説明

配送商品梱包システム

【課題】商品を一つの配送物として梱包して配送する際に、異なる商品の梱包、重複梱包、未梱包などの梱包ミスを低減できる配送商品梱包システムを提供すること。
【解決手段】配送商品梱包システムは、梱包予定の商品の商品バーコードをリスト化した商品バーコードリストを生成する商品バーコードリスト生成部24と、商品の梱包時にバーコードリーダー13により各商品から読み取った商品バーコードを商品バーコードリストから消去する商品バーコードリスト消去部27と、商品バーコードリストが空になると、住所情報に基づいて宛先ラベルを印刷する印刷部30を備える。商品を梱包する毎に商品バーコードリストから梱包した商品の商品バーコードが消去されるので、異なる商品の梱包や重複梱包を防止できる。また、商品バーコードリストが空にならないと宛先ラベルが印刷されないので、商品の未梱包を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を梱包して配送する際に梱包ミスを低減できる配送商品梱包システムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客から注文を受けた複数の商品を梱包して配送する商品宅配方法は特許文献1に記載されている。同文献では、注文を受けた各商品の商品名および商品バーコードをリストとした商品ピッキングリストを印刷しておき、各商品を梱包する毎に、各商品に取り付けられた商品タグなどに印刷されている商品バーコードと、商品ピッキングリストに印刷されている商品バーコードの一致をハンディースキャナーでチェックして、梱包ミスを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−137439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
梱包する商品と商品ピッキングリストに印刷されている商品の一致を確認すれば、注文商品と異なる商品を梱包してしまう梱包ミスを防止できる。しかし、印刷物を利用した確認方法では、商品の2重のチェックによる重複梱包や、商品のチェックのし忘れによる商品の未梱包などの人為的な梱包ミスを防止することは難しい。
【0005】
本発明の課題は、この点に鑑みて、商品を一つの配送物として梱包して配送する際に、異なる商品の梱包、重複梱包、未梱包などの梱包ミスを低減できる配送商品梱包システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の配送商品梱包システムは、
商品を特定するための商品特定情報、前記商品の商品名を含む商品情報、および、前記商品の商品バーコードを対応付けた形態で記憶保持している商品データベースと、
配送先の住所情報、および、前記配送先に配送される配送体として同時に梱包される商品の商品特定情報の入力を受け付けて記憶保持する配送情報取得部と、
前記配送情報取得部が取得した各商品特定情報に基づいて前記商品データベースを参照し、前記配送体として梱包される各商品の商品バーコードをリスト化した商品バーコードリストを生成する商品バーコードリスト生成部と、
前記配送情報取得部が取得した各商品特定情報により特定される各商品を梱包する際に、各商品が付帯している商品バーコードを読み取るためのバーコードリーダーと、
前記バーコードリーダーによって読み取られた商品バーコードを、前記商品バーコードリストから消去する商品バーコードリスト消去部と、
前記商品バーコードリストが空になると、前記住所情報に基づいて宛先ラベルを印刷する印刷部を備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明の配送商品梱包システムによれば、商品を配送体として梱包する際に商品が付帯している商品バーコードをバーコードリーダーによって読み取ると、配送体として同時に梱包する予定の商品の商品バーコードをリスト化した商品バーコードリストから、読み取られた商品バーコードが自動的に消去される。これにより、商品バーコードをスキャンした商品と梱包予定の商品の一致が確認されるので、配送予定の商品とは異なる商品を梱包してしまうことを防止できる。また、梱包しようとする商品の商品バーコードをスキャンすると、商品バーコードリストから当該商品の商品バーコードが消去されるので、商品の重複梱包を防止できる。さらに、配送体を配送するための宛先ラベルは事前に印刷されておらず、商品の梱包作業によって商品バーコードリストが空になると印刷されるので、商品の梱包が完了する前に配送体が配送されてしまうことがない。従って、商品の未梱包を防止できる。
【0008】
本発明において、前記印刷部は、前記商品バーコードリストが空になると、前記配送情報取得部が取得した各商品特定情報に基づいて前記商品データベースを参照し、各商品特定情報に対応付けられている商品名をリスト化した配送商品リストを生成して印刷することが望ましい。このようにすれば、配送体に商品と配送商品リストを同梱して配送先に送付することができる。
