説明

金属シリコンの精製方法及びその精製装置{Methodandapparatusforrefiningsilicon}

【課題】シリコン単結晶製造装置を用いて2Nの低純度金属シリコン(例えば、鉄鋼産業やアルミニウム産業に広く用いられている金属シリコン)を太陽電池の生産に適合する6〜7Nの高純度金属シリコンに精製することができる金属シリコンの精製方法とその精製装置を提供する。
【解決手段】低純度金属シリコンを出発原料として、坩堝内の金属シリコン表面を局部的に加熱して、表面に表面温度差を形成して精製する方法。チャンバ10内側に設けられて溶融金属シリコン100を保存する坩堝20と、金属シリコンを加熱して溶融させる加熱手段40と、溶融金属シリコンの上部表面を局部的に加熱する局部加熱手段50と、溶融金属シリコンの上部表面に不純物除去用物質を供給するガス供給管60を含むように構成された装置を使用する精製方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽電池の生産に適合する金属シリコンの精製方法とその精製装置に関し、詳細には、以前から広く使用されているシリコン単結晶製造装置を用いて 2Nの低純度金属シリコン(例えば、鉄鋼産業やアルミニウム産業に広く用いられている金属シリコン)を太陽電池の生産に適合する6〜7Nの高純度金属シリコンに精製することができる金属シリコンの精製方法とその精製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池の生産に使用された多結晶(金属)シリコンは、いわゆるシーメンス法と呼ばれる方法によって生産されている。
上記シーメンス(Siemens)法は長年実施されており、技術と実績が豊かで、製品の品質に優れており、太陽電池の生産に全く問題がない。
一般的に太陽電池は純度6〜7N(99.9999〜99.99999%)の高純度金属シリコンが使用される。
しかし、昨今の急激な市場拡大に伴う供給市場が要求する価格に対しては全く対応することができない欠点を有する。
すなわち、上記シーメンス(Siemens)法によって生産された金属シリコンの品質は、太陽電池用として使用されるのに不要に高品質であり、高品質で生産されることで価格が高い短所がある。また、生産原理上、生産時に塩酸(HCl)、三塩化シラン(SiHCl)、水素(H)が必要であり、また、生産中に発生する四塩化シラン(SiCl)を含み、すべての生産材料は有害で爆発する危険性があり、現在社会が要求するクリーンな環境的側面から見ても、問題のある生産方式であると言える。
また、冶金法によって太陽電池の生産に使用可能な純度を有する金属シリコンを生産する方法も下記のように報告されている。
【0003】
【非特許文献1】鉄鋼製造技術を活用したシリコンの高純度化。まてりあ第45巻第10号712〜715頁。
【0004】
【非特許文献2】工業用金属シリコンを用いる太陽電池基板用高純度シリコン製造プロセスの開発。鉄と鋼vol.86(2006)No-11.9〜16頁。上記文献には各種シリコンの精製方法が記載されているが、何れも大規模であり、安定的に連続して均一性を維持する製品を生産するのが困難であるという問題点がある。図1は従来使用されている典型的なシリコン単結晶製造装置の断面概略図である。図1に図示されたシリコン単結晶製造装置は、固体-液体間の偏析係数が互いに異なることで固体部分が精製され、同時に種子結晶と同様の結晶方向で成長するという理論に基づくものであって、幅広く半導体デバイス生産の基盤として以前から普遍的に使用されている技術であって、真空が可能なチャンバ(1)と、上記チャンバ(1)内側に設けられて溶融金属シリコンを保存する坩堝(2)と、上記坩堝(2)を支持し、回転と上下移動をする坩堝支持体(3)と、上記坩堝(2)に保存された金属シリコンを加熱して溶融させる加熱手段(4)で構成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記のような問題点を解決するためのものであり、本発明は以前から広く使用されているシリコン単結晶製造装置を用いて2N(99%)の低純度シリコン(例えば、鉄鋼産業やアルミニウム産業に広く使用された金属シリコン)を太陽電池の原料として使用可能な6〜7N(99.9999〜99.99999%)水準のシリコンを精製することができる金属シリコンの精製方法及びその精製装置を提供することに目的がある。
