説明

配送管理システム、配送管理方法、錠前装置及びプログラム

【課題】配送中の荷物が開封されてしまうことを防止できる配送管理システム(方法、錠前装置、プログラム)の提供。
【解決手段】荷送人端末30が、錠前装置10に対して、解錠鍵の設定と施錠を指示し、荷送人端末30が、荷受人端末40に対して、錠前装置に設定された解錠鍵を送信する。前記錠前装置10は、設定した解錠鍵による解錠要求に応じて施錠を解くとともに荷送人端末30及び荷受人端末40に対して解錠したことを通知(解錠通知)する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送管理システム、配送管理方法、錠前装置及びプログラムに関し、特に、プライバシーを考慮した配送管理システム、配送管理方法、錠前装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に配送途中における荷物の誤配送を防止できるようにした物流管理装置が開示されている。同文献の図2に、GPSアンテナと、表示部と、入出力端子と、GPSと、第1通信機と、第2通信機と、バッテリーと、タイマ部と、RAMと、ROMと、CPUとを備える物流管理装置の構成が示されている。
【0003】
上記特許文献1の物流管理装置は次のように動作する。すなわち、発送人が配送したい物品を宅配便営業所に持ち込んで配送手続きを行う際に、物流管理装置(タグ)を物品に貼り付け、行先、内容物、重量等のデータやパスワードを入力する。発送人は、配送途中の物品に対して物流管理装置(タグ)の電話番号にかけてパスワードを入力すると、基地局を介して物流管理装置に接続され、RAMに書き込まれた位置データや配送履歴といった物流管理データを直接取り出すことができる。また、物品の位置もGPSや最寄りの基地局から把握することができる。
【0004】
特許文献2に、携帯電話機を利用して解錠でき、また、携帯電話機を用いて利用料金を支払うことができるようにした一時預かりボックスシステムが開示されている。同文献の図2に、携帯電話機と、一時預かりボックスのコントロールパネルと、インターネットT9と、中央コンピュータとを有する一時預かりボックスシステムの全体構成が示されている。また、同文献の図2によると、コントロールパネルは、入力手段と、表示手段と、スピーカーと、赤外線センサと、ランプと、プリンタと、制御部とから構成されている。
【0005】
上記特許文献2の一時預かりボックスシステムは次のように動作する。すなわち、インターネットが利用出来る携帯電話機を用いて一時預かりボックスの制御部に対してID情報として携帯電話機自体の電話番号を発信し、制御部はその電話番号を受信して一致した場合に施錠機構を駆動して一時預かりボックスを解錠する。
【0006】
特許文献3には、配送先が留守であった場合における配送ロスを削減できる宅配システムが開示されている。同文献の図1に、配送センタと、コンビニエンスストアと、携帯電話との宅配システムの全体構成が示されている。同図によると、配送センタは、配送側情報通信端末装置(発送端末)から構成されている。配送側情報通信端末装置(発送端末)は、配送情報生成部と、暗号鍵生成部と、受取場所特定部と、情報送信部とから構成されている。コンビニエンスストアは、受取側情報通信端末装置(受取端末)と、保管箱と、LANとから構成されている。受取側情報通信端末装置(受取端末)は、情報受信部と、荷受人認証部と、宅配通知部と、保管箱管理部と、情報更新部と、情報転送部とから構成されている。
【0007】
上記特許文献3の宅配システムは次のように動作する。すなわち、配送センタに設置された発送端末は、荷受人により入力された荷送人及び荷受人に関する情報に基づき住所、携帯電話番号、インターネットアドレス等を含む配送情報を生成し、更に配送情報に基づき暗号鍵を生成する。受取場所特定部は、荷受人情報に基づき宅配物の配送先となるコンビニエンスストアを特定して配送情報及び暗号鍵を送信する。受取端末の宅配通知部は、荷受人の携帯電話へ配送予定日時、配送情報及び暗号鍵を送信する。この事前通知に対し荷受人から何の応答もないときには、設定通り宅配物はコンビニエンスストアへ配送されて保管箱で一時保管される。荷受人は、宅配物回収時に暗号鍵を受取端末へ送り、保管箱管理部による認証により保管箱が解錠され宅配物を受け取る。
【0008】
特許文献4には、輸送中の荷物の盗難や改ざんを未然に防止することができるセキュリティシステムが開示されている。同文献の図1には、センタ装置と、トラック(車両)とからなるセキュリティシステムにおいて、トラック(車両)に、無線通信装置と、位置検出装置と、解錠操作装置と、情報処理装置と、外部機器制御装置と、電子施錠装置(解錠許可手段)と、カーナビゲーション(ナビゲーション手段)と、車速センサと、赤外線センサと、ドア開センサとを備えることが提案されている。
【0009】
特許文献4のセキュリティシステムは、次のように動作する。すなわち、情報処理装置は、無線通信装置により受信された解錠位置情報と位置検出装置から出力された現在位置情報が一致する場合に限り、解錠操作装置の操作を有効にする。
【0010】
特許文献5には、輸送中の荷台扉の開閉状態を管理できるようにした配送車錠システムが開示されている。同文献の図1には、携帯端末と、基地局と、インターネットと、配送車錠コントローラと、管理サーバとから構成された配送車錠システムの全体構成が示されている。携帯端末は配送車の運転手が所持する携帯端末であり、インターネットに接続されている。配送車錠コントローラは、配送車の内部に取り付けられたコントローラであり、携帯電話機能およびロック/解錠機能を有し、インターネットに接続されている。管理サーバは、配送車錠を管理するサーバであり、内部のデータベースに配送車解錠情報を記憶保持している。
【0011】
特許文献5の配送車錠システムは次のように動作する。管理サーバが、インターネットを介して解錠情報を端末およびコントローラへ送信する。そして、携帯端末が短距離無線通信によって解錠情報をコントローラへ送り、コントローラがその解錠情報を受けて配送車の荷台扉のロック/解錠およびエンジン始動を行う。
【0012】
特許文献6には、運送業務における貴重品荷物の輸送の際の安全性を向上させることのできる輸送容器及び輸送容器管理システムが開示されている。同文献の図1には、鍵機構と、鍵駆動手段と、記憶手段と、位置検出手段と、位置照合手段と、解錠指示手段と、警報手段と、送信手段とから構成された輸送容器の構成が示されている。
