説明

酸化型の可逆的に膨張する顆粒状デンプン生成物

酸化前の耐性デンプンよりも、少なくとも20%大きい冷水での水和を有する、迅速に水和可能な酸化型耐性デンプンであって、これは、過ヨウ素酸塩、クロム酸、過マンガン酸塩、二酸化窒素およびアルカリ金属の次亜塩素酸塩からなる群より選択される酸化剤による酸化により作製可能である。このデンプンは、迅速に水和可能な耐性デンプンを調製するためのプロセスにより作製され得、このプロセスは、アルカリおよび/または熱の存在下でデンプン顆粒を膨張させる工程、少なくとも1つの架橋剤を分散させる工程、この分散物を混合する工程、この分散物に酸化剤を添加する工程ならびにこの分散物を攪拌する工程を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、概して、小腸での消化に耐性である傾向を有する耐性デンプン生成物に関する。より具体的には、本発明は、改善された親水特性を有する、酸化型の可逆的に膨張可能なデンプン生成物、および、これらの生成物を調製する方法に関する。これらのデンプン生成物は、一般的に、個々の、化学的に架橋されたデンプン顆粒の形態であり、これらは、とりわけ、温水または冷水中できわめて迅速に水和し得、さらに例外的に安定なエマルジョンを形成し得る。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の説明)
冷水で膨張する顆粒状デンプンは、周知である。これらのデンプンは、迅速に流れる熱気中で湿った天然のデンプン顆粒を懸濁し、続いて、湿度を減少させることにより調製され得る(特許文献1)。あるいは、これらは、過剰の水/アルコール中でデンプンを加熱し、続いて液体を除去することにより調製され得る(特許文献2)。
【0003】
公知の冷水で膨張する顆粒状デンプンが温水または冷水中に置かれる場合、この顆粒は、過剰に膨張し、水相に可溶性のデンプンを放出する。乾燥させると、個々の膨張したデンプン顆粒は、崩壊し、共に融合する。融合した顆粒は、再び挽かれ得るが、その後効果的に肥厚せず、食品に鈍い味を生成する。
【0004】
これらの特性の結果として、代表的な冷水で膨張するデンプンは、ゼラチン化が回避されるべき食物系(food system)(例えば、ブロスまたは他の水性食品)において限定された有用性しか有さない。このような水性系(watery system)において、従来のデンプンは膨張およびゼラチン化し、そしてアミロースを放出する。そして、これは、保存されると、食物に魅力のない質感を与える。さらに、公知のデンプンが可逆的に膨張可能ではない(すなわち、連続的な膨張/乾燥サイクルに耐えることができない)という事実は、従来のデンプンの有用性を制限する。
【0005】
食品等級のデンプンにおいて重要な別の因子は、そのインビボ消化特性に関する。デンプンは植物において食物の蓄積として働き、そしてデンプンはヒトの食事において重要な成分である。デンプンの消化は、マルトース、マルトトリオースおよびデキストリンの形成を触媒する唾液のαアミラーゼおよび膵臓のαアミラーゼにより媒介される。後者の産物は、さらに小腸の刷子縁で、D−グルコースに加水分解される。αアミラーゼ(MW 50,000〜60,000ダルトン)は、デンプンを構成するアミロース分子およびアミロペクチン分子内のα−1,4結合の加水分解を触媒する、エンド作用性(endo−acting)酵素である。これらは、α−1,6結合を加水分解しないが、それらをバイパスし得る。グルコアミラーゼおよびαグルコシダーゼは、デンプンのα−1,4結合とα−1,6結合との両方を切断するエキソ作用性(exo−acting)酵素である。
【0006】
1980年代の初頭において、数種のデンプンが消化に耐性であることが明らかになった。その代わり、それは結腸に入り、細菌により発酵される。上部消化管における消化に対するデンプンの耐性は、内因性の因子(食物の物理的状態ならびにその調製および保存が挙げられる)および外因性の因子(デンプンの消化に影響する生理状態)に依存することが認識される。結腸に入るデンプンは、上部消化管における唯一の生理的影響(すなわち、エネルギーを提供するD−グルコースの生成)と比較して、多くの異なる生理的影響(以下参照のこと)を発揮する。
【0007】
1987年、英国ケンブリッジのMRC Dunn Clinical Nutrition CenterのEnglystおよびCummingsは、適当なデンプンのインビボ消化特性に基づくデンプンの分類を提唱した。また彼らは、デンプンの種々の消化特性を模倣するインビトロアッセイ方法を考案した。3つのクラスの食事性デンプンが、提唱された:
(1)迅速に消化可能なデンプン(RDS)。RDSは、おそらくヒト小腸において迅速に消化される;例としては、新たに調理されたコメおよびジャガイモならびにいくつかの即席の朝食用の穀類が挙げられる。
【0008】
(2)緩徐に消化可能なデンプン(SDS)。SDSは、おそらく小腸においてゆっくりだが完全に消化される;例としては、生の穀類デンプンおよび調理されたパスタが挙げられる。
【0009】
(3)耐性デンプン(RS)。RSは、おそらく小腸における消化に耐性である。
【0010】
したがって、RSは、おそらく健康な個体の小腸内で吸収されないデンプンおよびデンプン分解産物の総和として定義される。RSは、耐性の原因に依存して、4つのカテゴリーに細分され得る(Englystら、1992;Eerlingenら、1993)。
【0011】
RS.sub.1:例えば、部分的に製粉された穀類または冷却後のマメにおけるタンパク質マトリクスまたは植物細胞壁内に顆粒が包括されることに起因する、物理的に隔絶されたデンプン。
【0012】
RS.sub.2:例えば、ジャガイモまたは青いバナナ由来の生のデンプン顆粒。これらの顆粒が、その表面を貫通する微小孔をおそらく欠いているので、これはαアミラーゼによる消化に耐性である。
【0013】
RS.sub.3:調理/冷却されたジャガイモおよびコーンフレークに生じるような、デンプンまたはデンプン食物の加熱処理/加湿処理により形成される退行性(retrograded)アミロース。
【0014】
RS.sub.4:化学的に改変されたデンプン(例えば、アセチル化、ヒドロキシプロピル化(hydroxypropylated)または架橋されたデンプン)。これはαアミラーゼによる消化に耐性である。これらの改変されたデンプンは、RSのインビトロアッセイにより検出され得る。しかしながら、いくつかのRS.sub.4は、結腸内で発酵され得ない。
【0015】
RS.sub.1、RS.sub.2、RS.sub.3は、デンプンの物理的に改変された形態であり、水酸化ナトリウムまたはジメチルスルホキシド中で可溶化されると、αアミラーゼにより消化されやすくなる。RS.sub.4は、化学的に改変され、溶解されたとしても、αアミラーゼによる消化に耐性なままである。
【0016】
RSの食物成分としての関心が増加している。一般的な食事性繊維供給源とは違い、RSは大量の水を保持せず、したがって、RSは、低湿度の製品(例えば、クッキーおよびクラッカー)における使用のための好ましい繊維の供給源であり得る。また、RSはざらざらした舌触りではなく、従来の繊維供給源とは違い、食物の香味特性および質感特性は、顕著には変更しない。これらの特徴は、RSが添加される場合において、食物(例えば、焼いた製品および成型された製品)の加工および質を改善し得る。さらに、RSは食事性繊維を構成し、0カロリーと割り当てられ得る。
