配線基板の製造方法
【課題】基板の一方の面または他方の面に、導電性ペーストにより配線を形成するとともに、基板に形成された貫通孔の内側面に導電性ペーストにより、基板の一方の面または他方の面に形成された配線と電気的に接続された貫通配線を確実に形成することができる配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の配線基板の製造方法は、貫通孔18Aの中心に、未塗布部35Aの中心が重なるように、ランド部形成領域33のスリット形成領域を配置した位置から、スリット形成領域が、その幅方向にずれて、未塗布部35Aが、貫通孔18Aと重なる位置から外れ始めるにしたがって、未塗布部35Bが、貫通孔18Bに重なり始めるという関係を満たすようなスリット形成領域を有するスクリーン版30を用いる工程Aを備えたことを特徴とする。
【解決手段】本発明の配線基板の製造方法は、貫通孔18Aの中心に、未塗布部35Aの中心が重なるように、ランド部形成領域33のスリット形成領域を配置した位置から、スリット形成領域が、その幅方向にずれて、未塗布部35Aが、貫通孔18Aと重なる位置から外れ始めるにしたがって、未塗布部35Bが、貫通孔18Bに重なり始めるという関係を満たすようなスリット形成領域を有するスクリーン版30を用いる工程Aを備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貫通孔を有する基板の電極が設けられていない面に設けられた配線と、貫通孔の内側面に設けられ配線と電気的に接続された貫通配線と、を備えた配線基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、基板の両面に配線が形成され、これらの配線同士がスルーホールを介して電気的に接続された両面配線基板の製造方法としては、以下の方法が開示されている。
スルーホールを設けた基板の表面に、スクリーン印刷法などにより、流下性を有する銀ペーストなどの導電性ペーストにて第一の配線パターンを形成する。この際、スルーホールの上にも印刷する。
このように、基板の表面に導電性ペーストを印刷すると、導電性ペーストが直ちに、スルーホールの内側面を流下し、スルーホールの中央部で停止する。
【0003】
第一の配線パターンが形成された基板を加熱して、導電性ペーストを乾燥させた後、基板を上下逆にして、裏面側を上向きに配置する。
次いで、基板の裏面に、スクリーン印刷法などにより、流下性を有する導電性ペーストにて第二の配線パターンを形成する。この際、スルーホールの上にも印刷する。
このように、基板の裏面に導電性ペーストを印刷すると、導電性ペーストが直ちに、スルーホールの内側面を流下し、基板の裏面からの導電性ペーストの先端は、基板の表面側からの導電性ペーストの先端に接触し、導電性ペースト同士がわずかに重なり合う。
この状態で乾燥処理を施すことにより、基板の表面側の導電性ペーストと、基板の裏面側の導電性ペーストとが、スルーホールで電気的に接続された状態で固定される(例えば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−236891号公報
【特許文献2】特開2003−6589号公報
【特許文献3】特開2004−310718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の両面配線基板の製造方法では、印刷時に基板に対して導電性ペーストを塗布する力が弱いと、スルーホール内に導電性ペーストが十分に充填されないため、導電性ペーストを塗布する力を強くすると、スルーホールの上に印刷された導電性ペーストは、勢いよくスルーホールの内部に流下する。すると、銀ペーストなどの導電性ペーストは、それに含まれる銀粒子などの導電性粒子の比重が重いため、導電性ペーストがスルーホールの内部に留まることなく、落下してしまう。そのため、基板の表面または裏面に印刷された導電性ペーストと、スルーホールの内部に流下した導電性ペーストとは、基板の表面または裏面と、スルーホールとの境(スルーホールの開口端)にてちぎれてしまい、スルーホールの内部には導電性ペーストが残らずに、結果として、スルーホールの内部に配線が形成されないという問題があった。また、仮にスルーホールの内側面に導電性ペーストが残ったとしても、その導電性ペーストの量はわずかであるため、乾燥により導電性ペーストが収縮してしまい、結果として、基板の表面または裏面に形成された配線と、スルーホールの内側面に形成された配線とが、スルーホールの開口端にて断線するという問題があった。
また、導電性ペーストが、スルーホールから下に落ちずに、スルーホールの開口部を覆ってしまうことがある。この場合、スルーホール内には空気が溜まってしまうため、スルーホールの内側面に導電性ペーストが残らないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明者等は、印刷により、導電性ペーストからなる配線パターンを形成するとともに、配線パターンに貫通孔の中央部を少なくとも含む導電性ペーストの未塗布部分を設けることにより、上述の問題を解決できることを見出した。すなわち、本発明者等は、前記の導電性ペーストの未塗布部分がスルーホールの開口部に対向するように、印刷により、導電性ペーストからなる配線パターンを形成することにより、スルーホールの内側面に導電性ペーストを十分に塗布することができることを見出した。
【0007】
しかしながら、このような両面配線基板の製造では、基板にスルーホールを形成した後、基材の両面に、導電性ペーストを印刷するとともに、スルーホール上にも導電性ペーストを印刷して、スルーホール内に導電性ペーストを充填するが、その際、スルーホール上への導電性ペーストの印刷において版のずれにより未塗布部分の位置ズレが生じることがあった。そのため、スルーホールの内側面に導電性ペーストを十分に塗布することができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、基板の一方の面に、導電性ペーストにより配線を形成するとともに、基板に形成された貫通孔の内側面に導電性ペーストにより、基板の他方の面に形成された配線と電気的に接続された貫通配線を確実に形成することができる配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の配線基板の製造方法は、基板と、該基板に設けられた配線および該配線に連接するランド部と、前記基板の貫通孔の内側面に設けられ、前記配線と電気的に接続され、他方の面と電気的に接続するための貫通配線と、を備えた配線基板の製造方法であって、少なくとも2つの貫通孔が設けられた基板の一方の面に、印刷により、導電性ペーストからなる配線パターンと、前記貫通孔の開口端部を含み、前記配線パターンに連接する前記導電性ペーストからなるランド部パターンとを形成するとともに、前記ランド部パターンには、前記導電性ペーストの未塗布部分をスリット状に、間隔を置いて並列に複数設けたスリット形成領域を設けることにより、前記貫通孔の内側面に前記導電性ペーストからなる導電パターンを形成する工程Aと、前記配線パターン、前記ランド部パターンおよび前記導電パターンを硬化させて、配線、ランド部および貫通配線を形成する工程Bと、を有し、前記工程Aにおいて、前記少なくとも2つの貫通孔のうちの1つの貫通孔α1の中心に、前記複数の未塗布部分のうちの1つの未塗布部分β1の中心が重なるように、前記スリット形成領域を配置した位置から、前記スリット形成領域が、そのスリットの幅方向にずれて、前記未塗布部分β1が、前記貫通孔α1と重なる位置から外れ始めるにしたがって、前記未塗布部分β1とは別の未塗布部分β2が、前記貫通孔α1と隣り合う貫通孔α2に重なり始めるという関係を満たすような前記スリット形成領域を有する前記ランド部パターンを形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の配線基板の製造方法によれば、工程Aにおいて、基板に設けられた少なくとも2つの貫通孔のうちの1つの貫通孔α1の中心に、複数の導電性ペーストの未塗布部分のうちの1つの未塗布部分β1の中心が重なるように、スリット形成領域を配置した位置から、スリット形成領域が、その幅方向にずれて、未塗布部分β1が、貫通孔α1と重なる位置から外れ始めるにしたがって、未塗布部分β1とは別の未塗布部分β2が、貫通孔α1と隣り合う貫通孔α2に重なり始めるという関係を満たすようなスリット形成領域を有するランド部パターンを形成するので、印刷版のランド部パターンを形成する領域の位置ズレが生じた場合でも、導電性ペーストの未塗布部分(空気孔)の少なくとも一部が貫通孔の開口部と重なるから、その未塗布部分(空気孔)により、貫通孔内に空気が溜まり難くなり、貫通孔の内部に導電性ペーストがスムーズに流下して、貫通孔の内側面に、適量の導電性ペーストを塗布することができる。したがって、貫通孔の内側面に塗布された導電性ペーストからなる導電パターンを硬化してなる貫通配線に断線が生じなくなるから、貫通配線の導通率をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の配線基板の製造方法によって作製される配線基板の一実施形態を示す概略平面図であり、(a)は上面図、(b)は下面図である。
【図2】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態を示す概略平面図である。
【図3】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態を示し、印刷版の全体のイメージを表す模式図である。
【図4】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第一の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図5】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第一の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図6】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第一の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図7】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第一の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図8】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第二の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図9】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第二の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図10】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第二の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図11】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第二の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図12】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第二の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図13】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第二の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図14】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第二の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図15】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第三の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図16】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第三の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図17】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第三の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図18】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第三の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図19】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第三の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図20】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第三の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図21】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第三の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の配線基板の製造方法の実施の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0013】
図1は、本発明の配線基板の製造方法によって作製される配線基板の一実施形態を示す概略平面図であり、(a)は上面図、(b)は下面図である。
この実施形態の配線基板10は、基板11と、基板11の一方の面11aに設けられた配線12と、基板11の他方の面11bに設けられた配線13と、基板11の一方の面11aに設けられ、配線12と連接するランド部14,15と、基板11の他方の面11bに設けられ、配線13と連接するランド部16,17と、基板11の貫通孔18,19の内側面に設けられ、ランド部14とランド部16を電気的に接続する貫通配線20と、ランド部15とランド部17を電気的に接続する貫通配線21とから概略構成されている。
【0014】
配線12は、基板11の一方の面11aにおいて、ランド部14を始端とし、ランド部15を終端とするコイル状に形成されている。また、ランド部14とランド部15は、所定の間隔を置いて設けられている。
【0015】
貫通孔18,19は、基板11を厚み方向に貫通するように設けられた、平面視円形状の細孔である。すなわち、貫通孔18,19は、基板11の一方の面11aおよび他方の面11bに対して垂直に設けられている。
また、貫通孔18と貫通孔19は、所定の間隔を置いて設けられている。
【0016】
ランド部14,15は、貫通孔18,19内に貫通配線20,21を形成するために、導電性ペーストが塗布される領域であり、この領域内における貫通孔18,19に対して、導電性ペーストの塗布における位置ズレを許容する領域である。すなわち、ランド部14は、少なくとも貫通孔18の開口端部18aを含むように設けられている。同様に、ランド部15は、少なくとも貫通孔19の開口端部19aを含むように設けられている。
【0017】
配線13は、基板11の他方の面11bにおいて、ランド部16を始端とし、ランド部17を終端とする直線状に形成されている。また、ランド部16とランド部17は、所定の間隔を置いて設けられている。
【0018】
ランド部16,17は、貫通孔18,19内に貫通配線20,21を形成するために、導電性ペーストが塗布される領域であり、この領域内における貫通孔18,19に対して、導電性ペーストの塗布における位置ズレを許容する領域である。すなわち、ランド部16は、少なくとも貫通孔18の開口端部18aを含むように設けられている。同様に、ランド部17は、少なくとも貫通孔19の開口端部19aを含むように設けられている。
【0019】
そして、基板11の一方の面11aに設けられた配線12と、基板11の他方の面11bに設けられた配線13とは、貫通配線20,21を介して電気的に接続され、配線12と配線13が1つの回路を形成している。
【0020】
