説明

配線パターン自動編集プログラム

【課題】基幹線、および基幹線から分岐した複数の支線から成る配線パターンに対し、配線禁止領域を設定した際に、配線禁止領域を回避した配線パターンを自動的に作成することができ、また、特に複数の前記配線パターンがある場合でも好適に適用可能な、配線パターン自動編集プログラムを提供する。
【解決手段】配線禁止領域10a〜10f内に含まれる配線パターン2,4に対応する部分を削除する配線パターン削除手段26と、配線パターン削除手段26により基幹線から分断されて遊離した遊離線を、配線禁止領域により一部が削除されていない配線禁止領域に隣接する支線である第一隣接支線に連結する、配線禁止領域の外周線に沿って延びて各遊離線を結ぶ新規基幹線を、生成する処理を実行する遊離線連結手段30として、コンピュータMを機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基幹線、および基幹線から分岐した複数の支線から成る配線パターンが形成された平面内に、配線禁止領域を設定した際に、配線禁止領域により配線パターンが分断されないよう、その配線パターンの編集を行うために用いられる配線パターン自動編集プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
図5は、配線パターンの例としての、平面内に形成された、基幹線2a,2b,2c,2d、および、基幹線2aから、基幹線2aの延びる方向に対して垂直方向に分岐する複数の支線2e,2e・・から成る第一配線パターン2と、基幹線4a、および、基幹線4aから、基幹線4aの延びる方向に対して垂直方向に分岐する複数の支線4b,4b・・から成る第二配線パターン4とを示す図である。
第一配線パターン2および第二配線パターン4は、両者同士がショートしたりすることがないよう、互いに交わらないために、所定の間隔を開けて形成される。また、第一配線パターン2と第二配線パターン4との、それぞれの支線2e,2e・・と支線4b,4b・・とは、互いに平行に、かつ互い違いに並べられて設けられている。
また、第一配線パターン2および第二配線パターン4のそれぞれの基幹線の一部には、端子部6,8がそれぞれ設けられ、端子部6,8を介して、それぞれ、例えば電源やグランド等に接続される。
【0003】
ところで、このような配線パターンを形成する際、機器等の設計上の制約等から、部分的に配線パターンを形成できない、配線禁止領域がある場合がある。図6の太線で囲った領域10a〜10fは、配線禁止領域の例である。
【0004】
特許文献1には、半導体集積回路の配線パターンにおいて、配線パターンの経路上に配線禁止領域が存在する場合に、配線パターンの経路を、その配線禁止領域を迂回するよう補正する技術が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開平7−282099号公報(第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1には、配線パターンの一つの経路が配線禁止領域に掛かる場合の配線パターンの編集技術が記載されているのみであって、図6に記載したような、基幹線、および基幹線から分岐した複数の支線から成る配線パターンにおいて、複数の支線に跨るような配線禁止領域が存在し、その全ての支線について迂回を行うことが困難な場合にも適用できるような技術は記載されていない。
【0007】
すなわち、特許文献1には、配線禁止領域により複数の支線が分断された場合に、これらの分断された複数の支線の全てを連結する技術が開示されておらず、このような要請を満たす技術がないという課題がある。
特に、複数の配線パターンがある場合には、各配線パターン同士が互いに交わらないよう、配線を迂回させることは困難であるという課題がある。
【0008】
本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、基幹線、および基幹線から分岐した複数の支線から成る配線パターンに対し、配線禁止領域を設定した際に、配線禁止領域を回避した配線パターンを自動的に作成することができ、また、特に複数の前記配線パターンがある場合でも好適に適用可能な、配線パターン自動編集プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る配線パターン自動編集プログラムは、上記課題を解決するために、以下の構成を備える。
すなわち、基幹線、および該基幹線から分岐した複数の支線から成る、平面内に形成された配線パターンを表す配線パターンデータを記憶する記憶手段と、ユーザーの操作に応じて所定の情報を入力可能な入力手段とを備えるコンピュータを、前記入力手段を介して、ユーザーに、前記平面内に単数または複数の配線禁止領域を設定させる配線禁止領域設定手段と、前記配線パターンデータの、前記配線禁止領域内に含まれる前記配線パターンに対応する部分を削除する配線パターン削除手段と、前記配線禁止領域に含まれる前記支線の一部が前記配線パターン削除手段により削除されて前記基幹線から分断されて遊離した遊離線を、該配線禁止領域により一部が削除されていない該配線禁止領域に隣接する支線である第一隣接支線に連結する、該配線禁止領域の外周線に沿って延びて各遊離線を結ぶ新規基幹線を、生成する処理を実行し、該処理により生成された新たな配線パターンを表す配線パターンデータを、前記記憶手段に更新して記憶させる遊離線連結手段として機能させる。