【0013】
特許文献6の輸送容器は次のように動作する。すなわち、輸送容器は、輸送時に物品を収納した状態で閉蓋され、記憶手段に輸送先の位置情報を予め記憶し、鍵機構により施錠される。輸送先への到着時に位置検出手段により現在の所在位置を検出し、位置照合手段により位置検出手段により検出された所在位置情報と記憶手段に記憶された位置情報を照合して、これらの位置情報が一致するか否かを判定する。両者が一致すると判定された場合、解錠指示手段により鍵機構の解錠を指示する。
【0014】
【特許文献1】特開2002−60018号公報 (第1−7頁、図2)
【特許文献2】特開2001−325660号公報 (第1−9頁、図2)
【特許文献3】特開2002−321830号公報 (第1−8頁、図1)
【特許文献4】特開2002−220957号公報 (第1−8頁、図1)
【特許文献5】特開2002−327563号公報 (第1−7頁、図1)
【特許文献6】特開平8−218732号公報 (第1−43頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
特許文献4−6のように、配送車や輸送容器の解錠条件を厳格化することにより、荷物の不正な開封や内容物のすり替えを行い難くする方法が知られているが、これらのシステムでは、施錠機構そのものが破られてしまうことを考慮していないという問題点がある。
【0016】
特許文献1−3のように、ネットワークを利用して荷物の位置等を知らせることのできる配送システムも提案されているが、これらのシステムにおいても、施錠機構そのものが破られてしまうことを想定していないという状況である。
【0017】
また、更に望ましくは、第三者が解錠鍵を知得できないようにようにするとともに、荷送人、荷受人等にとって過度の負担とならないように配慮する必要がある。
【0018】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、配送中の荷物に施された錠が不正に開けられてしまう事態の発生を抑止するとともに、そのような事態が発生した場合には速やかに当事者に知らせることのできる配送管理システム、配送管理方法、錠前装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の視点によれば、対象物を施錠する施錠手段と、前記施錠手段による施錠を解錠するための解錠鍵の設定指示を受け付け、解錠鍵を設定する解錠鍵設定受付手段と、前記解錠鍵を用いた解錠要求に応じて前記施錠手段による施錠を解くとともに荷送人端末及び荷受人端末に対して解錠したことを通知(解錠通知)する解錠手段とを備え、持ち運び可能な錠前装置と、前記錠前装置の解錠鍵設定受付手段に対し解錠鍵の設定を指示する解錠鍵設定指示手段と、前記錠前装置の施錠手段に対し施錠を指示する施錠指示手段と、荷受人端末に対して前記解錠鍵を通知する解錠鍵通知手段と、前記錠前装置からの解錠通知を表示する解錠通知表示手段とを備える荷送人端末と、前記荷送人端末より通知された解錠鍵を出力する解錠鍵出力手段と、前記錠前装置の解錠手段に対し前記出力された解錠鍵を入力して解錠を指示する解錠指示手段と、前記錠前装置からの解錠通知を出力する解錠通知出力手段とを備える荷受人端末と、を含む配送管理システムが提供される。
【0020】
本発明の第2の視点によれば、荷送人端末が、錠前装置に対して、解錠鍵の設定と施錠を指示し、前記荷送人端末装置が、荷受人端末に対して、前記錠前装置に設定された解錠鍵を送信し、前記錠前装置が、前記設定した解錠鍵による解錠要求に応じて施錠を解くとともに荷送人端末及び荷受人端末に対して解錠したことを通知(解錠通知)することを特徴とする配送管理方法が提供される。
【0021】
本発明の第3の視点によれば、荷送人端末からの指示に従い、指定された解錠鍵を設定するとともに、施錠する手段と、前記設定した解錠鍵による解錠要求に応じて施錠を解くとともに、荷送人端末及び荷受人端末に対して解錠したことを通知(解錠通知)する手段とを、備える錠前装置及びコンピュータを前記錠前装置の各手段として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、錠が不正に開けられてしまう可能性を低減するとともに、そのような事態が発生した場合には速やかに当事者にその旨を知らせることが可能になる。その理由は、荷送人から荷受人に直接解錠鍵が渡される構成とするとともに、解錠時に解錠通知を発行するよう構成したことにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[発明の概要]
始めに本発明の概要について説明する。図1は、本発明の概要を説明するための模式図である。図1を参照すると、錠前装置10と、荷送人端末30と、荷受人端末40とがネットワーク100に接続されている構成が示されている。
【0024】
錠前装置10と、荷送人端末30と、荷受人端末40のネットワーク100に対するアクセス手段としては無線アクセス手段を用いることができる。例えば、携帯電話端末の無線アクセス方式、PHS(Personal Handy−Phone System)、無線LAN(Local Area Network)、各種の近距離無線通信方式等を挙げることができる。
【0025】
これらの装置はそれぞれ概略次のように動作する。錠前装置10は、荷送人端末30や荷受人端末40から、電子鍵を伴う指示を受けて、錠前機構の電子鍵の設定や施錠、解錠を行う。
【0026】
荷送人端末30は、錠前装置10に対し解錠鍵の設定や施錠を指示したり、荷受人端末40に対し解錠鍵を送信したり、錠前装置からの解錠通知を画面に表示したりする。
【0027】
荷受人端末40は、錠前装置10に対し解錠を指示したり、荷送人端末30からの解錠鍵通知を出力したり、錠前装置10からの解錠通知を画面に表示したりする。
【0028】
荷送人は、荷送人端末30を用いて、荷物を収容する容器等に取り付けられた錠前装置10に対し、解錠鍵の設定と施錠を指示するとともに、荷受人端末40に対して前記解錠鍵を送信しておく。
【0029】
その間、荷物を収容する容器等に取り付けられた錠前装置10が配送先に届けられる。
【0030】
荷受人は、荷物を収容する容器等に取り付けられた錠前装置10に対して、前記荷送人より受け取った解錠鍵を用いて解錠を指示する。
【0031】
