説明

酵素含有顆粒及びその製造のための方法

【課題】酵素含有顆粒組成物及び当該組成物の改良された製造方法の提供。
【解決手段】(a)酵素、及び(b)本質的に少なくとも5重量%の水(コアの重量に対して)を吸収することのできるコア;を含んで成る酵素含有顆粒。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非常にダスト形成しにくい酵素含有顆粒(複数の酵素含有顆粒又は粒子より成る)、かかる顆粒を製造する方法、及び幾多の工業的用途のための前記顆粒の利用に関する。
【背景技術】
【0002】
酵素、特に微生物起源の酵素の工業的利用は一般的となりつつある。酵素は幾多の産業、例えばデンプン加工産業及び洗剤産業において利用されている。洗剤産業における酵素、特にタンパク質分解酵素の利用は、特に酵素含有ダストの形成が生じうる健康に対する危険性(アレルギー発症の危険性を含む)に基づき、洗剤工場作業者にとっての工業的衛生の問題を起こしていることでよく知られる。
【0003】
洗剤産業への酵素の導入以来、酵素ダスト形成を少なくするよう酵素の顆粒化及びコーティングを改善する数多くの研究がなされている。
【0004】
酵素含有顆粒を製造するための1のタイプの方法はコア表層に酵素をコーティングし、次いで外層コーティングを施すことを含んで成る。US 5,324,649号にはノンパレル(non-pareil) コアの表層を酵素でコーティングし、次いで外層コーティングを施すことが記載されている。US 4,689,297号及びEP 0,532,777号には塩結晶を基礎とするコア又はノンパレルコアの表層上に酵素を当該酵素を流動床においてコアに吹き付けることにより塗布し、次いで外層コーティングを施すことが記載されている。
【0005】
更にその他のタイプの方法は本質的に:
(i)酵素を適当な顆粒化成分(好ましくはドライ物質として)、例えば充填剤、バインダー、繊維材料、及び顆粒化剤(例えば水)と、粉砕器(例えばミキサー)の中で混合し、そして
(ii)顆粒が所望の粒度分布及び丸味(球状性)を有するようになるまでこの混合物を粉砕装置の中で処理する;
ことを含んで成る。
【0006】
幾多の文献にかかる方法により酵素含有顆粒を構築するための方法が記載されている。かかる文献にはUS 4,242,219, US 4,740,469, WO 94/04665, US 4,940,665, EP 564476, EP 168526, US 4,661,452, US 4,876,198, WO 94/16064及びUS 4,106,991が挙げられる。
【0007】
更に、US 5,494,600及びUS 5,318,903には多孔質疎水性コア(例えば多孔質疎水性シリカコア)への酵素の吸収、それに次ぐコーティングを含んで成る方法が記載されている。
【0008】
高まりつつある環境的な関心及び産業衛生分野における注意の高まりを考慮するために顆粒化技術が改善されてきたが、現状の有用な製品よりも更に少ないダスト形成性を示す酵素含有顆粒状組成物のニーズがあり続けている。
【0009】
本発明の目的はかかる酵素含有顆粒組成物及びかかる組成物の改良された製造方法の提供にある。
【0010】
発明の概要
驚くべきことに、酵素含有顆粒による非常に低いダスト形成傾向が、当該顆粒が適正に選択されたコア(粒子)、より詳しくは特に液体吸収特性に関する所定の要件を満たしたコアを基礎とするときに達成可能であることが見い出された。
【0011】
従って、本発明の第一の観点は
(a)酵素、及び
(b)本質的に少なくとも5重量%の水(コアの重量に対して)を吸収することのできるコア;
を含んで成る酵素含有顆粒に関する。
【0012】
本発明のこの第一の観点を保つうえで、本発明の更なる観点は吸収性コアから酵素含有顆粒を製造するための方法に関連し、ここでこの方法は
(a)5重量%以上の水(コアの重量を基礎に)を吸収することのできる吸収性コアを溶解及び/又は分散形態において酵素を含む液体媒質と接触させる、ここで採用する液体媒質の量は得られる製品の付随凝集が実質的に起こらない量とする;そして
(b)得られる製品から液体媒質の揮発性成分を少なくとも部分的に除去する;
ことを含んで成る。
【0013】
発明の詳細な説明
コア
本発明の酵素含有顆粒の基礎を構成するコア(及びかかる顆粒の調製のための本発明に係る方法に関連して)は疎水性低下物質又は界面張力低下物質(例えば界面活性剤)及びコア自体のもの以外の酵素含有顆粒の構成材料(特に注目の1又は複数種の酵素)の非存在下で、水(即ち、本質的に純粋な液体水)と接触したとき5重量%以上の水を吸収する本質的(即ち、固有、本有又は「天然」)な能力を有するコアである。
【0014】
本発明に係るコアは好ましくは10重量%以上(コア重量を基礎に)の水、より好ましくは15重量%の水、そして更により好ましくは20重量%以上の水を吸収することができる。特に好ましいコアは30重量%以上の水を吸収できるコア、例えば33重量%以上の水を吸収できるコアである。所定の好適なタイプのコアは更に高い吸水能力を有する(例えば約40重量%以上の水)。
【0015】
特定のタイプのコアの水を吸収する能力は例えば計量した水を計量したコアの上にミキサーの中で混合しながら吹き付け(例えば本明細書実施例1に記載の如き(後述))、そして吹き付けの際のコアの外観及び挙動を観察することにより適切に決定し得る;周囲条件(周囲温度、圧力等)が一般に適当である。一般に、注目の所定量のコアが水を吸収できる限り、濡れたコアの凝集(即ち、塊等を形成する凝集)は本質的に起こらず、そして得られる個々の粒子を取り出し、そしてそれらを粒度分布全体を有意に変えることなく乾燥させることが可能である。
【0016】
本発明との関連において、所定タイプのコアが吸収できる水について言及する重量%は「巨視的」な総合値であり、比較的大量(それ故多数)の所定タイプのコア(粒子)、例えば数キログラム(例えば約5,10, 15又はそれより多くのキログラム数の量の所定タイプのコア)を用いて決定される。
【0017】
しかしながら、適宜、吸水能力の決定のために少量のコアを使用してよいが、但し(i)採用するサンプル中の個々のコア粒子数はバルクコアの適正な代表となるように十分に多くなくてはならない;並びに(ii)採用するサンプルが適正な混合を伴いながら満足たる徐々なる水の添加(好ましくは吹き付けにより)を可能にし、しかも表層の濡れ及び凝集のし易さの観点でコアの外観/挙動を観察できるようにするほどに十分に大きくなくてはならないことが条件とされる。
【0018】
吸収性の低い又は非吸収性コア材料では、顆粒の凝集は通常少量の水の導入のみで起こり、そしてその結果当初の総合的な粘度分布を維持することは一般に不可能であろう。
【0019】
吸収性の劣るコア材料の零はいわゆるノンパレル型の慣用の糖/デンプンベース粒子である。本明細書における実施例(後述)において、とりわけ典型的なノンパレルコア製品が4重量%未満の水(コアに対して)しか吸収できないことを示す。
【0020】
本発明酵素含有顆粒の好適な態様は顆粒中に存在する酵素全量の少なくとも一部がコア内に吸収される顆粒である;かかる顆粒は往々にして、顆粒中に存在する酵素全量の少なくとも一部が、コアの外層と注目の酵素を含む液体媒質との接触を介してコアの中に吸収されるような顆粒であろう。
【0021】
かかる態様〔本明細書の実施例(後述)を参照のこと〕は公知のタイプの酵素含有顆粒と比べての本発明の酵素含有顆粒の幾多の特徴又は性質の改良を達成することに関して有利である;これらの特徴又は性質には:
顆粒のダスト形成の傾向(特に酵素含有ダスト);
顆粒の酵素活性収率(即ち、製品顆粒バッチ中の、当該バッチを調製するのに用いた酵素調製品のもとの絵酵素活性の保持度);
様々な条件下での顆粒の貯蔵の際の酵素活性の保持度;並びに
凝集処理、例えば高温及び/又は高温に曝露後の酵素活性の保持度;
が挙げられた。
【0022】
更に、何ら理論に拘束されるわけでもないが〔以降にも後述する(本明細書の実施例11参照のこと)〕、コア内での吸収された酵素の存在は本発明との関連におけるタイプの吸収コアの外層上に載っている酵素の付着力を高め、かかる製品によるダスト形成の傾向の対応の低下を招くものと信じられている。
【0023】
総酵素含有量の一部がコア内に吸収されている本発明の酵素含有顆粒の態様に関連して、有用な態様には総酵素含有量の10重量%以上、例えば25重量%以上、例えば40重量%以上(活性酵素タンパク質として計算して)がコア内に吸収された酵素として存在するものが挙げられる。
【0024】
特に有用な態様には顆粒の総酵素含有量の90重量%以上がコア内に吸収された酵素として存在しているものが挙げられ、そして顆粒の酵素含有量の本質的に全て(即ち、 100重量%)がコア内に吸収された酵素として存在している本発明の酵素含有顆粒を得ることが可能である(例えば、本発明に係る方法を利用して)。
【0025】
これとの関連で、(i)コア吸収された酵素と(ii)当該コアの表層上又は1もしくは複数のコーティング層中/上に存在する酵素との間での本発明の顆粒の酵素含有量の所定の分布に関し、当該コア内に吸収された酵素として存在する酵素タンパク質の絶対量はむろん顆粒中に存在する酵素の全量に存在する。
【0026】
本発明の酵素含有顆粒の基礎を構成するコア、及び本発明に係る方法において利用するコアは好ましくはその最大と最小の直径との比が3未満となるような形状とする。本発明の顆粒は、コーティングされていようとなかろうと(下記参照)、その最大と最小の直径の比が3未満とするような形状であることが好ましい。コア及び酵素含有顆粒の双方に関し、後者の比は好ましくは2未満、より好ましくは≦ 1.5(即ち、1〜1.5 の間)であり、そして注目の比が最大で1.2 であることが極めて好ましい。
【0027】
本発明との関連で、本明細書において言及するコア又は顆粒の最大及び最小直径の間での上記の比率の値は通常注目のコア又は顆粒のサンプルからランダムに採った代表的な数の粒子についての注目の比の平均値として決定される。本発明との関連におけるコア又は顆粒の好適なタイプ/形状の大半にとって、コア又は顆粒のサンプルそれぞれからランダムに採った20個以上の粒子それぞれについての注目の比の測定(例えば顕微鏡による)は満足たる再現性のある平均値を計算するための信頼性のある基礎を担う。
【0028】
ほとんどの目的のため、本発明の酵素含有顆粒の基礎を構成するコア、本発明に係る方法において利用するコア、及び本質的な本発明の酵素含有顆粒は実質的に球状であり、即ち、注目の比は約1である(厳密な球状の粒子に関して、注目の比はむろん1.0 である)。
【0029】
コア又は顆粒の最大と最小の直径間での比は一般に粒子の中心を実質的に通る方向でコア又は顆粒それぞれの最大と最小の直径(直線次元)間での比と一般に解釈されうる。
【0030】
「粒子の中心」なる表現に関し、実質的に軸上で対称的である粒子(コア又は顆粒)、例えば実質的に球状又は楕円状の粒子は幾何学的にややよく決定された中心を有するであろう。かかる場合、「粒子の中心」なる表現は幾何学式に解釈されうる。
【0031】
しかしながら、より不規則な形状の粒子は一般に幾何学的に規定可能な中心をもたず、そしてかかる場合には「粒子の中心」は注目の粒子の重力の中心と解釈されうる〔その点で不規則な形状の粒子(コア、顆粒)がほとんどの目的のために一般的に本発明に関連する好適なタイプではない〕。
【0032】
本発明の酵素含有顆粒の基礎を構成するコア、本発明に係る方法において利用するコア、及び本質的な本発明の酵素含有顆粒は〔それらの顆粒がコーティングされていようとなかろうと(後述)〕、実質的に滑らかな表層、即ち、突起、スパイク、二次粒子、でこぼこ、穴、クレーター、くぼみ、毛穴等を本質的に有さないことが更に好ましい。
【0033】
本発明との関連におけるコア又は顆粒の「滑らかさ」の度合いは一般にバルクコア又は顆粒それぞれの代表的なサンプルの表面特徴の総合的な評価を基礎とする。特に実質的に球状である粒子(コア又は顆粒)との関連において、「滑らか」なる語は、粒子の中心を通る方向の、且つ粒子の外面の任意の所定の部分的な区画に基づいて測定された粒子の最大及び最小直線寸法間の比の代表的な数(例えば≧20個の粒子)についての平均値が1.15未満、好ましくは1.10未満、そしてより好ましくは1.05未満であることを示唆するものと更に解釈されうる。
【0034】
本発明との関連における好適なタイプのコアには、デンプン及び/又は改質デンプンを含んで成るコア、特に25重量%以上(総コア重量に基づき)、例えば50重量%以上のデンプン及び/又は改質デンプンを含むコアが挙げられる。
【0035】
全部で75重量%以上のデンプン及び/又は改質デンプン、例えば全部で80重量%以上、例えば85重量%以上(総コア重量に基づき)のデンプン及び/又は改質デンプンを含んで成るコアを基礎とする酵素含有コアは一般に極めて有利な特性を有するようである(例えば、ダスト形成しにくい性質、酵素活性の高い保持率等、上述の特性)。
【0036】
非常に好適なこのタイプのコアは全部で90重量%以上、特に95重量%以上(総コア重量に基づき)のデンプン及び/又は改質デンプンを含むコア、特に本質的にデンプン及び/又は改質デンプンのみ(即ち、本質的に全部で 100重量%のデンプン及び/又は改質デンプン)を含むコアである。
【0037】
デンプン及び/又は改質デンプンの上記の総重量%(%w/w)は本質的なコア〔即ち、本発明に係る酵素含有顆粒の調製の際にコアに侵入する又は収着する酵素及び/又は任意のその他の成分を含まない「天然」又は本来の状態のコア〕の重量のパーセンテージとして表示している。
【0038】
多種多様な植物起源に由来するデンプン(天然デンプン)が本発明との関連で適当であり(デンプンそのまま、又は改質デンプンの出発点として)、そして関連のデンプンにはカサバ〔特にビターカサバ〔マニホット・エスキュレンタ(Manihot esculenta)〕又はスイートカサバ〔マニホット・ダルシス(M. dulcis)〕〕;サゴヤシ〔メトロキシロン(Metroxylon) 種、例えばM.サグ(M. Sagu)〕;ポテト〔ソラヌム・ツベロスム(Solanum tuberosum)〕;コメ〔オリザ(Oryza) 種〕;トウモロコシ〔メイス (Maize)、ジー・メイス(Zea mays) 〕;コムギ〔トリチカム(Triticam) 種〕;オオムギ〔ホーデウム(Hordeum) 種、例えばH.バルガレ(H. vulgare)〕、サツマイモ〔イポモエア・バタタス(Ipomoea batatas)〕;モロコシ類〔ソーガム(Sorghum) 種〕;及びヤムイモ〔ジオスコレア(Dioscorea) 種〕由来のデンプンが挙げられる。
【0039】
本発明との関連における潜在的に有用なその他のタイプのデンプンにはライムギ〔セカル・セラレ(Secal cereale)〕;カラスムギ〔アベナ(Avena) 種、例えばA.サチバ(A. sativa)〕;キビ〔例えばジジタリア(Digitaria)、パニシウム(Panicium) 、パスパルム(Paspalum) 、ペンニセトゥム(Pennisetum) 又はセタリア(Setaria) の種由来〕;ソバ〔ファゴピルム(Fagopyrum) 種、例えばF.エスキュレントゥム(F. esculentum)〕;モチトウモロコシ;その他のシリアル;クズウコン〔例えばマランタ・アルンジナセア(Maranta arundinacea)〕;タロイモ〔コロカシア(colocasia) 種、例えばC.アンチクオルム(C. antiquorum)又はC.エスキュレンタ(C. esculenta) 〕;タンニア(tannia) 〔キサンソソマ・サギッチフォリウム(Xanthosoma sagittifolium) 〕;アマランスス(Amarathus) 種;及びチェノポジウム(Chenopodium) 種由来のデンプンが挙げられる。
