説明

酸構成単位及び様々なポリエーテル構成単位を含有するコポリマー

本発明は、i)イソプレノールポリエーテル誘導体−構造単位α 3〜40モル%、ii)ビニルオキシポリエーテル誘導体−構造単位β 3〜40モル%及びiii)酸−構造単位γ 35〜93モル%を有するコポリマーに関し、その際、ビニルオキシポリエーテル誘導体−構造単位βに属する構造単位のコポリマーが、イソプレノールポリエーテル誘導体−構造単位αに属する構造単位より長い側鎖を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、コポリマー、分散剤、該コポリマー及び該分散剤の製造、並びに該コポリマーの使用に関する。
【0002】
粉末状の無機物質又は有機物質、例えばクレー、シリケート粉末、チョーク、カーボンブラック、岩粉及び水硬性結合剤の水性スラリーを、それらの加工性、すなわち混練性、塗布性、噴霧性、ポンプ圧送性又は流動性の改善のために、しばしば、分散剤の形態の添加剤に混ぜることが公知である。この種の添加剤は、固体凝集物の形成を防止し、すでに存在する、水和によって新たに形成された粒子を分散させ、かつ、このようにして加工性を改善することができるこの効果はまた、殊に、水硬性結合剤、例えばセメント、石灰、石膏、半水石膏又は硬石膏を含む建材混合物の製造に際して適切に利用される。
【0003】
上述の結合剤を基礎とするこれらの建材混合物を、すぐに使用できる、加工可能な形態に変えるために、一般に、後続の水和工程もしくは硬化工程におけるよりずっと多くの混水量が必要である。過剰量の、後で気化する水によって形成される、コンクリート体における空隙部分が、機械的な強度及び安定性を著しく悪化させる。
【0004】
所定の加工コンシステンシーの場合にこの過剰の水分を減少させるために及び/又は所定の水/結合剤−比の場合に加工性を改善するために、一般的に減水剤又は流動化剤と呼ばれる添加剤が使用される。この種の作用物質として、実際には、殊に、酸モノマー及び/又は酸誘導体モノマーとポリエーテルマクロモノマーとのラジカル共重合によって製造されるコポリマーが使用される。
【0005】
WO2005/075529には、酸モノマー構造単位以外に、ポリエーテルマクロモノマー構造単位としてビニルオキシブチレンポリ(エチレングリコール)構造単位を有するコポリマーが記載される。この種のコポリマー型は、優れた適用特性を有することから、高性能流動化剤として広く普及している。
【0006】
記載のコポリマーは経済的な高性能流動化剤と見なされているにも関わらず、依然として、コポリマーの品質及び経済性をなお一層改善するという試みが行われている。
【0007】
そのため本発明の基礎を成している課題は、殊に良好にコンクリート用の流動化剤として適している、水硬性結合剤用の経済的な分散剤を提供することである。
【0008】
この課題を解決するのは、
i)イソプレノールポリエーテル誘導体−構造単位α 3〜40モル%、
ii)ビニルオキシポリエーテル誘導体−構造単位β 3〜40モル%及び
iii)酸−構造単位γ 35〜93モル%
を有するコポリマーであって、その際、イソプレノールポリエーテル誘導体−構造単位αは、下記一般式(Ia)
【化1】

[式中、
Aは、同じであるか又は異なっており、並びにCx2x、その際、x=2、3、4又は5、に従ったアルキレン基によって表され、並びに
aは、同じであるか又は異なっており、かつ4〜300の整数によって表される]によって表され、かつ
ビニルオキシポリエーテル誘導体−構造単位βは、下記一般式(Ib)
【化2】

