説明

金属板の曲げ加工用金型

【課題】 一対のダイ部材に偏荷重が作用しても互いに先端縁同士が離間することなく接合状態を保持しながら均等に揺動できるようにし、折り曲げ精度の向上を図る。
【解決手段】 金属板Wを受ける受け面11を有しこの受け面11の先端縁12同士が接合しながら基台1に設けた支点部13を支点として揺動させられる一対のダイ部材10を備え、ダイ部材10の平面位置Xにおいて載置された金属板WをポンチPにより押圧することによりダイ部材10を傾斜位置Yに移動させて金属板を折曲形成するもので、各ダイ部材10の裏面側にこのダイ部材10の先端縁12側から基端16側に向けて順次突出する複数の凸部15を設け、基台1には、各凸部15に夫々対応して設けられダイ部材15の揺動時に先端縁12同士の接合が保持されるように凸部15の先端側の外側面が摺接してガイドされるガイド面21を有したガイド凹部20を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属板を揺動可能な一対のダイ部材に載置しポンチにより押圧することによりV字状に折り曲げるための金属板の曲げ加工用金型に係り、特に、ダイ部材の先端縁同士を接合させながらダイ部材を揺動させて金属板を折曲形成できるようにした金属板の曲げ加工用金型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の金属板の曲げ加工用金型としては、種々のものがあるが、例えば、特許文献1(特許第2546772号公報)に掲載されたものが知られている。図11に示すように、この曲げ加工用金型Kaは、基台100と、一対のダイ部材101とを備えている。このダイ部材101は、金属板Wを受ける受け面102を有し、受け面102の先端縁103同士が接合しながら基台100に設けた支点部104を支点として揺動させられるとともに、揺動により受け面102同士が平面になる平面位置X及び受け面102同士が先端縁103の接合線Lを境に互いに鏡面対称に傾斜して受け面103同士のなす角度を所定角度θにする傾斜位置Yの2位置に位置させられる。また、ダイ部材101は、同期させられて揺動させられる。符号105は、ダイ部材101を傾斜位置Yから平面位置X側に向けて付勢するスプリングであり、ポンチPが退出した際、ダイ部材101を元位置に自動復帰させるものである。
【0003】
そして、金属板Wを折り曲げ加工するときは、ダイ部材101の平面位置Xにおいて金属板Wを受け面102に載置し、ポンチPにより接合線Lに対応する金属板Wの折曲部位を押圧することにより、ダイ部材101を傾斜位置Yに移動させ、金属板Wを折曲形成する。この曲げ加工用金型Kaにおいては、ダイ部材101の受け面102の先端縁103同士が接合しながら金属板Wを折り曲げるので、ダイ部材101の受け面102が金属板Wの全面に密着しながら揺動することになり、そのため、両者の相対的位置ずれがほとんどなく、ダイ部材101に対する金属板Wの滑りや角当たりによる傷の発生を防ぐことができる。
【0004】
また、従来、この種の金属板の曲げ加工用金型においては、上記のダイ部材の裏面側を半月状に形成して、この半月状の部分を基台側の凹部で受けて、ダイ部材の受け面の先端縁同士を接合させながら金属板を折り曲げることができるようにした技術も知られている(例えば、実公昭57−18011号公報等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2546772号公報
【特許文献2】実公昭57−18011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来の金属板の曲げ加工用金型Kaにおいては、一対のダイ部材101は互いに同期をとって揺動させられるが、一方側のダイ部材101に偏荷重が作用した場合には、ダイ部材101が支点部104で滑り、左右のダイ部材101が別々に動いたり、あるいは、互いに押し広げられて、受け面102の先端縁103同士が離間してしまい、そのため、折り曲げ精度に劣っているという問題があった。特に、近年の板金部材においては、金属板Wの折り曲げ幅がきわめて小さい、例えば、数mmの幅であると、偏荷重が生じやすく、そのため、確実に折り曲げを行いにくくなっている。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、一対のダイ部材に偏荷重が作用しても互いに先端縁同士が離間することなく接合状態を保持しながら均等に揺動できるようにし、折り曲げ精度の向上を図った金属板の曲げ加工用金型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するための本発明の金属板の曲げ加工用金型は、基台と、金属板を受ける受け面を有し該受け面の先端縁同士が接合しながら上記基台に設けた支点部を支点として揺動させられるとともに該揺動により上記受け面同士が平面になる平面位置及び上記受け面同士が上記先端縁の接合線を境に互いに鏡面対称に傾斜して該受け面同士のなす角度を所定角度にする傾斜位置の2位置に位置させられる一対のダイ部材と、該ダイ部材を同期させて揺動させる同期機構とを備え、上記ダイ部材の平面位置において金属板を受け面に載置し、ポンチにより上記接合線に対応する金属板の折曲部位を押圧することにより上記ダイ部材を傾斜位置に移動させ該金属板を折曲形成することができるようにした金属板の曲げ加工用金型において、
