説明

酢酸の製造方法

【目的】 酢酸をエチレンより気相接触反応により一段で合成する方法において空時収率が高く,二酸化炭素の副生を著しく抑え,触媒寿命の長い方法を得る。
【構成】 (1)(a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸およびそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有する触媒の存在下に、エチレンと酸素とを反応させて、酢酸を製造する方法。
(2)(a)金属パラジウム(b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物、および(c)周期律表の11族、14族金属、15族金属及び16族金属よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する触媒の存在下に、エチレンと酸素とを反応させて、酢酸を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエチレンと酸素とから一段接触反応により酢酸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酢酸の製造法としてはアセトアルデヒドの酸化法、メタノールと一酸化炭素を反応させる方法、低級パラフィンを酸化する方法などが実用化されている。アセトアルデヒドの酸化法は、エチレンよりアセトアルデヒドを経て、酢酸を製造する二段酸化法であるが、エチレン酸化に寄与するPdイオンは生成アセトアルデヒドを 酸化できないため、各段階での触媒が異なることよりこの方法での酢酸の直接合成は困難である。メタノールのカルボニル化法は、触媒としてのロジウムが極めて高価な問題があり、又、低級炭化水素の酸化法は、一段で酢酸を合成しているが、反応条件が比較的厳しいため副生成物が多く、反応選択性、収率の向上が問題となっている。
【0003】一方、エチレンから酢酸を一段酸化法で製造する方法は、工業的製造工程上と経済的に種々の有利な点を有しているために、多くの提案がなされている。例えば、パラジウム−コバルト、鉄などの金属イオン対の酸化還元系触媒を用いた液相一段酸化法(フランス特許第1448361号)、さらには、パラジウム−リン酸又は硫黄含有変性剤からなる触媒(特開昭47−13221、特開昭51−29425)、ある種のヘテロポリ酸のパラジウム塩からなる触媒(特開昭54−57488)、3群系酸素化合物からなる触媒(特公昭46−6763)を用いた気相一段酸化法などが提案されている。これらの触媒を用いて反応を行なうに当たって、工業上特に重要なことは、触媒の活性が高く、かつその経時変化ができる限り小さく、しかも酢酸の選択性がよいことである。しかし、従来提案されたこれらの触媒はいずれも、酢酸の製造を工業的規模で実施する上で、必ずしも十分な性能を有しているとは言い難い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかして、本発明の目的は、エチレンと酸素を反応させることによって、酢酸を工業的に有利に製造し得る方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的を達成するため、エチレンと酸素から酢酸を製造する際に用いる触媒の性能を高めるべく鋭意研究を行なった結果、従来法に比べて空時収率が極めて高く、又、二酸化炭素の選択率が極めて低い、寿命も長い下記の触媒を見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明(I)は、(a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸およびそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有する触媒の存在下に、エチレンと酸素とを反応させることを特徴とする酢酸の製造方法である。更に、本発明(II)は、(a)金属パラジウム(b)ヘテロポリ酸およびそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物および(c)周期律表の11族、14族金属、15族金属及び16族金属よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する触媒の存在下に、エチレンと酸素とを反応させることを特徴とする酢酸の製造方法である。
【0006】以下、本発明について詳しく説明する。本発明で用いられる触媒に含有されるパラジウムは金属パラジウムである。また、ヘテロポリ酸はそのヘテロ原子としては、リン、珪素、ホウ素、アルミニウム、ゲルマニウム、チタニウム、ジルコニウム、セリウム、コバルト、及びクロムであり、又、ポリ原子としては、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ及びタンタルよりなる群から選ばれた、少なくとも1種の元素を含むヘテロポリ酸である。