錠前装置10は、解錠処理を行うとともに、荷送人端末30や荷受人端末40に対して、解錠したことを通知する解錠通知を送信する。この際の解錠通知の送信先は、荷送人端末30が錠前装置10に入力するものとしてもよいし、あるいは、運送業者や配達人が入力するものとしてもよい。荷送人端末30や荷受人端末40の以外の信頼の置ける宛先に解錠通知を送信するようにしてもよい。また、錠前装置10からの指示に基づき、メールサーバ等が予め登録された荷送人端末30や荷受人端末40のアドレスに対し解錠通知を送信するようにしてもよい。
【0032】
以上のように、荷送人から荷受人に直接解錠鍵が渡されるとともに、解錠時に解錠通知を発行することとしたため、錠が不正に開けられてしまう可能性を低減するとともに、そのような事態が発生した場合には速やかに当事者にその旨を知らせることが可能になる。
【0033】
[第1の実施形態]
続いて本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る配送管理システムの構成を表した図である。
【0034】
図1を参照すると、錠前装置10と、荷送人端末30と、荷受人端末40とがネットワーク100に接続されている構成が示されている。
【0035】
錠前装置10は、図示省略する施錠機構を動作させ施錠を行う施錠手段11と、荷送人端末30等から解錠鍵の設定指示を受け付けて、解錠鍵の設定処理を行う解錠鍵設定受付手段12と、図示省略する施錠機構を動作させ解錠を行うとともに解錠時に荷送人端末30及び荷受人端末40に対して解錠通知を送信する解錠手段13と、を備え、荷物とともに配送される。また、本実施形態では、錠前装置10は、解錠鍵の設定指示の際に、解錠通知の送信先(荷送人端末/荷受人端末)の登録を受け付けるものとする。これら錠前装置10の各処理手段は、錠前装置に搭載されたコンピュータに、施錠機構、メモリ、入出力インタフェース等のハードウェア資源を用いて、後記する処理を実行させるコンピュータプログラムにより実現できる。
【0036】
荷送人端末30は、錠前装置10に対し、解錠鍵の設定を指示する解錠鍵設定指示手段31と、錠前装置10に対し、施錠を指示する施錠指示手段32と、荷受人端末40に対して解錠鍵を通知する解錠鍵通知手段33と、錠前装置10から受信した解錠通知を画面等に出力したり、音声として出力する解錠通知出力手段34とを備える。
【0037】
荷受人端末40は、荷送人端末30より送信された解錠鍵を出力する解錠鍵出力手段41と、前記出力した解錠鍵を用いて錠前装置10に対して解錠を指示する解錠指示手段42と、錠前装置10から受信した解錠通知を画面等に出力したり、音声として出力する解錠通知出力手段43とを備える。
【0038】
上記した荷送人端末30及び荷受人端末40は、専用のハードウェアにより構成することもできるが、より簡単には、携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistant)等に、後記する処理を実行させるコンピュータプログラムをインストールすることによって実現できる。
【0039】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る配送管理システムの動作を表したシーケンス図である。
【0040】
まず、荷送人端末30は錠前装置10に解錠鍵設定を指示する(ステップA32)。次に、錠前装置10は解錠鍵を設定し、荷送人端末30に応答を返す(ステップA13)。なお本実施形態では、荷送人端末30が錠前装置10に対して設定する解錠鍵を指示するものとしているが、錠前装置10に解錠鍵の生成機能が備えられている場合には、解錠鍵の生成を指示し、応答として、解錠鍵を受け取るようにしてもよい。ここでは、上記解錠鍵設定の指示とともに、荷送人端末30が解錠通知の送信先(荷送人端末/荷受人端末)の指定し、錠前装置10が解錠通知の送信先(荷送人端末/荷受人端末)を記憶するものとする。
【0041】
その後、荷送人は荷物に錠前装置10を装着し、荷送人端末30を用いて、錠前装置10に施錠を指示する(ステップA33)。施錠指示を受け取った錠前装置10は施錠し、荷送人端末30に応答を返す(ステップA14)。施錠された錠前装置10が装着された荷物は、運送会社等を介して荷受人に届けられる。
【0042】
前記荷物の発送後、荷送人は、荷送人端末30を用いて、荷受人端末40に対して解錠鍵(電子鍵)を送信する(ステップA35)。荷受人端末40は、解錠鍵または解錠鍵を受信した旨を画面に出力し、荷送人端末30に応答を返す(ステップA43)。
【0043】
荷受人は荷物を受け取ると、荷受人端末40を用いて、解錠鍵を入力し錠前装置10に解錠を指示する(ステップA46)。錠前装置10は、解錠鍵の正当性の確認後解錠し、荷受人端末40及び荷送人端末30に応答として解錠通知を送信する(ステップA17)。
【0044】
荷送人端末30は解錠通知を受信すると、錠前装置10に応答を返すとともに、画面への表示等により解錠通知を出力する(ステップA36)。同様に、荷受人端末40は解錠通知を受信すると、錠前装置10に応答を返すとともに、画面への表示等により解錠通知を出力する(ステップA47)。
【0045】
以上のように、本実施の形態では、解錠鍵が荷送人から荷受人に張設渡される構成としているため、運送会社の従業員等であっても解錠鍵を入手することは困難である。また、解錠が行われると荷送人及び荷受人に通知が届くように構成されているため、荷送人及び荷受人以外による不正な解錠を速やかに知ることができる。
【0046】
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第1の実施形態に、荷物の現在位置確認機能を追加した本発明の第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図4は、本発明の第2の実施形態に係る配送管理システムの構成を表した図である。
【0047】
上述した第1の実施形態と、第2の実施形態との相違点は、錠前装置10に測位手段14が備えられている点と、荷受人端末40に位置表示手段44が備えられている点である。その他構成は上記した第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0048】
測位手段14は、全地球測位システム(GPS;Global Positioning System)方式、ネットワーク補助全地球測位システム(Network assisted GPS)方式、携帯電話網におけるセル識別子ベース(Cell ID based)方式、無線通信網において特定の無線移動局が複数の無線基地局の電波を計測して測位する方式、または、無線通信網において複数の無線基地局が特定の無線移動局からの電波を計測して測位する方式等のいずれを利用したものであってもよい。