これによれば、配線禁止領域により分断された各前記第一遊離線を、その配線禁止領域により一部が削除されていない支線と、好適に連結することができる。
【0010】
さらに、前記遊離線連結手段は、前記新規基幹線を、前記第一隣接支線から、対応する前記配線禁止領域の反対側に隣接する第二隣接支線、または該第二隣接支線の一つ手前の支線まで、該配線禁止領域の外周線に沿って延ばすことを特徴とする。
これによれば、一本の新規基幹線により、各前記第一遊離線を、対応する配線禁止領域により一部が削除されていない支線と、連結することができる。
【0011】
さらに、前記遊離線連結手段は、前記平面内に互いに交わらないよう配線された第一および第二配線パターンの、前記対応する配線禁止領域を挟んで互いに反対側に位置する、該配線禁止領域に隣接するそれぞれの支線を、それぞれの前記第一隣接支線として、前記新規基幹線をそれぞれ生成することを特徴とすることを特徴とする。
これによれば、第一および第二配線パターンの二つの配線パターンがある場合に、それぞれの第一遊離線を、前記対応する配線禁止領域の互いに反対側に形成する各新規基幹線によりそれぞれ連結することで、第一および第二配線パターン同士が互いに交わらないよう、それぞれの第一遊離線を連結することができる。
【0012】
また、前記配線禁止領域に含まれる前記基幹線の一部が前記配線パターン削除手段により削除されて該基幹線が分断された場合に、前記遊離線連結手段の実行に先立って、該配線禁止領域を迂回して分断された基幹線を結ぶ新規基幹線を生成する処理を実行し、該処理により生成された新たな配線パターンを表す配線パターンデータを、前記記憶手段に更新して記憶させる基幹線連結手段として、前記コンピュータを機能させる。
これによれば、基幹線が分断された場合でも、好適に基幹線を連結することができる。
【0013】
さらに、前記基幹線連結手段は、前記基幹線を分断する配線禁止領域により一部が削除されていない、該配線禁止領域に隣接する支線である第三隣接支線に、前記新規基幹線を連結して、該新規基幹線と該第三隣接支線とにより、前記分断された基幹線を結ぶことを特徴とする。
これによれば、基幹線連結手段により生成される基幹線の迂回路を、既存の支線を利用して無駄なく構成できる。
【0014】
また、前記遊離線連結手段は、前記基幹線連結手段により形成された新規基幹線の、対応する前記配線禁止領域に対して外側に、前記各遊離線を結ぶ新規基幹線を生成することを特徴とする。
これによれば、遊離線連結手段により生成される新規基幹線が、基幹線連結手段により連結される新規基幹線に重なったり囲まれたりすることなく、好適に配線をすることができる。
【0015】
また、前記平面内に互いに交わらないよう配線された複数の配線パターンのそれぞれに対して、互いに異なる配線パターンの前記新規基幹線と接する各支線を、該新規基幹線から離間させるよう一部を削除する処理を実行し、該処理により生成された新たな配線パターンを表す配線パターンデータを、前記記憶手段に更新して記憶させる配線パターン間隔保持手段として、前記コンピュータを機能させる。
これによれば、新規基幹線により連結された各配線パターン同士を、分離することができる。
【0016】
また、前記配線パターン削除手段の実行に先立って、直線部分を有する前記基幹線を生成するとともに、該基幹線の直線部分からそれぞれ垂直方向に分岐する直線状の複数の前記支線を生成して、該基幹線および該支線から成る前記配線パターンを生成し、該配線パターンを表す配線パターンデータを、前記記憶手段に記憶させる配線パターン生成手段として、前記コンピュータを機能させる。
さらに、前記配線パターン生成手段は、前記平面内の所定の矩形領域内に、前記配線パターンを生成し、前記直線部分は、該矩形領域の外周線の各辺のいずれかに平行となるよう形成することを特徴とする。
これによれば、配線パターンデータの生成を自動化できるとともに、基幹線の分岐部分と支線とが、互いに直交する直線状に形成されるから、遊離線連結手段等の処理の単純化および高速化を図ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る配線パターン自動編集プログラムによれば、基幹線、および基幹線から分岐した複数の支線から成る配線パターンに対し、配線禁止領域を設定した際に、配線禁止領域を回避した配線パターンを自動的に作成することができ、また、特に複数の前記配線パターンがある場合でも好適に適用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る配線パターン自動編集プログラムを実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本実施の形態に係る配線パターン自動編集プログラムを用いた配線パターン自動編集システムSの構成を示すブロック図である。配線パターン自動編集システムSは、コンピュータMにより構成される。
コンピュータMの制御部Maは、CPUやメモリ等を含む電子回路から成り、ソフトウェアプログラムを実行して様々な手段として機能することができる。また、コンピュータMは、制御部Maに対してユーザーが情報を入力可能なキーボードやマウスやデジタイザやタブレット等の入力手段Mbと、制御部Maにより作成された画像データを表示するディスプレイ等の表示手段Mcとを備える。