【0009】
この場合において、配送商品リストを通信販売などにおける購買商品の明細書として利用するためには、前記商品情報には前記商品の商品価格が含まれており、
前記印刷部は、各商品特定情報に対応付けられている商品名および商品価格をリスト化した前記配送商品リストを生成することが望ましい。
【0010】
また、本発明において、前記配送情報取得部が取得した各商品特定情報により特定される各商品を梱包する際に、前記バーコードリーダーによって読み取られた各商品バーコードを記憶保持する読み取り商品バーコード記憶保持部を有し、前記印刷部は、前記商品バーコードリストが空になると、前記読み取り商品バーコード記憶保持部に記憶保持されている各商品バーコードに基づいて前記商品データベースを参照し、各商品バーコードに対応付けられている商品名をリスト化した配送商品リストを生成して印刷してもよい。このようにしても、配送体に商品と配送商品リストを同梱して配送先に送付することができる。
【0011】
この場合において、配送商品リストを通信販売などにおける購買商品の明細書として利用するためには、前記商品情報には前記商品の商品価格が含まれており、前記印刷部は、各商品バーコードに対応付けられている商品名および商品価格をリスト化した前記配送商品リストを生成することが望ましい。
【0012】
本発明において、梱包予定の商品に欠品が発生している場合に、調達できた商品だけを配送先に届けるためには、前記配送情報取得部が取得した各商品特定情報により特定される各商品を梱包する際に、前記バーコードリーダーによって読み取られた各商品バーコードを記憶保持する読み取り商品バーコード記憶保持部と、梱包作業を継続することができない旨の梱包継続不能情報を取得する梱包継続不能情報取得部とを有し、前記印刷部は、前記商品バーコードリストが空になっていない状態で、前記梱包継続不能情報取得部が前記梱包継続不能情報を取得した場合には、前記住所情報に基づいて宛先ラベルを印刷するとともに、前記読み取り商品バーコード記憶保持部に記憶保持されている各商品バーコードに基づいて前記商品データベースを参照し、各商品バーコードに対応付けられている商品名をリスト化した梱包商品リストを生成して印刷し、前記商品バーコードリストに残っている各商品バーコードに基づいて前記商品データベースを参照し、各商品バーコードに対応付けられている商品名をリスト化した欠品商品リストを生成して印刷することが望ましい。すなわち、商品バーコードリストが空になっていない状態で梱包継続不能情報取得部が梱包継続不能情報を取得する場合とは、欠品の発生などによって梱包予定の商品を梱包できなくなっている場合なので、このような場合に住所情報に基づいて宛先ラベルを印刷すれば、宛先ラベルを配送体に貼り付けることによって調達できた商品を配送先に発送することが可能となる。また、このような場合に読み取り商品バーコード記憶保持部に記憶保持されている各商品バーコードに基づいて梱包商品リストを生成して印刷し、商品バーコードリストに残っている各商品バーコードに基づいて欠品商品リストを生成して印刷すれば、これら梱包商品リストおよび欠品商品リストを配送体に同梱することにより、配送先の受取人に調達できた商品と欠品が発生している商品の内容を知らせることができる。
【0013】
また、梱包予定の商品に欠品が発生している場合に、欠品している商品が手配されるまで梱包作業を中断するためには、梱包作業を継続することができない旨の梱包継続不能情報を取得する梱包継続不能情報取得部を有し、前記印刷部は、前記商品バーコードリストが空になっていない状態で、前記梱包継続不能情報取得部が前記梱包継続不能情報を取得した場合には、梱包が完了していない状態を示す梱包待ちラベルを印刷するとともに、前記商品バーコードリストに残っている各商品バーコードに基づいて前記商品データベースを参照し、各商品バーコードに対応付けられている商品名をリスト化した欠品商品一覧表を生成して印刷することが望ましい。すなわち、商品バーコードリストが空になっていない状態で梱包継続不能情報取得部が梱包継続不能情報を取得する場合とは、欠品の発生などによって梱包予定の商品を梱包できない場合なので、このような場合に梱包待ちラベルを印刷すれば、梱包待ちラベルを配送体に貼ることによって配送体の梱包が完了していないことを明らかにすることができ、全ての商品の梱包が終了していないのにも拘わらず、配送体が配送されてしまうことを防止できる。また、欠品商品一覧表が発行されるので、欠品している商品の確認が容易となる。
【0014】
この場合において、前記梱包継続不能情報を入力するための入力部を有し、前記梱包継続不能情報取得部は、前記入力部が操作されることによって入力された前記梱包継続不能情報を取得することが望ましい。すなわち、梱包予定の商品に欠品が発生しており梱包作業を継続することができなくなった場合に、梱包作業を行っている作業員が入力部を操作すれば、これにより、梱包予定の商品に欠品が発生している場合の処理に移行することができる。