【0007】具体的には、ケイタングステン酸、リンタングステン酸、ケイモリブデン酸、リンモリブデン酸、リンモリブドタングステン酸、ケイモリブドタングステン酸、リンバナドタングステン酸、ケイバナドタングステン酸、ケイバナドモリブデン酸、ホウタングステン酸、ホウモリブデン酸、及びホウモリブドタングステン酸などが例示される。特に、ヘテロ原子がリン又は珪素、ポリ原子がタングステン、モリブデン及びバナジウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素からなるヘテロポリ酸が実用上、有利である。
【0008】さらに、ヘテロポリ酸の塩は、二種以上の無機酸素酸が縮合して生成した酸の水素原子の一部、又は全部を置換した金属塩あるいはオニウム塩である。ヘテロポリ酸の水素原子を置換した金属は、(国際純正及び応用化学連合無機化学命名法改訂版(1989 年) による)周期律表における1族、2族、11族及び13族よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、又、ヘテロポリ酸のオニウム塩としては、アンモニウムやアミン類とのアンモニウム塩などが例示される。これらヘテロポリ酸の塩の中でも、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、銅、金及びガリウムの金属塩が特に好ましい。
【0009】更に触媒性能上並びに実用上好ましいヘテロポリ酸の塩としては、リンタングステン酸のリチウム塩、リンタングステン酸のナトリウム塩、リンタングステン酸の銅塩、ケイタングステン酸のリチウム塩、ケイタングステン酸のナトリウム塩、及びケイタングステン酸の銅塩を挙げることができる。
【0010】本発明(I)で用いられる触媒は(a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有する多元系触媒である。その構造は正確にはわからないが、パラジウムは塩化パラジウム、酸化パラジウム、ヘテロポリ酸パラジウム塩、などの化合物ではなく、パラジウム金属であり、ヘテロポリ酸またはそれらの塩は複合酸化物と異なり、無機のポリ酸またはその水素原子を置換した金属塩として構造の明らかな酸性を示す化合物であり、パラジウム金属とヘテロポリ酸またはそれらの塩は混合物として、ごく近傍に存在していると考えられる。その為、パラジウム金属とヘテロポリ酸又はその塩の相互作用により、極めて高い活性と選択性を発現し、ヘテロポリ酸パラジウム塩触媒(特開昭54−57488)やパラジウムを含む3群系酸素化合物触媒(特公昭46−6763)と比べて低い反応温度で、すぐれた酢酸生成活性と選択性を示す。
【0011】本発明(I)で用いられる(a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有する触媒の(a)(b)の組成比は(a)1g原子:(b)0.025〜500g分子が好ましく、特に1:0.1〜400において、より好ましい結果を与える。また、本触媒中のパラジウムの含有量は、通常、0.01〜6重量%の範囲内であるのが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜2重量%の範囲である。パラジウム含有量が6重量%以上でも反応は充分進行するが、パラジウムが高価なために、経済的ではなく、実用上不利である。
【0012】本発明(I)で用いられる触媒の調製方法は、前記触媒組成である限り、特に制限はなく、通常の方法によって行われる。即ち、(a)のパラジウム金属の調製に用いられる原料は、特に限定されるものではないが、通常、塩化パラジウム等のハロゲン化物、酢酸パラジウム等の有機酸塩、硝酸パラジウム、酸化パラジウム、硫酸パラジウム、テトラクロロパラジウム酸ナトリウムなどのように、パラジウム金属に転化しうるもの、および金属パラジウムそのものが用いられる。
【0013】又、(b)群のヘテロポリ酸の塩は通常ヘテロポリ酸の水溶液に前記の金属又は、オニウムのハロゲン塩、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩等の水溶液を加え、その後、濃縮、乾燥あるいは濾過等の操作の組み合わせによって得られるが、特に、この調製法に限定されるものではない。
【0014】次に、本触媒の製法の1例を示すと、まず、前記の適当なパラジウム化合物または微粒子状のパラジウム金属を水またはアセトンなどの適当な溶媒あるいは塩酸、硝酸、酢酸などの無機酸または有機酸に溶解または懸濁し、これにヘテロポリ酸またはそれらの塩を加え、含浸、混練、濃縮、乾燥等を行った後、ヒドラジン、水素などの適当な還元剤によりパラジウム金属に還元して触媒を得るが、もとよりこの調製法に限定されるものではない。