すなわち、本発明は従来の技術が有する問題点をすべて解決すると同時に、簡単な設備面でも従来からシリコン単結晶生産用として使用されていた設備を改造することによって、太陽電池の生産に必要な品質の多結晶金属シリコンを生産することができる金属シリコンの精製方法及びその精製装置を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を果たそうと本発明である金属シリコンの精製装置は、真空が可能なチャンバと、上記チャンバ内側に設けられて溶融金属シリコンを保存する坩堝と、上記坩堝を支持し、回転と上下移動が可能な坩堝支持体と、上記坩堝に保存された金属シリコンを加熱して溶融させる加熱手段と、上記坩堝に保存された溶融金属シリコンの上部表面を局部的に加熱するプラズマ(Plasma)銃で形成された局部加熱手段と、上記坩堝に保存された溶融金属シリコンの上部表面に不純物除去用物質を供給するガス供給管と、上記坩堝上部と離隔して設けられてガス供給管から供給される不純物除去用物質と坩堝内で発生したガスの流動を案内するガス誘導手段を含むように構成される。
上記坩堝下部には局部加熱手段によって局部加熱されることで破損されることを防止しようと熱伝逹を遮断する第1遮断手段がさらに形成され、上記坩堝支持体には局部加熱手段によって局部加熱されることで破損されることを防止しようと熱伝達を遮断する第2遮断手段がさらに形成される。
上記目的を達成しようと本発明である金属シリコンの精製方法は、低純度金属シリコンを出発原料として、太陽電池の生産に必要な純度に精製するに際して、坩堝内の金属シリコン表面を局部的に加熱する局部加熱手段を備えて表面に表面温度差を形成する金属シリコンの精製方法である。
上記表面温度差は摂氏50度以上の温度差を形成するのが好ましく、上記局部加熱手段はプラズマ(Plasma)が使用される。
上記坩堝内に供給されてモノシランと酸素と水素を発生させる不純物除去用物質が供給され、上記不純物除去用物質はO、O、H、HO、HO、HCLOのうち何れか一つを選択して使用し、上記不純物除去用物質は1〜500cc/minの速度で溶融された金属シリコン表面に供給される。
上記プラズマ(Plasma)を断続的に照射し、上記不純物除去用物質を断続的に供給するのが好ましい。
上記金属シリコンに塩素(Cl)または金属シリコンに含有された不純物と反応して塩素(Cl)を形成する物質を添加することができ、上記物質はCl、CCl、HCl、ClFのうち何れか一つを選択して使用する。
【発明の効果】
【0007】
上記のように構成される本発明の金属シリコンの精製装置は、従来使用されているシリコン単結晶製造装置を改造して使用することができ、設備費用を節約することができる特徴がある。
本発明は従来のシーメンス法が有するすべての問題を解決した画期的な発明であり、有害物質の使用による安全性の問題点と環境汚染に対する問題点を解決することができ、簡単にターンキー(Turnkey)で生産が実行され、必要なすべての精製工程を1工程、1設備で同時に所要工程が実行可能な特徴を有し、一方では生産調整を柔軟に調節することができる特徴がある。
すなわち、本発明である金属シリコンの精製方法及びその精製装置は従来使用されているシリコン単結晶製造装置を改造して使用することができ、一台の装置で精製に必要なすべての工程がターンキーで実行され、精製工程で有毒、危険物質を全く使用せず、柔軟に生産が行われる特徴がある。
したがって、生産原価を従来より1/4以下の低価で生産することができ、製造装置の設備費と設置期間を1/5以下に短縮することができる特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は従来実施中の単結晶シリコンを生産するためのシリコン単結晶製造装置の断面概略図である。
【図2】図2は本発明の実施例を図示した金属シリコンの精製装置の断面概略図である。
【図3】図3は図2に図示された金属シリコンの精製装置のA-A線断面図である。
【図4】図4は本発明の金属シリコンの精製装置の部分断面図である。
【図5】図5は本発明の金属シリコンの精製装置の部分詳細断面図である。
【図6】図6は金属シリコンの精製装置の局部加熱手段であるプラズマ銃でプラズマを照射する際における溶融金属シリコン表面の瞬間的な温度分布図である。
【図7】図7は金属シリコンの精製装置で溶融金属シリコンの撹拌状態を図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付された図面を参照に、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。これに先立ち、本明細書及び請求の範囲に使用された用語や単語は通常的や辞書的な意味で限定して解釈されてはならず、発明者はその自己の発明を最も最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に即して本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。
したがって、本明細書に記載された実施例と図面に図示された構成は、本発明の最も好ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替することができる多様な均等物と変形例があり得ることを理解されたい。