[式中、
Aは、同じであるか又は異なっており、並びに水素原子、線状又は分岐したC1〜C12アルキル基、C5〜C8シクロアルキル基、フェニル基又はC7〜C12アリールアルキル基によって表され、
Aは、同じであるか又は異なっており、並びにCx2x、その際、x=2、3、4又は5、に従ったアルキレン基によって表され、並びに
bは、同じであるか又は異なっており、並びに6〜450の整数によって表される]によって表され、その際、ビニルオキシポリエーテル誘導体−構造単位βに属する構造単位のアルキレン基の算術平均値は、イソプレノールポリエーテル誘導体−構造単位αに属する構造単位のアルキレン基の算術平均値より少なくとも1.5倍高い。
【0009】
酸−構造単位γに属するコポリマーの構造単位は、相応する酸モノマーの重合導入によって作製される。この文脈において、酸モノマーは、ラジカル共重合可能な、少なくとも1個の酸官能基を含み、かつ水性媒体中で酸として反応する、少なくとも1個の炭素二重結合を有するモノマーと解されるべきである。さらに酸モノマーは、ラジカル共重合可能な、加水分解反応に基づき水性媒体中で少なくとも1個の酸官能基を形成し、かつ水性媒体中で酸として反応する、少なくとも1個の炭素二重結合を有するモノマーと解されるべきである(例:無水マレイン酸又は塩基性加水分解エステル、例えばエチルアクリレート)。
【0010】
一般的に、関連したポリエーテルマクロモノマー構造単位並びに酸構造単位を有するコポリマーの作用様式は、構造パラメータにより決定されると言える。相応する高性能コポリマーの作用スペクトルは、最大減水性から最大スランプ保持性までの全帯域幅を範囲に含み、その際、減水性をもたらす構造パラメータが、スランプ保持性の妨げになる。それゆえ、単位質量当たりの装入量以外に、側鎖の長さも、減水性能に関して重要である。そのつどの実際の適用において、頻繁に、短側鎖及び長側鎖の選択について"取捨選択"が最も適しており、その際、短側鎖及び長側鎖を混合してできたものが、この点に関して、たいていの場合、最良の解決手段を与えることが認められた。本発明は、この種の混合体が、経済的に、かつ高品質でいかにして提供されるのかを実現する。ビニルオキシポリエーテル型からのポリエーテルマクロモノマー構造単位は、相応するモノマーのより高い反応性に基づき、比較的にイソプレノールポリエーテル型からのポリエーテルマクロモノマー構造単位より簡単に、長いポリエーテル側鎖で(つまり、より簡単に、少ない残留モノマー含有率でも)重合導入され得る。しかしながら、相対的に短い側鎖を有するイソプレノールポリエーテル型のモノマーも同様に(少ない残留モノマー含有率で)良好に重合導入され得、その際、イソプレノールポリエーテル型のこれらのモノマーは、特に低コストで入手可能な出発物質である。要約すると、本発明によるコポリマーは、高品質の、かつ特に経済的な水硬性結合剤用の分散剤であると言える。
【0011】
一般に、ビニルオキシポリエーテル誘導体−構造単位βに属する構造単位のアルキレン基Aの算術平均値は、イソプレノールポリエーテル誘導体−構造単位αに属する構造単位のアルキレン基Aの算術平均値より少なくとも2倍高い。
【0012】
たいてい、aは、同じであるか又は異なっており、かつ5〜70の整数によって表され、その際、bは、同じであるか又は異なっており、かつ41〜400の整数によって表される。
【0013】
aは、同じであるか又は異なっており、かつ5〜39の整数によって表されることが多い。
【0014】
有利には、本発明によるコポリマーは、
i)イソプレノールポリエーテル誘導体−構造単位α 5〜35モル%、
ii)ビニルオキシポリエーテル誘導体−構造単位β 5〜35モル%及び
iii)酸−構造単位γ 50〜90モル%
を有する。
【0015】
一般に、ビニルポリエーテル誘導体−構造単位βは、有利には算術平均値41〜400のオキシアルキレン基を有するアルコキシ化ヒドロキシブチルビニルエーテルの重合導入によって作製される。
【0016】
有利な一実施形態において、一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)及び/又は(IId)に従った酸−構造単位γ
【化3】

