場を示す置場識別情報を内部に記憶する位置タグが設置されているに際し、
前記タグリーダによって、前記位置タグ内の置場識別情報を読み取り、
求めた他の部材の位置情報に代えて、前記タグリーダで読み取られた置場識別情報を前記特定部材の位置情報とすることを特徴とする請求項6に記載の部材の位置管理方法。
【請求項9】
前記位置情報データベース内の部材の位置情報を修正する際には、前記位置情報データベース内において位置情報に関する最頻値を求め、前記最頻値を除く別の位置情報の個数が所定以下であるとき、個数が所定以下である位置情報を前記最頻値に修正することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の部材の位置管理方法。
【請求項1】
エリア内に配置された複数の部材の位置を管理する位置管理システムにおいて、
各部材に設けられると共に各部材の部材識別情報を内部に記憶する部材タグと、前記部材タグ内の部材識別情報を読み取り可能なタグリーダと、各部材の部材識別情報と前記エリア内での各部材の位置情報とを関連づけて保存する位置情報データベースと、前記位置情報データベースを用いて部材の位置を決定する位置決定手段と、を備え、
前記タグリーダは、位置を特定しようとする部材である特定部材の部材識別情報と、前記特定部材の周辺に位置していて前記特定部材とは異なる他の部材の部材識別情報とを同時又は異時に取得するように構成され、
前記位置決定手段は、前記タグリーダで取得した他の部材の部材識別情報と位置情報データベースとに基づいて他の部材の位置情報を求め、求めた他の部材の位置情報を前記特定部材の位置情報とすることを特徴とする部材の位置管理システム。
【請求項2】
前記位置決定手段は、位置情報データベース内に保存されている他の部材の部材識別情報から他の部材の位置情報を求める位置情報算出部と、
前記位置情報算出部で求めた他の部材の位置情報を特定部材の位置情報とすべく、他の部材の位置情報とタグリーダで取得された前記特定部材の部材識別情報とを関連づける位置情報決定部と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の部材の位置管理システム。
【請求項3】
前記位置情報決定部は、求めた他の部材の位置情報に関する最頻値を特定部材の位置情報とすることを特徴とする請求項2に記載の部材の位置管理システム。
【請求項4】
前記エリア内に1又は複数の置場が設定され、前記置場には、各置場を示す置場識別情報を内部に記憶する位置タグが設置されており、
前記タグリーダは、前記位置タグ内の置場識別情報を読み取り可能に構成され、
前記位置情報決定部は、求めた他の部材の位置情報に代えて、タグリーダで読み取られた置場識別情報を前記特定部材の位置情報とすることを特徴とする請求項2に記載の部材の位置管理システム。
【請求項5】
前記位置決定手段は、前記位置情報データベース内の部材の位置情報を修正する修正部を備えており、
前記修正部は、前記位置情報データベース内において位置情報に関する最頻値を求め、前記最頻値を除く別の位置情報の個数が所定以下であるとき、個数が所定以下である位置情報を前記最頻値に修正することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の部材の位置管理システム。
【請求項6】
エリア内に配置された複数の部材の位置を管理する位置管理方法において、
各部材に設けられると共に各部材の部材識別情報を内部に記憶する部材タグと、前記部材タグ内の部材識別情報を読み取り可能なタグリーダと、各部材の部材識別情報と前記エリア内での各部材の位置情報とを関連づけて保存する位置情報データベースと、を用意しておき、
前記タグリーダにより、位置を特定しようとする部材である特定部材の部材識別情報と、前記特定部材の周辺に位置していて前記特定部材とは異なる他の部材の部材識別情報とを同時又は異時に取得し、
さらに、前記タグリーダで取得した他の部材の部材識別情報と位置情報データベースとに基づいて他の部材の位置情報を求め、求めた他の部材の位置情報を、前記特定部材の位置情報とすることを特徴とする部材の位置管理方法。
【請求項7】
求めた他の部材の位置情報に関する最頻値を、前記特定部材の位置情報とすることを特徴とする請求項6に記載の部材の位置管理方法。
【請求項8】
前記エリア内に1又は複数の置場が設定され、前記置場には各置場を示す置場識別情報を内部に記憶する位置タグが設置されているに際し、
前記タグリーダによって、前記位置タグ内の置場識別情報を読み取り、
求めた他の部材の位置情報に代えて、前記タグリーダで読み取られた置場識別情報を前記特定部材の位置情報とすることを特徴とする請求項6に記載の部材の位置管理方法。
【請求項9】
前記位置情報データベース内の部材の位置情報を修正する際には、前記位置情報データベース内において位置情報に関する最頻値を求め、前記最頻値を除く別の位置情報の個数が所定以下であるとき、個数が所定以下である位置情報を前記最頻値に修正することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の部材の位置管理方法。
【図2】
【図4】
【図6】
【図8】
【図10】
【図11】
【図1】
【図3】
【図5】
【図7】
【図9】
【図4】
【図6】
【図8】
【図10】
【図11】
【図1】
【図3】
【図5】
【図7】
【図9】
【公開番号】特開2012−47572(P2012−47572A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189549(P2010−189549)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】
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