本発明の2N(99%)の低純度金属シリコンを出発原料として、太陽電池の生産に必要な6〜7N(99.9999〜99.99999%)の高純度に精製する金属シリコンの精製方法は、加熱手段として坩堝内に溶融された金属シリコン表面を局部的に加熱する局部加熱手段を備えて表面に表面温度差を形成する精製方法である。
上記局部加熱手段によって局部的に加熱されて発生する表面温度差は摂氏50度以上の温度差を形成して金属シリコンを精製し、上記局部加熱手段はプラズマ(Plasma)を使用する。
上記プラズマ(Plasma)を断続的に照射して局部的に加熱される温度を調節して金属シリコンを精製し、上記局部加熱手段はプラズマ銃からなり、一つまたは多数個が設けられる。
また、上記坩堝内に供給されて酸素と水素を発生させる不純物除去用物質または上記坩堝内に供給されてモノシラン(SiH4)と酸素と水素を発生させる不純物除去用物質を供給して金属シリコンを精製する。上記不純物除去用物質はO、O、H、HO、HO、HCLOなどが使用され、これらのうち何れか一つを選択して使用する。上記不純物除去用物質を断続的に供給して金属シリコンを精製し、1〜500cc/minの速度で溶融された金属シリコン表面に供給される。
また、上記坩堝を含むチャンバ(Chamber)内の真空度を変化させて金属シリコンを精製することもできる。
また、上記金属シリコンに塩素(Cl)を添加したり、金属シリコンに含有された不純物と反応して塩素(Cl)を形成する物質をさらに添加して金属シリコンを精製する。上記物質はCl、CCl、HCl、ClFなどを使用し、これらのうち何れか一つを使用する。
図2は本発明の実施例を図示した金属シリコンの精製装置の断面概略図、図3は図2に図示された金属シリコンの精製装置のA-A線断面図、図4は本発明の金属シリコンの精製装置の部分断面図であり、図5は本発明の金属シリコンの精製装置の部分詳細断面図である。
添付された図面のように、本発明の金属シリコンの精製装置は、大きく分けて、真空が可能なチャンバ(10)と、上記チャンバ(10)内側に設けられて溶融金属シリコンを保存する坩堝(20)と、上記坩堝(20)を支持し、回転と上下移動をする坩堝支持体(30)と、上記坩堝(20)に保存された金属シリコンを加熱して溶融させる加熱手段(40)と、上記坩堝(20)に保存された溶融金属シリコンの上部表面を局部的に加熱する局部加熱手段(50)と、上記坩堝(20)に保存された溶融金属シリコンの上部表面に不純物除去用物質を供給するガス供給管(60)と、上記坩堝(20)の上部と離隔して設けられてガス供給管(60)から供給される不純物除去用物質と坩堝(20)内で発生したガスの流動を案内するガス誘導手段(70)で構成される。
上記真空が可能なチャンバ(10)は真空度を調節することができるものを使用し、一側にはガスを排出するガス排出口(11)が形成され、上記ガス排出口(11)には真空機器(図示しない)が連設されて排出ガスを強制的に高速で排出する。
上記坩堝(20)は金属シリコンを含むように内部空間を有し、下部には局部加熱手段(50)によって坩堝(20)が局部的に加熱されて破損されることを防止するために第1遮断手段(21)が形成される。上記第1遮断手段(21)は熱伝逹を防止する遮断ブロックが使用され、上記遮断ブロックは坩堝と同一の材質または熱伝逹を遮断する能力に優れた材質を使用する。
上記坩堝支持体(30)は坩堝(20)を回転させ、上下移動をさせるように回転と上下移動が可能になるように下部に回転装置と上下移動装置が設けられて回転と上下移動が可能である。
上記坩堝支持体(30)は局部加熱手段(50)によって局部的に加熱されて破損されることを防止するために第2遮断手段(31)が形成され、上記第2遮断手段(31)は熱伝逹を防止するように空間が形成される。上記空間には熱伝逹を遮断する能力に優れた材質の遮断ブロックが設けられる。
上記加熱手段(40)は坩堝(20)に熱を加えて保存された金属シリンダを溶融させ、坩堝(20)に均一に熱を加えるように周囲に設けられる。
上記局部加熱手段(50)はプラズマ(Plasma)を照射するプラズマ銃で形成され、かかる上記局部加熱手段(50)は坩堝(20)内に溶融された金属シリコン(100)の上部表面(100a)の一部分を局部的に加熱する。普通、局部加熱手段(50)のプラズマ銃は上部表面(100a)の中央部分にプラズマを照射するように設けられる。
また、局部加熱手段(50)は一つのプラズマ銃または複数個のプラズマ銃で形成される。
上記ガス供給管(60)は溶融された金属シリコンに含まれている不純物を除去するために液体または気体を供給する管であり、坩堝(20)内の溶融金属シリコンの上部表面に供給するように設けられる。