【0015】
また、この場合において、前記バーコードリーダーによる商品バーコード読み取り間隔を計測している読み取り間隔計測部を有し、前記梱包継続不能情報取得部は、前記バーコードリーダーによる商品バーコードの読み取りが所定時間行われていない場合に、前記梱包継続不能情報を取得することが望ましい。すなわち、梱包予定の商品に欠品が発生しており梱包作業を継続することができなくなった場合には、欠品している商品の商品バーコードを読み取ることができず、バーコードリーダーによる読み取り間隔が欠品のない場合の読み取り間隔を超える。従って、バーコードリーダーによる商品バーコードの読み取りが所定時間行なわれていない場合には、欠品が発生しているものと判断できる。よって、バーコードリーダーによる商品バーコードの読み取りが所定時間行なわれていない場合に、梱包継続不能情報取得部が梱包継続不能情報を取得すれば、梱包予定の商品に欠品が発生している場合の処理に移行することができる。
【0016】
本発明において、前記配送情報取得部が取得した各商品特定情報に基づいて前記商品データベースを参照し、前記配送体として梱包される各商品の商品名をリスト化した梱包予定商品リストを生成して印刷する梱包予定商品リスト生成印刷部を有していることが望ましい。このようにすれば、梱包を行う作業員は、梱包予定商品リストに記載された商品名を参照して、倉庫などから梱包する商品をピックアップすることができる。
【0017】
本発明において、表示装置と、前記配送情報取得部が取得した各商品特定情報に基づいて前記商品データベースを参照し、前記配送体として梱包される各商品の商品名をリスト化した梱包予定商品リストを生成して、前記表示装置に表示する表示部と、前記バーコードリーダーによって商品バーコードが読み取られると、読み取られた商品バーコードに基づいて前記商品データベースを参照し、各商品バーコードに対応付けられている商品名と一致している商品名を前記表示装置に表示されている前記梱包予定商品リストから消去する表示消去部とを有することが望ましい。このようにすれば、梱包作業を行う際に、梱包予定の商品と異なる商品を梱包していないか否かを作業員が目視によって確認できる。また、梱包作業の完了を作業員が目視によって確認できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の配送商品梱包システムによれば、商品を配送体として梱包する際に、商品が付帯している商品バーコードをバーコードリーダーによって読み取ると、配送体として同時に梱包する予定の商品の商品バーコードをリスト化した商品バーコードリストから、読み取られた商品バーコードが自動的に消去される。これにより、商品バーコードをスキャンした商品と梱包予定の商品の一致が確認されるので、配送予定の商品とは異なる商品を梱包してしまうことを防止できる。また、梱包しようとする商品の商品バーコードをスキャンすると、商品バーコードリストから当該商品の商品バーコードが消去されるので、商品の重複梱包を防止できる。さらに、配送体を配送するための宛先ラベルは事前に印刷されておらず、商品の梱包作業によって商品バーコードリストが空になると印刷されるので、商品の梱包が完了する前に配送体が配送されてしまうことがない。従って、商品の未梱包を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を適用した通信販売管理システムの概略システム構成図である。
【図2】商品の注文から商品の梱包・配送までのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した配送商品梱包システムの実施の形態である通信販売管理システムを説明する。
【0021】
(全体構成)
図1は本発明を適用した通信販売管理システムの概略システム構成図である。本例の通信販売管理システム1は、顧客の情報端末2からの注文をインターネット経由で受け付け、注文された商品を配送先毎に一つの配送体として梱包し、この配送体を顧客の指定した配送先に配送するために用いられる。通信販売管理システム1は、WEBサーバー3、WEBサーバー3と通信可能に接続されている販売配送管理サーバー4、および、販売配送管理サーバー4と通信可能に接続されている配送商品梱包管理端末5を備えている。
【0022】
(WEBサーバー)
WEBサーバー3は、インターネットを介してWEBサーバー3に接続した顧客に取扱商品の写真などを掲載したホームページを提示する。また、ホームページを介して顧客の情報端末2からの商品の注文情報および顧客情報を受け付ける。顧客情報は、例えば、顧客名、配送先の住所である。注文情報は、商品を特定する商品番号などの商品特定情報や、注文個数、支払い方法などである。WEBサーバー3は注文情報および顧客情報を受け付けると、これらを販売配送管理サーバー4に送信する。
【0023】
(販売配送管理サーバー)
