説明

酸素濃縮装置とその運転制御方法

【課題】装置停止時に吸着筒の吸湿をより確実にして、起動時の圧縮空気発生部の起動リスクを低減させることができる酸素濃縮装置とその運転制御方法を提供すること。
【解決手段】圧縮空気を発生する圧縮空気発生部52と、前記圧縮空気を内部に導入して該内部に充填された吸着剤により窒素を吸着して酸素を分離生成する2つの吸着部61,62とを備え、前記圧縮空気発生部からの高圧の空気を、前記2つの吸着部に所定周期で交互に供給するために三方弁2個57,58を有する供給経路切り替え手段を備える酸素濃縮装置において、酸素濃縮ガスの一部を減圧中の吸着部に供給して、パージガスとして利用するために、前記2つの吸着部の出口間に接続された均等圧弁を備えており、前記各三方弁のノーマルオープンポート57a,58aには前記圧縮空気発生部からの加圧空気ポートが接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中から酸素を分離生成する酸素濃縮装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
肺に疾病を抱える患者が高濃度の酸素を吸引するために使用する酸素濃縮器は種々提案されており、大気の一部を用いてコンプレッサにより圧縮空気を作り、該圧縮された空気を吸着用の筒体内部に送り込み、該吸着筒体内の吸着剤に窒素を吸着させることにより生成した酸素を、鼻カニューラを用いて、患者に摂取させる比較的コンパクトな酸素濃縮装置としては特許文献1のものが知られている。
従来から、上述のような酸素濃縮装置では、吸着筒体に、ゼオライトを内蔵しており、このゼオライトが長時間大気に接触していると、大気中の水分を吸着して劣化が進むという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−188123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、図4のような構造の酸素濃縮装置10が考えられる。
図4は本発明に含まれない酸素濃縮装置の構成例であり、図において、酸素濃縮装置は、フィルタ1を設け他空気取り入れ管L1に、空気圧縮部としてのコンプレッサ2を接続している。このコンプレッサ2の近傍には、冷却ファン3を設けて、昇圧とともに温度が上がるので、冷却するようにしている。
コンプレッサ2からは、安全弁4、及び熱交換器5が接続された圧縮空気の送り管L2は二つに分かれた分岐管L4−1、L4−2を備える送り管L4が延びており、各分岐管L4−2は、第2の三方弁8に、分岐管L4−1は、各の三方弁7,8のノーマルクローズポート7a,8aにそれぞれ接続されている。
【0005】
すなわち、第1の三方弁7のノーマルクローズポート7aに分岐管L4−1先端の加圧空気ポートが接続され、この第1の三方弁7のノーマルオープンポート7bにはバイパス管L5が接続されている。バイパス管L5は大気解放管L6に接続されている。
同様に、第2の三方弁8のノーマルクローズポート8aに分岐管L4−2先端の加圧空気ポートが接続され、ノーマルオープンポート8bはバイパス管L5と接続された大気解放管L6に接続されている。
大気解放管L6の下流には、大気が侵入しないように、逆止弁26と、さらに下流にはサイレンサー9が配置されている。
【0006】
各三方弁7,8の各出口ポート7c,8cはそれぞれ吸着筒11,12に接続されている。吸着筒11,12の出口側延びる管路L9、L10は、ひとつの均等圧弁13に接続されている。さらに、各吸着筒11,12の下流には、生成した酸素を貯留するための製品タンク16が配置されている。この製品タンク16には圧力センサ17が接続されている。
製品タンク16から延びる下流の配管L13には、圧力調整器18、フィルタ19、酸素センサ21、流量コントローラ22、圧力センサ23、加湿器24、流量センサ25が順次接続され、酸素出口につながっている。
【0007】
図5は、図4の酸素濃縮装置の運転例を示すタイムチャートである。
起動前においては、吸着筒11,12内に収容されているゼオライトが、大気と接触すると、その湿度によって、劣化してしまう。これを防ぐため、三方弁7,8の各出口ポート7c,8cは、それぞれバイパス管L5と大気解放管L6に接続されている。大気開放管L6は、吸着筒を大気開放する際にだけ気体通過されるように、大気が内部に侵入するのを阻止する逆止弁26が設けられているのである。
