説明

金属セラミック複合材の薄層を製造する方法

本発明は、金属ナノ粒子を含有する金属セラミック複合材の薄層を製造する方法に関する。前記方法の可能な適用は、太陽光吸収体をサーメット系の選択的な吸収表面層で被覆することであり、前記被覆は極めて簡単で、確実にかつ低コストで製造でき、良好なスペクトル選択性を有する。この方法の場合に、本発明により、金属基材を安定化された水性又は有機性の懸濁液中に浸漬することにより1つ以上の薄いサーメット層が基材に堆積される。前記懸濁液は、セラミックナノ粉末が分散されているアルコール性溶液又は水溶液からなる。前記溶液中では、サーメットの金属成分は金属イオンとして存在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ナノ粒子を含有する金属セラミック複合材の薄層を製造する方法及び前記方法の使用に関する。
【0002】
高効率を有する太陽熱集熱器中で、太陽光のほとんど全ての放射スペクトルは、前記太陽光吸収体の表面で熱エネルギーに変換される。前記吸収体面及び前記吸収体面と結合した管は、前記熱を、前記管を貫流する伝熱流体、例えば水に引き渡す。
【0003】
前記吸収体面は、太陽熱集熱器の最も重要な構成成分である。このような集熱器のための高い輻射熱変換収率は、スペクトル選択的吸収体の使用により達成することができる。これは地球上の太陽光スペクトル中の放射線を良好に吸収するが、熱波長を著しく反射する表面であり、つまり前記表面は吸収した熱をあまり放射しない。この表面特性を有する天然の材料は存在しないため、特別な被覆により選択性を生じさせなければならない。
【0004】
吸収体のスペクトル選択性の効果は一般に吸収体−反射体タンデム層により達成することができる。波長<2.5μmについて僅かな反射(高い太陽光吸収)を有するが、同時にIR領域内の熱波長についても透過性である吸収体層は、波長>2.5μmについて高い反射率(低い熱放射度)を有する金属面上に堆積される(図1)。このように、前記吸収体層は、熱放射度に関して最低の影響を及ぼすと同時に最高の太陽光吸収を保障し、前記放射度はそれに対して反射層又は金属基材によって支配される。前記光学特性を、金属基材上の多数の金属セラミック複合材層が有している。
【0005】
簡単な市販の選択的太陽光吸収体は、電気メッキ、陽極酸化及び化学的酸化技術を用いて製造される。黒色クロム、黒色亜鉛、酸化銅、黒色コバルト、黒色ニッケル、酸化鉄及び顔料添加された酸化アルミニウムは、最も慣用の電気化学的に製造される選択的輻射熱吸収体層である。
【0006】
この種の吸収体は、0.9の太陽光吸収度及び0.1〜0.3の熱放射度を有し、通常では425〜500℃の温度まで温度安定性である。この製造方法のために、有毒の酸浴並びに金属塩の複雑な組合せが必要である。さらに、この製造プロセスの場合に生じる廃棄物は毒性であり、環境に有害であり、取り扱い(廃棄物処理)において問題がある。
【0007】
さらに、この方法の場合には、吸収体の光学特性を所望の特性に適切に合わせることが極めて困難であるか、それどころかときには不可能である。
【0008】
約二十年来、金属セラミック複合材の薄層は、その適切な及び適合可能な光学特性に基づいて、選択的太陽光吸収体としてのその適性に関して集中的に研究されている。
【0009】
サーメットとも呼ばれる金属セラミック複合材は、セラミックマトリックスとその中に分散されている金属ナノ粒子とからなる。多くのサーメット層のかなり高いIR透過性及び同時に高い太陽光吸収は、前記サーメット層を選択的吸収体として使用することに予め定めている。従ってこのようなサーメット層の吸収体としての使用は広範囲に広まっている。さらに、この種の被覆は多様な温度条件下でも長時間安定である。
【0010】
ナノ複合材からなる被覆の光学特性は、層の厚さ、金属相の体積割合、ジオメトリ及び粒度によって容易に影響を受けやすい。さらに、導電性粒子の分配特性はサーメット層の基準化された屈折率に重大に影響を及ぼすことがある。例えば、空気サーメット界面から基材−サーメット界面までの金属粒子の濃度の段階的な増加は、前記表面反射の低下によるより高い吸収度を生じさせる。
【0011】
スパッタ技術による前記堆積は、化学浴及び危険な酸を必要としない極めてクリーンなプロセスである。この堆積法を用いて、高純度ターゲット材料から制御された層厚を有する高い価値の光学的被覆を達成することができる。円柱状又は巻物状のスパッタ技術の使用下で、既に多様な選択的金属誘電体被覆、例えばSS−C、SS−AlN(SS=ステンレス鋼)、Al−N及びTiNOxが商業的に製造されている。
【0012】
