説明

酸化チタン組成物及びその製造方法

【課題】パール光沢顔料として適用した場合に意匠性と耐候性とを両立できる酸化チタン組成物の提供。
【解決手段】酸化チタンからなる鱗片状の基材と、該基材表面に形成され且つルチル型酸化チタンから構成される二次酸化チタン被覆層と、該二次酸化チタン被覆層表面に形成され且つアルミナ及び/又はジルコニアから構成される表面層と、を有することを特徴とする。つまり、比較的光触媒能が低いルチル型酸化チタンからなる二次酸化チタン被覆層を表面に形成したうえ、その表面に光学的な影響が少なく、酸化チタンを被覆して光触媒能を低減できるアルミナ、ジルコニアなどから形成される表面層を設けることで、意匠性を保ったまま、耐候性を向上することに成功した。ここで、二次酸化チタン被覆層は厚みが20nm以上、100nm以下であることが望ましい。また、、XRDにより測定した酸化チタンの(111)ピークの半値幅が0.59°以下であると、酸化チタンの結晶度が高くなり、耐候性が問題にならない程度の光触媒能になるからである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔料として用いた場合に高虹彩色を発現できる酸化チタン組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの外装色などとして、パール感を出すパール光沢顔料が用いられている。パール光沢顔料の光輝感を向上する目的で、70質量%〜95質量%のチタン組成物を含有する高虹彩色酸化チタン組成物が提案されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1は、干渉色による色彩が認められ得る新規で卓越した光輝感、色の鮮明度を発現し、しかも余色が濁らない高虹彩色酸化チタン組成物を提供する目的で、薄片状基質の表面上に被覆層を形成した被覆組成物であり、薄片状基質の板形の大きさが50〜800μmで且つ被覆層の厚さが0.05〜0.6μmであり、該被覆層は、70重量%〜95重量%のチタン組成物を含有する被覆組成物からチタン組成物の被覆層を剥離して形成される剥離組成物を高虹彩色酸化チタン組成物とすることを開示している。
【特許文献1】特開2003−55574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の酸化チタン組成物は塗料中に含有させた場合の耐候性が十分ではなかった。
【0005】
本発明は上記実情に鑑み為されたものであり、パール光沢顔料として適用した場合に意匠性と耐候性とを両立できる酸化チタン組成物及びその製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する目的で本発明者らが鋭意検討を行った結果、従来技術における酸化チタン組成物が耐候性に優れない理由として酸化チタンによる光触媒能による影響が推測された。そこで、本発明者らは意匠性に影響を与えることなく光触媒能を低下させることを目指して検討した結果、以下の発明を完成した。
【0007】
(1)すなわち、上記課題を解決する本発明の酸化チタン組成物は、酸化チタンからなる鱗片状の基材と、
該基材表面に形成され且つルチル型酸化チタンから構成される二次酸化チタン被覆層と、
該二次酸化チタン被覆層表面に形成され且つアルミナ及び/又はジルコニアから構成される表面層と、を有することを特徴とする。
【0008】
つまり、比較的光触媒能が低いルチル型酸化チタンからなる二次酸化チタン被覆層を酸化チタン(基材、二次酸化チタン被覆層)の表面に形成し、更に、その表面に光学的な影響が少なく、酸化チタンを被覆することができるアルミナ、ジルコニアなどから形成される表面層を設けることで、意匠性を保ったまま、耐候性を向上することに成功した。
【0009】
ここで、このような酸化チタン組成物は広がり方向の大きさが50μm以上800μm以下、厚みが0.05μm以上0.6μm以下である薄板乃至鱗片状の形状をもつことが望ましい。大きさを50μm以上にすることで製造が容易になり、800μm以下にすることで十分な機械的強度が得られる。
