説明

金属塩ナノゲル含有ポリマー

本発明は、金属塩ナノゲル含有水性分散体、固体中間体生成物および耐水性プラスチック製品の製造方法に関し、これにより均一分散した物質を有する新規生成物の簡単な製造が可能となり、それは、例えば、抗菌性またはバリヤ効果を示し、および/または、酸素、湿気、化合物、特にガス状化合物または電磁性もしくは放射性放射線などに対して吸収能力を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属塩ナノゲルを含有する、耐水性の重合、重縮合または重付加生成物の製造方法に関する。また、この方法を用いて製造されうる生成物にも関する。さらに、成形品、塗料、フィルムおよび繊維としての、プラスチックの抗微生物処理用マスターバッチとしての、酸素バリア、防湿層、化合物用または電磁放射線もしくは放射性放射線の吸収用バリアとしてのそれらの使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
US6,226,890には、高分子接着剤と、分散によって取り込まれた粒径が0.1〜200μmの乾燥剤とからなる吸湿層としての塗膜が記載されている。前記乾燥剤として、例えば、金属酸化物または金属ハロゲン化物が挙げられている。これらの分散から得られる層の不利な点は高いヘイズであり、それによって、当該層を光透明素材やフィルムとして使用することが妨げられている。
【0003】
US6,503,587には、分散によって取り込まれた粒径が1〜150μmの鉄粒子を含有するポリマーの塗膜からなる酸素バリアが記載されている。鉄粒子をポリマーに導入するには、コストがかかり不便な取込み過程を必要とする。さらに、これらの混合物から得られる塗膜はヘイジーである。
【0004】
DE10146050によれば、接着剤や塗料中の殺生物剤として、金属塩と組み合わせた銀ナノ粒子の使用が知られている。金属塩は、銀ナノ粒子の効能を向上させると言われている。そこで紹介されているそのような材料を製造する方法は、再生可能性および塗膜中の塗料の均一分布性に関して充分でないことが分かっている。
【0005】
DE19707221には、金属イオンを含有し、かつ他のコロイド系用の保護ポリマーとして使用される、抗菌性および殺菌性のポリマー分散体が記載されている。その調製は、エマルション重合法を用いた、アクリル酸などのモノエチレン性不飽和モノカルボン酸またはジカルボン酸と非水溶性重合性化合物との直接共重合による。金属イオンは難溶解性の重金属塩を処理することによって導入される。金属イオンを含有し、かつこのようにして製造されたポリマーと保護されるべきポリマー分散体との混合特性は、しかしながら、特に金属イオンのレベルが比較的高い場合、凝集がしばしば起こり、結果として得られた混合分散体が不充分な長期安定性を示すため、満足のいくものではない。したがって、この方法は、安定した分散体の製造にのみ限定的に適している。
【0006】
DE60102291には、抗微生物処理用のイオン性銅酸化物粒子を含有するポリマー材料が記載されている。その粒子は、1〜10μmのサイズであり、ポリマー表面から突き出ている。平坦な透明プラスチック表面やフィルム表面は、これらの粒子を用いたのでは得られない。
【0007】
DE69806071には、酸素除去サブセグメントを含有する重縮合生成物が記載されている。しかしながら、使用され得る唯一の樹脂がこれらのサブセグメントを高い割合で含むものであるので、これらの材料から酸素バリア層を製造できる可能性は、極めて限られている。
【0008】
DE60108670には、ポリマーにビス脂肪酸アミドを取り込んだ結果としての臭気バリア特性を有するポリマーフィルムが記載されている。これらのフィルムの不利な点は、ビス脂肪酸アミドに対する多くのポリマーの相溶性が極めて制限されていることである。したがって、保管中や温度変動時に、取り込まれたビス脂肪酸アミドの滲出が特に発生することがある。
【0009】
US4,426,438には、多価金属カチオンを含有するアニオン性コポリマー、それらの調製、および写真材料中のそれらの使用が記載されている。前記コポリマーは、透明塗膜中のバインダーとして水溶性ポリマーとともに使用される。これらの混合物からなるフィルムまたは塗膜は、感水性または水溶性であり、頑丈な補修材料としては適さない。
【0010】
したがって、均一分布した金属塩ナノゲルを含有する高分子製品の簡単かつコスト効率の良い製造方法が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって本発明の目的は、従来技術の不利な点を有さない方法を見出すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の方法は、まず、金属塩ナノゲルの水性分散体を重合、重縮合または重付加生成物の水性分散体と混合することを含む。この手順で形成される、金属塩ナノゲルで修飾される前記水性分散体は、例えば、塗装目的に直接使用することができ、乾燥するのみでよい。また、乾燥は混合直後に行ってもよい。本発明でいうところの完成した塗膜または高分子製品は、乾燥した後、特に続けて簡単な加熱をした後に得られ、金属塩ナノゲルが高分子製品中に非常に良好かつ均一分布していることを特徴とする。前記水性分散体を乾燥して中間体を形成し、少し後に該中間体に更なる加工を受けさせ、所望の塗膜および/または所望の製品を得ることができる。
【0013】
本発明の主題およびその好ましい実施態様は、独立請求項およびそれに付随した請求項に記載されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、金属塩ナノゲルを含有する水性分散体(D-I)を、重合生成物、重縮合生成物または重付加生成物の水性分散体(D-II)と混合することを特徴とする、金属イオンを含有する水性分散体(D-III)の調製方法を提供し、水性分散体(D-III)を乾燥し、特に続けて加熱することによって耐水生成物を得ることが可能である。このようにして調製されうる耐水生成物は、そのまま使用することもできるし、例えば耐水性塗膜または耐水性部品などの集合品の一部分であってもよい。
【0015】
本発明の目的の耐水生成物は、水に対して不溶性であるか低膨潤性であるという事実のため、とりわけ注目に値する。不溶性とは、水で24時間処理を受け、さらに室温で乾燥した前記生成物が、5重量%未満、好ましくは0.5重量%未満の割合で重量減少することを意味する。低膨潤性とは、水で24時間処理を受けた前記生成物において、その重量増加が10重量%未満、好ましくは2重量%未満であることを意味する。
【0016】
本発明はまた、金属塩ナノゲルと重合生成物、重縮合生成物または重付加生成物の粒子とを含有し、前記方法によって好ましくは製造されることを特徴とする金属塩ナノゲルを含有する水性分散体を提供する。
【0017】
本発明はまた、金属塩ナノゲルを含有する耐水性の重合、重縮合または重付加生成物の製造方法を提供し、さらに成形品、塗料、フィルムもしくは繊維として、またはプラスチックの抗微生物処理用マスターバッチとして、酸素バリアとして、防湿層として、化合物用または電磁放射線もしくは放射性放射線の吸収用バリアとして使用される、この方法によって製造される製品を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の目的の金属塩ナノゲルとは、少なくとも1つのアニオン性ポリマーと、対イオンとして、正イオン、特に少なくとも1つの金属または金属錯体の正イオンとを含有する等体積球直径500nm以下のあらゆる重合体粒子を意味する。前記粒子の直径は、好ましくは200nm以下、より好ましくは80nm以下である。さらに、それらの直径が少なくとも約5nm、より好ましくは少なくとも約10nmあると、有利であることがわかっている。特に好ましい重合体金属塩ナノゲル粒子の等体積球直径は、約5nmから約200nmである。