この場合、前記スパッタ技術が比較的手間がかかりかつ高価であることが問題である、それというのもハイテク電圧源及び大きな真空室又はクリーンルーム条件が必要となり、並びにガスの組成、層厚及び圧力比を調節するために正確な開ループ制御系及び閉ループ制御系が必要となるためである。全体として前記技術も比較的エネルギー費用がかかる。
【0013】
前記吸収体層が未だに集熱器の最も高価な構成成分である開発の初期段階に存在する太陽光利用市場において現在の条件を考慮する場合、前記スパッタリングは目下のところ低コストの太陽熱集熱器の経済的製造のための方法ではない。
【0014】
スパッタリングされた層とは反対に、太陽光吸収体塗装は廉価なバリエーションであるが、ただしこれは80〜90%の極めて高い熱放射率(この放射率は組み込まれた有機ポリマー結合剤の振動モードにより引き起こされる)を有し、並びに長期間安定性が悪い。有機変性シリコーン樹脂を使用することにより、前記の塗装の安定性は改善される。一般に、塗装系の吸収体は光学特性が悪いために、今まではどちらかといえば非選択的又はあまり選択的でない吸収体のグループに属していた。
【0015】
黒鉛層を機械研磨された基材と組み合わせることにより、より低コストな機械的に作製される太陽光吸収体が製造される。このような被覆は、研磨パラメータに関して極めて敏感であり、かつ0.9の太陽光吸収度及び0.22までの熱放射度を示す。
【0016】
DE 196 20 645 C2は、伝導性粒子を出発ゾル中へ又は未だに極度に粘性ではないゲル中に導入するゾルゲル技術を記載している。前記方法の場合に、前記伝導性粒子は、不活性ガス雰囲気中で高圧(10Pa〜1000Pa)で70nm未満で噴霧しなければならない。より大きな粒子は、その後で篩い分け法で分離される。この方法において、前記金属粒子は化学的影響に対する保護及び拡散のために誘電性層で被覆しなければならない。この製造された金属ナノ粒子の極めて大きな反応性表面は、粒子の化学的酸化による問題を引き起こし、この酸化は抑制しなければならない。更に、表面処理、粒子噴霧及び篩い分けは手間のかかる付加的工程であり、これはこの生産方法を高価にしている。
【0017】
今までの研究は、主に、ナノ粒子の分配及びその多孔性を変えることによる金属セラミックナノ複合材の微細構造及び機械的特性の改善に限定されている。特にSekino et al.は、慣用の粉末冶金学的方法、還元及び引き続くセラミック粉末と金属酸化物粉末との、例えばW−Al23の焼結の使用下での(T Sekino, A. Nakahira及びK. Niihara, Relationship between microstructure and high temperature mechanical properties for Al2O3/W nanocomposites. Transactions of the materials research society of Japon 16B (1994) 1513-1516及びT Sekino, A. Nakahira, M. Nawa及びK. Niihara, Fabrication of Al2O3/W Nanocomposite. J. Japan Soc. of Powd. and Powd. Metall 38 (1991) 326-330)又は金属セラミック複合材粉末、例えばNi−Al2O3の製造のための化学的方法、例えばゾルゲル法(T Sekino, T. Nakajima, S. Ueda及びK. Niihara, Reduction and sintering of a Nickel-dispersed-alumina composite and its properties. J. Am. Ceram. Soc. 80 (1997) 1139-1148及びT. Sekino, T. Nakajima及びK. Niihara, Mechanical and magnetic properties of Nickel dispersed alumina-based nanocomposite. Mater. Lett. 29 (1996) 165- 169)による多様な金属セラミックナノ複合材の機械的特性を調査した。これらの方法は、約40〜150nmの金属粒子サイズで複合材中に5〜30%の金属含有量を有するバルク試料の製造のために利用された。
【0018】