基板11としては、少なくとも表層部には、ガラス繊維、アルミナ繊維などの無機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたもの、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたものや、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した被覆部材や、ポリアミド系樹脂基板、ポリエステル系樹脂基板、ポリオレフィン系樹脂基板、ポリイミド系樹脂基板、エチレン−ビニルアルコール共重合体基板、ポリビニルアルコール系樹脂基板、ポリ塩化ビニル系樹脂基板、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基板、ポリスチレン系樹脂基板、ポリカーボネート系樹脂基板、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂基板、ポリエーテルスルホン系樹脂基板、(ガラス)エポキシ樹脂基板などのプラスチック基板や、あるいはこれらにマット処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理、オゾン処理、または各種易接着処理などの表面処理を施したものなどの公知のものから選択して用いられる。
【0021】
配線12,13、および、ランド部14,15,16,17は、導電性ペーストを用いて所定のパターンにスクリーン印刷により形成されたものである。
貫通配線20,21は、ランド部14,15、および、ランド部16,17の形成と同時に、導電性ペーストにより形成されたものである。
【0022】
導電性ペーストとしては、銀微粒子が樹脂組成物に配合された銀ペースト、カーボン微粒子が樹脂組成物に配合されたカーボンペーストなどが用いられる。
【0023】
樹脂組成物として熱硬化型樹脂を用いれば、導電性ペーストは、200℃以下、例えば、100〜150℃程度で配線12,13をなす塗膜を形成することができる熱硬化型となる。また、本発明における導電性ペーストとしては、熱硬化型の他にも、紫外線硬化型、熱可塑性樹脂などを用いた浸透乾燥型、溶剤揮発型といった公知のものが用いられる。
なお、本発明における導電性ペーストの「硬化」とは、熱硬化型樹脂を用いた導電性ペーストを加熱して硬化させること、浸透乾燥型の導電性ペーストが乾燥して硬化すること、溶剤揮発型の導電性ペーストから溶剤が揮発して硬化することなどを言う。
【0024】
紫外線硬化型の導電性ペーストは、光硬化性樹脂を樹脂組成物に含むものであり、硬化時間が短いので、製造効率を向上させることができる。
紫外線硬化型の導電性ペーストとしては、例えば、熱可塑性樹脂のみ、あるいは、熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特にポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、導電微粒子が60質量%以上配合され、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、溶剤揮発型かあるいは架橋/熱可塑併用型(ただし熱可塑型が50質量%以上である)のものや、熱可塑性樹脂のみ、あるいは、熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特にポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、架橋型かあるいは架橋/熱可塑併用型のものなどが好適に用いられる。
【0025】
次に、図1〜図21を参照して、この配線基板10の製造方法を例示し、本発明の配線基板の製造方法を説明する。
まず、基板11に、ドリルやレーザーなどにより、基板11の所定の位置に、基板11を厚み方向に貫通する貫通孔18,19を形成する。この時、貫通孔18と貫通孔19を、所定の間隔をおいて形成する。
【0026】
次いで、図2に示すように、貫通孔18,19が設けられた基板11の一方の面11aに、印刷により、導電性ペーストからなる配線パターン12Aと、貫通孔18,19の開口端部18a,19aを含み、配線パターン12Aに連接する導電性ペーストからなるランド部のパターン(以下、「ランド部パターン」という。)14A,15Aと、を形成するとともに、ランド部パターン14A,15Aには、導電性ペーストの未塗布部分(図示略)をスリット状に、間隔を置いて並列に複数設けたスリット形成領域を設ける。
これにより、基板11の一方の面11aに、ランド部パターン14A,15Aを形成するために塗布された導電性ペーストの一部(ランド部パターン14A,15Aを形成するために塗布された導電性ペーストのうち、貫通孔18,19の開口部を覆っている部分)が貫通孔18,19の内部に流下して、貫通孔18,19の内側面に、その導電性ペーストからなる導電パターン20A,21Aの一部が形成される(工程A)。
【0027】
ここで、導電性ペーストの未塗布部分とは、ランド部パターン14A,15Aにおいて、導電性ペーストが塗布されていない部分である。
【0028】
この工程Aにおいて、基板11の一方の面11aに形成される配線パターン12A、および、ランド部パターン14A,15Aの厚みは、2.5μm〜75μmであることが好ましく、より好ましくは17μm〜27μmである。
また、工程Aにおいて、貫通孔18,19の内側面に形成される導電パターン20A,21Aの厚みは、2.5μm〜75μmであることが好ましく、より好ましくは17μm〜27μmである。
【0029】
工程Aにおいて用いられる印刷法としては、粘性のある導電性ペーストを印刷できる方法であれば特に限定されず、基板の厚みなどに応じて、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷などの印刷版を用いる印刷法が適用される。
例えば、スクリーン印刷が適用される場合、印刷版としては、全体のイメージを表す模式図として図3で、ランド部パターンを形成する領域の詳細の模式図においては図4以降で説明するスクリーン版30が用いられる。詳細には、スクリーン版30は、スクリーン基体31と、スクリーン基体31の一方の面31aに沿って設けられた、配線パターン12Aを形成する配線形成領域32、および、ランド部パターン14A,15Aを形成するランド部形成領域33,34とから構成されている。配線形成領域32およびランド部形成領域33,34は、導電性ペーストの塗布部分である。
【0030】
また、ランド部形成領域33,34には、基板11の一方の面11aの所定の位置にスクリーン版30を配置した場合、貫通孔18,19と重なる部分が乳剤などにより塞がれてなる、導電性ペーストの未塗布部分(以下、「未塗布部」と言う。)が設けられている。そして、ランド部形成領域33,34には、複数のスリット状の未塗布部が設けられたスリット形成領域が設けられている。
【0031】
「工程Aの第一の実施形態」
図4〜7を参照して、工程Aの第一の実施形態を説明する。
この実施形態では、基板11の一方の面11aに形成されるランド部14,15に対応する貫通孔18,19が等間隔に3つずつ設けられている場合について説明する。
ここでは、説明を簡単にするために、ランド部形成領域33における未塗布部と貫通孔18の関係について説明する。
【0032】
スクリーン版30のランド部形成領域33には、3つのスリット状の未塗布部35(35A,35B,35C)が等間隔に並列に設けられたスリット形成領域が設けられている。
なお、ここでは、ランド部形成領域33において、最も外側に設けられたスリット状の未塗布部35(35B,35C)にて囲まれる領域(図4では、縦がL、横がM1の長方形の領域)をスリット形成領域とする。
また、未塗布部35の形状は、平面視長方形状をなしており、全ての未塗布部35の幅Wは等しくなっており、また、全ての未塗布部35の長さLは等しくなっている。すなわち、3つの平面視長方形状の未塗布部35が等間隔に設けられている。このランド部形成領域33における未塗布部35以外の部分は、導電性ペーストが透過し、ランド部パターン14Aの概略形状を形成する部分である。
【0033】
また、この実施形態において、ランド部形成領域33には、3つのスリット状の未塗布部35が等間隔に設けられたスリット形成領域が設けられているとは、ランド部形成領域33のy方向(紙面の横方向)に沿って、ランド部形成領域33の一方の縁部から他方の縁部にわたって設けられた未塗布部35が、ランド部形成領域33のx方向(紙面の縦方向)に沿って、等間隔に配設されていることを言う。
【0034】
また、スクリーン版30としては、スリット形成領域の中心、すなわち、3つの未塗布部35のうち中央の未塗布部35Aの中心に、3つの貫通孔18のうち中央の貫通孔18Aの中心を重ねて配置した場合、ランド部形成領域33において、(1)貫通孔18の直径をD、(2)3つの貫通孔18のうち隣り合う2つの貫通孔18のピッチ(貫通孔18の中心間距離)をP1、(3)未塗布部35の幅をW、(4)3つの未塗布部35のうち隣り合う2つの未塗布部35のピッチ(未塗布部35の長さ方向に沿う中心線間距離)をP2、(5)ランド部形成領域33のx方向に沿って、未塗布部35Aと隣り合う(x方向の右隣りの)未塗布部35Bにおけるスリット形成領域の中心側の端から、貫通孔18Aと隣り合う(x方向の右隣りの)貫通孔18Bまでの距離をN1、(6)ランド部形成領域33のx方向に沿って、未塗布部35Aと隣り合う(x方向の左隣りの)未塗布部35Cにおけるスリット形成領域の中心側の端から、貫通孔18Aと隣り合う(x方向の左隣りの)貫通孔18Cまでの距離をN2、(7)未塗布部35の長さをL、(8)貫通孔18に対して必要とされる未塗布部35の重なり量(幅)をγ、(9)ランド部パターン14Aにおいて、導電性ペーストの未塗布部分の長さ方向に許容される位置ズレの幅、すなわち、ランド部形成領域33において、未塗布部35の長さ方向に許容される位置ズレの幅を2δ(y方向の一方向における位置ズレの幅をδ)とすると、貫通孔18の一部に必ず導電性ペーストが入り込むように、未塗布部35の幅Wが貫通孔18の直径Dよりも小さい必要があるので、D>Wとなる。また、ランド部形成領域33のx方向において未塗布部35Aが位置ズレして貫通孔18Aを外れた際に、未塗布部35Bもしくは未塗布部35Cが、貫通孔18Bもしくは貫通孔18Cに重なるので、予め貫通孔18Aから未塗布部35Aが外れる距離(1/2)D+(1/2)Wから、貫通孔18に対して必要とされる未塗布部35の重なり量(幅)γを引いた距離の分、貫通孔18Bもしくは貫通孔18Cから離れたところに、各々の未塗布部35Bもしくは未塗布部35Cを配置する必要があるため、N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γとなる。さらに、ランド部形成領域33のy方向において、例えば、未塗布部35Aが位置ズレしても、確実に貫通孔18Aに重なるためには、未塗布部35の長さLが、貫通孔18のy方向の距離(貫通孔18の直径D)との間にL≧D+2δの関係を満たすようなスリット形成領域を有するものが用いられる。
【0035】
このようにすれば、スクリーン版30のスリット形成領域は、未塗布部35Aの中心に、貫通孔18Aの中心が重なるように、ランド部形成領域33のスリット形成領域を配置した位置から、そのスリット形成領域が、ランド部形成領域33の幅方向(x方向の右側)にずれて、未塗布部35Aが、貫通孔18Aと重なる位置から外れ始めるにしたがって、未塗布部35Aと隣り合う(x方向の右隣りの)未塗布部35Bが、貫通孔18Aと隣り合う(x方向の右隣りの)貫通孔18Bに重なり始めるか、あるいは、ランド部形成領域33の幅方向(x方向の左側)にずれて、未塗布部35Aが、貫通孔18Aと重なる位置から外れ始めるにしたがって、未塗布部35Aと隣り合う(x方向の左隣りの)未塗布部35Cが、貫通孔18Aと隣り合う(x方向の左隣りの)貫通孔18Cに重なり始めるという関係を満たす。
したがって、基板11の一方の面11aに対する導電性ペーストの印刷において、スクリーン版30のランド部形成領域33の位置ズレが生じたとしても、未塗布部35の少なくとも一部が貫通孔18の開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と重なる。
【0036】
具体的には、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図4に示す状態から、そのx方向の右側に(1/2)Dずれた場合(図5に示す状態)、貫通孔18Aに未塗布部35Aが重なる量が減少するが、貫通孔18Bに未塗布部35Bが重なる量が増加する。
したがって、さらに、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、x方向の右側にずれると、貫通孔18Aと未塗布部35Aが重ならなくなる一方、貫通孔18Bの開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と未塗布部35Bが完全に重なる。
【0037】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図4に示す状態から、そのx方向の右側にDずれた場合(図6に示す状態)、未塗布部35Bの中心に、貫通孔18Bの中心が重なるとともに、貫通孔18Aに未塗布部35Cが重なる量が増加する。
すなわち、図5に示す状態から、図6に示す状態に至るまでに、(1)貫通孔18Aと未塗布部35Aが重ならなくなる一方、貫通孔18Bの開口部と未塗布部35Bが重なる過程と、(2)貫通孔18Bの開口部と未塗布部35Bが重なったまま、貫通孔18Aに未塗布部35Cが重なり始める過程を経る。
【0038】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図4に示す状態から、そのx方向の右側に(3/2)Dずれた場合(図7に示す状態)、貫通孔18Bに未塗布部35Bが重なる量が減少するが、未塗布部35Cの中心に、貫通孔18Aの中心が重なる。
【0039】
ここでは、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図4に示す状態から、そのx方向の右側にずれた場合を例示したが、x方向の左側にずれた場合も同様である。
【0040】
なお、上記のN1およびN2と、上記の直径Dおよび幅Wとの関係式:N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γにおいて、貫通孔18に対して必要とされる未塗布部35の重なり量(幅)γ、言い換えれば、貫通孔18の内部に導電性ペーストをスムーズに流下させるために必要な、貫通孔18に対する未塗布部35の重なり量(幅)γを大きくすると、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図4に示す状態から、そのx方向の右側または左側にずれた場合、より少ないずれ量で、未塗布部35Aと隣り合う未塗布部35B,35Cが、貫通孔18Aと隣り合う貫通孔18B,18Cと重なるようになる。
【0041】
また、工程Aでは、ランド部パターン14A(ランド部形成領域33)に形成されたスリット形成領域の中心に貫通孔18Aが配置されるように、ランド部パターン14Aを形成するが、実際には、導電性ペーストの塗布(印刷)時に、版がずれた場合、貫通孔18に対してランド部形成領域33のスリット形成領域も位置ズレを生じることがあるため、ランド部形成領域33は、その位置ズレを許容した大きさである必要がある。
【0042】
そこで、ランド部形成領域33のスリット形成領域の中心を基準として、予想されるランド部形成領域33のスリット形成領域のy方向(紙面の縦方向、未塗布部35の長さ方向)の一方向における位置ズレの幅をδ、貫通孔18の直径をDとした場合、未塗布部35の長さLは、L≧D+2δの関係式を満たす必要がある。
【0043】
また、この実施形態では、ランド部形成領域33のスリット形成領域の中心を基準として、予想されるランド部形成領域33のスリット形成領域のx方向の一方向における位置ズレの幅を(3/2)Dとしたので、未塗布部35の幅をWとすると、ランド部形成領域33のx方向において、3つの未塗布部35A,35B,35Cを一塊としたときの左端から右端までの長さM1は、M1≧W+2×(3/2)D=W+3Dの関係式を満たす必要がある。
【0044】
なお、さらに大きなx方向への位置ズレが予想される場合、未塗布部35A,35B,35Cと同様の関係を満たすようにして、ランド部形成領域33のx方向において、未塗布部35Bの右隣りに未塗布部35Dを設け、未塗布部35Cの左隣りに未塗布部35Eを設ける。
このように未塗布部35D,35Eを設けた場合、未塗布部35A,35B,35C,35D,35Eは等間隔に設けられているので、ランド部形成領域33のスリット形成領域の中心を基準として、予想されるランド部形成領域33のスリット形成領域のx方向の一方向における位置ズレの幅は(3/2)D×2=3Dとなる。ゆえに、未塗布部35の幅をWとすると、ランド部形成領域33のx方向において、5つの未塗布部35A,35B,35C,35D,35Eを一塊としたときの左端から右端までの長さM2は、M2≧W+2×3D=W+6Dの関係式を満たす必要がある。
【0045】
さらに、未塗布部35により形成される導電性ペーストの未塗布部分によって、ランド部パターン14Aがその縁部で断線するのを防止するために、ランド部形成領域33のx方向の長さXは、上記の長さM1またはM2よりも大きく(X>M1またはX>M2)なっている。同様に、ランド部形成領域33のy方向の長さYは、上記の未塗布部33aの長さLよりも大きく(Y>L)なっている。
なお、上記のようにスリット形成領域を定義した場合、メッシュ領域33は、スリット形成領域よりも大きな領域であればよく、その形状は特に限定されず、円形や楕円形などであってもよい。
【0046】
このようなスクリーン版30を用いて、印刷により、貫通孔18が設けられた基板11の一方の面11aに、導電性ペーストからなるランド部パターン14Aを形成すると、ランド部パターン14Aには、導電性ペーストの未塗布部分がスリット状に、等間隔に並列に3つ設けられたスリット形成領域が設けられる。すなわち、ランド部形成領域33の未塗布部35では、導電性ペーストが通らなくなるので、その部分は導電性ペーストが塗布されず、未塗布部分となる。