上記各ダイ部材の裏面側に該ダイ部材の先端縁側から基端側に向けて順次突出する複数の凸部を設け、上記基台に、上記各凸部に夫々対応して設けられ上記ダイ部材の揺動時に上記先端縁同士の接合が保持されるように上記凸部の先端側の外側面が摺接してガイドされるガイド面を有したガイド凹部を形成した構成としている。
【0009】
これにより、金属板を折り曲げ加工するときは、ダイ部材の平面位置において金属板を受け面に載置し、ポンチにより接合線に対応する金属板の折曲部位を押圧することにより、ダイ部材を傾斜位置に移動させ、金属板を折曲形成する。このダイ部材の揺動においては、各ダイ部材の裏面側に設けた凸部の先端側の外側面がガイド凹部のガイド面にガイドされ、このガイドにより、各ダイ部材はその先端縁同士の接合が保持されるように揺動する。即ち、先端縁の接合線は、ポンチが垂直方向の移動を行うとすると、垂直方向の一定の直線の軌跡の通り移動することになる。この場合、例えば、金属板の曲げ幅が数mm程度の小さい場合等には、ダイ部材に対して偏荷重が作用するが、各ダイ部材の裏面側にはダイ部材の先端縁側から基端側に向けて順次複数の凸部が設けられ、これら複数の凸部が何れもガイド凹部によってガイドされているので、各ダイ部材が偏る事態が防止される。そのため、左右のダイ部材が別々に動いたり、あるいは、互いに押し広げられて、受け面の先端縁同士が離間してしまう事態が防止され、ダイ部材は、先端縁同士が離間することなく接合状態を保持しながら均等に揺動でき、その結果、折り曲げ精度が向上させられる。
また、ダイ部材は、先端縁同士が離間することなく接合状態を保持しながら均等に揺動できるので、金属板との相対的位置ずれがほとんどなく、ダイ部材に対する金属板の滑りや角当たりによる傷の発生が防止される。
【0010】
そして、必要に応じ、上記凸部を、上記支点部を境にして上記ダイ部材の先端縁側と基端側とに夫々設けた構成としている。支点部を境にして両側でダイ部材の凸部をガイドするので、各ダイ部材が偏る事態をより一層確実に防止することができる。
【0011】
また、必要に応じ、上記凸部の先端側を上記接合線と平行な軸線を有する円柱状に形成した構成としている。凸部の先端側が円柱状なので、横長になっており、そのため、ガイド凹部によって押さえやすくなり、ダイ部材の偏りをより一層確実に防止することができる。また、ガイド凹部のガイド面の軌跡計算が容易になり、設計がやりやすくなるという効果を奏する。
【0012】
更に、必要に応じ、上記同期機構を、上記各ダイ部材の側面側の互いに対称位置に夫々突設され上記接合線と平行な軸線を有したガイドピンと、上記基台の側面側に沿って設けられ上記ガイドピンが挿通される長孔を有したガイドプレートとを備えて構成している。構造を簡単にして同期を図ることができる。
この場合、上記ガイドプレートを上記基台に対して上記平面位置にあるダイ部材の受け面に直交する方向に移動可能に設け、上記長孔をその長手方向が上記接合線に直交し上記平面位置にあるダイ部材の受け面に平行な方向に沿うように形成したことが有効である。ガイドプレートが移動するので、長孔に無理な力が作用する事態が防止される。
【0013】
また、この場合、上記ガイドピンを上記各ダイ部材の両側面側に設け、上記ガイドプレートを上記基台の両側に設けたことが有効である。両側からダイ部材の揺動の同期をとるので、ダイ部材の揺動動作を円滑に行わせることができる。
更に、この場合、上記基台に、上記ガイドプレートを移動可能にガイドするガイド溝を設けたことが有効である。ガイドプレートがガイド溝に案内されて移動するので、それだけ、ダイ部材の揺動動作を円滑に行わせることができる。
【0014】
また、必要に応じ、上記ガイドプレートの内側に移動ピンを設け、上記基台に上記移動ピンが移動可能に挿通され上記ダイ部材が上記平面位置及び傾斜位置の2位置間で移動可能になるように該移動ピンの移動幅を規定する長孔状の移動規定長孔を形成している。移動規定長孔の両端部に移動ピンが当接すると、ダイ部材の移動も停止するので、ダイ部材を確実に平面位置及び傾斜位置の2位置に位置決めできる。
この場合、上記一方側のガイドプレートの移動ピンと上記他方側のガイドプレートの移動ピンとを連結したことが有効である。両側からダイ部材の揺動の同期をとるので、ダイ部材の揺動動作を円滑に行わせることができる。
【0015】
更に、必要に応じ、上記基台に、上記ダイ部材が上記傾斜位置に位置したとき該ダイ部材の受け面を除く先端部を受ける受け溝を形成した構成としている。これにより、傾斜位置においては、ダイ部材が受け溝に支持されるので、ポンチの荷重が大きくなっても確実にダイ部材を支持することができ、それだけ、金属板の折り曲げを確実に行うことができるようになる。
【0016】
更にまた、必要に応じ、上記支点部を、上記接合線と平行な軸線を有し基台に付設される断面円形のロッドで構成している。断面円形のロッドなので、ダイ部材とは接合線と平行な線接触になり、そのため、揺動動作が円滑に行われる。
【0017】
そしてまた、必要に応じ、上記ダイ部材を上記傾斜位置から平面位置側に向けて付勢するとともに、上記基台内に設けられ上記ダイ部材の上記支点部よりも基端側を付勢するコイルスプリングを有した基端側付勢機構を備えた構成としている。