[式中、
1は、同じであるか又は異なっており、並びにH及び/又は非分岐あるいは分岐したC1〜C4−アルキル基によって表され;
Xは、同じであるか又は異なっており、並びにNH−(Cn2n)、その際、n=1、2、3又は4、及び/又はO−(Cn2n)、その際、n=1、2、3又は4、及び/又は存在しない単位によって表され;
2は、同じであるか又は異なっており、並びにOH、SO3H、PO32、O−PO32及び/又はパラ置換C64−SO3Hによって表され、但し、Xが存在しない単位である場合、R2はOHによって表される]、
【化4】

[式中、
3は、同じであるか又は異なっており、並びにH及び/又は非分岐あるいは分岐したC1〜C4−アルキル基によって表され;
n=0、1、2、3又は4、
4は、同じであるか又は異なっており、並びにSO3H、PO32、O−PO32及び/又はパラ置換されて存在するC64−SO3Hによって表される]、
【化5】

[式中、
5は、同じであるか又は異なっており、並びにH及び/又は非分岐あるいは分岐したC1〜C4−アルキル基によって表され;
Zは、同じであるか又は異なっており、並びにO及び/又はNHによって表される]、
【化6】

[式中、
6は、同じであるか又は異なっており、並びにH及び/又は非分岐あるいは分岐したC1〜C4−アルキル基によって表され;
Qは、同じであるか又は異なっており、並びにNH及び/又はOによって表され;
7は、同じであるか又は異なっており、並びにH、(Cn2n)−SO3H、その際、n=0、1、2、3又は4、(Cn2n)−OH、その際、n=0、1、2、3又は4;(Cn2n)−PO32、その際、n=0、1、2、3又は4、(Cn2n)−OPO32、その際、n=0、1、2、3又は4、(C64)−SO3H、(C64)−PO32、(C64)−OPO32及び/又は(Cm2me−O−(A'O)α−R9、その際、0、1、2、3又は4、e=0、1、2、3又は4、A'=Cx'2x'、その際、x'=2、3、4又は5及び/又はCH2C(C65)H−、α=1〜350の整数、その際、R9は、同じであるか又は異なっており、並びに非分岐あるいは分岐したC1〜C4−アルキル基によって表される]が存在する。
【0017】
頻繁に、酸−構造単位γは、酸モノマーのメタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸及び/又は無水マレイン酸の重合導入によって作製される。
【0018】
pH値に応じて、酸−構造単位γは、脱プロトン化された形態で塩として存在してもよく、その際、そのとき対イオンとして代表的なものはNa+、K+並びにCa2+である。
【0019】
たいてい、本発明によるコポリマー中で、全ての構造単位の少なくとも45モル%、有利には少なくとも80モル%が、イソプレノールポリエーテル誘導体−構造単位α、ビニルオキシポリエーテル誘導体−構造単位β及び酸−構造単位γとして存在する。
【0020】
本発明はまた、少なくとも30質量%の水並びに少なくとも10質量%の前述のコポリマーを含有する分散剤に関する。有利には、分散剤は水溶液の形態で存在する。
【0021】
そのうえ本発明は、本発明によるコポリマー又は本発明による分散剤の製造方法に関し、その際、イソプレノールポリエーテル誘導体モノマー、ビニルオキシポリエーテル誘導体モノマー及び酸モノマーが、水溶液中で、過酸化物を含有するレドックス開始剤系の使用下でのラジカル重合によって反応させられ、かつ重合中の該水溶液の温度は10〜45℃であり、並びにpH値は3.5〜6.5である。
【0022】
最後に本発明は、水硬性結合剤用又は潜在水硬性結合剤用の分散剤としての、本発明によるコポリマーの使用に関する。本発明によるコポリマーは、例えばまた(殊に脱水された形態で)、セメント製品用の添加剤(純粋なポルトランドセメントもしくは複合セメントのための粉砕助剤及び"減水剤")として使用されることができる。
【0023】
以下で、本発明を、実施例を手がかりに詳説する。
【0024】
合成例1
