説明

郵便物自動送り出し装置

【課題】郵便物を途切れることなく一定の間隔で送り出すことにより処理速度を向上させる。
【解決手段】郵便物が搬送されてくる搬送経路の一通送り出し部50よりも上流側に設けられ、搬送経路上を搬送されてくる郵便物を一時蓄積して排出する複数のバッファフィーダ40a〜40cとを有し、バッファフィーダ40a〜40cのそれぞれは、バッファフィーダ40a〜40cに蓄積された郵便物の量を検知する量検知スイッチを有し、そのバッファフィーダ40a〜40cよりも郵便物の搬送方向下流側のバッファフィーダ40a〜40cの量検知スイッチにて検知された郵便物の量が一定となるように、そのバッファフィーダ40a〜40cに蓄積された郵便物を排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、郵便物自動送り出し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、郵便機械の高速化が進んでいる。郵便物を選別する装置として、複数の貯蔵ポケットを備え、この貯蔵ポケット下を郵便物容器が搬送され、郵便物容器に郵便物が収納、搬送されていく技術が、例えば、特許文献1に開示されている。この技術においては、郵便物容器が貯蔵ポケットの下を通る時間帯に合わせて郵便物容器の搬送速度が設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2006―517464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような郵便物選別装置をはじめ、郵便物を一通ずつ送り出す郵便物自動送り出し装置においては、処理する対象郵便物が多種多様であることや、一通送り出し部に常に一定量の郵便物をバッファすることが困難である等の理由から、郵便物を途切れることなく一定の間隔で送り出すことができず、それにより、処理速度が十分に向上していないという問題点がある。
【0005】
本発明は、上述したような技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、郵便物を一通ずつ送り出す郵便物自動送り出し装置において、郵便物を途切れることなく一定の間隔で送り出すことにより処理速度を向上させることができる郵便物自動送り出し装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、
供給されてくる郵便物を一通ずつ送り出す一通送り出し部を有してなる郵便物自動送り出し装置において、
供給されてくる郵便物を搬送する搬送経路と、
前記搬送経路の前記一通送り出し部よりも上流側に設けられ、該搬送経路上を搬送されてくる郵便物を一時蓄積して排出する複数のバッファ部とを有し、
前記複数のバッファ部は、当該バッファ部に蓄積された郵便物の量を検知する検知手段を有し、当該バッファ部よりも前記郵便物の搬送方向下流側のバッファ部の検知手段にて検知された郵便物の量が一定となるように、当該バッファ部に蓄積された郵便物を排出する。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように本発明は、搬送経路の一通送り出し部よりも上流側に複数のバッファ部が設けられ、この複数のバッファ部において、そのバッファ部よりも下流側のバッファ部に蓄積される郵便物の量が一定となるように、そのバッファ部に蓄積された郵便物が排出される構成としたため、郵便物を途切れることなく一定の間隔で送り出すことにより処理速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の郵便物自動送り出し装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】図1に示した郵便物自動送り出し装置の詳細な構成を示す図である。
【図3】図1及び図2に示した郵便物自動送り出し装置の動作を説明するための図である。
【図4】図1及び図2に示した郵便物自動送り出し装置における効果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の郵便物自動送り出し装置の全体構成を示す概略図であり、図2は、図1に示した郵便物自動送り出し装置の詳細な構成を示す図である。
【0011】
本形態の郵便物自動送り出し装置は、図1及び図2に示すように、郵便物を供給して搬送する搬送経路となる供給コンベア10と、厚さ選別部であるドラム20と、定形郵便物受け入れ口であるアクセプタ30と、供給コンベア10によって搬送されてくる郵便物を一時蓄積して排出するバッファ部となる3つのバッファフィーダ40a〜40cと、供給されてくる郵便物を一通ずつ送り出す一通送り出し部50とから構成され、アクセプタ30と最上流のバッファフィーダ40aとの間、複数のバッファフィーダ40a〜40c間、最下流のバッファフィーダ40cと一通送り出し部50との間はチャネル形状の搬送ルートで連結されている。バッファフィーダ40a〜40cのそれぞれには、バッファフィーダ40a〜40cに蓄積された郵便物の量を検知する検知手段となる量検知スイッチ(不図示)が設けられている。そして、バッファフィーダ40aは、バッファフィーダ40bの量検知スイッチにて検知された郵便物の量が一定となるように、バッファフィーダ40aに蓄積された郵便物を排出し、また、バッファフィーダ40bは、バッファフィーダ40cの量検知スイッチにて検知された郵便物の量が一定となるように、バッファフィーダ40bに蓄積された郵便物を排出する。また、供給コンベア10は、バッファフィーダ40a〜40cに設けられた量検知スイッチにて検知された郵便物の量が一定となるような搬送速度で郵便物を搬送する。