【0040】
カサバデンプンが本発明との関連でとりわけ好適なデンプンである。尚、カサバ及びカサバデンプンは様々な同義語、例えばタピオカ、マニオック、マンジオカ及びマニホットで知られている。
【0041】
周知の通り、デンプンは一般にα−D−グルコピラノース単位より成る巨大分子量ポリマーより本質的に成る。これらの単位がα−D−(1→4)結合により連結された線形又は実質的に線形なポリマー体は「アミロース」として知られる。α−D−(1→4)及びα−D−(1→6)結合の双方により連結されたα−D−グルコピラノース単位を含む枝分れポリマー体は「アミロペクチン」として知られ、α−D−(1→6)結合はその中のグリコシド結合の約5〜6%を典型的に占める。
【0042】
尚、種々の植物起源のデンプンは種々の比率のアミロース及びアミロペクチンを含む。即ち、例えばポテト由来のデンプンは典型的には約20重量%のアミロース及び約80重量%のアミロペクチンを含み、一方いわゆる「モチトウモロコシデンプン」は一般に≦2重量%のアミロース及び≧98重量%のアミロペクチンを含む。
【0043】
これとの関連で、天然において認められる植物により産生されるデンプンのそれと比べて改変されたアミロース/アミロペクチンバランス(比)を有するデンプンを産生できるデンプン産生植物の株(遺伝子的に操作された株)を得る観点でかなりの研究がなされていると言えよう。
【0044】
アミロース及びアミロペクチンをそれぞれ幅広い比率で有するデンプンが本発明との関連において有用であると信じられている。即ち、高アミロースデンプン、高アミロペクチンデンプン及び中間的なアミロース/アミロペクチン比を有するデンプン(遺伝子的に改変された植物起源由来のデンプンを含む)が、デンプンそのものとして、又は改質デンプンの起源として、本発明との関連において全て関係する。
【0045】
本発明との関連において利用する語「改質デンプン」は何らかの少なくとも部分的な化学的修飾、酵素的修飾、及び/又は物理的もしくは物理化学的な修飾が施され、且つ一般に「親」デンプンとは改変された特性を示すデンプン(天然デンプン)を意味する。
【0046】
関連の化学的修飾には、限定することなく、ヒドロキシ基のエステル化(例えばアセチル化を介して達成);ヒドロキシ基のエーテル化;酸化(例えば、塩素又は次亜塩素酸との反応を介して達成);及び架橋(例えば、ホルムアルデヒド又はエピクロロヒドリンとの反応により達成)が挙げられる。
【0047】
エーテル化デンプン(例えばカルボキシメチルデンプン又はヒドロキシアルキルデンプン)及び/又はエステル化デンプンはとりわけ本発明との関連でコア中のバインダー(後述)を担う。
【0048】
関連の酵素的修飾には、例えば、デンプン分解又はデンプン改質酵素、例えばアミラーゼ、例えばα−アミラーゼ又はグルコアミラーゼによる処理が挙げられる。尚、特に関心のもたれる可能性は存在するデンプン含有コア、例えば主に又は専ら本質的にデンプン及び/又は部分糊化デンプン(後述)より成るコアのデンプン分解酵素によるその管理された処理による吸収特性(及び可能としてはその他の特性)の改変であり、これによりコアの改質/吸収能力は改変(通常は上昇)される〔例えば、新たな孔の形成を介して、並びに/又は中の現存する孔のサイズ及び/もしくは数及び/もしくは程度(深さ)の増大を介して〕。
【0049】
関連の物理的又は物理化学的な修飾には特にいわゆる糊化が挙げられる。デンプンとの関連における「糊化」なる語は当業界における用法に従って本明細書の中で用いている(例えば、A. Xu 及びP. A. SeibのCerenl Chem. 70 (1993), pp. 463-70を参照のこと)。
【0050】
デンプン顆粒の孔質凝集物を含んで成るコアが部分糊化されている場合(例えば、水蒸気圧下で加熱することによる)、コアの外層にある又は付近にあるデンプン顆粒は注目の顆粒の中のアミロース及び/又はアミロペクチンが内部ネットワーク/構造を形成し、コアの外部のより強い弾性及び物理強度を供するような過程を経るものと信じられている。
【0051】
糊化の度合いはA. Xu 及びP. A. Seib(前掲)に記載の通りに示差走査カロリー測定器(DSC) を利用して適宜決定し得る(更なる詳細については本明細書の実施例21を参照のこと)。
【0052】
本発明の更なる観点において、デンプン及び/又は改質デンプンを含んで成るタイプの非常に有用なコア(上記)は部分糊化したデンプンを含んで成るコアである;このタイプの好適なコアには専ら部分糊化したデンプンより本質的に成るコアが挙げられる。
【0053】
かかるコアにおいて、デンプンの糊化の度合い(後述)が 0.5%より高い、例えば2%以上、そして最大で95%であることが一般に所望される。多くのタイプのデンプンに関し、これとの関係における糊化の度合いの好適な範囲は10〜60%の糊化である。
【0054】
非常に低いデンプン糊化度を有するデンプン含有コアは高度のデンプン糊化を有する対応のコアよりも低い物理強度を有するようである。他方、高度のデンプン糊化を有するデンプン含有コアの吸水能力は低度のデンプン糊化を有するコアよりも低いようである。
【0055】
特に(但し絶対的ではなく)、主に、又は本質的に専ら部分糊化したデンプンより成るコアの場合、30〜60%の範囲、例えば30〜50%の範囲におけるデンプン糊化度が非常に満足たる吸収能力、高度の球状性及び表層の滑らかさ、並びに満足たる強い物理強度(つぶれに対する耐久性)の組合せにとりわけ結びつくようである。本明細書における実施例から明らかな通り(後述)、このタイプのデンプンを基礎とするコアは現存の供給者により供給されることができ、そして本発明の範囲における幾多の観点との関連において非常に所望される特性の組合せを発揮することが見い出された。
【0056】
特に本発明との関連におけるコア材料のデンプンの利用に関し、実質的に均質なデンプンを基礎とするコア粒子の代替物として、本発明との関連において本来コアの特徴である吸水能力をそれ自体が保持しうるか保持していない内部担体材料(例えば不溶性シリケート、カーボネート等)上に載っている吸収デンプン(例えばカサバデンプン又はコメデンプン)の層を含んで成るコア粒子を採用することが可能であろう。
【0057】
尚、本発明との関連で適切であると思われる吸収コアの更なるタイプには、吸収材料として非疎水性シリケート又は珪質材料を含んで成るコアが挙げられる。顆粒状で調製できうる又は入手できうるかかる材料の例にはベントナイト、フラー土(共に主としてスメクタイト鉱物モンモリロナイトより成る)、珪藻土(滴中土、例えば多孔質珪藻土、トリポリ土、トリポリ石又はジアトマイト)、並びにその他のスメクタイト鉱物(例えばベイデリト、ノントロナイト、サポナイト、サウコナイト又はヘクトライト)が挙げられる。
【0058】
本発明に係る酵素含有顆粒の基礎を構成する又は本発明の方法において利用されるコアは、適宜且つ対応して、1又は複数種の材料(添加剤又は補助剤)、例えばバインダー、充填剤、可塑剤、繊維材料及び/又はいわゆる「超吸収剤」を含んで成ってよい。
【0059】
バインダー:本発明との関連でコアの中に組入れている場合、バインダーは適切にはコアの総重量の約20%までを構成する量で存在するであろう。適当なバインダーは一般に顆粒化の分野において汎用され、且つ高い融点を有するか又は融解せず、しかも非ワキシーな性質であるバインダーであろう。かかるバインダーは低又は高分子量バインダーであってよく、水溶性バインダー及び水性エマルションバインダーが挙げられる。これに含まれるのは単糖型の物質から多糖型の物質の範囲にある炭水化物型バインダー及びその誘導体である。オリゴ糖型バインダー、例えば一定のデキストリンが往々にしてよく適する。
【0060】
多糖誘導体型のバインダーの例にはデンプン誘導体(そのいくつかのタイプは改質デンプンとの関連で上記した)、例えばデンプンエステル(例えばデンプンアセテート)、デンプンエーテル(例えばカルボキシメチル−デンプン又はヒドロキシアルキルデンプン、例えばヒドロキシメチル−、ヒドロキシエチル−又はヒドロキシプロピル−デンプン)、並びにセルロース誘導体、例えばメチルヒドロキシプロピル−セルロース、ヒドロキシプロピル−セルロース、メチル−セルロース、カルボキシメチル−セルロース(CMC) 及びCMC ナトリウム塩が挙げられる。
【0061】
関連のバインダーの更なる例にはポリアクリレート、ポリメタクリレート、アクリル酸/マレイン酸コポリマー並びにビニル基含有化合物、例えばポリビニルアルコール、加水分解ポリビニルアセテート及びポリビニルピロリドンが挙げられる。
【0062】
充填剤:本発明との関連においてコアに組込むのに適当な充填剤にはバルク性を高め且つコストを下げるのに用いられる又は最終顆粒における意図する酵素活性を調整する目的のために用いられる不活性材料が挙げられる。かかる充填剤の例には、限定することなく、水溶性物質、例えば尿素、様々な塩類(例えば塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム又は硫酸ナトリウム)及び糖類、並びに水分散性剤、例えば粘度、タルク、シリケート又はデンプンが挙げられる。
【0063】
可塑剤:本発明との関連における所定のタイプのコアにおいて、可塑剤は適切にはコアの総重量の約10%までを構成する量において存在しうる。可塑剤は一般に脆性を下げ及び/又は変形性を高めることを担い、そして典型的には低揮発性の低分子量有機化合物(例えばポリオール(例えばグリコール、例えばエチレングリコール)、尿素及びフタル酸エステル(例えばジブチル又はジメチルフタレート))であろう。ある場合には水が可塑剤を担いうる。
【0064】
繊維材料:本発明と関連においてコアに組入れている場合、繊維材料は適切にはコアの総重量の約30%まで、好ましくは5〜15%を構成する量で存在するであろう。適切な繊維材料には強い引張強さを有し、且つ1〜50μmの直径及び直径の4倍以上に相当する長さを有する材料が含まれる。典型的な繊維材料には、限定することなく、セルロースファイバー、ガラスファイバー、金属ファイバー、ゴムファイバー、アズロンファイバー、トウモロコシ、ピーナッツ及びミルク由来の天然タンパク質から製造)、並びに合成ポリマーファイバー(例えばRayon(登録商標)、Nylon(登録商標)、ポリエステル、ポリオレフィン、Saran(登録商標)、Spandex(登録商標)及びvinal(登録商標)のファイバー)が挙げられる。尚、セルロースファイバーが非常に適切なファイバーであり、そして往々にして 150〜300 μmの平均ファイバー長及び約20〜40μmの範囲の直径を有するであろう。
【0065】
超吸収剤:所望のタイプ、特に巨大分子の物質はその自重の何倍もの水又は水性媒質を吸収する能力を有する。このタイプの物質〔それには様々なタイプの合成ポリマー及び天然ポリマーから誘導された物質が挙げられ、そして例えば体液吸収剤(例えば創傷帯具、おむつ、サニタリータオル等において)としての用途が見い出されている〕は時折り「超吸収剤」と称され、そしてかかる物質は本発明の酵素含有顆粒の基礎を構成するコアの成分として存在しうる。
【0066】
WO 96/03340 に記載の興味深い超吸収材料の一群は酵素的な工程を介して一定の天然フェノール系多糖類、例えばフェノール系ペクチンから誘導された容易に生物分解可能な物質を含んで成り、そしてかかる物質は本発明との関連で、関連のコアの中の吸水成分としてよく適する。
【0067】
この時点で、本発明の酵素含有顆粒の基礎としてよく適する別のクラスの吸収性コア、即ち、米国特許第 4,106,991号の一般的方法論に従うが、酵素を含ませずに調製した「偽似」(無酵素)コアを言及するのが適当である。米国特許第 4,106,991号には、酵素の他に2〜40重量%の繊維性セルロースをバインダー(例えば本発明と関連でコア又は関連物に関してバインダーとの関連で上記したもののいづれか)、充填剤(典型的には塩、例えば硫酸ナトリウム又は塩化ナトリウムと、任意的にわずかな比率の白色体質顔料、例えば二酸化チタン又はカオリン)及び液相顆粒化剤(水及び/又はワキシー物質、例えばポリグリコール、脂肪アルコール、エトキシル化脂肪アルコール等)を一緒に含んで成るいわゆる「T−顆粒」の製造が記載されている。酵素を組込まずに米国特許第 4,106,991号に従って顆粒を調製することにより(それは酵素、繊維性セルロース、バインダー、充填剤、及び液相顆粒化剤の混合物のドラム顆粒化を利用する)、本発明との関連でコアとしてよく適する吸収性コアを調製できうる。適切には「偽似T」コアと呼ばれうるこのタイプのコアは塩類以外の「充填」材料(例えば粉末デンプン、例えば粉末コメデンプン)を用いて調製することもできうる。
【0068】
ある程度前述した通り、本発明の酵素含有顆粒の基礎を構成するコア粒子は比較的強い物理強度を有することが好ましい。本発明との関連において、実質的に球状のコア粒子の強さは後述の試験条件下で粒子をつぶし始めるのにかかる力とコアの直径の二乗(即ち、粒子が実質的に球状と考えて)との間での比として適宜決定し得る。
【0069】
コアバルクからランダムに採った代表的な数のコア(適切には≧20個のコア)について決定したこの比の平均値は 400g/mm2 より大きく、より好ましくは 600g/mm2 より大きく、例えば 800g/mm2 より大きいことが好ましい。注目の比は1000g/mm2 より大きい、より好ましくは1200g/mm2 、特に1400g/mm2 、そして最も好ましくは1600g/mm2 であることが特に所望される。
【0070】
本発明との関連でコア粒子(又は最終酵素含有顆粒)の強さを測定するのに適当なつぶし試験の原理はここでは図1に例示する(後述)。この試験は下記の通りに実施する:
1)コア材料の粒子をアルミニウムのプレートとPlexiglas(登録商標)〔透明なポリ(メチルメタクリレート)型ポリマー〕プレート(各プレートは 218nm×40nm、厚さ 3.2nmである)との間に図1に示すように置いた。このPlexiglas(登録商標)プレートをプレートの縁に取り付けられたプレートの全長に及ぶ2枚のアルミニウムU−プロフィールにより強化する;
2)このPlexiglas(登録商標)プレートのコアの近くの先端に連続して値の増大していく負荷(円形/円筒状のおもり)を図1に示すようにかけ、おもりの質量中心がプレートの幅の中央且つその先端から20mmに位置するようにする;同時に、粒子を顕微鏡により透明プレートを介して観察する;
3)粒子のつぶれが始まる(目視評価)負荷(グラム表示)を測定し、そしてコア粒子の強さを得るためにコア粒子の直径の二乗(mm2 で表示)で除する。
【0071】
他方、コア材料の粒子(又は本発明に係る顆粒)の物理強度はHeubach 法又はNovo Nordisk磨砕法のいづれかに従って測定できる。これらの方法は共に粒子のダスト形成の傾向の尺度を供する;後者の2通りの方法についてのプロトコール(EAL-SM-0289.01/01 及びAF 225/2-GF 、それぞれ)はNovo Nordisk A/S,Bagsvaerd Denmark に注文することで入手できる。双方の方法において、粒子床を回転するスチールボールの作用に委ね、同時にこの床を流れる空気を吸引してこの過程の際に出来るダスト及び断片を集める。
【0072】
本発明の酵素含有顆粒の多くの用途に関し、顆粒(そして多くの場合、対応してその中のコア粒子)の平均粒子サイズは適切には50〜4000μm、例えば 200〜2000μm(例えば 200〜1000μmの範囲)に範囲しうる。最適な平均コア粒子サイズは一般に最終酵素含有顆粒の意図する用途に依存するであろう。