【0049】
荷受人端末40の位置表示手段44は、上記測位手段14を備える錠前装置10に対して、現在位置を照会し、その応答に基づいて、錠前装置10の現在地を表示する手段である。
【0050】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係る配送管理システムの動作を表したシーケンス図である。
【0051】
荷送人が、荷送人端末30を用いて、錠前装置10に解錠鍵設定及び施錠を指示し、荷受人端末40にて解錠鍵を受信するまでの動作は上記した第1の実施形態と同様である(ステップA32〜ステップA43)。
【0052】
本実施形態では、荷受人は、荷物の位置を知りたい場合に、荷受人端末40を用いて、錠前装置10に位置検索を指示する(ステップA44)。錠前装置10は、測位手段14により測位を実施し、応答として荷受人端末40に対して現在位置情報を送信する(ステップA15)。
【0053】
現在位置情報を受信した荷受人端末40は、荷物の現在位置として、錠前装置10の位置を画面に表示する(ステップA45)。荷受人は、繰り返し荷物の位置を知りたい場合には、上記のステップを繰り返すことができる(ステップA44〜A45)。
【0054】
荷受人は荷物を受け取ると、荷受人端末40を用いて、解錠鍵を入力し錠前装置10に解錠を指示する(ステップA46)。前記解錠指示を受け取った錠前装置10は、測位を実施するとともに(ステップA16)、解錠鍵の正当性の確認後解錠し、荷受人端末40及び荷送人端末30に応答として、ステップA16で測位した現在位置情報を含んだ解錠通知を送信する(ステップA17)。
【0055】
荷送人端末30は解錠通知を受信すると、錠前装置10に応答を返すとともに、画面への表示等により現在位置情報を含んだ解錠通知を出力する(ステップA36)。同様に、荷受人端末40は解錠通知を受信すると、錠前装置10に応答を返すとともに、画面への表示等により現在位置情報を含んだ解錠通知を出力する(ステップA47)。
【0056】
以上のとおり、本実施の形態では、上記した第1の実施形態の効果に加えて、錠前装置の位置を追跡できるように構成されているため、配達中の荷物の位置や、錠前装置10が解錠された位置を知ることができる。
【0057】
[第3の実施形態]
続いて、荷受人不在時の荷物の留守置きとその後の錠前装置の回収を確実に行いうるようにした本発明の第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図6は、本発明の第3の実施形態に係る配送管理システムの構成を表した図である。
【0058】
上述した第1の実施形態と、第3の実施形態との相違点は、荷送人端末30に代えて、運送業者端末20と配達人端末50とが配設されている点である。もちろん、荷送人端末30がネットワーク100に接続されていても差し支えはない。
【0059】
運送業者端末20は、錠前装置10に対し施錠鍵の設定を指示する施錠鍵設定指示手段21と、解錠鍵を生成するとともに錠前装置10に対し解錠鍵の設定を指示する解錠鍵生成・設定指示手段22と、施錠鍵を配達人端末50又は荷受人端末40に送信する施錠鍵通知手段23と、解錠鍵を配達人端末50又は荷受人端末40に送信する解錠鍵通知手段24と、各錠前装置(荷物)の状態を記録する状態管理手段25とを備える。
【0060】
配達人端末50は、運送業者端末20に対して施錠及び施錠鍵の送信を要求する施錠鍵要求手段51と、運送業者端末20から受け取った施錠鍵を出力する施錠鍵出力手段52と、錠前装置10に対し、施錠を指示する施錠指示手段53と、を備える。その他構成は上記した第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0061】
上記した配達人端末50は、専用のハードウェアにより構成することもできるが、より簡単には、携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistant)等に、後記する処理を実行させるコンピュータプログラムをインストールすることによって実現できる。また、上記した運送業者端末20は、パーソナルコンピュータ等に、後記する処理を実行させるコンピュータプログラムをインストールすることによって実現できる。
【0062】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。図7は、本発明の第3の実施形態に係る配送管理システムにおける配達人が荷物を留守置きし、荷受人が荷物を受領するまでの動作を表したシーケンス図である。
【0063】
まず、配達人は、荷物の配送に先立って、配達人端末50を用いて、運送業者端末20に対して施錠と施錠鍵の送信を要求する(ステップB51)。
【0064】
施錠と施錠鍵の送信要求を受けた運送業者端末20は、まず、錠前装置10に対して設定の初期化を要求する(ステップB21)。錠前装置10は、設定を初期化し、運送業者端末20に応答を返す(ステップB11)。
【0065】
次に、運送業者端末20は、状態管理手段25における錠前装置10の状態及び状態履歴を更新し(状態:初期化済み)、錠前装置10に応答を返す(ステップB22)。
【0066】
次に、運送業者端末20は、錠前装置10に対して施錠鍵設定を指示する(ステップB23)。錠前装置10は、施錠鍵を設定し、運送業者端末20に応答を返す(ステップB12)。
【0067】
次に、運送業者端末20は、状態管理手段25における錠前装置10の状態及び状態履歴を更新し(状態:施錠鍵設定済み)、錠前装置10に応答を返す(ステップB24)。
【0068】
次に、運送業者端末20は、前記施錠鍵に対応する解錠鍵を生成し、当該生成した解錠鍵にて錠前装置10に解錠鍵設定を指示する(ステップB25)。錠前装置10は、運送業者端末20より指定された解錠鍵を設定し、運送業者端末20に応答を返す(ステップB13)。運送業者端末20は、状態管理手段25における錠前装置10の状態及び状態履歴を更新し(状態:解錠鍵設定済み)、錠前装置10に応答を返す(ステップB26)。
【0069】
以上の処理が完了すると、運送業者端末20は、配達人端末50に対して施錠鍵を送信する(ステップB27)。配達人端末50は、施錠鍵または施錠鍵を受信した旨を画面に出力し、運送業者端末20に応答を返す(ステップB52)。