【0019】
本発明の方法に適した金属塩ナノゲルを含有する前記分散体(D-I)は、少なくとも以下の3段階を記載した順で有する方法で好ましく製造される。これらの段階法の前、中間および後に、例えば、添加物の付加、濃縮または洗浄などのさらなる工程を実施してもよい。
【0020】
段階1では、粒径が約500nm以下の架橋アクリル酸またはメタクリル酸エステルの水性分散体が製造される。それは、少なくとも1つの二官能または多官能架橋モノマーと少なくとも1つの乳化剤との存在下に、少なくとも1つのエチレン性不飽和カルボン酸エステル、より好ましくはアクリル酸またはメタクリル酸エステルを重合するという、エマルション共重合によって好ましくは製造される。
【0021】
エチレン性不飽和カルボン酸エステルとしては、脂肪族、とりわけ短鎖アルコールのエステルを使用することが特に好ましく、ここで短鎖とは、アルコール残基が最大で12炭素原子、好ましくは最大で6炭素原子、より好ましくは1〜4炭素原子を有することを意味する。
【0022】
特に適した二官能または多官能架橋モノマーは、2つ以上のエチレン性不飽和基を分子中に有するモノマーである。そのようなモノマーの特に都合の良い例は、アリルエステルなどのアリル化合物であり、例えば、テトラアリルオキシエタンは特に良い結果をもたらす。2つ以上の二重結合を有するアルケンまたはシクロアルケンもまた、特に適している。ジビニルベンゼンまたは二官能もしくは多官能アクリレートは、対照的に、あまり有利でないことがわかっている。
【0023】
架橋モノマーの割合は、全モノマー量に対して、好ましくは約0.5モル%を超え、特に約1モル%を超え、特に好ましくは少なくとも約3モル%である。架橋モノマーの割合が少ないと、加水分解により高粘度ゲルが生じ、それは本発明の方法による更なる工程においてあまり適していない。凝集なしに金属イオン含有量を最大にするためには、しかしながら、架橋モノマーの割合は好ましくは20モル%以下、特に10モル%以下である。
【0024】
乳化剤としては、アニオン性および/または非イオン性の界面活性化合物が特に適しているが、カチオン性乳化剤はあまり適していない。
乳化共重合は水性溶媒中で行うことが好ましく、水が主であることが好ましく、該水性溶媒は、当該使用量で水と混和性の他の溶媒を50重量%未満で含有してもよい。
【0025】
段階2では、段階1で得られた前記架橋メタクリレートまたはアクリレート分散体を、例えば、アルカリ金属水酸化物または水酸化アンモニウムなどの塩基性化合物を用いて加水分解する。これにより、アルカリ金属またはアンモニウム対イオンを含有するアニオン性ナノゲルが生じる。
【0026】
段階3では、段階2で導入された前記アルカリ金属またはアンモニウムイオンが、多価カチオンに置き換えられる。このイオン交換は、特に水溶液存在下、多価金属の水溶性塩の付加によって行ってもよく、あるいは多価金属イオンを含んだ陽イオン交換体を用いて行う。
【0027】
この少なくとも3段階法によって製造される金属塩ナノゲルを含有する分散体(D-I)は金属イオンを高い量で取り込んでおり、それらは他の方法で製造された分散体とは対照的に、水性分散体(D-II)との混合にも際だって適していることがわかっている。ここでは、それらは凝集する傾向や望まない粘度上昇の傾向がなく、長期安定性を有し、望まない凝集物を有さない分散体(D-III)を得ることを可能とするという結果を伴っている。
【0028】
前記ポリマー中に存在する前記モノマーの総モル量を基準とすると、前記アニオン性ポリマーは、通常は約1〜100モル%、好ましくは約20〜100モル%、より好ましくは50〜85モル%の共有結合したアニオン性基を有する。
【0029】
対イオンの総モル量のうち、本発明の好ましい実施態様では、二および/またはそれ以上の価数のイオンは、好ましくは約1〜100モル%、特に約20〜100モル%、より好ましくは約50〜98モル%を占める。100モル%に対して対イオンの残りは、例えば、一価の正イオン(例えば、金属イオン、金属錯体またはアンモニウムイオン)および/または前記ポリマーに共有結合した正の基によって形成される。
【0030】
本発明の他の好ましい実施態様では、前記対イオンには、約1〜100モル%、特に約20〜100モル%のAg(+)が含まれる。
二価または多価金属イオンを含有する本発明の好ましい金属塩ナノゲルは、DE3002287に知られており、そこに記載された方法によって製造することができる。好ましい金属塩ナノゲルは、下記一般式で表される。
【0031】
【化1】

【0032】
1は水素、メチルまたはカルボキシメチルであり、
2は少なくとも1つのさらに共重合可能なまたは共重合された炭素−炭素二重結合を有する有機架橋剤化合物の基であり、
Mはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーの重合単位であり、
Mtn+はn価(nは2、3または4である)の金属カチオンであり、
Mt+は具体的にはアルカリ金属カチオンまたはアンモニウムカチオンであり、
u,v,x,yは共重合体中に存在する重合されたモノマーの、具体的にはモル%でのモル分率であり、
uは5〜99モル%、好ましくは10〜90モル%であり、
xは0.5〜10モル%、好ましくは1〜5モル%であり、
v+yは0〜94.5モル%、好ましくは0〜85モル%である。
【0033】
好ましく用いられる金属イオンMtn+は、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、鉛、カドミウム、錫、水銀、ビスマス、金、ウラン、アルミニウム、アンチモン、セリウム、クロム、ユウロピウム、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム、ルテチウム、マンガン、ネオジム、オスミウム、パラジウム、白金、プルトニウム、ラジウム、レニウム、ロジウム、ルビジウム、ルテニウム、サマリウム、スカンジウム、タンタル、テルル、テルビウム、タリウム、トリウム、ツリウム、チタニウム、タングステン、ウラン、バナジウム、イッテルビウムおよびジルコニウムの多価イオンである。
【0034】
特に好ましく用いられる金属イオンMtn+は、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、鉛、アルミニウム、パラジウムおよび白金の多価イオンである。
前記金属イオンは、水和物、アミン錯体または他の錯体の形態をとっていてもよい。
【0035】
好ましい1つの実施態様において、例えば、本発明に従って製造することができる重合体粒子、フィルムまたは塗膜などの前記耐水性製品は、光学的に透明である。本発明の目的において透明性とは、フィルムまたは塗膜の下にある文字列、画像または物体が鮮明に認知できることを意味する。
【0036】
本発明の更に好ましい実施態様において、本発明の前記分散体は、本発明の対応する製品に抗菌作用、吸収特性またはバリヤ性を与えるために、ペンキ、染料、下塗剤または木材防腐剤に添加される。
【0037】
本発明の目的の水性分散体は、その外部相の主成分として水を含有する分散体である。前記水は、50重量%未満、好ましくは20重量%未満の範囲で、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ホルムアミドまたはN−メチルピロリドンなどの水混和性の有機溶媒を含有する。