【0073】
本発明の酵素含有顆粒の態様は例えば洗剤、動物飼料組成物、ベーキング及び繊維の処理において利用するのによく適する。例えば、洗剤用途のため、好適な平均顆粒粒子サイズ(そして、多くの場合、対応の平均コア粒子サイズ)は往々にして 250〜2000μm(例えば 300〜2000μm)の範囲にあり、一方ベーキング用途のためには、好適な平均コア粒子は往々にして50〜200 μmの範囲であろう。4000μmより大きいサイズの顆粒(及び、対応して往々にしてコア)、例えば 10000μm程度のサイズの粒子が一定の用途(例えば繊維の処理)のために適当でありうる。
【0074】
総合的な粒子度分布は好ましくは比較的狭く、例えば一定のサンプル中の90%以上、より好ましくは95%以上の粒子に関し、最大と最小の粒子との比は4:1未満、好ましくは3:1未満、より好ましくは2:1未満、そして最も好ましくは 1.5:1未満である。
【0075】
本発明に係る酵素含有顆粒の基礎として適切な顆粒状コア粒子は例えば出発材料、例えばデンプン又はシリケート/珪質材料を含んで成る出発材料の慣用の顆粒化方法、例えばタンブリング、ローリング、ペレット化、押出/回転楕円化及び/又は機械的撹拌により調製し得る。ドラム顆粒により調製し得る(米国特許第 4,106,991号に開示の通りに)適当な吸収コア(「偽似T」コア)の例は前述してある(本明細書の実施例8及び13も参照されたい)。
【0076】
コーティング層
本発明の顆粒は1,2又はそれより多くのコーティング層を含んで成ってよい。かかるコーティング層は、例えば1もしくは複数の中間コーティング層、又は1もしくは複数の外部コーティング層、又はそれらの組合せであってよい。
【0077】
コーティング層は酵素顆粒の意図する用途に依存して顆粒組成物内で数多くの任意の機能を発揮しうる。即ち、例えばコーティング1又は複数の下記の効果を達成せしめうる:
(i)本発明に係る未コート化顆粒のダスト形成傾向の更なる低下;
(ii)漂白物質/系(例えば過硼酸塩、過炭酸塩、有機系過酸、等)による酸化に対する顆粒中の酵素の保護;
(iii )液体媒質(例えば水性媒質)への顆粒の導入による所望の速度での溶解;
(iv)酵素の貯蔵安定性を高め、且つ顆粒内での微生物の増殖の可能性を下げるための周囲水分に対するバリヤーの供与。
【0078】
本発明に係る顆粒の適切な態様において、このコーティング層は米国特許第 4,106,991号に記載の通りに構成されうる〔例えば、ポリエチレングリコール(PEG) の如きワキシー材料、任意的にそれに二酸化チタンの如き白色体質顔料をまぶすことによる〕。所定のコーティング層は最終顆粒の0.5重量%から50重量%ほどを占めうる。
【0079】
本発明の顆粒中/上のコーティング層は更に1又は複数の下記のものを含んで成りうる:酸化防止剤、塩素除去剤、可塑剤、顔料、潤滑剤(例えば界面活性剤又は静電防止剤)及び追加の酵素を含んで成りうる。
【0080】
本発明との関連におけるコーティング層において有用な可塑剤には、例えばポリオール、例えば糖類、糖アルコール、又は1000未満の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG);尿素、フタル酸エステル、例えばジブチル又はジメチルフタレート;及び水が挙げられる。
【0081】
適当な顔料には、限定することなく、微細白色体質顔料、例えば二酸化チタン又はカオリン、有色顔料、水溶性着色料、並びに1又は複数種の顔料と水溶性着色料との組合せが挙げられる。
【0082】
本明細書において用いる語「潤滑剤」は界面摩擦を下げ、顆粒の表層を滑らかにし、静電気の構築の傾向を下げ、及び/又は顆粒の脆砕性を引き下げる任意の試薬を意味する。潤滑剤はコーティング中のバインダーの粘着力を引き下げることによりコーティング工程を改善するうえでも役割を果たしうる。即ち、潤滑剤は凝集防止剤及び潤滑剤として働きうる。
【0083】
適当な潤滑剤の例はポリエチレングリコール(PEG) 及びエトキシル化脂肪アルコールである。
【0084】
前述の通り、本発明は吸収性コアから酵素含有顆粒を製造するために方法にも関連し、この方法は:
(a)5重量%以上(コアの重量を基礎)の水を吸収できる吸収性コアを溶解及び/又は分散状態の酵素を含む液体媒質と接触させる、ここで採用する液体媒質の量は得られる製品の付随凝集が実質的に起こらない量とする;そして
(b)得られる製品から液体媒質の揮発性成分を少なくとも部分的に除去する;
ことを含んで成る。
【0085】
本発明の方法において適当なコアの好適な粒子は本発明の酵素含有顆粒と関連で既に上記したものである。
【0086】
本発明の方法において、吸収性コアと溶解又は分散酵素を含んで成る液体媒質(例えば水性媒質)との接触は適切にはコアに当該溶液/分散物を混合条件下で吹き付けることにより、又は流動化されたコア(例えば流動床装置の中で)に当該酵素溶液/分散物を塗布(例えば吹き付けにより)することにより、又は双方の技術の組合せにより実施する。
【0087】
混合技術を介するコアと酵素との接触が本発明との関連で一般に適し、なぜならこれは、適宜、本発明の工程の段階(a)において、コアの吸収能力を完全に(又は部分的に)促進させるが、得られる個々の粒子上又は間に有意な量の遊離液相(即ち、酵素含有溶液又は分散物)を残さない量、即ち、粒子の凝集を起こさせるには足りない遊離(未吸収)液相があるようにする量でのコアに対する酵素含有溶液又は分散物の添加を促進するからである。過剰な(未吸収)液相があると、凝集が起こる危険性があり、バルク顆粒中の塊の望ましくない形成が付随する。
【0088】
慣用の混合装置がコアを酵素含有液体媒質と混合するのに満足に利用できうる。かかる混合装置はバッチ式ミキサー又は連続式ミキサー、例えば対流ミキサーであってよい〔例えば、Harnbyら、Mixing in the Process industries, pp. 39-53 (ISBN 0-408-11574-2)参照〕。非対流混合装置、例えば回転式ドラムミキサー又はいわゆるパン顆粒化器も利用されうる。
【0089】
前述の通り、コアを流動化させる条件(例えば、流動床装置又はその他の形式の流動式装置、例えばHuttlin 型流動装置)もコアを酵素含有液体媒質と接触させるのに利用してよい。適当な流動床装置の説明については、例えばHarnbyら、Mixing in the Process Industries, pp. 54-77 (ISBN 0-408-11574-2)を参照のこと。
【0090】
一般に、本発明の方法において利用する酵素含有液体媒質は溶解酵素を含むことが好都合である。これは通常水性媒質で作案する場合に当てはまるであろう。本方法はコアによる液体媒質(往々にして溶解酵素を含むであろう)吸収が本方法の工程においてある程度、往々にして好ましくは得られる製品から液体媒質の揮発性成分を除去する任意の手段をとる前にコアによる液相の本質的に完全な吸収が起こる程度にまで起こるような条件下で実施するのが更に所望される。
【0091】
尚、本発明の方法はそれ故、例えば接触段階の際に揮発性成分の除去を本質的に抜きで、又は少なくともごくわずかに除去される条件下で実施してよい。この接触段階においてミキサー設備を利用するとき、これは一般に単にミキサー中の温度が高すぎてしまわないことを確実にするだけで達成されうる(例えばその温度は周囲温度以下である)。接触段階において流動化条件を利用する場合、この条件は一般に十分に低い温度(例えば30℃より低い温度、例えば周囲温度以下)の流動エアーを採用することにより一般に満たされうる。
【0092】
次に揮発性成分を例えばミキサーの中で、混合条件下で(例えば熱及び/又は減圧を適用することにより)、又は流動化条件下で、例えば流動床装置の中で(例えば適当な高温流動エアーにより)除去してよい。採用する温度はむろん製品顆粒の酵素活性の有意な損失がないようにすべきである。
【0093】
他方、揮発性成分のある程度の蒸発を接触段階の実施と同様に起こるようにしてよい。即ち、例えば、接触段階においてミキサーを採用するとき、このミキサーを中程度の高い温度へと加熱し、接触段階中に揮発物のある程度の蒸発が起こるようにしてよい。接触段階において流動化条件を利用する場合、流動エアー自体を中程度に高い温度へと加熱してよい。前述のように、温度はむろん製品顆粒の酵素活性の有意な損失が起こらないようにすべきである。
【0094】
製品顆粒を乾燥させるとき、それらは適切には処理装置の中で水分含量(水性酵素含有媒質を用いて製品を調製する場合)を10重量%未満の遊離水分、好ましくは5重量%未満の遊離水分のレベルまで下がるのに十分な時間保持してよい。
【0095】
前述の通り(前掲)、本発明との関連で採用するコアは適量の水(それ故水性媒質)を固有に吸収することができ、その結果十分な量の酵素の如き疎水性ポリペプチドをコアが吸収できるようにするために酵素含有液体媒質の中に界面活性剤を含ませる必要がない。
【0096】
これは特に顆粒中の界面活性剤の存在が一般に望ましくないベーキング産業又は動物飼料産業の如き産業において利用するための酵素含有顆粒の製造に関して有利である。
【0097】
にもかかわらず、一定の状況、例えば通常よりも高い酵素活性の製品が必要とされる状況(例えば、洗剤産業において利用するための)において、少なくとも一定のタイプの吸収性コアに関し、コアによる酵素の吸収を増強及び/又は加速させる目的のために酵素含有液体媒質の中に適量の界面活性剤を含ませることが有利でありうる。この目的のために適当な界面活性剤にはカチオン、アニオン、非イオン又は双イオン性界面活性剤の数多くのタイプが挙げられ、そしてその適切な例は洗浄組成物の論述との関連で後述する(後掲)。
【0098】
コアを酵素含有液体媒質と接触させた後の密でコンパクトな(滑らかで規則的な)顆粒表層の形成を促進するため、急速回転式顆粒化装置のミキサー(「チョッパー」)の中に入れることが好ましい。更なる詳細については米国特許第 4,106,991号を参照されたい。
【0099】
コアと液体媒質との接触後に密でコンパクト(滑らかで規則的)な表層を形成を促進する別の方法は湿った顆粒をMarumerizer(登録商標)の中で処理することである。更なる詳細については米国特許第 4,106,991号を参照されたい。
【0100】
水性の酵素含有溶液/分散物を本発明に従って利用する場合、溶液(即ち、水性媒質の液相)は通常2〜50重量%の乾燥物質含有量を有するのが好ましいであろう(乾燥物質は酵素タンパク質と、可能としてはその他の有機及び無機材料とより成る)。分散酵素が存在している場合、溶液/分散物は適切には10〜70重量%の乾燥物質含有量を有するであろう(溶解及び分散(未溶解)材料の双方に由来する乾燥物質を含む)。
【0101】
これとの関連において利用する語「分散物」は固体粒子を含む系を意味し、その少なくとも一部はコロイド状のサイズ範囲以上のサイズの酵素を含んで成るか又はそれらより成り、そして液相(例えば水性相)の中に懸濁、スラリー化もしくは何らかの形で分布しているものである。本発明との関連で語「分散物」はとりわけ懸濁物及びスラリーを包括する。
【0102】
本発明の方法の好適な観点において、工程(a)において採用する液体媒質中に存在する分散酵素は結晶状の酵素を含んで成る。
【0103】
本発明の方法において、当該酵素含有液体媒質(溶液又は溶液/分散物)を粒状コアに少なくとも0.05:1、より好ましくは少なくとも 0.1:1、例えば少なくとも0.15:1、例えば少なくとも 0.2:1、そして往々にして少なくとも 0.5:1の重量比(液体媒質:コア)で加える。採用する比は一般にコアの吸収能力及び最終酵素含有顆粒の必要とれさる強度に依存するであろう。
【0104】
乾燥又は部分乾燥した酵素含有顆粒に1,2又はそれより多くのコーティング層を慣用の方法、例えばパン−コーティング、ミキサーコーティング及び/又は流動床コーティングにより適用できうる。適当なコーティング/コーティング成分には本発明の酵素含有顆粒との関連で前述したものが挙げられる。
【0105】
酵 素
任意の酵素又は種々の酵素の組合せを本発明との関連で採用してよい。従って、「酵素」と言及している場合、それは一般に1又は複数種の酵素の組合せを含むものと理解されるであろう。
【0106】
本明細書及び請求の範囲において採用する酵素分類はRecommendations (1992) of the Nomenclature Committee of the International Union of Biochemistry and Molecular Biology, Academic Press, Inc., 1992 に従う。
【0107】
酵素変異体(例えば組換技術により製造)は「酵素」なる語の意味に含まれるものと理解すべきである。かかる酵素変異体の例は例えばEP 251,446 (Genencor), WO 91/00345 (Novo Nordisk A/S) EP 525,610 (Solvay) 及びWO 94/02618 (Gist-Brocades NV)に開示されている。
【0108】
本発明の顆粒に適切に組込まれうる酵素のタイプには以下が挙げられる。
【0109】
ヒドロラーゼ〔EC3;例えばリパーゼ(EC3.1.1.3)及びその他のカルボン酸エステルヒドロラーゼ(EC3.1.1);フィターゼ、例えば3−フィターゼ(EC3.1.3.8)及び6−フィターゼ(EC3.1.3.26);α−アミラーゼ(EC3.2.1.1)及びその他のグリコシダーゼ(EC3.2;これは「カルボヒドロラーゼ」として本明細書において示す群に属する);ペプチダーゼ(EC3.4、プロテアーゼとしても知られる);及びその他のカルボニルヒドロラーゼ〕;オキシドリダクターゼ〔EC1;例えばペルオキシダーゼ(EC1.11.4)、ラッカーゼ(EC1.10.3.2)及びグルコースオキシダーゼ(EC1.1.3.4)〕;トランスフェラーゼ(EC2);イソメラーゼ(EC5);及びリガーゼ(EC6)。
【0110】
市販のプロテアーゼ(ペプチダーゼ)の例には、Esperase(登録商標), Alcalase(登録商標), Neutrase(登録商標), Durazym(登録商標), Savinase(登録商標), Pyrase(登録商標)、脾臓トリプシンNOVO(PTN), Bio-Feed(登録商標) Pro及びClear-Lens(登録商標) Pro (全てNovo Nordisk A/S,Bagsvaerd, Denmarkより入手可能)が挙げられる。
【0111】
その他の市販のプロテアーゼには、Maxatase(登録商標),Maxacal(登録商標),Maxapem(登録商標),Opticlean(登録商標)及びPurafect(登録商標)(全てGenencor International Inc. 又はGist-Brocades より入手可能)が挙げられる。
【0112】
市販のリパーゼの例にはLipolase(登録商標),Lipolase(登録商標) Ultra, Lipozyme(登録商標),Palatase(登録商標),Novozym(登録商標) 435及びLecitase(登録商標)(全てNovo Nordisk A/Sより入手可能)が挙げられる。
【0113】
その他の市販のリパーゼにはLumafast(登録商標)(Genecor International Inc.由来のシュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina) ; Lipomax(登録商標)(Gist-Brocades/Genecor Int. Inc.由来のPs. シュードアルカリジェネス(Ps. pseudoalcaligenes)リパーゼ;及びSolvay enzymes由来のバチルス(Bacillus) 種リパーゼ)が挙げられる。更なるリパーゼはその他の供給者より入手できる。