過去数十年の間に、多様なスペクトル選択的Ni−Al23複合材層が多様な方法を用いて製造された。これは、実験室規模で、プレーナーRFマグネトロンスパッタリングによりホットプレス成形されたNi−Al23ターゲットの使用下で製造された。この方法の場合、複合材層中のニッケル含有量の変更を容易に行うことができず、かつ比較的高い金属体積割合を得るために、付加的Niペレットを特別なジオメトリで前記複合材−ターゲットに配置しなければならなかった。78nmのSiO2反射防止層を使用する場合、太陽光吸収度について約0.94が達成され、熱放射度について0.07が達成された。
【0019】
アルミニウム基材をリン酸で陽極酸化し、引き続き陽極酸化されたアルミニウムを交流電気分解によりNiSO4含浸浴中で着色することも公知である。この場合、0.93〜0.96の太陽光吸収度が達成され、0.1〜0.2の熱放射度が達成される。同じ製造方法の使用で及び前記層の光学特性に関する異なる含浸パラメータの効果の調査の際に、0.9より大の太陽光吸収度及び0.14の熱放射度が達成された。
【0020】
顔料添加された酸化アルミニウム被覆が商業的に太陽熱集熱器に使用されているにもかかわらず、この被覆は一般に特に選択的であると評価されていない。
【0021】
ゾルゲル系の反射防止層及びC−SiO2複合材層についてその先行する研究に基づいて、Ni−アルミニウム層はNi−Al23ゾルから製造され、前記層は、65%のニッケル含有量を有するサーメット層でもって0.83の太陽光吸収度及び0.03の熱放射度が達成される。
【0022】
本発明の根底をなす課題は、極めて簡単に、確実にかつ低コストで、良好なスペクトル選択性の層が製造でき、前記層は空気湿度及び高い温度に対して耐性であり、前記層は多様な材料上に適用できる、金属セラミック複合材の薄層を製造する方法を提供することである。
【0023】
本発明の場合には、前記課題は請求項1の特徴を有する方法により解決される。引用形式請求項は有利な実施態様を示す。前記方法の有利な使用は、サーメット系の選択性の太陽光吸収体の被覆である。
【0024】
この方法の場合に、安定化された水性又は有機性の懸濁液中に金属の基材を浸漬することにより、本発明により50〜2000nmの厚さを有する1つ以上の薄いサーメット層を前記基材上に堆積させる。前記懸濁液は、一次粒子サイズが30nm未満であるセラミックのナノ粒子が分散されているアルコール性溶液又は水溶液からなる。前記溶液中では、サーメットの金属成分は金属イオンとして存在する。
【0025】
前記懸濁液は、溶剤(水又はアルコール)の種類に依存して、静電気的又は立体的に安定化されている。凝集体又は凝結体を解消するために、前記懸濁液は機械的分散技術及び超音波分散技術を用いて良好に分散させる。
【0026】
このために必要な材料は、比較的低コストでかつ簡単に入手できる。この場合、相応して廃棄しなければならない毒性の酸浴を必要としないことが有利であることが明らかになった。更に、この方法を用いて、薄層中の又は複合材中の金属及びセラミックの充填度を、前記溶液中に溶かされた金属イオンの濃度を調節することで簡単に調節できる。
【0027】
この準備された懸濁液は、吹き付け塗布又は浸漬塗布によりリフレクタ基材に塗布することができる。更に、この処理法は、大きな表面を被覆する大量生産にも適している。装置及びプロセス制御に関する僅かな要求の他に、この方法の更なる利点は、平面だけでなくほとんど任意の面の被覆にある。
【0028】
本発明による被覆方法のための基材として、太陽光吸収体のために適している全ての基材を使用することができる。有利に、前記基材は、低い放射度を有する金属又は金属合金、例えば銅又はアルミニウムからなる。ガラス管又はガラス基材を使用する場合に、同様の効果を達成するために、前記ガラスはまずトレンス試薬を用いて銀で被覆することができる。乾燥の後に、前記サーメット層を被覆することができる。
【0029】
請求項8の実施態様に相応して、サーメットの金属成分は、相応する金属塩の形でCu、Ni、Fe、Cr、Zn、Ti、Ag、Co、Al、Pd及びZrのグループから形成させることができる。
【0030】
請求項9の実施態様の場合には、前記セラミック成分は、Al23、AlN、SiO2、TiO2、ZrO2、Y23、WO3、Ta25、V25、Nb25、CeO2のグループのナノ粉末又は2又は3種の異なるナノ粉末の混合物から選択することができる。
【0031】
請求項10の実施態様の場合には、異なる金属含有量(低い〜高い)を有する複数の層を順番に塗布して、前記表面での反射損失を低減する。有利に、従って、前記被覆の光学特性は全体として特に良好に調節できる。前記の個々の層は、その前に塗布された層が乾燥されている場合に、常に順番に塗布することができる。
【0032】