【0047】
したがって、スクリーン版30を用いることにより、ランド部形成領域33によって形成されたランド部パターン14Aにおいても、スリット形成領域の中心に、貫通孔18Aの中心を重ねて配置した場合、(1)貫通孔18の直径をD、(2)3つの貫通孔18のうち隣り合う2つの貫通孔18のピッチをP1、(3)未塗布部分の幅をW、(4)3つの未塗布部分のうち隣り合う2つの未塗布部分のピッチをP2、(5)ランド部パターン14Aのx方向に沿って、中央の未塗布部分と隣り合う(x方向の右隣りの)未塗布部分における未塗布部35Bの中心側の端から、貫通孔18Aと隣り合う(x方向の右隣りの)貫通孔18Bまでの距離をN1、(6)ランド部パターン14Aのx方向に沿って、中央の未塗布部分と隣り合う(x方向の左隣りの)未塗布部分における未塗布部35Cの中心側の端から、貫通孔18Aと隣り合う(x方向の左隣りの)貫通孔18Cまでの距離をN2、(7)未塗布部分の長さをL、(8)貫通孔18に対して必要とされる未塗布部分の重なり量(幅)をγ、(9)ランド部パターン14Aにおいて、未塗布部分の長さ方向に許容される位置ズレの幅を2δとすると、D>W、N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γ、L≧D+2δの関係を満たすようなスリット形成領域を有するランド部パターン14Aが形成される。
【0048】
このように、スクリーン版30を用いて、印刷により、導電性ペーストからなるランド部パターン14Aを形成すれば、基板11の一方の面11aに対する導電性ペーストの印刷において、スクリーン版30のランド部形成領域33の位置ズレが生じたとしても、貫通孔18の内側面に、導電パターン20Aを形成する導電性ペーストを十分に塗布することができる。
【0049】
言い換えれば、貫通孔18に対して、スクリーン版30のランド部形成領域33が、例えば、図4に示す位置から、図5〜7に示す位置にずれたとしても、未塗布部35の少なくとも一部が貫通孔18の開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と重なるので、貫通孔18の内側面に、導電パターン20Aを形成する導電性ペーストを十分に塗布することができる。
【0050】
「工程Aの第二の実施形態」
図8〜14を参照して、工程Aの第二の実施形態を説明する。
ここでも、説明を簡単にするために、ランド部形成領域33における未塗布部と貫通孔18の関係について説明する。
この実施形態では、基板11の一方の面11aに形成されるランド部14に対応する貫通孔18が、間隔を置いて3つ設けられている場合について説明する。
【0051】
スクリーン版30のランド部形成領域33には、2つのスリット状の未塗布部36(36A,36B)が間隔を置いて並列に設けられたスリット形成領域が設けられている。
なお、ここでは、ランド部形成領域33において、2つのスリット状の未塗布部36にて囲まれる領域(図8では、縦がL、横がMの長方形の領域)をスリット形成領域とする。
また、未塗布部36の形状は、平面視長方形状をなしており、2つの未塗布部36の幅Wは等しくなっており、また、2つの未塗布部36の長さLは等しくなっている。このランド部形成領域33における未塗布部36以外の部分は、導電性ペーストを透過し、ランド部パターン14Aの概略形状を形成する部分である。
【0052】
また、この実施形態において、ランド部形成領域33には、2つのスリット状の未塗布部36が間隔を置いて並列に設けられたスリット形成領域が設けられているとは、ランド部形成領域33のy方向(紙面の横方向)に沿って、ランド部形成領域33の一方の縁部から他方の縁部にわたって設けられた未塗布部36が、ランド部形成領域33のx方向(紙面の縦方向)に沿って、間隔を置いて並列に配設されていることを言う。
【0053】
また、スクリーン版30としては、2つの未塗布部36のうち、ランド部形成領域33のx方向左側の未塗布部36Aの中心に、3つの貫通孔18のうち、ランド部形成領域33のx方向左端の貫通孔18Aの中心を重ねて配置した場合、ランド部形成領域33において、(1)貫通孔18の直径をD、(2)3つの貫通孔18のうち、ランド部形成領域33のx方向左端の貫通孔18Aと、中央の貫通孔18Bとのピッチ(貫通孔18の中心間距離)をP11、(3)3つの貫通孔18のうち、ランド部形成領域33のx方向右端の貫通孔18Cと、中央の貫通孔18Bとのピッチ(貫通孔18の中心間距離)をP12、(4)未塗布部36の幅をW、(5)2つの未塗布部36のピッチ(未塗布部36の長さ方向に沿う中心線間距離)をP13、(6)ランド部形成領域33のx方向に沿って、未塗布部36Bにおけるスリット形成領域の中心側の端から、3つの貫通孔18のうち、ランド部形成領域33のx方向右端の貫通孔18Cまでの距離をN1、(7)ランド部形成領域33のx方向に沿って、未塗布部36Bにおけるランド部形成領域33の右側の端から、3つの貫通孔18のうち、中央の貫通孔18Bまでの距離をN2、(8)未塗布部36の長さをL、(9)貫通孔18に対して必要とされる未塗布部36の重なり量(幅)をγ、(10)ランド部パターン14Aにおいて、導電性ペーストの未塗布部分の長さ方向に許容される位置ズレの幅、すなわち、ランド部形成領域33において、未塗布部36の長さ方向に許容される位置ズレの幅を2δとすると、第一の実施形態と同様に、D>W、N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γ、L≧D+2δの関係を満たし、また、貫通孔18Aとその隣りに位置する貫通孔18Bが重ならないように、P11>Dを満たし、また、未塗布部36Bは貫通孔18Aの隣の貫通孔18Bより右側に位置し、かつ、貫通孔18Cより左側に位置することにより、未塗布部36Aが左右に位置ズレして貫通孔18Aから外れても、未塗布部36Bが左右の貫通孔18Bもしくは貫通孔18Cに重なることができるように、P13>P11の関係を満たすようなスリット形成領域を有するものが用いられる。
【0054】
このようにすれば、ランド部形成領域33のスリット形成領域は、未塗布部36Aの中心に、貫通孔18Aの中心が重なるように、ランド部形成領域33のスリット形成領域を配置した位置から、そのスリット形成領域が、ランド部形成領域33の幅方向(x方向の右側あるいは左側)にずれて、未塗布部36Aが、貫通孔18Aと重なる位置から外れ始めるにしたがって、未塗布部36Aと隣り合う(x方向の右隣りの)未塗布部36Bが、貫通孔18Aの右側に配設された貫通孔18Bあるいは貫通孔18Cに重なり始めるという関係を満たす。
したがって、基板11の一方の面11aに対する導電性ペーストの印刷において、ランド部形成領域33のランド部形成領域33の位置ズレが生じたとしても、未塗布部36の少なくとも一部が貫通孔18の開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と重なる。
【0055】
具体的には、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図8に示す状態から、そのx方向の右側に(1/2)Dずれた場合(図9に示す状態)、貫通孔18Aに未塗布部36Aが重なる量が減少するが、貫通孔18Cに未塗布部36Bが重なる量が増加する。
したがって、さらに、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、x方向の右側にずれると、貫通孔18Aと未塗布部36Aが重ならなくなる一方、貫通孔18Cの開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と未塗布部36Bが完全に重なる。
【0056】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図8に示す状態から、そのx方向の右側にDずれた場合(図10に示す状態)、未塗布部36Bの中心に、貫通孔18Cの中心が重なるとともに、貫通孔18Aに未塗布部36Aが重ならなくなる。
【0057】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図8に示す状態から、そのx方向の右側に(3/2)Dずれた場合(図11に示す状態)、貫通孔18Cに未塗布部36Bが重なる量が減少する。
【0058】
なお、上記のN1およびN2と、上記の直径Dおよび幅Wとの関係式:N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γにおいて、貫通孔18に対して必要とされる未塗布部36の重なり量(幅)γ、言い換えれば、貫通孔18の内部に導電性ペーストをスムーズに流下させるために必要な、貫通孔18に対する未塗布部36の重なり量(幅)γを大きくすると、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図8に示す状態から、そのx方向の右側にずれた場合、より少ないずれ量で、未塗布部36Bが、貫通孔18Cと重なるようになる。
【0059】
一方、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図8に示す状態から、そのx方向の左側に(1/2)Dずれた場合(図12に示す状態)、貫通孔18Aに未塗布部36Aが重なる量が減少するが、貫通孔18Bに未塗布部36Bが重なる量が増加する。
したがって、さらに、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、x方向の左側にずれると、貫通孔18Aと未塗布部36Aが重ならなくなる一方、貫通孔18Bの開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と未塗布部36Bが完全に重なる。
【0060】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図8に示す状態から、そのx方向の左側にDずれた場合(図13に示す状態)、未塗布部36Bの中心に、貫通孔18Bの中心が重なるとともに、貫通孔18Aに未塗布部36Aが重ならなくなる。
【0061】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図8に示す状態から、そのx方向の右側に(3/2)Dずれた場合(図14に示す状態)、貫通孔18Bに未塗布部36Bが重なる量が減少する。
【0062】
なお、上記のN1およびN2と、上記の直径Dおよび幅Wとの関係式:N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γにおいて、貫通孔18に対して必要とされる未塗布部36の重なり量(幅)γ、言い換えれば、貫通孔18の内部に導電性ペーストをスムーズに流下させるために必要な、貫通孔18に対する未塗布部36の重なり量(幅)γを大きくすると、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図8に示す状態から、そのx方向の左側にずれた場合、より少ないずれ量で、未塗布部36Bが、貫通孔18Bと重なるようになる。
【0063】
また、工程Aでは、未塗布部36Aの中心に、貫通孔18Aの中心が重なるように、ランド部パターン14Aを形成するが、実際には、導電性ペーストの塗布(印刷)時に、貫通孔18に対してランド部形成領域33のスリット形成領域を配置する際に位置ズレを生じることがあるため、ランド部形成領域33は、その位置ズレを許容した大きさである必要がある。
【0064】
そこで、未塗布部36Aの中心に、貫通孔18Aの中心が重なるように、ランド部形成領域33のスリット形成領域を配置した位置を基準として、予想されるランド部形成領域33のスリット形成領域のy方向(紙面の縦方向、未塗布部36の長さ方向)の一方向における位置ズレの幅をδ、貫通孔18の直径をDとした場合、未塗布部36の長さLは、L≧D+2δの関係式を満たす必要がある。
【0065】
また、この実施形態では、未塗布部36Aの中心に、貫通孔18Aの中心が重なるように、ランド部形成領域33のスリット形成領域を配置した位置を基準として、予想されるランド部形成領域33のスリット形成領域のx方向の一方向における位置ズレの幅を(3/2)Dとしたので、未塗布部36の幅をWとすると、ランド部形成領域33のx方向において、2つの未塗布部36A,36Bを一塊としたときの左端から右端までの長さMは、M≧W+2×(3/2)D=W+3Dの関係式を満たす必要がある。
【0066】
さらに、未塗布部36により形成される導電性ペーストの未塗布部分によって、ランド部パターン14Aがその縁部で断線するのを防止するために、ランド部形成領域33のx方向の長さXは、上記の長さMよりも大きく(X>M)なっている。同様に、ランド部形成領域33のy方向の長さYは、上記の未塗布部36の長さLよりも大きく(Y>L)なっている。
なお、上記のようにスリット形成領域を定義した場合、ランド部形成領域33は、スリット形成領域よりも大きな領域であればよく、その形状は特に限定されず、円形や楕円形などであってもよい。
【0067】
このようなスクリーン版30を用いて、印刷により、貫通孔18が設けられた基板11の一方の面11aに、導電性ペーストからなるランド部パターン14Aを形成すると、ランド部パターン14Aには、導電性ペーストの未塗布部分がスリット状に、間隔を置いて並列に2つ設けられたスリット形成領域が設けられる。すなわち、ランド部形成領域33の未塗布部36では、導電性ペーストが通らなくなるので、その部分は導電性ペーストが塗布されず、未塗布部分となる。
【0068】
したがって、スクリーン版30を用いることにより、ランド部形成領域33によって形成されたランド部パターン14Aにおいても、2つの未塗布部分のうち、ランド部パターン14Aのx方向左側の未塗布部分の中心に、貫通孔18Aの中心を重ねて配置した場合、(1)貫通孔18の直径をD、(2)3つの貫通孔18のうち、ランド部パターン14Aのx方向左端の貫通孔18Aと、中央の貫通孔18BとのピッチをP11、(3)3つの貫通孔18のうち、ランド部パターン14Aのx方向右端の貫通孔18Cと、中央の貫通孔18BとのピッチをP12、(4)未塗布部分の幅をW、(5)2つの未塗布部分のピッチをP13、(6)ランド部パターン14Aのx方向に沿って、右側の未塗布部分におけるランド部パターン14Aの中心側の端から、3つの貫通孔18のうち、ランド部パターン14Aのx方向右端の貫通孔18Cまでの距離をN1、(7)ランド部パターン14Aのx方向に沿って、右側の未塗布部分におけるランド部パターン14Aの右側の端から、3つの貫通孔18のうち、中央の貫通孔18Bまでの距離をN2、(8)未塗布部分の長さをL、(9)貫通孔18に対して必要とされる未塗布部分の重なり量(幅)をγ、(10)ランド部パターン14Aにおいて、未塗布部分の長さ方向に許容される位置ズレの幅を2δとすると、D>W、N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γ、L≧D+2δ、P11>D、P13>P11の関係を満たすようなスリット形成領域を有するランド部パターン14Aが形成される。
【0069】
このように、スクリーン版30を用いて、印刷により、導電性ペーストからなるランド部パターン14Aを形成すれば、基板11の一方の面11aに対する導電性ペーストの印刷において、スクリーン版30のランド部形成領域33の位置ズレが生じたとしても、貫通孔18の内側面に、導電パターン20Aを形成する導電性ペーストを十分に塗布することができる。
【0070】
言い換えれば、貫通孔18に対して、スクリーン版30のランド部形成領域33が、例えば、図8に示す位置から、図9〜14に示す位置にずれたとしても、未塗布部36の少なくとも一部が貫通孔18の開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と重なるので、貫通孔18の内側面に、導電パターン20Aを形成する導電性ペーストを十分に塗布することができる。
【0071】
「工程Aの第三の実施形態」
図15〜21を参照して、工程Aの第三の実施形態を説明する。
ここでも、説明を簡単にするために、ランド部形成領域33における未塗布部と貫通孔18の関係について説明する。
この実施形態では、基板11の一方の面11aに形成されるランド部14に対応する貫通孔18が、間隔を置いて2つ設けられている場合について説明する。
【0072】
スクリーン版30のランド部形成領域33には、3つのスリット状の未塗布部37(37A,37B,37C)が間隔を置いて並列に設けられたスリット形成領域が設けられている。
なお、ここでは、ランド部形成領域33において、最も外側に設けられたスリット状の未塗布部37(37A,37C)にて囲まれる領域(図15では、縦がL、横がMの長方形の領域)をスリット形成領域とする。
また、未塗布部37の形状は、平面視長方形状をなしており、3つの未塗布部37の幅Wは等しくなっており、また、3つの未塗布部37の長さLは等しくなっている。このランド部形成領域33における未塗布部37以外の部分は、導電性ペーストを透過し、ランド部パターン14Aの概略形状を形成する部分である。
【0073】
また、この実施形態において、ランド部形成領域33には、3つのスリット状の未塗布部37が間隔を置いて並列に設けられたスリット形成領域が設けられているとは、ランド部形成領域33のy方向(紙面の横方向)に沿って、ランド部形成領域33の一方の縁部から他方の縁部にわたって設けられた未塗布部37が、ランド部形成領域33のx方向(紙面の縦方向)に沿って、間隔を置いて並列に配設されていることを言う。