【0008】
したがって、酸素濃縮器10の起動に際しては、図5のS1ないしS4までのステップにおいて、三方弁7,8と均等圧弁13は閉止されており、コンプレッサ2も止まっている。
次いで、吸着筒11の吸着工程であるステップ5(S5)では、使用する吸着筒11側の三方弁7に通電して電磁弁である三方弁7を開き、出口ポート7Cと接続するポートをノーマルクローズポート7aに変更する。これにより、三方弁7は吸着筒11を分岐管L4−1を介して、送り管L4、L2に接続する。しかし、三方弁8と均等圧弁13は、オフ状態なので、これら送り管L4、L2とは連通されない。そして、この段階でコンプレッサ2が駆動開始される。
次に、ステップ6のパージ工程(S6)では、均等圧弁16が開かれるので、接続された管路の酸素がパージされる。
【0009】
続いて、ステップ7では、三方弁8にも通電されるから、吸着筒12も送り管L4、L2側と連通し、吸着筒11、12の圧力が等しくされる均等圧工程が実行される(S7)。
次に、ステップ8として、三方弁7の通電をオフして閉止し、均等圧弁13も閉めるので、吸着筒12にだけ圧縮空気が送られて吸着筒12の吸着工程(S8)が行われる。
その後、S9、S10は既に説明したパージ工程と均等圧工程と同じである。
【0010】
ところで、このような酸素濃縮装置10であると、三方弁7,8に通電しない不使用時には、サイレンサー9から大気が各三方弁7,8を介して吸着筒11,12に入り込んでしまうため、図4に示すように逆止弁26を設けなければならず、製造コストの上昇をまねくという問題があった。
そして、逆止弁を設けても、なお、大気からの吸湿を完全に遮断できないという欠点がある。
また、大気解放管L6が直接、あるいはバイパス管L5と各三方弁7,8のノーマルオープンポートと7b,8bと接続されているので、装置の不使用時には、常に各三方弁7,8に通電しなければならず、省電力の観点から好ましくない。
【0011】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、装置停止時に吸着筒の吸湿をより確実にして、起動時の圧縮空気発生部の起動リスクを低減させることができる酸素濃縮装置とその運転制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、圧縮空気を発生する圧縮空気発生部と、前記圧縮空気を内部に導入して該内部に充填された吸着剤により窒素を吸着して酸素を分離生成する2つの吸着部とを備え、前記圧縮空気発生部からの高圧の空気を、前記2つの吸着部に所定周期で交互に供給するために三方弁2個を有する供給経路切り替え手段を備える酸素濃縮装置において、酸素濃縮ガスの一部を減圧中の吸着部に供給して、パージガスとして利用するために、前記2つの吸着部の出口間に接続された均等圧弁を備えており、前記各三方弁のノーマルオープンポートには前記圧縮空気発生部からの加圧空気ポートが接続されている構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、各三方弁のノーマルオープンポートには前記圧縮空気発生部からの加圧空気ポートが接続されているので、装置不使用時に大気開放管側は各三方弁のノーマルクローズポートで閉止されているから、前記二つの吸着部に大気中の湿気が入り込むこともなく、吸着剤の劣化を確実に防止できる。
また、前記2つの吸着部への大気の侵入を防ぐために大気開放管に逆止弁を設ける必要もないので、その分製造コストを低減できる。
さらに装置を使用していない時に電磁弁で構成した前記2つの三方弁に通電する必要がないので、省電力を図ることができる。
【0013】
好ましくは、少なくとも、前記圧縮空気発生部としてのコンプレッサと、前記2つの三方弁と前記均等圧弁とを駆動制御する制御部を備えており、該制御部が圧縮空気発生部としてのコンプレッサが起動開始される前に前記吸着部と外気を連通する構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、コンプレッサ起動時に、三方弁から吸着部に至る経路がガス抜きされるので、コンプレッサ起動に際しての負荷を大幅に低減でき、故障の原因を減らし、耐久性を向上させることができる。
【0014】