【0015】本発明(I)で用いられる触媒は上記組成の触媒物質のみを単独に用いても有効であるが、担体ととも使用するとさらに有利である。本触媒に使用される担体は多孔質物質であればよく、例えばシリカ、珪そう土、モンモリロナイト、チタニア、活性炭、アルミナ、及びシリカアルミナなどの粉末状、球状、ペレット状その他任意の形状のものが挙げられる。本触媒を担体と共に使用する場合のヘテロポリ酸およびその塩の担持量は、担体の粒径および細孔構造に依存して変わるが、担体に対して、5〜200重量%の範囲内であるのが好ましく、さらに、好ましくは、10〜100重量%の範囲である。また、本触媒の含有するパラジウムは、金属パラジウムが好適であり、通常上記担体にパラジウム塩を担持し、その後還元して得ることが好ましい。
【0016】さらに、パラジウムとヘテロポリ酸またはその塩の担体への担持法には特に制限はなく、パラジウム金属およびヘテロポリ酸またはその塩は担体上に任意の方法で析出あるいは沈着させることができる。パラジウムとヘテロポリ酸またはその塩の担体への担持順序は同時でも、順次でもよいが、通常はパラジウムの担持を先にした方が担体付金属触媒調製のための周知の方法が適当に利用できるため、有利である。その一般的な製法の1例を示すと次の通りである。
【0017】即ち、前記の適当なパラジウム化合物を水またはアセトンなどの適当な溶媒あるいは塩酸、硝酸、酢酸などの無機酸または有機酸に溶解し、これに担体を含浸し、乾燥してパラジウム化合物を担体上に担持させた後、そのまますぐに、あるいは水酸化ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等の水溶液で処理することにより、パラジウム酸化物または水酸化物に変換した後に、ヒドラジン、水素などの適当な還元剤によりパラジウム金属に還元する。その後、所望ならば、残存するナトリウム等のアルカリ塩は水洗除去される。次いで、乾燥した後、ヘテロポリ酸またはその塩を担持して触媒を得る。ヘテロポリ酸またはその塩の担持法としては、含浸法、蒸発乾固法、混練法、付着法等の手段が適用される。ただし、ヘテロポリ酸またはその塩担持後の乾燥、還元等の熱処理温度が約350℃を越えるとヘテロポリ酸の骨格の破壊を招き、酢酸生成活性および選択性が悪くなるので好ましくない。
【0018】次に、本発明(II)で用いられる触媒は、(a)金属パラジウム、(b)ヘテロポリ酸およびそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物および(c)周期律表(国際純正及び応用化学連合無機化学命名法改訂版(1989 年) による)の11族、14族金属、15族金属及び16族金属よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する多元系触媒である。この触媒は本発明(I)で用いられる触媒にさらに上記(c)群に属する元素を含有した3群系触媒である。(b)群に属するヘテロポリ酸またはそれらの塩としては本発明(I)の触媒と同様に用いられ、また、(c)群に属する元素の中では銅,銀,錫,鉛,アンチモン,ビス マス,セレン,及びテルルなどが好ましく使用できる。
【0019】更に触媒性能上並びに実用上特に好ましい本発明(II)の触媒としては、(a)金属パラジウム(b)リンタングステン酸のリチウム塩、リンタングステン酸のナトリウム塩、リンタングステン酸の銅塩、ケイタングステン酸のリチウム塩、ケイタングステン酸のナトリウム塩、及びケイタングステン酸の銅塩から選ばれた少なくとも一種及び(c)ビスマス、セレン及びテルルから選ばれた少なくとも一種の元素よりなる3群系触媒を挙げることができる。
【0020】この触媒の構造は正確にはわからないが、パラジウムは塩化パラジウム、酸化パラジウム、ヘテロポリ酸パラジウム塩などの化合物ではなく、パラジウム金属であり、(b)群に属するヘテロポリ酸またはそれらの塩は複合酸化物と異なり、無機のポリ酸またはその水素原子を置換した金属塩として構造の明らかな酸性を示す化合物であり、また、(c)群に属する元素はヘテロポリ酸の構成元素またはヘテロポリ酸の水素原子を置換した元素としてではなく、金属、化合物あるいは金属パラジウムとの合金の形であり、3群の元素及び化合物はそれぞれ混合物として、ごく近傍に存在していると考えられる。その為、パラジウム金属と(b)および(c)で表される各群の化合物および元素の相互作用により、極めて高い活性と選択性を発現し、従来の触媒に比べて低い反応温度で、すぐれた酢酸生成活性と選択性を示す。
