説明

重合部材の隙間発生防止装置

【課題】 異なるアルミ押出材を重合配置した上枠において、アルミ押出材間に生じることある隙間の発生を防止する。
【解決手段】 上枠12の長手方向中間の一方の部材12aに成形基板3を固定して、この一方の部材12aに重合配置した他方の部材12bの開口溝15に成形基板3を受け入れ、その下端に軸支した引寄せ回動片4を、他方の部材12bの上面でネジ杆5を回転して強制回動する。引寄せ回動片4の押圧突起44が、他方の部材12bに設置した引寄せ突起16を一方の部材12a側に押圧するから、他方の部材12bを一方の部材12aに引寄せ密着して、この間の隙間を解消して、外観のよい上枠とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、一対の部材を前後又は左右に重合配置し横枠、縦枠等のフレームとして使用する如くに、開口部材、屋外構築物等に好適に用いることができる重合部材の隙間発生防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
開口部材の、例えば、門フレーム、アーチ、シャッター、ドア、引き戸の枠フレーム、屋外構築物の、例えば、カーポートの側枠、前枠の枠フレーム、屋外構築物の、例えば、サンルームの枠フレーム等は、支柱に上枠を架設固定したものとされるところ、該架設固定は、支柱上端に上枠長手方向両端部を載置固定し、ブラケット等の金具を用いて行ったものとされる。このとき、これら支柱や上枠のフレーム部材は、一体成形のアルミ押出材に切断、切欠き、穴あけ等の加工を施して構成するとともに該アルミ押出材は、その強度を確保するために、断面矩形、方形、円形等の中空材を用いるものとし、該中空のアルミ押出材とした、例えば上枠は、これを、単一本用いるようにして、支柱上に架設固定するものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−174262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらはそれぞれ使用目的に即した強度と機能を発揮するものとされるが、例えば、フレーム部材を、外観デザインを向上する目的や一体成形による金型の大型化を避ける目的で、前後や左右に分離した一対の部材を相互に重合配置したものとすると、該フレーム部材は、その長手方向両端を支柱に架設固定したものとされることによって、長手方向中間位置において、これら重合した一対のフレーム部材間に隙間が発生することがある。これは部材の反り、部材の長さ誤差、部材の重量等に起因するものと見られるが、上枠にこのような隙間が生じると、これが僅かなものであっても、外観を損なうために、製品不良の印象を与える可能性があり、従って、これらのフレーム部材を重合配置したものとすることができず、このため、外観デザインの制約を受けたり、大型の金型を使用することによってコストダウンの障害となったりする。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、その解決課題とするところは、部材を重合したときに生じる可能性のある隙間の発生を、可及的簡易且つ確実に解消しして、開口部材、屋外構築物等に広く適用し得るようにした重合部材の隙間発生防止装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に沿って本発明は、隙間発生防止を、重合配置した部材を相互に引寄せ対接することによって行うようにして、これを、重合配置した一方の部材に固定した成形基板に引寄せ回動片を回動自在に配置するとともに該引寄せ回動片を操作金具の操作によって強制回動して、該引寄せ回動片によって他方の部材に起立配置した引寄せ突起を押圧して、一方の部材側に向けて該他方の部材を引寄せ対接するようにしたものであって、即ち、請求項1に記載の発明を、重合配置した一方の部材に他方の部材を引寄せ対接して長手方向中間の隙間発生を防止した隙間発生防止装置であって、上記他方の部材内に突出するように一方の部材に固定した成形基板と、該成形基板の対向端部一端側に回動自在に軸支した引寄せ回動片と、該成形基板の対向端部他端側に進退自在に配置して上記引寄せ回動片を押圧回動自在とした操作金具と、上記他方の部材の上記引寄せ回動片の回動半径内に起立配置して上記操作金具による引寄せ回動片の回動によって該他方の部材を一方の部材に向けて引寄せ自在とした引寄せ突起を備えてなることを特徴とする重合部材の隙間発生防止装置としたものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、一方及び他方の部材を、開口部材、屋外構築物等に使い勝手のよいアルミ製とするとともに隙間発生防止のための成形基板及び引寄回動片を、精度の良い、同じくアルミ製として確実な作動をなし得るものとするように、これを、上記重合配置した一方及び他方の双方の部材をアルミ押