【0038】
前記ポリマー分散体は、また、高沸点または低沸点の水不溶性溶媒を含有してもよい。前記高沸点溶媒は、前記ポリマーに対して、0.01〜50重量%の量で用いられる。特に好ましくは0.1〜30重量%である。高沸点溶媒の例としては、ジブチルフタレート、ジノニルフタレート、ジエチルヘキシルフタレートなどのフタル酸エステル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル、ジオクチルアジペート、ジブチルアジペートなどのアジピン酸エステルが挙げられる。前記低沸点溶媒は、前記ポリマーに対して、0.01〜100重量%の量で用いられる。特に好ましくは1.0〜50重量%である。前記低沸点溶媒は、好ましくは、ナノスケールの銀粒子またはハロゲン化銀粒子を含有する重合、重縮合または重付加生成物を製造する本発明の方法中でのみ使用される。前記乾燥工程で、それらは水とともに再び除去される。低沸点溶媒の例としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、エチルアセテート、メチルアセテート、塩化メチレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ベンゼンおよびトルエンが挙げられる。低沸点および高沸点溶媒の混合物を使用することも可能である。
【0039】
前記重合、重縮合または重付加生成物に対する金属塩ナノゲルの重量割合は、広範囲で変わりうる。重合、重縮合または重付加生成物に対する金属塩ナノゲルの重量割合は、好ましくは0.5〜10-10:1、より好ましくは0.2〜10-6:1である。
【0040】
本発明の前記分散体は、例えば、塗膜として使用することができ、その目的のためには、慣用技術によって所望の品目に塗布すればよい。例えば医療機器は、スプレー法、ディッピング法またはブラッシング法などの標準的方法によって抗菌塗装することができ、以下に記載するように、簡単な乾燥および加熱によって効果的な抗菌保護を付与することができる。
【0041】
ハンドル(例えば、ドアハンドルおよび窓ハンドル)、例えば光スイッチなどのスイッチ、椅子の手すりなどの手すり、例えばキートップ、キーボード、便器の蓋、トイレブラシ、シャワーの取付け部品、電話の受話器、子供用おもちゃ、特にプラスチックのおもちゃ、フィルム、繊維、織物、布地または他の頻繁に触れられる表面などの日用品を、本発明でいうところの保護塗装することも、および/または本発明でいうところの耐水生成物から形成することも、有利にすることができる。その結果として、例えば、そのような表面に対する病原体の強固な付着に対抗することができる。トイレ、とりわけ大浴場および病院などの公共の場では、これにより感染の危険をかなり回避でき、一般的に必要な消毒に取って代わることができるか、少なくともその必要な頻度を低減し、あるいは悪性の消毒剤を減らすことができる。
【0042】
建物の部分では、本発明の分散体はかびの蔓延を制御しかつ防止するために有利に使用され、壁または壁紙を本発明の分散体で処理することによってなされる。シーリング材、シングル屋根板、および断熱材もまた、それによって有利に抗微生物処理される。
【0043】
さらに、本発明の分散体を用いて、植物栽培用の容器および道具の抗微生物処理を行うことや、一般的に、例えばペトリ皿などの無菌で維持される容器にも有利である。
さらに、本発明の分散体は、酸素、水分または他のガス状物質に対するバリヤ特性および/または吸収特性を得るために、フィルムまたは製品の塗装にも使用される。前記金属塩は、所望のバリア効果に従って選択される。例えば、鉄(II)塩ナノゲルを含有する本発明の分散体は、酸素またはオゾンバリヤとして使用される。銅(II)および亜鉛(II)塩ナノゲルを含有する塗膜は、硫化水素、メルカプタン、アミンまたはアンモニアなどの悪臭性化合物用バリアに適している。無水金属イオンを含有する層は、防湿層に適している。例えば鉛イオンなどの重金属イオンを含有する層は、放射線を減衰させるのに適している。
【0044】
前記金属イオンを適切に選択することにより、それは日常の実験で容易に達成できるが、そして前記材料中の残留水分含有量を適切に選択することにより、本発明の前記材料を使い、明確な帯電防止効果を生じさせることも可能である。
【0045】
さらに、光吸収金属イオンおよび/またはそれらの錯体を用いることによって、可視光、UVまたは赤外領域における光学フィルター効果を得ることも可能である。
同様に、種々の金属イオンおよび/または種々の重合体対イオンを含有する本発明の分散体の混合物を使用することも可能である。このようにして、例えば、バリア特性とともに殺菌性を有する表面のように、1つの層に複数の機能を兼ね備えさせることが可能となる。
【0046】
バリア目的での本発明の分散体の使用との関連では、前記バリア塗膜は、他の公知のバリア材またはエチレン/ビニルアルコール共重合体もしくはポリ塩化ビニリデン共重合体のバリアフィルムと組み合わせてもよい。例えば、エチレン/ビニルアルコール共重合体フィルムを、エチレン/ビニルアルコール共重合体が有する既知の低酸素透過性のさらなる低減を達成するため、鉄(II)イオンを含有する本発明の分散体で塗装してもよい。
【0047】
本発明に従って、本発明の分散体から重合体成形品または重合体塗膜を得るためには、まず第一に水を前記分散体から除去して水含有量を20重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、特に好ましくは1重量%以下とする。水の除去は好ましくは、蒸留または例えば対流乾燥、放射乾燥、ベルト乾燥、噴霧乾燥もしくは凍結乾燥などの乾燥により行われる。
【0048】
このような方法で前記分散体から得られた固体中間体は、同様に本発明によって提供され、続く使用によっては、保管してもよく、さらにそのまま加工して重合体成形品を得てもよい。粉末形状の前記中間体を得て、それをこの形状で塗装目的に使用することも、最初にそれを水または不溶もしくは低い割合でしか溶けない溶媒に再び懸濁することも可能である。また、溶融した後、前記固体中間体を顆粒に加工し、その形態で保管および更なる加工をしてもよい。
【0049】
本発明の好ましい一つの実施態様では、前記固体中間体は、本発明の前記重合体生成物、重縮合生成物または重付加生成物に加えて、少なくとも1つのポリマーを含有し、該ポリマーは前記水性分散体それ自身に添加され、前記分散体の乾燥後も前記中間体中に残存する。しかしながら、添加されるポリマーは、最初に得られた前記固体中間体と混合され、好ましい中間体を得ることが好ましい。添加されるポリマーは、ナノスケールの重合体金属塩粒子を含まないことが好ましく、混合の結果として、所望の効果のより正確な調整が可能となる。
【0050】
前記分散体で記載したように、例えば保存特性、さらなる加工に対する性質、臭気または外観を修正するために、前記使用目的に応じて、前記固体中間体を補助剤と混合してもよい。
【0051】
本発明の他の好ましい実施態様では、前記固体中間体は、抗菌作用、バリア特性、電磁放射線または放射性放射線の吸収作用を有する本発明の対応する製品を得るために、ペンキ、塗料、染料、下塗剤または木材防腐剤に添加される。水性ペンキ塗料の場合、前記中間体は好ましくは固体の、粉砕状で、分散によって前記ペンキ中に取り込まれるか、またはナノスケール重合体金属塩粒子の水性分散体は前記水系ペンキとともに攪拌される。溶媒系ペンキの場合、前記中間体は前記ペンキに直接溶かされるか、有機溶媒または溶媒混合物に事前に溶かされ、その後、前記ペンキとともに攪拌される。この場合、ペンキ中に存在する溶媒または溶媒混合物を使用することが有利である。