【0021】本発明(II)で用いられる(a)金属パラジウム(b)ヘテロポリ酸およびそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物および(c)周期律表の11族、14族金属、15族金属及び16族金属よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する触媒の(a)(b)(c) の組成比は、(a) 1グラム原子:(b) 0. 025〜500グラム分子:(c) 0. 005〜10グラム原子である触媒である(a)1グラム原子:(b)0.025〜500グラム分子:(c)0.005〜10グラム原子が好ましく、とくに、1:0.1〜400:0.01〜5となるようにするのが有利である。また、本触媒中のパラジウムの含有量は、通常、0.01〜6重量%の範囲内であるのが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜2重量%の範囲である。パラジウム含有量が6重量%以上でも反応は充分進行するが、パラジウムが高価なために、経済的ではなく、実用上好ましくない。
【0022】本発明(II)で用いられる触媒の調製方法は、前記触媒組成である限り、特に制限はなく、通常の方法によって行われる。即ち、前記(a)で表されるパラジウム金属の調製に用いられる原料は、特に限定されるものではないが、通常、塩化パラジウム等のハロゲン化物、酢酸パラジウム等の有機酸塩、硝酸パラジウム、酸化パラジウム、硫酸パラジウム、テトラクロロパラジウム酸ナトリウムなどのように、パラジウム金属に転化しうるもの、および金属パラジウムそのものが用いられる。又、(b)群のヘテロポリ酸の塩は通常ヘテロポリ酸の水溶液に前記の金属又は、オニウムのハロゲン塩、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩等の水溶液を加え、その後、濃縮、乾燥あるいは濾過等の操作の組み合わせによって得られるが、特に、この調製法に限定されるものではない。
【0023】又、(c)群に属する元素(銅,銀,錫,鉛,アンチモン,ビスマス,セレン,及びテルルなど)の触媒調製に用いられる原料は特に限定されるものではなく,塩化テルル,塩化セレン,塩化アンチモン,塩化ビスマス,塩化銅等のハロゲン化物,酸化テルル,酸化セレン,酸化アンチモン,酸化ビスマス,酸化銅等の酸化物,硝酸ビスマス,硝酸銅,硝酸銀,硝酸鉛等の硝酸塩,酢酸銅,酢酸錫,酢酸鉛等の酢酸塩,テルル酸,亜テルル酸,亜テルル酸カリウム,セレン酸,亜セレン酸,亜セレン酸カリウム,アンチモン酸カリウム,硫化アンチモン,硫化ビスマス,硫酸銅等が代表的な例である。所望ならば各々の金属も使用できる。
【0024】次に、本触媒の製法の1例を示すが、もとより、この調製法に限定されるものではない。まず、前記(a)のパラジウム化合物および(c)群に属する元素の適当な化合物を各々別個に、または一緒に水またはアセトンなどの適当な溶媒あるいは塩酸、硝酸、酢酸などの無機酸または有機酸に溶解または懸濁し、これにヘテロポリ酸またはそれらの塩を加え、含浸、混練、濃縮、乾燥等を行った後、ヒドラジン、水素などの適当な還元剤によりパラジウム金属に還元して触媒を得る。
【0025】本発明(II)で用いられる触媒は上記組成の触媒物質のみを単独に用いても有効であるが、担体ととも使用するとさらに有利である。本触媒に使用される担体は多孔質物質であればよく、例えばシリカ、珪そう土、モンモリロナイト、チタニア、活性炭、アルミナ、及びシリカアルミナなどの粉末状、球状、ペレット状その他任意の形状のものが挙げられる。本触媒を担体と共に使用する場合のヘテロポリ酸のおよびその塩の担持量は、担体の粒径および細孔構造に依存して変わるが、担体に対して、5〜200重量%の範囲内であるのが好ましく、さらに、好ましくは、10〜100重量%の範囲である。
【0026】又、(c)群の元素(銅、銀、錫、鉛、アンチモン、ビスマス、セレン、及びテルルなど)の担持量は広範囲で有効であるが、通常、0.01〜30重量%の範囲であるのが好ましい。また、本触媒に含有するパラジウムは、金属パラジウムが好適であり、通常上記担体にパラジウム塩を担持し、その後還元して得ることが好ましい。さらに、本触媒の担体への担持法には特に制限はなく、(a)のパラジウム金属、(b)群のヘテロポリ酸またはその塩及び(c)群の元素は担体上に任意の方法で析出、あるいは沈着させることができる。パラジウム、(b)群のヘテロポリ酸またはその塩及び(c)群の元素の担体への担持順序はこれら3群の元素を2種以上同時にまたは、任意の順次でもよいが、通常はパラジウムの担持を先にした方が担体付金属調製のための周知の方法が適当に利用できるため、有利である。その一般的な製法の1例を示すと次のとおりである。
