説明

配達証明システム、荷主端末装置、配送者端末装置および配達証明方法

【課題】荷受人の筆記サインに対応づけた暗号鍵や復号鍵を利用することにより、簡単かつ確実に配達物の配達確認をすることのできる配達証明システムを提供する。
【解決手段】配達証明システム1は、荷主端末装置2と配送者端末装置3とを備える。荷主端末装置2では、荷受人の筆記サインに対応づけられている暗号鍵を用いて、配達物の配達確認用データを暗号化して、暗号化コードシンボルを生成する。配送者端末装置3では、配達物に添付された暗号化コードシンボルを読み取り、荷受人の筆記サインの入力を受け付ける。そして、筆記サインに対応づけられている復号鍵を用いて、暗号化コードシンボルを復号化して、配達確認用データを取得し、配達確認用データを、荷主端末装置2に送信する。荷主端末装置2では、配達者端末装置3から送信された配達確認用データを照合して、配達物の配達確認を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷受人の筆記サインに対応づけた暗号鍵や復号鍵を利用した配達証明システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、受領確認用の情報を利用して、ある物品が運送会社から所定の宛先に配達されたことを確認する受領確認システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この従来のシステムでは、運送会社(発送元)において第1の情報(受領確認用の情報)を暗号化して第2の情報(2次元コード)を生成し、その2次元コードをラベルに印刷して、配達物に貼り付ける。その物品が配達された宛先(配達先)では、その第2の情報(2次元コード)を復号化して第3の情報を取得する。そして、その宛先から送られた第3の情報と、第1の情報との一致判定を行い、一致した場合には、物品が宛先に受領されたことが確認される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−222305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムにおいては、物品の配達先で、2次元コード(第2の情報)から第3の情報を復号化するためには、そのための復号鍵を取得する必要がある。復号鍵は、事前に発行しておくことも可能であるが、一般に、復号鍵(例えば、パスワードや秘密鍵など)は、第三者に不正に利用されないように厳重に管理されるべきものであり、その管理負担が非常に大きいという問題があった。
【0005】
例えば、パスワードは、同じものを長期間使用し続けることはセキュリティ上好ましくなく、定期的に変更することが望ましいが、セキュリティ性を重視しすぎてしまうと、荷受人に過度な負担を強いる結果となるという問題があった。また、秘密鍵は、厳重に管理されるべきものであり、簡単に誰もが秘密鍵を利用できてしまうようでは、配達確認の確実性が損なわれてしまうという問題があった。
【0006】
したがって、簡単かつ確実に配達物の配達確認をできるシステムの開発が求められており、そのためには、配達確認用データの暗号化や復号化に更なる工夫が必要であった。
【0007】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、簡単かつ確実に配達物の配達確認をすることのできる配達証明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の配達証明システムは、配達物の発送元の荷主端末装置と、前記配達物の配送者が所持する配送者端末装置とを備えた配達証明システムにおいて、前記荷主端末装置は、前記配達物を受け取るべき荷受人の筆記サインに対応づけられている暗号鍵を用いて、前記配達物の配達確認用データを暗号化することにより、前記配達物に添付されるべき暗号化コードシンボルを生成する暗号化部を備え、前記配送者端末装置は、前記配達物に添付された前記暗号化コードシンボルを読み取る読取り部と、前記荷受人の筆記サインの入力を受け付けるサイン受付部と、前記筆記サインに対応づけられている復号鍵を用いて、前記暗号化コードシンボルを復号化することにより、前記配達確認用データを取得する復号化部と、前記配達確認用データを、前記荷主端末装置に送信する送信部と、を備え、前記荷主端末装置は、さらに、受信した前記配達確認用データを用いて配達確認を行う配達確認部を備えた構成を有している。前記配達確認部は、前記配達者端末装置から受信した前記配達確認用データを照合して、前記配達物の配達確認を行う。
【0009】
この構成により、荷主端末装置では、荷受人の筆記サインに対応づけられた暗号鍵を用いて配達確認用データの暗号化が行われ、その結果生成された暗号化コードシンボルが配達物に添付される。配送者端末装置では、この暗号化コードシンボルが読み取られる。そして、荷受人が配達物の受領の筆記サインを入力すると、その筆記サインに対応づけられた復号鍵を用いて暗号化コードシンボルが復号化され、配達確認用データが取得される。この配達確認用データは、荷主端末装置に送信される。そして、荷主端末装置で配達確認用データを照合することによって、配達物の配達確認をすることができる。荷受人は、これまでどおりに配達物の受領の筆記サインをするだけでよい。つまり、配達物の受領時に筆記サインを求められるのは特別なことではなく、これまで以上の特別な手間や労力がかかることはない。そして、この筆記サインは、荷受人に固有のものであり、他者が偽造をすることは困難である。このように、本発明では、荷受人の筆記サインに対応づけた暗号鍵や復号鍵を利用することにより、簡単かつ確実に配達物の配達確認をすることができる。
【0010】