【0019】
コンピュータMの記憶手段Mdには、配線パターン自動編集システムSを実現するための配線パターン自動編集プログラムがコンピュータ読み取り可能に記憶(インストール)されている。配線パターン自動編集プログラムは、コンピュータMの制御部Maにより実行されることで、配線条件入力手段20、配線パターン生成手段22、配線禁止領域設定手段24、配線パターン削除手段26、基幹線連結手段28、遊離線連結手段30、配線パターン間隔保持手段32、および表示制御手段34を、コンピュータMに実現させる。
【0020】
コンピュータMの記憶手段Mdは、メモリやハードディスク等の記憶手段を示している。図1において記憶手段Mdの内部に記載した各データ(配線パターンデータa、配線禁止領域データb)は、配線パターン自動編集システムSの前記各手段20〜34が記憶手段Mdに対して読み書きするデータを示している。
なお、記憶手段Mdは、コンピュータMのメモリやハードディスクに限定されるものではなく、情報を読み書き可能なあらゆる記憶手段を採用することができる。例えば、光ディスク等の補助記憶装置をコンピュータMの光ディスク装置等で読み書きすることによって実現してもよいし、コンピュータMとネットワークを介して接続された他のコンピュータの記憶装置にアクセスすることで実現することもできる。また、記憶手段Mdは必ずしも一つの記憶装置に限定されず、複数の記憶装置の組み合わせによって実現してもよい。
【0021】
以下、配線パターン自動編集プログラムが制御部Maにより実行されることで実現される前記各手段20〜34、および、前記各データ(配線パターンデータa、配線禁止領域データb)について説明する。
【0022】
(配線条件入力手段20)
配線条件入力手段20は、入力手段Mbを介したユーザーによる所定の入力操作(起動操作)により制御部Maにより起動されて実行される。
配線条件入力手段20は、表示制御手段34を介して表示手段Mcに所定の入力画面を表示させ、ユーザーに、入力手段Mbを介して配線パターンの配線条件を入力させる(なお、図1中において、配線条件入力手段20から表示制御手段34に対する制御線は、図の簡単のため省略している)。
【0023】
本実施の形態に係る配線パターン自動編集プログラムを用いた配線パターン自動編集システムSにおいて生成および編集する配線パターンは、基幹線、および基幹線から分岐した複数の支線から成る、平面内に形成された配線パターンである。さらに、この配線パターンは、前記平面内に、二つの配線パターンを、互いに交わらないよう、所定の間隔を開けて形成される。
また、各配線パターンの各基幹線および各支線は、それぞれ直線状に形成される。さらに、二つの配線パターンは、互いの支線が、互いに平行に、かつ、互い違いに並べられて形成される。
【0024】
配線条件入力手段20でユーザーが入力する配線条件の情報は、支線の幅(図2中のA)、基幹線の幅(図2中のB)、二つの配線パターン間の間隔(図2中のC)、配線対象領域44(後述)の外周線との間の最小間隔(図2中のD)、および、配線禁止領域10(後述)の外周線との間の最小間隔(図2中のE)の各値である。
【0025】
上記配線条件の情報をユーザーが入力し終えると、配線条件入力手段20は、続いて、表示制御手段34を介して表示手段Mcに所定の入力画面を表示させ、ユーザーに、入力手段Mbを介して配線パターン形成領域42の形状を入力させる。配線パターン形成領域42とは、配線パターンを形成すべき領域のことである。配線条件入力手段20により、ユーザーは、配線パターン形成領域42の形状として、その入力画面に、平面内で閉じた任意の形状の図形を作画できる。
本例においては、ユーザーが、配線パターン形成領域42の形状として、図3に示す形状の図形を作画したものとする。
なお、本例において、配線パターン形成領域42の外周線の各辺は、いずれも直線状に形成されているが、配線パターン形成領域42の外周線の一部または全部を曲線状に形成してもよい。
【0026】
配線条件入力手段20を用いた、ユーザーによる、配線条件の情報、および配線パターン形成領域42の形状の入力操作が終了すると、続いて、配線パターン生成手段22が制御部Maにより実行される。
【0027】
(配線パターン生成手段22)
配線パターン生成手段22は、まず、配線条件入力手段20で入力された配線パターン形成領域42の形状から、実際に配線パターンを生成する領域である配線対象領域を求める。配線パターン生成手段22は、配線パターン形成領域42と同一平面内で、配線パターン形成領域42に内接する最大矩形を、演算により求め、その矩形を配線対象領域44とする(図4(a)参照)。
【0028】
なお、図4(a)に示した配線対象領域44の決定方法では、配線パターン形成領域42内に配線されない部分42a,42b,42cができてしまう。
これを避けるためには、配線パターン生成手段22の配線対象領域44の決定方法を、図4(b)に示すように、配線パターン形成領域42と同一平面内で、配線パターン形成領域42に外接する最小矩形を、演算により求め、その矩形を配線対象領域44とするよう構成しても良い。この場合、配線対象領域44の、配線パターン形成領域42からはみ出る部分44a,44b,44cは、後述する配線禁止領域として設定すればよい。
【0029】