【0027】即ち、前記の適当なパラジウム化合物を水またはアセトンなどの適当な溶媒あるいは塩酸、硝酸、酢酸などの無機酸または有機酸に溶解し、これに担体を含浸し、乾燥してパラジウム化合物を担体上に担持させた後、そのまますぐに、あるいは水酸化ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等の水溶液で処理することにより、パラジウム酸化物または水酸化物に変換した後に、ヒドラジン、水素などの適当な還元剤によりパラジウム金属に還元する。その後、所望ならば、残存するナトリウム等のアルカリ塩は水洗除去される。次いで、乾燥した後、(c)群の元素及び(b)群のヘテロポリ酸またはその塩を順次に担持して触媒を得る。
【0028】(b)群のヘテロポリ酸またはその塩及び(c)群の元素の担持法としては、含浸法、蒸発乾固法、混練法、付着法等の手段が適用される。ただし、(b)群のヘテロポリ酸またはその塩担持後の乾燥、還元等の熱処理温度が約350℃を越えるとヘテロポリ酸の骨格の破壊を招き、酢酸生成活性および選択性が悪くなるので好ましくない。
【0029】本発明の方法において,エチレンと酸素を反応させて,酢酸を製造する際,反応温度は100〜250℃であるが,好ましくは140〜200℃であることが実用上有利である。また,反応圧力は設備の点から0〜30kg/cm2 Gであることが実用上有利であるが,さらに好ましくは1〜15kg/cm2 Gの範囲である。
【0030】本発明の方法において反応系に供給するガスは、エチレンと酸素からなり,必要に応じて窒素,二酸化炭素または稀ガスをなどを希釈剤として使用することもできる。かかる供給ガス全量に対して,エチレンは5〜80容量%,好ましくは10〜50容量%の割合となる量で、酸素は1〜15容量%,好ましくは3〜10容量%の割合となる量で,反応系に供給される。
【0031】この反応系においては、水を反応系内に存在させると、酢酸生成活性と選択率の向上および触媒の活性維持に著しく効果がある。水蒸気は反応ガス中に1〜50容量%含まれるのが好適であるが、好ましくは5〜30容量%である。
【0032】本発明の方法を実施するに当り,原料エチレンとして高純度のものを用いるのが有利であるが,メタン,エタン,プロパン等の低級飽和炭化水素が若干混入しても差し支えない。また,酸素は窒素,炭酸ガス等の不活性ガスで希釈されたもの,例えば,空気の形でも供給できるが,反応ガスを循環させる場合には,一般に高濃度,好適には99%以上の酸素を用いる方が有利である。反応混合ガスは、標準状態において、空間速度(SV)10〜10000Hr-1,特に、300〜5000Hr-1で触媒に通すのが好ましい。反応形式としては,固定床,流動床などの形式を採り得るが,耐蝕性を有する反応管に前述の触媒を充填した固定床を採用することが実用上有利である。
【0033】
【実施例】以下,実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1テトラクロロパラジウム酸ナトリウムの10gの水溶液に、シリカ担体(5mmφ)250ccを浸し、全量吸水させた後、このものをメタケイ酸ナトリウム18gを含む水溶液200ml中に加え,20Hr静置させた。しかる後,85%ヒドラジン水溶液10mlを添加し,塩化パラジウムナトリウムを金属パラジウムに還元、水洗した後,110℃で4Hr乾燥した。その後、担体に対して20重量%のケイタングステン酸を含む水溶液90ml中に上記の金属パラジウムを含む担体を投入し,全液を吸収させた後,110℃で4Hr乾燥した。
【0034】得られた触媒15mlを反応管に充填し、温度150℃、圧力5kg/cm2Gで、エチレン:酸素:水蒸気:窒素を容積比50:7:30:13の割合に混合したガスを流速45Nl/Hにて導入し、反応をおこなった。生成したガスを冷却し、凝縮した反応捕集液をガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、酢酸の空時収率は93.1g/lH,酢酸選択率は78.5%,二酸化炭素の選択率は14.2%であった。
【0035】実施例2実施例1でケイタングステン酸の代わりにリンタングステン酸を使用したこと以 外は,実施例1と同じにした。
【0036】実施例3実施例1でケイタングステン酸の代わりにケイモリブドタングステン酸を使用したこと以外は,実施例1と同じにした。
【0037】実施例4実施例1でケイタングステン酸の代わりにリンモリブドタングステン酸を使用したこと以外は,実施例1と同じにした。
【0038】実施例5実施例1でケイタングステン酸の代わりにケイバナドモリブデン酸を使用したこと以外は,実施例1と同じにした。
【0039】実施例6実施例1でケイタングステン酸の代わりにリンモリブデン酸を使用したこと以外は実施例1と同じにした。
【0040】実施例7実施例1でケイタングステン酸の代わりにケイタングステン酸のガリウム塩を使用したこと以外は、実施例1と同じにした。ここで,ケイタングステン酸のガリウム塩は、ケイタングステン酸9.6gを含む水溶液に硝酸ガリウム0.045gを含む水溶液を滴下して調製した。