【0114】
本明細書において、「カルボヒドラーゼ」なる語は特に5及び6員環構造の炭水化物鎖(例えばデンプン)を分解できる酵素(即ち、グリコシダーゼでEC3.2)のみを意味するのに用いるが、炭水化物、例えば6員環構造体、例えばD−グルコースを5員環構造体、例えばD−フルクトースへと異性化できる酵素も意味する。
【0115】
関連の炭水化物には下記のものが挙げられる(カッコ内はEC番号):α−アミラーゼ(3.2.1.1)、β−アミラーゼ(3.2.1.2)、グルカン1,4−α−グルコシダーゼ(3.2.1.3)、セルラーゼ(3.2.1.4)、エンド−1,3(4)−β−グルカナーゼ(3.2.1.6)、エンド−1,4−β−キシラナーゼ(3.2.1.8)、デキストラナーゼ(3.2.1.11)、キチナーゼ(3.2.1.14)、ポリガラクツロナーゼ(3.2.1.15)、リゾチーム(3.2.1.17)、β−グルコシダーゼ(3.2.1.21)、α−ガラクトシダーゼ(3.2.1.22)、β−ガラクトシダーゼ(3.2.1.23)、アミロ−1,6−グルコシダーゼ(3.2.1.33)、キシラン1,4−β−キシロシダーゼ(3.2.1.37)、グルカンエンド−1,3−β−D−グルコシダーゼ(3.2.1.39)、α−デキストン−エンド−1,6−α−グルコシダーゼ(3.2.1.41)、スクロースα−グルコシダーゼ(3.2.1.48)、グルカンエンド−1,3−α−グルコシダーゼ(3.2.1.59)、グルカン1,4−β−グルコシダーゼ(3.2.1.74)、グルカンエンド−1,6−β−グルコシダーゼ(3.2.1.75)、アラビナンエンド−1,5−α−L−アラビノシダーゼ(3.2.1.99)、ラクターゼ(3.2.1.108)、キトサナーゼ(3.2.1.132)及びキシロースイソメラーゼ(5.3.1.5)。
【0116】
市販のカルボヒドラーゼの例には Alpha-Gal(登録商標), Bio-Feed(登録商標)Alpha, Bio-Feed(登録商標)Beta, Bio-Feed(登録商標)Plus, Bio-Feed(登録商標)Plus, Novozyme(登録商標)188, Celluclast(登録商標),Cellusoft(登録商標),Ceremyl(登録商標),Citrozym(登録商標),Denimax(登録商標),Dezyme(登録商標),Dextrozyme(登録商標),Finizym(登録商標),Fungamyl(登録商標),Gamanase(登録商標),Glucanex(登録商標),Lactozym(登録商標),Maltogenase(登録商標), Pentopan(登録商標),Pectinex(登録商標),Promozyme(登録商標), Pulpzyme(登録商標),Novamyl(登録商標),Termamyl(登録商標),AMG(登録商標)(アミログルコシダーゼNovo)、Maltogenase(登録商標), Sweetzyme(登録商標)及び Aquazym(登録商標)(全てNovo Nordisk A/Sより入手可能)が挙げられる。更なるカルボヒドラーゼはその他の供給者より入手できる。
【0117】
市販のオキシドリダクターゼ(EC1)の例にはGluzyme(登録商標)(Novo Nordisk A/Sより入手可能)が挙げられる。更なるオキシドリダクターゼはその他の供給者から入手できる。
【0118】
本発明との関連において適切なトランスフェラーゼ(EC2)は下記の任意のサブクラスのトランスフェラーゼである:
1個の炭素基を転移するトランスフェラーゼ(EC2.1);アルデヒド又はケトン残基を転移するトランスフェラーゼ(EC2.2);アシルトランスフェラーゼ(EC2.3);グリコシルトランスフェラーゼ(EC2.4);メチル基以外のアルキル又はアリール基を転移するトランスフェラーゼ(EC2.5);及び窒素性質を転移するトランスフェラーゼ(E2.6)。
【0119】
本発明との関連において好適なタイプのトランスフェラーゼはトランスグルタミナーゼ(タンパク質−グルタミンγ−グルタミルトランスフェラーゼ;EC2.3.2.13)である。
【0120】
トランスグルタミナーゼの例はWO 96/06931 (Novo Nordisk A/S)に記載されている。
【0121】
本発明の顆粒に組込む酵素の量は顆粒の意図する用途に依存するであろう。幾多の用途に関し、当該酵素の含有量は可能なだけ又は実施できるだけ高くなるであろう。
【0122】
本発明の顆粒中の酵素の含有量(純粋な酵素タンパク質として計算)は典型的には酵素含有顆粒の約 0.5〜20重量%に範囲するであろう。
【0123】
例えばプロテアーゼ(ペプチダーゼ)を本発明に係る顆粒に組込むとき、最終顆粒の酵素活性(タンパク質分解活性)は典型的には1〜20KNPU/gの範囲であろう。同様に、例えばα−アミラーゼの場合、10〜500KNU/gの活性が典型的であり、一般リパーゼに関しては50〜400KLU/gの範囲の活性が通常適当であろう。
【0124】
その他の補助成分
適当な場合、様々な添加剤(補助剤)を本発明の顆粒の中に酵素と一緒に組込んでよい。関連の補助剤には金属化合物(例えば遷移金属の塩類及び/又は錯体)、可溶化剤、活性化剤、酸化防止剤、染料、阻害剤、バインダー、香料、酵素保護剤/除去剤、例えば硫酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、尿素、グアニジン塩酸塩、グアニジン炭酸塩、グアニジンスルホン酸塩、二酸化チオ尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン酸ナトリウム、タンパク質、例えば牛血清アルブミン、カゼイン界面活性剤、例えばアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び長鎖脂肪酸塩、ビルダー、アリカリ性又は無機電解質、漂白剤、ブルーイング剤及び蛍光色素、及びケーキング阻害剤が挙げられうる。適当な界面活性剤の説明についてはWO 92/00384 号を参照されたい。
【0125】
かかる補助剤を組込んだ顆粒は酵素顆粒化業界における当業者に周知の方法、例えば流動床スプレーコーティング、パンコーティング、及び出発コア材料の頂上に連続層を付加することにより顆粒を構築していくその他の技術により作られうる。
【0126】
上記の酵素含有顆粒の製造のための本発明に係る方法に加えて、本発明は更に当該方法の一の態様により得られた又は得られることのできる酵素含有顆粒に関する。
【0127】
本発明の酵素含有顆粒の用途
本発明に係る顆粒(酵素含有顆粒)は様々な工業的用途のために利用できうる。特に興味深い用途には、洗剤、動物飼料組成物、ベーキング産業製品及び繊維処理製品におけるその利用が挙げられ、そして下記のリストはこのような用途分野それぞれにおいて最も典型的に関心のもたらされる酵素のタイプを列挙している:
洗剤:プロテアーゼ、アミラーゼ(例えばα−アミラーゼ)、セルラーゼ、リパーゼ、オキシドリダクターゼ;
ベーキング製品:アミログルコシダーゼ(グルコアミラーゼ、グルカン1,4−α−グルコシダーゼ)、細菌α−アミラーゼ、真菌α−アミラーゼ、マルトジェニックアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、プロテアーゼ、ペントサナーゼ;
動物飼料組成物:細菌α−アミラーゼ、プロテアーゼ、キシラナーゼ、フィターゼ;
繊維処理製品:セルラーゼ、α−アミラーゼ。
【0128】
更なる観点において、本発明はかくして本発明に係る、又は本発明に従って製造された酵素含有顆粒を含んで成る洗浄組成物(特に、洗濯及び皿洗い洗浄組成物)に関する。
【0129】
更なる別の観点において、本発明は本発明に係る、又は本発明に従って製造された酵素含有顆粒を含んで成る動物飼料組成物を包括する。
【0130】
更なる別の観点は本発明に係る又は本発明に従って製造された酵素含有顆粒を含んで成るベーキング用組成物に関する。
【0131】
更に、本発明は
洗浄組成物、例えば洗濯又は食器洗い用組成物;
動物飼料組成物;
ベーキング用組成物;又は
繊維処理用組成物(例えば色調の鮮明化又は染色用組成物);
中の酵素含有成分としての本発明に係る又は本発明に従って製造された酵素含有顆粒の利用にも関連する。
【0132】
洗浄組成物
本発明によれば、本発明の酵素含有顆粒は典型的には洗浄組成物、例えば洗濯用組成物又は食器洗い用組成物の成分でありうる。この場合、それらはその洗浄組成物の中に未コート化顆粒又は当業界において公知の方法によりコーティングされたコート化顆粒の形態で含ませてよい。ワキシーコーティング材料の1000〜20000 の平均分子量を有する例はポリ(エチレンオキシド)製品(ポリエチレングリコールPEG);16〜50のエチレンオキシド単位を有するエトキシル化ノニルフェノール;アルコールが12〜20個の炭素原子を含み、且つ15〜80のエチレンオキシド単位のあるエトキシル化脂肪アルコール;脂肪アルコール;脂肪酸;並びに脂肪酸のモノ−及びジ−及びトリ−グリセリドである。流動床技術による適用のために適切なフィルム形成コーティング材料の例は特許GB 1483591号に示されている。
【0133】
本発明の洗浄組成物は任意の慣用の形態、例えば粉末、顆粒又はペースト状であってよい。
【0134】
当該洗浄組成物は1又は複数種の界面活性剤を含んで成り、それぞれはアニオン、非イオン、カチオン又は両性(双イオン性)であってよい。この洗剤は通常0〜50%のアニオン性界面活性剤、例えば線形アルキルベンゼンスルホネート(LAS) 、アルファーオレフィンスルホネート(AOS) 、アルキルスルフェート(脂肪アルコールスルフェート)(AS)、アルコールエトキシスルフェート(AEOS又はAES)、第二アルカンスルホネート(SAS) 、アルファースルホ脂肪酸メチルエステル、アルキル又はアルケニルコハク酸、又は石けんを含むであろう。それは0〜40%の非イオン性界面活性剤、例えばアルコールエトキシレート(AEO 又はAE)、アルコールプロポキシレート、カルボキシル化アルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、又はポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド(例えばWO 92/06154 記載)も含みうる。
【0135】
本発明の酵素含有顆粒に含まれている酵素に加えて、この洗浄組成物は更に1又は複数種のその他の酵素、例えばプルラナーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、ペルオキシダーゼ又はオキシダーゼ(例えばラッカーゼ)を含んで成ってよい。
【0136】
通常、当該洗剤は1〜65%の洗浄ビルダーを含むが、一部の食器洗い用洗剤は更には90%までの洗浄ビルダー、又は鎖形成剤、例えばゼオライト、ジホスフェート、トリホスフェート、ホスホネート、シトレート、ニトリロ三酢酸(NTA) 、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTMPA) 、アルキル又はアルケニルコハク酸、可溶性シリケート又は層状シリケート(例えばHoechst 由来の SKS−6)を含んで成りうる。
【0137】
洗浄ビルダーはリン含有及び無リンタイプに副分割されうる。リン含有無機アルカリ洗浄ビルダーの例には水溶性塩類、特にアルカリ金属ピロホスフェート、オルトホスフェート、ポリホスフェート及びホスホネートが含まれる。無リン無機ビルダーの例には水溶性アルカリ金属カルボネート、ボレート及びシリケート、並びに層状シリケート、及び様々なタイプの水不溶性結晶又は非晶アルミノシリケートが挙げられ、そのうちゼオライトが最も知られる代表物である。
【0138】
適当な有機ビルダーの例にはスクシネート、マロネート、脂肪酸マロネート、脂肪酸スルホネート、カルボキシメトキシスクシネート、ポリアセテート、カルボキシレート、ポリカルボキシレート、アミノポリカルボキシレート及びポリアセチルカルボキシレートのアルカリ金属、アンモニウム又は置換化アンモニウム塩が挙げられる。
【0139】
洗浄はビルダーなく、即ち、本質的に洗浄ビルダーを含まなくてもよい。
【0140】
洗浄は1又は複数種のポリマーを含んで成りうる。その例はカルボキシメチルセルロース(CMC) 、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG) 、ポリ(ビニルアルコール)(PVA) 、ポリカルボキシレート、例えばポリアクリレート、ポリマレエート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、及びラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマーを含んで成ってよい。
【0141】
洗浄組成物は塩素/臭素型又は酸素型の漂白剤を含みうる。漂白剤はコーティング化又は封入化されていてよい。無機塩素/臭素型漂白剤の例は次亜塩素酸又は次亜臭素酸リチウム、ナトリウム又はカルシウム、並びに塩素化リン酸三ナトリウムである。漂白系はH2O2起源、例えば過硼酸塩又は過炭酸塩も含んで成ってよく、それらは過酸形成漂白活性化剤、例えばテトラアセチレエチレンジアミン(TAED)又はノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)と組合せてよい。
【0142】
有機塩素/臭素型漂白剤の例は複素環式N−ブロモ及びN−クロロイミド、例えばトリクロロイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸、ジブロモイソシアヌル酸及びジクロロイソシアヌル酸、並びにそれらと、水可溶化性カチオン、例えばカリウム及びナトリウムとの塩である。漂白系は更に例えばアミド、イミド又はスルホン型のペルオキシ酸も含んで成ってよい。
【0143】
食器洗い洗剤においては酸素漂白剤、例えば無機過塩形態のものが好ましく、好ましくは漂白前駆体又はペルオキシ酸化合物を一緒にする。適当なペルオキシ漂白化合物の典型的な例はアルカリ金属過硼酸塩の四水和物及び一水和物、アルカリ金属過炭酸塩、過珪酸塩及び過リン酸塩である。好適な活性化材料はTAED又はNOBSである。
【0144】
本発明の洗浄組成物の酵素は慣用の安定化剤、例えばポリオール、例えばプロピレングリコール又はグリセロール、糖又は糖アルコール、乳酸、硼酸、又は硼酸誘導体、例えば芳香硼酸エステルを利用して安定され得、当該組成物は例えばWO 92/19709 及びWO 92/19708 に記載の通りに処方されうる。本発明の酵素は可逆性酵素阻害剤、例えばEP 0544777 B1 に記載のタイプのタンパク質を添加することによっても安定化されうる。
【0145】
当該洗剤は更にその他の慣用の洗浄成分、例えば布帛コンディショナー、例えば粘土、解膠剤、発泡促進剤/発泡抑制剤(食器洗い洗剤では発泡抑制剤)、泡立抑制剤、腐蝕防止剤、汚れ懸濁剤、汚れ再付着防止剤、色素、脱水剤、殺菌剤、蛍光増白剤又は香料も含みうる。
【0146】
pH(使用濃度において水性溶液内で測定)は通常中性又はアルカリ性、例えば7〜11の範囲であろう。
【0147】
本発明の範囲に属する洗濯洗浄組成物の特定の態様には以下が挙げられる:
1)以下の成分を含んで成る、 600g/l以上のバルク密度を有する顆粒として処方された洗浄組成物
【0148】
【表1】