ダイ部材を基端側で付勢するので、支点部を支点にしたてこの原理によりダイ部材を揺動させることができ、そのため、傾斜位置から平面位置への復帰を円滑に行うことができる。
【0018】
この場合、必要に応じ、上記基端側付勢機構を、上記基台の上記ダイ部材の基端側に対応する位置に設けられ上記平面位置にあるダイ部材の受け面に直交する方向の貫通孔と、該貫通孔に挿通され上記ダイ部材の基端側に雄ネジ部を有するとともにボルト頭を有したボルトと、該ボルトに螺合する雌ネジ部を有した連結杆と、該連結杆と上記ダイ部材の基端側裏面との間に設けられ上記接合線と平行な軸線を有した軸に軸支されたリンクと、上記ボルト頭と上記貫通孔を構成する壁部に設けた段部との間に介装されボルト頭を付勢して上記連結杆及びリンクを介して上記ダイ部材の基端側を引っ張って上記ダイ部材を上記傾斜位置から平面位置側に向けて付勢するコイルスプリングとを備えて構成している。比較的簡易な機構で、基端側付勢機構を構成できるとともに、動作を確実に行うことができる。
【0019】
また、必要に応じ、上記ダイ部材を上記傾斜位置から平面位置側に向けて付勢するとともに、上記基台内に設けられ上記ダイ部材の上記支点部よりも先端縁側を付勢するコイルスプリングを有した先端側付勢機構を備えた構成としている。ダイ部材を先端縁側で付勢するので、支点部を支点にしたてこの原理によりダイ部材を揺動させることができ、そのため、傾斜位置から平面位置への復帰を円滑に行うことができる。
【0020】
この場合、必要に応じ、上記先端側付勢機構を、上記基台の中央に進退動可能に設けられ且つ一端が上記ダイ部材の裏面側を支承するスライダブロックと、上記基台に形成され該スライダブロックを進退動可能にガイドするスライダガイド孔と、該スライダガイド孔内に圧縮状態で設けられスライダブロックの他端を押圧して該スライダブロックを進出方向に付勢するコイルスプリングとを備えて構成している。比較的簡易な機構で、基端側付勢機構を構成できるとともに、動作を確実に行うことができる。
【0021】
この場合、必要に応じ、上記基台に、上記ダイ部材が上記傾斜位置に位置したとき該ダイ部材の受け面を除く先端部を受ける受け溝を形成し、該受け溝を上記ダイ部材の接合線に沿う該ダイ部材の両端部に対応させて基台の両側に夫々設け、
上記スライダガイド孔を上記基台の両側にある受け溝の間に形成し、
上記同期機構を、上記各ダイ部材の側面の互いに対称位置に夫々突設され上記接合線と平行な軸線を有したガイドピンと、該各ダイ部材の側面に沿って設けられ上記ガイドピンが挿通される長孔を有したガイドプレートとを備えて構成し、上記ガイドプレートを上記基台に対して上記平面位置にあるダイ部材の受け面に直交する方向に移動可能に設け、上記長孔をその長手方向が上記接合線に直交し上記平面位置にあるダイ部材の受け面に平行な方向に沿うように形成し、上記ガイドピンを上記各ダイ部材の両側面に設け、上記ガイドプレートを上記基台の両側に設け、上記ガイドプレートの内側に移動ピンを設け、上記基台に上記移動ピンが移動可能に挿通され上記ダイ部材が上記平面位置及び傾斜位置の2位置間で移動可能になるように該移動ピンの移動幅を規定する長孔状の移動規定長孔を形成し、
上記一方側のガイドプレートの移動ピンと上記他方側のガイドプレートの移動ピンとを連結するとともに、該連結された移動ピンを上記スライダガイド孔に設けられるスライダブロックに貫通して設け、上記ガイドプレートとスライダブックとが同動するように構成している。
ガイドプレートと先端側付勢機構のスライダブロックとをリンクさせて同動できるようにしたので、より一層動作を円滑に行わせることができる。
【0022】
そして、必要に応じ、上記ダイ部材の側面を上記基台から露出させるとともに、上記ダイ部材の側面と基台の側面とを面一に形成し、該基台の側面に他の基台の側面を接合して連接可能にした構成としている。これにより、本曲げ加工用金型を、何台でも連接することができるので、金属板の長さの長いものに対応できる。また、連接しても基台から露出したダイ部材の側面が隣接するダイ部材の側面と接合することから、隙間なく接合することができ、そのため、折り曲げ精度を損なう事態が防止される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、金属板を折り曲げ加工する際、ダイ部材の揺動においては、各ダイ部材の裏面側に設けた凸部の先端側の外側面がガイド凹部のガイド面にガイドされ、このガイドにより、各ダイ部材はその先端縁同士の接合が保持されるように揺動する。この場合、例えば、金属板の曲げ幅が数mm程度の小さい場合等には、ダイ部材に対して偏荷重が作用するが、各ダイ部材の裏面側にはダイ部材の先端縁側から基端側に向けて順次複数の凸部が設けられ、これら複数の凸部が何れもガイド凹部によってガイドされているので、各ダイ部材が偏る事態を防止することができる。そのため、左右のダイ部材が別々に動いたり、あるいは、互いに押し広げられて、受け面の先端縁同士が離間してしまう事態を防止することができ、ダイ部材は、先端縁同士が離間することなく接合状態を保持しながら均等に揺動でき、その結果、折り曲げ精度を向上させることができる。