販売配送管理サーバー4は、商品データベース6、販売管理部7および配送商品梱包管理部8を備えている。商品データベース6は、取扱商品の商品番号、商品名、商品バーコード、商品価格などを関連付けた形態で記憶保持している。販売管理部7は販売管理データベース9を備えており、WEBサーバー3からの顧客情報および注文情報を受信すると、注文情報および顧客情報に基づいて商品データベース6を参照して購買金額などを含む顧客毎の売り上げ情報を生成して販売管理データベース9に記憶保持する。配送商品梱包管理部8は、WEBサーバー3からの顧客情報および注文情報を受信すると、注文情報および顧客情報に基づいて注文商品の配送先の住所情報と、配送先に配送される一つの配送体として同時に梱包される商品の商品特定情報を関連付ける。そして、関連付けた住所情報および商品特定情報を配送商品梱包管理端末5に送信する。
【0024】
(配送商品梱包管理端末)
配送商品梱包管理端末5は、商品の梱包を行うために商品倉庫に設けられた作業所に設置されている。配送商品梱包管理端末5は、コンピューターからなる装置本体10、ディスプレイ(表示装置)11、キーボード(入力部)12、商品バーコードを読み取るためのバーコードリーダー13、梱包した商品を配送するための宛先ラベルを印刷するための第1プリンター14、および、商品のリストなどを印刷するための第2プリンター15を備えている。ディスプレイ11、キーボード12、バーコードリーダー13、第1プリンター14および第2プリンター15は装置本体10に接続されている。
【0025】
装置本体10は、販売配送管理サーバー4との間で通信を行うための通信インターフェース20と、CPU、ROMおよびRAMを備える制御部21を有している。制御部21は、配送情報取得部22、梱包予定商品リスト生成印刷部23、商品バーコードリスト生成部24、表示部25、読み取り商品バーコード記憶保持部26、商品バーコードリスト消去部27、表示消去部28、梱包継続不能情報取得部29、および、印刷部30を備えている。制御部21の入力側には、キーボード12およびバーコードリーダー13が接続されており、制御部21の出力側には、ディスプレイ11、第1プリンター14および第2プリンター15が接続されている。
【0026】
配送情報取得部22は、配送商品梱包管理部8からの住所情報および商品特定情報を取得して記憶保持する。
【0027】
梱包予定商品リスト生成印刷部23は、配送情報取得部22が取得した各商品特定情報に基づいて販売配送管理サーバー4の商品データベース6を参照し、一つの配送体として梱包される各商品の商品名をリスト化した梱包予定商品リストを生成して印刷する。梱包予定商品リストは第2プリンター15から発行される。
【0028】
商品バーコードリスト生成部24は、配送情報取得部22が取得した各商品特定情報に基づいて販売配送管理サーバー4の商品データベース6を参照し、一つの配送体として梱包される各商品の商品バーコードをリスト化した商品バーコードリストを生成し、これを記憶保持する。
【0029】
表示部25は、配送情報取得部22が取得した各商品特定情報に基づいて前記商品データベース6を参照し、配送体として梱包される各商品の商品名をリスト化した梱包予定商品リストを生成して、ディスプレイ11に表示する。本例では、梱包予定商品リスト生成印刷部23が生成した梱包予定商品リストをディスプレイ11に表示する。
【0030】
読み取り商品バーコード記憶保持部26は、作業所に配置された作業員が、各商品特定情報によって特定される各商品を梱包する際にバーコードリーダー13によって各商品が付帯している商品バーコードを読み取ると、読み取られた商品バーコードを記憶保持する。
【0031】
商品バーコードリスト消去部27は、バーコードリーダー13によって商品の商品バーコードが読み取られると、読み取られた商品バーコードを、商品バーコードリストから消去する。
【0032】
表示消去部28は、バーコードリーダー13によって商品バーコードが読み取られると、読み取られた商品バーコードに基づいて商品データベース6を参照し、各商品バーコードに対応付けられている商品名と一致している商品名をディスプレイ11に表示されている梱包予定商品リストから消去する。すなわち、商品バーコードリスト消去部27が商品バーコードリストから読み取られた商品バーコードを消去する処理と同時に、ディスプレイ11に表示されている梱包予定商品リストから読み取られた商品バーコードに対応付けられている商品名と一致している商品名を消去する。商品名の消去は、例えば、ディスプレイ11に表示されている商品名に重ねて二重線などの取り消し線を表示することによって行なわれる。
【0033】
梱包継続不能情報取得部29は、梱包作業を行なっている作業員が、キーボード12を操作して入力する梱包継続不能情報を取得する。梱包継続不能情報は、梱包作業を継続することができない旨の情報であり、欠品の発生などによって梱包予定の商品の全てを梱包できない場合に、作業員が入力する。