好ましくは、前記制御部が、運転終了時に前記吸着部と外気を連通する構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、運転終了に先だって、三方弁から吸着部に至る経路がガス抜きされるので、コンプレッサの吐出側の圧力を下げ、運転終了後に、負荷がかかりにくい構造とすることができる。
【0015】
また、本発明は、圧縮空気を発生する圧縮空気発生部と、前記圧縮空気を内部に導入して該内部に充填された吸着剤により窒素を吸着して酸素を分離生成する2つの吸着部とを備え、前記圧縮空気発生部からの高圧の空気を、前記2つの吸着部に所定周期で交互に供給するために、加圧空気ポートが、ノーマルオープンポートに接続されている構成の三方弁2個を有する供給経路切り替え手段を備える酸素濃縮装置運転制御方法であって、少なくとも、前記空気圧縮手段を駆動して加圧空気を供給する前に、各吸着部を交互に大気開放する起動時ガス抜き工程を有することを特徴とする。
【0016】
好ましくは、各吸着部を交互に大気開放する終了時ガス抜き工程を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、装置停止時に吸着床の吸湿を防止しつつ、起動時の圧縮空気発生部の起動リスクを低減させることができる酸素濃縮装置とその運転制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態にかかる酸素濃縮装置の概略構成を示す系統図。
【図2】図1の装置の運転例を示すタイムチャート。
【図3】図1の装置の運転例を示すタイムチャート。
【図4】従来の酸素濃縮装置の概略構成の一例を示す系統図。
【図5】図4の装置の運転例を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態にかかる酸素濃縮装置の概略構成を示す系統図である。
図において、酸素濃縮装置50は、制御部30を備えている。制御部30は、生成する酸素量に応じた、最適な動作モードに切り替える機能を備えており、後述するように、自動的にコンプレッサ、送風ファンを、多くの酸素生成をする場合は高速に、少ない酸素生成時において低速に回転駆動する制御を行うようになっている。
【0021】
また、制御部30にはコンプレッサの回転体であるモータおよび送風ファンのモータの駆動制御を夫々行うモータ制御部や、図1の各可動部やセンサ類が直接、あるいは付加する制御部を介して接続されているが、その接続線は、図1を見にくくし、理解を妨げるので省略する。制御部30には内部バッテリ32と、家庭用の交流電源用のコンバータ等を内蔵したアダプタ31が接続されている。内部バッテリ32には、例えば、リチウムイオンなどの二次電池が使用されている。
【0022】
この制御部30には所定動作プログラムを記憶したROMが内蔵されるとともに、記憶装置と揮発メモリと一時記憶装置とリアルタイムクロック等とがさらに接続されており、図示しない外部コネクタを介して通信回線などと接続することで記憶内容へのアクセスが可能となるように構成されている。
【0023】
図1において、酸素濃縮装置50は、装置内部の配管管路始端から空気を取り入れ、この空気取り入れ管L1にフィルタ51を設けて、空気圧縮部としてのコンプレッサ52を接続している。このコンプレッサ52の近傍には、コンプレッサ(モータ)冷却用の送風ファン53を設けて、コンプレッサの昇圧とともに温度が上がるので、冷却するようにしている。
コンプレッサ52からは、安全弁54、及び熱交換器55が接続された圧縮空気の送り管L2が延びている。その下流は二つに分かれた分岐管L4−1、L4−2を備える送り管L4が延びており、分岐管L4−1は、第1の三方弁57に、分岐管L4−2は、第2の三方弁58に接続されている。
【0024】
ここで、第1の三方弁57のノーマルオープンポート57aに分岐管L4−1先端の加圧空気ポートが接続され、この第1の三方弁57のノーマルクローズポート57bにはバイパス管L5が接続されている。バイパス管L5は大気解放管L6に接続されている。
同様に、第2の三方弁58のノーマルオープンポート58aに分岐管L4−2先端の加圧空気ポートが接続され、ノーマルクローズポート58bはバイパス管L5と接続された大気解放管L6に接続されている。
大気解放管L6の下流には、大気解放時の消音を図るためのサイレンサー59が配置されている。
【0025】