【0017】
RSは、食物の食事性繊維画分とみなされ、ヒト消化管において繊維として機能すると考えられる。ヒト胃腸管におけるRSの低減したバイオアベイラビリティは、有意な生理的影響(例えば、緩徐なグルコース放出およびより低い血中脂質を伴う食後のより低い血糖応答)を有する。RSが結腸に達する場合、RSは水素、メタン、二酸化炭素、乳酸(一過的に)および短鎖脂肪酸(アセテート、プロピオネートおよびブチレート)に発酵され、結腸の疾患の予防を示す有益な影響が意図される。
【0018】
デンプンの消化性は、加工条件および保存条件により影響され得ることが公知である。デンプンの化学改変は、そのインビトロ消化性を阻害し、阻害の程度は、改変の程度、そしておそらく改変の型に関することが示されている。バリエーションは、デンプンの植物起源、使用される改変因子、続いて形成される化学結合および誘導体、顆粒のゼラチン化の程度および酵素の選択に依存する(Anonymous 1972、Filer 1971)。Banksら(1973)は、置換の程度がヒドロキシエチルアミロースへのデンプン分解性の攻撃の速度および程度を決定したことを実証した。
【0019】
LeegwaterおよびLuten(1971)は、0.45% HPまでの置換の程度の増加に伴う、パンクレアチンによるヒドロキシプロピル置換されたデンプンの消化性の指数関数的な低下を報告した。Janzen(1969)は、消化後の残基の重量により決定される場合に、0.05%および0.1%POClにより架橋されたジャガイモデンプンリン酸塩が、パンクレアチンによるインビトロ消化に影響を与えないことを報告した。しかしながら、0.5%および1.5%POClによる改変は、加水分解を相当な程度阻害する。
【0020】
HoodおよびArneson(1976)は、ヒドロキシプロピルジデンプンリン酸塩(distarchphosphate)の改変が非ゼラチン化デンプンの消化を増大させるが、ゼラチン化デンプンの消化を減少させることを報告した。架橋の導入は、顆粒構造を安定化させ、そして膨張の程度を制限する傾向がある。高い程度の架橋に伴い、顆粒のゲル相の有孔性は、微細過ぎて大型の分子を許容し得ない。数例の報告は、リン酸塩の架橋が、非改変のデンプンと比較した場合、わずかに酵素による加水分解を減少させるか、または加水分解に何の影響も与えないことを示した(Anonymous 1972、Ostergard、1988;Bjorckら、1988)。ヒドロキシプロピルジデンプンリン酸塩、ヒドロキシプロピルデンプンおよびジデンプンリン酸塩を摂食したラットの腸管の微生物叢の変化は、エーテル結合を含むデンプンが、リン酸結合のみを含むものよりも消化されにくいことを示す(Hood、1976)。ジャガイモデンプンのヒドロキシプロピルジデンプンリン酸塩誘導体は、ラットにおいて50%のインビボ消化性を示す(Bjorckら、1988)。
【0021】
一般的な食事性繊維の公知の健康上の利益および食品中のRS.sub.4デンプンの潜在的に利益のある、さらなる特性を考慮して、当該分野において、αアミラーゼ消化への高い程度の耐性を有する改善されたRS.sub.4デンプン、およびこのような化学改変されたデンプンを生成する低コストの方法に対する必要性が存在する。
【0022】
RS4は、架橋により生成され得、大半の溶媒中での溶解に耐性である。特許文献3は、改善された耐性デンプン(RS4)を記載し、これは可逆的に膨張するように改変される。これらのデンプンは、多くの新規の特性(実質的にデンプン顆粒の個体性を維持し、最小量の可溶性デンプンを浸出しながら、膨張と乾燥との複数のサイクルに耐える能力が挙げられる)を有する。これらの生成物はまた、それ自身の重量より多い水を吸収し得る。
【0023】
デンプン化合物の酸化による改変されたデンプンの調製は、周知である。酸化型デンプン生成物は、多くの工業(例えば、製紙業、織物業、洗濯業、建築業および食品業)において有用である。例えば、製紙業において、デンプンは賦形剤、繊維保持剤およびコーティングとして作用する。
【0024】
酸化は、一般的に、低粘度、高い安定性、高い透明度ならびに改善された結合特性およびフィルム形成特性を有するデンプン生成物を生成する。酸化型デンプン顆粒は、低温で膨張する傾向を有し、かつその程度は、未処理のデンプン顆粒よりも大きい。酸化型デンプンの調製は、pH、温度、時間ならびに酸化剤および塩の濃度の厳密な条件下で、一般的に実行される。種々の酸化剤(過ヨウ素酸塩、クロム酸、過マンガン酸塩、二酸化窒素および次亜塩素酸ナトリウムが挙げられる)が使用されている。経済上の理由から、アルカリ金属の次亜塩素酸塩が好ましい酸化試薬である。
【0025】
酸化の型および程度を制御する主な因子は、使用されるアルカリ金属の次亜塩素酸塩の量、pH、温度、触媒としての金属イオンまたは臭化物イオンの存在、反応の固形分およびデンプンの物理的な状態(例えば、植物起源、顆粒構造の完全性)である。次亜塩素酸塩の酸化は、pHにより顕著に影響され、アルデヒド基、ケトン基およびカルボキシル基を、それぞれ低pH、中性pHおよび高pHにおいて主に形成する。大半の穀類(例えば、トウモロコシ、コムギ、モチトウモロコシ)デンプンを使用する場合、反応の速度は、中性pH付近で非常に速く、pH11.0より高いと非常に遅い。次亜塩素酸塩の酸化の反応速度は、温度が10℃上がると2〜4倍に増加する傾向がある。臭化物イオンまたはコバルトイオンの存在は、アルカリpHにおいて触媒効果を発揮する。硫酸ニッケルもまた、次亜塩素酸塩の酸化に対し触媒効果を有することが示された。
【0026】
酸化剤(例えば、次亜塩素酸ナトリウム)によるデンプンの酸化は、非特許文献1および非特許文献2により記載される。酸化反応の間、デンプン分子上のヒドロキシル基は、最初にカルボニル基へ酸化され、次いでカルボキシル基へ酸化される。改変されたデンプン上のカルボキシル基およびカルボニル基の数は、酸化のレベルを示し、この酸化は主に、図1に示すように、C−2位、C−3位およびC−6位のヒドロキシル基で生じる。
【0027】
酸化型デンプン顆粒は、未処理のデンプン顆粒よりも、低い温度で、かつ大きな程度に膨張する傾向を有する。先行技術の酸化型デンプン生成物は、水中に分散され、顆粒の融解温度またはゼラチン化温度を越えて加熱されると、過度に膨張し、共に融合する傾向を有する。調理後、これらの生成物は、顆粒構造を維持せず、むしろ塊になって、糊様の系を形成する。
【特許文献1】米国特許第4,280,851号明細書
【特許文献2】米国特許第4,465,704号明細書
【特許文献3】米国特許第6,299,907号明細書
【非特許文献1】Rutenberg、Starch Chemistry and Technology(1984);第2版 pp.315〜323
【非特許文献2】Wurzberg、Modified Starches:Properties and Uses(1986)pp.23〜29
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0028】