【0070】
前記施錠鍵を受信すると、配達人は、荷物を留守置きすべく、荷受人の自宅のドアノブや門扉、郵便受けなどの固定物の穴やくびれ、または、自動車などの重量物の穴やくびれを利用して、錠前装置10を用いて荷物を固定した後、配達人端末50を用いて、錠前装置10に対して、前記受信した施錠鍵を入力し施錠を指示する(ステップB53)。
【0071】
錠前装置10は、施錠を行ない、配達人端末50及び運送業者端末20に応答を返す(ステップB14)。運送業者端末20は、状態管理手段25における錠前装置10の状態及び状態履歴を更新し(状態:留守置き中)、錠前装置10に応答を返す(ステップB28)。
【0072】
一方、運送業者端末20は、荷受人端末40に対して解錠鍵(電子鍵)を送信する(ステップB2A)。荷受人端末40は、解錠鍵または解錠鍵を受信した旨を画面に出力し、運送業者端末20に応答を返す(ステップB43)。
【0073】
荷受人は荷物を受け取ると、荷受人端末40を用いて、解錠鍵を入力し錠前装置10に解錠を指示する(ステップB46)。錠前装置10は、解錠鍵の正当性の確認後解錠し、荷受人端末40及び運送業者端末20に応答として解錠通知を送信する(ステップB17)。
【0074】
運送業者端末20は解錠通知を受信すると、錠前装置10に応答を返すとともに、状態管理手段25における錠前装置10の状態及び状態履歴を更新(状態:荷物受領済み)する(ステップB2D)。同様に、荷受人端末40は解錠通知を受信すると、錠前装置10に応答を返すとともに、画面への表示等により解錠通知を出力する(ステップB47)。
【0075】
続いて、上記のように配送された後に配達人が錠前装置の回収を行うまでの動作について説明する。図8は、本発明の第3の実施形態に係る配送管理システムにおける荷物の配送に用いられた錠前装置を回収するまでの動作を表したシーケンス図である。
【0076】
まず、荷受人は荷受人端末40を用いて運送業者端末20に対して施錠鍵の設定を要求する(ステップC41)。運送業者端末20は、錠前装置10に設定の初期化を指示する(ステップC21)。
【0077】
前記指示を受けた錠前装置10は、設定を初期化し、運送業者端末20に応答を返す(ステップC11)。運送業者端末20は、状態管理手段25における錠前装置10の状態及び状態履歴を更新(状態:配送完了/初期化済み)し、錠前装置10に応答を返す(ステップC22)。
【0078】
次に、運送業者端末20は、錠前装置10に対して施錠鍵設定を指示する(ステップC23)。錠前装置10は、施錠鍵を設定し、運送業者端末20に応答を返す(ステップC12)。運送業者端末20は、状態管理手段25における錠前装置10の状態及び状態履歴を更新(状態:配送完了/施錠鍵設定済み)し、錠前装置10に応答を返す(ステップC24)。
【0079】
次に、運送業者端末20は、前記施錠鍵に対応する解錠鍵を生成し、錠前装置10に解錠鍵設定を指示する(ステップC25)。錠前装置10は運送業者端末20より指定された解錠鍵を設定し、運送業者端末20に応答を返す(ステップC13)。運送業者端末20は、状態管理手段25における錠前装置10の状態及び状態履歴を更新(状態:配送完了/解錠鍵設定済み)し、錠前装置10に応答を返す(ステップC26)。
【0080】
以上の処理が完了すると、運送業者端末20は、荷受人端末40に対して施錠鍵を送信する(ステップC27)。荷受人端末40は、施錠鍵または施錠鍵を受信した旨を画面に出力し、運送業者端末20に応答を返す(ステップC43)。
【0081】
前記施錠鍵を受信すると、荷受人は、配達人に錠前装置10の回収してもらうため、自宅のドアノブや門扉、郵便受けなどの固定物の穴やくびれ、または、自動車などの重量物の穴やくびれに、錠前装置10を固定した後、荷受人端末40を用いて、錠前装置10に対して、前記受信した施錠鍵を入力し施錠を指示する(ステップC46)。
【0082】
錠前装置10は、施錠を行ない、荷受人端末40及び運送業者端末20に応答を返す(ステップC14)。運送業者端末20は、状態管理手段25における錠前装置10の状態及び状態履歴を更新し(状態:配送完了/回収待ち)、錠前装置10に応答を返す(ステップC28)。
【0083】
一方、運送業者端末20は、配達人端末50に対して解錠鍵(電子鍵)を送信する(ステップC2A)。配達人端末50は、解錠鍵または解錠鍵を受信した旨を画面に出力し、運送業者端末20に応答を返す(ステップC54)。
【0084】
配達人は、荷受人の自宅等に出向き、錠前装置10を見つけると、配達人端末50を用いて解錠鍵を入力し錠前装置10に解錠を指示する(ステップC57)。錠前装置10は解錠鍵の正当性の確認後解錠し、荷受人端末40及び運送業者端末20に応答として解錠通知を送信する(ステップC17)。
【0085】
運送業者端末20は解錠通知を受信すると、錠前装置10に応答を返すとともに、状態管理手段25における錠前装置10の状態及び状態履歴を更新(状態:配達完了/回収済み)する(ステップC2D)。同様に、荷受人端末40は解錠通知を受信すると、錠前装置10に応答を返すとともに、画面への表示等により解錠通知を出力する(ステップC47)。
【0086】
以上のように、本実施形態によれば、荷受人が留守であっても、荷物を安全かつ低コストで留守置きすることが可能になる。解錠鍵は、荷受人のみに通知され、荷受人以外の者は錠前装置を解錠することはできない。また万が一、荷物が不正に解錠された場合には、錠前装置が運送業者または荷受人に通知できるように構成されているため、荷受人の自宅に安全で低コストで利便性の高い方法で留守置きができる。
【0087】
また、本実施形態では、上記留守置きを行う場合の一つの課題であった錠前装置の回収も確実に行うことが可能になる。回収時においても、錠前装置が不正に解錠された場合には、錠前装置が運送業者または荷受人に通知するように構成されている。
【0088】
[第4の実施形態]
続いて、荷物の配達証明機能を有する本発明の第4の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図9は、本発明の第4の実施形態に係る配送管理システムの構成を表した図である。
【0089】
図9を参照すると、錠前装置10と、運送業者端末20と、荷送人端末30と、荷受人端末40とがネットワーク100に接続されている構成が示されている。錠前装置10、荷送人端末30及び荷受人端末40は、第2の実施形態で説明したものと同様であり、運送業者端末20は、第3の実施形態で説明したものと同様であるため、説明は省略する。なお、本実施形態においても、配達人端末50がネットワーク100に接続されていても差し支えはない。