【0034】
印刷部30は、商品バーコードリストが空になると、配送情報取得部22が記憶保持している住所情報に基づいて宛先ラベルを印刷する。宛先ラベルは第1プリンター14から発行される。また、印刷部30は、商品バーコードリストが空になると、配送情報取得部22が記憶保持している商品特定情報に基づいて、販売配送管理サーバー4の商品データベース6を参照し、各商品特定情報に対応付けられている商品名および商品価格をリスト化した商品明細書(配送商品リスト)を生成して、印刷する。商品明細書は第2プリンター15から発行される。
【0035】
さらに、印刷部30は、商品バーコードリストが空になっていない状態で梱包継続不能情報取得部29が梱包継続不能情報を取得した場合には、住所情報に基づいて宛先ラベルを印刷する。宛先ラベルは第1プリンター14から発行される。また、印刷部30は、商品バーコードリストが空になっていない状態で梱包継続不能情報取得部29が梱包継続不能情報を取得した場合には、読み取り商品バーコード記憶保持部26に記憶保持されている各商品バーコードに基づいて商品データベース6を参照し、各商品バーコードに対応付けられている商品名をリスト化した梱包商品リストを生成して印刷する。さらに、印刷部30は、商品バーコードリストが空になっていない状態で梱包継続不能情報取得部29が梱包継続不能情報を取得した場合には、商品バーコードリストに残っている各商品バーコードに基づいて商品データベース6を参照し、各商品バーコードに対応付けられている商品名をリスト化した欠品商品リストを生成して印刷する。これら梱包商品リストおよび欠品商品リストは第2プリンター15から発行される。
【0036】
(顧客による商品の注文から商品の梱包・配送までの流れ)
図2は、顧客による商品の注文から商品の梱包・配送までのフローチャートである。まず、顧客がインターネット上のホームページを介して注文情報および顧客情報を入力すると、WEBサーバー3はこれらの情報を取得して、販売配送管理サーバー4に送信する。なお、本例では、顧客は複数の商品を注文しており、これらの商品の配送先はいずれも顧客の住所となっているものとする。また、注文された複数の商品は一つの配送体として梱包して配送することが可能であるとする(ステップST1)。
【0037】
販売配送管理サーバー4が注文情報および顧客情報を受信すると、販売配送管理サーバー4の販売管理部7は売り上げ情報を生成して販売管理データベース9に記憶保持する。また、配送商品梱包管理部8は、注文情報および顧客情報に基づいて配送先の住所情報と、配送先に配送される一つの配送体として同時に梱包される各商品特定情報を関連付けて配送商品梱包管理端末5に送信する(ステップST2)。
【0038】
配送商品梱包管理端末5が住所情報と商品特定情報を受信すると、配送情報取得部22は、これら住所情報と商品特定情報を取得して記憶保持する(ステップST3)。配送情報取得部22によって住所情報と商品特定情報が取得されると、商品バーコードリスト生成部24は各商品特定情報に基づいて商品データベース6を参照して、各商品の商品バーコードをリスト化した商品バーコードリストを生成する(ステップST4)。また、梱包予定商品リスト生成印刷部23は配送情報取得部22が取得した各商品特定情報に基づいて商品データベース6を参照して、梱包予定商品リストを生成して印刷する。表示部25は、梱包予定商品リスト生成印刷部23によって生成された梱包予定商品リストをディスプレイ11に表示する(ステップST5)。ここで、ステップST5の図は、ディスプレイ11に表示された梱包予定商品リストの例を示している。本例では、ブラウス、スカート、ソックス、ベルト、バッグが梱包予定商品リストに表示されている。
【0039】
ここで、作業員は、印刷された梱包予定商品リストを手に商品倉庫内を移動して、梱包予定商品リストにある各商品をピックアップして、作業所に収集する。その後、作業員は、作業所において、収集した各商品が付帯している商品バーコードをバーコードリーダー13で読み取りながら、各商品を商品梱包用の箱内に収納する(ステップST6)。
【0040】
梱包作業において商品バーコードが読み取られると、読み取り商品バーコード記憶保持部26は、読み取った商品バーコードを記憶保持する(ステップST7)。また、商品バーコードリスト消去部27は、商品バーコードリストから、読み取った商品バーコードを消去する。同時に、表示消去部28は、読み取られた商品バーコードに基づいて商品データベース6を参照し、各商品バーコードに対応付けられている商品名と一致している商品名をディスプレイ11に表示されている梱包予定商品リストから消去する(ステップST8)。
【0041】
その後、収集した全ての商品の商品バーコードが読み取られるまで、すなわち、商品バーコードリストが空となるまで商品の梱包が繰り返される(ステップST9)。
【0042】