出材を加工したアルミ製とするとともに上記他方の部材に起立配置した引寄せ突起を該他方の部材に一体成形し且つ成形基板及び引寄せ回動片を同じくアルミ押出材を加工したアルミ製としてなることを特徴とする請求項1に記載の重合部材の隙間発生防止装置としたものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、同じく上記に加えて、引寄せ回動片を操作金具による確実な回動と他方の部材の引寄せ対接の確実な作動を行うものとするように、これを、上記成形基板に回動自在に軸支した引寄せ回動片を、上記操作金具を受止めする先端側の受座及び上記引寄せ突起を押圧する後端側の押圧突起を備えて形成してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の隙間発生防止装置としたものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、同じく上記に加えて、操作金具をスムーズな進退と確実な引寄せ回動片の押圧を行うものとするように、これを、上記成形基板の対向端部他端側に他方の部材側に向けて突出片を突出配置し、該突出片の面内にナットを配置し、上記操作金具を該ナットに螺装して進退自在に配置したネジ杆によって形成してなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の重合部材の隙間発生防止装置としたものとしてある。
【0010】
請求項5に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記ネジ杆の進行を先端の振れを防止して確実になし得るものとするように、これを、上記成形基板の対向端部間中間に他方の部材側に向けて突出片を突出配置し、該突出片の面内に透孔を配置し、上記ネジ杆を該透孔によって振れ止め保持してなることを特徴とする請求項4に記載の重合部材の隙間発生防止装置としたものである。
【0011】
請求項6に記載の発明は、上記一方及び他方の部材を、隙間発生可能性の高い長尺材とするとともにその発生防止を長手方向中間位置で行うようにして、該隙間発生防止を有効且つ確実になし得るものとするように、これを、上記一方及び他方の双方の部材を長尺とし、その上記引寄せ対接を、該長尺の双方の部材の長手方向中間位置で行なってなることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の重合部材の隙間発生防止装置としたものである。
【0012】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として、上記課題解決の手段としたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は以上のとおりに構成したから、請求項1に記載の発明は、隙間発生防止を、重合配置した部材を相互に引寄せ対接することによって行うようにして、これを、重合配置した一方の部材に固定した成形基板に引寄せ回動片を回動自在に配置するとともに該引寄せ回動片を操作金具の操作によって強制回動して、該引寄せ回動片によって他方の部材に起立配置した引寄せ突起を押圧して、一方の部材側に向けて該他方の部材を引寄せ対接するようにして、部材を重合したときに生じる可能性のある隙間の発生を、可及的簡易且つ確実に解消して、開口部材、屋外構築物等に広く適用し得るようにした重合部材の隙間発生防止装置を提供することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、一方及び他方の部材を、開口部材、屋外構築物等に使い勝手のよいアルミ製とするとともに隙間発生防止のための成形基板及び引寄回動片を、精度の良い、同じくアルミ製として確実な作動をなし得るものとすることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、同じく上記に加えて、引寄せ回動片を操作金具による確実な回動と他方の部材の引寄せ対接の確実な作動を行うものとすることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、同じく上記に加えて、操作金具をスムーズな進退と確実な引寄せ回動片の押圧を行うものとすることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記ネジ杆の進行を先端の振れを防止して確実になし得るものとすることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、上記一方及び他方の部材を、隙間発生可能性の高い長尺材とするとともにその発生防止を長手方向中間位置で行うようにして、該隙間発生防止を有効且つ確実になし得るものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】門フレームの正面図である。