【0090】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。図10は、本発明の第4の実施形態に係る配送管理システムの動作を表したシーケンス図である。
【0091】
まず、運送業者の担当者が運送業者端末20を用いて錠前装置10に設定の初期化を要求する(ステップD21)。前記要求を受けた錠前装置10は、設定を初期化し、運送業者端末20に応答を返す(ステップD11)。前記応答を受けた運送業者端末20は、状態管理手段25における錠前装置10の状態及び状態履歴を更新(状態:初期化済み)し、錠前装置10に応答を返す(ステップD22)。
【0092】
荷送人が、荷送人端末30を用いて、錠前装置10に対し施錠鍵設定を指示すると(ステップD31)、錠前装置10は、施錠鍵を設定し、荷送人端末30及び運送業者端末20に応答を返す(ステップD12)。運送業者端末20は、状態管理手段25における錠前装置10の状態及び状態履歴を更新(状態:施錠鍵設定済み)し、錠前装置10に応答を返す(ステップD24)。
【0093】
前記応答を受信した荷送人端末30は、錠前装置10に対して解錠鍵設定を指示する(ステップD32)。錠前装置10は、解錠鍵を設定し、荷送人端末30及び運送業者端末20に応答を返す(ステップD13)。運送業者端末20は、状態管理手段25における錠前装置10の状態及び状態履歴を更新(状態:解錠鍵設定済み)し、錠前装置10に応答を返す(ステップD26)。
【0094】
その後、荷送人は荷物に錠前装置10を装着し、荷送人端末30を用いて、錠前装置10に施錠を指示する(ステップD33)。施錠指示を受け取った錠前装置10は施錠し、荷送人端末30及び運送業者端末20に応答を返す(ステップD14)。運送業者端末20は、状態管理手段25における錠前装置10の状態及び状態履歴を更新(状態:施錠済み)し、錠前装置10に応答を返す(ステップD28)。施錠された錠前装置10が装着された荷物は、運送会社等を介して荷受人に届けられる。
【0095】
前記荷物の発送後、荷送人は、荷送人端末30を用いて、荷受人端末40に対して解錠鍵(電子鍵)を送信する(ステップD35)。荷受人端末40は、解錠鍵または解錠鍵を受信した旨を画面に出力し、荷送人端末30に応答を返す(ステップD43)。
【0096】
本実施形態では、荷受人は、荷物の位置を知りたい場合に、荷受人端末40を用いて、錠前装置10に位置検索を指示する(ステップD44)。錠前装置10は、測位手段14により測位を実施し、応答として荷受人端末40に対して現在位置情報を送信する(ステップD15)。
【0097】
現在位置情報を受信した荷受人端末40は、荷物の現在位置として、錠前装置10の位置を画面に表示する(ステップD45)。荷受人は、繰り返し荷物の位置を知りたい場合には、上記のステップを繰り返すことができる(ステップD44〜D45)。
【0098】
また、現在位置情報を受信した運送業者端末20は、状態管理手段25に前記位置情報を記録する(ステップD2B)。
【0099】
荷受人は荷物を受け取ると、荷受人端末40を用いて、解錠鍵を入力し錠前装置10に解錠を指示する(ステップD46)。前記解錠指示を受け取った錠前装置10は、測位を実施するとともに(ステップD16)、解錠鍵の正当性の確認後解錠し、荷受人端末40及び運送業者端末20に応答として、ステップD16で測位した現在位置情報を含んだ解錠通知を送信する(ステップD17)。
【0100】
運送業者端末20は解錠通知を受信すると、錠前装置10に応答を返すとともに、状態管理手段25における錠前装置10の状態及び状態履歴を更新(状態:配送完了)する(ステップD2D)。同様に、荷受人端末40は解錠通知を受信すると、錠前装置10に応答を返すとともに、画面への表示等により現在位置情報を含んだ解錠通知を出力する(ステップD47)。
【0101】
以上のとおり、本実施の形態では、上記した第2の実施形態の効果に加えて、途中経過における、錠前装置の状態や現在位置が状態管理手段25にされるため、錠前装置10が適切に配達されたことを知ることができる。
【0102】
[第5の実施形態]
続いて、上記した第4の実施形態の配送管理システムに、商品代金や送料の決済確認機能を追加した本発明の第5の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態の構成は、荷受人端末が決済指示機能を備え、運送業者端末が決済機能を備えるほかは、上記し第4の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0103】
図11は、本発明の第5の実施形態に係る配送管理システムの動作を表したシーケンス図である。
【0104】
運送業者端末20が錠前装置10への初期化を要求し(ステップE21)、錠前装置10が初期化、施錠鍵設定、解錠鍵設定、施錠を行ない、運送業者端末20が状態管理手段25に状態を記録する(ステップE28)までの動作は、図10のD21〜D28に対応し、上記した第4の実施形態と同様である(ステップE21〜ステップE28)。
【0105】
荷受人は荷物を受け取ると、荷受人端末40を用いて、運送業者端末20に決済を指示する(ステップE42)。運送業者端末20は、前記指示に従って決済を処理し、荷送人端末30及び荷受人端末40に決済の完了を通知する(ステップE29)。荷送人端末30は決済通知を画面に出力し、運送業者端末20に応答を返す(ステップE34)。
【0106】
前記決済の完了通知を受け取った荷送人端末30は、荷受人端末40に対して解錠鍵(電子鍵)を送信する(ステップE35)。荷送人端末30は、解錠鍵を送信した旨を運送業者端末20に通知する。荷受人端末40は、解錠鍵または解錠鍵を受信した旨を画面に出力し、荷送人端末30に応答を返す(ステップE43)。運送業者端末20は、状態管理手段25における錠前装置10の状態及び状態履歴を更新(状態:解錠鍵送信済み)する(ステップE2C)。
【0107】
荷受人は荷物を受け取ると、荷受人端末40を用いて、解錠鍵を入力し錠前装置10に解錠を指示する(ステップE46)。錠前装置10は、解錠鍵の正当性の確認後解錠し、荷受人端末40及び運送業者端末20に応答として解錠通知を送信する(ステップE17)。
【0108】