次に、配線パターン生成手段22は、配線対象領域44内に、二つの配線パターンを、互いに交わらないよう、所定の間隔を開けて生成する。この二つの配線パターンは、図5に示した第一および第二配線パターン2,4と同じ形式で生成される。
【0030】
具体的には、配線パターン生成手段22は、まず配線対象領域44の外周線から所定間隔D(図2参照)を開けて、配線対象領域44の外周線の内側に、配線対象領域44の外周線に沿って、第一配線パターン2の、幅Bの基幹線2a,2b,2c,2dを生成する。すなわち、基幹線2a,2b,2c,2dは、それぞれ、配線対象領域44の外周線の各辺と平行な直線状に生成される。
続いて、配線パターン生成手段22は、第一配線パターン2の基幹線2a,2b,2c,2dに囲まれた領域内に、第二配線パターン4の基幹線4aを、配線対象領域44の外周線の一辺に沿ってかつ平行な直線状に生成する。基幹線4aは、第一配線パターン2の基幹線の一つ2dから、所定間隔Cを開けて、幅がB(図2参照)となるよう形成される。
続いて、配線パターン生成手段22は、第二配線パターン4の基幹線4aおよび第一配線パターン2の基幹線の一つ2aのそれぞれから分岐する支線4bおよび支線2eを形成する。支線4bおよび支線2eは、それぞれ基幹線4aおよび基幹線2aのそれぞれ延びる方向に対して垂直方向に延び、互いに平行、かつ互い違いに形成される。支線4bおよび支線2eの幅はAに、また支線4bと支線2eとの間の離間距離はC(図2参照)になるよう生成される。
【0031】
続いて、配線パターン生成手段22は、上記生成した第一および第二配線パターン2,4のそれぞれを表す配線パターンデータaを、記憶手段Mdに記憶させる。
【0032】
配線パターン生成手段22による第一および第二配線パターン2,4の生成、およびそれを表す配線パターンデータaの記憶手段Mdへの記憶が終了すると、続いて、配線禁止領域設定手段24が制御部Maにより実行される。
【0033】
(配線禁止領域設定手段24)
配線禁止領域設定手段24は、表示制御手段34を介して表示手段Mcに、配線対象領域44を表す図形と、配線パターン生成手段22により生成された配線パターン2,4とを重ね合わせた画像を含む所定の入力画面を表示させる(なお、図1中において、配線禁止領域設定手段24から表示制御手段34に対する制御線は、図の簡単のため省略している)。
【0034】
配線禁止領域設定手段24は、入力手段Mbを介してユーザーに、前記入力画面上に、単数または複数の配線禁止領域の形状を入力および設定させる。配線禁止領域とは、例えば機器等の設計上の制約等から、部分的に配線パターンを形成できない領域のことである。配線禁止領域設定手段24により、ユーザーは、配線禁止領域の形状として、その入力画面に、平面内で閉じた任意の形状の図形を作画できる。
本例においては、ユーザーが、配線禁止領域として、図6に示す形状の図形10a〜10f(以下、配線禁止領域10a〜10f)を作画したものとする。
なお、本例において、配線禁止領域10a〜10fの各辺は、いずれも直線状に形成されているが、配線禁止領域10a〜10fの外周線の一部または全部を曲線状に形成してもよい。
【0035】
続いて、配線禁止領域設定手段24は、ユーザーにより入力された各配線禁止領域10a〜10f同士の間の間隔が、適正な間隔であるか否かをチェックする処理を行う。このチェックは、具体的には、各配線禁止領域10a〜10f間に、生成された配線パターンの種類毎に、それぞれ2本以上の配線パターンが通過できるだけの間隔(適正な間隔)があるか否かをチェックするものである。
【0036】
図7に、このチェックについて説明するための説明図を示す。配線禁止領域設定手段24は、各配線禁止領域間の最も狭い部分の間隔(配線禁止領域11aと11bとの最小間隔X、配線禁止領域11bと11cとの最小間隔Y、および配線禁止領域11aと11cとの最小間隔Z)が、生成された配線パターンの種類ごと(本実施例では第一および第二配線パターン2,4であるから種類数は2)に、それぞれ2本以上の配線パターン(基幹線および支線)が通過できるだけの間隔(以下、基準間隔と呼ぶ)より大きいか否かを判定する。この基準間隔は、支線の幅A、基幹線の幅B、二つの配線パターン間の間隔C、および、配線禁止領域の外周線と配線パターンとの間の最小間隔Eから求める(図2参照)。本実施の形態においては、配線パターンの種類が2種類であり、最大で2本×2種類の配線パターンが配線された場合に各配線パターンは3箇所で隣接するから、この基準間隔は、幅Aと幅Bとで大きい方をFとすると、(F×2×2+C×3+E×2)の式で算出できる。
【0037】
配線禁止領域設定手段24は、このチェックで、各配線禁止領域間の間隔で基準間隔に満たないものがあった場合には、ユーザーに対して該当する配線禁止領域の入力をやり直しさせるなどの処理を行う。
【0038】
ユーザーによる、配線禁止領域の入力操作が終了すると、配線禁止領域設定手段24は、上記入力された配線禁止領域10a〜10fのそれぞれを表す配線禁止領域データbを、記憶手段Mdに記憶させる。
そして、配線禁止領域設定手段24の処理が終了すると、続いて、配線パターン削除手段26が制御部Maにより実行される。
【0039】
(配線パターン削除手段26)