【図2】門フレームの平面図である。
【図3】図1のA−A’線縦断面図である。
【図4】隙間発生防止装置の斜視図である。
【図5】成形基板と引寄せ回動片の関係を示す部分拡大図である。
【図6】隙間発生防止装置の作動状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば、図中1は、例えば玄関に設置するように用いる門フレームであり、該門フレーム1は、左右の支柱11に上枠12を架設固定して出入開口を形成したものとしてあり、本例にあって、上記上枠12は、一方の部材12aに他方の部材12bを重合配置して、一方の部材12aと上端を面一にして他方の部材12bを短寸の庇状の突出した断面倒L字状のものとしてあり、本例にあって該重合配置した一方及び他方の双方の部材12a、12bは、これらをアルミ押出材を加工したアルミ製とし、また、該一方及び他方の双方の部材12a、12bは、これらを長尺とすることによって、上枠12を長尺のものとしてある。
【0021】
即ち、本例にあって該長尺の一方及び他方の部材12a、12bは、それぞれ中空基部13と、該中空基部13の下方又は側方に一体成形した対向突片14によって区画した開口溝15を配置し、一方の部材12aにあって下方の開口溝15を、その対向突片14に対してスナップイン係合乃至スライド係合自在の係合手段を有するカバー材18によって閉塞被覆してあり、他方の部材12bにあっては、該開口溝15の対向突片14を一方の部材12aの縦長の側面片側に押し付け状に対接して、これを重合配置したものとしてある。このとき、これら一方及び他方の部材12a、12bは、その長手方向両端をこれらの重合状態で支柱11に突き当て配置し、長手方向端部にネジ止めしたタッピングネジ固定用金具12cを用いて該支柱11への架設固定を行うことにより、上記上枠12を形成したものとしてある。
【0022】
このとき、これら重合配置した一方及び他方の部材12a、12b間には、一方の部材12aに他方の部材12bを引寄せ対接して長手方向中間の隙間発生を防止した隙間発生防止装置2を配置してあり、該隙間発生防止装置2は、上記他方の部材12b内に突出するように一方の部材12aに固定した成形基板3と、該成形基板3の対向端部一端側に回動自在に軸支した引寄せ回動片4と、該成形基板3の対向端部他端側に進退自在に配置して上記引寄せ回動片4を押圧回動自在とした操作金具5と、上記他方の部材12bの上記引寄せ回動片4の回動半径内に起立配置して上記操作金具5による引寄せ回動片4の回動によって該他方の部材を一方の部材に向けて引寄せ自在とした引寄せ突起16を備えて、これを構成したものとしてある。
【0023】
本例にあって該隙間発生防止装置2による上記引寄せ対接、即ち、一方の部材12aに対する他方の部材12bの引寄せ対接は、これを、上記長尺の双方の部材12a、12bの長手方向中間位置で行なったものとしてあり、これら双方の部材12a、12bを長尺としたことによる、これらの間に生じる隙間の発生防止を可及的有効且つ確実に行うようにしてある。
【0024】
本例の隙間発生防止装置2は、その成形基板及び引寄せ回動片を同じくアルミ押出材を加工したアルミ製としてあり、また、他の部材12bに起立配置した引寄せ突起16は、該他方の部材12bの中空基部13に一体成形して配置した上記対向突片14からこれに交差するように開口溝の内側に向けてそれぞれ突起を起立配置し、その下位の対向突片14に起立配置した突起によるものとしてある。
【0025】
このとき、本例にあって該成形基板3は、その対向端部他端側に他方の部材側に向けて突出片33を突出配置し、該突出片33の面内にナット34を配置し、上記操作金具5を該ナット34に螺装して進退自在に配置したネジ杆5によって形成したものとし、また、その対向端部間中間に他方の部材12b側に向けて突出片35を突出配置し、該突出片35の面内に透孔36を配置し、上記ネジ杆5を該透孔36によって振れ止め保持したものとしてある。
【0026】
即ち、成形基板3は、例えば、図4に示すように、上方左右に一対のネジ透孔を配置した固定プレート31と、該固定プレート31の上端に倒L字状の連結片32を介して水平に突出し、幅方向中央位置の面内にナット34を配置した上位の突出片33と、その下位の上下中間位置に水平に突出し、同じく幅方向中央位置の面内に、上記ナット34と同一位置とするように透孔36を配置した下位の突出片35を、固定プレート31と一体に押出成形したものとしてあり、また、該固定プレート31の下端には、上記引寄せ回動片4を回動自在に軸支する、軸支一方の軸受37を、上記各突出片33,35と同一側に突出するよう同じく一体に押出成形して配置してあり、本例の成形基板3は、例えば、高さ及び幅を10〜15cm程度として、これより高い他方の部材12bの開口溝15内に受け入れ自在のものとしてある。
【0027】