【0149】
2)以下の成分を含んで成る、 600g/l以上のバルク密度を有する顆粒として処方された洗浄組成物
【0150】
【表2】

【0151】
3)以下の成分を含んで成る、 600g/l以上のバルク密度を有する顆粒として処方された洗浄組成物
【0152】
【表3】

【0153】
4)以下の成分を含んで成る、 600g/l以上のバルク密度を有する顆粒として処方された洗浄組成物
【0154】
【表4】

【0155】
5)以下の成分を含んで成る、 600g/l以上のバルク密度を有する顆粒として処方された洗浄組成物
【0156】
【表5】

【0157】
6)下記の成分を含んで成る顆粒として処方された洗浄組成物
【0158】
【表6】

【0159】
7)下記の成分を含んで成る顆粒として処方された洗浄組成物
【0160】
【表7】

【0161】
8)以下の成分を含んで成る、 600g/l以上のバルク密度を有する顆粒として処方された洗浄組成物
【0162】
【表8】

【0163】
9)線形アルキルベンゼンスルホネートが(C12−C18)アルキルスルフェートにより置換された1)〜8)に記載の洗浄製剤
【0164】
10)以下の成分を含んで成る、 600g/l以上のバルク密度を有する顆粒として処方された洗浄組成物
【0165】
【表9】

【0166】
11)以下の成分を含んで成る、 600g/l以上のバルク密度を有する顆粒として処方された洗浄組成物
【0167】
【表10】

【0168】
12)追加の成分として又は上述の漂白系の代替物として安定化又は封入化過酸を含む1)〜11)に記載の洗浄製剤。
【0169】
13)過硼酸塩が過炭酸塩に置き代わった1),3),5),7)及び8)記載の洗浄組成物。
【0170】
14)マンガン触媒を更に含む1),3),5),7),8),10)及び11)記載の洗浄組成物。マンガン触媒は例えば「Efficient manganese catalysts for low-temperature bleaching 」Nature 369, 1994, pp. 637-639 に記載の化合物のいづれかであってよい。
【0171】
本発明の範囲に属する食器洗い用洗浄組成物の特定の態様には以下のものが挙げられる:
【0172】
1)粉末自動食器洗い用組成物
【0173】
【表11】