【0010】
更に、前記二次酸化チタン被覆層の厚みは20nm以上、100nm以下であることが望ましい。20nm以上にすることで、十分な耐候性が実現でき、100nm以下にすることで、二次酸化チタン被覆層の基材からの剥離発生などが防止できる。
【0011】
そして、XRDにより測定した酸化チタンの(111)ピークの半値幅が0.59°以下であることが望ましい。半値幅を0.59°以下にすると、酸化チタンの結晶度が高くなり、耐候性が問題にならない程度の光触媒能になるからである。
【0012】
ここで、前記基材はアナターゼ型酸化チタンから構成されることが望ましい。アナターゼ型の酸化チタンのほうが製造しやすいからである。
【0013】
(2)上記課題を解決する本発明の酸化チタン組成物の製造方法は、酸化チタンからなる鱗片状の基材の表面に酸化チタン又は水酸化チタンを含有する組成物を被覆する工程と、
その後、アルミナ及び/又はジルコニアから構成される表面層を形成する工程と、
前記被覆工程後に、700℃以上で処理し、被覆した前記組成物をルチル型酸化チタンとした二次酸化チタン被覆層を形成する熱処理工程と、を有することを特徴とする。
【0014】
ここで、700℃以上で処理することにより、二次酸化チタン被覆層を構成する酸化チタンをルチル型にすることができる。ルチル型にすることで前述したように、塗料に適用した場合の耐候性が向上できる。
【0015】
ここで、前記被覆工程における前記組成物の添加量は、前記基材の質量を100質量部とした場合に、前記二次酸化チタン被覆層が22質量部以上、24質量部以下となる量であることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の酸化チタン組成物は塗料組成物に適用した場合に、干渉色による色彩が認められ得る新規で卓越した光輝感、色の鮮明度を発現するとともに、高い耐候性を実現することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の酸化チタン組成物は塗料組成物中に含有させることでパール光沢をする用途に好適な組成物であり、薄板乃至鱗片状の形状をもつ。好ましい広がり方向の大きさは50μm以上800μm以下、更に好ましくは100μm以上700μm以下程度である。好ましい厚みは0.1μm以上10μm以下、更に好ましくは0.3μm以上1.0μm以下程度である。広がり方向の大きさをこの範囲内にすることで製造が容易になるとともに、十分な機械的強度が得られる。この大きさは後述する基材の大きさを制御することで概ね制御できる。本酸化チタン組成物は基材と二次酸化チタン被覆層と表面層とから構成される。また、厚みは必要とされる干渉色に応じて選択される。干渉色を強調するためには厚みが揃っていることが望ましい。
【0018】
基材は鱗片状の酸化チタンから構成されている。酸化チタンとしてはアナターゼ型、チタニア型のいずれの結晶構造であっても(が主であっても)構わない。特にアナターゼ型の方が製造が容易なので好ましい。基材を製造する方法は特に限定しない。例えば、目的とする基材と同程度の広がり方向の大きさをもつ薄片状基質の表面に酸化チタンからなる薄膜を形成した後、薄片状基質から剥離することで製造することができる。具体的に、この大きさの範囲に入りやすい薄片状基質としては、天然マイカ、合成マイカ、ガラスフレーク、シリカフレーク、アルミナフレーク、硫酸バリウム等が挙げられる。
【0019】
シリカフレークは、その形状、及び表面の平滑性の度合いを制御することが比較的容易であり、更に、その表面に均一な酸化チタンを、光沢が得られる特定の厚さまで被覆させることも比較的容易である等の点において薄片状基質として選択するには好ましい素材である。
【0020】