しかる後に、商品バーコードリストが空となると、ディスプレイ11上の梱包予定商品リストが空となる。商品バーコードリストが空となると、印刷部30が住所情報に基づいて宛先ラベルを印刷するとともに、商品明細書を印刷する(ステップST10)。ここで、ステップST10の図は、ディスプレイ11に表示された梱包予定商品リストの例を示しており、梱包予定商品リストの全ての商品が二重線によって消去されている。
【0043】
宛先ラベルおよび商品明細書が発行されると、作業員は、梱包用の箱内に商品明細書を収納し、箱を封緘する。これにより配送予定の各商品の梱包は完了し、これらの商品は一つの配送体となる。しかる後に、作業員が宛先ラベルを配送体に貼り付ければ、配送体の配送準備が整う。
【0044】
ここで、梱包予定の商品に欠品が発生しており、商品の梱包作業を継続することができなくなった場合には、作業員はキーボード12に梱包作業を継続することができない旨の梱包継続不能情報を入力する(ステップST11)。キーボード12から入力された梱包継続不能情報は、梱包継続不能情報取得部29に取得される。
【0045】
梱包継続不能情報取得部29が梱包継続不能情報を取得すると、印刷部30は宛先ラベルを印刷する。また、読み取り商品バーコード記憶保持部26に記憶保持されている各商品バーコードに基づいて梱包商品リストを生成して印刷するとともに、商品バーコードリストに残っている各商品バーコードに基づいて欠品商品リストを生成して印刷する(ステップST12)。
【0046】
宛先ラベル、梱包商品リストおよび欠品商品リストが発行されると、作業員は、梱包用の箱内に梱包商品リストおよび欠品商品リストを収納し、箱を封緘する。これにより配送予定の各商品のうち調達できた商品の梱包は完了し、これらの商品は一つの配送体となる。しかる後に、作業員が宛先ラベルを配送体に貼り付ければ、調達できた商品を梱包した配送体の配送準備が整う。
【0047】
なお、商品バーコードリストに残っている各商品バーコードは配送先情報と関連付けられた形態で制御部21に記憶保持される。その後、商品が調達され欠品が解消した時点で、これらの情報を利用して、調達された各商品の梱包が行なわれる。
【0048】
(作用効果)
本例によれば、商品を配送体として梱包する際に、商品が付帯している商品バーコードをバーコードリーダー13によって読み取ると、配送体として同時に梱包する予定の商品の商品バーコードをリスト化した商品バーコードリストから、読み取られた商品バーコードが自動的に消去される。これにより、商品バーコードをスキャンした商品と梱包予定の商品の一致が確認されるので、配送予定の商品とは異なる商品を梱包してしまうことを防止できる。また、梱包しようとする商品の商品バーコードをスキャンすると、商品バーコードリストから当該商品の商品バーコードが消去されるので、商品の重複梱包を防止できる。さらに、配送体を配送するための宛先ラベルは事前に印刷されておらず、商品の梱包作業によって商品バーコードリストが空になると印刷されるので、商品の梱包が完了する前に配送体が配送されてしまうことがない。従って、商品の未梱包を防止できる。
【0049】
また、本例では、配送商品梱包管理端末5から梱包予定商品リストが発行されるので、梱包を行う作業員は、梱包予定商品リストに記載された商品名を参照しながら、商品倉庫から梱包する商品をピックアップすることができる。
【0050】
さらに、本例では、配送商品梱包管理端末5のディスプレイ11に梱包予定商品リストが表示されており、梱包しようとする商品の商品バーコードをスキャンする毎に、梱包予定商品リストから各商品バーコードに対応付けられている商品名と一致している商品名が消去される。従って、梱包作業を行う際に、梱包予定の商品と異なる商品を梱包していないか否かを作業員が目視によって確認できる。また、梱包作業の完了を作業員が目視によって確認できる。
【0051】
また、本例では、商品バーコードリストが空になっていない状態で梱包継続不能情報取得部29が梱包継続不能情報を取得した場合、すなわち、梱包予定の商品に欠品が発生しており、作業員が梱包継続不能情報をキーボード12に入力した場合には、宛先ラベル、梱包商品リストおよび欠品商品リストが発行される。従って、宛先ラベルを配送体に貼り付けることにより、調達できた商品を配送先に発送することができる。また、梱包商品リストおよび欠品商品リストを配送体に同梱することにより、配送先の受取人に調達できた商品と欠品が発生している商品の内容を知らせることができる。
【0052】
(変形例1)
上記の例では、商品明細書は、配送情報取得部22が取得した注文情報に含まれている各商品特定情報に基づいて生成されているが、梱包作業の際に、バーコードリーダー13が読み取った各商品特定情報に基づいて生成してもよい。この場合には、商品バーコードリストが空になると、印刷部30が読み取り商品バーコード記憶保持部26に記憶保持されている各商品バーコードに基づいて商品データベース6を参照し、各商品バーコードに対応付けられている商品名および商品価格をリスト化した配送商品リストを生成して印刷すればよい。