【0174】
2)粉末自動食器洗い用組成物
【0175】
【表12】

【0176】
3)粉末自動食器洗い用組成物
【0177】
【表13】

【0178】
4)粉末自動食器洗い用組成物
【0179】
【表14】

【0180】
5)粉末自動食器洗い用組成物
【0181】
【表15】

【0182】
6)過硼酸塩が過炭酸塩で置換された1),2),3)及び4)記載の自動食器洗い用組成物。
【0183】
7)マンガン触媒を更に含む1)〜4)記載の自動食器洗い用組成物。マンガン触媒は例えば「Efficient manganese catalysts forlow-temperature bleaching 」Nature 369, 1994, pp.637-639に記載の化合物のいづれかであってよい。
【0184】
上記の全ての洗浄及び食器洗い用組成物の特定の態様は、むろん、微量の顆粒構成物(コア材料、コーティング成分、等)を更に含んで成るであろう。
【0185】
本発明の酵素含有顆粒は洗剤の中に汎用されている酵素濃度に対応する濃度で組込んでよい。本発明の洗浄組成物において、酵素は1リットルの洗浄/食器洗い液当り 0.00001〜1mg(純粋な酵素タンパク質として計算)の酵素に相当する量で加えてもよい。
【0186】
本発明との関連における洗浄組成物の更なるタイプについての詳細はWO 92/07202 (PCT/DK96/00341)を参照されたい。
【0187】
本発明を更に以下の限定でない実施例で説明する。当業者は本明細書における教示を基礎にその他の酵素、コア、コーティング剤/補助剤又は方法を選定できるであろう。
【実施例】
【0188】
材料及び方法
酵素活性アッセイ
タンパク質分解活性(KNPU):本明細書において、タンパク質分解活性はキロノボプロテアーゼ単位(KNPU)で表示する。この活性は酵素標準品に対して決定し、そしてその決定は標準条件下(50℃,pH8.3 、反応時間9分、測定時間3分)でのタンパク質分解酵素によるジメチル−カゼイン(DMC)溶液の消化に基づく。この分析法の詳細を供与する小冊子(AF 220/1)はNovo Nordisk A/S, Bagsvaerd, Denmarkに注文することで入手できる。
【0189】
アミロース分解活性(KNU)は基質としてポテトデンプンを用いて決定できうる。この方法は酵素による改質ポテトデンプンの加水分解を基礎とし、そして反応にデンプン/酵素溶液のサンプルとヨウ素溶液との混合が続く。まず黒味を帯びた色調が形成されるが、デンプンの分解の際、青色が弱くなり始め、そして徐々に赤茶色へと変わり、それを有色ガラス標準品と比較する。1キロノボアルファーアミラーゼ単位(KNU)は標準条件下(37±0.05℃,0.0003MのCa2+,pH5.6)で5.26gのデンプン乾燥物質Merck Amylum solubile をデキストリン化する酵素の量と定義する。
【0190】
この分析方法をより詳細に説明する小冊子(AF 9/6)はNovo Nordisk A/S Denmarkに注文することで入手できる。
【0191】
脂質分解活性(LU)は基質としてトリブチリンを用いて決定し得る。この方法は酵素により触媒されるトリブチリンの加水分解を基礎とし、そしてアルカリの消費は時間の関数として測定される。1リパーゼ単位(LU)は標準条件(30.0℃, pH7.0 ;乳化剤としてのアラビアゴム及び基質としてのトリブチリン)で1分間当り1mmolの滴定可能量の酪酸を遊離する酵素の量として定義される。この分析法をより詳しく説明する冊子(AF 95/5)はNovo Nordisk A/S, Denmark に注文することで入手できる。
【0192】
フィターゼ活性(FYT)はNovo Nordisk分析法KAL-SM-0403.01/01 (Novo Nordisk A/S, Denmarkに注文することで入手できる)を利用して決定し得る。
【0193】
コア
カサバデンプンコア:何らかのことわりのない限り、採用するカサバデンプンコアはAgro Comercial, Brazilより入手したものとした。
【0194】
ノンパレルコア(糖デンプンベース):Crompton & Knowles, USA (「Suger Spheres NF Mesh 35-40 」)又はNP Pharma に由来する。
酵素
Savinase(登録商標)濃縮物(水性プロテアーゼ濃縮物)はNovo Nordisk A/S, Denmark より入手した。
【0195】
フィターゼ濃縮物はNovo Nordisk A/S, Denmark より入手した。
【0196】
リパーゼ(リパーゼ変異体HL9)はWO 97/07202 のExample 3 に記載の通りにして得た。
【0197】
Heubach 法及びNovo Nordisk磨砕法
上述の通り、Heubach 法及びNovo Nordisk磨砕法は顆粒床を回転するスチールボールの作用に委ね、同時にこの床を通る空気を吸引してこの過程中にできるダスト及び断片を集める方法である。これらの方法を詳細に説明する小冊子(EAL-SM-0289.01/01 及びAF 225/2-GB それぞれ)はNovo Nordisk A/S, Denmark に注文することで入手できる。
【0198】
実施例1
15kgφ部の顆粒カサバデンプンコア(粒度分布:直径 0.5mm〜1.0mm の材料97%)を50リッターのLodigeミキサーに導入し、そして混合ブレート(「ploughshares」)により混合しながら全部で 6.0kgの純水(コアに対して40重量%)を吹き付けた。それはまず「チョッパー」(コンパクティングナイフ)を作動することなく 3.5kgの水を吹き付け、次いで残りの水(2.5kg) をチョッパーを作動させながら 6.0kgの全量となるまで吹き付けることによった。
【0199】
濡れたコアを吹き付けの最中に規則的に観察し、そしてその後の乾燥の間に問題の原因となりうる又は最終製品の品質に関して問題となりうる粘着性又は凝集の渇きの徴候は示されなかった。
【0200】
得られる製品を入口温度62℃にしてあるGlatt WSG 15流動床装置(Glatt, Germany)に移し、そして30分乾燥させるか、又は製品温度が50℃を超えるようになるまで乾燥させ、次いで 1.2mmのメッシュスクリーンでふるいにかけ、 0.8重量%の残留サイズ過剰粒子しかふるいの上に残らなかった。
【0201】
実施例2(吸収力の弱いコアを用いる比較例)
15kg部の糖デンプンノンパレルコアを50リッターのLodigeミキサーに導入し、そして混合ブレートにより混合しながら、 0.3kgで始めて段階式に全部で 0.9kgの水を吹き付けた。
【0202】
濡れたコアを吹き付けの間規則的に観察した。最初の 0.3kgの水(コアに対して2重量%)を吹き付けた後、コアは粘着性を示した。全部で4〜5重量%の水を吹き付けると粘着性はひどくなっていた。
【0203】
全部で 0.9kgの水(コアに対して6重量%)を吹き付けた後、濡れたコアをGlatt WSG 15流動床装置に移し、実施例1と同じ条件下で乾燥させた。しかしながら、流動床装置の中で濡れたコアの床を人的に混合しようと試みても、材料は十分に流動するには粘着性でありすぎることが示された。最終乾燥製品は主に約10cmまでの寸法を有する凝集塊又はクラストより成る。
【0204】
この実施例は注目のノンパレルコアが4重量%未満の水しか吸収できないことを示す。
【0205】
実施例3
段階1:20kg部の顆粒カサバデンプンコア(実施例1において採用したものと同じ;粒度分布:直径 0.5〜1.0mm の材料97%)を50リッターのマルチチョッパーヘッドの備った50リッターのLodigeミキサーに導入し、そこで混合ブレードにより混合しながら、 4.5kgの限外濾過液体Savinase(登録商標)濃縮物 (33KNPU/g)を吹き付けた。Savinase(登録商標)濃縮物をコアの中に沈めた加圧ノズルを用い、チョッパーに直接吹き付けることにより塗布した。混合ブレード及びチョッパーは吹き付けの最中連続運転した。
【0206】
Savinase(登録商標)濃縮物を塗布後、得られる顆粒をGlatt WSG 5流動床装置に移し、そして実施例1に記載の通りにして乾燥させた。
段階2:15kg部の乾燥顆粒を次に流動床装置の中で8重量%の硫酸アンモニウムにより、38%の硫酸アンモニウム溶液を用い、且つ慣用のトップスプレーコーティング技術(空気入口温度62℃、製品温度43℃、吹き付け速度 100g/min 、エアーフロー 700m3 /h)を採用してコーティングした。
段階3:硫酸アンモニウムコーティングした顆粒に更に、同じ流動床トップスプレーコーティング技術を利用し、27%のTiO2、27%のカオリン、30%のGlascol(登録商標)LS27及び16%のPEG 4000の組成物のコーティング18.5重量%でコーティングを施した。コーティング液の組成は下記の通りとした:
0.75kgのTiO2(Kronos(登録商標)2044)
0.75kgのカオリン(English China Clay由来のSpeswhite(登録商標))
1.80kgのGlascol(登録商標)LS27(Allied Colloids Lte., England由来;乾燥物質46%)
0.45kgのポリエチレングリコール4000(PEG 4000)
2.40kgの水
段階4:最後に、0.75重量%のEPG 4000の表層コーティングを23重量%のPEG 4000水性溶液を用い、且つ前述と同じ流動床トップスプレー技術を採用して適用した。
【0207】
段階4の後の最終顆粒製品の活性は 4.1KNPU/gであった。
【0208】
段階1及び段階2を経た顆粒のダスト形成/物理強度特性をNovo Nordisk磨砕法に従って評価し、一方段階3及び段階4より得られる製品はHeubach 法に従って評価した。
【0209】
それぞれの段階を経たダスト含有量:
段階1:全ダスト 0.4mg;活性ダスト 2410μg
段階2:全ダスト 0.5mg;活性ダスト 74μg
段階3:全ダスト 6.2mg;活性ダスト 43μg
段階4:全ダスト 0.0mg;活性ダスト <10μg
活性ダストの量は、 4.0KNPU/gの活性を有する標準品のマイクログラム数(μg)として表示する。
【0210】
実施例4
段階1:15kg部の顆粒カサバデンプンコア(実施例1及び実施例3において採用)を50リッターのLodigeミキサーに導入し、そして混合ブレートにより混合しながら、 5.9kgの液体Savinase(登録商標)濃縮物(33KNPU/g)を吹き付け、そして実施例1記載の通りに乾燥させた。
段階2〜4:段階1由来の15kg部の乾燥顆粒を実施例3の段階2〜4に記載の通りにして処理した。
【0211】
段階4を経た最終顆粒製品の活性は10.0KNPU/gであった。
【0212】
段階1〜4の製品のダスト形成特性(実施例3の通りに決定)は下記の通りであった:
段階1:全ダスト 5.9mg;活性ダスト 7330μg
段階2:全ダスト 0.0mg;活性ダスト 78μg
段階3:全ダスト 2.6mg;活性ダスト <10μg
段階4:全ダスト 0.0mg;活性ダスト <10μg
【0213】
実施例5
15kg部の顆粒カサバデンプンコア(実施例1で採用)を50リッターのLodigeミキサーに導入し、そして混合ブレードにより混合しながら、 5.9kgの液体Savinase(登録商標)濃縮物(18KNPU/g)をミキサーの上のろう斗の中に設置した噴射ノズルを用いて吹き付けた。本例においてはチョッパーは吹き付けの最中に作動させなかったが、吹き付けを施した顆粒を吹き付けの3分後にチョッパーによる処理にかけた。
【0214】
得られる顆粒の活性(未コート化顆粒)は6.28KNPU/gであり、そして製品のダスト形成特性(Novo Nordisk磨砕法により決定)は下記の通りであった:
全ダスト 0.5mg;活性ダスト 483μg。
【0215】
実施例6(吸収性の弱いコアを用いる比較例)
実施例3,4及び5に記載と同じ方法で液体Savinase(登録商標)濃縮物の量を増やしながら連続して吹き付けを施したノンパレルコア(糖−デンプンコア)を用いる実験において、コアの外層上の過剰の濃縮物の存在が、付随する粒子凝集と共に、≧4重量%(コアに対して)の濃縮物を適用したときに観察された。
【0216】
このことは、注目のノンパレルコアが4重量%未満のSavinase(登録商標)濃縮物しか吸収できないことを示す。
【0217】
実施例7
本例は比較例であり、それにおいては吸収性の劣るノンパレル(糖デンプン)コアに水性酵素含有媒質を吹き付け、そして慣用の流動床装置の中で乾燥させている。
段階1:15kg部のノンパレルコア(粒度分布:直径 425μm〜 600μm 99%)をGlatt WSG 5流動床装置に導入し、そして流動化条件下で、 4.0kgの液体Savinase(登録商標)濃縮物(33KNPU/g)、 225gの20%のKollidon(登録商標)VA 64 及び50gのTiO2の混合物を慣用のトップスプレーコーティング技術を利用して吹き付けた(入口空気温度65℃;製品温度42℃;吹き付け速度 100g/分;コア−フロー 550m3 /時間)。
【0218】
次にこの製品を上記の通りに流動床乾燥させた。
段階2〜4:段階1由来の製品を実施例3の段階2〜4の通りに連続処理した。
【0219】
最終製品の活性は 6.2KNPU/gであった。
【0220】
様々な製品のダスト形成特性(段階1及び2由来の製品についてはNovo Nordisk磨砕法を利用し、そして段階3及び4由来の製品についてはHeuback 法を利用して決定)は下記の通りであった:
段階1:全ダスト 9.1mg;活性ダスト 56900μg
段階2:全ダスト 23.2mg;活性ダスト 72400μg
段階3:全ダスト 12.3mg;活性ダスト 6660μg
段階4:全ダスト 1.8mg;活性ダスト 1570μg
これらの結果から明らかな通り、コーティングのレベルに関係なく、吸収性の劣るノンパレルコアを基礎とする様々な製品は望ましくないダスト形成特性を示す。
【0221】
実施例8
4.5kg の繊維セルロース(Arbocel(登録商標)FTC200)、
3.0kg のカオリン (Speswhite(登録商標)English China Clay)
及び20.5kgの微粉砕硫酸ナトリウム
より調製した18kgの粉末組成物に 9.5kgの21重量%の炭水化物バインダーの水性溶液(Glucidex(登録商標);Roquette Freves)を吹き付け、そして米国特許第 4,106,991号のExample 1 に記載の通りにして顆粒状にし、そして乾燥させた。
【0222】
乾燥顆粒をふるいにかけ、そして 0.3〜1.0mm のサイズ画分を以下において酵素吸収コアとして用いた:
段階1:18.5kg部のコア材料を50リッターのLodigeミキサーに移し、そして混合ブレードで混合しながら 4.5kgの液体Savinase(登録商標)濃縮物を吹き付けた。この製品を実施例3に記載の通りに乾燥させた。
段階2〜4:段階1由来の16kgの顆粒をGlatt WSG 5 流動床装置に移し、次いで上記の通りに乾かし、そして実施例3の段階2〜4に記載の通りにして処理した。
【0223】
最終製品の活性は 5.5KNPU/gであった。
【0224】
ダスト形成特性(段階1及び2由来の製品についてはNovo Nordisk磨砕法を利用し、そして段階3及び4由来の製品についてはHeubach 法を利用して決定)は下記の通りであった:
段階1:全ダスト 11.6mg;活性ダスト 29900μg
段階2:全ダスト 0.7mg;活性ダスト 741μg
段階3:全ダスト 7.3mg;活性ダスト 367μg
段階4:全ダスト 0.6mg;活性ダスト 51μg
【0225】
実施例9
段階1:15kg部の顆粒カサバデンプンコア(実施例1において採用)をマルチチョッパーヘッドの備った50リッターのLodigeミキサーに導入し、そこでそれらに、混合ブレードで混合しながら、 5.0kgの限外濾過したSavinase(登録商標)濃縮物(27.4KNPU/g)を吹き付けた。この濃縮物を実施例3に記載の通りにしてコアに吹き付けた。
【0226】
Savinase(登録商標)濃縮物を適用後、得られる顆粒材料をGlatt WSG 15流動床装置に移し、そして上記の通りにして乾燥させた。
段階2:乾燥後、得られる顆粒にWurster 型流動床装置を用いて薄膜コーティングでコーティングを施した:段階1由来の顆粒15kgをGlatt GRPC 15 流動床装置(ボトムスプレー)に移し、そこでそれらに 150gのメチルヒドロキシプロピルセルロース(Aqualon(登録商標)8MP5C)及び 1.8lの水に溶解した 150gのPEG 4000の混合物を吹き付けた。空気入口温度:55℃;製品温度:39.5℃。吹き付け後、顆粒を5分乾燥させ、次いで30℃に冷却した。
【0227】
最終段階2の後の活性は 7.0KNPU/gであった。
【0228】
それぞれの段階後のダスト含有量:
段階1:全ダスト 0.2mg;活性ダスト 263μg(Novo Nordisk磨砕法)
段階2:全ダスト 0.0mg;活性ダスト 26μg(Heubach 法)
これら非常に低いダスト値は酵素/カサバコア顆粒の物理的品質を明瞭に示し、なぜなら薄膜コーティングしか適用していないからである。
【0229】
実施例10
段階1:15kg部のカサバデンプンコア(実施例1で採用)をGlattWSG-5 流動床装置に導入し、そして 3.9kgの液体Savinase(登録商標)濃縮物(27.4KNPU/g)、 200gの20重量%のKollidon(登録商標)VA64水溶液及び50gのTiO2より成る混合物を実施例7、段階1の通りにして吹き付けた。
【0230】
段階2〜4:この製品を実施例3及び7、段階2〜4に記載の通りにして処理(コーティング)を施した。
【0231】
最終製品の活性は 5.9KNPU/gであった。
【0232】
段階1〜4の製品のダスト形成特性(実施例3の通りに決定)は下記の通りであった:
段階1:全ダスト 0.0mg;活性ダスト 474μg
段階2:全ダスト 1.7mg;活性ダスト 1550μg
段階3:全ダスト 3.3mg;活性ダスト 294μg
段階4:全ダスト 0.0mg;活性ダスト <10μg
本例は本発明に係る方法の段階(a)の接触/吸収を流動床の中で実施してよく、そして優れた特性(例えば低いダスト形成)を示す製品を供し続けることを実証する。対照的に、吸収力の劣ったノンパレルコアを用いる実施例7(前掲)に記載の類似の手順は比較的高いダストレベルを示す製品を供した。
【0233】
吸収特性に加え、注目の吸収性コアの1又は複数の因子、例えば高い物理強度、高度な球状性、滑らかさ及び高度な糊化は本実施例及び本発明との関連で好適なタイプのコアを利用するその他の実施例(例えば実施例3)で得られるものにより例示される製品(本発明に係る製品)について観察される低いダスト値に寄与するものと信じられる。
【0234】
実施例11
本例においては液体酵素をカサバコアの中に部分的に吸収させ、その上に部分的に積層した。全工程はボトムスプレーによりHuttln型流動装置の中で実施した。
【0235】
段階1: 3.5kg部のカサバデンプンコア(実施例1において採用)を5リットルのHuttlin ターボジェット流動装置型HKC-5-TJの中に導入し、そこでそれらに1500gの液体Savinase(登録商標)濃縮物(27.4KNPU/g)を吹き付け、その製品温度を入口温度を35℃から65℃へとゆっくり上昇させることにより24℃に保った。この時点では顆粒は適当に流動するには湿りすぎており、従って吹き付けを中止し、そして製品温度を40℃に高めることでそれらを乾燥させた。乾燥後、その製品に更に1600gのSavinase(登録商標)濃縮物を吹き付けた(入口温度80℃;製品温度44℃)。吹き付け後、流入エアーの通過を2分続けることにより乾燥させ、次いで冷却した。
【0236】
段階2:段階1由来の乾燥顆粒を次に流動床装置の中で38重量%の水性硫酸アンモニウム溶液を吹き付けることにより8重量%の硫酸アンモニウムでコーティングした(入口エアー温度78℃;製品温度38℃)。
【0237】
段階3:硫酸アンモニウムのコーティングした顆粒を更に実施例3、段階3に記載の組成物で18.5重量%のコーティングによりコーティングを施した。採用したコーティング液の組成は実施例3の段階3において採用したものと同じである。
段階4:最後に表層コーティングを実施例3、段階4に記載の通りに適用した。
【0238】
段階4を経た最終顆粒の活性は18.5KNPU/gであった。
【0239】
最終製品のダスト形性特性(Heubach 法):
全ダスト: 0.4mg;活性ダスト:28μg
これらの結果はこの工程(本発明の範囲)により得られる製品(本発明に係る製品であり、コア内に酵素が吸収されているのみならず、その外層上にも酵素が載っている)は非常に高い酵素含有量(それ故、非常に高い活性)を有するのみならず、非常にダスト形成しにくい性質も示す。
【0240】
何ら理論に拘束されるわけでもないが、本発明に係るタイプの吸収性コアの外層上に載っている酵素の付着力はコア表層内の吸収化酵素の存在により高まり、それ故かかる製品によるダスト形成の傾向は対応して低まる。
【0241】
実施例12
段階1:15kg部のカサバデンプンコア(実施例1において採用)をマルチチョッパーヘッドの付いた50リッターのLodigeミキサーに導入し、そしてコアに、混合ブレートで混合しながら、145KLU/gの活性を有する全部で 5.0kgの限外濾過したリパーゼ濃縮物を吹き付けた。注目のリパーゼの調製はWO 97/07202 に記載してある(その中のExample 3 、変異体HL9を参照のこと)。この濃縮物をミキサー上に載ったろう斗の中に設置してある二流路ノズル(エアー噴霧ノズル)から吹き付けた。
【0242】
リパーゼ濃縮物を適用後、得られる顆粒材料をGlatt WSG 5 流動床装置に移し、そして前述の通りに乾燥させた。
【0243】
段階2:乾燥後、得られる顆粒に 4.8重量%のPEG 4000及び二酸化チタンとカオリンとの1:1の混合物12.5重量%を、米国特許第 4,106,991号(その中のExample XXII)に記載の手順の通りに、但し、PEG 1500の代わりにPEG 4000を使用して、コーティングした。
【0244】
段階2を経た最終顆粒製品の活性は 32KLU/gであった。
【0245】
実施例13
本例は比較の目的のため(下記実施例14参照)、既知のタイプの酵素含有顆粒(即ち、米国特許第 4,106,991号に係る顆粒)の調製を述べる。
【0246】
段階1:下記の組成の粉末混合物
2.25kgの繊維状セルロース(Arbocel(登録商標)BFC200)
1.50kgのカオリン(English China Tray由来のSpeswhite(登録商標))
1.00kgの炭水化物バインダー(Glucidex(登録商標)21D, RoquetteFreves)
9.35kgの顆粒硫酸ナトリウム
を、 0.4kgの炭水化物バインダー(Glucidex(登録商標)21D)の更に溶解した 3.0kgのリパーゼ濃縮物(実施例12において採用)を吹き付けた。この混合物を米国特許第 4,106,991号(その中のExampleI)に記載の通りにして顆粒化及び乾燥させた。
【0247】
段階2:乾燥顆粒をふるいにかけて 0.3〜1.2mm の範囲の粒子サイズをもつ製品を得た。この製品は次に実施例12、段階2に記載の通りにしてコーティングを施した。
【0248】
段階2を経た最終顆粒製品の活性は 20KLU/gであった。
【0249】
実施例14
本例は(i)本発明に係るリパーゼ含有デンプンベース顆粒(上記実施例12)及び(ii)米国特許第 4,106,991号(上記実施例13)に従って製造したリパーゼ含有顆粒の洗剤の貯蔵安定性を比較する。
【0250】
A:TAEDを有する過炭酸塩含有洗剤における貯蔵
実施例12及び13のそれぞれに従って製造した製品を過炭酸ナトリウム及びテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)を含む、伝統的な(非コンパクト型)ゼオライトビルト粉末洗剤の中に混合した(約1KLU /洗剤1gの酵素含有量)。得られる酵素含有洗浄組成物の様々な条件下での貯蔵後に得られる分析結果(残留リパーゼ活性)を下記の表に示す:
【表16】

【0251】
B:過炭酸塩含有洗剤中での貯蔵
実施例12及び実施例13に従って製造した製品それぞれを過炭酸ナトリウムを含む標準のコンパクト型ヨーロッパタイプ粉末洗剤の中に混合した(約1KLU /洗剤1gの酵素含有量)。得られる酵素含有洗浄組成物の表示の条件下での貯蔵後に得られる分析結果(残留リパーゼ活性)を下記の表に示す:
【表17】