また、本発明の配達証明システムは、前記筆記サインに対応づけられている復号鍵として、前記荷受人の筆記サインの筆跡データから生成される秘密鍵が用いられる配達証明システムであって、前記荷主端末装置は、前記筆記サインに対応づけられている暗号鍵として、前記秘密鍵と鍵ペアをなす公開鍵を受信する受信部を備え、前記暗号化部は、前記公開鍵を用いて前記配達確認用データを暗号化することにより、前記暗号化コードシンボルを生成し、前記配送者端末装置は、前記サイン受付部で入力を受け付けた前記荷受人の筆記サインの筆跡データに基づいて、前記秘密鍵を取得する秘密鍵取得部を備え、前記復号化部は、前記秘密鍵を用いて前記暗号化コードシンボルを復号化することにより、前記配達確認用データを取得する構成を有している。
【0011】
この構成により、筆記サインに対応づけられている復号鍵として、荷受人の筆記サインの筆跡データから生成される秘密鍵が用いられる。荷主端末装置では、この秘密鍵と鍵ペアをなす公開鍵を受信し、その公開鍵を用いて配達確認用データの暗号化(暗号化コードシンボルの生成)が行われる。配送者端末装置では、荷受人の筆記サインの筆跡データから秘密鍵が取得される。例えば、荷受人が配達物の受領の筆記サインを入力すると、その筆記サインの筆跡データから秘密鍵が生成される。筆記サインが同一であれば、この秘密鍵と上記の公開鍵とは鍵ペアを構成し、この秘密鍵を用いて暗号化コードシンボルを復号化(配達確認用データを取得)することができる。そして、配達確認用データを照合(配達物の配達確認)が行われる。この場合、何らかの不正な手段によって、公開鍵と配達物(暗号化コードシンボル)の両方が盗取されたとしても、筆記サイン(秘密鍵)を偽造しない限り、暗号化コードシンボルから配達確認用のデータを偽造することはできない。したがって、配達証明が偽造されるのを防ぐことができ、確実に配達物の配達確認をすることができる。
【0012】
また、本発明の配達証明システムでは、前記受信部は、前記公開鍵を管理している管理サーバ装置から、前記公開鍵をオンデマンドで受信可能である構成を有している。
【0013】
この構成により、管理サーバ装置から、オンデマンドで公開鍵を受信することができる。荷受人の端末装置から公開鍵を受信する場合、荷受人の端末装置の状況(例えば、荷受人が外出しており端末装置の電源がオフにされている場合など)によっては、すぐに公開鍵を入手できないことがあり得る。これに対して、管理サーバ装置は、荷主端末装置からの要求があればいつでもすぐに公開鍵を送信することができる。したがって、公開鍵が必要なときにはいつでも管理サーバ装置からすぐに入手することができる。また、荷送り時点までに荷受人は公開鍵を用意しておけばよく、時間順序関係の制約がない柔軟な運用が可能となる。さらに、荷受人によって随時変更される公開鍵に対応することができ、荷受人は公開鍵を随時更新し、配達証明の継続した偽造を防止することができる。また万一復号鍵が盗用された場合に荷受人は公開鍵をただちに再発行し荷主はそれをすぐに取得できるので、以降の配達証明の偽造を防止することができる。
【0014】
また、本発明の配達証明システムは、前記筆記サインに対応づけられている暗号鍵として、前記荷受人の筆記サインの筆跡データから生成される公開鍵が用いられる配達証明システムであって、前記荷主端末装置は、前記荷受人の筆記サインの筆跡データを受信する受信部と、受信した前記筆跡データから前記公開鍵を生成する公開鍵生成部と、を備え、前記暗号化部は、前記公開鍵を用いて前記配達確認用データを暗号化することにより、前記暗号化コードシンボルを生成し、前記配送者端末装置は、前記サイン受付部で入力を受け付けた前記荷受人の筆記サインの筆跡データに基づいて、前記公開鍵と鍵ペアをなす秘密鍵を取得する秘密鍵取得部を備え、前記復号化部は、前記秘密鍵を用いて前記暗号化コードシンボルを復号化することにより、前記配達確認用データを取得する構成を有している。
【0015】
この構成により、筆記サインに対応づけられている暗号鍵として、荷受人の筆記サインの筆跡データから生成される公開鍵が用いられる。荷主端末装置では、荷受人の筆記サインの筆跡データを受信し、その筆跡データから公開鍵が生成される。そして、この公開鍵を用いて配達確認用データの暗号化(暗号化コードシンボルの生成)が行われる。配送者端末装置では、荷受人の筆記サインの筆跡データから秘密鍵が取得される。例えば、荷受人が配達物の受領の筆記サインをすると、その筆記サインの筆跡データから秘密鍵が生成される。筆記サインが同一であれば、この秘密鍵と上記の公開鍵とは鍵ペアを構成し、この秘密鍵を用いて暗号化コードシンボルを復号化(配達確認用データを取得)することができる。そして、配達確認用データを照合(配達物の配達確認)が行われる。この場合、何らかの不正な手段によって、配達物(暗号化コードシンボル)が盗取されたとしても、筆記サイン(秘密鍵)を偽造しない限り、暗号化コードシンボルから配達確認用のデータを偽造することはできない。したがって、配達証明が偽造されるのを防ぐことができ、確実に配達物の配達確認をすることができる。
【0016】
また、本発明の配達証明システムでは、前記受信部は、前記筆跡データを管理している管理サーバ装置から、前記筆跡データをオンデマンドで受信可能である構成を有している。
【0017】
この構成により、管理サーバ装置から、オンデマンドで筆跡データを受信することができる。荷受人の端末装置から筆跡データを受信する場合、荷受人の端末装置の状況(例えば、荷受人が外出しており端末装置の電源がオフにされている場合など)によっては、すぐに筆跡データを入手できないことがあり得る。これに対して、管理サーバ装置は、荷主端末装置からの要求があればいつでもすぐに筆跡データを送信することができる。したがって、筆跡データが必要なときにはいつでも管理サーバ装置からすぐに入手することができる。
【0018】