【0041】実施例8実施例7でケイタングステン酸のガリウム塩の代わりにケイタングステン酸のマグネシウム塩を使用したこと以外は、実施例7と同じにした。
【0042】実施例9実施例7でケイタングステン酸のガリウム塩の代わりにリンタングステン酸のマグネシウム塩を使用したこと以外は、実施例7と同じにした。
【0043】実施例10実施例7でケイタングステン酸のガリウム塩の代わりにケイタングステン酸のリチウム塩を使用したこと以外は、実施例7と同じにした。
【0044】実施例11実施例7でケイタングステン酸のガリウム塩の代わりにケイタングステン酸の銅塩を使用したこと以外は、実施例7と同じにした。
【0045】実施例12実施例1でシリカ担体の代わりにチタニアを使用したこと以外は、実施例1と同じにした。
【0046】実施例13150gのリンタングステン酸を75ccの純水に溶解し、これに硝酸セシウム25gを純水160ccで溶解した液を滴下した。得られた沈殿物の水分を湯浴上にて蒸発させ、粘土状物質を得た。これに酢酸パラジウム11.7gのアセトン溶液を加え、溶媒を蒸発乾固した後、空気中150℃で3時間乾燥した。この乾燥物を1〜2mmφに粉砕し、空気雰囲気下200℃で3時間さらに、水素気流下250℃で5時間還元処理を行なった。それを反応に供した。他は実施例1と同じにした。
【0047】比較例1テトラクロロパラジウム酸ナトリウムの10gの水溶液に、シリカ担体(5mmφ)250ccを浸し、全量吸水させた後、これをメタケイ酸ナトリウム18gを含む水溶液200ml中に投入し20Hr静置後,さらに,85%ヒドラジン水溶液10mlを添加し,塩化パラジウムナトリウムを金属パラジウムに還元した。還元後よく水洗し,110℃で4Hr乾燥した。それを反応に供した。他は実施例1と同じにした。
【0048】比較例2担体に対して20重量%のケイタングステン酸を含む水溶液90ml中に,シリカ担体(5mmφ)250mlを浸し、全量吸水させた後,110℃で4Hr乾燥した。それを反応に供した。他は実施例1と同じにした。
【0049】比較例3担体に対して20重量%のリンバナドモリブデン酸をふくむ水溶液に,酢酸パラジウム1.2gのアセトン溶液を加え,得られた溶液にシリカ担体(5mmφ)250mlを浸し、全量吸水させた後,110℃で4Hr乾燥後,さらに,320℃で5Hr焼成した。それを反応に供した。他は実施例1と同じにした。以上の実施例1〜13及び比較例1〜3の結果を表1に示す。
【0050】
【表1】


【0051】実施例14テトラクロロパラジウム酸ナトリウムの10gの水溶液に、シリカ担体(5mmφ)250ccを投入し、全量吸水させた後、このものをメタケイ酸ナトリウム18gを含む水溶液200ml中に加え,20Hr静置させた。しかる後,85%ヒドラジン水溶液20mlを添加し,テトラクロロパラジウム酸ナトリウムを金属パラジウムに還元、水洗した後,110℃で4Hr乾燥した。その後、0.43gの亜テルル酸カリウムの水溶液90ml中に上記の金属パラジウムを含む担体を投入し,全液を吸収させた後,110℃で4Hr乾燥した。その後さらに,担体に対して30重量%のケイタングステン酸(H4SiW12O40)を含む水溶液90ml中に上記の金属パラジウムおよびテルルを含む担体を投入し,全液を吸収させた後,110℃で4Hr乾燥した。
【0052】得られた触媒15mlを反応管に充填し、温度150℃、圧力8kg/cm2Gで、エチレン:酸素:水蒸気:窒素を容積比50:6:30:14の割合に混合したガスを流速45Nl/Hにて導入し、反応をおこなった。生成したガスを冷却し、凝縮した反応捕集液をガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、酢酸の空時収率は200g/lH,酢酸選択率は85.5%,二酸化炭素の選択率は5.2%であった。
【0053】実施例15実施例14で0.86gの亜テルル酸カリウムを使用したこと以外は,実施例14と同じにした。
【0054】実施例16実施例15でケイタングステン酸の代わりにリンタングステン酸(H3PW12040)を使用したこと以外は,実施例15と同じにした。
【0055】実施例17実施例15でケイタングステン酸の代わりにリンバナドタングステン酸(H3PW11V1O40) を使用したこと以外は,実施例15と同じにした。
【0056】実施例18実施例15でケイタングステン酸の代わりにケイバナドモリブデン酸(H5PMo10V2O40 ) を使用し,さらに,反応条件を圧力5kg/cm2 Gで、エチレン:酸素:水蒸気:窒素を容積比50:7:30:13の割合に混合したガスを流速45Nl/Hにて導入し、反応をおこなったこと以外は,実施例15と同じにした。