【0252】
実施例15
本例は実施例8で製造したものと類似のタイプであるが、硫酸ナトリウムの代わりにコメデンプンを含む吸収性コアの調製を述べる。
【0253】
下記の粉末成分の下記の量での混合物に対応する組成を有する14kgの顆粒リサイクル無酵素コア(EP 0,304,331 B1 の方法論を利用して製造したが、酵素は含まない)を下記の注目の粉末組成物と混合した。
【0254】
3.15kgの繊維セルロース(Arbocel(登録商標)BFC200)
2.10kgのカオリン(English China Clay由来のSpeswhite(登録商標))及び
12.75kg のコメデンプン(Remy Industri)。
【0255】
この乾燥混合物に14kgの21.4重量%の炭水化物バインダー(Glucidex(登録商標)21D)水溶液を吹き付け、そしてEP 0,304,331 B1 (その中のExample 1)に記載の通りにして顆粒化及び乾燥させた。
【0256】
乾燥顆粒(コア)をふるいにかけて 0.3〜1.1mm の範囲の粒子サイズを有するコアを得た。
【0257】
実施例16
段階1:実施例15由来のふるいにかけたコア15kg部に 3.3kgのSavinase(登録商標)濃縮物(33KNPU/g)をLodigeミキサーの中で実施例3に記載の通りにして吹き付けた。このようにして湿らした顆粒をミキサーの中で 300gのカオリン(Speswhite(登録商標))と共に粉末化した。次いでこの製品をMarumerizer(登録商標)(日本国、大阪府、Fuji Paudal 由来)に移し、そこでそれらを更に球状化した。得られる顆粒を本質的に実施例1の通りにしてGlatt WSG 5 流動床装置の中で乾かした。
【0258】
段階2〜4:乾燥顆粒を実施例3、段階2〜4に記載の通りにしてコーティングを施した。
【0259】
段階4を経た乾燥顆粒の活性は 4.7KNPU/gであった。それぞれの段階後のダスト含有量:
段階1:全ダスト 0.4mg;活性ダスト 1000μg
(Novo Nordisk磨砕法)
段階2:全ダスト 1.0mg;活性ダスト 194μg
(Novo Nordisk磨砕法)
段階4:全ダスト 0.6mg;活性ダスト 10μg
(Heubach 法)
【0260】
実施例17
段階1:50リッターのLodigeミキサー中で15kg部のカサバデンプンコア(実施例1において採用)に、混合ブレートにより混合しながら、 5.0kgのSavinase(登録商標)濃縮物(33KNPU/g)を吹き付け、そして実施例3に記載の通りにして乾燥させた。但し、スプレーノズルはチョッパーに直接吹き付けするのではなく、ミキサーの上方のろう斗から吹き付けした。
【0261】
段階2: 2.0kg部の乾燥顆粒を5リッターのLodigeミキサーに移し、そして3重量%のPEG 4000及び二酸化チタンとカオリンとの1:1の混合物3重量%で米国特許第 4,106,991号(その中のExampleXXII)に記載の通りにしてコーティングを施した。
【0262】
最終顆粒は10.8KNPU/gの活性、並びに 0.2mgの全ダスト及び37μgの活性ダストのダスト含有量(Heubach 法に従う)を有した。
【0263】
実施例18
顆粒を上記実施例17に記載の通りに調製したが、但し最終コーティングは5重量%のPEG 4000及び二酸化チタンとカオリンとの1:1の混合物13重量%より成る。
【0264】
製品顆粒は10.5KNPU/gの活性、並びに 0.4mgの全ダスト及び<10μgの活性ダストのダスト含有量を有した(Heubach)。
【0265】
対比することにより、米国特許第 4,106,991号に従って製造し、且つ本実施例に記載のタイプのコーティングを施した顆粒は約 200〜 300μgの活性ダストのダスト値を一般に示した。
【0266】
実施例19
下記の組成の無酵素コア(吸収性コア):
10.0重量%の繊維セルロース(Arbocel(登録商標)BC200)
10.0重量%のカオリン(Speswhite(登録商標))
10.0重量%の炭水化物バインダー(Glucidex(登録商標)21D 及びソルビトールの3:2の混合物)
残り:硫酸ナトリウム
を米国特許第 4,106,991号に従う連続工程により製造し、完全コンパクト型ではなく、そして完全に球状化したコアを得た。これらのコアを以下のようにして完全にコンパクト化し、そして物理的に強化した。
【0267】
段階1:18kg部の(無酵素)コアに、2重量%のチオ硫酸ナトリウムを溶解した 3.0kgのSavinase(登録商標)濃縮物(27.4KNPU/g)を上記実施例12に記載の通りにして吹き付けた。
【0268】
この製品を2分混合後(ミキサーブレード及びチョッパーの双方を作動させて)、顆粒を 600gのコメデンプン(Remy Industri)と一緒に粉末状にし、次いで更に 500gのSavinase(登録商標)濃縮物を吹き付けた。
【0269】
更に 600gのコメデンプンを塗布し、次いで 500gのSavinase(登録商標)濃縮物を吹き付けた。
【0270】
最後にこの顆粒を 600gの更なるコメデンプン、次いで 360gのカオリンと共に粉末状にした。
【0271】
上記手順全ての最中、ミキサーブレード及びチョッパーを顆粒をコンパクト化し、且つ顆粒の表面を滑らかにするために作動させた。
【0272】
この顆粒を実施例1に記載の通りにして乾燥させた。
段階2〜3:15kg部の乾燥顆粒に実施例3、段階2〜3に記載の通りにしてコーティングを施した。
【0273】
段階3を経た最終製品の活性は 6.4KNPU/gであった。
【0274】
ダスト含有量(Heubach):全ダスト 0.1mg;活性ダスト 32μg。
【0275】
本例は、米国特許第 4,106,991号の方法論に従って調製した「偽似」コア(無酵素コア)を基礎とする酵素含有顆粒(本発明に係る顆粒)によるダスト形成の傾向が、デンプンコーティング、その後の酵素の塗布/吸収により更に低下することを示した。
【0276】
実施例20 カサバデンプンコアの球状度
本例はArgo Comercial, Brazilより供されたコアバッチ(サイズ分布: 0.5〜1.0mm 97%)からランダムに採った20個のカサバデンプンコアについての最大直径(dmax ) と最小直径(dmin )との比で表示する球状度の測定(顕微鏡による)の結果を示す。結果は下記の通りである:
【表18】

【0277】
他のものから著しく逸脱した粒子番号6を除くと、残り19個の粒子の平均球状度は 1.074である。
【0278】
本例は、本発明と関連でとりわけ好適なタイプのコアであるこの吸収性コア、即ち、カサバデンプンコアが非常に球状度の高い品質で得られることを例示する。顕微鏡によるこれらのコアの観察は高度な表層滑らかさも示した。
【0279】
実施例21 糊化度の決定
糊化度は示差走査熱量計(DSC)による糊化エンタルピーの低下の測定により評価した。
【0280】
約 200mgの(a)天然カサバデンプン(デンプン顆粒)及び(b)粉末(粉砕)デンプンコアのそれぞれを25重量%(乾燥物質)スラリーを供する脱イオン水と一緒に対応のDSC バンの中で秤量した。これらのサンプルにシールをし、そして45℃から95℃に至るまで1℃/分で加熱した。対照として空気を供与した。測定はHart Scientific 由来の示差走査熱量計を利用して行った。
【0281】
糊化度はA. Xu 及びP. A. Seib〔Cereal Chem. 70 (4) (1993) pp. 463-70 〕に従い下記の式に従って計算した:
ΔHcore/ΔHnative starch (式中、ΔHcoreは(粉末)コアについての吸熱エンタルピー変化であり、そしてΔHnative starch は天然デンプンについての吸熱エンタルピー変化である。
【0282】
次の表は様々な起源由来のカサバデンプンコア(実質的に球状のコア)の種々のバッチについての結果を、様々なコアについての評価された吸水能力と一緒に示す(本明細書の例えば実施例1の通りに評価):
【表19】

【0283】
実施例22 Savinase(登録商標)/カサバデンプンコアの試験的製造スケール調製
327kg のカサバデンプンコア(Cia. Lorenz, Brazil 由来)を5個チョッパーの備った1200リッターのLodigeミキサーの中に入れた。但し、チョッパーは以下においては作動させなかった:
全部で81kgのSavinase(登録商標)濃縮物(活性 37.15KNPU/g;乾燥物質含有量28.4重量%)を、混合ブレートにより混合しながら、約10kg/min の供給速度で、ミキサーの上部の「えんとつ」の中に設置した2本のノズルを用いてコア上に吹き付けた。混合は吹き付けを終了してから更に5分間続けた。
【0284】
粘着力又は凝集の傾向の徴候を全く示さないこの製品を乾燥用流動床に移した。約 1.5m/sec の速度を有するエアー及び60℃の初期入口温度を採用する10分間の乾燥後、入口エアー温度を75℃に更に10分上昇させ、次いで95℃に上げた。全乾燥時間は32分とし、そして流動床は床/製品温度が80℃に達したら空にした。
【0285】
次いで乾燥製品(生顆粒)を三重デッキふるいでふるいにかけ、そして約 300〜1100μmのサイズの画分を 600リッターのLodigeミキサーの中で下記の通りにコーティングした。
【0286】
318kg の生顆粒をミキサーの中に導入した。 3.8重量%(生顆粒に対して)のPEG 4000を混合しながら加え、そしてこのミキサーを1分間作動させ続けた。二酸化チタン38.5重量%及び61.5重量%のカオリンより成る12.5重量%(生顆粒に対して)の粉末混合物を次に加えた。ミキサーを更に30秒作動させた後、 0.5重量%のPEG 4000を加え、そしてこのミキサーを更に1分作動させ続け、次いで3重量%(生顆粒に対して)の上記のTiO2/カオリン粉末混合物を添加した。このミキサーを次いで更に2分間作動させた。
【0287】
得られるコート化製品を15℃〜20℃の範囲のエアー入口で冷却用流動床(エアー流速約 1.5m/sに移し、次いでその中で引分冷却した。最終製品温度は26℃とした。
【0288】
冷却製品を二重デッキふるいでふるいにかけ、そして最後に袋詰めした。製品のサンプルをプロテアーゼ(Savinase(登録商標))活性及びダストレベルに対して調べ、下記の結果が得られた:
活性:6.56KNPU/g
ダスト(Heubach):全ダスト: 0.1mg;活性ダスト:43μg
【0289】
実施例23 繊維(洗濯)洗浄におけるSavinase(登録商標)/カサバデンプン
顆粒の性能
本例においては、本発明のコート化Savinase(登録商標)/カサバデンプン顆粒(本質的に実施例3(前掲)の通りに調製及びコーティングを施したが、高いレベルのSavinase(登録商標)を含む)を米国特許第 4,106,991号に係るタイプの標準の市販のSavinase(登録商標)顆粒(コート化顆粒)(Novo Nordisk A/S, Denmark 由来のSavinase(登録商標)6.0 T)のそれと比較した。
【0290】
Savinase(登録商標)/カサバ顆粒(活性6.81KNPU/g)及びSavinase(登録商標)6.0 T顆粒(活性的 6.5KNPU/g)のそれぞれを洗浄組成物〔China のRed OMO(登録商標)(コンパクト粉末)〕と一緒に、標準試験見本(Center for Test Materials, HollandのEMPA 117;血液、ミルク及びカーボンブラックで汚した白色の綿/ポリエステル)からの汚れ除去の性能について、日本国洗浄条件(後述)に相当する条件下で試験した。
【0291】
Red OMO(登録商標)はそのままでは酵素を含み、そしてここに記載の試験の目的のため、酵素含有物を使用前に下記の通りに失活させた(表示量は1回の洗濯当りの量である):35gのRed OMO(登録商標)コンパクト粉末をそのまま 400mlの脱イオン水の中に周囲温度で10分撹拌しながら溶解/分散させた。次にこの溶液/分散体を洗濯手順において使用する前に電子レンジの中で85℃で5分加熱した。
【0292】
各見本を黒色のT−シャツ(綿 100%)に取り付け、それを見本と一緒に洗い、洗濯の後にその上で任意の固形残渣(特に、カサバデンプン)が検出されうるかどうかを調べた。各洗濯につき、9枚の見本/T−シャツを一緒に洗った。コントロールの目的のため、対応の洗濯を洗浄媒体に酵素(酵素含有顆粒)を加えずに実施した。
【0293】
洗濯条件を以下にまとめる:
洗剤:Red OMO(登録商標)(使用前に酵素含有物を不活性化)
洗剤用量: 1.0g/l
pH:10.2〜10.3(調整なし)
洗濯時間:12分
洗濯温度:20℃
水の硬度:6°dH Ca2+ /Mg2+(2:1)
洗濯液容量:35リッター
洗濯媒体中の酵素濃度:10nM
洗濯機:日本製
試験布帛:EMPA 117見本+黒色T−シャツ
(1回の洗濯当り9枚の見本/T−シャツ)
適正な硬度の水は脱イオン水に塩化カルシウム及びマグネシウムを加えることにより調製した。
【0294】
試験見本の反射率/放射率RをElrepho 2000フォトメーター(開口部10mm, UVなし)を用いて 460nmで測定した。
【0295】
それらの結果を下記の表にまとめた。それらは各洗濯において9枚の見本/T−シャツについてのR値の平均値を供す。
【表20】

【0296】
どの場合も黒色T−シャツ材料の上に残渣は認められなかった。
【0297】
結果は本発明に係るコート化Savinase(登録商標)/カサバデンプン顆粒の洗濯性能が市販のSavinase(登録商標)6.0 T顆粒のそれに匹敵することを示した。
【0298】
実施例24 コアのつぶれ強度
本例においてはカサバデンプンコア(ブラジルの供給者より)及びノンパレルコアの様々なタイプ/画分のつぶれに対する耐久力を上記のようにして図1(後述)に示す装置を用いて決定した。
【0299】
次の表に示すつぶれ強度(g/mm2 表示)は注目のコアタイプ/画分のバッチからランダムに採った20個の粒子(コア)の値の平均である。標準偏差(SD)も示す。
【表21】