複数の供給手段、攪拌機及びpH電極が備え付けられたガラス反応器に、水285g、ビニルオキシブチルポリエチレングリコール3000(66モルのEOでヒドロキシブチルビニルエーテルをエトキシ化することによって製造された)210g及びイソプレニルポリエチレングリコール−500(10モルのEOで3−メチル−3−ブテン−1−オールをエトキシ化することによって製造された)23.3gを入れ(溶液A)、かつ13℃に調温した。水50g及びアクリル酸(99%)25.4gから成る、準備された、部分中和された第二の溶液(溶液B)35%を、溶液Aに15分間にわたってガラス反応器中に加えた。さらに3−メルカプトプロピオン酸1,9gを反応器に加えた。亜硫酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸の二ナトリウム塩及び2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩、(Brueggemann GmbHのBrueggolit FF6)とからの混合物5g及び水40gから成る第三の溶液(溶液C)を準備した。その後、13℃の温度で、数滴の水に溶解された硫酸鉄(II)七水和物50mg、並びに50%の過酸化水素溶液2.5gを溶液Aに加えた。同時に、45分にわたって、なお残留する溶液Bを溶液Aに計量供給し、かつ60分にわたって溶液Cを溶液Aに計量供給した。終わりに、20%の水酸化ナトリウム溶液で中和した。Mw=24300g/モルの平均分子量(GPCによって測定)及び39%の固体含有率を有するコポリマーの水溶液を得た。
【0025】
合成例2
複数の供給手段、攪拌機及びpH電極が備え付けられたガラス反応器に、水382g、ビニルオキシブチルポリエチレングリコール3000(66モルのEOでヒドロキシブチルビニルエーテルをエトキシ化することによって製造された)263g及びイソプレニルポリエチレングリコール−1100(22モルのEOで3−メチル−3−ブテン−1−オールをエトキシ化することによって製造された)96gを入れ(溶液A)、かつ13℃に調温した。水68g及びアクリル酸(99%)63.6gから成る、準備された、部分中和された第二の溶液(溶液B)35%を、溶液Aに15分間にわたってガラス反応器中に加えた。さらに3−メルカプトプロピオン酸3.6gを反応器に加えた。亜硫酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸の二ナトリウム塩及び2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩、(Brueggemann GmbHのBrueggolit FF6)からの混合物10g及び水60gから成る第三の溶液(溶液C)を準備した。その後、13℃の温度で、数滴の水に溶解された硫酸鉄(II)七水和物50mg、並びに50%の過酸化水素溶液5gを溶液Aに加えた。同時に、45分にわたって、なお残留する溶液Bを溶液Aに計量供給し、かつ60分にわたって溶液Cを溶液Aに計量供給した。終わりに、20%の水酸化ナトリウム溶液で中和した。Mw=22400g/モルの平均分子量(GPCによって測定)及び41%の固体含有率を有するコポリマーの水溶液を得た。
【0026】
比較例(Vgl)−製造例に相当
様々の鎖長のビニルオキシブチレンポリ(エチレングリコール)、エチレン性不飽和カルボン酸及び塩基性加水分解ビニルエステルからの共重合体を基礎とする市販のコンクリート流動化剤MVA 1855(BASF Construction Polymers GmbH)−比較例に従ったポリマーは、コポリマー型1と比べて、類似したポリマーアーキテクチャを有する。
【0027】
コポリマー溶液の評価のために、モルタル試験を実施した。実験手順は、使用例に記載している。試験に際して、本発明によるコポリマー溶液が、同じ試験条件下で(w/z値、温度、骨材等)、同じ又はより少ない供与量にて、比肩しうる良好な又はより良好な性能、すなわち、同じ又はより良好な流動化及び比肩しうるスランプ保持性を示すか否かが調べられる。
【0028】
使用例/モルタル試験の実施:
ポルトランドセメント(CEM I 42.5 R,Karlstadt)876.65gを、標準砂1350g、珪砂567.87g及び、本発明による生成物もしくは比較生成物を溶解した形態で含有する水350.66gと攪拌した。モルタル混合物の製造直後に、プラスティシティー(Ausbreitmass)の測定並びに30分間にわたるその経時変化を行った。
【0029】
試験の結果は、以下に表形式で挙げられている。
【0030】
【表1】