このとき上記上位の突出片33は、これをやや厚肉として、操作金具、本例にあってはネジ杆5の進退自在の保持に適した強度を備えたものとし、また、上記引寄せ回動片4を軸支する軸受37は、突出方向上方を1/4円程度開口した断面C字状として、その両端に膨出部を配置して、後述の引寄せ回動片4の回動範囲を開口と膨出部によって規制するようにしてある。
【0028】
本例にあって引寄せ回動片4は、上記操作金具、本例にあってはネジ杆5を受止めする先端側の受座43及び上記引寄せ突起16を押圧する後端側の押圧突起44を備えて形成してあり、また、上記固定プレート31の軸受37に回動自在に係合した支軸41を、上記一方の部材12a側に向けて突出するように配置したものとしてある。
【0029】
即ち、引寄せ回動片4は、上記成形基板3の軸受37に回動自在に配置した支軸41と、上記軸受37の開口を通過して他方の部材12b側に向けて、該支軸41から突出したL字状の連結片42を介して配置した上記受座43と押圧突起44を備えたものとしてあり、本例にあって該受座43と押圧突起44は上記連結片42の先端から傾斜突出した傾斜片の一方の他方の部材12b側に受座43を、これと逆の一方の部材12a側に押圧突起44を、例えば、直線上に位置するように配置したものとしてある。
【0030】
本例にあって支軸41は、断面C字状にして両端の先端を外方に膨出して、上記軸受37の膨出部にそれぞれ係合して、該膨出部を回動ストッパーとし且つ軸受37との間で接触面積を可及的に小さくして摩擦抵抗を可及的に小さくする先端膨出部を配置し且つその内側溝には複数、例えば3本の突起を配置することによって該内側溝を、タッピングホールとして、軸支抜止め用のネジ45を螺入装着自在してある。
【0031】
受座43は、例えば、凹溝をなすように断面椀状にして、該引寄せ回動片4の回動角度の如何を問わずに、操作金具、本例にあってはネジ杆5の先端を常時受け入れ保持自在としたものとしてあり、また、押圧突起44は上記連結片42の先端と断面L字状をなすように該連結片42からリブ状にやや傾斜して突出配置してある。
【0032】
このとき、該引寄せ回動片4は、その長さを、上記成形基板3と同長としてあり、支軸41を軸受37に嵌合し、長手方向片側又は両側の端部において内側溝にネジ45を螺入し、該ネジ45のネジ頭を軸受端面に対面するように配置して、該支軸41の抜止めとしてある。
【0033】
本例にあってネジ杆5とした操作金具は、上記上位の突出片33のナット34に螺装して、その上端面に配置した頭部のプラス又はマイナス溝のドライバー操作によって、下位の突出片35の透孔36を振止めガイドとして、その下端を上記引寄せ回動片4の受座43に遊嵌状に受け入れて、その回転による下方への進行につれて該引寄せ回動片4を下向きに押圧してその強制回動を行うものとしてあり、本例にあって該ネジ杆5は、例えば数mmの軸径を有してその上方に雄ネジを形成し下端を先細りの押圧部とした長寸のものとしてある。
【0034】
成形基板3は、その固定プレート31のネジ透孔を介して固定プレート31側からのネジを一方の部材12aの側面に螺入して、これを該一方の部材12aに固定するとともに該成形基板3を、該一方の部材12aの側面に突き当て状に重合配置した他方の部材12bの開口溝15内に配置して、上位の突出片33を該開口溝15を画する上端側の対向突片14の裏面に対接するように配置し、該上位の突出片33に配置したナット34を該上端側の対向突片14に透設した図示省略の透孔に位置合せして、該透孔を介してナット34に操作金具のネジ杆5を螺装する一方、該成型基板3に軸支した引寄せ回動片4を、他方の部材12bの下端側の対向突条14に起立配置した引寄せ突起16を、その回動半径内に位置するように配置するものとして、上記隙間発生防止装置2を形成するものとしてある。
【0035】
従って、重合配置した上枠12の一方及び他方の部材12a、12bは、例えば現場で上枠12を支柱11に架設固定した後に、他方の部材12bの上面で、ドライバーによってネジ杆5を回転し、該ネジ杆5を下方に向けて進行して、その先端を引寄せ回動片4の受座43に突き当て、該突き当て状態で更にネジ杆を回転することによって、該引寄せ回動片4を下向きに押圧し、その強制回動を行うことによって、該受座43の逆側に位置する押圧突起44を他方の部材12bの引寄せ突起16に対接して、これを押圧することにより、該他方の部材12bを一方の部材12a側に引寄せ対接し、該他方の部材12bの対向突片14を一方の部材12aの側面に引寄せ密着して、これらの間に生じることある隙間の発生を防止したものとしてある。
【0036】