【0057】実施例19テトラクロロパラジウム酸ナトリウムの10gの水溶液に、シリカ担体(5mmφ)250ccを投入し、全量吸水させた後、このものをメタケイ酸ナトリウム18gを含む水溶液200ml中に加え,20Hr静置させた。しかる後,85%ヒドラジン水溶液20mlを添加し,テトラクロロパラジウム酸ナトリウムを金属パラジウムに還元、水洗した後,110℃で4Hr乾燥した。その後、0.45gのアンチモン酸カリウムの水溶液90ml中に上記の金属パラジウムを含む担体を投入し,全液を吸収させた後,110℃で4Hr乾燥した。その後さらに,担体に対して30重量%のケイタングステン酸(H4SiW12O40)を含む水溶液90ml中に上記の金属パラジウムおよびテルルを含む担体を投入し,全液を吸収させた後,110℃で4Hr乾燥した。得られた触媒を用いて,実施例14と同じ条件で反応を行なった。
【0058】実施例20実施例14で亜テルル酸カリウムの代わりに0.34gの硝酸ビスマス酢酸水溶液を使用したこと以外は、実施例14と同じにした。
【0059】実施例21テトラクロロパラジウム酸ナトリウムの10gの水溶液に、シリカ担体(5mmφ)250ccを投入し、全量吸水させた後、このものをメタケイ酸ナトリウム18gを含む水溶液200ml中に加え,20Hr静置させた。しかる後,85%ヒドラジン水溶液20mlを添加し,テトラクロロパラジウム酸ナトリウムを金属パラジウムに還元、水洗した後,110℃で4Hr乾燥した。その後、0.14の亜セレン酸カリウムの水溶液90ml中に上記の金属パラジウムを含む担体を投入し,全液を吸収させた後,110℃で4Hr乾燥した。その後さらに,担体に対して30重量%のケイタングステン酸(H4SiW12O40)を含む水溶液90ml中に上記の金属パラジウムおよびテルルを含む担体を投入し,全液を吸収させた後,110℃で4Hr乾燥した。
【0060】得られた触媒15mlを反応管に充填し、温度160℃、圧力8kg/cm2Gで、エチレン:酸素:水蒸気:窒素を容積比50:5:30:15の割合に混合したガスを流速45Nl/Hにて導入し、反応をおこなった。生成したガスを冷却し、凝縮した反応捕集液をガスクロマトグラフィーにて分析した。
【0061】実施例22テトラクロロパラジウム酸ナトリウム10gの水溶液に、シリカ担体(5mmφ)250ccを投入し、全量吸水させた後、このものをメタケイ酸ナトリウム18gを含む水溶液200ml中に加え,20Hr静置させた。しかる後,85%ヒドラジン水溶液20mlを添加し,テトラクロロパラジウム酸ナトリウムを金属パラジウムに還元、水洗した後,110℃で4Hr乾燥した。その後、0.86gの亜テルル酸カリウムの水溶液90ml中に上記の金属パラジウムを含む担体を投入し,全液を吸収させた後,110℃で4Hr乾燥した。その後さらに,担体に対して30重量%のケイタングステン酸のマグネシウム塩を含む水溶液90ml中に上記の金属パラジウムおよびテルルを含む担体を投入し,全液を吸収させた後,110℃で4Hr乾燥した。
【0062】ここで,ケイタングステン酸のマグネシウム塩の調製にはケイタングステン酸の28.8gの水溶液に硝酸マグネシウム0.12gを水に溶解し,これを攪拌しながら上記ケイタングステン酸の水溶液に滴下した。得られた触媒15mlを反応管に充填し、温度160℃、圧力8kg/cm2Gで、エチレン:酸素:水蒸気:窒素を容積比50:6:30:14の割合に混合したガスを流速45Nl/Hにて導入し、反応をおこなった。生成したガスを冷却し、凝縮した反応捕集液をガスクロマトグラフィーにて分析した。
【0063】実施例23実施例22でケイタングステン酸のマグネシウム塩の代わりにケイタングステン酸のガリウム塩を使用したこと以外は、実施例22と同じにした。
【0064】実施例24実施例22でケイタングステン酸のマグネシウム塩の代わりにケイタングステン酸のリチウム塩を使用したこと以外は、実施例22と同じにした。
【0065】実施例25実施例22でケイタングステン酸のマグネシウム塩の代わりにケイタングステン酸のナトリウム塩を使用したこと以外は、実施例22と同じにした。
【0066】実施例26実施例22でケイタングステン酸のマグネシウム塩の代わりにケイタングステン酸のセシウム塩を使用したこと以外は、実施例22と同じにした。
【0067】実施例27実施例16で亜テルル酸カリウムの代わりに0.68gの酢酸銅を使用したこと以外は,実施例14と同じにした。
【0068】実施例28実施例14で亜テルル酸カリウムの代わりに0.81gの酢酸錫の酢酸水溶液を使用したこと以外は,実施例14と同じにした。
【0069】実施例29実施例16で亜テルル酸カリウムの代わりに1.3gの酢酸鉛を使用したこと以外は,実施例14と同じにした。
【0070】実施例30実施例14で亜テルル酸カリウムの代わりに0.58gの硝酸銀を使用したこと以外は,実施例14と同じにした。
【0071】実施例31実施例14で担体として酸化チタンを使用したこと以外は,実施例14と同じにした。
