説明

酵母DSK2のユビキチン結合ドメインとモノユビキチンとの複合体の構造的特徴および酵母DSK2のユビキチン結合ドメインによるモノユビキチン認識機構

【課題】 ユビキチン結合ドメインのユビキチン認識機構の原子レベルでの解析を行うこと。
【解決手段】 ユビキチン結合ドメインとユビキチンとの複合体の立体構造を予測する方法であって、(i)表Aの原子座標により規定される三次元構造からの距離に関する根平均二乗偏差が、酵母DSK2のC末端側の残基番号328〜373の領域であるユビキチン結合ドメイン及びモノユビキチンの残基番号1〜71の領域について、主鎖を構成する原子に関しては0.34オングストロームであり、全ての原子に関しては0.99オングストロームである原子座標により規定される酵母DSK2のユビキチン結合ドメインとモノユビキチンとの複合体又はその一部の三次元構造を用意する工程、及び(ii)(i)の工程で用意した三次元構造を鋳型とするホモロジーモデリングにより、ユビキチン結合ドメインを含むタンパク質とユビキチンとの複合体の三次元構造を構築する工程を含む前記方法。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユビキチン結合ドメインを含むタンパク質とユビキチンとの複合体の立体構造を予測する方法であって、
(i)表Aに示される酵母DSK2のC末端側の残基番号328〜373の領域であるユビキチン結合ドメインと76個のアミノ酸残基からなるモノユビキチンとの複合体を構成する原子の原子座標、または表Aの原子座標により規定される三次元構造からの距離に関する根平均二乗偏差が、酵母DSK2のC末端側の残基番号328〜373の領域であるユビキチン結合ドメイン及びモノユビキチンの残基番号1〜71の領域について、主鎖を構成する原子に関しては0.34オングストロームであり、全ての原子に関しては0.99オングストロームである原子座標により規定される酵母DSK2のユビキチン結合ドメインとモノユビキチンとの複合体又はその一部の三次元構造を用意する工程、及び
(ii)(i)の工程で用意した三次元構造を鋳型とするホモロジーモデリングにより、ユビキチン結合ドメインを含むタンパク質とユビキチンとの複合体の三次元構造を構築する工程を含む前記方法。
【請求項2】
任意の蛋白質又はその一部の機能を予測する方法であって、
(i’)表Aに示される酵母DSK2のC末端側の残基番号328〜373の領域であるユビキチン結合ドメインを構成する原子の原子座標、または表Aの原子座標により規定される三次元構造からの距離に関する根平均二乗偏差が、酵母DSK2のC末端側の残基番号328〜373の領域であるユビキチン結合ドメインについて、主鎖を構成する原子に関しては0.34オングストロームであり、全ての原子に関しては0.99オングストロームである原子座標により規定される酵母DSK2のユビキチン結合ドメイン又はその一部の三次元構造を用意する工程、
(ii’) 予測対象となるタンパク質又はその一部の三次元構造を用意する工程、
(iii’) (i’)の工程で用意した三次元構造と(ii’)の工程で用意した三次元構造の構造アラインメントを行う工程、及び
(iv’)(iii’)の工程で行った構造アラインメントの結果、構造類似性があると判定された場合には、(ii’)のタンパク質又はその一部が、(i’)の酵母DSK2のユビキチン結合ドメイン又はその一部と類似の機能を有すると予測する工程
を含む前記方法。
【請求項3】
配列番号2のアミノ酸配列を有する酵母DSK2のユビキチン結合ドメイン又は該ドメインを含むタンパク質が、配列番号2のアミノ酸配列における14位のアスパラギン酸、15位のメチオニン、17位のフェニルアラニン、34位のバリン、35位のグルタミン、38位のロイシン及び42位のロイシンからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸部位で、被験物質と相互作用するか否かを解析し、相互作用する場合には、被験物質がユビキチン結合ドメイン又はその類縁のドメインを含むタンパク質及びユビキチンが関与する事象を調節することができると判定することを含む、ユビキチン結合ドメイン又はその類縁のドメインを含むタンパク質及びユビキチンが関与する事象を調節することができる物質をスクリーニングする方法。
【請求項4】