また、ダイ部材は、先端縁同士が離間することなく接合状態を保持しながら均等に揺動できるので、金属板との相対的位置ずれがほとんどなく、ダイ部材に対する金属板の滑りや角当たりによる傷の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係る金属板の曲げ加工用金型を示し、(a)は全体斜視図、(b)は縦断面斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る金属板の曲げ加工用金型を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る金属板の曲げ加工用金型を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は底面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る金属板の曲げ加工用金型を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る金属板の曲げ加工用金型の作用を示す図であり、(a)はダイ部材の平面位置における状態を内部の状態とともに示す正面図、(b)はその外観正面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る金属板の曲げ加工用金型の作用を示す図であり、(a)はダイ部材の平面位置から傾斜位置に至る途中の状態を内部の状態とともに示す正面図、(b)はその外観正面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る金属板の曲げ加工用金型の作用を示す図であり、(a)はダイ部材の傾斜位置における状態を内部の状態とともに示す正面図、(b)はその外観正面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る金属板の曲げ加工用金型の作用を示す図であり、(a)はダイ部材の平面位置から傾斜位置に至る途中の状態を示す斜視図、(b)はダイ部材の傾斜位置における状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る金属板の曲げ加工用金型の使用例を示す斜視図である。
【図10】本発明の別の実施の形態に係る金属板の曲げ加工用金型を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図11】従来の金属板の曲げ加工用金型の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る金属板の曲げ加工用金型について詳細に説明する。
図1乃至図8に示すように、本発明の実施の形態に係る金属板の曲げ加工用金型Kは、ポンチPによって折り曲げられる金属板Wを支持するもので、金属製の基台1と、基台1の上側に設けられる一対の金属製のダイ部材10と、同期機構30と、基端側付勢機構40と、先端側付勢機構50とを備えて構成されている。
基台1は、矩形ブロック状であり、基台本体2をベース3で支持したもので、両者は、ベース3を上下に貫通しボルト頭が係止する係止部4aを有したボルト挿通孔4からボルト5を挿通し、基台本体2に設けた雌ネジ部6にボルト5をねじ込むことにより結合される。符号7は、ベース3と基台本体2との間に介装されるキーである。
【0026】
また、基台1は、図3及び図4に示すように、基台本体2の両側面を覆うカバー8を備えている。カバー8を装着した状態では、ダイ部材10の側面10aが基台1から露出させられるとともに、ダイ部材10の側面10aとカバー8を装着した後の基台1の側面1bとは面一に形成され、図9に示すように、基台1の側面1bに他の基台1の側面1bを接合して連接可能に形成されている。
【0027】
一対のダイ部材10は、基台1の上側に設けた凹所1aに収容されこの基台1の側面1bとダイ部材10の側面10aとが同じ向きになるように並設されている。各ダイ部材10は、金属板Wを受ける矩形状の受け面11を有し、受け面11の先端縁12同士が接合しながら基台1に設けた支点部13を支点として揺動させられるとともに、揺動により受け面11同士が平面になる平面位置X(図1,図2,図3,図5)及び受け面11同士が先端縁12の接合線Lを境に互いに鏡面対称に傾斜して受け面11同士のなす角度を所定角度θにする傾斜位置Y(図7,図8(b))の2位置に位置させられる。
【0028】
支点部13は、接合線Lと平行な軸線を有し基台1に付設される断面円形のロッド14で構成されている。ダイ部材10の裏面の支点部13に支持される部位は平面に形成されている。支点部13は、断面円形のロッド14なので、ダイ部材10とは接合線Lと平行な線接触になり、そのため、揺動動作が円滑に行われる。
【0029】
各ダイ部材10の裏面側には、ダイ部材10の先端縁12側から基端側に向けて順次突出する複数の凸部15が設けられている。凸部15は、支点部13を境にしてダイ部材10の先端縁12側と基端16側とに夫々1つずつ設けられている。凸部15の先端側は、接合線Lと平行な軸線を有する円柱状に形成されている。図1(b)に示すように、先端縁12側の凸部15(A)の幅dは、受け面11の幅Dより小さく設定されている。
【0030】