配線パターン削除手段26は、図8に示すように、配線パターンデータaの、配線禁止領域10a〜10f内に含まれる配線パターンに対応する部分を削除する。すなわち、配線パターンデータaは、図8に示すような、配線禁止領域10a〜10f内に含まれる部分が削除された状態に更新される。
【0040】
配線パターン削除手段26の処理が終了すると、続いて、基幹線連結手段28が制御部Maにより実行される。
【0041】
(基幹線連結手段28)
基幹線連結手段28は、まず、配線パターンデータaから、一部が削除された基幹線を検索する。本例においては、図8に示すように、基幹線2cが、配線禁止領域10aにより分断されている。また、基幹線2dが配線禁止領域10cにより分断され、基幹線2aが配線禁止領域10eにより分断され、基幹線4aが配線禁止領域10cにより分断されている。
【0042】
基幹線連結手段28は、分断された基幹線を検出すると、続いて、その分断された各基幹線に対して、対応する配線禁止領域を迂回して分断された基幹線を結ぶ新規基幹線を生成する処理を実行する。
【0043】
例えば、基幹線連結手段28は、配線禁止領域10aに分断された基幹線2cを、図9に示すように、新規基幹線2ca,2cbを生成して、配線禁止領域10aを迂回させて結ぶ。このとき、基幹線連結手段28は、基幹線2cの迂回路を、既存の支線2eaの一部を利用して構成する。
【0044】
このような、各支線2e,2e・・と平行に延びる基幹線2cが分断されている場合に、新規基幹線2ca,2cbを生成する処理は、以下のような方法で構成できる。
まず、基幹線連結手段28は、元の基幹線2cの分断された端部の一方から、対応する配線禁止領域10aの外周線に沿って、かつ、対応する配線パターン2の各支線2e,2e・・の並び方向(図9中上下方向)に、新規基幹線2caを延ばしていく。新規基幹線2caは、やがて配線禁止領域10aの角部に到達する。基幹線連結手段28は、ここからさらに、対応する配線禁止領域10aにより一部が削除されておらず、かつ、配線禁止領域10aに隣接する配線パターン2の支線に到達するまで、新規基幹線2caを支線2e,2e・・の並び方向(図9中上下方向)に延ばす。これにより、新規基幹線2caは、支線2ea(本願特許請求の範囲および明細書中では第三隣接支線と呼ぶ)に達するところまで延ばされる。
同様に、基幹線連結手段28は、元の基幹線2cの分断された端部の他方から、新規基幹線2cbを第三隣接支線2eaまで延ばす処理を行う。
【0045】
また、配線禁止領域10eにより分断された基幹線2aのような、各支線2e,2e・・に直交する方向に延びる基幹線2aが分断されている場合には、新規基幹線を生成する処理は、以下のような方法で構成できる。
まず、基幹線連結手段28は、対応する配線禁止領域10eにより一部が削除されておらず、かつ、配線禁止領域10eに隣接する配線パターン2の支線(第三隣接支線)を検索する。この例では、支線2ebと支線2ecとが、第三隣接支線として検索される。続いて、基幹線連結手段28は、対応する配線禁止領域10eの外周線に沿って、かつ、いずれか一方の支線2ebから他方の支線2ecに向かって、新規基幹線2aaを延ばして、両第三隣接支線2eb,2ec同士を連結する。
これにより、分断された基幹線2aが、対応する配線禁止領域10eを迂回して連結される。
基幹線連結手段28は、配線禁止領域10c,10fにより分断された各基幹線2d,4aに対しても、それぞれ同様の処理を行うことにより、基幹線2d,4aを連結する。
【0046】
なお、配線禁止領域10cは、第一および第二配線パターン2,4の両者の基幹線2d,4aの両方を分断している。このような場合には、基幹線2d,4aの迂回路同士が交錯しないようにする必要がある。このために、図9に示すように、基幹線2d,4aのうち、それぞれの分断された端部の一方と他方とを結ぶ、対応する配線禁止領域10cの外周線に沿った経路が、より長い方、すなわち基幹線2dを、より内側に迂回させる。これにより、基幹線2d,4aの迂回路同士が交錯しないようにすることができる。
なお、本例のように、第三隣接支線2ed,2eeが分断された基幹線2dから直接分岐していない場合には、基幹線連結手段28は、両者を接続する新規基幹線2da,2dbも生成する。
【0047】
基幹線連結手段28は、上記処理が終了すると、上記生成された各新規基幹線を含む配線パターンデータaを、記憶手段Mdに更新して記憶させる。
そして、基幹線連結手段28の処理が終了すると、続いて、遊離線連結手段30が制御部Maにより実行される。
【0048】
(遊離線連結手段30)
遊離線連結手段30は、まず、配線パターンデータaの支線の中から、一部が配線パターン削除手段26により削除されて(言い換えれば配線禁止領域により分断されて)基幹線および新規基幹線のいずれからも分断されて遊離した支線(本願特許請求の範囲および明細書中では遊離線と呼ぶ)を検索する。図9においては、例えば支線2ef,2eg,4ba,4bb等が遊離線である。
また、配線パターン削除手段26により分断されたものでなくとも、基幹線連結手段28により生成された新規基幹線により、基幹線から分断されて遊離した支線も、遊離線に含む。新規基幹線により基幹線から分離された遊離線の例としては、図9中の支線4bc等が挙げられる。
【0049】