【0074】
また、スクリーン版30としては、3つの未塗布部37のうち、ランド部形成領域33のx方向左端の未塗布部37Aの中心に、2つの貫通孔18のうち、ランド部形成領域33のx方向左側の貫通孔18Aの中心を重ねて配置した場合、ランド部形成領域33において、(1)貫通孔18の直径をD、(2)2つの貫通孔18Aと貫通孔18Bのピッチ(貫通孔18の中心間距離)をP21、(3)未塗布部37の幅をW、(4)3つの未塗布部37のうち、ランド部形成領域33のx方向左端の未塗布部37Aと、中央の未塗布部37Bとのピッチ(未塗布部37の長さ方向に沿う中心線間距離)をP22、(5)3つの未塗布部37のうち、ランド部形成領域33のx方向右端の未塗布部37Cと、中央の未塗布部37Bとのピッチ(未塗布部37の長さ方向に沿う中心線間距離)をP23、(6)ランド部形成領域33のx方向に沿って、未塗布部37Bにおけるメッシュ領域33の中心側の端から、貫通孔18Bまでの距離をN1、(7)ランド部形成領域33のx方向に沿って、未塗布部37Cにおけるランド部形成領域33の右側の端から、貫通孔18Bまでの距離をN2、(8)未塗布部37の長さをL、(9)貫通孔18に対して必要とされる未塗布部37の重なり量(幅)をγ、(10)ランド部パターン14Aにおいて、導電性ペーストの未塗布部分の長さ方向に許容される位置ズレの幅、すなわち、ランド部形成領域33において、未塗布部37の長さ方向に許容される位置ズレの幅を2δとすると、第一の実施形態と同様に、D>W、P21>P22、N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γ、L≧D+2δの関係を満たし、また、貫通孔18Aに未塗布部37Bが重ならないように、P22>(1/2)(D+W)の関係を満たすようなスリット形成領域を有するものが用いられる。
【0075】
このようにすれば、ランド部形成領域33のスリット形成領域は、未塗布部37Aの中心に、貫通孔18Aの中心が重なるように、ランド部形成領域33のスリット形成領域を配置した位置から、そのスリット形成領域が、ランド部形成領域33の幅方向(x方向の右側あるいは左側)にずれて、未塗布部37Aが、貫通孔18Aと重なる位置から外れ始めるにしたがって、未塗布部37Aと隣り合う(x方向の右隣りの)未塗布部37Bが、貫通孔18Aの右隣りに配設された貫通孔18Bに重なり始めるか、あるいは、未塗布部37Aのx方向の右側の(未塗布部37Bの右隣り)未塗布部37Cが、貫通孔18Aの右隣りに配設された貫通孔18Bに重なり始めるという関係を満たす。
したがって、基板11の一方の面11aに対する導電性ペーストの印刷において、スクリーン版30のランド部形成領域33の位置ズレが生じたとしても、未塗布部37の少なくとも一部が貫通孔18の開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と重なる。
【0076】
具体的には、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図15に示す状態から、そのx方向の右側に(1/2)Dずれた場合(図16に示す状態)、貫通孔18Aに未塗布部37Aが重なる量が減少するが、貫通孔18Bに未塗布部37Bが重なる量が増加する。
したがって、さらに、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、x方向の右側にずれると、貫通孔18Aと未塗布部37Aが重ならなくなる一方、貫通孔18Bの開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と未塗布部37Bが完全に重なる。
【0077】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図15に示す状態から、そのx方向の右側にDずれた場合(図17に示す状態)、未塗布部37Bの中心に、貫通孔18Bの中心が重なるとともに、貫通孔18Aに未塗布部37Aが重ならなくなる。
【0078】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図15に示す状態から、そのx方向の右側に(3/2)Dずれた場合(図18に示す状態)、貫通孔18Bに未塗布部37Bが重なる量が減少する。
【0079】
なお、上記のN1およびN2と、上記の直径Dおよび幅Wとの関係式:N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γにおいて、貫通孔18に対して必要とされる未塗布部37の重なり量(幅)γ、言い換えれば、貫通孔18の内部に導電性ペーストをスムーズに流下させるために必要な、貫通孔18に対する未塗布部37の重なり量(幅)γを大きくすると、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図15に示す状態から、そのx方向の右側にずれた場合、より少ないずれ量で、未塗布部37Bが、貫通孔18Bと重なるようになる。
【0080】
一方、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図15に示す状態から、そのx方向の左側に(1/2)Dずれた場合(図19に示す状態)、貫通孔18Aに未塗布部37Aが重なる量が減少するが、貫通孔18Bに未塗布部37Cが重なる量が増加する。
したがって、さらに、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、x方向の左側にずれると、貫通孔18Aと未塗布部37Aが重ならなくなる一方、貫通孔18Bの開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と未塗布部37Cが完全に重なる。
【0081】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図15に示す状態から、そのx方向の左側にDずれた場合(図20に示す状態)、未塗布部37Cの中心に、貫通孔18Bの中心が重なるとともに、貫通孔18Aに未塗布部37Aが重ならなくなる。
【0082】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図15に示す状態から、そのx方向の右側に(3/2)Dずれた場合(図21に示す状態)、貫通孔18Bに未塗布部37Cが重なる量が減少する。
【0083】
なお、上記のN1およびN2と、上記の直径Dおよび幅Wとの関係式:N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γにおいて、貫通孔18に対して必要とされる未塗布部37の重なり量(幅)γ、言い換えれば、貫通孔18の内部に導電性ペーストをスムーズに流下させるために必要な、貫通孔18に対する未塗布部37の重なり量(幅)γを大きくすると、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図15に示す状態から、そのx方向の左側にずれた場合、より少ないずれ量で、未塗布部37Cが、貫通孔18Bと重なるようになる。
【0084】
また、工程Aでは、未塗布部37Aの中心に、貫通孔18Aの中心が重なるように、ランド部パターン14Aを形成するが、実際には、導電性ペーストの塗布(印刷)時に、貫通孔18に対してランド部形成領域33のスリット形成領域を配置する際に位置ズレを生じることがあるため、ランド部形成領域33は、その位置ズレを許容した大きさである必要がある。
【0085】
そこで、未塗布部37Aの中心に、貫通孔18Aの中心が重なるように、ランド部形成領域33のスリット形成領域を配置した位置を基準として、予想されるランド部形成領域33のスリット形成領域のy方向(紙面の縦方向、未塗布部37の長さ方向)の一方向における位置ズレの幅をδ、貫通孔18の直径をDとした場合、未塗布部37の長さLは、L≧D+2δの関係式を満たす必要がある。
【0086】
また、この実施形態では、未塗布部37Aの中心に、貫通孔18Aの中心が重なるように、ランド部形成領域33のスリット形成領域を配置した位置を基準として、予想されるランド部形成領域33のスリット形成領域のx方向の一方向における位置ズレの幅を(3/2)Dとしたので、未塗布部37の幅をWとすると、ランド部形成領域33のx方向において、3つの未塗布部37A,37B,37Cを一塊としたときの左端から右端までの長さMは、M≧W+2×(3/2)D=W+3Dの関係式を満たす必要がある。
【0087】
さらに、未塗布部37により形成される導電性ペーストの未塗布部分によって、ランド部パターン14Aがその縁部で断線するのを防止するために、ランド部形成領域33のx方向の長さXは、上記の長さMよりも大きく(X>M)なっている。同様に、ランド部形成領域33のy方向の長さYは、上記の未塗布部37の長さLよりも大きく(Y>L)なっている。
なお、上記のようにスリット形成領域を定義した場合、ランド部形成領域33は、スリット形成領域よりも大きな領域であればよく、その形状は特に限定されず、円形や楕円形などであってもよい。
【0088】
このようなスクリーン版30を用いて、印刷により、貫通孔18が設けられた基板11の一方の面11aに、導電性ペーストからなるランド部パターン14Aを形成すると、ランド部パターン14Aには、導電性ペーストの未塗布部分がスリット状に、間隔を置いて並列に3つ設けられたスリット形成領域が設けられる。すなわち、ランド部形成領域33の未塗布部37では、導電性ペーストが通らなくなるので、その部分は導電性ペーストが塗布されず、未塗布部分となる。
【0089】
したがって、スクリーン版30を用いることにより、ランド部形成領域33によって形成されたランド部パターン14Aにおいても、3つの未塗布部分のうち、ランド部パターン14Aのx方向左端の未塗布部分の中心に、2つの貫通孔18のうち、ランド部パターン14Aのx方向左側の貫通孔18Aの中心を重ねて配置した場合、(1)貫通孔18の直径をD、(2)2つの貫通孔18Aと貫通孔18BのピッチをP21、(3)未塗布部分の幅をW、(4)3つの未塗布部分のうち、ランド部パターン14Aのx方向左端の未塗布部分と、中央の未塗布部分とのピッチをP22、(5)3つの未塗布部分のうち、ランド部パターン14Aのx方向右端の未塗布部分と、中央の未塗布部分とのピッチをP23、(6)ランド部パターン14Aのx方向に沿って、中央の未塗布部分におけるランド部パターン14Aの中心側の端から、貫通孔18Bまでの距離をN1、(7)ランド部パターン14Aのx方向に沿って、右端の未塗布部分におけるランド部パターン14Aの右側の端から、貫通孔18Bまでの距離をN2、(8)未塗布部分の長さをL、(9)貫通孔18に対して必要とされる未塗布部分の重なり量(幅)をγ、(10)ランド部パターン14Aにおいて、導電性ペーストの未塗布部分の長さ方向に許容される位置ズレの幅、すなわち、ランド部形成領域33において、未塗布部分の長さ方向に許容される位置ズレの幅を2δとすると、D>W、P21>P22、N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γ、L≧D+2δ、P22>(1/2)(D+W)の関係を満たすようなスリット形成領域を有するランド部パターン14Aが形成される。
【0090】
このように、スクリーン版30を用いて、印刷により、導電性ペーストからなるランド部パターン14Aを形成すれば、基板11の一方の面11aに対する導電性ペーストの印刷において、スクリーン版30のランド部形成領域33の位置ズレが生じたとしても、貫通孔18の内側面に、導電パターン20Aを形成する導電性ペーストを十分に塗布することができる。
【0091】
言い換えれば、貫通孔18に対して、スクリーン版30のランド部形成領域33が、例えば、図8に示す位置から、図15〜21に示す位置にずれたとしても、未塗布部37の少なくとも一部が貫通孔18の開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と重なるので、貫通孔18の内側面に、導電パターン20Aを形成する導電性ペーストを十分に塗布することができる。
【0092】
次いで、配線パターン12A、ランド部パターン14A,15A、および、導電パターン20A,21Aを硬化させて、基板11の一方の面11aに配線12およびランド部14,15を形成するとともに、貫通孔18の内側面に貫通配線20の一部を形成し、かつ、貫通孔19の内側面に貫通配線21の一部を形成する(工程B)。
【0093】
この工程Bにおいて、熱硬化型の導電性ペーストを用いた場合、配線パターン12A、ランド部パターン14A,15A、および、導電パターン20A,21Aの一部が形成された基板11を、100〜150℃にて、20分〜60分加熱する。
また、工程Bにおいて、紫外線硬化型の導電性ペーストを用いた場合、基板11に形成された配線パターン12A、ランド部パターン14A,15A、および、導電パターン20A,21Aの一部に、紫外線を照射する。
【0094】
次いで、配線12、ランド部14,15、貫通配線20および貫通配線21の一部が形成された基板11を反転させて(裏返して)、配線12を下向きにし、基板11の他方の面11bを上向きにして、例えば、作業台などの平坦な面上に配置する。
【0095】
以下、上述の工程Aおよび工程Bと同様にして、基板11の他方の面11bに配線13およびランド部16,17を形成するとともに、貫通孔18の内側面に貫通配線20の一部を形成し、かつ、貫通孔19の内側面に貫通配線21の一部を形成する。これにより、基板11の一方の面11a側から形成した貫通配線20および貫通配線21の一部と、基板11の他方の面11b側から形成した貫通配線20および貫通配線21の一部とが連接して、貫通配線20と貫通配線21の形成が完了し、配線基板10を得る。
【0096】
この実施形態の配線基板の製造方法によれば、工程Aにおいて、基板に設けられた少なくとも2つの貫通孔18のうちの1つの貫通孔α1の中心に、複数の未塗布部のうちの1つの未塗布部分β1の中心が重なるように、スクリーン版30のランド部形成領域33のスリット形成領域を配置した位置から、スリット形成領域が、その幅方向にずれて、未塗布部分β1が、貫通孔α1と重なる位置から外れ始めるにしたがって、未塗布部分β1とは別の未塗布部分β2が、貫通孔α1と隣り合う貫通孔α2に重なり始めるという関係を満たすようなスリット形成領域を有するランド部パターンを形成するので、スクリーン版30のランド部形成領域33の位置ズレが生じた場合でも、未塗布部分(空気孔)の少なくとも一部が貫通孔18,19の開口部と重なるから、その未塗布部分(空気孔)により、貫通孔18,19内に空気が溜まり難くなり、貫通孔18,19の内部に導電性ペーストがスムーズに流下して、貫通孔18,19の内側面に、適量の導電性ペーストを塗布することができる。したがって、貫通孔18,19の内側面に塗布された導電性ペーストからなる導電パターン20A,21Aを硬化してなる貫通配線20,21に断線が生じなくなるから、貫通配線20,21の導通率をさらに向上させることができる。
【0097】
なお、この実施形態では、基板11の一方の面11aにコイル状の配線12を形成し、かつ、基板11の他方の面11bに直線状の配線13を形成する配線基板10の製造方法を例示したが、本発明の配線基板の製造方法はこれに限定されない。本発明の配線基板の製造方法にあっては、基板の一方の面および/または他方の面に形成する配線の形状は如何なる形状であってもよい。また、本発明の配線基板の製造方法にあっては、基板の一方の面または他方の面のいずれか一方に配線を形成し、その配線を基端とし、配線が形成されている面とは反対側の面に渡る貫通配線を形成し、その反対側の面にて、貫通配線の端部を露出させてもよい。そして、その貫通配線の端部に、電子部品の端子を接続してもよい。
【0098】
また、この実施形態では、ランド部の形状が平面視正方形状である場合を例示したが、本発明の配線基板の製造方法はこれに限定されない。本発明の配線基板の製造方法にあっては、ランド部の形状は平面視円形状、楕円形状などであってもよい。
【符号の説明】
【0099】
10・・・配線基板、11・・・基板、12,13・・・配線、14,15,16,17・・・ランド部、18,19・・・貫通孔、18a,19a・・・開口端部、20,21・・・貫通配線、30・・・スクリーン版、31・・・スクリーン基体、32・・・配線形成領域、33,34・・・ランド部形成領域、35,36,37・・・未塗布部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、貫通孔を有する基板の電極が設けられていない面に設けられた配線と、貫通孔の内側面に設けられ配線と電気的に接続された貫通配線と、を備えた配線基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、基板の両面に配線が形成され、これらの配線同士がスルーホールを介して電気的に接続された両面配線基板の製造方法としては、以下の方法が開示されている。
スルーホールを設けた基板の表面に、スクリーン印刷法などにより、流下性を有する銀ペーストなどの導電性ペーストにて第一の配線パターンを形成する。この際、スルーホールの上にも印刷する。
このように、基板の表面に導電性ペーストを印刷すると、導電性ペーストが直ちに、スルーホールの内側面を流下し、スルーホールの中央部で停止する。
【0003】
第一の配線パターンが形成された基板を加熱して、導電性ペーストを乾燥させた後、基板を上下逆にして、裏面側を上向きに配置する。
次いで、基板の裏面に、スクリーン印刷法などにより、流下性を有する導電性ペーストにて第二の配線パターンを形成する。この際、スルーホールの上にも印刷する。