一方、基台1には、各凸部15に夫々対応して設けられダイ部材10の揺動時に先端縁12同士の接合が保持されるように、凸部15の先端側の外側面が摺接してガイドされるガイド面21を有したガイド凹部20が形成されている。ダイ部材10の先端縁12同士の接合線Lは、ポンチPが垂直方向の移動を行うので、垂直方向の一定の直線の軌跡の通り移動するが、このガイド面21の形状は、接合線Lが垂直方向の一定の直線の軌跡を通るように、コンピュータ解析等の手法により決定される。この場合、凸部15の先端側は、接合線Lと平行な軸線を有する円柱状に形成されているので、ガイド凹部20のガイド面21の軌跡計算が容易になり、設計がやりやすくなる。
【0031】
また、基台1には、ダイ部材10が傾斜位置Yに位置したとき、ダイ部材10の受け面11を除く先端部を受ける受け溝22が形成されている。この受け溝22は、ダイ部材10の接合線Lに沿うダイ部材10の両端部に対応させて基台1の両側に夫々設けられている。この受け溝22が形成される部位は、先端縁12側のガイド凹部20に連続しており、その形状は、両側にダイ部材10の先端部があるので、W形状に形成されることになる。W形状の頂部は、接合線Lに対峙する。また、基台1の両側にある受け溝22の間は、後述のスライダガイド孔52が形成されるので空間になっている。
【0032】
次に、同期機構30について説明する。同期機構30は、各ダイ部材10の側面側の互いに対称位置に夫々突設され接合線Lと平行な軸線を有したガイドピン31を備えている。このガイドピン31は、先端縁12側の円柱状の凸部15に接合線Lと平行な軸線を有した挿通孔32を設け、この挿通孔32に挿通されてこの凸部15の左右に突出して設けられている。但し、ダイ部材10の両側面の位置より突出はしない。これにより、ガイドピン31は、各ダイ部材10の両側面側に設けられることになる。
【0033】
また、同期機構30は、基台1の側面側に沿って設けられ、ガイドピン31が挿通される長孔33を有したガイドプレート34を備えて構成されている。このガイドプレート34は、基台1の両側に設けられている。また、このガイドプレート34は、基台1に対して平面位置Xにあるダイ部材10の受け面11に直交する方向に移動可能に設けられており、長孔33はその長手方向が接合線Lに直交し平面位置Xにあるダイ部材10の受け面11に平行な方向に沿うように形成されている。基台1には、ガイドプレート34を移動可能にガイドするガイド溝35が形成されている。ガイドプレート34の表面にはガイドピン31の抜け止めを行うカバープレート36が付設される。
【0034】
更に、各ガイドプレート34の内側には一対の移動ピン37が設けられている。基台1の両側には、移動ピン37が移動可能に挿通され、ダイ部材10が平面位置X及び傾斜位置Yの2位置間で移動可能になるようにこの移動ピン37の移動幅を規定する長孔状の移動規定長孔38が形成されている。移動規定長孔38は、その長手方向が基台1に対して平面位置Xにあるダイ部材10の受け面11に直交する方向になっており、移動ピン37をガイドする。移動ピン37は、この移動規定長孔38及び後述のスライダガイド孔52を通して、各ガイドプレート34に架設されている。即ち、一方側のガイドプレート34の移動ピン37と他方側のガイドプレート34の移動ピン37とは連結されていることになる。この連結された移動ピン37は、後述するスライダガイド孔52に設けられるスライダブロック51に貫通して設けられ、各ガイドプレート34とスライダブック51とが同動するように構成されている。
【0035】
基端側付勢機構40は、ダイ部材10を傾斜位置Yから平面位置X側に向けて付勢するとともに、基台1内に設けられダイ部材10の支点部13よりも基端16側を付勢するコイルスプリング45を有している。詳しくは、基端側付勢機構40は、基台1のダイ部材10の基端16側に対応する位置に設けられ平面位置Xにあるダイ部材10の受け面11に直交する方向の貫通孔41と、貫通孔41に挿通されダイ部材10の基端16側に雄ネジ部を有するとともにボルト頭42aを有したボルト42と、ボルト42に螺合する雌ネジ部を有した連結杆43と、連結杆43とダイ部材10の基端16側裏面との間に設けられ接合線Lと平行な軸線を有した軸に軸支されたリンク44と、ボルト頭42aに係止されるリング47と貫通孔41を構成する壁部に設けた段部41aとの間に介装されボルト頭42aを付勢して連結杆43及びリンク44を介してダイ部材10の基端16側を引っ張ってダイ部材10を傾斜位置Yから平面位置X側に向けて付勢するコイルスプリング45とを備えて構成されている。リンク44のダイ部材10側はダイ部材10の凸部15に形成した切欠きにリンク44の端部が入り込み、このリンク44の端部はこの凸部15に挿通された軸ピン46に軸支されている。
【0036】
先端側付勢機構50は、ダイ部材10を傾斜位置Yから平面位置X側に向けて付勢するとともに、基台1内に設けられダイ部材10の支点部13よりも先端縁12側を付勢する一対のコイルスプリング53を有している。詳しくは、先端側付勢機構50は、基台1の中央に進退動可能に設けられ且つ一端がダイ部材10の裏面側を支承するスライダブロック51と、基台1に形成されスライダブロック51を進退動可能にガイドするスライダガイド孔52と、スライダガイド孔52内に圧縮状態で設けられスライダブロック51の他端を押圧してスライダブロック51を進出方向に付勢するコイルスプリング53とを備えて構成されている。スライダガイド孔52は、基台1のうち、基台本体2の両側にある受け溝22の間に形成されている。そして、コイルスプリング53はスライダブロック51の他端と、ベース3との間に圧縮状態で介装されている。