上記ガス供給管(60)には酸素、水素あるいはモノシラン(SiH4)を生成する液体あるいは気体、あるいはそれらの混合体、または塩素(Cl)または金属シリコンに含有された不純物と反応して塩素(Cl)を形成する物質及び溶融シリコンの酸化を防止するためのアルゴン(Ar)ガスなどが供給される。
上記ガス誘導手段(70)は、図4ないし図5のように、坩堝(20)内の溶融金属シリコンの上部に設けられてガス供給管(60)から供給されるガスと坩堝内の溶融金属シリコンから発生された不純物ガスを誘導して案内する手段である。かかる上記ガス誘導手段(70)はガス供給管(60)から供給されるガスが反応せずに排出されることを防止する。
上記ガス誘導手段(70)は図4のようにガス流れを誘導(制御)する。
上記ガス誘導手段(70)が設けられない場合には、水をガス供給管(60)を通じてチャンバ内に供給しても高温の供給水分は精製すべき溶融シリコンに接触することなく瞬間的に蒸発し、水分による精製作用は実行可能が困難である。
図4に図示されている図面符号gの矢印は排出ガスの流れ方向を示したものであり、図面符号aの矢印は加熱手段(40)の熱の流れを示したものであり、図面符号pはプラズマである。
強力な排気能力を有する真空機器によって強制的かつ高速でガス排出口(11)に排出してガス流れを発生させ、ガス誘導手段(70)によって溶融金属シリコンからの熱によって発生した上昇気流を逆転させて当該ガスを溶融金属シリコン表面に誘導し、効果的に湿潤ガスを接触させる。なおかつこれを効率良くするためには図5に図示されたように高さ(h1、h2)と間隔(s)もまた極めて重要である。
本発明の実施例ではそれぞれh1は100mm、h2は40mm、sは30mmとし、真空機器の排気量は15立方メートル/分にした。
図6は局部加熱手段(50)のプラズマ銃でプラズマを照射する際における溶融金属シリコン表面の瞬間的な温度分布図を図示したものであり、図7は局部加熱手段(50)プラズマ銃でプラズマを照射することで溶融金属シリコンの撹拌状態を図示したものである。
図6のように局部加熱手段(50)のプラズマ銃でプラズマを溶融金属シリコン表面に局部的に照射することで表面温度をプラズマが照射される一部分の温度を高く形成して表面温度差(△t)を形成させる。
このように局部加熱手段(50)のプラズマ銃でプラズマを溶融金属シリコン表面に局部的に加熱させることで表面温度差(△t)と、図7のように坩堝(20)の深さによって温度差が発生し、坩堝内の溶融金属シリコンは撹拌される。
【実施例1】
【0010】
加熱手段(40)で熱を加えて坩堝(20)内の金属シリコンを溶融させる。
上記坩堝(20)内の溶融された金属シリコン(100)の温度は摂氏1,550度であり、ここに局部加熱手段(50)のプラズマ銃に印加電力20kWを印加させてプラズマを溶融金属シリコンの上部表面に照射する。この時、上部表面(100a)の最高温度は摂氏 3,000度である。
また、ガス供給管(60)に反応して酸素、水素あるいはモノシラン(SiH4)を生成する液体、あるいは気体あるいはそれらの混合体を供給した。例えば、水あるいは湿潤ガスなどを供給する。
温度については、図6のように摂氏1,550度から摂氏3,000度まで坩堝中央の温度が変化していることを表示しており、表面温度差(△t)は摂氏1,450である。
また、ガス供給管(60)に溶融シリコンの酸化を防止するためにArガスを供給する。
上記のように溶融金属シリコン(100)の上部表面(100a)は摂氏1,550から摂氏3,000度と多様に分布しており、かかる温度分布は精製(純化)工程に対して極めて大きい意味を有する。すなわち、精製のために除去しなければならない不純物元素が様々な種類があり、それぞれの不純物元素は不純物元素固有の温度条件によって化学反応を起こし、蒸発、変態、化合、混合などによって気化され、浮遊物になって溶融シリコンの表面に存在する。
本発明の金属シリコンの精製方法では、溶融シリコン内部の精製に対して有用なガスと化学物が供給されないという欠点を有する。すなわち、溶融シリコン表面が精製されても坩堝内部の溶融シリコン含有不純物の分布が均一にならない。
かかる問題を解決するためには、溶融金属シリコンの混合及び撹拌が必要である。
本発明は図7に示したように温度勾配の適用とガス流入による精製を利用した。坩堝(20)下部分の温度は溶融金属シリコンの温度と同一の摂氏1,450度であり、上部表面(100a)はプラズマの照射瞬間温度で摂氏3,000度であり、プラズマと供給されるガス圧力によって中央では凹んで凹入形状になる。
このような様々な要件によって総合的に矢印のように溶融金属シリコンは循環して撹拌される。ここでは1個の温度勾配を表示したが、プラズマを照射する局部加熱手段(50)とガス供給管(60)を複数を組み合わせて使用することも可能である。
プラズマの照射による溶融シリコンの温度上昇を少なくするため、そして添加液体の効果を持続的に得るために断続する必要性があるので、このようなことを反復動作して適用する。もちろん複数の照射元を組み合わせて使用することも問題がない。