このように、基板の裏面に導電性ペーストを印刷すると、導電性ペーストが直ちに、スルーホールの内側面を流下し、基板の裏面からの導電性ペーストの先端は、基板の表面側からの導電性ペーストの先端に接触し、導電性ペースト同士がわずかに重なり合う。
この状態で乾燥処理を施すことにより、基板の表面側の導電性ペーストと、基板の裏面側の導電性ペーストとが、スルーホールで電気的に接続された状態で固定される(例えば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−236891号公報
【特許文献2】特開2003−6589号公報
【特許文献3】特開2004−310718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の両面配線基板の製造方法では、印刷時に基板に対して導電性ペーストを塗布する力が弱いと、スルーホール内に導電性ペーストが十分に充填されないため、導電性ペーストを塗布する力を強くすると、スルーホールの上に印刷された導電性ペーストは、勢いよくスルーホールの内部に流下する。すると、銀ペーストなどの導電性ペーストは、それに含まれる銀粒子などの導電性粒子の比重が重いため、導電性ペーストがスルーホールの内部に留まることなく、落下してしまう。そのため、基板の表面または裏面に印刷された導電性ペーストと、スルーホールの内部に流下した導電性ペーストとは、基板の表面または裏面と、スルーホールとの境(スルーホールの開口端)にてちぎれてしまい、スルーホールの内部には導電性ペーストが残らずに、結果として、スルーホールの内部に配線が形成されないという問題があった。また、仮にスルーホールの内側面に導電性ペーストが残ったとしても、その導電性ペーストの量はわずかであるため、乾燥により導電性ペーストが収縮してしまい、結果として、基板の表面または裏面に形成された配線と、スルーホールの内側面に形成された配線とが、スルーホールの開口端にて断線するという問題があった。
また、導電性ペーストが、スルーホールから下に落ちずに、スルーホールの開口部を覆ってしまうことがある。この場合、スルーホール内には空気が溜まってしまうため、スルーホールの内側面に導電性ペーストが残らないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明者等は、印刷により、導電性ペーストからなる配線パターンを形成するとともに、配線パターンに貫通孔の中央部を少なくとも含む導電性ペーストの未塗布部分を設けることにより、上述の問題を解決できることを見出した。すなわち、本発明者等は、前記の導電性ペーストの未塗布部分がスルーホールの開口部に対向するように、印刷により、導電性ペーストからなる配線パターンを形成することにより、スルーホールの内側面に導電性ペーストを十分に塗布することができることを見出した。
【0007】
しかしながら、このような両面配線基板の製造では、基板にスルーホールを形成した後、基材の両面に、導電性ペーストを印刷するとともに、スルーホール上にも導電性ペーストを印刷して、スルーホール内に導電性ペーストを充填するが、その際、スルーホール上への導電性ペーストの印刷において版のずれにより未塗布部分の位置ズレが生じることがあった。そのため、スルーホールの内側面に導電性ペーストを十分に塗布することができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、基板の一方の面に、導電性ペーストにより配線を形成するとともに、基板に形成された貫通孔の内側面に導電性ペーストにより、基板の他方の面に形成された配線と電気的に接続された貫通配線を確実に形成することができる配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の配線基板の製造方法は、基板と、該基板に設けられた配線および該配線に連接するランド部と、前記基板の貫通孔の内側面に設けられ、前記配線と電気的に接続され、他方の面と電気的に接続するための貫通配線と、を備えた配線基板の製造方法であって、少なくとも2つの貫通孔が設けられた基板の一方の面に、印刷により、導電性ペーストからなる配線パターンと、前記貫通孔の開口端部を含み、前記配線パターンに連接する前記導電性ペーストからなるランド部パターンとを形成するとともに、前記ランド部パターンには、前記導電性ペーストの未塗布部分をスリット状に、間隔を置いて並列に複数設けたスリット形成領域を設けることにより、前記貫通孔の内側面に前記導電性ペーストからなる導電パターンを形成する工程Aと、前記配線パターン、前記ランド部パターンおよび前記導電パターンを硬化させて、配線、ランド部および貫通配線を形成する工程Bと、を有し、前記工程Aにおいて、前記少なくとも2つの貫通孔のうちの1つの貫通孔α1の中心に、前記複数の未塗布部分のうちの1つの未塗布部分β1の中心が重なるように、前記スリット形成領域を配置した位置から、前記スリット形成領域が、そのスリットの幅方向にずれて、前記未塗布部分β1が、前記貫通孔α1と重なる位置から外れ始めるにしたがって、前記未塗布部分β1とは別の未塗布部分β2が、前記貫通孔α1と隣り合う貫通孔α2に重なり始めるという関係を満たすような前記スリット形成領域を有する前記ランド部パターンを形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の配線基板の製造方法によれば、工程Aにおいて、基板に設けられた少なくとも2つの貫通孔のうちの1つの貫通孔α1の中心に、複数の導電性ペーストの未塗布部分のうちの1つの未塗布部分β1の中心が重なるように、スリット形成領域を配置した位置から、スリット形成領域が、その幅方向にずれて、未塗布部分β1が、貫通孔α1と重なる位置から外れ始めるにしたがって、未塗布部分β1とは別の未塗布部分β2が、貫通孔α1と隣り合う貫通孔α2に重なり始めるという関係を満たすようなスリット形成領域を有するランド部パターンを形成するので、印刷版のランド部パターンを形成する領域の位置ズレが生じた場合でも、導電性ペーストの未塗布部分(空気孔)の少なくとも一部が貫通孔の開口部と重なるから、その未塗布部分(空気孔)により、貫通孔内に空気が溜まり難くなり、貫通孔の内部に導電性ペーストがスムーズに流下して、貫通孔の内側面に、適量の導電性ペーストを塗布することができる。したがって、貫通孔の内側面に塗布された導電性ペーストからなる導電パターンを硬化してなる貫通配線に断線が生じなくなるから、貫通配線の導通率をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の配線基板の製造方法によって作製される配線基板の一実施形態を示す概略平面図であり、(a)は上面図、(b)は下面図である。
【図2】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態を示す概略平面図である。
【図3】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態を示し、印刷版の全体のイメージを表す模式図である。
【図4】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第一の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図5】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第一の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図6】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第一の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図7】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第一の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図8】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第二の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図9】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第二の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図10】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第二の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図11】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第二の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図12】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第二の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図13】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第二の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図14】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第二の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図15】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第三の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図16】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第三の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図17】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第三の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図18】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第三の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図19】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第三の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図20】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第三の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【図21】本発明の配線基板の製造方法の一実施形態において、工程Aの第三の実施形態を示し、ランド部パターンを形成する領域の詳細を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の配線基板の製造方法の実施の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0013】
図1は、本発明の配線基板の製造方法によって作製される配線基板の一実施形態を示す概略平面図であり、(a)は上面図、(b)は下面図である。
この実施形態の配線基板10は、基板11と、基板11の一方の面11aに設けられた配線12と、基板11の他方の面11bに設けられた配線13と、基板11の一方の面11aに設けられ、配線12と連接するランド部14,15と、基板11の他方の面11bに設けられ、配線13と連接するランド部16,17と、基板11の貫通孔18,19の内側面に設けられ、ランド部14とランド部16を電気的に接続する貫通配線20と、ランド部15とランド部17を電気的に接続する貫通配線21とから概略構成されている。
【0014】
配線12は、基板11の一方の面11aにおいて、ランド部14を始端とし、ランド部15を終端とするコイル状に形成されている。また、ランド部14とランド部15は、所定の間隔を置いて設けられている。
【0015】
貫通孔18,19は、基板11を厚み方向に貫通するように設けられた、平面視円形状の細孔である。すなわち、貫通孔18,19は、基板11の一方の面11aおよび他方の面11bに対して垂直に設けられている。
また、貫通孔18と貫通孔19は、所定の間隔を置いて設けられている。
【0016】
ランド部14,15は、貫通孔18,19内に貫通配線20,21を形成するために、導電性ペーストが塗布される領域であり、この領域内における貫通孔18,19に対して、導電性ペーストの塗布における位置ズレを許容する領域である。すなわち、ランド部14は、少なくとも貫通孔18の開口端部18aを含むように設けられている。同様に、ランド部15は、少なくとも貫通孔19の開口端部19aを含むように設けられている。
【0017】
配線13は、基板11の他方の面11bにおいて、ランド部16を始端とし、ランド部17を終端とする直線状に形成されている。また、ランド部16とランド部17は、所定の間隔を置いて設けられている。
【0018】
ランド部16,17は、貫通孔18,19内に貫通配線20,21を形成するために、導電性ペーストが塗布される領域であり、この領域内における貫通孔18,19に対して、導電性ペーストの塗布における位置ズレを許容する領域である。すなわち、ランド部16は、少なくとも貫通孔18の開口端部18aを含むように設けられている。同様に、ランド部17は、少なくとも貫通孔19の開口端部19aを含むように設けられている。
【0019】
そして、基板11の一方の面11aに設けられた配線12と、基板11の他方の面11bに設けられた配線13とは、貫通配線20,21を介して電気的に接続され、配線12と配線13が1つの回路を形成している。
【0020】
基板11としては、少なくとも表層部には、ガラス繊維、アルミナ繊維などの無機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたもの、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたものや、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した被覆部材や、ポリアミド系樹脂基板、ポリエステル系樹脂基板、ポリオレフィン系樹脂基板、ポリイミド系樹脂基板、エチレン−ビニルアルコール共重合体基板、ポリビニルアルコール系樹脂基板、ポリ塩化ビニル系樹脂基板、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基板、ポリスチレン系樹脂基板、ポリカーボネート系樹脂基板、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂基板、ポリエーテルスルホン系樹脂基板、(ガラス)エポキシ樹脂基板などのプラスチック基板や、あるいはこれらにマット処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理、オゾン処理、または各種易接着処理などの表面処理を施したものなどの公知のものから選択して用いられる。
【0021】
配線12,13、および、ランド部14,15,16,17は、導電性ペーストを用いて所定のパターンにスクリーン印刷により形成されたものである。
貫通配線20,21は、ランド部14,15、および、ランド部16,17の形成と同時に、導電性ペーストにより形成されたものである。
【0022】
導電性ペーストとしては、銀微粒子が樹脂組成物に配合された銀ペースト、カーボン微粒子が樹脂組成物に配合されたカーボンペーストなどが用いられる。
【0023】
樹脂組成物として熱硬化型樹脂を用いれば、導電性ペーストは、200℃以下、例えば、100〜150℃程度で配線12,13をなす塗膜を形成することができる熱硬化型となる。また、本発明における導電性ペーストとしては、熱硬化型の他にも、紫外線硬化型、熱可塑性樹脂などを用いた浸透乾燥型、溶剤揮発型といった公知のものが用いられる。
なお、本発明における導電性ペーストの「硬化」とは、熱硬化型樹脂を用いた導電性ペーストを加熱して硬化させること、浸透乾燥型の導電性ペーストが乾燥して硬化すること、溶剤揮発型の導電性ペーストから溶剤が揮発して硬化することなどを言う。
【0024】
紫外線硬化型の導電性ペーストは、光硬化性樹脂を樹脂組成物に含むものであり、硬化時間が短いので、製造効率を向上させることができる。