このとき、該隙間発生防止装置2は、これを重合配置した一方及び他方の部材12a、12bの長手方向中間位置に配置したことによって、支柱11の長手方向両端の固定状態で、その中間位置で引寄せ対接を行うことができるから、隙間の発生を有効且つ確実に防止でき、また、本例にあっては、成形基板3の上位の突出片33の設置に断面L字状の連結片32を用いたから、該連結片32が、他方の部材12bにおける上端側の対向突片14に、上記引寄せ突起16と同様に配置した起立突起17に対接するものとなり、該起立突起17が、上記押圧突起44の引寄せ突起16押圧に際して、成形基板3を保持し、その転び止め作用を発揮することによって、上記ネジ杆5の進行押圧による他方の部材12bの引寄せ対接をスムーズ且つ有効に行うことができる。
【0037】
図示した例は以上のとおりとしたが、一方及び他方の部材を長尺材とするとき、隙間発生防止装置を長手方向に複数配置すること、部材を合成樹脂の押出又は射出成形によって形成すること、成形部材を短幅のものとすること、一方及び他方の部材を、アルミ押出材と木材の組合せとするように異種の材質のものとすること、この場合、例えば、木材に成形基板を固定してアルミ押出材の中空部又は開口溝に成形部材を受け入れるようにし、また、逆の場合に木材に部分的な開口を配置するとともにこれに引寄せ突起を後付固定するようにすること、開口部材の他、屋外構築物等の各種製品に適用すること等を含めて、本発明の実施に当って、隙間発生防止装置、成形基板、引寄せ回動片、操作金具、引寄せ突起、必要に応じて用いるアルミ押出材、引寄せ回動片の受座乃至引寄せ突起、突出片、ナット、ネジ杆等の各具体的形状、構造、材質、これらの関係、これらに対する付加等は、上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
【符号の説明】
【0038】
1 門フレーム
11 支柱
12 上枠
12a 一方の部材
12b 他方の部材
12c タッピングネジ固定用金具
13 中空基部
14 対向突片
15 開口溝
16 引寄せ突起
17 起立突起
18 カバー材
2 隙間発生防止装置
3 成形基板
31 固定プレート
32 連結片
33 上位の突出片
34 ナット
35 下位の突出片
36 透孔
37 軸受
4 引寄せ回動片
41 支軸
42 連結片
43 受座
44 押圧突起
45 ネジ
5 ネジ杆

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合配置した一方の部材に他方の部材を引寄せ対接して長手方向中間の隙間発生を防止した隙間発生防止装置であって、上記他方の部材内に突出するように一方の部材に固定した成形基板と、該成形基板の対向端部一端側に回動自在に軸支した引寄せ回動片と、該成形基板の対向端部他端側に進退自在に配置して上記引寄せ回動片を押圧回動自在とした操作金具と、上記他方の部材の上記引寄せ回動片の回動半径内に起立配置して上記操作金具による引寄せ回動片の回動によって該他方の部材を一方の部材に向けて引寄せ自在とした引寄せ突起を備えてなることを特徴とする重合部材の隙間発生防止装置。
【請求項2】
上記重合配置した一方及び他方の双方の部材をアルミ押出材を加工したアルミ製とするとともに上記他方の部材に起立配置した引寄せ突起を該他方の部材に一体成形し且つ成形基板及び引寄せ回動片を同じくアルミ押出材を加工したアルミ製としてなることを特徴とする請求項1に記載の重合部材の隙間発生防止装置。
【請求項3】
上記成形基板に回動自在に軸支した引寄せ回動片を、上記操作金具を受止めする先端側の受座及び上記引寄せ突起を押圧する後端側の押圧突起を備えて形成してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の隙間発生防止装置。
【請求項4】
上記成形基板の対向端部他端側に他方の部材側に向けて突出片を突出配置し、該突出片の面内にナットを配置し、上記操作金具を該ナットに螺装して進退自在に配置したネジ杆によって形成してなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の重合部材の隙間発生防止装置。
【請求項5】
上記成形基板の対向端部間中間に他方の部材側に向けて突出片を突出配置し、該突出片の面内に透孔を配置し、上記ネジ杆を該透孔によって振れ止め保持してなることを特徴とする請求項4に記載の重合部材の隙間発生防止装置。
【請求項6】
上記一方及び他方の双方の部材を長尺とし、その上記引寄せ対接を、該長尺の双方の部材の長手方向中間位置で行なってなることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の重合部材の隙間発生防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−144523(P2011−144523A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4285(P2010−4285)
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【出願人】(000222130)東洋エクステリア株式会社 (102)
【Fターム(参考)】