(要旨)
本発明は、先行技術のデンプン生成物よりも改善された水親和性を有するデンプン生成物を提供し、これは温水または冷水中で迅速に水和し、安定なエマルジョンを形成する。本発明のデンプン生成物は、天然のデンプン顆粒または初期に改変されたデンプン顆粒を含み、これらは、最初、事前に膨張され、そして化学的に架橋され、その後酸化されて、顆粒状のデンプン構造上の親水性部分を形成する。実質的に、あらゆるデンプンが、本発明にしたがって改変され得るが、比較的安価なデンプン(例えば、コムギデンプンおよびトウモロコシデンプン)が好ましい。本発明におけるデンプンは、酸および/または熱および/または酵素の加水分解作用により、事前に改変され得る。
【0029】
要約すると、出願人により開示および特許請求される本発明は、以下の改変されたデンプン組成物および改変されたデンプン組成物を作製するためのプロセスを含む。
【0030】
1.酸化前の耐性デンプンよりも少なくとも20%大きい、冷水での水和を有する、迅速に水和可能な酸化型耐性デンプン。
【0031】
2.酸化前の耐性デンプンよりも少なくとも100%大きい、冷水での水和を有する、迅速に水和可能な酸化型耐性デンプン。
【0032】
3.酸化前の耐性デンプンよりも少なくとも20%大きい、温水での水和を有する、迅速に水和可能な酸化型耐性デンプン。
【0033】
4.酸化前の耐性デンプンよりも少なくとも120%大きい、温水での水和を有する、迅速に水和可能な酸化型耐性デンプン。
【0034】
5.酸化前の耐性デンプンよりも少なくとも20%大きい、水/デンプン エマルジョンの安定性を有する、迅速に水和可能な酸化型耐性デンプン。
【0035】
6.酸化前の耐性デンプンよりも少なくとも20%大きい、冷水での水和を有し、かつ酸化前の耐性デンプンよりも少なくとも20%大きい、温水での水和を有する、迅速に水和可能な酸化型耐性デンプン。
【0036】
7.酸化前の耐性デンプンよりも少なくとも20%大きい、冷水での水和を有し、酸化前の耐性デンプンよりも少なくとも20%大きい、温水での水和を有し、かつ酸化前の耐性デンプンよりも少なくとも20%大きい、水/デンプン エマルジョンの安定性を有する、迅速に水和可能な酸化型耐性デンプン。
【0037】
8 迅速に水和可能な耐性デンプンを調製するためのプロセスであって、このプロセスは、アルカリおよび/または熱の存在下で、デンプン顆粒を膨張させる工程、少なくとも1つの架橋剤を分散させる工程、この分散物を混合する工程、この分散物に酸化剤を添加する工程、ならびにこの分散物を攪拌する工程を包含する。
【0038】
9.迅速に水和可能な耐性デンプンを調製するためのプロセスであって、このプロセスは、少なくとも1つの架橋された耐性デンプンの水性分散物を調製する工程、約10℃〜約50℃(高アミラーゼデンプンの場合、80℃)の温度でこの分散物を混合する工程、約7〜約12のpHで、(50重量%を占めるデンプンの総重量に基づいて)約0.1重量%〜約50重量%の量の酸化剤をこの分散物に添加する工程、および約1時間〜約24時間の範囲の期間、攪拌する工程を包含する。
【0039】
本発明の改変されたデンプンは、顕著な特性を示す。例えば、改変されたデンプンは、従来の架橋された耐性デンプンよりもはるかに大きな量の温水および冷水を吸収し得るか、または吸着し得、かつ水和プロセスもしくは脱水プロセスの間、過度の凝塊形成も凝集することも有さない。さらに、このデンプンは、甚だしく攪拌することなしに、冷水もしくは温水または油/水混合物に容易に分散する。酸化により提供される高親水性部分は、このデンプンを、増粘剤、安定化剤および/または懸濁化剤としての使用のために適切にするか、あるいは生物活性成分の送達のためのベクターとしての使用のために適切にする。この酸化型デンプン生成物は、製品(例えば、食物、化粧品および医薬品)中の他のポリマー(例えば、親水コロイド)またはタンパク質とともに使用される場合に増大した安定性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
(実施形態の説明)
図面および以下の実施例は、本明細書の一部を形成する。図面および実施例は、例示の目的のためのみであり、本発明を限定するとは意図されない。なぜなら本発明は、特許請求の範囲により規定されるからである。当業者は、種々の改変および置き換えが、本明細書に記載の実施形態になされ得、その結果が、依然として特許請求される発明の意図および範囲内に入ることを認識する。
【0041】
本発明のデンプン生成物は、温水または冷水中でのきわめて迅速な水和および水性環境での安定化により特徴付けられる。概して、本発明のデンプン生成物は、膨張されるか、または事前に膨張され化学的に架橋される、個々のデンプン顆粒の形態で調製される。続いて、これらの生成物は酸化され、デンプンのヒドロキシル基が、より親水性のカルボニル基およびカルボキシル基へ変換される。負に荷電したデンプン(starchate)イオンの形成を増大させるために、デンプン生成物の酸化は、pH8.0より高いアルカリ条件下で達成される。
【0042】
本発明の好ましいデンプンは、酸化しない生成物よりも、少なくとも10%高い水親和性を示すことが見出されている。さらに、これらの好ましいデンプンは、室温で、例えば、少なくとも約15日間、そして通常少なくとも約30日間の延長された保存によって、それらの特徴を示す。
【0043】
本発明の組成物の混合および膨張の増大の容易さは、以下の様式により説明され得る:(1)デンプンが水溶液中に置かれる場合に、親水性のカルボニル基およびカルボキシル基は、顆粒の内部の隙間へより多くの水を引き付ける;および(2)デンプンのヒドロキシル基を電気的に反発するカルボキシル基に変換することは、デンプン顆粒間の水素結合を減少させる。
【0044】
種々の異なるデンプンは、本発明にしたがって改変され得、実際、本質的にあらゆるデンプンが、本明細書に記載されるように改変され得る。改変のためのデンプンは、天然のデンプンまたは改変されたデンプンであり得、改変されたデンプンとしては、置換されたデンプンまたは変換されたデンプンが挙げられ得る(実施例は、酸または酵素により、ヒドロキシプロピル化(hydroxyprophylation)および/または加水分解される)。有用なデンプンとしては、穀類デンプン、根デンプン、塊茎デンプン、 マメデンプンおよび高アミロースデンプンが挙げられる。しかしながら、好ましくは、デンプンは、コムギデンプン、モチ(waxy)コムギデンプン、トウモロコシデンプン、モチトウモロコシデンプン、高アミロースのトウモロコシデンプン、カラスムギデンプン、コメデンプン、タピオカデンプン、リョクトウデンプン、ジャガイモデンプンおよびそれらの混合物からなる群より選択される。
【0045】