紫外線硬化型の導電性ペーストとしては、例えば、熱可塑性樹脂のみ、あるいは、熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特にポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、導電微粒子が60質量%以上配合され、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、溶剤揮発型かあるいは架橋/熱可塑併用型(ただし熱可塑型が50質量%以上である)のものや、熱可塑性樹脂のみ、あるいは、熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特にポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、架橋型かあるいは架橋/熱可塑併用型のものなどが好適に用いられる。
【0025】
次に、図1〜図21を参照して、この配線基板10の製造方法を例示し、本発明の配線基板の製造方法を説明する。
まず、基板11に、ドリルやレーザーなどにより、基板11の所定の位置に、基板11を厚み方向に貫通する貫通孔18,19を形成する。この時、貫通孔18と貫通孔19を、所定の間隔をおいて形成する。
【0026】
次いで、図2に示すように、貫通孔18,19が設けられた基板11の一方の面11aに、印刷により、導電性ペーストからなる配線パターン12Aと、貫通孔18,19の開口端部18a,19aを含み、配線パターン12Aに連接する導電性ペーストからなるランド部のパターン(以下、「ランド部パターン」という。)14A,15Aと、を形成するとともに、ランド部パターン14A,15Aには、導電性ペーストの未塗布部分(図示略)をスリット状に、間隔を置いて並列に複数設けたスリット形成領域を設ける。
これにより、基板11の一方の面11aに、ランド部パターン14A,15Aを形成するために塗布された導電性ペーストの一部(ランド部パターン14A,15Aを形成するために塗布された導電性ペーストのうち、貫通孔18,19の開口部を覆っている部分)が貫通孔18,19の内部に流下して、貫通孔18,19の内側面に、その導電性ペーストからなる導電パターン20A,21Aの一部が形成される(工程A)。
【0027】
ここで、導電性ペーストの未塗布部分とは、ランド部パターン14A,15Aにおいて、導電性ペーストが塗布されていない部分である。
【0028】
この工程Aにおいて、基板11の一方の面11aに形成される配線パターン12A、および、ランド部パターン14A,15Aの厚みは、2.5μm〜75μmであることが好ましく、より好ましくは17μm〜27μmである。
また、工程Aにおいて、貫通孔18,19の内側面に形成される導電パターン20A,21Aの厚みは、2.5μm〜75μmであることが好ましく、より好ましくは17μm〜27μmである。
【0029】
工程Aにおいて用いられる印刷法としては、粘性のある導電性ペーストを印刷できる方法であれば特に限定されず、基板の厚みなどに応じて、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷などの印刷版を用いる印刷法が適用される。
例えば、スクリーン印刷が適用される場合、印刷版としては、全体のイメージを表す模式図として図3で、ランド部パターンを形成する領域の詳細の模式図においては図4以降で説明するスクリーン版30が用いられる。詳細には、スクリーン版30は、スクリーン基体31と、スクリーン基体31の一方の面31aに沿って設けられた、配線パターン12Aを形成する配線形成領域32、および、ランド部パターン14A,15Aを形成するランド部形成領域33,34とから構成されている。配線形成領域32およびランド部形成領域33,34は、導電性ペーストの塗布部分である。
【0030】
また、ランド部形成領域33,34には、基板11の一方の面11aの所定の位置にスクリーン版30を配置した場合、貫通孔18,19と重なる部分が乳剤などにより塞がれてなる、導電性ペーストの未塗布部分(以下、「未塗布部」と言う。)が設けられている。そして、ランド部形成領域33,34には、複数のスリット状の未塗布部が設けられたスリット形成領域が設けられている。
【0031】
「工程Aの第一の実施形態」
図4〜7を参照して、工程Aの第一の実施形態を説明する。
この実施形態では、基板11の一方の面11aに形成されるランド部14,15に対応する貫通孔18,19が等間隔に3つずつ設けられている場合について説明する。
ここでは、説明を簡単にするために、ランド部形成領域33における未塗布部と貫通孔18の関係について説明する。
【0032】
スクリーン版30のランド部形成領域33には、3つのスリット状の未塗布部35(35A,35B,35C)が等間隔に並列に設けられたスリット形成領域が設けられている。
なお、ここでは、ランド部形成領域33において、最も外側に設けられたスリット状の未塗布部35(35B,35C)にて囲まれる領域(図4では、縦がL、横がM1の長方形の領域)をスリット形成領域とする。
また、未塗布部35の形状は、平面視長方形状をなしており、全ての未塗布部35の幅Wは等しくなっており、また、全ての未塗布部35の長さLは等しくなっている。すなわち、3つの平面視長方形状の未塗布部35が等間隔に設けられている。このランド部形成領域33における未塗布部35以外の部分は、導電性ペーストが透過し、ランド部パターン14Aの概略形状を形成する部分である。
【0033】
また、この実施形態において、ランド部形成領域33には、3つのスリット状の未塗布部35が等間隔に設けられたスリット形成領域が設けられているとは、ランド部形成領域33のy方向(紙面の横方向)に沿って、ランド部形成領域33の一方の縁部から他方の縁部にわたって設けられた未塗布部35が、ランド部形成領域33のx方向(紙面の縦方向)に沿って、等間隔に配設されていることを言う。
【0034】
また、スクリーン版30としては、スリット形成領域の中心、すなわち、3つの未塗布部35のうち中央の未塗布部35Aの中心に、3つの貫通孔18のうち中央の貫通孔18Aの中心を重ねて配置した場合、ランド部形成領域33において、(1)貫通孔18の直径をD、(2)3つの貫通孔18のうち隣り合う2つの貫通孔18のピッチ(貫通孔18の中心間距離)をP1、(3)未塗布部35の幅をW、(4)3つの未塗布部35のうち隣り合う2つの未塗布部35のピッチ(未塗布部35の長さ方向に沿う中心線間距離)をP2、(5)ランド部形成領域33のx方向に沿って、未塗布部35Aと隣り合う(x方向の右隣りの)未塗布部35Bにおけるスリット形成領域の中心側の端から、貫通孔18Aと隣り合う(x方向の右隣りの)貫通孔18Bまでの距離をN1、(6)ランド部形成領域33のx方向に沿って、未塗布部35Aと隣り合う(x方向の左隣りの)未塗布部35Cにおけるスリット形成領域の中心側の端から、貫通孔18Aと隣り合う(x方向の左隣りの)貫通孔18Cまでの距離をN2、(7)未塗布部35の長さをL、(8)貫通孔18に対して必要とされる未塗布部35の重なり量(幅)をγ、(9)ランド部パターン14Aにおいて、導電性ペーストの未塗布部分の長さ方向に許容される位置ズレの幅、すなわち、ランド部形成領域33において、未塗布部35の長さ方向に許容される位置ズレの幅を2δ(y方向の一方向における位置ズレの幅をδ)とすると、貫通孔18の一部に必ず導電性ペーストが入り込むように、未塗布部35の幅Wが貫通孔18の直径Dよりも小さい必要があるので、D>Wとなる。また、ランド部形成領域33のx方向において未塗布部35Aが位置ズレして貫通孔18Aを外れた際に、未塗布部35Bもしくは未塗布部35Cが、貫通孔18Bもしくは貫通孔18Cに重なるので、予め貫通孔18Aから未塗布部35Aが外れる距離(1/2)D+(1/2)Wから、貫通孔18に対して必要とされる未塗布部35の重なり量(幅)γを引いた距離の分、貫通孔18Bもしくは貫通孔18Cから離れたところに、各々の未塗布部35Bもしくは未塗布部35Cを配置する必要があるため、N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γとなる。さらに、ランド部形成領域33のy方向において、例えば、未塗布部35Aが位置ズレしても、確実に貫通孔18Aに重なるためには、未塗布部35の長さLが、貫通孔18のy方向の距離(貫通孔18の直径D)との間にL≧D+2δの関係を満たすようなスリット形成領域を有するものが用いられる。
【0035】
このようにすれば、スクリーン版30のスリット形成領域は、未塗布部35Aの中心に、貫通孔18Aの中心が重なるように、ランド部形成領域33のスリット形成領域を配置した位置から、そのスリット形成領域が、ランド部形成領域33の幅方向(x方向の右側)にずれて、未塗布部35Aが、貫通孔18Aと重なる位置から外れ始めるにしたがって、未塗布部35Aと隣り合う(x方向の右隣りの)未塗布部35Bが、貫通孔18Aと隣り合う(x方向の右隣りの)貫通孔18Bに重なり始めるか、あるいは、ランド部形成領域33の幅方向(x方向の左側)にずれて、未塗布部35Aが、貫通孔18Aと重なる位置から外れ始めるにしたがって、未塗布部35Aと隣り合う(x方向の左隣りの)未塗布部35Cが、貫通孔18Aと隣り合う(x方向の左隣りの)貫通孔18Cに重なり始めるという関係を満たす。
したがって、基板11の一方の面11aに対する導電性ペーストの印刷において、スクリーン版30のランド部形成領域33の位置ズレが生じたとしても、未塗布部35の少なくとも一部が貫通孔18の開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と重なる。
【0036】
具体的には、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図4に示す状態から、そのx方向の右側に(1/2)Dずれた場合(図5に示す状態)、貫通孔18Aに未塗布部35Aが重なる量が減少するが、貫通孔18Bに未塗布部35Bが重なる量が増加する。
したがって、さらに、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、x方向の右側にずれると、貫通孔18Aと未塗布部35Aが重ならなくなる一方、貫通孔18Bの開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と未塗布部35Bが完全に重なる。
【0037】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図4に示す状態から、そのx方向の右側にDずれた場合(図6に示す状態)、未塗布部35Bの中心に、貫通孔18Bの中心が重なるとともに、貫通孔18Aに未塗布部35Cが重なる量が増加する。
すなわち、図5に示す状態から、図6に示す状態に至るまでに、(1)貫通孔18Aと未塗布部35Aが重ならなくなる一方、貫通孔18Bの開口部と未塗布部35Bが重なる過程と、(2)貫通孔18Bの開口部と未塗布部35Bが重なったまま、貫通孔18Aに未塗布部35Cが重なり始める過程を経る。
【0038】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図4に示す状態から、そのx方向の右側に(3/2)Dずれた場合(図7に示す状態)、貫通孔18Bに未塗布部35Bが重なる量が減少するが、未塗布部35Cの中心に、貫通孔18Aの中心が重なる。
【0039】
ここでは、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図4に示す状態から、そのx方向の右側にずれた場合を例示したが、x方向の左側にずれた場合も同様である。
【0040】
なお、上記のN1およびN2と、上記の直径Dおよび幅Wとの関係式:N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γにおいて、貫通孔18に対して必要とされる未塗布部35の重なり量(幅)γ、言い換えれば、貫通孔18の内部に導電性ペーストをスムーズに流下させるために必要な、貫通孔18に対する未塗布部35の重なり量(幅)γを大きくすると、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図4に示す状態から、そのx方向の右側または左側にずれた場合、より少ないずれ量で、未塗布部35Aと隣り合う未塗布部35B,35Cが、貫通孔18Aと隣り合う貫通孔18B,18Cと重なるようになる。
【0041】
また、工程Aでは、ランド部パターン14A(ランド部形成領域33)に形成されたスリット形成領域の中心に貫通孔18Aが配置されるように、ランド部パターン14Aを形成するが、実際には、導電性ペーストの塗布(印刷)時に、版がずれた場合、貫通孔18に対してランド部形成領域33のスリット形成領域も位置ズレを生じることがあるため、ランド部形成領域33は、その位置ズレを許容した大きさである必要がある。
【0042】
そこで、ランド部形成領域33のスリット形成領域の中心を基準として、予想されるランド部形成領域33のスリット形成領域のy方向(紙面の縦方向、未塗布部35の長さ方向)の一方向における位置ズレの幅をδ、貫通孔18の直径をDとした場合、未塗布部35の長さLは、L≧D+2δの関係式を満たす必要がある。
【0043】
また、この実施形態では、ランド部形成領域33のスリット形成領域の中心を基準として、予想されるランド部形成領域33のスリット形成領域のx方向の一方向における位置ズレの幅を(3/2)Dとしたので、未塗布部35の幅をWとすると、ランド部形成領域33のx方向において、3つの未塗布部35A,35B,35Cを一塊としたときの左端から右端までの長さM1は、M1≧W+2×(3/2)D=W+3Dの関係式を満たす必要がある。
【0044】
なお、さらに大きなx方向への位置ズレが予想される場合、未塗布部35A,35B,35Cと同様の関係を満たすようにして、ランド部形成領域33のx方向において、未塗布部35Bの右隣りに未塗布部35Dを設け、未塗布部35Cの左隣りに未塗布部35Eを設ける。
このように未塗布部35D,35Eを設けた場合、未塗布部35A,35B,35C,35D,35Eは等間隔に設けられているので、ランド部形成領域33のスリット形成領域の中心を基準として、予想されるランド部形成領域33のスリット形成領域のx方向の一方向における位置ズレの幅は(3/2)D×2=3Dとなる。ゆえに、未塗布部35の幅をWとすると、ランド部形成領域33のx方向において、5つの未塗布部35A,35B,35C,35D,35Eを一塊としたときの左端から右端までの長さM2は、M2≧W+2×3D=W+6Dの関係式を満たす必要がある。
【0045】
さらに、未塗布部35により形成される導電性ペーストの未塗布部分によって、ランド部パターン14Aがその縁部で断線するのを防止するために、ランド部形成領域33のx方向の長さXは、上記の長さM1またはM2よりも大きく(X>M1またはX>M2)なっている。同様に、ランド部形成領域33のy方向の長さYは、上記の未塗布部33aの長さLよりも大きく(Y>L)なっている。
なお、上記のようにスリット形成領域を定義した場合、メッシュ領域33は、スリット形成領域よりも大きな領域であればよく、その形状は特に限定されず、円形や楕円形などであってもよい。
【0046】
このようなスクリーン版30を用いて、印刷により、貫通孔18が設けられた基板11の一方の面11aに、導電性ペーストからなるランド部パターン14Aを形成すると、ランド部パターン14Aには、導電性ペーストの未塗布部分がスリット状に、等間隔に並列に3つ設けられたスリット形成領域が設けられる。すなわち、ランド部形成領域33の未塗布部35では、導電性ペーストが通らなくなるので、その部分は導電性ペーストが塗布されず、未塗布部分となる。
【0047】
したがって、スクリーン版30を用いることにより、ランド部形成領域33によって形成されたランド部パターン14Aにおいても、スリット形成領域の中心に、貫通孔18Aの中心を重ねて配置した場合、(1)貫通孔18の直径をD、(2)3つの貫通孔18のうち隣り合う2つの貫通孔18のピッチをP1、(3)未塗布部分の幅をW、(4)3つの未塗布部分のうち隣り合う2つの未塗布部分のピッチをP2、(5)ランド部パターン14Aのx方向に沿って、中央の未塗布部分と隣り合う(x方向の右隣りの)未塗布部分における未塗布部35Bの中心側の端から、貫通孔18Aと隣り合う(x方向の右隣りの)貫通孔18Bまでの距離をN1、(6)ランド部パターン14Aのx方向に沿って、中央の未塗布部分と隣り合う(x方向の左隣りの)未塗布部分における未塗布部35Cの中心側の端から、貫通孔18Aと隣り合う(x方向の左隣りの)貫通孔18Cまでの距離をN2、(7)未塗布部分の長さをL、(8)貫通孔18に対して必要とされる未塗布部分の重なり量(幅)をγ、(9)ランド部パターン14Aにおいて、未塗布部分の長さ方向に許容される位置ズレの幅を2δとすると、D>W、N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γ、L≧D+2δの関係を満たすようなスリット形成領域を有するランド部パターン14Aが形成される。
【0048】
このように、スクリーン版30を用いて、印刷により、導電性ペーストからなるランド部パターン14Aを形成すれば、基板11の一方の面11aに対する導電性ペーストの印刷において、スクリーン版30のランド部形成領域33の位置ズレが生じたとしても、貫通孔18の内側面に、導電パターン20Aを形成する導電性ペーストを十分に塗布することができる。
【0049】
言い換えれば、貫通孔18に対して、スクリーン版30のランド部形成領域33が、例えば、図4に示す位置から、図5〜7に示す位置にずれたとしても、未塗布部35の少なくとも一部が貫通孔18の開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と重なるので、貫通孔18の内側面に、導電パターン20Aを形成する導電性ペーストを十分に塗布することができる。
【0050】
「工程Aの第二の実施形態」
図8〜14を参照して、工程Aの第二の実施形態を説明する。