【0037】
従って、この実施の形態に係る金属板Wの曲げ加工用金型Kにより、金属板Wを折り曲げ加工するときは、図1(a),図2及び図5に示すように、ダイ部材10の平面位置Xにおいて金属板Wを受け面11に載置し、ポンチPにより接合線Lに対応する金属板Wの折曲部位を押圧する。これにより、図6及び図8(a)に示すように、ダイ部材10は、平面位置Xから傾斜位置Yに揺動させられて移動させられるが、この際には、ダイ部材10の基端16側が持ち上がるので、基端側付勢機構40のリンク44を介してコイルスプリング45の付勢力に抗して連結杆43及びボルト42が持ち上がる。また、ダイ部材10の先端縁12側が下がるので、先端側付勢機構50のスライダブロック51がコイルスプリング53の付勢力に抗してスライダガイド孔52を降下する。また、スライダブロック51には、移動ピン37が貫通して設けられているので、ガイドプレート34も降下させられる。移動ピン37はガイドプレート34に架け渡されているので、両側からダイ部材10の揺動の同期をとることになり、そのため、ダイ部材10の揺動動作が円滑に行われる。ガイドプレート34と先端側付勢機構50のスライダブロック51とを連係させて同動できるようにしたので、より一層動作を円滑に行わせることができる。
【0038】
また、この場合、同期機構30の各ダイ部材10のガイドピン31が、降下するガイドプレート34に設けられた長孔33にガイドされるので、各ダイ部材10は同動する。ガイドプレート34が移動するので、長孔33に無理な力が作用する事態が防止される。更に、ガイドプレート34は基台1の両側にあるので、両側からダイ部材10の揺動の同期をとることになり、それだけ、ダイ部材10の揺動動作が円滑に行われる。更に、ガイドプレート34はガイド溝35に案内されて移動するので、それだけ、ダイ部材10の揺動動作を円滑に行わせることができる。ガイドプレート34と先端側付勢機構50のスライダブロック51とを連係させて同動できるようにしたので、より一層動作を円滑に行わせることができる。
【0039】
そして、図6及び図8(a)に示すように、このダイ部材10が平面位置Xから傾斜位置Yに至る過程で、金属板WはV字状に折曲形成されていく。この場合、ダイ部材10の揺動においては、各ダイ部材10の裏面側に設けた凸部15の先端側の外側面がガイド凹部20のガイド面21にガイドされ、このガイドにより、各ダイ部材10はその先端縁12同士の接合が保持されるように揺動する。即ち、先端縁12の接合線Lは、ポンチPが垂直方向の移動を行うとすると、垂直方向の一定の直線の軌跡の通り移動することになる。この場合、例えば、金属板Wの曲げ幅が数mm程度の小さい場合等には、ダイ部材10に対して偏荷重が作用するが、各ダイ部材10の裏面側にはダイ部材10の先端縁12側から基端16側に向けて順次複数の凸部15が設けられ、これら複数の凸部15が何れもガイド凹部20によってガイドされているので、各ダイ部材10が偏る事態が防止される。そのため、左右のダイ部材10が別々に動いたり、あるいは、互いに押し広げられて、受け面11の先端縁12同士が離間してしまう事態が防止され、ダイ部材10は、先端縁12同士が離間することなく接合状態を保持しながら均等に揺動でき、その結果、折り曲げ精度が向上させられる。また、ダイ部材10は、先端縁12同士が離間することなく接合状態を保持しながら均等に揺動できるので、金属板Wとの相対的位置ずれがほとんどなく、ダイ部材10に対する金属板Wの滑りや角当たりによる傷の発生が防止される。
【0040】
また、この場合、ダイ部材10の凸部15は、支点部13を境にしてダイ部材10の先端縁12側と基端16側とに夫々設けられているので、ガイド凹部20は支点部13を境にして両側でダイ部材10の凸部15をガイドすることになり、そのため、各ダイ部材10が偏る事態をより一層確実に防止することができる。また、凸部15の先端側は、円柱状に形成されているので、横長になっており、そのため、ガイド凹部20によって押さえやすくなり、ダイ部材10の偏りをより一層確実に防止することができる。更に、支点部13は断面円形のロッド14なので、ダイ部材10とは接合線Lと平行な線接触になり、そのため、揺動動作が円滑に行われる。
【0041】
図7及び図8(b)に示すように、ダイ部材10が、傾斜位置Yに至ると金属板Wの折り曲げは終了する。この場合、移動規定長孔38の端部に移動ピン37が当接し、ダイ部材10の移動も停止するので、ダイ部材10は確実に傾斜位置Yに位置決めされる。この状態では、ダイ部材10が受け溝22に支持されるので、ポンチPの荷重が大きくなっても確実にダイ部材10を支持することができ、それだけ、金属板Wの折り曲げを確実に行うことができるようになる。
【0042】
そして、ポンチPが後退する。これにより、ポンチPによる押圧力が解除されるので、基端側付勢機構40のコイルスプリング45の付勢力により、ボルト42及び連結杆43が引っ張られ、リンク44を介してダイ部材10の基端16側が降下させられる。この場合、ダイ部材10を基端16側で付勢するので、支点部13を支点にしたてこの原理によりダイ部材10を揺動させることができ、そのため、傾斜位置Yから平面位置Xへの復帰を円滑に行うことができる。