【0012】
このように本形態は、郵便物を一時蓄積するバッファフィーダ40a〜40cに蓄積された郵便物の量を検知し、その検知結果を上流側のバッファフィーダ40a〜40cへフィードバックすることにより、常に一定量の郵便物を供給するものであり、予備のバッファフィーダ40a〜40cを従来よりも増やすことにより、常に一定量の郵便物が一通送り出し部50に供給されるように、各バッファフィーダ40a〜40cにおける郵便物の蓄積量を上流側のバッファフィーダ40a〜40cにフィードバック制御することで改善を図るものである。
【0013】
このように、従来の郵便物自動選別取りそろえ押印機と比較し、郵便物を搬送するチャネル形状の搬送ルートの距離を伸ばすことにより、郵便物を蓄積する量を増やした。更に、搬送経路上に配置されるバッファデバイスの数を増やすことにより、郵便物の搬送における途切れを減少させることとした。この搬送経路は、バッファデバイスに配置される量検知スイッチにより、郵便物の量を検知し、加減速させることが可能である。
【0014】
以下に、上記のように構成された郵便物自動送り出し装置の動作について説明する。
【0015】
図3は、図1及び図2に示した郵便物自動送り出し装置の動作を説明するための図である。
【0016】
図1及び図2に示した郵便物自動送り出し装置においては、図3に示すように、一通送り出し部50において郵便物の厚さ情報が測定され(E)、バッファフィーダ40a〜40cにフィードバックされ、バッファフィーダ40a〜40cのそれぞれにおいて一時蓄積された郵便物の排出速度が制御される。また、バッファフィーダ40a〜40c間においても、下流側のバッファフィーダ40a〜40cにおける郵便物の蓄積量が上流側のバッファフィーダ40a〜40cにフィードバックされ、バッファフィーダ40a〜40cのそれぞれにおいて一時蓄積された郵便物の排出速度が制御される(C)。
【0017】
また、一通送り出し部50における郵便物の厚さ情報やバッファフィーダ40a〜40cにおける郵便物の蓄積量は、アクセプタ30にもフィードバックされ、アクセプタ30にて郵便物の受け入れ動作が行われる(D)。また、一通送り出し部50における郵便物の厚さ情報やバッファフィーダ40a〜40cにおける郵便物の蓄積量は、ドラム20にもフィードバックされ、ドラム速度が制御される(B)。さらに、一通送り出し部50における郵便物の厚さ情報やバッファフィーダ40a〜40cにおける郵便物の蓄積量は、供給コンベア10にフィードバックされ、郵便物の搬送速度が制御される(A)。
【0018】
このフィードバックを繰り返すことにより、供給コンベア10における郵便物の搬送速度と、ドラム20における郵便物の選別処理と、アクセプタ30における郵便物の受け入れ処理と、バッファフィーダ40a〜40cに一時蓄積された郵便物の排出処理とが、一通送り出し部50における厚さ情報が常に一定になるように制御される。
【0019】
図4は、図1及び図2に示した郵便物自動送り出し装置における効果を説明するための図である。
【0020】
図4に示すように、これまでチャネルルートやバッファ部で郵便物のバッファ量が一定でなかったことにより、処理速度が上がらなかったが、本形態において上述したようなフィードバック制御を取り入れることにより、チャネルルートやバッファ部での郵便物の途切れを無くすことができる。そして、フィードバック制御を取り入れることにより、一通送り出し部50から送り出す処理速度を増加することが可能となる。
【符号の説明】
【0021】
10 供給コンベア
20 ドラム
30 アクセプタ
40a〜40c バッファフィーダ
50 一通送り出し部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給されてくる郵便物を一通ずつ送り出す一通送り出し部を有してなる郵便物自動送り出し装置において、
供給されてくる郵便物を搬送する搬送経路と、
前記搬送経路の前記一通送り出し部よりも上流側に設けられ、該搬送経路上を搬送されてくる郵便物を一時蓄積して排出する複数のバッファ部とを有し、
前記複数のバッファ部は、当該バッファ部に蓄積された郵便物の量を検知する検知手段を有し、当該バッファ部よりも前記郵便物の搬送方向下流側のバッファ部の検知手段にて検知された郵便物の量が一定となるように、当該バッファ部に蓄積された郵便物を排出する郵便物自動送り出し装置。
【請求項2】
請求項1に記載の郵便物自動送り出し装置において、
前記搬送経路は、前記検知手段にて検知された郵便物の量が一定となるような搬送速度で前記郵便物を搬送する郵便物自動送り出し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−50864(P2011−50864A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202515(P2009−202515)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】