本発明において有用なデンプンは、異なる架橋剤の組み合わせ(例えば、トリメタリン酸ナトリウム(STMP)、トリポリリン酸ナトリウム、塩化ホスホリル、エピクロロヒドリンおよびそれらの混合物からなる群より選択されるもの)を使用する多くの方法により、化学的に架橋され得る。架橋反応が、アルカリ(例えば、アルカリ金属の水酸化物)ならびに/または熱および塩(例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物、硫酸塩または炭酸塩)の存在下で、デンプン顆粒を膨張させることにより実行されることが特に好ましい。アルカリ塩基は、デンプンの膨張を促進するために存在し、一方で、塩は、デンプン塩の顆粒構造の完全な破壊(すなわち、ゼラチン化)をもたらし得る過剰な膨張を防止するために添加される。好ましい事前の膨張/架橋の条件およびパラメータは、米国特許第6,299,907号(これは、本明細書において明白に参考として援用される)に示される。
【0046】
さらなる詳細において、最も好ましい初期架橋反応は、水中で、まずデンプン顆粒の分散物を形成させるプロセスを伴う。ここで、顆粒は、この分散物中で膨張され、結晶性の相を有する。架橋剤は、この分散物に添加される一方で、顆粒は、膨張され、それにより膨張した顆粒を架橋する。架橋は、膨張した顆粒の完全なゼラチン化を避ける上記のような条件下で実行される。その後、顆粒の結晶性の相を融解させるために、架橋されたデンプン顆粒は過剰な水中で加熱される。
【0047】
好ましい手順において、架橋剤の添加の前に、デンプン顆粒は、まずデンプン/水分散物を形成し、そしてこの分散物を加熱して、顆粒を膨張させることにより、事前に膨張される;事前に膨張させる工程は、好ましくは、塩基(例えば、膨張を促進するアルカリ金属の水酸化物)および塩(例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物、硫酸塩または炭酸塩)の存在下で実行される。
【0048】
繰り返すと、事前に膨張させ、架橋する工程が、デンプン顆粒の完全なゼラチン化を避けるように実行されることが重要である。したがって、事前の膨張の間のデンプン分散物の温度は、一般的に、デンプンのゼラチン化温度より5℃〜10℃低い。塩基の量を減らして、高濃度(デンプンに基づいて20%より多い)の塩が使用される場合、高い温度(例えば、70℃〜80℃)でデンプンを事前に膨張させることも可能である。アルカリ金属の水酸化物は、通常、デンプンに基づいて1重量%〜3重量%のレベルで存在するが、塩は、同一の成分に基いて約5重量%〜25重量%のレベルで使用される。事前に膨張させる系のpHは、一般的に約10〜12である。
【0049】
架橋工程の間、この分散物は、その中に約10重量%〜40重量%の固体デンプンを有するはずである。架橋工程は、一般的に、約0.1時間〜24時間、より好ましくは約0.5時間〜16時間の期間、約30℃〜75℃の温度へ加熱する工程を伴う。好ましいSTMP架橋剤が使用される場合、代表的に、それは、乾燥デンプンに基いて2重量%〜12重量%で存在する。
【0050】
架橋の間、不適切なレベルのSTMPが使用される場合、膨張に起因して、デンプンは、最終的にゼラチン化する。このことが生じると、膨張は、十分な架橋により相殺されない。反応混合物の温度の増大は、膨張反応および架橋反応の両方の加速をもたらし、その結果、十分な架橋が可能である前に、膨張に起因する反応混合物のゼラチン化が生じる。適切な温度での数時間の反応の後に、この混合物は中和され、デンプンが塩から単離され、定量的な生成物が得られる。この生成物は、親のデンプンと比較して、ゼラチン化温度の上昇とゼラチン化のエンタルピーの低下とを示す。
【0051】
事前に膨張され、架橋されたデンプンは、代表的に架橋反応の後かつゼラチン化の前に、酸化反応に供される。酸化は、デンプン生成物上に親水性のカルボキシル基およびカルボニル基を生成する。好ましい酸化反応は、次亜塩素酸ナトリウムを使用して、水性溶媒系で実行される。酸化剤は、100重量%を占めるデンプンの総重量に基いて、約0.1重量%〜50重量%、より好ましくは1重量%〜30重量%、そして最も好ましくは2重量%〜15重量%のレベルで使用される。
【0052】
酸化反応は、通常、7〜12のpH、より好ましくは約10〜11のpHで実行される。温度は、約10℃〜50℃、そしてより好ましくは30℃〜45℃でなければならない。高アミラーゼデンプンが使用される場合、温度は、好ましくは30℃〜80℃の範囲でもよい。反応時間は、所望の酸化の程度に依存して可変であるが、一般的に1時間〜24時間、より好ましくは1時間〜8時間の範囲である。酸化反応が、連続的な攪拌とともに実行されることが、通常好ましい。反応の終わりに、反応混合物は、酸によりpH約5〜7、より好ましくはpH約6に中和され得る。その後、デンプン生成物は、水で洗浄され得、無機塩が除去され得る。
【0053】
必要に応じて、部分的に結晶性、酸化型の膨張/架橋されたデンプンは、約50℃〜150℃、より好ましくは約70℃〜95℃の温度で過剰な水中で加熱され得る。例えば、部分的に結晶性の生成物のうちの10%の水性スラリーは、加熱され得、攪拌しながら約10分間煮沸され得、ゼラチン化を達成し得る。
【0054】
最終工程は、改変されたデンプンの回収および乾燥を伴い、これは、噴霧乾燥により達成されることが好ましい。液体画分は、ゼラチン化デンプンの形態で、部分的に結晶性の改変されたデンプンの元の重量の多くても1%〜2%を含む。可溶性のデンプン画分および損傷を受けたデンプン画分を除去することなく、デンプンが単にトレイ上で乾燥される場合、この生成物は、互いに粘着する顆粒からなるケーキ様の構造を形成し得る。しかしながら、噴霧乾燥は、均質かつ微細な粉末を形成する。
【実施例】
【0055】
(実施例1)
((a)事前に膨張/架橋されたデンプンの調製)
この実施例は、図2のフローチャートに示されるように、顆粒状の事前に膨張/架橋されたコムギデンプン由来の、酸化型デンプンの生成を説明する。工程100において、コムギデンプン(100部、乾燥基準)を、2部の硫酸ナトリウムを含む233部の水に分散させ、そして混合した。30分間混合した後、水酸化ナトリウム(1.5部)を、工程101において添加した。工程102において、反応混合物を、45℃に加熱し、その温度で2時間、連続的に混合した。効率的な架橋のために、3.8部のトリメタリン酸ナトリウム、0.038部のポリリン酸ナトリウムおよび3部の硫酸ナトリウムをともに、工程103において添加した。工程104における45℃での20時間のさらなる混合の後、このスラリーを、工程105において、希1.0N 塩酸によりpH6.5へ中和し、そして工程106において25℃へ冷却した。工程107において、デンプンを、水で洗浄することにより単離し、噴霧乾燥させた。
【0056】
((b)酸化型の、事前に膨張/架橋されたデンプンの調製)
合成のこの段階は、図3のフローチャートに示される。工程200において、上記のように調製された事前に膨張/架橋されたデンプン(300部、乾燥基準)を、700部の水に分散させ、30分間混合した。工程201において、この分散物を45℃に温め、1M 水酸化ナトリウムにより、pHを11.0に調整した。次亜塩素酸ナトリウム 7.5%(乾燥デンプン基準)を、工程202において、このスラリーに添加し、そして工程203において、連続的に16時間、45℃で攪拌した。工程204において、このスラリーを、1.0N 塩酸により、pH6.0に調整し、次に、工程205において、室温(25℃)まで冷却した。工程206において、ゼラチン化されていないデンプンを水で洗浄して、無機塩を除去し、そして噴霧乾燥により回収した。
【0057】