【0300】
実施例25
本例はポテトデンプンコア及びトウモロコシ(メイズ)デンプンコアのそれぞれを基礎とするコート化Savinase(登録商標)含有顆粒(本発明に係る顆粒)の調製を述べる。
【0301】
A:ポテトデンプンコアからの調製
段階1: 1.8〜3.2mm の粒子サイズ範囲を有する良好な吸収特性をもつポテトデンプンコア(TIPIAK, France由来)15kg部を50リッターのLodigeミキサーに導入し、そこでそれらに、150rpmで混合し、且つチョッパーを作動させないで、二流路ノズルを用いて 5.0kgの限外濾過Savinase(登録商標)濃縮物(27.4KNPU/g)を吹き付けた。
【0302】
次いでこの製品をGlatt WSG 5 流動床装置に移し、そして前述の通りに乾燥させた。
【0303】
段階2:この乾燥顆粒に 4.8重量%のPEG 4000及び二酸化チタンとカオリンとの1:1の混合物12.5重量%を実施例12(前掲)に記載の通りにコーティングした。
【0304】
コーティングを施した後の活性ダスト含有量(Heubach 法)は35μgであった。
【0305】
B:トウモロコシデンプンコアからの調製: 850〜2000μmの粒子サイズ範囲を有する15kg部のトウモロコシデンプンコア(Santos,India)をSavinase(登録商標)濃縮物で処理し、次いでポテトデンプンコアについての段階1に記載の通りにして乾燥させた。
【0306】
実施例26
本例はコート化フィターゼ/カサバデンプン顆粒の調製を述べる。
【0307】
顆粒1
段階1: 3.5kg部のカサバデンプンコア(Agro Comercial, Brazil;主たるサイズ範囲 300〜1000μmの画分)を20リッターのLodigeミキサーに導入した。このコアに、この装置の最高混合連度で混合しながら、フィターゼ濃縮物(Novo Nordisk A/S由来)を10700FYT/gの濃度に希釈することにより調製したフィターゼ溶液でコーティングした。チョッパーは作動させなかった。
【0308】
段階2:段階1由来の製品を流動床に移し、そして60℃で乾燥させた。
【0309】
段階3:乾燥した生顆粒をLodigeミキサーの中で約80℃において溶融水素化ヤシ油及びタルク5/0 M−10でコーティングした。このコーティングは下記の交互の層状で適用した(生顆粒に対する重量%):
1)5重量%の水素化ヤシ油;
2)12.5重量%のタルク;
3)1.0 重量%の水素化ヤシ油;
4)5.0 重量%のタルク;
5)2.0 重量%の水素化ヤシ油;
6)5.0 重量%のタルク。
【0310】
顆粒2
段階1〜3:顆粒1としては、段階1において採用した吹き付けフィターゼ溶液が65gの溶解Neosorb(登録商標)70/70を含むことを除き、上記のものとした。
【0311】
顆粒3
段階1〜3:顆粒としては、段階1において採用した吹き付けフィターゼ溶液が17.5gのポリビニルピロリドン(PVP K30)を含むことを除き、上記のものとした。
【0312】
顆粒4
段階1及び2:顆粒2と同様
段階3:省略
顆粒4は顆粒2に対応するが、コーティングを欠く。
【0313】
実施例27
本例において、実施例26の通りに調製したコート化フィターゼ/カサバデンプン顆粒のフィターゼ活性の保持を調べ、そして市販のフィターゼ含有顆粒(コート化顆粒;Novo Nordisk A/S, Denmarkより入手したフィターゼNovo CT)についてのそれと比較した。
【0314】
実施例26の通りに調製した顆粒1〜4及びフィターゼNovo CT 顆粒をBioteknologisk Institut, Kolding, Denmark において標準の手順に従い、いわゆるペレット化試験において比較した。この試験においては、対応の顆粒を市販の子ブタ飼料組成物と混合し、そしてその混合物を加熱及び高湿度条件下でペレットへと製剤化する。95℃において、3個のコート化カサバベース顆粒(顆粒1〜3)に由来するフィターゼ活性の測定保持は非常に近く(79〜84%の活性保持)、一方市販の(コート化)顆粒に由来する活性の保持は61%であった。同じ条件下での非コート化カサバベース顆粒に由来する活性の保持は約52%であった。
【0315】
従って、本例はデンプンベースコアに基づく顆粒としての酵素の製剤化が苛酷な条件下での不活性化に対してその酵素含有物の非常に著しい保護を供することができること、及び注目のタイプの顆粒は熱処理を必要とする飼料組成物の製造に非常によく適する(例えば、病原性生物の除去を確実にする)ことを示した。
【0316】
実施例28
実施例27において採用した顆粒(4種のカサバベース顆粒及びフィターゼNovo CT 顆粒)を、 50FYT/バッファー1mlのフィターゼ活性(顆粒として)で開始して、37.5℃において酢酸バッファー中で撹拌しながら「溶解」の渇き(フィターゼ活性の付随放出による)についても試験した。60分後、4種のカサバベース顆粒は全て90%より多のフィターゼ活性の放出を示し、一方市販の顆粒は60%より若干高いフィターゼ活性の放出を示した。
【0317】
従って本例は、例えば注目のタイプのデンプンベース顆粒が動物の消化系において得られるものと類似の条件下でその酵素含有物の有用性に関して非常に有利な特性をもつことを示す。
【図面の簡単な説明】
【0318】
【図1】図1は、コア粒子(又は最終酵素含有顆粒)の強さを測定するのに適当なつぶし試験の原理を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)酵素、及び
(b)コアであって5重量%以上(当該コアの重量に基づき)の水を本質的に吸収できるもの;
を含んで成る酵素含有顆粒。
【請求項2】
前記コアが本質的に20重量%以上(当該コアの重量に基づき)の水を吸収できる、請求項1記載の酵素含有顆粒。
【請求項3】
前記コアが本質的に30重量%以上(当該コアの重量に基づき)の水を吸収できる、請求項1又は2記載の酵素含有顆粒。
【請求項4】
前記顆粒において存在する前記酵素の全量の少なくとも一部が前記コア内に吸収されている、請求項1〜3のいづれか1項記載の酵素含有顆粒。
【請求項5】
前記顆粒において存在する前記酵素の全量の10重量%以上(活性酵素タンパク質として計算)が前記コア内に吸収されている、請求項1〜4のいづれか1項記載の酵素含有顆粒。
【請求項6】
前記顆粒において存在する前記酵素の全量の40重量%以上(活性酵素タンパク質として計算)が前記コア内に吸収されている、請求項1〜5のいづれか1項記載の酵素含有顆粒。
【請求項7】
前記顆粒において存在する前記酵素の全量の90重量%以上(活性酵素タンパク質として計算)が前記コア内に吸収されている、請求項1〜6のいづれか1項記載の酵素含有顆粒。
【請求項8】
前記顆粒の最大直径と最小直径との比が3未満である、請求項1〜7のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項9】
前記顆粒の最大直径と最小直径との比が 1.5未満である、請求項1〜8のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項10】
前記顆粒の最大直径と最小直径との比が 1.2以下である、請求項1〜9のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項11】
実質的に球状である、請求項1〜10のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項12】
外層が実質的に滑らかである、請求項1〜11のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項13】
前記コアがデンプン及び/又は改質デンプンを含んで成る、請求項1〜12のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項14】
前記コアが全部で25重量%以上のデンプン及び/又は改質デンプン(前記コアの重量に基づく)を含んで成る、請求項1〜13のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項15】
前記コアが全部で50重量%以上のデンプン及び/又は改質デンプン(前記コアの重量に基づく)を含んで成る、請求項1〜14のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項16】
前記コアが全部で75重量%以上のデンプン及び/又は改質デンプン(前記コアの重量に基づく)を含んで成る、請求項1〜15のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項17】
前記デンプンがカサバデンプン、サゴヤシデンプン、ポテトデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、モチトウモロコシデンプン、コムギデンプン、オオムギデンプン、モロコシデンプン、サツマイモデンプン及びヤムイモデンプンより成る群から選ばれる、請求項13〜16のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項18】
前記デンプンが部分糊化している、請求項13〜17のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項19】
前記糊化度が2%以上である、請求項18記載の顆粒。
【請求項20】
前記糊化度が10〜60%の範囲にある、請求項18又は19記載の顆粒。
【請求項21】
前記デンプン糊化度が30〜60%の範囲にある、請求項18〜20のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項22】
前記デンプン糊化度が95%以下である、請求項18又は19記載の顆粒。
【請求項23】
前記コアがデンプン及び/又は改質デンプンのみから実質的に成る、請求項1〜22のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項24】
前記コアが実質的に部分糊化デンプンのみから成る、請求項1〜23のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項25】
前記コアがシリケートを含んで成る、請求項1〜22のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項26】
前記シリケートがベントナイト、フラー土及び珪藻土より成る群から選ばれる、請求項25記載の顆粒。
【請求項27】
前記コアがバインダー、充填剤、可塑剤、繊維材料及び超吸収剤より成る群から選ばれる1又は複数種の材料を含んで成る、請求項1〜22,25又は26のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項28】
前記コアが、(i)コアのつぶしを開始させるのにかかる初期の力と(ii)コアの直径の二乗との比が 400g/mm2 より大きいものである、請求項1〜27のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項29】
ペプチダーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、オキシドリダクターゼ、フィターゼ及びキシラナーゼより成る群から選ばれる1又は複数種の酵素を含む、請求項1〜28のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項30】
コーティング層を更に含んで成る、請求項1〜29のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項31】
2枚以上のコーティング層を含んで成る、請求項30記載の顆粒。
【請求項32】
約50〜4000μmの範囲のサイズを有する、先の請求項のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項33】
300〜2000μmの範囲のサイズを有する、先の請求項のいづれか1項記載の顆粒。
【請求項34】
吸収性コアから酵素含有顆粒を製造するための方法であって、
(a)5重量%以上の水(当該コアの重量に基づき)を吸収できる吸収性コアを溶解及び/又は分散状の酵素を含む液体媒質と接触させる、ここで採用する当該液体媒質の量は得られる製品の付随凝集が実質的に起こらない量とする;そして
(b)前記得られる製品から液体媒質の揮発性成分を少なくとも部分的に除去する;
ことを含んで成る方法。
【請求項35】
前記コアによる前記液体媒質からの液相の吸収が工程(a)で行われる、請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記液相が溶解酵素を含む、請求項35記載の方法。
【請求項37】
前記液体媒質が水性媒質である、請求項34〜36のいづれか1項記載の方法。
【請求項38】
前記接触をミキサー内での混合により行う、請求項34〜37のいづれか1項記載の方法。
【請求項39】
前記接触を、前記コアを流動化させた条件下で行う、請求項34〜37のいづれか1項記載の方法。
【請求項40】
前記流動化を流動床装置内で行う、請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記液体媒質を、1又は複数のスプレーノズルから、前記吸収性コア上に吹き付ける、請求項34〜40のいづれか1項記載の方法。
【請求項42】
前記コアによる前記液体媒質の液相の実質的に完全な吸収を揮発性成分の前記除去の開始前に行う、請求項34〜41のいづれか1項記載の方法。
【請求項43】
前記液体媒質が界面活性剤を更に含む、請求項34〜42のいづれか1項記載の方法。
【請求項44】
前記液体媒質が結晶状の酵素を含む、請求項34〜43のいづれか1項記載の方法。
【請求項45】
前記揮発性成分の除去をミキサー内で行う、請求項34〜44のいづれか1項記載の方法。
【請求項46】
前記揮発性成分の除去を流動化条件下で行う、請求項34〜44のいづれか1項記載の方法。
【請求項47】
前記流動化条件下での揮発性成分の除去を流動床装置の中で実施する、請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記吸収性コアが実質的に球状である、請求項34〜47のいづれか1項記載の方法。
【請求項49】
前記吸収性コアの外層が実質的に滑らかである、請求項34〜48のいづれか1項記載の方法。
【請求項50】
前記吸収性コアがデンプン及び/又は改質デンプンを含んで成る、請求項34〜49のいづれか1項記載の方法。
【請求項51】
前記吸収性コアが全部で25重量%以上のデンプン及び/又は改質デンプン(前記コアの重量に基づく)を含んで成る、請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記コアが全部で50重量%以上のデンプン及び/又は改質デンプン(前記コアの重量に基づく)を含んで成る、請求項50又は51記載の方法。
【請求項53】
前記コアが全部で75重量%以上のデンプン及び/又は改質デンプン(前記コアの重量に基づく)を含んで成る、請求項50, 51又は52記載の方法。
【請求項54】
前記デンプンがカサバデンプン、サゴヤシデンプン、ポテトデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、モチトウモロコシデンプン、コムギデンプン、オオムギデンプン、モロコシデンプン、サツマイモデンプン及びヤムイモデンプンより成る群から選ばれる、請求項50〜53のいづれか1項記載の方法。
【請求項55】
前記デンプンが部分糊化している、請求項50〜54のいづれか1項記載の方法。
【請求項56】
前記糊化度が2%以上である、請求項55記載の方法。
【請求項57】
前記糊化度が10〜60%の範囲にある、請求項55又は56記載の方法。
【請求項58】
前記デンプン糊化度が30〜60%の範囲にある、請求項55〜57のいづれか1項記載の方法。
【請求項59】
前記デンプン糊化度が95%以下である、請求項55又は56記載の方法。
【請求項60】
前記吸収性コアがデンプン及び/又は改質デンプンのみから実質的に成る、請求項34〜59のいづれか1項記載の方法。
【請求項61】
前記吸収性コアが実質的に部分糊化デンプンのみから成る、請求項34〜60のいづれか1項記載の方法。
【請求項62】
前記吸収性コアがシリケートを含んで成る、請求項34〜59のいづれか1項記載の方法。
【請求項63】
前記シリケートがベントナイト、フラー土及び珪藻土より成る群から選ばれる、請求項62記載の方法。
【請求項64】
前記吸収性コアがバインダー、充填剤、可塑剤、繊維材料及び超吸収剤より成る群から選ばれる1又は複数種の材料を含んで成る、請求項34〜59,62又は63のいづれか1項記載の方法。
【請求項65】
前記吸収性コアが、(i)コアのつぶしを開始させるのにかかる初期の力と(ii)コアの直径の二乗との比が 400g/mm2 より大きいものである、請求項34〜64のいづれか1項記載の方法。
【請求項66】
前記液体媒質がペプチダーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、オキシドリダクターゼ、フィターゼ及びキシラナーゼより成る群から選ばれる1又は複数種の酵素を含む、請求項34〜65のいづれか1項記載の方法。
【請求項67】
前記揮発性成分の除去の最中又は後に前記顆粒にコーティング層を施すことを更に含んで成る、請求項34〜66のいづれか1項記載の方法。
【請求項68】
2枚以上のコーティング層を施すことを含んで成る、請求項67記載の方法。
【請求項69】
製造される酵素含有顆粒のサイズが約50〜4000μmの範囲を有する、請求項34〜68のいづれか1項記載の方法。
【請求項70】
請求項34〜69のいづれか1項記載の方法により得られる酵素含有顆粒。
【請求項71】
請求項1〜33又は請求項70のいづれか1項記載の酵素含有顆粒を含んで成る洗浄組成物。
【請求項72】
請求項71記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項73】
請求項71記載の食器洗い用洗浄組成物。
【請求項74】
請求項1〜33又は請求項70のいづれか1項記載の酵素含有顆粒を含んで成る動物飼料組成物。
【請求項75】
請求項1〜33又は請求項70のいづれか1項記載の酵素含有顆粒を含んで成るベーキング用組成物。
【請求項76】
洗濯又は食器洗いのための洗浄組成物における酵素含有成分としての請求項1〜33又は請求項70のいづれか1項記載の酵素含有顆粒の利用。
【請求項77】
動物飼料組成物の酵素含有成分としての請求項1〜33又は請求項70のいづれか1項記載の酵素含有顆粒の利用。
【請求項78】
ベーキング用組成物の酵素含有成分としての請求項1〜33又は請求項70のいづれか1項記載の酵素含有顆粒の利用。
【請求項79】
繊維処理用組成物の酵素含有成分としての請求項1〜33又は請求項70のいづれか1項記載の酵素含有顆粒の利用。

【図1】
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【公開番号】特開2008−79618(P2008−79618A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−312822(P2007−312822)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【分割の表示】特願平9−536660の分割
【原出願日】平成9年4月14日(1997.4.14)
【出願人】(500586299)ノボザイムス アクティーゼルスカブ (164)
【Fターム(参考)】