本発明の荷主端末装置は、配達証明システムで用いられ、配達物の発送元の荷主端末装置であって、前記荷主端末装置は、前記配達物を受け取るべき荷受人の筆記サインに対応づけられている暗号鍵を用いて、前記配達物の配達確認用データを暗号化することにより、前記配達物に添付されるべき暗号化コードシンボルを生成する暗号化部を備え、前記配達物の配送先では、前記配達物に添付された前記暗号化コードシンボルが読み取られ、前記荷受人の筆記サインの入力を受け付けると、前記筆記サインに対応づけられている復号鍵を用いて、前記暗号化コードシンボルを復号化することにより、前記配達確認用データが取得され、前記配達確認用データが、前記荷主端末装置に送信され、前記荷主端末装置は、さらに、前記配達者端末装置から送信された前記配達確認用データを照合して、前記配達物の配達確認を行う配達確認部を備えた構成を有している。
【0019】
この構成によっても、上記のように、荷受人は、これまでどおりに配達物の受領の筆記サインをするだけでよい。つまり、配達物の受領時に筆記サインを求められるのは特別なことではなく、これまで以上の特別な手間や労力がかかることはない。そして、この筆記サインは、荷受人に固有のものであり、他者が偽造をすることは困難である。このように、本発明では、荷受人の筆記サインに対応づけた暗号鍵や復号鍵を利用することにより、簡単かつ確実に配達物の配達確認をすることができる。
【0020】
本発明の配送者端末装置は、配達証明システムで用いられ、配達物の配送者が所持する配送者端末装置であって、前記配達物の発送元では、前記配達物を受け取るべき荷受人の筆記サインに対応づけられている暗号鍵を用いて、前記配達物の配達確認用データを暗号化することにより、前記配達物に添付されるべき暗号化コードシンボルが生成され、前記配送者端末装置は、前記配達物に添付された前記暗号化コードシンボルを読み取る読取り部と、前記荷受人の筆記サインの入力を受け付けるサイン受付部と、前記筆記サインに対応づけられている復号鍵を用いて、前記暗号化コードシンボルを復号化することにより、前記配達確認用データを取得する復号化部と、前記配達確認用データを、前記荷主端末装置に送信する送信部と、を備え、前記配達物の発送元では、必要に応じて、さらに、前記配達者端末装置から送信された前記配達確認用データを照合して、前記配達物の配達確認が行われる構成を有している。
【0021】
この構成によっても、上記のように、荷受人は、これまでどおりに配達物の受領の筆記サインをするだけでよい。つまり、配達物の受領時に筆記サインを求められるのは特別なことではなく、これまで以上の特別な手間や労力がかかることはない。そして、この筆記サインは、荷受人に固有のものであり、他者が偽造をすることは困難である。このように、本発明では、荷受人の筆記サインに対応づけた暗号鍵や復号鍵を利用することにより、簡単かつ確実に配達物の配達確認をすることができる。
【0022】
本発明の配達証明方法は、配達物の発送元の荷主端末装置と、前記配達物の配送者が所持する配送者端末装置とを備えた配達証明システムで用いられる方法であって、前記荷主端末装置において、前記配達物を受け取るべき荷受人の筆記サインに対応づけられている暗号鍵を用いて、前記配達物の配達確認用データを暗号化することにより、前記配達物に添付されるべき暗号化コードシンボルを生成することと、前記配送者端末装置において、前記配達物に添付された前記暗号化コードシンボルを読み取ることと、前記荷受人の筆記サインの入力を受け付けることと、前記筆記サインに対応づけられている復号鍵を用いて、前記暗号化コードシンボルを復号化することにより、前記配達確認用データを取得することと、前記配達確認用データを、前記荷主端末装置に送信することと、前記荷主端末装置において、さらに、前記配達者端末装置から送信された前記配達確認用データを照合して、前記配達物の配達確認を行うことと、を含んでいる。
【0023】
この方法によっても、上記のように、荷受人は、これまでどおりに配達物の受領の筆記サインをするだけでよい。つまり、配達物の受領時に筆記サインを求められるのは特別なことではなく、これまで以上の特別な手間や労力がかかることはない。そして、この筆記サインは、荷受人に固有のものであり、他者が偽造をすることは困難である。このように、本発明では、荷受人の筆記サインに対応づけた暗号鍵や復号鍵を利用することにより、簡単かつ確実に配達物の配達確認をすることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、荷受人の筆記サインに対応づけた暗号鍵や復号鍵を利用することにより、簡単かつ確実に配達物の配達確認をすることができるという効果を有する配達証明システムを提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施の形態における配達証明システムのブロック図
【図2】配送者端末装置が使用される様子を示した斜視図
【図3】第1の実施の形態における配送者管理サーバ装置のブロック図
【図4】第1の実施の形態における配達証明システムの動作説明のためのシーケンス図
【図5】第1の実施の形態の変形例の動作説明のためのシーケンス図
【図6】本発明の第2の実施の形態における配達証明システムのブロック図
【図7】第2の実施の形態における配達証明システムの動作説明のためのシーケンス図
【図8】第2の実施の形態の変形例の動作説明のためのシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態の配達証明システムについて、図面を用いて説明する。本実施の形態では、物品の宅配システム等に用いられる配達証明システムの場合を例示する。
【0027】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態の配達証明システムの構成を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の配達証明システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態の配達証明システム1は、配達物の発送元に設置される荷主端末装置2と、配達物の配送者が所持する配送者端末装置3を備えている。荷主端末装置2は、例えば、宅配センターや集配センターなどに設置され、配送者端末装置3は、配送サービスを行う配送者によって携帯される。なお、荷主端末装置2と配送者端末装置3は、同じ端末装置(共通の端末装置)が用いられてもよい。