【0052】
本発明でいうところの前記固体中間体およびその調製の適切な利用分野は、例えば、前記分散体で記載したものと同様である。
前記固体中間体から、本発明にいうところの、ポリマーまたは重合体成形品もしくは高分子塗膜は、前記中間体に少なくとも部分合一(partial coalescence)を受けさせることによって得られる。
【0053】
顆粒状で、前記中間体をポリマーとさらに混合する場合には、特に追加されるポリマーが主成分であるとき、例えば、前記重合体成形品または高分子塗膜は、前記ポリマーに対する普通の加工の過程でもまた製造される。前記中間体の顆粒または粉末は、好ましくは追加されるポリマーの顆粒と混合し、溶融した後、押出成形、共押出成形、スピニング加工または射出成形などの公知の方法による更なる加工を受けさせればよい。これにより、フィルム、繊維、シート、棒またはフィラメントが得られる。共押出成形により得られた多層フィルムの場合には、外層のみが殺菌処理を受け、またはバリア機能を備えることが好ましい。追加されるポリマーとしては、例えばポリエステル、PET、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、PE,PPなどのポリアルキレン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ABS,セルロース、トリアセテート、フッ素ポリマー、ポリエーテル、POMおよびエラストマーが挙げられる。
【0054】
本発明に従った前記重合体成形品または高分子塗膜に適した利用分野は、例えば、前記分散体で記載したものと同様のものである。そこで例示された抗微生物処理された日用品、例えば、ドアハンドルおよび窓ハンドル、ガラスシートもしくはプラスチックシート、メガネ用レンズ、コンタクトレンズ、食品フィルム、電子防護フィルム、医薬品包装、光スイッチ、手すり、キーボード、便器の蓋、トイレ用ブラシ、シャワーの取付け部品、電話の受話器、子供用おもちゃ、より好ましくはプラスチックのおもちゃ、フィルム、繊維、織物、布地または頻繁に接触する他の表面、壁面被覆、壁紙、シーリング材、シングル屋根板、ならびに断熱材、植物育種用の容器および装置、ならびにペトリ皿、貯水槽、送水管または断熱タンクなどの無菌で維持される一般的な容器または囲いなどの製品の場合は、前記製品が少なくとも部分的に本発明のポリマーからなるか、それをもって塗装されているときには、重合体成形品は本発明の成形品である。
【0055】
本発明の方法により製造される前記生成物は、例えば、安定剤、UV吸収剤、染料、光学的光沢剤、金属もしくは金属酸化物ナノ粒子、可塑剤、滑剤または顔料などの一般的にポリマーに用いられる添加剤と混合してもよい。前記添加物は、製造中または製造後に添加すればよい。
【0056】
本発明の方法により製造される生成物は、他の重合、重縮合または重付加生成物と混合してもよい。塗装法または共押出法により、最上および/または最下層のみがナノスケール重合体金属塩粒子を含有するフィルムを製造することも可能である。
【0057】
本発明の方法により製造される生成物は、更に水の残留分を含有してもよい。前記水留分は、前記重合、重縮合または重付加生成物に対して、好ましくは10重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。本発明の前記生成物を防湿層として使用する場合には、前記水留分は0.1重量%以下であることが好ましい。
【0058】
前記水を本発明の前記分散体から除去し、合一を開始するには、一段階法、例えば充分な高温で実施してもよい。前記重合、重縮合または重付加生成物のガラス転移温度または融点が室温を下回る場合には、加熱は必ずしも必要ではない。合一は室温でも起こる。
【0059】
合一とは、前記中間体に存在する前記重合体粒子がともにゆっくりと流動し、互いに結合または融合することを意味し、光または電子顕微鏡写真で観察される現象である。この過程はフィルム形成性とも呼ばれる。数基準で、好ましくは少なくとも20%の粒子、より好ましくは少なくとも50%の粒子が、さらに好ましくは少なくとも70%の粒子が合一を受ける。
【0060】
合一は、例えば、圧力にさらされることによって起こりうるが、合一をもたらすほど充分な高温に前記中間体をさらすことが好ましい。
この操作は、前記重合、重縮合または重付加生成物のガラス転移温度を上回る温度で通常は行われ、より好ましくはその融点を超えた付近である。
【0061】
本発明の前記水性分散体を調製する際に使用される重合、重縮合または重付加生成物の前記水性分散体は、知られており、ポリマーラテックスの指定の文献にも記載されている。
【0062】
重合生成物の前記水性分散体は、例えば、“Giesla Henrici-Olive-S.Oliver Polymerisation Verlag Chemie 1969 section 1.11.3. Emulsionspolymerisation”に記載されているようなエマルション重合法によって得られる。エチレン性不飽和化合物は、モノマーとも呼ぶが、例えば、パルミチン酸ナトリウムまたはC12−C14スルホン酸塩などの乳化剤の添加とともに水中に導入される。前記重合は、水溶性開始剤を使用して開始される。前記重合は、モノマー液滴中ではなく、むしろ乳化剤により形成されたミセル中で起こる。前記ポリマーは、微分散した分散体またはラテックスとして得られる。使用されるモノマーまたはモノマー混合物により、種々のポリマーまたはコポリマーラテックスが得られる。乳化剤の機能および量は、ラテックス粒子のサイズを調整する。ポリマーラテックスまたはコポリマーラテックスの調製用モノマーの例としては、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、メタクリル酸塩、アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、1,3−ブタジエン、ビニルエーテル、アクリルアミド、アリルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、ペンチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、1−ブチルメタクリレート、5−メチル−1,3,6−ヘプタトリエン、1,1−ジヒドロパーフルオロブチルアクリレート、ベンジルメタクリレート、3−オキソ−n−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、セチルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロペンタジエン、2−ノルボルニルメチルアクリレート、2−ノルボルニルメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、エチレン、クロロスチレン、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−イソボルニルメタクリレート、クロロプレン、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、3−オキソ−n−ブチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、メチルビニルケトン、n−オクチルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート、n−オクタデシルメタクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ジシクロペンチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルn−ヘキシルアクリレート、スチレン、sec−ブチルアクリレート、p−ブロモスチレン、p−クロロスチレン、p−フルオロスチレン、m−クロロスチレン、ネオヘキシルアクリレート、ビニルアセテート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、m−およびp−ビニルトルエン、アルファ−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸ナトリウム塩、イタコン酸モノメチル、p−スチレンスルホン酸ナトリウム塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩、メチレンビスアクリルアミド、エチレンジメタクリレート、ジビニルベンゼン、アリルアクリレート、エチリデンジアクリレート、1,6−ヘキサメチレンジメタクリレート、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリルアミド、およびトリアリルイソシアヌレートが挙げられる。さらに、コア−シェルラテックスなどの特定構造を有するラテックスまたはグラフトコポリマー構造を有するラテックスもまた、適している。
【0063】
ポリエステルおよびコポリエステルの分散体は、ポリエステルラテックスおよびコポリエステルラテックスとも呼ぶが、例えばEP78559 および EP29620により周知である。コポリエステルラテックスは、二官能または多官能アルコールと、二官能もしくは多官能カルボン酸または多官能カルボン酸誘導体との重縮合により調製される。ジカルボン酸またはジカルボン酸誘導体の例としては、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、コハク酸、マレイン酸、ジメチルアジペート、シクロヘキサンジカルボン酸、ジメチルフタレートが挙げられる。多官能アルコールの例としては、グリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルアルコールが挙げられる。乳化または自己乳化コポリエステルを調製するには、さらに、カルボキシル基またはスルホ基を有するジカルボン酸またはジカルボン酸エステルが使用され、例えば、スルホイソフタル酸またはナトリウムジメチル5−スルホイソフタレートなどである。
【0064】
これらのコポリエステルは、自己乳化過程で水性分散体を形成するのに適している。前記コポリエステルは、低沸点溶媒に溶かされる。続いて水および乳化剤を添加し、その後に前記溶媒を蒸発除去する。このようにして、微分散したコポリエステルラテックスが、分散装置を使用することなく得られる。
【0065】
本発明の目的に適した前記重付加生成物は、イオン化修飾されることが好ましい。特に、アイオノマー重付加生成物または重縮合生成物が使用される。アイオノマー重付加生成物はUS6,313,196 および EP049399により周知である。
【0066】
本発明に従って使用される前記アイオノマー重付加生成物または重縮合生成物は、100g当たり、4〜180ミリグラム当量、好ましくは4〜100ミリグラム当量のイオン基および/またはイオン基に変換可能な基を含み、所望の場合には、ポリエーテル鎖に取り込まれた、1〜20重量%の式−CH2−CH2−O−のアルキレンオキサイド単位を含み、該ポリエーテル鎖はペンダンド型でもよく、また主鎖中に存在してもよい。
【0067】
本発明に従って使用されうる前記アイオノマー重付加生成物または重縮合生成物としては、以下では表現「アイオノマー生成物」を使用するが、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリカーボネート、ポリアセタールまたはポリエーテルが挙げられ、さらに、ポリエステル−ポリウレタン、ポリエーテル−ポリウレタンまたはポリエステル−ポリウレアなどの2またはそれ以上のポリマー種に同時に属するアイオノマー生成物も挙げられる。
【0068】
本発明に従って使用される種類のアイオノマー生成物は、それ自体周知であり、例えば、Angewandte Makromolekulare Chemie 26 (1972), pages 45 to 106; Angewandte Makromolekulare Chemie 82 (1979), pages 53 ff.; J. Oil. Col. Chem. Assoc. 53 (1970), page 363に記載されている。さらに、適切なアイオノマー生成物の記載は、ドイツ公開明細書(DE−A−)2637690, 2642973, 2651505, 2651506, 2659617, 2729245, 2730514, 2732131, 2734576, および 2811148に見ることが出来る。
【0069】
アニオン性基を有するアイオノマー生成物が好ましい。本発明の方法に特に適したアイオノマー生成物は、DE−B2−1472746に記載されている。これらのアイオノマー生成物は、分子量300〜10000の、2またはそれ以上の反応性水素原子を有する化合物と、ポリイソシアネートと、さらに必要に応じて反応性水素原子を有する鎖延長剤とから得られるポリウレタンに基づいている。これらのポリウレタンの調製において、あるいは続いて、それらが未だ有するイソシアネート基は、少なくとも1つの活性水素原子と少なくとも1つの塩様の基または塩形成可能な基とを有する化合物と反応する。塩形成可能な基を有する化合物を使用する場合、得られたアニオン性ポリウレタンは続いて、それ自体周知の方法で、塩形態への少なくとも部分変換を受ける。「塩様の基」とは、好ましくは以下の部分:−SO3-または−COO-を含む。前記アニオン性ポリウレタンの調製に適切な出発成分は、例えば、以下に記載する化合物が挙げられる。
【0070】
I.活性水素原子を有する化合物
これらの化合物は、実質的には直線状であり、分子量が約300〜10000、好ましくは500〜4000である。前記化合物は、それ自体周知であるが、末端水酸基および/またはアミノ基を有する。好ましくは、ポリエステル、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリアミド、およびポリエステル−アミドなどのポリヒドロキシ化合物である。これらの化合物の水酸基数は約370〜10、より好ましくは225〜28に相当する。
【0071】
ポリエーテルとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン、およびブチレンオキサイドの重合生成物が挙げられ、これらの共重合またはグラフト重合生成物も挙げられ、さらに多価アルコールまたはそれらの混合物の縮合により得られる凝縮物、および多価アルコールのアルコキシ化により得られる生成物も挙げられる。
【0072】
適切なポリアセタールとしては、例えば、ヘキサンジオールとホルムアルデヒドとから調製することができる化合物が挙げられる。適切なポリエステル、ポリエステルアミド、およびポリアミドは、多塩基飽和カルボン酸と多価飽和アルコール、アミノアルコール、ジアミンおよびそれらの混合物との主に直線状凝縮物である。