【0031】
比較試験の結果の総論:
前述の試験から、本発明に関する合成例1及び2からのコポリマーを基礎とする流動化材の品質及び経済性が、すでに実際に実証済みの高性能ポリマー(比較例)と比較して際立っていることがわかる。商業的に得られる製品と比べて、本発明によるコポリマーは、比肩しうる良好な性能とともに明らかに経済的な利点を示す。本発明によるコポリマーは、38%減らした計量供給割合で同じ流動度合いに達するが、それにも関わらず良好なスランプ保持性を示す。これは、ビニルオキシポリエーテル型の長いポリエーテルマクロモノマー構造単位と、特に低コストのイソプレノールポリエーテル型のより短いポリエーテルマクロモノマー構造単位との組み合わせが、高品質のポリマーの合成を可能にし、該ポリマーにより、際立った減水性のみならず良好なスランプ保持性も得られることを示している。それゆえ、一方では低コストの構造単位の使用によって、かつ他方ではより少ない計量供給割合によって、実際に特に経済的かつ高品質なポリマーが生じ、該ポリマーは、その構造に依存して、全般的な使用領域を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)イソプレノールポリエーテル誘導体−構造単位α 3〜40モル%、
ii)ビニルオキシポリエーテル誘導体−構造単位β 3〜40モル%及び
iii)酸−構造単位γ 35〜93モル%
を有するコポリマーであって、その際、イソプレノールポリエーテル誘導体−構造単位αは、下記一般式(Ia)
【化1】

[式中、
Aは、同じであるか又は異なっており、並びにCx2x、その際、x=2、3、4又は5、に従ったアルキレン基によって表され、並びに
aは、同じであるか又は異なっており、かつ4〜300の整数によって表される]によって表され、
ビニルオキシポリエーテル誘導体−構造単位βは、下記一般式(Ib)
【化2】

[式中、
Aは、同じであるか又は異なっており、並びに水素原子、線状又は分岐したC1〜C12アルキル基、C5〜C8シクロアルキル基、フェニル基又はC7〜C12アリールアルキル基によって表され、
Aは、同じであるか又は異なっており、並びにCx2x、その際、x=2、3、4又は5、に従ったアルキレン基によって表され、並びに
bは、同じであるか又は異なっており、並びに6〜450の整数によって表される]によって表され、その際、ビニルオキシポリエーテル誘導体−構造単位βに属する構造単位のアルキレン基の算術平均値は、イソプレノールポリエーテル誘導体αに属する構造単位のアルキレン基の算術平均値より少なくとも1.5倍高い、コポリマー。
【請求項2】
ビニルオキシポリエーテル誘導体−構造単位βに属する構造単位のアルキレン基Aの算術平均値は、イソプレノールポリエーテル誘導体−構造単位αに属する構造単位のアルキレン基Aの算術平均値より少なくとも2倍高いことを特徴とする、請求項1記載のコポリマー。
【請求項3】
aは、同じであるか又は異なっており、かつ5〜70の整数によって表され、並びにbは、同じであるか又は異なっており、かつ41〜400の整数によって表されることを特徴とする、請求項1又は2記載のコポリマー。
【請求項4】
aは、同じであるか又は異なっており、かつ5〜39の整数によって表されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のコポリマー。
【請求項5】
i)イソプレノールポリエーテル誘導体−構造単位α 5〜35モル%、
ii)ビニルオキシポリエーテル誘導体−構造単位β 5〜35モル%及び
iii)酸−構造単位γ 50〜90モル%
を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載のコポリマー。
【請求項6】
ビニルオキシポリエーテル誘導体−構造単位βは、有利には算術平均値41〜400のオキシアルキレン基を有するアルコキシ化ヒドロキシブチルビニルエーテルの重合導入によって作製されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のコポリマー。
【請求項7】
一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)及び/又は(IId)に従った酸−構造単位γ
【化3】