薄片状基質の厚さは特に規定されないが、0.1μm〜10μmの範囲が好ましい。粒子の厚さが0.1μm以下の場合、薄片状基質の周辺が丸くカールし、被覆・形成した酸化チタンの形状もカールすることになり干渉光沢が十分に発揮できない。また、粒子の厚さが10μm以上になると、薄片状基質の厚み方向に被覆した酸化チタンにも干渉色が発現され、異なる2以上の干渉色が混在することになり、全体としての干渉色が十分でなくなるからである。
【0021】
具体的に基材を製造する方法としては、硫酸チタニルや四塩化チタンの可溶性水溶液又はチタンアルコラートを含有する溶液などのような酸化チタン前駆体溶液に薄片状基質を混合した後、何らかの方法(例えば加熱や難溶性溶媒の添加)による沈殿生成によって、薄片状基質表面にチタン組成物を被覆する。更に、酸化乃至乾燥させることで薄片状基質表面に鱗片状の酸化チタンが形成できる。この鱗片状の酸化チタンはアルカリ雰囲気にするなどの化学的な手法や、超音波照射などの物理的な手法にて薄片状基質から剥離する。薄片状基質からの剥離は酸化チタンにした後に行うほか、酸化チタンに酸化する前の酸化チタン前駆体の状態でも同様に行うこともできる。好ましくは、300〜800℃で焼成し、アルカリ中(pH8以上)にて薄板状基質から被覆層を剥離することにより、カールが無く平滑性に優れた基材を得ることができる。
【0022】
酸化チタン前駆体の状態で剥離した場合にはその後、加熱などにより酸化を行って酸化チタンを生成する。酸化チタンの結晶型として、アナターゼ型にとどめると剥離が容易になり好ましい。基材中にはシリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化Ce、酸化Zn等の補強剤を含むことにより、耐光性・剥離組成物の粉砕強度を向上させることができる。
【0023】
基材を生成後、更に二次酸化チタン被覆層を表面に形成する。二次酸化チタン被覆層の形成は、前述した薄片状基質表面への基質の積層と同様に行うことができる。つまり、前述の薄片状基質に代えて基材を用い、その表面に酸化チタンの被覆層を形成する。なお、基質からの剥離を行わない点は異なっている。ここで、二次酸化チタン被覆層の膜厚は10nm以上100nm以下にすることが望ましい。そして、基質表面に二次酸化チタン被覆層を形成した後、700℃以上に加熱することで、二次酸化チタン被覆層における酸化チタンの結晶構造をルチル型にすることができる。なお、700℃以上での加熱は後述の表面層を形成した後に行うこともできる。
【0024】
表面層はアルミナ及び/又はジルコニアから構成される。二次酸化チタン被覆層を形成した基材の表面に対して、更に表面層を形成する方法としては、チタン化合物に代えてアルミニウム及び/又はジルコニウム化合物(アルミニウム及びジルコニウムの塩、アルコラートなど)を用いる以外は二次酸化チタン被覆層を形成する方法と同様である。表面層の厚みは10nm以上、100nm以下とすることが望ましく、30nm以上、70nm以下とすることが更に望ましい。この厚みとすることで、表面層の機能である酸化チタンの触媒能発現の抑制と、塗料中での分散性向上とを向上できる。
【実施例】
【0025】
(試験1)インド産のチップ状天然マイカ1.0kgを大気中800℃の温度で2時間燃成した。放冷後、このチップ状焼成天然マイカを上水10Lに浸漬させ、室温にて5日間放置した。このチップ状焼成天然マイカを間隔500μmの増幸産業社製マスコロイダーで2回通過、解砕した。解砕した焼成天然マイカを50L入りポリタンクに移し、これに0.02質量%のヘキサメタリン酸水溶液を加えて、全量を45Lとした。
【0026】
プロペラ撹拌機で撹拌し、5分間静置後、上澄液を別の容器に移す操作を3回繰返し、0.1mm以上の大粒子を分級した。得られた上澄液を標準篩10メッシュ(800μm)と65メッシュ(203μm)とを用いて篩分級し、10〜65メッシュの粒子径を有する薄片状基質としてのマイカ粉末を150g得た。
【0027】