((c)試験)
最終生成物を、冷水および温水での水和試験により試験した。冷水での水和試験において、5gのデンプンを、室温(約25℃)、250m1ビーカー(例えば、Corning Pyrex beaker #1000−250)内の、100mlの蒸留水中に分散させ、それから30分間連続的に攪拌した。次に、デンプン/水混合物を、100mlメスシリンダー(例えば、Corning Pyrex beaker #3062−100)に移し、室温(約25℃)で、24時間静置した後、シリンダーの全内容量の膨張した体積を測定した。冷水分散物に対する膨張した体積の比を、メスシリンダーの内容量の膨張した体積(mL)を測定し、これをデンプンの乾燥重量(g)により割ることにより決定した。
【0058】
温水での水和試験において、5gのデンプンを、室温(約25℃)、250m1ビーカー(例えば、Corning Pyrex beaker #1000−250)内の、100mlの蒸留水中に分散させ、それから85℃に加熱し、30分間連続的に攪拌した。次に、デンプン/水混合物を、100mlメスシリンダー(例えば、Corning Pyrex beaker #3062−100)に移し、室温(約25℃)で、24時間静置した後、シリンダーの全内容量の膨張した体積を測定した。冷水分散物に対する膨張した体積の比を、メスシリンダーの内容量の膨張した体積(mL)を測定し、これをデンプンの乾燥重量(g)により割ることにより決定した。
【0059】
エマルジョン安定性試験もまた実行した。5gの酸化型デンプンを、室温(約25℃)、250m1ビーカー(例えば、Corning Pyrex beaker #1000−250)内の、蒸留水と植物油(例えば、ダイズ油、Crisco,J.M.Smucker Company,Orrville,OH(この実験において))との1:1混合物の100ml中に分散させ、それから85℃に加熱し、30分間連続的に攪拌した。デンプン/油/水混合物を、100mlメスシリンダー(例えば、Corning Pyrex beaker #3062−100)に移した。水/油/デンプン分散物は、85℃で白色、クリーム様の外観を有した。次に、この分散物を、室温(約25℃)で24時間静置させた。以下の3つの画分を形成した:水/デンプン画分、水画分およびデンプン/油画分(シリンダーの底から上へ列挙した)。24時間後、シリンダー内の3つの画分それぞれの膨張した体積を測定した。3つの画分それぞれに対する膨張した体積の比を、画分の膨張した体積(mL)を測定し、これをデンプンの乾燥重量(g)で割ることにより決定した。
【0060】
(実施例2)
実施例1は、本発明のデンプンを生成するための2工程プロセスを記載する。代替的に、この2つの工程は、バッチであろうと半連続的であろうと連続的であろうと1工程の実施形態において、本発明のデンプンを生成するために組み合わせられ得る。このようなプロセスの例は、図4のプロセスのフローチャートに示される。
【0061】
工程100において、コムギデンプン(100部、乾燥基準)を、2部の硫酸ナトリウムを含む233部の水に分散させ、そして混合する。30分間混合した後、水酸化ナトリウム(1.5部)を、工程101において添加する。工程102において、反応混合物を、45℃に加熱し、その温度で2時間、連続的に混合する。効率的な架橋のために、3.8部のトリメタリン酸ナトリウム、0.038部のポリリン酸ナトリウムおよび3部の硫酸ナトリウムをともに、工程103において添加する。工程104において、45℃で、20時間、さらに混合する。
【0062】
その後、工程201において、1M水酸化ナトリウムにより、pHを11.0に調整する。次亜塩素酸ナトリウム 7.5%(乾燥デンプン基準)を、工程202において、このスラリーに添加し、そして工程203において、連続的に16時間、45℃で攪拌する。工程204において、このスラリーを、1.0N 塩酸により、pH6.0に調整し、次に、工程205において、室温(25℃)まで冷却する。工程206において、ゼラチン化されていないデンプンを水で洗浄して、無機塩を除去し、そして40℃でのオーブンによる乾燥により回収する。
【0063】
(実施例3)
この実施例において、pH11で、16時間、一定レベルの7.5%(w/w、デンプンの乾燥基準)の次亜塩素酸ナトリウムを使用して、一連の酸化型コムギデンプン生成物を作製した。3つの個別の実験を、25℃、35℃および45℃の温度で実行した。デンプン生成物の調製のための実施例1に記載の方法にしたがい、同様に、実施例1で実行された試験にしたがった。表1において、3つの酸化型デンプン生成物を、実施例1(a)で調製された非酸化型デンプンと比較する。
【0064】
【表1】

SRS:可逆的に膨張可能な耐性デンプン
SRS−Oxy:酸化型の可逆的に膨張可能な耐性デンプン。
【0065】
(実施例4)
一連の改変されたコムギデンプン生成物を、実施例1に示されるように、pH11かつ45℃で、一定レベルの7.5%(w/w、デンプンの乾燥基準)の次亜塩素酸ナトリウムにより酸化して、調製した。3つの個別の実験を、4時間、8時間および16時間の反応時間で実行した。デンプン生成物の調製のための実施例1に記載の方法にしたがい、同様に、実施例1で実行された試験にしたがった。表2において、3つの酸化型デンプン生成物を、実施例1(a)で調製された非酸化型デンプンと比較する。
【0066】
【表2】

SRS:可逆的に膨張可能な耐性デンプン
SRS−Oxy:酸化型の可逆的に膨張可能な耐性デンプン。
【0067】
(実施例5)
この実施例において、45℃で、16時間、一定レベルの7.5%(w/w、デンプンの乾燥基準)の次亜塩素酸ナトリウムを使用して、一連の酸化型コムギデンプン生成物を作製した。3つの個別の実験を、9、10および11のpHレベルで実行した。デンプン生成物の調製のための実施例1に記載の方法にしたがい、同様に、実施例1で実行された試験にしたがった。表3において、3つの酸化型デンプン生成物を、実施例1(a)で調製された非酸化型デンプンと比較する。
【0068】
【表3】

SRS:可逆的に膨張可能な耐性デンプン
SRS−Oxy:酸化型の可逆的に膨張可能な耐性デンプン。
【0069】
(実施例6)
この実施例において、45℃、pH11.0で、16時間、変動するレベルの次亜塩素酸ナトリウムを使用して、一連の酸化型コムギデンプン生成物を作製した。3つの個別の実験を、それぞれw/w、乾燥デンプン基準で、2.5%、5.0%および7.5%の次亜塩素酸ナトリウム濃度により実行した。デンプン生成物の調製のための実施例1に記載の方法にしたがい、同様に、実施例1で実行された試験にしたがった。表4において、3つの酸化型デンプン生成物を、実施例1(a)で調製された非酸化型デンプンと比較する。
【0070】
【表4】

SRS:可逆的に膨張可能な耐性デンプン
SRS−Oxy:酸化型の可逆的に膨張可能な耐性デンプン。
【0071】
(実施例7)
事前に膨張/架橋されたトウモロコシデンプン(300部、乾燥基準)を、700部の水に分散させ、30分間混合した。この分散物を、45℃に温め、1M水酸化ナトリウムにより、pHを11.0に調整した。次亜塩素酸ナトリウム 7.5%(乾燥デンプン基準)を、連続的に攪拌しながら、このスラリーに添加し、反応温度を、16時間、45℃に維持した。16時間後、スラリーのpHを、1M水酸化ナトリウムによりpH6.0に調整し、次に、室温(25℃)まで冷却した。ゼラチン化されていないデンプンを水で洗浄して、無機塩を除去し、そして40℃でのオーブンによる乾燥により回収した。