運送業者端末20は解錠通知を受信すると、錠前装置10に応答を返すとともに、状態管理手段25における錠前装置10の状態及び状態履歴を更新(状態:荷物受領済み)する(ステップE2D)。同様に、荷受人端末40は解錠通知を受信すると、錠前装置10に応答を返すとともに、画面への表示等により解錠通知を出力する(ステップE47)。
【0109】
以上のように、本実施形態によれば、代金後払い方式の荷物の配送において、代金の支払いトラブルを低減することができる。その理由は、荷送人が荷物を錠前装置で施錠し、決済の完了を確認してから解錠鍵を荷受人のみに通知するよう構成したことにある。また、荷送人が荷物を運送業者に委託してから、荷受人が荷物を受け取るまでの記録も行われるため、荷受人としても、安心して支払いをすることができる。
【0110】
[第6の実施形態]
続いて、上記した第3の実施形態の配送管理システムに商品代金や送料の決済確認機能を追加した本発明の第6の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態の構成は、荷受人端末が決済指示機能を備え、運送業者端末が決済機能を備えるほかは、上記し第3の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0111】
図12は、本発明の第6の実施形態に係る配送管理システムの動作を表したシーケンス図である。
【0112】
配達人端末50が運送業者端末20に対して施錠鍵の送信を要求し(ステップF51)、錠前装置10が初期化、施錠鍵設定、解錠鍵設定、施錠鍵の送信を行ない、配達人端末50が当該施錠鍵による施錠を行ない、運送業者端末20が状態管理手段25に状態を記録する(ステップF28)までの動作は、図7のB51〜B28に対応し、上記した第3の実施形態と同様である(ステップF51〜ステップF28)。
【0113】
荷受人は荷物を受け取ると、荷受人端末40を用いて、運送業者端末20に決済を指示する(ステップF42)。運送業者端末20は、前記指示に従って決済を処理し、荷受人端末40に決済の完了を通知する(ステップF29)。
【0114】
続いて、運送業者端末20は、荷受人端末40に対して解錠鍵(電子鍵)を送信する(ステップF2A)。荷受人端末40は、解錠鍵または解錠鍵を受信した旨を画面に出力し、運送業者端末20に応答を返す(ステップF43)。
【0115】
荷受人は荷物を受け取ると、荷受人端末40を用いて、解錠鍵を入力し錠前装置10に解錠を指示する(ステップF46)。錠前装置10は、解錠鍵の正当性の確認後解錠し、荷受人端末40及び運送業者端末20に応答として解錠通知を送信する(ステップF17)。
【0116】
運送業者端末20は解錠通知を受信すると、錠前装置10に応答を返すとともに、状態管理手段25における錠前装置10の状態及び状態履歴を更新(状態:荷物受領済み)する(ステップF2D)。同様に、荷受人端末40は解錠通知を受信すると、錠前装置10に応答を返すとともに、画面への表示等により解錠通知を出力する(ステップF47)。
【0117】
以上のように、運送業者端末20と配達人端末50を配した本実施形態においても、代金後払い方式の荷物の配送を行ない、その際の代金の支払いトラブルを低減することができる。その理由は、配達人が荷物を錠前装置で施錠し、決済の完了を確認してから解錠鍵を荷受人のみに通知するよう構成したことにある。また、配達人が施錠鍵の送信を要求してから、荷受人が荷物を受け取るまでの記録も行われるため、荷受人としても、安心して支払いをすることができる。
【0118】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、錠前装置の形態としては、特許文献6に開示された容器状のものを用いることもできる。また、第3の実施形態のような留守置きと回収を行うことを前提とすれば、チェーンロック、ワイヤーロックが付加されたものを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の概要を説明するための模式図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る配送管理システムの構成を表した図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る配送管理システムの動作を表したシーケンス図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る配送管理システムの構成を表した図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る配送管理システムの動作を表したシーケンス図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る配送管理システムの構成を表した図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る配送管理システムの動作を表したシーケンス図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る配送管理システムの動作を表したシーケンス図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る配送管理システムの構成を表した図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る配送管理システムの動作を表したシーケンス図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る配送管理システムの動作を表したシーケンス図である。
【図12】本発明の第6の実施形態に係る配送管理システムの動作を表したシーケンス図である。
【符号の説明】
【0120】
10 錠前装置
11 施錠手段
12 解錠鍵設定受付手段
13 解錠手段
14 測位手段
20 運送業者端末
21 施錠鍵設定指示手段
22 解錠鍵生成・設定指示手段
23 施錠鍵通知手段
24 解錠鍵通知手段
25 状態管理手段
30 荷送人端末
31 解錠鍵設定指示手段
32 施錠指示手段
33 解錠鍵通知手段
34 解錠通知出力手段
40 荷受人端末
41 解錠鍵出力手段
42 解錠指示手段
43 解錠通知出力手段
44 位置表示手段
50 配達人端末
51 施錠鍵要求手段
52 施錠鍵出力手段
53 施錠指示手段