同様に公知のゾルゲル系に比べて、本発明の場合に、相応して高価である金属アルコキシドを使用する必要がないことが有利であることが明らかである。更に、前記層及びその特性の正確な調節のためにも相応して正確に制御しなければならない複雑な化学反応は行われない。このことは、特にゾルゲル系の場合に生じる加水分解プロセスにも当てはまる。このゾルゲル系の場合の他の問題は、短い耐久性並びにネットワーク成形の開始が早すぎることであり、前記ネットワーク形成は、時間と共に成長し、相応して加工を困難にする。同様に、このゾルゲル系の場合に乾燥時に薄層中の亀裂形成により生じる問題は抑制される。更に、液状の粉末懸濁液の場合には、前記ゾルゲル系と比べて、液状の粉末懸濁液がより安定でありかつより良好に貯蔵可能であることが有利である。このことは、前記の液状の粉末懸濁液が撹拌される場合に特に当てはまる。前記撹拌を停止した後でもなお、この安定化された懸濁液は数時間加工可能である。古い懸濁液でさえも、再び再分散可能である。本発明の実施例を次に詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】反射防止被覆を備えた(1b)及び反射防止被覆なし(1a)のNi−Al23吸収体用の吸収体−反射体タンデム層を示す。
【図2】本発明の方法により堆積されたNi−Al23層の表面(2a)及び断面(2b)の2つの顕微鏡写真を示す。
【図3】Niを20質量%含有し、かつ異なる引き上げ速度(異なる層厚)を用いた浸漬法によりアルミニウム基材に析出された、反射防止層なしのNi−Al23吸収体の反射度を示す。
【0034】
次に本発明を、実施例を用いて詳細に説明する。
【0035】
実施例:Ni−Al23サーメット太陽光吸収体
出発材料は、銅及びアルミニウムからなる基材である。表面状態が太陽光吸収に不利な影響を与えないために前記表面は被覆の前に精密研磨される。更に、表面粗さの除去は、障害となる凹凸箇所での不所望な堆積なしに、前記層の均一な塗布を可能にする。
【0036】
その後で、前記基剤をエタノール及び蒸留水で洗浄する。
【0037】
2〜20質量%の固体含有量を有する懸濁液を製造するために、ビーカーガラス中でまず金属塩、例えばニッケル塩(この量は層中での所望の金属割合に依存する)を蒸留水200mlに溶かす。その後、5〜30nmの平均粒子径を有するナノ−Al23粉末を添加する。この混合物を、30分間制御された温度(冷却)下でかつ高い回転数で機械的に分散させる。沈積及び凝集を抑制するために、この全体の懸濁液を静電気的又は電気立体的に(溶剤に依存して)安定化させる。より微細な粒度分布を達成するために超音波分散を付加的に使用することができる。
【0038】
有利に、基材の濡れ性及び塗膜密着性を改善するために前記懸濁液に湿潤剤及び接着剤が添加される。
【0039】
30分間分散させた後に、前記溶液をサブミクロンフィルタで濾過する。
【0040】
前記基剤を、前記の準備された懸濁液に浸漬する。被覆すべき部分を、前記基剤と溶液との間の平衡状態を達成するために、数秒間浸漬させたままにするのが好ましい。引き続き、前記基材を、制御された条件下でかつ一定の速度で前記浴から引き出す。前記の被覆すべき部分を前記浴から取り出した後に、これを乾燥庫中で乾燥させる。引き続き、被覆の相応する硬度を達成するために、乾燥された試料を熱処理にかける。この熱処理は、炉中で約500K〜1000Kで行うことができる。ニッケルの酸化物相を低減しかつ基材の酸化を抑制するために、焼結を純粋な水素雰囲気又はフォーミングガス中で実施する。
【0041】
本発明の実施例を、図1〜3を用いて説明する。図1には、反射防止被覆を備えた(図1b)及び反射防止被覆なしの(図1a)Ni−Al23吸収体用の吸収体−反射体タンデム層が記載されている。図2は、請求項1に記載の方法により堆積されたNi−Al23層の表面(図2a)及び断面(図2b)の2つの顕微鏡写真を示す。
【0042】
サーメット層中のNi含有量を20質量%に調節し、かつ研磨されたAl基材上に異なる層厚(引き上げ速度の変更により得られる)で個々のサーメット層を堆積させる場合に、図3中に示された選択性が得られる。接着剤を含有する試料は、0.87の吸光度及び0.08の熱放射度を示す。最終的な反射防止層は、前記光学特性を更に改善することができる。
【0043】
図3は、Niを20質量%含有し、かつ異なる引き上げ速度(異なる層厚)を用いた浸漬法によりアルミニウム基材に析出された、反射防止層なしのNi−Al23吸収体の反射度を示す。反射曲線に関する接着剤の影響が、付加的に示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ナノ粒子を含有する金属セラミック複合材の薄層を製造する方法において、