〔基質の製造〕:次に、分級したマイカ粉末150gに対して、硫酸チタニル400gと上水7.5Lとを加えて、プロペラ撹拌しながら硫酸チタニルを溶解した。硫酸チタニルの溶解後、撹拌しながら加熱し、90℃以上の温度で4時間加熱することで加水分解処理した。放冷後、水洗、ろ過し、150℃で乾燥した。更に、300℃で2時間焼成し、薄片状基質の表面に基質が形成された粉末組成物を得た。
【0028】
10質量%の荷性ソーダー水溶液を加えてpH11に調整した水中に、粉末組成物を浸漬し静置した。上澄に浮離した粉末をデカンテーション法で分級し、分級粉末をろ過、水洗した。得られた分級粉末(基質)は120gであった。この分級粉末は大きさの平均値が10μm、厚みの平均値が0.22μmであった(レーザー法にて測定)。
【0029】
〔被覆工程〕:基質100gに対して、硫酸チタニル400gと上水5Lとを加えて、プロペラ撹拌しながら硫酸チタニルを溶解した。硫酸チタニルの溶解後、撹拌しながら加熱し、90℃以上の温度で4時間加熱することで加水分解処理した。放冷後、水洗、ろ過し、150℃で乾燥した。
【0030】
〔熱処理工程〕:更に、種々の焼き付け温度(試験例1:850℃、試験例2:800℃、試験例3:750℃、試験例4:700℃、試験例5:650℃、試験例6:600℃)で2時間焼成し、薄片状基質の表面に基質が形成された粉末組成物を得た。熱処理を行わなかった粉末組成物を試験例7とした。基材の質量を100質量部とした場合に二次酸化チタン被覆層は58質量部に相当する酸化チタンの被膜が形成された。
【0031】
〔表面層形成工程〕:各試験例の粉末組成物50gに硫酸アルミニウム4.1gを2Lの水に溶解した水溶液を加え、更にオキシ塩化ジルコニウム2gと尿素9gと加えた。プロペラ撹拌しながら加熱し、80℃以上で5時間加水分解処理を行った。放冷後、水洗、ろ過し150℃で乾燥した。この乾燥粉末を大気中700℃2時間焼成することで、アルミナ及びジルコニアからなる表面層(Al:Zr=1:3(モル比))を形成した。得られた粉末(酸化チタン組成物)は60gであった。得られた酸化チタン組成物は大きさの平均値が10μm、厚みの平均値が0.25μmであった(レーザー法にて測定)。
【0032】
(試験2)
被覆工程における基質の量を100質量部とした場合に、被覆される酸化チタンの相当量が22質量部(試験例8)、24質量部(試験例9)、26質量部(試験例10)とし、焼き付け温度を750℃に統一した以外は、試験1と同様の方法にて、試験例8〜10の試験試料を調製した。なお、試験例3の試験試料(二次酸化チタン被覆層の質量が基材の質量を100質量部とした場合に22質量部とした試料)は試験例8の試験試料と同一である。
【0033】
(二次酸化チタン被覆層の膜厚測定)
試験例8〜10の試験試料について二次酸化チタン被覆層を測定した。二次酸化チタン被覆層の厚みは干渉色の測定により各試験試料である酸化チタン組成物の厚みを測定したうえで基材の厚みを減ずることで算出した。試験例8の試験試料における二次酸化チタン被覆層は20nm、試験例9の試験試料における二次酸化チタン被覆層は30nm、試験例10の試験試料における二次酸化チタン被覆層は40nmであった。ここで、試験例10の試験試料における二次酸化チタン被覆層の厚みが大きいのは二次酸化チタン被覆層の密着性が十分でなかったものと推測される。
【0034】
(XRDの測定)
得られた試験例1〜10の試験試料について、理学電機社製X線回折装置ミニフレックスでXRDの測定測定を行った。得られたX線回折パターンから、酸化チタンの(111)面におけるピークの半値幅を算出した。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
(耐候性試験)
試験例1〜10の試験試料について塗料を調製して耐候性を評価した。塗料組成物は、各試験例の試験試料が5.5質量部に対して、アクリル樹脂が50質量部、トルエンが15質量部、酢酸ブチルが25質量部、高沸点溶剤が4.5質量部を混合することで調製した。
【0037】