【0072】
種々の条件下での酸化後、使用された全ての酸化条件が親水特性およびエマルジョンの安定性を改善したことが明らかであり、このことは、温水および冷水での水和試験における膨張した体積の増加ならびにエマルジョン安定性試験における膨張した体積の増加により示された。代表的な酸化速度の増加は、温度、アルカリ度、時間および酸化剤のレベルの増大により達成され、これらは、親水特性およびエマルジョンの安定性を改善する傾向を有した。しかしながら、極端な酸化条件において、いくつかのグルコシド結合の分解を生じ得、そしてデンプン生成物の顆粒構造への部分的な損傷をもたらし得る。
【0073】
(実施例8)
例示的な目的のために、図5〜図8は、経時的な時間間隔で撮られた、実施例1に記載の方法にしたがって形成された酸化型デンプン粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す。膨張可能な耐性デンプンを、様々な反応時間、pH11、45℃で、次亜塩素酸ナトリウム 7.5%(w/w、乾燥デンプン基準)によって酸化した。顕微鏡写真上の基準線は、50μmを表す。
【0074】
時間とともに酸化が進むと、顆粒状のデンプンの表面相互作用が増大し、このことは、デンプン顆粒表面上の負に荷電したデンプンイオンの形成に関した。1時間後、図5に見られるように、個別に膨張した粒子が観察される。2時間後、図6に見られるように、粒子の凝塊形成の開始段階が観察される。凝塊形成に関与する粒子は、異なるサイズであり、そして凝塊形成は、これらの異なるサイズの粒子の異なる数から構成される。図7に示されるように、4時間において、さらなる凝塊形成が見られる。4時間と16時間との間では、わずかな変化しか観察されない(後者は、図8に見られる)。酸化型の可逆的に膨張可能な耐性デンプンは、高い表面粘性を有し、制限された膨張を示した。
【0075】
酸化型の可逆的に膨張可能な耐性デンプンは、マイクロ波加熱により再構成される、食料品のためのころもおよびパン粉付けにおいて有用である。従来の製品は、一般的に、受容不能かつ堅く弾性のある質感を生じる。製品の新鮮さを維持することは、タンパク質ネットワークにおける、デンプンの低減された膨張および均質な混合に強く関連するとみなされている。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、架橋された酸化型デンプン分子を示す。
【図2】図2は、デンプン顆粒を生成するための先行技術のプロセスを示し、これらは、膨張されるか、または事前に膨張され、そして化学的に架橋される。
【図3】図3は、図1のデンプン顆粒を酸化するためのプロセスを示す。
【図4】図4は、架橋された酸化型デンプン顆粒を調製するためのプロセスを示す。
【図5】図5は、酸化プロセスの1時間の反応時間後における、事前に膨張され、架橋されたデンプン顆粒の再生を示す。
【図6】図6は、酸化プロセスの2時間の反応時間後における、事前に膨張され、架橋されたデンプン顆粒の再生を示す。
【図7】図7は、酸化プロセスの4時間の反応時間後における、事前に膨張され、架橋されたデンプン顆粒の再生を示す。
【図8】図8は、酸化プロセスの16時間の反応時間後における、事前に膨張され、架橋されたデンプン顆粒の再生を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化前の耐性デンプンよりも少なくとも20%大きい、冷水での水和を有する、迅速に水和可能な酸化型耐性デンプン。
【請求項2】
過ヨウ素酸塩、クロム酸、過マンガン酸塩、二酸化窒素およびアルカリ金属の次亜塩素酸塩からなる群より選択される酸化剤による酸化によって作製される、請求項1に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項3】
次亜塩素酸ナトリウムによる酸化によって作製される、請求項2に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項4】
架橋されたデンプン顆粒から作製される、請求項1に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項5】
前記顆粒が、リン酸化因子およびエピクロロヒドリンからなる群より選択される架橋剤によって架橋されている、請求項4に記載のデンプン。
【請求項6】
前記デンプン顆粒が、改変されたデンプン顆粒である、請求項4に記載のデンプン。
【請求項7】
前記デンプン顆粒が、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、モチトウモロコシデンプン、高アミロースのトウモロコシデンプン、カラスムギデンプン、コメデンプン、タピオカデンプン、リョクトウデンプンおよびジャガイモデンプンからなる群より選択される、請求項4に記載のデンプン。
【請求項8】
酸化前の耐性デンプンよりも少なくとも100%大きい、冷水での水和を有する、迅速に水和可能な酸化型耐性デンプン。
【請求項9】
酸化により作製される、請求項8に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項10】
次亜塩素酸ナトリウムによる酸化によって作製される、請求項9に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項11】
架橋されたデンプン顆粒から作製される、請求項8に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項12】
前記顆粒が、リン酸化因子およびエピクロロヒドリンからなる群より選択される架橋剤によって架橋されている、請求項11に記載のデンプン。
【請求項13】
前記デンプン顆粒が、穀類デンプン、根デンプン、塊茎デンプン、マメデンプンおよび高アミロースデンプンからなる群より選択される、請求項11に記載のデンプン。
【請求項14】
迅速に水和可能な酸化型耐性デンプンであって、酸化前の該耐性デンプンよりも少なくとも9〜20%大きい、温水での水和を有する、迅速に水和可能な酸化型耐性デンプン。
【請求項15】
4.0を超過する温水での水和を有する、迅速に水和可能な耐性デンプン。
【請求項16】
過ヨウ素酸塩、クロム酸、過マンガン酸塩、二酸化窒素およびアルカリ金属の次亜塩素酸塩からなる群より選択される酸化剤による酸化によって作製される、請求項15に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項17】
次亜塩素酸ナトリウムによる酸化によって作製される、請求項16に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項18】
架橋されたデンプン顆粒から作製される、請求項16に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項19】