[式中、
1は、同じであるか又は異なっており、並びにH及び/又は非分岐あるいは分岐したC1〜C4−アルキル基によって表され;
Xは、同じであるか又は異なっており、並びにNH−(Cn2n)、その際、n=1、2、3又は4、及び/又はO−(Cn2n)、その際、n=1、2、3又は4、及び/又は存在しない単位によって表され;
2は、同じであるか又は異なっており、並びにOH、SO3H、PO32、O−PO32及び/又はパラ置換C64−SO3Hによって表され、但し、Xが存在しない単位である場合、R2はOHによって表される]、
【化4】

[式中、
3は、同じであるか又は異なっており、並びにH及び/又は非分岐あるいは分岐したC1〜C4−アルキル基によって表され;
n=0、1、2、3又は4、
4は、同じであるか又は異なっており、並びにSO3H、PO32、O−PO32及び/又はパラ置換されて存在するC64−SO3Hによって表される]、
【化5】

[式中、
5は、同じであるか又は異なっており、並びにH及び/又は非分岐あるいは分岐したC1〜C4−アルキル基によって表され;
Zは、同じであるか又は異なっており、並びにO及び/又はNHによって表される]、
【化6】

[式中、
6は、同じであるか又は異なっており、並びにH及び/又は非分岐あるいは分岐したC1〜C4−アルキル基によって表され;
Qは、同じであるか又は異なっており、並びにNH及び/又はOによって表され;
7は、同じであるか又は異なっており、並びにH、(Cn2n)−SO3H、その際、n=0、1、2、3又は4、(Cn2n)−OH、その際、n=0、1、2、3又は4;(Cn2n)−PO32、その際、n=0、1、2、3又は4、(Cn2n)−OPO32、その際、n=0、1、2、3又は4、(C64)−SO3H、(C64)−PO32、(C64)−OPO32及び/又は(Cm2me−O−(A'O)α−R9、その際、0、1、2、3又は4、e=0、1、2、3又は4、A'=Cx'2x'、その際、x'=2、3、4又は5及び/又はCH2C(C65)H−、α=1〜350の整数、その際、R9は、同じであるか又は異なっており、並びに非分岐あるいは分岐したC1〜C4−アルキル基によって表される]が存在することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のコポリマー。
【請求項8】
酸−構造単位γは、酸モノマーのメタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸及び/又は無水マレイン酸の重合導入によって作製されることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のコポリマー。
【請求項9】
全ての構造単位の少なくとも45モル%、有利には少なくとも80モル%が、イソプレノールポリエーテル誘導体−構造単位α、ビニルオキシポリエーテル誘導体−構造単位β及び酸−構造単位γとして存在する、請求項1から8までのいずれか1項記載のコポリマー。
【請求項10】
水少なくとも30質量%並びに請求項1から9までのいずれか1項記載のコポリマー少なくとも10質量%を含有する分散剤。
【請求項11】
水溶液の形態で存在する、請求項10記載の分散剤。
【請求項12】
イソプレノールポリエーテル誘導体モノマー、ビニルオキシポリエーテル誘導体モノマー及び酸モノマーを、水溶液中で、過酸化物を含有するレドックス開始剤系の使用下でのラジカル重合によって反応させ、その際、重合中の該水溶液の温度は10〜45℃であり、並びにpH値は3.5〜6.5であることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載のコポリマー又は請求項10又は11記載の分散剤の製造方法。
【請求項13】
水硬性結合剤用及び/又は潜在水硬性結合剤用の分散剤としての、請求項1から9までのいずれか1項記載のコポリマーの使用。

【公表番号】特表2012−511094(P2012−511094A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540000(P2011−540000)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【国際出願番号】PCT/EP2009/065786
【国際公開番号】WO2010/076093
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(503343336)コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー (139)
【氏名又は名称原語表記】Construction Research & Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Dr.−Albert−Frank−Strasse 32, D−83308 Trostberg, Germany
【Fターム(参考)】