また、先端側付勢機構50のコイルスプリング53の付勢力によりスライダブロック51が上昇させられ、ダイ部材10の先端縁12側がこのスライダブロック51により押し上げられるので上昇する。ダイ部材10を先端縁12側で付勢するので、支点部13を支点にしたてこの原理によりダイ部材10を揺動させることができ、そのため、傾斜位置Yから平面位置Xへの復帰を円滑に行うことができる。
このスライダブロック51には、移動ピン37が貫通して設けられているので、ガイドプレート34も上昇させられる。この場合、同期機構30の各ダイ部材10のガイドピン31が、上昇するガイドプレート34に設けられた長孔33にガイドされるので、各ダイ部材10は同動する。ガイドプレート34と先端側付勢機構50のスライダブロック51とを連携させて同動できるようにしたので、より一層動作を円滑に行わせることができる。
このようにして、金属板Wの折り曲げが行われる。
【0043】
また、図9に示すように、実施の形態に係る金属板の曲げ加工用金型Kによれば、ダイ部材10の側面10aを基台1から露出させるとともに、ダイ部材10の側面10aと基台1の側面1b(カバー8の外側面)とを面一に形成し、基台1の側面1bに他の基台1の側面1bを接合して連接可能にしたので、この曲げ加工用金型Kを、何台でも連接することができる。そのため、金属板Wの長さの長いものに対応できる。また、連接しても基台1から露出したダイ部材10の側面10aが隣接するダイ部材10の側面10aと接合することから、隙間なく接合することができ、そのため、折り曲げ精度を損なう事態が防止される。
【0044】
尚、上記の実施の形態において、基端側付勢機構40は、各ダイ部材10毎に夫々1つずつ設けたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、図10に示すように、各ダイ部材10毎に夫々2つずつ設ける等、適宜変更して差し支えない。この場合には、1台の曲げ加工用金型Kを大きく形成することができる。また、上記実施の形態においては、凸部15及びこれに対応する凹部20を、1つのダイ部材10当たり2組設けたが必ずしもこれに限定されるものではなく、3組以上設けても良く、適宜変更して差し支えない。
【符号の説明】
【0045】
K 曲げ加工用金型
W 金属板
P ポンチ
1 基台
1b 側面
8 カバー
10 ダイ部材
10a 側面
X 平面位置
Y 傾斜位置
11 受け面
12 先端縁
L 接合線
13 支点部
14 ロッド
15 凸部
16 基端
20 凹部
21 ガイド面
22 受け溝
30 同期機構
31 ガイドピン
33 長孔
34 ガイドプレート
35 ガイド溝
36 カバープレート
37 移動ピン
38 移動規定長孔
40 基端側付勢機構
41 貫通孔
42 ボルト
43 連結杆
44 リンク
45 コイルスプリング
50 先端側付勢機構
51 スライダブロック
52 スライダガイド孔
53 コイルスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、金属板を受ける受け面を有し該受け面の先端縁同士が接合しながら上記基台に設けた支点部を支点として揺動させられるとともに該揺動により上記受け面同士が平面になる平面位置及び上記受け面同士が上記先端縁の接合線を境に互いに鏡面対称に傾斜して該受け面同士のなす角度を所定角度にする傾斜位置の2位置に位置させられる一対のダイ部材と、該ダイ部材を同期させて揺動させる同期機構とを備え、上記ダイ部材の平面位置において金属板を受け面に載置し、ポンチにより上記接合線に対応する金属板の折曲部位を押圧することにより上記ダイ部材を傾斜位置に移動させ該金属板を折曲形成することができるようにした金属板の曲げ加工用金型において、
上記各ダイ部材の裏面側に該ダイ部材の先端縁側から基端側に向けて順次突出する複数の凸部を設け、上記基台に、上記各凸部に夫々対応して設けられ上記ダイ部材の揺動時に上記先端縁同士の接合が保持されるように上記凸部の先端側の外側面が摺接してガイドされるガイド面を有したガイド凹部を形成したことを特徴とする金属板の曲げ加工用金型。
【請求項2】
上記凸部を、上記支点部を境にして上記ダイ部材の先端縁側と基端側とに夫々設けたことを特徴とする請求項1記載の金属板の曲げ加工用金型。
【請求項3】
上記凸部の先端側を上記接合線と平行な軸線を有する円柱状に形成したことを特徴とする請求項1または2記載の金属板の曲げ加工用金型。
【請求項4】
上記同期機構を、上記各ダイ部材の側面側の互いに対称位置に夫々突設され上記接合線と平行な軸線を有したガイドピンと、上記基台の側面側に沿って設けられ上記ガイドピンが挿通される長孔を有したガイドプレートとを備えて構成したことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載の金属板の曲げ加工用金型。
【請求項5】
上記ガイドプレートを上記基台に対して上記平面位置にあるダイ部材の受け面に直交する方向に移動可能に設け、上記長孔をその長手方向が上記接合線に直交し上記平面位置にあるダイ部材の受け面に平行な方向に沿うように形成したことを特徴とする請求項4記載の金属板の曲げ加工用金型。