各試験例の塗料組成物を0.8mm軟鋼板に膜厚が30〜35μmになるようにバーコーターで塗装し、常温で10分放置後、80℃、20分焼き付け処理し、各試験例の塗装試験片を得た。得られた塗装試験片上の塗膜は緑から青緑。青色と角度によって色が変わる鮮やかな干渉色を有していた。
【0038】
各試験例の塗装試験片をキセノン灯(スガ試験機、照度180(W/m2、300〜400nm)を用い、照射120分+(照射+降雨18分間)のサイクルを計1200時間、ブラックパネル温度63℃、湿度50%にて耐候性試験を行った。耐候性試験前後のそれぞれの試験試料について色彩計(コニカミノルタ社製、型番:CM512−M3)にて塗板を測定し色差を算出することで耐候性を評価した。
【0039】
その結果、色差はXRDにて測定した(111)面における半値幅の値に依存して変化することが明らかとなった。具体的には、半値幅が0.494°(試験例2)の場合にΔEが1.05、0.541°(試験例3)の場合に1.98、0.588°(試験例4)の場合に2.85、0.612°(試験例5及び6)の場合に4.76であった。その他の試験例の試験試料についても半値幅の値に応じた色差を示した。
【0040】
従って、半値幅が0.612°未満(より望ましくは0.588°以下、更に望ましくは0.588°未満や、0.541°以下)である場合にほぼ満足のいく色差(耐候性)が得られることが判った。
【0041】
以上の結果から、(1)焼き付け温度としては700℃以上(更には750℃以上)が好ましいこと、(2)二次酸化チタン被覆層の質量が基材の質量を100質量部とした場合に22質量部以上24質量部以下が好ましいこと、(3)二次酸化チタン被覆層の膜厚としては20nm以上100nm以下が好ましいことがそれぞれ明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の酸化チタン組成物は塗料組成物に含有される顔料などに好適に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化チタンからなる鱗片状の基材と、
該基材表面に形成され且つルチル型酸化チタンから構成される二次酸化チタン被覆層と、
該二次酸化チタン被覆層表面に形成され且つアルミナ及び/又はジルコニアから構成される表面層と、を有することを特徴とする酸化チタン組成物。
【請求項2】
広がり方向の大きさが50μm以上800μm以下、厚みが0.05μm以上0.6μm以下である請求項1に記載の酸化チタン組成物。
【請求項3】
前記二次酸化チタン被覆層の厚みは20nm以上、100nm以下である請求項1又は2に記載の酸化チタン組成物。
【請求項4】
XRDにより測定した酸化チタンの(111)ピークの半値幅が0.59°以下である請求項1〜3のいずれかに記載の酸化チタン組成物。
【請求項5】
前記基材はアナターゼ型酸化チタンから構成される請求項1〜4のいずれかに記載の酸化チタン組成物。
【請求項6】
酸化チタンからなる鱗片状の基材の表面に酸化チタン又は水酸化チタンを含有する組成物を被覆する工程と、
その後、アルミナ及び/又はジルコニアから構成される表面層を形成する工程と、
前記被覆工程後に、700℃以上で処理し、被覆した前記組成物をルチル型酸化チタンとした二次酸化チタン被覆層を形成する熱処理工程と、を有することを特徴とする酸化チタン組成物の製造方法。
【請求項7】
前記被覆工程における前記組成物の添加量は、前記基材の質量を100質量部とした場合に、前記二次酸化チタン被覆層が22質量部以上、24質量部以下となる量である請求項6に記載の酸化チタン組成物の製造方法。

【公開番号】特開2007−56214(P2007−56214A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−246395(P2005−246395)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(594053590)日本光研工業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】