各三方弁57,58の各出口ポート57c,58cはそれぞれ吸着筒61,62に接続されている。吸着筒61,62の出口側から延びる管路L9、L10は、ひとつの均等圧弁63に接続されている。さらに、各吸着筒61,62の下流には、生成した酸素を貯留するための製品タンク66が配置されている。この製品タンク66にはタンク内の圧力を計測するための圧力センサ67が接続されている。
製品タンク66から延びる下流の配管L13には、圧力調整器68、フィルタ69、酸素センサ71、流量コントローラ72、圧力センサ73、加湿器74、流量センサ75が順次接続され、酸素出口につながっている。
【0026】
図2は、図1の酸素濃縮装置の運転例を示すタイムチャートである。
起動前においては、吸着筒11,12内に収容されているゼオライトが、大気と接触すると、その湿度によって、劣化してしまう。これを防ぐため、既に説明したように、三方弁57のノーマルオープンポート57aには、分岐管L4−1先端の加圧空気ポートが接続され、この第1の三方弁7のノーマルクローズポート7bにはバイパス管L5が接続されている。バイパス管L5は大気解放管L6に接続されている。三方弁58のノーマルオープンポート58aには、分岐管L4−2先端の加圧空気ポートが接続され、この第2の三方弁58のノーマルクローズポート58bにはバイパス管L6が接続されている。これによって、起動していない、つまり運転していない状態では、各三方弁57,58を介して吸着筒61,62に大気が入り込むことがないから、各吸着筒61,62内のゼオライトが劣化することが有効に防止される(ステップ10、S10)。
【0027】
ステップ11からステップ13までは、上記のように閉鎖された管路から空気をパージする起動時ガス抜き工程(G1)である。
具体的には、ステップ11では、三方弁58には通電せず、吸着筒61につながるバルブ57に通電すると、三方弁57のノーマルクローズポート57bに分岐管L5と、それにつながる大気開放管L6が接続されるので、吸着筒61は大気開放され、大気圧となる。この時、均等圧弁63も開く。(S11)
次のステップ12で、三方弁57の通電を切って、三方弁58に通電すると、三方弁58のノーマルクローズポート58bと大気解放管L6が接続されるので、吸着筒62も大気圧となる。均等圧弁63は開いたままである(起動時工程)(S12)。
【0028】
続いて、ステップ13で、三方弁57の通電を切り、三方弁58に通電する。これにより、三方弁57にだけ加圧空気ポートが接続される。この状態で均等圧弁63はオフすることにより閉めており、コンプレッサ52は未だ起動されていない(ST13)。
【0029】
続いて、ステップ14では、三方弁57,58の動作はそのままに、均等圧弁63はオフすることにより閉じられ、コンプレッサ52は起動される。これにより、コンプレッサ52からの圧縮空気が吸着筒61にだけ通され、吸着筒61において、窒素の吸着および酸素の生成がされる(ST14)。
ここで、コンプレッサ52が駆動される際にその下流が予めパージされているから、コンプレッサ起動に際しての負荷を大幅に低減でき、故障の原因を減らし、耐久性を向上させることができる。
次いで、ステップ15において、均等圧弁63がオンされて開き、管路L9、L10を接続されると、吸着筒62内がパージされる(パージ工程、S15)。
次に、ステップ16で三方弁58もオフされることにより、三方弁57と同様に加圧空気ポート側と接続されるので、均等圧弁63の作用により両吸着筒61,62とが均一の圧力とされる(S16)。
【0030】
次に、ステップ17で、三方弁57をオンし、大気開放側と接続し、三方弁58だけオフして、加圧空気ポート側と接続するとともに、均等圧弁63をオフして接続を解除すると、吸着筒62内にのみ圧縮空気が供給され、窒素の吸着と酸素の生成が行われる(S17)。
次いで、均等圧弁63をオンして開き、管路L9、L10を接続すると、吸着筒61内がパージされる(パージ工程、S18)。
次に、ステップ19で三方弁57もオフされることにより、三方弁58と同様に加圧空気ポート側と接続されるので、均等圧弁63の作用により両吸着筒61,62とが均一の圧力とされる(S19)。
以上のように、S14からS19を繰り返すことにより運転が継続される。
【0031】
図3の左半分のタイムチャートは図2と同じであり、右半分のタイムチャートは以上で説明した運転を継続してきて、終了する場合を示している。