【0053】
(変形例2)
上記の例では、梱包予定の商品に欠品が発生している場合には、調達できた商品だけを配送先に発送するようにしているが、全ての商品が調達できるまで梱包作業を中断するようにしてもよい。この場合には、印刷部30は、商品バーコードリストが空になっていない状態で、梱包継続不能情報取得部29が梱包継続不能情報を取得した場合には、梱包が完了していない状態を示す梱包待ちラベルを印刷するとともに、商品バーコードリストに残っている各商品バーコードに基づいて商品データベース6を参照し、各商品バーコードに対応付けられている商品名をリスト化した欠品商品一覧表を生成して印刷する。
【0054】
このようにすれば、梱包待ちラベルを配送体に貼ることによって配送体の梱包が完了していないことを明らかにすることができ、全ての商品の梱包が終了していないのにも拘わらず配送体が配送されてしまうことを防止できる。また、欠品商品一覧表が発行されるので、欠品している商品の確認が容易となる。
【0055】
(その他の実施の形態)
上記の例では、梱包予定の商品に欠品が発生しており梱包作業を継続することができなくなった場合に、梱包作業を行っている作業員が入力部を操作して梱包継続不能情報を入力しているが、制御部に、バーコードリーダー13による商品バーコード読み取り間隔を計測している読み取り間隔計測部を備え、梱包継続不能情報取得部が、バーコードリーダー13による商品バーコードの読み取りが所定時間行われていない場合に、梱包継続不能情報を取得するようにしてもよい。
【0056】
すなわち、梱包予定の商品に欠品が発生しており梱包作業を継続することができなくなった場合には、欠品している商品の商品バーコードを読み取ることができず、バーコードリーダー13による読み取り間隔が欠品のない場合の通常の読み取り間隔を超える。従って、バーコードリーダー13による商品バーコードの読み取りが所定時間行なわれていない場合には、欠品が発生しているものと判断し、梱包継続不能情報取得部が梱包継続不能情報を取得する。
【0057】
なお、配送情報取得部22、梱包予定商品リスト生成印刷部23、商品バーコードリスト生成部24、表示部25、読み取り商品バーコード記憶保持部26、商品バーコードリスト消去部27、表示消去部28、および、梱包継続不能情報取得部29を販売配送管理サーバー4の側に備えるように構成してもよい。この場合には、配送商品梱包管理端末5は、ディスプレイ11、キーボード12、バーコードリーダー13、第1プリンター14および第2プリンター15と販売配送管理サーバー4の間における情報のやり取りを中継する。
【符号の説明】
【0058】
1・・通信販売管理システム(配送商品梱包システム)、2・・顧客の情報端末、3・・WEBサーバー、4・・販売配送管理サーバー、5・・配送商品梱包管理端末、6・・商品データベース、7・・販売管理部、8・・配送商品梱包管理部、9・・販売管理データベース、10・・装置本体、11・・ディスプレイ(表示装置)、12・・キーボード(入力部)、13・・バーコードリーダー、14・・第1プリンター、15・・第2プリンター、20・・通信インターフェース、21・・制御部、22・・配送情報取得部、23・・梱包予定商品リスト生成印刷部、24・・商品バーコードリスト生成部、25・・表示部、26・・読み取り商品バーコード記憶保持部、27・・商品バーコードリスト消去部、28・・表示消去部、29・・梱包継続不能情報取得部、30・・印刷部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を特定するための商品特定情報、前記商品の商品名を含む商品情報、および、前記商品の商品バーコードを対応付けた形態で記憶保持している商品データベースと、
配送先の住所情報、および、前記配送先に配送される配送体として同時に梱包される商品の商品特定情報の入力を受け付けて記憶保持する配送情報取得部と、
前記配送情報取得部が取得した各商品特定情報に基づいて前記商品データベースを参照し、前記配送体として梱包される各商品の商品バーコードをリスト化した商品バーコードリストを生成する商品バーコードリスト生成部と、
前記配送情報取得部が取得した各商品特定情報により特定される各商品を梱包する際に、各商品が付帯している商品バーコードを読み取るためのバーコードリーダーと、
前記バーコードリーダーによって読み取られた商品バーコードを、前記商品バーコードリストから消去する商品バーコードリスト消去部と、
前記商品バーコードリストが空になると、前記住所情報に基づいて宛先ラベルを印刷する印刷部を備えていることを特徴とする配送商品梱包システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記印刷部は、前記商品バーコードリストが空になると、前記配送情報取得部が取得した各商品特定情報に基づいて前記商品データベースを参照し、各商品特定情報に対応付けられている商品名をリスト化した配送商品リストを生成して印刷することを特徴とする配送商品梱包システム。