【符号の説明】
【0011】
10 : チャンバ
20 : 坩堝
21 : 第1遮断手段
30 : 坩堝支持体
31 : 第2遮断手段
40 : 加熱手段
50 : 局部加熱手段
60 : ガス供給管
70 : ガス誘導手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低純度金属シリコンを出発原料として、太陽電池の生産に必要な純度に精製するに際して、
坩堝内の金属シリコン表面を局部的に加熱する局部加熱手段を備えて表面に表面温度差を形成することを特徴とする金属シリコンの精製方法。
【請求項2】
上記表面温度差は摂氏50度以上の温度差を形成することを特徴とする請求項1に記載の金属シリコンの精製方法。
【請求項3】
上記局部加熱手段はプラズマ(Plasma)を使用することを特徴とする請求項1に記載の金属シリコンの精製方法。
【請求項4】
上記坩堝内に供給されて酸素と水素を発生させる不純物除去用物質が供給されることを特徴とする請求項1に記載の金属シリコンの精製方法。
【請求項5】
上記坩堝内に供給されてモノシランと酸素と水素を発生させる不純物除去用物質が供給されることを特徴とする請求項1に記載の金属シリコンの精製方法。
【請求項6】
上記不純物除去用物質はO、O、H、HO、HO、HCLOのうち何れか一つを選択して使用されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の金属シリコンの精製方法。
【請求項7】
上記不純物除去用物質は1〜500cc/minの速度で溶融された金属シリコン表面に供給されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の金属シリコンの精製方法。
【請求項8】
上記坩堝を含むチャンバ(Chamber)内の真空度を変化させて精製することを特徴とする請求項1に記載の金属シリコンの精製方法。
【請求項9】
上記プラズマ(Plasma)を断続的に照射することを特徴とする請求項3に記載の金属シリコンの精製方法。
【請求項10】
上記不純物除去用物質を断続的に供給することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の金属シリコンの精製方法。
【請求項11】
上記金属シリコンに塩素(Cl)を添加したり、金属シリコンに含有された不純物と反応して塩素(Cl)を形成する物質を添加することを特徴とする請求項1に記載の金属シリコンの精製方法。
【請求項12】
上記物質はCl、CCl、HCl、ClF のうち何れか一つであることを特徴とする請求項11に記載の金属シリコンの精製方法。
【請求項13】
真空が可能なチャンバ(10)と;
上記チャンバ(10)内側に設けられて溶融金属シリコンを保存する坩堝(20)と;
上記坩堝(20)を支持し、回転と上下移動をする坩堝支持体(30)と;
上記坩堝(20)に保存された金属シリコンを加熱して溶融させる加熱手段(40)と;
上記坩堝(20)に保存された溶融金属シリコンの上部表面を局部的に加熱する局部加熱手段(50)と;
上記坩堝(20)に保存された溶融金属シリコンの上部表面に不純物除去用物質を供給するガス供給管(60)を含む金属シリコンの精製装置。
【請求項14】
上記局部加熱手段(50)はプラズマ(Plasma)銃であることを特徴とする請求項13に記載の金属シリコンの精製装置。
【請求項15】
上記坩堝(20)の下部には局部加熱手段(50)によって局部加熱されることで破損されることを防止しようと熱伝逹を遮断する第1遮断手段(21)がさらに形成されることを特徴とする請求項13に記載の金属シリコンの精製装置。
【請求項16】
上記坩堝支持体(30)には局部加熱手段(50)によって局部加熱されることで破損されることを防止しようと熱遮断をする第2遮断手段(31)がさらに形成されることを特徴とする請求項13に記載の金属シリコンの精製装置。
【請求項17】
上記坩堝(20)の上部と離隔して設けられてガス供給管(60)から供給される不純物除去用物質と坩堝(20)内で発生したガスの流動を案内するガス誘導手段(70)がさらに設けられることを特徴とする請求項13に記載の金属シリコンの精製装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−269992(P2010−269992A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176506(P2009−176506)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(509214447)株式会社 圓▲益▼マテリアルズ (1)
【Fターム(参考)】