遊離線連結手段30は、遊離線を検出すると、続いて、その遊離線を基幹線(基幹線連結手段28により生成された新規基幹線を含む)に間接的に連結するための、新たな新規基幹線を生成する処理を実行する。遊離線連結手段30は、対応する配線禁止領域により一部が削除されておらず、かつその配線禁止領域に隣接する支線である第一隣接支線と、その配線禁止領域の反対側に隣接する第二隣接支線の一つ手前の支線との間を結ぶよう、その配線禁止領域の外周線に沿って、前記新たな新規基幹線を延ばして生成する。
【0050】
図9において、配線禁止領域10dにより基幹線4aから分離された遊離線4bd,4bd・・を例にとって説明する。
遊離線連結手段30は、対応する配線禁止領域10dにより一部が削除されておらず、かつ、配線禁止領域10dに隣接する配線パターン4の支線(第一および第二隣接支線)を検索する。この例では、支線4be、および、配線禁止領域10dを挟んで支線4beの反対側の支線4bfが、第一および第二隣接支線として検索される。なお、両者のどちらを第一隣接支線としてもよいが、本例では、支線4beを第一隣接支線とし、支線4bfを第二隣接支線として説明する。
【0051】
続いて、遊離線連結手段30は、図10に示すように、対応する配線禁止領域10dの外周線に沿って、かつ、第一隣接支線4beから、第二隣接支線4bfの一つ手前の支線4bdに向かって、新規基幹線4cを延ばして、第一隣接支線4beと各遊離線4bd,4bd・・とを連結する。
これにより、遊離線4bd,4bd・・が、新規基幹線4cおよび第一隣接支線4beを介して、基幹線4aと連結される。
【0052】
遊離線連結手段30は、配線禁止領域10bにより基幹線から分断された各遊離線に対しても、同様の処理を行う。
ただし、配線禁止領域10bは、第一および第二配線パターン2,4の両者について、それぞれ支線を基幹線から分断している。この場合、遊離線連結手段30は、第一および第二配線パターン2,4の、対応する配線禁止領域10bを挟んで互いに反対側に位置する、配線禁止領域10bに隣接するそれぞれの支線4bgおよび支線2eiを、それぞれの第一隣接支線として、新たな新規基幹線4d,4e,2f,2g,2h,2iをそれぞれ生成する。
【0053】
なお、遊離線連結手段30は、図10に示すように、配線禁止領域10bの、既存の支線2eと平行な方向の外周線の部分においては、その外周線に最も近い既存の支線2ej,2ekを、新規基幹線として代用する。
【0054】
また、配線禁止領域10aや、配線禁止領域10bの凹部のように、配線禁止領域の外周線に沿って、一方の配線パターン2に対応する新規基幹線2ca,2h,2iが既に生成されており、他方の配線パターン4に対応する遊離線4ba,4bhが未だ残っている場合がある。
このような場合には、遊離線連結手段30は、先に生成された新規基幹線2ca,2h,2iの、対応する配線禁止領域に対して外側に、各遊離線4ba,4bhを結ぶ新たな新規基幹線4f,4gを生成する。
【0055】
遊離線連結手段30は、上記処理が終了すると、上記生成された各新規基幹線を含む配線パターンデータaを、記憶手段Mdに更新して記憶させる。
そして、遊離線連結手段30の処理が終了すると、続いて、配線パターン間隔保持手段32が制御部Maにより実行される。
【0056】
(配線パターン間隔保持手段32)
配線パターン間隔保持手段32は、まず、配線パターンデータaが表す配線パターンの中から、配線禁止領域と、他方の配線パターンとに完全に囲まれた配線パターンの部分を検索する。図10においては、第二配線パターン4の部分4h,4i,4jが、配線禁止領域と、他方の配線パターン2とに完全に囲まれたパターンとなっている。
配線パターン間隔保持手段32は、図11に示すように、配線パターンデータaから、検出したこれらの配線パターンの部分4h,4i,4j(図10参照)の対応部分を、記憶手段Md上から消去する。
【0057】
続いて、配線パターン間隔保持手段32は、第一および第二配線パターン2,4間の間隔が、設定された所定幅Cとなるよう、それぞれの基幹線および新規基幹線の周囲から所定幅C以内に位置する、他方の配線パターンを消去する。この処理により、図12に示すように、第一および第二配線パターン2,4が、互いに交わらないよう形成される。
【0058】
配線パターン間隔保持手段32の処理に引き続いて、さらに、図13(a)に示すように第一および第二配線パターン2,4の輪郭形状を抽出し、さらに図13(b)に示すように、そのコーナー部にRを形成する処理を行う手段を構成して、第一および第二配線パターン2,4間の間隔をコーナー部においても一定幅Cとするようにすればさらに好適である。
【0059】
なお、本実施の形態においては、説明の簡単のために配線禁止領域の形状を単純な形状としたが、図14に示すように、配線禁止領域10gを複雑な形状とした場合でも、本実施の形態に係る配線パターン自動編集プログラムを用いた配線パターン自動編集システムSを好適に適用できる。
すなわち、配線条件入力手段20、配線パターン生成手段22、配線禁止領域設定手段24、および配線パターン削除手段26により、図14(a)に示すように第一および第二配線パターン2,4の形成、配線禁止領域10gの設定、および配線禁止領域10g内の配線パターンの削除等を行い、続いて、図14(b)に示すように、基幹線連結手段28、遊離線連結手段30、および配線パターン間隔保持手段32により、新規基幹線の生成や不要パターンの消去等を行うことで、図14(c)に示すような好適な配線パターン2,4を得ることができる。