【0073】
既にウレタン基またはウレア基を有するポリヒドロキシ化合物を使用することも、ヒマシ油または炭水化物などの未修飾または修飾の天然ポリオールを使用することも可能である。
【0074】
前記方法の生成物の親液性または疎水性、および機械的特性を変えるために、種々のポリヒドロキシ化合物の混合物を使用することも好ましい。
II.ポリイソシアネート
適切なポリイソシアネートは、全ての芳香族および脂肪族ジイソシアネート、例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、ジ−およびテトラ−アルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートの異性体などであり、混合物が適切な場合には、脂肪族ジイソシアネート、ブタン1,4−ジイソシアネート、ヘキサン1,6−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、およびイソホロンジイソシアネートが好ましい。
【0075】
III.鎖延長剤
反応性水素原子を有する鎖延長剤としては以下が挙げられる。:
1.エチレングリコールまたはエチレングリコール、ブタンジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ビスヒドロキシメチルシクロへキサンの凝縮物などの通常のグリコール。
【0076】
2.エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシルジアミン、ベンジジン、ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミンの異性体、ヒドラジン、アンモニアなどの脂肪族、脂環式および芳香族ジアミン。
【0077】
3.エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミンなどのアミノアルコール。
4.ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、グリセロール、ペンタエリスリトール、1,3−ジアミノイソプロパノール、1,2−ジアミノプロパノール、モノオキサルキル化ポリアミン(例えば、N−オキセチルエチレンジアミン、N−オキセチルヒドラジン、N−オキセチルヘキサメチレンジアミン)などの多官能アミンまたはヒドロキシ化合物。
【0078】
5.水
IV.塩形成可能な化合物
1.酸部分を有する化合物
a)ヒドロキシ酸、例えば、グリセリン酸、乳酸、トリクロロ乳酸、リンゴ酸、ジオキシマレイン酸、ジオキシフマル酸、酒石酸、ジオキシ酒石酸、クエン酸、ジメチロールプロピオン酸、およびジメチロール酪酸、前記脂肪族、脂環式、芳香族および複素環式のモノおよびジアミノカルボン酸、例えば、グリシン、α−およびβ−アラニン、6−アミノカプロン酸、4−アミノ酪酸、モノおよびジアミノ安息香酸異性体、モノおよびジアミノナフトエ酸異性体など。
【0079】
b)ヒドロキシおよびカルボキシスルホン酸;2−ヒドロキシエタンスルホン酸、2−フェノールスルホン酸、3−フェノールスルホン酸、4−フェノールスルホン酸、2,4−フェノールスルホン酸、スルホ酢酸、m−スルホ安息香酸、p−スルホ安息香酸、3,5−ジスルホ安息香酸、2−クロロー4−スルホ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−スルホ安息香酸、ナフトール−1−スルホン酸、ナフトール−1−ジスルホン酸、8−クロロナフトール−1−ジスルホン酸、ナフトール−1−トリスルホン酸、ナフトール−2−スルホン−1−酸、およびナフトール−2−トリスルホン酸;
c)アミノスルホン酸;アミドスルホン酸、ヒドロキシアミンモノスルホン酸、ヒドラジンジスルホン酸、スルファニル酸、N−フェニルアミノメタンスルホン酸、4,6−ジクロロアニリン−2−スルホン酸、1,3−フェニレンジアミン−4,6−ジスルホン酸、ナフチレンアミン−1−スルホン酸、ナフチルアミン−2−スルホン酸、ナフチルアミンジスルホン酸、ナフチルアミントリスルホン酸、4,4’−ジ(p−アミノベンゾイルアミノ)ジフェニルウレア−3,3’−ジスルホン酸、フェニルヒドラジン−2,5−ジスルホン酸、タウリン、メチルタウリン、ブチルタウリン、3−アミノ−5−スルホ安息香酸、3−アミノトルエン−N−メタンスルホン酸、4,6−ジアミノベンゼン−1,3−ジスルホン酸、2,4−ジアミノトルエン−5−スルホン酸、4,4’−ジアミノジフェニル−2,2’−ジスルホン酸、2−アミノフェノール−4−スルホン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル−2−スルホン酸、2−アミノアニソール−N−メタンスルホン酸、2−アミノジフェニルアミンスルホン酸、エチレングリコールスルホン酸、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸、N−スルフォナトエチルエチレンアミン;
d)前記ヒドロキシ−およびアミノカルボン酸およびスルホン酸、多価カルボン酸および多価スルホン酸としては、さらにアクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸などの不飽和酸およびアクリロニトリルなどの不飽和ニトリルの、マレイン酸、フタル酸、コハク酸の無水物などの環状ジカルボン酸無水物の、スルホ酢酸およびo−スルホ安息香酸の無水物などのスルホカルボン酸無水物の、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトンなどのラクトンの(任意に加水分解された)付加生成物、オレフィンと硫酸カルビルなどの三酸化硫黄との、グリシド酸、2,3−エポキシプロパンスルホン酸などのエポキシカルボン酸および−スルホン酸の、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1,8−ナフチルスルトンなどのスルトンの、硫酸グリコールなどの環状硫酸エステルの、ベンゼン−1,2−ジスルホン酸無水物などのジスルホン酸無水物と1,2−エチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン異性体、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどの脂肪族および芳香族アミンとの反応生成物からなる付加生成物、さらに亜硫酸水素ナトリウムとアリルアルコール、マレイン酸、マレイン酸ビスエチレンおよびビスプロピレングリコールエステルなどのオレフィン性不飽和化合物との付加生成物が挙げられる。
【0080】
e)ヒドラジンカルボン酸
2.開環後に塩様の基または塩形成可能な基を有する3〜7員環の反応性化合物:
a)無水コハク酸、無水マレイン酸、水素添加されていてもよい無水フタル酸などのジカルボン酸無水物;
b)1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸無水物などのテトラカルボン酸二無水物;
c)ベンゼン−1,2−ジスルホン酸無水物などのジスルホン酸無水物;
d)スルホ酢酸無水物、o−スルホ安息香酸無水物などのスルホカルボン酸無水物;
e)1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1,8−ナフタスルトンなどのスルトン;
f)β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトンなどのラクトン;