【0028】
また、図1に示すように、本実施の形態の配達証明システム1は、配送業者の会社などに設置される配送業者サーバ装置4と、荷受人が所持する荷受人装置5を備えている。荷受人装置5は、例えば、パーソナルコンピュータや携帯端末(PDAや携帯電話機)などである。
【0029】
荷主端末装置2は、図1に示すように、通信部6と公開鍵要求部7と暗号化部8と印刷処理部9と配達確認部10を備えている。通信部6は、通信インターフェースとしての機能を備えている。荷主端末装置2は、この通信部6を介して、インターネットなどのネットワーク11に接続可能であり、配送者端末装置3や配送業者サーバ装置4や荷受人装置5と通信することができるように構成されている。
【0030】
公開鍵要求部7は、荷受人装置5に公開鍵の送信を要求する機能を備えている。例えば、ある配達物の発送を行う場合に、その荷受人(の荷受人装置5)に対する公開鍵の送信の要求(公開鍵要求)を作成し、通信部6を介して、公開鍵要求をその荷受人装置5へ送信する。この公開鍵の要求は、配達物の発送の前に行われる。したがって、公開鍵の要求は、配達物の発送作業の直前に行われてもよく、あるいは事前に行っておいてもよい。
【0031】
公開鍵要求に対する応答として、荷受人装置5から公開鍵が送信されると、荷主端末装置2は、通信部6を介して、その公開鍵を受信する。後述するように、この公開鍵は、荷受人の筆記サイン22の筆跡データから作成される秘密鍵と鍵ペアをなす公開鍵である。ここでは、通信部6が、本発明の受信部に相当する。
【0032】
暗号化部8は、荷受人装置5から受信した公開鍵を用いて、配達確認用データを暗号化する機能を備えている。配達確認用データは、例えば、荷主しか知りえない情報であり、英数字の羅列からなるテキストデータであってもよく、荷主を特定するための名前や識別番号などであってもよい。暗号化部8が公開鍵を用いて配達確認用データを暗号化すると、その結果として、暗号化コードシンボル12が生成される。暗号化コードシンボル12は、例えば、QRコードなどの二次元コードである(図2参照)。
【0033】
印刷処理部9は、配達物に貼付する配達伝票13に、暗号化コードシンボル12を印刷する機能を備えている。この印刷機能は、荷主端末装置2自体に備えられていてもよく、外部プリンタを用いて印刷する機能であってもよい。
【0034】
配達確認部10は、配達確認用データを照合して、配達物の配達確認を行う機能を備えている。この場合、配達確認部10は、暗号化コードシンボル12の生成に用いた配達確認用データと、後に配送者端末装置3から送信された配達証明に含まれる配達確認用データ(後述する)とを照合し、両者が一致した場合には、配達物が荷受人にきちんと配達されたことが確認される。
【0035】
配送者端末装置3は、図1に示すように、通信部14と読取り部15と入力部16を備えている。また、配送者端末装置3は、サイン受付部17と秘密鍵生成部18と復号化部19と配達証明生成部20を備えている。通信部14は、通信インターフェースとしての機能を備えている。配送者端末装置3は、この通信部14を介して、インターネットなどのネットワーク11に接続可能であり、荷主端末装置2や配送業者サーバ装置4や荷受人装置5と通信することができるように構成されている。
【0036】
読取り部15は、配達伝票13に印刷された暗号化コードシンボル12を光学的に読み取る機能を備えている。この場合、暗号化コードシンボル12の画像(暗号化コードシンボル12を含んだ画像)を撮影し、その画像の中から暗号化コードシンボル12の部分を認識する機能を備えている。読取り部15によって読み取られた暗号化コードシンボル12は、図2に示すように、配送者端末装置3の画面21に表示される。
【0037】
この画面21はタッチパネルとしての機能を備えており、入力ペンや指先などで画面上に筆記サイン22を入力する。したがって、この画面21(タッチパネル)は、入力部16としての機能を有している。筆記サイン22は、荷受人が配達物を受領したことを示す受領サインであり、いわゆるサイン(氏名などのサイン)のほか、予め定めた文字や記号や図形(星形、画面21の四隅のタッチ)などであってもよい。なお、この配送者端末装置3は、テンキーなどの入力ボタンも備えている。復号鍵としてパスワードなどを用いる場合には、この入力ボタンを入力部16として用いてもよい。
【0038】
サイン受付部17は、筆記サイン22の入力を受け付ける機能を備えている。このサイン受付部17は、画面21(タッチパネル)から入力された筆記サイン22から、筆跡データを算出する機能を備えている。例えば、筆記サイン22を座標の並びに変換し、その座標列データを筆跡データとして求める。あるいは、筆記サイン22に含まれる特徴点を抽出し、その特徴点ベクトルデータを筆跡データとして求めてもよい。
【0039】
秘密鍵生成部18は、筆記サイン22の筆跡データから秘密鍵を生成する機能を備えている。この場合、筆跡データ(座標列データや特徴点ベクトルデータ)をそのまま秘密鍵として用いてもよく、また、筆跡データにデータ変換処理を施して秘密鍵を生成してもよい。なお、この秘密鍵は、荷受人の筆記サイン22の筆跡データから作成されたものであり、荷受人の筆記サイン22が同一であれば、この秘密鍵と上述の公開鍵(荷受人装置5から送信した公開鍵)とは鍵ペアを構成することになる。
【0040】
復号化部19は、筆記サイン22の筆跡データから生成した秘密鍵を用いて、画面21に表示された暗号化コードシンボル12を復号化する機能を備えている。上記のように、荷受人の筆記サイン22が同一のもの(正しいサイン)であれば、この秘密鍵と上述の公開鍵とは鍵ペアを構成することになり、復号化の結果、暗号化コードシンボル12に暗号化されていた配達確認用データが得られることになる。筆記サイン22が異なるもの(偽のサイン)であれば、この秘密鍵と上述の公開鍵とは鍵ペアを構成せず、配達確認用データを得ることはできない。
【0041】
配達証明生成部20は、上記のようにして得られた配達確認用データを含んだ配達証明を生成する機能を備えている。そして、この配達証明は、通信部14を介して荷主端末装置2へ送信される。
【0042】
図3は、本実施の形態の配送業者サーバ装置4の構成を示すブロック図である。図3に示すように、配送者管理サーバ装置4は、記憶ストレージ部41とサイン・鍵変換部42とサイン受付部43と鍵送信部44と通信網接続部45を備えている。配送者管理サーバ装置4は、通信網接続部45により外部のネットワークに接続されて、荷主端末2、配送者端末3、荷受人装置5と情報を交換する。配送者管理サーバ4内の記憶ストレージ部41には、個々のサインと鍵との対応を記録してあり、サイン・鍵変換部42でサインに対応する鍵を読み出し、鍵送信部44で送信データ(必要なら暗号化を行い)を送信する。
【0043】
以上のように構成された配達証明システム1について、図4のシーケンス図を参照してその動作を説明する。
【0044】
本発明の第1の実施の形態の配達証明システム1を用いるときには、まず、荷主端末装置2から荷受人端末装置へ公開鍵要求が送信されると(S1)、その応答として、荷受人装置5から荷主端末装置2へ公開鍵が送信される(S2)。荷主端末装置2では、その公開鍵を用いて、配達確認用データが暗号化され(S3)、暗号化コードシンボル12が配達伝票13に印刷される(S4)。配達伝票13が配達物に貼付され、宅配センターから配達物の発送が行われると、荷主端末装置2から配送業者サーバ装置4へ荷受情報が送信され(S5)、配送業者サーバ装置4では、荷受情報が記録される(S6)。
【0045】
宅配センターから発送された配達物が、配送者によって荷受人に届けられると、例えば、荷受人の玄関先で、配送者が配送者端末装置3を用いて、配達物に貼付された配達伝票13から暗号化コードシンボル12を読み取る(S7)。読み取られた暗号化コードシンボル12は、配送者端末装置3の画面21に表示される。次に、荷受人が配送者端末装置3の画面21(タッチパネル)に筆記サイン22の入力を行うと(S8)、その筆記サイン22の筆跡データから秘密鍵が生成され(S9)、画面21に表示された暗号化コードの復号化が行われる(S10)。暗号化コードシンボル12の復号化が成功すると、復号化によって得られた配達確認用データを含んだ配達証明が生成される(S11)。
【0046】
この場合、配達証明は、配送者端末装置3から配送業者サーバ装置4へ送信され(S12)、配送業者サーバ装置4で配送証明が記録される(S13)。その後、この配達証明は、配送業者サーバ装置4から荷主端末装置2へ送信され(S14)、荷主端末装置2で、配達確認用データの照合が行われる(S15)。暗号化コードシンボル12の生成に用いた配達確認用データと、配送者端末装置3から送信された配達証明に含まれていた配達確認用データが一致した場合には、配達物が荷受人にきちんと配達されたことが確認される。
【0047】
このような本発明の第1の実施の形態の配達証明システム1によれば、荷受人の筆記サイン22に対応づけた暗号鍵や復号鍵を利用することにより、簡単かつ確実に配達物の配達確認をすることができる。
【0048】
すなわち、本実施の形態では、荷主端末装置2(配達物の発送元)では、荷受人の筆記サイン22に対応づけられた暗号鍵を用いて配達確認用データの暗号化が行われ、その結果生成された暗号化コードシンボル12が配達物に添付される。配送者端末装置3(配達物の配送先)では、この暗号化コードシンボル12が読み取られる。そして、荷受人が配達物の受領の筆記サイン22をすると、その筆記サイン22に対応づけられた復号鍵を用いて暗号化コードシンボル12が復号化され、配達確認用データが取得される。この配達確認用データは、荷主端末装置2(配達物の発送元)に送信される。そして、荷主端末装置2(配達物の発送元)で配達確認用データを照合することによって、配達物の配達確認をすることができる。荷受人は、これまでどおりに配達物の受領の筆記サイン22をするだけでよい。つまり、配達物の受領時に筆記サイン22を求められるのは特別なことではなく、これまで以上の特別な手間や労力がかかることはない。そして、この筆記サイン22は、荷受人に固有のものであり、他者が偽造をすることは困難である。このように、本実施の形態では、荷受人の筆記サイン22に対応づけた暗号鍵や復号鍵を利用することにより、簡単かつ確実に配達物の配達確認をすることができる。
【0049】
本実施の形態では、筆記サイン22に対応づけられている復号鍵として、荷受人の筆記サイン22の筆跡データから生成される秘密鍵が用いられる。荷主端末装置2(配達物の発送元)では、この秘密鍵と鍵ペアをなす公開鍵を受信し、その公開鍵を用いて配達確認用データの暗号化(暗号化コードシンボル12の生成)が行われる。配送者端末装置3(配達物の配送先)では、荷受人の筆記サイン22の筆跡データから秘密鍵が取得される。例えば、荷受人が配達物の受領の筆記サイン22をすると、その筆記サイン22の筆跡データから秘密鍵が生成される。筆記サイン22が同一であれば、この秘密鍵と上記の公開鍵とは鍵ペアを構成し、この秘密鍵を用いて暗号化コードシンボル12を復号化(配達確認用データを取得)することができる。そして、配達確認用データを照合(配達物の配達確認)が行われる。この場合、何らかの不正な手段によって、公開鍵と配達物(暗号化コードシンボル12)の両方が盗取されたとしても、筆記サイン22(秘密鍵)を偽造しない限り、暗号化コードシンボル12から配達確認用のデータを偽造することはできない。したがって、配達証明が偽造されるのを防ぐことができ、確実に配達物の配達確認をすることができる。
【0050】
(第1の実施の形態の変形例)