【0060】
また、配線パターン生成手段22により生成する配線パターンの形状は、上記実施の形態の形状に限定されるものではない。
例えば、詳細な説明は省略するが、図15(a)に示すような配線パターン形状を生成しても、図15(b)に示すように、各配線禁止領域10h〜10oを回避した好適な配線パターン2,4を得ることができる。また、図16(a)に示すような配線パターン形状を生成しても、図16(b)に示すように、各配線禁止領域10p〜10uを回避した好適な配線パターン2,4を得ることができる。
【0061】
なお、本実施の形態においては、支線、基幹線、および、配線禁止領域の外周線の各辺は、それぞれ全て直線状に形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、それらの一部または全部を曲線状に形成してもよい。
配線禁止領域の外周線を曲線状に形成した場合、配線禁止領域の外周線に沿って形成する新規基幹線は、その形状に完全に沿って曲線状に形成しても良いし、また、配線禁止領域の直近まで配線パターンを形成しなくても良い場合には、配線禁止領域の外周線の近傍に直線的に形成してもよい。
また、配線パターンの支線や基幹線を直線状に形成しなくとも、本発明は好適に適用できる。
【0062】
また、本実施の形態においては、新規基幹線を既存の支線の一部(第一および第三隣接支線)に接続して、新規基幹線と既存の支線の一部とによって、基幹線の迂回や遊離線の接続を行ったが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、新規基幹線を、既存の支線を用いることなく、配線禁止領域の外周線に忠実に沿って形成するよう構成してもよい。
【0063】
また、本実施の形態においては、配線禁止領域と配線パターンとの間の最小間隔Eを0として記載したが、もちろんこの最小間隔Eは0でなくてよい。
なお、Eの値が0でない場合、例えば、配線禁止領域設定手段24の実行直後に、設定された配線禁止領域を、平面上の全方向に渡ってEだけ拡張する処理を行えば、その後は本実施の形態と同様、Eが0であるとして処理を行うことができ、処理を単純化することが可能である。
【0064】
本実施の形態に係る配線パターン自動編集プログラムを用いた配線パターン自動編集システムSによれば、任意に設定された配線禁止領域を回避するとともに、同種の配線パターンが全て連結し、かつ、他種類の配線パターン間は離間した配線パターンを自動的に編集し作成することができる。
【0065】
特に、従来、このような複雑な配線パターンの形成および編集は、人手に頼る他なかったが、本配線パターン自動編集プログラムを用いた配線パターン自動編集システムSによれば、人手で行う場合に比較して工数を削減できることはもちろん、配線パターンの配線条件や、配線禁止領域の形状および配置等を変えて、何種類もの設計を容易に試すことができる。また、複雑なパターン形状や配線禁止領域の形状にも、容易に対応できる。さらに、人手によるうっかりミスを防いで、配線パターン設計の信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本実施の形態に係る配線パターン自動編集プログラムを用いた配線パターン自動編集システムの構成を示すブロック図である。
【図2】配線条件入力手段の入力条件を説明するための説明図である。
【図3】配線パターン形成領域の入力例を示す図である。
【図4】配線対象領域の例を示す図である。
【図5】配線パターンの初期状態の例を示す図である。
【図6】配線パターン上に配線禁止領域を設定した状態を示す説明図である。
【図7】配線禁止領域間の間隔をチェックする処理を説明するための説明図である。
【図8】配線パターン削除手段による処理後の配線パターンの状態を示す説明図である。
【図9】基幹線連結手段による処理後の配線パターンの状態を示す説明図である。
【図10】遊離線連結手段による処理後の配線パターンの状態を示す説明図である。
【図11】配線パターン間隔保持手段による処理中の配線パターンの状態を示す説明図である。
【図12】配線パターン間隔保持手段による処理後の配線パターンの状態を示す説明図である。
【図13】配線パターンのコーナー部にRを形成する処理を説明するための説明図である。
【図14】配線禁止領域の別例に係る処理状態を示す図である。
【図15】配線パターン生成手段により生成される配線パターンの別例と、対応する処理結果を示す説明図である。
【図16】配線パターン生成手段により生成される配線パターンの別例と、対応する処理結果を示す説明図である。
【符号の説明】
【0067】
S 配線パターン自動編集システム
M コンピュータ
Ma 制御部
Mb 入力手段
Mc 表示手段
Md 記憶手段
a 配線パターンデータ
b 配線禁止領域データ
2 第一配線パターン
2a,2b,2c,2d 基幹線
2ca,2cb,2da,2db,2f,2g,2h,2i 新規基幹線
2e 支線
2ea,2eb,2ec,2ed,2ee 第三隣接支線
2ef,2eg 遊離線
2ei 第一隣接支線
4 第二配線パターン
4a 基幹線
4b 支線
4ba,4bb 遊離線
4c,4d,4e,4f,4g 新規基幹線
4bc,4bd,4bh 遊離線
4be,4bg 第一隣接支線
4bf 第二隣接支線