g)グリシド酸などのエポキシカルボン酸、これらはアルカリ金属塩の形態をとっていてもよい;
h)2,3−エポキシプロパン−1−スルホン酸などのエポキシスルホン酸、これらはアルカリ金属塩の形態をとっていてもよく、および例えばグリシドアルデヒドの亜硫酸水素塩化合物などのエポキシアルデヒドとアルカリ金属の亜硫酸水素塩との付加物。
【0081】
上記酸部分は、下記特定の化合物との反応による通常の方法で塩の形態へ変換可能である:水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの一価の金属水酸化物、金属炭酸塩、および金属酸化物などの、無機塩基、塩基性化合物または塩基を除去する化合物。さらに、第3級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルアミンエタノール、ジメチルアミンプロパノール、アンモニアなどの有機塩基。
【0082】
適切な構造成分は、加えて、例えば、ポリエーテル鎖に取り込まれたエチレンオキサイド単位を有する一価または二価アルコールである。
この種の単官能の非イオン性の親水性ポリエーテルを同様に使用する場合、2を上回る官能基を有する構造成分の使用に付随する早過ぎる連鎖停止を防止するのにしばしば有利である。最後に言及した一般式の前記単官能ポリエーテルは、例えば、US特許3,905,929, 4,190,566 または 4,237,264に記載されている、それ自体周知の方法によって調製される。
【0083】
この種の構造成分は、本発明で使用されるポリウレタンに、さらなる、局所的な親水化、電解質安定性、凍結安定性、および改善された潤滑特性を付与する。
前記ポリイソシアネートの量は、好ましくはイソシアネート基と反応する基の全てが反応するように選ばれる。
【0084】
前記反応は、溶媒の使用が適切な場合に実施され、その場合には、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、およびジオキサンなどの沸点が120℃未満の低沸点溶媒が好ましく、任意に、比例的に、水を含有してもよい。使用される、無機塩基ならびにイソシアネート基と反応する少なくとも1つの水素原子および少なくとも1つの塩様の基または塩形成可能な基を有する化合物用の溶媒としては、水が挙げられ、有機溶媒は添加しなくてもよい。
【0085】
主に直線状の高分子量の、アニオン性ポリウレタンは、一般的に、前記極性溶媒において、わずかにオパール色をした溶液ほどに透明で得られる。それらの固体含有量は、イオン性ポリウレタン換算で、約5〜50重量%である。好ましくはポリエステル−またはポリエーテル−ポリウレタンが使用される。
【0086】
本発明に従って使用される重合、重縮合または重付加生成物の分散体の平均粒径は、30nm〜1000nm、好ましくは50nm〜200nmである。単分散および多分散の分散体の双方を使用することができる。
【0087】
本発明に従って使用され、金属塩ナノゲルを含有する(従って、耐水性の)重合、重縮合または重付加生成物の調製を、以下の例によって説明する。
【実施例】
【0088】
〔重合、重縮合または重付加生成物の水性分散体(D-II)の調製〕
ポリマー分散体1
系内に窒素を導入しながら、Dowfax 2A1(ダウケミカル社製乳化剤)1.0gと水350gとからなる溶液を90℃に加熱する。pH6〜7で、いっせいに、a)メチルメタクリレート20gとブチルアクリレート30gとの混合物、およびb)pH7に調整された1%濃度アゾビスシアノ吉草酸水溶液50gを、この溶液に2時間にわたって計量する。その後、系を90℃で4時間以上攪拌する。水50gの蒸留除去により、微分散したラテックスが得られる。その固形分含有量は水の添加によって調整する。
データ: 固体:10重量%
粒径:75nm
ポリマー分散体2
系内に窒素を導入しながら、ドデシルベンゼンスルホネート800mgと水250gとからなる溶液を90℃に加熱する。pH6〜7で、いっせいに、スチレン50gと、pH7に調整された1%濃度過硫酸カリウム水溶液50gとを、この溶液に2時間にわたって計量する。その後、系を90℃で4時間以上攪拌する。水40gの蒸留除去により、微分散したポリスチレンラテックスが得られる。その固形分含有量は水の添加によって調整する。
データ: 固体:15重量%
粒径:60nm
ポリマー分散体3
ヘキサンジオール/ネオペンチルグリコールポリアジペート407.4g(0.2396mol)を、ウォータージェット真空下、120℃で脱水する。70〜80℃で、1,6−ジイソシアナトヘキサン77.7g(0.4625mol)を加え、混合物を100℃で1.5時間攪拌する。そのプレポリマーのNCO含有量は3.4%である。アセトンに33%溶解させた後、2−アミノエチル−β−アミノプロピオン酸ナトリウム塩75.0g(0.1924mol)(水中で39.5%濃度)を50℃で添加し、7分後に完全脱塩水1160mlで分散させる。ウォータージェット真空下におけるアセトンの蒸留除去により、非常に微分散した分散体が得られる。
データ: 固体:30重量%
粒径:60nm
〔3段階プロセスによる金属塩ナノゲルを含有する水性分散体(D-I)の調製〕
段階I
窒素下、45%濃度ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液23gを、脱イオン水3400gに添加した。その後、75℃で強攪拌しながら、メチルアクリレート1245gと新たに蒸留されたトリビニルシクロヘキサン100gとからなるモノマー混合物200gを添加する。10分後、過硫酸カリウム8.25gを水260gに溶かした溶液(開始剤溶液)のうち溶液88gを、続いて、80〜83℃で開始剤溶液の残りをいっせいに添加する。30分後、その混合物を、tert−ブチルヒドロペルオキシド88mgおよびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム440mgを蒸留水4.5gに溶かした溶液と混合し、同様にアスコルビン酸800mgを蒸留水87gに溶かした溶液と混合し、続いて80〜83℃で2時間攪拌する。少量のポリマー沈殿物を濾過により除去する。架橋アクリレートラテックスが得られる。
【0089】
段階II
段階Iで調製した前記ラテックス2560gを、水酸化カリウム101gを蒸留水4000gに溶かしたものと混合し、7時間攪拌した後、さらに水酸化カリウム223gを水875mlに溶かしたものと混合し、その後、前記混合物をそのpHが10になるまで沸点で20時間以上攪拌する。得られたラテックス中のアクリレート単位は、カリウム塩の形態を取っている。前記ラテックスを分離し、固形分含有量を15重量%に調整する。
【0090】
段階III
A:銅(II)塩ナノゲルを含有する分散体
段階IIで得られた固形分含有量15重量%のラテックス50gを、硫酸銅(II)五水和物0.50gを水10.0gに溶かした溶液とともに、30分間にわたって攪拌する。これにより、銅(II)イオンを含有する水性分散体状ナノゲルが得られる。
【0091】
B:鉄(II)塩ナノゲルを含有する分散体
段階IIで得られた固形分含有量15重量%のラテックス500gを、窒素下、塩化鉄(II)四水和物12.3gを水250mlに溶かした溶液とともに、30分間にわたって攪拌する。続いて、その分散体を48時間かけて分離する。これにより、鉄(II)イオンを含有する水性分散体状ナノゲルが得られる。
【0092】
[使用例1]
10gのポリマー分散体3を水10gで希釈する。銅(II)イオンを含有する水分散ナノゲルA5gを攪拌しながら滴下する。これにより、銅(II)イオンを含有する水性塗料溶液((D-III)型分散体)が得られる。