【請求項6】
上記ガイドピンを上記各ダイ部材の両側面側に設け、上記ガイドプレートを上記基台の両側に設けたことを特徴とする請求項5記載の金属板の曲げ加工用金型。
【請求項7】
上記基台に、上記ガイドプレートを移動可能にガイドするガイド溝を設けたことを特徴とする請求項6記載の金属板の曲げ加工用金型。
【請求項8】
上記ガイドプレートの内側に移動ピンを設け、上記基台に上記移動ピンが移動可能に挿通され上記ダイ部材が上記平面位置及び傾斜位置の2位置間で移動可能になるように該移動ピンの移動幅を規定する長孔状の移動規定長孔を形成したことを特徴とする請求項6または7記載の金属板の曲げ加工用金型。
【請求項9】
上記一方側のガイドプレートの移動ピンと上記他方側のガイドプレートの移動ピンとを連結したことを特徴とする請求項8記載の金属板の曲げ加工用金型。
【請求項10】
上記基台に、上記ダイ部材が上記傾斜位置に位置したとき該ダイ部材の受け面を除く先端部を受ける受け溝を形成したことを特徴とする請求項1乃至9何れかに記載の金属板の曲げ加工用金型。
【請求項11】
上記支点部を、上記接合線と平行な軸線を有し基台に付設される断面円形のロッドで構成したことを特徴とする請求項1乃至10何れかに記載の金属板の曲げ加工用金型。
【請求項12】
上記ダイ部材を上記傾斜位置から平面位置側に向けて付勢するとともに、上記基台内に設けられ上記ダイ部材の上記支点部よりも基端側を付勢するコイルスプリングを有した基端側付勢機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至11何れかに記載の金属板の曲げ加工用金型。
【請求項13】
上記基端側付勢機構を、上記基台の上記ダイ部材の基端側に対応する位置に設けられ上記平面位置にあるダイ部材の受け面に直交する方向の貫通孔と、該貫通孔に挿通され上記ダイ部材の基端側に雄ネジ部を有するとともにボルト頭を有したボルトと、該ボルトに螺合する雌ネジ部を有した連結杆と、該連結杆と上記ダイ部材の基端側裏面との間に設けられ上記接合線と平行な軸線を有した軸に軸支されたリンクと、上記ボルト頭と上記貫通孔を構成する壁部に設けた段部との間に介装されボルト頭を付勢して上記連結杆及びリンクを介して上記ダイ部材の基端側を引っ張って上記ダイ部材を上記傾斜位置から平面位置側に向けて付勢するコイルスプリングとを備えて構成したことを特徴とする請求項12記載の金属板の曲げ加工用金型。
【請求項14】
上記ダイ部材を上記傾斜位置から平面位置側に向けて付勢するとともに、上記基台内に設けられ上記ダイ部材の上記支点部よりも先端縁側を付勢するコイルスプリングを有した先端側付勢機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至13何れかに記載の金属板の曲げ加工用金型。
【請求項15】
上記先端側付勢機構を、上記基台の中央に進退動可能に設けられ且つ一端が上記ダイ部材の裏面側を支承するスライダブロックと、上記基台に形成され該スライダブロックを進退動可能にガイドするスライダガイド孔と、該スライダガイド孔内に圧縮状態で設けられスライダブロックの他端を押圧して該スライダブロックを進出方向に付勢するコイルスプリングとを備えて構成したことを特徴とする請求項14記載の金属板の曲げ加工用金型。
【請求項16】
上記基台に、上記ダイ部材が上記傾斜位置に位置したとき該ダイ部材の受け面を除く先端部を受ける受け溝を形成し、該受け溝を上記ダイ部材の接合線に沿う該ダイ部材の両端部に対応させて基台の両側に夫々設け、
上記スライダガイド孔を上記基台の両側にある受け溝の間に形成し、
上記同期機構を、上記各ダイ部材の側面の互いに対称位置に夫々突設され上記接合線と平行な軸線を有したガイドピンと、該各ダイ部材の側面に沿って設けられ上記ガイドピンが挿通される長孔を有したガイドプレートとを備えて構成し、上記ガイドプレートを上記基台に対して上記平面位置にあるダイ部材の受け面に直交する方向に移動可能に設け、上記長孔をその長手方向が上記接合線に直交し上記平面位置にあるダイ部材の受け面に平行な方向に沿うように形成し、上記ガイドピンを上記各ダイ部材の両側面に設け、上記ガイドプレートを上記基台の両側に設け、上記ガイドプレートの内側に移動ピンを設け、上記基台に上記移動ピンが移動可能に挿通され上記ダイ部材が上記平面位置及び傾斜位置の2位置間で移動可能になるように該移動ピンの移動幅を規定する長孔状の移動規定長孔を形成し、
上記一方側のガイドプレートの移動ピンと上記他方側のガイドプレートの移動ピンとを連結するとともに、該連結された移動ピンを上記スライダガイド孔に設けられるスライダブロックに貫通して設け、上記ガイドプレートとスライダブックとが同動するように構成したことを特徴とする請求項15記載の金属板の曲げ加工用金型。
【請求項17】
上記ダイ部材の側面を上記基台から露出させるとともに、上記ダイ部材の側面と基台の側面とを面一に形成し、該基台の側面に他の基台の側面を接合して連接可能にしたことを特徴とする請求項1乃至16何れかに記載の金属板の曲げ加工用金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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