【0072】実施例32テトラクロロパラジウム酸ナトリウム10gと亜テルル酸カリウム0.43gを1N塩酸水溶液に溶解し、これにシリカ担体(5mmφ)250ccを投入し、全量吸水させた後、このものをメタケイ酸ナトリウム28gを含む水溶液200ml中に加え,20Hr静置させた。しかる後,85%ヒドラジン水溶液20mlを添加し,還元、水洗した後,110℃で4Hr乾燥した。その後さらに,担体に対して30重量%のケイタングステン酸を含む水溶液90ml中に上記の金属パラジウムおよびテルルを含む担体を投入し,全液を吸収させた後,110℃で4Hr乾燥した。
【0073】得られた触媒15mlを反応管に充填し、温度150℃、圧力8kg/cm2Gで、エチレン:酸素:水蒸気:窒素を容積比50:6:30:14の割合に混合したガスを流速45Nl/Hにて導入し、反応をおこなった。生成したガスを冷却し、凝縮した反応捕集液をガスクロマトグラフィーにて分析した。以上の実施例14〜32の結果を表2に示す。
【0074】
【表2】


【0075】
【発明の効果】以上説明したように,本発明の方法においては,酢酸をエチレンより気相接触反応により一段で合成し,しかも,二酸化炭素の副生を抑え,著しく高い空時収率でつくることができるので,酢酸を低コストで得られる優れた方法である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸およびそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有する触媒の存在下に、エチレンと酸素とを反応させることを特徴とする酢酸の製造方法。
【請求項2】 ヘテロポリ酸がケイタングステン酸、リンタングステン酸、ケイモリブデン酸、リンモリブデン酸、リンモリブドタングステン酸、ケイモリブドタングステン酸、リンバナドタングステン酸、ケイバナドタングステン酸、ケイバナドモリブデン酸、ホウタングステン酸、ホウモリブデン酸、及びホウモリブドタングステン酸である請求項1記載の製造方法。
【請求項3】 ヘテロポリ酸の塩がヘテロポリ酸の水素原子の一部又は全部を周期律表における1族、2族、11族、及び13族よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素で置換した金属塩あるいは、オニウム塩である請求項1記載の製造方法。
【請求項4】 (a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物が担体上に保持されている触媒である請求項1記載の製造方法。
【請求項5】 水の存在下に、エチレンと酸素とを気相で反応させる請求項1記載の製造方法。
【請求項6】 (a)金属パラジウム (b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物、および (c)周期律表の11族、14族金属、15族金属及び16族金属よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する触媒の存在下に、エチレンと酸素とを反応させることを特徴とする酢酸の製造方法。
【請求項7】 ヘテロポリ酸がケイタングステン酸、リンタングステン酸、ケイモリブデン酸、リンモリブデン酸、リンモリブドタングステン酸、ケイモリブドタングステン酸、リンバナドタングステン酸、ケイバナドタングステン酸、ケイバナドモリブデン酸、ホウタングステン酸、ホウモリブデン酸、及びホウモリブドタングステン酸である請求項6記載の製造方法。
【請求項8】 ヘテロポリ酸の塩がヘテロポリ酸の水素原子の一部又は全部を周期律表における1族、2族、11族、及び13族よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素で置換した金属塩あるいは、オニウム塩である請求項6記載の製造方法。
【請求項9】 (a)金属パラジウム (b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物および(c)周期律表の11族、14族金属、15族金属及び16族金属よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素が担体上に保持されている触媒である請求項6記載の製造方法。
【請求項10】 水の存在下に、エチレンと酸素とを気相で反応させる請求項6記載の製造方法。

【公開番号】特開平7−89896
【公開日】平成7年(1995)4月4日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−65161
【出願日】平成6年(1994)4月1日
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)