【請求項3】
請求項2において、
前記商品情報には前記商品の商品価格が含まれており、
前記印刷部は、各商品特定情報に対応付けられている商品名および商品価格をリスト化した前記配送商品リストを生成することを特徴とする配送商品梱包システム。
【請求項4】
請求項1において、
前記配送情報取得部が取得した各商品特定情報により特定される各商品を梱包する際に、前記バーコードリーダーによって読み取られた各商品バーコードを記憶保持する読み取り商品バーコード記憶保持部を有し、
前記印刷部は、前記商品バーコードリストが空になると、前記読み取り商品バーコード記憶保持部に記憶保持されている各商品バーコードに基づいて前記商品データベースを参照し、各商品バーコードに対応付けられている商品名をリスト化した配送商品リストを生成して印刷することを特徴とする配送商品梱包システム。
【請求項5】
請求項4において、
前記商品情報には前記商品の商品価格が含まれており、
前記印刷部は、各商品バーコードに対応付けられている商品名および商品価格をリスト化した前記配送商品リストを生成することを特徴とする配送商品梱包システム。
【請求項6】
請求項2または3において、
前記配送情報取得部が取得した各商品特定情報により特定される各商品を梱包する際に、前記バーコードリーダーによって読み取られた各商品バーコードを記憶保持する読み取り商品バーコード記憶保持部と、
梱包作業を継続することができない旨の梱包継続不能情報を取得する梱包継続不能情報取得部とを有し、
前記印刷部は、前記商品バーコードリストが空になっていない状態で、前記梱包継続不能情報取得部が前記梱包継続不能情報を取得した場合には、前記住所情報に基づいて宛先ラベルを印刷するとともに、前記読み取り商品バーコード記憶保持部に記憶保持されている各商品バーコードに基づいて前記商品データベースを参照し、各商品バーコードに対応付けられている商品名をリスト化した梱包商品リストを生成して印刷し、前記商品バーコードリストに残っている各商品バーコードに基づいて前記商品データベースを参照し、各商品バーコードに対応付けられている商品名をリスト化した欠品商品リストを生成して印刷することを特徴とする配送商品梱包システム。
【請求項7】
請求項2または3において、
梱包作業を継続することができない旨の梱包継続不能情報を取得する梱包継続不能情報取得部を有し、
前記印刷部は、前記商品バーコードリストが空になっていない状態で、前記梱包継続不能情報取得部が前記梱包継続不能情報を取得した場合には、梱包が完了していない状態を示す梱包待ちラベルを印刷するとともに、前記商品バーコードリストに残っている各商品バーコードに基づいて前記商品データベースを参照し、各商品バーコードに対応付けられている商品名をリスト化した欠品商品一覧表を生成して印刷することを特徴とする配送商品梱包システム。
【請求項8】
請求項6または7において、
前記梱包継続不能情報を入力するための入力部を有し、
前記梱包継続不能情報取得部は、前記入力部が操作されることによって入力された前記梱包継続不能情報を取得することを特徴とする配送商品梱包システム。
【請求項9】
請求項6または7において、
前記バーコードリーダーによる商品バーコード読み取り間隔を計測している読み取り間隔計測部を有し、
前記梱包継続不能情報取得部は、前記バーコードリーダーによる商品バーコードの読み取りが所定時間行われていない場合に、前記梱包継続不能情報を取得することを特徴とする配送商品梱包システム。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかの項において、
前記配送情報取得部が取得した各商品特定情報に基づいて前記商品データベースを参照し、前記配送体として梱包される各商品の商品名をリスト化した梱包予定商品リストを生成して印刷する梱包予定商品リスト生成印刷部を有していることを特徴とする配送商品梱包システム。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかの項において、
表示装置と、
前記配送情報取得部が取得した各商品特定情報に基づいて前記商品データベースを参照し、前記配送体として梱包される各商品の商品名をリスト化した梱包予定商品リストを生成して、前記表示装置に表示する表示部と、
前記バーコードリーダーによって商品バーコードが読み取られると、読み取られた商品バーコードに基づいて前記商品データベースを参照し、各商品バーコードに対応付けられている商品名と一致している商品名を前記表示装置に表示されている前記梱包予定商品リストから消去する表示消去部とを有することを特徴とする配送商品梱包システム。


【図1】
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【図2】
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