ここでも、説明を簡単にするために、ランド部形成領域33における未塗布部と貫通孔18の関係について説明する。
この実施形態では、基板11の一方の面11aに形成されるランド部14に対応する貫通孔18が、間隔を置いて3つ設けられている場合について説明する。
【0051】
スクリーン版30のランド部形成領域33には、2つのスリット状の未塗布部36(36A,36B)が間隔を置いて並列に設けられたスリット形成領域が設けられている。
なお、ここでは、ランド部形成領域33において、2つのスリット状の未塗布部36にて囲まれる領域(図8では、縦がL、横がMの長方形の領域)をスリット形成領域とする。
また、未塗布部36の形状は、平面視長方形状をなしており、2つの未塗布部36の幅Wは等しくなっており、また、2つの未塗布部36の長さLは等しくなっている。このランド部形成領域33における未塗布部36以外の部分は、導電性ペーストを透過し、ランド部パターン14Aの概略形状を形成する部分である。
【0052】
また、この実施形態において、ランド部形成領域33には、2つのスリット状の未塗布部36が間隔を置いて並列に設けられたスリット形成領域が設けられているとは、ランド部形成領域33のy方向(紙面の横方向)に沿って、ランド部形成領域33の一方の縁部から他方の縁部にわたって設けられた未塗布部36が、ランド部形成領域33のx方向(紙面の縦方向)に沿って、間隔を置いて並列に配設されていることを言う。
【0053】
また、スクリーン版30としては、2つの未塗布部36のうち、ランド部形成領域33のx方向左側の未塗布部36Aの中心に、3つの貫通孔18のうち、ランド部形成領域33のx方向左端の貫通孔18Aの中心を重ねて配置した場合、ランド部形成領域33において、(1)貫通孔18の直径をD、(2)3つの貫通孔18のうち、ランド部形成領域33のx方向左端の貫通孔18Aと、中央の貫通孔18Bとのピッチ(貫通孔18の中心間距離)をP11、(3)3つの貫通孔18のうち、ランド部形成領域33のx方向右端の貫通孔18Cと、中央の貫通孔18Bとのピッチ(貫通孔18の中心間距離)をP12、(4)未塗布部36の幅をW、(5)2つの未塗布部36のピッチ(未塗布部36の長さ方向に沿う中心線間距離)をP13、(6)ランド部形成領域33のx方向に沿って、未塗布部36Bにおけるスリット形成領域の中心側の端から、3つの貫通孔18のうち、ランド部形成領域33のx方向右端の貫通孔18Cまでの距離をN1、(7)ランド部形成領域33のx方向に沿って、未塗布部36Bにおけるランド部形成領域33の右側の端から、3つの貫通孔18のうち、中央の貫通孔18Bまでの距離をN2、(8)未塗布部36の長さをL、(9)貫通孔18に対して必要とされる未塗布部36の重なり量(幅)をγ、(10)ランド部パターン14Aにおいて、導電性ペーストの未塗布部分の長さ方向に許容される位置ズレの幅、すなわち、ランド部形成領域33において、未塗布部36の長さ方向に許容される位置ズレの幅を2δとすると、第一の実施形態と同様に、D>W、N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γ、L≧D+2δの関係を満たし、また、貫通孔18Aとその隣りに位置する貫通孔18Bが重ならないように、P11>Dを満たし、また、未塗布部36Bは貫通孔18Aの隣の貫通孔18Bより右側に位置し、かつ、貫通孔18Cより左側に位置することにより、未塗布部36Aが左右に位置ズレして貫通孔18Aから外れても、未塗布部36Bが左右の貫通孔18Bもしくは貫通孔18Cに重なることができるように、P13>P11の関係を満たすようなスリット形成領域を有するものが用いられる。
【0054】
このようにすれば、ランド部形成領域33のスリット形成領域は、未塗布部36Aの中心に、貫通孔18Aの中心が重なるように、ランド部形成領域33のスリット形成領域を配置した位置から、そのスリット形成領域が、ランド部形成領域33の幅方向(x方向の右側あるいは左側)にずれて、未塗布部36Aが、貫通孔18Aと重なる位置から外れ始めるにしたがって、未塗布部36Aと隣り合う(x方向の右隣りの)未塗布部36Bが、貫通孔18Aの右側に配設された貫通孔18Bあるいは貫通孔18Cに重なり始めるという関係を満たす。
したがって、基板11の一方の面11aに対する導電性ペーストの印刷において、ランド部形成領域33のランド部形成領域33の位置ズレが生じたとしても、未塗布部36の少なくとも一部が貫通孔18の開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と重なる。
【0055】
具体的には、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図8に示す状態から、そのx方向の右側に(1/2)Dずれた場合(図9に示す状態)、貫通孔18Aに未塗布部36Aが重なる量が減少するが、貫通孔18Cに未塗布部36Bが重なる量が増加する。
したがって、さらに、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、x方向の右側にずれると、貫通孔18Aと未塗布部36Aが重ならなくなる一方、貫通孔18Cの開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と未塗布部36Bが完全に重なる。
【0056】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図8に示す状態から、そのx方向の右側にDずれた場合(図10に示す状態)、未塗布部36Bの中心に、貫通孔18Cの中心が重なるとともに、貫通孔18Aに未塗布部36Aが重ならなくなる。
【0057】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図8に示す状態から、そのx方向の右側に(3/2)Dずれた場合(図11に示す状態)、貫通孔18Cに未塗布部36Bが重なる量が減少する。
【0058】
なお、上記のN1およびN2と、上記の直径Dおよび幅Wとの関係式:N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γにおいて、貫通孔18に対して必要とされる未塗布部36の重なり量(幅)γ、言い換えれば、貫通孔18の内部に導電性ペーストをスムーズに流下させるために必要な、貫通孔18に対する未塗布部36の重なり量(幅)γを大きくすると、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図8に示す状態から、そのx方向の右側にずれた場合、より少ないずれ量で、未塗布部36Bが、貫通孔18Cと重なるようになる。
【0059】
一方、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図8に示す状態から、そのx方向の左側に(1/2)Dずれた場合(図12に示す状態)、貫通孔18Aに未塗布部36Aが重なる量が減少するが、貫通孔18Bに未塗布部36Bが重なる量が増加する。
したがって、さらに、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、x方向の左側にずれると、貫通孔18Aと未塗布部36Aが重ならなくなる一方、貫通孔18Bの開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と未塗布部36Bが完全に重なる。
【0060】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図8に示す状態から、そのx方向の左側にDずれた場合(図13に示す状態)、未塗布部36Bの中心に、貫通孔18Bの中心が重なるとともに、貫通孔18Aに未塗布部36Aが重ならなくなる。
【0061】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図8に示す状態から、そのx方向の右側に(3/2)Dずれた場合(図14に示す状態)、貫通孔18Bに未塗布部36Bが重なる量が減少する。
【0062】
なお、上記のN1およびN2と、上記の直径Dおよび幅Wとの関係式:N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γにおいて、貫通孔18に対して必要とされる未塗布部36の重なり量(幅)γ、言い換えれば、貫通孔18の内部に導電性ペーストをスムーズに流下させるために必要な、貫通孔18に対する未塗布部36の重なり量(幅)γを大きくすると、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図8に示す状態から、そのx方向の左側にずれた場合、より少ないずれ量で、未塗布部36Bが、貫通孔18Bと重なるようになる。
【0063】
また、工程Aでは、未塗布部36Aの中心に、貫通孔18Aの中心が重なるように、ランド部パターン14Aを形成するが、実際には、導電性ペーストの塗布(印刷)時に、貫通孔18に対してランド部形成領域33のスリット形成領域を配置する際に位置ズレを生じることがあるため、ランド部形成領域33は、その位置ズレを許容した大きさである必要がある。
【0064】
そこで、未塗布部36Aの中心に、貫通孔18Aの中心が重なるように、ランド部形成領域33のスリット形成領域を配置した位置を基準として、予想されるランド部形成領域33のスリット形成領域のy方向(紙面の縦方向、未塗布部36の長さ方向)の一方向における位置ズレの幅をδ、貫通孔18の直径をDとした場合、未塗布部36の長さLは、L≧D+2δの関係式を満たす必要がある。
【0065】
また、この実施形態では、未塗布部36Aの中心に、貫通孔18Aの中心が重なるように、ランド部形成領域33のスリット形成領域を配置した位置を基準として、予想されるランド部形成領域33のスリット形成領域のx方向の一方向における位置ズレの幅を(3/2)Dとしたので、未塗布部36の幅をWとすると、ランド部形成領域33のx方向において、2つの未塗布部36A,36Bを一塊としたときの左端から右端までの長さMは、M≧W+2×(3/2)D=W+3Dの関係式を満たす必要がある。
【0066】
さらに、未塗布部36により形成される導電性ペーストの未塗布部分によって、ランド部パターン14Aがその縁部で断線するのを防止するために、ランド部形成領域33のx方向の長さXは、上記の長さMよりも大きく(X>M)なっている。同様に、ランド部形成領域33のy方向の長さYは、上記の未塗布部36の長さLよりも大きく(Y>L)なっている。
なお、上記のようにスリット形成領域を定義した場合、ランド部形成領域33は、スリット形成領域よりも大きな領域であればよく、その形状は特に限定されず、円形や楕円形などであってもよい。
【0067】
このようなスクリーン版30を用いて、印刷により、貫通孔18が設けられた基板11の一方の面11aに、導電性ペーストからなるランド部パターン14Aを形成すると、ランド部パターン14Aには、導電性ペーストの未塗布部分がスリット状に、間隔を置いて並列に2つ設けられたスリット形成領域が設けられる。すなわち、ランド部形成領域33の未塗布部36では、導電性ペーストが通らなくなるので、その部分は導電性ペーストが塗布されず、未塗布部分となる。
【0068】
したがって、スクリーン版30を用いることにより、ランド部形成領域33によって形成されたランド部パターン14Aにおいても、2つの未塗布部分のうち、ランド部パターン14Aのx方向左側の未塗布部分の中心に、貫通孔18Aの中心を重ねて配置した場合、(1)貫通孔18の直径をD、(2)3つの貫通孔18のうち、ランド部パターン14Aのx方向左端の貫通孔18Aと、中央の貫通孔18BとのピッチをP11、(3)3つの貫通孔18のうち、ランド部パターン14Aのx方向右端の貫通孔18Cと、中央の貫通孔18BとのピッチをP12、(4)未塗布部分の幅をW、(5)2つの未塗布部分のピッチをP13、(6)ランド部パターン14Aのx方向に沿って、右側の未塗布部分におけるランド部パターン14Aの中心側の端から、3つの貫通孔18のうち、ランド部パターン14Aのx方向右端の貫通孔18Cまでの距離をN1、(7)ランド部パターン14Aのx方向に沿って、右側の未塗布部分におけるランド部パターン14Aの右側の端から、3つの貫通孔18のうち、中央の貫通孔18Bまでの距離をN2、(8)未塗布部分の長さをL、(9)貫通孔18に対して必要とされる未塗布部分の重なり量(幅)をγ、(10)ランド部パターン14Aにおいて、未塗布部分の長さ方向に許容される位置ズレの幅を2δとすると、D>W、N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γ、L≧D+2δ、P11>D、P13>P11の関係を満たすようなスリット形成領域を有するランド部パターン14Aが形成される。
【0069】
このように、スクリーン版30を用いて、印刷により、導電性ペーストからなるランド部パターン14Aを形成すれば、基板11の一方の面11aに対する導電性ペーストの印刷において、スクリーン版30のランド部形成領域33の位置ズレが生じたとしても、貫通孔18の内側面に、導電パターン20Aを形成する導電性ペーストを十分に塗布することができる。
【0070】
言い換えれば、貫通孔18に対して、スクリーン版30のランド部形成領域33が、例えば、図8に示す位置から、図9〜14に示す位置にずれたとしても、未塗布部36の少なくとも一部が貫通孔18の開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と重なるので、貫通孔18の内側面に、導電パターン20Aを形成する導電性ペーストを十分に塗布することができる。
【0071】
「工程Aの第三の実施形態」
図15〜21を参照して、工程Aの第三の実施形態を説明する。
ここでも、説明を簡単にするために、ランド部形成領域33における未塗布部と貫通孔18の関係について説明する。
この実施形態では、基板11の一方の面11aに形成されるランド部14に対応する貫通孔18が、間隔を置いて2つ設けられている場合について説明する。
【0072】
スクリーン版30のランド部形成領域33には、3つのスリット状の未塗布部37(37A,37B,37C)が間隔を置いて並列に設けられたスリット形成領域が設けられている。
なお、ここでは、ランド部形成領域33において、最も外側に設けられたスリット状の未塗布部37(37A,37C)にて囲まれる領域(図15では、縦がL、横がMの長方形の領域)をスリット形成領域とする。
また、未塗布部37の形状は、平面視長方形状をなしており、3つの未塗布部37の幅Wは等しくなっており、また、3つの未塗布部37の長さLは等しくなっている。このランド部形成領域33における未塗布部37以外の部分は、導電性ペーストを透過し、ランド部パターン14Aの概略形状を形成する部分である。
【0073】
また、この実施形態において、ランド部形成領域33には、3つのスリット状の未塗布部37が間隔を置いて並列に設けられたスリット形成領域が設けられているとは、ランド部形成領域33のy方向(紙面の横方向)に沿って、ランド部形成領域33の一方の縁部から他方の縁部にわたって設けられた未塗布部37が、ランド部形成領域33のx方向(紙面の縦方向)に沿って、間隔を置いて並列に配設されていることを言う。
【0074】
また、スクリーン版30としては、3つの未塗布部37のうち、ランド部形成領域33のx方向左端の未塗布部37Aの中心に、2つの貫通孔18のうち、ランド部形成領域33のx方向左側の貫通孔18Aの中心を重ねて配置した場合、ランド部形成領域33において、(1)貫通孔18の直径をD、(2)2つの貫通孔18Aと貫通孔18Bのピッチ(貫通孔18の中心間距離)をP21、(3)未塗布部37の幅をW、(4)3つの未塗布部37のうち、ランド部形成領域33のx方向左端の未塗布部37Aと、中央の未塗布部37Bとのピッチ(未塗布部37の長さ方向に沿う中心線間距離)をP22、(5)3つの未塗布部37のうち、ランド部形成領域33のx方向右端の未塗布部37Cと、中央の未塗布部37Bとのピッチ(未塗布部37の長さ方向に沿う中心線間距離)をP23、(6)ランド部形成領域33のx方向に沿って、未塗布部37Bにおけるメッシュ領域33の中心側の端から、貫通孔18Bまでの距離をN1、(7)ランド部形成領域33のx方向に沿って、未塗布部37Cにおけるランド部形成領域33の右側の端から、貫通孔18Bまでの距離をN2、(8)未塗布部37の長さをL、(9)貫通孔18に対して必要とされる未塗布部37の重なり量(幅)をγ、(10)ランド部パターン14Aにおいて、導電性ペーストの未塗布部分の長さ方向に許容される位置ズレの幅、すなわち、ランド部形成領域33において、未塗布部37の長さ方向に許容される位置ズレの幅を2δとすると、第一の実施形態と同様に、D>W、P21>P22、N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γ、L≧D+2δの関係を満たし、また、貫通孔18Aに未塗布部37Bが重ならないように、P22>(1/2)(D+W)の関係を満たすようなスリット形成領域を有するものが用いられる。
【0075】
このようにすれば、ランド部形成領域33のスリット形成領域は、未塗布部37Aの中心に、貫通孔18Aの中心が重なるように、ランド部形成領域33のスリット形成領域を配置した位置から、そのスリット形成領域が、ランド部形成領域33の幅方向(x方向の右側あるいは左側)にずれて、未塗布部37Aが、貫通孔18Aと重なる位置から外れ始めるにしたがって、未塗布部37Aと隣り合う(x方向の右隣りの)未塗布部37Bが、貫通孔18Aの右隣りに配設された貫通孔18Bに重なり始めるか、あるいは、未塗布部37Aのx方向の右側の(未塗布部37Bの右隣り)未塗布部37Cが、貫通孔18Aの右隣りに配設された貫通孔18Bに重なり始めるという関係を満たす。