図に置いて、ステップ21は吸着筒62の吸着工程と同じであり、ステップ22からステップ24までが、終了時ガス抜き工程G2である。
すなわち、ステップ22では、約1.5秒間、コンプレッサ52が動きを止めるとともに、三方弁57をオフして加圧空気ポート側と接続し、逆に三方弁58は通電して大気開放側と接続する。均等圧弁63は、オンして開き、管路L9とL10を接続する(S22)。
【0032】
これにより、吸着筒62側から大気開放され、ステップ23で、約1,5秒間、三方弁57をオンして、大気開放側に接続し、三方弁58は通電して加圧空気ポート側と接続するが、コンプレッサは止まっていて加圧空気は供給されない。
もう一度、ステップ24で、約1.5秒間、コンプレッサ52が動きを止めるとともに、三方弁57をオフして加圧空気ポート側と接続し、逆に三方弁58は通電して大気開放側と接続する。均等圧弁63は、オンして開き、管路L9とL10を接続する(S24)。
このようにして、終了時ガス抜き工程G2を行うことにより、運転終了に先だって、三方弁から吸着部に至る経路がガス抜きされるので、コンプレッサの吐出側の圧力を下げ、運転終了後に、コンプレッサ52に負荷がかかりにくい構造とすることができる。
【0033】
以上説明したように、本実施形態によれば、低回転領域で起動した場合にも起動直後から安定した原料空気を吸着部に供給することができる酸素濃縮装置を提供することができる。
【0034】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。
上述の実施形態では、吸着部を吸着筒とし、その中にゼオライトを収容したが、形状は筒体に限るものではない。
上記実施形態に記載された事項は、その一部を省略してもよいし、上記で説明しない他の構成と組み合わせることによっても本発明の範囲を逸脱するものではない。
【符号の説明】
【0035】
50・・・酸素濃縮装置、52・・・コンプレッサ、57,58・・・三方弁、61,62・・・吸着筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気を発生する圧縮空気発生部と、前記圧縮空気を内部に導入して該内部に充填された吸着剤により窒素を吸着して酸素を分離生成する2つの吸着部とを備え、前記圧縮空気発生部からの高圧の空気を、前記2つの吸着部に所定周期で交互に供給するために三方弁2個を有する供給経路切り替え手段を備える酸素濃縮装置において、
酸素濃縮ガスの一部を減圧中の吸着部に供給して、パージガスとして利用するために、前記2つの吸着部の出口間に接続された均等圧弁を備えており、
前記各三方弁のノーマルオープンポートには前記圧縮空気発生部からの加圧空気ポートが接続されている構成とした
ことを特徴とする酸素濃縮装置。
【請求項2】
少なくとも、前記圧縮空気発生部としてのコンプレッサと、前記2つの三方弁と前記均等圧弁とを駆動制御する制御部を備えており、該制御部が圧縮空気発生部としてのコンプレッサが起動開始される前に前記吸着部と外気を連通する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の酸素濃縮装置。
【請求項3】
前記制御部が、運転終了時に前記吸着部と外気を連通する構成としたことを特徴とする請求項2に記載の酸素濃縮装置。
【請求項4】
圧縮空気を発生する圧縮空気発生部と、前記圧縮空気を内部に導入して該内部に充填された吸着剤により窒素を吸着して酸素を分離生成する2つの吸着部とを備え、前記圧縮空気発生部からの高圧の空気を、前記2つの吸着部に所定周期で交互に供給するために、加圧空気ポートが、ノーマルオープンポートに接続されている構成の三方弁2個を有する供給経路切り替え手段を備える酸素濃縮装置運転制御方法であって、
少なくとも、前記空気圧縮手段を駆動して加圧空気を供給する前に、各吸着部を交互に大気開放する起動時ガス抜き工程を有することを特徴とする酸素濃縮装置の運転制御方法。
【請求項5】
各吸着部を交互に大気開放する終了時ガス抜き工程を備えることを特徴とする請求項4に記載の酸素濃縮装置の運転制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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