6,8 端子部
10a〜10u 配線禁止領域
20 配線条件入力手段
22 配線パターン生成手段
24 配線禁止領域設定手段
26 配線パターン削除手段
28 基幹線連結手段
30 遊離線連結手段
32 配線パターン間隔保持手段
34 表示制御手段
42 配線パターン形成領域
44 配線対象領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基幹線、および該基幹線から分岐した複数の支線から成る、平面内に形成された配線パターンを表す配線パターンデータを記憶する記憶手段と、ユーザーの操作に応じて所定の情報を入力可能な入力手段とを備えるコンピュータを、
前記入力手段を介して、ユーザーに、前記平面内に単数または複数の配線禁止領域を設定させる配線禁止領域設定手段と、
前記配線パターンデータの、前記配線禁止領域内に含まれる前記配線パターンに対応する部分を削除する配線パターン削除手段と、
前記配線禁止領域に含まれる前記支線の一部が前記配線パターン削除手段により削除されて前記基幹線から分断されて遊離した遊離線を、該配線禁止領域により一部が削除されていない該配線禁止領域に隣接する支線である第一隣接支線に連結する、該配線禁止領域の外周線に沿って延びて各遊離線を結ぶ新規基幹線を、生成する処理を実行し、該処理により生成された新たな配線パターンを表す配線パターンデータを、前記記憶手段に更新して記憶させる遊離線連結手段として機能させるための配線パターン自動編集プログラム。
【請求項2】
前記遊離線連結手段は、前記新規基幹線を、前記第一隣接支線から、対応する前記配線禁止領域の反対側に隣接する第二隣接支線、または該第二隣接支線の一つ手前の支線まで、該配線禁止領域の外周線に沿って延ばすことを特徴とする請求項1記載の配線パターン自動編集プログラム。
【請求項3】
前記遊離線連結手段は、前記平面内に互いに交わらないよう配線された第一および第二配線パターンの、前記対応する配線禁止領域を挟んで互いに反対側に位置する、該配線禁止領域に隣接するそれぞれの支線を、それぞれの前記第一隣接支線として、前記新規基幹線をそれぞれ生成することを特徴とすることを特徴とする請求項2記載の配線パターン自動編集プログラム。
【請求項4】
前記配線禁止領域に含まれる前記基幹線の一部が前記配線パターン削除手段により削除されて該基幹線が分断された場合に、前記遊離線連結手段の実行に先立って、該配線禁止領域を迂回して分断された基幹線を結ぶ新規基幹線を生成する処理を実行し、該処理により生成された新たな配線パターンを表す配線パターンデータを、前記記憶手段に更新して記憶させる基幹線連結手段として、前記コンピュータを機能させるための、請求項1〜3のうちのいずれか一項記載の配線パターン自動編集プログラム。
【請求項5】
前記基幹線連結手段は、前記基幹線を分断する配線禁止領域により一部が削除されていない、該配線禁止領域に隣接する支線である第三隣接支線に、前記新規基幹線を連結して、該新規基幹線と該第三隣接支線とにより、前記分断された基幹線を結ぶことを特徴とする請求項4記載の配線パターン自動編集プログラム。
【請求項6】
前記遊離線連結手段は、前記基幹線連結手段により形成された新規基幹線の、対応する前記配線禁止領域に対して外側に、前記各遊離線を結ぶ新規基幹線を生成することを特徴とする請求項4または5記載の配線パターン自動編集プログラム。
【請求項7】
前記平面内に互いに交わらないよう配線された複数の配線パターンのそれぞれに対して、互いに異なる配線パターンの前記新規基幹線と接する各支線を、該新規基幹線から離間させるよう一部を削除する処理を実行し、該処理により生成された新たな配線パターンを表す配線パターンデータを、前記記憶手段に更新して記憶させる配線パターン間隔保持手段として、前記コンピュータを機能させるための、請求項1〜6のうちのいずれか一項記載の配線パターン自動編集プログラム。
【請求項8】
前記配線パターン削除手段の実行に先立って、直線部分を有する前記基幹線を生成するとともに、該基幹線の直線部分からそれぞれ垂直方向に分岐する直線状の複数の前記支線を生成して、該基幹線および該支線から成る前記配線パターンを生成し、該配線パターンを表す配線パターンデータを、前記記憶手段に記憶させる配線パターン生成手段として、前記コンピュータを機能させるための、請求項1〜7のうちのいずれか一項記載の配線パターン自動編集プログラム。
【請求項9】
前記配線パターン生成手段は、前記平面内の所定の矩形領域内に、前記配線パターンを生成し、前記直線部分は、該矩形領域の外周線の各辺のいずれかに平行となるよう形成することを特徴とする請求項8記載の配線パターン自動編集プログラム。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図1】
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【図2】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−59328(P2008−59328A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−236082(P2006−236082)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】