ユビキチンの存在下で、配列番号2のアミノ酸配列を有する酵母DSK2のユビキチン結合ドメイン又は該ドメインを含むタンパク質が、配列番号2のアミノ酸配列における14位のアスパラギン酸、15位のメチオニン、17位のフェニルアラニン、34位のバリン、35位のグルタミン、38位のロイシン及び42位のロイシンからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸部位で、被験物質と相互作用するか否かを解析する請求項3記載の方法。
【請求項5】
以下の(a)又は(b)のタンパク質である、酵母DSK2のユビキチン結合ドメイン変異体タンパク質。
(a)配列番号2のアミノ酸配列において、16位のグリシン、17位のフェニルアラニン及び42位のロイシンからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸が他のアミノ酸に置換されているアミノ酸配列を有するタンパク質
(b)(a)のタンパク質のアミノ酸配列において、16位のアミノ酸、17位のアミノ酸及び42位のアミノ酸以外の1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有し、かつユビキチンに対する結合活性が(a)のタンパク質と同程度であるタンパク質
【請求項6】
以下の(1)〜(3)のいずれかのタンパク質である請求項5記載の酵母DSK2のユビキチン結合ドメイン変異体タンパク質。
(1) 配列番号2のアミノ酸配列において、16位のグリシンがアラニンに置換されているアミノ酸配列を有するタンパク質
(2) 配列番号2のアミノ酸配列において、17位のフェニルアラニンがアラニンに置換されているアミノ酸配列を有するタンパク質
(3) 配列番号2のアミノ酸配列において、42位のロイシンがアラニンに置換されているアミノ酸配列を有するタンパク質
【請求項7】
請求項5記載のタンパク質をコードするDNA。
【請求項8】
請求項7記載のDNAを含有する組換えベクター。
【請求項9】
請求項8記載の組換えベクターを含む形質転換体。
【請求項10】
酵母DSK2のユビキチン結合ドメイン変異体タンパク質の製造方法であって、請求項7記載のDNAで形質転換した宿主を培養し、培養物から酵母DSK2のユビキチン結合ドメイン変異体タンパク質を採取することを含む前記方法。
【請求項11】
請求項5記載の酵母DSK2のユビキチン結合ドメイン変異体タンパク質に対する抗体。
【請求項12】
請求項5記載の酵母DSK2のユビキチン結合ドメイン変異体タンパク質とユビキチンとの複合体。
【請求項13】
ユビキチンが、モノユビキチン又はダイユビキチンである請求項12記載の複合体。
【請求項14】
ダイユビキチンを構成する2個のモノユビキチンが配列番号4のアミノ酸配列を有し、一方のC末端の残基が、他方の48位のリジン又は63位のリジンのe位に結合して二量体を形成している請求項13記載の複合体。
【請求項15】
配列番号2のアミノ酸配列を有する酵母DSK2のユビキチン結合ドメインを固定した基板。
【請求項16】
配列番号2のアミノ酸配列における、14位のアスパラギン酸、15位のメチオニン、17位のフェニルアラニン、34位のバリン、35位のグルタミン、38位のロイシン及び42位のロイシン以外の部位で酵母DSK2のユビキチン結合ドメインを基板表面に結合させた請求項15記載の基板。
【請求項17】
基板がセンサーチップ又はカラム充填材である請求項15又は16に記載の基板。
【請求項18】
基板に固定した配列番号2のアミノ酸配列を有する酵母DSK2のユビキチン結合ドメインをpH6.0以下のpH条件下でユビキチンと接触させることを含む、請求項15〜17のいずれかに記載の基板を使用する方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−42732(P2006−42732A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−231652(P2004−231652)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(592032197)財団法人木原記念横浜生命科学振興財団 (4)
【出願人】(398047227)横浜市 (10)
【Fターム(参考)】