図5は、第1の実施の形態の変形例の動作を説明するためのシーケンス図である。この変形例では、荷受人の公開鍵を管理する管理サーバ装置が用いられる。この管理サーバ装置は、荷受人装置5から送信された公開鍵を、荷主端末装置2からの公開鍵要求に応じて、常時送信可能なように管理している。
【0051】
したがって、この変形例の場合には、まず、荷受人装置5から管理サーバ装置へ公開鍵が送信される(S16)。そして、荷主端末装置2から管理サーバ装置へ公開鍵要求が送信されると(S17)、その応答として、管理サーバ装置から荷主端末装置2へ公開鍵が送信される(S18)。なお、これ以降の処理(S3〜S15)は、第1の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0052】
このような変形例によれば、管理サーバ装置から、オンデマンドで公開鍵を受信することができる。荷受人の端末装置から公開鍵を受信する場合、荷受人の端末装置の状況(例えば、荷受人が外出しており端末装置の電源がオフにされている場合など)によっては、すぐに公開鍵を入手できないことがあり得る。これに対して、管理サーバ装置は、荷主端末装置2からの要求があればいつでもすぐに公開鍵を送信することができる。したがって、公開鍵が必要なときにはいつでも管理サーバ装置からすぐに入手することができる。また、荷送り時点までに荷受人は公開鍵を用意しておけばよく、時間順序関係の制約がない柔軟な運用が可能となる。さらに、荷受人によって随時変更される公開鍵に対応することができ、荷受人は公開鍵を随時更新し、配達証明の継続した偽造を防止することができる。また万一復号鍵が盗用された場合に荷受人は公開鍵をただちに再発行し荷主はそれをすぐに取得できるので、以降の配達証明の偽造を防止することができる。
【0053】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態の配達証明システム1について説明する。ここでは、第2の実施の形態の配達証明システム1が、第1の実施の形態と相違する点を中心に説明する。ここで特に言及しない限り、本実施の形態の構成および動作は、第1の実施の形態と同様である。
【0054】
図6は、本実施の形態の配達証明システム1の構成を示すブロック図である。図6に示すように、本実施の形態の荷主端末装置2は、サイン要求部23と公開鍵生成部24を備えている。サイン要求部23は、荷受人装置5に筆記サイン22の筆跡データの送信を要求する機能を備えている。例えば、ある配達物の発送を行う場合に、その荷受人(の荷受人装置5)に対する筆記サイン22の要求(サイン要求)を作成し、通信部6を介して、サイン要求をその荷受人装置5へ送信する。この筆記サイン22の要求は、配達物の発送の前に行われる。したがって、筆記サイン22の要求は、配達物の発送作業の直前に行われてもよく、あるいは事前に行っておいてもよい。
【0055】
サイン要求に対する応答として、荷受人装置5から筆記サイン22の筆跡データが送信されると、荷主端末装置2は、通信部6を介して、その筆記サイン22の筆跡データを受信する。そして、公開鍵生成部24は、この筆記サイン22の筆跡データから公開鍵を生成する機能を備えている。この場合、筆跡データ(座標列データや特徴点ベクトルデータ)をそのまま公開鍵として用いてもよく、また、筆跡データにデータ変換処理を施して公開鍵を生成してもよい。
【0056】
秘密鍵生成部18は、荷受人が配達物を受領したときの筆記サイン22の筆跡データから秘密鍵を生成する機能を備えている。この秘密鍵も、荷受人の筆記サイン22の筆跡データから作成されたものであり、荷受人の筆記サイン22が同一であれば、この秘密鍵と上述の公開鍵(荷受人装置5から送信された筆記サイン22から生成した公開鍵)とは鍵ペアを構成することになる。
【0057】
以上のように構成された配達証明システム1について、図7のシーケンス図を用いてその動作を説明する。
【0058】
本発明の第2の実施の形態の配達証明システム1を用いるときには、まず、荷主端末装置2から荷受人端末装置へサイン要求が送信されると(S21)、その応答として、荷受人装置5から荷主端末装置2へ筆記サイン22の筆跡データが送信される(S22)。荷主端末装置2では、その筆記サイン22の筆跡データから公開鍵が生成される(S23)。そして、その公開鍵を用いて、配達確認用データが暗号化され(S24)、暗号化コードシンボル12が配達伝票13に印刷される(S25)。配達伝票13が配達物に貼付され、宅配センターから配達物の発送が行われると、荷主端末装置2から配送業者サーバ装置4へ荷受情報が送信され(S26)、配送業者サーバ装置4では、荷受情報が記録される(S27)。
【0059】
宅配センターから発送された配達物が、配送者によって荷受人に届けられると、例えば、荷受人の玄関先で、配送者が配送者端末装置3を用いて、配達物に貼付された配達伝票13から暗号化コードシンボル12を読み取る(S28)。読み取られた暗号化コードシンボル12は、配送者端末装置3の画面21に表示される。次に、荷受人が配送者端末装置3の画面21(タッチパネル)に筆記サイン22の入力を行うと(S29)、その筆記サイン22の筆跡データから秘密鍵が生成され(S30)、画面21に表示された暗号化コードの復号化が行われる(S31)。暗号化コードシンボル12の復号化が成功すると、復号化によって得られた配達確認用データを含んだ配達証明が生成される(S32)。
【0060】
この場合、配達証明は、配送者端末装置3から配送業者サーバ装置4へ送信され(S33)、配送業者サーバ装置4で配送証明が記録される(S34)。その後、この配達証明は、配送業者サーバ装置4から荷主端末装置2へ送信され(S35)、荷主端末装置2で、配達確認用データの照合が行われる(S36)。暗号化コードシンボル12の生成に用いた配達確認用データと、配送者端末装置3から送信された配達証明に含まれていた配達確認用データが一致した場合には、配達物が荷受人にきちんと配達されたことが確認される。