100 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を施錠する施錠手段と、前記施錠手段による施錠を解錠するための解錠鍵の設定指示を受け付け、解錠鍵を設定する解錠鍵設定受付手段と、前記解錠鍵を用いた解錠要求に応じて前記施錠手段による施錠を解くとともに荷送人端末及び荷受人端末に対して解錠したことを通知(解錠通知)する解錠手段とを備え、持ち運び可能な錠前装置と、
前記錠前装置の解錠鍵設定受付手段に対し解錠鍵の設定を指示する解錠鍵設定指示手段と、前記錠前装置の施錠手段に対し施錠を指示する施錠指示手段と、荷受人端末に対して前記解錠鍵を通知する解錠鍵通知手段と、前記錠前装置からの解錠通知を出力する解錠通知出力手段とを備える荷送人端末と、
前記荷送人端末より通知された解錠鍵を出力する解錠鍵出力手段と、前記錠前装置の解錠手段に対し前記出力された解錠鍵を入力して解錠を指示する解錠指示手段と、前記錠前装置からの解錠通知を出力する解錠通知出力手段とを備える荷受人端末と、を含む配送管理システム。
【請求項2】
前記錠前装置は、更に、前記施錠鍵の設定指示を受け付ける施錠鍵設定受付手段を備え、
前記荷送人端末に代えて、運送業者端末及び配達人端末を含み、
前記運送業者端末は、配達人端末からの要求に基づいて、前記錠前装置の施錠鍵設定受付手段に対し施錠鍵の設定を指示する施錠鍵設定指示手段と、前記錠前装置の解錠鍵設定手段に対し前記施錠鍵に対応する解錠鍵を生成し、該解錠鍵の設定を指示する解錠鍵生成・設定指示手段と、前記配達人端末に対して前記施錠鍵を通知する施錠鍵通知手段と、前記荷受人端末に対して前記解錠鍵を通知する解錠鍵通知手段と、を備え、
前記配達人端末は、前記運送業者端末に対して施錠及び施錠鍵の送信を要求する施錠鍵要求手段と、運送業者端末より通知された施錠鍵を出力する施錠鍵出力手段と、前記錠前装置の施錠手段に対し施錠を指示する施錠指示手段と、を備え、
前記錠前装置は、少なくとも前記荷受人端末に対して前記解錠通知を通知する請求項1に記載の配送管理システム。
【請求項3】
前記荷受人端末は、更に、前記運送業者端末に対して前記錠前装置の施錠を要求する施錠要求手段と、前記運送業者端末より通知された施錠鍵を出力する施錠鍵出力手段と、前記錠前装置の施錠手段に対し施錠を指示する施錠指示手段と、を備え、
前記配達人端末は、更に、前記運送業者端末より通知された解錠鍵を出力する解錠鍵出力手段と、前記錠前装置の解錠手段に対し前記出力された解錠鍵を入力して解錠を指示する解錠指示手段と、を備え、
前記荷受人端末を用いて、錠前装置の施錠手段を作動させ、前記配達人端末を用いて、錠前装置の解錠手段を作動させることが可能である請求項2に記載の配送管理システム。
【請求項4】
前記錠前装置は、更に、測位手段を備え、
前記荷受人端末は、前記錠前装置に対して現在位置を問い合わせ、前記錠前装置からの応答に基づいて錠前装置の現在位置を出力する位置出力手段を備える請求項1乃至3いずれか一に記載の配送管理システム。
【請求項5】
前記解錠通知には、前記錠前装置より受信した現在位置が含まれる請求項4に記載の配送管理システム。
【請求項6】
前記荷送人端末又は前記運送業者端末は、前記対象物の送料又は代金の決済が行われているか否かを確認し、前記対象物の送料又は代金の決済が完了している場合に、前記荷受人端末に対して前記解錠鍵を通知する請求項1乃至5いずれか一に記載の配送管理システム。
【請求項7】
荷送人端末が、錠前装置に対して、解錠鍵の設定と施錠を指示し、
前記荷送人端末装置が、荷受人端末に対して、前記錠前装置に設定された解錠鍵を送信し、
前記錠前装置が、前記設定した解錠鍵による解錠要求に応じて施錠を解くとともに荷送人端末及び荷受人端末に対して解錠したことを通知(解錠通知)することを特徴とする配送管理方法。
【請求項8】
前記荷受人端末が、錠前装置に対して、解錠鍵の設定と施錠を指示し、
前記荷受人端末が、前記錠前装置の回収者の端末に対して、前記錠前装置に設定された解錠鍵を送信し、
前記錠前装置が、前記設定した解錠鍵による解錠要求に応じて施錠を解くとともに荷送人端末及び荷受人端末に対して解錠したことを通知(解錠通知)する請求項7に記載の配送管理方法。
【請求項9】
前記解錠通知には、前記錠前装置の現在位置情報が含まれる請求項7又は8に記載の配送管理方法。
【請求項10】
荷送人端末からの指示に従い、指定された解錠鍵を設定するとともに、施錠する手段と、
前記設定した解錠鍵による解錠要求に応じて施錠を解くとともに、荷送人端末及び荷受人端末に対して解錠したことを通知(解錠通知)する手段とを、備える錠前装置。
【請求項11】
更に、荷送人端末からの指示に従い、指定された解錠鍵を設定するとともに、施錠する手段と、
前記設定した解錠鍵による解錠要求に応じて施錠を解くとともに、荷送人端末及び荷受人端末に対して解錠したことを通知(解錠通知)する手段とを、備える請求項10に記載の錠前装置。
【請求項12】
前記解錠通知として、錠前装置の現在位置情報を含んだ解錠通知を送信する請求項10又は11に記載の錠前装置。
【請求項13】
錠前装置を構成するコンピュータに実行させるプログラムであって、
荷送人端末からの指示に従い、指定された解錠鍵を設定するとともに、施錠する処理と、
前記設定した解錠鍵による解錠要求に応じて施錠を解くとともに、荷送人端末及び荷受人端末に対して解錠したことを通知(解錠通知)する処理とを、前記コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項14】
更に、荷受人端末からの指示に従い、指定された解錠鍵を設定するとともに、施錠する処理と、
前記設定した解錠鍵による解錠要求に応じて施錠を解くとともに、荷送人端末及び荷受人端末に対して解錠したことを通知(解錠通知)する処理とを、前記コンピュータに実行させる請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記解錠通知として、錠前装置の現在位置情報を含んだ解錠通知を送信する請求項13又は14に記載のプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2010−89850(P2010−89850A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258590(P2008−258590)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】