前記顆粒が、リン酸化因子およびエピクロロヒドリンからなる群より選択される架橋剤によって架橋されている、請求項18に記載のデンプン。
【請求項20】
前記デンプン顆粒が、改変されたデンプン顆粒である、請求項18に記載のデンプン。
【請求項21】
前記デンプン顆粒が、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、モチトウモロコシデンプン、高アミロースのトウモロコシデンプン、カラスムギデンプン、コメデンプン、タピオカデンプン、リョクトウデンプンおよびジャガイモデンプンからなる群より選択される、請求項18に記載のデンプン。
【請求項22】
迅速に水和可能な酸化型耐性デンプンであって、酸化前の該耐性デンプンよりも少なくとも120%大きい、温水での水和を有する、迅速に水和可能な酸化型耐性デンプン。
【請求項23】
過ヨウ素酸塩、クロム酸、過マンガン酸塩、二酸化窒素およびアルカリ金属の次亜塩素酸塩からなる群より選択される酸化剤による酸化によって作製される、請求項22に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項24】
次亜塩素酸ナトリウムによる酸化によって作製される、請求項23に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項25】
架橋されたデンプン顆粒から作製される、請求項22に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項26】
前記顆粒が、リン酸化因子およびエピクロロヒドリンからなる群より選択される架橋剤によって架橋されている、請求項25に記載のデンプン。
【請求項27】
前記デンプン顆粒が、改変されたデンプン顆粒である、請求項25に記載のデンプン。
【請求項28】
前記デンプン顆粒が、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、モチトウモロコシデンプン、高アミロースのトウモロコシデンプン、カラスムギデンプン、コメデンプン、タピオカデンプン、リョクトウデンプンおよびジャガイモデンプンからなる群より選択される、請求項25に記載のデンプン。
【請求項29】
迅速に水和可能な酸化型耐性デンプンであって、酸化前の該耐性デンプンよりも少なくとも20%大きい、水/デンプン エマルジョンの安定性を有する、迅速に水和可能な酸化型耐性デンプン。
【請求項30】
過ヨウ素酸塩、クロム酸、過マンガン酸塩、二酸化窒素およびアルカリ金属の次亜塩素酸塩からなる群より選択される酸化剤による酸化によって作製される、請求項29に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項31】
次亜塩素酸ナトリウムによる酸化によって作製される、請求項30に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項32】
架橋されたデンプン顆粒から作製される、請求項29に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項33】
前記顆粒が、リン酸化因子およびエピクロロヒドリンからなる群より選択される架橋剤によって架橋されている、請求項32に記載のデンプン。
【請求項34】
前記デンプン顆粒が、改変されたデンプン顆粒である、請求項32に記載のデンプン。
【請求項35】
前記デンプン顆粒が、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、モチトウモロコシデンプン、高アミロースのトウモロコシデンプン、カラスムギデンプン、コメデンプン、タピオカデンプン、リョクトウデンプンおよびジャガイモデンプンからなる群より選択される、請求項32に記載のデンプン。
【請求項36】
迅速に水和可能な酸化型耐性デンプンであって、酸化前の該耐性デンプンよりも少なくとも20%大きい、冷水での水和を有し、かつ酸化前の該耐性デンプンよりも少なくとも20%大きい、温水での水和を有する、迅速に水和可能な酸化型耐性デンプン。
【請求項37】
酸化により作製される、請求項36に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項38】
次亜塩素酸ナトリウムによる酸化によって作製される、請求項37に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項39】
架橋されたデンプン顆粒から作製される、請求項36に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項40】
前記顆粒が、リン酸化因子およびエピクロロヒドリンからなる群より選択される架橋剤によって架橋されている、請求項39に記載のデンプン。
【請求項41】
前記デンプン顆粒が、改変されたデンプン顆粒である、請求項39に記載のデンプン。
【請求項42】
前記デンプン顆粒が、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、モチトウモロコシデンプン、高アミロースのトウモロコシデンプン、カラスムギデンプン、コメデンプン、タピオカデンプン、リョクトウデンプンおよびジャガイモデンプンからなる群より選択される、請求項39に記載のデンプン。
【請求項43】
迅速に水和可能な酸化型耐性デンプンであって、酸化前の該耐性デンプンよりも少なくとも20%大きい、冷水での水和を有し、酸化前の該耐性デンプンよりも少なくとも20%大きい、温水での水和を有し、かつ酸化前の該耐性デンプンよりも少なくとも20%大きい、水/デンプン エマルジョンの安定性を有する、迅速に水和可能な酸化型耐性デンプン。
【請求項44】
過ヨウ素酸塩、クロム酸、過マンガン酸塩、二酸化窒素およびアルカリ金属の次亜塩素酸塩からなる群より選択される酸化剤による酸化によって作製される、請求項43に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項45】
次亜塩素酸ナトリウムによる酸化によって作製される、請求項44に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項46】
架橋されたデンプン顆粒から作製される、請求項43に記載の迅速に水和可能なデンプン。
【請求項47】
前記顆粒が、リン酸化因子およびエピクロロヒドリンからなる群より選択される架橋剤によって架橋されている、請求項46に記載のデンプン。
【請求項48】
前記デンプン顆粒が、穀類デンプン、根デンプン、塊茎デンプン、マメデンプンおよび高アミロースデンプンからなる群より選択される、請求項46に記載のデンプン。
【請求項49】
前記デンプン顆粒が、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、モチトウモロコシデンプン、高アミロースのトウモロコシデンプン、カラスムギデンプン、コメデンプン、タピオカデンプン、リョクトウデンプンおよびジャガイモデンプンからなる群より選択される、請求項46に記載のデンプン。
【請求項50】
迅速に水和可能な耐性デンプンを調製するためのプロセスであって、このプロセスは:
アルカリおよび/または熱の存在下で、デンプン顆粒を膨張させる工程;
少なくとも1つの架橋剤を分散させる工程;
該分散物を混合する工程;
該分散物に酸化剤を添加する工程;ならびに、
該分散物を攪拌する工程、
を包含する、プロセス。
【請求項51】
前記分散物が水性分散物である、請求項50に記載のプロセス。
【請求項52】
前記混合する工程が、約25℃〜約45℃の温度で実行される、請求項50に記載のプロセス。
【請求項53】
前記混合する工程が、約7〜約12のpHで実行される、請求項50に記載のプロセス。
【請求項54】
前記混合する工程が、約10〜約11のpHで実行される、請求項50に記載のプロセス。
【請求項55】
前記攪拌工程が、約10℃〜約50℃の温度で実行される、請求項50に記載のプロセス。
【請求項56】
前記攪拌工程が、約30℃〜約45℃の温度で実行される、請求項50に記載のプロセス。
【請求項57】
前記攪拌工程が、約1時間〜約24時間の範囲の時間、維持される、請求項50に記載のプロセス。
【請求項58】
前記攪拌工程が、約2時間〜約4時間の範囲の時間、維持される、請求項50に記載のプロセス。
【請求項59】
前記攪拌工程が、約7〜約12のpHで実行される、請求項50に記載のプロセス。
【請求項60】
前記攪拌工程が、約10〜約11のpHで実行される、請求項50に記載のプロセス。
【請求項61】
前記攪拌工程中の攪拌が、該攪拌工程を通して連続的である、請求項50に記載のプロセス。
【請求項62】
前記酸化剤の濃度が、50重量%を占めるデンプンの総重量に基づき、約0.1重量%〜約50重量%の量である、請求項50に記載のプロセス。
【請求項63】
前記酸化剤の濃度が、50重量%を占めるデンプンの総重量に基づき、約1重量%〜約30重量%の量である、請求項50に記載のプロセス。
【請求項64】
前記酸化剤の濃度が、50重量%を占めるデンプンの総重量に基づき、約2重量%〜約15重量%の量である、請求項50に記載のプロセス。
【請求項65】
前記酸化剤が、過ヨウ素酸塩、クロム酸、過マンガン酸塩、二酸化窒素およびアルカリ金属の次亜塩素酸塩からなる群より選択される、請求項50に記載のプロセス。
【請求項66】
前記酸化剤が、次亜塩素酸ナトリウムである、請求項65に記載のプロセス。
【請求項67】
前記攪拌工程後に、前記分散物を約5〜約7のpHへ中和する工程が行われる、請求項50に記載のプロセス。
【請求項68】
前記攪拌工程後に、前記分散物を約6のpHへ中和する工程が行われる、請求項50に記載のプロセス。
【請求項69】
前記攪拌工程後に、前記分散物から前記迅速に水和可能な耐性デンプンを回収する工程が行われる、請求項50に記載のプロセス。
【請求項70】
請求項50に記載のプロセスであって、前記攪拌工程後に:
前記迅速に水和可能な耐性デンプンを洗浄することにより無機塩を除去する工程;および、
水性系において該迅速に水和可能な耐性デンプンをゼラチン化させる工程、
が行われる、プロセス。
【請求項71】
前記ゼラチン化させる工程が、約25℃〜約150℃の温度において過剰の水により実行される、請求項70に記載のプロセス。
【請求項72】
前記ゼラチン化させる工程が、約40℃〜約95℃の温度において過剰の水により実行される、請求項70に記載のプロセス。
【請求項73】
前記攪拌工程後に、前記分散物から前記迅速に水和可能な耐性デンプンを回収する工程が行われる、請求項50に記載のプロセス。
【請求項74】
請求項50に記載のプロセスであって、前記攪拌工程後に:
前記分散物から前記迅速に水和可能な耐性デンプンを回収する工程;および、
該迅速に水和可能な耐性デンプンを乾燥させる工程、
が行われる、プロセス。
【請求項75】
前記乾燥させる工程が、噴霧乾燥により実行される、請求項74に記載のプロセス。
【請求項76】
迅速に水和可能な耐性デンプンを調製するためのプロセスであって、該プロセスは:
少なくとも1つの架橋された耐性デンプンの水性分散物を調製する工程;
約10℃〜約808℃の温度で、該分散物を混合する工程;
約7〜約12のpHにおいて、50重量%を占める該デンプンの総重量に基づき、約0.1重量%〜約50重量%の量の酸化剤を該分散物に添加する工程;および、
約1時間〜約24時間の範囲の期間、該分散物を攪拌する工程、
を包含する、プロセス。
【請求項77】
前記混合する工程が、約7〜約12のpHで実行される、請求項76に記載のプロセス。
【請求項78】
前記混合する工程が、約10〜約11のpHで実行される、請求項76に記載のプロセス。
【請求項79】
前記攪拌工程中の攪拌が、該攪拌工程を通して連続的である、請求項76に記載のプロセス。
【請求項80】
前記酸化剤が、過ヨウ素酸塩、クロム酸、過マンガン酸塩、二酸化窒素およびアルカリ金属の次亜塩素酸塩からなる群より選択される、請求項76に記載のプロセス。
【請求項81】
前記酸化剤が、次亜塩素酸ナトリウムである、請求項80に記載のプロセス。
【請求項82】
前記攪拌工程後に、前記分散物を約5〜約7のpHへ中和する工程が行われる、請求項76に記載のプロセス。
【請求項83】
前記攪拌工程後に、前記分散物を約6のpHへ中和する工程が行われる、請求項76に記載のプロセス。
【請求項84】
前記攪拌工程後に、前記分散物から前記迅速に水和可能な耐性デンプンを回収する工程が行われる、請求項76に記載のプロセス。
【請求項85】
請求項76に記載のプロセスであって、前記攪拌工程後に:
前記迅速に水和可能な耐性デンプンを洗浄することにより無機塩を除去する工程;および、
水性系において該迅速に水和可能な耐性デンプンをゼラチン化させる工程、
が行われる、プロセス。
【請求項86】
前記ゼラチン化させる工程が、約25℃〜約150℃の温度において過剰の水により実行される、請求項85に記載のプロセス。
【請求項87】
前記ゼラチン化させる工程が、約40℃〜約95℃の温度において過剰の水により実行される、請求項85に記載のプロセス。
【請求項88】
前記攪拌工程後に、前記分散物から前記迅速に水和可能な耐性デンプンを回収する工程が行われる、請求項76に記載のプロセス。
【請求項89】
請求項76に記載のプロセスであって、前記攪拌工程後に:
前記分散物から前記迅速に水和可能な耐性デンプンを回収する工程;および、
該迅速に水和可能な耐性デンプンを乾燥させる工程、
が行われる、プロセス。
【請求項90】
前記乾燥させる工程が、噴霧乾燥により実行される、請求項89に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−537339(P2007−537339A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513294(P2007−513294)
【出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/016388
【国際公開番号】WO2005/111085
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(506010725)エムジーピー イングレディエンツ, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】