【0061】
このような本発明の第2の実施の形態の配達証明システム1によっても、第1の実施の形態と同様の作用効果が奏される。
【0062】
本実施の形態では、筆記サイン22に対応づけられている暗号鍵として、荷受人の筆記サイン22の筆跡データから生成される公開鍵が用いられる。荷主端末装置2(配達物の発送元)では、荷受人の筆記サイン22の筆跡データを受信し、その筆跡データから公開鍵が生成される。そして、この公開鍵を用いて配達確認用データの暗号化(暗号化コードシンボル12の生成)が行われる。配送者端末装置3(配達物の配送先)では、荷受人の筆記サイン22の筆跡データから秘密鍵が取得される。例えば、荷受人が配達物の受領の筆記サイン22をすると、その筆記サイン22の筆跡データから秘密鍵が生成される。筆記サイン22が同一であれば、この秘密鍵と上記の公開鍵とは鍵ペアを構成し、この秘密鍵を用いて暗号化コードシンボル12を復号化(配達確認用データを取得)することができる。そして、配達確認用データを照合(配達物の配達確認)が行われる。この場合、何らかの不正な手段によって、配達物(暗号化コードシンボル12)が盗取されたとしても、筆記サイン22(秘密鍵)を偽造しない限り、暗号化コードシンボル12から配達確認用のデータを偽造することはできない。したがって、配達証明が偽造されるのを防ぐことができ、確実に配達物の配達確認をすることができる。
【0063】
(第2の実施の形態の変形例)
図8は、第2の実施の形態の変形例の動作を説明するためのシーケンス図である。この変形例では、荷受人の筆記サイン22を管理する管理サーバ装置が用いられる。この管理サーバ装置は、荷受人装置5から送信された筆記サイン22の筆跡データを、荷主端末装置2からのサイン要求に応じて、常時送信可能なように管理している。
【0064】
したがって、この変形例の場合には、まず、荷受人装置5から管理サーバ装置へ筆記サイン22の筆跡データが送信される(S37)。そして、荷主端末装置2から管理サーバ装置へサイン要求が送信されると(S38)、その応答として、管理サーバ装置から荷主端末装置2へ筆記サイン22の筆跡データが送信される(S39)。なお、これ以降の処理(S23〜S36)は、第2の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0065】
このような変形例によれば、管理サーバ装置から、オンデマンドで筆跡データを受信することができる。荷受人の端末装置から筆跡データを受信する場合、荷受人の端末装置の状況(例えば、荷受人が外出しており端末装置の電源がオフにされている場合など)によっては、すぐに筆跡データを入手できないことがあり得る。これに対して、管理サーバ装置は、荷主端末装置2からの要求があればいつでもすぐに筆跡データを送信することができる。したがって、筆跡データが必要なときにはいつでも管理サーバ装置からすぐに入手することができる。
【0066】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【0067】
例えば、暗号化コードシンボル12は、一つの配達物ごとに固有のものでもよく、複数の配達物をまとめた配達物セットごとに固有のものでもよい。また、以上の説明では、暗号鍵・復号鍵として、公開鍵・秘密鍵の非対称鍵ペアを用いる場合を例示したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、共通鍵を用いてもよい。また、以上の説明では、配達伝票13に暗号化コードシンボル12を印刷する場合を例示したが、その代わりに、RFタグやICタグに暗号化データを持たせてもよい。また、以上の説明では、配送者端末装置3において秘密鍵を生成する場合を例示したが、外部のサーバ装置(秘密鍵を管理するサーバ装置)から秘密鍵を取得してもよい。その場合、筆跡データは秘密鍵を取得するためのユーザ認証に用いてもよい。さらに、秘密鍵が配送者端末装置3内に無いことから、配送者端末装置3への攻撃脅威に対して強固にすることができる。また、配達証明を生成するために重要な秘密鍵を外部に有することにより、一層第三者的な証明が可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上のように、本発明にかかる配達証明システムは、荷受人の筆記サインに対応づけた暗号鍵や復号鍵を利用することにより、簡単かつ確実に配達物の配達確認をすることができるという効果を有し、物品の宅配システム等として有用である。
【符号の説明】
【0069】
1 配達証明システム
2 荷主端末装置
3 配送者端末装置
4 配送業者サーバ装置
5 荷受人装置
6 通信部
7 公開鍵要求部
8 暗号化部
9 印刷処理部
10 配達確認部
11 ネットワーク
12 暗号化コードシンボル
13 配達伝票
14 通信部
15 読取り部
16 入力部
17 サイン受付部
18 秘密鍵生成部
19 復号化部
20 配達証明生成部
21 画面(タッチパネル)
22 筆記サイン
23 サイン要求部
24 公開鍵生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配達物の発送元の荷主端末装置と、前記配達物の配送者が所持する配送者端末装置とを備えた配達証明システムにおいて、
前記荷主端末装置は、
前記配達物を受け取るべき荷受人の筆記サインに対応づけられている暗号鍵を用いて、前記配達物の配達確認用データを暗号化することにより、前記配達物に添付されるべき暗号化コードシンボルを生成する暗号化部を備え、
前記配送者端末装置は、
前記配達物に添付された前記暗号化コードシンボルを読み取る読取り部と、
前記荷受人の筆記サインの入力を受け付けるサイン受付部と、
前記筆記サインに対応づけられている復号鍵を用いて、前記暗号化コードシンボルを復号化することにより、前記配達確認用データを取得する復号化部と、