【0093】
PETフィルムを、ドクターブレードを手動で用いてこの塗料溶液により被覆し、室温で乾燥する。銅(II)イオンを含有する、薄青色の完全透明フィルムが得られる。前記フィルムは耐水性、殺菌性を有し、アンモニアおよびアミンに対するバリア効果を示す。前記銅イオンは前記フィルムの塗膜中に均一分布している。
【0094】
[使用例2]
40gのポリマー分散体1を、攪拌しながら、銅(II)イオンを含有する前記水性ナノゲルA5gと滴下混合する。これにより、銅(II)イオンを含有する水性塗料溶液((D-III)型分散体)が得られる。
【0095】
ポリカーボネートフィルムを、ドクターブレードを手動で用いてこの塗料溶液により被覆し、60℃で乾燥する。耐水性および殺菌性を有する、銅(II)イオンを含有する薄青色の完全透明フィルムが得られる。前記銅イオンは前記フィルムの塗膜中に均一分布している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属塩ナノゲルを含有する水性分散体(D-I)を、重合生成物、重縮合生成物または重付加生成物の水性分散体(D-II)と混合することを特徴とする金属イオンを含有する水性分散体(D-III)の調製方法。
【請求項2】
前記金属塩ナノゲルが、約500nm以下の等体積球直径を有する重合体粒子状であり、かつ該重合体粒子が、少なくとも1つのアニオン性ポリマーと、対イオンとして、正イオン、特に少なくとも1つの金属または金属錯体の正イオンとを含有することを特徴とする請求項1の方法。
【請求項3】
金属塩ナノゲルを含有する前記分散体(D-I)を、
まず第一に(i)架橋メタアクリル酸エステルまたはアクリル酸エステル単位を含有する分散体を調製し、その後に(ii)アルカリ金属水酸化物またはアンモニウム水酸化物を添加することによって、前記エステル基に少なくとも部分的なアルカリ加水分解を受けさせ、続いて(iii)前記アルカリ金属またはアンモニウム水酸化物イオンを少なくとも部分的に多価イオンに置換する、少なくとも3段階法によって調製すること
を特徴とする前記請求項の何れかの方法。
【請求項4】
前記対イオンの総モル量に対して、二価および/または多価イオンが約1〜約100モル%占めることを特徴とする前記請求項の何れかの方法。
【請求項5】
前記対イオンの総モル量に対して、一価の銀イオンが約1〜約100モル%占めることを特徴とする請求項1〜3の何れかの方法
【請求項6】
前記金属塩ナノゲルが、次式のポリマーを含有することを特徴とする前記請求項の何れかの方法。
【化1】


1は水素、メチルまたはカルボキシメチルであり、
2は少なくとも1つのさらに共重合可能なまたは共重合された炭素−炭素二重結合を有する有機架橋剤化合物の基であり、
Mはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーの重合単位であり、
Mtn+は少なくとも1つの金属のn価(nは2、3または4である)の金属カチオンであり、
Mt+は具体的にはアルカリ金属カチオンまたはアンモニウムカチオンであり、
u,v,x,yは共重合体中に存在する重合されたモノマーの、具体的にはモル%でのモル分率であり、
uは5〜99モル%、好ましくは10〜90モル%であり、
xは0.5〜10モル%、好ましくは1〜5モル%であり、
v+yは0〜94.5モル%、好ましくは0〜85モル%である。
【請求項7】
前記金属イオンMtn+が、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、鉛、カドミウム、錫、水銀、ビスマス、金、ウラン、アルミニウム、アンチモン、セリウム、クロム、ユウロピウム、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム、ルテチウム、マンガン、ネオジム、オスミウム、パラジウム、白金、プルトニウム、ラジウム、レニウム、ロジウム、ルビジウム、ルテニウム、サマリウム、スカンジウム、タンタル、テルル、テルビウム、タリウム、トリウム、ツリウム、チタニウム、タングステン、ウラン、バナジウム、イッテルビウムおよび/またはジルコニウムの多価イオンであり、前記金属イオンは錯体形成されてもよいことを特徴とする請求項6の方法。
【請求項8】
前記方法の一つによって得られうる水性分散体D-III。
【請求項9】
請求項8の水性分散体から水を除去することを特徴とする固体中間体の製造方法。
【請求項10】
請求項9の方法によって得られうる固体中間体。
【請求項11】
請求項8の水性分散体または請求項10の固体中間体を、それらが少なくとも部分合一を受ける条件にさらすことを特徴とする耐水生成物の製造方法。
【請求項12】
請求項11の方法によって得られうる耐水生成物。
【請求項13】
請求項8の水性分散体および/または請求項10の固体中間体および/または請求項12の耐水生成物からなる製品または調製品。
【請求項14】
成形品、塗料、フィルムまたはプラスチックの機能的処理用マスターバッチの形態をとる請求項13の製品または調製品。
【請求項15】
請求項13または14の製品または調製品で塗装された製品、特にフィルム。
【請求項16】
請求項13の製品または調製品が帯電防止効果を有する請求項13〜15の何れかの製品または調製品。
【請求項17】
請求項13の製品または調製品が光学フィルター効果を有する請求項13〜16の何れかの製品または調製品。
【請求項18】
前記製品または調製品が光学的に透明である請求項13〜17の何れかの製品または調製品。
【請求項19】
請求項13の製品または調製品が、酸素、水分、化合物、特にガス状化合物、電磁放射線または放射性放射線に対するバリア効果および/または吸収効果を有する請求項13〜18の何れかの製品または調製品。
【請求項20】
酸素、水分、化合物、特にガス状化合物、電磁放射線または放射性放射線のバリアおよび/または吸収用としての請求項19の製品または調製品の使用。
【請求項21】
ペンキ、染料、下塗剤または木材防腐剤としての請求項13、14または16〜18の調製品の使用。
【請求項22】
ハンドル、ガラス板もしくは高分子シート、メガネ用レンズ、コンタクトレンズ、食品フィルム、電子防護フィルム、医薬品包装、スイッチ、手すり、キートップ、キーボード、便器の蓋、トイレ用ブラシ、シャワーの取付け部品、電話の受話器、子供用おもちゃ、特にプラスチックのおもちゃ、フィルム、繊維、織物、布地、壁面被覆、壁紙、シーリング材、シングル屋根板、ならびに断熱材、植物育種用の容器および装置、ならびにペトリ皿、貯水槽、送水管または断熱タンクなどの無菌で維持される一般的な容器または囲い;または頻繁に接触されるか、病原菌にさらされる表面を有する他の製品;または電荷、酸素、水分、化合物、特にガス状化合物、電磁放射線もしくは放射性放射線に対して敏感な製品としての請求項13〜18の何れかの製品または調製品の使用。

【公表番号】特表2010−525119(P2010−525119A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504575(P2010−504575)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【国際出願番号】PCT/EP2008/003490
【国際公開番号】WO2008/135212
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(509303877)
【Fターム(参考)】