a. サーメットの金属成分が溶解した金属イオンとして存在する水溶液又はアルコール性溶液から出発し、
b. 上記溶液を粉末に基づく方法のベースとして利用し、その際、セラミックナノ粒子が分散されている安定な水性懸濁液又はアルコール性懸濁液を製造し、
c. セラミックナノ粒子を立体的及び静電気的に安定化し、
d. 前記懸濁液中の凝集した固体粒子を、機械的分散技術又は超音波分散技術を用いて冷却下に解消し、
e. 基材の濡れ性及び層−基材の接着性を改善するために無機湿潤剤及び接着剤を使用し、
f. 前記の準備された懸濁液を吹き付け又は浸漬により反射体基材に塗布し、
g. 前記試料の乾燥後にH2雰囲気又はフォーミングガス雰囲気中で焼結を行うことを特徴とする、金属セラミック複合材の薄層を製造する方法。
【請求項2】
金属粒子のサイズは40nm未満であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
約50nm〜2μmの層厚の個々の層を製造することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項4】
焼結を1000゜ケルビンまでの温度で行うことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記基材は、低い放射度を有する反射体金属又は金属合金、例えば銅又はアルミニウムからなることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項6】
ガラス基材をトレンス試薬を用いてまず銀で被覆し、乾燥後に請求項1記載の方法によりサーメットで被覆することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記薄層又は複合材中の金属充填度及びセラミック充填度が、溶液中の金属イオンの濃度の変更により簡単に調節可能であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記サーメットの金属成分は、相応する金属塩の形でCu、Ni、Fe、Cr、Zn、Ti、Ag、Co、Al、Pd及びZrのグループから形成されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項9】
サーメットのセラミック成分は、Al23、AlN、SiO2、TiO2、ZrO2、Y23、WO3、Ta25、V25、Nb25、CeO2のグループのナノ粉末から形成されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項10】
複数のサーメット層を順番に塗布し、その際、前記の個々の層は金属含有量が異なり、かつ更により良好な光学特性及び熱安定性のために、前記サーメット層に最終的に反射防止層を堆積させることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
反射防止層を、金属成分なしの希釈された安定化されたセラミック懸濁液を用いて塗布することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項記載の方法の、サーメット系の選択的太陽光吸収体を被覆するための使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−509498(P2010−509498A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535560(P2009−535560)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【国際出願番号】PCT/DE2007/002039
【国際公開番号】WO2008/055496
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(509131362)ドリッテ パテントポートフォーリオ ベタイリグングスゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (7)
【氏名又は名称原語表記】Dritte Patentportfolio Beteiligungsgesellschaft mbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Berliner Strasse 1, D−12529 Schoenefeld/Waltersdorf, Germany
【Fターム(参考)】