前記配達確認用データを、前記荷主端末装置に送信する送信部と、
を備え、
前記荷主端末装置は、さらに、
受信した前記配達確認用データを用いて配達確認を行う配達確認部を備えたことを特徴とする配達証明システム。
【請求項2】
前記配達確認部は、前記配達者端末装置から受信した前記配達確認用データを照合して、前記配達物の配達確認を行うことを特徴とする請求項1に記載の配達証明システム。
【請求項3】
前記筆記サインに対応づけられている復号鍵として、前記荷受人の筆記サインの筆跡データから生成される秘密鍵が用いられる配達証明システムであって、
前記荷主端末装置は、前記筆記サインに対応づけられている暗号鍵として、前記秘密鍵と鍵ペアをなす公開鍵を受信する受信部を備え、
前記暗号化部は、前記公開鍵を用いて前記配達確認用データを暗号化することにより、前記暗号化コードシンボルを生成し、
前記配送者端末装置は、前記サイン受付部で入力を受け付けた前記荷受人の筆記サインの筆跡データに基づいて、前記秘密鍵を取得する秘密鍵取得部を備え、
前記復号化部は、前記秘密鍵を用いて前記暗号化コードシンボルを復号化することにより、前記配達確認用データを取得することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配達証明システム。
【請求項4】
前記受信部は、前記公開鍵を管理している管理サーバ装置から、前記公開鍵をオンデマンドで受信可能であることを特徴とする請求項3に記載の配達証明システム。
【請求項5】
前記筆記サインに対応づけられている暗号鍵として、前記荷受人の筆記サインの筆跡データから生成される公開鍵が用いられる配達証明システムであって、
前記荷主端末装置は、前記荷受人の筆記サインの筆跡データを受信する受信部と、受信した前記筆跡データから前記公開鍵を生成する公開鍵生成部と、を備え、
前記暗号化部は、前記公開鍵を用いて前記配達確認用データを暗号化することにより、前記暗号化コードシンボルを生成し、
前記配送者端末装置は、前記サイン受付部で入力を受け付けた前記荷受人の筆記サインの筆跡データに基づいて、前記公開鍵と鍵ペアをなす秘密鍵を取得する秘密鍵取得部を備え、
前記復号化部は、前記秘密鍵を用いて前記暗号化コードシンボルを復号化することにより、前記配達確認用データを取得することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配達証明システム。
【請求項6】
前記受信部は、前記筆跡データを管理している管理サーバ装置から、前記筆跡データをオンデマンドで受信可能であることを特徴とする請求項5に記載の配達証明システム。
【請求項7】
配達証明システムで用いられ、配達物の発送元の荷主端末装置であって、
前記荷主端末装置は、
前記配達物を受け取るべき荷受人の筆記サインに対応づけられている暗号鍵を用いて、前記配達物の配達確認用データを暗号化することにより、前記配達物に添付されるべき暗号化コードシンボルを生成する暗号化部を備え、
前記配達物の配送先では、前記配達物に添付された前記暗号化コードシンボルが読み取られ、前記荷受人の筆記サインの入力を受け付けると、前記筆記サインに対応づけられている復号鍵を用いて、前記暗号化コードシンボルを復号化することにより、前記配達確認用データが取得され、前記配達確認用データが、前記荷主端末装置に送信され、
前記荷主端末装置は、さらに、
前記配達者端末装置から送信された前記配達確認用データを照合して、前記配達物の配達確認を行う配達確認部を備えたことを特徴とする荷主端末装置。
【請求項8】
配達証明システムで用いられ、配達物の配送者が所持する配送者端末装置であって、
前記配達物の発送元では、前記配達物を受け取るべき荷受人の筆記サインに対応づけられている暗号鍵を用いて、前記配達物の配達確認用データを暗号化することにより、前記配達物に添付されるべき暗号化コードシンボルが生成され、
前記配送者端末装置は、
前記配達物に添付された前記暗号化コードシンボルを読み取る読取り部と、
前記荷受人の筆記サインの入力を受け付けるサイン受付部と、
前記筆記サインに対応づけられている復号鍵を用いて、前記暗号化コードシンボルを復号化することにより、前記配達確認用データを取得する復号化部と、
前記配達確認用データを、前記荷主端末装置に送信する送信部と、
を備え、
前記配達物の発送元では、必要に応じて、さらに、前記配達者端末装置から送信された前記配達確認用データを照合して、前記配達物の配達確認が行われることを特徴とする配送者端末装置。
【請求項9】
配達物の発送元の荷主端末装置と、前記配達物の配送者が所持する配送者端末装置とを備えた配達証明システムで用いられる方法であって、
前記荷主端末装置において、
前記配達物を受け取るべき荷受人の筆記サインに対応づけられている暗号鍵を用いて、前記配達物の配達確認用データを暗号化することにより、前記配達物に添付されるべき暗号化コードシンボルを生成することと、
前記配送者端末装置において、
前記配達物に添付された前記暗号化コードシンボルを読み取ることと、
前記荷受人の筆記サインの入力を受け付けることと、
前記筆記サインに対応づけられている復号鍵を用いて、前記暗号化コードシンボルを復号化することにより、前記配達確認用データを取得することと、
前記配達確認用データを、前記荷主端末装置に送信することと、
前記荷主端末装置において、さらに、
前記配達者端末装置から送信された前記配達確認用データを照合して、前記配達物の配達確認を行うことと、
を含むことを特徴とする配達証明方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−251812(P2011−251812A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127094(P2010−127094)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】