したがって、基板11の一方の面11aに対する導電性ペーストの印刷において、スクリーン版30のランド部形成領域33の位置ズレが生じたとしても、未塗布部37の少なくとも一部が貫通孔18の開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と重なる。
【0076】
具体的には、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図15に示す状態から、そのx方向の右側に(1/2)Dずれた場合(図16に示す状態)、貫通孔18Aに未塗布部37Aが重なる量が減少するが、貫通孔18Bに未塗布部37Bが重なる量が増加する。
したがって、さらに、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、x方向の右側にずれると、貫通孔18Aと未塗布部37Aが重ならなくなる一方、貫通孔18Bの開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と未塗布部37Bが完全に重なる。
【0077】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図15に示す状態から、そのx方向の右側にDずれた場合(図17に示す状態)、未塗布部37Bの中心に、貫通孔18Bの中心が重なるとともに、貫通孔18Aに未塗布部37Aが重ならなくなる。
【0078】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図15に示す状態から、そのx方向の右側に(3/2)Dずれた場合(図18に示す状態)、貫通孔18Bに未塗布部37Bが重なる量が減少する。
【0079】
なお、上記のN1およびN2と、上記の直径Dおよび幅Wとの関係式:N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γにおいて、貫通孔18に対して必要とされる未塗布部37の重なり量(幅)γ、言い換えれば、貫通孔18の内部に導電性ペーストをスムーズに流下させるために必要な、貫通孔18に対する未塗布部37の重なり量(幅)γを大きくすると、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図15に示す状態から、そのx方向の右側にずれた場合、より少ないずれ量で、未塗布部37Bが、貫通孔18Bと重なるようになる。
【0080】
一方、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図15に示す状態から、そのx方向の左側に(1/2)Dずれた場合(図19に示す状態)、貫通孔18Aに未塗布部37Aが重なる量が減少するが、貫通孔18Bに未塗布部37Cが重なる量が増加する。
したがって、さらに、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、x方向の左側にずれると、貫通孔18Aと未塗布部37Aが重ならなくなる一方、貫通孔18Bの開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と未塗布部37Cが完全に重なる。
【0081】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図15に示す状態から、そのx方向の左側にDずれた場合(図20に示す状態)、未塗布部37Cの中心に、貫通孔18Bの中心が重なるとともに、貫通孔18Aに未塗布部37Aが重ならなくなる。
【0082】
また、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図15に示す状態から、そのx方向の右側に(3/2)Dずれた場合(図21に示す状態)、貫通孔18Bに未塗布部37Cが重なる量が減少する。
【0083】
なお、上記のN1およびN2と、上記の直径Dおよび幅Wとの関係式:N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γにおいて、貫通孔18に対して必要とされる未塗布部37の重なり量(幅)γ、言い換えれば、貫通孔18の内部に導電性ペーストをスムーズに流下させるために必要な、貫通孔18に対する未塗布部37の重なり量(幅)γを大きくすると、ランド部形成領域33のスリット形成領域が、図15に示す状態から、そのx方向の左側にずれた場合、より少ないずれ量で、未塗布部37Cが、貫通孔18Bと重なるようになる。
【0084】
また、工程Aでは、未塗布部37Aの中心に、貫通孔18Aの中心が重なるように、ランド部パターン14Aを形成するが、実際には、導電性ペーストの塗布(印刷)時に、貫通孔18に対してランド部形成領域33のスリット形成領域を配置する際に位置ズレを生じることがあるため、ランド部形成領域33は、その位置ズレを許容した大きさである必要がある。
【0085】
そこで、未塗布部37Aの中心に、貫通孔18Aの中心が重なるように、ランド部形成領域33のスリット形成領域を配置した位置を基準として、予想されるランド部形成領域33のスリット形成領域のy方向(紙面の縦方向、未塗布部37の長さ方向)の一方向における位置ズレの幅をδ、貫通孔18の直径をDとした場合、未塗布部37の長さLは、L≧D+2δの関係式を満たす必要がある。
【0086】
また、この実施形態では、未塗布部37Aの中心に、貫通孔18Aの中心が重なるように、ランド部形成領域33のスリット形成領域を配置した位置を基準として、予想されるランド部形成領域33のスリット形成領域のx方向の一方向における位置ズレの幅を(3/2)Dとしたので、未塗布部37の幅をWとすると、ランド部形成領域33のx方向において、3つの未塗布部37A,37B,37Cを一塊としたときの左端から右端までの長さMは、M≧W+2×(3/2)D=W+3Dの関係式を満たす必要がある。
【0087】
さらに、未塗布部37により形成される導電性ペーストの未塗布部分によって、ランド部パターン14Aがその縁部で断線するのを防止するために、ランド部形成領域33のx方向の長さXは、上記の長さMよりも大きく(X>M)なっている。同様に、ランド部形成領域33のy方向の長さYは、上記の未塗布部37の長さLよりも大きく(Y>L)なっている。
なお、上記のようにスリット形成領域を定義した場合、ランド部形成領域33は、スリット形成領域よりも大きな領域であればよく、その形状は特に限定されず、円形や楕円形などであってもよい。
【0088】
このようなスクリーン版30を用いて、印刷により、貫通孔18が設けられた基板11の一方の面11aに、導電性ペーストからなるランド部パターン14Aを形成すると、ランド部パターン14Aには、導電性ペーストの未塗布部分がスリット状に、間隔を置いて並列に3つ設けられたスリット形成領域が設けられる。すなわち、ランド部形成領域33の未塗布部37では、導電性ペーストが通らなくなるので、その部分は導電性ペーストが塗布されず、未塗布部分となる。
【0089】
したがって、スクリーン版30を用いることにより、ランド部形成領域33によって形成されたランド部パターン14Aにおいても、3つの未塗布部分のうち、ランド部パターン14Aのx方向左端の未塗布部分の中心に、2つの貫通孔18のうち、ランド部パターン14Aのx方向左側の貫通孔18Aの中心を重ねて配置した場合、(1)貫通孔18の直径をD、(2)2つの貫通孔18Aと貫通孔18BのピッチをP21、(3)未塗布部分の幅をW、(4)3つの未塗布部分のうち、ランド部パターン14Aのx方向左端の未塗布部分と、中央の未塗布部分とのピッチをP22、(5)3つの未塗布部分のうち、ランド部パターン14Aのx方向右端の未塗布部分と、中央の未塗布部分とのピッチをP23、(6)ランド部パターン14Aのx方向に沿って、中央の未塗布部分におけるランド部パターン14Aの中心側の端から、貫通孔18Bまでの距離をN1、(7)ランド部パターン14Aのx方向に沿って、右端の未塗布部分におけるランド部パターン14Aの右側の端から、貫通孔18Bまでの距離をN2、(8)未塗布部分の長さをL、(9)貫通孔18に対して必要とされる未塗布部分の重なり量(幅)をγ、(10)ランド部パターン14Aにおいて、導電性ペーストの未塗布部分の長さ方向に許容される位置ズレの幅、すなわち、ランド部形成領域33において、未塗布部分の長さ方向に許容される位置ズレの幅を2δとすると、D>W、P21>P22、N1=N2=(1/2)D+(1/2)W−γ、L≧D+2δ、P22>(1/2)(D+W)の関係を満たすようなスリット形成領域を有するランド部パターン14Aが形成される。
【0090】
このように、スクリーン版30を用いて、印刷により、導電性ペーストからなるランド部パターン14Aを形成すれば、基板11の一方の面11aに対する導電性ペーストの印刷において、スクリーン版30のランド部形成領域33の位置ズレが生じたとしても、貫通孔18の内側面に、導電パターン20Aを形成する導電性ペーストを十分に塗布することができる。
【0091】
言い換えれば、貫通孔18に対して、スクリーン版30のランド部形成領域33が、例えば、図8に示す位置から、図15〜21に示す位置にずれたとしても、未塗布部37の少なくとも一部が貫通孔18の開口部(貫通孔18の開口端部18aよりも内側の領域)と重なるので、貫通孔18の内側面に、導電パターン20Aを形成する導電性ペーストを十分に塗布することができる。
【0092】
次いで、配線パターン12A、ランド部パターン14A,15A、および、導電パターン20A,21Aを硬化させて、基板11の一方の面11aに配線12およびランド部14,15を形成するとともに、貫通孔18の内側面に貫通配線20の一部を形成し、かつ、貫通孔19の内側面に貫通配線21の一部を形成する(工程B)。
【0093】
この工程Bにおいて、熱硬化型の導電性ペーストを用いた場合、配線パターン12A、ランド部パターン14A,15A、および、導電パターン20A,21Aの一部が形成された基板11を、100〜150℃にて、20分〜60分加熱する。
また、工程Bにおいて、紫外線硬化型の導電性ペーストを用いた場合、基板11に形成された配線パターン12A、ランド部パターン14A,15A、および、導電パターン20A,21Aの一部に、紫外線を照射する。
【0094】
次いで、配線12、ランド部14,15、貫通配線20および貫通配線21の一部が形成された基板11を反転させて(裏返して)、配線12を下向きにし、基板11の他方の面11bを上向きにして、例えば、作業台などの平坦な面上に配置する。
【0095】
以下、上述の工程Aおよび工程Bと同様にして、基板11の他方の面11bに配線13およびランド部16,17を形成するとともに、貫通孔18の内側面に貫通配線20の一部を形成し、かつ、貫通孔19の内側面に貫通配線21の一部を形成する。これにより、基板11の一方の面11a側から形成した貫通配線20および貫通配線21の一部と、基板11の他方の面11b側から形成した貫通配線20および貫通配線21の一部とが連接して、貫通配線20と貫通配線21の形成が完了し、配線基板10を得る。
【0096】
この実施形態の配線基板の製造方法によれば、工程Aにおいて、基板に設けられた少なくとも2つの貫通孔18のうちの1つの貫通孔α1の中心に、複数の未塗布部のうちの1つの未塗布部分β1の中心が重なるように、スクリーン版30のランド部形成領域33のスリット形成領域を配置した位置から、スリット形成領域が、その幅方向にずれて、未塗布部分β1が、貫通孔α1と重なる位置から外れ始めるにしたがって、未塗布部分β1とは別の未塗布部分β2が、貫通孔α1と隣り合う貫通孔α2に重なり始めるという関係を満たすようなスリット形成領域を有するランド部パターンを形成するので、スクリーン版30のランド部形成領域33の位置ズレが生じた場合でも、未塗布部分(空気孔)の少なくとも一部が貫通孔18,19の開口部と重なるから、その未塗布部分(空気孔)により、貫通孔18,19内に空気が溜まり難くなり、貫通孔18,19の内部に導電性ペーストがスムーズに流下して、貫通孔18,19の内側面に、適量の導電性ペーストを塗布することができる。したがって、貫通孔18,19の内側面に塗布された導電性ペーストからなる導電パターン20A,21Aを硬化してなる貫通配線20,21に断線が生じなくなるから、貫通配線20,21の導通率をさらに向上させることができる。
【0097】
なお、この実施形態では、基板11の一方の面11aにコイル状の配線12を形成し、かつ、基板11の他方の面11bに直線状の配線13を形成する配線基板10の製造方法を例示したが、本発明の配線基板の製造方法はこれに限定されない。本発明の配線基板の製造方法にあっては、基板の一方の面および/または他方の面に形成する配線の形状は如何なる形状であってもよい。また、本発明の配線基板の製造方法にあっては、基板の一方の面または他方の面のいずれか一方に配線を形成し、その配線を基端とし、配線が形成されている面とは反対側の面に渡る貫通配線を形成し、その反対側の面にて、貫通配線の端部を露出させてもよい。そして、その貫通配線の端部に、電子部品の端子を接続してもよい。
【0098】
また、この実施形態では、ランド部の形状が平面視正方形状である場合を例示したが、本発明の配線基板の製造方法はこれに限定されない。本発明の配線基板の製造方法にあっては、ランド部の形状は平面視円形状、楕円形状などであってもよい。
【符号の説明】
【0099】
10・・・配線基板、11・・・基板、12,13・・・配線、14,15,16,17・・・ランド部、18,19・・・貫通孔、18a,19a・・・開口端部、20,21・・・貫通配線、30・・・スクリーン版、31・・・スクリーン基体、32・・・配線形成領域、33,34・・・ランド部形成領域、35,36,37・・・未塗布部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、該基板に設けられた配線および該配線に連接するランド部と、前記基板の貫通孔の内側面に設けられ、前記配線と電気的に接続され、他方の面と電気的に接続するための貫通配線と、を備えた配線基板の製造方法であって、
少なくとも2つの貫通孔が設けられた基板の一方の面に、印刷により、導電性ペーストからなる配線パターンと、前記貫通孔の開口端部を含み、前記配線パターンに連接する前記導電性ペーストからなるランド部パターンとを形成するとともに、前記ランド部パターンには、前記導電性ペーストの未塗布部分をスリット状に、間隔を置いて並列に複数設けたスリット形成領域を設けることにより、前記貫通孔の内側面に前記導電性ペーストからなる導電パターンを形成する工程Aと、
前記配線パターン、前記ランド部パターンおよび前記導電パターンを硬化させて、配線、ランド部および貫通配線を形成する工程Bと、を有し、
前記工程Aにおいて、前記少なくとも2つの貫通孔のうちの1つの貫通孔α1の中心に、前記複数の未塗布部分のうちの1つの未塗布部分β1の中心が重なるように、前記スリット形成領域を配置した位置から、前記スリット形成領域が、その幅方向にずれて、前記未塗布部分β1が、前記貫通孔α1と重なる位置から外れ始めるにしたがって、前記未塗布部分β1とは別の未塗布部分β2が、前記貫通孔α1と隣り合う貫通孔α2に重なり始めるという関係を満たすような前記スリット形成領域を有する前記ランド部パターンを形成することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項1】
基板と、該基板に設けられた配線および該配線に連接するランド部と、前記基板の貫通孔の内側面に設けられ、前記配線と電気的に接続され、他方の面と電気的に接続するための貫通配線と、を備えた配線基板の製造方法であって、
少なくとも2つの貫通孔が設けられた基板の一方の面に、印刷により、導電性ペーストからなる配線パターンと、前記貫通孔の開口端部を含み、前記配線パターンに連接する前記導電性ペーストからなるランド部パターンとを形成するとともに、前記ランド部パターンには、前記導電性ペーストの未塗布部分をスリット状に、間隔を置いて並列に複数設けたスリット形成領域を設けることにより、前記貫通孔の内側面に前記導電性ペーストからなる導電パターンを形成する工程Aと、
前記配線パターン、前記ランド部パターンおよび前記導電パターンを硬化させて、配線、ランド部および貫通配線を形成する工程Bと、を有し、
前記工程Aにおいて、前記少なくとも2つの貫通孔のうちの1つの貫通孔α1の中心に、前記複数の未塗布部分のうちの1つの未塗布部分β1の中心が重なるように、前記スリット形成領域を配置した位置から、前記スリット形成領域が、その幅方向にずれて、前記未塗布部分β1が、前記貫通孔α1と重なる位置から外れ始めるにしたがって、前記未塗布部分β1とは別の未塗布部分β2が、前記貫通孔α1と隣り合う貫通孔α2に重なり始めるという関係を満たすような前記スリット形成領域を有する前記ランド部パターンを形成することを特徴とする配線基板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図9】
【図10】
【図11】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−204870(P2011−204870A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−70160(P2010−70160)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】
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